JP2019166372A - フィルタの段階的浸水を伴う体外血液処理用装置の充填および空気抜きを行うためのシステム - Google Patents

フィルタの段階的浸水を伴う体外血液処理用装置の充填および空気抜きを行うためのシステム Download PDF

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Abstract

【課題】人工心肺の患者モジュールのような体外血液処理用装置の充填および空気抜きを、患者に取り付けられていない状態で行う、患者血液の体外処理のためのシステムを提供する。【解決手段】患者血液の体外処理のためのシステムは、制御モジュールと患者モジュールとを備える。制御モジュールの評価および制御エレクトロニクスは、システムが充填液の供給源に接続された後でかつシステムのユーザが充填及び空気抜き処理の初期設定をした後に、初期人的介入を伴わず、少なくとも制御モジュールの送血ポンプ駆動装置及び患者モジュールの構成部品を自動的に制御することによって、患者モジュールの血液運搬及び処理回路の充填と患者モジュールのリザーバの空気抜きとを完了させて当該血液運搬及び処理回路からの空気抜きを行わせるように適合された制御ユニット302を含む。【選択図】図10a

Description

本発明は、概して体外血液処理を実行するための方法および装置に関するとともにその
ような装置を備えるシステムおよびキットに関する。特に、本発明は、人工心肺のような
システム、および関連する患者モジュールのような体外血液処理用装置、ならびに関連す
る空気抜き方法に関する。
人工心肺が使用可能となる前に、人工心肺は患者をシステムに迅速かつ安全に接続され
うるように準備されなければならない。これには、血液を運搬する構成部品を充填液によ
り空気抜き(「脱気」とも呼ばれる)した人工心肺が必要である。充填作業は人工心肺の
「プライミング」とも呼ばれる。
空気の混入や空気の排出量は、後に患者に使用される際に空気塞栓症を引き起こすこと
があり、最悪の場合には死亡原因となりうる。
従来の人工心肺の構成部品およびホース系統は、従来大部分は手動で充填および空気抜
きが行われて使用準備がなされる。この準備は、例えば、構成部品の部分的充填、ホース
ラインの手動締止、気泡の「たたき出し」、構成部品の角度調節、または送血ポンプの周
期的駆動によって行なわれる。人工肺、フィルタおよび送血ポンプのような構成部品に加
えて、ホース、コネクタおよびリザーバのような構成部品も空気抜きが行われなければな
らない。従来の人工心肺の空気抜きを充填で行う場合、その充填作業は専門家(心臓技術
者)により行なわれなければならない。これは通常の手術にも当てはまる。上述の手動介
入によって、システムの使用準備が完了となる。あるシステムでは、充填作業は半自動的
に行なわれるが、それでもなお充填作業を実施する熟練の技術職員または心臓技術者のう
ち少なくともいずれかを必要とする。半自動的な方法では、作業者はホースの締止、ポン
プ作用の開始などを一部行わなければならない。
一般に、これらの手動介入は複雑であり、かつ人員の点でコストが大きい。これらの手
動介入は誤も生じやすく、文書化も困難である。
手動介入の使用は、特に緊急事態においては、人工心肺の迅速な始動を頼りとする患者
に難事をもたらすことがある。加えて、介入作業に必要とされるコストおよび時間が増加
する。
ライフブリッジ・メディツインテヒニーク・アーゲーの特許文献1は、半自動的充填を
備えたポータブル人工心肺について述べている。これらのポータブル人工心肺は、ベース
ステーションと、付属の患者モジュールを備えた制御モジュールとで構成されている。特
許文献1は、その全体があらゆる目的に関して本願に援用される。患者モジュールは血液
運搬用の構成部品を包含し、使用後は制御モジュールから分離することにより処分される
。血液運搬用の構成部品は、遠心ポンプの形態の送血ポンプ、充填レベルセンサを備えた
リザーバ、動脈フィルタ、人工肺、様々な接続用ホースおよびバイパス、ならびに、空気
泡およびガス泡の検出用のセンサならびに圧力および流量測定用のセンサも備えている。
特許文献1に記載されているポータブル人工心肺では、構成部品の充填および空気抜き
は、完成品ユニットを充填位置まで手動で90度回転することによって行われる。充填位
置では、次いで充填を可能にする自動的方法が開始される。充填作業の後、該ユニットは
充填済作動位置に戻るように90度回転される。作動位置への回転、ならびに気泡の自動
的検出および除去の方法により、システムは作動状態に至る。
しかしながら、空気抜きの間の回転移動については、患者モジュールを備えた制御モジ
ュールを作動位置から充填位置へ、および再び元通りに移動させるために、付加的な機械
的回転ホルダが必要である。
さらに、手動のシステムにおいて、また半自動システムにおいても、構成部品の目視検
査にもかかわらず見落とされているかまたは検出されていない混入空気の危険が存在する
本出願人と同じ出願人の特許文献2(すべての目的に関して全体が本願に援用される)
には、特に人工心肺において体外血液循環を利用可能にするための装置が開示されており
、その装置は、静脈接続部および動脈接続部を備え、それら接続部の間に血液リザーバ、
送血ポンプおよび気泡検出用の気泡検出器が設けられ、該気泡検出器の下流に、動脈クラ
ンプを介して動脈接続部に通じる動脈ラインおよびバイパスクランプを介して血液リザー
バに戻るバイパスを備え、血液リザーバは該血液リザーバから空気を抜き取るポンプに接
続されている。また、そのような装置の操作方法が開示されている。特許文献3には、「
体外血液回路プライミングシステムおよび方法」が開示されている。心肺バイパス手術の
間に使用されてガス交換、熱伝達および微小塞栓濾過機能を行なう使い捨て式の統合型体
外血液回路が開示される。手動のプライミング方法が説明されている。
欧州特許第1661592号明細書 米国特許出願公開第2008/171960号明細書 国際公開第2005/065743号パンフレット
そこで、そのようなプライミングの改善を可能にする改善されたプライミング方法およ
びシステムを提供する必要がある。好都合には、プライミングは自動で行われるべきであ
る。
したがって、本開示のねらいは、人工心肺が、作業者による入力を伴うことなく全自動
で充填により空気抜きされ、ひいては安全に使用準備完了となりうることを確実にするこ
とである。人工心肺の起動(初期設定、様々なホースラインの手動取り付けおよび充填液
の手動取り付け)と患者への取り付けとの間に、患者モジュール内の構成部品に対して空
気抜きのための手動介入は行なわれるべきではない。さらに、空気抜き方法の所要時間は
、空気抜き作業のための事前に必要なベースモジュールの回転をなくすことにより、さら
に短縮されるように意図される。これによりシステムは、特に短期的な緊急使用について
、迅速に使用可能となる。
したがって、ポータブル人工心肺の形態の人工心肺の準備および空気抜きのための方法
であって、作業者の介入を伴わずに行われうる方法を利用可能にすることが望ましい。充
填液の取り付けおよびテーブルラインの取り付けの後、充填作業が手動で開始されて全自
動で進行することが特に望ましい。
送血ポンプおよび動脈フィルタのような空気抜きが困難な構成部品は、該空気抜き方法
において、構成部品内の空気がうまく追い出されて抜け出ることができるような方法で利
用可能となるようになっていることが好ましい。該構成部品および方法によって空気抜き
作業の文書化が可能となるはずである。
本開示の目的は、従来の方法および装置の上記短所を克服し、有利な解決策を提供する
ことである。
上記目的は、添付の特許請求の範囲の独立請求項の特徴を有する本発明の装置、システ
ム、方法またはコンピュータプログラムによって達成される。
輸送中であっても信頼できる充填により、本明細書中以下に記載されるシステムおよび
方法の利用可能範囲が拡大する。
従って、本発明の実施形態は、少なくとも下記の長所を有する方法及び装置を提供する
ことにより、上記に特定された単独または任意の組み合わせのような当分野における1ま
たは複数の欠陥、短所または問題点の軽減、緩和または排除を図ることが好ましい。
好ましくはポータブル人工心肺の形態の人工心肺のような体外血液処理用の装置におい
て準備および空気抜きを行うための方法であって、作業者の介入を伴わずに続行可能であ
る方法が提供される。この作業の準備および開始のみが必要である。該作業の残りの部分
は自動的に行われ、かつモニタリングされる。充填液の取り付けおよびテーブルラインの
取り付けの後、充填作業は手動で開始され、次いで全自動で行なわれる。
好ましくは人工心肺のような、体外血液処理用の該システムは、静止環境だけでなく輸
送中にも充填が行われうる。
体外血液処理用の装置の、送血ポンプおよび動脈フィルタのような空気抜きが困難な構
成部品からも、該構成部品の設計および配置ならびに該空気抜き方法により、空気が追い
出されて抜け出ることができる。
電子プロトコル中に空気抜き作業をモニタリングして記録することが可能である。該シ
ステムの最も重要な状態についてそこに保存されてもよい。上記状態には、例えば、クラ
ンプの状態、時間の状態、圧力、流量、気泡検出のようなパラメータ用のセンサの状態が
含まれる。
用語「備える」は、本明細書中で使用される場合、明記された特徴、整数、ステップま
たは構成部品の存在を指定するために用いられるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステッ
プ、構成部品またはこれらの集合物の存在または付加を妨げるものではないことを強調し
ておく。
本発明の実施形態が有しうる上記のおよびその他の態様、特徴および利点は、添付図面
を参照しながらの以降の本発明の実施形態の説明から明白となり、かつ解明されるであろ
う。
通常の充填方向における動脈フィルタの断面図。 逆行する充填方向における動脈フィルタの断面図。 送血ポンプの概略図。 送血ポンプの概略図。 方法1用循環システムの模式図。 逆行式充填を伴う方法2用循環システムの模式図。 圧力測定を統合した方法1用循環システムの模式図。 圧力測定を統合した方法2用循環システムの模式図。 様々な方法のステップの概略図。 様々な方法のステップの概略図。 方法を実行するための様々なコンピュータプログラムの概略図。 方法を実行するための様々なコンピュータプログラムの概略図。
本発明について、様々な実施形態において、かつ本発明を実行するための様々な方法の
説明と共に記載するが、当業者には、これらの実施形態は本発明がとりうる多数の形態の
実例となる非限定的な実施例にすぎないことが認識されるであろう。体外血液処理用の装
置は、人工心肺に配置されることが好ましい。他の適用は、例えば他の実施形態における
透析機などにある。
より具体的には、記載される本発明の装置およびシステムの実施形態は、自動の空気抜
き方法を実行するのに適している。
人工心肺の充填に際して空気抜きを実行するためのそのような方法のいくつかの例は、
下記に詳細に記載される。
上述のように、特許文献1に記載されたポータブル人工心肺では、完成品ユニットを充
填位置へと手動で90度回転することによって構成部品が充填および空気抜きされる。充
填作業の後、完成品ユニットは充填済の作動位置へと90度逆に回転される。
充填ステップは、患者モジュール内にある構成部品の空気抜きを行う役割を果たし、ベ
ースステーション上で患者モジュールを備えた制御モジュールを90度回転移動すること
によって実行される。患者モジュールを備えた制御モジュールが充填位置にあるとき、送
血ポンプは付属の注入液バッグからリザーバ経由でシステム内へと時間制御方式で充填液
を送液する。このようにして構成部品は充填液で充填され、該部品内にあった空気は追い
出される。その後の使用に際し、患者モジュールを備えた制御モジュールは作動位置に戻
るように回転され、充填液をさらにポンプ送液することにより作動位置において規定時間
にわたって構成部品の空気抜きが継続される。
充填位置への回転、およびこの充填位におけるシステムの空気抜きは、送血ポンプ(遠
心ポンプ)のポンプヘッドおよび動脈フィルタという2つの構成部品にとって必要である
ポンプヘッドは、作動位置にあるシステムにおいて、ポンプの出口が下方を向くように
、したがって作動中に混入し得る空気が該ヘッドの内部で上昇してそこに集まり、循環シ
ステム内へは入ることができないように配置される。充填が作動位置で行われれば、ポン
プヘッドの上部内の空気は抜け出ることはできないであろう。この理由から、システムは
、空気がポンプヘッドの入口から抜け出ることを可能にし、したがって空気を含まない充
填を確実にするために、充填位置へと90度回転される。
動脈フィルタは、システムが作動位置にあるときに、その構造ゆえに出口が下方を向く
ようにかつ入口が該フィルタの一番上で横方向に配置されるように、配置される。仮にフ
ィルタが作動位置において入口側(フィルタ処理前側)から充填される場合、充填液がフ
ィルタ処理前側からフィルタ処理後側へと横断してフィルタは充填される。フィルタ処理
後側では、内側フィルタエリアにおいて、充填により混入空気は上部および同様に下部へ
と導かれうる。フィルタの下部出口エリアの混入空気は、作動中に抜け出すことがあり、
よって循環内に入ることがある。対照的に、フィルタが該フィルタの一番上に配置された
空気抜きライン(パージライン)から最初に充填され、次いで充填位置における入口側(
水平方向)から充填される場合、フィルタ内の空気は排出されうる。フィルタ内に残って
いる空気の残りは、作動位置への回転後に空気抜きラインを介してフィルタから除去され
る(図1を参照)。
システムの90度の回転がなければ、従来、送血ポンプおよび動脈フィルタの空気抜き
において問題が発生する恐れがあった。従来では気泡が1つ以上の構成部品に蓄積するこ
とがあった。
フィルタについても、従来、フィルタの充填の間に、該フィルタの膜構造が充填液の表
面張力によって「閉鎖」されることにより空気抜きが不可能となることもあった。空気は
湿った膜を通って抜け出し得ない。
さらに、フィルタの出口部に装着されたホースから上昇する空気はフィルタの出口エリ
アに集まった。この混入空気は入口側から流れ込んでいる液体を通り抜けて上昇すること
はできず、フィルタ出口の方向に連続的に「連行」されて粉砕された。
原則としては、それでも気泡を毛細管力より高い圧力で強制的に湿った膜を通すという
ことも考えられる。しかしながら実際には、これはいくつかの理由で実現可能ではない。
例えば、リザーバが破壊される恐れがある。フィルタも影響を受ける恐れがある。ポンプ
が過負荷となって機能しなくなる恐れがある。加えて、システムの最大作動圧より高い圧
力が必要になるであろうが、これは漏れを引き起こす恐れがある。あるいは、より高い作
動圧に耐え得る構成部品を使用しなくてはならないかもしれないが、それらは非常に高価
であり、したがって市販の代替品は存在しない。
本発明のいくつかの実施形態では、圧力は、高いポンプ速度で作動している送血ポンプ
によって、充填作業の終了時に一時的に上昇する。システム内の圧力は、最大作動圧を下
回るが最大作動圧に接近するように選択される。
先行技術の上述した短所は本発明の実施形態によって回避される。システムを90度回
転することなく空気抜きを伴う全自動の充填が可能となる。これは以下に詳細に説明され
る。
実施形態に記載される体外血液処理システムは、付属の患者モジュールを備えた制御モ
ジュールで構成されている。自動ホースクランプ、送血ポンプ駆動装置、ならびに評価お
よび制御エレクトロニクスは、制御モジュール内にある。患者モジュールは体外血液処理
用の装置である。循環血液を運搬する構成部品は患者モジュール内にある。システムはこ
のように2部構成である。患者モジュールの作動位置はその充填位置でもある。回転ホル
ダは省略される。
図5乃至図8に示された患者モジュールの構成部品は概略図ではあるが、相互の水平方
向の位置関係は実際のものになっている。これは特にリザーバ2、送血ポンプ6、人工肺
3およびフィルタ5に当てはまる。構成部品の相互位置の詳細および重要性については、
ここでいくつかの実施形態によって一層詳細に説明される。
流れ方向は、該当するライン、ホースまたは構成部品の上の太字矢印によって図中に示
されている。
図5は循環システムを示す。循環は以下のように構築される。すなわち:静脈側から始
まって、静脈ライン15はスクリーン28を備えたリザーバ2で終了する。静脈ライン1
5に接続されるのは投液ライン17であり、該投液ラインを通して、貯留コンテナ45か
らの充填液および任意選択で使用中に供給される液体が回路内に導入されうる。この投液
ライン17から静脈ライン15へは第3ホースクランプ23(HC3)によって制御され
る。
本明細書中に記載されたホースクランプは流体ライン用の一般的な制御可能弁である。
流体とは、血液または代用血液のような液体、または空気のような気体として理解される
欧州特許第1705375号明細書(参照により全体がすべての目的に関して本願に援
用される)に記載されるように、リザーバ2は、静脈ライン15からの入口12、および
リザーバ2の空気抜きを行う目的でリザーバの上部13に取り付けられたホースクランプ
機能を備えたローラポンプ39を有している。
リザーバ2には、上側充填レベルセンサ10および下側充填レベルセンサ11が装備さ
れている。リザーバは、リザーバの表面の4/5にわたって入口エリアと出口エリアとを
隔てるスクリーン28を備える。
さらにリザーバ2は下部に送血ポンプ6への出口部を有する。
図3および4に示したように、送血ポンプ6は遠心ポンプであることが好ましい。送血
ポンプ6の出口62は接線方向に上を向いている。送血ポンプ6の入口61は軸方向に配
置される。空気抜き作用を達成するために、ポンプヘッドは、図4に示したように直角位
置から時計回りに約10度および反時計回りに約20度回転されうる。
リザーバ2の下流の送血ポンプ6は、リザーバ2に取り付けられる軸方向の入口61を
有し、接線方向出口62は人工肺3の静脈側に接続される。
人工肺3の動脈接続部から、液体ライン(例えばホース)が動脈フィルタ5へと延びる
。人工肺3はさらに、酸素供給(図示せず)のための接続部、および循環システム内の液
体の温度を制御するための温熱装置(図示せず)のための接続部を有する。人工肺3はさ
らに、第2のホースクランプ22(HC2)を介してリザーバの上部に分離可能なように
接続される空気抜きライン18のための接続部を有する。
図1および図2は異なる状態の動脈フィルタ5を示す。動脈フィルタ5は、動脈側への
出口51に加えて、さらに、該フィルタの上部に装着されてリザーバの上部13に通じて
いる空気抜きライン55も有し、この空気抜きライン55は第1のホースクランプ21(
HC1)によって締止されうる。該フィルタは、フィルタ処理前側53およびフィルタ処
理後側54を有する。
動脈フィルタの下流に配置された気泡センサ30は、気泡を検出すると下流の急動ホー
スクランプ20(QAHC)を活性化する。そのようなQAHC20は欧州特許第1,6
98,371号明細書(全体がすべての目的に関して本願に援用される)に記載されてい
る。
気泡センサによって気泡が検出されると、QAHC20は動脈ライン42を閉止してバ
イパス40のための第4のホースクランプ24(HC4)を開放し、その結果液体は、検
出される気泡が患者モジュール1の循環内に存在しなくなるまでその回路を回ってポンプ
送液されるようになっている。圧力および流量のセンサ34、37、38は同様に循環内
に組み込まれる。システムの空気抜きが行われる前に、テーブルセット33が静脈接続部
32bおよび動脈接続部32aに取り付けられるが、テーブルセット33は循環を閉止し
、かつ空気抜きの際に充填もなされる。患者は充填作業の間は該循環につながれていない
患者モジュール1の構成部品は、以下のように該部品の位置に配置される。
リザーバ2は45度傾斜した位置に設置される。しかしながら、システム内で直立する
こともできる。リザーバ2の最大充填レベル100は上側充填レベルセンサ10によって
調節される。充填作業の間、患者モジュール1の液位はこのように、動脈フィルタ5の上
面56より下に位置するように調節されうる。この位置により、フィルタ5が液体で完全
に充填されてその結果該フィルタのフィルタエレメント52の膜の上部が充填液で湿る状
況が回避される。混入空気は、フィルタ5の膜の、常に「開放状態」であって湿っていな
い、したがって気体浸透性の上部を通過することが可能であり、抜け出ることができる。
人工肺3の上面は、フィルタ5の上面よりも下にあるかまたは同じ高さに位置する。リ
ザーバ2の送血ポンプ6は、リザーバの最大充填レベルより下方、上側充填レベルセンサ
10の水平位置より下方に位置する。送血ポンプ6は、リザーバ2の下端縁より下に配置
されてもよい。ポンプ6の液体運搬部は、このように常に上側充填レベルセンサ10より
下方に位置する。したがって、充填液は、充填液コンテナ45からポンプ6の接線方向出
口62を通って下流の構成部品へと単に重力のみによって通過することができる。ポンプ
6においては混入空気の危険はない。
人工心肺用の患者モジュール1には、構成部品の相対的な空間的な位置を確実なものと
する支持構造物が提供されている。したがって、患者モジュール1は、送血ポンプ6、上
面を備えた人工肺3、上面を備えたフィルタ5、およびリザーバ2を備えた血液回路を包
含している。患者モジュールの作動位置において、構成部品は支持構造物の中で相互に水
平な位置に配置されている。人工肺3の上面は、フィルタ5の上面より下にあるかまたは
同じ高さに位置している。送血ポンプ6の液体運搬部は、リザーバ2の上側充填レベルセ
ンサ10の水平位置より下方に位置し、よってリザーバ2の最大充填レベルより下方に位
置する。フィルタの上面は、リザーバの上側充填レベルセンサよりも高い位置にある。し
たがって、フィルタ5の部分的な充填が制御可能であることにより、血液回路の有利な空
気抜きが可能となる。
1つの実施形態では、患者モジュールのフィルタ5は上面に取り付けられた空気抜きラ
インを有し、該空気抜きラインの取り付け地点は上側充填レベルセンサ10よりも高い所
にある。
第1の制御可能弁21(HC1)はフィルタの空気抜きラインに配置される。人工心肺
の制御ユニット302(図10aおよび図10b)は、上側充填レベルセンサ10の反応
後に第1の制御可能弁21(HC1)が少なくとも部分的に閉止されるように構成される
。リザーバ2の下端縁は下端縁を有し、送血ポンプ6は該下端縁の下方にあるかまたはリ
ザーバの下端縁の水平レベルより下方にある(図示せず)。別の例では、送血ポンプ6は
リザーバの下3分の1の高さにある。
患者モジュールはさらなる第5のホースクランプ25(HC5)を有することもできる
。HC5 25は、静脈ライン15において投液口およびリザーバ2と、リザーバ、フィ
ルタおよび人工肺より高い所にある充填液の供給地点との間に配置される(図6の患者モ
ジュールの実施形態を参照)。
人工心肺は、本発明による患者モジュールの全自動の充填および空気抜きを行うための
制御ユニットを有する。患者モジュールの充填および空気抜きを行うための該制御ユニッ
トは、フィルタ5の能動的な充填を制御するために、フィルタ5の空気抜きラインに対す
る充填作業の開始後およびリザーバ2の上側充填レベルセンサ10の反応後に開放される
第1の制御可能弁21(HC1)を、閉止するように構成されている。よって、患者モジ
ュールより高い所に位置し、かつ患者モジュールに接続された充填液コンテナ45からの
充填液は、重力によって、システムの静脈側を介してリザーバ2へ、かつ前進してリザー
バ2の下端に位置する送血ポンプ6の中へ、次いで前進してフィルタ5の中へ流入する。
したがって、閉止された第1の制御可能弁21(HC1)およびそれゆえ閉止された空
気抜きラインによってフィルタ内に空気クッションが作出される。空気クッションは、入
って来る充填液の流れの挙動を鈍らせる。送血ポンプの第1の速度は制御ユニット302
によって選択されて、入口側からのフィルタ5の緩慢な充填が生じ、かつこのフィルタは
部分的にのみ充填されるように、またフィルタ膜52の上部は充填液によって湿ることの
ないままであり、よってさらなる充填および空気抜き作業に関しては空気浸透性のままで
あるようになっている。
さらに、図6のような実施形態では、制御ユニットは、リザーバ内の充填液が下側充填
レベルセンサ11によって検出されると第5の制御可能弁25(HC5)を閉止するよう
に構成される。この結果、投液口とリザーバ2との間の静脈接続は、第5の制御可能弁2
5(HC5)によって分離される。これで充填液は静脈ラインのみを通ってバイパス40
経由で動脈フィルタ5へ流れることになる。したがって、加わる圧力によって、フィルタ
5は出口側から重力によって逆行方式で充填される。
患者モジュールは気泡センサ30を備えることができる。気泡センサはシステム内の空
気を検出するように配置される。気泡が該センサによって検出されると、制御ユニットは
急動ホースクランプ(QAHC)20によりテーブルセットのスイッチを切るように構成
される。第4の制御可能弁24(HC4)は再び開放され、システム内の空気はリザーバ
経由で追い出される。
人工心肺に提供される患者モジュールは、充填および空気抜き作業が人工心肺の輸送中
に行なわれることを可能にする。輸送は、そのような装置の、定常動作とは異なる課題を
もたらす作動状態である。例をあげると、例えば救急車またはヘリコプター内では空間に
制限がある。さらに、作業者を得られる機会が制限される場合もある。このことから、自
動プライミングが本明細書中に記載される信頼性の高い方法で提供されることは重要であ
る。
制御ユニット302は、全自動で空気抜きを実行するように、また、空気抜き作業の開
始後に、空気抜き作業が完了するまで全てのシーケンスを自動的に実行するように、なさ
れている。
開始後、投液ラインは第3の制御可能弁23(HC3)によって開放され、その際に、
第2の制御可能弁HC2 22、第4の制御可能弁24 HC4および急動ホースクラン
プQAHC 20ならびにホースクランプ機能を備えたローラポンプ39も開放される。
いくつかの実施形態では、人工心肺は、充填および空気抜き作業を記録するように、か
つしたがって後者を読取り可能な形態で文書化するようになされている。例えば、制御可
能弁の指標となる位置、リザーバの充填レベル、スイッチを入れる時間およびスイッチを
切る時間、気泡センサの反応、ならびに圧力および流量のような他のパラメータなどのデ
ータは、記憶ユニットに保存されうる。制御ユニット302は、これらのデータの記憶ユ
ニットからの出入を管理することができる。
プログラム命令でエンコードされた非一時的なコンピュータ可読記憶媒体について、こ
こで説明する。前記記憶媒体は装置のコンピュータ制御システムにロードされており、か
つ前記プログラム命令により前記コンピュータ制御ユニットが患者への接続に先立って装
置のプライミングを制御するようになっている。
患者モジュールの充填および空気抜きを制御するためのコンピュータプログラム301
は図10aに示されている。人工心肺において、患者に取り付けられていない状態で、コ
ンピュータプログラム301は制御ユニット302のようなコンピュータユニットによっ
て実行される。コンピュータプログラムはコンピュータ可読記憶ユニットに実装される。
前記の充填および空気抜きの際、患者モジュールより高い位置にある充填液コンテナから
の充填液は重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ内に流入しそして前進してリ
ザーバの下端に位置する送血ポンプ内に流入する。コンピュータプログラムはコードセグ
メントを備え、1つのコードセグメント310は最初にフィルタの空気抜きラインの制御
可能弁を開放し、そしてリザーバの上側充填レベルセンサからの反応後に閉止される。コ
ンピュータプログラム301は、「第1の方法」の以下に述べる実施形態を実行するのに
適していることが好ましい。人工心肺用のキットは、患者モジュール、テーブルセット3
3、および充填液用の充填液コンテナ45を備える。
患者モジュールの充填および空気抜きを制御するための別のコンピュータプログラム4
01は図10bに示されている。人工心肺において、患者に取り付けられていない状態で
、該コンピュータプログラムは制御ユニット302のようなコンピュータユニットによっ
て実行される。コンピュータプログラム401はコンピュータ可読記憶ユニットに実装さ
れる。前記の充填および空気抜きの間、患者モジュールより高い位置にある充填液コンテ
ナからの充填液は重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ内に流入しそして前進
してリザーバの下端に位置する送血ポンプ内に流入する。送血ポンプはリザーバの下側充
填レベルセンサより下に位置する。コンピュータプログラムはコードセグメントを備え、
1つのコードセグメント410は、下側充填レベルセンサによりリザーバ内の充填液が検
出されると第5の制御可能弁25(HC5)を閉止し、その結果として、投液口とリザー
バとの間の静脈接続は分離され、充填液は静脈ラインのみを通ってバイパス経由で動脈フ
ィルタへと流れ、また、加わる圧力によって、フィルタは出口側から重力によって逆行方
式で充填される。コンピュータプログラム401は、「第2の方法」の以下に述べる実施
形態を実行するのに適していることが好ましい。
図9aは、第1の方法のステップの概略図を示し、図10aは、第1の方法を実行する
ためのコンピュータプログラムの概略図を示す。
図5は、図9aに示したような第1の方法200のための上述した循環システムを示す
。この方法200は、人工心肺内の患者モジュールを充填および空気抜きする方法である
。患者は、充填作業の間は該モジュールに接続されていない。該方法はステップ210を
備え、該ステップにおいて、患者モジュールより高い位置にある充填液コンテナからの充
填液は重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ内に流入しそして前進してリザー
バの下端に位置する送血ポンプ内に流入する。第1の制御可能弁21 HC1はフィルタ
5の空気抜きラインのために開放される。さらなるステップ212において、第1の制御
可能弁は、リザーバ内の上側充填レベルセンサからの反応後に閉止される。
空気抜き作業の開始後、全てのプロセスステップは空気抜き作業が完了するまで自動的
に行われる。開始後、HC3 23は投液ラインを開放する。患者モジュールより高い所
に位置する充填液コンテナ45からの充填液は、重力によってシステムの静脈側を介して
リザーバ2の中に流入しそして前進してリザーバ2の下端に位置する遠心ポンプの形態の
送血ポンプ6の中に流入する。HC2 22、HC4 24およびQAHC20ならびに
ホースクランプ機能を備えたローラポンプ39は開放される。フィルタ5の空気抜きライ
ン用のHC1 21も同様に開放されて、リザーバ内の上側充填レベルセンサ10の反応
後にのみ閉止される。ローラポンプ39も同様にリザーバ内の上側充填レベルセンサ10
の反応後に閉止され、このようにしてそれ以上の空気が空気抜き経路35を通って収集バ
ッグ36へと抜け出ることはできず、充填液コンテナ45を用いたリザーバ2の充填は停
止される。リザーバ2の充填の状態に応じて、ローラポンプ39は開放または閉止される
。充填液がリザーバ2の上側充填レベルセンサ10に到達すると、下流の構成部品は重力
によって充填液で充填されると考えられる。上側充填レベルセンサ10への到達がなされ
た後、HC1 21はフィルタ5の継続的な能動的充填を確実にするために閉止される。
有利な空気クッションが生じる。
遠心ポンプの構造上、液体は該液体の能動的送達を可能にするためにポンプの中に存在
しなければならない。ダイアフラムポンプでのような、ポンプヘッド内の空気に関する吸
込挙動は存在しない。
患者モジュール内にある送血ポンプ6は、上を向いた接線方向出口62および軸方向の
入口61(図3を参照)を通して重力によって充填液で充填されうるような方法でその設
置状態に配向される。空気は送血ポンプ6の中で上昇し、出口62を経由して追い出され
る。
重力による充填が行われた後、ポンプ6の始動停止動作により、該送血ポンプ内にある
空気が出口62に運ばれて追い出されることが確実となる。ポンプの停止中は、空気はポ
ンプ出口62の方向に上昇することが可能であり、送血ポンプ6の始動によって運び出さ
れうる。
リザーバ2および送血ポンプ6の配置により、すなわちリザーバ2の最大充填レベルよ
り下方では、送血ポンプ6は重力によって充填されることが確実となり、このようにして
、空気抜き作業の間は送血ポンプ6の中に常に液体が存在する。
充填液で充填された送血ポンプ6は、設計および送達率に応じて、低い速度にて周期的
間隔で作動させられる。充填液は、リザーバ45から人工肺3の中へ、および前進して動
脈フィルタ5の中へと運搬される。フィルタ5を入口側50からゆっくりと充填すること
により、フィルタは部分的にのみ充填される。フィルタ膜52の上部は充填液によって湿
らないままであり、したがって常に空気浸透性である。いかなる混入空気もフィルタ処理
後側54からフィルタ処理前側53へと横断して追い出されうる。導入された充填液は、
フィルタ膜の下方部分を通り抜けてフィルタ処理後の流出側54に至り、下流の循環シス
テムを充填する。フィルタ流出側54に取り付けられたホースからの空気は、フィルタ5
の中へ、またフィルタ膜52の湿っていない部分を通ってフィルタ処理前側53へ、抜け
出ることができる。
さらに、HC1が閉止され、かつ充填液がフィルタ出口部に位置しているので、空気抜
きラインの閉鎖によりフィルタ5に空気クッションが生じる。空気クッションは、入って
来る充填液の流れの挙動を鈍らせるのに好都合である。
低い速度およびしたがって低い送達率での規定の充填時間の後、送血ポンプ6の速度は
次第に増大させられて一定値となり、バイパス40はホースクランプHC4 24の閉止
によって締止され、このようにして、取り付けられたテーブルセット33に液体が通過せ
しめられて該テーブルセットの空気抜きが行われる。
次のステップにおいて、HC4 24は再び開放され、送血ポンプ6の速度はさらに増
大させられる。HC4 24のさらなる閉止、ならびに送血ポンプ6の速度のさらなる増
大およびしたがって吐出率の増大により、さらなる液体がテーブルセット33を通過せし
められ、テーブルセットのさらなる空気抜きがなされる。この間、HC1 21すなわち
動脈フィルタ5の空気抜きクランプは開放されている。フィルタの上部に残っている空気
はこうして抜け出ることができる。
再びバイパスの空気抜きを行うために、HC4 24は再び開放される。最終ステップ
においてシステム内の空気が気泡センサ30によって検出される場合、QAHCによりテ
ーブルセット33が締止され、HC4 24が開き、そしてシステム内の空気はリザーバ
2経由で追い出されうる。システムに十分な充填液を供給するために、リザーバ2の充填
レベルセンサによって液位は常にモニタリングされる。
空気抜き作業は記録され、それにより読取り可能な形態に文書化される。ホースクラン
プの指標となる位置、リザーバの充填状態、スイッチを入れる時間およびスイッチを切る
時間、気泡センサの反応、ならびに圧力および流量のような他のパラメータが保存されう
る。
空気抜き作業はさらに、人工心肺の輸送または移動時使用の間にも実行されうる。図7
は、圧力測定を統合した第1の方法200のための循環システムの模式図を示す。該循環
システムは、上述した第1の方法に関するものに似ているが、4つの制御可能弁(ここで
はホースクランプ)を備えている。図6に示されたクランプHC1 21およびHC2
22は、ここでは圧力測定を送血ポンプ6と人工肺3および人工肺3とフィルタ5の間の
ホース系統に統合することによって組み合わされて、1つのホースクランプ21aとなっ
ている。
図6は、逆行式充填を伴う第2の方法220のための循環システムの図式的概観である
。図9bは、第2の方法220のステップの概略図である。図10bは、第2の方法を実
行するためのコンピュータプログラム401の概略図である。
条件は第1の方法のとおりであり、ただしリザーバ2上の送血ポンプ6を備え、該ポン
プはリザーバ2の下側充填レベルセンサ11より下に位置している。送血ポンプ6は、リ
ザーバ2の下端縁より下に配置されてもよい。さらなる制御可能弁、ここではホースクラ
ンプHC5 25が、静脈ラインにおいて投液口およびリザーバ2と、リザーバ、フィル
タおよび人工肺より高い所にある充填液の供給地点との間に配置される。
第2の方法220は、患者に取り付けられていない人工心肺の患者モジュールの充填お
よび空気抜きを行うための方法である。患者モジュールより高い位置にある充填液コンテ
ナからの充填液は重力によって患者モジュールの静脈側を介してリザーバ2の中に流入し
そして前進してリザーバ2の下端に位置する送血ポンプ内に流入する。送血ポンプは、リ
ザーバ2の下側充填レベルセンサ11より下方に位置する。
リザーバ2の中の充填液が検出されると、第5の制御可能弁25(HC5)は下側充填
レベルセンサ11によって閉止される。したがって、第5の制御可能弁25によって、投
液口とリザーバ2との間の静脈接続が分離される。これで充填液は静脈ラインのみを通っ
てバイパス40経由で動脈フィルタ5へと流れる。重力によって加わる圧力により、フィ
ルタは出口側51(図2を参照)から逆行方式で充填される。
空気抜き作業の開始後、空気抜き作業が完了するまで全てのシーケンスが自動的に実行
される。開始後、HC3 23は投液ラインを開放する。患者モジュールより高い位置に
ある充填液コンテナ45からの充填液は重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ
2の中に流入しそして前進してリザーバの下端に位置する遠心ポンプの形態の送血ポンプ
6の中へ流入する。HC1 21、HC2 21、HC4 24、HC5 25およびQ
AHC20、ならびにホースクランプ機能を備えたローラポンプ39は、開放される。
充填液は、重力によって同時に、静脈ラインを通ってリザーバ2の中へ、またバイパス
40経由で動脈フィルタ5の出口部の方向へ流れる。フィルタ5は、その高い設置位置の
おかげで充填液が流れ出てリザーバ2の中に入るのでいっぱいになることはない。
患者モジュール内にある送血ポンプ6は、上を向いた接線方向出口62および軸方向の
入口61(図3を参照)を通して重力によって充填液で充填されうるような方法で、その
設置状態に配向される。空気は送血ポンプ6の中で上昇し、出口62を経由して追い出さ
れる。リザーバ2の充填液がリザーバ内の下側充填レベルセンサ11に達するとすぐに、
下流の送血ポンプは充填液で完全に充填される。
下側充填レベルセンサ11はリザーバ内の充填液を検出し、HC5 25は閉止される
。このように投液口とリザーバ2との間の静脈接続は分離される。充填液は静脈ラインの
みを通ってバイパス40経由でフィルタ5へと流れることができる。重力によって加わる
圧力により、フィルタ5は出口側から逆行方式で充填される。このようにして、フィルタ
内において、空気はフィルタ処理後側からフィルタ処理前の入口側へと抜け出ることがで
きる(図2を参照)。重力による充填は、フィルタ5の緩やかな空気抜きおよび充填をも
たらす。空気はフィルタの上部の空気抜きラインを通って抜け出ることが可能であり、充
填液は前進して人工肺3へと流れることができる。逆行式の充填が人工肺3において同様
に生じる。空気は人工肺の空気抜きラインを通じて追い出される。
次のステップでは、HC5 25は開放され、充填液は、上側充填レベルセンサ10が
液体を検出するまで再びリザーバ2に流入する。このようにして、送血ポンプ6は活性化
され、その速度は一定値まで段階的に増大させられる。さらに、バイパス40はホースク
ランプHC4 24の閉止によって締止され、液体は取り付けられたテーブルセット33
を通って流れる。
次のステップでHC4 24は再び開放され、送血ポンプ6の速度はさらに増大させら
れる。HC4 24のさらなる閉止および速度のさらなる増大、ならびにしたがって送血
ポンプ6の吐出率の増大によって、より多くの液体がテーブルセット33を通って流れ、
また該テーブルセットのさらなる空気抜きが行われる。HC1 21およびHC2 22
による、フィルタ5および人工肺の空気抜きラインの開放により、構成部品の中に存在す
るあらゆる空気がリザーバ2へと抜け出ることが可能となる。
HC4 24およびQAHC20の閉止により、人工肺3の空気抜きラインおよび動脈
フィルタ5の空気抜きラインは、空気抜き作業の最後のステップにおいて再びフラッシン
グされる。
もし最後のステップにおいて気泡センサ30によってシステム内の空気が検出された場
合には、QAHC20はテーブルセットを締止し、HC4 24は開き、システム内の空
気はリザーバ2を経由して追い出されうる。
システムに十分な充填液を供給するように、リザーバ2の充填レベルセンサによって液
位は常にモニタリングされる。
図8は、統合圧力測定を伴う第2の方法のための循環システムの模式図である。
循環システムは第2の方法220について図6に記載されているように構造化されてお
り、ただしホースクランプは5個である。HC1 21およびHC2 22は、圧力測定
を送血ポンプ6と人工肺3および人工肺3とフィルタ5の間のホース系統に統合すること
によって組み合わされて1つのホースクランプ21aとなっている。送血ポンプ6はリザ
ーバの下端縁より下方に配置されている。
空気抜き作業は記録され、それにより読取り可能な形態に文書化される。ホースクラン
プの指標となる位置、リザーバの充填状態、スイッチを入れる時間およびスイッチを切る
時間、気泡センサの反応、ならびに圧力および流量のような他のパラメータが保存されう
る。
空気抜き作業はさらに、人工心肺の輸送または移動時使用の間にも実行されうる。
充填および空気抜きの作業の後、患者は以下のように接続される。患者は、充填作業の
間に、大腿動脈に導入されている動脈ニードルおよび患者の大腿静脈に導入されている静
脈ニードルの準備がなされる。システムが充填された後、該システムとともに充填された
テーブルセットは中間で分離(切断)され、準備されたニードル上に混入空気を伴わない
ように差し込まれ、灌流が開始される。
その後、いくつかの医学的処置が患者に対して行なわれうる。医学的適用の例は、数あ
るなかでも特に、急性心不全(心臓性ショック)に対する緊急使用;臓器損傷を回避する
ための心臓の支援;肺不全(ARDS);心臓に対するハイリスクな介入(PCI[ステ
ント](DAVI[心臓弁]));拍動下心臓手術(CABG[拍動している心臓に対す
るバイパス術])の支援;臓器移植のためのドナー候補の灌流;低体温患者の温度安定化
(患者を身体温に暖めること);患者の体温制御⇒低体温法、身体温の計画的な低減(例
えば卒中)、である。
プライミング後に記載の人工心肺を使用する方法の実例をここで概説する。最初に、人
工心肺は、滅菌生理食塩水のようなプライミング液を用いて(好ましくは上述のような方
法で)プライミング、すなわち充填が行われる。開始されてしまえば、プライミングは人
的介入を伴わずに自動的に行われうる。その後、装置は充填(またはプライミング)モー
ドから自動運転モードに切り替えられる。プライミングがなされると、装置は、ドナーの
循環系に、装置の静脈連結部へは静脈を通じて、かつ装置の動脈連結部へは動脈を通じて
流体連結される。該方法は、人工心肺を介した血液への医薬品または他の添加剤の添加を
含むことができる。例えば、凝血を防ぐために血液に抗凝血剤が加えられてもよい。提供
される予定の臓器は人工心肺を使用して移植まで保持されてもよいし、または、臓器が人
工心肺によって保持され、採取され、かつ移植前に別々に輸送されてもよい。臓器が臓器
被提供者に移植される直前まで、人工心肺は臓器の変質を防止することができる。1つ以
上の臓器の生存度はその後の移植のために臓器提供者において維持される。臓器が臓器被
提供者に移植される準備ができたとき、提供者の身体または採取された臓器は人工心肺か
ら離脱せしめられる。
加えてまたは代替として、1つ以上の採取された臓器は採取後に人工心肺によって生か
される場合もある。その後、臓器は輸送の間に人工心肺によって灌流されてもよい。その
ような採取後の輸送に特に適した臓器には、限定するものではないが、心臓、肺、肝臓、
または四肢が含まれる。しかしながら、これは一定の環境下では眼のような一部の臓器に
ついては実現可能ではない。そのような環境下では、眼のようなある種の臓器は、死亡、
脳死、または臨床死の臓器提供者の全身を灌流することによって維持されて変質しないよ
うに保たれることが好ましい。
このように、該方法は、1つ以上の臓器が移植のためにある場所から別の場所へと輸送
されることを可能にする。輸送は、前述の実施形態に従って人工心肺を使用することによ
り特に容易になる。臓器は、人工心肺と臓器との相互作用がなければ生じるであろう臓器
の変質の防止を可能にする状態に保たれうる。血液または代用血液が臓器を灌流するため
の方法において使用されてもよい。
プライミング後に記載の人工心肺を使用する別の実例となる方法についてここで概説す
る。滅菌生理食塩水のようなプライミング液を用いて人工心肺を(好ましくは上述のよう
に)プライミング、すなわち充填する方法。開始されてしまえば、プライミングは人的介
入を伴わずに自動的に行われうる。その後、装置は充填(またはプライミング)モードか
ら自動運転モードに切り替えられる。プライミングされて運転状態になると、装置は、患
者の循環系に、装置の静脈連結部へは静脈を通じて、かつ装置の動脈連結部へは動脈を通
じて流体連結される。
患者の心臓は、必要に応じて任意選択で拍動抑制されるかまたは停止せしめられてもよ
い。患者に戻される血液は酸素が富化されている。ある場合には、血液温度は、正常な体
温より低くかつ臓器が損傷されうる温度より高い体温に制御されてもよい。そのような温
度は、患者または心臓のみを手術中に氷槽中に入れることにより現在も達成可能な範囲内
にある。しかしながら、血液温度を制御し、かつ静脈血管接続部を介して該血液を患者に
再注入する前に該血液を恐らくは冷却することは、体温をはるかに上手く制御することが
できる見事な解決策である。
該方法は、人工心肺による血液への医薬品またはその他の添加剤の追加を含むことがで
きる。例えば、凝血を防ぐために血液に抗凝血剤が加えられてもよい。その後、弁置換ま
たは弁修復が医学的処置の際に実施される。心臓弁が人工弁ユニットに交替されるか、ま
たは心臓弁の修復が行われる。
弁修復には、弁輪形成インプラント、弁葉クリップ、または欠陥を有する心臓弁を修復
するのに適したその他の医療用装置の位置調整が含まれうる。このようにして例えば逆流
が治療されうる。別例として、または追加として、例えば弁の閉鎖不全を修正するために
弁葉の一部が除去される外科的方法が実施されてもよい。
弁置換または弁修復は、侵襲性が最も少ない方法で実施されることが好ましい。循環系
内のイントロデューサおよびカテーテルを介した心臓への経皮的アクセスは、本発明の状
況下での心臓へのアクセスに適した医学的処置である。
弁置換は、機能不全に陥った心臓弁の除去を備える場合もある。別例として、または追
加として、置換を必要とする機能不全の弁の場所に人工弁が配置される。例えばいわゆる
ステント弁が使用される場合、機能不全の弁は人工置換弁の位置調整の前に外科的に除去
される必要がない場合もある。
修復または交換されることになる心臓弁は例えば僧帽弁または三尖弁である。弁の置換
または修復が終了した時、医学的処置はまさに仕上げとなるところである。心臓にアクセ
スするために使用された用具は取り除かれる。イントロデューサは取り除かれて、傷が閉
創される。望ましい場合には、患者の心臓は再始動され、必要に応じて、患者は人工心肺
から離脱せしめられ、該装置の運転は終了する。
プライミング後に記載の人工心肺を使用する別の実例となる方法についてここで概説す
る。本発明による該方法は、滅菌生理食塩水のようなプライミング液を用いて人工心肺を
(好ましくは上記に概説されるように)プライミング、すなわち充填することを備える。
開始されてしまえば、プライミングは人的介入を伴わずに自動的に行われうる。プライミ
ングされて運転状態になると、該装置は、患者の循環系に、装置の静脈連結部へは静脈を
通じて、かつ装置の動脈連結部へは動脈を通じて流体連結される。
患者の心臓は、必要に応じて任意選択で拍動抑制されるかまたは停止せしめられてもよ
い。患者に戻される血液は酸素が富化されている。ある場合には、血液温度は、正常な体
温より低くかつ臓器が損傷されうる温度より高い体温に制御されてもよい。そのような温
度範囲は、患者または心臓のみを手術中に氷槽中に入れることにより現在でも達成可能で
ある。血液温度を制御し、かつ静脈血管接続部を介して該血液を患者に再注入する前に該
血液を恐らくは冷却することは、体温または心臓の温度のうち少なくともいずれかがはる
かに上手く制御される見事な解決策である。
伏在静脈のセグメント、内胸動脈、または橈骨動脈のような、冠動脈バイパスグラフト
およびグラフト血管が患者から採取される場合には、カニューレが心臓内に縫合され、人
工心肺を使用した心肺バイパスが開始される。大動脈は締止され、心臓は停止せしめられ
て例えば29℃に冷却される。グラフト血管の一端が、バイパスされるべき閉塞部の向こ
う側の冠状動脈に縫合される。その後、心臓は再開され、心臓が拍動している中でグラフ
ト血管の他端が大動脈に縫合され、人工心肺が患者から離脱せしめられる。
該方法は、人工心肺による血液への医薬品またはその他の添加剤の追加を含むことがで
きる。例えば、心臓が停止している間の凝血を防ぐために血液に抗凝血剤が加えられても
よい。
経皮的な血管形成またはステント留置の場合には、通路の拡幅のために、または動脈を
広げて該動脈を通る血流を改善するためのより広い形状に該動脈を支持することになるス
テントの拡張のために、バルーンが冠状動脈の内部で膨張させられる。心臓は、可能では
あっても通常は経皮的血管形成またはステント留置のためには停止されないが、動脈の内
部におけるバルーン付きカテーテルの拡張は動脈を破裂させて緊急心臓外科が必要になる
ことがある。人工心肺は、そのような合併症や、心臓の停止または拍動抑制を必要とする
他の合併症の場合に使用されてもよい。人工心肺は、必須ではないが、可能性のある合併
症の前の予防措置としてプライミングされてもよい。
当業者であれば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく記載の実施例に変更およ
び改変がなされうることを認識するであろう。
[付記1]体外血液処理用装置の充填および空気抜きを、患者に取り付けられていない状
態で行うための方法であって、前記装置より高い位置にある充填液コンテナからの充填液
が重力によって前記装置の静脈側を介してリザーバの中に流入しそして前進して前記リザ
ーバの下端に位置する送血ポンプ内に流入し、フィルタの空気抜きライン用の第1の制御
可能弁(HC1)が開放され、前記リザーバの上側充填レベルセンサの反応後に閉止され
、前記フィルタはその上部高さが上側充填レベルセンサより高い位置に配置され、送血ポ
ンプの始動停止動作が実行され、その結果、前記フィルタが段階的に浸水される、方法。
[付記2]充填液で充填された前記送血ポンプが周期的間隔で第1の低い速度にて作動し
て充填液を前記リザーバから人工肺へそして前進して動脈フィルタへと運搬し、前記第1
の速度は、前記フィルタの入口側からの緩やかな充填が生じて前記フィルタが部分的にの
み充填されるように選択されたものであり、フィルタ膜の上部は、前記充填液によって湿
らせられないままであり、それゆえさらなる充填および空気抜き作業の間も常に空気浸透
性である、付記1に記載の方法。
[付記3]前記第1の制御可能弁(HC1)は、前記上側充填レベルセンサの反応後に前
記フィルタのさらなる能動的充填を制御すべく閉止され、重力による充填が行われた後の
前記送血ポンプの前記始動停止動作により前記送血ポンプ内にある空気は出口に運ばれて
確実に追い出され、前記送血ポンプの停止中に空気はポンプ出口の方向に上昇し、前記送
血ポンプの始動によって運び出される、付記1または2に記載の方法。
[付記4]閉止された前記第1の制御可能弁(HC1)およびそれにより閉止された空気
抜きラインならびにフィルタ出口部に位置する充填液によって、前記フィルタ内に、入っ
て来る充填液の流れの挙動を鈍らせる空気クッションが形成される、付記3に記載の方法

[付記5]前記リザーバから収集容器への空気抜きチャネル内の第2のポンプは、前記上
側充填レベルセンサの反応に応じてすなわち前記リザーバの充填状態に従って、開放また
は閉止される、付記1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
[付記6]前記リザーバの前記上側充填レベルセンサの反応後、前記第2のポンプのスイ
ッチが切られ、それゆえ空気はそれ以上前記空気抜きチャネルを通って前記収集容器へと
抜け出ることはできず、前記充填液コンテナによる前記リザーバの充填は停止される、付
記5に記載の方法。
[付記7]前記上側充填レベルセンサの反応時、充填液は前記リザーバの前記上側充填レ
ベルセンサのレベルに到達し、それゆえその下流の構成部品は重力によって充填液で充填
される、付記3乃至6のいずれか1項に記載の方法。
[付記8]前記装置内にある前記送血ポンプは、遠心ポンプであり、上を向いた接線方向
出口を有し、当該方法では、前記送血ポンプは前記上を向いた接線方向出口および軸方向
の入口を通して重力により充填液で充填され、前記送血ポンプ内の空気は上昇して前記接
線方向出口を経由して追い出される、付記3乃至7のいずれか1項に記載の方法。
[付記9]混入空気はフィルタ処理後側からフィルタ処理前側へと横断して追い出される
、付記8に記載の方法。
[付記10]導入された充填液は、フィルタ膜の下方部分を流通してフィルタ処理後の出
口側へ流れ、下流の循環システムを充填する、付記8または9に記載の方法。
[付記11]フィルタの出口側に取り付けられたホースからの空気はフィルタの中へ抜け
出る、付記7乃至9のいずれか1項に記載の方法。
[付記12]前記第1の速度すなわち第1の送達率での規定の第1の充填時間の後、前記
送血ポンプの速度は次第に増大させられて一定の第2の速度値となり、第4の制御可能弁
(HC4)の閉止によってバイパスは閉止され、このようにして、液体が取り付けられた
テーブルセットを通過して該テーブルセットの空気抜きが行われる、付記8乃至10のい
ずれか1項に記載の方法。
[付記13]規定の第2の充填時間の後、前記第4の制御可能弁(HC4)は再び開放さ
れて前記送血ポンプの速度はさらに第3の充填時間の間に第3の速度値へと増大され、前
記第4の制御可能弁(HC4)はその後再び閉止されて前記送血ポンプの速度はさらに第
4の速度値へと増大され、前記送血ポンプの送達率の増大は、より多くの液体を前記テー
ブルセットを通過させて該テーブルセットをさらに空気抜きすることを意味し、そのうち
に前記第1の制御可能弁(HC1)が開放されてフィルタの上部に残っている空気を抜け
出させ、その後前記第4の制御可能弁(HC4)がバイパスの空気抜きをもう1度行うた
めに再び開放される、付記12に記載の方法。
[付記14]システム内の空気を気泡センサにより検出し、気泡が検出されると、制御可
能弁(QAHC)が前記テーブルセットのスイッチを切り、第4の制御可能弁(HC4)
が再開し、システム内の空気がリザーバを経由して追い出される、付記12および13の
うちいずれか1項に記載の方法。
[付記15]システムに十分な充填液を供給するように液位は常にリザーバ内の充填レベ
ルセンサによってモニタリングされる、付記1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
[付記16]空気抜き作業は記録されて読取り可能な形態に文書化され、制御可能弁の指
標となる位置、リザーバの充填レベル、スイッチを入れる時間およびスイッチを切る時間
、気泡センサの反応、ならびに圧力および流量から選択される少なくとも一つが保存され
る、付記1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
[付記17]空気抜き作業は輸送の間に実行されるか、または該方法は全自動で空気抜き
を行うための方法であるかのうち少なくともいずれかであり、かつ、空気抜き作業の開始
後に、空気抜き作業が完了するまで全てのシーケンスが自動的に実行される、付記1乃至
16のいずれか1項に記載の方法。
[付記18]開始後、第3の制御可能弁(HC3)は投液ライン(17)を開放し、該ラ
インを通して貯留コンテナ(45)からの充填液が装置の循環の中に導入可能であり、か
つ、第2の制御可能弁(HC2、22)、第4の制御可能弁(HC4、24)および急動
ホースクランプ(QAHC、20)ならびにホースクランプ機能を備えたローラポンプ(
39)も開放される、付記17に記載の方法。
[付記19]体外血液処理用装置の充填および空気抜きを、患者に取り付けられていない
状態で行うための方法であって、該装置より高い位置にある充填液コンテナからの充填液
は、重力によって前記装置の静脈側を介してリザーバの中に流入しそして前進して前記リ
ザーバの下端に位置する送血ポンプ内に流入し、前記送血ポンプはリザーバの下側充填レ
ベルセンサより下方に位置し、前記リザーバ内の充填液が前記下側充填レベルセンサによ
って検出されると第5の制御可能弁(HC5)は閉止され、その結果、前記第5の制御可
能弁(HC5)によって投液口と前記リザーバとの間の静脈接続は分離され、充填液は静
脈ラインのみを通ってバイパス経由で動脈フィルタへと流れ、加わる圧力によって、フィ
ルタは出口側から重力によって逆行方式で充填される、方法。
[付記20]前記第5の制御可能弁(HC5)は、静脈ラインにおいて投液口およびリザ
ーバと、リザーバ、フィルタおよび人工肺より高い所にある充填液の供給地点との間に位
置し、かつ、フィルタ内の空気はフィルタ処理後側からフィルタ処理前の入口側へのみ抜
け出る、付記19に記載の方法。
[付記21]重力による充填は緩やかな空気抜きおよび逆行による充填をもたらす、付記
19または20に記載の方法。
[付記22]空気はフィルタの上部の空気抜きラインを経由して抜け出て、充填液は前進
して人工肺へと流れ、人工肺において同様に逆行式の充填が生じ、空気は取り付けられた
空気抜きラインを通って追い出される、付記20および21のうちいずれかに記載の方法

[付記23]次いで第5の制御可能弁(HC5)の開放が行われ、充填液はリザーバの前
記上側充填レベルセンサが液体を検出するまで再びリザーバ内に流入し、上側充填レベル
が検出されると前記送血ポンプが活性化され、その速度は一定値まで段階的に増大させら
れる、付記19乃至22のいずれか1項に記載の方法。
[付記24]バイパスは第4のホースクランプHC4の閉止によって締止され、液体は取
り付けられたテーブルセットを通って流れる、付記23に記載の方法。
[付記25]次いで第4のホースクランプHC4は再び開放されて前記送血ポンプの速度
はさらに増大させられ、その結果として、より多くの液体が前記テーブルセットを通って
流れ、かつ該テーブルセットのさらなる空気抜きが行われる、付記24に記載の方法。
[付記26]フィルタおよび人工肺の空気抜きライン(HC1およびHC2)が開放され
、構成部品の中に存在する空気がリザーバへと抜け出る、付記23乃至25のいずれか1
項に記載の方法。
[付記27]次いで人工肺および動脈フィルタのHC4およびQAHCの閉止によりフラ
ッシングが再び実行される、付記26に記載の方法。
[付記28]システム内の空気は気泡センサによって検出され、気泡が検出されると、制
御可能弁(QAHC)は前記テーブルセットのスイッチを切り、第4の制御可能弁(HC
4)は再開し、システム内の空気はリザーバを経由して追い出される、付記27に記載の
方法。
[付記29]リザーバ内の充填レベルセンサによって、システムに十分な充填液を供給す
るように液位は常にモニタリングされる、付記19乃至28のいずれか1項に記載の方法

[付記30]開始後、HC3は投液ラインを開放し、装置より高い所に位置する充填液コ
ンテナからの充填液は重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ内に流入し、前進
してリザーバの下端に位置する遠心ポンプの形態の前記送血ポンプの中に流入し、第1の
制御可能弁HC1、第2の制御可能弁(22)、第4の制御可能弁(24)、第5の制御
可能弁(25)および急動ホースクランプ(QAHC、20)ならびにホースクランプ機
能を備えたローラポンプ(39)も開放される、付記19乃至29のいずれか1項に記載
の方法。
[付記31]充填液は、重力によって同時に、静脈ラインを通ってリザーバの中へ、また
バイパス経由で動脈フィルタの出口の方向へ流れ、かつ、フィルタは、その高い設置位置
のおかげで充填液が流れ出てリザーバの中に入るので、充填されることはない、付記19
乃至30のいずれか1項に記載の方法。
[付記32]装置内にある前記送血ポンプは、上を向いた接線方向出口および軸方向の入
口を通して、重力によって充填液で充填されうるような方法でその設置状態に配向され、
前記送血ポンプ内の空気は上昇して出口を経由して追い出される、付記19乃至31のい
ずれか1項に記載の方法。
[付記33]リザーバ内の充填液がリザーバ内の下側充填レベルセンサに達するとすぐに
、下流の前記送血ポンプは完全に充填液で充填される、付記19乃至32のいずれか1項
に記載の方法。
[付記34]空気抜き作業の開始後、空気抜き作業が完了するまで全てのシーケンスが自
動的に実行される、付記19乃至33のいずれか1項に記載の方法。
[付記35]空気抜き作業は記録され、それにより読取り可能な形態に文書化され、制御
可能弁の指標となる位置、リザーバの充填レベル、スイッチを入れる時間およびスイッチ
を切る時間、気泡センサの反応、ならびに圧力および流量から選択される少なくとも一つ
が保存される、付記19乃至34のいずれか1項に記載の方法。
[付記36]空気抜き作業は輸送の間に実行されるか、または該方法は全自動で空気抜き
を行うための方法であるかのうち少なくともいずれかであり、かつ、空気抜き作業の開始
後に、空気抜き作業が完了するまで全てのシーケンスが自動的に実行され、かつ、開始後
、第3の制御可能弁(HC3)は投液ラインを開放し、かつ、第2の制御可能弁(HC2
22)、第4の制御可能弁(24 HC4)および急動ホースクランプ(QAHC 2
0)ならびにホースクランプ機能を備えたローラポンプ(39)も開放される、付記19
乃至35のいずれか1項に記載の方法。
[付記37]支持構造物を備えた、モジュール装置を有する、体外血液処理用の装置であ
って、該装置は、装置の作動位置において支持構造物の中で互いに対して水平な位置に配
置された送血ポンプ、上面を備えた人工肺、上面を備えたフィルタ、およびリザーバを備
えた血液循環を備え、人工肺の上面はフィルタの上面より下にあるかまたは同じ高さに位
置し、前記送血ポンプの液体運搬部はリザーバの上側充填レベルセンサの水平位置より下
方に、よってリザーバの最大充填レベルより下方に位置し、フィルタの上面はリザーバの
前記上側充填レベルセンサよりも高い所にある、装置。
[付記38]フィルタは上面に取り付けられた空気抜きラインを有し、該空気抜きライン
の取り付け地点は前記上側充填レベルセンサよりも高い所にある、付記37に記載の装置

[付記39]第1の制御可能弁(HC1)がフィルタの空気抜きラインに配置され、人工
心肺の制御ユニットは、前記上側充填レベルセンサの反応後に、第1の制御可能弁(HC
1)が少なくとも部分的に閉止されるように構成される、付記38に記載の装置。
[付記40]リザーバは下端縁を有し、前記送血ポンプは該下端縁より下方もしくはリザ
ーバの下端縁の水平レベルより下方にあるか、またはリザーバの下3分の1の高さにある
、付記37乃至39のいずれか1項に記載の装置。
[付記41]装置内にある前記送血ポンプは遠心ポンプであり、上を向いた接線方向出口
を有する、付記37乃至40のいずれか1項に記載の装置。
[付記42]前記接線方向出口は、直角位置から時計回りに最大10度および反時計回り
に最大20度回転される、付記41に記載の装置。
[付記43]前記送血ポンプは軸方向の入口を有し、作動位置において、上を向いた接線
方向出口および軸方向の入口を通して重力によって充填液で充填されうるような方法で配
向される、付記41または42に記載の装置。
[付記44]装置に十分な充填液を供給するために、リザーバ内に配置された、リザーバ
内の液位をモニタリングするための下方および上方の充填レベルセンサからなる充填レベ
ルセンサを備える、付記37乃至43のいずれか1項に記載の装置。
[付記45]第5のホースクランプ(HC5)を、静脈ラインにおいて投液口およびリザ
ーバと、リザーバ、フィルタおよび人工肺より高い所にある充填液の供給地点との間に備
える、付記37乃至44のいずれか1項に記載の装置。
[付記46]体外血液処理用の装置の全自動の充填および空気抜きを行うための制御ユニ
ットを備えた、体外血液処理のための医療用システムであって、装置の充填および空気抜
きを行うための制御ユニットは、フィルタの能動的な充填を制御するために、充填作業の
開始後およびリザーバ内の充填レベルセンサの反応後に開放された第1の開放状態の制御
可能弁(HC1)を閉止するように構成されており、装置より高い所に位置する充填液コ
ンテナからの充填液は、重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ内に流入し、前
進してリザーバの下端に位置する前記送血ポンプの中に流入し、次いで前進してフィルタ
内に流入する、システム。
[付記47]閉止された第1の制御可能弁(HC1)およびそれゆえ閉止された空気抜き
ラインならびにフィルタ出口にある充填液によって、入って来る充填液の流れの挙動を鈍
らせる空気クッションがフィルタ内に作出されるか、または、フィルタの緩慢な充填が入
口側から生じてこのフィルタは部分的にのみ充填され、かつフィルタ膜の上部は充填液に
よって湿らないままであり、よってさらなる充填および空気抜き作業に関して空気浸透性
のままであるように第1の速度が選択されるか、のうち少なくともいずれかである、付記
46に記載のシステム。
[付記48]付記37乃至45のいずれか1項に記載の体外血液処理用の装置の全自動の
充填および空気抜きを行うための制御ユニットを備えた、付記37乃至45のいずれか1
項に記載の装置を含んでいる体外血液処理のためのシステムであって、制御ユニットは、
リザーバ内の充填液が下側充填レベルセンサによって検出されると第5の制御可能弁(H
C5)を閉止するように構成され、その結果、第5の制御可能弁(HC5)によって、投
液口とリザーバとの間の静脈接続は分離され、充填液は静脈ラインのみを通ってバイパス
経由で動脈フィルタへ流れ、加わる圧力によって、フィルタは出口側から重力によって逆
行方式で充填される、システム。
[付記49]制御ユニットは、空気抜き作業を記録し読取り可能な形態で文書化するよう
に構成され、制御可能弁の指標となる位置、リザーバの充填レベル、スイッチを入れる時
間およびスイッチを切る時間、気泡センサの反応ならびに圧力および流量から選択される
少なくとも一つが記憶ユニットに保存される、付記47乃至48のいずれか1項に記載の
システム。
[付記50]体外血液処理用の装置内に、システム内の空気を検出するように配置された
気泡センサを備え、制御ユニットは、気泡が検出されると、制御可能弁(QAHC)テー
ブルセットのスイッチを切るように構成されており、第4の制御可能弁(HC4)は再開
し、システム内の空気はリザーバを経由して追い出される、付記47乃至49のいずれか
1項に記載のシステム。
[付記51]空気抜き作業は輸送の間に実行可能であるか、または、
制御ユニットは、空気抜きを全自動で実行し、かつ空気抜き作業の開始後には空気抜き
作業が完了するまで全てのシーケンスを自動的に実行し、かつ開始後に第3の制御可能弁
(HC3)を介して投液ラインを開放するようになされ、それゆえ第2の制御可能弁(H
C2)、第4の制御可能弁(HC4)および急動ホースクランプ(QAHC)ならびにホ
ースクランプ機能を備えたローラポンプ(39)も開放されるか、
のうち少なくともいずれかである、付記47乃至50のいずれか1項に記載のシステム。
[付記52]患者に取り付けられていないシステムにおいて付記37乃至45のいずれか
1項に記載の体外血液処理用の装置の充填および空気抜きを制御するための、コンピュー
タユニットで実行するコンピュータプログラムであって、装置より高い所に位置する充填
液コンテナからの充填液は重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ内に流入しそ
して前進してリザーバの下端に位置する前記送血ポンプの中に流入することと、フィルタ
の空気抜きラインの第1の制御可能弁(HC1)を制御するためのコードセグメントであ
って、この制御可能弁が開放され、そしてリザーバの上側充填レベルセンサからの反応後
に閉止されるコードセグメントを備えることと、を特徴とするコンピュータプログラム。
[付記53]患者に取り付けられていないシステムにおいて付記37乃至45のいずれか
1項に記載の体外血液処理用の装置の充填および空気抜きを制御するための、コンピュー
タユニットで実行するコンピュータプログラムであって、装置より高い所に位置する充填
液コンテナからの充填液は重力によって装置の静脈側を介してリザーバ内に流入しそして
前進してリザーバの下端に位置する前記送血ポンプの中に流入し、前記送血ポンプはリザ
ーバの下側充填レベルセンサより下方に位置しており、リザーバ内の充填液が下側充填レ
ベルセンサによって検出されると、第5の制御可能弁(HC5)はコードセグメントによ
り閉止され、その結果、第5の制御可能弁(HC5)によって、投液口とリザーバとの間
の静脈接続は分離され、充填液は静脈ラインのみを通ってバイパス経由で動脈フィルタへ
と流れ、加わる圧力によって、フィルタは出口側から重力によって逆行方式で充填される
ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
[付記54]体外血液処理用の装置であって、
支持構造物と、
送血ポンプを備えた血液循環システムと、
上面を備えた人工肺と、
上面を備えたフィルタと、
上側充填レベルセンサおよび最大充填レベルを備えるリザーバと
からなり、
前記送血ポンプ、人工肺、フィルタ、およびリザーバは、前記装置が作動位置にあると
きの前記支持構造物の中で、互いに対して水平な位置に配置されており、
人工肺の上面はフィルタの上面より下方かまたは同じ高さに位置し、
前記送血ポンプの液体運搬部は前記リザーバの前記上側充填レベルセンサの水平位置よ
り下方でかつリザーバの最大充填レベルより下方に位置し、
フィルタの上面はリザーバの前記上側充填レベルセンサよりも高い位置にある、体外血
液処理用の装置。
[付記55]フィルタは上面に取り付けられた空気抜きラインを有し、該空気抜きライン
の取り付け場所は前記上側充填レベルセンサよりも高い位置にある、付記54に記載の装
置。
[付記56]第1の制御可能弁がフィルタの空気抜きラインに配置され、装置の制御ユニ
ットは、前記上側充填レベルセンサの反応後に第1の制御可能弁が少なくとも部分的に閉
止されるように構成される、付記55に記載の装置。
[付記57]リザーバは下端縁を有し、前記送血ポンプはリザーバの下端縁のレベルより
下方にあるかまたはリザーバの下3分の1の高さにある、付記54に記載の装置。
[付記58]前記送血ポンプは遠心ポンプであり、上を向いた接線方向出口を有する、付
記54に記載の装置。
[付記59]前記接線方向出口は、直角位置から時計回りに最大10度および反時計回り
に最大20度回転される、付記58に記載の装置。
[付記60]前記送血ポンプは軸方向の入口を有し、作動位置において、上を向いた接線
方向出口および軸方向の入口を通して重力によって充填液で充填されうるように配向され
る、付記58に記載の装置。
[付記61]リザーバ内の液位をモニタリングするための下方レベルセンサをさらに備え
る、付記54に記載の装置。
[付記62]投液口およびリザーバと、リザーバ、フィルタおよび人工肺より高い所にあ
る充填液の供給地点とを接続している静脈ラインにホースクランプをさらに備える、付記
54に記載の装置。
[付記63]付記57に記載の体外血液処理用装置を備え、かつ該装置の全自動の充填お
よび空気抜きを行うための制御ユニットをさらに備える、体外血液処理のための医療用シ
ステムであって、該制御ユニットは、フィルタの充填を制御するために、充填作業の開始
後およびリザーバ内の上側充填レベルセンサからの信号に反応してフィルタの空気抜きラ
インの開放状態の制御可能弁を閉止するように構成されている、医療用システム。
[付記64]閉止された第1の制御可能弁によって、入って来る充填液の流れを鈍らせる
空気クッションがフィルタ内に作出されるか、または、フィルタの緩慢な充填がフィルタ
の入口側から生じ、該フィルタは部分的にのみ充填され、フィルタ膜の上部は充填液によ
って湿らないままであり、よってさらなる充填および空気抜き作業に関して空気浸透性の
ままであるように第1のポンプ速度が選択されるか、のうち少なくともいずれかである、
付記63に記載の医療用システム。
[付記65]付記54に記載の体外血液処理用装置を備え、かつ該装置の全自動の充填お
よび空気抜きを行うための制御ユニットをさらに備える、体外血液処理のための医療用シ
ステムであって、
該制御ユニットは、リザーバ内の充填液が下側充填レベルセンサによって検出されると
制御可能弁を閉止するように構成され、その結果、該制御可能弁によって、投液口とリザ
ーバとの間の静脈接続は分離され、充填液は静脈ラインのみを通ってバイパス経由で動脈
フィルタへ流れ、加わる圧力によって、フィルタは出口側から重力によって逆行方式で充
填される、医療用システム。
[付記66]制御ユニットは、充填作業を、制御可能弁の指標となる位置、リザーバの充
填レベル、スイッチを入れる時間およびスイッチを切る時間、気泡センサの反応、圧力お
よび流量のうち少なくともいずれかによって記録および保存するように、かつ前記作業を
読取り可能な形態で文書化するように構成されている、付記63に記載の医療用システム

[付記67]体外血液処理用装置内に、システム内の空気を検出するように配置された気
泡センサを備え、制御ユニットは、気泡が検出されると、制御可能弁(QAHC)テーブ
ルセットのスイッチを切るように構成されており、第4の制御可能弁(HC4)は再開し
、システム内の空気はリザーバを経由して追い出される、付記46乃至49のいずれか1
項に記載のシステム。
[付記68]空気抜き作業は輸送の間に実行可能であるか、または、
制御ユニットは、空気抜きを全自動で実行し、かつ空気抜き作業の開始後には空気抜き
作業が完了するまで全てのシーケンスを自動的に実行し、かつ開始後に第3の制御可能弁
(HC3)を介して投液ラインを開放するようになされ、それゆえ第2の制御可能弁(H
C2)、第4の制御可能弁(HC4)および急動ホースクランプ(QAHC)ならびにホ
ースクランプ機能を備えたローラポンプ(39)も開放されるか、
のうち少なくともいずれかである、付記46乃至50のいずれか1項に記載のシステム。
[付記69]患者に取り付けられていないシステムにおいて付記37乃至45のいずれか
1項に記載の体外血液処理用装置の充填および空気抜きを制御するための、コンピュータ
ユニットで実行するコンピュータプログラムであって、装置より高い所に位置する充填液
コンテナからの充填液は重力によってシステムの静脈側を介してリザーバ内に流入しそし
て前進してリザーバの下端に位置する前記送血ポンプの中に流入することと、フィルタの
空気抜きラインの第1の制御可能弁(HC1)を制御するためのコードセグメントであっ
て、この制御可能弁が開放され、そしてリザーバの上側充填レベルセンサからの反応後に
閉止されるコードセグメントを備えることと、を特徴とするコンピュータプログラム。
5:フィルタ
51:出口
52:フィルタエレメント
53:フィルタ処理前側
54:フィルタ処理後側
55:空気抜き接続部
56:フィルタの上面
6:送血ポンプ
61:軸方向の入口
62:接線方向出口
1:患者モジュール
1a:患者モジュール
10:上側充填レベルセンサ
100:上側充填レベルセンサの位置
11:下側充填レベルセンサ
110:下側充填レベルセンサの位置
12:静脈ラインからリザーバ2への入口
13:リザーバの上部
15:静脈ライン
17:投液ライン
18:人工肺の空気抜きライン
2:リザーバ
3:人工肺
20:急動ホースクランプ QAHC
21:ホースクランプ1 HC1
22:ホースクランプ2 HC2
23:ホースクランプ3 HC3
24:ホースクランプ4 HC4
25:ホースクランプ5 HC5
28:リザーバ2のスクリーン
30:気泡センサ
31:流量センサ
32a:コネクタ
32b:コネクタ
33:テーブルセット
34:圧力計
35:空気抜きライン
36:収集バッグ
37:圧力計
38:圧力計
39:ローラポンプ
40:バイパス
42:動脈ライン
45:貯留コンテナ
200:方法1
210:方法のステップ
212:方法のステップ
220:方法1
230:方法のステップ
232:方法のステップ
300:記憶媒体
301:コンピュータプログラム
401:コンピュータプログラム
302:プロセッサ、制御ユニット
310:プログラムセグメント
410:プログラムセグメント

Claims (15)

  1. 患者血液の体外処理のためのシステムであって、
    自動クランプまたは弁装置、送血ポンプ駆動装置、ならびに評価および制御エレクトロ
    ニクスを有する制御モジュールと、
    静脈血流入管路、リザーバ、人工肺、気泡検出器、フィルタ、動脈血流出管路、および
    送血ポンプを備える血液運搬及び処理回路を有する患者モジュールと
    を備え、
    前記患者モジュールは、前記制御モジュールの前記送血ポンプ駆動装置と前記評価およ
    び制御エレクトロニクスとが前記患者モジュールの対応する構成部品に作動可能に接続さ
    れるように前記制御モジュールと連結可能であり、
    前記評価および制御エレクトロニクスは、前記システムが充填液の供給源に接続された
    後でかつ前記システムのユーザが充填及び空気抜き処理の初期設定をした後に、初期人的
    介入を伴わず、少なくとも前記送血ポンプ駆動装置及び前記患者モジュールの構成部品を
    自動的に制御することによって、前記血液運搬及び処理回路の充填と前記リザーバの空気
    抜きとを完了させて前記血液運搬及び処理回路からの空気抜きを行わせるように適合され
    た制御ユニットを含む、システム。
  2. 前記制御ユニットは、前記充填及び空気抜き処理中のデータを読取り可能な形態で記録
    するように適合されている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記制御ユニットは、制御可能クランプと制御可能弁の一方または両方の指標となる位
    置、前記リザーバの充填レベル、スイッチを入れる時間およびスイッチを切る時間、およ
    び、前記気泡検出器の反応から選択されるデータを記録する、請求項2に記載のシステム
  4. 前記システムは、圧力および流量のセンサを更に備え、前記制御ユニットは、前記充填
    及び空気抜き処理中に、圧力および流量のデータを読取り可能な形態で記録する、請求項
    2または3に記載のシステム。
  5. 前記制御モジュールは、記憶ユニットを更に備え、前記制御ユニットは、前記記憶ユニ
    ットへの及び前記記憶ユニットからのデータの出入を管理するように適合されている、請
    求項2〜4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記制御ユニットは、コンピュータ制御システムと記憶ユニットとを備え、この記憶ユ
    ニットは、プログラム命令でエンコードされた非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を備
    え、当該コンピュータ可読記憶媒体は前記コンピュータ制御システムにロードされており
    、かつ前記プログラム命令は前記コンピュータ制御システムに前記充填及び空気抜き処理
    を制御させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記プログラム命令は、前記血液運搬及び処理回路を患者の血管系に接続する前に、前
    記制御ユニットによって実行される、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記リザーバは、上側充填レベルセンサおよび下側充填レベルセンサを有し、
    前記プログラム命令は、前記血液運搬及び処理回路が前記充填液で充填されるにつれて
    、蓄積した空気が前記血液運搬及び処理回路から追い出されるように、第1の制御可能弁
    を開かせるコードを備える、請求項6または7に記載のシステム。
  9. 前記プログラム命令は、前記リザーバの前記上側充填レベルセンサが液体を検出したと
    きに、前記第1の制御可能弁を閉鎖させるコードを更に備える、請求項8に記載のシステ
    ム。
  10. 前記充填及び空気抜き処理は、前記システムのどの部分も傾動させる必要なしで実施可
    能である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
  11. 前記送血ポンプが充填液を当該送血ポンプ以外の前記血液運搬及び処理回路の残りの部
    分に通す前に、前記送血ポンプは充填液で必ずプライミングされる、請求項1〜10のい
    ずれか一項に記載のシステム。
  12. 充填液が重力によって前記リザーバから前記送血ポンプに流入し、それによって当該送
    血ポンプがプライミングされるように、前記送血ポンプは前記リザーバに対して位置決め
    されている、請求項10に記載のシステム。
  13. 前記送血ポンプは遠心ポンプを備える、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記充填及び空気抜き処理が完了し、前記システムが患者の血管系に接続された後、前
    記プログラム命令は、人的介入の必要なしで、前記システムに患者血液の自動体外人工肺
    処理を実施させる、請求項6〜9のいずれか一項に記載のシステム。
  15. 前記気泡検出器は、前記動脈血流出管路に設けられ、
    前記動脈血流出管路において前記気泡検出器の下流に高速閉鎖クランプが配置され、
    前記静脈血流入管路において前記リザーバの上流の位置と、前記動脈血流出管路におい
    て前記気泡検出器と前記高速閉鎖クランプとの間の位置との間に再循環管路が延在し、
    前記システムが患者血液の自動体外人工肺処理を実施しているときに前記気泡検出器が
    気泡を検出した場合、前記システムは、前記高速閉鎖クランプを閉鎖し、検出された気泡
    を含んだ血液を前記動脈血流出管路から再循環させて、前記再循環管路を通って前記静脈
    血流入管路に戻させる、請求項14に記載のシステム。
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