JP2019166228A - 点眼容器アタッチメント及び点眼容器 - Google Patents

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映輔 清水
啓之 矢津
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啓之 矢津
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Abstract

【課題】点眼時に必要量の点眼液を点眼することができ、点眼液が結膜嚢からこぼれることを防止し、点眼容器内の点眼液における異物の混入や細菌などの微生物の繁殖を抑えることができる点眼容器アタッチメント、及び、点眼容器を提供すること。【解決手段】吐出部に固定され、第1の量の点眼液を貯留可能な第1点眼液貯留部を有する基部10と、点眼液が吐出口から流出する方向における下流側に設けられ、第1点眼液貯留部に連通可能であり第2の量の点眼液を液滴として貯留可能な第2点眼液貯留部301を有する先端部30と、第1点眼液貯留部に設けられ、第1点眼液貯留部から第2点眼液貯留部301へ点眼液を流通させ、第1点眼液貯留部における点眼容器の吐出口への第2点眼液貯留部301からの点眼液の逆流を阻止する逆止弁と、を備える点眼容器アタッチメント1である。【選択図】図1

Description

本発明は、点眼容器に装着されて用いられる点眼容器アタッチメント、及び、点眼容器に関する。
点眼液を点眼するための点眼容器が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の点眼容器においては、ノズルの先端部に、主容器部からノズルへ向かう方向に開口する射出口が形成されており、射出口から点眼液を飛ばして点眼を行う。
特開2013−5947号公報
しかし、上記特許文献1に記載の装置は、射出口から点眼液を滴下して点眼を行うため、点眼液を1滴だけ正確に滴下することは意外と難しく、点眼行為を行う患者の半数以上は点眼時に薬液をこぼしてしまう・必要量以上の薬液が噴出されてしまう・点眼容器を不潔に使用するなどの問題があるので、より適切な点眼方法が求められていた。ここで「点眼液を滴下する」とは、点眼容器から、必要量である1滴の点眼液(薬液)を眼表面に清潔に(どこも触れさせずに)供給する行為を言う。
また、一般的な点眼容器で点眼する際には、点眼しようとする患者は、上を向いて重力に従って点眼液を滴下させる。このため首関節の伸展が困難な患者や、視野狭窄を来している患者は点眼時に薬液がこぼれてしまう確率が上がるため、より適切な点眼方法が求められていた。さらに、点眼者と被点眼者が同一でない場合 (小児や高齢者など)、点眼液が噴出するタイミングが不明であったり、被点眼者が動いてしまうことで、正確な点眼行為を行うことが難しく、より適切な点眼方法が求められていた。
点眼液の成分や基剤には人体に悪影響を与える化合物が含まれており、適切な場所 (眼表面)以外に点眼液が触れると、患者に副作用を与える。例えば、点眼液には塩化ベンザルコニウムという防腐剤が含まれており、特に角膜上皮障害があることは古くから知られている(Swan et al. Reactivity of the Ocular Tissues to Wetting Agents. Am. J Ophthalmol. 1944)。塩化ベンザルコニウム含有のlatanoprostという抗緑内障薬を使用中の患者に同じ成分で塩化ベンザルコニウム未含有のtafluprostという点眼液に変更してみると、薬効効果は同じであるが、副作用 (流涙・掻痒感・乾燥感・眼瞼炎・角結膜上皮障害・充血)が全て有意に改善したというメタ・アナライシス (Uusitalo et al. Benefits of switching from latanoprost to preservative-free tafluprost eye drops: a meta-analysis of two Phase IIIb clinical trials. Clin Ophthalmol. 2016)データもあり、点眼液中に含まれる成分の副作用により、人体に多大な影響を与えるという課題がある。
他の例を挙げると、緑内障患者は発症してから一生、進行を予防するために毎日点眼を続けなければならない。緑内障点眼の副作用である掻痒感・眼瞼炎・色素沈着・睫毛異常などの副作用は、40%近くの緑内障患者に認められており(ドクターサロン60巻2月号)、一生涯これらの副作用とともに生活しなければならない。海外の文献においても同様の報告があり、緑内障点眼の副作用としては、接触性皮膚炎・結膜炎・眼瞼の収縮・瞳孔拡大・充血などが報告されている (American Academy of Ophthalmology, Eyewiki、http://eyewiki.aao.org/Medical_Management_for_Primary_Open_Angle_Glaucoma#Medical_therapy)。
また、点眼時に点眼液がこぼれてしまうことでアイメイクが崩れるという課題があり、アイメイクが崩れないために点眼液がこぼれない目薬の点眼方法が求められている(女性セブン 2017年5月18日号p104)。
そもそも点眼液は眼に滴下された後、結膜嚢に保持され、角膜より吸収される。一般的な点眼容器から吐出される点眼液1滴の容量は、たとえば、慶應病院web: http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/raiin/kusuri/kusuri_02.html、ほか多数の文献に記載されているように、40μl(リットル)〜50μlである。また、点眼液の受け皿である結膜嚢の容積は20μlである。従って、点眼液1滴の容量や結膜嚢の容積には個人差があるが、点眼液は基本的に結膜嚢からこぼれる設計になっている。
また、一般的な点眼容器の場合には、点眼の際に睫毛等に点眼容器のノズルの先端部が接触することにより、点眼容器内に異物が混入したり、細菌などの微生物が点眼容器の内部に入り、点眼容器の内部で細菌が繁殖するという課題がある。現に開封後の点眼容器の中で細菌の繁殖が起きているという文献もある
(Danny H, Kauffmann J, Gary PW, et al. Bacterial contamination of ophthalmic solutions used in an extended care facility. Br J Ophthalmol. 2007 Oct; 91(10): 1308-1310.)。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、点眼時に必要量の点眼液を点眼することができ、点眼液が結膜嚢からこぼれることを防止し、点眼容器内の点眼液における異物の混入や細菌などの微生物の繁殖を抑えることができる点眼容器アタッチメント、及び、点眼容器を提供することを目的とする。
本発明は、点眼液を吐出する点眼容器の吐出口が形成された点眼容器の吐出部に装着される点眼容器アタッチメントであって、前記吐出部に固定され、第1の量の点眼液を貯留可能な第1点眼液貯留部を有する基部と、前記点眼液が前記吐出口から流出する方向における下流側に設けられ、前記第1点眼液貯留部に連通可能であり第2の量の点眼液を液滴として貯留可能な第2点眼液貯留部を有する先端部と、前記第1点眼液貯留部に設けられ、前記第1点眼液貯留部から前記第2点眼液貯留部へ点眼液を流通させ、前記第1点眼液貯留部における前記点眼容器の前記吐出口への前記第2点眼液貯留部からの点眼液の逆流を阻止する逆止弁と、を備える点眼容器アタッチメントに関する。
また、前記第2点眼液貯留部は、所定の間隔で配置された複数の点眼液保持部材を有し、前記第2点眼液貯留部に貯留されている点眼液の少なくとも一部が、複数の前記点眼液保持部材の間に位置することにより、前記点眼液保持部材によって、前記第2の量の点眼液は、前記第2点眼液貯留部に貯留されることが好ましい。
また、複数の前記点眼液保持部材は、並列された2つの環状部を有し、2つの前記環状部の間に形成されたスリットにより2つの前記環状部が所定の間隔で配置されることが好ましい。
また、本発明は、点眼液を吐出する吐出口が形成された吐出部を有する点眼容器であって、前記吐出部に設けられ第1の量の点眼液を貯留可能な第1点眼液貯留部と、前記点眼液が前記吐出口から流出する方向における下流側に設けられ、前記第1点眼液貯留部に連通可能であり第2の量の点眼液を液滴として貯留可能な第2点眼液貯留部を有する先端部と、前記第1点眼液貯留部と前記第2点眼液貯留部との間に設けられ、前記第1点眼液貯留部から前記第2点眼液貯留部へ点眼液を流通させ、前記第1点眼液貯留部における前記点眼容器の前記吐出口へのから前記第2点眼液貯留部からの点眼液の逆流を阻止する逆止弁と、を備える点眼容器に関する。
本発明によれば、点眼時に必要量の点眼液を点眼することができ、点眼液が結膜嚢からこぼれることを防止し、点眼容器内の点眼液における異物の混入や細菌などの微生物の繁殖を抑えることができる点眼容器アタッチメント、及び、点眼容器を提供することができる。
本発明の第1実施形態による点眼容器アタッチメント1を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による点眼容器アタッチメント1の基部10を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態による点眼容器アタッチメント1Aを示す斜視図である。 本発明の第3実施形態による点眼容器アタッチメントの基部10Bを示す概略断面図である。 本発明の実施形態による点眼容器2Cを示す正面図である。
以下、本発明の第1実施形態による点眼容器アタッチメント1について、図1〜図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態による点眼容器アタッチメント1を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態による点眼容器アタッチメント1の基部10を示す概略断面図である。
以下の説明においては、後述の基部10から先端部30へと向かう方向を先端側の方向と定義し、その反対の方向を基端側の方向と定義して説明する。
点眼容器アタッチメント1は、点眼液を吐出する吐出口が形成された点眼容器2(図2参照)の先端の吐出部であるノズル21に覆い被せられて固定されて装着されるアタッチメントであり、1回の点眼が行われた後には廃棄され、点眼を行う都度新たに装着されるディスポーサブルな点眼容器用のアタッチメントである。
点眼容器アタッチメント1は、図1に示すように、基部10と、先端部30と、を備えている。基部10は、ポリカーボネート等の、ある程度伸縮性を有しており点眼容器2のノズル21を圧入するこにより容易にノズル21から外れないように固定可能な材料により構成されており、図2に示すように、先細りの載頭円錐形状の外形を有している。基部10の内部であって基部10の軸心位置には、基部10の基端側に位置する大径の内部空間の部分である大径部11と、先端側に位置する小径の内部空間の部分である小径部12とが形成されており、これらには、点眼容器2のノズル21の先端のノズル21の開口から吐出された点眼液が流通可能であり、貯留可能である。
基部10の内部であって小径部12の中間の部分には、逆止弁121が設けられている。逆止弁121は、公知の逆止弁により構成されており、大径部11から小径部12へと流れてきて、逆止弁121よりも基部10の先端側へ流れた点眼液が、逆止弁121よりも基端側へ逆流することを防止する。即ち、逆止弁121は、第1点眼液貯留部101から第2点眼液貯留部301へ点眼液を流通させ、第1点眼液貯留部101における点眼容器2のノズル21の吐出口への第2点眼液貯留部301からの点眼液の逆流を阻止する。逆止弁121の前後の基部10における大径部11及び小径部12は、第1点眼液貯留部101を構成し、逆止弁121は、第1点眼液貯留部101に設けられている。
第1点眼液貯留部101は、第1の量の点眼液を貯留可能である。第1の量は、具体的には、10μl(リットル)以上30μl以下である。10μl以上30μl以下としたのは、この数字の幅は、点眼容器2の先と基部10が接続する部位のいわゆる死腔(デッドスペース:ここで述べる死腔とは、基部に貯留される薬液が使われずに捨てられるため、死腔と表現されている)にあたるためであるからである。即ち、10μl未満では死腔にあたる量が少なすぎるためであり、30μlを超えると、死腔にあたる量が多すぎて点眼液が無駄になるためである。
図1に示すように、先端部30は、基部10の先端に接続されて固定されている。即ち、先端部30は、点眼液がノズル21(図2参照)から流出する方向における下流側に設けられている。先端部30は、逆止弁121が開くことにより第1点眼液貯留部101に連通可能な第2点眼液貯留部301であって、第2の量の点眼液を液滴として貯留可能な第2点眼液貯留部301を有する。
具体的には、先端部30は、眼のいずれの部分に触れても人体に害を及ぼさない材料、例えば、柔軟性の高いシリコーンゴム、ポリエチレンなどの柔らかい樹脂、ポリ塩化ビニル (点滴チューブの素材)等により構成されており、第2点眼液貯留部301は、先端部30に形成されている。即ち、第2点眼液貯留部301は、先端部30を構成する、所定の間隔で配置された複数の点眼液保持部材により形成されている。点眼液保持部材においては、保持部材基部33は一体成形されて筒状を有しており、保持部材基部33の先端側は、点眼液保持部材は分岐して並列された2つの帯状の環状部31により構成されており、基部10の先端を覆うように、保持部材基部33は、基部10の先端に固定されている。2つの環状部31の間にはスリット34が形成されており、このスリット34によって2つの環状部31が所定の間隔で配置されている。
2つの環状部31により取囲まれる空間311には、第2の量の点眼液が液滴として一時的に貯留される。第2の量とは具体的には、10μl(リットル)以上20μl以下である。10μl以上20μl以下としたのは、この範囲の点眼液の量は、本来点眼液として、こぼれず結膜嚢に移行しなければならない必要量である。即ち、10μl未満では点眼液による効能を十分に得られず、20μlを超えると、ヒトの結膜嚢 (点眼液を受け止める受け皿)の容量を超えてしまい、不要な点眼液の量まで含まれて、結膜嚢からこぼれることになるからである。
次に、点眼液を点眼する際の動作について説明する。先ず、点眼容器アタッチメント1を、点眼液を吐出する吐出口が形成された点眼容器2の先端の吐出部であるノズル21に覆い被せるようにして固定して装着する。次に、点眼容器2のノズル21を、点眼容器アタッチメント1に対して上側の位置とするか、あるいは、点眼容器2の容器本体22を軽く圧迫する。これにより、ノズル21を通して、点眼容器2の容器本体22に貯留されている点眼液を、第1点眼液貯留部101へ流入させる。これにより、点眼液は逆止弁121を通過して、基部10の第1点眼液貯留部101から先端部30の第2点眼液貯留部301へ流入する。第2点眼液貯留部301へ流入した点眼液の一部は、毛細管現象により2つの環状部31の間に形成されたスリット34に入り込み、表面張力によって、環状部31により形成された空間311において、液滴の状態で環状部31に保持される。
次に、点眼を行う点眼者は、従来の点眼方法のように上を向かずに、正面を向いたままの正面視で、下まぶたを下方向へ引っ張り、下眼瞼結膜(赤眼の部分)を露出させる。そして、点眼者は、下眼瞼結膜に対して点眼容器アタッチメント1の先端部30の環状部31、又は、環状部31に保持され環状部31からはみ出している点眼液の液滴を接触させることにより、点眼液を下眼瞼結膜に対して点眼する。
上記構成の実施形態による点眼容器アタッチメント1によれば、以下のような効果を得ることができる。上述のように、点眼液を吐出する点眼容器2の吐出口が形成された点眼容器2の吐出部としてのノズル21に装着される点眼容器アタッチメント1は、点眼容器2のノズル21に固定され、第1の量の点眼液を貯留可能な第1点眼液貯留部101を有する基部10と、点眼液が吐出口から流出する方向における下流側に設けられ、第1点眼液貯留部101に連通可能であり第2の量の点眼液を液滴として貯留可能な第2点眼液貯留部301を有する先端部30と、第1点眼液貯留部101に設けられ、第1点眼液貯留部101から第2点眼液貯留部301へ点眼液を流通させ、第1点眼液貯留部101における点眼容器2のノズル21への第2点眼液貯留部301からの点眼液の逆流を阻止する逆止弁121と、を備える。
この構成により、先端部30の環状部31により構成される第2点眼液貯留部301に保持されている10μl(リットル)以上20μl以下の点眼に適した量の点眼液を、正確に、且つ、狙いを外すことなく、結膜嚢へ確実に供給して点眼を行うことができる。この結果、結膜嚢から点眼液が溢れることを防止することができ、溢れた点眼液により眼瞼炎等の副作用が生じてADL(日常生活動作:Activities of Daily Living)低下を招くことを抑えることが可能となり、安全に点眼液を眼に点眼することができる。さらに、点眼者と被点眼者が同一でない場合 (小児や高齢者などに対してこれら以外の者が点眼する場合)、点眼行為自体が簡単になる。また、点眼薬コストの増加を抑え、余分な医療費の増加を抑えことが可能である。
また、第1点眼液貯留部101には、点眼における必要量である10μl(リットル)以上30μl以下の量の点眼液が保持されている。このため、第1点眼液貯留部101に貯留されている点眼液の量と、第2点眼液貯留部301に貯留されている点眼液の量とを合計しても50μl(リットル)程度であり、この量は、従来の点眼容器2から滴下される1滴の点眼液の量である30μl(リットル)〜50μlと同程度の量である。従って、点眼容器アタッチメント1は、点眼を行う都度装着され1回の点眼が行われた後には廃棄されるディスポーサブルな点眼容器用のアタッチメントであるが、従来の点眼容器2の場合と比較して、より多くの量の点眼液を点眼容器アタッチメント1とともに無駄に廃棄してしまうことが抑えられる。
また、点眼容器アタッチメント1は、点眼を行う都度装着され1回の点眼が行われた後には廃棄されるディスポーサブルな点眼容器用のアタッチメントであるため、衛生的である。特に、点眼容器アタッチメント1は、逆止弁121を有しているため、先端部30に付着した細菌が、第2点眼液貯留部301及び第1点眼液貯留部101を通り、点眼容器本体22の内部の点眼液に入ることを抑えることができる。このため、点眼容器本体22の内部の点眼液において細菌が繁殖することを抑えることが可能である。
また、点眼の際に下眼瞼結膜に接触するのは、点眼容器アタッチメント1の先端部30の環状部31、又は、環状部31に保持されている液滴のみである。更に、点眼容器2の先端のノズル21は、点眼容器アタッチメント1の基部10に完全に覆われているため、点眼容器2の先端のノズル21は、下眼瞼結膜や睫毛や皮膚等に全く接触しない。このため、点眼容器2の先端のノズル21から、点眼容器本体22の内部の点眼液に入ることを抑えることができ、この結果、点眼容器本体22の内部の点眼液において異物混入や細菌などの微生物が繁殖して汚染されることを抑えることが可能である。
また、従来の点眼容器2のみを使用する場合には、点眼液投与時に重力を利用し、垂直に点眼液が落ちていくことを利用するため、上を向くことが困難な点眼者や点眼者と被点眼者が同一でない場合は点眼行為自体が困難であったが、正面視で点眼を行うことができるため、このような問題点も解消できる。
また、第2点眼液貯留部301は、所定の間隔で配置された複数の点眼液保持部材を有する。第2点眼液貯留部301に貯留されている点眼液の少なくとも一部が、複数の点眼液保持部材の間に位置することにより、点眼液保持部材によって、第2の量の点眼液は、第2点眼液貯留部301に貯留される。この構成により、毛細管現象及び表面張力によって、第2点眼液貯留部301から容易に滴下してこぼれ落ちないように保持することができる。
また、複数の点眼液保持部材は、並列された2つの環状部31を有し、2つの環状部31の間に形成されたスリット34により2つの環状部31が所定の間隔で配置される。
この構成により、液滴の周囲を2つの環状部31により囲まれた空間311において表面張力により保持することができ、液滴が環状部31から容易に滴下してこぼれ落ちないように保持することができる。更に、2つの環状部31の間に形成されたスリット34に、液滴が毛細管現象により入り込むことができるため、より確実に液滴が、環状部31から容易に滴下してこぼれ落ちないように保持することができる。
以下、本発明の第2実施形態による点眼容器アタッチメント1Aについて図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の第2実施形態による点眼容器アタッチメント1Aを示す斜視図である。
本発明の第2実施形態に係る点眼容器アタッチメント1Aは、先端部30Aの構成が第1実施形態における先端部30の構成とは異なる。これ以外の各部の構成については、第1実施形態による点眼容器アタッチメント1の各部の構成と同様である。第1実施形態における各構成と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
先端部30Aは、弾力性を有する複数の糸状部材31Aを有している。糸状部材31Aの一端部同士は基部10の先端に固定されており、糸状部材31Aの他端部同士はそれぞれ互いに一点で固定されている。このように固定されることにより複数の糸状部材31Aは、図3に示すように、全体で球形状を有している。球形状の内部の空間311Aは、第2点眼液貯留部301を構成する。基部10の第1点眼液貯留部101から先端部30Aの第2点眼液貯留部301へ流入した点眼液の一部は、毛細管現象により糸状部材31A間に入り込み、表面張力によって、糸状部材31Aにより形成された空間311Aにおいて、液滴の状態で糸状部材31Aに保持される。
次に、本発明の第3実施形態による点眼容器アタッチメント1Bについて図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第3実施形態による点眼容器アタッチメントの基部10Bを示す概略断面図である。
本発明の第3実施形態に係る点眼容器アタッチメントは、基部10Bの構成が第1実施形態における基部10の構成とは異なる。これ以外の各部の構成については、第1実施形態による点眼容器アタッチメント1の各部の構成と同様である。第1実施形態における各構成と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
基部10は、拡径部11Bを有している。拡径部11Bの一端は、小径部12の基部側の端部に接続されている。拡径部11Bは、先端側から基端側に近づくにつれて徐々に拡径しており、図4に示すように、基部10Bの軸心を含む断面においては、テーパ形状を有している。拡径部11Bにおいては、内径として様々な値を採ることが可能であり、点眼容器2の様々な寸法のノズル21の先端を挿入して固定することが可能である。
次に、本発明の一実施形態による点眼容器2Cについて図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施形態による点眼容器2Cを示す正面図である。
点眼容器2Cは、1回の点眼に使用された後に廃棄されるディスポーサブルな点眼容器であり、第1実施形態による点眼容器アタッチメント1と、点眼容器2の容器本体22とが一体的に接続されたような構成を有している。第1実施形態における各構成と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
点眼容器2Cは、容器本体22Cと、点眼液を吐出する吐出部を構成する基部10Cと、先端部30とを有している。基部10Cの基端は、容器本体22Cの上部の開口部に一体成形されて接続されている。図5における容器本体22Cの下側及び、先端部30よりも上側には、容器本体22Cと一体成形されて構成された容器支持部3Cが設けられている。
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。例えば、先端部30の構成は、上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、先端部30は、スプーンの様な形状の液滴載置部を有していて、液滴載置部の上面において、液滴を保持できるように第2点眼液貯留部が構成されていてもよい。この場合には、液滴載置部には、上述の実施形態の環状部31によって保持される量と同量の液滴が保持可能である。
また、2つの環状部31のうちの一方の環状部31が他方の環状部31から離間するように湾曲し、これに伴い、他方の環状部31が一方の環状部31に近づくように一方の環状部31の方向へ湾曲してもよい。このように環状部31が湾曲することにより、一方の環状部31に隣接している他方の環状部31の側とは反対の他方の環状部31の側から、環状部31に保持されている液滴の表面を湾曲させてはみ出させることが可能となる。点眼の際には、このはみ出した液滴の表面を下眼瞼結膜に接触させて、点眼を行うことを容易とすることができる。
また、基部、先端部、逆止弁等の構成は、本実施形態における基部10、先端部30、逆止弁121等の構成に限定されない。
1 点眼容器アタッチメント
2、2C 点眼容器
10 基部
21 ノズル
22 容器本体
30 先端部
31 環状部
34 スリット
121 逆止弁
101 第1点眼液貯留部
301 第2点眼液貯留部

Claims (4)

  1. 点眼液を吐出する点眼容器の吐出口が形成された点眼容器の吐出部に装着される点眼容器アタッチメントであって、
    前記吐出部に固定され、第1の量の点眼液を貯留可能な第1点眼液貯留部を有する基部と、
    前記点眼液が前記吐出口から流出する方向における下流側に設けられ、前記第1点眼液貯留部に連通可能であり第2の量の点眼液を液滴として貯留可能な第2点眼液貯留部を有する先端部と、
    前記第1点眼液貯留部に設けられ、前記第1点眼液貯留部から前記第2点眼液貯留部へ点眼液を流通させ、前記第1点眼液貯留部における前記点眼容器の前記吐出口への前記第2点眼液貯留部からの点眼液の逆流を阻止する逆止弁と、を備える点眼容器アタッチメント。
  2. 前記第2点眼液貯留部は、所定の間隔で配置された複数の点眼液保持部材を有し、
    前記第2点眼液貯留部に貯留されている点眼液の少なくとも一部が、複数の前記点眼液保持部材の間に位置することにより、前記点眼液保持部材によって、前記第2の量の点眼液は、前記第2点眼液貯留部に貯留される、請求項1に記載の点眼容器アタッチメント。
  3. 複数の前記点眼液保持部材は、並列された2つの環状部を有し、2つの前記環状部の間に形成されたスリットにより2つの前記環状部が所定の間隔で配置される請求項2に記載の点眼容器アタッチメント。
  4. 点眼液を吐出する吐出口が形成された吐出部を有する点眼容器であって、
    前記吐出部に設けられ第1の量の点眼液を貯留可能な第1点眼液貯留部と、
    前記点眼液が前記吐出口から流出する方向における下流側に設けられ、前記第1点眼液貯留部に連通可能であり第2の量の点眼液を液滴として貯留可能な第2点眼液貯留部を有する先端部と、
    前記第1点眼液貯留部と前記第2点眼液貯留部との間に設けられ、前記第1点眼液貯留部から前記第2点眼液貯留部へ点眼液を流通させ、前記第1点眼液貯留部における前記点眼容器の前記吐出口へのから前記第2点眼液貯留部からの点眼液の逆流を阻止する逆止弁と、を備える点眼容器。
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