ここで、車載装置700は、自車両CR内に配置されて動作するようになっている。また、情報管理装置800は、自車両CRの外に配置される。そして、車載装置700と情報管理装置800とは、ネットワーク500を介して、通信可能となっている。
上記の位置検出部910は、本実施形態では、GPS受信機等を備えて構成されている。この位置検出部910は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、自車両CRの現在位置及び現在時刻を検出する。位置検出部910による検出結果は、現在位置情報として、車載装置700へ逐次送られる。
上記の撮影部930は、本実施形態では、自車両CRの車室内に配置されたカメラを備えて構成されている。この撮影部930は、フロントガラス越しに前方風景を撮影する。撮影部930による撮影結果(撮影画像)は、車載装置700へ逐次送られる。
上記の提示部950は、車載装置700から送られた提示データを受ける。そして、提示部950は、当該提示データに対応する提示情報をドライバに提示する。本実施形態では、提示部950は、音出力部及び表示部を備えている。そして、提示データには、出力音データ及び表示画像データが含まれるようになっている。
音出力部は、スピーカを備えて構成される。この音出力部は、車載装置700から送られた出力音データを受ける。そして、音出力部は、当該出力音データに対応する音声を出力する。
表示部は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備えて構成される。この表示部は、車載装置700から送られた表示画像データを受ける。そして、表示部は、当該表示画像データに対応する画像を表示する。
上記の処理制御部710は、位置検出部910から送られた現在位置情報、及び、撮影部930から送られた撮影画像を受ける。そして、処理制御部710は、当該現在位置情報及び当該撮像画像に基づいて、自車両CRが被った水被り事象、及び、当該水被り事象の発生位置(その際の自車両CRの走行方向を含む)を検出する。処理制御部710による検出結果は、水被り情報として、送信部730へ送られる。すなわち、処理制御部710は、検出部としての機能を果たすようになっている。
また、処理制御部710は、自車両CRの現在位置の周辺の水被り警戒位置の情報を取得済みでない場合には、現在位置及び現時点における自車両CRの走行方向が指定された水被り警戒位置配信要求を生成する。そして、処理制御部710は、生成された水被り警戒位置配信要求を送信部730へ送る。
また、処理制御部710は、受信部740から送られた水被り警戒位置の情報を受ける。そして、処理制御部710は、当該水被り警戒位置の情報及び現時点における自車両CRが走行している方向に基づいて、水被りに対する警告情報を提示するための提示データを生成し、生成された提示データを提示部950へ送る。この結果、提示部950により、水被りに対する警告情報が、自車両CRのドライバに提示される。すなわち、処理制御部710は、生成部としての機能を果たすようになっている。
上記の送信部730は、処理制御部710から送られた水被り情報及び水被り警戒位置配信要求を受ける。そして、送信部730は、当該水被り情報及び当該水被り警戒位置配信要求を、無線通信により、ネットワーク500を介して、情報管理装置800へ送信する。なお、送信部730から情報管理装置800へ送信される情報には、車載装置700の識別子(以下、「車載機ID」と記す)が指定されるようになっている。
上記の受信部740は、情報管理装置800から送信され、ネットワーク500を介した水被り警戒位置の情報を、無線通信により受信する。そして、受信部740は、受信した水被り警戒位置の情報を処理制御部710へ送る。
なお、上述したように、本実施形態では、警告情報が警告音声及び警告画像により提示されるようになっている。ここで、警告音声は、水被りの可能性があることを警告する音声であり、警告画像は、撮影画像となっている。
上記の記憶部810は、情報管理装置800において利用される様々な情報が記録される。こうした情報には、水被り発生情報が含まれている。この記憶部810には、記憶制御部840がアクセス可能となっている。
ここで、水被り発生情報は、本実施形態では、天候履歴情報(例えば、過去1時間の降水量)の分類ごとに、水被り情報(水被り発生位置、その際の自車両の走行方向)が対応付けられた情報となっている。なお、本明細書においては、水被り発生情報内の水被り位置を、「水被り警戒位置」とも記す。
上記の受信部820は、車載装置700を含む複数の車載装置から送信され、ネットワーク500を介した水被り情報を受信する。そして、受信部820は、当該水被り情報を記憶制御部840へ送る。
また、受信部820は、記憶制御部840からのデータ配信要求に応じて天候情報配信サーバ600から送信され、ネットワーク500を介した配信データを受信する。そして、受信部820は、当該配信データを、記憶制御部840へ送る。
また、受信部820は、車載装置700から送信され、ネットワーク500を介した水被り警戒位置配信要求を受信する。そして、受信部820は、当該水被り警戒位置配信要求を記憶制御部840へ送信する。
上記の送信部830は、記憶制御部840から送られたデータ配信要求を受ける。そして、送信部830は、当該データ配信要求を、ネットワーク500を介して、天候情報配信サーバ600へ送信する。
また、送信部830は、記憶制御部840から送られた水被り警戒位置の情報を受ける。そして、送信部830は、当該水被り警戒位置の情報を、ネットワーク500を介して、当該水被り警戒位置の情報に対応する水被り警戒位置配信要求を発行した車載装置へ送信する。
上記の記憶制御部840は、受信部820から送られた水被り情報を受けると、記憶部810内の水被り発生情報の更新処理を実行する。なお、水被り発生情報の更新処理の詳細については、後述する
また、記憶制御部840は、受信部820から送られた水被り警戒位置配信要求を受けると、当該水被り警戒位置配信要求に応答するための水被り警戒位置の情報の生成処理を実行する。そして、記憶制御部840は、生成された水被り警戒位置の情報を、水被り警戒位置配信要求を発行した車載装置の車載機IDを指定して送信部830へ送る。
なお、位置検出部910は、既に動作を開始しており、検出された現在位置を逐次、車載装置700へ逐次送っているものとする。また、撮影部930は、既に動作を開始しており、撮影画像を逐次、車載装置700へ逐次送っているものとする。
水被り事象発生の検出処理に際して、処理制御部710は、撮影部930から送られた撮影画像を受けると、画像解析処理を行って、水被り事象の発生の有無を検出する。かかる検出に際して、処理制御部710は、撮影画像中の物体の外縁が急激にぼやけるようになったことをもって、水被り事象が発生したことを検出する。
水被り事象の発生が検出されると、処理制御部710は、位置検出部910から送られた現在位置及び現在位置の時間変化に基づいて、水被り事象の発生位置(以下、「水被り位置」とも呼ぶ)、及び、その際の走行方向を特定する。そして、特定された水被り位置、及び、その際の走行方向を含む水被り情報を生成し、生成された水被り情報を送信部730へ送る。この結果、水被り情報が、情報管理装置800へ送信される。
かかる記憶制御処理に際して、記憶制御部840が、まず、水被り情報に含まれる水被り位置を指定した天候履歴情報(例えば、過去1時間の降水量に関する情報)のデータ配信要求を、天候情報配信サーバ600へ送信する。当該データ配信要求に応答して天候情報配信サーバ600から送信された配信データを受信すると、記憶制御部840が、記憶部810内の水被り発生情報における当該配信データにより示される天候履歴情報の分類に対応する情報として、今回受信した水被り情報を、記憶部810内に追加登録する。この結果、記憶部810内の水被り発生情報が更新される。
なお、上述したように、自車両CRの現在位置の周辺の水被り警戒位置を取得済みでない場合に、車載装置700の処理制御部710が、現在位置及び現時点における自車両CRの走行方向が指定された水被り警戒位置配信要求を生成する。
かかる水被り警戒位置の情報の配信処理に際して、記憶制御部840が、まず、水被り警戒位置配信要求に含まれる現在位置を指定した当該現在の天候履歴情報のデータ配信要求を、天候情報配信サーバ600へ送信する。当該データ配信要求に応答して天候情報配信サーバ600から送信された配信データを受信すると、記憶制御部840が、記憶部810内の水被り発生情報を参照し、受信した配信データに対応する分類の水被り情報の中から、水被り警戒位置配信要求に含まれる現在位置の周辺における水被り情報を、水被り警戒位置の情報として抽出する。そして、記憶制御部840が、抽出された水被り警戒位置の情報を車載装置700へ送信する。
また、水被り警戒位置の情報を受信すると、処理制御部710は、当該水被り警戒位置の情報、及び、自車両CRの走行方向に基づいて、水被りに対する警告情報を提示するための提示データを生成する。本実施形態では、処理制御部710は、水被り警戒位置の情報に含まれる水被り情報が示す水被り位置に接近するとともに、当該水被り情報が示す走行方向と自車両CRの走行方向とが一致する場合に、自車両CRが水を被る可能性があると判定する。引き続き、処理制御部710は、水被りに対する警告情報を提示するための提示データを生成するようになっている。
なお、上述したように、本実施形態では、提示データには、出力音データ及び表示画像データが含まれ、警告音声及び警告画像により、水被りに対する警告情報が提示されるようになっている。
以上説明したように、本実施形態の情報処理システムでは、車載装置700の処理制御部710が、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両CRが被る水被り事象を検出する。そして、水被り事象を検出すると、処理制御部710が、水被り事象の発生位置及び水被り事象の発生の際に自車両CRの走行方向を含む水被り情報を、送信部730を介して情報管理装置800へ送信する。
受信部820を介して水被り情報を受信した情報管理装置800では、記憶制御部840が、当該水被り情報に含まれる水被り発生位置に関する天候履歴情報による分類に関連付けて、水被り情報を記憶部810に記憶させる。ここで、天候履歴情報による分類は、水被り発生位置における直近の所定時間の降水量に対応した分類となっている。
情報管理装置800では、受信部820を介して、車載装置700から送信され、自車両CRの現在位置が指定された水被り警戒位置配信要求を受信すると、記憶制御部840が、記憶部810内の水被り発生情報を参照し、その時点の現在位置における天候履歴に対応する当該現在位置の周辺の水被り情報を、水被り警戒位置の情報として抽出する。そして、記憶制御部840が、抽出された水被り警戒位置の情報を車載装置700へ送信する。
水被り警戒位置の情報を受信すると、処理制御部710は、当該水被り警戒位置の情報、及び、自車両CRの走行方向に基づいて、水被りに対する警告情報を提示するための提示データを生成する。そして、処理制御部710は、生成された提示データを提示部950へ送る。この結果、提示部950により、水被りに対する警告情報が提示される。
したがって、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定した場合に、自車両CRのドライバに予め警告することにより、ドライバは、車線変更して遠い車線に逃げたり、自車両速度の減速を行ったり、ワイパーを最大速度で動かしておいたりする等の対処を事前に行うことができる。このため、本実施形態によれば、他車両が跳ね上げた水たまりの水を被る事象に対する自車両CRの自衛に貢献することができる。
また、本実施形態では、処理制御部710が、自車両CRの車室内に配置された撮影部による窓越しの撮影結果を解析して、水被り事象の発生を検出する。このため、簡易な構成で、かつ、合理的に水被り事象の発生を検出することができる。
例えば、上記の実施形態では、水被りの可能性があると判断される場合には、自車両速度にかかわらず、自車両のドライバに対して警告情報を提示するようにした。これに対し、自車両速度が基準速度以上で走行している場合に限って、警告情報を提示するようにしてもよい。これは、自車両の速度が遅いの場合は、水を被っても相対的に危険は少ないことによる。なお、「基準速度」は、走行の安全性の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、上記の実施形態では、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定した場合に、警告情報を提示するようにした。これに対し、警告情報の提示に代えて、または加えて、自車両の運転制御(支援制御)を行うようにしてもよい。具体的には、水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定された場合に、走行する車線を水たまり領域からより遠い車線に変更する車線変更を行ったり、自車両速度の減速を行ったりする運転制御を自動で行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、水被り情報には、水被り位置及び走行方向が含まれるようにした。これに対し、水被り情報には、水被り事象が発生した際に走行していた車線の情報が更に含まれるようにしてもよい。この場合には、自車両に関する水被り事象の発生の可能性の判定の精度を向上させることができる。
また、水被り警戒位置の情報には、水被り情報がそのままの態様で含まれるようにした。これに対し、水被り発生位置が近いもの(例えば10m以内)が複数存在する場合は、統計的手法により、それらの代表位置と当該代表位置を中心とする水被り発生範囲を設定することで、1つの水被り警戒領域としてまとめる処理を行ってもよい。
なお、上記の実施形態における車載装置又は情報管理装置を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等の演算手段を備えたコンピュータシステムとして構成し、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の車載装置又は情報管理装置の一部又は全部の機能を実現するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
以下、上述した課題を解決するための実施例を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、同一又は同等の要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施例]
まず、第1実施例を図2〜図7を参照して説明する。当該第1実施例では、自車両に配置された車載装置が、実際の走行環境の状況に基づいて、他車両が跳ね上げた水を自車両が被る水被り事象の発生の可能性があるかの判定を行う。当該判定の結果が肯定的であった場合に、当該車載装置が、自車両のドライバへの警告を行わせる。
<構成>
図2には、第1実施例に係る車載装置100Aの位置付けが示されている。この図2に示されるように、車載装置100Aは、自車両CRに配置されている。自車両CRには、車載装置100Aに加えて、音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS受信ユニット240及び撮影ユニット260Aが配置されている。これらの音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS(Global Positioning System)受信ユニット240及び撮影ユニット260Aは、車載装置100Aと接続されている。
上記の音出力ユニット210は、スピーカを備えて構成されている。この音出力ユニット210は、車載装置100Aから送られた出力音データを受ける。そして、音出力ユニット210は、当該出力音データに対応する音声を出力する。
上記の表示ユニット220は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備えて構成されている。この表示ユニット220は、車載装置100Aから送られた表示画像データを受ける。そして、表示ユニット220は、当該表示画像データに対応する画像を表示する。
上記のセンサユニット230は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ等を備えて構成されている。センサユニット230が備える各種センサによる検出結果は、車載装置100Aへ送られる。
上記のGPS受信ユニット240は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、GPSデータを車載装置100Aへ送る。
上記の撮影ユニット260Aは、自車両CRの前方側を撮影する。第1実施例では、撮影ユニット260Aは、いずれも自車両CRの前方側を撮影する2台のカメラを備えている。ここで、一方のカメラは、水平偏光を透過する水平偏光フィルタを介して前方風景を撮影する。また、他方のカメラは、垂直偏光を透過する垂直偏光フィルタを介して前方風景を撮影する。そして、これらの2台のカメラは、同一の撮影方向とされるとともに、所定間隔だけ離間して配置されるようになっている。
すなわち、当該2台のカメラにより、いわゆるステレオカメラが構成されるようになっている。かかるステレオカメラによる撮影画像は、車載装置100Aへ送られる。
《車載装置100Aの構成》
図3に示されるように、車載装置100Aは、処理制御ユニット110Aと、記憶ユニット120Aと、入力ユニット130とを備えている。処理制御ユニット110Aには、記憶ユニット120A及び入力ユニット130に加えて、上述した音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS受信ユニット240及び撮影ユニット260Aが接続されている。
上記の処理制御ユニット110Aは、車載装置100Aの全体を統括制御する。この処理制御ユニット110Aについては、後述する。
上記の記憶ユニット120Aは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、車載装置100Aにおいて利用される様々な情報データを記憶する。こうした情報には、地図情報及び撮影ユニット260Aのカメラの配置位置及び光学特性に関する情報が含まれている。記憶ユニット120Aには、処理制御ユニット110Aがアクセス可能となっている。
上記の入力ユニット130は、車載装置100Aの本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット220の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
入力ユニット130を利用することにより、利用者は、処理制御ユニット130に対する様々な指定や指令を入力することができる。入力ユニット130への入力結果は、入力データとして、処理制御ユニット110Aへ送られる。
次に、上記の処理制御ユニット110Aについて説明する。この処理制御ユニット110Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御ユニット110Aが様々なプログラムを実行することにより、車載装置100Aとしての各種機能が実現されるようになっている。こうした各種機能には、自車両CRのドライバへの自車両CRの水被り可能性に関する警告処理が含まれている。
なお、処理制御ユニット110Aにより実行されるプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
ここで、処理制御ユニット110Aは、センサユニット230から送られたセンサデータ及びGPS受信ユニット240から送られたGPSデータに基づいて、記憶ユニット120A中の地図情報等を適宜参照し、マップマッチングの手法を用いて、精度良く自車両CRの現在位置を検出するようになっている。
<動作>
次に、上記のように構成された車載装置100Aの動作について、車載装置100Aの処理制御ユニット110Aが実行する警告処理に主に着目して説明する。
なお、センサユニット230は、既に動作を開始しており、検出結果を逐次、処理制御ユニット110Aへ送っているものとする。また、GPS受信ユニット240は、既に動作を開始しており、受信結果を逐次、処理制御ユニット110Aへ送っているものとする。そして、処理制御ユニット110Aは、記憶ユニット120A中の地図情報等を適宜参照しつつ、マップマッチングの手法を用いて、精度良く自車両CRの現在位置を検出しているものとする。
《警告処理》
警告処理に際しては、図4に示されるように、まず、ステップS11において、処理制御ユニット110Aが、撮影ユニット260Aによる撮影画像を取得する。かかる撮影画像の取得に際して、処理制御ユニット110Aが、撮影指令を撮影ユニット260Aへ送る。かかる撮影指令に応答して撮影ユニット260Aから送られた新たな撮影画像を、処理制御ユニット110Aが取得する。
次に、ステップS12において、処理制御ユニット110Aが、画像解析処理を実行する。かかる画像解析処理により、処理制御ユニット110Aは、水たまり領域と他車両との組み合わせであって、自車両CRが水を被る原因となることが懸念される懸念組み合わせの存在の有無の判断、及び、懸念組み合わせが存在する場合における当該懸念組み合わせに関するより詳細な情報である前方状況情報の算出を行う。
なお、ステップS12における画像解析処理の詳細については、後述する。
次いで、ステップS13において、処理制御ユニット110Aが、懸念組み合わせが存在するか否かを判定する。ステップS13における判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理はステップS11へ戻る。以後、ステップS13における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS11〜S13の処理が繰り返される。
ステップS13における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS13:Y)には、処理はステップS14へ進む。このステップS14では、処理制御ユニット110Aが、センサユニット230から送られたセンサデータ等に基づいて、自車両速度情報(自車両速度)を取得する。
次に、ステップS15において、処理制御ユニット110Aが、水被り可能性の判断処理を行う。かかる水被り可能性の判断処理は、他車両が跳ね上げた水を自車両CRが被る水被り事象の発生の可能性があるか否かの判断処理である。
なお、ステップS15における水被り可能性の判断処理の詳細については、後述する。
引き続き、ステップS16において、処理制御ユニット110Aが、水被り可能性かあるか否かを判定する。ステップS16における判定の結果が否定的であった場合(ステップS16:N)には、処理はステップS11へ戻る。以後、ステップS16における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS11〜S16の処理が繰り返される。
ステップS16における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS16:Y)には、処理はステップS17へ進む。このステップS17では、処理制御ユニット110Aが、警告情報を生成する。
第1実施例では、警告情報には、警告音声及び警告画像が含まれるようになっている。ここで、警告音声としては、例えば、「前方側の水たまりの水を被る可能性があります。」との音声が挙げられる。また、警告画像としては、例えば、撮影画像中における懸念組み合わせを構成する他車両及び水たまりを強調表示した画像が挙げられる。
引き続き、処理制御ユニット110Aは、警告音声のデータを生成し、出力音データとして音出力ユニット210へ送るとともに、警告画像のデータを生成し、表示画像データとして表示ユニット220へ送る。この結果、警告音声が音出力ユニット210から出力されるとともに、警告画像が表示ユニット220に表示される。
《画像解析処理》
次に、ステップS12において実行される画像解析処理について説明する。
画像解析処理に際しては、図5に示されるように、まず、ステップS21において、処理制御ユニット110Aが、撮影画像中の物体を検出するとともに、検出された物体の自車両CRに対する相対位置を、一方のカメラで撮影された第1画像と、他方のカメラで撮影された第2画像とにおける位置のずれ量(いわゆる視差)に基づいて取得する。
次に、処理制御ユニット110Aが、例えば、公知のテンプレートマッチング法等により、画像中の他車両を検出する。引き続き、処理制御ユニット110Aが、第1画像中の輝度が第2画像中の輝度より、所定の比率以上に明るい路面上の物体を検出し、当該物体に対応する画像領域を、路面上に水面が形成されている領域(すなわち水たまり領域)として検出する。これは、乾燥状態の路面では光が乱反射されて、反射光の水平偏光成分と垂直偏光成分とは概ね同等となるのに対し、水面の反射光は、水平偏光成分が垂直偏光成分よりも増加する傾向があることによる。なお、「所定比率」は、実験、シミュレーション、経験等により予め定められる。
次いで、ステップS22において、処理制御ユニット110Aが、前方側に水たまりが存在するか否かを判定する。ステップS22における判定の結果が否定的であった場合(ステップS22:N)には、処理は、後述するステップS25へ進む。
ステップS22における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS22:Y)には、処理はステップS23へ進む。このステップS23では、前方側の水たまり領域と自車両CRが走行中の車線との距離、すなわち、前方側の水たまり領域と自車両CRが、自車両CRの走行方向において最接近する際の距離が所定距離以内であるか否かを判定する。ステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS25へ進む。
なお、「所定距離」は、跳ね上げられた水が、自車両CRが走行する車線に飛び散る可能性の観点から経験、シミュレーション、経験等の観点から、予め定められる。
ステップS23における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)には、処理はステップS24へ進む。このステップS24では、処理制御ユニット110Aが、前方側の水たまり領域を通過する他車両が存在するか否かを判定する。
ステップS24における判定の結果が否定的であった場合(ステップS24:N)には、処理はステップS25へ進む。このステップS25では、処理制御ユニット110Aが、水たまりと他車両との組み合わせとして、懸念組み合わせが存在しないと判断する。この後、ステップS12の処理が終了し、処理は、上述した図4のステップS13へ進む。
ステップS24における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS24:Y)には、処理はステップS26へ進む。このステップS26では、処理制御ユニット110Aが、懸念組み合わせが存在すると判断する。
引き続き、ステップS27において、処理制御ユニット110Aが、水たまり領域及び他車両のそれぞれの自車両CRに対する相対位置及び撮影画像の時間的変化に基づいて、懸念組み合わせに関するより詳細な情報である前方状況情報を算出する。ここで、前方状況情報には、当該水たまり領域に自車両CRが最接近する位置までの距離、当該水たまり領域から当該他車両までの距離、及び、自車両CRに対する当該他車両の相対速度が含まれている。
こうしてステップS27の処理が終了すると、ステップS12の処理が終了する。そして、処理は図4のステップS13へ進む。
《水被り可能性の判断処理》
次に、ステップS15において実行される水被り可能性の判断処理について説明する。
水被り可能性の判断処理に際しては、図6に示されるように、まず、ステップS31において、処理制御ユニット110Aが、自車両CRが水たまり領域に最接近するまでの時間である自車両到達時間(TS)を算出する。かかる算出に際して、処理制御ユニット110Aは、水たまり領域に自車両CRが最接近する位置までの距離と自車両速度とに基づいて、自車両到達時間(TS)を算出する。
次いで、ステップS32において、処理制御ユニット110Aが、他車両速度を算出する。かかる算出に際して、処理制御ユニット110Aは、自車両CRに対する当該他車両の相対速度と自車両速度とに基づいて、他車両速度を算出する。
引き続き、ステップS33において、処理制御ユニット110Aが、他車両が水たまり領域に到達するまでの時間である他車両到達時間(TO)を算出する。かかる算出に際して、処理制御ユニット110Aは、水たまり領域から当該他車両までの距離と他車両速度とに基づいて、他車両到達時間(TO)を算出する。
次に、ステップS34において、処理制御ユニット110Aが、時間差|TS−TO|が所定時間TP以下であるか否かを判定する。なお、「所定時間TP」は、水被り事象の発生の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
ステップS34における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS34:Y)には、処理はステップS35へ進む。このステップS35では、処理制御ユニット110Aが、水被り可能性が有ると判断する。こうしてステップS35の処理が終了すると、ステップS15の処理が終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS16へ進む。
一方、ステップS34における判定の結果が否定的であった場合(ステップS34:N)には、処理はステップS36へ進む。このステップS36では、処理制御ユニット110Aが、水被り可能性が無いと判断する。こうしてステップS36の処理が終了すると、ステップS15の処理が終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS16へ進む。
なお、図7には、上述した図4のステップS17における処理により表示される警告画像の例が示されている。
以上説明したように、第1実施例の車載装置100Aでは、処理制御ユニット110Aが、水たまりの領域の位置を取得する。引き続き、処理制御ユニット110Aが、自車両CRの走行方向と水たまりの領域の位置とに基づいて、他車両が跳ね上げた水を被る可能性があるかの判定を行う。そして、水を被る可能性があると判定された場合に、処理制御ユニット110Aが、自車両CRのドライバへの警告を実行させるための情報を生成する。
したがって、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定した場合に、自車両のドライバに予め警告することにより、ドライバは、走行する車線を水たまり領域からより遠い車線に変更する車線変更を行ったり、自車両速度の減速を行ったり、ワイパーを最大速度で動かしておいたりする等の対処を事前に行うことができる。このため、第1実施例によれば、他車両が跳ね上げた水たまりの水を被る事象に対する自車両の自衛に貢献することができる。
また、第1実施例では、処理制御ユニット110Aが、自車両CRが水たまりの領域に最接近するまでの自車両到達時間と、他車両が水たまりの領域に到達するまでの他車両到達時間との時間差が所定範囲内となる場合に、他車両が跳ね上げた当該水たまりの水を自車両CRが被る可能性があると判定する。このため、他車両が跳ね上げた当該水たまりの水を自車両CRが被る可能性を合理的に判断することができる。
[第1実施例の変形]
本発明は、上記の第1実施例については、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1実施例では、水被りの可能性があると判断される場合には、自車両速度にかかわらず、自車両のドライバに対して警告情報を提示するようにした。これに対し、自車両速度が基準速度以上で走行している場合に限って、警告情報を提示するようにしてもよい。これは、自車両の速度が遅い場合は、水を被っても相対的に危険は少ないことによる。なお、「基準速度」は、走行の安全性の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、上記の第1実施例では、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定した場合に、警告情報を提示するようにした。これに対し、警告情報の提示に代えて、又は加えて、車両の運転制御(支援制御)を行うようにしてもよい。具体的には、水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定された場合に、走行する車線を水たまり領域から遠い車線に変更する車線変更を行ったり、自車両速度の減速を行ったりする運転制御を自動で行うようにしてもよい。
また、上記の第1実施例では、他車両の位置及び自車両に対する相対速度は、カメラによる撮影画像に基づいて取得するようにした。これに対し、ミリ波やレーザーを用いた物体との距離を計測するレーダ、超音波を用いて物体との距離を計測するソナー等を利用して取得してもよい。
また、水たまり領域をカメラ画像に基づいて検出するようにした。これに対し、Lidar(Light Detection and Ranging)の測定に基づいて、水たまり領域を検出する公知の技術を採用するようにしてもよい。この場合には、上記の第1実施例の場合よりも高い精度で水たまり領域の位置を検出することができる。
また、上記の第1実施例では、センサユニットから送られたセンサデータ等に基づいて自車両速度情報を取得するようにした。これに対し、GPS測位、マップマッチング等を行って検出された自車両の現在位置の時間変化に基づいて、自車両速度情報を算出するようにしてもよい。
[第2実施例]
次に、第2実施例を図8〜図16を参照して説明する。当該第2実施例では、車載装置が、他車両が跳ね上げた水を自車両が被る水被り事象の発生を検出し、水被り事象の発生位置を含む水被り情報を情報管理装置へ送信する。当該情報管理装置は、複数の車載装置から受信した水被り情報を管理する。そして、車載装置が、情報管理装置から水被り警戒位置の情報を取得し、取得された水被り警戒位置の情報に基づいて、ドライバへの警告を行わせる。
<構成>
図8には、第2実施例に係る情報処理システム400Bの構成が示されている。この図8に示されるように、情報処理システム400Bは、車載装置100Bと情報管理装置300とを備えている。
ここで、車載装置100Bは、自車両CR内に配置されて動作するようになっている。また、情報管理装置300は、自車両CRの外に配置される。車載装置100Bと情報管理装置300とは、ネットワーク500を介して、通信可能となっている。そして、情報管理装置300Bは、ネットワーク500を介して、天候情報配信サーバ600と通信可能となっている。
なお、情報管理装置300は、他車両に配置された車載装置とも通信可能となっているが、図8には、車載装置100Bが代表的に示されている。
図8に示されるように、上述した第1実施例の場合と同様に、自車両CRには、車載装置100Bに加えて、音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230及びGPS受信ユニット240が配置されている。また、自車両CRには、第1実施例と比べて、撮影ユニット260Aに代えて撮影ユニット260Bが配置されている。
上記の撮影ユニット260Bは、自車両CRの車室内に配置されたカメラを備えて構成されている。この撮影ユニット260B、自車両CRの前方側を、フロントガラス越しに撮影する。撮影ユニット260Bによる撮影画像は、車載装置100Bへ送られる。
《車載装置100Bの構成》
図9に示されるように、車載装置100Bは、処理制御ユニット110Bと、記憶ユニット120Bと、入力ユニット130と、無線通信ユニット140Bとを備えている。処理制御ユニット110Bには、記憶ユニット120B、入力ユニット130及び無線通信ユニット140Bに加えて、上述した音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS受信ユニット240及び撮影ユニット260Bが接続されている。
上記の処理制御ユニット110Bは、車載装置100Bの全体を統括制御する。この処理制御ユニット110Bについては、後述する。
上記の記憶ユニット120Bは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、車載装置100Bにおいて利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報には、地図情報及び撮影ユニット260Bが備えるカメラの光学特性に関する情報が含まれている。記憶ユニット120Bには、処理制御ユニット110Bがアクセス可能となっている。
上記の無線通信ユニット140Bは、ネットワーク500を介して、情報管理装置300Bとの通信を行う。無線通信ユニット140Bは、処理制御ユニット110Bから送られた水被り情報及び水被り警戒位置配信要求を受ける。そして、無線通信ユニット140Bは、当該水被り情報及び当該水被り警戒位置配信要求を、車載機IDを付加したうえで、ネットワーク500を介して情報管理装置300へ送る。
また、無線通信ユニット140Bは、情報管理装置300Bから送信された水被り警戒位置の情報を、ネットワーク500を介して受信する。そして、無線通信ユニット140Bは、当該水被り警戒位置の情報を処理制御ユニット110Bへ送る。
次に、上記の処理制御ユニット110Bについて説明する。この処理制御ユニット110Bは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御ユニット110Bが様々なプログラムを実行することにより、車載装置100Bとしての各種機能が実現されるようになっている。
なお、処理制御ユニット110Bにより実行されるプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
ここで、処理制御ユニット110Bは、センサユニット230から送られたセンサデータ及びGPS受信ユニット240から受けたGPSデータに基づいて、記憶ユニット120B中の地図情報等を適宜参照し、マップマッチングの手法を用いて、精度良く現在位置を検出するようになっている。
処理制御ユニット110Bは、撮影ユニット260Bから送られた撮影画像に基づいて、自車両CRが被った水被り事象を検出する。水被り事象が検出されると、処理制御ユニット110Bは、当該水被り事象の発生位置(その際の自車両CRの走行方向を含む)を検出する。そして、処理制御ユニット110Bは、検出結果を、水被り情報として、無線通信ユニット140Bを利用して、情報管理装置300へ送信する。
なお、処理制御ユニット110Bが実行する水被り事象の検出処理の詳細については、後述する。
また、処理制御ユニット110Bは、自車両CRの現在位置の周辺の水被り警戒位置を取得済みでない場合には、自車両CRの現在位置が指定された水被り警戒位置配信要求を生成する。そして、処理制御ユニット110Bは、生成された水被り警戒位置配信要求を、無線通信ユニット140Bを利用して、情報管理装置300へ送信する。
また、処理制御ユニット110Bは、情報管理装置300から送信された水被り警戒位置の情報を、無線通信ユニット140Bを利用して受信する。そして、処理制御ユニット110Bは、当該水被り警戒位置の情報及び現時点における自車両CRが走行している方向に基づいて、水被りに対する警告処理を実行する。
なお、処理制御ユニット110Bが実行する警告処理の詳細については、後述する。
《情報管理装置300の構成》
図10には、情報管理装置300の概略的な構成が示されている。この図10に示されるように、情報管理装置300は、処理制御ユニット310と、記憶ユニット320と、外部通信ユニット330とを備えている。
処理制御ユニット310は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、情報管理装置300の全体を統括制御する。この処理制御ユニット310については、後述する。
上記の記憶ユニット320は、情報管理装置300Aにおいて利用される様々な情報データが記録される。こうした情報データには、図11に示されるように、水被り発生情報HMIが含まれている。この水被り発生情報HMIは、第2実施例では、天候履歴情報(例えば、過去1時間の降水量)の分類WCNj(j=1,2,…)ごとに、水被り情報(水被り発生位置、その際の車両の走行方向)PSNjが対応付けられた情報となっている。なお、本明細書においては、水被り発生情報HMI内の水被り位置を、「水被り警戒位置」とも記す。
図10に戻り、上記の外部通信ユニット330は、車載装置100Bから送信され、ネットワーク500を介した水被り情報及び水被り警戒位置配信要求を受信する。そして、外部通信ユニット330は、当該水被り情報及び当該水被り警戒位置配信要求を処理制御ユニット310へ送る。
また、外部通信ユニット330は、処理制御ユニット310から送られた水被り警戒位置の情報を受ける。そして、外部通信ユニット330は、当該水被り警戒位置の情報を車載装置100Bへ送信する。
次に、上記の処理制御ユニット310について説明する。この処理制御ユニット310が様々なプログラムを実行することにより、情報管理装置300としての各種機能が実現されるようになっている。
なお、処理制御ユニット310が実行するプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
上記の処理制御ユニット310は、車載装置100Bから送信された水被り情報を受信すると、記憶ユニット320内の水被り発生情報HMIの更新処理を実行する。なお、処理制御ユニット310が実行する水被り発生情報HMIの更新処理の詳細については、後述する
また、処理制御ユニット310は、車載装置100Bから送信された水被り警戒位置配信要求を受けると、当該水被り警戒位置配信要求に応答するための水被り警戒位置の情報の生成処理を実行する。そして、処理制御ユニット310は、生成された水被り警戒位置の情報を、当該水被り警戒位置配信要求を発行した車載装置の車載機IDを有する車載装置へ送信する。
なお、処理制御ユニット310が実行する水被り警戒位置の情報の配信処理の詳細については、後述する。
<動作>
次に、上記のように構成された情報生成システム400Bの動作について、車載装置100Bの処理制御ユニット110Bが実行する水被り事象発生の検出処理及び警告処理、並びに、情報管理装置300の処理制御ユニット310が実行する水被り発生情報HMIの更新処理及び水被り警戒位置の情報の配信処理に主に着目して説明する。
なお、センサユニット230は、既に動作を開始しており、検出結果を逐次、処理制御ユニット110Bへ送っているものとする。また、GPS受信ユニット240は、既に動作を開始しており、受信結果を逐次、処理制御ユニット110Bへ送っているものとする。そして、処理制御ユニット110Bは、記憶ユニット120B中の地図情報等を適宜参照しつつ、マップマッチングの手法を用いて、精度良く自車両CRの現在位置を検出しているものとする。
また、撮影ユニット260Bは、既に動作を開始しており、撮影画像を逐次、処理制御ユニット110Bへ送っているものとする。
《水被り事象発生の検出処理》
まず、処理制御ユニット110Bが実行する水被り事象発生の検出処理について説明する。
水被り事象発生の検出処理に際しては、図12に示されるように、まず、ステップS41において、処理制御ユニット110Bが、撮影ユニット260Bから送られた撮影画像を取得する。引き続き、ステップS42において、処理制御ユニット110Bが、画像解析処理を行って、新たな水被り事象が発生したか否かを判定する。かかる判定に際して、第2実施例では、処理制御ユニット110Bは、撮影画像中の物体の外縁が急激にぼやけるようになったことをもって、水被り事象が発生したと判定する。なお、撮影画像中の物体の外縁が急激にぼやけた後、ワイパーの動作により急激に物体の外縁がはっきりしたことをもって、水被り事象が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS42における判定の結果が否定的であった場合(ステップS42:N)には、処理はステップS41へ戻る。以後、ステップS42における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS41,S42の処理が繰り返される。
ステップS42における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS42:Y)には、処理はステップS43へ進む。このステップS43では、処理制御ユニット110Bが、まず、水被り情報を生成する。かかる水被り情報を生成に際して、処理制御ユニット110Bは、自車両CRの現在位置及び現在位置の時間変化に基づいて、水被り事象の発生位置、及び、その際の走行方向を特定する。そして、特定された水被り事象の発生位置、及び、その際の走行方向を含む新たな水被り情報を生成する。そして、処理制御ユニット110Bは、新たな水被り情報を情報管理装置300へ送信する。
こうしてステップS43の処理が終了すると、処理はステップS41へ戻る。以後、ステップS41〜S43の処理が繰り返される。
《水被り発生情報HMIの更新処理》
次に、処理制御ユニット310が実行する水被り発生情報HMIの更新処理について説明する。
水被り発生情報HMIの更新処理に際しては、図13に示されるように、まず、ステップS46において、処理制御ユニット310が、新たな水被り情報を受信したか否かを判定する。ステップS46における判定の結果が否定的であった場合(ステップS46:N)には、ステップS46の処理が繰り返される。
ステップS46における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS46:Y)、処理はステップS47へ進む。このステップS47では、処理制御ユニット310が、当該新たな水被り情報に含まれる水被り位置の天候履歴情報(例えば、過去1時間の降水量に関する情報)を取得する。かかる天候履歴情報の取得に際して、処理制御ユニット310は、当該水被り位置を指定した天候履歴情報のデータ配信要求を、天候情報配信サーバ600へ送信する。そして、処理制御ユニット310は、当該データ配信要求に応答して天候情報配信サーバ600から送信された配信データを、天候履歴情報として取得する。
次に、ステップS48において、処理制御ユニット310は、記憶ユニット320内の水被り発生情報HMIを更新する。かかる水被り発生情報HMIの更新に際して、処理制御ユニット310は、配信データにより示される天候履歴情報の分類に対応する情報として、今回受信した新たな水被り情報を、記憶ユニット320内に追加登録する。この結果、記憶ユニット320内の水被り発生情報HMIが更新される。
なお、第2実施例では、例えば、上述した図11における「X1」が5mmであり、「X2」が10mmであり、過去1時間の降水量が7mmであった場合には、処理制御ユニット310は、今回受信した新たな水被り情報を、天候履歴WCN2の分類に対応する情報として記憶ユニット320内に追加登録するとともに、天候履歴WCN3,WCN4,…の分類のそれぞれに対応する情報として記憶ユニット320内に追加登録する。これは、過去1時間の降水量が7mmの際に水被り事象が発生した水被り位置においては、過去1時間の降水量が7mmを超える場合にも、水被り事象が発生する可能性が高いと考えられるからである。
こうしてステップS48の処理が終了すると、処理はステップS46へ戻る。以後、ステップS46〜S48の処理が繰り返される。
なお、第2実施例では、処理制御ユニット310は、登録から一定期間(例えば、3ヶ月)経過した水被り情報を、記憶ユニット320から削除するようになっている。
《警告処理》
次いで、処理制御ユニット110Bが実行する警告処理について説明する。
警告処理に際しては、図14に示されるように、まず、ステップS51において、処理制御ユニット110Bが、自車両CRの現在位置の周辺の水被り警戒位置の情報を取得済みか否かを判定する。ステップS51における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS51:Y)には、処理は、後述するステップS54へ進む。
ステップS51における判定の結果が否定的であった場合(ステップS51:N)には、処理はステップS52へ進む。このステップS52では、処理制御ユニット110Bが、自車両CRの現在位置を指定した水被り警戒位置配信要求を、情報管理装置300へ送信する。
引き続き、ステップS53において、処理制御ユニット110Bが、情報管理装置300から配信された水被り警戒位置の情報を受信したか否かを判定する。ステップS53における判定の結果が否定的であった場合(ステップS53:N)には、ステップS53の処理が繰り返される。
ステップS53における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS53:Y)には、処理はステップS54の処理へ進む。このステップS54では、処理制御ユニット110Bが、水被り警戒位置に接近したか否かを判定する。ステップS54における判定の結果が否定的であった場合(ステップS54:N)には、処理はステップS51へ戻る。以後、ステップS54における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS51〜S54の処理が繰り返される。
ステップS54における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS54:Y)には、処理はステップS55へ進む。このステップS55では、処理制御ユニット110Bが、警告条件を満たすか否かを判定する。なお、第2実施例では、水被り警戒位置に対応する水被り位置を含む水被り情報が示す走行方向と自車両CRの走行方向とが一致することを、警告条件として採用している。
ステップS55における判定の結果が否定的であった場合(ステップS55:N)には、処理はステップS51へ戻る。以後、ステップS55における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS51〜S55の処理が繰り返される。
ステップS55における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS55:Y)には、処理制御ユニット110Bは、水被り可能性があると判断する。そして、処理はステップS56へ進む。このステップS56では、処理制御ユニット110Bが、まず、警告情報を生成する。
第2実施例では、上述した第1実施例の場合と同様に、警告情報には、警告音声及び警告画像が含まれるようになっている。ここで、警告音声としては、例えば、「前方側の水たまりの水を被る可能性があります。」との音声が挙げられる。また、警告画像としては、例えば、撮影画像そのものが挙げられる。
引き続き、処理制御ユニット110Bは、警告音声のデータを生成し、出力音データとして音出力ユニット210へ送るとともに、警告画像のデータを生成し、表示画像データとして表示ユニット220へ送る。この結果、警告音声が音出力ユニット210から出力されるとともに、警告画像が表示ユニット220に表示される。
こうしてステップS56の処理が終了すると、処理はステップS51へ戻る。以後、ステップS51〜S56の処理が繰り返される。
《水被り警戒位置の情報の配信処理》
次に、処理制御ユニット310が実行する水被り警戒位置の情報の配信処理について説明する。
水被り警戒位置の情報の配信処理に際しては、図15に示されるように、まず、ステップS61において、処理制御ユニット310が、水被り警戒位置配信要求を受信したか否かを判定する。ステップS61における判定の結果が否定的であった場合(ステップS61:N)には、ステップS61の処理が繰り返される。
ステップS61における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS61:Y)には、処理はステップS62へ進む。このステップS62では、処理制御ユニット310が、水被り警戒位置配信要求に含まれる現在位置の天候履歴情報を取得する。かかる天候履歴情報の取得に際して、処理制御ユニット310は、当該現在位置を指定した天候履歴情報のデータ配信要求を、天候情報配信サーバ600へ送信する。そして、処理制御ユニット310は、当該データ配信要求に応答して天候情報配信サーバ600から送信された配信データを、天候履歴情報として取得する。
次に、ステップS63において、処理制御ユニット310は、まず、記憶ユニット320内の水被り発生情報HMIを参照し、受信した配信データに対応する分類の水被り情報の中から、水被り警戒位置配信要求に含まれる現在位置の周辺における水被り情報を、水被り警戒位置の情報として抽出する。そして、処理制御ユニット310は、抽出された水被り警戒位置の情報を、今回の水被り警戒位置配信要求を発行した車載装置へ送信する。
なお、図16には、上述した図14のステップS56における処理により表示される警告が画像の例が示されている。
以上説明したように、第2実施例の情報処理システム400Bでは、車載装置100Bの処理制御ユニット110Bが、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両CRが被る水被り事象を検出する。そして、水被り事象を検出すると、処理制御ユニット110Bが、水被り事象の発生位置及び水被り事象の発生の際における自車両CRの走行方向を含む水被り情報を情報管理装置300へ送信する。
水被り情報を受信した情報管理装置300では、処理制御ユニット310が、当該水被り情報に含まれる水被り発生位置に関する天候履歴情報による分類に関連付けて、水被り情報を、記憶ユニット320における水被り発生情報HMI内に追加登録する。ここで、天候履歴情報による分類は、水被り発生位置における直近の所定時間の降水量に対応した分類となっている。
情報管理装置300では、車載装置100Bから送信され、自車両CRの現在位置が指定された水被り警戒位置配信要求を受信すると、処理制御ユニット310が、記憶ユニット320内の水被り発生情報を参照し、その時点の自車両CRの現在位置における天候履歴の分類に対応する当該現在位置の周辺の水被り情報を、水被り警戒位置の情報として抽出する。そして、処理制御ユニット310が、抽出された水被り警戒位置の情報を車載装置100Bへ送信する。
水被り警戒位置の情報を受信すると、処理制御ユニット110Bは、当該水被り警戒位置の情報、及び、自車両CRの走行方向に基づいて、自車両CRのドライバへの水被りに対する警告を実行させるための情報を生成する。
したがって、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性がある場合に、自車両のドライバに予め警告することにより、ドライバは、走行する車線を水たまり領域からより遠い車線に変更する車線変更を行ったり、自車両速度の減速を行ったり、ワイパーを最大速度で動かしておいたりする等の対処を事前に行うことができる。このため、第2実施例によれば、他車両が跳ね上げた水たまりの水を被る事象に対する自車両の自衛を行うことができる。
また、第2実施例では、処理制御ユニット110Bが、自車両CRの車室内に配置された撮影ユニット260Bによる窓越しの撮影画像を解析して、水被り事象の発生を検出する。このため、簡易な構成で、かつ、合理的に水被り事象の発生を検出することができる。
[第2実施例の変形]
上記の第2実施例に対しては、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第2実施例では、水被りの可能性があると判断される場合には、自車両速度にかかわらず、自車両のドライバに対して警告情報を提示するようにした。これに対し、自車両速度が基準速度以上で走行している場合に限って、警告情報を提示するようにしてもよい。これは、自車両の速度が遅い場合は、水を被っても相対的に危険は少ないことによる。なお、「基準速度」は、走行の安全性の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、上記の第2実施例では、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定した場合に、警告情報を提示するようにした。これに対し、警告情報の提示に代えて、又は加えて、自車両の運転制御(支援制御)を行うようにしてもよい。具体的には、水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定された場合に、走行する車線を水たまり領域から遠い車線に変更する車線変更を行ったり、自車両速度の減速を行ったりする運転制御を自動で行うようにしてもよい。
また、上記の第2実施例では、水被り情報には、水被り位置及び走行方向が含まれるようにした。これに対し、水被り情報には、水被り事象が発生した際に走行していた車線の情報が更に含まれるようにしてもよい。この場合には、自車両に関する水被り事象の発生の可能性の判定の精度を向上させることができる。
また、上記の第2実施例では、水被り警戒位置の情報には、水被り情報がそのままの態様で含まれるようにした。これに対し、水被り発生位置が近いもの(例えば10m以内)が複数存在する場合は、統計的手法により、それらの代表位置と当該代表位置を中心とする水被り発生範囲を設定することで、1つの水被り警戒領域としてまとめる処理を行ってもよい。
[第3実施例]
次いで、第3実施例を図17〜図20を参照して説明する。当該第3実施例では、車載装置が、他車両が跳ね上げた水を自車両が被る水被り事象の発生を検出し、水被り事象の発生位置を含む水被り情報を、外部の周辺領域へ車車間通信により同報送信する。また、車載装置が、自車両の周辺領域の他車両から車車間通信により同報送信された水被り情報を取得する。そして、車載装置が、取得された水被り情報に基づいて、ドライバへの警告を行わせる。
<構成>
図17には、第3実施例に係る車載装置100Cの位置付けが示されている。この図17に示されるように、車載装置100Cは、自車両CR内に配置されて動作するようになっている。
図17に示されるように、自車両CRには、上述した第2実施例の場合と同様に、車載装置100Cに加えて、音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS受信ユニット240及び撮影ユニット260Bが配置されている。そして、これらの音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS受信ユニット240及び撮影ユニット260Bは、車載装置100Cに接続されている。
なお、車載装置100Cは、車車間通信により、自車両CRの周辺の他車両と通信可能となっている。
《車載装置100Cの構成》
図18に示されるように、車載装置100Cは、上述した第2実施例の車載装置100B(図9参照)と比べて、処理制御ユニット110Bに代えて処理制御ユニット110Cを備える点、及び、無線通信ユニット140Bに代えて無線通信ユニット140Cを備える点が異なっている。
上記の処理制御ユニット110Cは、車載装置100Cの全体を統括制御する。この処理制御ユニット110Cについては、後述する。
上記の無線通信ユニット140Cは、車車間通信により、自車両CRの周辺の他車両と通信する。無線通信ユニット140Cは、処理制御ユニット110Cから送られた水被り情報を受ける。そして、無線通信ユニット140Cは、当該水被り情報を、車車間通信により、自車両CRの周辺へ同報送信する。
また、無線通信ユニット140Cは、車車間通信により、自車両CRの周辺の他車両から同報送信された水被り情報を受信する。そして、無線通信ユニット140Bは、当該水被り情報を処理制御ユニット110Cへ送る。
次に、上記の処理制御ユニット110Cについて説明する。この処理制御ユニット110Cは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御ユニット110Cが様々なプログラムを実行することにより、車載装置100Cとしての各種機能が実現されるようになっている。
なお、処理制御ユニット110Cにより実行されるプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
ここで、処理制御ユニット110Cは、センサユニット230から送られたセンサデータ及びGPS受信ユニット240から受けたGPSデータに基づいて、記憶ユニット120B中の地図情報等を適宜参照し、マップマッチングの手法を用いて、精度良く現在位置を検出するようになっている。
処理制御ユニット110Cは、撮影ユニット260Bから送られた撮影画像に基づいて、自車両CRが被った水被り事象を検出する。水被り事象が検出されると、処理制御ユニット110Cは、当該水被り事象の発生位置(その際の自車両CRの走行方向を含む)を検出する。そして、処理制御ユニット110Bは、検出結果を、水被り情報として、無線通信ユニット140Cを利用して、自車両CRの周辺へ同報送信する。
なお、処理制御ユニット110Cが実行する水被り事象の検出処理の詳細については、後述する。
また、処理制御ユニット110Cは、車車間通信により、自車両CRの周辺の他車両から同報送信された水被り情報を受信する。そして、処理制御ユニット110Cは、それまでに受信した水被り情報、自車両CRの現在位置、及び、現時点における自車両CRが走行している方向に基づいて、水被りに対する警告処理を実行する。
なお、処理制御ユニット110Cが実行する警告処理の詳細については、後述する。
[動作]
次に、上記のように構成された車載装置100Cの動作について、処理制御ユニット110Cが実行する水被り事象の検出処理及び警告処理に主に着目して説明する。
なお、センサユニット230は、既に動作を開始しており、検出結果を逐次、処理制御ユニット110Cへ送っているものとする。また、GPS受信ユニット240は、既に動作を開始しており、受信結果を逐次、処理制御ユニット110Cへ送っているものとする。そして、処理制御ユニット110Cは、記憶ユニット120B中の地図情報等を適宜参照しつつ、マップマッチングの手法を用いて、精度良く自車両CRの現在位置を検出しているものとする。
また、撮影ユニット260Bは、既に動作を開始しており、撮影画像を逐次、処理制御ユニット110Cへ送っているものとする。
《水被り事象発生の検出処理》
まず、処理制御ユニット110Cが実行する水被り事象発生の検出処理について説明する。
水被り事象発生の検出処理に際しては、図19に示されるように、まず、ステップS71において、処理制御ユニット110Cが、撮影ユニット260Bから送られた撮影画像を取得する。引き続き、ステップS72において、処理制御ユニット110Cが、上述した第2実施例のステップS42の場合と同様の画像解析処理を行って、新たな水被り事象の発生が検出されたか否かを判定する。
ステップS72における判定の結果が否定的であった場合(ステップS72:N)には、処理はステップS71へ戻る。以後、ステップS72における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS71,S72の処理が繰り返される。
ステップS72における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS72:Y)には、処理はステップS73へ進む。このステップS73では、処理制御ユニット110Bが、まず、上述した第2実施例のステップS43の場合と同様の画像解析処理を行って、新たな水被り情報を生成する。そして、処理制御ユニット110Cは、生成された水被り情報を、自車両CRの周辺領域へ同報送信する。
こうしてステップS73の処理が終了すると、処理はステップS71へ戻る。以後、ステップS71〜S73の処理が繰り返される。
《警告処理》
次いで、処理制御ユニット110Cが実行する警告処理について説明する。なお、上述したように、処理制御ユニット110Cは、車車間通信により受信した、自車両CRの周辺の他車両から同報送信された水被り情報、自車両CRの現在位置、及び、現時点における自車両CRが走行している方向に基づいて、水被りに対する警告処理を実行する。
警告処理に際しては、図20に示されるように、まず、ステップS76において、処理制御ユニット110Cが、水被り発生位置に接近したか否かを判定する。ステップS76における判定の結果が否定的であった場合(ステップS76:N)には、ステップS76の処理が繰り返される。
ステップS76における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS76:Y)には、処理はステップS77へ進む。このステップS77では、処理制御ユニット110Cが、警告条件を満たすか否かを判定する。なお、第3実施例では、新たな水被り位置含む水被り情報が示す走行方向と自車両CRの走行方向とが一致することを、警告条件として採用している。
ステップS77における判定の結果が否定的であった場合(ステップS77:N)には、処理はステップS76へ戻る。以後、ステップS77における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS76,S77の処理が繰り返される。
ステップS77における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS77:Y)には、処理制御ユニット110Cは、水被り可能性があると判断する。そして、処理はステップS78へ進む。このステップS78では、処理制御ユニット110Cが、上述した第2実施例におけるステップS56の場合と同様の処理を行って、警告音声のデータを生成し、出力音データとして音出力ユニット210へ送るとともに、警告画像のデータを生成し、表示画像データとして表示ユニット220へ送る。この結果、警告音声が音出力ユニット210から出力されるとともに、警告画像が表示ユニット220に表示される。このため、上述した第2実施例と同様の警告情報が、自車両CRのドライバに提示される。
こうしてステップS78の処理が終了すると、処理はステップS76へ戻る。以後、ステップS76〜S78の処理が繰り返される。
以上説明したように、第3実施例では、車載装置100Cの処理制御ユニット110Cが、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両CRが被る水被り事象を検出する。そして、新たな水被り事象を検出すると、処理制御ユニット110Cが、新たな水被り事象の発生位置及び新たな水被り事象の発生の際における自車両CRの走行方向を含む水被り情報を、無線通信ユニット140Cを利用して、自車両CRの周辺へ同報送信する。
また、処理制御ユニット110Cが、無線通信ユニット140Cを利用して受信した、自車両CRの周辺領域における車両から同報送信された水被り情報、自車両CRの現在位置、及び、現時点における自車両CRが走行している方向に基づいて、水被りに対する警告処理を実行する。
したがって、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定した場合に、自車両のドライバに予め警告することにより、ドライバは、走行する車線を水たまり領域から遠い車線に変更する車線変更を行ったり、自車両速度の減速を行ったり、ワイパーを最大速度で動かしておいたりする等の対処を事前に行うことができる。このため、第3実施例によれば、他車両が跳ね上げた水たまりの水を被る事象に対する自車両の自衛に貢献することができる。
また、第3実施例では、処理制御ユニット110Cが、自車両CRの車室内に配置された撮影ユニット260Bよる窓越しの撮影画像を解析して、水被り事象の発生を検出する。このため、簡易な構成で、かつ、合理的に水被り事象の発生を検出することができる。
[第3実施例の変形]
上記の第3実施例に対しては、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第3実施例では、第1及び第2実施例の場合と同様に、自車両速度が基準速度以上で走行している場合に限って、警告情報を提示するようにしてもよい。
また、上記の第3実施例では、第1及び第2実施例の場合と同様に、警告情報の提示に代えて、又は加えて、車両の運転制御(支援制御)を行うようにしてもよい。具体的には、水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定された場合に、走行する車線を水たまり領域から遠い車線に変更する車線変更を行ったり、自車両速度の減速を行ったりする運転制御を自動で行うようにしてもよい。
また、上記の第3実施例では、第2実施例の場合と同様に、水被り情報には、水被り事象が発生した際に走行していた車線の情報が更に含まれるようにしてもよい。この場合には、自車両に関する水被り事象の発生の可能性の判定の精度を向上させることができる。
[第4実施例]
次に、第4実施例を図21〜図24を参照して説明する。当該第4実施例では、車載装置が、自車両の周辺の天候履歴に対応する天候状況において、他車両が水被り事象に遭遇した水被り警戒位置の情報を取得する。そして、車載装置が、水被り警戒位置の情報により示される水被り警戒位置を迂回する目的地までの走行経路を探索する。
<構成>
図21には、第4実施例に係る情報処理システム400Dの構成が示されている。この図21に示されるように、情報処理システム400Dは、上述した第2実施例の情報処理システム400Bと比べて、車載装置100Bに代えて経路探索装置100Dを備えている点が異なっている。そして、図22に示されるように、経路探索装置100Dは、車載装置100Bと比べて、処理制御ユニット110Bに代えて処理制御ユニット110Dを備えている点が異なっている。
なお、入力ユニット130には、目的地を指定した経路探索指令、案内経路の設定指令等を入力することができるようになっている。
上記の処理制御ユニット110Dは、経路探索装置100Dの全体を統括制御する。この処理制御ユニット110Dは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御ユニット110Dが様々なプログラムを実行することにより、経路探索装置100Dとしての各種機能が実現されるようになっている。
なお、処理制御ユニット110Dにより実行されるプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
ここで、処理制御ユニット110Dは、上述した処理制御ユニット110Bと同様に、センサユニット230から送られたセンサデータ及びGPS受信ユニット240から受けたGPSデータに基づいて、記憶ユニット120B中の地図情報等を適宜参照し、マップマッチングの手法を用いて、精度良く現在位置を検出するようになっている。
また、処理制御ユニット110Dは、処理制御ユニット110Bと同様に、水被り事象の検出処理を実行するようになっている。
また、処理制御ユニット110Dは、入力ユニット130から送られた経路探索指令を受けると、探索処理を実行する。
<動作>
次に、上記のように構成された情報生成システム400Dの動作について、経路探索装置100Dの処理制御ユニット110Dが実行する探索処理に主に着目して説明する。
なお、センサユニット230は、既に動作を開始しており、検出結果を逐次、処理制御ユニット110Dへ送っているものとする。また、GPS受信ユニット240は、既に動作を開始しており、受信結果を逐次、処理制御ユニット110Dへ送っているものとする。そして、処理制御ユニット110Dは、記憶ユニット120B中の地図情報等を適宜参照しつつ、マップマッチングの手法を用いて、精度良く自車両CRの現在位置を検出しているものとする。
また、撮影ユニット260Bは、既に動作を開始しており、撮影画像を逐次、処理制御ユニット110Dへ送っているものとする。
また、処理制御ユニット110Dは、既に動作を開始しており、水被り事象の検出処理を実行しているものとする。また、情報管理装置300の処理制御ユニット310は、既に動作を開始しており、水被り発生情報HMIの更新処理を実行しているものとする。
《探索処理》
処理制御ユニット110Dが実行する探索処理について説明する。なお、当該探索処理は、上述した第2実施例で説明した水被り事象発生の検出処理と並行して実行される。
探索処理に際しては、図23に示されるように、まず、ステップS81において、処理制御ユニット110Dが、入力ユニット130から送られた経路探索指令を受けたか否かを判定する。ステップS81における判定の結果が否定的であった場合(ステップS81:N)には、ステップS81の処理が繰り返される。
ステップS81における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS81:Y)には、処理はステップS82へ進む。このステップS82では、処理制御ユニット110Dが、経路探索装置100Dの車載機ID及び自車両CRの現在位置を指定した水被り警戒位置配信要求を、情報管理装置300へ送信する。
引き続き、ステップS83において、処理制御ユニット110Dが、情報管理装置300から配信された水被り警戒位置の情報を受信したか否かを判定する。ステップS83における判定の結果が否定的であった場合(ステップS83:N)には、ステップS83の処理が繰り返される。
ステップS83における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS83:Y)には、処理はステップS84へ進む。このステップS84では、処理制御ユニット110Dが、初期経路探索を行う。かかる初期経路探索に際して、処理制御ユニット110Dは、該水被り警戒位置の情報に含まれる水被り位置を迂回する目的地までの走行経路を探索する。そして、処理制御ユニット110Dは、表示ユニット220を利用して、探索された走行経路を利用者に提示する。
探索された走行経路の中から選択された一の走行経路が設定されると、ステップS85において、処理制御ユニット110Dが、設定された走行経路に沿った走行の案内誘導を開始する。かかる案内誘導では、処理制御ユニット110Dが、自車両CRの現在位置に基づいて記憶ユニット120B内の地図情報を参照しつつ、音出力ユニット210及び表示ユニット220を利用した案内誘導を行う。
設定された走行経路に沿った走行の案内誘導と並行して、ステップS86において、処理制御ユニット110Dが、自車両CRの現在位置に基づいて、目的地に到着したか否かを判定する。ステップS86における判定の結果が否定的であった場合(ステップS86:N)には、処理はステップS87へ進む。
ステップS87では、処理制御ユニット110Dが、再探索処理を実行する。なお、当該再探索処理の詳細については、後述する。
ステップS87の処理が終了すると、処理はステップS86へ戻る。以後、ステップS86,S87の処理が繰り返される。
ステップS86における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS86:Y)には、処理はステップS88へ進む。このステップS88では、処理制御ユニット110Dが、設定された走行経路に沿った走行の案内誘導を終了する。そして、処理はステップS81へ戻る。以後、ステップS81〜S88の処理が繰り返される。
《再探索処理》
次に、ステップS87において実行される再探索処理について説明する。
再探索処理に際しては、図24に示されるように、まず、ステップS91において、処理制御ユニット110Dが、自車両CRの現在位置の周辺の水被り警戒位置の情報を取得済みか否かを判定する。ステップS91における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS91:Y)には、ステップS87の処理が終了する。そして、処理は、上述した図23のステップS86へ戻る。
ステップS91における判定の結果が否定的であった場合(ステップS91:N)には、処理はステップS92へ進む。このステップS92では、処理制御ユニット110Dが、経路探索装置100Dの車載機ID及び自車両CRの現在位置を指定した水被り警戒位置配信要求を、情報管理装置300へ送信する。
引き続き、ステップS93において、処理制御ユニット110Dが、情報管理装置300から配信された水被り警戒位置の情報を受信したか否かを判定する。ステップS93における判定の結果が否定的であった場合(ステップS93:N)には、ステップS93の処理が繰り返される。
ステップS93における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS93:Y)には、処理はステップS94の処理へ進む。このステップS94では、処理制御ユニット110Dが、設定中の走行経路上に水被り警戒位置が存在するか否かを判定する。ステップS94における判定の結果が否定的であった場合(ステップS94:N)には、ステップS87の処理が終了する。そして、処理は、図23のステップS86へ戻る。
ステップS94における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS94:Y)には、処理はステップS95へ進む。このステップS95では、処理制御ユニット110Dが、再経路探索を行う。かかる再経路探索に際して、処理制御ユニット110Dは、水被り警戒位置の情報に含まれる水被り位置を迂回する目的地までの走行経路を探索する。そして、処理制御ユニット110Dは、表示ユニット220を利用して、再探索された走行経路を利用者に提示する。
再探索された走行経路の中から選択された一の走行経路が設定されると、ステップS96において、処理制御ユニット110Dが、設定された新たな走行経路に沿った走行の案内誘導を開始する。この後、ステップS87の処理が終了する。そして、処理は、図23のステップS86へ戻る。
こうして、目的地に到着するまで、処理制御ユニット110Dは、水被り警戒位置配信要求及び走行経路の再探索を繰り返しつつ、目的地までの走行の案内誘導を行う。
以上説明したように、第4実施例の経路探索装置100Dでは、処理制御ユニット110Dが、自車両CRの周辺の天候履歴に対応する天候状況において、他車両が水被り事象に遭遇した水被り警戒位置の情報を取得する。そして、処理制御ユニット110Dが、水被り警戒位置の情報により示される水被り警戒位置を迂回する目的地までの走行経路を探索する。
したがって、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性がある水被り警戒位置を迂回する走行経路を自車両のドライバに提示することができる。このため、第4実施例によれば、他車両が跳ね上げた水たまりの水を被る事象に対する自車両の自衛に貢献することができる。
また、第4実施例では、走行経路の設定中に水被り警戒位置の情報を取得し、かつ、設定中の経路上に水被り警戒位置が存在する場合、処理制御ユニット110Dが、設定中の走行経路上の水被り警戒位置を迂回する目的地までの経路を再探索する。このため、走行経路の設定中であっても、水被り事象への遭遇からの自衛に貢献することができる。
[第4実施例の変形]
第4実施例に対しては、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第4実施例では、自車両に配置された装置(第4実施例における経路探索装置100D)が、走行経路の探索処理を行うようにした。これに対し、情報管理装置が、探索機能を有していない装置から自車両の現在位置及び経路探索指令等を取得し、走行経路の探索処理を行うようにしてもよい。この場合には、探索処理の結果は、情報管理装置が、自車両に配置された装置へ送信することにより、自車両に配置された装置に提供されることになる。
また、上記の第4実施例では、水被り情報には、水被り位置及び走行方向が含まれるようにした。これに対し、第2実施例の場合と同様に、水被り情報には、水被り事象が発生した際に走行していた車線の情報が更に含まれるようにしてもよい。この場合には、水被り事象が発生した際に走行していた車線を更に考慮した走行経路の探索を行うことにより、上記の第3実施例の場合よりも合理的な走行経路を探索することができる。
また、水被り警戒位置の情報には、水被り情報がそのままの態様で含まれるようにした。これに対し、第2実施例の場合と同様に、第2水被り発生位置が近いもの(例えば10m以内)が複数存在する場合は、統計的手法により、それらの代表位置と当該代表位置を中心とする水被り発生範囲を設定することで、1つの水被り警戒領域としてまとめる処理を行ってもよい。
[第5実施例]
次いで、第5実施例を図25〜図29を参照して説明する。当該第5実施例では、自車両に配置された車載装置が、実際の走行環境の状況に基づいて、他車両が跳ね上げた水を自車両が被る水被り事象の発生の可能性があるかの判定を行う。当該判定の結果が肯定的であった場合、当該他車両のドライバへ注意を喚起するために、当該車載装置が注意勧告情報を外部へ送信する。
<構成>
図25には、第5実施例に係る車載装置100Eの位置付けが示されている。この図25に示されるように、車載装置100Eは、自車両CR内に配置されて動作するようになっている。
図25に示されるように、自車両CRには、上述した第1実施例の場合と同様に、車載装置100Eに加えて、音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS受信ユニット240及び撮影ユニット260Aが配置されている。そして、これらの音出力ユニット210、表示ユニット220、センサユニット230、GPS受信ユニット240及び撮影ユニット260Aは、車載装置100Eに接続されている。
なお、車載装置100Eは、車車間通信により、自車両CRの周辺の他車両と通信可能となっている。
《車載装置100Eの構成》
図26に示されるように、車載装置100Eは、上述した第3実施例の車載装置100C(図18参照)と比べて、処理制御ユニット110Cに代えて処理制御ユニット110Eを備える点、及び、記憶ユニット120Bに代えて記憶ユニット120Aを備える点が異なっている。
上記の処理制御ユニット110Eは、車載装置100Eの全体を統括制御する。この処理制御ユニット110Eは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御ユニット110Eが様々なプログラムを実行することにより、車載装置100Eとしての各種機能が実現されるようになっている。
なお、処理制御ユニット110Eにより実行されるプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
ここで、処理制御ユニット110Eは、センサユニット230から送られたセンサデータ及びGPS受信ユニット240から受けたGPSデータに基づいて、記憶ユニット120A中の地図情報等を適宜参照し、マップマッチングの手法を用いて、精度良く現在位置を検出するようになっている。
処理制御ユニット110Eは、撮影ユニット260Aから送られた撮影画像に基づいて、自車両CRが、他車両が跳ね上げた水を被る水被り事象が発生する可能性を判定する。この判定の結果が肯定的であった場合、処理制御ユニット110Eは、該他車両のドライバへ注意を喚起するために、注意勧告情報を外部へ送信する注意勧告情報を送信する。かかる処理を行う注意勧告情報の送信処理の詳細については、後述する。
また、処理制御ユニット110Eは、他車両から送信され、無線通信ユニット140Cから送られた注意勧告情報において自車両CRが指定されている場合に、自車両CRのドライバに水跳ねに関する注意情報の出力処理を行う。当該注意情報の出力処理の詳細については、後述する。
[動作]
次に、上記のように構成された車載装置700Eの動作について、処理制御ユニット110Eが実行する注意勧告情報の送信処理及び注意情報の出力処理に主に着目して説明する。
なお、センサユニット230は、既に動作を開始しており、検出結果を逐次、処理制御ユニット110Eへ送っているものとする。また、GPS受信ユニット240は、既に動作を開始しており、受信結果を逐次、処理制御ユニット110Eへ送っているものとする。そして、処理制御ユニット110Eは、記憶ユニット120A中の地図情報等を適宜参照しつつ、マップマッチングの手法を用いて、精度良く自車両CRの現在位置を検出しているものとする。
《注意勧告情報の送信処理》
まず、処理制御ユニット110Eが実行する注意勧告情報の送信処理について説明する。
注意勧告情報の送信処理に際しては、図27に示されるように、ステップS101〜S105において、処理制御ユニット110Eが、上述した第1実施例において処理制御ユニット110Aが実行するステップS11〜S15の処理と同様の処理を行う。引き続き、ステップS16において、処理制御ユニット110Eが、水被り可能性があるか否かを判定する。ステップS106における判定の結果が否定的であった場合(ステップS106:N)には、処理はステップS101へ戻る。以後、ステップS106における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS101〜S106の処理が繰り返される。
ステップS106における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS106:Y)には、処理はステップS107へ進む。このステップS107では、まず、処理制御ユニット110Eが、更に画像解析を行って、自車両CRの水被りの原因となる可能性を有する水跳ねを生じさせる他車両のナンバープレートにおける記載文字の認識を行う。そして、処理制御ユニット110Eは、当該文字認識を、注意喚起先を指定するための他車両識別子(他車両の特定情報)として特定する。
次に、ステップS108において、処理制御ユニット110Eが、ステップS107において特定された他車両の特定情報を含む注意勧告情報を生成する。そして、処理制御ユニット110Eは、生成された注意勧告情報を、無線通信ユニット140Cを利用して、車車間通信により同報送信する。
ステップS108における処理が終了すると、処理はステップS101へ戻る。以後、ステップS101〜S108の処理が繰り返される。
《注意情報の出力処理》
次に、処理制御ユニット110Eが実行する注意情報の出力処理について説明する。
注意情報の出力処理に際しては、図28に示されるように、まず、ステップS111において、処理制御ユニット110Eが、自車両CRを指定した注意勧告情報を受信したか否かを判定する。かかる判定に際して、処理制御ユニット110Eは、無線通信ユニット140Cから送られた注意勧告情報において、自車両CRの特定情報が含まれているか否かを判定する。ステップS111における判定の結果が否定的であった場合(ステップS111:N)には、ステップS111の処理が繰り返される。
ステップS111における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS111:Y)には、処理はステップS112へ進む。このステップS112では、処理制御ユニット110Eは、撮影ユニット260Aから送られた撮影画像等に基づいて、水跳ねに対する注意情報を生成する。
第5実施例では、注意情報には、注意音声及び注意画像が含まれるようになっている。ここで、注意音声としては、例えば、「前方に水たまりがあります。自車両速度の減速を行って走行してください。」等が挙げられる。また、注意画像としては、例えは、撮影ユニット260Aから送られた撮影画像に文字情報が重畳された画像が上げられる。
次に、ステップS113において、処理制御ユニット110Eが、注意音声のデータを生成し、出力音データとして音出力ユニット210へ送るとともに、注意画像のデータを生成し、表示画像データとして表示ユニット220へ送る。この結果、注意音声が音出力ユニット210から出力されるとともに、注意画像が表示ユニット220に表示される。
ステップS113の処理が終了すると、処理はステップS111へ戻る。以後、ステップS111〜S113の処理が繰り返される。
なお、図29には、ステップS113の処理により表示ユニット220に表示される注意画像の例が示されている。
以上説明したように、第5実施例の車載装置100Eでは、処理制御ユニット110Eが、水たまりの領域の位置を取得する。引き続き、処理制御ユニット110Eが、自車両CRの走行方向と水たまりの領域の位置とに基づいて、他車両が跳ね上げた水を被る可能性があるかの判定を行う。そして、処理制御ユニット110Eが、水を被る可能性があると判定された場合に、当該他車両に対して水たまりへの注意を促す注意勧告情報を、外部へ送信する。
したがって、他車両が跳ね上げた水たまりの水を自車両が被る可能性があると判定した場合に、当該他車両のドライバに対して水跳ねに注意を喚起することができる。このため、第5実施例によれば、他車両が跳ね上げた水たまりの水を被る事象に対する自車両の自衛に貢献することができる。
また、第5実施例では、処理制御ユニット110Eが、自車両CRが水たまりの領域に最接近するまでの自車両到達時間と、他車両が水たまりの領域に到達するまでの他車両到達時間との時間差が所定範囲内となる場合に、他車両が跳ね上げた当該水たまりの水を自車両CRが被る可能性があると判定する。このため、上述した第1実施例の場合と同様に、他車両が跳ね上げた当該水たまりの水を自車両CRの可能性を合理的に判断することができる。
[第5実施例の変形]
上記の第5実施例に対しては、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第5実施例では、水被りの可能性があると判断される場合には、自車両速度にかかわらず、注意勧告情報を送信するようにした。これに対し、自車両速度が基準速度以上で走行している場合に限って、注意勧告情報を送信するようにしてもよい。これは、自車両の速度が遅い場合は、水を被っても相対的に危険は少ないことによる。なお、「基準速度」は、走行の安全性の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、上記の第5実施例では、他車両の位置及び自車両に対する相対速度は、カメラによる撮影画像に基づいて取得するようにした。これに対し、ミリ波やレーザーを用いた物体との距離を計測するレーダ、超音波を用いて物体との距離を計測するソナー等を利用して取得してもよい。
また、上記の第5実施例では、水たまり領域をカメラ画像に基づいて検出するようにした。これに対し、Lidar(Light Detection and Ranging)の測定に基づいて、水たまり領域を検出する公知の技術を採用するようにしてもよい。この場合には、上記の第5実施例の場合よりも高い精度で水たまり領域の位置を検出することができる。
また、上記の第5実施例では、センサユニット230か送られたセンタデータに基づいて自車両速度情報を取得するようにした。これに対し、GPS測位、マップマッチング等を行って検出された自車両の現在位置の時間変化に基づいて、自車両速度情報を算出するようにしてもよい。
また、上記の第5実施例では、他車両の特定情報を当該他車両のナンバーブレートにおける記載内容を採用したが、他の情報を他車両の特定情報として採用してもよい。
また、上記の第5実施例では、水被りの可能性があると判断される場合には、他車両の特定情報を含む注意勧告情報を車車間通信により同報送信するようにした。これに対し、ネットワークを介して通信可能な外部の中継サーバに、他車両の特定情報を含む注意勧告情報を送信するようにしてもよい。この場合、上記の中継サーバには、車両の特定情報と当該特定情報に対応する車両の固有アドレスとを対応付けて記憶されるようにしておく。そして、当該中継サーバが、受信した特定情報に対応する固有アドレスを指定して、注意勧告情報を転送するようにすればよい。
また、上記の第5実施例では、水被り事象の発生の可能性があっても、自車両の水被りに対する自車両のドライバへの警告を行わないことにした。これに対し、水被り事象の発生の可能性がある場合に、水被り事象の発生の可能性に関する警告情報を自車両のドライバに提示するようにしてもよい。