JP2019154928A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】次元画像上において、心臓の房室の心壁上での距離情報を示す。【解決手段】本発明に係る画像処理装置は、心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得する取得部と、取得部により取得された三次元構造データに基づき、心臓を所定方向から撮像したX線透視画像に基づく第1の二次元画像における房室の心壁上での所定距離を示すガイド画像を生成し、生成したガイド画像を第1の二次元画像に重畳した第2の二次元画像を生成する画像処理部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
心不全などの治療において、細胞などの生体物質またはバイオマテリアルなどの注入材を、大腿動脈などを介して心臓の房室内に挿入したカテーテルなどの器具を用いて、房室の周囲の組織(例えば、左心室の周囲の心筋)に注入し、血管新生、細胞分化などの治療効果を期待する治療が検討されている。
上述したようなカテーテルを用いて注入材を注入する治療にあたって、注入部位などの関心部位の位置を記録するために、特許文献1には、心臓を二方向から撮像した2つのX線透視画像上にそれぞれ、関心部位の位置を記録し、関心部位の位置を記録した2つのX線透視画像を用いて、心臓を三次元的に表現した三次元画像を再構築する方法が開示されている。
カテーテルを用いて房室の心筋に注入材を注入する際には、隣り合う注入部位が所定距離(例えば、1cm)以上、離間していることが効果的である。ここで、通常、カテーテルを用いて房室の心筋に注入材を注入する手技中には、術者は、心臓の房室を所定方向からX線透視したX線透視画像を見ながら手技を行うのが一般的である。しかしながら、X線透視画像では、三次元構造である心臓の房室の心壁上での距離情報、例えば、隣り合う注入部位が所定距離以上、離間しているか否か、を把握することが困難である。そのため、二次元画像上において、心臓の房室の心壁上での距離情報を示すための手法が求められている。なお、特許文献1に開示されている方法は、関心部位を三次元的に記録する方法に関するものであり、二次元画像上において、心臓の房室の心壁上での距離情報を示すことについては検討がなされていない。
上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、二次元画像上において、心臓の房室の心壁上での距離情報を示すことができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様としての画像処理装置は、心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得する取得部と、前記取得部により取得された三次元構造データに基づき、前記心臓を所定方向から撮像したX線透視画像に基づく第1の二次元画像における前記房室の心壁上での所定距離を示すガイド画像を生成し、該生成したガイド画像を前記第1の二次元画像に重畳した第2の二次元画像を生成する画像処理部と、を備える。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記ガイド画像として、前記第1の二次元画像における房室の輪郭から内側に前記所定距離ずつ順次に形成した複数の線からなる等高線状の画像を生成する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記ガイド画像として、第1の方向に延在する直線および前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する直線がそれぞれ、前記所定距離毎に設けられたグリッド線状の画像を生成する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記ガイド画像として、前記房室の心壁に沿って配置された網状の画像を生成する。
本発明の1つの実施形態として、前記ガイド画像は、前記所定方向から見て、前記房室の手前側の心壁上での前記所定距離を示す第1のガイド画像と、前記房室の奥側の心壁上での前記所定距離を示す第2のガイド画像と、を含み、前記画像処理部は、前記第1のガイド画像および前記第2のガイド画像を前記第1の二次元画像に重畳して前記第2の二次元画像を生成する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記第1のガイド画像と、前記第2のガイド画像とで態様を異ならせる。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記房室に挿入されたカテーテルを介して房室内の心壁に注入材が注入された注入部位、および、該注入部位から前記心壁上で所定距離にある範囲を示す画像を前記第2の二次元画像に重畳する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記心臓の前記房室の拡張期および収縮期の少なくとも一方のX線透視画像を取得し、該取得したX線透視画像に基づき、前記第1の二次元画像を生成する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記三次元構造データを取得し、該取得した三次元構造データおよび前記X線透視画像に基づき、前記第1の二次元画像を生成する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記心臓の前記房室の心壁の心電位を示す心電位情報を取得し、該取得した心電位情報に示される心電位を前記第2の二次元画像にマッピングする。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記心臓の前記房室の心壁の壁運動を示す壁運動情報を取得し、該取得した壁運動情報に示される壁運動を前記第2の二次元画像にマッピングする。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記生成した第2の二次元画像を表示装置に表示する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記生成した第2の二次元画像を前記X線透視画像に重畳して表示する。
本発明の1つの実施形態として、前記画像処理部は、前記生成した第2の二次元画像を記憶手段に記憶する。
本発明の第2の態様としての画像処理方法は、画像処理装置が実行する画像処理方法であって、心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得するステップと、前記取得した三次元構造データに基づき、前記心臓を所定方向から撮像したX線透視画像に基づく第1の二次元画像における前記房室の心壁上での所定距離を示すガイド画像を生成し、該生成したガイド画像を前記第1の二次元画像に重畳した第2の二次元画像を生成するステップと、を含む。
本発明の第3の態様としてのプログラムは、コンピュータを上記の画像処理装置として機能させる。
本発明に係る画像処理装置、画像処理方法およびプログラムによれば、二次元画像上において、心臓の房室の心壁上での距離情報を示すことができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置10の構成例を示す図である。本実施形態に係る画像処理装置10は、カテーテルを心臓の房室に挿入して、房室内の心筋に注入材を注入する手技などにあたって、三次元構造である房室の心壁上での距離情報を示す二次元画像を生成するものである。なお、上述したような距離情報を示す二次元画像は、房室内の心筋を焼灼するアブレーション手技、房室内の心筋の一部を採取して検査する心筋生検手技などにおいても必要とされる。以下では、カテーテルを用いて房室内の心筋に注入材を注入する手技に適用する場合を例として説明する。
図1に示す画像処理装置10は、取得部11と、画像処理部12と、記憶部13とを備える。
取得部11は、心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得する。取得部11は、例えば、超音波診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置などの撮像装置により心臓を撮像して得られる三次元構造データを取得する。また、取得部11は、例えば、サイズの異なる複数の心臓の房室の三次元構造をモデル化したモデル化データを三次元構造データとして取得する。取得部11は、取得した三次元構造データを画像処理部12に出力する。
画像処理部12は、取得部11により取得された三次元構造データに基づき、心臓の房室を所定方向から撮像したX線透視画像に基づく二次元画像における房室の心壁上での距離情報を示すガイド画像を生成する。そして、画像処理部12は、生成したガイド画像を、X線透視画像に基づく二次元画像に重畳した二次元画像である記録画像を生成する。
具体的には、画像処理部12は、例えば、心臓の房室を、被検者の体軸を中心として右方向に傾斜した方向から撮影したX線透視画像であるRAO(Right Anterior Oblique)画像に基づき、フォーマット図を生成する。画像処理部12は、例えば、RAO画像から心臓の房室の輪郭を抽出した二次元画像であるフォーマット図(第1の二次元画像)を生成する。そして、画像処理部12は、フォーマット図に、三次元構造データに基づき生成した、フォーマット図における房室の心壁上での所定距離(例えば、1cm)を示すガイド画像を重畳した二次元画像である記録画像(第2の二次元画像)を生成する。
画像処理部12は、生成した記録画像を表示装置20に表示してもよい。また、上述したように、カテーテルを用いて心臓の房室に注入材を注入する手技中には、心臓の房室を所定方向から撮像したX線透視画像が、術者が視認可能なようにして表示装置20に表示されるのが一般的である。画像処理部12は、生成した記録画像を、X線透視画像に重畳して表示装置20に表示してもよい。なお、表示装置20は、例えば、術者が視認可能に設けられたディスプレイ装置、あるいは、術者に装着されるヘッドマウントディスプレイなどである。また、表示装置20が据え置き型のディスプレイ装置である場合には、表示装置20に表示されたX線透視画像に、プロジェクタなどを用いて、記録画像を投影し、X線透視画像と重畳させてもよい。
また、画像処理部12は、生成した記録画像を記憶手段としての記憶部13に記憶させてもよい。なお、画像処理装置10が必ずしも記憶部13を備えている必要は無い。画像処理部12は、外部の記憶手段に記録画像を転送し、記憶させてもよい。
次に、画像処理部12が生成する記録画像の例について説明する。
図2は、画像処理部12が生成する記録画像の一例を示す図である。
画像処理部12は、例えば、図2に示すように、ガイド画像として、フォーマット図における房室の輪郭12aから内側に所定距離d(例えば、1cm)ずつ順次に形成した複数の線12bからなる等高線状のガイド画像を生成し、フォーマット図に重畳して記録画像を生成する。房室の輪郭12aから内側に所定距離ずつ順次に形成した複数の線12bからなる等高線状のガイド画像をフォーマット図に重畳することで、房室の輪郭12aから内側に向かう方向において、距離情報(所定距離d)を把握しやすくなる。
なお、画像処理部12は、取得部11が取得した三次元構造データに基づき、ガイド画像を生成する。例えば、画像処理部12は、X線透視画像の撮影方向から、三次元構造データで三次元的な構造が既知の心臓、を見た場合の房室の輪郭を特定する。そして、画像処理部12は、特定した房室の輪郭から内側に所定距離dずつ順次に形成した複数の線12bを設けることで、等高線状のガイド画像を生成する。ここで、画像処理部12は、取得部11により被検者の心臓の三次元構造データが取得されている場合には、その三次元構造データに基づき、ガイド画像を生成する。また、画像処理部12は、取得部11によりサイズの異なる複数の心臓の房室の三次元構造をモデル化したモデル化データが三次元構造データとして取得されている場合には、被検者の心臓のサイズに合うモデル化データを用いて、ガイド画像を生成する。
また、画像処理部12は、図3に示すように、フォーマット図における房室の輪郭12aから内側に所定距離dの半分の距離(d/2)(例えば、0.5cm)だけ離間した線12cからなる等高線状のガイド画像をさらに生成し、フォーマット図に重畳して記録画像を生成してもよい。こうすることで、例えば、隣り合う注入材の注入部位が、所定方向から見て、房室の手前側の心壁上から房室の輪郭12aを経て房室の奥側の心壁上に跨るような場合にも、所定距離d(例えば、1cm)以上、離間しているか否かを把握しやすくなる。等高線状の線12b及び12cは、区別可能な異なる態様で生成されることが好ましい。
図4は、画像処理部12が生成する記録画像の他の一例を示す図である。
画像処理部12は、例えば、図4に示すように、ガイド画像として、フォーマット図において、第1の方向(例えば、心臓の長軸方向)に延在する直線12d、および、第1の方向と交差する第2の方向(例えば、心臓の長軸方向に直交する心臓の短軸方向)に延在する直線12eがそれぞれ、房室の心壁上での所定距離d(例えば、1cm)毎に設けられたグリッド線状の画像を生成し、フォーマット図に重畳して記録画像を生成する。第1の方向に延在する直線12dおよび第2の方向に延在する直線12eがそれぞれ所定距離d毎に設けられたグリッド線状のガイド画像をフォーマット図に重畳することで、第1の方向および第2の方向において、距離情報(所定距離d)を把握しやすくなる。上述の心臓の長軸方向とは、心基部から心尖部に向かう方向を意味する。
なお、画像処理部12は、例えば、X線透視画像の撮影方向から、三次元構造データで三次元的な構造が既知の心臓、を見た場合に、心臓の長軸方向と短軸方向とを特定する。そして、画像処理部12は、長軸方向に延在する直線12dを、短軸方向において心壁上で所定距離d毎に設け、短軸方向に延在する直線12eを長軸方向において心壁上で所定距離d毎に設けることで、グリッド状のガイド画像を生成する。
図5は、画像処理部12が生成する記録画像のさらに別の一例を示す図である。
画像処理部12は、例えば、図5に示すように、ガイド画像として、房室の心壁に沿って配置した網状の線12fからなる画像(ワイヤーフレーム状の画像)を生成し、フォーマット図に重畳して記録画像を生成する。ここで、画像処理部12は、網目のサイズを所定距離d(例えば、1cm)にする。房室の心壁に沿って配置した網状の線12fからなるガイド画像をフォーマット図に重畳することで、房室の心壁上において、距離情報(所定距離d)を把握しやすくなる。網目の方向に沿った方向において、距離情報(所定距離d)を把握しやすくなる。
また、画像処理部12は、心臓の房室を所定方向(X線透視画像の撮影方向)から見て、房室の手前側の心壁上でのガイド画像(第1のガイド画像)と、房室の奥側の心壁上でのガイド画像(第2のガイド画像)とを生成し、生成した2つのガイド画像をフォーマット図に重畳して、記録画像を生成してもよい。ここで、画像処理部12は、房室の手前側の心壁上でのガイド画像と、房室の奥側の心壁上でのガイド画像とで、態様を異ならせることが好ましい。例えば、画像処理部12は、房室の手前側の心壁上でのガイド画像を示す線と、房室の奥側の心壁上でのガイド画像を示す線と、で色を異ならせることができる。また、画像処理部12は、房室の手前側の心壁上でのガイド画像を示す線と、房室の奥側の心壁上でのガイド画像を示す線と、で線種を異ならせてもよい。
また、画像処理部12は、例えば、上述した等高線状のガイド画像(図2、図3参照)およびグリッド線状のガイド画像(図4参照)を生成し、これら両方のガイド画像を、フォーマット図に重畳して記録画像を生成してもよい。また、画像処理部12は、例えば、上述した等高線状のガイド画像(図2、図3参照)およびワイヤフレーム状のガイド画像(図5参照)を生成し、これら両方のガイド画像を、フォーマット図に重畳して記録画像を生成してもよい。等高線状のガイド画像だけでは、例えば、1本の等高線上での距離情報を把握することが困難である。そこで、等高線状のガイド画像に、グリッド線状のガイド画像あるいはワイヤフレーム状のガイド画像を重畳することで、1本の等高線上でも距離情報を把握しやすくなる。
また、画像処理部12は、図6に示すように、例えば、心臓の房室に挿入されたカテーテルを介して、房室内の心壁に注入材が注入された注入部位12g、および、その注入部位から心壁上で所定距離d(例えば、1cm)の距離にある範囲を示す画像12hを、フォーマット図に重畳して、記録画像を生成してもよい。こうすることで、実際に注入が行われた注入部位から離間すべき範囲が把握しやすくなる。
なお、画像処理部12は、例えば、カテーテルを心臓に挿入する術者により判断された注入部位の位置に関する入力を、注入部位の位置情報として取得する。また、上述したように、カテーテルを用いて心臓の房室に注入材を注入する手技中は、心臓を所定方向から撮像したX線透視画像が、術者などが視認可能なようにして表示装置20に表示される。取得部11は、そのX線透視画像を取得し、取得したX線透視画像の画像解析によりカテーテルの先端部の位置を特定することで、注入部位の位置情報を取得してもよい。
図7は、カテーテルを挿入した心臓(左心室)のX線透視画像の一例である。
図7に示すように、カテーテルの先端部に造影マーカを設けることで、画像処理部12は、X線透視画像における造影マーカの位置に基づき、カテーテルの先端部の位置を特定することができる。画像処理部12は、注入材が注入されたタイミングでのカテーテルの先端部の位置に基づき、注入部位の位置情報を取得することができる。注入材が注入されたタイミングは、例えば、術者により判断され、画像処理装置10に入力される。
本実施形態では、カテーテルの先端部のうち先端を含む位置に造影マーカが設けられている。カテーテルの先端部であることを特定するためには、例えは、カテーテルの先端部に、カテーテルの他の部分よりも大きい造影マーカ、カテーテルの他の部分よりもX線透視画像において濃く造影される造影マーカ、特殊な形状の造影マーカなどを設けることが考えられる。なお、X線透視画像からでは、カテーテルの先端部が、X線透視画像の撮像方向から見て、手前側の心壁に接触しているのか、奥側の心壁に接触しているのかを判別することができない場合がある。しかしながら、カテーテルに特定の形状の造影マーカを設けることで、X線透視画像から、カテーテルの先端部が、手前側の心壁に接触しているのか、奥側の心壁に接触しているのかを判別することができる。このような造影マーカの形状の詳細については後述する。
上述したように、画像処理部12は、心臓の房室を所定方向から撮像したX線透視画像に基づきフォーマット図を生成する。ここで、画像処理部12は、房室をX線造影剤で造影したときの心臓の心電図波形から、拡張期および収縮期の少なくとも一方のX線透視画像を取得し、取得したX線透視画像における房室の輪郭に基づき、フォーマット図を作成する。また、画像処理部12は、拡張期および収縮期それぞれのX線透視画像を取得し、取得した拡張期および収縮期のX線透視画像における房室の輪郭に基づき、拡張期および収縮期それぞれのフォーマット図を生成してもよい。こうすることで、より正確な形状のフォーマット図を生成することができる。また、画像処理部12は、虚血性心筋症、拡張型心筋症、収縮型心筋症などのような、治療対象疾患として典型的な心臓の房室を所定方向から撮像したX線透視画像に基づいて生成されたフォーマット図を代表モデルとして使用してもよい。また、画像処理部12は、標準モデルとして、治療対象疾患を伴わない正常な心臓からフォーマット図を作成してもよい。
また、画像処理部12は、心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを、例えば、取得部11から取得し、取得した三次元構造データおよびX線透視画像に基づき、フォーマット図を生成してもよい。こうすることで、より正確なフォーマット図を生成することができる。
また、画像処理部12は、房室の心壁の心電位を示す心電位情報を取得し、図8に示すように、取得した心電位情報に示される心電位を、ガイド画像を重畳した記録画像にマッピングしてもよい。また、画像処理部12は、心電位を示す心壁が、所定方向から見て手前側の心壁であるのか、奥側の心壁であるのかに応じて、心電位を示す態様を異ならせてもよい。例えば、画像処理部12は、心電位を示す心壁が、所定方向から見て手前側の心壁であるのか、奥側の心壁であるのかに応じて、心電位を異なる色で表示してもよい。心電位情報を取得する方法としては、例えば、カテーテルの先端部に電極を設け、カテーテルの先端部の電極を心壁に接触させることで、心電位情報を取得する方法がある。
また、画像処理部12は、房室の心壁の壁運動を示す壁運動情報を取得し、図8に示すように、取得した壁運動情報に示される壁運動を、ガイド画像を重畳した記録画像にマッピングしてもよい。また、画像処理部12は、壁運動を示す心壁が、所定方向から見て手前側の心壁であるのか、奥側の心壁であるのかに応じて、壁運動を示す態様を異ならせてもよい。例えば、画像処理部12は、壁運動を示す心壁が、所定方向から見て手前側の心壁であるのか、奥側の心壁であるのかに応じて、壁運動を異なる色で表示してもよい。壁運動情報を取得する方法としては、例えば、カテーテルの先端部に造影マーカを設けて、カテーテルの先端部を心臓の心壁に接触させた状態でX線透視装置により心臓を撮像し、得られたX線透視画像における造影マーカの変位に基づき、カテーテルの先端部が接触する心壁の壁運動情報を取得する方法がある。
また、画像処理部12は、例えば、注入部位、心壁の心電位あるいは心壁の壁運動などを含む記録画像を用いて、心臓の房室を三次元表示した三次元画像、ブルズアイ画像などを生成し、表示装置20に表示するなどしてもよい。
次に、本実施形態に係る画像処理装置10が実行する画像処理方法について、図9を参照して説明する。図9は、画像処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、取得部11は、心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得する(ステップS11)。上述したように、取得部11は、超音波診断装置、X線CT装置、MRI装置、SPECT装置、PET装置などの撮像装置により心臓を撮像して得られる三次元構造データを取得する。また、取得部11は、例えば、心臓の房室の三次元構造をモデル化したモデル化データを三次元構造データとして取得する。
次に、画像処理部12は、三次元構造データに基づき、心臓を所定方向から撮像したX線透視画像に基づくフォーマット図(第1の二次元画像)(図2等における輪郭線を参照)における房室の心壁上の所定距離を示すガイド画像を生成する。そして、画像処理部12は、生成したガイド画像をフォーマット図に重畳した記録画像(第2の二次元画像)(図2等参照)を生成する(ステップS12)。三次元構造データに基づきガイド画像を生成し、フォーマット図に重畳して記録画像を生成することで、二次元画像上において、心臓の房室の心壁上での距離情報を示すことができる。
次に、カテーテルの先端部が、手前側の心壁に接触しているか、奥側の心壁に接触しているかをX線透視画像から判別するために、カテーテルの先端部に設けられる造影マーカの構成について説明する。
図10は、上述した、先端部が、手前側の心壁に接触しているのか、奥側の心壁に接触しているのかを判別することができるカテーテル2の先端部2a近傍を示す図である。図10に示すように、カテーテル2の造影マーカ3は、カテーテル2の中心軸線Oを含み、中心軸線Oと平行する任意の仮想面に対して、非対称な形状を有する。具体的に、図10では、カテーテル2の中心軸線Oを含み、中心軸線Oと平行する仮想面の例示として、2つの仮想面Y1およびY2を示している。図10に示すように、造影マーカ3は、仮想面Y1およびY2それぞれに対して、非対称な形状である。換言すれば、造影マーカ3は、カテーテル2の中心軸線Oを含み、中心軸線Oと平行する全ての仮想面に対して、面対称とならない形状を有している。以下、説明の便宜上、カテーテル2の中心軸線Oを含み、中心軸線Oと平行する任意の仮想面を単に「仮想面Y」と記載する。
造影マーカ3をこのような構成とすることで、X線透視画像での造影マーカ3の見え方により、X線透視画像において投影面と直交する奥手前方向(以下、単に「奥手前方向A」と記載する。)のカテーテル2の動きを識別することができる。
図10に示すように、本実施形態の造影マーカ3は、第1造影マーカ部4と、第2造影マーカ部5と、を備えている。第1造影マーカ部4は、仮想面Yのうち、周方向Bにおける第2造影マーカ部5の中間位置を通過する第1中間仮想面に対して非対称な形状を有する。また、第2造影マーカ部5は、仮想面Yのうち、周方向Bにおける第1造影マーカ部4の中間位置を通過する第2中間仮想面に対して非対称な形状を有する。本実施形態における「第1中間仮想面」は、図10に示す仮想面Y1である。また、本実施形態における「第2中間仮想面」は、図10に示す仮想面Y2である。
本実施形態の第1造影マーカ部4は、カテーテル2の周方向Bの少なくとも一部の領域に亘って形成されている。より具体的に、本実施形態の第1造影マーカ部4は、周方向Bに線状に延在している。また、本実施形態の第1造影マーカ部4は、カテーテル2の先端部2aに設けられている。より具体的に、本実施形態の第1造影マーカ部4は、カテーテル2の先端面において、周方向Bに線状に形成されている。
本実施形態の第2造影マーカ部5は、中心軸線Oと平行な中心軸線方向Cに沿って線状に延在している。
以下、図10に示す造影マーカ3の見え方により、奥手前方向Aでのカテーテル2の動きを識別する識別方法について説明する。図11は、図10に示す白抜き矢印P1の方向に向かってカテーテル2の先端部2aを見た場合(以下、単に「矢印P1の視点で見た場合」と記載する。)についての造影マーカ3の見え方を示す図である。
図11(a)は、矢印P1の視点で見た場合に、カテーテル2の先端部2aが奥手前方向Aに変形していない状態、すなわち、カテーテル2の先端部2aが矢印P1の方向と直交する方向に延在している状態、を示している。図11(a)に示す状態のカテーテル2の先端部2aは、矢印P1の視点で見た場合に、図11(b)の状態に見える。図11(b)に示すように、矢印P1の視点で見た場合には、造影マーカ3の第1造影マーカ部4は、中心軸線方向Cと直交する径方向Dに沿って直線状に延在する形状に見える。また、図11(b)に示すように、矢印P1の視点で見た場合には、造影マーカ3の第2造影マーカ部5は、中心軸線方向Cに沿って直線状に延在する形状に見える。
図11(c)は、矢印P1の視点で見た場合に、カテーテル2の先端部2aが、図11(a)に示す状態と比較して、奥手前方向Aの手前方向A2(図11(c)では下方向であり、矢印P1の視点で見た場合に視点に接近する方向)に変形した状態を示している。図11(c)に示す状態のカテーテル2の先端部2aは、矢印P1の視点で見た場合に、図11(d)の状態に見える。図11(d)に示すように、矢印P1の視点で見た場合には、造影マーカ3の第1造影マーカ部4は、中心軸線方向Cの基端側に凸形となる円弧形状に見える。図11(d)に示すように、矢印P1の視点で見た場合には、造影マーカ3の第2造影マーカ部5は、中心軸線方向Cに沿って直線状に延在する形状に見える。図11(d)において中心軸線方向Cと直交する径方向Dにおける第2造影マーカ部5の位置は、図11(b)の径方向Dにおける第2造影マーカ部5の位置と同じである。このように、図11(d)における第1造影マーカ部4の形状は、図11(b)における第1造影マーカ部4の形状と異なる。その一方で、図11(d)における第2造影マーカ部5の位置および形状は、図11(b)における第2造影マーカ部5の位置および形状と同じに見える。
図11(e)は、矢印P1の視点で見た場合に、カテーテル2の先端部2aが、図11(a)に示す状態と比較して、奥手前方向Aの奥行き方向A1(図11(e)では上方向であり、矢印P1の視点で見た場合に視点から遠ざかる方向)に変形した状態を示している。図11(e)に示す状態のカテーテル2の先端部2aは、矢印P1の視点で見た場合に、図11(f)の状態に見える。図11(f)に示すように、矢印P1の視点で見た場合には、造影マーカ3の第1造影マーカ部4は、中心軸線方向Cの先端側に凸形となる円弧形状に見える。図11(f)に示すように、矢印P1の視点で見た場合には、造影マーカ3の第2造影マーカ部5は、中心軸線方向Cに沿って直線状に延在する形状に見える。図11(f)において中心軸線方向Cと直交する径方向Dにおける第2造影マーカ部5の位置は、図11(b)および図11(d)の径方向Dにおける第2造影マーカ部5の位置と同じである。つまり、図11(f)における第1造影マーカ部4の形状は、図11(b)および図11(d)における第1造影マーカ部4の形状と異なる。その一方で、図11(f)における第2造影マーカ部5の位置および形状は、図11(b)および図11(d)における第2造影マーカ部5の位置および形状と同じである。
したがって、図10に示す矢印P1の方向からX線を透視することで取得されるX線透画像では、第1造影マーカ部4の形状の変化を見ることにより、カテーテル2の先端部2aの奥手前方向Aにおける動きを識別することができる。より具体的に、本実施形態では、第1造影マーカ部4の形状が中心軸線方向Cの基端側に凸形となる円弧状に見える場合には、奥手前方向Aの手前方向A2に動いていること、または、動いたこと、を識別することができる(図11(c)、図11(d)参照)。また、本実施形態では、第1造影マーカ部4の形状が中心軸線方向Cの先端側に凸形となる円弧状に見える場合には、奥手前方向Aの奥行き方向A1に動いていること、又は、動いたこと、を識別することができる(図11(e)、図11(f)参照)。
図10に示す白抜き矢印P2の方向に向かってカテーテル2の先端部2aを見た場合、図10に示す白抜き矢印P3の方向に向かってカテーテル2の先端部2aを見た場合、および、図10に示す白抜き矢印P4の方向に向かってカテーテル2の先端部2aを見た場合にも同様に、各方向(矢印P2〜P4の方向)からX線を透視することで取得されるX線透画像では、第1造影マーカ部4の形状の変化、並びに、第1造影マーカ部4及び第2造影マーカ部5の位置関係、を見ることにより、カテーテル2の先端部2aの奥手前方向Aにおける動きを識別することができる。
このように本実施形態によれば、画像処理装置10は、心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得する取得部11と、取得部11により取得された三次元構造データに基づき、心臓を所定方向から撮像したX線透視画像に基づくフォーマット画像(第1の二次元画像)における房室の心壁上での所定距離を示すガイド画像を生成し、生成したガイド画像をフォーマット画像に重畳した記録画像を生成する画像処理部12と、を備える。
三次元構造データに基づきガイド画像を生成し、フォーマット図に重畳して記録画像を生成することで、二次元画像上において、心臓の房室の心壁上での距離情報を示すことができる。
なお、実施形態では特に触れていないが、画像処理装置10は、コンピュータとプログラムとによっても実現することができる。また、当該プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMおよびDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。また、当該プログラムは、ネットワークを介して提供することも可能である。
本発明は、上述した実施形態で特定された構成に限定されず、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再構成可能であり、複数の構成部またはステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
2 カテーテル
2a カテーテルの先端部
3 造影マーカ
4 第1造影マーカ部
5 第2造影マーカ部
10 画像処理装置
11 取得部
12 画像処理部
13 記憶部
12a 房室の輪郭
12b,12c,12d,12e,12f ガイド画像を構成する線
12g 注入部位を示す画像
12h 注入部位から所定距離にある範囲を示す画像
20 表示装置
2a カテーテルの先端部
3 造影マーカ
4 第1造影マーカ部
5 第2造影マーカ部
10 画像処理装置
11 取得部
12 画像処理部
13 記憶部
12a 房室の輪郭
12b,12c,12d,12e,12f ガイド画像を構成する線
12g 注入部位を示す画像
12h 注入部位から所定距離にある範囲を示す画像
20 表示装置
Claims (16)
- 心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された三次元構造データに基づき、前記心臓を所定方向から撮像したX線透視画像に基づく第1の二次元画像における前記房室の心壁上での所定距離を示すガイド画像を生成し、該生成したガイド画像を前記第1の二次元画像に重畳した第2の二次元画像を生成する画像処理部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記ガイド画像として、前記第1の二次元画像における房室の輪郭から内側に前記所定距離ずつ順次に形成した複数の線からなる等高線状の画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記ガイド画像として、第1の方向に延在する直線および前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する直線がそれぞれ、前記所定距離毎に設けられたグリッド線状の画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記ガイド画像として、前記房室の心壁に沿って配置された網状の画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記ガイド画像は、前記所定方向から見て、前記房室の手前側の心壁上での前記所定距離を示す第1のガイド画像と、前記房室の奥側の心壁上での前記所定距離を示す第2のガイド画像と、を含み、
前記画像処理部は、前記第1のガイド画像および前記第2のガイド画像を前記第1の二次元画像に重畳して前記第2の二次元画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項5に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記第1のガイド画像と、前記第2のガイド画像とで態様を異ならせることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記房室に挿入されたカテーテルを介して房室内の心壁に注入材が注入された注入部位、および、該注入部位から前記心壁上で所定距離にある範囲を示す画像を前記第2の二次元画像に重畳することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記心臓の前記房室の拡張期および収縮期の少なくとも一方のX線透視画像を取得し、該取得したX線透視画像に基づき、前記第1の二次元画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記三次元構造データを取得し、該取得した三次元構造データおよび前記X線透視画像に基づき、前記第1の二次元画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記心臓の前記房室の心壁の心電位を示す心電位情報を取得し、該取得した心電位情報に示される心電位を前記第2の二次元画像にマッピングすることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から10のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記心臓の前記房室の心壁の壁運動を示す壁運動情報を取得し、該取得した壁運動情報に示される壁運動を前記第2の二次元画像にマッピングすることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から11のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記生成した第2の二次元画像を表示装置に表示することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から11のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記生成した第2の二次元画像を前記X線透視画像に重畳して表示することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から13のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記生成した第2の二次元画像を記憶手段に記憶することを特徴とする画像処理装置。 - 画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
心臓の房室の三次元構造を示す三次元構造データを取得するステップと、
前記取得した三次元構造データに基づき、前記心臓を所定方向から撮像したX線透視画像に基づく第1の二次元画像における前記房室の心壁上での所定距離を示すガイド画像を生成し、該生成したガイド画像を前記第1の二次元画像に重畳した第2の二次元画像を生成するステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを請求項1から14のいずれか一項に記載の画像処理装置として機能させるプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018048262A JP2019154928A (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019154928A true JP2019154928A (ja) | 2019-09-19 |
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ID=67992829
Family Applications (1)
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JP2018048262A Pending JP2019154928A (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム |
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