JP2019160641A - 微生物燃料電池及びそれに使用されるアノード用炭素電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸水性および材質強度が高く、かつ耐久性に優れ、湖沼、港湾などの閉鎖性水域の底質環境を改善するための微生物燃料電池に最適なアノード用電極を提供する。【解決手段】 開気孔率が5〜30%である多孔質な炭素成形体からなり、前記炭素成形体の少なくとも表層部の炭素はX線回折法により測定される黒鉛六角網面層の平均格子面間隔002面の面間隔d002が0.34nm以上で、結晶子の大きさLc(002)が10nm未満である低結晶性炭素であり、前記成形体は10MPa以上の曲げ強度を有することを特徴とする閉鎖性水域の底質環境を改善するための微生物燃料電池用アノード炭素電極。【選択図】なし
Description
本発明は、湖沼、港湾などの閉鎖系又は半閉鎖系水域(以下、これらを閉鎖性水域という。)に堆積したヘドロなどの底質物を効率良く分解して底質環境とその近傍の底層における水質を改善し、電気エネルギーを生成することが可能な微生物燃料電池と、それに使用されるアノード用炭素電極に関する。
水の交換がされにくい閉鎖性水域に流れ込んだ産業排水や生活排水に含まれる過剰な有機物は、柔らかな泥となって底層に堆積し、やがて腐敗してヘドロと呼ばれる黒色の泥状物となる。ヘドロは一般的な砂泥とは異なり、高有機質であり嫌気的な状態であるため、底部の堆積物(底質物)がヘドロとなると栄養塩の放出によるアオコの大量発生や、硫化水素の生成による青潮を引き起こす。そして、有害物や悪臭の発生、水中の溶存酸素の低下により漁業や生活環境に対して深刻な影響を与える。排水基準の強化や下水道の整備などを通じてこれら閉鎖性水域の環境改善に向けたこれまでの一連の取り組みは、水域の化学的酸素要求量(COD)、全窒素、全リンといった発生汚濁負荷量の改善に一定の効果を挙げてきた。しかし、底質環境や生物生息に大きな影響を及ぼす底層における溶存酸素量(以下、DO)については明らかな改善が見られていない。このため、その底質を含む水域全体を改善する対策の実施が現在強く求められている。なお、本明細書でいう底質は、水底より上で、流動性を有する堆積層又はヘドロのような汚泥含有層をいい、これら底質を構成する物質を底質物ともいう。
底質環境を改善する手法としては、堆積したヘドロを取り除く浚渫が最も直接的な手法である。しかし、浚渫残土の安全な処分が問題となっており、費用面などからも実施が年々難しくなってきている。このため、環境負荷が少なく、低コストの底質環境改善技術が求められており、自然界に存在する微生物を活性化させて堆積したヘドロを生物学的に分解する方法が現在注目されている。
この技術の一つとして微生物燃料電池を利用した底質環境を改善する方法が注目されている。微生物燃料電池とは、有機性物質を嫌気性微生物であるShewanella属などの電流発生菌によって分解することによって、有機性物質の化学エネルギーを電気エネルギーに変換する発電システムである。この発電システムは、余剰汚泥を発生させることなく低エネルギーで効率よくヘドロを分解することができることから、次世代の水域環境の改善方法のための技術として期待されている。今後、処理能力の向上の他、微生物が発する電力が非常に小さく、出力される電流密度が低い等の課題もあり、更なる改良が必要である。
微生物燃料電池は、電解槽と、電解槽内に収容された電子供与微生物を含む電解質溶液と、電解質溶液に接触するように配置されたアノードおよびカソード、両極間を隔離するイオン伝導性を有する隔膜で主に構成される。アノードおよびカソードには、金属製の電極なども用いられるが、耐腐食性、生物親和性の優れる炭素製の電極が使用されることが多い。現在の主流としては、高い表面積と電気伝導性を有するグラファイトやカーボンクロス、カーボンフェルトなどの炭素繊維系の材料がアノードとして使われている。しかし、炭素繊維は、弾性率が高いが捻りには弱いため水流や生物の付着等局部的な力で折れるという欠点や、繊維径が細いため折れた繊維が皮膚や粘膜に刺激を与え、痛み・かゆみを生じることもあり、取り扱いには注意が必要とされるなど、実用化に向けて耐久性や皮膚刺激性の課題の克服が必要である。これら耐久性や作業性の問題を解決するために鋭意改良が進められている。
例えば、特許文献1では、炭素繊維の構造体に石油コークス等の炭素粒子とコールタールピッチ等の結合剤を含浸させて不活性雰囲気下で800〜3000℃で炭化させてなる多孔質電極基体が開示されており、微生物燃料電池などにも使用できるとされている。しかし、特許文献1の材料は薄く、フレキシブルなことが特徴であるために、流れによって外力が電極に加わる廃水処理などの用途に用いるためには電極としての強度を上げるために幾枚もの基体を積層しなければならず、形状の自由度も低い。また、微生物燃料電池のアノードとして必要な微生物の付着に適した炭素構造については一切触れられておらず、実施例もレドックスフロー電池を想定した評価であって微生物燃料電池への適正は明らかにされていない。
特許文献2では、グラファイト、多孔質グラファイト、充填グラファイト粉末、カーボンクロス、カーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンウール、導電性金属、導電性ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせが開示されている。しかし、特許文献2にはカーボンとはどのような性状の炭素材料であるかについての記載は無いほか、炭素繊維の炭化物が絡み合った組織構造は、微生物に適した空隙が形成され、高い処理速度が期待される。一方、潮汐などによる底質の瑶動で炭素繊維の破断と脱落が考えられ、生じた破断繊維の針状、腐りにくいといった物性が、人体への皮膚刺激性だけでなく、体内濃縮といった生物系への影響が懸念される。
特許文献3では、木炭や竹炭は多孔質であり、空気や水を通しやすく、微生物の栄養分も取り入れやすいため、微生物の増殖に好適な環境を提供するとされている。木炭や竹炭の多孔質構造によって、廃水との電極表面と充分に接触しながら流通するが、強度自体の弱さから磨耗等、電極自体の消耗に難点がある。
他方、電気製鋼分野では、電炉用電極としては従来から黒鉛質の炭素電極が用いられている。この黒鉛質炭素電極とはコークス粉粒等の骨材に石炭系や石油系のピッチをバインダーとして加えて混練し、成形、焼成黒鉛化することにより製造される粒子結合型の多孔質組織性状からなるものである。しかし、黒鉛質炭素電極は、体積抵抗率が小さく、強度も比較的あるものの、高い結晶構造から疎水性が高く、吸水性が低いため、微生物の増殖に好適な環境ではない。
多孔質炭素電極の処理能力の向上と吸水性、強度問題の改善を図るため、黒鉛質炭素電極の表面を強酸で処理したり、表面を高温酸化し、結晶化の進んだ黒鉛のエッジ部やベーサル面に水酸基を導入して親水性とし、一時的に吸水性を高めることは考えられるが、電極表層部にしか効果はなく、逆に電極表層部は脆くなってしまうという問題もある。
本発明は、吸水性および材質強度が高く、かつ耐久性に優れ、閉鎖性水域の底質環境を改善するための微生物燃料電池に最適なアノード用電極とその製造方法およびこのアノード電極を用いた底質環境改善用の微生物燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の開気孔率を有する多孔質な炭素成形体からなり、炭素成形体の少なくとも表層部の炭素が、特定の面間隔及び結晶子である低結晶炭素であり、所定の曲げ強度を有することが、上記微生物燃料電池のアノード用炭素電極として最適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、閉鎖系又は半閉鎖系水域の底質環境及び水質を改善するため、底層部の底質物中に配置される微生物燃料電池の炭素電極であって、当該炭素電極は、開気孔率が5〜30%である多孔質な炭素成形体からなり、前記炭素成形体の少なくとも表層部の炭素は、X線回折法により測定される黒鉛六角網面層の平均格子面間隔002面の面間隔d002が0.340nm以上で、結晶子の大きさLc(002)が10nm未満である低結晶性炭素であり、前記成形体は、10MPa以上の曲げ強度であることを特徴とするアノード用炭素電極である。
前記炭素成形体は、熱重量分析(TGA)において、非酸化性ガス雰囲気下、室温から800℃に昇温速度毎分3℃で昇温させた時に、重量減少率が3wt%以下である、ことを特徴とする。また、前記炭素成形体は、常温常圧において純水に24時間浸漬させた後の吸水率が5wt%以上であることがよい。
前記炭素成形体は、鉄(Fe)、酸化第一鉄(FeO)、または四酸化三鉄(Fe3O4)の少なくとも1種を2〜15wt%含むことができる。
また、本発明は上記アノード用炭素電極を製造する方法であって、石油系または石炭系重質油から得られるピッチコークスに有機バインダーを加えて混練した混練物を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記混練物を800℃以上の非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程を有することを特徴とするアノード用炭素電極の製造方法である。
前記焼成工程により焼成された混練物を、含浸材により含浸または被覆し、800℃以上の非酸化性雰囲気下で焼成する工程を有する上記のアノード用炭素電極の製造方法もある。
また、閉鎖性水域の底質環境及び水質を改善するため、少なくとも一部が底層部の底質物中に配置される微生物燃料電池であって、上記アノード用炭素電極が用いられていることを特徴とする微生物燃料電池である。
本発明の微生物燃料電池及びそれに使用されるアノード用炭素電極は、炭素電極の開気孔率が高いために、底質のヘドロとの接触面積が大きくかつ親水性がある。そのため、生体親和性が高く、底質環境に生息する電流発生菌の付着と繁殖が良好であり、ヘドロの分解効率が向上する。また、この炭素電極は、安定な材質で機械強度にも富む。そのため、電極形状の自由度が高く、耐久性に優れるほか、安価である。したがって、閉鎖性水域の底質環境を改善するための微生物燃料電池のアノード用電極として優れる。
本発明のアノード用炭素電極は、開気孔率が5〜30%である多孔質な炭素成形体からなり、炭素成形体の少なくとも表層部の炭素は、X線回折法により測定される黒鉛六角網面層の平均格子面間隔d002が0.340nm以上かつ、結晶子の大きさLc(002)が10nm未満となる低結晶性炭素であり、炭素成形体は、10MPa以上の曲げ強度を有する。
ここで、炭素電極は、炭素成形体を成形加工等することにより得られる。しかし、炭素電極の材質は炭素成形体から変化していない。そのため、炭素成形体と炭素電極の炭素材としての特性(開気孔率やX線回折法により測定される特性等)は、同一であると考えることができる。
本発明のアノード用炭素電極の製造方法は、次の工程を有することが好ましい。すなわち、コークス粒子などの炭素骨材に有機バインダーを加えて混練し、混練物を所定形状に成形する成形工程と、成形工程により成形された混練物を800℃以上の非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程を有する。この製造方法により、炭素骨材が有機バインダーで連結された粒子結合型の多孔質炭素材を製造できる。
本発明のアノード用炭素電極の製造方法は、前記焼成工程により焼成された混練物を、さらに含浸ピッチ等の含浸材で含浸・被覆し、800℃以上の非酸化性雰囲気下で再焼成する工程を有してもよい。この含浸及び再焼成する製造方法により製造されたアノード用炭素電極を構成する基材の表層と空隙部は、含浸ピッチ等が炭化した低結晶性炭素により被覆と充填がされ、複合組織構造となっている。
微生物燃料電池のアノード用電極は、有機物を分解するとともに電子を放出する嫌気性の電流発生菌と呼ばれる微生物の付着とその増殖、及び当該微生物による有機物の分解に伴って発生する電子の捕捉をスムーズに行なえることが求められる。このため、親水性であり、底質物と接触する面積が大きく、機械強度に優れた導電性の材料により構成されることが望ましい。
このような特性を有する材料としては、金属材料や炭素材料、これら両者を組み合わせた複合材料等が挙げられる。しかし、劣悪な環境化にある底質では腐食性の強い硫化水素が発生していることから耐腐食性の強い炭素材料が適している。特に、黒鉛とほぼ同等の電気伝導性を有しながら、材料強度が黒鉛よりも強く、炭素結晶が黒鉛ほど成長していないことにより親水性を有する低結晶性炭素材料が好適である。
低結晶性炭素材料の少なくとも表層部の炭素は、X線回折方法(以下、XRDという。)により測定される黒鉛六角網面層の(002)面の平均格子面間隔d002の値が0.340nm以上である。また、好ましくは0.340〜0.380nm、より好ましくは0.340〜0.360nmであり、いわゆる易黒鉛化炭素と呼ばれる炭素材料が最も適する。
なお、上記d002の値が0.340nm未満であると黒鉛化が進みすぎ良伝導性ではあるものの表面が疎水性となってしまうほか、開気孔率を大きくすると強度不足となりがちになる問題がある。一方、平均格子面間隔d002が0.380nmを超えるものは、炭素結晶の成長が不十分であるため電気伝導性が悪いほか、残存する有害な難分解性の多環芳香族化合物が環境中に流出する可能性がある。
本発明のアノード用炭素電極又は炭素電極として用いられる炭素成形体(以下、炭素電極等という。)は、その開気孔率が5〜30%、好ましくは5〜25%である。微生物燃料電池としての能力(出力)を向上させるためには、電極と底質物との接触面積や微生物の付着面積が大きいことが求められる。このため、開気孔率が5%未満であると電極の表面積が小さくなって、底質物との接触面積や微生物の付着面積が小さくなり、処理効率が低下してしまう。一方、炭素電極等の開気孔率が30%を超えると電極の強度が低下して、施工や実使用に耐えうる強度を確保することが難しくなる。また、電極の表面形状が複雑化するため、軟質な固形物である底質物が内部に入りにくくなり、電流発生菌の付着面積が実質的に低下するとともに、微生物の活性も低下するので適さない。
また、本発明の炭素電極等は、有機物を分解して電流を発生する微生物が電極表面に速やかに付着・増殖することができるように、電極表面が親水性であることが好ましい。炭素材料の親水性を左右する要因は、表面に存在する官能基の数や炭素結晶のエッジ部の露出量である。しかし、電極作製の過程で高温の焼成工程を経るために表面官能基の影響は少なくなり、炭素結晶のエッジ部の露出量の影響が大きくなる。
したがって、XRDにより測定される炭素材料の黒鉛結晶の結晶子の大きさLc(002)は10nm未満であることが望ましく、5〜8nmであることがより好ましい。この値が10nm以上であると、高結晶性であるために炭素結晶のエッジ部露出量は低結晶性の炭素材料のエッジ部露出量よりも相対的に少なくなり、電極表面の親水性が低下すると推測されるために好ましくない。
また、本発明の炭素電極等の吸水率は、5%(重量%)以上であることが好ましく、5〜30%であることが望ましい。なお、吸水率が低いということは、開気孔が小さくかつ少ない状態であるか、電極の親水性が低いことを示す。したがって、開気孔率が高い場合であっても吸水率が5%未満と低い場合には、開気孔の奥まで水分が浸入しづらい状態で、親水性が低いことを示す。一方、吸水率が30%よりも大きい場合は、親水性が良くても開気孔が過剰に存在するため、電極の強度は低下する。したがって、吸水率が上記範囲内であることは、アノード電極が電流発生菌の付着性が良い親水性の状態であるということと適切な量と大きさの開気孔が形成されていることを示すので、微生物燃料電池用アノードとして好ましいものであることを示す指標となる。なお、吸水率の測定は実施例に記載の方法に従う。
さらに、本発明の炭素電極等は、10MPa以上、好ましくは低結晶性炭素による電極の曲げ強度の範囲である13〜30MPaの曲げ強度を有する。曲げ強度が10MPa未満であると、材料の機械強度が足りないために開気孔率の調整範囲が狭く、電極形状の自由度も低下する。また、運搬や施工の際に電極が破損してしまうことなどへの懸念や、実使用時に潮汐などによる底質の瑶動での破損や、耐久性や寿命が低下してしまう可能性がある。
本発明の炭素電極等は、熱重量分析(TGA)の非酸化性雰囲気下で室温から800℃に昇温速度毎分3℃で昇温させた時に、重量減少率が3wt%以下であることが好ましく、より好ましくは0〜2wt%である。TGAによる重量減少率が当該範囲内にあることは、電極より脱離しやすい未反応の低分子量成分(例えば、ピレン類)が少ないということを示し、実使用時に電極から環境負荷を与えるような成分などが放出されないので望ましい。
また、本発明の炭素電極等は、炭素骨材を有機バインダーで連結した粒子結合型の多孔質炭素成形体であることが好ましい。
本発明の炭素電極等に使用される炭素骨材は、以下の材料を使用することができる。
・天然黒鉛または人造黒鉛
・石油系あるいは石炭系の重質油からディレードコーキングプロセスにより製造されるディレードコークス(生コークス)または、ディレードコークスを非酸化性雰囲気で900〜1600℃でか焼したか焼コークス(なお、か焼コークスとしては、易黒鉛化性のニードルコークスが優れる。)
・樹脂材料などを原料として得られるハードカーボン
・木炭や竹炭などの植物由来の炭素材料
・天然黒鉛または人造黒鉛
・石油系あるいは石炭系の重質油からディレードコーキングプロセスにより製造されるディレードコークス(生コークス)または、ディレードコークスを非酸化性雰囲気で900〜1600℃でか焼したか焼コークス(なお、か焼コークスとしては、易黒鉛化性のニードルコークスが優れる。)
・樹脂材料などを原料として得られるハードカーボン
・木炭や竹炭などの植物由来の炭素材料
なかでも、か焼コークスは、嵩比重が高く、曲げや引張り強度に優れるため炭素骨材として好ましい材料であり、黒鉛よりも材料強度が高く、粉砕しても鱗片状になるために生体内に取り込まれてしまっても炭素繊維とは異なり、生体刺激性はない安全な材料でもある。
有機バインダーは焼成時に炭化しやすくかつ残炭率の高い物質であれば特に限定はされず、デンプンなどの天然高分子、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの合成高分子、タールやピッチなどが使用でき、石油系または石炭系重質油より得られるピッチ類が好ましい。また、軟化点が80〜110℃のバインダーピッチ(例えば、新日鉄住金化学社製 BP)が高温での成形加工と、炭素骨材の結着性が良好であるために次工程への搬送などのマテリアルハンドリングや大型化に耐えうる強度を有することから、特に好適に使用される。
また、後記する焼成物を被覆するために使用される含浸材も有機バインダーと同様に焼成時に炭化しやすくかつ残炭率の高い材料であれば、特に限定されるものではない。例えば、基材を十分に被覆するために200℃での溶融粘度が30mPa・s以下の流動性が高い材料が適しており、含浸用ピッチ(新日鉄住金化学社製 IP)などが好適に使用される。
本発明の炭素電極等は、気孔性状や表面性状、XRDで測定される炭素の物性に悪影響を及ぼさない範囲内において、電気伝導性や成形体の強度向上、微生物の活性化などの副次効果を付与することを目的に次のものを添加してもよい。例えば、鉄粉や酸化鉄などの金属酸化物粒子、炭素繊維のチョップドファイバーやミルドファイバー、カーボンナノワイヤなどのナノカーボンおよびカーボンブラックなどである。
特に、鉄粉、酸化第一鉄(FeO)および四酸化三鉄(Fe3O4)などの鉄分は、生体活性物質であるほか電子伝達物質としての働きも有するために好ましい添加物であり、これらをそのまま、もしくは酸化第二鉄の形で炭素骨材と有機バインダーとともに配合されることが好ましい。
本発明の炭素電極は、好ましくは炭素骨材を有機バインダーと混練して所望の形状に成形したのち焼成することで得られる炭素成形体を電極に加工することで得られる。以下、その製法について例を挙げながら説明するが、これに限定されるものではない。なお、炭素成形体を電極に加工する方法は公知の手段を採用できる。
まず、炭素骨材と有機バインダーとの配合に先駆けて、骨材となる炭素材料を定法の手段により粉砕、分級して所望の粒度となるように調整を行う。
一般的に、多孔質炭素電極の気孔径と開気孔率は、骨材の粒径や結合剤の使用量、焼成温度等によって制御される。例えば、骨材粒子の粒径を大きくすることにより、これらの数字は大きくなる傾向にある。
しかし、粗大な気孔の存在や高すぎる開気孔率は電極強度の低下を招くため、骨材となる炭素材料の全ての粒径は、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下とすることが望ましい。そして、そのうちの0.1mm以下の細粒の重量基準の割合は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上となるように調整される。また、中間的な粒径をもつ粒子、例えば0.5〜1.0mm程度の粒径の粒子を除外することによって、粗大な気孔を低減しながら開気孔率を高められ、実使用に耐えうる機械強度(曲げ強さ)を兼ね備えた多孔質炭素電極をえることができる。
しかし、粗大な気孔の存在や高すぎる開気孔率は電極強度の低下を招くため、骨材となる炭素材料の全ての粒径は、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下とすることが望ましい。そして、そのうちの0.1mm以下の細粒の重量基準の割合は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上となるように調整される。また、中間的な粒径をもつ粒子、例えば0.5〜1.0mm程度の粒径の粒子を除外することによって、粗大な気孔を低減しながら開気孔率を高められ、実使用に耐えうる機械強度(曲げ強さ)を兼ね備えた多孔質炭素電極をえることができる。
骨材の配合割合は、混練条件や成形方法によって配合量が調整されるが、骨材とバインダーについては、骨材100重量部に対し、バインダー10〜80重量部の範囲とする。例えば、押出し成形によって多孔質炭素材を製造する場合は、易黒鉛化性炭素粒子のような炭素骨材が100重量部に対し、バインダーピッチを10〜80重量部、好ましくは20〜50重量部とする。バインダーピッチが10重量部未満であると、機械強度が低下するため電極が脆くなる。またバインダーピッチが80重量部を超えると電気特性や気孔性状が悪化する。配合割合は上記の範囲で、適宜調整される。なお、炭素骨材と有機バインダー以外の添加物もこのとき配合することが好ましいが、添加の順番などについては任意でよい。
骨材とバインダーの混練方法は、均一に分散可能な方法であれば良い。例えば、所望の粒度となるように粉砕・分級されたピッチコークスや石油コークス等のコークス粒子に、タールやピッチ等のバインダーピッチと所望により鉄化合物等の添加物を所定量配合する。そして、これをニーダー等の混練機に投入し、バインダーピッチの溶融温度以上で混練するなど、炭素成形体の製造において一般的に行われている方法が挙げられる。
混練物を成形する方法は、所定の形状の押出口を有するダイからの押し出しする成形方法や、コークス粉末とバインダーピッチの混練物を冷却して2次粉砕した粒子を所望の形状の成形型に入れて上部から加圧成形する形込めする成形方法であっても良い。更には、2次粉砕した粒子を水中で、ラバープレスで圧縮成型する冷間静水圧プレス(CIP)による成形方法であっても良い。
成形された混練物は還元雰囲気が充満する焼成炉内で焼成される。焼成温度は800℃以上であるが、800〜1500℃の温度範囲内で行われることが好ましく、900〜1200℃で焼成されることがより好ましい。一般的に炭素材料の結晶状態は焼成温度によって決定されることから、上記の温度範囲内で焼成することによって、焼成された混練物(焼成体)の炭素結晶を所望の状態に成長させることができる。そのことにより、好ましい親水性で、電気伝導性が良好で機械強度の高い多孔質な低結晶炭素材料の成形焼成体である本発明のアノード用炭素電極を得ることができる。
焼成された混練物は炭素成形体となり、そのまま又は簡単な加工を施すことで本発明に係るアノード用炭素電極として使用することができる。
焼成された混練物を、さらに含浸ピッチのような含浸材により含浸または被覆し、800℃以上の非酸化性雰囲気中で再度焼成することもできる。このことにより、製造された炭素成形体は、底質物や微生物が浸入することができない微細で複雑な開気孔が減らされ、表層をくまなく覆う均質な低結晶性炭素の被膜が形成されるので好ましい。また、含浸材を含浸または被覆する前の焼成された混練物を黒鉛化して、その後に含浸材により含浸または被覆し、800℃以上の非酸化性雰囲気中で再度焼成してもよい。
なお、含浸材は加熱分解により炭素を形成する炭素前駆体であればよい。また、含浸または被覆は、例えば加熱溶解した含浸ピッチに焼成された混練物を浸漬し、一旦減圧させることなどにより行われる。また、その後の焼成は、すでに行われた焼成工程と同様に800℃以上、好ましくは900〜1200℃の非酸化性雰囲気で行えばよい。
上記のようにして得られた炭素成形体(焼成物および再焼成物)は、その後さらに処理や機械加工を行うこともできる。処理としては、例えば炭酸ガスなどにより微細孔を増やす賦活処理や、金属塩の水溶液に炭素成形体を浸漬したのちに再度熱処理することなどの手法による金属元素の担持である。また、機械加工としては、切削などにより表面に凹凸を設けたり、穴を開けたりするなどである。なお、含浸材を含浸等した再焼成物については、金属元素の担持は含浸焼成時に行われることが好ましく、機械加工は含浸前に実施されることが好ましい。
本発明に係る微生物燃料電池と、その微生物燃料電池を用いた閉鎖性水域の底質環境の改善方法を以下に説明する。
本発明に係る微生物燃料電池は、閉鎖系又は半閉鎖系水域の底質環境とその近傍の底層における水質を改善するため、少なくとも一部が底層部の底質物中に配置される微生物燃料電池であって、本発明に係るアノード炭素電極が用いられている。微生物燃料電池の構造は公知の構造でよく、好ましくはアノード、カソードおよびイオン伝導性を有し両極間を隔離する隔膜により主に構成され、少なくともアノード炭素電極は底層部の底質物中に配置される。なお、これらを容器内に収納してもよく、隔膜は必要により設けても、設けなくともよい。
閉鎖性水域とは、外部との水の交換が少なく水が滞留しやすい湖沼や港湾、流れの緩慢な河口部といった水域のことであり、底質物とはこれら水域の底部に存在している砂やヘドロなどの堆積物を意味する。
一般的にヘドロとは、閉鎖性水域に陸域から流入した生活排水や産業排水に含まれる有機物が自然界の処理能力を超えたために底部に沈降堆積して腐敗することにより生成した黒色のゆるい泥状物である。良好な底質とは溶存酸素が比較的高く、酸化的環境であり、水中生物が多く、活性度も高い状態である。それに対して、ヘドロの堆積した底質はDOが少なく、還元的環境となっている。そのため、嫌気性細菌の活動による硫化水素等の有害物質が発生し、水中生物が少なく、活性度も極端に低下している。
本発明の微生物燃料電池の一例を図1により説明する。微生物燃料電池10は、底層部のヘドロ1中に配置したアノード2と、アノード2と外部回路4で電気的に接続されたカソード3により構成される。
微生物燃料電池10による底質環境の改善作用は、以下のとおりである。
ヘドロ1中の有機物が嫌気性微生物により分解されることにより電子(e−)及び水素イオン(H+)が生じる。このうちの電子をアノード2で集電する。集電された電子は、アノード2と接続する外部回路4、可変抵抗器やLED、モータ、ヒータ等の抵抗5、カソード3と接続する外部回線4を経て、カソード3に移動する。カソード3は水深の浅い位置に配置され、カソード3に移動してきた電子と、カソード3近傍の水中に存在する水素イオンと酸素(O2)とで化学反応(O2+4H++4e−⇒2H2O)がおこる。
ヘドロ1中の有機物が嫌気性微生物により分解されることにより電子(e−)及び水素イオン(H+)が生じる。このうちの電子をアノード2で集電する。集電された電子は、アノード2と接続する外部回路4、可変抵抗器やLED、モータ、ヒータ等の抵抗5、カソード3と接続する外部回線4を経て、カソード3に移動する。カソード3は水深の浅い位置に配置され、カソード3に移動してきた電子と、カソード3近傍の水中に存在する水素イオンと酸素(O2)とで化学反応(O2+4H++4e−⇒2H2O)がおこる。
ここで、底質物(ヘドロ1)中にアノード2を配置するとは、アノード2の少なくとも一部が、底質物と接触するように設置されることである。嫌気性微生物による有機物の分解を促進し、生じる電子の効率的な集電を考えると、アノード2はその半分以上、好ましくは全体が底質物中に埋没していることがより好適である。
また、有機物分解とアノード2への電子の受け渡しに関わる微生物、例えば、Geobacter属細菌、Shewanella属細菌等の鉄還元細菌などをあらかじめアノード2へ担持させてもよい。これらの細菌をあらかじめ担持させると、馴致期間を短縮して、あるいは馴致期間なしで底質の浄化を進め、底質を改善することができる。
なお、カソード3は必ずしもアノード2の鉛直上方に配置されなくてもよいが、少なくとも一部はアノード2の鉛直上方の範囲内にあるように配置される。
有機物が嫌気性微生物により分解されると、電子と水素イオンが発生する。発生した電子は、アノード2に集電され外部回路4を通ってカソード3へ移動し、水素イオンは、水中を移動してカソード3の表面付近に達する。カソード3の表面付近では、水中を移動してきた水素イオンと、水中の溶存酸素と、外部回路4を移動してきた電子とが反応して水を生じる。このように、アノード2とカソード3が電気的な回路で接続され、微生物燃料電池10として稼動するようになる。このことによって、底質中に存在して有機物分解に関わり、固体の物質に電子を受け渡すことのできる鉄還元細菌等の細菌が、アノード2又はその近傍で集約化される。
アノード2への電子の受け渡しは、鉄還元細菌等が直接アノード2へ電子を受け渡す場合と、メディエーターと呼ばれる他の電子受容体(電極と鉄還元細菌等の間での電子伝達を仲介する酸化還元物質)を介して受け渡される場合がある。
電子受容体としては、Mn4+、Fe3+が挙げられる。これらは、鉄還元細菌等から電子を受け取ることでMn2+、Fe2+に還元され、受け取った電子をアノード2へ受け渡し、Mn4+、Fe3+に再度酸化されることによって、電極から離れた位置に生存する微生物からの集電を可能とする。
ここで、副次的な効果として、Fe2+は還元性の高い底質中のHS−などをFeSとして消費するため、底質物の還元化の進行が抑制されて硫化水素等の発生が抑えられる。加えて底質物中のFe3+濃度を高めることができるため、還元的な雰囲気において底質物から放出されるリン酸イオン(PO4)3−をリン酸鉄(FePO4,Fe3(PO4)2)として底質物に保持できる。そのことにより、水中へリン酸イオンが放出されることを抑制することができる。
電子受容体としては、Mn4+、Fe3+が挙げられる。これらは、鉄還元細菌等から電子を受け取ることでMn2+、Fe2+に還元され、受け取った電子をアノード2へ受け渡し、Mn4+、Fe3+に再度酸化されることによって、電極から離れた位置に生存する微生物からの集電を可能とする。
ここで、副次的な効果として、Fe2+は還元性の高い底質中のHS−などをFeSとして消費するため、底質物の還元化の進行が抑制されて硫化水素等の発生が抑えられる。加えて底質物中のFe3+濃度を高めることができるため、還元的な雰囲気において底質物から放出されるリン酸イオン(PO4)3−をリン酸鉄(FePO4,Fe3(PO4)2)として底質物に保持できる。そのことにより、水中へリン酸イオンが放出されることを抑制することができる。
底質環境を改善するための微生物燃料電池10は上記のようなメカニズムによって、電流発生菌の働きを利用してヘドロ1中の有機物を分解するとともに底質環境を還元雰囲気の酸化雰囲気への変化を促すことによって、環境改善を図るものである。
有機物の分解及びアノード2への電子の受け渡しを促進して、底質の改善効率を向上させるには、カソード3付近での水素イオンと電子と酸素との反応を促進して電子の流れをよくする必要がある。このため、カソード3は反応律速とならないように、アノード2よりも表面積が大きいことが好ましい。また、複数のカソード3をそれぞれ水深の異なる位置に設置して、カソード3まで達せずに水中で拡散してしまう水素イオンを減らし、水素イオンを効率よく捕捉するようにしてもよい。このようにすることで、水中の溶存酸素を効率よく利用できる。したがって、カソード3におけるアノード2より伝達された電子の消費を増やして微生物のアノード2への電子の受け渡しを促進し、底質の改善効率を向上させることができる。また、藻類などの着生による性能低下を抑制することもできる。
本発明の炭素電極アノード2と組み合わされるカソード3は、特にその材質は限定されない。例えば、金属材料、炭素材料等の導電材料を挙げることができる。特に、表面積が大きく、電気伝導度が高くかつ腐食しにくいことから、炭素材料が好ましい。炭素材料としては、グラファイト、炭素繊維、カーボンクロス、カーボンマット、カーボンフェルト、カーボンペーパー等を挙げることができる。また、電極形状も特に限定されるものではなく、シート状、板状、棒状、紐状、メッシュ状、格子状、蛇腹状、ブロック状等であってよい。
外部回路4には、抵抗5を制御する手段(図示せず)を設けることが好ましい。アノード2からカソード3への電子の流れは、外部回路4の抵抗5の大きさにも影響される。自然環境下では、水温、酸化還元電位、酸素濃度、塩分濃度等が常に変化しており、これらの条件が変化すると、アノード2で発生する水素イオンの水中での移動度、酸素との反応状態等が変化する。それにより、カソード3での反応状態が変動し、電子の流れが変化する。そのため、底質改善能力にも変動が生じる。したがって、外部回路4に、可変抵抗器等(図示せず)を設けて抵抗5を制御する。このことにより、電子の流れ(回路の出力)を制御でき、環境条件の変化に応じて回路から得られる出力を最大化するように抵抗値を設定できるので、底質改善能力を最適化することができる。
以下、本発明の実施例を比較例により具体的に説明する。
[開気孔率の測定]
気孔率は、JIS R 1634開気孔率の真空法の測定方法に準拠し、試料としての円筒の乾燥重量、純水に浸けたときの円筒の水中重量、ならびにそれを真空にし、飽水させたときの飽水重量を測定し、得られた重量を使って以下の式から開気孔率を求めた。
開気孔率(%)=(飽水重量−乾燥重量)/(飽水重量−水中重量)×100
気孔率は、JIS R 1634開気孔率の真空法の測定方法に準拠し、試料としての円筒の乾燥重量、純水に浸けたときの円筒の水中重量、ならびにそれを真空にし、飽水させたときの飽水重量を測定し、得られた重量を使って以下の式から開気孔率を求めた。
開気孔率(%)=(飽水重量−乾燥重量)/(飽水重量−水中重量)×100
[嵩比重の測定]
嵩比重(g/cm3)は炭素電極の直径2r(cm)と長さL(cm)をノギスで測定し、さらに炭素電極の重量(g)を別途測定したのち下式より算出した。
嵩比重(g/cm3)=炭素電極重量/(π×(炭素電極の半径r)2×L)
嵩比重(g/cm3)は炭素電極の直径2r(cm)と長さL(cm)をノギスで測定し、さらに炭素電極の重量(g)を別途測定したのち下式より算出した。
嵩比重(g/cm3)=炭素電極重量/(π×(炭素電極の半径r)2×L)
[XRDパラメータの測定]
炭素材料の丸棒を旋盤で表面から約0.1mm程度、外丸削りを行い、生じた削り粉を微粉砕して、サンプルとする。X線回折装置(リガク社製、RINT(登録商標)−TTRIII、X線管球:CuKα、管電流:300mA、管電圧:50kV)を用い、高純度シリコンを標準物質として学振法によりサンプルの炭素結晶の(002)面の面間隔d002および、結晶子サイズLc002を測定した。
炭素材料の丸棒を旋盤で表面から約0.1mm程度、外丸削りを行い、生じた削り粉を微粉砕して、サンプルとする。X線回折装置(リガク社製、RINT(登録商標)−TTRIII、X線管球:CuKα、管電流:300mA、管電圧:50kV)を用い、高純度シリコンを標準物質として学振法によりサンプルの炭素結晶の(002)面の面間隔d002および、結晶子サイズLc002を測定した。
[吸水率の測定]
予め重量測定した上記円筒を室温の純水に浸漬して24時間後に取り出し、3分間室温で静置して水の滴りがなくなり水が十分切れたところで重量を測定し、増えた重量増割合を吸水率とした。
予め重量測定した上記円筒を室温の純水に浸漬して24時間後に取り出し、3分間室温で静置して水の滴りがなくなり水が十分切れたところで重量を測定し、増えた重量増割合を吸水率とした。
[機械物性の測定]
曲げ強さはJIS R 7222 の曲げ強さ測定方法に準拠して測定した。具体的には、曲げ試験機(卓上万能試験機 AGS-500A SHIMADZU社製)を用いて、上記円筒に毎秒 50N の一定荷重速度で加重を加え、得られた最大荷重から先述したJIS規格の8(4)aに記載された下記式を用いて曲げ強さを求めた。
曲げ強さ=8×最大荷重×支点間距離/(円周率×円筒直径3)
曲げ強さはJIS R 7222 の曲げ強さ測定方法に準拠して測定した。具体的には、曲げ試験機(卓上万能試験機 AGS-500A SHIMADZU社製)を用いて、上記円筒に毎秒 50N の一定荷重速度で加重を加え、得られた最大荷重から先述したJIS規格の8(4)aに記載された下記式を用いて曲げ強さを求めた。
曲げ強さ=8×最大荷重×支点間距離/(円周率×円筒直径3)
[熱重量減少量の測定]
熱重量減少量は、白金製のサンプルパンに粉砕試料5〜10mgを秤量し、熱分析測定装置(TG―DTA EXSTAR7200 日立ハイテク社製)を用いて測定した。測定条件は、大気雰囲気下で温度20℃から15℃/minで800℃まで昇温するようにプログラム制御を行い、20℃からの800℃までの試料の重量減少量を求めた。
熱重量減少量は、白金製のサンプルパンに粉砕試料5〜10mgを秤量し、熱分析測定装置(TG―DTA EXSTAR7200 日立ハイテク社製)を用いて測定した。測定条件は、大気雰囲気下で温度20℃から15℃/minで800℃まで昇温するようにプログラム制御を行い、20℃からの800℃までの試料の重量減少量を求めた。
実施例1
真密度1.82g/cm3のピッチコークスを粉砕し、粒子径0.250〜0.500mmの粒子が25%、粒子径0.075〜0.249mmの粒子が45%、粒子径0.074mm以下の粒子が30%となる粒度配合となるように調整した。そして、当該ピッチコークス粒子100重量部に、石炭系重質油から得られたバインダーピッチ(軟化点97℃)40重量部を添加し、200℃で20分間加熱混練した。この混練物を20mmφの棒状に押出し成型した。成型後900℃の非酸化性雰囲気中で焼成物(炭素成形体)を得た。この炭素成形体を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.40、吸水率8.9%の炭素電極A1(表1参照)を得た。
真密度1.82g/cm3のピッチコークスを粉砕し、粒子径0.250〜0.500mmの粒子が25%、粒子径0.075〜0.249mmの粒子が45%、粒子径0.074mm以下の粒子が30%となる粒度配合となるように調整した。そして、当該ピッチコークス粒子100重量部に、石炭系重質油から得られたバインダーピッチ(軟化点97℃)40重量部を添加し、200℃で20分間加熱混練した。この混練物を20mmφの棒状に押出し成型した。成型後900℃の非酸化性雰囲気中で焼成物(炭素成形体)を得た。この炭素成形体を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.40、吸水率8.9%の炭素電極A1(表1参照)を得た。
実施例2
実施例1の焼成物を、2550℃の黒鉛炉で加熱し、黒鉛化した基材を得た。含浸ピッチ(軟化点78℃)を入れたオイルバスに基材を浸漬し、200℃、20kPaまで減圧加熱して、基材中に含浸ピッチを含浸し、オイルバスから取り出し、さらに900℃の非酸化性雰囲気中で再度焼成し、多孔質炭素材料を得た。20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.43、吸水率10.0%の炭素電極A2(表1参照)を得た。
実施例1の焼成物を、2550℃の黒鉛炉で加熱し、黒鉛化した基材を得た。含浸ピッチ(軟化点78℃)を入れたオイルバスに基材を浸漬し、200℃、20kPaまで減圧加熱して、基材中に含浸ピッチを含浸し、オイルバスから取り出し、さらに900℃の非酸化性雰囲気中で再度焼成し、多孔質炭素材料を得た。20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.43、吸水率10.0%の炭素電極A2(表1参照)を得た。
実施例3
含浸ピッチ(軟化点78℃)を入れたオイルバスに実施例1の焼成物を浸漬し、200℃20kPaまで減圧加熱で、基材中に含浸ピッチを含浸した。オイルバスから取り出したピッチ含浸焼成体は、900℃の非酸化性雰囲気中で再度焼成して、含浸ピッチの炭化物被膜が形成された多孔質炭素材料を得た。20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.53、吸水率6.9%の炭素電極A3(表1参照)を得た。
含浸ピッチ(軟化点78℃)を入れたオイルバスに実施例1の焼成物を浸漬し、200℃20kPaまで減圧加熱で、基材中に含浸ピッチを含浸した。オイルバスから取り出したピッチ含浸焼成体は、900℃の非酸化性雰囲気中で再度焼成して、含浸ピッチの炭化物被膜が形成された多孔質炭素材料を得た。20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.53、吸水率6.9%の炭素電極A3(表1参照)を得た。
実施例4
ピッチコークス粒子100重量部に、バインダーピッチ40重量部と、酸化第二鉄(戸田ピグメント製 Toda Color R580 平均粒径0.19μm)10重量部とを添加した以外は実施例1と同様にして焼成物(炭素成形体)を得た。この炭素成形体を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.49、吸水率7.4%の炭素電極A4(表1参照)を得た。
ピッチコークス粒子100重量部に、バインダーピッチ40重量部と、酸化第二鉄(戸田ピグメント製 Toda Color R580 平均粒径0.19μm)10重量部とを添加した以外は実施例1と同様にして焼成物(炭素成形体)を得た。この炭素成形体を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.49、吸水率7.4%の炭素電極A4(表1参照)を得た。
比較例1
実施例1で得られた焼成物をさらに2550℃で黒鉛化した基材を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.31、吸水率2.2%の炭素電極C1(表1参照)を得た。
実施例1で得られた焼成物をさらに2550℃で黒鉛化した基材を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.31、吸水率2.2%の炭素電極C1(表1参照)を得た。
比較例2
粒子径0.250〜0.500mmの粒子が:30%、粒子径0.075〜0.249mmの粒子が60%、粒子径0.074mm以下の粒子が10%となるような粒度配合に調整したピッチコークス粒子100重量部を使用した。それ以外は実施例1と同様にして焼成物(炭素成形体)を得た。この炭素成形体を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.38、吸水率14.5%の炭素電極C2(表1参照)を得た。
粒子径0.250〜0.500mmの粒子が:30%、粒子径0.075〜0.249mmの粒子が60%、粒子径0.074mm以下の粒子が10%となるような粒度配合に調整したピッチコークス粒子100重量部を使用した。それ以外は実施例1と同様にして焼成物(炭素成形体)を得た。この炭素成形体を20mmφ×48mmに加工し、嵩比重1.38、吸水率14.5%の炭素電極C2(表1参照)を得た。
比較例3
トレカ(登録商標)マットBO050(東レ社製炭素繊維マット、厚み0.75mm、50g/m2)を55mm×60mmのサイズの切り取り、20mmφのフッ素樹脂棒に巻いて、実施例の20mmφ×48mmの表面積36.4cm2とほぼ同じになるようにした炭素電極C3(表1参照)を得た。
トレカ(登録商標)マットBO050(東レ社製炭素繊維マット、厚み0.75mm、50g/m2)を55mm×60mmのサイズの切り取り、20mmφのフッ素樹脂棒に巻いて、実施例の20mmφ×48mmの表面積36.4cm2とほぼ同じになるようにした炭素電極C3(表1参照)を得た。
微生物燃料電池性能の評価
実施例および比較例で作製した炭素電極をアノード2とし、図2に示す構成の微生物燃料電池20を組み立てて、実際にヘドロ1の分解を行うことにより性能評価を行った。
実施例および比較例で作製した炭素電極をアノード2とし、図2に示す構成の微生物燃料電池20を組み立てて、実際にヘドロ1の分解を行うことにより性能評価を行った。
穴開き内蓋7付の広口ガラス瓶6において、ヘドロ1中にアノード2(φ20×48mm)が浸漬され、ヘドロ1の上部にある人工海水8には2本のカソード3(φ20×48mm)が浸漬されている。カソード3としては、比較例1の炭素電極C1(表1参照)を使用した。カソード3はステンレス導線4で1kΩの抵抗器5を介してアノード2と接続されている。そして、アノード2とカソード3の両極間の電位をデータロガーで測定しながら2週間程度馴致する。そして、電位変動が0.2V/Day以下となった安定状態に達した段階で微生物燃料電池の抵抗を一旦、開回路状態にしたのちに51Ω、100Ω、200Ω、510Ω、1kΩ、2kΩ、5.1Ωと順次変化させ、そのときに電池特性で発生した電位差と抵抗から電流密度と出力密度を算出することで、ヘドロ1中の電子発生菌が有機物分解で生じた出力密度を比較した。
なお、本測定において、ヘドロ1は平松漁港(北九州市小倉北区)で実際に採取した底質物(ヘドロ)を2mm篩で濾過して得た有機分濃度(VS/TS比)18.8%のものを400g使用した。また、人工海水8には人工海水(テトラ製マリンソルトプロ、塩分3.3%に希釈)を250ml使用した。
また、アノード1として使用した炭素電極の種類と、その製造条件、特性値及び微生物燃料電池の出力密度を下記の表1に示す。また、各実施例及び比較例における出力密度と電流密度の関係を図3に示す。
図3、4から分かるように実施例の炭素電極をアノードとした構成の微生物燃料電池は比較例の炭素電極をアノードに用いた構成の微生物燃料電池よりも高い出力密度を示し、微生物燃料電池用アノードとして優れた性能を持っていることが分かる。
1 ヘドロ
2 アノード
3 カソード
4 外部回線、ステンレス導線
5 抵抗(もしくは可変抵抗器)
6 広口ガラス瓶
7 穴開き内蓋
8 人工海水
10、20 微生物燃料電池
2 アノード
3 カソード
4 外部回線、ステンレス導線
5 抵抗(もしくは可変抵抗器)
6 広口ガラス瓶
7 穴開き内蓋
8 人工海水
10、20 微生物燃料電池
Claims (7)
- 閉鎖系又は半閉鎖系水域の底質環境及び水質を改善するため、底層部の底質物中に配置される微生物燃料電池の炭素電極であって、
当該炭素電極は、開気孔率が5〜30%である多孔質な炭素成形体からなり、前記炭素成形体の少なくとも表層部の炭素は、X線回折法により測定される黒鉛六角網面層の平均格子面間隔002面の面間隔d002が0.340nm以上で、結晶子の大きさLc(002)が10nm未満である低結晶性炭素であり、当該炭素成形体は、10MPa以上の曲げ強度を有することを特徴とするアノード用炭素電極。 - 前記炭素成形体は、熱重量分析において、非酸化性ガス雰囲気下、室温から800℃に昇温速度毎分3℃で昇温させた時に、重量減少率が3wt%以下である請求項1に記載のアノード用炭素電極。
- 前記炭素成形体は、常温常圧において純水に24時間浸漬させた後の吸水率が5wt%以上である請求項1または2に記載のアノード用炭素電極。
- 前記炭素成形体は、鉄、酸化第一鉄、または四酸化三鉄の少なくとも1種を2〜15wt%含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のアノード用炭素電極。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の微生物燃料電池のアノード用炭素電極を製造する方法であって、石油系または石炭系重質油から得られるピッチコークスに有機バインダーを加えて混練した混練物を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記混練物を800℃以上の非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程を有することを特徴とするアノード用炭素電極の製造方法。
- 前記焼成工程により焼成された混練物を、含浸材により含浸または被覆し、800℃以上の非酸化性雰囲気下で再焼成する工程を有する請求項5に記載のアノード用炭素電極の製造方法。
- 閉鎖系又は半閉鎖系水域の底質環境及び水質を改善するため、少なくとも一部が底層部の底質物中に配置される微生物燃料電池であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアノード用炭素電極が用いられていることを特徴とする微生物燃料電池。
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-
2018
- 2018-03-14 JP JP2018047026A patent/JP2019160641A/ja active Pending
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