JP2019160971A - ウェーハ加工方法 - Google Patents

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陵佑 片岡
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崇 田母神
修平 押田
Shuhei Oshida
修平 押田
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Takashi Fujita
隆 藤田
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Abstract

【課題】生産性を低下させることなく、基板の表面に形成されたデバイス層にLow−k膜やTEG等の積層体が含まれるウェーハを分割予定ラインに沿って精度よく確実かつ効率的に分割することができるウェーハ加工方法を提供する。【解決手段】ウェーハ10の基板内部に集光点を合わせてレーザ光Lを照射することにより、ウェーハ10の基板内部に分割予定ラインに沿って改質領域20を形成する改質領域形成工程と、ウェーハ10の裏面10bから分割予定ラインに沿ってブレイクバーを押し付けることにより、ウェーハ10を撓ませて改質領域20から生じた亀裂をデバイス層に伸展させてウェーハ10をブレイクするブレイク工程とを備え、改質領域形成工程は、ウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20の一部同士が重なるように、複数の改質領域20を形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、基板の表面にデバイス層が積層されたウェーハを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウェーハ加工方法に関するものである。
従来より、シリコンウェーハなどのウェーハの分割方法として、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザ光を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射するレーザ加工方法が用いられている。このレーザ加工方法を用いた分割方法は、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザ光の集光点をウェーハの内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、ウェーハの内部に分割予定ラインに沿って改質領域を形成し、この改質領域が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、ウェーハを分割予定ラインに沿って分割するものである(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、シリコン基板などの基板の表面に低誘電率絶縁体被膜(low−k膜)を含む積層体からなるデバイス層(機能層)が形成されたウェーハが実用化されている。また、分割予定ライン上にデバイスの機能をテストするためのテストエレメントグループ(TEG)と称する金属膜が配設されているウェーハも実用化されている。
しかし、Low−k膜やTEGは基板とは異なる材料で形成されるため、これらがウェーハの分割予定ライン上にあると、上述した分割方法によって、改質領域が形成されたウェーハに外力を加えて分割しようとしても、良好な品質で個々のチップに分割することが困難である。具体的には、Low−k膜は非常に脆いことから、チップ端面(切断面)のLow−k膜が崩れやすく、デバイスの品質を低下させてしまう問題がある。また、TEGは金属膜で形成されているため、分割予定ラインに沿わずに破断したり、TEGが剥離してコンタミが発生したりする等の問題がある。
上記問題を解消するため、ウェーハの内部に改質領域を形成する改質領域形成工程に先立って、ウェーハの表面側のデバイス層に対して吸収性を有する波長のレーザ光をウェーハの表面側から分割予定ラインに沿って照射してレーザ加工溝を形成することにより、Low−k膜やTEGを除去するアブレーション加工を実施するウェーハの分割方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許3408805号公報 特開2007−173475号公報
しかしながら、特許文献2に記載された分割方法では、改質領域形成工程の前にアブレーション加工を実施しなければならず、生産性が悪いという問題がある。すなわち、この分割方法では、生産性を低下させることなく、基板の表面に形成されたデバイス層にLow−k膜やTEG等の積層体が含まれるウェーハに対しては良好な品質で個々のチップに分割することは困難である。
また、ウェーハを分割して個片化する前にはウェーハの裏面を研削して薄化することが行われているが、ウェーハの仕上げ厚さが薄くなると、ウェーハの裏面研削時に改質領域から生じた亀裂が伸展して、研削後にウェーハが割れてしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、生産性を低下させることなく、基板の表面に形成されたデバイス層にLow−k膜やTEG等の積層体が含まれるウェーハを分割予定ラインに沿って精度よく確実かつ効率的に分割することができるウェーハ加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下の発明を提供する。
本発明の第1態様に係るレーザ加工方法は、基板の表面にデバイス層が積層されたウェーハを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウェーハ加工方法であって、ウェーハの基板内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、ウェーハの基板内部に分割予定ラインに沿って改質領域を形成する改質領域形成工程と、ウェーハの裏面から分割予定ラインに沿ってブレイクバーを押し付けることにより、ウェーハを撓ませて改質領域から生じた亀裂をデバイス層に伸展させてウェーハをブレイクするブレイク工程と、を備え、改質領域形成工程は、ウェーハの厚さ方向に複数の改質領域の一部同士が重なるように、複数の改質領域を形成する。
本発明の第2態様に係るレーザ加工方法は、第1態様において、改質領域形成工程とブレイク工程との間に、ウェーハの裏面を加工してウェーハを薄化する裏面加工工程を備える。
本発明の第3態様に係るレーザ加工方法は、第2態様において、改質領域形成工程は、裏面加工工程が行われた後のウェーハの基板内部に複数の改質領域が残存するように、複数の改質領域を形成する。
本発明の第4態様に係るレーザ加工方法は、第1態様から第3態様のいずれか1つの態様において、改質領域形成工程は、ウェーハの基板内部のデバイス層側に複数の改質領域を形成する。
本発明の第5態様に係るレーザ加工方法は、第1態様から第4態様のいずれか1つの態様において、改質領域形成工程は、複数の改質領域のうち一方の改質領域から生じた亀裂が基板のデバイス層との境界面まで伸展するように、複数の改質領域を形成する。
本発明によれば、生産性を低下させることなく、基板の表面に形成されたデバイス層にLow−k膜やTEG等の積層体が含まれるウェーハを分割予定ラインに沿って精度よく確実かつ効率的に分割することができる。
本実施形態に係るウェーハ加工方法の流れを示したフローチャート 本実施形態に係るウェーハ加工方法が適用されるウェーハの平面図 図2のウェーハの一部断面図 レーザ加工装置の概略を示した構成図 レーザ加工装置における制御装置の構成を示したブロック図 改質領域形成工程を説明するための図 改質領域形成工程を説明するための図 改質領域形成工程を説明するための図 裏面加工工程を説明するための図 裏面加工工程を説明するための図 裏面加工工程を説明するための図 裏面加工工程を説明するための図 ブレイク工程を説明するための図 ブレイク工程を説明するための図 エキスパンド工程を説明するための図 本発明の第1実施例を示したウェーハの切断面を示した図 本発明の第2実施例を示したウェーハの切断面を示した図 本発明の第3実施例を示したウェーハの切断面を示した図 本発明の第4実施例を示したウェーハの切断面を示した図 本発明の第5実施例を示したウェーハの切断面を示した図 3点曲げ抗折強度試験機を示した概略図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳説する。
図1は、本実施形態に係るウェーハ加工方法の流れを示したフローチャートである。図1に示すように、本実施形態に係るウェーハ加工方法は、改質領域形成工程(ステップS10)と、裏面加工工程(ステップS12)と、ブレイク工程(ステップS14)と、エキスパンド工程(ステップS16)とを備えている。このウェーハ加工方法は、後述のレーザ加工装置100、裏面加工装置200、ブレイク装置300、及びエキスパンド装置400から構成されるウェーハ加工システムにより実施される。
まず、各工程について詳細に説明する前に、本実施形態に係るウェーハ加工方法が適用されるウェーハ10について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るウェーハ加工方法が適用されるウェーハ10の平面図である。図3は、図2のウェーハ10の一部断面図である。
図2及び図3に示すように、ウェーハ10は、格子状に配列された分割予定ライン12によって複数の領域に区画され、この区画された各領域に半導体チップを構成する各種デバイスが形成されている。このウェーハ10はシリコン基板14を備えており、ウェーハ10の表面(すなわち、シリコン基板14の表面)10aにはデバイス層16が形成されている。なお、ウェーハ10の表面10a側のデバイス層16にはLow−k膜が形成されており、分割予定ライン12にはデバイスの機能をテストするためのTEG(テストエレメントグループ)と称される金属膜が部分的に複数配設されている。なお、本実施形態において用いられるウェーハ10の初期厚さT0としては特に限定されるものではないが、ウェーハ10の仕上げ厚さT1は300μm以下、好ましくは200μm以下のものが好適である。このようにウェーハ10の仕上げ厚さT1が比較的薄い場合には、本発明の効果がより一層顕著なものとなるためである。
以上のように構成されたウェーハ10に対して、本実施形態に係るウェーハ加工方法が適用される。以下、各工程について詳細に説明する。
(改質領域形成工程)
改質領域形成工程(ステップS10)では、ウェーハ10の内部に改質領域を形成する。この改質領域形成工程は、図4に示すレーザ加工装置100を用いて実施される。
図4に示すレーザ加工装置100は、主として、ウェーハ10を移動させるステージ110と、ウェーハ10をレーザ加工するレーザ加工部120と、レーザ加工装置100の各部を制御する制御装置150とから構成されている。
ステージ110は、XYZθ方向に移動可能に構成され、ウェーハ10を吸着保持する。ウェーハ10は、デバイス層16が形成された表面(デバイス面)10aを保護するために、片面に粘着材を有するバックグラインドテープ(以下、BGテープ)が貼り付けられる。そして、ウェーハ10は、デバイス面とは反対側の面である裏面10bが上向きとなるようにステージ110上に載置される。
なお、図4に示す例では、XYZの3方向は互いに直交し、このうちX方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。またθ方向は、鉛直方向軸(Z軸)を回転軸とする回転方向である。
レーザ加工部120は、主として、レーザ光源122、空間光変調器128、集光レンズ138等を備えている。
レーザ光源122は、制御装置150の制御に従って、ウェーハ10の内部に改質領域を形成するための加工用のレーザ光Lを出力する。レーザ光Lの条件としては、例えば、光源が半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ、波長が波長:1135±10nm、レーザ光スポット断面積が3.14×10−8cm、発振形態がQスイッチパルス、繰り返し周波数が80〜120kHz、パルス幅が180〜280ns、出力が8Wである。
空間光変調器128は、位相変調型のものであり、レーザ光源122から出力されたレーザ光Lを入力し、2次元配列された複数の画素それぞれにおいてレーザ光Lの位相を変調する所定のホログラムパターン(変調パターン)を呈示して、その位相変調後のレーザ光Lを出力する。
空間光変調器128としては、例えば、反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)が用いられる。空間光変調器128の動作、及び空間光変調器128で呈示されるホログラムパターンは、制御装置150によって制御される。なお、空間光変調器128の具体的な構成や空間光変調器128で呈示されるホログラムパターンについては既に公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
集光レンズ138は、レーザ光Lをウェーハ10の内部に集光させる対物レンズ(赤外対物レンズ)である。この集光レンズ138の開口数(NA)は、例えば0.65である。
レーザ加工部120は、上記構成の他、ビームエキスパンダ124、λ/2波長板126、縮小光学系136等を備えている。
ビームエキスパンダ124は、レーザ光源122から出力されたレーザ光Lを空間光変調器128のために適切なビーム径に拡大する。λ/2波長板126は、空間光変調器128へのレーザ光入射偏光面を調整する。縮小光学系136は、第1レンズ136a及び第2レンズ136bからなるアフォーカル光学系(両側テレセントリックな光学系)であり、空間光変調器128で変調されたレーザ光Lを集光レンズ138に縮小投影する。
また、図示を省略したが、レーザ加工部120には、ウェーハ10とのアライメントを行うためのアライメント光学系、ウェーハ10と集光レンズ138との間の距離(ワーキングディスタンス)を一定に保つためのオートフォーカスユニット等が備えられている。
制御装置150は、例えばパーソナルコンピュータやマイクロコンピュータなどの汎用のコンピュータによって実現されるものである。
制御装置150は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び入出力インターフェース等を備えている。制御装置150では、ROMに記憶されている制御プログラム等の各種プログラムがRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることにより、図5に示した制御装置150内の各部の機能が実現され、入出力インターフェースを介して各種の演算処理や制御処理が実行される。
図5は、制御装置150の構成を示したブロック図である。図5に示すように、制御装置150は、主制御部152と、ステージ制御部154と、レーザ制御部156と、空間光変調器制御部158として機能する。
主制御部152は、制御装置150を構成する各部、すなわち、ステージ制御部154、レーザ制御部156、及び空間光変調器制御部158を統括的に制御する。
ステージ制御部154は、ステージ110の移動(回転を含む)を制御する制御信号をステージ110に出力する。
レーザ制御部156は、レーザ光Lの出射を制御する部分であり、レーザ光Lの波長、パルス幅、強度、出射タイミング、及び繰り返し周波数などを制御する制御信号をレーザ光源122に出力する。
空間光変調器制御部158は、空間光変調器128の動作を制御する制御信号を空間光変調器128に出力する。すなわち、この空間光変調器制御部158は、所定のホログラムパターンを空間光変調器128に呈示させる制御を行う。なお、空間光変調器128に呈示させるホログラムパターンは、改質領域の形成位置、照射するレーザ光Lの波長、及び集光レンズ138やウェーハ10の屈折率等に基づいて予め導出され、制御装置150のメモリ部(不図示)に記憶されている。
レーザ加工装置100はこの他に、図示しないウェーハ搬送手段、操作板、テレビモニタ、及び表示灯等から構成されている。
操作板には、レーザ加工装置100の各部の動作を操作するスイッチ類や表示装置が取り付けられている。テレビモニタは、図示しない撮像装置(CCDカメラ等)で撮像したウェーハ画像の表示、又はプログラム内容や各種メッセージ等を表示する。表示灯は、レーザ加工装置100の加工中、加工終了、非常停止等の稼働状況を表示する。
次に、以上のように構成されたレーザ加工装置100を用いて実施する改質領域形成工程(ステップS10)について説明する。
まず、図6に示すように、加工対象となるウェーハ10の表面10aにバックグラインドテープ(BGテープ)18を貼り付ける。続いて、ウェーハ10の裏面(すなわち、シリコン基板14の裏面)10bを上側にしてウェーハ10をレーザ加工装置100のステージ110上に載置する。続いて、図示しないアライメント光学系を用いてウェーハ10のアライメントが行われる。
次に、ステージ110を移動させてウェーハ10(シリコン基板14)の内部にレーザ光Lの集光点Pを合わせる。このステージ110の初期位置は、ウェーハ10の厚さや屈折率、集光レンズ138の開口数等に基づいて決定される。
次に、レーザ加工部120のレーザ光源122からレーザ光Lを出射し、集光レンズ138により集光されたレーザ光Lがウェーハ10の分割予定ライン12上をスキャンするようにステージ110を移動させる。すなわち、ウェーハ10の裏面10bをレーザ光入射面としてシリコン基板14の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射し、ステージ110の移動によって、格子状に形成された各分割予定ライン12に沿って集光点Pを相対的に移動させる。
このとき、レーザ光源122から出力されたレーザ光Lは、ビームエキスパンダ124によってビーム径が拡大され、第1ミラー130によって反射され、λ/2波長板126によって偏光方向が変更されて空間光変調器128に入射される。
空間光変調器128に入射されたレーザ光Lは、空間光変調器128に呈示された所定のホログラムパターンに従って変調される。その際、制御装置150は、ウェーハ10の内部においてレーザ光Lの集光点Pを合わせる位置で収差補正が行われるように、レーザ光Lを変調するためのホログラムパターンを空間光変調器128に呈示させる制御を行う。
空間光変調器128から出射されたレーザ光Lは、第2ミラー131、第3ミラー132によって順次反射された後、第1レンズ136aを通過し、さらに第4ミラー133、第5ミラー134によって反射され、第2レンズ136bを通過し、集光レンズ138に入射される。これにより、空間光変調器128から出射されたレーザ光Lは、第1レンズ136a、第2レンズ136bからなる縮小光学系136によって集光レンズ138に縮小投影される。そして、集光レンズ138に入射されたレーザ光Lは、集光レンズ138によりウェーハ10の内部に集光される。
ウェーハ10の裏面10bから入射したレーザ光Lの集光点Pがシリコン基板14の内部に設定されているので、図6に示すように、ウェーハ10の裏面10bを透過したレーザ光Lは、シリコン基板14の内部の集光点Pでエネルギーが集中し、シリコン基板14の内部の集光点Pの近傍に改質領域20が形成される。また、改質領域20が形成されると、改質領域20を起点としてウェーハ10の厚さ方向に亀裂22が発生する。
このような各分割予定ライン12に沿ったレーザ光Lの集光点Pの相対的な移動を1本の分割予定ライン12に対して複数回行う。このとき、集光点Pを合わせる位置を裏面10bからの距離を各回で変えることにより、図7に示すように、表面10a側から順に、ウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20をシリコン基板14の内部に形成する。
ここで、本実施形態における改質領域形成工程について詳しく説明する。本実施形態における改質領域形成工程では、図7に示すように、分割予定ライン12上でウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20を形成する際、各改質領域20の形成位置はウェーハ10の仕上げ面10cよりも深い位置におけるシリコン基板14の内部に設定される。このとき、分割予定ライン12上でウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20の一部同士が重なるように形成する。具体的には、以下のようにして改質領域形成工程を実施する。
まず、第1改質領域20aをシリコン基板14の内部に形成し、第1改質領域20aからウェーハ10の厚さ方向に亀裂を生じさせる。第1改質領域20aの形成位置は、ウェーハ10の仕上げ厚さT1の中間位置を示す中立面10dよりも表面10a側(図7の下側)に形成されることが好ましい。これにより、第1改質領域20aからウェーハ10の厚さ方向に生じた亀裂22がシリコン基板14の表面(デバイス層16との境界面)により近い位置に形成される。なお、第1改質領域20aから生じた亀裂22は、図7に示すように、シリコン基板14の表面まで到達していることが好ましい。
続いて、第1改質領域20aに対してウェーハ10の裏面10b側であって仕上げ面10cよりも深い位置に第2改質領域20bを形成し、第2改質領域20bからウェーハ10の厚さ方向に亀裂22を生じさせる。その際、ウェーハ10の厚さ方向に第1改質領域20aと第2改質領域20bとの少なくとも一部同士が重なるような位置に第2改質領域20bを形成する。
このように本実施形態における改質領域形成工程では、分割予定ライン12上でウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20(20a、20b)の一部同士が重なるように、複数の改質領域20(20a、20b)の形成を各分割予定ライン12に対してそれぞれ行う。これにより、複数の改質領域20が重なった部分の強度が高くなり、後述の裏面加工工程においてウェーハ10に加えられる荷重や搬送時の振動及び各種テープの貼り付け(マウント)時に加えられるテンションなどにも耐えることが可能となる。したがって、後述のブレイク工程が行われる前にウェーハ10が個片化されてしまうことを防止することができ、ブレイク工程においてLow−K膜やTEG等の積層体を精度よく分断することが可能となる。
なお、本実施形態における改質領域形成工程の改質領域の形成パターンとしては、図7に示した形成パターンに限定されるものではない。例えば、ウェーハ10の厚さ方向に少なくとも一部の領域を重ねた2つの改質領域20を、図8の8Aに示すようにウェーハ10の表面10a側に配置してもよいし、図8の8Bに示すようにウェーハ10の裏面10b側に配置してもよい。ただし、2つの改質領域20をウェーハ10の裏面10b側を配置する場合(図8の8B参照)よりもウェーハ10の表面10a側に配置する場合(図8の8A参照)の方が、改質領域20から生じた亀裂22がシリコン基板14の表面(デバイス層16との境界面)により近い位置に形成されるので、後述のブレイク工程においてウェーハ10をより精度よくブレイク(切断)することが可能となる。
また、図8の8Cに示すように、ウェーハ10の厚さ方向に3つの改質領域20を形成し、ウェーハ10の厚さ方向に隣接した改質領域20同士の少なくとも一部の領域が重なるように形成してもよい。なお、3つの改質領域20に限らず、4つ以上の改質領域を形成するようにしてもよい。
また、図8の8Dに示すように、ウェーハ10の厚さ方向に3つ以上の改質領域20を形成する場合、少なくともウェーハ10の厚さ方向に隣接した2つの改質領域20の少なくとも一部の領域が重なっていればよい。
なお、本実施形態では、改質領域形成工程において、集光レンズ138によりレーザ光Lをウェーハ10(シリコン基板14)の内部の1点に集光させる場合を一例に説明したが、これに限らず、集光レンズ138により集光するレーザ光Lの集光点Pを2つ以上の点に分岐させるようにしてもよい。この場合、空間光変調器制御部158が空間光変調器128に呈示させるホログラムパターンを制御することによって、集光レンズ138により集光するレーザ光Lの集光点Pを2つ以上の点に分岐させることが可能である。これにより、複数の改質領域20を同時に形成することができるので、生産性をさらに向上させることが可能となる。
(裏面加工工程)
改質領域形成工程が行われた後、ウェーハ10の裏面10bを加工してウェーハ10を薄化する裏面加工工程(ステップS12)が行われる。裏面加工工程は、図9及び図10に示す裏面加工装置200を用いて実施される。
裏面加工工程では、図9に示すように、表面10aにバックグラインドテープ18が貼り付けられたウェーハ10を、バックグラインドテープ18側を下向きにして吸着テーブル202上に真空吸着する。そして、ウェーハ10を真空吸着した吸着テーブル202を回転させつつ、研削砥石204を回転させながら研削砥石204をウェーハ10の裏面10b(被研削面)に当接させることにより、ウェーハ10の裏面10bを所定の厚さまで研削する。
裏面加工工程ではさらに、ウェーハ10の裏面10bを研磨し、研削によりウェーハ10の裏面10bに生じた加工変質層(加工歪層)を除去する。ウェーハ10の裏面10bに加工変質層が残存していると、被加工物であるウェーハ10の抗折強度が低下するためである。ウェーハ10の裏面10bに対する研磨は、図10に示すように、ウェーハ10を真空吸着した吸着テーブル202を回転させつつ、研磨パッド206を回転させながらウェーハ10の裏面10bに当接させることにより、ウェーハ10の裏面10b全体を均一に研磨する。研磨の方式としては、ウェーハ10に対してスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨を行う化学機械研磨(CMP)であってもよいし、スラリーを使用しない研磨であるドライポリッシュであってもよい。
このように裏面加工工程において、ウェーハ10の裏面10bに対して研削及び研磨が行われることにより、図11に示すように、ウェーハ10は仕上げ厚さT1に薄化される。
ここで、本実施形態では、上述した改質領域形成工程において、分割予定ライン12上でウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20の一部同士が重なるように形成しているので、複数の改質領域20が重なった部分の強度が高くなる「強度向上効果」を得ることができる。したがって、裏面加工工程においてウェーハ10の裏面加工(研削及び研磨)が行われる場合でも、「強度向上効果」により、ウェーハ10が分割予定ライン12に沿って個片化されてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、裏面加工工程が行われる際、ウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20が重なるように形成された分割予定ライン12においては、図12に示すように、被研削面となるウェーハ10の裏面10b側では、研削熱や研磨熱などの加工熱の影響によりシリコン同士を引き離す方向の引張応力26が作用し、逆に、その反対側となる表面10a側では圧縮応力28が作用する。この場合、上述した「強度向上効果」との相乗効果により、ウェーハ10の表面10a側に形成された亀裂22がデバイス層16に伸展するのをより一層効果的に抑制することができるという「亀裂伸展抑制効果」が生じる。この「亀裂伸展抑制効果」により、後述のブレイク工程が行われる前にデバイス層16に亀裂22が伸展してしまうことを防止することが可能となっている。
(ブレイク工程)
裏面加工工程が行われた後、ブレイク工程(ステップS14)が実施される。分割工程は、図13に示すブレイク装置300を用いて実施される。
図13に示すブレイク装置300は、ステージ302と、透明弾性シート304と、ブレイクバー306と、昇降装置308と、アライメントカメラ310と、制御装置312とを備えている。
ステージ302は、石英などの透明部材で形成されており、XYZθ方向に移動可能に構成される。ステージ302の上面(載置面)302aには、透明弾性シート304を介在させた状態でウェーハ10が載置される。
なお、図13に示す例では、XYZの3方向は互いに直交し、このうちX方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。またθ方向は、鉛直方向軸(Z軸)を回転軸とする回転方向である。
透明弾性シート304は、ステージ302とウェーハ10との間に介装されるものである。透明弾性シート304の材料としては光透過性及び弾性を有するシリコーンゴムシートやウレタンゴムシート等を用いることができる。なお、透明弾性シート304は、ブレイクバー306によってウェーハ10をブレイク(切断)する際に、ブレイクバー306から受ける衝撃を緩和しつつ(すなわち、ブレイクバー306の圧力に対して所望の緩衝性を得つつ)、シリコン基板14の内部に形成された亀裂22を起点として、ウェーハ10の表面10a側のデバイス層16に形成されたLow−k膜やTEG等の積層体を分割予定ライン12に沿って切断するために、ウェーハ10の厚さに対して十分かつ均一な厚さを有している。透明弾性シート304は、例えば1mm以上10mm以下の厚さを有することが好ましい。
ブレイクバー306は、ステージ302の上方部分、すなわち、ステージ302に透明弾性シート304を介して載置されたウェーハ10に対向する位置に所定の間隔をあけて配置されている。ブレイクバー306は、先端(ステージ302側となる下端)を尖らせた長尺板状のプレート部材(押圧部材)によって構成されている。すなわち、ブレイクバー306は、図13に示したように、先端側の頂部が厚さ方向の断面において山状に形成されている。また、ブレイクバー306は、分割予定ライン12に沿った方向(図13のX方向)に沿って延設され、昇降装置308によってステージ302に向かって昇降可能に構成されている。なお、昇降装置308は、シリンダ機構などにより構成されるものである。
アライメントカメラ310は、ステージ302の下方部分、すなわち、ステージ302に対してウェーハ10が載置される側(ブレイクバー306が配置される側)とは反対側に設けられる。このアライメントカメラ310は、ステージ302を挟んでブレイクバー306に対向する位置に固定的に配置されており、ウェーハ10に形成された分割予定ライン12あるいはTEGなどの位置決め基準となる部位をステージ302の下側から撮像する。アライメントカメラ310によって撮像された画像データは制御装置312に送られる。
制御装置312は、例えばパーソナルコンピュータやマイクロコンピュータなどの汎用のコンピュータによって実現されるものである。
制御装置312は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び入出力インターフェース等を備えている。制御装置312では、ROMに記憶されている制御プログラム等の各種プログラムがRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることにより、図13に示した制御装置312内の各部の機能が実現され、入出力インターフェースを介して各種の演算処理や制御処理が実行される。本実施形態において、制御装置312は、アライメント部314と、制御部316として機能する。
アライメント部314は、アライメントカメラ310が撮像した画像データに基づいて、ウェーハ10に形成された分割予定ライン12の位置情報を検出する。
制御部316は、アライメント部314から送られる分割予定ライン12の位置情報に基づいて、ステージ302をX、Yおよびθ方向に移動させる制御を行う。また、制御部316は、制御装置312のメモリ部(不図示)に設定されたウェーハ10の仕上げ厚さに関する情報に基づき、ステージ302の高さ方向(Z方向)の位置を移動させる制御を行う。さらに制御部316は、昇降装置308を駆動してブレイクバー306を昇降させる制御を行う。
次に、以上のように構成されたブレイク装置300を用いて実施するブレイク工程(ステップS14)について説明する。
まず、上述の裏面加工工程が行われた後、片面に粘着剤を有するダイシングテープ(DCテープ)30をウェーハ10の裏面10bに貼り付け、ウェーハ10の表面10aに貼り付けられているバックグラインドテープ18を剥離する。なお、バックグラインドテープ18を剥離した後に、ダイシングテープ30を貼り付けるようにしてもよい。
次に、図13に示すように、ステージ302上に透明弾性シート304を介してウェーハ10を載置する。このとき、ウェーハ10の裏面10b(すなわち、ダイシングテープ30が貼り付けられた側の面)を上側にしてウェーハ10を載置する。
次に、アライメントカメラ310を用いてウェーハ10のアライメントが行われる。具体的には、まず、アライメントカメラ310によって、ステージ302の下方からステージ302及び透明弾性シート304を介してウェーハ10の表面10aが撮像される。アライメントカメラ310が撮像した画像データは、アライメント部314に送られる。
続いて、アライメント部314は、アライメントカメラ310が撮像した画像データを取得する。そして、アライメント部314は、アライメントカメラ310が撮像した画像データに基づいて、ウェーハ10に形成された分割予定ライン12の位置情報を検出する。アライメント部314が検出した分割予定ライン12の位置情報は制御部316に送られる。
制御部316は、アライメント部314から送られる分割予定ライン12の位置情報に基づいて、ブレイクバー306の真下に分割予定ライン12が位置付けられるように、ステージ302の水平方向(XY方向)及び回転方向(θ方向)の位置を移動させる。また、制御部316は、制御装置312のメモリ部(不図示)に設定されたウェーハ10の仕上げ厚さに関する情報に基づいて、ステージ302の高さ方向(Z方向)の位置を移動させる。
このようにしてアライメントカメラ310が撮像した画像データはアライメント部314へ送られ、アライメント部314で検出された分割予定ライン12の位置情報に基づいて、制御部316はステージ302の位置を微調整することで、ウェーハ10がブレイクバー306に対して所定の位置にアライメントされる。これにより、ブレイクバー306の真下に分割予定ライン12が位置付けられる。
なお、アライメントカメラ310が撮像した画像データを表示装置(不図示)に表示し、表示装置に映し出された画像データ(撮像結果)を見ながら、人的作業によって、ブレイクバー306の真下に分割予定ライン12が位置付けられるように、ステージ302をX、Yおよびθ方向にアライメントしてもよい。なお、アライメントは、少なくともウェーハ10をブレイク装置300に導入したときに行うようにする。
次に、制御部316は、昇降装置308を駆動してブレイクバー306を下降させる。これにより、図14に示すように、ステージ302上に透明弾性シート304を介して載置されたウェーハ10の裏面10b(ダイシングテープ30が貼り付けれた面)が分割予定ライン12に沿ってブレイクバー306で押し付けられて、分割予定ライン12が開く方向にウェーハ10(シリコン基板14)に応力が付与される。具体的には、ウェーハ10の裏面10b側では圧縮応力320が作用し、その反対側となるウェーハ10の表面10a側では引張応力322が作用する。この応力によって、ウェーハ10を撓ませてウェーハ10の表面10a側のデバイス層16が分割予定ライン12の位置で折り割られる。すなわち、デバイス層16の分割予定ライン12上のLow−k膜やTEG等の積層体がシリコン基板14と一緒にブレイク(切断)される。なお、ブレイクバー306の押圧位置は、必ずしも分割予定ライン12の真下位置でなくてもよく、ウェーハ10(シリコン基板14)を折り割る応力を付与できれば、分割予定ライン12の真下位置からややずれていてもよい。
次に、制御部316は、ブレイクバー306を上昇させ、ブレイクバー306をウェーハ10から退避させる。そして、上述したブレイク工程をウェーハ10に形成された全ての分割予定ライン12に沿って実施する。
このようにウェーハ10に形成された全ての分割予定ライン12に沿ってブレイク工程を実施することにより、分割予定ライン12上のLow−k膜やTEG等の積層体の切断面(側面)が蛇行することなく、また、デバイスの破損を招くことなく分割予定ライン12に沿ってウェーハ10を切断することができる。
また、裏面加工工程において上述した「亀裂伸展抑制効果」によりデバイス層16に亀裂22が伸展して切断されることが防止されるので、ブレイク工程において所定の分割予定ライン12に沿ってウェーハ10をブレイク加工する際、その周辺部が引っ張られて他の分割予定ライン12に沿ってウェーハ10が割れてしまうことも武士することが可能となる。
したがって、本実施形態のブレイク工程を実施することにより、ウェーハ10を個々のチップに精度よく確実かつ効率的に分割することができる。
(エキスパンド工程)
ブレイク工程が行われた後、エキスパンド工程(ステップS16)が実施される。エキスパンド工程は、図15に示すエキスパンド装置400を用いて実施される。
エキスパンド装置400を用いたエキスパンド工程では、ダイシングテープ30を介してウェーハ10と一体化されたリング状のフレームを固定部材(不図示)で固定した状態で、エキスパンドリング(不図示)を上昇させ、図15に示すように、ダイシングテープ30を引き伸ばす。これにより、ウェーハ10が貼り付けられたダイシングテープ30に対してウェーハ10の平面方向に沿う放射状の引張力が加えられる。このとき、ウェーハ10の表面10a側のデバイス層16に形成されたLow−k膜やTEG等の積層体は、上述のブレイク工程により分割予定ライン12に沿って切断されているので、デバイスの品質を低下させることなく、エキスパンド工程によりチップの間隔が広げられる。なお、エキスパンド装置としては、エキスパンドリングを用いた方式に限らず、例えば、エキスパンドテーブルを用いた方式など種々の方式を採用することができる。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。
本実施形態では、上述しように、改質領域形成工程において、分割予定ライン12上でウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20の一部同士が重なるように形成している。なお、以下に示す各実施例では、集光レンズ138により集光するレーザ光Lを2つの集光点Pに分岐させ、分岐させた2つの集光点Pを分割予定ライン12に沿って相対的に移動させることによって、ウェーハ10の内部に改質領域20を2層同時に形成したものである。
図16は、本発明の第1実施例を示したウェーハ10の切断面を示した図である。図16では、ウェーハ10の表面10a側に2つの改質領域(改質層)20−1、20−2を形成し、それらの一部同士が重なるように形成したものである。なお、第1実施例は、2つの改質領域24−1、24−2におけるウェーハ10の厚さ方向の距離(以下、「改質領域間距離」という。)を4μmとし、レーザ光Lの出力を2Wとしたものである。
図17は、本発明の第2実施例を示したウェーハ10の切断面を示した図である。図17では、第1実施例と同様に、ウェーハ10の表面10a側に2つの改質領域20−1、20−2を形成し、それらの一部同士が重なるように形成したものであるが、改質領域間距離を4μmとし、レーザ光Lの出力を3Wとしたものである。
図18は、本発明の第3実施例を示したウェーハ10の切断面を示した図である。図18では、第1実施例と同様に、ウェーハ10の表面10a側に2つの改質領域20−1、20−2を形成し、それらの一部同士が重なるように形成したものであるが、改質領域間距離を4μmとし、レーザ光Lの出力を4Wとしたものである。
図19は、本発明の第3実施例を示したウェーハ10の切断面を示した図である。図19では、第1実施例と同様に、ウェーハ10の表面10a側に2つの改質領域20−1、20−2を形成し、それらの一部同士が重なるように形成したものであるが、改質領域間距離を12μmとし、レーザ光Lの出力を4Wとしたものである。
図20は、本発明の第4実施例を示したウェーハ10の切断面を示した図である。図20では、第1実施例と同様に、ウェーハ10の表面10a側に2つの改質領域20−1、20−2を形成し、それらの一部同士が重なるように形成したものであるが、改質領域間距離を20μmとし、レーザ光Lの出力を4Wとしたものである。
本発明者は、これらの実施例(第1〜第4実施例)に対し、図21に示す3点曲げ抗折強度試験機500(島津製作所製:EZ Test/CE)を用いて、各実施例に相当するウェーハサンプル508の抗折強度を測定する測定実験を行った。3点曲げ抗折強度試験機500では、支点502、504間の距離を2mmに設定し、10mm□(1辺の大きさ10mm)、厚さ150μmの各ウェーハサンプル508に対して、圧子506(ブレイクバー306に相当)を押し込むことにより抗折強度を測定した。また、抗折強度の測定は、各ウェーハサンプル508に対して、デバイス面を下側(支点502、504側)にした状態と、デバイス面を上側(圧子506側)した状態とのそれぞれで測定した。抗折強度の測定は同じ条件で少なくとも5回以上行い、その平均値を抗折強度の測定値とした。
なお、デバイス面を下側した状態は、ブレイク装置300を用いてウェーハ10をブレイク加工する場合に相当する。また、デバイス面を上側にした状態は、裏面加工装置200を用いてウェーハ10を裏面加工する場合に相当する。裏面加工装置200を用いてウェーハ10を裏面加工する場合は、図12に示したように、ウェーハ10の裏面10b側には引張応力26が作用し、表面10a側には圧縮応力28が作用することから、デバイス面(表面10a)側から荷重を加えたときと同様な応力関係となるためである。
3点曲げ抗折強度試験機500を用いて、各実施例に相当するウェーハサンプル508の抗折強度の測定結果を表1に示す。
図16から図20に示した各実施例によれば、デバイス面を上側にした場合の抗折強度はデバイス面を下側にした場合の抗折強度よりも高くなった。
これらの結果から分かるように、本発明が適用される各実施例(第1〜第5実施例)によれば、デバイス面を上側にした場合には抗折強度が高く、かつデバイス面を下側にした場合には抗折強度が低くなるので、裏面加工工程が行われる際に亀裂の伸展を効果的に抑制することができる。これにより、ウェーハ10が個片化されることを防ぎつつ、ウェーハ10を裏面加工により薄化することができる。また、ウェーハ10の搬送時の振動等による品質悪化も防ぐことができる。そして、ブレイク工程においてウェーハ10をブレイク加工する際にウェーハ10を分割予定ライン12に沿って精度よく確実に分割することが可能となり、チップの品質を安定かつ向上させることができる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係るウェーハ加工方法によれば、改質領域形成工程において、分割予定ライン12上でウェーハ10の厚さ方向に複数の改質領域20の一部同士が重なるように形成しているので、裏面加工工程においてウェーハ10の裏面加工が行われる際に、ウェーハ10が分割予定ライン12に沿って個片化されてしまうことを抑制することができる。そして、ウェーハ10を分割予定ライン12に沿ってブレイク加工することにより、ウェーハ10の表面10a側のデバイス層16にLow−k膜やTEG等の積層体が存在する場合でも、デバイスの品質を低下させることなく、ウェーハ10を分割予定ライン12に沿って精度よく確実かつ効率的に個々のチップに分割することが可能となる。
また、本実施形態によれば、改質領域形成工程に先立ってアブレーション工程を行うことが不要となるので、従来の分割方法に比べて生産性が高く、装置導入コスト及びランニングコストを減らすことができる。また、カーフロスを低減することが可能となる。
なお、上述した本実施形態では、改質領域形成工程と、裏面加工工程と、ブレイク工程とを順次実施しているが、これに限らず、例えば、裏面加工工程によりウェーハ10を所定の仕上げ厚さに薄化した後に改質領域形成工程を実施し、その後にブレイク工程を実施するようにしてもよい。また、ウェーハ10が所望の厚さ(仕上げ厚さ)となっている場合には、裏面加工工程を行わずに、改質領域形成工程と、ブレイク工程とを順次実施するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…ウェーハ、12…分割予定ライン、14…シリコン基板、16…デバイス層、18…バックグラインドテープ、20…改質領域、22…亀裂、26…引張応力、28…圧縮応力、30…ダイシングテープ、100…レーザ加工装置、110…ステージ、120…レーザ加工部、122…レーザ光源、124…ビームエキスパンダ、126…λ/2波長板、128…空間光変調器、136…縮小光学系、138…集光レンズ、150…制御装置、152…主制御部、154…ステージ制御部、156…レーザ制御部、158…空間光変調器制御部、200…裏面加工装置、202…吸着テーブル、204…研削砥石、206…研磨パッド、300…ブレイク装置、302…ステージ、304…透明弾性シート、306…ブレイクバー、308…昇降装置、310…アライメントカメラ、312…制御装置、314…アライメント部、316…制御部、320…圧縮応力、322…引張応力、400…エキスパンド装置、500…3点曲げ抗折強度試験機、502…支点、504…支点、506…圧子、508…ウェーハサンプル

Claims (5)

  1. 基板の表面にデバイス層が積層されたウェーハを分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウェーハ加工方法であって、
    前記ウェーハの基板内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記ウェーハの基板内部に前記分割予定ラインに沿って改質領域を形成する改質領域形成工程と、
    前記ウェーハの裏面から前記分割予定ラインに沿ってブレイクバーを押し付けることにより、前記ウェーハを撓ませて前記改質領域から生じた亀裂を前記デバイス層に伸展させて前記ウェーハをブレイクするブレイク工程と、
    を備え、
    前記改質領域形成工程は、前記ウェーハの厚さ方向に複数の前記改質領域の一部同士が重なるように、複数の前記改質領域を形成する、
    ウェーハ加工方法。
  2. 前記改質領域形成工程と前記ブレイク工程との間に、前記ウェーハの裏面を加工して前記ウェーハを薄化する裏面加工工程を備える、
    請求項1に記載のウェーハ加工方法。
  3. 前記改質領域形成工程は、前記裏面加工工程が行われた後の前記ウェーハの基板内部に複数の前記改質領域が残存するように、複数の前記改質領域を形成する、
    請求項2に記載のウェーハ加工方法。
  4. 前記改質領域形成工程は、前記ウェーハの基板内部の前記デバイス層側に複数の前記改質領域を形成する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のウェーハ加工方法。
  5. 前記改質領域形成工程は、複数の前記改質領域のうち一方の改質領域から生じた亀裂が前記基板の前記デバイス層との境界面まで伸展するように、複数の前記改質領域を形成する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のウェーハ加工方法。
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