<実施形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施形態1を説明する。
図1は、実施形態1に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。実施形態1に係る基板処理装置1は、基板(例えば、半導体ウエハ)Wに処理を行う装置である。処理は、例えば、基板Wに処理液を供給する液処理である。
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、有機EL(Electroluminescence)用基板、FPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板である。
1.基板処理装置1の概要
基板処理装置1は、保持部3と回転モータ5を備える。保持部3は基板Wを保持する。具体的には、保持部3は基板Wを略水平姿勢で保持する。保持部3は、例えば、基板Wの裏面(下面)を吸着保持する。回転モータ5は、保持部3の底部中央に連結する。回転モータ5は、保持部3を略鉛直軸回りに回転させる。これにより、保持部3に保持された基板Wは、略鉛直軸回りに回転する。
基板処理装置1は、ノズル7とカップ9を備える。ノズル7は保持部3に保持される基板Wに処理液を供給する。ノズル7は、保持部3の上方にあたる吐出位置に移動可能に設けられる。ノズル7が吐出位置にあるとき、ノズル7は保持部3に保持される基板Wの上面に処理液を吐出する。カップ9は、保持部3の側方を囲むように配置される。カップ9は、基板Wから飛散した処理液を受けとめて回収する。
基板処理装置1は処理液供給源10と処理液供給装置11を備える。処理液供給源10は、例えば、処理液を貯留するタンクである。処理液は、例えば、レジスト膜材料や各種の塗膜材料、薬液、シンナー、純水である。処理液供給装置11は処理液を供給する。具体的には、処理液供給装置11は、処理液供給源10からノズル7に処理液を供給する。
処理液供給装置11は、本発明における液体供給装置の例である。処理液は、本発明における液体の例である。
2.処理液供給装置11の構成
処理液供給装置11は、ポンプ装置13を備える。ポンプ装置13は、処理液供給源10から処理液を吸入し、吸入した処理液をノズル7に吐き出す。
処理液供給装置11は、吸入管14と吐出管15と排出管16を備える。吸入管14は、処理液供給源10とポンプ装置13に接続される。具体的には、吸入管14は、処理液供給源10に接続される第1端と、ポンプ装置13に接続される第2端を有する。吐出管15は、ポンプ装置13とノズル7に接続される。具体的には、吐出管15は、ポンプ装置13に接続される第1端と、ノズル7に接続される第2端を有する。排出管16は、ポンプ装置13に接続される。具体的には、排出管16は、ポンプ装置13に接続される第1端を有する。排出管16は、例えば、不図示の処理液回収部に接続される。
処理液供給装置11は弁17、18、19を備える。弁17は吸入管14上に設けられる。弁17は、吸入管14内における流路を開閉する。弁18は吐出管15上に設けられる。弁18は、吐出管15内における流路を開閉する。弁19は、排出管16上に設けられる。弁19は、排出管16内における流路を開閉する。弁17−19は、互いに独立して作動可能である。
吸入管14内における流路は、本発明における吸入流路の例である。吐出管15内における流路は、本発明における吐出流路の例である。排出管16内における流路は、本発明における排出流路の例である。
ポンプ装置13は、処理液を収容するポンプ室21を備える。ポンプ室21は空間である。
ポンプ装置13は、筐体22とダイヤフラム26を備える。筐体22とダイヤフラム26は、ポンプ室21を区画する。筐体22は、例えば、円筒形状を呈する。筐体22は、筐体22の内部に内部空間を有する。筐体22の内部空間は、ポンプ室21に相当する。筐体22は、開放されている一端部を有する。一端部は、例えば、筐体22の底部である。ダイヤフラム26は、筐体22の一端部に取り付けられる。ダイヤフラム26は、筐体22の一端部を覆う。ダイヤフラム26は、可撓性を有する。ダイヤフラム26は、例えば、ローリングダイヤフラムである。ダイヤフラム26の材質は、例えば合成樹脂である。このように、ポンプ室21は、筐体22とダイヤフラム26によって区画される。
筐体22は、開口23、24、25を有する。開口23−25はそれぞれ、ポンプ室21に連通する。開口23は、吸入管14の第2端に接続される。開口24は、吐出管15の第1端に接続される。開口25は、排出管16の第1端に接続される。これにより、ポンプ室21は吸入管14と吐出管15と排出管16に連通される。ポンプ室21は処理液供給源10に連通される。ポンプ室21はノズル7に連通される。
弁17−19は、ポンプ室21を閉塞可能である。具体的には、弁17−19がそれぞれ吸入管14と吐出管15と排出管16を閉じているとき、ポンプ室21は閉塞される。
ポンプ装置13はピストン27とモータ28を備える。ピストン27とモータ28は、ポンプ室21の外部に設けられる。モータ28は、ピストン27をポンプ室21に対して移動させる。このように、ピストン27は、ポンプ室21に対して移動可能に設けられる。
具体的には、ピストン27は、ダイヤフラム26に取り付けられる第1端を有する。ピストン27は、モータ28に連結される第2端を有する。より詳しくは、ピストン27とモータ28は、モータ28の回転運動をピストン27の直線運動に変換する不図示の機構を介して連結される。モータ28は、例えばステッピングモータである。モータ28が正転及び逆転すると、ピストン27はモータ28に対して往復直線移動する。図1は、ピストン27が移動する方向D1、D2を例示する。ピストン27が方向D1に移動するとき、ピストン27はポンプ室21に近づく。ピストン27が方向D2に移動するとき、ピストン27はポンプ室21から遠ざかる。
ピストン27がポンプ室21に対して移動するとき、ピストン27はダイヤフラム26を変形させ、ピストン27はポンプ室21の容積を変える。ピストン27が方向D1に移動するとき、ポンプ室21の容積は減少する。ピストンが方向D2に移動するとき、ポンプ室21の容積は増加する。なお、ピストン27がポンプ室21に対して移動するとき、筐体22は変形しない。
さらに、ピストン27は、ポンプ室21を押圧する。具体的には、ピストン27は、方向D1の力をポンプ室21に作用させる。
ピストン27は、本発明における可動部材の例である。ダイヤフラム26は、本発明における可動隔壁部材の例である。
ポンプ装置13は、ポンプ室21の圧力を検出する圧力センサ29を備える。圧力センサ29は、例えば、筐体22に取り付けられている。
処理液供給装置11は、制御部31を備える。制御部31は、弁17−19とモータ28と圧力センサ29に、通信可能に接続される。制御部31は弁17−19とモータ28を制御する。ここで、制御部31がモータ28を制御することは、制御部31がピストン27を制御することと同義である。制御部31は圧力センサ29によって検出された検出結果を取得する。
処理液供給装置11は、記憶部33を備える。記憶部33は基準情報を記憶する。基準情報は、ポンプ室21の圧力に関する情報である。基準情報は、基板処理装置1および処理液供給装置11の動作前に予め設定されている。記憶部33は、制御部31に、通信可能に接続される。制御部31は、記憶部33に記憶される基準情報を参照する。
制御部31は、例えば、各種処理を実行するプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)と、各種情報を記憶する半導体メモリを備える。記憶部33は、半導体メモリおよびハードディスクの少なくともいずれかを備える。
3.動作
実施形態1に係る基板処理装置1および処理液供給装置11の動作例を説明する。図2は、処理液供給装置11の動作の手順を示すフローチャートである。処理液供給装置11の動作は、吸入動作(ステップS1)と吐出動作(ステップS2)と加圧動作(ステップS3)と判定処理(ステップS4)と副吸入動作(ステップS5)と排出動作(ステップS6)を含む。制御部31は、吸入動作と吐出動作を、この順に実行させる。この一連の動作は、繰り返される。制御部31は、吐出動作の後で吸入動作の前の期間に、加圧動作と判定処理を実行する。判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたときに限り、制御部31は副吸入動作と排出動作を実行させる。
図3(a)−3(d)は、処理液供給装置11の動作を模式的に示す図である。なお、図3(a)−3(d)は、便宜上、図1に比べて簡略化して示す。図3(a)−3(d)は、便宜上、ポンプ室21に収容される処理液に、符号Rを付す。
以下の説明では、ポンプ室21が既に処理液Rで満たされているものとする。
[ステップS1:吸入動作]
図3(a)は、吸入動作を模式的に示す図である。制御部31は、弁17−19とピストン27を制御することによって、吸入動作を実行させる。吸入動作は、吸入管14からポンプ室21に処理液Rを入れる動作である。
具体的には、弁17は吸入管14を開く。弁18、19は吐出管15および排出管16を閉じる。ピストン27は、方向D2に移動し、ポンプ室21から遠ざかる。これにより、ポンプ室21の容積が増大する。ポンプ室21は、吸入管14から処理液Rを吸入する。
[ステップS2:吐出動作]
図3(b)は、吐出動作を模式的に示す図である。制御部31は、弁17−19とピストン27を制御することによって、吐出動作を実行させる。吐出動作は、ポンプ室21から吐出管15に処理液Rを出す動作である。
具体的には、弁18は吐出管15を開く。弁17、19は吸入管14および排出管16を閉じる。ピストン27はポンプ室21を押圧する。ピストン27は、方向D1に移動し、ポンプ室21に近づく。これにより、ポンプ室21の容積が減少する。ポンプ室21は吐出管15に処理液Rを吐き出す。
処理液Rは、吐出管15を通じてノズル7に供給される。ノズル7は、保持部3に保持された基板Wに処理液Rを供給する。これにより、1枚の基板Wに処理が行われる。
[ステップS3:加圧動作]
図3(c)は、加圧動作を模式的に示す図である。制御部31は、弁17−19とピストン27を制御することによって、加圧動作を実行させる。加圧動作は、弁17−19がポンプ室21を閉塞している状態においてピストン27がポンプ室21を押圧することにより、ポンプ室21の圧力を高くする動作である。
具体的には、弁17−19はそれぞれ、吸入管14、吐出管15および排出管16を閉じる。これにより、ポンプ室21は閉塞される。ポンプ室21が閉塞された状態において、ピストン27がポンプ室21を押圧する。具体的には、ピストン27は、方向D1の力Fをポンプ室21に作用させる。これにより、ポンプ室21の圧力が上昇する。すなわち、ポンプ室21の処理液Rの圧力が上昇する。
加圧動作において、ピストン27はポンプ室21に対して方向D1に移動してもよいし、移動しなくてもよい。すなわち、加圧動作において、ピストン27はポンプ室21に近づいてもよいし、近づかなくてもよい。
制御部31は、吐出動作の終了と同時に加圧動作を開始させる。制御部31は、吐出動作と加圧動作にわたって、ピストン27によるポンプ室21への押圧を継続させる。弁18が吐出管15を閉じた瞬間に、吐出動作から加圧動作に切り替わる。
加圧動作の期間は、例えば、1秒以下である。加圧動作の期間は、例えば、0.1秒から0.3秒の範囲内である。加圧動作は、ポンプ室21の圧力を、例えば数10[kPa]に加圧する。加圧動作は、ポンプ室21の圧力を、例えば20[kPa]に加圧する。なお、本明細書では、圧力を、大気圧を基準としたゲージ圧で表記する。
加圧動作の実行中、圧力センサ29は、ポンプ室21の圧力を検出する。
[ステップS4:判定処理]
制御部31は、加圧動作の実行中に検出される圧力センサ29の検出結果を取得する。制御部31は、記憶部33から基準情報を取得する。制御部31は、加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果と記憶部33に記憶される基準情報に基づいて、判定処理を実行する。判定処理は、ポンプ室21が気泡を含むか否かを判定する処理である。
判定処理は、加圧動作の実行中に、実行されてもよい。
ここで、判定処理の原理について説明する。本発明者は、ポンプ室21が気泡を含むか否かによって、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の圧力が、比較的に大きく変動することを知見した。
図4は、ポンプ室21の圧力と時間の関係を模式的に示す図である。図4の横軸は、時間である。図4の縦軸は、ポンプ室21の圧力である。
吐出動作は、時刻t1に終了する。加圧動作は、時刻t1に開始される。加圧動作は、時刻t3に終了する。加圧動作は、時刻t1−t3の期間に実行される。
波形A、Bはともに、ポンプ室21の圧力の時間的な変化を示す。波形Aは、気泡を含まないポンプ室21の圧力に関する情報である。波形Bは、気泡を含むポンプ室21の圧力に関する情報である。波形A、Bは、基板処理装置1および処理液供給装置11の動作前に、実験またはシミュレーションによって取得される。
時刻t1−t3の期間に大部分において、波形Aは波形Bよりも低い。例えば、時刻t2における波形Aの瞬時値a2は、時刻t2における波形Bの瞬時値b2よりも高い。ここで、時刻t2は、例えば、時刻t1から、所定の時間taが経過する時点である。時刻t2は、時刻t1−t3の期間内の時点である。時刻t2と時間taは、波形A、Bの違いが明瞭に表れるように、適宜に設定される。例えば、時間taは、時刻t1−t3の期間の半分であってもよい。
このように、ポンプ室21が気泡を含まない場合に比べて、ポンプ室21が気泡を含む場合には、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の圧力の上昇が抑制される。
波形Bが波形Aよりも低い原因は、ポンプ室21の気泡がポンプ室21の圧力の上昇を緩和しているからと考えられる。言い換えれば、ポンプ室21の気泡がクッションの役割を果たしているからと考えられる。
上述した知見に基づいて、判定処理の原理は、以下の通りである。加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果が波形Bよりも波形Aに近い場合、ポンプ室21は気泡を含まないと判定する。加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果が波形Aよりも波形Bに近い場合、ポンプ室21は気泡を含むと判定する。
判定処理の具体例を説明する。基準情報は、波形A、Bに基づいて、決定される。基準情報は、例えば、瞬時値a2と閾値cを含む。閾値cは、例えば、瞬時値a2、b2に基づいて決定される。閾値cは、例えば、瞬時値a2と瞬時値b2の差と同等またはそれよりも小さい。
制御部31は、圧力センサ29の検出結果から、所定の時点における瞬時値dを抽出する。所定の時点は、例えば、加圧動作が開始された時刻から所定の時間taが経過する時点である。制御部31は、瞬時値a2と瞬時値dの差eを算出する。制御部31は、差eが閾値c未満であるか否かを判断する。差eが閾値c未満である場合、ポンプ室21が気泡を含まないと制御部31は判定する。ポンプ室21が気泡を含まないと判定されたとき、ステップS1に戻る。差eが閾値c以上である場合、ポンプ室21が気泡を含むと制御部31は判定する。ポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、ステップS5に進む。
[ステップS5:副吸入動作]
制御部31は、弁17−19とピストン27を制御することによって、副吸入動作を実行させる。副吸入動作は、吸入動作と同じである。より詳しくは、副吸入動作と吸入動作とは、実行するタイミングが異なるだけであり、動作の内容は同じである。すなわち、副吸入動作は、吸入管14からポンプ室21に処理液Rを入れる動作である。このため、副吸入動作の説明を省略する。
[ステップS6:排出動作]
図3(d)は、排出動作を模式的に示す図である。制御部31は、弁17−19とピストン27を制御することによって、排出動作を実行させる。排出動作は、ポンプ室21から排出管16に気泡を出す動作である。
具体的には、弁19は排出管16を開く。弁17、18は吸入管14および吐出管15を閉じる。ピストン27は、方向D1に移動し、ポンプ室21に近づく。これにより、ポンプ室21の容積が減少する。ポンプ室21は、気泡を排出管16に吐き出す。ポンプ室21は、気泡とともに処理液Rを排出管16に吐き出す。
排出動作の終了後、ステップS1に戻る。
上述した処理液供給装置11の動作は、本発明における液体供給方法の例である。吐出動作は、本発明における吐出工程の例である。加圧動作は、本発明における加圧工程の例である。加圧動作の実行中における圧力センサ29の動作は、本発明における圧力検出工程の例である。判定処理は、本発明における判定工程の例である。排出動作は、本発明における排出工程の例である。
4.効果
実施形態1によれば、以下の効果を奏する。
制御部31は判定処理を実行する。これにより、ポンプ室21に収容される処理液R中の気泡を好適に検知できる。
判定処理はポンプ室21が気泡を含むか否かを判定する。ポンプ室21は外乱の影響を受けにくい。特に、閉塞されたポンプ室21は外乱の影響を一層受けにくい。このため、判定処理は、処理液R中の気泡を適切に検知できる。
処理液供給装置11は、弁17−19を備える。このため、ポンプ室21を好適に閉塞できる。処理液供給装置11は、さらに、ピストン27を備える。このため、ポンプ室21を好適に加圧できる。
制御部31は、加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果に基づいて、判定処理を実行する。すなわち、制御部31は、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の圧力に基づいて、判定処理を実行する。判定処理は、加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果に基づいて実行される。すなわち、判定処理は、加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果を基礎とする。上述したとおり、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の圧力は、気泡の影響を受けやすい。このため、判定処理は、処理液R中の気泡を精度良く検知できる。
処理液供給装置11は、圧力センサ29を備える。このため、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の圧力を好適に検出できる。
制御部31は、さらに、基準情報に基づいて、判定処理を実行する。判定処理は、さらに、基準情報に基づいて実行される。すなわち、判定処理は、基準情報を基礎とする。このため、判定処理は、ポンプ室21が気泡を含むか否かを的確に判定できる。よって、処理液R中の気泡を、より一層好適に検知できる。
処理液供給装置11は、記憶部33を備える。このため、制御部31は、基準情報を好適に参照できる。
制御部31は、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の圧力の瞬時値dに基づいて、判定処理を実行する。すなわち、判定処理の基礎とする検出結果は、圧力の瞬時値dを含む。これによれば、制御部31は、ポンプ室21が気泡を含むか否かを効率良く判定できる。すなわち、判定処理における演算量を軽減できる。
基準情報は、波形A、Bに基づいて決定される。より詳細に言えば、基準情報は、気泡を含まないポンプ室21に対して加圧動作を実行したときのポンプ室21の圧力と、気泡を含むポンプ室21に対して加圧動作を実行したときのポンプ室21の圧力に基づいて、決定される。このため、判定処理は、ポンプ室21が気泡を含むか否かを精度良く判定できる。
基準情報は、瞬時値a2を含む。このため、判定処理は、加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果を、基準情報と好適に比較できる。
判定処理は、基準情報(瞬時値a2)と検出結果(瞬時値d)の差eに基づいて、ポンプ室21が気泡を含むか否かを判定する。このため、判定処理は、ポンプ室21が気泡を含むか否かを適切に判定できる。
基準情報は、さらに閾値cを含む。このため、判定処理は、基準情報と検出結果の差eに基づいて、好適に判定できる。
制御部31は、1回の吐出動作を実行するごとに、加圧動作および判定処理を実行する。このため、気泡がポンプ室21から吐出管15に出ることを、未然に防止できる。
制御部31は、1回の吸入動作を実行するごとに、加圧動作および判定処理を実行する。このため、吸入管14からポンプ室21に入った気泡を、速やかに検知できる。
制御部31は、吐出動作の終了と同時に加圧動作を開始させる。このため、吐出動作および加圧動作の全体に要する時間を好適に短縮できる。
制御部31は、吐出動作と加圧動作にわたってピストン27によるポンプ室21への押圧を継続させる。このため、吐出動作の終了時においても、ポンプ室21はまだ加圧されたままである。このため、吐出動作が終了する時(すなわち、弁18が吐出管15を閉じる時)、吐出管15内における処理液Rの流れを適切に止めることができる。その結果、ノズル7の液切れを向上できる。具体的には、吐出動作の終了時に、ノズル7による処理液Rの吐出を適切に停止できる。例えば、吐出動作の終了後に、ノズル7から処理液Rが垂れることを好適に防止できる。
判定処理においてポンプ室21が気泡を含まないと判定されたとき、制御部31は、吐出動作を実行させる。これにより、ポンプ室21は、気泡を含まない処理液Rを吐出管14に吐き出すことができる。その結果、気泡を含まない処理液Rを基板Wに供給できる。
判定処理においてポンプ室21が気泡を含まないと判定されたとき、制御部31は、排出動作を実行させることなく、吐出動作を実行させる。このため、排出動作を不必要に実行することを好適に防止できる。
判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、制御部31は排出動作を実行させる。これにより、ポンプ室21から気泡を自動的に排出できる。具体的には、処理液供給装置11の動作を停止させることなく、ポンプ室21から気泡を排出し、その後、吐出動作を適切に実行できる。
判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定された後で、吐出動作の前に、制御部31は排出動作を実行させる。このため、ポンプ室21が吐出管14に気泡を吐き出すことを好適に防止できる。
排出動作は、ポンプ室21の気泡を、ポンプ室21の処理液Rとともに、排出管16に排出する。これにより、ポンプ室21から排出管16に、気泡を円滑に出すことができる。さらに、排出管16内において気泡を円滑に流すことができる。
判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、制御部31は、排出動作に加えて、副吸入動作を実行させる。より詳しくは、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定された後で、吐出動作の前に、制御部31は、排出動作に加えて、副吸入動作を実行させる。このため、ポンプ室21の気泡を一層円滑に排出できる。
基板処理装置1は、上述した処理液供給装置11を備える。このため、ポンプ室21における気泡を好適に検知できる。よって、基板Wに対する処理の品質を好適に保つことができる。
具体的には、処理液供給装置11は、気泡を含まない処理液Rを基板Wに供給できる。よって、基板Wに対する処理の品質を好適に保つことができる。
<実施形態2>
以下、図面を参照して本発明の実施形態2を説明する。なお、実施形態1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
図5は、実施形態2に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。実施形態2に係る基板処理装置1は、処理液供給装置11以外の構成に関して、実施形態1と略同じである。実施形態2に係る基板処理装置1は、処理液供給装置11の構成の点で、実施形態1と異なる。
1.処理液供給装置11の構成
処理液供給装置11は、2つのポンプ装置13を備える。以下では、2つのポンプ装置13を区別する場合、「第1ポンプ装置13a」、「第2ポンプ装置13b」と呼ぶ。
第1ポンプ装置13aの各要素の名前に、適宜に「第1」を付加する。第1ポンプ装置13の各要素の符号に、適宜に「a」を付加する。例えば、第1ポンプ装置13aのポンプ室21を、「第1ポンプ室21a」と適宜に呼ぶ。同様に、第2ポンプ装置13bの各要素の名前に、適宜に「第2」を付加する。第2ポンプ装置13の各要素の符号に、適宜に「b」を付加する。例えば、第2ポンプ装置13bのポンプ室21を、「第2ポンプ室21b」と適宜に呼ぶ。
第1ピストン27aは、本発明における可動部材と第1可動部材の例である。第2ピストン27bは、本発明における可動部材と第2可動部材の例である。
処理液供給装置11は、処理液を濾過するフィルタ41を備える。フィルタ41は、例えば、処理液から処理液中の異物などを分離・除去する。フィルタ41は、フィルタ本体42と複数(例えば3つ)の接続口43、44、45を備えている。フィルタ本体42は、濾過材と一次側流路と二次側流路(いずれも不図示)を含む。濾過材は、例えば多孔性の膜である。一次側流路は、濾過材の一次側に形成される処理液の流路である。二次側流路は、濾過材の二次側に形成される処理液の流路である。接続口43は、一次側流路の入口である。接続口44は、二次側流路の出口である。接続口45は、フィルタ本体42内の気体を排出するための排出口である。接続口45は、フィルタ本体42内の処理液も排出可能である。
処理液供給装置11は、配管51−56を備える。
配管51は、第1ポンプ室21aに接続される。具体的には、配管51は、第1ポンプ室21aの開口23aに接続される第1端を有する。配管51は、第1ポンプ室21aに処理液を入れる。さらに、配管51は、処理液供給源10に接続される。具体的には、配管51は、処理液供給源10に接続される第2端を有する。配管51は、処理液供給源10から第1ポンプ室21aに処理液を送る。
配管52は、第1ポンプ室21aとフィルタ41に接続される。配管52は、第1ポンプ室21aの開口23bに接続される第1端と、フィルタ41の接続口43に接続される第2端を有する。配管52は、第1ポンプ室21aからフィルタ41に処理液を送る。
配管53は、フィルタ41と第2ポンプ室21bに接続される。配管53は、フィルタ41の接続口44に接続される第1端と、第2ポンプ室21bの開口23bに接続される第2端を有する。配管53は、フィルタ41から第2ポンプ室21bに処理液を送る。
配管54は、第2ポンプ室21bに接続される。配管54は、第2ポンプ室21bの開口24bに接続される第1端を有する。配管54は、第2ポンプ室21bから処理液を出す。配管54は、さらに、ノズル7に接続される。配管54は、ノズル7に接続される第2端を有する。配管54は、第2ポンプ室21bからノズル7に処理液を供給する。
配管55は、第2ポンプ室21bと第1ポンプ室21aに接続される。配管55は、第2ポンプ室21bの開口25bに接続される第1端と、第1ポンプ室21aの開口25aに接続される第2端を有する。配管55は、第2ポンプ室21bから第1ポンプ室21aに処理液を戻す。
配管56は、フィルタ41に接続される。配管56は、フィルタ41の接続口45に接続される第1端を有する。配管56は、例えば、不図示の処理液回収部に接続される。配管56は、フィルタ41から気体(気泡を含む)を排出する。配管56は、さらに、フィルタ41から処理液を排出する。
処理液供給装置11は弁61−66を備える。弁61は配管51上に設けられる。弁61は、配管51内における流路を開閉する。すなわち、弁61は配管51を開閉する。同様に、弁62−66は配管52−56上に設けられる。弁62−66は、配管52−56内における流路を開閉する。すなわち、弁62−66は配管52−56を開閉する。
配管51内における流路は、本発明における第1吸入流路の例である。配管52内における流路は、本発明における第1吐出流路の例である。配管53内における流路は、本発明における第2吸入流路の例である。配管54内における流路は、本発明における第2吐出流路の例である。配管55内における流路は、本発明における戻り流路の例である。配管56内における流路は、本発明における排出流路の例である。
配管51は、本発明における第1吸入管の例である。配管52は、本発明における第1吐出管の例である。配管53は、本発明における第2吸入管の例である。配管54は、本発明における第2吐出管の例である。配管55は、本発明における戻り管の例である。配管56は、本発明における排出管の例である。
制御部31は、第1モータ28aと第2モータ28bと第1圧力センサ29aと第2圧力センサ29bと弁61−66に、通信可能に接続される。制御部31は第1モータ28aと第2モータ28bと弁61−66を制御する。ここで、制御部31が第1モータ28aを制御することは、制御部31が第1ピストン27aを制御することと同義である。
制御部31が第2モータ28bを制御することは、制御部31が第2ピストン27bを制御することと同義である。制御部31は、第1圧力センサ29aによって検出された検出結果および第2圧力センサ29bによって検出された検出結果を取得する。
2.動作
実施形態2に係る基板処理装置1および処理液供給装置11の動作例を説明する。図6は、処理液供給装置11の動作の手順を示すフローチャートである。処理液供給装置11の動作は、第1吸入動作(ステップS11)と第2吸入動作(ステップS12)とパージ動作(ステップS13)と加圧動作(ステップS14)と判定処理(ステップS15)と吐出動作(ステップS16)と決定処理(ステップS17)と排出動作(ステップS18)と第1副吸入動作(ステップS19)と第2副吸入動作(ステップS20)を含む。制御部31は、第1吸入動作と第2吸入動作とパージ動作と吐出動作を、この順に実行させる。この一連の動作は、繰り返される。よって、制御部31は、第2吸入動作とパージ動作と吐出動作と第1吸入動作を、この順に実行させる、と言うこともできる。制御部31は、パージ動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作と判定処理を実行する。判定処理において第2ポンプ室21bが気泡を含むと判定されたときに限り、制御部31は排出動作と第1副吸入動作と第2副吸入動作を実行させる。
図7−12は、処理液供給装置11の動作の模式的に示す図である。なお、図7−12は、便宜上、図5に比べて簡略化して示す。図7−12は、便宜上、第1ポンプ室21aおよび第2ポンプ室21bに収容される処理液に、符号Rを付す。
以下の説明では、第1ポンプ室21aと第2ポンプ室21bが、既に処理液Rで満たされているものとする。
[ステップS11:第1吸入動作]
図7は、第1吸入動作を模式的に示す図である。制御部31は、ピストン27(すなわち、第1ピストン27aおよび第2ピストン27b)と弁61−66を制御することによって、第1吸入動作を実行させる。第1吸入動作は、配管51から第1ポンプ室21aに処理液Rを入れる動作である。
具体的には、弁61は配管51を開く。弁62−66は配管52−56を閉じる。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aから遠ざかる。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aの容積を増大させる。これにより、第1ポンプ室21aは、配管51から処理液Rを吸入する。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bに対して静止する。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bの容積を変えない。
[ステップS12:第2吸入動作]
図8は、第2吸入動作を模式的に示すである。制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、第2吸入動作を実行させる。第2吸入動作は、配管52、53とフィルタ41を通じて、第1ポンプ室21aから第2ポンプ室21bに処理液Rを入れる動作である。
具体的には、弁62、63は配管52、53を開く。弁61、64−66は配管51、54−56を閉じる。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aを押圧する。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aに近づく。第1ピストン27aはポンプ室21の容積を減少させる。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bから遠ざかる。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bの容積を増大させる。第1ポンプ室21aは配管52に処理液Rを吐き出す。処理液Rはフィルタ41に入る。フィルタ41は処理液Rを濾過する。濾過された処理液Rがフィルタ41から配管53に出る。第2ポンプ室21bは、配管53から処理液Rを吸入する。このように、第1ポンプ室21aから第2ポンプ室21bに処理液Rを送る。
[ステップS13:パージ動作]
図9は、パージ動作を模式的に示す図である。制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、パージ動作を実行させる。パージ動作は、配管55を通じて第2ポンプ室21bから第1ポンプ室21aに処理液Rを戻す動作である。第2ポンプ室21bから第1ポンプ室21aに戻す処理液Rの量は、比較的に少ない。
具体的には、弁61、65は配管51、55を開く。弁62−64、66は配管52−54、56を閉じる。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aに対して静止する。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aの容積を変えない。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bを押圧する。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bに少し近づく。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bの容積を少し減少させる。第2ポンプ室21bは、配管55に処理液Rを吐き出す。処理液Rは、配管55を通じて第1ポンプ室21aに入る。さらに、処理液Rは、第1ポンプ室21aから配管51に出る。
[ステップS14:加圧動作]
図10は、加圧動作を模式的に示す図である。制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、加圧動作を実行させる。加圧動作は、弁61−66が第2ポンプ室21bを閉塞している状態において第2ピストン27bが第2ポンプ室21bを押圧することにより、第2ポンプ室21bの圧力を高くする動作である。
具体的には、弁63−65は配管53−55を閉じる。これにより、第2ポンプ室21bは閉塞される。第2ポンプ室21bが閉塞された状態において、第2ピストン27bが第2ポンプ室21bを押圧する。具体的には、第2ピストン27bは、方向D1の力Fを第2ポンプ室21bに作用させる。これにより、第2ポンプ室21bの圧力が上昇する。
すなわち、第2ポンプ室21bの処理液Rの圧力が上昇する。
加圧動作では、第2ピストン27bは第2ポンプ室21bに対して方向D1に移動してもよいし、移動しなくてもよい。すなわち、加圧動作では、第2ピストン27bは第2ポンプ室21bに近づいてもよいし、近づかなくてもよい。
加圧動作では、弁61、62、66は配管51、52、56を閉じる。加圧動作では、第1ピストン27aは第1ポンプ室21aに対して静止する。
加圧動作の実行中、第2圧力センサ29bは、第2ポンプ室21bの圧力を検出する。
[ステップS15:判定処理]
制御部31は、加圧動作の実行中に検出された第2圧力センサ29bの検出結果を取得する。制御部31は、記憶部33から基準情報を取得する。制御部31は、加圧動作の実行中に検出された第2圧力センサ29bの検出結果と記憶部33に記憶される基準情報に基づいて、判定処理を実行する。判定処理は、第2ポンプ室21bが気泡を含むか否かを判定する処理である。判定処理は、加圧動作の実行中に、実行されてもよい。
基準情報について説明する。図13は、第2ポンプ室21bの圧力と時間の関係を模式的に示す図である。図13の横軸は、時間である。図13の縦軸は、第2ポンプ室21bの圧力である。
パージ動作は、時刻t11に終了する。加圧動作は、時刻t11に開始される。
波形G、H、Iはともに、加圧動作中における第2ポンプ室21bの圧力の時間的な変化を示す。波形Gは、気泡を含まない第2ポンプ室21bの圧力の波形である。波形H、Iは、気泡を含む第2ポンプ室21bの圧力の波形である。波形G、H、Iは、基板処理装置1および処理液供給装置11の動作前に、実験またはシミュレーションによって取得される。
波形G、H、Iは、時刻t11−t12の期間において、上昇する。波形G、H、Iは、時刻t12以降において、略一定の値を維持する。時刻t11−t12の期間において、波形Gは、波形H、Iよりも高い。このように、第2ポンプ室21bが気泡を含まない場合に比べて、第2ポンプ室21bが気泡を含む場合には、加圧動作の実行中における第2ポンプ室21bの圧力の上昇が抑制される。より詳細には、第2ポンプ室21bが気泡を含まない場合に比べて、第2ポンプ室21bが気泡を含む場合には、加圧動作を開始した直後における第2ポンプ室21bの圧力の上昇が抑制される。
波形Gは、時刻t11−t12の期間において、急峻に上昇し、急峻に下降する。すなわち、波形Gは、スパイク状の部分を有する。波形Gは、突出したピークを有する。波形Gは、時刻t11−t12の期間における波形Gの最大値gを含む。
波形Hは、時刻t11−t12の期間において、急峻に上昇し、急峻に下降する。すなわち、波形Hも、スパイク状の部分を有する。ただし、波形Hにおけるスパイク状の部分は、波形Gにおけるスパイク状の部分に比べて小さい。波形Hのピークは、波形Gのピークに比べて低い。時刻t11−t12の期間における波形Hの最大値hは、時刻t11−t12の期間における波形Gの最大値gよりも低い。
波形Iは、時刻t11−t12の期間において、急峻に上昇するが、急峻に下降しない。すなわち、波形Iは、スパイク状の部分を有しない。波形Iのピークは、波形Hのピークに比べて低い。時刻t11−t12の期間における波形Iの最大値iは、最大値hよりも低い。
なお、時刻t12は、時刻t1から、所定の時間tbが経過する時点である。時刻t12は、波形G、H、Iの違いが明瞭に表れるように、適宜に設定される。
基準情報は、波形G、H、Iに基づいて決定される。基準情報は、下限値jを含む。下限値jは、例えば、最大値gよりも低く、かつ、最大値hと同等またはそれよりも高い。
制御部31は、第2圧力センサ29bの検出結果から、所定の期間における最大値kを抽出する。最大値kは、瞬時値である。所定の期間の始期は、例えば、加圧動作が開始された時刻である。所定の期間の終期は、例えば、加圧動作が開始された時刻から時間tbが経過する時刻である。
制御部31は、最大値kと下限値jを比較する。最大値kが下限値j以上である場合、第2ポンプ室21bが気泡を含まないと制御部31は判定する。第2ポンプ室21bが気泡を含まないと判定されたとき、ステップS16に進む。最大値kが下限値j未満である場合、第2ポンプ室21bが気泡を含むと制御部31は判定する。第2ポンプ室21bが気泡を含むと判定されたとき、ステップS17に進む。
[ステップS16:吐出動作]
図11は、吐出動作を模式的に示す図である。制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、吐出動作を実行させる。吐出動作は、第2ポンプ室21bから配管54に処理液Rを出す動作である。
具体的には、弁64は配管54を開く。弁61−63、65、66は配管51−53、55、56を閉じる。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aに対して静止する。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aの容積を変えない。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bを押圧する。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bに近づく。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bの容積を減少させる。第2ポンプ室21bは、配管54に処理液Rを吐き出す。
処理液Rは、配管54を通じてノズル7に供給される。ノズル7は、保持部3に保持された基板Wに処理液Rを供給する。これにより、1枚の基板Wに処理が行われる。
判定処理において第2ポンプ室21bが気泡を含まないと判定されたとき、制御部31は、加圧動作の終了と同時に吐出動作を開始させる。言い換えれば、判定処理において第2ポンプ室21bが気泡を含まないと判定されたとき、制御部31は、吐出動作を開始する時まで、加圧動作を実行させる。このため、加圧動作の期間は、1秒以上でもよいし、1秒以下でもよい。制御部31は、加圧動作と吐出動作にわたって、第2ピストン27bによる第2ポンプ室21bへの押圧を継続させる。弁64が配管54を開いた瞬間に、パージ動作から吐出動作に切り替わる。
吐出動作の終了後、ステップS1に戻る。
[ステップS18:決定処理]
制御部31は、加圧動作の実行中に検出された第2圧力センサ29bの検出結果と記憶部33に記憶される基準情報に基づいて、決定処理を実行する。決定処理は、排出動作を実行する回数Nを決定する処理である。
ここで、決定処理の原理について説明する。本発明者は、第2ポンプ室21bに含まれる気泡の大きさによって、加圧動作の実行中における第2ポンプ室21bの圧力が、比較的に大きく変動することを知見した。
図13を参照する。波形Hは、比較的に小さな気泡を含む第2ポンプ室21bの圧力の波形である。波形Gは、比較的に大きな気泡を含む第2ポンプ室21bの圧力の波形である。上述したとおり、加圧動作における波形Iのピークは、加圧動作における波形Hのピークに比べて低い。このように、第2ポンプ室21bに含まれる気泡が大きいほど、加圧動作の実行中における第2ポンプ室21bの圧力の上昇が抑えられる。
さらに、本発明者は、気泡が比較的に大きい場合、気泡が比較的に小さい場合に比べて、気泡を容易に排出できることを知見した。これは、気泡が大きいほど、気泡が第2ポンプ室21bから容易に出ることができ、かつ、気泡が配管51−56内の流路を容易に流れることができるからと考えられる。
上述した知見に基づいて、決定処理の原理は、以下の通りである。加圧動作の実行中に検出された第2圧力センサ29bの検出結果が波形Hに近い場合、ポンプ室21の気泡は比較的に小さいと判定する。さらに、ポンプ室21の気泡が比較的に小さいと判定された場合、排出動作を実行させる回数Nを比較的に大きな値に決定する。加圧動作の実行中に検出された第2圧力センサ29bの検出結果が波形Iに近い場合、ポンプ室21の気泡は比較的に大きいと判定できる。さらに、ポンプ室21の気泡が比較的に大きいと判定された場合、排出動作を実行させる回数Nを比較的に小さな値に決定する。
決定処理の具体例を説明する。
基準情報は、所定値mを含む。所定値mは、波形H、Iに基づいて決定される。所定値mは、例えば、最大値h以下であり、かつ、最大値i以上である。制御部31は、加圧動作の実行中に検出された第2圧力センサ29bの検出結果として、最大値kを用いる。制御部31は、最大値kが所定値mよりも大きいか否かを判断する。最大値kが所定値m未満である場合、回数Nを値n1に決定する。最大値kが所定値m以上である場合、回数Nを値n2に決定する。ただし、値n2は、値n1よりも大きい。値n1、n2は、整数である。値n1は、例えば3である。値n2は、例えば5である。
ここで、排出動作をn1回だけ繰り返し実行したとき、決定処理の時点で第2ポンプ室21bに収容される処理液Rの全てを排出できることが好ましい。例えば、第2ポンプ室21bは最大容積Vを有するとする。1回の排出動作によって第2ポンプ室21bから出る処理液Rの量を、排出量Qoutとする。この場合、値n1は、最大容積Vを排出量Qoutで除した値p以上であることが好ましい。これによれば、決定処理後で吐出動作前に実行されるn1回の排出動作によって、最大容積V以上の処理液Rを第2ポンプ室21bから排出できる。さらに、値n2は、値pの2倍以上であることが好ましい。これによれば、決定処理後で吐出動作前に実行されるn2回の排出動作によって、最大容積Vの2倍以上の処理液Rを第2ポンプ室21bから排出できる。
ここで、最大容積Vは、例えば、第2ピストン27bが第2ポンプ室21bから最も遠い位置にあるときの第2ポンプ室21bの容積である。
[ステップS18:排出動作]
図12は、排出動作を模式的に示す図である。制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、排出動作を実行させる。排出動作は、配管55を通じて第2ポンプ室21bから第1ポンプ室21aに気泡を戻し、配管52を通じて第1ポンプ室21aからフィルタ41に気泡を送り、かつ、フィルタ41から配管56に気泡を排出する動作である。
具体的には、弁62、65、66は配管52、55、56を開く。弁61、63、64は配管51、53、54を閉じる。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aに対して静止する。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aの容積を変えない。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bに近づく。第2ピストン27bは第2ポンプ室21bの容積を減少させる。第2ポンプ室21bは配管55に気泡を吐き出す。気泡は、配管55から第1ポンプ室21aに入る。気泡は、配管52を通じて、第1ポンプ室21aからフィルタ41に送られる。さらに、気泡は、フィルタ41から配管56に出る。処理液Rも、気泡ともに流れる。具体的には、処理液Rは、第1ポンプ室21a、フィルタ41および配管52、55を通じて、第2ポンプ室21bから配管56に流れる。
これにより、1回の排出動作が終了する。制御部31は、決定処理の後に実行された排出動作の回数を計数する。
[ステップS19:第1副吸入動作]
制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、第1副吸入動作を実行させる。第1副吸入動作は、第1吸入動作と同じである。すなわち、第1副吸入動作は、配管51から第1ポンプ室21aに処理液Rを入れる動作である。
[ステップS20:第2副吸入動作]
制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、第2副吸入動作を実行させる。第2副吸入動作は、第2吸入動作と同じである。すなわち、第2副吸入動作は、配管52、53とフィルタ41を通じて、第1ポンプ室21aから第2ポンプ室21bに処理液Rを入れる動作である。
[ステップS21:排出動作をN回、実行したか?]
制御部31は、計数された排出動作の回数と、決定処理において決定された回数Nに基づいて、決定処理の後に排出動作をN回、実行したか否かを判断する。排出動作をN回、実行していないと判断された場合、ステップ18に戻る。排出動作をN回、実行したと判断された場合、ステップ13に戻る。これにより、制御部31は、排出動作を、決定処理において決定された回数Nだけ繰り返し実行させる。
上述したパージ動作は、本発明における戻し動作の例である。加圧動作は、本発明における加圧動作と第2加圧動作の例である。第2圧力センサ29bの検出結果は、本発明における検出結果と第2検出結果の例である。判定処理は、本発明における判定処理と第2判定処理の例である。排出動作は、本発明における排出動作と第2排出動作の例である。
上述した処理液供給装置11の動作は、本発明における液体供給方法の例である。吐出動作は、本発明における吐出工程の例である。加圧動作は、本発明における加圧工程の例である。加圧動作の実行中における第2圧力センサ29bの動作は、本発明における圧力検出工程の例である。判定処理は、本発明における判定工程の例である。排出動作は、本発明における排出工程の例である。
3.効果
実施形態2によれば、実施形態1と同様の効果を奏する。さらに、実施形態2によれば、以下の効果を奏する。
制御部31は、加圧動作と判定処理を実行する。このため、第2ポンプ室21bに含まれる気泡を好適に検知できる。
判定処理の基礎とする検出結果は、最大値kを含む。最大値kは、加圧動作の実行中における第2ポンプ室21bの圧力の瞬時値である。したがって、制御部31は、加圧動作の実行中における第2ポンプ室21bの圧力の瞬時値に基づいて、判定処理を実行する。これによれば、制御部31は、ポンプ室21が気泡を含むか否かを効率良く判定できる。すなわち、判定処理における演算量を軽減できる。
基準情報は、下限値jを含む。このため、判定処理は、下限値jと最大値kの大小関係によって、第2ポンプ室21bが気泡を含むか否かを判定できる。すなわち、判定処理は、実施形態1で説明した閾値cを用いない。このため、判定処理を簡素化できる。基準情報は、閾値cを含まなくてもよい。
判定処理において第2ポンプ室21bが気泡を含むと判定されたとき、制御部31は排出動作を実行させる。このため、第2ポンプ室21bから気泡を自動的に排出できる。
制御部31は、パージ動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行する。このため、吐出動作において第2ポンプ室21bから配管54に気泡を出すことを未然に防止できる。
判定処理において気泡を含まないと判定されたとき、制御部31は、加圧動作の終了と同時に吐出動作を開始させる。このため、加圧動作および吐出動作の全体に要する時間を好適に短縮できる。
制御部31は、加圧動作と吐出動作にわたって第2ピストン27bによる第2ポンプ室21bへの押圧を継続させる。このため、吐出動作の開始時において、第2ポンプ室21bは既に加圧されている。このため、吐出動作を開始した瞬間から、第2ポンプ室21bから配管54に処理液Rを円滑に出すことができる。
制御部31は、排出動作の後であって吐出動作の前に、加圧動作および判定処理を再び実行する。再び実行される加圧動作および判定処理において、第2ポンプ室21bから気泡が除去されたか否かを確認できる。さらに、第2ポンプ室21bから気泡が除去されたことが確認されるまで、排出動作を続ける。よって、第2ポンプ室21bから気泡を確実に除去できる。
排出動作は、配管52、55、56を使用して、第2ポンプ室21bの気泡を排出する。このため、第2ポンプ室21bから配管54に気泡を出すことなく、第2ポンプ室21bの気泡を除去できる。
第2ポンプ室21bが気泡を含むと判定されたとき、制御部31は排出動作を繰り返し実行させる。これにより、第2ポンプ室21bの気泡を一層確実に排出できる。
決定処理は、加圧動作の実行中に検出された第2圧力センサ29bの検出結果と基準情報に基づいて、排出動作を実行する回数Nを決定する。このため、このため、回数Nを適切に決定できる。
決定処理の基礎とする検出結果は、最大値kを含む。最大値kは、加圧動作の実行中における第2ポンプ室21bの圧力の瞬時値である。したがって、制御部31は、加圧動作の実行中における第2ポンプ室21bの圧力の瞬時値に基づいて、決定処理を実行する。これによれば、決定処理における演算量を軽減できる。
制御部31は、決定処理において決定された回数Nだけ、排出動作を繰り返し実行させる。具体的には、決定処理の後で吐出動作の前に、制御部31は排出動作をN回、実行させる。このため、第2ポンプ室21bから気泡を、確実、かつ、効率良く排出できる。
決定処理は、第2ポンプ室21bに含まれる気泡の大きさに応じて、回数Nを決定する。換言すれば、決定処理は、第2ポンプ室21bに含まれる気泡の大きさに応じて、回数Nを変更する。このため、回数Nを適切に決定できる。
決定処理は、気泡が大きくなるにしたがって回数Nが少なくなるように、回数Nを決定する。具体的には、第2ポンプ室21bに含まれる気泡が大きいと判断される場合、決定処理は、回数Nとして値n1を決定する。第2ポンプ室21bに含まれる気泡が小さいと判断される場合、決定処理は、回数Nとして、値n1よりも大きな値n2を決定する。これにより、気泡が比較的に大きい場合には、排出動作を実行する回数を減らす。これにより、排出動作に要する時間を短縮できる。気泡が比較的に小さい場合には、排出動作を実行する回数を増やす。これにより、第2ポンプ室21bから気泡を確実に排出できる。
回数Nの値n1が値p以上である場合、決定処理の時点で第2ポンプ室21bに収容される処理液Rの全てを排出する。よって、第2ポンプ室21bから気泡を的確に除去できる。
回数Nの値n2が値pの2倍以上である場合、決定処理の時点で第2ポンプ室21bに収容される処理液Rの全てを排出する。よって、第2ポンプ室21bから気泡を一層的確に除去できる。
判定処理において第2ポンプ室21bが気泡を含むと判定されたとき、制御部31は、排出動作に加えて、第1副吸入動作および第2副吸入動作を実行させる。より詳しくは、判定処理において第2ポンプ室21bが気泡を含むと判定された後で、吐出動作の前に、制御部31は、排出動作に加えて、第1副吸入動作および第2副吸入動作を実行させる。このため、決定処理の時点で第2ポンプ室21bに収容されている処理液Rを、新たな処理液Rに置換できる。よって、第2ポンプ室21bから気泡を好適に排出できる。
本発明は、上記実施形態1、2に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施形態1では、制御部31は、吐出動作の後で吸入動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行する。ただし、これに限られない。例えば、制御部31は、吸入動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行してもよい。制御部31は、吸入動作の後で吐出動作の前の期間、および、吐出動作の後で吸入動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行してもよい。
(2)上述した実施形態2では、制御部31は、パージ動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行する。ただし、これに限られない。例えば、制御部31は、吐出動作の後で第1吸入動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行してもよい。制御部31は、吐出動作の後で第1吸入動作の前の期間、および、パージ動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行してもよい。
(3)上述した実施形態1、2では、1回の吐出動作を実行するごとに、加圧動作および判定処理を実行する。ただし、これに限られない。2回以上の吐出動作を実行するごとに、加圧動作および判定処理を実行してもよい。
(4)上述した実施形態1では、1回の吸入動作を実行するごとに、加圧動作および判定処理を実行する。ただし、これに限られない。2回以上の吸入動作を実行するごとに、加圧動作および判定処理を実行してもよい。実施形態2についても、同様に変更してもよい。
(5)上述した実施形態1では、排出動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行しない。ただし、これに限られない。排出動作の後で吐出動作の前の期間に、再び加圧動作と判定処理を実行してもよい。具体的には、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS6の終了後、ステップS3に戻ってもよい。
(6)上述した実施形態2では、第1ポンプ室21aに関連する加圧動作と判定処理を実行しない。このため、第1圧力センサ29aを省略してもよい。
(7)上述した実施形態2では、第1ポンプ室21aに関連する加圧動作および判定処理を実行しない。ただし、これに限られない。例えば、第1ポンプ室21aに関連する第1加圧動作および第1判定処理を実行してもよい。例えば、第1ポンプ室21aに関連する第1加圧動作および第1判定処理と、第2ポンプ室21bに関連する第2加圧動作および第2判定処理を実行してもよい。
図14は、変形実施形態に係る処理液供給装置11の動作の手順を示すフローチャートである。実施形態2と同じ動作については、適宜に説明を省略する。
変形実施形態に係る処理液供給装置11の動作は、第1吸入動作(ステップS21)と第1加圧動作(ステップS22)と第1判定処理(ステップS23)と第2吸入動作(ステップS24)と吐出動作(ステップS25)と第1排出動作(ステップS26)を含む。制御部31は、第1吸入動作と第2吸入動作と吐出動作を、この順に実行させる。この一連の動作は、繰り返される。制御部31は、第1吸入動作の後で第2吸入動作の前の期間に、第1加圧工程と第1判定工程を実行する。第1判定処理において第1ポンプ室21aが気泡を含むと判定されたときに限り、制御部31は第1排出動作を実行させる。なお、処理液供給装置11の動作は、パージ動作と第1副吸入動作と第2副吸入動作を含まない。
図15は、処理液供給装置11の動作の模式的に示す図である。なお、図15は、便宜上、図5に比べて簡略化して示す。図15は、便宜上、第1ポンプ室21aおよび第2ポンプ室21bに収容される処理液に、符号Rを付す。
[ステップS22:第1加圧工程]
図15(a)は、第1加圧動作を模式的に示す図である。制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、第1加圧動作を実行させる。第1加圧動作は、弁61−66が第1ポンプ室21aを閉塞している状態において第1ピストン27aが第1ポンプ室21aを押圧することにより、第1ポンプ室21aの圧力を高くする動作である。
具体的には、弁61、62、65は配管51、52、55を閉じる。これにより、第1ポンプ室21aは閉塞される。第1ポンプ室21aが閉塞された状態において、第1ピストン27aが第1ポンプ室21aを押圧する。具体的には、第1ピストン27aは、方向D1の力Fを第1ポンプ室21aに作用させる。これにより、第1ポンプ室21aの圧力が上昇する。
第1加圧動作では、弁63、64、666は配管53、54、56を閉じる。第1加圧動作では、第2ピストン27bは第2ポンプ室21bに対して静止する。
第1加圧動作の実行中、第1圧力センサ29aは、第1ポンプ室21aの圧力を検出する。
[ステップS23:第1判定処理]
制御部31は、第1加圧動作の実行中に検出された第1圧力センサ29aの検出結果を取得する。制御部31は、記憶部33から基準情報を取得する。制御部31は、第1加圧動作の実行中に検出された第1圧力センサ29aの検出結果と記憶部33に記憶される基準情報に基づいて、第1判定処理を実行する。第1判定処理は、第1ポンプ室21aが気泡を含むか否かを判定する処理である。
第1判定処理に使用する基準情報は、実施形態2の判定処理(ステップ15)が使用する基準情報と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1ポンプ室21aが気泡を含まないと判定されたとき、ステップS24に進む。第1ポンプ室21aが気泡を含むと判定されたとき、ステップS26に進む。
[ステップS26:第1排出動作]
図15(b)は、第1排出動作を模式的に示す図である。制御部31は、ピストン27と弁61−66を制御することによって、第1排出動作を実行させる。第1排出動作は、配管52を通じて第1ポンプ室21aからフィルタ41に気泡を送り、かつ、フィルタ41から配管56に気泡を排出する動作である。
具体的には、弁62、66は配管52、56を開く。弁61、63−65は配管51、53−55を閉じる。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aを押圧する。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aに近づく。第1ピストン27aは第1ポンプ室21aの容積を減少させる。第1ポンプ室21aは配管52に気泡を吐き出す。気泡は、配管52からフィルタ41に入る。さらに、気泡は、フィルタ41から配管56に出る。処理液Rも、気泡とともに、フィルタ41および配管52を通じて、第1ポンプ室21aから配管56に流れる。
第1排出動作の終了後、ステップS21に戻る。
本変形実施形態によれば、制御部31は、第1加圧動作と第1判定処理を実行する。このため、第1ポンプ室21aに含まれる気泡を好適に検知できる。
第1判定処理において第1ポンプ室21aが気泡を含むと判定されたとき、制御部31は、第1排出動作を実行させる。このため、第1ポンプ室21aから気泡を自動的に排出できる。
第1排出動作は、配管52、56を使用して、第1ポンプ室21aの気泡を排出する。このため、第1ポンプ室21aから配管54に気泡を送ることなく、第1ポンプ室21aの気泡を除去できる。すなわち、第1ポンプ室21aから第2ポンプ室21bに気泡を送ることなく、第1ポンプ室21aの気泡を除去できる。
本変形実施形態では、制御部31は、第1吸入動作の後で第2吸入動作の前の期間に、第1加圧動作と第1判定処理を実行する。ただし、これに限られない。例えば、制御部31は、第2吸入動作の後でパージ動作の前の期間に、第1加圧動作および第1判定処理を実行してもよい。例えば、制御部31は、パージ動作の後で第1吸入動作の前の期間に、第1加圧動作および第1判定処理を実行してもよい。
本変形実施形態のように、第2ポンプ室21bに関連する第2加圧動作と第2判定処理を実行しない場合、第2圧力センサ29bを省略してもよい。
上述した第1加圧動作は、本発明における加圧動作と第1加圧動作の例である。第1圧力センサ29aの検出結果は、本発明における検出結果と第1検出結果の例である。第1判定処理は、本発明における判定処理と第1判定処理の例である。第1排出動作は、本発明における排出動作と第1排出動作の例である。
上述した処理液供給装置11の動作は、本発明における液体供給方法の例である。吐出動作は、本発明における吐出工程の例である。第1加圧動作は、本発明における加圧工程の例である。第1加圧動作の実行中における第1圧力センサ29aの動作は、本発明における圧力検出工程の例である。第1判定処理は、本発明における判定工程の例である。第1排出動作は、本発明における排出工程の例である。
(8)上述した実施形態1、2では、判定処理において、ポンプ室21に含まれる気泡の大きさを判定しない。ただし、これに限られない。判定処理は、さらに、加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果と記憶部33に記憶される基準情報に基づいて、ポンプ室21に含まれる気泡の大きさを判定してもよい。言い換えれば、制御部31は、加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果と記憶部33に記憶される基準情報に基づいて、前記ポンプ室が気泡を含むか否かを判定し、かつ、ポンプ室21に含まれる気泡の大きさを判定する判定処理を実行してもよい。
(9)上述した実施形態1、2では、制御部31は、加圧動作の実行中におけるポンプ室21/第2ポンプ室21bの圧力の瞬時値に基づいて、判定処理を実行する。すなわち、判定処理の基礎とする検出結果は、所定の時点に検出された瞬時値dまたは最大値kである。ただし、これに限られない。例えば、判定処理の基礎とする検出結果は、所定の期間に検出された圧力の波形を含んでもよい。言い換えれば、判定処理の基礎とする検出結果は、所定の期間に検出された圧力の時系列データを含んでもよい。あるいは、判定処理の基礎とする検出結果は、所定の期間に検出された圧力の平均値を含んでもよい。例えば、判定処理の基礎とする検出結果は、圧力の瞬時値、圧力の波形および圧力の平均値の少なくともいずれかを含んでもよい。要するに、判定処理の基礎とする検出結果は、加圧動作の実行中に検出された、圧力の瞬時値、圧力の波形および圧力の平均値の少なくともいずれかを含んでもよい。言い換えれば、制御部31は、加圧動作の実行中におけるポンプ室21/第2ポンプ室21bの圧力の瞬時値、加圧動作の実行中におけるポンプ室21/第2ポンプ室21bの圧力の波形、および、加圧動作の実行中におけるポンプ室21/第2ポンプ室21bの圧力の平均値の少なくともいずれかに基づいて、判定処理を実行してもよい。なお、所定の期間は、加圧動作が実行される期間の全部または一部である。すなわち、所定の期間は加圧動作が実行される期間の少なくとも一部である。
決定処理の基礎とする検出結果についても、同様に変更してもよい。例えば、決定処理の基礎とする検出結果は、加圧動作の実行中に検出された、圧力の瞬時値、圧力の波形および圧力の平均値の少なくともいずれかを含んでもよい。例えば、制御部31は、加圧動作の実行中におけるポンプ室21/第2ポンプ室21bの圧力の瞬時値、圧力の波形、および、圧力の平均値の少なくともいずれかに基づいて、決定処理を実行してもよい。
判定処理の基礎とする検出結果に応じて、基準情報についても適宜に変更してもよい。決定処理の基礎とする検出結果に応じて、基準情報についても適宜に変更してもよい。例えば、基準情報は、波形A、B、G、H、Iの少なくともいずれかを含んでもよい。
(10)上述した実施形態1では、判定処理の基礎とする検出結果は、1つの瞬時値dである。ただし、これに限られない。判定処理の基礎とする検出結果は、複数の瞬時値を含んでもよい。すなわち、判定処理は、加圧動作の実行中に検出された、1つ、または、2つ以上の圧力の瞬時値に基づいて、実行されてもよい。言い換えれば、制御部31は、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の、1つ、または、2つ以上の圧力の瞬時値に基づいて、判定処理を実行してもよい。実施形態2についても、同様に変更してもよい。
決定処理の基礎とする検出結果についても、同様に変更してもよい。
(11)上述した実施形態1、2では、基準情報は、波形A、B、G、H、Iに基づいて決定される。ただし、これに限られない。基準情報は、加圧動作の実行中におけるポンプ室21の圧力に関する情報に基づいて、決定されてもよい。
(12)上述した実施形態2では、基準情報は下限値jを含む。ただし、これに限られない。例えば、基準情報は、さらに、上限値を含んでもよい。最大値kが下限値j以上で、かつ、上限値以下である場合、判定処理は、第2ポンプ室21bが気泡を含まないと判定してもよい。例えば、基準情報は、許容範囲を含んでもよい。加圧動作の実行中に検出された圧力センサ29の検出結果が許容範囲内にある場合、判定処理は、第2ポンプ室21bが気泡を含まないと判定してもよい。
(13)上述した実施形態1は、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、排出動作を1回、実行する。ただし、これに限られない。すなわち、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、制御部31は、排出動作を2回以上、実行させてもよい。より具体的には、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定された後で、吐出動作の前に、制御部31は、排出動作を2回以上、実行させてもよい。
(14)上述した実施形態1において、排出動作による処理液Rの排出量を適宜に設定してもよい。例えば、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、制御部31は、排出動作によって、ポンプ室21の最大容積以上の処理液Rをポンプ室21から排出させてもよい。より詳しくは、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定された後で、吐出動作の前に、制御部31は、1回または2回以上の排出動作によって、ポンプ室21の最大容積以上の処理液Rをポンプ室21から排出させてもよい。実施形態2についても、同様に変更できる。
例えば、判定処理においてポンプ室21の気泡が比較的に大きいと判定されたとき、制御部31は、排出動作によって、ポンプ室21の最大容積以上の処理液Rをポンプ室21から排出させてもよい。例えば、判定処理においてポンプ室21の気泡が比較的に小さいと判定されたとき、制御部31は、排出動作によって、ポンプ室21の最大容積の2倍以上の処理液Rをポンプ室21から排出させてもよい。実施形態2についても、同様に変更できる。
ここで、最大容積は、例えば、ピストン27がポンプ室21から最も遠い位置にあるときのポンプ室21の容積である。
(15)上述した実施形態1、2は、排出動作を実行する。ただし、これに限られない。すなわち、排出動作を実行しなくてもよい。例えば、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、制御部31は処理液供給装置11の動作を停止してもよい。処理液供給装置11の停止後、手動によってポンプ室21の気泡を除去してもよい。例えば、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、制御部31は、判定処理の結果をユーザーに報知してもよい。
(16)上述した実施形態1、2では、排出動作はポンプ室21から気泡とともに処理液Rを排出する。ただし、これに限られない。例えば、排出動作は、ポンプ室21から処理液Rを排出しなくてもよい。すなわち、排出動作は、ポンプ室21から気泡のみを排出してもよい。
(17)上述した実施形態1、2では、排出動作は、気泡とともに処理液Rを排出する。ただし、これに限られない。排出された処理液Rから気泡を除去し、気泡が除去された処理液Rを、ポンプ室21に戻してもよい。
(18)上述した実施形態1では、排出動作は、ポンプ室21から排出管16に気泡を出す動作である。ただし、これに限られない。排出動作を適宜に変更してもよい。例えば、液体供給装置11がポンプ室21に連通するフィルタを備える場合、排出動作を、フィルタを通じてポンプ室21から気泡を出す動作に変更してもよい。本変形実施例によっても、ポンプ室21の気泡がノズル7に流入することを好適に防止できる。
例えば、フィルタは吐出管15上に設けられる。フィルタは、ポンプ室21とノズル7の間に配置される。フィルタは、フィルタ本体と、フィルタ本体内の気体を排出するための排出口を備える。この場合、排出動作を、吐出管15を通じてポンプ室21からフィルタに気泡を送り、かつ、排出口を通じてフィルタから気泡を出す動作に変更してもよい。
(19)上述した実施形態1では、制御部31は、排出動作の前に副吸入動作を実行させる。ただし、これに限られない。例えば、制御部31は、排出動作の後に副吸入動作を実行させてもよい。上述した実施形態2では、制御部31は、排出動作の後に第1副吸入動作を実行させる。ただし、これに限られない。例えば、制御部31は、排出動作の前に第1副吸入動作を実行させてもよい。上述した実施形態2では、制御部31は、排出動作の後に第2副吸入動作を実行させる。ただし、これに限られない。例えば、制御部31は、排出動作の前に第2副吸入動作を実行させてもよい。
(20)上述した実施形態1では、処理液供給装置11の動作は、副吸入動作を含む。ただし、これに限られない。例えば、副吸入動作を省略してもよい。上述した実施形態2では、処理液供給装置11の動作は、第1副吸入動作と第2副吸入動作を含む。ただし、これに限られない。例えば、第1副吸入動作および第2副吸入動作の少なくともいずれかを省略してもよい。
(21)上述した実施形態1において、副吸入動作による処理液Rの吸入量を適宜に設定してもよい。例えば、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定されたとき、制御部31は、副吸入動作によって、ポンプ室21の最大容積以上の処理液Rをポンプ室21に入れてもよい。より詳しくは、判定処理においてポンプ室21が気泡を含むと判定された後で、吐出動作の前に、制御部31は、1回または2回以上の副吸入動作によって、ポンプ室21の最大容積以上の処理液Rをポンプ室21に入れてもよい。実施形態2についても、同様に変更できる。
例えば、判定処理においてポンプ室21の気泡が比較的に大きいと判定されたとき、制御部31は、副吸入動作によって、ポンプ室21の最大容積以上の処理液Rをポンプ室21に入れてもよい。例えば、判定処理においてポンプ室21の気泡が比較的に小さいと判定されたとき、制御部31は、副吸入動作によって、ポンプ室21の最大容積の2倍以上の処理液Rをポンプ室21に入れてもよい。実施形態2についても、同様に変更できる。
(22)上述した実施形態2では、処理液供給装置11の動作は、パージ動作を含む。ただし、これに限られない。例えば、パージ動作を省略してもよい。本変形実施形態の場合、制御部31は、第1吸入動作と第2吸入動作と吐出動作を、この順に実行させる。この一連の動作は、繰り返される。よって、制御部31は、第2吸入動作と吐出動作と第1吸入動作を、この順に実行させる、と言うこともできる。例えば、制御部31は、第2吸入動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行させてもよい。例えば、制御部31は、吐出動作の後で第1吸入動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行してもよい。例えば、制御部31は、吐出動作の後で第1吸入動作の前の期間、および、第2吸入動作の後で吐出動作の前の期間に、加圧動作および判定処理を実行してもよい。
(23)上述した実施形態1、2では、ポンプ室21と連通する開口23−25の数は、3つである。ただし、これに限られない。ポンプ室21と連通する開口の数は、1つ、または、2つでもよい。本変形実施形態の場合、例えばポンプ室21に接続される配管を分岐することによって、ポンプ室21に連通する吸入流路と吐出流路と排出流路を形成できる。さらに、配管上に三方弁などを設けることによって、吸入流路と吐出流路と排出流路を適宜に切り換えることができる。あるいは、ポンプ室21と連通する開口の数は、4つ以上であってもよい。
(24)上述した実施形態1、2は、可動隔壁部材として、ダイヤフラム26を例示した。ただし、これに限られない。可動隔壁部材は、例えば、チューブフラムまたはベローズであってもよい。
(25)上述した実施形態1、2では、ダイヤフラム26は、ポンプ室21の一部を区画した。ただし、これに限られない。可動隔壁部材はポンプ室21の全部を区画してもよい。
(26)上述した実施形態1、2では、ピストン27は、ダイヤフラム26に接続する。ただし、これに限られない。ピストン27は、ダイヤフラム26に接触しなくてもよい。上述した実施形態1、2では、ピストン27はダイヤフラム26を直接的に押圧する。ただし、これに限られない。例えば、ピストン27はダイヤフラム26を間接的に押圧してもよい。例えば、ピストン27は、間接液または作動流体を介して、ダイヤフラム26を押圧してもよい。あるいは、ピストン27は、ポンプ室21(ポンプ室21の処理液R)に接触してもよい。ピストン27は、ポンプ室21(ポンプ室21の処理液R)を直接的に押圧してもよい。
(27)上述した実施形態1、2では、可動部材としてピストン27を例示する。ただし、これに限られない。可動部材は、例えば、ロッドまたはシャフトでもよい。
(28)上述した実施形態1、2では、吸入管14/配管51は、処理液供給源10に直接的に接続される。ただし、これに限られない。例えば、吸入管14/配管51は、処理液供給源10に間接的に接続されてもよい。実施形態1、2では、吐出管15/配管54は、ノズル7に直接的に接続される。ただし、これに限られない。例えば、吐出管15/配管54は、ノズル7に間接的に接続されてもよい。
(29)上述した各実施形態1、2および上記(1)から(28)で説明した各変形実施形態については、さらに各構成を他の変形実施形態の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。