(検体分析システム100の概略構成)
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る検体測定装置200を適用した検体分析システム100の構成を説明する。図1は、検体分析システム100の概要構成を示す図である。なお、図1において、XYZ軸は互いに直交しており、X軸正方向は左方向に対応し、Y軸正方向は後ろ方向に対応し、Z軸正方向は鉛直下方向に対応する。なお、他の図においても、XYZ軸は図1と同様に設定されている。
検体分析システム100は、栓体11により閉栓された検体容器10に収容された検体を分析する。検体容器10は、内部に検体を収容しており、検体容器10の上部は、栓体11により密封されている。栓体11は、たとえば、弾力性を有する合成樹脂により構成される。
図1に示すように、検体分析システム100は、第1モジュール62、第2モジュール61を備える検体測定装置200、検体供給モジュール63、および分析装置64を備える。検体測定装置200は、第1モジュール62および第2モジュール61を一つのユニットに備える。第1モジュール62は、検体供給モジュール63と分析装置64に対して通信可能に接続されている。第2モジュール61は、分析装置64に対して通信可能に接続されている。検体供給モジュール63は、検査に関する測定に供される検体を第1モジュール62へと供給する。すなわち、検体供給モジュール63は、検体容器10を第1モジュール62に供給するための機構を備える。分注機構30は、検体供給モジュール63から第1モジュールに供給された検体から、第2モジュールに供給するための検体を分注する。また、分析装置64は、例えば、パーソナルコンピュータにより構成される。分析装置64は、制御部64aを備える。制御部64aは、例えば、CPUにより構成される。
実施形態では、検体測定装置200において、分注機構30は、図1に示すように、第2処理部51よりも第1処理部52に近い位置に設置されているが、第1処理部52よりも第2処理部51に近い位置に設置されてもよい。この場合、検体供給モジュール63は、第2モジュール61の前方に配置され、分注機構30は、第2モジュール61内に設置されてもよい。
(メインモジュールとしての第1モジュール62、およびサブモジュールとしての第2モジュール61)
第1モジュール62は、第1モジュール62の各部を制御する制御部62aと、分注機構30と、第1の検査に関する測定を行う第1処理部52と、を備える。制御部62aは、例えば、CPUまたはマイクロコンピュータにより構成される。第1モジュール62は、例えば、血液および血清などの検体についての第1の検査に関する測定を独立して完結させる機能を有するモジュールである。すなわち、第1モジュールは、第2モジュール61など他のモジュールによって行われる測定に依存することなく、第1の検査に関する測定を完結させることができる。
他方、第2モジュール61は、第2モジュール61の各部を制御する制御部61aと、免疫検査に関する免疫項目測定を行う第2処理部51と、を備える。制御部61aは、例えば、CPUまたはマイクロコンピュータにより構成される。第2モジュール61は、血液および血清などの所定の検体について、第1の検査とは異なる第2の検査に関する測定、あるいは第1の検査に関する測定に付随する処理を行うモジュールである。例えば、第2モジュール61は、第1モジュール62から受け取った検体を用いて第2の検査を行ってもよい。あるいは、第2モジュール61は、第1モジュール62から受け取った検体を用いて第1の検査に関する測定に付随する前処理および後処理等を行ってもよい。第1モジュールは、第2モジュールが起動しているか否かに依らず動作可能なモジュールである。したがって、検体測定装置200において、第1モジュール62はメインモジュールであり、第2モジュール61はサブモジュールである。なお、第2モジュール61は、第1モジュール62と共通の検体について、第1モジュール62とは異なる処理を行う機能を有していてもよい。
以下では、検体測定装置200が、血栓止血分野の検査項目として挙げられる血液凝固系検査に関する血液凝固時間の測定を行う第1モジュール62、および凝固活性化を反映する分子マーカーに関する免疫系検査の測定を行う第2モジュール61を備える場合を例に挙げて説明する。なお、第2モジュール61が行う測定は、例えば、藩種性血管内凝固症候群の診断基準に含まれる検査項目に関する測定である。第2モジュール61が行う測定は、具体的には、トロンビン−アンチトロンビン複合体(TAT)、可溶性フィブリン(SF)、プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)、およびプラスミン・α2−プラスミンインヒビター複合体(PIC)の少なくとも何れかについての濃度測定である。すなわち、第1処理部52と第2処理部51とは、共通の検体を適用して行われる血液凝固系の検査に関する測定ではあるものの、互いに異なる原理に基づく検査に関する測定を行う。
<血液凝固・線溶に関する検査項目について>
血栓止血分野の検査項目として、血液凝固時間の測定は高頻度で実施される測定であり、免疫系検査に関する測定は、血液凝固時間の測定よりも概して低い頻度で行われる測定である。
ここでは、検体測定装置200が、血液凝固系検査に関する血液凝固時間の測定を行う第1モジュール62と、免疫系検査に関する測定を行う第2モジュール61とを備える場合を例に挙げた理由について説明する。
藩種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation、以下DICと表記する)は、全身の細小血管内に血栓が形成されることにより、組織壊死、および臓器の虚血性機能不全が出現する症候群である。DICの患者においては、(1)血液凝固因子および血小板の消費性減少、(2)繊維素溶解(いわゆる線溶)反応の活性化、(3)止血栓の形成不全および早期崩壊、などが認められることが特徴的であり、出血傾向を呈する。
DICの病型分類において、凝固活性化を反映する分子マーカーに着目した免疫系検査に関する測定も行うことが望ましいと考えられている。日本血栓止血学会などが定めるDIC診断に関する新基準にも、例えば、トロンビン−アンチトロンビン複合体(TAT)、可溶性フィブリン(SF)、プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)、プラスミン・α2−プラスミンインヒビター複合体(PIC)等の分子マーカーの濃度、およびアンチトロンビンの活性などが組み込まれるようになった。これにより、DIC診断基準の感度および特異性が向上することが期待される。
病院および検査機関は、DICを正確かつ感度よく診断するために、新しい診断基準に従って診断することが要求される。従来の診断基準に従うために、血液凝固系検査に関する血液凝固時間の測定を行う装置(例えば、第1モジュール62)が広く導入されている。しかし、改訂された新しい診断基準に従うためには、従来の診断基準には含まれていなかった、分子マーカーの免疫系検査を実施する必要がある。それゆえ、病院および検査機関は、免疫系検査に関する測定を行うことが可能な測定装置を別途導入しなければならない。しかし、血液凝固系検査に関する血液凝固時間の測定と免疫系検査に関する測定とは、いずれも血栓止血分野の検査であるにもかかわらず、それぞれ異なる装置によって実行されることになる。例えば、患者の血液などの検体を、それぞれの装置に適用される検体容器に分けて採取する必要があったり、装置毎に作業ルーチンが異なっていたりするため煩わしい。また、高額な機器を新規に導入するための費用の問題、および新しい装置の設置場所の問題などが解決されなければならない。
上述のDIC診断基準のように新たな検査項目が追加されることは、血栓止血分野に限定されるものではない。疾患に関する分子メカニズムおよび原因遺伝子等の研究が進むにつれ、さまざまな疾患に関する診断基準の改定が行われ、新たな検査項目に関する測定が要求され得る。検査項目が追加される毎に、新たに、追加された検査項目に関する測定を行うための装置を購入することは費用面の問題が大きい。
そこで、検体測定装置200は、改訂された診断基準において追加された検査項目に関する測定を行う第2モジュール61を、第1モジュール62に追加することにより新しい診断基準に柔軟に対応可能な構成を採用している。検体測定装置200は、DIC審査基準に従った検査を行う場合は、第1モジュール62および第2モジュール61の双方を起動させ、通常の凝固系検査のみを行う場合には、第1モジュール62のみを起動されることが可能である。すなわち、実施する検査の種類が増減しても、作業ルーチンを変更する必要がないため、利便性が高い。また、検体測定装置200は、第1モジュール62および第2モジュール61に加え、さらに第3モジュール、第4モジュール、・・・を組み合わせてもよく、これにより、より多様な検査に関する測定を可能にしたり、より大量の検体の検査に関する測定を実施したりすることができる。すなわち、検体測定装置200は、モジュール構造を組み合わせた構成を採用することにより、拡張性を有している。
(検体測定装置200の外観)
次に、図2を参照して、検体測定装置200の外観について説明する。図2は、図1に示す検体測定装置200の正面図である。
図2に示すように、第1モジュール62の正面には、検体供給モジュール63および主電源スイッチ513が設けられており、第2モジュール61の正面には、断路部65が設けられている。第1モジュール62の正面に主電源スイッチ513が設けられていることにより、作業者は主電源スイッチ513を操作しやすくなり、第2モジュール61の正面に断路部65の操作を受け付ける部分が向くように設けられていることにより、作業者は断路部65を操作しやすくなる。なお、断路部65は、第1モジュール62および第2モジュール61のいずれかの、検体供給モジュール63が設けられた側から操作可能な位置に設けられていればよい。例えば、断路部65は、第2モジュール61の、第1モジュール62の主電源スイッチ513が設けられた面と同じ方向を向いた面に設けられていてもよい。また、図2に示すように、第1モジュール62の主電源スイッチ513よりも低い位置に設けられてもよい。主電源スイッチ513は、検体供給モジュール63の下方に設けられている。
また、断路部65および検体供給モジュール63の両方が、第1モジュール62および第2モジュール61のいずれかの正面に設けられていてもよい。さらに、第1モジュール62の正面に断路部65が設けられ、第2モジュール61の正面に検体供給モジュール63が設けられていてもよい。
検体供給モジュール63は、第1モジュール62および第2モジュール61の両方に亘って設けられていてもよい。
なお、第1モジュール62および第2モジュール61の消費電力の合計は、商用電源1つから第1モジュール62および第2モジュール61に電力を供給した場合に生じる電流が所定の基準値より大きくなる電力であってもよい。
また、第1モジュール62および第2モジュール61は、それぞれ、温度制御機能、光源、および増幅器の少なくとも何れかを備えてもよい。ただし、第1モジュール62および第2モジュール61の総消費電力が1つの商用電源に設定されている皮相電力を超えることがあるため、第1モジュール62および第2モジュール61は、互いに異なる分岐回路に設けられた商用電源からの電力を供給されることが望ましい。
(検体測定装置200における電力供給配線)
次に、図3Aを参照して、検体測定装置200における電力供給配線について説明する。図3Aは、図1に示す検体測定装置200の配線接続の一例を示す図である。なお、図3Aでは、信号配線S1およびS3と、リモート信号配線S2およびS4〜S7とは、点線で示されており、これらの信号配線は通信信号を伝達する。図3Aに示すように、第1モジュール62は、スレーブ基板418と、電源419と、CPU基板420と、マスター基板421と、電源424と、SSR425と、第1接続部511と、主電源スイッチ513と、コネクタ515と、コネクタ517と、を備えている。また、第2モジュール61は、CPU基板411と、マスター基板412と、電源413と、SSR(Solid State Relay)414と、3つのスレーブ基板415と、電源416と、第2接続部510と、コネクタ514と、コネクタ516と、を備えている。
第1接続部511は、第1商用電源83から供給される電力を第1モジュール62に供給するためのものである。第1接続部511は、第1電源コード67と、第1モジュール62に電力を供給するための第1インレット422と、を含んでおり、第1商用電源83と第1モジュール62とを接続する。また、第2接続部510は、第2商用電源82から供給される電力を第2モジュール61に供給するためのものである。第2接続部510は、第2電源コード66と、第2モジュール61に電力を供給するための第2インレット417と、を含んでおり、第2商用電源82と第2モジュール61とを接続する。なお、第1接続部511は、第1電源コード67または第1インレット422であってもよく、第2接続部510は、第2電源コード66または第2インレット417であってもよい。
主電源スイッチ513は、電源419に対する通電と通電の遮断を可能な状態にするためのスイッチである。主電源スイッチ513は、例えば、作業者が操作することが可能な機械的なスイッチである。主電源スイッチ513は、例えば、押しボタン式スイッチ、トグルスイッチ、ロッカースイッチなどである。なお、本実施形態では、主電源スイッチ513が第1モジュール62に設けられた例を説明するが、本発明はそれに限られない。主電源スイッチ513は、第1モジュール62だけでなく、第2モジュール61にも設けられていてもよい。例えば、第1モジュール62および第2モジュール61の両方を用いて測定を行う場合、作業者は、第1モジュール62の主電源スイッチ513および第2モジュール61の主電源スイッチ(図示せず)を押下すればよい。しかし、複数のモジュールを備える検体測定装置200において、作業者に各モジュールの主電源スイッチを押下させる構成は検体測定装置200の操作性を損なうものである。それゆえ、検体測定装置200では、第1モジュール62のみが主電源スイッチ513を備えることが好ましい。
主電源スイッチ513は、電源419・424および断路部65とも接続され、配線経路P1および配線経路Q1が互いに独立して、主電源スイッチ513の内部を通過する。ここで、配線経路Q1は、第1接続部511と第1モジュール62との間の配線経路であり、配線経路P1は、第2接続部510と第2モジュール61との間の配線経路である。より具体的には、配線経路Q1とは、第1インレット422および電源419をつなぐ配線であり、配線経路P1とは、第2インレット417、電源413、および電源416をつなぐ配線である。配線経路P1および配線経路Q1は、検体測定装置200の筐体内に収容される。また、この場合、主電源スイッチ513をONの状態にすることにより、電源413および電源416への電力供給が可能な状態にすると同時に、電源419および電源424への電力供給が可能な状態にすることができる。
分析装置64は、ハブ71と電気的に接続されている。ハブ71は、検体供給モジュール63のCPU基板512上の回路、CPU基板420上の回路、およびCPU基板411上の回路と電気的に接続されている。
電源419は、スレーブ基板418、CPU基板420上の回路、SSR425、電源424、および主電源スイッチ513と電気的に接続されている。CPU基板420上の回路は、スレーブ基板418、マスター基板421上の回路、およびSSR425と電気的に接続されている。スレーブ基板418上の回路は、電源424およびSSR425と電気的に接続されている。マスター基板421上の回路は、SSR425および電源413と電気的に接続されている。第1電源コード67は第1インレット422と接続されており、第2電源コード66は第2インレット417と接続されている。第1電源コード67および第2電源コード66は、着脱式電源コードでもよいし、非着脱式電源コードでもよい。ここで、着脱式電源コードおよび非着脱式電源コードは、例えば、器具カプラ、器具インレット、ケーブル、主電源コネクタ、および主電源プラグ等を含んでいてもよい。
CPU基板411上の回路は、マスター基板412上の回路、電源413、SSR414、および3つのスレーブ基板415上の回路と電気的に接続されている。電源413は、SSR414、3つのスレーブ基板415上の回路、電源416、および断路部65と電気的に接続されている。マスター基板412上の回路は、SSR414と電気的に接続されている。SSR414は、3つのスレーブ基板415上の回路と電気的に接続されている。電源416は、3つのスレーブ基板415上の回路、および断路部65と電気的に接続されている。断路部65は、第1インレット422、第2インレット417、および主電源スイッチ513と電気的に接続されている。すなわち、断路部65は、第1接続部511から第1モジュール62の電源419および電源424への電力供給と、第2接続部510から第2モジュール61の電源413および電源416への電力供給とを、機械的に一括して遮断することができる位置に設けられている。
CPU基板420は、制御部62aを構成する回路が設けられた基板である。マスター基板421は、SSR425にON制御信号またはOFF制御信号を出力し、電源413にリモート信号を出力する回路が設けられた基板である。このリモート信号とは、電源413に出力のON・OFFを指示する信号である。スレーブ基板418は、第1モジュール62の各部を制御する回路が設けられた基板である。
電源419は、CPU基板420上の回路、マスター基板421上の回路、SSR425、およびスレーブ基板418上の回路に電力を供給するためのスイッチング電源である。電源419が出力する電圧は例えば12Vである。CPU基板420は、電源419から出力された12Vの電圧を5Vの電圧に変換する。SSR425は、電源419とスレーブ基板418上の回路との間の通電および遮断の切り替えを行う回路である。電源424は、スレーブ基板418上の回路に電力を供給するためのスイッチング電源である。電源424が出力する電圧は例えば24Vである。ここではスレーブ基板418が1つである例を挙げて図示しているが、スレーブ基板418の数はこれに限定されない。
第1電源コード67は、第1商用電源83に接続可能であり、第1商用電源83からの電力を第1モジュール62に供給するための電源コードである。具体的には、第1電源コード67は、第1商用電源83からの電力を電源419に供給する。このように、第1電源コード67および第2電源コード66は、異なる商用電源にそれぞれ接続可能である。
CPU基板411は、制御部61aを構成する回路が設けられた基板である。マスター基板412は、SSR414に与えるON制御信号を出力する回路が設けられた基板である。ON制御信号とは、3つのスレーブ基板415上の回路を起動させる信号であり、OFF制御信号とは、3つのスレーブ基板415上の回路を停止させる信号である。なお、ここではスレーブ基板415が3つである例を挙げて図示しているが、スレーブ基板415の数はこれに限定されない。
電源413は、CPU基板411上の回路、マスター基板412上の回路、SSR414、および3つのスレーブ基板415上の回路に電力を供給するためのスイッチング電源である。電源413が出力する電圧は例えば12Vである。CPU基板411は、電源413から出力された12Vの電圧を5Vの電圧に変換する。SSR414は、電源413と3つのスレーブ基板415上の回路との間の通電および遮断の切り替えを行う回路である。
電源416は、3つのスレーブ基板415上の回路に電力を供給するためのスイッチング電源である。電源416が出力する電圧は例えば24Vである。第2電源コード66は、第2商用電源82に接続可能であり、第2商用電源82からの電力を第2モジュール61に供給するための電源コードである。具体的には、第2電源コード66は、第2商用電源82からの電力を電源413・416に供給する。
コネクタ514は、第1モジュール62に取り付けられており、第2モジュール61に取り付けられたコネクタ515に接続される。コネクタ514とコネクタ515とが接続されることにより、マスター基板421と電源413とがリモート信号配線S2で接続される。リモート信号配線S2は、コネクタ514およびコネクタ515を通過する。
また、コネクタ516は、第1モジュール62に取り付けられており、第2モジュール61に取り付けられたコネクタ517に接続される。コネクタ516とコネクタ517とが接続されることにより、主電源スイッチ513と断路部65とが接続され、第1インレット422と断路部65とが接続される。主電源スイッチ513と断路部65との間の配線経路は、コネクタ516およびコネクタ517を通過し、第1インレット422と断路部65との間の配線経路は、コネクタ516およびコネクタ517を通過する。
コネクタ514とコネクタ515とが接続され、コネクタ516とコネクタ517とが接続されることにより、第1モジュール62に第2モジュール61が接続される。
断路部65は、第1接続部511から第1モジュール62への電力供給と、第2接続部510から第2モジュール61への電力供給とを、機械的に一括して遮断するスイッチまたは遮断器である。具体的には、断路部65は、第1電源コード67から電源419・424への電力供給と、第2電源コード66から電源413・416への電力供給とを、機械的に一括して遮断する。つまり、断路部65は、配線経路Q1の通電導体を開状態にすることができ、配線経路P1の通電導体を開状態にすることができる。
また、断路部65は、例えば、断路用のスイッチであるディスコネクトスイッチであってもよい。さらに、このディスコネクトスイッチは、通電時に開閉可能なスイッチディスコネクターである。断路部65は、例えば、主電源スイッチ513がONの状態でも、第1電源コード67から電源419・424への電力供給と、第2電源コード66から電源413・416への電力供給とを、機械的に一括して遮断することが可能である。
断路部65の外部端子には、第1インレット422から延びる2本の配線、および第2インレット417から延びる2本の配線が接続される。これらの4本の配線は、断路部65によって機械的に遮断される。
なお、第1モジュール62は、第2モジュール61と組み合わせることなく、単独のモジュールとして機能することも可能である。第2モジュール61と組み合わされていない場合の第1モジュール62の電力供給配線について、図3Bを用いて説明する。図3Bでは、第1モジュール62に第2モジュール61を接続せずに、第1モジュール62のみを用いる。コネクタ514に何も接続されていない場合、マスター基板412とコネクタ514との間の配線経路には電流が流れない。コネクタ516にはコネクタ518が接続されている。コネクタ518によって、主電源スイッチ513とコネクタ516との間の配線経路は、第1インレット422とコネクタ516との間の配線経路と接続される。これにより、主電源スイッチ513は、第1インレット422と接続される。
なお、第1モジュール62にコネクタ514およびコネクタ516が取り付けられることにより、第1モジュール62の構成を変更することなく、第1モジュール62に第2モジュール61を接続することができる。よって、第1モジュール62に第2モジュール61を容易に接続することができ、検体測定装置を容易に拡張することができる。
(リモート信号が入力されない電源と、リモート信号が入力される電源との利用)
検体測定装置200では、リモート信号が入力されない電源と、リモート信号が入力される電源とが利用されている。これら2種類の機能を有する電源を用いることにより、検体測定装置200は、第1モジュール62および第2モジュール61の起動および停止を好適に制御している。このことについて、以下で説明する。
まず、図3Cを参照して、検体測定装置200の電源419の構成を説明する。電源419は、外部からのリモート信号を検知する機能を有していない電源、すなわちリモートコントロール機能を有さない電源である。図3Cは、検体測定装置200の電源419の構成を示す図である。電源419の構成は、図3Cに示すようなスイッチング電源の構成である。このスイッチング電源は、整流ブリッジ701と、電解コンデンサ702と、トランス703と、スイッチング素子704と、制御回路705aと、ダイオード706と、電解コンデンサ707と、を備える。例えば、制御回路705aは、リモートコントロール用コネクタを有していない。
電源419に入力された電圧は、整流ブリッジ701によって整流され、整流ブリッジ701によって整流された電圧は、電解コンデンサ702によって平滑化される。電解コンデンサ702によって平滑化された直流電圧は、スイッチング素子704のON・OFFによって断続的な矩形波の形態に変換された状態で、トランス703を介して、スイッチング電源の2次側に伝達される。制御回路705aは、スイッチング電源の2次側の電圧を一定に保つために、スイッチング素子704のON状態およびOFF状態の切り替えのタイミングを制御する。電源419の2次側の電圧は、ダイオード706によって整流され、電解コンデンサ707によって平滑化される。電解コンデンサ707によって平滑化されることで得られた直流電圧は、電源419から出力される。
次に、図3Dを参照して、検体測定装置200の電源413の構成を説明する。図3Dは、検体測定装置200の電源413の構成を示す図である。電源413は、リモートコントロール機能を有する電源である。電源413の構成は、図3Dに示すようなスイッチング電源の構成である。電源413は、図3Cに示す電源419と比べて、リモート信号が入力される点が異なる。例えば、制御回路705bは、制御回路705aとは異なり、リモートコントロール用コネクタを有している。制御回路705bは、マスター基板421からリモートON信号が入力されると、制御回路705bがON状態になり、動作する。電解コンデンサ702によって平滑化された電流によるエネルギーは、トランス703を介して、電源413の2次側に伝達される。一方、制御回路705bは、マスター基板421から電源413をOFF状態にするリモート信号(以下、リモートOFF信号と記す)が入力されると、制御回路705bはOFF状態になる。制御回路705bがOFF状態になることで、スイッチング素子704が常にOFF状態になり、電源413がOFF状態になる。
なお、電源416の構成も、電源413と同様の構成である。この場合、電源416の制御回路705bは1つのスレーブ基板415上の回路と電気的に接続されている。また、電源424の構成も、電源413と同様の構成である。この場合、電源424の制御回路705bはスレーブ基板418上の回路と電気的に接続されている。
このように、検体測定装置200には、図3Cに示すようなリモート信号が入力されない電源419と、図3Dに示すようなリモート信号が入力される電源424・413・416とが設けられる。つまり、検体測定装置200には、図3Cに示すようなリモート信号に対応する構造を有しないスイッチング電源と、図3Dに示すようなリモート信号に対応する構造を有するスイッチング電源とが設けられる。これにより、検体測定装置200では、リモート信号を必要とする電源とリモート信号を必要としない電源とで制御を行うことができる。また、第1モジュール62のみに設けられた主電源スイッチ513をONの状態にすることにより、第1モジュール62を起動させ、第2モジュール61を起動させないように制御することができる。
次に、図3Eを参照して、検体測定装置200のSSR414・425の構成を説明する。図3Eは、検体測定装置200のSSR414・425の構成を示す図である。SSR414・425の構成は、図3Eに示すような構成である。SSR414・425はそれぞれ、入力回路801と、発光ダイオード802と、フォトダイオード803・804と、制御回路805と、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)806と、ダイオード807と、を備える。
SSR414・425に入力されたON制御信号(例えば、電流)は、入力回路801に入力される。入力回路801に電流が入力されることにより、発光ダイオード802が発光し、フォトダイオード803・804は、発光ダイオード802からの光を受光する。フォトダイオード803・804が発光ダイオード802からの光を受光すると、制御回路805は、MOSFET806のゲートに電圧を印加する。MOSFET806のゲートに電圧が印加されると、MOSFET806のソース・ドレイン間に電流が流れる。この電流は、ダイオード807を介して、SSR414・425から出力される。
(検体分析システム100の各部の起動および停止)
続いて、図3Aを参照して、検体分析システム100の起動および停止について説明する。なお、ここでは、既に、検体分析システム100が所定の位置に設置されており、検体分析システム100に含まれるすべての装置およびモジュールの電源コードは、商用電源に接続されているものとする。図3Aに示すように、第1電源コード67は、第1商用電源83に接続されており、第2電源コード66は、第2商用電源82に接続されている。
例えば、分析装置64は、作業者からのタッチ操作などを検知可能な操作入力部としても機能するディスプレイを備えている。このディスプレイには、作業者に動作モードを選択させるためのGUIが表示されている。作業者に選択させる動作モードとは、例えば、第1モジュール62のみを起動させる動作モードA、および第1モジュール62および第2モジュール61を起動させる動作モードBとであってもよい。以下では、作業者によって、第1モジュール62および第2モジュール61を起動させる動作モードBが選択された場合を例に挙げて説明する。
ここで、主電源スイッチ513をONの状態にすると、第1商用電源83から第1電源コード67、第1インレット422、断路部65、および主電源スイッチ513を介して、電源419・424に電力が供給される。また、第2商用電源82から第2電源コード66、第2インレット417、および断路部65を介して、電源413・416に電力が供給される。
電源419・424に電力が供給されると、電源419はCPU基板420およびマスター基板421に電力を供給する。第1モジュール62を起動するように分析装置64を操作すると、第1モジュール62の起動を指示する信号が、ハブ71を介して、第1モジュール62のCPU基板420へ送信される。このとき、分析装置64は、信号配線S1において、ハブ71を介して、第1モジュール62のCPU基板420上の回路、および検体供給モジュール63が備えるCPU基板512上の回路と通信する。具体的には、分析装置64は、CPU基板420上の回路に第1モジュール62の処理の開始を指示し、CPU基板512上の回路に検体供給モジュール63の処理の開始を指示する。
CPU基板420上の回路は、分析装置64から第1モジュール62の処理の開始を指示されると、マスター基板421上の回路に、SSR425にON制御信号を出力する処理を行うように指示する。マスター基板421上の回路は、CPU基板420上の回路から、SSR425にON制御信号を出力する処理を行うように指示されると、リモート信号配線S6において、SSR425にON制御信号を出力する。SSR425がマスター基板421から出力されたON制御信号が入力されると、電源419からスレーブ基板418上の回路に電力が供給される。スレーブ基板418上の回路は、電源419から電力を供給されると、リモート信号配線S7において、電源424に、電源424をON状態にするリモートON信号を出力する。電源424は、スレーブ基板418上の回路から出力されたリモートON信号が入力されると、スレーブ基板418上の回路に電力を供給する。
一方、第2モジュール61を起動させるためには、分析装置64を操作する必要がある。第2モジュール61を起動するように分析装置64を操作すると、第2モジュール61の起動を指示する信号が、ハブ71を介して、第1モジュール62のCPU基板420および第2モジュール61のCPU基板411へ送信される。このとき、分析装置64は、信号配線S1において、ハブ71を介して、第1モジュール62のCPU基板420上の回路と通信し、信号配線S3において、ハブ71を介して、第2モジュール61のCPU基板411上の回路と通信する。具体的には、分析装置64は、CPU基板420上の回路およびCPU基板411上の回路に第2モジュール61の処理の開始を指示する。
CPU基板420上の回路は、分析装置64から第2モジュール61の処理の開始を指示されると、マスター基板421上の回路に、電源413をON状態にするリモート信号(以下、リモートON信号と記す)を電源413へ出力する処理を行うように指示する。マスター基板421上の回路は、CPU基板420上の回路から、電源413をON状態にするリモートON信号を電源413へ出力する処理を行うように指示されると、リモート信号配線S2において、電源413に電源413をON状態にするリモートON信号を出力する。電源413は、リモート信号配線S2において、マスター基板421上の回路から出力された、電源413をON状態にするリモートON信号が入力されると、電源413は、CPU基板411およびマスター基板412に電力を供給する。
CPU基板411上の回路は、分析装置64から第2モジュール61の処理の開始を指示されると、マスター基板412上の回路にSSR414にON制御信号を出力する処理を行うように指示する。マスター基板412上の回路は、CPU基板411上の回路からSSR414にON制御信号を出力する処理を行うように指示されると、リモート信号配線S4において、SSR414にON制御信号を出力する。SSR414がマスター基板412から出力されたON制御信号を入力されると、電源413から3つのスレーブ基板415上の回路に電力が供給される。1つのスレーブ基板415上の回路は、電源413から電力を供給されると、リモート信号配線S5において、電源416に、電源416をON状態にするリモートON信号を出力する。電源416は、スレーブ基板415上の回路からリモートON信号が入力されると、3つのスレーブ基板415上の回路に電力を供給する。
なお、主電源スイッチ513をOFFの状態にすると、電源419・424に電力が供給されなくなるため、CPU基板420、マスター基板421、SSR425、およびスレーブ基板418に電力が供給されなくなる。また、マスター基板421には電力が供給されなくなるため、マスター基板421は、電源413にリモートON信号を出力しなくなる。これにより、電源413は、CPU基板411、マスター基板412、SSR414、および3つのスレーブ基板415に電力が供給されなくなる。よって、主電源スイッチ513をOFFの状態にすることにより、第1モジュール62および第2モジュール61をOFFの状態にすることができる。
また、スレーブ基板418上の回路および3つのスレーブ基板415上の回路に電力が供給されなくなるように分析装置64を操作すると、分析装置64は、ハブ71を介して、CPU基板420およびCPU基板411に信号を送信する。具体的には、分析装置64は、ハブ71を介して、CPU基板420にスレーブ基板418上の回路の停止を指示する信号を送信し、CPU基板411に3つのスレーブ基板415上の回路の停止を指示する信号を送信する。CPU基板420は、分析装置64からスレーブ基板418上の回路の停止を指示する信号を送信されると、マスター基板421にSSR425へのOFF制御信号を出力する処理を行うように指示する。マスター基板421は、CPU基板420からSSR425へのOFF制御信号を出力する処理を行うように指示されると、SSR425へのOFF制御信号を出力する。SSR425がマスター基板421から出力されたOFF制御信号を入力されると、電源419はスレーブ基板418への電力供給を停止する。一方、CPU基板411は、分析装置64から3つのスレーブ基板415上の回路の停止を指示する信号を送信されると、マスター基板412にSSR414にOFF制御信号を出力する処理を行うように指示する。マスター基板412は、CPU基板411からSSR414にOFF制御信号を出力する処理を行うように指示されると、SSR414にOFF制御信号を出力する。SSR414がマスター基板412から出力されたOFF制御信号を入力されると、電源413は3つのスレーブ基板415への電力供給を停止する。
なお、第1モジュール62のみを起動させる動作モードAが選択された場合、すなわち、第2モジュール61を起動させずに第1モジュール62のみを起動させる場合、第1モジュール62のみを起動させるように分析装置64を操作する。このとき、分析装置64は、ハブ71を介して、CPU基板420に、第1モジュール62のみを起動させるように指示する。CPU基板420は、分析装置64から第1モジュール62のみを起動させるように指示されると、マスター基板421に第1モジュール62のみを起動させるように指示する。マスター基板421は、CPU基板420から第1モジュール62のみを起動させるように指示されると、SSR425にON制御信号を出力し、電源413にはリモートON信号を出力しない。なお、第2モジュール61が起動している場合、マスター基板421は、電源413に対するリモートON信号の出力を中止する。これにより、電源419は電力供給を開始し、電源413は電力供給を停止する。
また、例えば、第2モジュール61の電源413・416に異常が発生している場合、主電源スイッチ513をOFFの状態にしても、電源413・416が電力供給を停止しないことがある。つまり、第2モジュール61の電源413・416に異常が発生している場合、第2モジュール61をOFFの状態にすることができない場合がある。そこで、第2モジュール61に断路部65を設けることにより、このような場合でも、断路部65をOFFの状態にすることにより、第1モジュール62の電源419・424および第2モジュール61の電源413・416への電力供給を停止することができる。よって、第2モジュール61に断路部65を設けることにより、断路部65をOFFの状態にして、第1モジュール62および第2モジュール61を確実にOFFの状態にすることができる。
なお、リモートON信号およびリモートOFF信号は、High・Lowの2値によるものであってもよく、オープンコレクタによるものであってもよい。具体的には、リモートON信号およびリモートOFF信号が、High・Lowの2値によるものである場合、例えば、リモートON信号が電圧値の高い方であるHighとなり、リモートOFF信号が電圧値の低い方であるLowとなる。また、リモートON信号およびリモートOFF信号がオープンコレクタによるものである場合、以下に説明する通りになる。例えば、リモートON信号が、トランジスタがOFF状態であるときの信号となり、リモートOFF信号が、トランジスタがON状態であるときの信号となる。このトランジスタとは、リモートON信号またはリモートOFF信号が出力される箇所に設けられたトランジスタである。
ここで、例えば、作業者が第1モジュール62のみを使用している場合、第1モジュール62に第2モジュール61、つまり、第1モジュール62に後から追加することが可能なモジュールを接続して検体測定装置200を組み立てることを考える。断路部65は、第1モジュール62に設けられていてもよいが、第2モジュール61、つまり、第1モジュール62に後から追加することが可能なモジュールに設けられていることが好ましい。
断路部65が断路することが可能な配線の本数は決まっているため、第1モジュール62に追加することが可能なモジュールの台数は、断路部65が断路することが可能な配線の本数で決定される。しかし、断路部65が第1モジュール62に設けられている場合、第1モジュール62に予め設けられた断路部65が断路することが可能な配線の本数分に対応するモジュールの台数分しか追加することができない。一方、後から追加することが可能なモジュールに断路部65を設けることにより、モジュールを後から追加するとき、断路する必要がある配線の本数に対応する断路部65を選択することができる。例えば、第1モジュール62および第2モジュール61が既に導入されているところに、第3モジュールを追加した検体測定装置200の場合、第1モジュール62、第2モジュール61、および第3モジュールの電力供給を一括して遮断できる断路部65を第3モジュールが備えていればよい。この場合、(1)第1接続部511から第1モジュール62の電源419および電源424への電力供給のための配線経路Q1と、(2)第2接続部510から第2モジュール61の電源413および電源416への電力供給のための配線経路P1と、(3)第3モジュールの電源への電力供給のための配線経路とが第3モジュールが備える断路部に接続されればよい。これにより、上記(1)〜(3)の配線経路を機械的に一括して遮断することができる。
(第1モジュール62の回路部)
次に、図4を参照して、第1モジュール62の回路部の構成を説明する。図4に示すように、第1モジュール62は、回路部の構成として、CPU基板420、マスター基板421、およびスレーブ基板418を含む制御部62aと、電源419および424と、バーコードリーダ102と、分注機構30、110と、洗浄機構40と、反応容器テーブル120と、第1試薬保冷部132と、第1加温部140と、反応容器収納部151と、反応容器供給部152と、移送部105、106と、試薬分注部161、162と、第1処理部52と、を備える。
また、第1モジュール62は、回路部の構成として、記憶部62bと洗浄機構62cを備える。制御部62aは、CPUを備え、記憶部62bに記憶されたプログラムに従い動作することによって、第1モジュール62内の各部および検体供給モジュール63を制御する。記憶部62bは、ROM、RAMおよびハードディスク等により構成される。洗浄機構62cは、洗浄槽104と、洗浄槽104およびノズル111に洗浄液を流すための流路および機構と、を備える。
(第1モジュール62および検体供給モジュール63の構成)
次に、図5を参照して、第1モジュール62および検体供給モジュール63の構成を説明する。図5は、第1モジュール62および検体供給モジュール63の構成を模式的に示す図である。
(検体供給モジュール63)
図5に示すように、検体供給モジュール63は、ラックセット部63aと、ラック搬送部63bと、ラック回収部63cと、を備える。ラックセット部63aとラック回収部63cは、それぞれ、ラック搬送部63bの右端および左端に繋がっている。ラック搬送部63bの後方には、バーコードリーダ102が配置されている。オペレータは、検体容器10をセットした検体ラック101を、ラックセット部63aに設置する。
検体供給モジュール63は、ラックセット部63aに設置された検体ラック101をラック搬送部63bの右端に送り、さらに、バーコードリーダ102の前方へと送る。バーコードリーダ102は、検体容器10のバーコードラベル14からバーコードを読み取り、検体IDを取得する。取得された検体IDは、検体に対する測定オーダの取得のために、分析装置64に送信される。
続いて、検体供給モジュール63は、検体容器10を保持した検体ラック101を搬送して、検体容器10を順次、検体吸引位置103aまたは検体吸引位置103bに位置付ける。検体吸引位置103aは、分注機構30が検体を吸引するための位置であり、検体吸引位置103bは、後述する分注機構110が検体を吸引するための位置である。検体供給モジュール63は、検体ラック101に保持された全ての検体容器10に対する検体の吸引が終了すると、検体ラック101をラック回収部63cへと搬送する。
(第1モジュール62)
第1モジュール62は、分注機構30、110と、洗浄槽41、104と、反応容器テーブル120と、第1試薬保冷部132と、第1加温部140と、反応容器収納部151と、反応容器供給部152と、移送部105、106と、試薬分注部161、162と、第1処理部52と、廃棄口107と、を備える。
<分注機構30>
ここで、分注機構30の構成を説明する。分注機構30は、検体吸引位置103aに位置付けられた検体容器10から検体を吸引する。このとき、ノズル31が栓体11を貫通するようノズル31が下方向に駆動され、ノズル31の流路31bに負圧が付与されることにより、検体が流路31b内に吸引される。その後、ノズル31が上方向に駆動され、ノズル31の先端31aが栓体11から抜き取られる。分注機構30は、吸引した検体を、反応容器テーブル120に保持された新しい反応容器22に吐出する。
ここで、検体吸引位置103aに位置付けられた検体には、第1モジュール62による血液凝固検査に関する測定を行う測定オーダが設定されている場合と、第1モジュール62による血液凝固検査に関する測定に加えて、第2モジュール61による免疫検査に関する測定も行う測定オーダが設定されている場合と、がある。
血液凝固検査に関する測定オーダのみが設定されている場合、分注機構30は、検体容器10から1回だけ検体を吸引し、吸引した検体を血液凝固検査に関する測定を行うための「第1検体」として、反応容器テーブル120の反応容器22に吐出する。
血液凝固検査と免疫検査との両方の測定オーダが設定されている場合、分注機構30は、検体容器10から2回に分けて検体を吸引し、それぞれ反応容器テーブル120の異なる反応容器22に吐出する。このとき、分注機構30は、最初に吸引した検体を、血液凝固検査に関する測定を行うための「第1検体」として反応容器22に吐出し、後で吸引した検体を、免疫検査に関する測定を行うための「第2検体」として反応容器22に吐出する。
なお、分注機構110は、栓体11により検体容器10の上部が密封されていない検体容器10から、血液凝固検査に関する測定オーダのみが設定されている検体を吸引する。分注機構110は、吸引した検体を、血液凝固検査に関する測定を行うための「第1検体」として反応容器22に吐出する。
反応容器テーブル120は、平面視においてリング形状を有し、第1試薬保冷部132の外側に配置されている。反応容器テーブル120は、周方向に回転可能に構成されている。反応容器テーブル120は、反応容器22を保持するための複数の保持孔121を有する。
反応容器収納部151は、新しい反応容器22を収納する。反応容器供給部152は、反応容器収納部151から反応容器22を1つずつ取り出し、取り出した反応容器22を、移送部105による把持位置に供給する。移送部105は、反応容器供給部152によって把持位置に供給された反応容器22を把持して、反応容器テーブル120の保持孔121にセットする。
分注機構30は、検体吸引位置103aに位置付けられた1つの検体容器10に対する分注を終えると、ノズル31を洗浄槽41に位置付ける。洗浄槽41に位置付けられたノズル31は、洗浄槽41内において洗浄される。このように、ノズル31は、検体ごとに洗浄槽41内で洗浄される。同様に、分注機構110は、検体吸引位置103bに位置付けられた1つの検体容器10に対する分注を終えると、ノズル111を洗浄槽104に位置付ける。洗浄槽104に位置付けられたノズル111は、洗浄槽104内で洗浄される。このように、ノズル111は、検体ごとに洗浄槽104内で洗浄される。
なお、分注機構110は、分注機構30と同様、ノズル111とアーム112を備える。
<検体容器10>
ここで、図6を参照して、検体容器10の構成を説明する。検体容器10は、図6の(a)、(b)に示すように、栓体11と、胴部12と、蓋部13と、バーコードラベル14と、を備える。胴部12は、透光性を有するガラスまたは合成樹脂により構成された採血管であり、検体を収容する。栓体11は、上述したように弾力性を有する合成樹脂等により構成される。栓体11は、検体を収容した胴部12の上端の開口を密封する。栓体11の上面には、凹部11aが形成されている。蓋部13は、プラスチックにより構成され、胴部12に装着された栓体11を上側から覆っている。蓋部13の中心には、上下に貫通する孔13aが形成されている。バーコードラベル14は、胴部12の側面に貼られている。バーコードラベル14には、検体IDを示すバーコードが印刷されている。検体IDは、検体を個別に識別可能な情報である。
図6(c)に示すように、ノズル31は、金属により構成された細い棒状の部材である。ノズル31の先端31aは、ノズル31が栓体11を容易に貫通できるように鋭利に尖っている。ノズル31内の流路31bは、ノズル31が延びる方向に合わせて上下方向に延びており、先端31a付近でノズル31の側面からノズル31の外部に繋がっている。ノズル31によって検体容器10内の検体が吸引される場合、ノズル31の先端31aが、蓋部13に形成された孔13aを介して栓体11の凹部11aに位置付けられる。そして、ノズル31が下方向に移動されることにより、先端31aが栓体11を貫通し、ノズル31の先端31aが胴部12内に位置付けられる。これにより、検体容器10内の検体の吸引が可能になる。
<ノズル31およびアーム32>
図5に戻り、分注機構30は、ノズル31とアーム32を備える。ノズル31は、栓体11を貫通可能で、検体の吸引および吐出が可能に構成されている。ノズル31は、吸引管である。アーム32の端部には、ノズル31が設けられ、アーム32は、旋回可能に構成されている。分注機構30は、ノズル31により、検体を検体容器10から反応容器22に分注する。
検体容器10が所定の位置に位置付けられると、分注機構30は、アーム32を旋回させてノズル31を検体容器10の真上に位置付ける。続いて、分注機構30は、アーム32を下降させてノズル31を下降させる。これにより、ノズル31の先端が、栓体11を下方向に貫通する。そして、分注機構30は、ノズル31の先端から検体容器10内の検体を吸引する。
検体が吸引されると、分注機構30は、アーム32を上昇させてノズル31を上昇させる。これにより、ノズル31が栓体11から抜き取られる。続いて、分注機構30は、アーム32を旋回させてノズル31を反応容器22の真上に位置付ける。反応容器22は、上部が上方向に開放した容器である。分注機構30は、アーム32を下降させてノズル31の先端を反応容器22に挿入する。そして、分注機構30は、検体容器10から吸引した検体を反応容器22に吐出する。
<反応容器22>
反応容器22は、検体ごとに取り替えられる使い捨ての容器である。これにより、反応容器22を介して異なる検体が混じり合うことによるキャリーオーバーを回避できる。
その後、反応容器22に吐出された検体は、反応容器22および反応容器22から移し替えられた容器によって移送され、所定の試薬が添加される。そして、所定の試薬が添加された検体は、第2処理部51に移送される。第2処理部51は、検体の免疫検査に関する測定を行う。免疫検査に関する測定は、免疫学的な分析項目の測定、免疫学的な反応による測定、などを含む。実施形態における免疫検査に関する測定は、抗原抗体反応を利用した測定である。
1つの検体に対して第1処理部52および第2処理部51の両方で測定が行われる場合、分注機構30は、検体容器10内の検体を2つの反応容器22に分注する。具体的には、分注機構30は、検体容器10内から検体を吸引し、吸引した検体を新しい反応容器22に吐出する分注動作を2回繰り返す。最初に反応容器22に分注された検体は、第1処理部52で測定が行われる検体であり、次に反応容器22に分注された検体は、第2処理部51で測定が行われる検体である。この場合の反応容器22に分注される検体は、血漿である。
1つの検体に対して第1処理部52のみで測定が行われる場合、分注機構30は、検体容器10内の検体を1つの新しい反応容器22に分注する。この場合の反応容器22に分注される検体は、血漿である。1つの検体に対して第1処理部52および第2処理部51にて測定が行われる場合、分注機構30は、検体容器10内の検体を1つの新しい反応容器22に分注する。この場合の反応容器22に分注される検体は、血漿または血清である。
なお、反応容器22に分注される検体は、全血であってもよい。この場合、反応容器22に分注された全血から、血漿または血清を精製するための処理が行われる。
反応容器22は、上方に開口を有する容器であり、いわゆるキュベットである。反応容器22は、第1モジュール62の第1処理部52において測定を行うための使い捨ての容器である。
<反応容器21>
次に、反応容器21の構成を説明する。第1モジュール62は、第2処理部51で測定するための検体が分注された反応容器22を、第2モジュール61に移送する。第2モジュール61は、第1モジュール62から移送された反応容器22内の第2検体を、反応容器21に移し替える。反応容器21は、上方に開口を有する容器であり、いわゆるキュベットである。反応容器21は、第2モジュール61の第2処理部51において測定を行うための使い捨ての容器である。第2モジュール61は、第2検体が分注された反応容器21に所定の試薬を添加して測定試料を調製し、測定試料を収容した反応容器21を第2処理部51に移送する。第2処理部51は、反応容器21内の測定試料から生じた光、すなわち、第2検体に含まれる被検物質に基づく化学発光を測定する。制御部61aは、第2処理部51が測定した光に基づいて測定データを生成する。
ここで、化学発光とは、化学反応によるエネルギーを利用して発せられる光であり、例えば、化学反応により分子が励起されて励起状態になり、そこから基底状態に戻る時に放出される光である。実施形態において第2処理部51が測定する化学発光は、酵素免疫化学発光法(CLEIA)に基づくものであり、酵素と基質との反応により生じた光である。なお、第2処理部51が測定する化学発光は、例えば、化学発光分析法(CLIA)、電気化学発光分析法(ECLIA)、蛍光酵素測定法(FEIA法)、LOCI法(Luminescent Oxygen Channeling Immunoassay)、BLEIA法(生物発光酵素免疫法)などに基づく光であってもよい。
第1モジュール62は、第1処理部52で測定するための検体が分注された反応容器22を、第1処理部52に移送する。このとき、第1モジュール62は、この反応容器22に所定の試薬を添加して測定試料を調製し、測定試料を収容した反応容器22を第1処理部52に移送する。第1処理部52は、反応容器22内の測定試料に光を照射し、測定試料を透過した光または測定試料により散乱された光を測定する。第1処理部52の測定原理は、例えば、凝固法、合成基質法、免疫比濁法、凝集法、などである。制御部62aは、第1処理部52が測定した光に基づいて測定データを生成する。
分析装置64の制御部64aは、第1モジュール62で生成された測定データに基づいて、血液凝固検査に関する分析を行う。具体的には、制御部64aは、PT、APTT、Fbg、外因系凝固因子、内因系凝固因子、凝固第XIII因子、HpT、TTO、FDP、Dダイマー、PIC、FM、ATIII、Plg、APL、PC、VWF:Ag、VWF:RCo、ADP、コラーゲン、エピネフリンなどの分析項目について分析を行ってもよい。
なお、第1モジュール62は、血液凝固検査とは異なる検査に関する測定を行ってもよい。例えば、第1モジュール62は、生化学検査に関する測定を行ってもよい。この場合、制御部64aは、第1モジュール62で生成された測定データに基づいて、生化学検査に関する分析を行う。具体的には、制御部64aは、T−BIL、D−BIL、AST、ALT、ALP、LDH、γ−GTP、T−CHO、CRE、CKなどの分析項目について分析を行う。
また、制御部64aは、第2モジュール61で生成された測定データに基づいて、免疫検査に関する分析を行う。具体的には、制御部64aは、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HBe抗原、HBe抗体、HCV抗体、TP抗体、HTLV抗体、HIV抗原・抗体、TAT、PIC、TM、tPAI・c、TSH、FT3、FT4などの分析項目について分析を行ってもよい。
<第1加温部140>
図5に戻り、第1加温部140は、温度制御機構であり、反応容器22を保持するための複数の保持孔141と、反応容器22を移送するための移送部142と、を備える加温テーブルである。第1加温部140は、平面視において円形の輪郭を有し、周方向に回転可能に構成されている。第1加温部140は、保持孔141にセットされた反応容器22を37℃に加温する。
反応容器テーブル120に保持された新しい反応容器22に第2検体が吐出されると、反応容器テーブル120が回転され、第2検体を収容する反応容器22が第1加温部140の近傍まで移送される。そして、第1加温部140の移送部142が、この反応容器22を把持して、図8を参照して後述する保持孔201aに移送する。他方、反応容器テーブル120に保持された新しい反応容器22に第1検体が吐出されると、反応容器テーブル120が回転され、第1検体を収容する反応容器22が第1加温部140の近傍まで移送される。そして、第1加温部140の移送部142が、この反応容器22を把持して、第1加温部140の保持孔141にセットする。
<第1試薬テーブル130>
次に、第1試薬保冷部132に含まれている、第1試薬テーブル130の構成を説明する。なお、第1試薬保冷部132は、第1モジュール62が保持している試薬の温度を適切に制御するための温度制御機能である。第1試薬テーブル130は、血液凝固検査に関する測定に使用する調整試薬およびトリガー試薬を収容した試薬容器131を複数設置可能に構成されている。第1試薬テーブル130は周方向に回転可能に構成されている。試薬分注部161、162は、第1加温部140で加温された反応容器22に試薬を分注する。
調整試薬を反応容器22に分注する場合、第1加温部140の移送部142が、第1加温部140の保持孔141から反応容器22を取り出し、所定の位置に位置付ける。そして、試薬分注部161または試薬分注部162は、試薬容器131から調整試薬を吸引し、吸引した調整試薬を反応容器22に吐出する。こうして、検体に調整試薬が混合される。その後、移送部142は、反応容器22を第1加温部140の保持孔141に再びセットする。
トリガー試薬を反応容器22に分注する場合、移送部106が、第1加温部140の保持孔141から反応容器22を取り出し、所定の位置に位置付ける。そして、試薬分注部161または試薬分注部162は、試薬容器131からトリガー試薬を吸引し、吸引したトリガー試薬を反応容器22に分注する。こうして、検体にトリガー試薬が混合され、測定試料が調製される。その後、移送部106は、反応容器22を第1処理部52の保持孔52aにセットする。
<保持孔52a>
次に、保持孔52aの構成を説明する。第1処理部52は、複数の保持孔52aを備える。第1処理部52は、保持孔52aにセットされた反応容器22に対して光を照射し、測定試料を透過した光または測定試料により散乱された光を測定する。反応容器22内の測定試料の測定が終了すると、この反応容器22は、移送部106により廃棄口107に廃棄される。
(第1モジュール62内における検体の移送)
図7を参照して、第1モジュール62内における検体の移送経路について説明する。
図7に示すように、検体吸引位置103aにおいて検体容器10から吸引された検体は、実線矢印で示すように、分注機構30によって反応容器テーブル120の反応容器22に吐出される。そして、実線矢印で示すように、検体が分注された反応容器22は、反応容器テーブル120によって、第1加温部140の近傍の位置まで移送される。
反応容器22が収容する検体が第1検体の場合、第1加温部140の近傍の位置まで移送された反応容器22は、第1加温部140の移送部142により第1加温部140の保持孔141に移送される。この反応容器22は、調整試薬が吐出された後、再び保持孔141にセットされる。その後、この反応容器22は、移送部106により、第1加温部140の保持孔141から第1処理部52の保持孔52aに移送される。この場合の反応容器22は、点線の矢印に示す移送経路に沿って第1処理部52に移送される。
他方、反応容器22が収容する検体が第2検体の場合、第1加温部140の近傍の位置まで移送された反応容器22は、第1加温部140の移送部142により第2モジュール61の保持孔201aに移送される。この場合の反応容器22は、破線矢印に示す移送経路に沿って第2モジュール61に移送される。
このように、分注機構30によって第1検体が分注された反応容器22は、実線の矢印および点線の矢印に沿って第1処理部52に移送される。他方、分注機構30によって第2検体が分注された反応容器22は、実線の矢印および破線の矢印に沿って第2モジュール61に移送される。すなわち、検体測定装置200には、第1検体が分注された反応容器22を第1処理部52に移送する第1移送経路と、第2検体が分注された反応容器22を第2モジュール61に移送する第2移送経路とが設定されている。そして、第1移送経路と第2移送経路は、共通の移送経路として、実線の矢印部分の移送経路を含む。このように、第1移送経路および第2移送経路が少なくとも共通の移送経路を含む場合、第1移送経路および第2移送経路が別々の移送経路である場合に比べて、検体測定装置200をコンパクトに構成できる。
なお、実施形態では、第1移送経路と第2移送経路は、共通の移送経路を含んだが、完全に別々の移送経路として設定されてもよい。また、実施形態では、第1移送経路に沿って反応容器22を移送する第1移送機構は、反応容器テーブル120および移送部142、106であり、第2移送経路に沿って反応容器22を移送する第2移送機構は、反応容器テーブル120および移送部142であった。このように、実施形態では、第1移送機構と第2移送機構とが共通の機構を含んだが、これに限らず、第1移送機構と第2移送機構とが完全に別々の機構により構成されてもよい。
<バイオハザードに関して>
検体測定装置200に供される検体は、バイオハザードの発生源となり得る検体である場合もあり得る。検体は栓体11を備える検体容器10に収容されているため、検体測定装置200が正常に動作している間にバイオハザードが発生する虞は無い。しかし、検体測定装置200の動作に異常が発生した場合には、検体測定装置200内において検体容器10が破損し、検体が検体容器10の外に漏出してしまう等のバイオハザードが発生する可能性も考えられる。あるいは、検体が収容された反応容器22が破損して検体が漏れ出す可能性もある。例えば、図7の斜線を付した部材は、検体が移送される経路上にあり、かつ検体容器10および反応容器22などと接触する部材である。それゆえ、検体測定装置200の動作に異常が発生したときに、検体測定装置200の動作を停止させて検体を速やかに回収する場合、特に、図7の斜線を付した部材の動作を確実に停止させることが望ましい。第2モジュール61内の、反応容器21などと接触する部材の動作についても同様である。
(第2モジュール61の回路部)
次に、図8を参照して、第2モジュール61の回路部の構成を説明する。図8に示すように、第2モジュール61は、回路部の構成として、CPU基板411、マスター基板412、および3つのスレーブ基板415を含む制御部61aと、電源413および416を含む電源、移送部202、282と、受渡テーブル210、220と、第2試薬保冷部234と、第2加温部240と、BF分離部250と、試薬分注部260と、試薬収容部270と、第2処理部51と、移送部310と、分注部320と、を備える。なお、図8には、3つのスレーブ基板415を備える例を示しているが、スレーブ基板415の数はこれに限定されない。
また、第2モジュール61は、回路部の構成として、記憶部61bと、洗浄機構61c、61dと、を備える。制御部61aは、記憶部61bに記憶されたプログラムに従い動作することによって、第2モジュール61内の各部を制御する。記憶部61bは、ROM、RAMおよびハードディスク等により構成される。洗浄機構61cは、洗浄槽205と、洗浄槽205およびノズル325、326に洗浄液を流すための流路および機構と、を備える。洗浄機構61dは、BF分離部250のノズル254を洗浄するための洗浄槽と、この洗浄槽とノズル254に洗浄液を流すための流路および機構と、を備える。
(第2モジュール61の構成)
次に、図9を参照して、第2モジュール61の構成を説明する。図9に示すように、第2モジュール61は、部材201と、移送部202と、受渡テーブル210、220と、部材203と、反応容器ラック204と、第2試薬保冷部234と、洗浄槽205と、第2加温部240と、BF分離部250と、試薬分注部260と、試薬収容部270と、部材281と、移送部282と、廃棄口283と、第2処理部51と、を備える。
部材201は、反応容器22を保持するための保持孔201aを備える。第1モジュール62の移送部142は、第2検体を収容する反応容器22を、反応容器テーブル120の保持孔121から取り出して、部材201の保持孔201aにセットする。受渡テーブル210は、複数の保持孔211を備える。受渡テーブル210は、平面視において円形の輪郭を有し、周方向に回転可能に構成されている。移送部202は、保持孔201aから反応容器22を取り出して、受渡テーブル210の保持孔211にセットする。
<移送部310および分注部320>
ここで、第2モジュール61は、図9に示す各部に加えて、図10に示す移送部310と分注部320をさらに備える。図10は、第2モジュール61が備える移送部310および分注部320の構成例を示す図である。移送部310は、Y−Z平面に平行な第2モジュール61内の壁面に設置されており、分注部320は、第2モジュール61の天井面に設置されている。
図10に示すように、移送部310は、前後移送部311と、左右移送部312と、上下移送部313と、支持部材314と、把持部315と、を備える。前後移送部311は、ステッピングモータを駆動して、Y軸方向に延びたレール311aに沿って左右移送部312をY軸方向に移送する。左右移送部312は、ステッピングモータを駆動して、X軸方向に延びたレール312aに沿って上下移送部313をX軸方向に移送する。上下移送部313は、ステッピングモータを駆動して、Z軸方向に延びたレール313aに沿って支持部材314をZ軸方向に移送する。支持部材314には把持部315が設置されている。把持部315は、反応容器21、22を把持可能に構成されている。
移送部310は、前後移送部311と、左右移送部312と、上下移送部313とを駆動することにより、把持部315を第2モジュール61内でX、Y、Z軸方向に移送する。これにより、反応容器21、22が第2モジュール61内で移送可能となる。
分注部320は、前後移送部321と、上下移送部322と、支持部材323、324と、ノズル325、326と、を備える。前後移送部321は、ステッピングモータを駆動して、Y軸方向に延びたレール321aに沿って上下移送部322をY軸方向に移送する。上下移送部322は、ステッピングモータを駆動して、Z軸方向に延びたレール322aに沿って支持部材323をZ軸方向に移送し、Z軸方向に延びたレール322bに沿って支持部材324をZ軸方向に移送する。
ノズル325、326は、Y軸方向に並ぶように、それぞれ、支持部材323、324に設置されている。ノズル325、326は、Z軸方向に延び、ノズル325、326の先端は、Z軸正方向に向けられている。ノズル325は、検体の分注に用いられ、ノズル326は、試薬の分注に用いられる。
また、図10に示すように、ノズル325、326、検体吸引位置222、洗浄槽205、保持孔203a、および試薬吸引位置224のX軸方向における位置は、同じである。すなわち、これらの部材および位置は、Z軸方向に見た場合、Y軸方向に平行な1つの直線上に並んでいる。これにより、ノズル325、326をX軸方向に動かす機構がなくても、ノズル325、326をY軸方向に動かすだけで、ノズル325、326を、検体吸引位置222と、洗浄槽205と、保持孔203aと、試薬吸引位置224とに位置付けることができる。よって、分注部320の構成を簡素化できる。また、1つの洗浄槽205によりノズル325、326を洗浄できるため、洗浄槽205をノズル325、326において共通化できる。
図9に戻り、受渡テーブル210の保持孔211に反応容器22が設置されると、移送部310は、保持孔211から反応容器22を取り出し、受渡テーブル220の保持孔221にセットする。受渡テーブル220は、3つの保持孔221を備える。受渡テーブル220は、平面視において円形の輪郭を有し、周方向に回転可能に構成されている。受渡テーブル220の保持孔221に反応容器22が設置されると、受渡テーブル220が周方向に回転され、反応容器22が検体吸引位置222に位置付けられる。
反応容器ラック204は、30個の新しい反応容器21を収容する。部材203は、反応容器21を保持するための保持孔203aを備える。
移送部310は、反応容器ラック204から反応容器21を取り出して、保持孔203aにセットする。そして、分注部320は、ノズル325を用いて、検体吸引位置222に位置付けられた反応容器22内の第2検体を吸引して、吸引した第2検体を保持孔203aにセットされた反応容器21に吐出する。これにより、第2検体が、反応容器22から反応容器21へと移し替えられる。第2検体の移し替えが行われると、ノズル325が洗浄槽205において洗浄される。移し替えが終了した反応容器22は、移送部282により廃棄口283に廃棄される。
第2試薬保冷部234に含まれている第2試薬テーブル230は、免疫検査に関する測定に使用する試薬を収容した試薬容器231〜233を設置可能に構成されている。なお、第2試薬保冷部234は、第2モジュール61が保持している試薬の温度を適切に制御するための温度制御機能である。第2試薬テーブル230は、周方向に回転可能に構成されている。試薬容器231は、R1試薬を収容し、試薬容器232は、R2試薬を収容し、試薬容器233は、R3試薬を収容している。なお、第2試薬テーブル230は、第2試薬保冷部234に含まれている。
移送部310は、第2検体を収容する反応容器21を保持孔203aから取り出し、洗浄槽205の上方に位置付ける。この状態で、分注部320は、ノズル326を用いて、試薬吸引位置224に位置付けられた試薬容器231からR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を洗浄槽205の上方に位置付けられた反応容器21に吐出する。R1試薬の分注が行われると、ノズル326が洗浄槽205において洗浄される。
第2加温部240は、温度制御機構であり、反応容器21を加温するための保持孔241を複数備える加温テーブルである。移送部310は、R1試薬が吐出された反応容器21を第2加温部240の保持孔241にセットする。第2加温部240で所定時間だけ反応容器21が加温されると、移送部310は、保持孔241から反応容器21を取り出し、洗浄槽205の上方に位置付ける。この状態で、分注部320は、ノズル326を用いて、試薬吸引位置224に位置付けられた試薬容器232からR2試薬を吸引し、吸引したR2試薬を、洗浄槽205の上方に位置付けられた反応容器21に吐出する。R2試薬の分注が行われると、ノズル326が洗浄槽205において洗浄される。
移送部310は、R2試薬が吐出された反応容器21を第2加温部240の保持孔241に設置する。第2加温部240で所定時間だけ反応容器21が加温されると、移送部310は、保持孔241から反応容器21を取り出し、BF分離部250に移送する。
ここで、R1試薬は、被検物質と結合する補足物質を含み、R2試薬は、磁性粒子を含む。反応容器21に対してR1試薬とR2試薬が吐出され、第2加温部240で加温が行われると、反応容器21内の第2検体に含まれる被検物質が、抗原抗体反応により、補足物質を介して磁性粒子と結合する。これにより、被検物質と磁性粒子とが結合した複合体が生成される。
BF分離部250は、X軸方向に延びたレール251と、レール251に沿って移動する支持部材252と、支持部材252に設置された磁石253と、反応容器21内の液体成分を吸引するためのノズル254と、洗浄液を吐出するためのノズル255と、反応容器21を把持するための把持部256と、を備える。また、BF分離部250は、レール251に沿って支持部材252をX軸方向に移送するための機構と、ノズル254、255および把持部256をZ軸方向に移送するための機構と、を備える。
移送部310は、R2試薬の吐出後の加温が終了した反応容器21を、支持部材252に設けられた保持孔252aにセットする。磁石253は、保持孔252aのX軸負側に近接して配置されている。このため、保持孔252aにセットされた反応容器21において、複合体が反応容器21のX軸負側の壁面に引き寄せられる。
続いて、保持孔252aにセットされた反応容器21が、ノズル254の真下に位置付けられる。ノズル254により、反応容器21内の液体成分が除去される。そして、保持孔252aにセットされた反応容器21が、ノズル255の真下に位置付けられる。ノズル255により、反応容器21内に洗浄液が吐出される。そして、把持部256が、保持孔252aから反応容器21を取り出し、取り出した反応容器21に振動を与えて攪拌する。攪拌が終わると、把持部256は、反応容器21を保持孔252aに戻す。そして、ノズル254により、反応容器21内の液体成分が除去される。BF分離部250において、このような動作が繰り返し行われる。
続いて、移送部310は、BF分離部250における処理が終了した反応容器21を、保持孔252aから取り出し、洗浄槽205の上方に位置付ける。この状態で、分注部320は、ノズル326を用いて、試薬吸引位置224に位置付けられた試薬容器233からR3試薬を吸引し、吸引したR3試薬を、洗浄槽205の上方に位置付けられた反応容器21に吐出する。そして、移送部310は、R3試薬が吐出された反応容器21を第2加温部240の保持孔241にセットする。第2加温部240で所定時間だけ反応容器21が加温されると、移送部310は、保持孔241から反応容器21を取り出し、BF分離部250に移送する。そして、BF分離部250において、再度、BF分離の処理が行われる。
ここで、R3試薬は、捕捉物質として抗体が用いられた標識抗体を含む。反応容器21に対してR3試薬が吐出され、第2加温部240で加温が行われると、被検物質と、捕捉抗体と、磁性粒子と、標識抗体とが結合した複合体が生成される。
続いて、移送部310は、BF分離部250における2度目の処理が終了した反応容器21を、保持孔252aから取り出し、試薬分注部260のノズル261の真下に位置付ける。試薬分注部260は、R4試薬を吐出するためのノズル261と、R5試薬を吐出するためのノズル262と、を備える。また、試薬分注部260は、ノズル261、262をZ軸方向に移送するための機構を備える。
試薬分注部260は、ノズル261により、反応容器21にR4試薬を吐出する。続いて、移送部310は、R4試薬の吐出が終了した反応容器21を、ノズル262の真下に位置付ける。試薬分注部260は、ノズル262により、反応容器21にR5試薬を吐出する。なお、R4試薬とR5試薬は、それぞれ、試薬収容部270に設置された試薬容器271、272に収容されており、ノズル261、262は、それぞれ、試薬容器271、272と図示しない流路により接続されている。
ここで、R4試薬は、反応容器21内の複合体を分散させるための試薬である。複合体とR4試薬とが混合されると、反応容器21内において複合体が分散される。また、R5試薬は、複合体に結合された標識抗体との反応により光を生じる発光基質を含む試薬である。複合体とR5試薬とが混合されると、複合体に結合された標識抗体と発光基質とが反応することにより、化学発光が生じる。こうして、第2処理部51において測定される測定試料の調製が完了する。
移送部310は、R5試薬の吐出が終了した反応容器21を第2加温部240の保持孔241に設置する。第2加温部240で所定時間だけ反応容器21が加温されると、移送部310は、保持孔241から反応容器21を取り出し、部材281に設けられた保持孔281aにセットする。
第2処理部51は、蓋51aと保持孔51bを備える。蓋51aは、保持孔51bの上方において開閉可能に構成されている。反応容器21が保持孔281aにセットされると、蓋51aが開けられ、移送部282は、保持孔281aから反応容器21を取り出して、第2処理部51の保持孔51bにセットする。そして、蓋51aが閉じられ、保持孔51bにおいて、反応容器21内の測定試料から生じた光が測定される。反応容器21内の測定試料の測定が終了すると、この反応容器21は、移送部282により廃棄口283に廃棄される。
(LED611およびスピーカ612の制御)
次に、図11を参照して、LED611およびスピーカ612の制御について説明する。図11は、図1に示す検体分析システム100におけるLED611およびスピーカ612の制御の流れを示す図である。図11において、検体供給モジュール63および電源413・416・419・424は省略している。図11に示すように、例えば、検体分析システム100にエラーが発生した場合、分析装置64は、ハブ71を介して、第1モジュール62のCPU基板420上の回路に、検体分析システム100にエラーが発生していることを通知する。
その後、CPU基板420上の回路は、マスター基板421上の回路を介して、スレーブ基板418上の回路に、検体分析システム100にエラーが発生していることを通知する。スレーブ基板418上の回路は、LED611を発光させ、スピーカ612に音声を出力させることにより、検体分析システム100の周囲にいる作業者に、検体分析システム100にエラーが発生していることを知らせる。
(緊急停止の動作)
次に、図12を参照して、検体測定装置200の緊急停止の動作について説明する。図12は、図1に示す検体測定装置200を緊急停止させる制御信号の流れを示す図である。図12において、3つのスレーブ基板415、スレーブ基板418、および緊急停止スイッチ423以外の構成は省略している。図12に示すように、第2モジュール61の3つのスレーブ基板415上の回路の各々は、緊急停止信号入力回路415aを備えている。また、第1モジュール62は、緊急停止スイッチ423をさらに備えている。第1モジュール62のスレーブ基板418上の回路は、センサ入力回路418aと、FPGA(Field Programmable Gate Array)418bと、アクチュエータ出力回路418cと、を備えている。
作業者によって緊急停止スイッチ423が押されると、センサ入力回路418aに緊急停止信号が入力される。センサ入力回路418aは、FPGA418b上の回路およびアクチュエータ出力回路418cを介して、3つのスレーブ基板415上の回路の各々が備える緊急停止信号入力回路415aに、緊急停止信号を入力する。
3つの緊急停止信号入力回路415aは、アクチュエータ出力回路418cから緊急停止信号が入力されると、スレーブ基板418は、スレーブ基板418と通信可能なスレーブ基板415に対して緊急停止信号を送信する。その後、スレーブ基板418は第1モジュール62を緊急停止させる。一方、スレーブ基板415は第2モジュール61を緊急停止させる。
(断路部65)
検体分析システム100は、図12に示すように、分析装置64からの制御信号によって、第1商用電源83および第2商用電源82から検体測定装置200への電力供給を緊急停止させる手段を備えている。検体測定装置200は、これとは別に、第1モジュール62および第2モジュール61への電力供給を簡単な操作で確実に遮断するための断路部65を備えている。断路部65を用いることにより、第1モジュール62および第2モジュール61への電力供給を確実に一括して遮断し、両モジュールの動作を確実に停止させることができる。
例えば、検体測定装置200の動作が、分析装置64からの制御信号によって停止しなかった場合、検体測定装置200の動作を確実に停止させるために、断路部65が操作され得る。あるいは、検体測定装置200が動作していない状態において、保守点検を行う場合に、断路部65が操作され得る。検体測定装置200への電力供給を確実に遮断しておくことにより、保守点検を行う者の安全を確保することができる。
<断路部65が操作される場面>
検体測定装置200の主電源がONである状態において断路部65が操作(すなわち、「開」状態への切り替え操作)された場合、第1モジュール62および第2モジュール61の動作は即座に停止する。これにより、図7において斜線を付した部材などの動作を確実に停止させることができるため、検体測定装置200内を移送されている検体容器10、反応容器21、および反応容器22を安全に回収することができる。検体容器10、反応容器21、および反応容器22が回収された後に、断路部65を元の状態に戻す操作(すなわち、「閉」状態への切り替え動作)がなされればよい。
検体測定装置200の主電源がOFFである状態において断路部65が操作(すなわち、「開」状態への切り替え操作)される場合もあり得る。例えば、検体測定装置200の保守点検を行う場合などが該当する。検体測定装置200の保守点検を行う者の安全を確保するために、第1モジュール62および第2モジュール61の動作を確実に停止させておくことが好ましい。
例えば、第1電源コード67および第2電源コード66をそれぞれ、第1商用電源83および第2商用電源82から抜くことで、確実に検体測定装置200の動作を停止させることはできるものの、作業後に、第1電源コード67および第2電源コード66のそれぞれを、元の第1商用電源83および第2商用電源82に正しく接続する必要がある。なぜなら、第1モジュール62および第2モジュール61の消費電力には差があり得るため、それぞれへの電力供給をどの商用電源から行うかについては変更できない可能性が有るからである。断路部65を用いることにより、第1電源コード67および第2電源コード66のそれぞれを、第1商用電源83および第2商用電源82から抜くことなく、第1モジュール62および第2モジュール61の動作を確実に停止させることができる。
検体測定装置200の主電源がONである状態において断路部65が操作(すなわち、「開」状態への切り替え操作)された場合、第1モジュール62および第2モジュール61の動作は即座に停止する。これにより、図7において斜線を付した部材などの動作を確実に停止させることができるため、検体測定装置200内を移送されている検体容器10、反応容器21、および反応容器22を安全に回収することができる。検体容器10、反応容器21、および反応容器22が回収された後に、断路部65を元の状態に戻す操作(すなわち、「閉」状態への切り替え動作)がなされればよい。
なお、第1モジュール62の主電源スイッチ513を切っても、第2モジュール61への電力供給が切れなくなる場合も想定される。このような場合の例としては、(1)第1モジュール62のマスター基板421で何らかの異常が起こり、リモート信号配線S2におけるリモートON信号を発し続けるようになる場合、および、(2)第1モジュール62のマスター基板421は、電源413をOFF状態にするリモートOFF信号は発信しているものの、この信号を受信する第2モジュール61の電源413が、電源413をON状態にするリモートON信号と誤って認識してしまう場合、などが挙げられる。また、検体測定装置200の回路がショートして発煙しているような場合であれば、重大な事故につながる恐れもあるため、断路部65によって、電力供給を緊急に機械的に遮断することが望ましい。
(断路部65の設置例)
次に、図13を参照して、断路部65の設置例について説明する。図13の(a)〜(c)は、検体測定装置が備える断路部65の位置を示す図である。図13において、断路部65、電源413・416・419・424、第2インレット417、第1インレット422、第1電源コード67、および第2電源コード66以外の構成は省略している。図13の(a)に示すように、例えば、断路部65は、第2モジュール61の内部に設けられていてもよい。この場合の検体測定装置の構成は、図3に示す検体測定装置200の構成と同一である。
図13の(b)に示すように、検体測定装置200aでは、例えば、断路部65は、第1モジュール62の内部に設けられていてもよい。この場合、第2インレット417から電源413および電源416までの配線経路P1は、第2インレット417、第2モジュール61の内部、第1モジュール62の内部、断路部65の内部、第1モジュール62の内部、第2モジュール61の内部、ならびに電源413および電源416の順でそれらを通過する経路である。
また、第1インレット422から電源419および電源424までの配線経路Q1は、第1インレット422、第1モジュール62の内部、断路部65の内部、第1モジュール62の内部、ならびに電源419および電源424の順でそれらを通過する経路である。
図13の(c)に示すように、検体測定装置200bでは、例えば、断路部65は、第1モジュール62と第2モジュール61との間に設けられた搬送路81に設けられていてもよい。つまり、第1モジュール62と第2モジュール61とは別体に設けられる。搬送路81は、第1モジュール62と第2モジュール61との間で検体を搬送する。断路部65は搬送路81の中央に設けられていてもよい。この場合、第2インレット417から電源413および電源416までの配線経路P1は、第2インレット417、第2モジュール61の内部、搬送路81の内部、断路部65の内部、搬送路81の内部、第2モジュール61の内部、ならびに電源413および電源416の順でそれらを通過する経路である。
また、第1インレット422から電源419および電源424までの配線経路Q1は、第1インレット422、第1モジュール62の内部、搬送路81の内部、断路部65の内部、搬送路81の内部、第1モジュール62の内部、ならびに電源419および電源424の順でそれらを通過する経路である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。