JP2019152971A - シミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム - Google Patents

シミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム Download PDF

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【課題】ワークの確率的な落下に対応してロボットアームの実行条件を出力できるシミュレーション装置を提供する。【解決手段】シミュレーション装置10は、ワークの落下率を受け付ける許容値受付部106と、ワークを吸着した状態でロボットアームを加速度運動させる際のロボットアームの加速度とワークの加速度との差により吸着部に発生する負荷モーメントと、ワークが吸着部から落下する確率を表す物理量との相関関係に基づいて、許容値受付部106で受け付けた許容値から定まる物理量に対応する負荷モーメントを閾値と定め、シミュレーションモデルを動作指令に基づいて加速度運動させるシミュレーションを実行した際の負荷モーメントが閾値以下となるシミュレーションの実行条件を出力する実行条件出力部108と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、シミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムに関する。
工場の製造ラインなどにおいて、部品や製品等のワークを搬送する装置の一つとしてピックアンドプレース装置がある。ピックアンドプレース装置は、例えば、吸着パッドなど、ワークを吸着保持する吸着部を備え、所定の場所でワークを吸着して保持し、保持した状態でワークを搬送し、目的の場所で吸着を解除してワークを載置する。
ピックアンドプレース装置の最適な実行条件を決定するために、ワークモデル及びロボットハンドのモデルを用いたシミュレーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術によれば、ロボットハンドの形状ごとのワークの把持可能性を算出し、把持可能性に基づいてロボットハンドの形状を選択することにより、最適なロボットハンドの形状を得る。
特開2015−100866号公報
ところで、ロボットが吸着して搬送するワークには、様々な種類がある。例えば、包材により包装されたワークがある。ロボットが包装されたワークを吸着する場合、包材にランダムなシワが発生する。ランダムなシワは、ロボットによるワークの吸着力をランダムに低下させてしまい、ロボットによるワークの保持を失敗させる可能性がある。つまり、包材に包装されたワーク等の吸着部による吸着がランダムに低下するワークを搬送する場合、ロボットを同じ実行条件により動かしても、ワークがある程度の確率で落下する。換言すると、ワークの落下が確率的な落下になってしまう。
しかしながら、特許文献1に記載のシミュレーションによれば、把持可能性はロボットハンドの形状やワークの奥行きを考慮して算出される値であり、ワークの確率的な落下には対応できない。
本発明は、ワークの確率的な落下に対応してシミュレーションの実行条件を出力できるシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係るシミュレーション装置は、ワークが落下する確率の許容値を受け付ける受付部と、ロボットアームに取り付けられた弾性を有する吸着部によってワークを吸着した状態で、ロボットアームを加速度運動させる際のロボットアームの加速度とワークの加速度との差により吸着部に発生する負荷モーメントと、ワークが吸着部から落下する確率を表す物理量との相関関係に基づいて、受付部で受け付けた許容値から定まる物理量に対応する負荷モーメントを閾値と定め、ワーク、吸着部、及びロボットアームを含むシミュレーションモデルを動作指令に基づいて加速度運動させるシミュレーションを実行した際の負荷モーメントが閾値以下となるシミュレーションの実行条件を出力する出力部と、を含む。
出力部は、ロボットアームがワークを搬送する時間が最小となる実行条件を出力し得る。
受付部は、実行条件として、ロボットアームがワークを搬送する際の速度及び加速度の少なくとも一方の入力を受け付け、出力部は、受付部において受け付けた速度及び加速度の少なくとも一方によりロボットアームの動作をシミュレーションし、ロボットアームがワークを搬送する時間を出力し得る。
負荷モーメントは、ワークに生じるモーメントから、慣性力により発生するモーメントを差し引いて導出され得る。
本発明に係るシミュレーション方法は、ワークが落下する確率の許容値を受け付ける受付工程と、ロボットアームに取り付けられた弾性を有する吸着部によってワークを吸着した状態で、ロボットアームを加速度運動させる際のロボットアームの加速度とワークの加速度との差により吸着部に発生する負荷モーメントと、ワークが吸着部から落下する確率を表す物理量との相関関係に基づいて、受付工程で受け付けた許容値から定まる物理量に対応する負荷モーメントを閾値と定め、ワーク、吸着部、及びロボットアームを含むシミュレーションモデルを動作指令に基づいて加速度運動させるシミュレーションを実行した際の負荷モーメントが閾値以下となるシミュレーションの実行条件を出力する出力工程と、を含む。
本発明に係るシミュレーションプログラムは、ワークが落下する確率の許容値を受け付ける受付工程と、ロボットアームに取り付けられた弾性を有する吸着部によってワークを吸着した状態で、ロボットアームを加速度運動させる際のロボットアームの加速度とワークの加速度との差により吸着部に発生する負荷モーメントと、ワークが吸着部から落下する確率を表す物理量との相関関係に基づいて、受付工程で受け付けた許容値から定まる物理量に対応する負荷モーメントを閾値と定め、ワーク、吸着部、及びロボットアームを含むシミュレーションモデルを動作指令に基づいて加速度運動させるシミュレーションを実行した際の負荷モーメントが閾値以下となるシミュレーションの実行条件を出力する出力工程と、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、吸着部に発生する負荷モーメントとワークが落下する確率を表す物理量との相関関係を用いて、ユーザが許容する落下する確率の許容値から負荷モーメントの閾値が得られる。負荷モーメントが閾値以下となる実行条件を探索できるので、ワークの確率的な落下に対応してシミュレーションの実行条件、すなわち、ロボットアームの実行条件を出力できる。
第1実施形態に係るシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 シミュレーション装置の機能構成の例を示すブロック図である。 ロボットアームが動作する座標位置の例を示す図である。 モーションプログラムの例を示す図である。 モーションパラメータの例を示す図である。 ロボットアームとワークの加速度の差を示す図である。 ワークの回転運動を示す図である。 ロボットアーム、吸着パッド及びワークを含む物理モデルの例を示す図である。 ワイブル確率紙へのプロット結果の一例を示す図である。 第1実施形態におけるシミュレーション装置のCPUにより実行される動作の流れを示すフローチャートである。 落下率の入力を受け付ける受付画面の一例を示す図である。 鉛直運動時にワークにかかる下向きの力を示す図である。 第2実施形態におけるシミュレーション装置のCPUにより実行される動作の流れを示すフローチャートである。 落下率及びモーションパラメータの入力画面の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
本実施形態のシミュレーション装置10は、対象となる装置、装置が扱うワーク及び障害物などをシミュレーションモデルとして、シミュレーションモデルの挙動を予測及び設計する。シミュレーションモデルとしては、例えば、装置等に働く物理現象を数式で表現した物理モデル、又は実機の計測データからシステム同定あるいは機械学習などにより得られた動的モデルがある。
本実施形態では、シミュレーションの対象となる装置は、ロボットアームを備えたロボットである。ロボットアームの先端には弾性を有する吸着部が取り付けられ、ロボットアームは、吸着部によりワークをピックアップして、搬送し、目的地にワークを載置する、いわゆるピックアンドプレース装置である。本実施形態では、特に、吸着部が吸着パッドであり、ロボットアームがワークを吸着搬送する場合について説明する。
図1に示すように、シミュレーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、光ディスク駆動装置17及び通信インタフェース18を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、シミュレーションを実行するシミュレーションプログラムが格納されている。CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
入力部15は、キーボード151、及びマウス152等のポインティングデバイスを含み、各種の入力を行うために使用される。モニタ16は、例えば、液晶ディスプレイであり、シミュレーション(ピックアンドプレース動作)の実行条件等の各種の情報を表示する。モニタ16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能してもよい。光ディスク駆動装置17は、各種の記録媒体(CD−ROM又はブルーレイディスクなど)に記憶されたデータの読み込みや、記録媒体に対するデータの書き込み等を行う。
通信インタフェース18は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、又はWi−Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
次に、シミュレーション装置の機能構成について説明する。
図2は、シミュレーション装置の機能構成の例を示すブロック図である。図3は、ロボットアームが動作する座標位置の例を示す図、図4は、モーションプログラムの例を示す図、図5は、モーションパラメータの例を示す図である。
図2に示すように、シミュレーション装置10は、機能構成として、モーションプログラム編集部101、モーションパラメータ編集部102、モーション指令値計算部103、ダイナミクス計算部104、負荷モーメント導出部105、許容値受付部106、相関関係取得部107、実行条件出力部108及び3D表示部109を有する。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶されたシミュレーションプログラムを読み出し、RAM13に展開して実行することにより実現される。
モーションプログラム編集部101は、シミュレーションにおけるロボットアームの所望の動作をユーザから受け付けたり、動作の編集を受け付けたりする。ユーザは、モニタ16を参照しつつ、入力部15によりモーションプログラムを入力又は編集できる。なお、モーションプログラム編集部101は、装置及び障害物の配置情報から、装置の動作モーションプログラムを自動的に生成するモーションプランニング部として機能してもよい。
モーションプログラム編集部101では、例えば、図3に示すような動作をロボットアームに実行させるために、図4に示すモーションプログラムが設定される。図3に示す動作の例では、位置p0からロボットアームの移動が開始し、位置p1及び位置p2を経て、位置p3にロボットアームが到達する動作を示す。位置p0は、xyz座標系において座標(0,0,0)、すなわち原点を表す。位置p1は、座標(0,0,30)であり、位置p0からz方向(高さ方向)に座標で定義される単位で30だけ移動した位置である。位置p2は、座標(50,0,30)であり、位置p1からさらに、x方向に50進んだ位置である。位置p3は、座標(50,0,0)であり、位置p2からさらに、−z方向に30進んだ位置である。このように、図3に示す動作は、ロボットアームが原点から上昇する鉛直運動と、高さを維持した水平運動と、下降する鉛直運動とによる3つの運動が連続する動作である。
このような動作のための命令は、モーションプログラムとして、例えば図4に示すようにモーションプログラム編集部101に入力される。図4に示すモーションプログラムは、行番号の昇順に命令を実行させるための三行の動作指令を含む。ピックアンドプレース装置の場合、ピックアップ及びプレースの動作もモーションプログラムに含まれ得る。ロボットアームの移動だけでなく、ワークの保持(吸着)及び解放等の動作についても、モーションプログラムにより命令される。
モーションパラメータ編集部102は、モーションプログラムにより命令される動作のパラメータの編集をユーザから受け付ける。ユーザは、モニタ16を参照しつつ、入力部15によりモーションパラメータを入力又は編集できる。モーションパラメータは、例えば、図5に示すように、各命令による動作における最大速度及び最大加速度を決める。最大速度及び最大加速度は、ロボットアームに予め設定されている基準速度及び基準加速度に対する割合として設定され得る。基準速度に対する割合としての入力を受け付けることにより、ユーザがロボットアームの常識的な動作速度を知らずに、機能的又は構造的に無理のある動作速度が入力されることを抑止できる。あるいは、モーションパラメータ編集部102は、割合に代えて、速度及び加速度の物理量の数値を受け付けてもよい。なお、本明細書では、「加速度」は、加速する際の加速度(正の値)、及び減速する際の減速度(負の値)の両方の概念を含む用語として使用する。したがって、図5の最大加速度のパラメータは、加速の際の最大加速度だけでなく、減速の際の最大減速度も含む。ただし、最大加速度と最大減速度のパラメータが同じ値として一律に設定される必要はなく、それぞれ個別に設定されてもよい。なお、本実施形態においては、実行条件出力部108により最適なパラメータを決定できる。したがって、モーションパラメータ編集部102は、実行条件出力部108による出力結果を編集するために使用され得る。
モーション指令値計算部103は、シミュレーションの開始が指示されると、モーションプログラム編集部101で得られたモーションプログラムのうち最初の動作のための命令を読み込む。次に、モーション指令値計算部103は、モーションパラメータ編集部102で得られたモーションパラメータのうち、命令に対応するモーションパラメータを読み込む。そして、モーション指令値計算部103は、読み込んだ命令とモーションパラメータから、シミュレーションで用いる動作指令値を順次計算し、出力する。同様に、モーション指令値計算部103は、後続の命令と対応するモーションパラメータとを順に読み込み、動作指令値を出力する。
ダイナミクス計算部104は、モーション指令値計算部103から出力された動作指令値と、ロボットの三次元CADデータと、ワーク、吸着パッド及びロボットアームを含むシミュレーションモデルとを読み込む。ダイナミクス計算部104は、読み込んだ動作指令値、CADデータ、及びシミュレーションモデルから、ダイナミクス(動力学)を考慮したシミュレーションモデルの動作に関わる各種データを計算し、出力する。ロボットの三次元CADデータ及びシミュレーションモデルは、ストレージ14に予め格納されていてもよいし、光ディスク駆動装置17から読み込まれて取得されてもよいし、あるいは、通信インタフェース18を介して外部機器から取得されてもよい。なお、上記では三次元CADデータを用いる点を例示しているが、三次元CADデータを用いなくても、シミュレーションは実行可能である。例えば、二次元CADデータ、ロボットの寸法データ、又はロボットの設計データ等を用いてシミュレーションを実行してもよい。
負荷モーメント導出部105は、ダイナミクス計算部104により計算されたシミュレーションモデルの動作から、シミュレーションモデルが水平運動する際のロボットアームの加速度とワークの加速度との差に応じて吸着パッドに発生するモーメントを導出する。本明細書では、吸着パッドに発生するモーメントを、負荷モーメントという。負荷モーメント導出部105は、シミュレーションモデルの動作から負荷モーメントを計算してもよく、また、予め登録されているテーブルから導出してもよい。負荷モーメント導出部105は、シミュレーション中、シミュレーションモデルの動作に従い変化する負荷モーメントを繰り返し導出する。負荷モーメントの詳細は、後述する。
許容値受付部106は、ワークが落下する確率の許容値を受け付ける。同じ動作指令によりロボットアームを動作させても、ワークの形態によっては、ワークがある程度の確率で落下してしまう。すなわち、ワークの落下が確率的になる場合がある。例えば、ロボットアームが包材により包装されたワークを吸着する場合、包材にランダムなシワが発生する。ランダムなシワは、ロボットアームによるワークの吸着力をランダムに低下させてしまい、ロボットアームによるワークの保持を失敗させる可能性がある。つまり、包材を有するワークを搬送する場合、ロボットアームを同じ動作指令により動かしても、ワークの落下が確率的に発生する。この確率をワークの落下率と呼ぶ。落下率の許容値は、ユーザがどの程度の落下率まで許容できるかを表す。例えば、許容値が0.1%の場合、ユーザは、1000回の搬送のうち平均1回はワークが落下してしまうことを許容していることを表す。
相関関係取得部107は、負荷モーメントと、ワークが吸着パッドから落下する確率を表す物理量との相関関係を示すデータを取得する。データの取得先は、例えば、ストレージ14、又は、外部のサーバである。相関関係は、実験により求めた負荷モーメントと落下率との相関を表す確率分布を、確率紙を用いてプロットすることにより求められる。例えば、負荷モーメントと落下率との相関をワイブル分布として表し、ワイブル確率紙にプロットすることにより相関関係が得られる。確率分布はワイブル分布に限らず、正規分布、対数正規分布、グンベル分布、フレシェ分布、指数関数型最小値漸近分布、指数分布又はレーリー分布等も適用し得る。この場合も、それぞれに合わせた確率紙にプロットすることにより相関関係が得られる。以下では、ワイブル確率紙を用いて、負荷モーメントと落下率との相関関係を得る場合について説明する。相関関係の詳細については、後述する。
実行条件出力部108は、相関関係取得部107で取得された相関関係から、許容値受付部106で受け付けた許容値以下となる負荷モーメントを閾値として定める。そして、実行条件出力部108は、シミュレーションモデルを用いたシミュレーションを実行した際のワークに作用する負荷モーメントが閾値以下となるロボットアームの実行条件を出力する。
3D表示部109は、ダイナミクス計算部104により計算されたシミュレーションモデルの動作を、モニタ16に表示する。3D表示部109は、例えば、ロボットアームがワークを搬送する様子を経時的に三次元に示す動画をモニタ16に表示させる。表示は、三次元に限定されず、二次元あるいは数値であってもよい。
次に、負荷モーメントについて、詳細に説明する。
図6は、ロボットアームとワークの加速度の差を示す図、図7はワークの回転運動を示す図、図8は、ロボットアーム、吸着パッド及びワークを含む物理モデルの例を示す図である。
図6に示すように、ロボットアームRが動作指令に基づいて水平方向に加速度aにより加速度運動する場合について説明する。ここで、ロボットアームRとワークWとの間には、弾性を有する吸着パッドPが介在している。このため、加速度運動時に吸着パッドPが変形し、ワークWは、吸着パッドPに想定される回転軸を回転中心として、図7に示すように回転し、ワークW及びロボットアームR間に加速度の差が生じる。ここで、ワークの加速度をaで表し、回転中心からワークWの重心までの距離を記号L1で表し、回転中心からワークの底部までの距離を記号L2で表す。また、シミュレーションモデルの回転部分のワークWの慣性モーメントを記号Iで表す。ワークWの鉛直方向に対する回転角度をθとして表す。ワークW及びロボットアームRが移動する慣性座標系においては、ワークWに生じるモーメントτは、次の式(1)により表される。
式(3)に示すように、ワークWの加速度aとロボットアームRの加速度aとの差により、ワークWに生じるモーメントτが表される。モーメントτを、吸着パッドPに負荷としてかかる力、すなわち、負荷モーメントとみなすことができる。従って、式(3)で表される負荷モーメントの大きさから、ワークWの吸着パッドPによる保持が解除され、ワークWが落下するか否かを判定することもできる。
一方、負荷モーメントは、ロボットアームRと共に運動する並進座標系において考えることもできる。並進座標系においては、ワークに生じるモーメントτは、次の式(4)に示す回転の運動方程式により表される。Mが負荷モーメントである。
並進座標系においては、モーメントτは、ロボットアームRの加速度運動(水平運動)により水平方向に作用する水平慣性力により、ワークWに作用する慣性力により発生するモーメントmaLと、吸着パッドPに負荷としてかかる力、すなわち、負荷モーメントMとの和で表すことができる。式(4)のように、並進座標系で考えれば、式(1)よりも、ワークWに作用する慣性力により発生するモーメントを考慮する分、吸着パッドPにかかる負荷モーメントMをより正確に算出できる。
式(4)に式(2)を代入し、負荷モーメントMの式に変形すると、式(5)が得られる。従って、加速度aを与えれば、後述の式(6)から加速度aが求められるので、式(5)から負荷モーメントを求めることができる。
なお、シミュレーションにおいて、上記式(3)及び式(5)のワークWの加速度aは、吸着パッドPとワークWとの間の伝達関数G(s)を用いて、次の式(6)で表される。
=G(s)×a … 式(6)
ここで伝達関数G(s)は、吸着パッドPを図10に示す物理モデルで表した以下の式(7)で表される。物理モデルは、実機の動作データから、ワークWの加速度aに影響を及ぼすパラメータを抽出して構築される。例えば、図10では、ロボットアームRを加速度aで加速度運動させたときに、ワークWの加速度aに影響する吸着パッドPの質量mpad、回転減衰係数Cpad、及び回転弾性係数Kpadが吸着パッドモデルのパラメータとして抽出されている。特にワークWの加速度aに影響を及ぼすパラメータだけで吸着パッドモデルを構築することにより、加速度a以外の外部影響を低減でき、より高い精度により加速度aを求めることができる。伝達関数G(s)は、例えば、式(7)のように表される。
次に、相関関係取得部107において取得される相関関係について、詳細に説明する。相関関係は、上述の通り、種々の確率分布を適用して求められる。以下では、一例として、ワイブル分布を適用した相関関係について説明する。
図9は、ワイブル確率紙へのプロット結果の一例を示す図である。
ワイブル確率紙において、横軸は、負荷モーメントMの自然対数、すなわち、ln(M)として表される。縦軸は、落下の累積度数を表すF(M)を用いて、次の式(8)により表される。
上記式(9)の実験値を得るための実機による実験では、所定の最多試行回数を定め、同じ負荷モーメントが発生するピックアッププレース動作の実行条件により、最多試行回数だけ、ワークの搬送を行なう。最多試行回数分の試行のうち、どの試行においてもワークが落下しない場合、実行条件の変更により負荷モーメントを大きくし、最多試行回数分の試行を行なう。1回の試行ででもワークが落下すれば、その時の負荷モーメントを記録し、ワークの落下数を累積する。最多試行回数からワークが落下した試行の累積回数を減算した試行回数だけ、さらに負荷モーメントを大きくした試行を行い、同様に、1回の試行ででもワークが落下する度に、負荷モーメントを記録し、ワークの落下数を累積する。これを繰り返し、試行回数がなくなるまで、負荷モーメントを大きくしていく。最多試行回数に特に制限はないが、例えば、最多試行回数を10回とした場合について、以下に具体的に説明する。
まず、第一段階として、同じ負荷モーメントが発生する実行条件により、ロボットアームによるワークの搬送を最多試行回数分の10回試行する。もし10回の試行のうち1回の試行でもワークが落下しなければ、より大きな負荷モーメントが発生する実行条件に変更して、ロボットアームによるワークの搬送をさらに10回試行する。10回の試行のうち1回の試行でもワークが落下したら、その際の負荷モーメントを記憶し、式(9)からF(M)を算出する。例えば、負荷モーメントM1まで上げると、ワークが1個落下した場合、F(M1)は、1/(10+1)として算出される。記憶した負荷モーメントM1の自然対数と、算出したF(M)を式(8)に代入した値とを座標とした実験結果が、ワイブル確率紙にプロットされる。
続けて、第二段階として、さらに大きな負荷モーメントMが発生する実行条件に変更して、ロボットアームによるワークの搬送を(最大試行回数−これまでのワークの累積落下数)回試行する。上記の第一段階では、ワークの落下が1回なので、累積落下数は1となる。従って、第二段階においては、10−1で9回を試行回数とする。このように、9回の試行に行いつつ、負荷モーメントを上げていき、負荷モーメントM2で2個のワークが落下したとする。この場合、第一段階と第二段階とで合わせてワークの累積落下数が3個なので、式(9)におけるF(M2)は、3/(10+1)として計算され、負荷モーメントM2が記憶される。第一段階と同様に、ワイブル確率紙に実験結果がプロットされる。
第三段階では、搬送の試行回数を、10−3=7回として、第一段階および第二段階と同様にワークが1個でも落下するまで負荷モーメントMを上げていく。このように、負荷モーメントを上げて、ワークが落下したときの負荷モーメントを記憶することを、累積落下数が10個になるまで繰り返すことにより、図9に示すようにワイブル確率紙上にワイブル分布が得られる。
すなわち、一般的には、最多試行回数をkとして、前回までのワークの累積落下数をmとした場合、今回の段階において、試行回数(k−m)として試行を行なうことを、複数回行なってワイブル分布を求めることになる。段階を経る毎に、試行回数が少なくなるため、全ての段階で最多試行回数の試行を行なう場合に比べて、試行回数をおよそ半減でき、作業効率が極めて高い。
ワイブル確率紙上のプロットされた実験結果から最小二乗法により近似直線が求められる。近似直線の傾きをa、切片をbとすると、近似直線は、以下の式(10)により表される。
ここで、図9の縦軸(式(10)の左辺)は、ワークがロボットアームから落下する確率(落下率)そのものではない。しかし、落下率p及び落下の累積度数F(M)が小さい値である場合、両者はほぼ一致し、F(M)=pとみなすことができる。このため、式(10)の左辺は、落下率を表す物理量と言える。そして、式(10)は全体として、ワークの落下率pと負荷モーメントMとの相関関係を示す式と言える。式(10)を負荷モーメントMの式に変形すると、以下の式(11)となる。
所望の落下率pが分かっていれば、式(11)のF(M)に落下率pを代入することで、落下率pに対応する負荷モーメントMを得ることができる。
以上のように、上記式(10)及び式(11)が、相関関係取得部107において取得される相関関係の内容である。
次に、シミュレーション装置10の作用について説明する。
図10は、第1実施形態におけるシミュレーション装置のCPUにより実行される動作の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14からシミュレーションプログラムを読み出して、RAM13に展開し実行することにより、シミュレーション処理が行なわれる。図11は、落下率の入力を受け付ける受付画面の一例を示す図である。
CPU11は、許容値受付部106として、ワークWの落下率について許容値を受け付ける(ステップS101)。受け付けた落下率の許容値を、以下では、落下率pと呼ぶ。例えば、CPU11は、図11に示すような画面をモニタ16に表示させ、入力ボックス201に落下率pの入力を許可する。ユーザは、入力部15を介して落下率pを入力できる。
CPU11は、実行条件出力部108として、相関関係取得部107により取得される相関関係を参照し、ステップS101において受け付けた落下率pに対応する負荷モーメントMを閾値Tpとして特定する(ステップS102)。相関関係は、上述の図9、式(10)及び式(11)の通りであり、落下率pを、式(11)のF(M)に代入することにより、負荷モーメントMを算出できる。閾値Tpは、ストレージ14又はRAM13に一旦記憶される。
CPU11は、モーションプログラム編集部101及びモーションパラメータ編集部102として、モーションプログラム及びモーションパラメータを受け付ける(ステップS103)。なお、事前にモーションプログラム及びモーションプログラムの一部が決まっている場合には、残りの一部だけの入力を受け付けてもよい。例えば、CPU11は、図11に示す画面をモニタ16に表示させ、入力ボックス202〜204に、モーションプログラムとして設定されるロボットアームR、すなわちワークWの移動距離の入力を受け付ける。また、図示していないが、モーションパラメータを受け付ける場合は、CPU11は、シミュレーションの初期値とする。後述するように、最適なモーションパラメータの探索のため、モーションパラメータは変更され得るからである。ステップS103以降の処理は、例えば、図11の「最適パラメータ算出実行」ボタン205をユーザが押下することをトリガーとして開始してもよい。
CPU11は、モーション指令値計算部103として、モーションプログラム及びモーションパラメータを読み込み、モーション指令値を算出する(ステップS104)。
CPU11は、ダイナミクス計算部104として、モーション指令値及びシミュレーションモデルによりシミュレーションを実行する(ステップS105)。CPU11は、負荷モーメント導出部105として、シミュレーション中に変化する全ての負荷モーメントMを式(5)及び式(6)に基づいて算出する(ステップS106)。
CPU11は、実行条件出力部108として、負荷モーメントMが閾値Tp以下か否かを判断する(ステップS107)。負荷モーメントMが閾値Tpより大きい場合(ステップS107:NO)、CPU11は、ステップS110の処理に進む。負荷モーメントMが閾値Tp以下の場合(ステップS107:YES)、CPU11は、シミュレーションにおいてロボットアームRがワークWを搬送するタクトタイムを算出する(ステップS108)。タクトタイムは、ワークWがピックアップされてからプレースされるまでの時間である。CPU11は、ステップS105のシミュレーションに用いられたモーションパラメータと、算出したタクトタイムを関連付けてストレージ14又はRAM13に記憶する(ステップS109)。
CPU11は、変更し得る全てのモーションパラメータの組合せについて、負荷モーメントMが閾値Tp以下となるタクトタイムの探索が終わったか否か判断する(ステップS110)。全てのモーションパラメータの組合せについて探索が終わってない場合(ステップS110:NO)、CPU11は、ステップS104の処理に戻る。
全てのモーションパラメータの組合せについて探索が終わった場合(ステップS110:YES)、CPU11は、記憶した中で、タクトタイムが最小となるモーションパラメータの組合せを実行条件として表示する(ステップS111)。CPU11は、例えば、図11の算出結果表示ウィンドウ206に示すように、ロボットアームRの各動作におけるモーションパラメータ及び当該モーションパラメータによる動作時のタクトタイムを表示する。
CPU11は、ステップS111で決定したモーションパラメータにより、モーション指令値計算部103及びダイナミクス計算部104としてシミュレーションを行い、3D表示部109として、シミュレーション結果を表示する(ステップS112)。シミュレーション結果は、例えば、シミュレーションモデルの動作の動画として表示される。CPU11は、シミュレーション処理を終了する。
以上のように、本実施形態のシミュレーション装置10によれば、搬送中のワークWの落下が確率的になる場合に、確率的な落下に対応してロボットアームRのモーションパラメータを出力できる。特に、シミュレーション装置10は、ワークの落下率を表す物理量と負荷モーメントとの相関関係を用いるため、ユーザが許容する落下率を負荷モーメントの閾値Tpに変換し、シミュレーション中に算出した負荷モーメントMと比較できる。
シミュレーション装置10は、モーションパラメータを変更して、ユーザが指定した落下率pを満足しつつ、タクトタイムが最小となるモーションパラメータを探索するので、作業効率の面においても最適なモーションパラメータを出力できる。
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の改変が可能である。
上記実施形態においては、ワイブル分布を適用したため、ワークの落下率を表す物理量として、式(8)を用いている。しかし、上述のように、本発明は様々な確率分布が適用できる。従って、ワークの落下率を表す物理量として、ワークの落下率をそのまま用いることもできる。
また、上記実施形態では、実行条件として、モーションパラメータのうちロボットアームの最適な最大速度及び最大加速度を出力する場合について説明した。しかし、最適な実行条件は、他のモーションパラメータにより出力されてもよい。例えば、加速(減速)時間、ジャーク(躍度)等のモーションパラメータで実行条件が出力されもよい。
また、上記実施形態では、水平方向の最適なモーションパラメータを決定する際、タクトタイムが最小となるモーションパラメータを探索すべく、全てのモーションパラメータの組合せについて探索を行なう場合について説明した。しかし、最適なモーションパラメータは、必ずしもタクトタイムが最小となるモーションパラメータでなくてもよい。シミュレーションの時間短縮の観点から、探索方法を変更してもよい。例えば、速度又は加速度を、中間値よりも大きい所定の値又は最大値から徐々に小さくしていき、閾値Tpを最初に下回ったときのパラメータを、タクトタイムが最小となる最適なモーションパラメータとしてもよい。
また、上記実施形態では、ロボットアームが水平運動する場合に発生する負荷モーメントと、ワークの落下率を表す物理量との相関関係を用いて、水平運動時の落下率を考慮してモーションパラメータを出力していた。しかし、鉛直運動時の確率的な落下にも対応してモーションパラメータを出力してもよい。
図12は、鉛直運動時にワークにかかる下向きの力を示す図である。
ロボットアームRが鉛直方向上方及び下方に加速度運動する際、ワークWに作用する下向きの力は、重力と慣性力との和である。すなわち、図12に示すように、ロボットアームRが鉛直方向に加速度aにより加速度運動する場合、シミュレーションモデルに含まれるワークWの重心には、重力m×gと、慣性力m×aとの和の力がかかる。ここで、mは、ワークWの質量、gは、重力加速度、aはワークWの加速度である。重力m×gと、慣性力m×aの和が、下向きの力として、ワークWに働く。下向きの力と、ワークWの落下率を表す物理量との相関関係は、上述の負荷モーメントと落下率を表す物理量との相関関係と同様に、確率分布に適用して求めることができる。
これにより、シミュレーション装置10は、ユーザから所望の落下率pを受け付けて、下向きの力と落下率を表す物理量との相関関係から、落下率pに対応する下向きの力を閾値として導出し、下向きの力が閾値以下となるモーションパラメータを決定できる。水平方向の最適なモーションパラメータを決定するときと同様に、下向きの力が閾値以下となるモーションパラメータのうちタクトタイムが最小となるモーションパラメータを探索して、最適なモーションパラメータが得られる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、ユーザが入力した落下率pから最適なモーションパラメータを得る場合について説明した。第2実施形態においては、ユーザが落下率pと共に、モーションパラメータを入力可能な形態について説明する。
図13は、第2実施形態におけるシミュレーション装置のCPUにより実行される動作の流れを示すフローチャートである。図14は、落下率及びモーションパラメータの入力画面の一例を示す図である。
CPU11は、落下率p及びモーションパラメータの入力を受け付ける(ステップS201)。CPU11は、例えば、図14に示す入力画面をモニタ16に表示する。入力画面には、入力ボックス301、入力ウィンドウ302〜304が設けられている。入力ボックス301は、落下率pの入力を受け付ける。入力ウィンドウ302〜304は、モーションプログラムにより定められるロボットアームの動作区間を示し、動作区間における速度及び加速度の少なくとも一方のモーションパラメータの入力を受け付ける。
CPU11は、負荷モーメントと落下率を表す物理量との相関関係、及び下向きの力と落下率を表す物理量との相関関係から、ユーザが入力した落下率pに対応する閾値を特定する(ステップS202)。
CPU11は、予め決まっているモーションプログラムとステップS101において入力されたモーションパラメータに基づいてモーション指令値を算出する(ステップS203)。CPU11は、シミュレーションを実行し(ステップS204)、ロボットアームRがワークWを搬送するタクトタイムを算出する(ステップS205)。
CPU11は、更に、シミュレーション中に発生する負荷モーメントM及び下向きの力を導出する(ステップS206)。CPU11は、導出した負荷モーメントM又は下向きの力が、ステップS202で特定した閾値以下か否か判断する(ステップS207)。
負荷モーメントM及び下向きの力が閾値以下の場合(ステップS207:YES)、CPU11は、ステップS205で算出したタクトタイムを表示する(ステップS208)。そして、CPU11は、シミュレーション処理を終了する。
負荷モーメントM及び下向きの力の少なくとも一方が閾値を超える場合(ステップS207:NO)、CPU11は、モニタ16に、ステップS205で算出したタクトタイムと、モーションパラメータが入力された落下率pを満たさない旨とを表示する(ステップS209)。例えば、CPU11は、図14の画面のように、結果表示ウィンドウ305において、「入力されたモーションパラメータは許容落下率を満たしません。モーションパラメータを変更して下さい」というメッセージを表示する。ここで、CPU11は、単に、許容落下率を満たさない旨のメッセージを表示するだけでなく、ユーザが入力した落下率pを満たすモーションパラメータの候補を表示してもよい。この場合、CPU11は、第1実施形態と同様に、ユーザが入力した落下率pを満たすモーションパラメータを探索し、探索結果を、モーションパラメータの候補として表示する。そして、CPU11は、シミュレーション処理を終了する。
以上のように、第2実施形態のシミュレーション装置10によれば、ユーザは、希望するモーションパラメータを入力し、入力したモーションパラメータを実行条件とする場合のタクトタイムと、落下率が満たされる否かを確認できる。
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行したシミュレーション処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、シミュレーション処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、シミュレーションプログラムがストレージ14又はROM12に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
10 シミュレーション装置
101 モーションプログラム編集部
102 モーションパラメータ編集部
103 モーション指令値計算部
104 ダイナミクス計算部
105 負荷モーメント導出部
106 許容値受付部
107 相関関係取得部
108 実行条件出力部
109 3D表示部

Claims (6)

  1. ワークが落下する確率の許容値を受け付ける受付部と、
    ロボットアームに取り付けられた弾性を有する吸着部によってワークを吸着した状態で、前記ロボットアームを加速度運動させる際の前記ロボットアームの加速度と前記ワークの加速度との差により前記吸着部に発生する負荷モーメントと、前記ワークが前記吸着部から落下する確率を表す物理量との相関関係に基づいて、前記受付部で受け付けた許容値から定まる前記物理量に対応する負荷モーメントを閾値と定め、前記ワーク、前記吸着部、及び前記ロボットアームを含むシミュレーションモデルを動作指令に基づいて加速度運動させるシミュレーションを実行した際の負荷モーメントが前記閾値以下となるシミュレーションの実行条件を出力する出力部と、
    を含むシミュレーション装置。
  2. 前記出力部は、前記ロボットアームが前記ワークを搬送する時間が最小となる前記実行条件を出力する請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記受付部は、前記実行条件として、前記ロボットアームが前記ワークを搬送する際の速度及び加速度の少なくとも一方の入力を受け付け、
    前記出力部は、前記受付部において受け付けた前記速度及び加速度の少なくとも一方により前記ロボットアームの動作をシミュレーションし、前記ロボットアームが前記ワークを搬送する時間を出力する請求項1又は請求項2に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記負荷モーメントは、前記ワークに生じるモーメントから、慣性力により発生するモーメントを差し引いて導出される請求項1〜3のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  5. ワークが落下する確率の許容値を受け付ける受付工程と、
    ロボットアームに取り付けられた弾性を有する吸着部によってワークを吸着した状態で、前記ロボットアームを加速度運動させる際の前記ロボットアームの加速度と前記ワークの加速度との差により前記吸着部に発生する負荷モーメントと、前記ワークが前記吸着部から落下する確率を表す物理量との相関関係に基づいて、前記受付工程で受け付けた許容値から定まる前記物理量に対応する負荷モーメントを閾値と定め、前記ワーク、前記吸着部、及び前記ロボットアームを含むシミュレーションモデルを動作指令に基づいて加速度運動させるシミュレーションを実行した際の負荷モーメントが前記閾値以下となるシミュレーションの実行条件を出力する出力工程と、
    を含むシミュレーション方法。
  6. ワークが落下する確率の許容値を受け付ける受付工程と、
    ロボットアームに取り付けられた弾性を有する吸着部によってワークを吸着した状態で、前記ロボットアームを加速度運動させる際の前記ロボットアームの加速度と前記ワークの加速度との差により前記吸着部に発生する負荷モーメントと、前記ワークが前記吸着部から落下する確率を表す物理量との相関関係に基づいて、前記受付工程で受け付けた許容値から定まる前記物理量に対応する負荷モーメントを閾値と定め、前記ワーク、前記吸着部、及び前記ロボットアームを含むシミュレーションモデルを動作指令に基づいて加速度運動させるシミュレーションを実行した際の負荷モーメントが前記閾値以下となるシミュレーションの実行条件を出力する出力工程と、
    をコンピュータに実行させるシミュレーションプログラム。
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