JP2019148443A - 測色装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】迷光量を更新する際の精度を向上させること。【解決手段】分光カラーセンサ122は、予め測定された、回折格子8により分光された初期第一迷光量1242、回折格子8を介さない初期第二迷光量1243、白板3の初期白板出力1241を記憶するセンサ記憶部124を備え、初期白板出力1241の測色結果に基づくラインセンサ9に投影される分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された白板3の測定結果に基づいて補正する処理(S301)と、補正された分光の波長と投影位置との対応関係を用いてセンサ記憶部124に記憶された初期第一迷光量1242の補正を行い(S302)、補正された初期第一迷光量1242と初期第二迷光量1243に基づいて、測色時の迷光量を補正する処理(S303)と、補正された測色時の迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び白板3の測色時の測定結果を補正する処理(S304)を行う。【選択図】図8

Description

本発明は、測色装置、及び測色装置を搭載する画像形成装置に関する。
近年、レーザビームプリンタに代表される画像形成装置では、出力画像の高画質化が求められ、内部に分光カラーセンサを内蔵している機種がある。このようなレーザビームプリンタは、印刷ジョブの実行前、又は印刷ジョブの実行中等に、例えばIT8 7/3(ISO12642出力ターゲット)等の色票(以下、パッチという)を印刷し、内蔵している分光カラーセンサで、印刷されたパッチを測色する。そして、測色された結果に基づいて、画像形成条件を補正し、形成される画像へのフィードバックを行っている。このようなレーザビームプリンタの内部処理により、カラーマッチングや画像の安定化を可能にしている。分光カラーセンサは、白色LEDやRGBの3色LED等の光源を備え、測色対象に測色光を照射し、測色対象からの反射光をスリットで絞ったのち、プリズムや回折格子等によって分光させて、分光分布を光検出素子で取得する。光検出素子としてはエリアセンサが使われることが多い。
ところで、分光カラーセンサからは、本来取得したい測定対象からの信号にノイズが加わった信号が出力される。ノイズには、受光素子の暗時出力の他に、迷光成分が含まれている。迷光とは、分光カラーセンサ内部で光源からの光の一部が漏れて受光素子に到達する光のことである。迷光成分は、本来の信号に対するノイズ成分となり、測色精度を劣化させてしまう。そこで、カラーセンサの使用時に、迷光成分を除去する方法として、例えば特許文献1が知られている。また、迷光量については分光カラーセンサのボディの歪みや回折格子の熱膨張等で変動することが想定され、必要なときに迷光量を更新できることが望ましい。しかし、分光カラーセンサを内蔵するプリンタで迷光量を測定する場合、専用の光吸収体を設置して測定する構成としなければならず、必要な設置スペースの増加や装置の複雑化などの課題がある。そのため、例えば特許文献2では、画素と反射光の波長との関係が変化した場合であっても、専用の光吸収体を用いることなく、迷光量の更新を行う制御が提案されている。
特開平6−22134号公報 特開2013−24600号公報
ところで、迷光には、2つの光の経路が考えられる。1つは、光源からの一部の漏れた光が回折格子により分光されて受光素子に到達する経路と、もう1つは、分光されていない光が受光素子に到達する経路である。しかしながら、例えば回折格子の熱膨張等により、画素と反射光の波長との関係が変化した場合に、全ての迷光量について、同じ画素と反射光の波長との関係で更新すると、分光されていない迷光量に対して適切な更新とはならない場合がある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、迷光量を更新する際の精度を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明では、以下の構成を備える。
(1)被測色物に光を照射する発光手段と、前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、を備える測色装置であって、予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量と前記第2の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第2の補正手段と、前記第2の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第3の補正手段と、を備える測色装置。
(2)被測色物に光を照射する発光手段と、前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、を備える測色装置であって、予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、前記基準部材の測色時の測定結果と、前記第2の迷光量との相対比を算出する第1の算出手段と、前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて、前記第2の迷光量を補正する第2の補正手段と、前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量を、前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて補正する第3の補正手段と、前記第2の補正手段により補正した前記第2の迷光量と、前記第3の補正手段により補正した前記第1の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第4の補正手段と、前記第4の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第5の補正手段と、を備える測色装置。
(3)画像を形成する画像形成手段と、被測色物に光を照射する発光手段と、前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量と前記第2の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第2の補正手段と、前記第2の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第3の補正手段と、前記第3の補正手段により補正された前記被測色物の測色時の測定結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する制御手段と、を備える画像形成装置。
(4)画像を形成する画像形成手段と、被測色物に光を照射する発光手段と、前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、前記基準部材の測色時の測定結果と、前記第2の迷光量との相対比を算出する第1の算出手段と、前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて、前記第2の迷光量を補正する第2の補正手段と、前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量を、前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて補正する第3の補正手段と、前記第2の補正手段により補正した前記第2の迷光量と、前記第3の補正手段により補正した前記第1の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第4の補正手段と、前記第4の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第5の補正手段と、前記第5の補正手段により補正された前記被測色物の測色時の測定結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する制御手段と、を備える画像形成装置。
本発明によれば、迷光量を更新する際の精度を向上させることができる。
実施例1、2のプリンタの機能ブロック図 実施例1、2の分光カラーセンサの構成と、測色を説明する模式図 実施例1、2のLEDの分光分布と画素対波長の変化例を示す図 実施例1、2の初期迷光量を算出する制御シーケンスを示すフローチャート 実施例1、2の初期迷光量を説明する図 実施例1の迷光補正の制御シーケンスを示すフローチャート 実施例1、2の測色用パッチの一例を示す図 実施例1の迷光補正処理の制御シーケンスを示すフローチャート 実施例1の迷光量の補正方法を説明する図 実施例2の迷光補正処理の制御シーケンスを示すフローチャート 実施例2の迷光量の補正方法を説明する図
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[プリンタの制御構成]
図1は、実施例1における画像形成装置であるレーザビームプリンタ1(以下、プリンタ1という)の制御部の構成の一例を示すブロック図である。プリンタ1の制御部は、コントローラ部11とエンジン部12とから構成されている。
(コントローラ部の構成)
コントローラ部11は、カラーマッチング部111、キャリブレーション部112、キャリブレーション用LUT生成部113(以下、LUT生成部113という)、及びカラーマッチング用LUT生成部114(以下、LUT生成部114という)を有する。ここで、LUTとは、ルックアップテーブルの略称である。なお、コントローラ部11には、その他、画像処理に関する様々な機能部が存在するが、ここでは、本実施例に直接関係しないものについては説明を省略する。
カラーマッチング部111は、図1にPCと表示するパーソナルコンピュータ(以下、PCという)から入力された印刷ジョブに対し、ICCプロファイルに代表されるようなカラーマッチング用のLUT1111を使用した色調整を行う。ここでの色調整は、印刷ジョブにて指定された色を、出力装置であるプリンタ1で出力可能な色に対応するように、色の変換を行う。より具体的には、カラーマッチング部111は、PCから入力されたデバイス非依存のRGBフォーマットの画像データ(RGBデータ)を、デバイス依存のCMYKフォーマットの画像データ(CMYKデータ)に変換する。本実施例において、RGBデータをCMYKデータにデータ変換を行う過程では、RGBデータを一旦、L*a*b*空間などのデバイス非依存の表色系に変換した後、再度、L*a*b*空間の値から、CMYKデータに変換している。このとき、ユーザが意図する色をプリンタ1が出力できるように変換するため、カラーマッチング用のLUT1111を用いる。本実施例のプリンタ1では、これらの調整を、後述する分光カラーセンサ122にて検出される値を用いて調整している。分光カラーセンサ122を用いて、本来、プリンタ1の使用環境や、紙等の記録媒体毎に発色が異なる特性を正確に検出することにより、個々の状況・条件に応じた最適な色変換を行うことが可能となる。
また、LUT生成部114は、後述する分光カラーセンサ122の測色演算部125から出力されるL*a*b*空間の値に変換された測色値1233を用いて、カラーマッチング用のLUT1111を生成する。詳しくは、既知のRGBデータから生成されたカラーマッチング調整用パターンを、エンジン部12が有する、記録媒体に画像形成を行う画像形成部(不図示)により、記録媒体上に形成し、分光カラーセンサ122を用いて測色する。LUT生成部114は、分光カラーセンサ122により測色された測色値1233と、予め記憶している所望のL*a*b*空間の値とのずれを計算する。そして、LUT生成部114は、所望のL*a*b*空間の値となるように、L*a*b*空間の値からCMYKデータへ変換するカラーマッチング部111のカラーマッチング用のLUT1111を更新する。
一方、キャリブレーション部112は、CMYKデータそれぞれ一次元のLUTに代表されるようなキャリブレーション用のLUT1121を使用して、印刷結果を一定に保つための画像補正(キャリブレーション)を行う。これは、同一の出力装置を用いて、同じ色を記録媒体上に出力するためには、印刷時の状態によっては、異なるデータ値を用いて色の指定を行う必要があるためである。具体的には、同じCMYKデータを用いて印刷した場合には、同様のL*a*b*空間の値となる画像が得られるように、キャリブレーション部112は、カラーマッチング部111から受け取るCMYKデータをVIDEO信号に変換する。そして、キャリブレーション部112は、変換されたVIDEO信号をエンジン部12に送信する。そのため、キャリブレーション部112は、プリンタ1の印刷時の状態に合わせて、意図した色が出力されるように、キャリブレーション用のLUT1121を用いて補正する。
また、LUT生成部113は、後述する分光カラーセンサ122の測色演算部125から出力されるL*a*b*空間の値に変換された測色値1233を用いて、キャリブレーション用のLUT1121を生成する。詳しくは、既知のCMYKデータから生成されたキャリブレーション調整用パターンを、エンジン部12が有する、記録媒体に画像形成を行う画像形成部(不図示)により、記録媒体上に形成し、分光カラーセンサ122を用いて測色する。LUT生成部113は、分光カラーセンサ122により測色された測色値1233と、予め記憶している所望のL*a*b*空間の値とのずれを計算する。そして、LUT生成部113は、所望のL*a*b*空間の値となるように、CMYKデータからVIDEO信号に変換するキャリブレーション部112のキャリブレーション用のLUT1121を更新する。本実施例では、カラーマッチング用のLUT1111と、キャリブレーション用のLUT1121が、色変換LUTとなる。
(エンジン部の構成)
一方、エンジン部12は、画像形成部により、紙等の記録媒体上にトナー像を形成する。なお、エンジン部12の画像形成部は、図1に示す定着部121の他、不図示であるが、記録媒体にトナー画像を形成するための様々な装置を有している。以下、画像形成部が有する装置を用いた画像形成の流れについて簡単に説明する。
画像形成部は、カートリッジ、露光装置、中間転写体、搬送体、定着部121から構成されている。カートリッジは、感光ドラム、帯電器、現像器、トナー容器を有している。画像形成の際、帯電器により感光ドラムの表面が一定の電位に帯電され、キャリブレーション部112から送信されるVIDEO信号に応じた光ビームが露光装置から出射され、感光ドラムの表面を走査することにより、感光ドラムの表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器においてトナー容器内から供給されるトナーにより現像され、トナー像が形成される。感光ドラム上のトナー像は、一旦、中間転写体に転写された後、搬送体により搬送される記録媒体に転写される。記録媒体上に転写されたトナー像は、定着部121により、加熱、加圧されて、記録媒体に定着される。なお、本実施例の測色用のパッチについても同様の処理で画像形成され、記録媒体上に定着される。
定着部121は、加圧ローラ、加熱ローラ、及び熱源であるハロゲンヒータ等を内蔵し、熱と圧力を加えることにより、トナー像のトナーを溶解し、記録媒体へ定着させる。本実施例では、定着部121は、コントローラ部11内でカラーマッチング及びキャリブレーションが行われた画像データに基づいて記録媒体上に形成されたトナー像を、記録媒体に定着させる。
測色装置である分光カラーセンサ122は、(白色)LED6(発光手段)、回折格子8(分光手段)、ラインセンサ9(受光手段)、センサ記憶部124(記憶手段)、センサ信号処理部123、測色演算部125を有している。分光カラーセンサ122は、定着部121から排出された記録媒体がプリンタ1の排出口へと搬送される搬送経路に設置されて、搬送される記録媒体上に定着された測色用パッチ142を測色する。分光カラーセンサ122は、光源である(白色)LED6から測色用パッチ142へ光を照射して、測色用パッチ142からの反射光を回折格子8により分光する。そして、回折格子8により分光された光(分光)を検出する光検出素子であるラインセンサ9により、各波長の光出力を取得する。以下では、ラインセンサ9による各波長の光出力をセンサ出力という。ラインセンサ9からのセンサ出力は、光検出値補正手段であるセンサ信号処理部123へ出力される。
センサ信号処理部123は、暗電流補正部1230、波長校正部1231、迷光補正手段である迷光補正部1232を有し、分光カラーセンサ122のラインセンサ9から出力されるセンサ出力の信号処理を行う。なお、センサ信号処理部123でセンサ信号処理が行われる際には、分光カラーセンサ122の組立て調整時に、分光カラーセンサ122の記憶手段であるセンサ記憶部124に格納されたデータが参照される。具体的には、参照されるデータは、基準部材である白色基準板(以下、白板という)の分光分布の基準値となる初期白板出力1241と、後述する初期第一迷光量1242と、後述する初期第二迷光量1243と、白板の既知の白板分光反射率1240である。
測色演算部125は、分光反射率算出手段である分光反射率演算部1250と、色度算出手段である色度演算部1251と、を有する。測色演算部125は、分光反射率演算部1250、及び色度演算部1251を用いて、センサ信号処理部123においてセンサ信号処理を行ったデータを測色値1233(例えばCIEL*a*b*の色空間における値)に変換する。そして、測色演算部125は、迷光が補正された測色値1233を、コントローラ部11のLUT生成部113、LUT生成部114に送信する。
また、図1に示すように、本実施例では、プリンタ1は、各種処理を制御する制御手段であるCPU20、CPU20により実行されるプログラム等を格納した記憶デバイスであるROM21、RAM22を有している。CPU20がROM21に格納されたプログラムを実行することにより、コントローラ部11のカラーマッチング部111やキャリブレーション部112等の各制御部や、エンジン部12の画像形成に伴う画像形成制御、分光カラーセンサ122の制御等を行う。LUT生成部114にて生成されたカラーマッチング用のLUT1111やLUT生成部113にて生成されたキャリブレーション用のLUT1121も、RAMなどの記憶デバイスに保持される。なお、本実施例の各処理部は、該当する処理を行うプログラムをCPU20が実行することにより実現されるように説明したが、例えば、ASIC等のハードウェア回路にて実現するように構成しても構わない。
また、分光カラーセンサ122も、プリンタ1と同様に、分光カラーセンサ122における各種処理を制御するCPU30、CPU30により実行されるプログラム等を格納した記憶デバイスであるROM31、RAM32を有している。センサ信号処理部123や測色演算部125の機能は、CPU30がROM31に格納されたプログラムを実行することにより、実行されるものとする。なお、本実施例では、分光カラーセンサ122のCPU30は、プリンタ1のCPU20からの指示に応じて、各種制御やデータの測定、測定データのセンサ記憶部124への格納、測定データのCPU20への送信等を行うものとする。
本実施例のプリンタ1は、印刷ジョブを実行する前や印刷ジョブの実行中に、キャリブレーション用のパッチを記録媒体上に出力し、内蔵している分光カラーセンサ122で、記録媒体上のパッチを測色する。そして、プリンタ1では、分光カラーセンサ122による測色結果(測定結果)に基づいて、LUT生成部113がキャリブレーション部112で使用するキャリブレーション用のLUT1121の作成、及びLUT1121の更新を行う。これにより、プリンタ1は色再現性を一定に保っている。
また、本実施例のプリンタ1は、印刷ジョブを実行する前に、カラーマッチング用のパッチを記録媒体上に出力し、内蔵している分光カラーセンサ122で記録媒体上のパッチを測色する。そして、プリンタ1では、分光カラーセンサ122による測色結果に基づいて、LUT生成部114がカラーマッチング部111で使用するカラーマッチング用のLUT1111の作成、及びLUT1111の更新を行う。プリンタ1は、これによりプリンタ間の色味の違いを調整している。キャリブレーション用のLUT1121とカラーマッチング用のLUT1111の更新は、予め設定されたタイミングに基づいて実行される。例えば、プリンタ1では、印刷ジョブを受信する度に、キャリブレーション用のLUT1121と、カラーマッチング用のLUT1111とが更新される。
[分光カラーセンサの構成]
次に、本実施例における、分光カラーセンサ122の構成について説明する。図2(a)は、分光カラーセンサ122の構成と、分光カラーセンサ122により、被測色物である記録媒体4上の測色用パッチ142の測色方法を説明する模式図である。図2(a)に示すように。分光カラーセンサ122は、白色LED6、赤色LED10、スリット7、回折格子8、ラインセンサ9を有している。白色LED6は、測色用のLEDであり、波長が約400nmから約700nmの発光波長分布を有する。赤色LED10は、後述する波長校正用の光源である。なお、本実施例では、光検出素子としてラインセンサ9を用いるが、これに限定するものではなく、例えば、光検出素子としてエリアセンサを用いても構わない。ラインセンサ9の各画素は、例えば、光検出が可能な電流増幅率の高いトランジスタや、トランジスタの出力により充電が行われるコンデンサ等から構成されており、コンデンサの充電電圧(蓄積電圧)が、分光カラーセンサ122のセンサ出力となる。
また、記録媒体4が搬送される搬送路を介して、分光カラーセンサ122の対向する位置には、用紙搬送ガイドを兼ねた白板3が配置されている。記録媒体4上に形成された測色用パッチ142は、分光カラーセンサ122と白板3との間を搬送される。分光カラーセンサ122による測色時には、光源である白色LED6から照射された光は、分光カラーセンサ内部の汚れ防止用のカバーガラス5を通り、記録媒体4又は記録媒体4上に形成された測色用パッチ142に対して45°方向の角度で入射する。そして、測色用パッチ142に当たり、乱反射した反射光は、図中上方向へと拡がる。乱反射した光は、再びカバーガラス5を通り、スリット7で絞られた後、回折格子8に当たって、波長毎に分解され、波長毎に分解された分光は、ラインセンサ9に入射し、ラインセンサ9において光量が測定される。
図2(b)は、分光カラーセンサ122に備えられた光検出素子である電荷蓄積型のラインセンサ9の模式図である。本実施例におけるラインセンサ9は、図2(b)に示すように、140個の画素で構成され、図中の番号1〜140は、ラインセンサ9の各画素のアドレスを示している。ラインセンサ9は、波長で約350nmから約750nmの可視光を約3nm単位で検出するために必要な138個の画素と、アドレス139、140の2画素分の余裕を設けた構成となっている。アドレス139、140の2画素は、表面を遮光した暗時出力補正用のダーク画素である。ここで、暗時出力とは、ダーク画素において発生する暗電流により充電されたコンデンサの出力電圧のことを指す。
回折格子8により波長毎に分解された分光は、ラインセンサ9の各画素に投影(入射)される。センサ信号処理部123では、測色対象の分光値(分光強度や分光感度などともいう)は、所定時間に蓄積されたラインセンサ9の各画素の出力電圧を、16bitのADコンバータ(不図示)でAD変換することにより取得される。そして、センサ信号処理部123では、後述する、複数の補正処理が行われる。そして、測色演算部125では、分光反射率演算部1250により、センサ信号処理部123での補正結果に基づいて、波長が400nmから700nmまでの10nm毎の分光反射率が計算される。そして、色度演算部1251は、分光反射率演算部1250が算出した測定対象の分光反射率を用いて、CIEL*a*b*などの色空間における色度の値に変換する。
図3(a)は、本実施例の分光カラーセンサ122が備える白色LED6、及び赤色LED10の波長と相対輝度との対応関係を示すグラフであり、縦軸は相対輝度、横軸は波長(単位:nm)を示している。また、図3(a)では、実線で示すグラフは、白色LED6の波長と相対輝度との対応関係を示すグラフであり、破線で示すグラフは、赤色LED10の波長と相対輝度との対応関係を示すグラフである。図3(a)では、白色LED6、及び赤色LED10の輝度の最大値を1.0とし、その最大値に対する相対値(相対輝度)を波長毎に示している。白色LED6の輝度が最大値のときの波長(励起波長)は420.0nmであり、赤色LED10の励起波長は650.0nmである。
[初期迷光量]
次に、本実施例での分光カラーセンサ122の組立て調整時の初期迷光量を算出する方法について説明する。本実施例では、前述したように、分光カラーセンサ122のセンサ記憶部124には、初期第一迷光量1242(第1の迷光量)と、初期第二迷光量1243(第2の迷光量)と、が格納されている。初期第一迷光量1242には、スリット7を通過し、回折格子8により波長毎に分解された後にラインセンサ9に入射した迷光量が格納されている。この場合の迷光量は、例えば、白色LED6の光の一部がカバーガラス5の表面に反射してスリット7に入光し、回折格子8により分光された光量である。一方、初期第二迷光量1243は、スリット7からは入光していない光、すなわち回折格子8により分光されずにラインセンサ9に入射した迷光量が格納されている。この場合の迷光は、例えば、白色LED6の光が、分光カラーセンサ122の筐体に内面反射して、そのままラインセンサ9に到達した場合の光であり、スリット7に入射せず、すなわち回折格子8によって分光されていない光である。
[初期迷光量の算出]
図4は、分光カラーセンサ122の組立て調整時に、各々の初期迷光量を算出する際の分光カラーセンサ122の制御シーケンスを示すフローチャートである。ステップ(以下、Sという)101では、プリンタ1からの指示により、分光カラーセンサ122では、暗電流の測定を行い、センサ信号処理部123は、ラインセンサ9の各画素の暗時出力を取得する。暗電流の測定は、分光カラーセンサ122において、光源である白色LED6及び赤色LED10を消灯した状態で、センサ信号処理部123は、パッチの測色時と同じ蓄積時間でのラインセンサ9のセンサ出力を取得する。ここで、暗電流の測定時の、ラインセンサ9の画素i(i=1〜138)における暗時出力に基づくセンサ出力をNdrk(i)とする。なお、暗電流の測定については、上述した暗時出力補正用のダーク画素のセンサ出力を補正してもよい。
S102では、プリンタ1からの指示により、分光カラーセンサ122では、回折格子8によって波長毎に分解された分光がラインセンサ9に入射されない状態における迷光成分(迷光量)の測定を行う。本実施例では、回折格子8による分光が入射されない状態での測定を行うため、回折格子8を分光カラーセンサ122に取り付けていない状態で測定を行うものとする。その他の方法として、例えばスリット7を光が通過しないように、スリット7を塞いだ状態で測定を行う方法でもよい。そして、迷光出力の測定の際には、分光カラーセンサ122の測定面に照射光を吸収する黒体の光吸収体(不図示)を置いた状態で、センサ信号処理部123は、パッチの測色時と同じ光源の光量、及び同じ蓄積時間でのラインセンサ9のセンサ出力を取得する。なお、この場合、分光カラーセンサ122の測定面に光吸収体を置いているので、測定面からの反射光が分光カラーセンサ122に入力することはない。ここで、このときの迷光測定でのラインセンサ9の画素iにおけるセンサ出力をF2tmp(i)とする。図5(a)は、S102におけるセンサ出力F2tmp(i)の出力例を示すグラフであり、実線で示すグラフがセンサ出力F2tmp(i)である。なお、図5(a)において、縦軸は、ラインセンサ9のセンサ出力の出力値を示し、横軸はラインセンサ9の画素i(1〜138)を示しており、図5(b)、(c)についても同様である。
S103では、センサ信号処理部123は、初期第二迷光量F2iniを、以下の(式1)により算出する。なお、初期第二迷光量F2iniは、スリット7を通過しない迷光がラインセンサ9に入射したときの迷光成分(迷光量)を示す。
F2ini(i)=F2tmp(i)−Ndrk(i)・・・(式1)
(式1)により、初期第二迷光量F2iniは、S102で取得した迷光出力であるセンサ出力F2tmpから、S101で取得した暗電流に基づくセンサ出力Ndrkを減算することにより算出される。センサ信号処理部123は、算出した初期第二迷光量F2ini(i)を、センサ記憶部124に、初期第二迷光量1243として格納する。
S104では、プリンタ1からの指示により、分光カラーセンサ122では、全ての迷光成分の測定を行う。全ての迷光成分の測定を行う場合は、S102での測定時に取り外していた回折格子8を分光カラーセンサ122に取り付けた状態で、センサ信号処理部123は、パッチの測色時と同じ光源の光量、及び同じ蓄積時間でのラインセンサ9のセンサ出力を取得する。なお、この場合、分光カラーセンサ122の測定面に光吸収体を置いているので、測定面からの反射光が分光カラーセンサ122に入力することはない。このときの迷光測定での画素iにおけるセンサ出力をF1tmp(i)とする。図5(b)は、S104におけるセンサ出力F1tmp(i)の出力例を示すグラフであり、実線で示すグラフがセンサ出力F1tmp(i)である。
S105では、センサ信号処理部123は、初期第一迷光量F1iniを、以下の(式2)により算出する。なお、初期第一迷光量F1iniは、回折格子8による分光がラインセンサ9に入射した迷光成分(迷光量)を示す。
F1ini(i)=(F1tmp(i)−Ndrk(i))−F2ini(i)・・・(式2)
(式2)により、初期第一迷光量F1iniは、全ての迷光成分を含む迷光量F1tmpから、暗時出力Ndrk、及び回折格子8による分光が入射されない状態での迷光出力である初期第二迷光量F2iniを減算することにより、算出される。また、(式2)に(式1)のF2ini(i)を代入すると、F1ini(i)=(F1tmp(i)−Ndrk(i))−(F2tmp(i)−Ndrk(i))=F1tmp(i)−F2tmp(i)となる。したがって、初期第一迷光量F1iniは、全ての迷光成分を含む迷光量F1tmpから、回折格子8による分光が入射されない状態での迷光量F2tmpを減算することで算出することもできる。図5(c)は、S105の処理により算出された初期第一迷光量F1ini(i)の一例を示すグラフである。実線で示す初期第一迷光量F1ini(i)は、図5(b)に示すF1tmp(i)のセンサ出力から、図5(a)に示すF2tmp(i)のセンサ出力を減算したセンサ出力を示している。そして、センサ信号処理部123は、算出した初期第一迷光量F1ini(i)を、センサ記憶部124に、初期第一迷光量1242として格納する。なお、図5(c)の破線領域については、後述する。また、センサ信号処理部123は、白板3に対して白色LED6及び赤色LED10を順に点灯して測色したときのセンサ出力から、暗電流に基づくセンサ出力Ndrkを減算したセンサ出力を初期白板出力1241として、センサ記憶部124に格納する。更に、センサ信号処理部123は、白板3の既知の分光反射率を白板分光反射率1240として、センサ記憶部124に格納する。
[迷光補正方法]
次に、本実施例における、分光カラーセンサの迷光補正方法について説明する。図6は、プリンタ1において、本実施例の分光カラーセンサ122を用いた迷光補正の制御シーケンスを示すフローチャートである。
S201では、プリンタ1は、分光カラーセンサ122を用いて、白色LED6及び赤色LED10を消灯した状態での暗電流の測定を行う。分光カラーセンサ122では、プリンタ1からの指示により暗電流の測定を行い、センサ信号処理部123は、ラインセンサ9の各画素iの暗時出力(センサ出力)を取得する。ここで、取得した画素i(i=1〜138)での暗時出力をNdrk(i)とする。
S202では、プリンタ1は、分光カラーセンサ122を用いて白板3を測色する。分光カラーセンサ122は、プリンタ1からの指示により、搬送路を介して分光カラーセンサ122に対向する位置に設けられた白板3の測色を行い、ラインセンサ9の各画素iのセンサ出力を取得する。ここで、取得した画素i(i=1〜138)での白板3のセンサ出力をWsns(i)とする。
S203では、プリンタ1は、前述したエンジン部12内の画像形成を行う画像形成部により、測色用パッチ142を記録媒体4上に印刷する。図7は、本実施例で使用する記録媒体4上に印刷された測色用パッチ142の一例である。図7において、記録媒体4は、搬送方向を示す矢印Tの方向に搬送され、黒パッチ141、及び測色用パッチ142_01〜142_55が、分光カラーセンサ122に対向する位置に印刷されている。本実施例の測色用パッチは、プリンタ1が印刷ジョブを実行する前、又は印刷ジョブを実行中の所定のタイミングで、記録媒体4に印刷される。PCから送信された画像データは、コントローラ部11で所定の処理を行い、VIDEO信号に変換された後、エンジン部12へ送信される。そして、エンジン部12に送信されたVIDEO信号は、露光装置により変調されて出射される光により、感光ドラム上に静電潜像が形成され、形成された静電潜像は、現像器でトナーにより現像され、トナー像が形成される。形成されたトナー像は記録媒体4に転写され、エンジン部12内の定着部121で定着された後、トナー像が定着された記録媒体4は搬送路を搬送され、分光カラーセンサ122が配置された測色位置へ搬送される。
S204では、プリンタ1は、分光カラーセンサ122を用いて、S203で記録媒体4上に印刷された測色用パッチ142_01〜142_55を測色する。分光カラーセンサ122は、プリンタ1からの指示により、記録媒体4上に印刷された測色用パッチ142の測色を行い、ラインセンサ9の各画素iのセンサ出力を取得する。この場合、分光カラーセンサ122は、図7に示された記録媒体4上の黒パッチ141に対する検出タイミングをトリガーとして、測色用パッチ142_01〜142_55の55個の色パッチを所定時間で測色する。所定時間は、記録媒体4の搬送速度やパッチのサイズなどにより決定される。ここで、記録媒体4上に形成された測色用パッチのうちのj番目(j=01〜55)の測色用パッチに対する画素i(i=1〜138)でのセンサ出力をPsns(j,i)とする。
S205では、プリンタ1は、分光カラーセンサ122に暗電流補正処理を指示し、分光カラーセンサ122は、センサ信号処理部123により暗電流補正処理を行う。センサ信号処理部123の暗電流補正部1230は、S201で取得した暗電流成分Ndrk(i)を用いて、S202で取得した白板3のセンサ出力Wsns(i)、及び測色用パッチのセンサ出力Psns(j,i)に対する暗電流補正処理を行う。ここで、暗電流補正処理後の白板3の画素iのセンサ出力をWtmp(i)、パッチ番号jにおける画素iの測色用パッチのセンサ出力をPtmp(j,i)とする。Wtmp(i)及びPtmp(j,i)は、次の(式3)、(式4)を用いて算出される。
(白板3の場合)
Wtmp(i)=Wsns(i)−Ndrk(i)・・・(式3)
(測色用パッチの場合)
Ptmp(j,i)=Psns(j,i)−Ndrk(i)・・・(式4)
(式3)、(式4)より、暗電流補正処理後の白板3のセンサ出力Wtmp(i)、測色用パッチのセンサ出力Ptmp(j,i)は、白板3のセンサ出力Wsns(i)、測色用パッチのセンサ出力Psns(j,i)から暗電流成分Ndrk(i)を減算して、算出される。
S206では、プリンタ1は、分光カラーセンサ122に波長校正処理を指示し、分光カラーセンサ122は、センサ信号処理部123により波長校正処理(第1の補正手段)を行う。センサ信号処理部123の波長校正部1231は、ラインセンサ9の画素と反射光の波長との対応関係を更新する波長校正処理を行う。ラインセンサ9を用いた分光カラーセンサ122では、各画素と反射光の波長との関係(以下、画素対波長の関係という)が正確に対応付けされていないと、高い測色精度を得ることができないため、波長校正処理が行われる。また、プリンタ1が分光カラーセンサ122を内蔵する場合、プリンタ1の機内の温度変化や設置環境の違い、経時などの要因より、センサボディの歪みや回折格子の熱膨張等でセンサ光学系が変化してしまうことがある。そのため、組立て調整時に値付けた(対応付けた)ラインセンサの画素対波長の関係と、印刷時における画素対波長の関係とがずれてしまうことがある。すなわち、プリンタ1内部に生じる様々な要因により、ラインセンサ9に対する投影位置(画素)と波長との対応関係に変化が生じることになる。
本実施例における波長校正処理は、次の通りである。分光カラーセンサ122の白色LED6及び波長校正用の赤色LED10の励起波長が、組立て後も変わらないものとして、測色毎に白色LED6及び赤色LED10を順に点灯し、2つの励起波長の中心が、ラインセンサ9のどの画素に出現するかを検出する。具体的には、分光カラーセンサ122と搬送路を介して対向する位置に設置された白板3は、可視光の範囲で一様な反射率を有している。そこで、白板3の反射光から暗電流補正を行ったセンサ出力Wtmp(i)に基づいて、センサ出力が最も大きい、励起波長の中心が現れる画素を検出する。図3(b)は、組立て調整時と組立て後の測色時とにおける、2つの励起波長、すなわち白色LED6及び赤色LED10の励起波長と、それ以外の波長についての、画素対波長の関係の一例を表しているグラフである。図3(b)では、縦軸は波長λ(単位:nm)、横軸は画素i(番目)を示している。図3(b)において、組立て調整時における、励起波長420.0nmでの白色LED6の検出画素g、及び励起波長650.0nmでの赤色LED10の検出画素hを黒色丸印で示している。一方、組立て後の測色時における、励起波長420.0nmでの白色LED6の検出画素g’、及び励起波長650.0nmでの赤色LED10の検出画素h’を黒色正方形で示している。図3(b)からわかるように、2つの励起波長以外の、画素対波長の関係は、検出波長と画素の関係から線形補間によって求めることができる。例えば、ラインセンサ9の画素i(番目)での波長λは、次の(式5)、(式6)によって求めることができる。
(組立て調整時)
λ(i)=((650nm−420nm)÷(h−g))×(i−g)+420nm・・・(式5)
(組立て後の測色時)
λ(i)=((650nm−420nm)÷(h’−g’))×(i−g’)+420nm・・・(式6)
そして、波長校正部1231は、(式5)、(式6)の関係を画素波長変換ルックアップテーブル(以下、画素波長変換LUTという)として有し、各画素に対する波長を出力する。
S207では、プリンタ1は、分光カラーセンサ122に迷光補正処理を指示し、分光カラーセンサ122は、センサ信号処理部123により迷光補正処理を行う。センサ信号処理部123の迷光補正部1232は、本発明の特徴である迷光補正処理を行う。図8は、迷光補正処理の制御シーケンスを示すフローチャートである。図8に示す処理は、S207の処理を実行する際に起動され、センサ信号処理部123の迷光補正部1232により実行される。以下では、図8、図9を用いて、本実施例における迷光補正方法について説明する。
S301では、迷光補正部1232は、波長校正部1231より、組立て調整時と組立て後の測色時のそれぞれの画素波長変換LUTを用いて、組立て調整時と組立て後の測色時における各画素iに対する波長を取得する。図9(a)は、本実施例における組立て調整時及び測色時の画素に対する波長の一例を示す表である。図9(a)において、画素は、ラインセンサ9の画素(21〜27)を示し、波長(組立て調整時)、波長(測色時)は、それぞれ組立て調整時に測定された波長、組立て後の測色時に測定された波長を示す。同じ画素でも、組立て調整時と、組立て後の測色時とでは、波長が異なっていることがわかる。
S302では、迷光補正部1232は、組立て調整時から組立て後の測色時への画素対波長の変化に基づいて、センサ記憶部124に記憶している初期第一迷光量F1iniを補正して、補正第一迷光量F1adjを算出する。具体的には、組立て調整時の1画素あたり約3nm毎の初期第一迷光量F1iniを、3次スプライン関数でフィッティングし、組立て調整時の画素波長変換LUTを用いて、分解能1nmの波長に対するセンサ出力を算出する。図9(b)は、図5(c)の破線領域で示す画素の初期第一迷光量F1iniを、3次スプライン関数でフィッティングし、分解能1nmの波長に対するセンサ出力を示す表である。また、図9(c)は、図9(b)に示す初期第一迷光量F1iniの波長とセンサ出力の関係を示すグラフであり、縦軸はセンサ出力を示し、横軸は波長(単位:nm)を示している。図9(b)において、画素21、22、23、24、25における波長、及び初期第一迷光量F1iniは、組立て調整時に取得されたデータ値である。一方、画素番号が記載されていない画素間に記載されている波長、及び初期第一迷光量F1iniの値は、3次スプライン関数でフィッティングした値である。また、図9(c)において、白抜き四角形は、組立て調整時に測定された初期第一迷光量F1iniの測定点を示し、白抜き四角形を結ぶ実線は、3次スプライン関数でフィッティング後の初期第一迷光量を示している。
そして、迷光補正部1232は、組立て後の測色時の画素iに対する波長の関係から、初期第一迷光量Finiの1.0nm毎の波長の中から最も近い波長のデータを選択することで、画素iに対する補正第一迷光量F1adj(i)を決定する。例えば、組立て調整時において、画素対波長の関係が、画素「21」:波長「410」であったとし、組立て後の測色時では、画素「21」:波長「412」の関係に変化した場合を考える。この場合、画素21に対応する補正第一迷光量F1adjとして、初期第一迷光量F1iniの波長「412」のデータ「500」を選択する。同様に、画素22に対応する補正第一迷光量F1adjに、初期第一迷光量F1iniの波長「415」のデータ「622」を選択し、画素23に対応する補正第一迷光量F1adjに、初期第一迷光量F1iniの波長「418」のデータ「699」を選択する。図9(d)は、図5(c)の破線領域で示す画素21〜27の波長における初期第一迷光量F1iniと補正第一迷光量F1adjを示すグラフである。図9(d)において、白抜き三角形は、画素21〜27に対する初期第一迷光量F1iniを示すグラフであり、白抜き四角形は、補正第一迷光量F1adjを示すグラフである。
本実施例において、1.0nm毎の迷光量とするのは、前述したラインセンサ9の波長分解能である約3nmよりも高解像度の情報を有することにより、画素対波長の関係が変わった場合でも、迷光量を正確に予測できる効果を奏するためである。なお、分解能に関しては、迷光量を正確に予測できる効果を実現できれば、1.0nmに限定するものではない。また、パッチ測色時ではなく、組立て調整時に1.0nm毎の初期第一迷光量を計算し、1.0nm毎の初期第一迷光量1242として予め記録しておく構成としてもよい。
S303では、迷光補正部1232は、画素iにおける、算出した補正第一迷光量F1adj(i)と初期第二迷光量F2ini(i)から迷光補正量F(i)を、以下の(式7)より算出する(第2の補正手段)。
迷光補正量F(i)=補正第一迷光量F1adj(i)+初期第二迷光量F2ini(i)・・・(式7)
(式7)より、パッチ測定時のトータルの迷光量である迷光補正量F(i)は、S302で算出した補正第一迷光量F1adjに、回折格子8により分光されていない迷光成分である初期第二迷光量F2iniを加算することで算出される。図9(e)は、図5(c)の破線領域で示す画素21〜27の波長における各迷光量をまとめた表である。図9(e)では、画素21〜27における初期第一迷光量F1ini(i)、初期第二迷光量F2ini(i)、補正第一迷光量F1adj(i)、迷光補正量F(i)を記載している。例えば画素21の迷光補正量F(i)については、画素21の補正第一迷光量F1adj(i)である500に、画素21の初期第二迷光量F2ini(i)である320を加算して、820となる。同様に、画素22の迷光補正量F(i)は、938(=622+316)、画素23の迷光補正量F(i)は、1011(=699+312)、画素24の迷光補正量F(i)は、1008(=700+308)となる。
S304では、迷光補正部1232は、S303で算出した迷光補正量Fを用いた減算処理(第3の補正手段)を行い、迷光補正処理を終了すると、処理は図6に示すS207の処理に戻り、処理をS208に進める。すなわち、迷光補正部1232は、S205で算出した白板3及び測色用パッチのセンサ出力から暗電流成分を減算したセンサ出力Wtmp(i)及びセンサ出力Ptmp(j,i)から、S303で算出した迷光補正量F(i)を減算する。ここで、暗電流及び迷光のノイズ成分を除去した、白板3及びj番目の測色用パッチの画素iのデータをそれぞれ、Wsg(i)、Psg(j,i)とすると、Wsg(i)、Psg(j,i)は、次の(式8)、(式9)によって求められる。
(白板3の場合)
Wsg(i)=Wtmp(i)−F(i)・・・(式8)
(j番目の測色用パッチの場合)
Psg(j,i)=Ptmp(j,i)−F(i)・・・(式9)
図6に示すS208では、プリンタ1は、分光カラーセンサ122に色度演算処理を指示し、分光カラーセンサ122は、測色演算部125により色度演算処理を行う。測色演算部125(算出手段)は、分光反射率演算部1250により分光反射率を算出し、色度演算部1251は、算出された分光反射率に基づいて、L*a*b*等の色度を算出する色度演算処理を実行して、処理を終了する。
測色演算部125の分光反射率演算部1250は、波長λにおける測定対象の分光反射率O(λ)を、次のようにして算出する。すなわち、分光反射率演算部1250は、S304で算出した、白色LED6の白板3に対するセンサ出力Wsg(λ)と、パッチなどの測定対象のセンサ出力Psg(λ)との比を求める。そして、分光反射率演算部1250は、センサ出力Wsg(λ)とセンサ出力Psg(λ)との比に、白板分光反射率1240に格納されている白板3の既知の分光反射率W(λ)を乗じることで、波長λにおける測定対象の分光反射率O(λ)を算出する。具体的には、分光反射率演算部1250は、分光反射率O(λ)を、次の(式10)を用いて算出する。
O(λ)={Psg(λ)/Wsg(λ)}×W(λ)・・・(式10)
(式10)により、例えば、白板3に白色LED6から照射される光量が白色LED6の汚れが原因で減少しているなどの白色LED6の照射条件にかかわらず、正しい分光反射率O(λ)を算出することができる。また、S206で作成したパッチ測定時の画素波長変換LUTにより、画素iに対する波長λ(i)は対応付けられている。波長λ、j番目の測色用パッチの分光反射率であるO(j,λ)は、上述した(式10)と同様に、次の(式11)により算出する。
O(j,λ)={Psg(j,λ(i))/Wsg(λ(i))}×W(λ)・・・(式11)
以上のように、本実施例では、分光カラーセンサ122を構成するラインセンサ9の画素対波長の関係が変化した際には、パッチの分光分布を更新する。すなわち、組立て調整時に記憶した迷光成分である初期第一迷光量F1iniに対して波長校正を行った補正第一迷光量F1adjと、初期第二迷光量F2iniとを加算した迷光量により、センサ出力を減算することにより、パッチの分光分布を算出する。これにより、パッチ測定時に光吸収体などを用いて迷光成分を測定毎に直接測定することなく、測色の精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施例では、分光カラーセンサ122の白色光源として、白色LED6を用いたが、例えばタングステン光や、RGBの3色LED等などを用いてもよい。また、波長校正方法については、例えば、背景技術で示した特許文献1で提案されている先行技術によって実現してもかまわない。更に、本実施例では、分光カラーセンサで測色するパッチは、PCからプリンタ1へ送られると説明したが、PC以外の入力装置からであってもかまわない。
また、本実施例では、プリンタ1のCPU20と分光カラーセンサ122のCPU30で各々制御する方法を説明したが、これに限られるものではない。例えば、プリンタ1のCPU20が制御手段として、分光カラーセンサ122の動作を制御することもできる。プリンタ1のCPU20により、1つのCPUを用いて制御するような場合であれば、分光カラーセンサ122はCPUを有さないような構成であってもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、迷光量を更新する際の精度を向上させることができる。
実施例1では、プリンタ1に内蔵される分光カラーセンサ122の画素対波長の変化に対して、迷光成分の波長方向の変化を補正することにより、測色対象に対するセンサ信号の検出精度を向上させる例について説明した。分光カラーセンサ122の光源となる白色LED6は、測色時の白色LED6のチップ温度違いによる光量変化や、経時変化による光量低下が考えられる。本実施例では、波長方向の変化に加えて、強度方向、すなわち、迷光量自体の変化を予測して迷光量の検出精度を向上させる例について説明する。なお、本実施例でのプリンタ1、分光カラーセンサ122の構成、及び分光カラーセンサ122を用いたパッチ測色の制御シーケンスは、実施例1と同様であり、ここでの説明を省略する。
[迷光補正方法]
図10は、本実施例における迷光補正処理の制御シーケンスを示すフローチャートである。図10に示す処理は、実施例1の図6のS207の処理を実行する際に起動され、センサ信号処理部123の迷光補正部1232により実行される。以下では、図10、図11を用いて、本実施例における迷光補正方法について説明する。
S401は、実施例1の図8のS301と同じ処理であり、ここでの説明は省略する。S402では、迷光補正部1232は、白色LED6の光量の変化率を取得する(第1の算出手段)。本実施例における白色LED6の光量変化率取得処理について、図11を用いて説明する。図11(a)は、画素iにおける白板3のセンサ出力から暗電流成分を除去した白板Wtmp(i)(実線で表示)と、初期第二迷光量F2ini(i)(破線で表示)を示したグラフであり、横軸は画素(1〜138)を示し、縦軸はセンサ出力を示す。なお、初期第二迷光量F2ini(i)の迷光量は、白板3のセンサ出力に対して、出力値がかなり小さく、白板Wtmp(i)と同一スケールで表示すると、グラフ上で確認しづらい。そのため、図11(a)ではセンサ出力を約50倍にして表しており、縦軸のセンサ出力のスケールも、初期第二迷光量F2ini(i)用に約50倍した値となっている。図11(b)は、図11(a)に示すグラフのうち、画素iのi=3〜7の範囲を拡大して示した図であり、横軸は画素(3〜7)、縦軸はセンサ出力を示している。なお、図11(b)に示す初期第二迷光量F2iniのセンサ出力は、50倍ではなく、等倍(1倍)の値である。本実施例において、画素iのi=1から7の範囲は、実施例1の図6のS206において作成された組立て調整時及び測色時の画素波長変換LUTによると、組立て調整時は350nm〜365nm、測色時は352nm〜367nmである。2つの波長領域は、共に白色LED6の発光強度の無い波長領域である。
次の(式12)より、白板3の暗電流補正後のセンサ出力Wtmp(i)と初期第二迷光量F2ini(i)を用いて、相対比である光量変化率αを求める。なお、(式12)では、Wtmp(i)はWtmp、F2ini(i)はF2iniで表示している。
Figure 2019148443
(式12)により、白色LED6の波長強度の無い波長領域の画素のセンサ出力、すなわち白色LED6の光が分光されていない迷光成分であるセンサ出力(初期第二迷光量F2ini)に対して、組立て調整時と測定時とのセンサ出力の比が算出される。これにより、白色LED6の光量変化を予測することができる。なお、本実施例では、画素iの範囲を1から7までの合計値を用いて光量変化率αを算出しているが、白色LED6の発光強度の無い領域であれば、この画素iの範囲値に限定するものではない。また、複数の画素を用いている理由は、測定ばらつきを低減させるためであり、単一画素のみを用いて光量変化率αを算出してもよい。ただし、測色対象に含まれる蛍光材の影響により、白色LED6の光が長波長側へシフトする場合があるため、長波長側を受光する画素を使用する場合には注意が必要である。
S403では、迷光補正部1232は、S402で算出した組立て調整時から測色時への白色LED6の光量変化率に基づいて、次の(式13)により初期第二迷光量F2iniを補正して、補正第二迷光量F2adjを算出する(第2の補正手段)。
補正第二迷光量F2adj(i)=初期第二迷光量F2ini(i)×光量変化率α・・・(式13)
S404では迷光補正部1232は、実施例1の図8のS302の処理と同様に、画素対波長の関係の変化に基づきセンサ記憶部124に記憶している初期第一迷光量F1ini(i)を補正し、補正第一迷光量F1adj(i)を算出する(第3の補正手段)。本実施例では、更に、組立て調整時から測色時への光源の光量変化率に基づき、S302で算出した補正第一迷光量F1adjに対して補正を行い、補正第三迷光量F3adjを、以下の(式14)より算出する。
補正第三迷光量F3adj(i)=補正第一迷光量F1adj(i)×光量変化率α・・・(式14)
S405では、迷光補正部1232は、S403で算出した補正第二迷光量F2adj(i)と、S404で算出した補正第三迷光量F3adj(i)とから、迷光補正量FB(i)を次の(式15)により算出する(第4の補正手段)。
迷光補正量FB(i)=補正第二迷光量F2adj(i)+補正第三迷光量F3adj(i)・・・(式15)
(式15)により、光源である白色LED6の光量の変化、及び画素対波長の変化に応じて、それぞれの変化により影響のある迷光成分を各々補正して、各々補正した迷光量を加算することで、パッチ測定時の迷光量を算出している。
S406では、迷光補正部1232は、S405で算出した迷光補正量FBを用いた減算処理(第5の補正手段)を行い、迷光補正処理を終了し、図6に示すS207の処理を終了して、処理をS208に進める。すなわち、迷光補正部1232は、白板3及び測色用パッチ142のセンサ出力から暗電流成分が除去されたセンサ出力Wsg(i)及びセンサ出力Psg(j,i)から、S405で算出した迷光成分FB(i)を減算する。暗電流成分及び迷光のノイズ成分を除去した、白板3及びj番目の測色用パッチの画素iのデータであるWsg(i)とPsg(j,i)は次の(式16)、(式17)によって求められる。
(白板3の場合)
Wsg(i)=Wtmp(i)−FB(i)・・・(式16)
(j番目の測色用パッチの場合)
Psg(j,i)=Ptmp(j,i)−FB(i)・・・(式17)
以上のように、本実施例では、ラインセンサ9の画素対波長の関係が変化した場合、及び迷光の源である分光カラーセンサ122の白色LED6の光量が変化した場合においても、次のような処理により、分光分布を取得することができる。すなわち、各変化により影響のある迷光成分を各々補正した迷光量を用いてパッチに対するセンサ出力を減算することにより、測色用パッチ142の分光分布を取得することができる。これにより、パッチ測定時に光吸収体などを用いて迷光成分を測定毎に直接測定することなく、測色の精度を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本実施例によれば、迷光量を更新する際の精度を向上させることができる。
6 白色LED
8 回折格子
9 ラインセンサ
122 分光カラーセンサ
124 センサ記憶部

Claims (13)

  1. 被測色物に光を照射する発光手段と、
    前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、
    を備える測色装置であって、
    予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、
    前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量と前記第2の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第2の補正手段と、
    前記第2の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第3の補正手段と、
    を備える測色装置。
  2. 前記第2の迷光量は、前記分光手段を取り外し、前記発光手段から前記被測色物に光が照射されたときの前記被測色物からの反射光が入力されない状態で、前記発光手段より光を照射したときの前記光検出素子の出力から、前記発光手段から光を照射しないときの前記光検出素子の出力を減算することにより算出され、
    前記第1の迷光量は、前記分光手段を取り付け、前記発光手段から前記被測色物に光が照射されたときの前記被測色物からの反射光が入力されない状態で、前記発光手段より光を照射したときの前記光検出素子の出力から、前記発光手段から光を照射しないときの前記光検出素子の出力、及び前記第2の迷光量を減算することにより算出されることを特徴とする請求項1に記載の測色装置。
  3. 前記第3の補正手段による前記被測色物の測定結果に基づいて、前記測色物の分光反射率、及び色度を算出する算出手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測色装置。
  4. 前記分光反射率は、既知の前記基準部材の分光反射率と、前記第3の補正手段により補正された、前記被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果と、に基づいて算出されることを特徴とする請求項3に記載の測色装置。
  5. 前記受光手段の前記光検出素子は、前記分光手段により分光された光の波長に対応していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の測色装置。
  6. 被測色物に光を照射する発光手段と、
    前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、
    を備える測色装置であって、
    予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、
    前記基準部材の測色時の測定結果と、前記第2の迷光量との相対比を算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて、前記第2の迷光量を補正する第2の補正手段と、
    前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量を、前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて補正する第3の補正手段と、
    前記第2の補正手段により補正した前記第2の迷光量と、前記第3の補正手段により補正した前記第1の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第4の補正手段と、
    前記第4の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第5の補正手段と、
    を備える測色装置。
  7. 前記第1の算出手段は、複数の前記光検出素子のうちの発光強度のない波長領域に対応する複数の光検出素子の出力に基づいて、前記相対比を算出することを特徴とする請求項6に記載の測色装置。
  8. 前記第2の迷光量は、前記分光手段を取り外し、前記発光手段から前記被測色物に光が照射されたときの前記被測色物からの反射光が入力されない状態で、前記発光手段より光を照射したときの前記光検出素子の出力から、前記発光手段から光を照射しないときの前記光検出素子の出力を減算することにより算出され、
    前記第1の迷光量は、前記分光手段を取り付け、前記発光手段から前記被測色物に光が照射されたときの前記被測色物からの反射光が入力されない状態で、前記発光手段より光を照射したときの前記光検出素子の出力から、前記発光手段から光を照射しないときの前記光検出素子の出力、及び前記第2の迷光量を減算することにより算出されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の測色装置。
  9. 前記第5の補正手段による前記被測色物の測定結果に基づいて、前記測色物の分光反射率、及び色度を算出する算出手段を備えることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の測色装置。
  10. 前記分光反射率は、既知の前記基準部材の分光反射率と、前記第5の補正手段により補正された前記被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果に基づいて算出されることを特徴とする請求項9に記載の測色装置。
  11. 前記受光手段の前記光検出素子は、前記分光手段により分光された光の波長に対応していることを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の測色装置。
  12. 画像を形成する画像形成手段と、
    被測色物に光を照射する発光手段と、
    前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、
    予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、
    前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量と前記第2の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第2の補正手段と、
    前記第2の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第3の補正手段と、
    前記第3の補正手段により補正された前記被測色物の測色時の測定結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する制御手段と、
    を備える画像形成装置。
  13. 画像を形成する画像形成手段と、
    被測色物に光を照射する発光手段と、
    前記被測色物に前記発光手段により光が照射されて反射された光を分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された光を複数の光検出素子により受光する受光手段と、
    予め測定された、前記分光手段により分光された迷光成分である第1の迷光量、前記分光手段を介さない迷光成分である第2の迷光量、及び被測色物に形成された画像の測色を行う際の基準となる基準部材の測色結果を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記基準部材の前記測色結果に基づく前記光検出素子に投影される前記分光の波長と投影位置との対応関係を、測色時に測色された前記基準部材の測定結果に基づいて補正する第1の補正手段と、
    前記基準部材の測色時の測定結果と、前記第2の迷光量との相対比を算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて、前記第2の迷光量を補正する第2の補正手段と、
    前記第1の補正手段により補正された前記分光の波長と投影位置との前記対応関係を用いて、前記記憶手段に記憶された前記第1の迷光量の補正を行い、補正を行った前記第1の迷光量を、前記第1の算出手段により算出した前記相対比に基づいて補正する第3の補正手段と、
    前記第2の補正手段により補正した前記第2の迷光量と、前記第3の補正手段により補正した前記第1の迷光量に基づいて、測色時の迷光量を補正する第4の補正手段と、
    前記第4の補正手段により補正された前記測色時の前記迷光量に基づいて、被測色物の測色時の測定結果及び前記基準部材の測色時の測定結果を補正する第5の補正手段と、
    前記第5の補正手段により補正された前記被測色物の測色時の測定結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を制御する制御手段と、
    を備える画像形成装置。
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