(実施例) 図1ないし図20に、本発明に係る電気かみそりの実施例を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図2および図5に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2および図3において電気かみそりは、グリップを兼ねる縦長の本体ケース1と、本体ケース1の上部で支持されるかみそりヘッド2とを備える。かみそりヘッド2の上部には、主に短毛剃りに用いられるメイン刃3が配置されており、その前後にはトリマーユニット4・5がそれぞれ配置されている。前側の第1トリマーユニット(切断刃ユニット)4は、メイン刃3に隣接して配置されており、下側の収容位置と上側の連携位置との間で上下にスライド操作される。後側の第2トリマーユニット(切断刃ユニット)5は、メイン刃3から離れて配置されており、下向きの収容姿勢と後向きの突出姿勢との間で揺動操作される。第1トリマーユニット4がメイン刃3と協同してひげを切断するのに対し、第2トリマーユニット5は単独でもみあげ等を切断する。
メイン刃3は、左右方向の水平軸まわりに回転する内刃8と、内刃8に外接する網目状の外刃9とで構成されており、その下方には複数個の励起光源11を実装した光源基板12が配置されている。各励起光源11は青色LEDからなり、電気かみそりの使用中や使用後に光を照射して、内刃8や外刃9にコーティングした光触媒を励起させて、有機物の分解を促す。これにより、有機物の腐敗に伴う異臭の発生を抑制することができる。かみそりヘッド2の下部には、メイン刃3と両トリマーユニット4・5に動力を出力するモーター13が、内刃8と平行な姿勢で収容されている。
モーター13の駆動源である二次電池(電池)15は、縦長の制御基板16とともに、本体ケース1の内部に収容されている。本体ケース1の前面には、浅い凹部からなるサムレスト18と、電源投入用すなわちモーター13を駆動および停止させるためのスイッチボタン19と、各種の情報を表示する表示部20とが、上から下へ記載順に配置されている。本体ケース1の下端部に設けられたソケット21、または、同ケース1の側面上部に設けられた充電用の受電端子22を介して、二次電池15を充電することができる。表示部20は複数個のLEDで構成されて、二次電池15が充電中であることや、同電池15の残量などを表示する。サムレスト18は、ユーザーがメイン刃3と第1トリマーユニット4を使用するときのグリップ姿勢において、親指用の指当てとして機能する。
図4および図5においてかみそりヘッド2は、モーター13などを収容するヘッドケース23と、ヘッドケース23の上部に着脱自在に装着される四角枠状のヘッドフレーム24と、ヘッドフレーム24の上部に組み付けられる外刃ユニット25とを備える。第1トリマーユニット4は外刃ユニット25の前面に組み付けられており、第2トリマーユニット5はヘッドケース23の後面に組み付けられている。ヘッドケース23は前ケース26と後ケース27と上ケース28の3つを組み合わせて構成される。
ヘッドケース23の上面にはメイン刃3の内刃8が配置されており、その回転軸30は左右一対の軸受31・32で回転自在に支持される。モーター13はその右側に減速機33を備えており、その出力軸34からタイミングベルト35を介して右軸受31に回転動力が伝動される。出力軸34と右軸受31はほぼ等速で回転する。右軸受31を支持する右フレーム36が、ヘッドケース23から分離不能であるのに対し、左軸受32を支持する左フレーム37は、内刃8とともに内刃ユニット38を構成しており、同ユニット38の全体をヘッドケース23から分離して交換することができる。内刃ユニット38はヘッ
ドケース23の上面に沿って左右にスライド可能であり、内刃8の回転軸30の右端部は右軸受31に対して挿脱可能である。
ヘッドケース23の左右側面には、ロック爪41を一体に備える解除ボタン42がそれぞれ設けられている。ロック爪41に対応して、ヘッドフレーム24の内面の左右それぞれに係合凹部43が設けられており、両ロック爪41が係合凹部43に係合することにより、ヘッドケース23に対するヘッドフレーム24の装着状態が保持される。左右の解除ボタン42を内方へ押し込むと、ロック爪41と係合凹部43の係合状態を解除して、ヘッドフレーム24をヘッドケース23から分離して、外刃ユニット25と第1トリマーユニット4をヘッドフレーム24ごと交換することができる。
図6においてメイン刃3の外刃9は、内刃8に外接する円弧面状の切断部46と、切断部46の前後に設けられる一対の装着部47・48とを有する。切断部46の中心軸方向(延び方向)は左右方向に一致しており、この中心軸は内刃8の回転軸30の中心軸線と一致する。各装着部47・48は、ステンレス製の補強板49・50とともに、四角枠状の保形枠51の前後面に固定されている。保形枠51と補強板49・50で装着部47・48を挟んで固定することにより、切断部46をアーチ状に保形するとともに、装着部47・48を補強することができる。これら補強板49・50および保形枠51が、外刃9
とともに外刃ユニット25を構成する。後側の補強板50の上端に連続して、一群の外突湾曲状のコーム体52が左右に列設されており、また、前側の補強板49の下端に連続して、左右一対の弾性体53が一体に設けられている。各弾性体53はJ字状の弾性アームからなり、その先端(上端)には外突(前突)湾曲状の突部54が設けられている。突部54は、第1トリマーユニット4の後面に密接して、これを外刃ユニット25から離れる方向、すなわち前向きに付勢する(その意義については後述する)。
保形枠51は左右一対のブラケット57を一体に備える。これらブラケット57は、保形枠51の前面の左右端部に突設されて、第1トリマーユニット4を上下スライド自在に支持する。各ブラケット57にはスリット状のスライド溝58が形成されており、ブラケット57に正対する第1トリマーユニット4の左右壁には、スライド溝58で案内される長円形断面のピン59がそれぞれ突設されている。スライド溝58の中心線P3は、かみそりヘッド2の上下方向の中心軸線P2に対して傾斜している。つまり中心線P3は、メイン刃3へ向かって後方へ上り傾斜しており、第1トリマーユニット4が上側の連携位置にあるときに、同ユニット4の上面すなわち切断面と、外刃9の切断部46との間の前後方向距離が最短となる。連携位置における第1トリマーユニット4は、メイン刃3に至る前の長毛を粗剃りして、これをメイン刃3で捕捉するのを容易化することができる。
ピン59は、一対の平坦かつ平行な規制面60を有しており、これら規制面60がスライド溝58の壁面で受け止められることにより、ブラケット57に対する第1トリマーユニット4の回転が規制されている。また第1トリマーユニット4は、一対のブラケット57に左右両側から挟まれることにより、左右方向のズレ動きを規制されている。なお、長円形断面のピン59に代えて、例えば2個の同径の円柱状のピンを、スライド溝58の中心線P3に沿って配置してもよく、この場合もスライド溝58の壁面で2個のピンを受け止めて、ブラケット57に対する第1トリマーユニット4の回転を規制することができる。また、本実施例とは逆に、第1トリマーユニット4にスライド溝58を形成し、ブラケット57にピン59を設けることもできる。
図7Aおよび図7Bにおいて第1トリマーユニット4は、共にスリット刃からなる固定刃63および可動刃64と、固定刃63が固定されるトリマーベース65と、可動刃64が固定される可動刃ホルダー66とを備える。互いに密接する固定刃63と可動刃64の上部には、切断要素としての一群の小刃と刃穴が交互に列設されており、当該列設方向は左右方向に一致する。トリマーベース65と可動刃ホルダー66の間には、左右方向の長穴からなるガイド穴67と、ガイド穴67で案内されるピン68とで構成されるスライド構造が設けられており、可動刃ホルダー66はトリマーベース65に対して左右スライド自在に支持される。
図5に示すように、モーター13で往復駆動される駆動軸69が、可動刃ホルダー66の下部に設けられた受動凹部70に係合することにより、駆動軸69の往復動力が可動刃ホルダー66に伝動される。この往復動力は、第1トリマーユニット4の位置にかかわらず伝動される。収容位置すなわち不使用時の第1トリマーユニット4にも往復動力を伝動して、可動刃64を往復駆動させると、ユーザーの長毛が固定刃63と可動刃64の刃穴に引っ掛かっても、これを切断することができるので、ユーザーが毛を引っ張られて不快な思いをすることを防ぐことができる。また、トリマーベース65と可動刃ホルダー66の間には左右一対のばね71(図4参照)が設けられている。ばね71は、可動刃ホルダー66をトリマーベース65に対して上向きに付勢して、可動刃64を固定刃63に密接させる。
トリマーベース65の後面には、弾性体53の突部54と係合可能な上下一対の節度凹部74・75が形成されている。図7Aに示す下側の収容位置では、突部54が上側の節度凹部74に係合し、図7Bに示す上側の連携位置では、突部54が下側の節度凹部75に係合する。これにより、第1トリマーユニット4が収容位置あるいは連携位置に保持される。下側の節度凹部75は、上側の節度凹部74よりも深く形成されており、第1トリマーユニット4を連携位置から収容位置に戻すときの方が、これを収容位置から連携位置に移す場合よりも強い力が必要となる。これにより、連携位置に切り換えた第1トリマーユニット4が不用意に収容位置に戻り難くなる。なお必要があれば、上下の節度凹部74・75の間に、さらに節度凹部を設けることができる。
弾性体53の突部54は、第1トリマーユニット4が収容位置と連携位置の間でスライド操作される間も、常にトリマーベース65の後面に密接する。第1トリマーユニット4の全体を常に前方へ付勢して、ヘッドフレーム24の内面に押し付けていると、ユーザーは第1トリマーユニット4をガタつき無くスムーズにスライド操作できる。また、トリマーベース65とヘッドフレーム24の間に程よい摩擦抵抗を生じさせて、第1トリマーユニット4をスライド操作するユーザーに適度な操作感を与えることができる。トリマーベース65の前面には、ユーザーが第1トリマーユニット4をスライド操作するための摘み
(操作部)76(図5参照)が突設されている。
図8においてヘッドケース23の内部には、モーター13で往復駆動される振動子79が収容されている。振動子79の上面に固定された駆動軸69が、ヘッドケース23の上面から上方へ突出して、先述したように第1トリマーユニット4の可動刃ホルダー66に往復動力を伝動する。モーター13から振動子79への動力の伝動は、減速機33の出力軸34と平行すなわち左右方向に延びる丸軸状の伝動軸80を介して行われる。出力軸34に固定された大径の原動ギヤ81と、伝動軸80の右端部に固定された小径の従動ギヤ82とが噛み合うことにより、出力軸34の回転動力が増速されて伝動軸80に伝わる。
伝動軸80の中途部には、伝動軸80に直交する面に対して傾斜する駆動カム84が設けられており、この駆動カム84と係合するカム溝(受動部)85が、振動子79の上下方向(往復動方向に対する直交方向)の中途部に形成されている。これらの駆動カム84とカム溝85により、伝動軸80の回転動力が左右方向の往復動力に変換されて振動子79に伝わる。本実施例のように、振動子79の上下方向の中途部にカム溝85を配置すると、これを上下端部に配置する場合に比べて、振動子79の往復運動時のブレを少なくして、振動子79の振れ精度の向上を図ることができる。
振動子79の前面の左右には、伝動軸80を受けるU字状のガイド凹部88がそれぞれ設けられている(図9参照)。ガイド凹部88の上下幅は、伝動軸80の直径と同じか、これより僅かに大きい。そのため、ガイド凹部88に係合した伝動軸80は、振動子79の往復駆動のガイドとして機能するだけでなく、振動子79の上下方向のズレ動きを規制する。図10において伝動軸80は、左右一対の軸受(すべり軸受)86・87で回転自在に支持されており、モーター13を支持するモーターホルダー91の外面には、各軸受86・87を支持する左右一対のブラケット89が突設されている。各ブラケット89は円筒状の装着孔を備えており、該装着孔の内面に軸受86・87がそれぞれ固定されている。なお実際には、ブラケット89を含むモーターホルダー91の成形時に各軸受86・87をインサート固定することができる。
従動ギヤ82側すなわち右側の軸受86は、左側の軸受87よりも左右方向に十分に長く形成されている。右側の軸受86の右端部は、ブラケット89から突出して、従動ギヤ82の左側面を受け止めている。また従動ギヤ82の右側面は、スラストリング83を介して、ヘッドケース23内に位置する右フレーム36の下半部で受け止められる。軸受86と右フレーム36(スラストリング83)で従動ギヤ82を左右両側から挟持することにより、軸受86・87に対する伝動軸80の左右方向(軸方向)のズレ動きが規制されている。
図1において振動子79は、伝動軸80とモーターホルダー91に前後から挟まれて、同ホルダー91の前面に当接しており、これにより振動子79の前後方向のズレ動きが規制されている。モーターホルダー91の前面の上部には、左右横長の垂直な摺動面92が形成されており、その下方にも左右一対の摺動面92が形成されている(図8参照)。これに対応して、モーターホルダー91に正対する振動子79の後面には、各摺動面92に当接する左右横長のリブ93が突設されている。リブ93を設けることにより、振動子79と摺動面92の間の摺動抵抗を小さくすることができる。モーターホルダー91の上面中央に形成された凹部には、半透明の透光板94が装着されており、この透光板94の下面に光源基板12が固定されている。図1において符号95は、モーター13とモーターホルダー91の間に介在するモーターパッキンである。
モーターホルダー91の後方には、第2トリマーユニット5に往復動力を伝動する第2振動子(振動子)98が配置されており、この第2振動子98と振動子79が、側面視でU字状の伝動レバー99で連結されている。つまり、振動子79の往復動力は伝動レバー99を介して第2振動子98に伝動される。伝動レバー99はステンレス製であって、振動子79に連結される前端側の第1連結部101と、第2振動子98に連結される後端側の第2連結部102と、モーターホルダー91の下面側において両連結部101・102を繋ぐ中継部103とを備える(図9参照)。
モーターホルダー91の下面には、上下方向に延びる丸軸状の揺動軸104が突設されており、当該下面に正対する伝動レバー99の中継部103には、揺動軸104で支持される円環状の軸受105が設けられている。軸受105の下面はヘッドベース106で支持されており、同ベース106はビス107でモーターホルダー91の揺動軸104に締結固定されている。つまり、軸受105はモーターホルダー91とヘッドベース106で上下から挟持される。伝動レバー99はモーターホルダー91に対して、揺動軸104のまわりの左右揺動のみ可能である。なお、伝動レバー99の側に揺動軸104を設け、モ
ーターホルダー91の側に軸受105を設けることもできる。
図9に示すように、振動子79の前面には丸軸状の伝動ピン110が突設されており、この伝動ピン110の挿通を許す受動孔111が、伝動レバー99の第1連結部101に貫通形成されている。受動孔111は上下方向の長孔からなり、その左右縁に伝動ピン110が当接している。そのため、振動子79の往復動力は、伝動ピン110と受動孔111を介して伝動レバー99に伝動される。振動子79が左右方向の直線軌道を描くのに対し、第2連結部102に固定された第2振動子98は、後方へ緩やかに膨らんだ円弧軌道を描く。図1および図11に示すように、モーターホルダー91の前面には、第1連結部
101の内面に当接する外突湾曲状のリブ112が突設されており、モーターホルダー91の後面にも、第2連結部102の内面に当接する外突湾曲状のリブ113が突設されている。伝動レバー99は、これらリブ112・113に常に当接しながら左右に往復駆動される。これらリブ112・113によれば、伝動レバー99に対して内向きの力が作用した場合に、同レバー99の変形を防止することができる。
図12および図13において第2トリマーユニット5は、ヘッドケース23の後ケース27で揺動自在に支持される矩形板状のトリマーベース116と、同ベース116と一体に揺動操作される可動刃ホルダー117および押さえ枠118と、共に櫛歯からなる固定刃119および可動刃120とを備える。ヘッドケース23は左右一対の揺動軸121・122を備えており、これら揺動軸121・122を軸支する左右一対の軸受123・123が、トリマーベース116の上部に一体に設けられている。
固定刃119および可動刃120は、第2トリマーユニット5の下端部すなわち揺動先端部に配置されている。固定刃119はトリマーベース116の内面に固定されており、可動刃120は可動刃ホルダー117の外面(トリマーベース116との対向面)に固定されている。押さえ枠118は、可動刃ホルダー117を内面側からトリマーベース116へ向かって押し付けており、これにより可動刃120が固定刃119に密接している。固定刃119と可動刃120の下端には、切断要素としての一群の小刃が列設されており、当該列設方向は左右方向に一致する。トリマーベース116の内面には、可動刃ホルダー117を受け止める左右に長いリブ125が突設されている。
可動刃ホルダー117は、トリマーベース116に対して左右スライド自在に支持されるとともに、第2振動子98から往復動力を受け取るための受動片126を一体に備えている。第2トリマーユニット5が収容姿勢から突出姿勢へ揺動操作されると、受動片126は揺動軸121・122のまわりに下方へ揺動して、第2振動子98の上部に設けられた上向きの凹部127に係合する。この係合状態において、第2振動子98から可動刃ホルダー117へ往復動力が伝動される。第2振動子98は上述のように円弧軌道を描いて往復駆動するが、可動刃ホルダー117は左右方向の直線軌道を描く。なお、第2トリマーユニット5が収容姿勢にある状態においては、受動片126が凹部127の外に位置するため、第2振動子98から可動刃ホルダー117へ往復動力が伝動されることはない。
図14に示すように、トリマーベース116を支持する右側の揺動軸121は、モーターホルダー91と一体に設けたブラケット129の右面に突設されている。一方、左側の揺動軸122は、モーターホルダー91とは別体の丸軸からなり、モーターホルダー91と一体に設けた左右一対のブラケット130で支持される。これらブラケット130の間に、第2トリマーユニット5を突出姿勢へ向かって揺動付勢する推進ばね131が配置されている。推進ばね131は捩じりコイルばねからなり、そのコイル部分に揺動軸122が挿通されている。つまり左側の揺動軸122は、トリマーベース116を支持するだけ
でなく、推進ばね131の支持体としても機能する。推進ばね131の一方のばね片は、トリマーベース116の内面に当接しており、他方のばね片はモーターホルダー91の外面に当接している。
不使用時における第2トリマーユニット5は、その内側に配置されたステンレス製のロックプレート134で、推進ばね131の付勢力に抗して収容姿勢に保持される。図15においてロックプレート134は、左右に長い板状のプレート本体135と、プレート本体135の上縁に連続する左右一対のロックアーム136と、プレート本体135の下縁に連続する板状の操作部137とを一体に備えている。各ロックアーム136は、その先端が第2トリマーユニット5へ向かって後方へ延びる逆L字状に形成されている。
各ロックアーム136の先端には逆U字状のロック片138が設けられており、これと係合可能な鉤状の係合片139が、トリマーベース116の内面の左右それぞれに設けられている(図13参照)。左右のロック片138と係合片139が係合することにより、揺動軸121・122のまわりのトリマーベース116の揺動が規制されて、第2トリマーユニット5の全体が収容姿勢に保持される。つまり本実施例では、ロックプレート134と係合片139が第2トリマーユニット5のロック手段Lを構成する。左右一対のロックアーム136と係合片139は、第2振動子98を左右両側から挟むように配置されている。
各ロックアーム136は、上下に延びる基端部141と前後に延びる先端部142を備えており、左右の先端部142の間に梁体143が設けられている。この梁体143を設けると、先端部142どうしが互いに弾性強度(弾性率)を高め合って、基端部141に対して弾性変形しにくくなる。これにより、ロック片138と係合片139の係合強度を大きくして、収容姿勢の第2トリマーユニット5を確りと保持することができる。梁体143は、先端部142どうしが互いに離れる或いは近付く左右方向の変形を防止することにも寄与する。また、基端部141と先端部142の間の屈曲部分には、先端部142の延び方向(後方)と逆の方向(前方)に突出する半円筒状の湾曲部144が形成されている。湾曲部144を設ける意義については後述する。図13に示すように、ロック片138を除くロックプレート134の大部分は、ヘッドケース23の内側に位置している。
図12に示すように、第2トリマーユニット5の下方には、ロックプレート134による第2トリマーユニット5のロック状態を解除するための操作ノブ147が配置されている。操作ノブ147は、ヘッドケース23に貫通形成された左右横長のスリット148を介して、ロックプレート134の操作部137に連結されている。従って、ロックプレート134と操作ノブ147は、第2トリマーユニット5とヘッドケース23に対して一体にスライド変位する。ロックプレート134は、右側(図12に向かって左側)のロック位置と左側(図12に向かって右側)のアンロック位置の間で変位可能であり、常態では
引張りコイル形の戻しばね149の付勢力を受けてロック位置に保持される。戻しばね149の一端はヘッドケース23に連結され、他端は操作部137に設けたばね掛止片150に連結されている。
戻しばね149の付勢力に抗して、ロックプレート134がアンロック位置へ向かってスライド操作されると、各ロックアーム136の先端のロック片138が、トリマーベース116の内面の係合片139に対して相対移動して、両者138・139の係合が解かれる。これにより、推進ばね131の付勢力が発揮されて、第2トリマーユニット5が突出姿勢へ向かって揺動付勢される。その後、ユーザーが操作ノブ147から指を離すと、ロックプレート134は戻しばね149の付勢力によってロック位置に復帰する。
図13に示すように、ロックプレート134に対向するヘッドケース23の内面には、ロックアーム136を受け止める左右一対のリブ151が突設されている。各リブ151は、ロックアーム136の基端部141における湾曲部144寄りの上部に当接する。リブ151を設けることにより、ヘッドケース23とロックプレート134の接触面積を小さくして、両者23・134の間の摺動抵抗を小さくすることができる。なお、ヘッドケース23にリブ151を設けるのに代えて、ロックプレート134の一部を屈曲させてリブを形成し、該リブをヘッドケース23に当接させる場合にも、同様の作用効果が発揮される。
ユーザーが第2トリマーユニット5を使用するときは、メイン刃3と第1トリマーユニット4を使用するときとは逆に、本体ケース1の後面に親指を当て、残る4本の指を本体ケース1の前面に当てるグリップ姿勢となる。このグリップ姿勢において、ユーザーが操作ノブ147を簡便に操作できるように、本実施例では操作ノブ147をかみそりヘッド2の後面の下端部に配置した。この配置によればユーザーは、親指以外の4本の指を本体ケース1の前面にあてがったまま、図3に示すように親指を操作ノブ147まで移動させるだけで、同ノブ147をスライド操作することができる。操作ノブ147のスライド方向を左右方向としたのは、操作ノブ147にあてがった状態の親指の左右方向の可動域が、上下方向の可動域よりも広く、ユーザーが操作ノブ147を操作しやすいためである。
操作ノブ147の外面には、ユーザーの親指の指先を受け止める平坦な操作面153が形成されており、操作面153の左右中央には、ユーザーが指先を引っ掛けるための突起154が突設されている。また、操作ノブ147に臨む本体ケース1の後壁の上端部に、ユーザーの親指の腹を受け止める平坦な支持面155が形成されている。外突湾曲状でない平坦な支持面155によれば、親指の腹との接触面積を大きくして、これを確りと支持することができ、これによりユーザーが操作ノブ147を操作しやすくなる。なお、支持面155を内凹み湾曲状に形成する場合にも、同様の作用効果が発揮される。
操作ノブ147のスライド方向すなわち左右方向から見たときの操作面153は、かみそりヘッド2の上下方向の中心軸線P2に対して傾斜して、本体ケース1に設けた支持面155の上方の空間、すなわち、操作ノブ147の操作時にユーザーの親指が位置する空間に正対している。このように操作面153を傾斜させると、これを傾斜させない場合に比べて、親指の指先から見たときの操作面153を広くして、指先と操作面153の接触面積を大きくすることができ、ユーザーが操作ノブ147を操作しやすくなる。かみそりヘッド2の上下方向の中心軸線P2と操作面153が挟む角θ1は、0°よりも大きく、本体ケース1とかみそりヘッド2の上下方向の中心軸線P1・P2が挟む角θ2と同じか、これよりも小さい(0°<θ1≦θ2)。
第2トリマーユニット5の使用を終えたユーザーは、トリマーベース116の外面に指先を当てて下方へ揺動操作することにより、第2トリマーユニット5を収容姿勢に戻すことができる。この過程では、図16に示すように、左右一対の係合片139がロック片138を下向きに押圧して、ロックアーム136の先端部142を基端部141に対して弾性変形させる。このとき、基端部141と先端部142の間の湾曲部144が全体として変形するため、変形応力が一点に集中するのを避けることができ、これによりロックアーム136の耐久性を高めることができる。図16の状態からトリマーベース116がさらに内方へ揺動操作されると、係合片139の先端部がロック片138を乗り越えて、先端部142が常態の水平姿勢に復帰し、ロック片138が係合片139に係合するロック状態となる。
図17および図18に示すように、かみそりヘッド2のヘッドベース106の下部は、本体ケース1の上壁の開口を介して同ケース1内に挿入されて、上ベース158と下ベース159と支持枠160を介して本体ケース1に連結されている。上ベース158はヘッドベース106の下面に左右3個のビス161で固定されており、支持枠160は本体ケース1の上部に左右3個のビス162で固定されている。下ベース159は支持枠160で前後傾動可能に支持されており、上ベース158は下ベース159で上下動可能かつ左右傾動可能に支持されている。これにより、かみそりヘッド2は本体ケース1に対して上
下動可能かつ前後および左右に傾動可能に支持される。かみそりヘッド2が上下動および左右傾動するときは、上ベース158だけがかみそりヘッド2と一体に移動するのに対し、かみそりヘッド2が前後傾動するときは、上ベース158と下ベース159がかみそりヘッド2と一体に移動する(詳細は後述する)。ヘッドベース106の周囲には、本体ケース1の開口縁との間の隙間を封止する周回状のシール体163が装着されている。本発明において、かみそりヘッド2は本体ケース1に固定されていてもよいが、少なくとも前後方向と左右方向に傾動可能であることが好ましく、これによりかみそりヘッド2のメイン刃3などを肌面に対して的確にフィットさせることができる。
支持枠160は、上下に延びる左右一対の支持腕166と、支持腕166の下端どうしを繋ぐ左右横長の支持ベース167と、支持ベース167の前後縁に連続する左右3個の締結座168とを一体に備えており、各締結座168がビス162で本体ケース1に締結固定されている。左右一対の支持腕166の間に下ベース159が配置されており、下ベース159の左右両壁の上部には、支持腕166の上部で軸支される左右方向の傾動軸169がそれぞれ固定されている。これら左右一対の傾動軸169を介して、下ベース159が支持枠160で前後傾動可能に支持される。
上ベース158と下ベース159の前縁どうしと後縁どうしは、弾性変形可能な連結体176でそれぞれ連結されている。連結体176は、上ベース158の左右中央にかしめ固定される頭部177と、頭部177に連続する左右一対のクランク状の弾性腕178とで構成されており、弾性腕178の下端は下ベース159に一体化されている。また、上ベース158と下ベース159の対向空間の左右両端部には、圧縮コイル形の左右一対の復帰ばね179が配置されており、復帰ばね179は上ベース158を下ベース159に対して上方へ付勢する。これらの連結体176と復帰ばね179が、上ベース158と下
ベース159の間の左右傾動機構および上下フロート機構を構成する。
図17に示す中立位置において、かみそりヘッド2に左右方向の外力が作用すると、同ヘッド2が上ベース158とともに左右に傾動する。このとき、一方の復帰ばね179が上ベース158に押されて圧縮され、また連結体176の弾性腕178が屈曲する。かみそりヘッド2に作用する外力が無くなると、圧縮した復帰ばね179と屈曲した弾性腕178が弾性復帰力を発揮し、上ベース158とかみそりヘッド2が中立位置に戻される。また、かみそりヘッド2に下向きの外力が作用すると、同ヘッド2が上ベース158とともに本体ケース1の内方へ沈み込む。このとき、左右の復帰ばね179が上ベース158
に押されて圧縮され、また左右の弾性腕178が屈曲する。かみそりヘッド2に作用する外力が無くなると、復帰ばね179と弾性腕178が弾性復帰力を発揮し、上ベース158とかみそりヘッド2が中立位置に戻される。
上ベース158と下ベース159を一体に前後傾動させるため、両ベース158・159は左右一対の連結ピン182と連結穴183で連結される。連結ピン182は上ベース158の下面から下向きに突設されており、連結穴183は下ベース159を上下に貫通している。そして、各連結ピン182の先端部が連結穴183に挿入されている。左右一対の連結ピン182と連結穴183は、復帰ばね179よりも左右中央寄りに配置されている。
図19に示すように連結穴183の前後寸法は、連結ピン182の前後寸法と同じか、これより僅かに大きい。連結ピン182が連結穴183の前後壁で受け止められることにより、上ベース158と下ベース159は前後に同行傾動する。一方、連結穴183の左右寸法は連結ピン182の左右寸法よりも十分に大きく、上ベース158が左右に傾動するとき、連結ピン182の左右面が連結穴183に接触することはない。換言すれば、上ベース158と下ベース159が一体に左右傾動することはなく、下ベース159に対する上ベース158の左右傾動が許容されている。なお本実施例では、連結ピン182と連
結穴183を左右一組ずつとしたが、両者182・183を1組だけまたは3組以上設けることもできる。また、上ベース158に連結穴183を設け、下ベース159に連結ピン182を設けることもできる。
図18において下ベース159の前方には、本体ケース1にビス184で固定されたばね掛腕185が配置されており、このばね掛腕185と下ベース159の下部とが、引張りコイル形の復帰ばね186で連結されている。この復帰ばね186により、下ベース159は傾動軸169のまわりに常に前方へ傾動付勢される。下ベース159に連結ピン182と連結穴183で連結された上ベース158と、上ベース158に固定されたかみそりヘッド2も、下ベース159に連動して傾動付勢されるが、両者158・2は傾動軸169よりも上方に位置するため、下ベース159とは逆方向すなわち後方へ傾動付勢される。常態におけるかみそりヘッド2は、後方への傾動限界である傾動待機位置に保持される。かみそりヘッド2が傾動待機位置にあるときは、下ベース159の下部に突設された規制片187が、支持ベース167の後縁で受け止められることにより、下ベース159のそれ以上の前方への傾動が規制される。
かみそりヘッド2に前向きの外力が作用して、同ヘッド2が上ベース158とともに前方へ傾動すると、下ベース159は傾動軸169のまわりに後方へ傾動して、下ベース159に連結した復帰ばね186が引っ張られる。かみそりヘッド2に作用する外力が無くなると、復帰ばね186が弾性復帰力を発揮し、下ベース159を前方へ引き寄せる。これにより、かみそりヘッド2が上ベース158とともに後方へ傾動して、傾動待機位置に復帰する。
図20に示すように、本体ケース1内の制御基板16から延びる電力供給用のリード線190は、下ベース159と上ベース158とヘッドベース106にそれぞれ貫通形成されたリード通口191・192・193を介して、かみそりヘッド2内のモーター13と光源基板12に接続されている。各ベース159・158・106にはそれぞれ左右一対のリード通口191・192・193が開設されており、各リード通口191・192・193にリード線190が2本ずつ挿通されている(図19参照)。
図19に示すように、連結ピン182および連結穴183と、その外側に配置される復帰ばね179とは、傾動軸169の中心を通る上下方向の仮想平面(前後方向に直交する仮想平面)P4上に配置されている。また、この仮想平面P4の後方の近傍に、下ベース159のリード通口191が配置されている。この配置によれば、仮想平面P4からの距離が大きい場合に比べて、下ベース159が前後傾動するときのリード通口191の前後方向の移動ストロークを短くすることができ、これにより、リード通口191を通るリード線190が大きくブレることがなくなる。
上ベース158と下ベース159の連結構造の変形例を図21および図22に示す。ここでは、上ベース158の連結ピン182が円柱状に形成されて、下ベース159の連結穴183を縦断しており、連結ピン182の下端面(先端面)には、同ピン182よりも大径のワッシャー(規制体)195が、ビス(固定具)196で締結固定されている。連結穴183は、平面視で左右横長の長円形状に形成されており、その前後寸法は、連結ピン182の直径と同じか、これより僅かに大きく、ワッシャー195の直径よりは十分に小さい。ワッシャー195が連結穴183の下側の開口縁で受け止められることにより、下ベース159に対する上ベース158の上動限界、すなわち、本体ケース1に対するかみそりヘッド2の上動限界が規定されている。また、上ベース158と下ベース159の対向面どうしが、上下方向に接近して互いに当接することにより、下ベース159に対する上ベース158の下動限界、すなわち、本体ケース1に対するかみそりヘッド2の下動限界が規定されている。この変形例に係る電気かみそりは、以下の形態で実施することができる。
連結ピン182と連結穴183が上下方向へ相対スライド自在に連結されて、本体ケース1に対するかみそりヘッド2の上下動が許容されており、
連結穴183を縦断する連結ピン182の先端面に、連結穴183の開口縁で受け止められる規制体195が固定されており、該規制体195により、本体ケース1に対するかみそりヘッド2の上動限界が規定されており、
上ベース158と下ベース159が上下方向に接近して互いに当接することにより、本体ケース1に対するかみそりヘッド2の下動限界が規定されており、
上ベース158と下ベース159と支持枠160が本体ケース1で覆われている電気かみそり。
連結ピン182の先端面に固定された規制体195により、本体ケース1に対するかみそりヘッド2の上動限界が規定されており、上ベース158と下ベース159が互いに当接することにより、かみそりヘッド2の下動限界が規定されている。そのうえで、上ベース158と下ベース159と支持枠160が本体ケース1で覆われていると、規制体195が連結穴183の開口縁で受け止められるときの衝突音と、上ベース158が下ベース159で受け止められるときの衝突音が、外部へ漏れ難くなる。本体ケース1とかみそりヘッド2を直接当接させて、上動限界と下動限界を規定する場合に比べて、カツカツとい
う不快な衝突音を静音化させて、使用感に優れる電気かみそりとすることができる。
上記の実施例では、かみそりヘッド2の後部に第2トリマーユニット5を設け、第2振動子98から同ユニット5の可動刃ホルダー117に往復動力を伝動させたが、これ以外に例えば、ユーザーの肌面に振動刺激を与えるバイブレーターや叩打体などを設け、これらに第2振動子98から往復動力を伝動させることができる。駆動カム84を傾斜するリブ状に形成し、受動部85を溝状に形成するのに代えて、傾斜溝を有する円筒カムや球面カムなどで駆動カム84を構成し、該傾斜溝に係合する突起で受動部85を構成してもよい。メイン刃3は、内刃8が水平軸まわりに回転するロータリー方式に限られず、内刃が左右方向に往復駆動されるレシプロ方式であってもよい。
また上記の実施例では、第1トリマーユニット4を収容位置と連携位置との間でスライド可能としたが、これら両位置に加えて、連携位置の上方の突出位置へスライド可能に構成することができる。突出位置における第1トリマーユニット4は、メイン刃3の外刃9の切断部46から離れており、突出姿勢における第2トリマーユニット5と同様に、単独でもみあげ等を切断することができる。第1トリマーユニット4を3つの位置の間でスライド可能に構成する、メイン刃3のみによるひげの切断(収容位置)と、メイン刃3と第1トリマーユニット4が協同するひげの切断(連携位置)と、第1トリマーユニット4のみによるひげの切断(突出位置)とを可能として、電気かみそりの切断機能をさらに多様化することができる。
この変形例に係るトリマーベース65には、収容位置と連携位置と突出位置に対応する3個の節度凹部を形成することができる。各位置で弾性体53をいずれかの節度凹部に係合させると、第1トリマーユニット4を各位置に確りと保持することができる。突出位置における節度凹部と弾性体53の係合強度は、収容位置における節度凹部74と弾性体53の係合強度よりも大きく設定することが好ましく、これにより、第1トリマーユニット4を突出位置から連携位置や収容位置に戻すときに強い力が必要となり、突出位置に切り換えた切断刃ユニット4が、不用意に連携位置や収容位置に戻り難くなる。また、突出位置における節度凹部と弾性体53の係合強度は、連携位置における節度凹部75と弾性体53の係合強度よりも大きく設定することがより好ましい。これは、第1トリマーユニット4が連携位置にあるときは、メイン刃3と共に肌面に接触するのに対し、第1トリマーユニット4が突出位置にあるときは、単独で肌面に接触することから、肌面から受ける圧力がより高くなりやすいためである。
別の変形例として、第1トリマーユニット4の連携位置を省略して、同ユニット4を収容位置と突出位置の間でスライド可能に構成することができる。この場合も、メイン刃3のみによるひげの切断(収容位置)と、第1トリマーユニット4のみによるひげの切断(突出位置)とを可能として、電気かみそりの切断機能を多様化することができる。また、収容位置と突出位置に対応する2個の節度凹部を形成することにより、各位置で弾性体53をいずれかの節度凹部に係合させて、第1トリマーユニット4を各位置に確りと保持することができる。さらに、突出位置における節度凹部と弾性体53の係合強度を、収容位置における節度凹部74と弾性体53の係合強度よりも大きく設定することにより、第1トリマーユニット4を突出位置から収容位置に戻すときに強い力が必要となり、突出位置に切り換えた第1トリマーユニット4が不用意に収容位置に戻り難くなる。
さらに別の変形例として、第1トリマーユニット4の収容位置を省略して、同ユニット4を連携位置と突出位置の間でスライド可能に構成することができる。この場合も、メイン刃3と第1トリマーユニット4が協同するひげの切断(連携位置)と、第1トリマーユニット4のみによるひげの切断(突出位置)とを可能として、電気かみそりの切断機能を多様化することができる。また、連携位置と突出位置に対応する2個の節度凹部を形成することにより、各位置で弾性体53をいずれかの節度凹部に係合させて、第1トリマーユニット4を各位置に確りと保持することができる。さらに、突出位置における節度凹部と
弾性体53の係合強度を、連携位置における節度凹部75と弾性体53の係合強度よりも大きく設定することにより、第1トリマーユニット4を突出位置から連携位置に戻すときに強い力が必要となり、突出位置に切り換えた第1トリマーユニット4が不用意に連携位置に戻り難くなる。
以上の実施例と各変形例に示すように、本発明に係る切断刃ユニット(第1トリマーユニット)4は、収容位置と連携位置と突出位置のうち少なくとも2個所の間でスライド変位可能に構成することができる。スライド変位可能な切断刃ユニット4と、これに隣接するメイン刃3によれば、電気かみそりの切断機能を多様化することができる。
本発明に係る切断刃ユニット4は、上下にスライド操作されるトリマーユニット以外に、揺動操作されるトリマーユニットや、メイン刃3と協同しないトリマーユニットであってもよい。往復駆動式の内刃を備えるひげ剃り(深剃り)用のメイン刃を、本発明に係る切断刃ユニット4とすることもできる。つまり、本発明における切断刃ユニット4とは、ひげ剃り(深剃り)用のメイン刃と、際剃り用や粗剃り用のトリマーユニットの両方を含む概念である。