JP2019162337A - 酸素濃縮装置およびその制御方法 - Google Patents

酸素濃縮装置およびその制御方法 Download PDF

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瑛介 柿沼
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直之 飯田
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博大 平野
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Abstract

【課題】SpO2フィードバック機能を備える在宅酸素療法用の酸素濃縮装置において、使用者の動脈血酸素飽和度が過度な低酸素状態や高酸素状態に置かれた場合に、速やかに使用者にとって好適な酸素濃縮ガスの流量制御が可能な、酸素濃縮装置およびその制御方法を提供すること。【解決手段】複数の吸着筒を切り替えて使用するPSA式酸素濃縮装置において、SpO2フィードバック制御手段を備え、使用者の動脈血酸素飽和度が上限動脈血酸素飽和度を第1基準回数以上連続して上回った場合に、供給酸素流量を減少させる上限時制御手段と、使用者の動脈血酸素飽和度が下限動脈血酸素飽和度を第2基準回数以上連続して下回った場合に、供給酸素流量を増加させる下限時制御手段と、を備えたPSA式酸素濃縮装置。【選択図】図1

Description

本発明は、酸素療法に用いられるPSA式酸素濃縮装置及びその制御方法に関する。
従来、喘息、閉塞性慢性肺疾患等の呼吸器疾患患者に対する治療のひとつとして酸素療法が行われている。これは、酸素ガスや酸素濃縮ガスを患者に吸入させることで患者の動脈血酸素分圧(PaO2)を上昇させ、低酸素血症を改善・予防することを目的としている。近年では、患者QOL向上を目的に自宅や施設等で酸素吸入をする在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)が主流になってきており、酸素供給源としては酸素濃縮装置が主に使用されている。
酸素濃縮装置とは、空気中に存在する約21%の酸素を濃縮して排出する装置である。酸素濃縮装置の多くは圧力変動吸着式(以下、PSA式:Pressure Swing Adsorption)が一般的に用いられる(以下、PSA式酸素濃縮装置を単純に酸素濃縮装置と記す)。
酸素濃縮装置では、窒素ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された吸着筒に空気を取り込み、加減圧を繰り返すことで濃縮酸素ガスを生成する。この仕組みによって、酸素濃縮装置は患者に連続的に高濃度酸素ガスを提供することができる。
在宅酸素療法で処方される濃縮酸素ガスの流量は、患者の疾患や重度の他に、安静、労作、睡眠など、それぞれの患者の状態ごとに適した流量を処方することが好ましい。このため、特許文献1のように、酸素濃縮装置に経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定するセンサを設け、濃縮酸素ガスの流量を動脈血酸素飽和度の値から設定することが検討されている。一般的に、患者のPaO2値を60mmHg以上(動脈血酸素飽和度を90%以上)に保つことが望ましいと考えられている。
さらに近年では、特許文献2のように、在宅酸素療法を受けている使用者の動脈血酸素飽和度を所定間隔で測定し、動脈血酸素飽和度が医師などの医療従事者により処方された設定値の範囲内またはその値になるように、濃縮酸素ガスの流量を一定時間間隔で制御するSpO2フィードバック機能を備える酸素濃縮装置が検討されている。
特開平6−190045号公報 特開2014−39653号公報 特許第5016595号
SpO2フィードバック機能を使用すれば、使用者の安静、労作、睡眠などのそれぞれの状態で酸素消費量が変動しても、供給される濃縮酸素ガスの流量が酸素濃縮装置により制御され、使用者の動脈血酸素飽和度を一定の範囲内とすることが可能になる。
一方、たとえば睡眠中など睡眠ステージによる呼吸状態の変化に影響を受けて、使用者の動脈血酸素飽和度が医師などの医療従事者により処方された設定値の範囲またはその値を大幅に下回った場合には、使用者の健康状態を保つために、速やかに使用者の動脈血酸素飽和度を回復させる必要がある。
特許文献3においては、ガス流量の制御周期期間の使用者の動脈血酸素飽和度を平均して算出し、算出された平均動脈血酸素飽和度と設定された酸素飽和レベルを比較した後、平均動脈血酸素飽和度がある動脈血酸素飽和度を下回っていた場合には次のガス流量の制御周期のタイミングで、酸素供給装置が出力できる最大の酸素流量を供給する方法が記されている。この方法によれば、上述した使用者の動脈血酸素飽和度が医療従事者所望の範囲もしくは値を大きく下回り、使用者が低酸素状態になっている場合に対処できる。
しかしながら、この従来技術においてはガス流量の制御周期タイミングでしかガス流量を変更することができない。酸素が欠乏している状態への対応においては、早急に使用者の動脈血酸素飽和度を回復させる必要があるため、ガス流量の制御周期のタイミングを待たずしてより早いタイミングで可能な限り多くの酸素流量を投与することが望ましい。
くわえて、酸素供給装置が出力できる最大の酸素流量を供給した場合には、酸素の過剰投与による生体への影響も考慮しなければならない。特にII型慢性呼吸不全患者は、延髄にある中枢化学受容器が動脈血中二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇に対して馴化しており、一方、動脈血酸素分圧(PaO2)の低下に対しては末梢化学受容器の頸動脈が反応し換気を増加させることが知られている。このような患者に対して、不用意に酸素吸入量を増加させてしてしまうと、低換気を生じ高二酸化炭素血症やCO2ナルコーシスの危険性が増す。
したがって、可能な限り多くのの酸素流量を供給した後は、リアルタイムに使用者の動脈血酸素飽和度をモニターし、過度な酸素化が進んだ場合には速やかに酸素濃縮ガス流量を減少させるシステムが望ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、SpO2フィードバック機能を備える在宅酸素療法用の酸素濃縮装置において、使用者の動脈血酸素飽和度が過度な低酸素状態や高酸素状態に置かれた場合に、速やかに使用者にとって好適な酸素濃縮ガスの流量制御が可能な、酸素濃縮装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明者は、SpO2フィードバック機能を備える酸素濃縮装置が運転中において、使用者の動脈血酸素飽和度が過度な低酸素状態や高酸素状態に置かれた場合に、速やかに使用者にとって好適な酸素濃縮ガスの流量を供給する方法を鋭意研究した結果、本発明に到達した。
本発明は、複数の吸着筒を切り替えて使用するPSA式酸素濃縮装置において、前記PSA式酸素濃縮装置は、使用者の動脈血酸素飽和度を測定するセンサから、所定の時間間隔で前記使用者の動脈血酸素飽和度を受信する受信手段と、前記使用者の動脈血酸素飽和度に基づいて、前記時間間隔よりも長い周期ごとに前記PSA式酸素濃縮装置の動作を設定するフィードバック制御手段と、下限動脈血酸素飽和度および上限動脈血酸素飽和度を設定する設定手段と、前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記上限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記上限動脈血酸素飽和度を第1基準回数以上連続して上回った場合に、供給酸素流量を減少させる上限時制御手段と、前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記下限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記下限動脈血酸素飽和度を第2基準回数以上連続して下回った場合に、供給酸素流量を増加させる下限時制御手段と、を備えたPSA式酸素濃縮装置である。
前記上限時制御手段が供給酸素流量を減少させたのち、一定時間後の前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記上限動脈血酸素飽和度よりも大きかった場合に、さらに供給酸素流量を減少させてもよい。
また本発明は、複数の吸着筒を切り替えて使用するPSA式酸素濃縮装置の制御方法であって、使用者の動脈血酸素飽和度を測定するセンサから、所定の時間間隔で前記使用者の動脈血酸素飽和度を受信するステップと、前記使用者の動脈血酸素飽和度に基づいて、前記時間間隔よりも長い周期ごとに前記PSA式酸素濃縮装置の動作を設定するステップと、下限動脈血酸素飽和度および上限動脈血酸素飽和度を設定するステップと、前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記上限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記上限動脈血酸素飽和度を第1基準回数以上連続して上回った場合に、供給酸素流量を減少させるステップと、前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記下限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記下限動脈血酸素飽和度を第2基準回数以上連続して下回った場合に、供給酸素流量を増加させるステップと、を有するPSA式酸素濃縮装置の制御方法である。
本発明によれば、使用者の動脈血酸素飽和度が過度な低酸素状態や高酸素状態に置かれた場合に、速やかに使用者にとって好適な酸素濃縮ガスの流量を供給することができる。
酸素濃縮装置を用いたSpO2フィードバックの治療形態を示す図である。 実施形態の酸素濃縮装置の構成を示す図である。 実施形態に係る処理を示したフローチャートである。
《酸素濃縮装置を用いたSpO2フィードバックの治療形態》
酸素濃縮装置を用いたSpO2フィードバックの治療形態を図1に示す。SpO2フィードバックの治療形態は、酸素濃縮装置本体1と、酸素濃縮ガスを使用者に供給する手段である延長チューブ2とカニューラ3と酸素濃縮装置の使用者の動脈血酸素飽和度を測定するセンサ部であるパルスオキシメーター4とを備える。
《酸素濃縮装置の構成》
本発明の実施形態である、酸素濃縮装置の構成を図2に示す。
酸素濃縮装置は、先に説明したように主に在宅酸素療法に用いられ、空気中に含まれる窒素を分離し、高濃度酸素(酸素富化気体)を吸入用の酸素濃縮ガスとして供給する装置である。図2に示す各構成間を結ぶ実線はガスの主な流路を示し、点線は制御信号などの電気信号の主な経路を示す。酸素濃縮装置の本体1は、加圧空気を供給するコンプレッサー111、窒素を選択的に吸着する吸着剤を充填した吸着筒113、コンプレッサー111と吸着筒113との連通を切り替える切替弁112、生成された濃縮酸素を貯蓄する濃縮酸素バッファタンク115、濃縮された酸素ガスの流量を増減するコントロールバルブ117と、制御部120が収納されている。制御部120は例えばCPU(中央演算処理装置)によって構成される。パルスオキシメーター4は、使用者の指先などに取り付けられ、ある時間間隔(例えば1秒ごと)で使用者の動脈血酸素飽和度を測定し、制御部120に送信する。原料空気は、塵埃などの異物を取り除く吸気フィルタ110を備えた空気取り込み口から酸素濃縮装置本体内部へ取り込まれる。酸素濃縮装置本体内部へ取り込まれた原料空気は、コンプレッサー111で圧縮され切替弁112を介して吸着筒113に送られる。吸着筒113には窒素ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填されている。2筒式の圧力変動吸着式(PSA式)の酸素濃縮装置では、一方の吸着筒が吸着工程(窒素ガスを選択的に吸着剤に吸着する工程)を行っている場合は、他方の吸着筒では脱着工程(吸着剤に吸着された窒素ガスを脱離させる工程)を行い、切替弁112を制御することにより、吸着工程、脱着工程を各々逆位相の形で順次切り替え、酸素濃縮ガスを連続的に生成する。制御部120は、コンプレッサー111及び切替弁112を制御することで医師などの処方による所望の流量の酸素濃縮ガスをコンプレッサの回転数や切替弁112の切り替え制御周期を調整することにより生成する。なお吸着筒113は、1筒式、2筒式の他に3筒以上の多筒式などの公知の構成が利用できるが、連続的かつ効率的に原料空気から酸素濃縮ガスを製造するためには、2筒式や多筒式の吸着筒113を使用することが好ましい。吸着筒113にて生成された酸素濃縮ガスは逆止弁114を通過した後に濃縮酸素バッファタンク115に一時的に貯蔵される。患者へ酸素を供給する前に酸素濃縮ガスは調圧弁116にて圧力調整される。圧力調整された酸素濃縮ガスは、コントロールバルブ117によって所望の酸素流量に制御され、酸素供給口119より酸素濃縮装置外に供給される。具体的には、制御部120は、コントロールバルブ117を制御し該所望の酸素流量を使用者に供給する。流量計/酸素濃度計118は、供給される酸素ガスの流量及び酸素濃度を検出して制御部120にフィードバックする。制御部120は、検出された酸素ガスの流量及び酸素濃度に応じて、コントロールバルブ117の開度を制御する。これにより酸素濃縮装置による酸素濃縮ガスの生成、供給がコントロールされる。
《供給酸素流量制御》
本実施形態にかかる供給酸素流量制御の一例を図3に示す。図3の制御は制御部120により行われる。
《SpO2フィードバック機能》
本実施形態にかかる供給酸素流量制御では、使用者の動脈血酸素飽和度に応じて供給酸素流量が変更されるSpO2制御が実行される。本実施形態においては、動脈血酸素飽和度が医師などの医療従事者により処方された設定値の範囲内またはその値になるように、使用者に供給される濃縮酸素ガスの流量を一定時間間隔で制御する。
ステップS1にて酸素濃縮装置の電源をONにした後、ステップS2にて処方流量としてあらかじめ設定された初期流量が供給される。
なお本実施形態においては、酸素濃縮装置には事前に医療従事者による各種設定項目の入力が設定されているものとする。各種設定項目とは、少なくとも、目標とする動脈血酸素飽和度またはその範囲、上限動脈血酸素飽和度、下限動脈血酸素飽和度、使用者へ供給可能な上限流量及び下限流量、処方流量(初期流量)を含む。
その後、ステップS3にてSpO2フィードバックモードであることを確認する。ステップS3でSpO2フィードバックモードのスイッチがOFFの場合は、ステップS4にて処方流量としてあらかじめ設定された初期流量が供給され続ける。
ステップS3でSpO2フィードバックモードのスイッチがONであれば、ステップS5に進みパルスオキシメーター4から所定の時間間隔で使用者の動脈血酸素飽和度の情報を取得開始する。ここで所定の時間間隔とは、使用者の健康状態をいち早く判断するために、例えば1秒程度の短い間隔であることが望ましい。
ステップS5にて使用者の動脈血酸素飽和度の取得が開始されると、ステップS6に進み、上限時制御動作をさせるべきか否かを判断する。ステップS6において上限時制御動作の作動が不要と判断された場合はステップS7に進み、下限時制御動作をさせるべきか否かを判断する。上限時制御動作、下限時制御動作の判断の詳細については後述する。
ステップS7において下限時制御動作の作動が不要と判断された場合はステップS8に進み、直近一定期間中の使用者の動脈血酸素飽和度を平均化処理して使用者の平均動脈血酸素飽和度を求め、使用者の平均動脈血酸素飽和度と設定された目標動脈血酸素飽和度とを比較した後、比較結果に応じて酸素供給流量の変更を行い、変更された酸素供給流量をある周期期間供給する。具体的には、目標動脈血酸素飽和度よりも使用者の平均動脈血酸素飽和度が高かった場合は、供給酸素流量を所定の量だけ減少させる。一方、目標動脈血酸素飽和度よりも使用者の平均動脈血酸素飽和度が低かった場合は、供給酸素流量を所定の量だけ増加させる。このとき、使用者の動脈血酸素飽和度と目標とする動脈血酸素飽和度との差分が大きいほど供給酸素流量の増減量を大きくすることが望ましい。
ここで、SpO2フィードバックによって変更された酸素供給流量を維持する周期期間は、少なくともパルスオキシメーター4からの使用者の動脈血酸素飽和度を取得する所定の時間間隔(例えば1秒程度)よりも長く設定することが好ましい。また、酸素濃縮装置において、酸素供給流量を変更した後では目的とした酸素流量や酸素濃度を安定的に生成できるようになるまで60秒ほど時間を要するため、前述の通りパルスオキシメーター4からの使用者の動脈血酸素飽和度を取得する所定の時間間隔が1秒程度であるとするならば、SpO2フィードバックによって変更された酸素供給流量を維持する周期期間は少なくとも所定の時間間隔の60倍以上に設定されることが望ましい。
さらに、酸素供給流量変更後に生成酸素流量や濃度が安定するまでの時間にくわえ、酸素濃縮ガスが使用者に供給されてから十分に体内循環する時間や使用者の動脈血酸素飽和度に反映されてくるまでの時間を考慮すると、酸素供給流量変更直後から約3分間は変更された酸素供給流量によって本来示されるはずの動脈血酸素飽和度を正しく測定できていない可能性がある。そのため、SpO2フィードバックによって変更された酸素供給流量を維持する周期期間は3分以上に設定することが好ましい。また、同様な理由から、上述のように一定期間中の使用者の動脈血酸素飽和度を平均化処理する際には、流量変更後3分程度のデータを除外した使用者の動脈血酸素飽和度を採用することが望ましく、また平均化処理を行う一定期間とは少なくとも30秒以上を取得した方が好ましい。
最後に、ステップS15で酸素濃縮装置の電源がOFFか否かを判断する。ステップS15において、酸素濃縮装置の電源がOFFと判断されない場合は、ステップS3に戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS15において、酸素濃縮装置の電源がOFFと判断された場合は、ステップS16に進み、処理を終了する。
《上限時制御動作》
ステップS6にて行われる上限時制御動作の判断では、所定の時間間隔で取得している使用者の動脈血酸素飽和度と上限動脈血酸素飽和度とを比較して、使用者の動脈血酸素飽和度>上限動脈血酸素飽和度である場合には、使用者の動脈血酸素飽和度>上限動脈血酸素飽和度と連続して判断された回数のカウンタである上限時制御動作シフトカウントを1つ増加させる。反対に、使用者の動脈血酸素飽和度≦上限動脈血酸素飽和度である場合には上限時制御動作シフトカウントを0にリセットする。上限時制御動作シフトカウントが第1基準回数に到達した場合には、使用者が継続的に極度な高酸素状態に晒されていると判断し、上限時制御動作を実行するためステップS9に進む。
ここで、第1基準回数は上限時制御動作シフトカウントに予め設定された閾値である。使用者の体内状態が比較的安定していたとしても、使用者の動脈血酸素飽和度は常に一定の値を示すわけではなく、ある値を中心に±1%程度でゆらぎながら観察される。そのため、継続的に高酸素状態であることを判断するためは、第1基準回数を10回以上にすることが望ましい。
ステップS9では、供給酸素流量を減少させ、所定の周期期間(例えばSpO2フィードバックによって変更された酸素供給流量を維持する周期期間と同じ期間)が経過するまで供給酸素流量を維持する。供給酸素流量を減少させる方法として、たとえば複数の段階的に設定された所定設定流量を切り替えることが可能な酸素濃縮装置では、過度な供給酸素流量の減少により使用者の動脈血酸素飽和度が一気に低下して低酸素状態に陥ることを懸念し、所定設定流量を1段階ずつ下げる方法が好ましい。
ステップS9にて供給酸素流量を減少させた場合において、使用者やその病態によっては、使用者の動脈血酸素飽和度が低下し過ぎてしまい、過度な低酸素状態に晒されてしまうリスクが生じる可能性がある。そのため、ステップS10に進み、後述の下限時制御動作を作動させるべきか否かを常に判断しておくことが好ましい。具体的には、後述のステップS14と同様の処理を実行することが好ましい。
ステップS10で下限時制御動作を作動させる必要があると判断された場合は、ステップS12に進み、供給酸素流量を増加させる。
ステップS9にて供給酸素流量を減少させた場合において、供給酸素流量の減少が十分ではないために、使用者の動脈血酸素飽和度が低下せず、なかなか高酸素状態が改善しない可能性も考えられる。そのため、ステップS10で下限時制御動作を作動させる必要がないと判断された場合はステップS11に進み、ある一定時間後において使用者の動脈血酸素飽和度が上限動脈血酸素飽和度を上回っているか否かを判断する。ある一定時間後とは、上述の理由から例えば3分後などが望ましい。使用者の動脈血酸素飽和度が上限動脈血酸素飽和度を上回っていた場合には、ステップS9に戻り再び供給酸素流量を減少させる。一方、使用者の動脈血酸素飽和度が上限動脈血酸素飽和度を上回っていなかった場合には、供給酸素流量は適切であると判断し、供給酸素流量を維持してステップS15へ進む。
《下限時制御動作》
ステップS7にて行われる下限時制御動作の判断では、所定の時間間隔で取得している使用者の動脈血酸素飽和度と下限動脈血酸素飽和度とを比較して、下限動脈血酸素飽和度>使用者の動脈血酸素飽和度である場合には、下限動脈血酸素飽和度>使用者の動脈血酸素飽和度と連続して判断された回数のカウンタである下限時制御動作シフトカウントを1つ増加させる。反対に、下限動脈血酸素飽和度≦使用者の動脈血酸素飽和度である場合には下限時制御動作シフトカウントを0にリセットする。下限時制御動作シフトカウントが第2基準回数に到達した場合には、使用者が継続的に極度な低酸素状態に晒されていると判断し、下限時制御動作を実行するためステップS12に進む。
ここで、第2基準回数は下限時制御動作シフトカウントに予め設定された閾値である。第1基準回数 と同様、使用者の動脈血酸素飽和度のゆらぎを考慮して、継続的に低酸素状態であることを判断するために、第2基準回数は10回以上にするのが望ましい。くわえて、パルスオキシメーター4によって使用者の動脈血酸素飽和度を測定している間において、パルスオキシメーター4の装着がずれることで10秒未満の一時的な動脈血酸素飽和度の低下が生じることがある。この一時的な動脈血酸素飽和度の低下を契機にして下限時制御動作が作動することを避けるために、第2基準回数は10回以上にするのが望ましい。また、睡眠時無呼吸症候群による動脈血酸素飽和度の低下をも考慮するのであれば、例えば第2基準回数は100回以上に設定するのが望ましい。
ステップS12では、供給酸素流量を増加させ、所定の周期期間(例えばSpO2フィードバックによって変更された酸素供給流量を維持する周期期間と同じ期間)が経過するまで供給酸素流量を維持する。このとき供給酸素流量を増加させる方法として、たとえば、使用者の動脈血酸素飽和度と目標動脈血酸素飽和度との差分を算出し、その差分の大きさに応じて供給する酸素量を決定する方法が考えられる。また複数の段階的に設定された所定設定流量を切り替えることが可能な酸素濃縮装置では、所定設定流量を1段階上げる、または使用者の動脈血酸素飽和度と目標動脈血酸素飽和度との差分に応じて所定設定流量を上げる方法が考えられる。
ステップS12にて供給酸素流量を増加させた場合に、使用者やその病態によっては、使用者の動脈血酸素飽和度が上昇し過ぎてしまい、過度な高酸素状態に晒されてしまうリスクが生じる可能性がある。そのため、ステップS13に進み、上限時制御動作を作動させるべきか否かを常に判断しておくことが好ましい。具体的には、上述のステップS11と同様の処理を実行することが好ましい。
ステップS13で上限時制御動作を作動させる必要があると判断された場合は、ステップS9に進み、供給酸素流量を減少させる。
ステップS12にて供給酸素流量を増加させた場合に、供給酸素流量の増加が十分ではないために、使用者の動脈血酸素飽和度が上昇せず、なかなか低酸素状態が改善しない可能性も考えられる。そのため、ステップS13で上限時制御動作を作動させる必要がないと判断された場合はステップS14に進み、ある一定時間後において使用者の動脈血酸素飽和度が下限動脈血酸素飽和度を下回っているか否かを判断する。ある一定時間後とは、上述の理由から例えば3分後などが望ましい。ステップS14で使用者の動脈血酸素飽和度が下限動脈血酸素飽和度を下回っていた場合には、ステップS12に戻り再び供給酸素流量を増加させる。一方、ステップS14で使用者の動脈血酸素飽和度が下限動脈血酸素飽和度を下回っていなかった場合には、供給酸素流量は適切であると判断し、供給酸素流量維持してステップS15へ進む。
以上説明したように、本実施形態によれば、使用者の動脈血酸素飽和度が過度な低酸素状態や高酸素状態に置かれた場合に、速やかに使用者にとって好適な酸素濃縮ガスの流量を供給することができる。
1:酸素濃縮装置本体
2:延長チューブ
3:カニューラ
4:パルスオキシメーター
110: 吸気フィルタ
111: コンプレッサー
112: 切替弁
113: 吸着筒
114: 逆止弁
115: 濃縮酸素バッファタンク
116: 調圧弁
117: コントロールバルブ
118: 流量計/酸素濃度計
119: 酸素供給口
120: 制御部(CPU)

Claims (8)

  1. 複数の吸着筒を切り替えて使用するPSA式酸素濃縮装置において、
    前記PSA式酸素濃縮装置は、
    使用者の動脈血酸素飽和度を測定するセンサから、所定の時間間隔で前記使用者の動脈血酸素飽和度を受信する受信手段と、
    前記使用者の動脈血酸素飽和度に基づいて、前記時間間隔よりも長い周期ごとに前記PSA式酸素濃縮装置の動作を設定するフィードバック制御手段と、
    下限動脈血酸素飽和度および上限動脈血酸素飽和度を設定する設定手段と、
    前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記上限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記上限動脈血酸素飽和度を第1基準回数以上連続して上回った場合に、供給酸素流量を減少させる上限時制御手段と、
    前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記下限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記下限動脈血酸素飽和度を第2基準回数以上連続して下回った場合に、供給酸素流量を増加させる下限時制御手段と、
    を備えたPSA式酸素濃縮装置。
  2. 前記上限時制御手段が供給酸素流量を減少させたのち、一定時間後の前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記上限動脈血酸素飽和度よりも大きかった場合に、さらに供給酸素流量を減少させる、
    請求項1に記載のPSA式酸素濃縮装置。
  3. 前記下限時制御手段が供給酸素流量を増加させたのち、一定時間後の前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記下限動脈血酸素飽和度よりも小さかった場合に、さらに供給酸素流量を増加させる、
    請求項1または2に記載のPSA式酸素濃縮装置。
  4. 目標動脈血酸素飽和度を設定する手段をさらに備え、
    前記フィードバック制御手段は、前記使用者の動脈血酸素飽和度を平均化するとともに、
    前記平均化された使用者の動脈血酸素飽和度と前記目標動脈血酸素飽和度との差分を算出し、前記差分の大きさに応じて、供給酸素量を変更する、
    請求項1〜3のいずれかに記載のPSA式酸素濃縮装置。
  5. 前記フィードバック手段は、前記差分が大きいほど供給酸素量の変更量を多くする、
    請求項4に記載のPSA式酸素濃縮装置。
  6. 前記第1基準回数及び第2基準回数は10回以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のPSA式酸素濃縮装置。
  7. 前記周期とは、前記所定の時間間隔の少なくとも60倍以上であることを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれかに記載のPSA式酸素濃縮装置。
  8. 複数の吸着筒を切り替えて使用するPSA式酸素濃縮装置の制御方法であって、
    使用者の動脈血酸素飽和度を測定するセンサから、所定の時間間隔で前記使用者の動脈血酸素飽和度を受信するステップと、
    前記使用者の動脈血酸素飽和度に基づいて、前記時間間隔よりも長い周期ごとに前記PSA式酸素濃縮装置の動作を設定するステップと、
    下限動脈血酸素飽和度および上限動脈血酸素飽和度を設定するステップと、
    前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記上限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記上限動脈血酸素飽和度を第1基準回数以上連続して上回った場合に、供給酸素流量を減少させるステップと、
    前記所定の時間間隔毎に、前記使用者の動脈血酸素飽和度と前記下限動脈血酸素飽和度とを所定の時間間隔毎で比較し、前記使用者の動脈血酸素飽和度が前記下限動脈血酸素飽和度を第2基準回数以上連続して下回った場合に、供給酸素流量を増加させるステップと、
    を有するPSA式酸素濃縮装置の制御方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112007250A (zh) * 2020-09-07 2020-12-01 中南大学 用于高海拔隧道施工的反馈式人员身体健康保障系统及方法

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