JP2019148195A - 蒸気タービンのパッキンヘッド、及び蒸気タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】パッキンヘッドの接合面における蒸気漏洩を抑制することである。【解決手段】本実施形態によれば、蒸気タービンのパッキンヘッドは、タービンロータの軸方向に配置される高圧タービンと中圧タービンとに供給される蒸気を分断するスチームジョイント面を有する蒸気タービンのパッキンヘッドであって、フランジ状の二つの第1平端面を有し、タービンロータの周りに配置される半円環状の第1構造体と、対応するフランジ状の二つの第1平端面に面接接合される二つの第2平端面を有する半円環状の第2構造体と、を備え、高圧タービン側の軸方向端面からスチームジョイント面を含む基準平面までの軸方向距離L1と、中圧タービン側の軸方向端面から基準平面までの軸方向距離L2とが、L1>L2の関係を有する、蒸気タービンのパッキンヘッド。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、蒸気タービンのパッキンヘッド、及び蒸気タービンに関する。
高中圧対向流のタービンでは、同一のケーシング内に高圧タービンと中圧タービンが対向して配置される。ボイラから供給される蒸気は、ケーシング中央付近において、主蒸気配管から高圧タービンへ、再熱蒸気配管から中圧タービンへそれぞれ供給される。このケーシング内部において、高圧タービンと中圧タービンを隔てるためにパッキンヘッドが設置されている。このパッキンヘッドの中圧タービン側の外面では、ケーシングとパッキンヘッドにより再熱蒸気室が作られ、供給された再熱蒸気が再熱蒸気室を流れて中圧タービンの翼列へと流入する。また、パッキンヘッドの内側にはパッキンリングが設置され、パッキンリングとロータの間の微小な間隙を通って、高圧タービンから中圧タービンの向きに蒸気が流れる。パッキンヘッドは上半の構造体と下半の構造体に分かれており、両者はボルトにより締め付けることでそれぞれの平端面を密着させている。パッキンヘッドの平端面には2種類の開口力が働く。1つは圧力による開口力で、もう1つは温度差により生じる伸び差による開口力である。
パッキンヘッドの内面の圧力は、高圧タービンの圧力から徐々に減少して中圧タービンの圧力になる。一方パッキンヘッドの外面の圧力は、高圧タービン側は高圧タービンの圧力、中圧タービン側は中圧タービンの圧力となる。このため、高圧タービン側では外面の圧力の方が内面の圧力より高いため開口力は生じない。これに対し、中圧タービン側では内面の圧力の方が外面の圧力より高いため開口力が生じる。
次に温度だが、中圧タービンに供給される再熱蒸気温度は、通常高圧タービンの主蒸気温度と同等または、再熱蒸気温度の方が高い。また、高圧タービンからパッキンヘッド内側を通って中圧タービンに流れ込む蒸気は、圧力低下により高圧タービン側から流入する蒸気温度から徐々に低下していく。さらに、高圧タービンと中圧タービンの間の部分に、より低温の蒸気を導入して中圧タービンのロータや羽根植込み部の冷却に使うこともある。従って、パッキンヘッドの内側は低温の蒸気が流れ、パッキンヘッドの外側は高温の蒸気が流れるため、内外面に温度差が生じる。このとき、外面は熱膨張が大きく、内面は熱膨張が小さいため、内面側を開口させる開口力が生じる。内外面の温度差は中圧タービン側の方が大きいため、温度差による開口力は特に中圧タービン側で大きくなる。近年ではサイクル効率を向上させるために主蒸気や再熱蒸気の温度が高くなってきているが、ロータや羽根植込み部も冷却する必要があるためパッキンヘッド内外面の温度差が大きくなる傾向にある。
開口力が大きいとボルトによる締め付け力が不十分となり水平面から蒸気が漏洩する。開口力を上回る締め付け力を与えられればよいが、ボルトの締め付け力を増やすためにボルトに大きな応力を発生させて締め付けると、初めは水平面を密着させることができるが、クリープ変形が早く進み締め付け力が不十分となってしまう。このため、応力を増やさずに締め付け力を増やすにはボルトサイズを大きくすればよいが、パッキンヘッドは径方向の幅が狭いためボルトサイズにも限界が生じる。
特許第3631901号公報 特開平10−205306公報 特開平10−89012公報 特開平10−306707号公報 特開平10−26006号公報
発明が解決しようとする課題は、パッキンヘッドの接合面における蒸気漏洩を抑制することである。
本実施形態によれば、蒸気タービンのパッキンヘッドは、タービンロータの軸方向に配置される高圧タービンと中圧タービンとに供給される蒸気を分断するスチームジョイント面を有する蒸気タービンのパッキンヘッドであって、
フランジ状の二つの第1平端面を有し、前記タービンロータの周りに配置される半円環状の第1構造体と、
対応する前記二つの第1平端面に面接接合されるフランジ状の二つの第2平端面を有する半円環状の第2構造体と、を備え、
前記高圧タービン側の軸方向端面から前記スチームジョイント面を含む基準平面までの軸方向距離L1と、中圧タービン側の軸方向端面から前記基準平面までの軸方向距離L2とが、L1>L2の関係を有する、蒸気タービンのパッキンヘッド。
本実施形態によれば、パッキンヘッドの接合面における蒸気漏洩を抑制することができる。
本実施形態に係る蒸気タービンの概略縦断面図。 パッキンヘッドを構成する下半及び上半の構造体の上面図。 溝により構成される溝部を示す図。 図1のA−A断面を示す図。 パッキンヘッドの外面及び内面に係る圧力特性を示す図。 図4におけるC−C断面における断面図。 二つの第2平端面をそれぞれ延在させた面が交わる角度を示す図。
以下、本発明の実施形態に係る蒸気タービンのパッキンヘッド、及び蒸気タービンについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
(一実施形態)
図1は、本実施形態に係る蒸気タービン1の概略縦断面図である。本実施形態に係る蒸気タービン1には、一つのケーシング2内のタービンロータ3の軸方向に高圧タービン6と中圧タービン8とが対向して配置される。すなわち、この蒸気タービン1は、一つのケーシング2に高圧タービン6と中圧タービン8とを収容する高中圧対向流の高中圧一体型構造になっている。ケーシング2は、高中圧一体外部ケーシング2aと、高中圧一体内部ケーシング2bと、中圧内部ケーシング2cと、を備えて構成されている。高中圧一体外部ケーシング2aは、高圧タービン6と中圧タービン8を収納する。高中圧一体内部ケーシング2bは、後述する複数のタービン段落14と、複数のタービン段落26の内の前段26aを収納する。中圧内部ケーシング2cは、複数のタービン段落26の内の後段26bを収納する。
高圧タービン6は、主蒸気管4に連通された高圧タービンノズルボックス7から蒸気の供給を受ける翼列を有している。すなわち、この高圧タービン6は、静翼10と動翼12とを組とする段落14を複数有している。これら複数の段落14は、タービンロータ3の回転軸Zの軸方向に沿って配置されている。
このように、主蒸気管4を介して供給された主蒸気は高圧タービンノズルボックス7から複数のタービン段落14に供給される。これにより、複数のタービン段落14により主蒸気を膨張仕事させて、回転エネルギを発生させる。膨張仕事を終えた主蒸気の高圧タービン排気は、高圧タービン排気室16及び排管17を介して、ボイラの再熱器に供給される。
中圧タービン8は、再熱蒸気管18に連通された再熱蒸気室20から蒸気の供給を受ける翼列を有している。すなわち、この中圧タービン8は、回転エネルギを生成する静翼22と動翼24とを組とする段落26を複数有している。これら複数の段落26は、タービンロータ3の回転軸Zの軸方向に沿って配置されている。
再熱蒸気管18を介して供給された再熱蒸気は再熱蒸気室20から複数のタービン段落26の内の前段26aに供給される。複数のタービン段落26により再熱蒸気を膨張仕事させて、タービンロータ3に動力を発生させる。膨張仕事を終えた再熱蒸気の中圧タービン排気は、中圧タービン排気室28を介して排出される。
また、第1空間A1には主蒸気管4から供給される蒸気が流入する。すなわち、第1空間A1は、高圧タービン6における蒸気の主経路及び高圧タービン排気室16などに連通する空間である。一方、再熱蒸気室20(第2空間A2)には再熱蒸気管18から供給される蒸気が流入する。すなわち、第2空間A2は、中圧タービン8における蒸気の主経路及び中圧タービン排気室28などに連通する空間である。
パッキンヘッド32は、高圧タービン6と中圧タービン8とに供給される蒸気を分断するスチームジョイント面を有する。このパッキンヘッド32は、高圧タービン6に蒸気を供給する第1空間A1と中圧タービンに蒸気を供給する第2空間A2とを分断している。また、このパッキンヘッド32の中圧タービン8側の外面では、高中圧一体内部ケーシング2bとパッキンヘッド32により再熱蒸気室20(第2空間A2)が構成されている。
ここで、図2に基づいて、本実施形態に係るパッキンヘッド32の詳細な構成を説明する。図2は、パッキンヘッド32を構成する下半の構造体32aと上半の構造体32bの上面図であり、(a)が下半の構造体32aの上面図であり、(b)が上半の構造体32bの上面図である。図2では、下半の構造体32aにはaを付し、上半の構造体32bにはbを付し、共通する構造には同一の番号を付して、説明を省略する。
図2に示すように、パッキンヘッド32は、一対の下半の構造体32aと、上半の構造体32bとを備えて構成されている。下半の構造体32aと、上半の構造体32bとは、タービンロータ3(図1)の周りで接合され、円環状のパッキンヘッド32を構成する。構成されたパッキンヘッド32の内面とタービンロータ3の軸表面とにより蒸気の漏洩を防ぐシールリングを構成する。なお、本実施形態に係る下半の構造体32aが第1構造体に対応し、上半の構造体32bが第2構造体に対応する。
下半の構造体32aは、タービンロータ3の周りに配置される半円環状の構造体であり、二つの第1平端面34a、36aと、複数のセグメント38aと、溝40a乃至46aと、スチームジョイント面48aを有するスチームジョイント面部50aと、を備えて構成されている。図2では、更に、ボルト穴51a乃至56aが図示されている。上半の構造体32bも下半の構造体32aと同等の構図であり、二つの第2平坦面34b、36bと、溝40b乃至46bと、スチームジョイント面48bを有するスチームジョイント面部50bと、を備えて構成されている。図2では、更に、ボルト穴51b乃至56bが図示されている。
二つの第1平端面34a、36aと、対応する二つの第2平坦面34b、36bは面接合される。すなわち、下半の構造体32aの第1平端面34aと、上半の構造体32bの第2平端面34bとが密着して接合され、下半の構造体32aの第1平端面36aと、上半の構造体32bの第2平端面36bとが密着して接合される。この場合、ボルト穴51a乃至56aとボルト穴51b乃至56bとは、対応する番号のボルト穴が一致し、それぞれのボルト穴にボルトが挿入され、ボルトにより締め付けられる。これにより、タービンロータ3の周りにパッキンヘッド32が構成される。これにより、スチームジョイント面48aとスチームジョイント面48bとによりスチームジョイント面が構成される。同様に、スチームジョイント面部50aとスチームジョイント面部50bとによりスチームジョイント面部が構成される。
セグメント38aは、T字脚を有し、下半の構造体32aの溝58aにはめ込まれている。セグメント38aは、コイルばねあるいは帯状の板バネにより裏面から支えられている。これにより、セグメント38aが有するフィンがタービンロータ3と接しても、接触荷重が制限される。セグメント38aが有するフィンと、このフィンと対応するタービンロータ3(図1)の表面構造により、蒸気の漏洩を防ぐシールリングが構成される。このシールリングは、例えば、ラビリンス型、スプリングバックシール、リーフシール、ブラシシールなどの一般的な構造であり、詳細な説明は省略する。
図3は、溝40a、40bにより構成される溝部40を示す図である。図3は、下半の構造体32aと、上半の構造体32bとを接合した場合の図2におけるB−B断面とB1−B1断面を見た図である。この図3に示すように、溝40aと、溝40bとは、下半の構造体32aの第1平端面34aと、上半の構造体32bの第2平端面34bとが接合されることにより、溝部40を構成する。溝部40は、パッキンヘッド32のタービンロータ3側の内面に開口部を有する。これにより、溝部40は、第1平端面34aと、第2平端面34bとの隙間を漏洩した漏洩蒸気を回収し、パッキンヘッド32のタービンロータ3側の内面に構成される開口部から排出する。
同様に、溝42a乃至46aと、溝42b乃至46bとは、下半の構造体32aの第1平端面34aと、上半の構造体32bの第2平端面34bとが接合されることにより、複数の溝部を構成する。複数の溝部のそれぞれは、第1平端面34aと、第2平端面34bとの隙間、又は第1平端面36aと、第2平端面36bとの隙間を漏洩した漏洩蒸気を回収し、パッキンヘッド32のタービンロータ3側の内面に構成される開口部から排出する。このように、二つの第1平端面34a、36a及び二つの第2平端面34b、36bの内の少なくとも一つの面に配置され、タービンロータ3側に蒸気を逃がす溝42a乃至46aと、溝42b乃至46bとを設けている。これにより、第1平端面34aと、第2平端面34bとの隙間、又は第1平端面36aと、第2平端面36bとの隙間を介して蒸気が漏洩することを防ぐことができる。
次に、図4及び図5に基づき、蒸気タービン1の動作時におけるパッキンヘッド32の圧力特性について説明する。図4は、図1のA−A断面を示す図である。すなわち、下半の構造体32aの上端面34aと、高中圧一体内部ケーシング2b(図1)とが図示されている。図5はパッキンヘッド32の外面及び内面に係る圧力特性を示す図である。縦軸は圧力を示し、横軸はパッキンヘッド32の端面間の距離を示している。
図4に示すように、基準平面RPは、スチームジョイント面48a、48b(図2)を含む
平面である。この基準平面RPは、タービンロータ3の軸Zに直交する面であり、ケーシング2が有する高中圧一体内部ケーシング2bの対向する面202bに接する。すなわち、パッキンヘッド32が有するスチームジョイント面48aは、ケーシング2が有する高中圧一体内部ケーシング2bの対向する面202bに接することで、高圧タービン6に蒸気を供給する第1空間A1と中圧タービン8に蒸気を供給する第2空間A2とを分断する。パッキンヘッド32の高圧側タービンの軸方向端面66aから基準平面RPまでの距離をL1とし、中圧側タービンの軸方向端面68aから基準平面RPまでの距離をL2とする。
図4に示すように、第1空間A1には主蒸気管4(図1)から供給される蒸気が流入する。一方、第2空間A2には再熱蒸気管18(図1)から供給される蒸気が流入する。第1空間A1内の蒸気圧P1>第2空間A2内の蒸気圧P2の関係があるので、パッキンヘッド32には矢印60aに示すように、高圧タービン側から中圧タービン側に向かう押圧力がかかる。
この押圧力により、パッキンヘッド32のスチームジョイント面48aは、ケーシング2が有する高中圧一体内部ケーシング2bの対向する面202bに押圧される。これにより、高圧タービン用の蒸気が流入する第1空間A1と中圧タービン用の蒸気が流入する第2空間A2とは分離される。
また、第1空間A1内の蒸気圧P1>第2空間A2内の蒸気圧P2の関係があるので、矢印62a、64aで示すように、パッキンヘッド32とタービンロータ3で構成するシールリングの微小な間隙を通って、高圧タービンから中圧タービンの向きに蒸気が流れる。
図5に示すように、高圧側タービンの端面62aから基準平面RPまでのパッキンヘッド32の外側の面には圧力P1がかかる。これに対して、基準平面RPから中圧側タービンの軸方向端面68aまでのパッキンヘッド32の外側の面には圧力P2がかかる。このため、パッキンヘッド32の外側の圧力は基準平面RPを境に、高圧側の圧力はP1、中圧側の圧力はP2となるので、実線で示すような軸方向変化となる。一方で、パッキンヘッド内側の圧力は、高圧側のP1から中圧側のP2にかけて徐々に圧力が変化していくため、1点鎖線で示すような軸方向変化となる。
ここで、パッキンヘッド32の外側の圧力変化を示す実線と、パッキンヘッド内側の圧力変化を示す1点鎖線と、基準平面RP(図4)の位置を示す点線と、の交点をa、b、c、d、eとする。L1で示す範囲では、パッキンヘッド32の外側の圧力がパッキンヘッド32の内側の圧力よりも高い状態となるため、a、b、cが囲む三角形の面積がパッキンヘッド32の開口を抑える力の大きさを表している。L2で示す範囲では、パッキンヘッド内側の圧力がパッキンヘッド外側の圧力よりも高い状態となるため、c、d、eが囲む三角形の面積がパッキンヘッド32の開口力の大きさを表している。三角形a、b、cおよび三角形c、d、eの面積の大きさはそれぞれL1およびL2の大きさと比例関係にあるため、L1>L2の関係式を満たすパッキンヘッド32の構造においては、三角形a、b、cの面積が三角形c、d、eの大きさよりも大きくなり、パッキンヘッドの開口を抑える力がパッキンヘッドの開口力よりも大きくなるため、パッキンヘッド32(図2)の下半の構造体32aと上半の構造体32bの接合面34aと34bの間、及び接合面36aと36bの開口力を低減することができる。
ここで、溝のより詳細な構成を説明する。図5に示すように、パッキンヘッド32の内側におけるL1の範囲の圧力は、パッキンヘッド32の外側におけるL2の範囲の圧力よりも高くなる。これから分かるように、図4に示すパッキンヘッド32の内側におけるL1の範囲からパッキンヘッド32の外側におけるL2の範囲へ向けて蒸気は漏洩しやすくなる。すなわち、図4の矢印204bに示すように、スチームジョイント面48aを含む基準平面RPを通過する方向へ蒸気漏洩は生じやすくなっている。このため、図2及び図4に示す、例えば溝40a、42aに示すように、パッキンヘッド32の内側におけるL2の範囲に開口を設け、この開口から点線206bの近辺まで達する溝を設けることで、スチームジョイント面48aを204bの経路で通過する漏洩蒸気をパッキンヘッド32の内側に、より効率よく回収することができる。
図6は、図4におけるC−C断面における断面図である。すなわち、図6は、パッキンヘッド32のタービンロータの回転軸Zに垂直な断面であり、ボルト締めする前の状態を示している。この図6に示すように、接合前の二つの第1平端面34a、36aをそれぞれ延在させた面が交わる角度はαであり、αは180度未満である。
図7は、図4におけるC−C断面における断面図であり、接合前の二つの第2平端面34b、36bをそれぞれ延在させた面が交わる角度を示す図である。接合前の二つの第1平端面34a、36aと同様に、接合前の二つの第2平端面34b、36bをそれぞれ延在させた面が交わる角度はβであり、βは180度未満である。このように、接合前の二つの第1平端面34a、36aおよび二つの第2平端面34b、36bは非平行である。
パッキンヘッド32の外側は高温蒸気が流れ、パッキンヘッド内側は低温蒸気が流れるので、外側の熱膨張と内側の熱膨張の大きさが異なる。このため、あらかじめ外側と内側の熱膨張の差分だけ第1平端面34aと36aの間、又は第2平端面34bと36bの間に傾斜を設けておくことで、運転時の熱膨張差による開口力の発生を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、パッキンヘッド32を高圧タービン側の端面62aから基準平面RPまでの軸方向距離L1と、中圧タービン側の軸方向端面64aから基準平面RPまでの軸方向距離L2とが、L1>L2の関係を有するように構成した。これにより、パッキンヘッド32の外面にかかる圧力が、パッキンヘッド32の内面にかかる圧力よりも大きくなり、パッキンヘッド32の上半の構造体32aと下半の構造体32bの接合面34aと34bの間、及び接合面36aと36bの間における蒸気漏洩をより低減できる。
また、二つの第1平端面34a、36a及び二つの第2平端面34b、36bの内の少なくとも一つの面にタービンロータ3に対向する内面に開口を有する溝40a乃至46aと溝40b乃至46bを設けている。これにより、接合面34aと34bの間、及び接合面36aと36bの間における漏洩蒸気を回収でるので、接合面34aと34bの間、及び接合面36aと36bの間における蒸気漏洩をより低減できる。
さらにまた、接合前の二つの第1平端面34a、36aおよび二つの第2平端面34b、36bは非平行とした。すなわち、接合前の二つの第1平端面34a、36aをそれぞれ延在させた場合、及び接合前の二つの第2平端面34b、36bをそれぞれ延在させた場合に交わる角度を180度未満とした。このように、パッキンヘッド32の外側と内側の熱膨張の差分だけ予め第1平端面34aと36aの間、又は第2平端面34bと36bの間に傾斜を設けておくことで、運転時の熱膨張差による開口力の発生を防ぐことができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1:蒸気タービン、2:ケーシング、3:タービンロータ、6:高圧タービン、8:中圧タービン、32:パッキンヘッド、32a:下半の構造体、32b:上半の構造体、34a:第1平端面、34b:第2平端面、36a:第1平端面、36b:第2平端面、40a〜46a:溝、40b〜46b:溝、48a:スチームジョイント面、48b:スチームジョイント面、50a:スチームジョイント面部、50b:スチームジョイント面部、66a:高圧タービン側の軸方向端面、68a:中圧タービン側の軸方向端面、A1:第1空間、A2:第2空間、RP:基準平面

Claims (8)

  1. タービンロータの軸方向に配置される高圧タービンと中圧タービンとに供給される蒸気を分断するスチームジョイント面を有する蒸気タービンのパッキンヘッドであって、
    フランジ状の二つの第1平端面を有し、前記タービンロータの周りに配置される半円環状の第1構造体と、
    対応する前記二つの第1平端面に面接合されるフランジ状の二つの第2平端面を有する半円環状の第2構造体と、を備え、
    前記高圧タービン側の軸方向端面から前記スチームジョイント面を含む基準平面までの軸方向距離L1と、中圧タービン側の軸方向端面から前記基準平面までの軸方向距離L2とが、L1>L2の関係を有する、蒸気タービンのパッキンヘッド。
  2. 前記二つの第1平端面及び前記二つの第2平端面の内の少なくとも一つの面に配置され、前記タービンロータ側に蒸気を逃がす溝を設けている、請求項1に記載の蒸気タービンのパッキンヘッド。
  3. 前記基準平面は、前記タービンロータの回転軸に直交する面であり、
    前記溝は、前記中圧タービン側の軸方向端面から前記基準平面までの内面に開口を有し、前記開口から前記基準平面を超えるように配置されている、請求項2に記載の蒸気タービンのパッキンヘッド。
  4. 接合前の前記二つの第1平端面および前記二つの第2平端面は非平行である、請求項1に記載の蒸気タービンのパッキンヘッド。
  5. タービンロータの軸方向に配置される高圧タービンと中圧タービンとに供給される蒸気を分断するスチームジョイント面を有する蒸気タービンのパッキンヘッドであって、
    フランジ状の二つの第1平端面を有し、前記タービンロータの周りに配置される半円環状の第1構造体と、
    対応する前記二つの第1平端面に面接接合されるフランジ状の二つの第2平端面を有する半円環状の第2構造体と、を備え、
    前記二つの第1平端面及び前記二つの第2平端面の内の少なくとも一つの面に配置され、前記タービンロータ側に蒸気を逃がす溝を設けている、蒸気タービンのパッキンヘッド。
  6. 接合前の前記二つの第1平端面および前記二つの第2平端面は非平行である、請求項5に記載の蒸気タービンのパッキンヘッド。
  7. タービンロータの軸方向に配置される高圧タービンと中圧タービンとに供給される蒸気を分断するスチームジョイント面を有する蒸気タービンのパッキンヘッドであって、
    フランジ状の二つの第1平端面を有し、前記タービンロータの周りに配置される半円環状の第1構造体と、
    対応する前記二つの第1平端面に面接接合されるフランジ状の二つの第2平端面を有する半円環状の第2構造体と、を備え、
    接合前の前記二つの第1平端面および前記二つの第2平端面は非平行である、蒸気タービンのパッキンヘッド。
  8. 高圧タービンと、
    前記高圧タービンと同一のタービンロータに配置される中圧タービンと、
    前記高圧タービンと、前記中圧タービンとを収納するケーシングと、
    前記ケーシングの対向する面と面接合することにより、前記高圧タービンに蒸気を供給する第1空間と前記中圧タービンに蒸気を供給する第2空間とを分断するスチームジョイント面を有するパッキンヘッドと、を備え、
    前記パッキンヘッドは、
    フランジ状の二つの第1平端面を有し、前記タービンロータの周りに配置される半円環状の第1構造体と、
    対応する前記二つの第1平端面に面接接合されるフランジ状の二つの第2平端面を有する半円環状の第2構造体と、を有し、
    前記パッキンヘッドの前記高圧タービン側の軸方向端面から前記スチームジョイント面を含む基準平面までの軸方向距離L1と、前記パッキンヘッドの中圧タービン側の軸方向端面から前記基準平面までの軸方向距離L2とが、L1>L2の関係を有する、蒸気タービン。
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