以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンスイッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機10は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口1)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下部には始動入賞口92が設けられ、またこの流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、始動入賞口92に入賞せずに下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
始動入賞口92は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口(始動入賞領域)であり、この始動入賞口92(始動口2)に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ92a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32における始動入賞口36の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(下大入賞口、大入賞口1)95が配設されている。特別変動入賞装置95は、開閉部材95cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材95cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材95cが遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置95は、駆動装置としての大入賞口1ソレノイド95b(図3参照)により駆動される開閉部材95cによって開閉される大入賞口(下大入賞口、大入賞口1)を備え、特図1変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(上大入賞口、大入賞口2)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口2ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(上大入賞口、大入賞口2)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
なお、大入賞口スイッチ38aは、本実施形態のように大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個設けられる(図3参照)。この第1の実施形態の場合、第1特別変動入賞装置(下大入賞口、大入賞口1)をなす特別変動入賞装置95は、大入賞口スイッチ38aが1個だけ配設されている。一方、第2特別変動入賞装置(上大入賞口、大入賞口2)をなす特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されている。また特別変動入賞装置95は、たとえば特別変動入賞装置38に比べて大入賞口が小さい入賞装置(いわゆるミニアタッカー)である。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や特別変動入賞装置95、一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口1スイッチ37a、始動入賞口92内の始動口2スイッチ92a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(N個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(X個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a,37a、始動口2スイッチ92a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、および大入賞口スイッチ38aの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、RAM初期化スイッチ112の検出信号が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a,37aと始動口2スイッチ92aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は状態表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、状態表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および状態表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される状態表示装置135の表示データ信号を受けて状態表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、状態表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと状態表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
なお、遊技機10における設定は、以下のようにしておこなうことで不正防止対策を図るようにしてもよい。
(1)遊技制御装置100は、設定変更時に遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理を実行する。これにより、遊技機10は、異なる設定値に跨って遊技制御をおこなうことを防止する。
(2)遊技制御装置100は、設定変更時および設定確認時に外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。これにより、遊技機10は、設定変更あるいは設定確認があったことを外部接続機器(たとえば、ホールコンピュータや、呼出ランプ等の情報開示機器)に対して通知することができる。セキュリティ信号を入力した外部接続機器は、設定変更あるいは設定確認があったことを報知手段(ランプや音(音声を含む)等)により報知することができる。なお、遊技制御装置100は、設定変更と設定確認とで共通のセキュリティ信号を出力してもよいし、設定変更と設定確認とを区別可能なセキュリティ信号を出力してもよい。
(3)遊技制御装置100は、基板ボックスに収容されて前面枠12の裏面側に取り付けられる。遊技制御装置100は、所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)、各種コネクタ等が外部に臨む以外、封止された基板ボックスによって保護される。これにより、設定変更あるいは設定確認の移行契機となる主媒体(遊技用マイコン111等)は、封止された基板ボックスによって保護される。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127を外部に臨ませて、設定キースイッチ127以外の所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126)を封止された基板ボックスによって保護するものであってもよい。
(4)遊技制御装置100は、設定変更あるいは設定確認の移行契機となる主媒体(遊技用マイコン111等)へのアクセスに設定キースイッチ127の操作を必須とすることで、設定キーを有しない第三者の主媒体へのアクセスを排除する。なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の操作によって、所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126)へのアクセスを可能にする構成としてもよい。たとえば、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の操作によってRAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126への物理的操作を可能にする構成(たとえば、操作窓の開閉)としてもよいし、設定キースイッチ127の操作によってRAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126への操作を電気的にあるいは論理的に有効化する構成としてもよいし、これらの組合せによる構成としてもよい。
(5)遊技制御装置100は、所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)、所要の情報表示部(状態表示装置135、確率設定値表示装置136)を遊技用マイコン111によって制御する。なお、遊技制御装置100は、エラー解除に用いるエラー解除スイッチや、遊技開始契機を与える遊技開始スイッチを備えるようにしてもよく、エラー解除スイッチや遊技開始スイッチもまた遊技用マイコン111によって制御するようにしてもよい。
(6)遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ127の入力状態の組合せから4つの電源投入状態を決定する。遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がONのとき、設定値を変更可能な設定変更状態とし、RAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がONのとき、設定値を確認可能な設定確認状態とし、RAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がOFFのとき、遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化するRAMクリア(RWMクリア)状態とし、RAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がOFFのとき、電源投入があった停電復旧(復電)状態とする。
(7)遊技機10は、設定変更状態において、以下のようなステップで設定変更をおこなうことができる。電源OFFの状態で設定キースイッチ127がOFF状態で設定キーを挿入する(ステップ1)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をON状態に切り替える(ステップ2)。RAM初期化スイッチ112を押下操作(ON)しながら電源を投入(電源スイッチON)することにより、設定変更状態となる(ステップ3)。設定変更状態において、設定値変更スイッチ126の押下操作1回ごとに設定値を変更する(ステップ4)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をOFF状態に切り替えることで設定値を確定し、設定変更状態を終了する(ステップ5)。
このとき、報知手段(たとえば、表示装置41による表示、スピーカ19a,19bによる音(音声)、枠装飾装置18や盤装飾装置46による発光)により、ステップ3,4で設定変更を報知し、ステップ5でRAMクリアを報知する。また、外部情報出力手段(たとえば、外部情報端子板71)は、ステップ3,4でセキュリティ信号を出力し、ステップ5でセキュリティ信号の出力を停止する。なお、遊技制御装置100は、ステップ5におけるRAMクリア報知に先立ち、ステップ3でRAMクリアを実行する。すなわち、遊技制御装置100は、RAMクリア報知よりも設定変更報知を優先することで、設定値変更報知を迅速におこない不正防止対策としての効果向上を図っている。また、確率設定値表示装置136は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3,4で設定値を表示し、ステップ5で消灯する。また、状態表示装置135は、ステップ1〜4で消灯し、ステップ5でベース値を表示する。なお、遊技機10は、状態表示装置135と確率設定値表示装置136とを一体にして設けてもよく、たとえば、状態表示装置135が確率設定値表示装置136を兼ねるようにしてもよい。その場合、状態表示装置135は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3,4で設定値を表示し、ステップ5でベース値を表示する。なお、遊技制御装置100の遊技状態は、ステップ3,4で遊技開始前であり、ステップ5で遊技開始し、以降遊技中となる。
(8)遊技機10は、設定確認状態において、以下のようなステップで設定確認をおこなうことができる。電源OFFの状態で設定キースイッチ127がOFF状態で設定キーを挿入する(ステップ1)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をON状態に切り替える(ステップ2)。RAM初期化スイッチ112を押下操作することなく(OFF)電源を投入(電源スイッチON)することにより、設定確認状態となる(ステップ3)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をOFF状態に切り替えることで設定確認状態を終了する(ステップ4)。
このとき、報知手段(たとえば、表示装置41による表示、スピーカ19a,19bによる音(音声)、枠装飾装置18や盤装飾装置46による発光)により、ステップ3で設定確認を報知する。また、外部情報出力手段(たとえば、外部情報端子板71)は、ステップ3でセキュリティ信号を出力し、ステップ4でセキュリティ信号の出力を停止する。また、確率設定値表示装置136は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3で設定値を表示し、ステップ4で消灯する。また、状態表示装置135は、ステップ1〜3で消灯し、ステップ4でベース値を表示する。なお、遊技機10は、状態表示装置135と確率設定値表示装置136とを一体にして設けてもよく、たとえば、状態表示装置135が確率設定値表示装置136を兼ねるようにしてもよい。その場合、状態表示装置135は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3で設定値を表示し、ステップ4でベース値を表示する。なお、遊技制御装置100の遊技状態は、ステップ3で遊技開始前であり、ステップ4で遊技開始し、以降遊技中となる。
なお、遊技機10は、設定変更や設定確認を電源投入時の遊技開始前に限っておこなえるようにしている。これにより、遊技機10は、遊技中の設定変更や設定確認を排除し、遊技中の動作保証を容易にしている。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aと普通変動入賞装置37に備えられた始動口1スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、始動入賞口92に備えられた始動口2スイッチ92aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、始動入賞口92)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口2ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口2内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口2に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口2の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口2を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口1ソレノイド95bにより特別変動入賞装置95の開閉部材95cを開放させ、大入賞口1内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。また、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口2ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口2内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。なお、これら小当り遊技状態で行われる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回行うといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
また、第1の実施形態の遊技機10の場合、遊技制御装置100は、所定の大当りにより発生した時短状態終了後(電サポ終了後)に、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなる確率をたとえば規定期間だけ高める特図2特別モード(第2特図変動表示ゲームが特定結果となる確率を高める特定結果高確率状態)を発生可能となっている。この特図2特別モードは一種の高確率状態である。
次に、この第1の実施形態の遊技機10のゲーム性(標準的な攻略法)の概略について説明する。この遊技機10のゲーム性は、通常遊技状態(上述した特図2特別モード、特別遊技状態、時短状態のうちの何れでもない状態)では左打ちを行って特図1変動表示ゲームで大当りを狙い、特別遊技状態(大当り状態)や時短状態(電サポ中)では右打ちを行い、特図2特別モードでは右打ちで特図2変動表示ゲームの小当りを狙い、特別遊技状態や時短状態や特図2特別モードが終了して通常遊技状態になると左打ちに戻す、というものである。なお、上述の特図2特別モードが設けられていることにより、遊技者は、時短状態終了後も通常遊技状態よりも高い期待感を維持して遊技できる可能性が生じ、遊技の興趣が向上する。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6および図7に示すメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)であり、図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。メイン処理は、CPU111Aが実行する処理である。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6および図7に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。第1の実施形態の場合、RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS7)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(たとえば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には、初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS7)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS9)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS11)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、この第1の実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する(ステップS16)。
そして、停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS17)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理をおこない(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS19)。
ここで、ステップS18及び後述するステップS43でおこなうチェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態からRAM初期化スイッチ112がオンにされたか否かを判定し(ステップS20)、RAM初期化スイッチ112がオフである場合(ステップS20;N)は、ステップS25(図7)へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理をおこなう。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS16;NまたはステップS17;N)と判定された場合や、チェックサムが正常でない(ステップS19;N)と判定された場合は、ステップS21へ移行してステップS21乃至S24でデータ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、RWM(たとえばRAM111C)内のデータが異常であると判定されたことにもとづいて、RWMに記憶されたデータ(アクセス禁止領域を含むすべての領域のデータ)を初期化する第1初期化手段をなす。
そして、ステップS21へ移行した場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS21)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含むすべてのRAM領域をゼロクリアして(ステップS22)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS23)。次に、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブし(ステップS24)、ステップS29へ移行する。ここでの初期化すべき領域とは、遊技制御用ワーク領域と状態表示用ワーク領域のうちのステップS22において書き込まれた値(ゼロ)ではない値を初期値とする領域であり、本実施形態では客待ちデモの設定および演出モードの設定に係る領域である。
一方、RAM初期化スイッチ112がオンである(ステップS20;Y)と判定された場合は、ステップS27(図7)へ移行してステップS27、S28で初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)をおこなう。すなわち、RAM初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことにもとづきRWM(たとえばRAM111C)に記憶されたデータ(アクセス禁止領域を含まない領域のデータ)を初期化する第2初期化手段をなす。
そして、ステップS27(図7)へ移行した場合には、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちの遊技制御用ワーク領域のデータをゼロクリアして(ステップS27)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブし(ステップS28)、ステップS29へ移行する。ここでの初期化すべき領域とは、本実施形態では客待ちデモの設定および演出モードの設定に係る領域である。
このように、第1の実施形態の遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
次に、ステップS25(図7)へ移行した場合には、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし(ステップS25)、特図ステータス(後述する特図ステータス領域にセットされているデータが示す状態)に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS26)、ステップS31へ進む。
ここで、ステップS25で初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域およびエラー不正監視に係る領域である。なおステップS25では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
また第1の実施形態の場合、ステップS26では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
一方、ステップS24またはS28からステップS29へ移行した場合には、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS29)、ステップS31へ進む。第1の実施形態の場合、ステップS29では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音でRAM初期化の報知をおこなわせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC(Counter/Timer Circuit))を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号にもとづいてCPU111Aに対して所定周期(たとえば、4m秒)のタイマ割込み信号および乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定等がCPU111Aによっておこなわれる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定もおこなわれる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(ビット転置前の配置)を、あらかじめ定められた順で入れ替えて異なるビット配置(ビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンにしたがい乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、あらかじめ用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(第1の実施形態の場合、大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図の大当り停止図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図の小当り停止図柄を決定する乱数(小当り図柄乱数)の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動ゲームの当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)の初期値となる乱数のことである。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では存在せず、当り図柄初期値乱数も機種により存在しない場合がある。
また、第1の実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、特に限定されるわけではないが、第1の実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数は、CPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新されるいわゆる「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))をもとにして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更するいわゆる「初期値変更方式」を採用している。なお、上記各乱数は、「+1」または「−1」によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェアおよびソフトウェアで更新される乱数である。
ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定をおこなう(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻される。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理をおこなう方法もあり、そのような方法を採用した場合には、両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理をおこなう場合には、割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、第1の実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)には、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS37)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合、一旦、割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS44)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について説明する。図8は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS34からS39)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS121)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS122)。ステップS122では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS123)をおこなう。それから、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口1ソレノイド95b、大入賞口2ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理(ステップS124)をおこなう。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS125)、乱数更新処理1(ステップS126)、乱数更新処理2(ステップS127)をおこなう。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
その後、始動口1スイッチ36a,37a、始動口2スイッチ92a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)をおこなう。また、始動口1スイッチ36a,37aおよび始動口2スイッチ92aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS129)、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS130a)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS130b)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS130c)をおこなう。
なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36または普通変動入賞装置37、あるいは第2始動入賞口をなす始動入賞口92に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS131)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS132)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS133)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS134)、状態表示のための状態表示編集出力処理(ステップS135)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS125)の詳細について説明する。図9は、第1の実施形態の払出コマンド送信処理のフローチャートを示す図である。また図10は、第1の実施形態の入賞数カウンタ領域の構造例を示す図である。
まず、入賞数カウンタ領域の一例について説明すると、入賞数カウンタ領域1は、たとえば図10に示すように、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは65535入賞まで記憶可能になっている。次に、入賞数カウンタ領域2は、たとえば図10に示すように、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは255入賞まで記憶可能になっている。これら入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックでは、入賞数カウンタ領域のアドレスを後述するステップS202等で更新することにより、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
次に、図9において、左列はメイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、右列は払出コマンドを送信する処理である。
払出コマンド送信処理では、まず、図10で説明したように賞球数別(たとえば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域2のカウンタのうち、チェック対象とされたカウンタに「0」でないカウント数があるか否かを判定する(ステップS201)。そして、カウント数がない場合(ステップS201;N)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS202)、入賞数カウンタ領域2のすべてのカウンタのカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS203)。
ステップS201で、カウント数がある(ステップS201;Y)と判定された場合、対象の入賞数カウンタ領域2のカウンタのカウント数を減算(「−1」更新)し(ステップS204)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数(たとえば、上述した3個、10個、14個のうちの何れか)を取得する(ステップS205)。次に、賞球残数領域の値と払出数を加算し(ステップS206)、加算結果を賞球残数領域にセーブし(ステップS207)、加算結果から10を減算し(ステップS208)、その減算結果が「0」以上かを判定する(ステップS209)。ステップS209で、減算結果が「0」以上(ステップS209;Y)と判定された場合、メイン賞球信号出力回数を「+1」更新し(ステップS210)、減算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS211)。
なお、後述する外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理では、上記ステップS210で更新されるメイン賞球信号出力回数にもとづいてメイン賞球信号を出力する処理が行われる。ここで、賞球信号(メイン賞球信号)としては、主基板(遊技制御装置100)からは10個払出予定ごとに1パルスが出力され、払出基板(払出制御装置200)からは10個払出ごとに1パルスが出力される。
次に、ステップS203の判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS203;Y)と判定、または、ステップS209の判定で、減算結果が「0」以上でない(ステップS209;N)と判定された場合、払出コマンド送信タイマの値が「0」でなければ払出コマンド送信タイマの値を「−1」更新する(ステップS212)。この払出コマンド送信処理が最初のタイマ割込み処理であれば、この払出コマンド送信処理の最後のステップS221で設定される初期値が設定されていないので、払出コマンド送信タイマの値は「0」であるから、減算はおこなわれないことになる。
次に、払出コマンド送信タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS213)、払出コマンド送信タイマの値が「0」である(ステップS213;Y)と判定された場合、払出ビジー信号がビジー中か否かを判定する(ステップS214)。なお、払出ビジー信号がビジー中か否かは、ポートの状態の参照ではなく、払出ビジー信号フラグの参照により判定している。ここで、払出ビジー信号がオン(ビジー中)となる条件としては、「払出動作中」、「球貸し動作中」、「シュート球切れエラー中」、「オーバーフローエラー中」、「枠電波不正発生中」、「払出球検出スイッチの異常中(払い出された球を監視するスイッチ)」、「払出不足エラー中」、「払出過剰エラー中」、「払出制御基板のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)」等である。
次に、払出ビジー信号がビジー中でない(ステップS214;N)場合、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントありか否かを判定し(ステップS215)、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがなければ(ステップS215;N)、チェックする入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS216)、全領域のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS217)。全領域のチェックが終了していない(ステップS217;N)場合、ステップS215に戻される。
ステップS215において、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがある(ステップS215;Y)場合、対象の入賞数カウンタを「−1」更新し(ステップS218)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得し(ステップS219)、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS220)。そして、払出コマンド送信タイマ領域に初期値(たとえば、200ms)をセーブする(ステップS221)。
ステップS213において、払出コマンド送信タイマの値が「0」でない(ステップS213;N)と判定された場合、ステップS214において、払出ビジー信号がビジー中である(ステップS214;Y)と判定された場合、ステップS217において、全領域のチェックが終了している(ステップS217;Y)と判定された場合、または、ステップS221の処理が終了した場合に、この払出コマンド送信処理を終了する。
なお、上記ステップS213、S214の判定結果によってはステップS215以降を実行しないで処理を終了する構成であることから分かるように、払出コマンドは、タイマ割込みごとに送信するのではなく、所定時間経過してから送っている。また、払出コマンドの送信は、払出制御基板側が賞球を払い出せる状態であることも条件である。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、タイマ割込み処理(図8参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)について説明する。図11は、第1の実施形態の入賞口スイッチ/状態監視処理のフローチャートを示す図である。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、上大入賞口(特別変動入賞装置38)内の2個の大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)に対応する入賞口監視テーブル1(たとえば、カウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS271)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に入賞する不正(不正な入賞)がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS272)を実行する。
その後、下大入賞口(特別変動入賞装置95)内の1個の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS273)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS274)を実行する。そして、普電内の入賞口スイッチ(始動口1スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS275a)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS275b)を実行する。
次に、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ、つまり常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ92a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS276)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS277)をおこない、さらに特図2異常変動監視処理(ステップS278)をおこなう。
次に、遊技機10のエラー状態を監視すべき複数のスイッチおよび信号のうちいずれのスイッチまたは信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタの値を「0」から「3」の範囲で更新する(ステップS279)。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常1エラー、払出制御装置200からのシュート球切れエラー、オーバーフロースイッチからのオーバーフローエラーおよび払出異常エラーのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS280)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS281)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、ガラス枠開放、本体枠開放、枠電波不正およびタッチスイッチのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS282)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS283)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS284)、状態スキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS284;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に遊技機状態の監視対象がない場合である。また、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS284;Y)、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常2エラーにもとづく遊技機状態の監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル3を準備する(ステップS285)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS286)をおこない、払出ビジー信号チェック処理(ステップS287)をおこない、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、払出ビジー信号チェック処理は、毎回おこなわれるのではなく、4回に1回実行されるようにしてあり、残りの3回がパスされるので、16ms周期の監視となっている。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS129)の詳細について図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)をおこなって、始動口1への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、始動口1への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA103にて、始動口1への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、遊技状態が右打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態、大当り中など)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、右打ちすべき所定状態でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA104にて、右打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)をおこなう。すなわち、第1の実施形態の遊技機10の場合、普電サポート状態を除いて始動口1へは左打ちでないとほとんど入賞せず、右打ちすべき所定状態で始動口1に入賞があった場合、右打ちすべき所定状態であるのに左打ちされたと推定できるので、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によっておこなうよう構成されている。
次いで、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)をおこなう。
次に、始動口2(始動入賞口92)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)をおこなって、始動口2への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、始動口2への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、始動口2への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、遊技状態が普電サポート状態(時短状態)となっているか否かを判定し(ステップA112)、普電サポート状態でない(ステップA112;N)と判定すると、大当り中であるか否かを判定する(ステップA113)。また、ステップA113にて、大当り中でない(ステップA113;N)と判定すると、特図変動表示ゲームが普電サポート最終変動中であるか否かを判定する(ステップA114)。
ステップA114にて、普電サポート最終変動中でない(ステップA114;N)と判定すると、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA115)、演出コマンド設定処理(ステップA116)をおこなう。すなわち、普電サポート状態、大当り中、普電サポート最終変動中のいずれでもなければ、左打ちすべきなので、左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信する処理をおこなう。
そして、ステップA112にて普電サポート状態である(ステップA112;Y)と判定した場合、ステップA113にて大当り中である(ステップA113;Y)と判定した場合、ステップA114にて普電サポート最終変動中である(ステップA114;Y)と判定した場合、ステップA116の処理が終了した場合には、ステップA117に移行する。
ステップA117に移行すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA117)、特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)をおこなって、始動口スイッチ監視処理を終了する。
なお、上記ステップA111にて始動口2への入賞があると判定した場合には、たとえばステップA112を実行する前に、普電不正(普通変動入賞装置37が閉状態であるにもかかわらず普通変動入賞装置37への入賞が検出される不正)があったか判定するステップを設け、この普電不正発生中であると判定した場合は、ステップA112以降を実行しないで始動口スイッチ監視処理を終了する構成とし、普電不正があった場合には第2始動記憶(特図2の始動記憶)をそれ以上発生させないようにしてもよい。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態のハード乱数取得処理のフローチャートを示す図である。
ハード乱数取得処理では、まず、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)および始動口2(始動入賞口92)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a,37aおよび始動口2スイッチ92aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否かを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、始動口1および始動口2のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)の詳細について図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の特図始動口1スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口1スイッチ処理は、監視対象である始動口1スイッチ36a,37aの入力(監視対象である特図1の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口1スイッチ処理では、まず、監視対象の始動口1スイッチ36a,37aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA134をパスしてステップA135の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号1出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口1スイッチ36a,37aに対応する更新対象の特図1保留数(特図1の始動記憶数)が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図1保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口1スイッチ処理を終了する。更新対象の特図1保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図1情報設定フラグをセットして(ステップA136)、更新対象の特図1保留数を「+1」更新する(ステップA137)。
続けて、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、特図1の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、特図1の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA142)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA143)、特図保留情報判定処理(ステップA144)をおこなう。その後、監視対象の特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを準備し(ステップA145)、演出コマンド設定処理(ステップA146)をおこなって、特図始動口1スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶する。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)の詳細について図15を用いて説明する。図15は、第1の実施形態の特図始動口2スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口2スイッチ処理は、監視対象である始動口2スイッチ92aの入力(監視対象である特図2の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口2スイッチ処理では、まず、始動口2スイッチ92aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号2出力回数をロードし(ステップA151)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA152)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA153)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA153;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号2出力回数領域にセーブして(ステップA154)、ステップA155の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA153;Y)は、ステップA154をパスしてステップA155の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号2出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口2スイッチ92aに対応する更新対象の特図2保留(始動記憶)数が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA155)。更新対象の特図2保留数が上限値未満でない場合(ステップA155;N)は、特図始動口2スイッチ処理を終了する。更新対象の特図2保留数が上限値未満である場合(ステップA155;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図2情報設定フラグをセットして(ステップA156)、更新対象の特図2保留数を「+1」更新する(ステップA157)。
続けて、特図2保留数に対応する乱数格納領域(特図2用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA158)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA159)。次に、特図2の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA160)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA161)。
次いで、特図2の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA162)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA163)、特図保留情報判定処理(ステップA164)をおこなう。その後、監視対象の特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを準備し(ステップA165)、演出コマンド設定処理(ステップA166)をおこなって、特図始動口2スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動入賞口92の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口2(始動入賞口92)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口1スイッチ処理及び特図始動口2スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップA144、ステップA164)の詳細について図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の特図保留情報判定処理のフローチャートを示す図である。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定をおこなう先読み処理である。
特図保留情報判定処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(高確率中)であるか否かを判定する(ステップA172)。ステップA172にて、高確率中であると判定した場合(ステップA172;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA172にて、高確率中でないと判定した場合(ステップA172;N)には、大当り中であるか否かを判定する(ステップA173)。ステップA173にて、大当り中であると判定した場合(ステップA173;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA173にて、大当り中でないと判定した場合(ステップA173;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA174)をおこなう。
その後、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA175)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA175;Y)は、対象の始動口スイッチ(いいかえると、特図種別;特図1か特図2かの種別)に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA176)、ステップA140またはA160にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA177)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA175;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA179)をおこなう。その後、小当り判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(ステップA180)。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA180;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA183)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA180;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、ステップA142またはA162にて準備した小当り図柄乱数に対応する小当りの停止図柄情報を設定し(ステップA182)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
そして、ステップA184に移行すると、ステップA177、ステップA182、あるいはステップA183のいずれかで取得又は設定された停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA184)、演出コマンド設定処理(ステップA185)をおこなう。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA186)をおこない、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA187)をおこなう。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターン(リーチアクション開始までの変動パターン)を示す前半変動番号および後半変動パターン(リーチアクション開始以降の変動パターン)を示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA188)、演出コマンド設定処理(ステップA189)をおこない、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、ステップA186における特図情報設定処理、ステップA187における変動パターン設定処理は、特図普段処理(後述する特図1普段処理または特図2普段処理)で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。すなわち、特図保留情報判定処理がステップA144で実行される場合には、特図種別は特図1であるため、ステップA186およびA187の処理は後述する特図1情報設定処理および特図1変動パターン設定処理とそれぞれ同じであり、特図保留情報判定処理がステップA164で実行される場合には、特図種別は特図2であるため、ステップA186およびA187の処理は後述する特図2情報設定処理および特図2変動パターン設定処理とそれぞれ同じである。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(RAM111C)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームの実行前に判定する(たとえば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームがおこなわれる前であればいつでもよい。
〔特図1ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップS130a)の詳細について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の特図1ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図1ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1(特図1変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り中又は小当り中(特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA1)。特図2の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA1;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38及び特別変動入賞装置95内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
一方、特図2の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA1;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)が終了した場合には、ステップA3に移行し、特図1ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA3)。なお、特図1ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA4)。特図1ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図1ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA7)。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1普段処理(ステップA8)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1変動中処理(ステップA9)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1表示中処理(ステップA10)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA12)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA13)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1大当り終了処理(ステップA14)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA15)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA16)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図1小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA17)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1小当り終了処理(ステップA18)をおこなう。
その後、特図1図柄表示部53の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1図柄表示部53に係る図柄変動制御処理(ステップA20)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、たとえば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、たとえば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であってもよいし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であってもよい。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔特図2ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップS130b)の詳細について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の特図2ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図2ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2(特図2変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り中又は小当り中(特図1変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA31)。特図1の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA31;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38及び特別変動入賞装置95内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
次に、特図1の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA31;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)が終了した場合には、ステップA33に移行し、特図2ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA33)。なお、特図2ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA34)。特図2ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA34;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」であるか否か判定する(ステップA35)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」でない場合(ステップA35;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を「−1」更新し(ステップA36)、RWMにおいて特図2ゲーム処理タイマの値を記憶する領域である特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(たとえば、60000m秒)をセーブし(ステップA37)、ステップA59に移行する。
一方、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」である場合(ステップA35;Y)には、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA38)、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA39)。そして、特図2ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA47)。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2普段処理(ステップA48)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2変動中処理(ステップA49)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2表示中処理(ステップA50)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA51)をおこなう。
ステップA47にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA52)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA53)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2大当り終了処理(ステップA54)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA55)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA56)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図2小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA57)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2小当り終了処理(ステップA58)をおこなう。
その後、特図2図柄表示部54の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA59)、特図2図柄表示部54に係る図柄変動制御処理(ステップA60)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA34にて、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA34;N)、すなわちタイムアップしていない場合や、ステップA37の処理を終了した場合は、ステップA59の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
〔特図1普段処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップA8)の詳細について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の特図1普段処理のフローチャートを示す図である。
特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能か否か(すなわち特図1変動表示ゲームを開始可能か否か)を判定する(ステップA251)。この判定では、遊技状態が、特図2の当り(大当りまたは小当り)の変動終了(特図2表示中処理の開始)から当り動作(大当り遊技状態または小当り遊技状態)の終了までの期間の状態である場合、つまり特図2が当たっているときには、特図1は変動開始可能でないと判定し、前記期間でない場合には特図1は変動開始可能と判定する。
そして、特図1が変動開始可能と判定した場合(ステップA251;Y)には、左打ち指示報知済みか否か(すなわち左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、その後右打ち指示報知コマンドを送信していない状態か否か)を判定する(ステップA252)。なお、ステップA252では、左打ち指示報知フラグがセットされていると、左打ち指示報知済みであると判定し、左打ち指示報知フラグがセットされていないと、左打ち指示報知済みでないと判定する構成でもよい。
左打ち指示報知済みでない場合(ステップA252;N)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA253)、演出コマンド設定処理(ステップA254)をおこない、左打ち指示報知フラグをセットする(ステップA255)。
左打ち指示報知済みである場合(ステップA252;Y)と、ステップA255を終了した場合には、ステップA256に移行し、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA256)。そして、特図1保留数が「0」でない(ステップA256;N)と判定すると、現在の特図変動表示ゲームの確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップA257)、演出コマンド設定処理(ステップA258)をおこない、特図1変動開始処理(ステップA259)をおこない、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA260)、演出コマンド設定処理(ステップA261)をおこない、RWMにおける特図ステータス領域に特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報をセット(情報加算)し(ステップA262)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA263)。
なお、特図ステータス領域は、特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報と、特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報を、それぞれ独立に記憶する領域であり、この特図ステータス領域にセットされている情報が示す状態が特図ステータスである。ステップA262を実行した場合、特図ステータスは、「特図1変動中」と「特図1変動中+特図2変動中」のうちのいずれかの状態になる。
また、特図1変動開始処理(ステップA259)では、特図1変動中処理に係る処理番号である「1」を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする処理(後述するステップA318、A319)、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする処理(後述するステップA322)、特図1ゲーム処理タイマの値として変動時間が設定される処理(後述するステップA307、A497)などが行われる。
そして、高確率中でない場合(ステップA263;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA264)、高確率最終変動中でない場合(ステップA264;N)には、特図1変動チェックフラグをセットする(ステップA265)。なお、高確率最終変動中であるか否かの判定は、後述する高確率最終変動フラグによりおこなう。すなわち、高確率最終変動フラグがセットされていれば高確率最終変動中であると判定する。
そして、ステップA265が終了した場合と、高確率中であると判定された場合(ステップA263;Y)と、高確率最終変動中であると判定された場合(ステップA264;Y)は、特図1変動中処理移行設定処理(ステップA266)をおこない、特図1普段処理を終了する。
一方、特図1が変動開始可能でないと判定した場合(ステップA251;N)と、ステップA256にて、特図1保留数が「0」である場合(ステップA256;Y)は、処理番号として「0」を設定し(ステップA267)、RWMにおいて特図1ゲーム処理番号を記憶する領域である特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA268)、特図1普段処理を終了する。
このように本実施形態では、ステップA251の判定結果が肯定的になる状態であり、特図1保留数が「0」でない場合には、特図1変動開始処理(ステップA259)等が実行され、特図2が変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であったとしても、特図1変動表示ゲームが開始される。つまり、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段(遊技制御装置100)に第1始動記憶がある場合には、当該第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームを、第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームと同時に実行可能な制御手段をなす。
〔特図2普段処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップA48)の詳細について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の特図2普段処理のフローチャートを示す図である。
特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能か否か(すなわち特図2変動表示ゲームを開始可能か否か)を判定する(ステップA271)。この判定では、遊技状態が、特図1の当り(大当りまたは小当り)の変動終了(特図1表示中処理の開始)から当り動作(大当り遊技状態または小当り遊技状態)の終了までの期間の状態である場合、つまり特図1が当たっているときには、特図2は変動開始可能でないと判定し、前記期間でない場合には特図2は変動開始可能と判定する。
そして、特図2が変動開始可能と判定した場合(ステップA271;Y)には、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA272)。そして、特図2保留数が「0」でない(ステップA272;N)と判定すると、現在の特図変動表示ゲームの確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップA273)、演出コマンド設定処理(ステップA274)をおこない、特図2変動開始処理(ステップA275)をおこない、RWMにおける特図ステータス領域に特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報をセット(情報加算)し(ステップA276)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA277)。
ここで、特図ステータス領域にセットされた情報が示す状態(すなわち特図ステータス)は、ステップA276を実行した場合、「特図2変動中」と「特図1変動中+特図2変動中」のうちのいずれかの状態になる。
また、特図2変動開始処理(ステップA275)では、特図2変動中処理に係る処理番号である「1」を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする処理(後述するステップA348、A349)、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする処理(後述するステップA352)、特図2ゲーム処理タイマの値として変動時間が設定される処理(後述するステップA337、A497)などが行われる。
なお、たとえばステップA275を実行した後、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し、次いで演出コマンド設定処理を実行し、その後ステップA276に移行する構成(すなわち、特図2についても、普段処理において飾り特図保留数コマンドを演出制御装置300に送信する構成)としてもよい。
そして、高確率中でない場合(ステップA277;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA278)、高確率最終変動中でない場合(ステップA278;N)には、特図2変動チェックフラグをセットする(ステップA279)。
そして、ステップA279が終了した場合と、高確率中であると判定された場合(ステップA277;Y)と、高確率最終変動中であると判定された場合(ステップA278;Y)は、特図2変動中処理移行設定処理(ステップA280)をおこない、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が「0」である場合(ステップA272;Y)は、特図1保留数が「0」であるか否かを判定し(ステップA281)、特図1保留数が「0」である(ステップA281;Y)と判定すると、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA282)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップA282;N)は、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(ステップA283)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA283;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA284)。続けて、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップA285)、演出コマンド設定処理(ステップA286)をおこなう。なお、演出コマンド設定処理を行うと準備されたコマンド(ここでは、客待ちデモコマンド)が演出制御装置300に送信される。
そして、ステップA286が終了した場合と、特図2が変動開始可能でないと判定した場合(ステップA271;N)と、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA281;N)と、特図1が変動中である場合(ステップA282;Y)と、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA283;Y)には、処理番号として「0」を設定し(ステップA287)、RWMにおいて特図2ゲーム処理番号を記憶する領域である特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA288)、特図2普段処理を終了する。
このように本実施形態では、ステップA271の判定結果が肯定的になる状態であり、特図2保留数が「0」でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA275)等が実行され、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であったとしても、特図2変動表示ゲームが開始される。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームを、第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームと同時に実行可能な制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップA259)の詳細について図21、図22を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の特図1変動開始処理のフローチャートを示す図(その1)である。図22は、第1の実施形態の特図1変動開始処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始時におこなう処理である。特図1変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1情報設定フラグをセットし(ステップA301)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA302)をおこなう。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)をおこなった後、特図1の変動パターンを設定するためのパラメータである特図1情報を設定する特図1情報設定処理(ステップA304)をおこない、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA305)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップA306)をおこない、特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA307)をおこない、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA308)。
そして、高確率中でない場合(ステップA308;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA309)、高確率最終変動中でない場合(ステップA309;N)には、特図2が変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA310)。特図2が変動中である場合(ステップA310;Y)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」であるか否か判定する(ステップA311)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」でない場合(ステップA311;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上であるか判定し(ステップA312)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上でない場合(ステップA312;N)、特図2の残り変動時間を算出する(ステップA313)。
なお、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数は、特図2ゲーム処理タイマが2バイト範囲内で足りる時間値(たとえば60000m秒など)の状態のときには、後述するステップA337の変動開始情報設定処理において「0」に設定されている(たとえば、後述のステップA500を参照)。
また、特図2の変動時間(特図2変動表示ゲームの実行時間)は、特図2ゲーム処理タイマの値(特図2ゲーム処理タイマ領域の値)から計算できる。具体的には、ステップA313では、前述のステップA37でセーブする長変動用タイマ値(たとえば60000m秒)に特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を乗じた結果に、その時点の特図2ゲーム処理タイマ領域の値を加算することで、特図2の残り変動時間を算出できる。
また、長変動用タイマ値がたとえば60000m秒(=60秒)である場合、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数の値が4以上であるということは、特図2の残り変動時間は、240秒(=4×60秒)以上であり、特図1の最長変動時間より長いことになり、その場合、後述するステップA315、ステップA316を実行する必要がないので、それを判定するためにステップA312が設けられている。したがって、ステップA312における「4」という数値は、特図1の最長変動時間より特図2の残り変動時間が長いか否かを、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数により事前判定するための数値の一例にすぎない。
次に、ステップA313が終了した場合と、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」である場合(ステップA311;Y)には、ステップA314へ移行し、これから開始しようとする特図1の変動時間(たとえばステップA306で設定された変動時間)が、現在変動中の特図2の残り変動時間(ステップA313の算出結果、または、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がゼロの場合は特図2ゲーム処理タイマの値で決まる時間)よりも短いか否か判定する(ステップA314)。
そして、特図1の変動時間が特図2の残り変動時間よりも短くない場合(ステップA314;N)は、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップA315)、演出コマンド設定処理(ステップA316)をおこなう。
次に、高確率中である場合(ステップA308;Y)、高確率最終変動中である場合(ステップA309;Y)、特図2が変動中でない場合(ステップA310;N)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上である場合(ステップA312;Y)、特図1の変動時間が特図2の残り変動時間よりも短い場合(ステップA314;Y)、および、ステップA316が終了した場合は、ステップA317(図22)へ移行する。
ステップA317へ移行すると、高確率変動回数更新処理(ステップA317)をおこない、処理番号として「1」を設定し(ステップA318)、RWMにおいて特図1ゲーム処理番号を記憶する領域である特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「1」をセーブし(ステップA319)、RWMにおいて客待ちデモ中フラグをセットする領域である客待ちデモフラグ領域をクリアする(ステップA320)。その後、特図1変動開始に関する信号(特別図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA321)、RWMの特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA322)、RWMの特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1図柄表示部53の点滅の周期のタイマ)の初期値(たとえば100ms)をセーブし(ステップA323)、RWMの特図1変動中図柄番号領域に初期値(たとえばブランク図柄に対応する「0」)をセーブし(ステップA324)、特図1変動開始処理を終了する。なお、ステップA324で特図1変動中図柄番号領域に「0」をセーブするのは、ブランク図柄から特図1の変動表示をスタートするためである。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップA275)の詳細について図23、図24を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の特図2変動開始処理のフローチャートを示す図(その1)である。図24は、第1の実施形態の特図2変動開始処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始時におこなう処理である。特図2変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2情報設定フラグをセットし(ステップA331)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA332)をおこなう。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA333)をおこなった後、特図2の変動パターンを設定するためのパラメータである特図2情報を設定する特図2情報設定処理(ステップA334)をおこない、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップA336)をおこない、特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)をおこない、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA338)。
そして、高確率中でない場合(ステップA338;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA339)、高確率最終変動中でない場合(ステップA339;N)には、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA340)。特図1が変動中である場合(ステップA340;Y)は、特図1の残り変動時間を算出する(ステップA343)。なお、特図1の残り変動時間は、特図1ゲーム処理タイマの値(特図1ゲーム処理タイマ領域の値)から計算できる。
次に、ステップA343が終了した場合には、ステップA344へ移行し、これから開始しようとする特図2の変動時間(たとえばステップA336で設定された変動時間)が、現在変動中の特図1の残り変動時間(ステップA343の算出結果)よりも短いか否か判定する(ステップA344)。
そして、特図2の変動時間が特図1の残り変動時間よりも短くない場合(ステップA344;N)は、特図2の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップA345)、演出コマンド設定処理(ステップA346)をおこなう。
次に、高確率中である場合(ステップA338;Y)、高確率最終変動中である場合(ステップA339;Y)、特図1が変動中でない場合(ステップA340;N)、特図2の変動時間が特図1の残り変動時間よりも短い場合(ステップA344;Y)、および、ステップA346が終了した場合は、ステップA347(図24)へ移行する。
ステップA347へ移行すると、高確率変動回数更新処理(ステップA347)をおこない、処理番号として「1」を設定し(ステップA348)、RWMにおいて特図2ゲーム処理番号を記憶する領域である特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「1」をセーブし(ステップA349)、RWMにおいて客待ちデモ中フラグをセットする領域である客待ちデモフラグ領域をクリアする(ステップA350)。その後、特図2変動開始に関する信号(特別図柄2変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA351)、RWMの特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、RWMの特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2図柄表示部54の点滅の周期のタイマ)の初期値(たとえば100ms)をセーブし(ステップA353)、RWMの特図2変動中図柄番号領域に初期値(たとえばブランク図柄に対応する「0」)をセーブし(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。なお、ステップA354で特図2変動中図柄番号領域に「0」をセーブするのは、ブランク図柄から特図2の変動表示をスタートするためである。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA307、A337)の詳細について図25、図26を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の変動開始情報設定処理のフローチャートを示す図(その1)である。図26は、第1の実施形態の変動開始情報設定処理のフローチャートを示す図(その2)である。
変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域の情報をクリアする。すなわち、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA491)、特図1の情報設定中である場合(ステップA491;Y)には、特図1の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域(保留球1用)の情報(保留球1用)をクリアする(ステップA491a)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップA491;N)には、特図2の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域の情報をクリアする(ステップA491b)。
次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域(すなわち、特図1の情報設定中には特図1ゲーム処理タイマ領域、特図2の情報設定中には特図2ゲーム処理タイマ領域)にセーブする(ステップA497)。
次に、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA498)、特図1の情報設定中でない場合(ステップA498;N)、特図2の長変動開始か否か判定し(ステップA499)、特図2の長変動開始でない場合(ステップA499;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域(RWMにおいて特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を記憶する領域)に「0」をセーブする(ステップA500)。
一方、特図2の長変動開始である場合(ステップA499;Y)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域に「9」をセーブする(ステップA501)。そして、特図1の情報設定中である場合(ステップA498;Y)、ステップA500、A501の処理が終了した場合には、ステップA502へ移行する。
なお、2バイトの特図ゲーム処理タイマでは足らない時間の変動をさせるため、特図2の長変動には繰り返し回数(特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数)が設定される。また、ステップA496の加算結果としてたとえば60000msがステップA497で特図2ゲーム処理タイマ領域に設定され、ステップA501で繰り返し回数として「9」がセーブされた場合、タイマ割込み処理(前述のステップA33)で特図2ゲーム処理タイマの値が減算されてゆき、タイムアップした時に特図ゲーム処理タイマの繰り返し回数が前記ステップA36で1減算され、さらに前記ステップA37で特図2ゲーム処理タイマ領域に60000msがセットされる。このためこの場合、結果として特図2の全変動時間は、この実施形態では60000ms×10で10分の変動時間になる。実際には、4msのタイマ割込みなので、2バイトでは約262秒まで設定できるが、理解しやすさのため60秒の掛け算で表せる場合を例に挙げて説明している。
次に、ステップA502へ移行すると、前半変動番号に対応する変動コマンドのデータ(MODE)を準備し(ステップA502)、後半変動番号に対応する変動コマンドのデータ(ACTION)を準備して(ステップA503)、演出コマンド設定処理をおこなう(ステップA504)。
なお、詳細説明は省略するが、演出コマンド設定処理では、演出用シリアル送信バッファが満杯でない限り、準備されたコマンドデータ(MODEとACTION)が演出用シリアル送信バッファに書き込まれる。これにより、遊技制御装置100におけるCPU111Aのシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、準備されたコマンドデータよりなる演出コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。他のステップでコールされて演出コマンド設定処理が実行される場合も同様である。また、本フローチャートの場合、コマンドは演出コマンドのように、「MODE」、「ACTION」といった2バイト構成で送信しているが、それ以上のバイト構成にしてもよい。それらの場合、複数バイト構成に対応したフローチャートにすればよい。
次に、ステップA504を終了すると、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA505)、特図1の情報設定中である場合(ステップA505;Y)には、特図1保留数を「−1」更新して(ステップA506)、特図1の乱数格納領域のアドレスを設定して当該アドレスの乱数格納領域をシフトし(ステップA507)、シフト後の空き領域の情報をクリアして(ステップA508)、変動開始情報設定処理を終了する。
一方、特図1の情報設定中でない場合(ステップA505;N)には、特図2保留数を「−1」更新して(ステップA506a)、特図2の乱数格納領域のアドレスを設定して当該アドレスの乱数格納領域をシフトし(ステップA507a)、シフト後の空き領域の情報をクリアして(ステップA508a)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(RAM111C)に記憶された各種の乱数値の判定をおこなう判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報にもとづいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は、前述した演出コマンド設定処理によって演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信にもとづき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定し、飾り特図変動表示ゲームを実行する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド(変動パターンコマンドなどと称する場合もある)などが挙げられ、たとえば本実施形態のフローチャートで示されるような所定の順番で各演出コマンドが演出制御装置300に送信される。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(ステップA317、A347)の詳細について図27を用いて説明する。図27は、第1の実施形態の高確率変動回数更新処理のフローチャートを示す図である。
高確率変動回数更新処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中であるか否かを判定し(ステップA551)、特図高確率中でない場合(ステップA551;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、特図1と特図2の特図変動表示ゲームの種別のうちの一方が大当り遊技状態である場合は、他方の変動表示ゲームの当り確率は必ず低確率に制御するが、一方が小当りの場合は他方が高確率中である可能性がある。
高確率中である場合(ステップA551;Y)には、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を「−1」更新し(ステップA552)、高確率変動回数が「0」であるか否かを判定する(ステップA553)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA553;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。高確率変動回数が「0」である場合(ステップA553;Y)には、高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA555)。なお、高確率終了に関する信号は、大当り2信号をオフにする信号である。
そして、高確率&時短(高確率&時短なし、または高確率&時短あり)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA556)。なお、高確率&時短の終了に関する信号は、特別図柄1高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄2高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、普通図柄1高確率状態信号をオフにする信号を含む。また、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号および普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。
そして、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA557)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA559)、変動開始する図柄(特図1または特図2)に対応する高確率最終変動フラグをセットし(ステップA560)、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、高確率最終変動フラグは、高確率最終変動である特図変動表示ゲームの種別(特図1か特図2か)を判定できる情報を含む。また、高確率最終変動では変動開始時点で内部確率が低確率となってしまうので、今は低確率中であっても高確率中に開始した変動であることを示すための情報が、この高確率最終変動フラグである。このように本実施形態の場合、高確率最終変動では、対象の特図の確率状態(遊技制御装置100における設定状態)を変動開始時点で低確率に戻す構成である。これにより、高確率状態での最終回となる特図変動中に遊技球が始動口に入賞したときに、この始動入賞に対する当り判定が高確率で判定されてしまうという不具合が防止できる。
〔特図1変動中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップA9)の詳細について図28、図29を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の特図1変動中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図29は、第1の実施形態の特図1変動中処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を「+1」更新し(ステップA571)、飾り特図1コマンド領域からコマンド(特図1についての停止図柄の情報を含む飾り特図1コマンド)をロードし、準備し(ステップA572)、演出コマンド設定処理(ステップA573)をおこなう。
次に、飾り特図1停止コマンド(特図1についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA574)、演出コマンド設定処理(ステップA575)をおこない、高確率最終変動フラグの状態により高確率の最終変動か否かを判定する(ステップA576)。そして、高確率最終変動でない場合(ステップA576;N)は、特図1停止図柄設定処理で停止図柄パターン領域にセーブされている停止図柄パターンに対応する表示時間を今回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA577)、高確率最終変動である場合(ステップA576;Y)には、高確率最終変動時の表示時間を今回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA578)、ステップA579へ移行する。ここで、ステップA577、A578で設定された停止表示時間は、たとえばステップA579の直前に設けられた図示省略したステップにおいて特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブされる。
なお、特図1の表示時間の一例を挙げると、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000msを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として136msを設定する。また、高確率最終変動の表示時間は7000msを設定する。
次に、ステップA579(図29)へ移行すると、大当りフラグ1設定処理で判定されて設定された情報にもとづいて今回の(現在実行中の)特図1変動表示ゲームがはずれか否か判定し(ステップA579)、はずれの場合(ステップA579;Y)はステップA594へ移行し、はずれでない場合(ステップA579;N)は、現在特図2も変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA580)。
なお、特図2が変動中か否かの判定は、特図2ゲーム処理番号領域の情報、特図ステータス領域の情報、あるいは特図2変動制御フラグ領域の情報のうちのいずれかによっておこなうことができる。すなわち、特図2ゲーム処理番号領域に「1」がセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図ステータス領域に特図2変動中がセットされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグがセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、これら条件の組み合わせで判定する構成でもよい。
そして、特図2も変動中である場合(ステップA580;Y)は、特図2表示中処理を実行中であるか否か判定し(ステップA581)、特図2表示中処理を実行中でない場合(ステップA581;N)には、図柄確定回数出力回数を「+1」更新する(ステップA582)。
次に、ステップA582を終了した場合と、特図2表示中処理を実行中である場合(ステップA581;Y)は、今回の特図1の表示時間(ステップA577等で設定された時間)にたとえば4msを加算した結果を特図2の表示時間として設定し(ステップA583)、当該特図2の表示時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA584)。このステップA583、A584の処理により、特図2がすでに停止表示を開始していた場合には、特図2の表示時間が再設定されることになる。この再設定により、特図2の表示時間は基本的に延長されるが、場合によっては短縮される場合もある。
その後、飾り特図2コマンド領域からコマンド(特図2についての停止図柄の情報を含む飾り特図2コマンド)をロードし、準備し(ステップA585)、演出コマンド設定処理(ステップA586)をおこなう。次に、飾り特図2停止コマンド(特図2についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA587)、演出コマンド設定処理(ステップA588)をおこない、特図2表示中処理移行設定処理2(ステップA589)をおこなう。
なお、以上説明したステップA579乃至A589の処理によれば、これから飾り図柄を停止表示する今回の特図1変動表示ゲームが当り(大当りまたは小当り)である場合には、同時に変動中の特図2の変動表示を強制的に終了させることになる。
次に、ステップA589を終了した場合と、特図2が変動中でない場合(ステップA580;N)は、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップA590)、今回の特図1変動表示ゲームが小当りか否か判定する(ステップA591)。
そして、大当りであって小当りでない場合(ステップA591;N)は、特図1変動終了後の大当り遊技を制御するために、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報(特図1ラウンド数上限値を決める特図1ラウンド数上限値情報)をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA592)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA593)。
次に、今回の特図1変動表示ゲームがはずれの場合(ステップA579;Y)と、今回の特図1変動表示ゲームが小当りである場合(ステップA591;Y)と、ステップA593を終了した場合は、ステップA594へ移行する。ステップA594へ移行すると、特図1停止図柄退避領域から情報(停止図柄番号)をロードし、特図1停止図柄領域にセーブし(ステップA594)、特図1表示中処理移行設定処理1(ステップA595)をおこなって、特図1変動中処理を終了する。なお、特図1停止図柄退避領域には、特図1停止図柄設定処理において所定の停止図柄番号がセーブされている。
このように、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。また遊技制御装置100が、第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームが特別結果(当り)となる場合には、同時に実行中の第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームを終了させる手段をなす。
〔特図2変動中処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップA49)の詳細について図30、図31を用いて説明する。図30は、第1の実施形態の特図2変動中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図31は、第1の実施形態の特図2変動中処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を「+1」更新し(ステップA601)、飾り特図2コマンド領域からコマンド(特図2についての停止図柄の情報を含む飾り特図2コマンド)をロードし、準備し(ステップA602)、演出コマンド設定処理(ステップA603)をおこなう。
次に、飾り特図2停止コマンド(特図2についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA604)、演出コマンド設定処理(ステップA605)をおこない、高確率最終変動フラグの状態により高確率の最終変動か否かを判定する(ステップA606)。そして、高確率最終変動でない場合(ステップA606;N)は、特図2停止図柄設定処理で停止図柄パターン領域にセーブされている停止図柄パターンに対応する表示時間を今回の特図2変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA607)、高確率最終変動である場合(ステップA606;Y)には、高確率最終変動時の表示時間を今回の特図2変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA608)、ステップA609へ移行する。ここで、ステップA607、A608で設定された停止表示時間は、たとえばステップA609の直前に設けられた図示省略したステップにおいて特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブされる。
なお、特図2の表示時間の一例を挙げると、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合にも表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合にも表示時間として600msを設定する。また、高確率最終変動の表示時間は7000msを設定する。なお、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン、および小当り図柄パターンで同じ表示時間を設定するが、それぞれ異なる表示時間を設定する態様であってもよい。
次に、ステップA609(図31)へ移行すると、大当りフラグ2設定処理で判定されて設定された情報にもとづいて今回の(現在実行中の)特図2変動表示ゲームがはずれか否か判定し(ステップA609)、はずれの場合(ステップA609;Y)はステップA624へ移行し、はずれでない場合(ステップA609;N)は、現在特図1も変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA610)。
なお、特図1が変動中か否かの判定は、特図1ゲーム処理番号領域の情報、特図ステータス領域の情報、あるいは特図1変動制御フラグ領域の情報のうちのいずれかによっておこなうことができる。すなわち、特図1ゲーム処理番号領域に「1」がセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図ステータス領域に特図1変動中がセットされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグがセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、これら条件の組み合わせで判定する構成でもよい。
そして、特図1も変動中である場合(ステップA610;Y)は、特図1表示中処理を実行中であるか否か判定し(ステップA611)、特図1表示中処理を実行中でない場合(ステップA611;N)には、図柄確定回数出力回数を「+1」更新する(ステップA612)。
次に、ステップA612を終了した場合と、特図1表示中処理を実行中である場合(ステップA611;Y)は、今回の特図2の表示時間(ステップA607等で設定された時間)にたとえば4msを加算した結果を特図1の表示時間として設定し(ステップA613)、当該特図1の表示時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA614)。このステップA613、A614の処理により、特図1がすでに停止表示を開始していた場合には、特図1の表示時間が再設定されることになる。この再設定により、特図1の表示時間は基本的に延長されるが、場合によっては短縮される場合もある。
その後、飾り特図1コマンド領域からコマンド(特図1についての停止図柄の情報を含む飾り特図1コマンド)をロードし、準備し(ステップA615)、演出コマンド設定処理(ステップA616)をおこなう。次に、飾り特図1停止コマンド(特図1についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA617)、演出コマンド設定処理(ステップA618)をおこない、特図1表示中処理移行設定処理2(ステップA619)をおこなう。
なお、以上説明したステップA609乃至A619の処理によれば、これから飾り図柄を停止表示する今回の特図2変動表示ゲームが当り(大当りまたは小当り)である場合には、同時に変動中の特図1の変動表示を強制的に終了させることになる。
次に、ステップA619を終了した場合と、特図1が変動中でない場合(ステップA610;N)は、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップA620)、今回の特図2変動表示ゲームが小当りか否か判定する(ステップA621)。
そして、大当りであって小当りでない場合(ステップA621;N)は、特図2変動終了後の大当り遊技を制御するために、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報(特図2ラウンド数上限値を決める特図2ラウンド数上限値情報)をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA622)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA623)。
次に、今回の特図2変動表示ゲームがはずれの場合(ステップA609;Y)と、今回の特図2変動表示ゲームが小当りである場合(ステップA621;Y)と、ステップA623を終了した場合は、ステップA624へ移行する。ステップA624へ移行すると、特図2停止図柄退避領域から情報(停止図柄番号)をロードし、特図2停止図柄領域にセーブし(ステップA624)、特図2表示中処理移行設定処理1(ステップA625)をおこなって、特図2変動中処理を終了する。なお、特図2停止図柄退避領域には、特図2停止図柄設定処理において所定の停止図柄番号がセーブされている。
このように、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。また遊技制御装置100が、第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームが特別結果(当り)となる場合には、同時に実行中の第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームを終了させる手段をなす。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図1変動中処理における特図1表示中処理移行設定処理1(ステップA595)の詳細について図32を用いて説明する。図32は、第1の実施形態の特図1表示中処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA631)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA632)。
次に、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA633)。なお、特図1変動終了に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図1図柄表示部53における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1図柄表示部53での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA634)、特図1表示中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図2変動中処理における特図2表示中処理移行設定処理1(ステップA625)の詳細について図33を用いて説明する。図33は、第1の実施形態の特図2表示中処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA641)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA642)。
次に、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA643)。なお、特図2変動終了に関する信号は、特別図柄2変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図2図柄表示部54における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2図柄表示部54での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA644)、特図2表示中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
次に、上述の特図2変動中処理における特図1表示中処理移行設定処理2(ステップA619)の詳細について図34を用いて説明する。図34は、第1の実施形態の特図1表示中処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。なお、この特図1表示中処理移行設定処理2は、変動を開始した特図2変動表示ゲームが当りである場合に、同時に変動していた特図1変動表示ゲームを強制的にはずれで終了させるための処理である。すなわち、他方の図柄が当たったことで、強制的に停止させられるときの情報設定のための処理である。
特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA651)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA652)。
次に、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA653)。なお、特図1変動終了に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図1図柄表示部53における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1図柄表示部53での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA654)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域(RWMにおける停止図柄パターンを記憶する領域)にセーブする(ステップA655)。なお、この停止図柄パターン領域には、実行中の特図1変動表示ゲームについて、通常すでに、特図1停止図柄設定処理において所定の停止図柄パターン(抽出された乱数によっては当りの停止図柄パターンである場合もある)がセーブされているが、ここでは、セーブされている停止図柄パターンが当りであった場合でも、強制的にはずれ停止図柄パターンに書きかえる。本ルーチンの以降のステップA656〜661でも、同様に、一旦正規のステップで設定されたデータがある場合でも、はずれでの強制終了のために、クリアしたり、設定し直したりしている。
次に、特図1ラウンド数上限値情報領域(RWMにおける特図1ラウンド数上限値情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA656)、特図1大入賞口開放情報領域(RWMにおける特図1大入賞口開放情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA657)、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(ステップA658)。大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA659)。ここで、小当りフラグ1領域や大当りフラグ1領域は、特図1についての小当りフラグ領域や大当りフラグ領域であって、特図1変動表示ゲームが小当りか否かの情報あるいは大当りか否かの情報をそれぞれ記憶するRWMの領域であり、正規には大当りフラグ1設定処理において情報が設定されており、その情報がここで設定し直しされる。
次に、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステップA660)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブし(ステップA661)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
次に、上述の特図1変動中処理における特図2表示中処理移行設定処理2(ステップA589)の詳細について図35を用いて説明する。図35は、第1の実施形態の特図2表示中処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。なお、この特図2表示中処理移行設定処理2は、変動を開始した特図1変動表示ゲームが当りである場合に、同時に変動していた特図2変動表示ゲームを強制的にはずれで終了させるための処理である。すなわち、他方の図柄が当たったことで、強制的に停止させられるときの情報設定のための処理である。
特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA671)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA672)。
次に、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA673)。なお、特図2変動終了に関する信号は、特別図柄2変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図2図柄表示部54における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2図柄表示部54での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA674)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域(RWMにおける停止図柄パターンを記憶する領域)にセーブする(ステップA675)。なお、この停止図柄パターン領域には、実行中の特図2変動表示ゲームについて、通常すでに、特図2停止図柄設定処理において所定の停止図柄パターン(抽出された乱数によっては当りの停止図柄パターンである場合もある)がセーブされているが、ここでは、セーブされている停止図柄パターンが当りであった場合でも、強制的にはずれ停止図柄パターンに書きかえる。本ルーチンの以降のステップA676〜681でも、同様に、一旦正規のステップで設定されたデータがある場合でも、はずれでの強制終了のために、クリアしたり、設定し直したりしている。
次に、特図2ラウンド数上限値情報領域(RWMにおける特図2ラウンド数上限値情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA676)、特図2大入賞口開放情報領域(RWMにおける特図2大入賞口開放情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA677)、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップA678)。大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA679)。ここで、小当りフラグ2領域や大当りフラグ2領域は、特図2についての小当りフラグ領域や大当りフラグ領域であって、特図2変動表示ゲームが小当りか否かの情報あるいは大当りか否かの情報をそれぞれ記憶するRWMの領域であり、正規には大当りフラグ2設定処理において情報が設定されており、その情報がここで設定し直しされる。
次に、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステップA680)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブし(ステップA681)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図1表示中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップA10)の詳細について図36、37、38を用いて説明する。図36は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図37は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その2)である。図38は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その3)である。
特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1をロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ1領域の情報をクリアする(ステップA702)。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域の情報をクリアする(ステップA704)。そして、ロードされた大当りフラグ1が大当りであるか否かを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA706)、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップA707)、演出コマンド設定処理(ステップA708)をおこない、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。なお、特図1大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄1当り信号をオンにする信号を含む。
次に、ラウンド数上限値テーブルを設定した(ステップA709)後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(第1の実施形態の場合、たとえば「16」または「4」、その他、たとえば「8」や「2」があってもよい)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの当り図柄コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)をおこなう。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)をおこなう。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA716)。第1の実施形態の場合、ステップA716において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。たとえば、大当り2信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオン、低確率中の2R突確大当りであればオフとなる。また、大当り3信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオフ、低確率中の2R突確大当りであればオンとなる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(たとえば5000ms、4700ms、7700ms、または300ms)を設定して(ステップA717)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA718)、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるか否か判定する(ステップA719)。
上大入賞口開放の大当りであれば(ステップA719;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA720)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA721)、ステップA724へ移行する。
一方、上大入賞口開放の大当りでない場合(ステップA719;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA722)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA723)、ステップA724へ移行する。
ステップA724へ移行すると、処理番号として3を設定し(ステップA724)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号すなわち「3」をセーブし(ステップA725)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA726)をおこない、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA705;N)は、ロードした小当りフラグ1が小当りであるか否かを判定し(ステップA727)、小当りフラグ1が小当りであると判定した場合(ステップA727;Y)、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA728)。
そして、ステップA728にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA731)、右打ち指示報知フラグをクリアする(ステップA732)。なお、ステップA732は、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定し、高確率最終変動と判定されて高確率状態が終了した状態であるので右打ち指示報知フラグをクリアする構成を例示している。しかし、本実施形態が高確率状態において右打ち指示報知をしない態様である場合には、ステップA732は削除した構成(あるいは、高確率状態で左打ち指示報知をしてステップA732では左打ち指示報知フラグをクリアする構成)とする態様もあり得る。
次に、ステップA732を終了した場合と、高確率最終変動中でない場合(ステップA728;N)には、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードし、準備し(ステップA733)、演出コマンド設定処理(ステップA734)をおこなう。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応する小当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA735)、演出コマンド設定処理(ステップA736)をおこない、遊技状態が左打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態でも大当り中でも特別モード中でもない状態)であるか否かを判定する(ステップA737)。
ステップA737にて、左打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA737;Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA739)、ステップA742に移行する。
一方、左打ちすべき所定状態であると判定しなかった場合(ステップA737;N)には、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA740)。なお、右打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオンにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA741)、ステップA742に移行する。
ステップA742に移行すると、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるか否か判定する(ステップA742)。上大入賞口開放の小当りであれば(ステップA742;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA743)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA744)、ステップA747へ移行する。
一方、上大入賞口開放の小当りでない場合(ステップA742;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA745)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA746)、ステップA747へ移行する。
ステップA747へ移行すると、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA747)をおこない、特図1表示中処理を終了する。なお、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号として「7」をセーブする処理、特図1ゲーム処理タイマ領域に小当りファンファーレ時間(たとえば4m秒)をセーブする処理などをおこなう。
一方、ステップA727にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステップA727;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA748)。
そして、ステップA748にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA748;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA749)、演出コマンド設定処理(ステップA750)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA751)、右打ち指示報知フラグをクリアし(ステップA752)、特図2変動表示ゲームが当り中(大当り中または小当り中)であるか否か判定する(ステップA753)。なお、ステップA752は、前述のステップA732と同様に、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定した一例にすぎない。
次に、特図2変動表示ゲームが当り中でないと判定した場合(ステップA753;N)には、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA754)、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA755)。なお、本実施形態は、特図2変動表示ゲームが当り中(大当り中または小当り中)である場合は、その際に開放される上大入賞口(特別変動入賞装置38)をねらって右打ちをすべき状態となるため、特図2が当り中である場合(ステップA753;Y)には、ステップA754、A755をパスしてステップA756へ移行する。また、ステップA755が終了した場合も、ステップA756へ移行する。
そして、ステップA756へ移行すると、RWMにおける特図ステータス領域の特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報をクリア(情報減算)し(ステップA756)、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理に係る処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA757)、特図1表示中処理を終了する。なお、ステップA756を実行した場合、特図ステータスは、特図2のみ変動中の状態か、特図1も特図2も変動中でない状態のうちのいずれかの状態になる。
〔特図2表示中処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップA50)の詳細について図39、40、41を用いて説明する。図39は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図40は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その2)である。図41は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その3)である。
特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA761)、RWMの小当りフラグ2領域の情報をクリアする(ステップA762)。
次いで、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA763)、RWMの大当りフラグ2領域の情報をクリアする(ステップA764)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りであるか否かを判定して(ステップA765)、大当りである(ステップA765;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA766)、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップA767)、演出コマンド設定処理(ステップA768)をおこない、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA769)。なお、特図2大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄2当り信号をオンにする信号を含む。
次に、ラウンド数上限値テーブルを設定した(ステップA769)後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(第1の実施形態の場合、たとえば「16」または「4」、その他、たとえば「8」や「2」があってもよい)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA770)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA771)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの当り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA772)、演出コマンド設定処理(ステップA773)をおこなう。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA774)、演出コマンド設定処理(ステップA775)をおこなう。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA776)。第1の実施形態の場合、ステップA776において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。たとえば、大当り2信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオン、低確率中の2R突確大当りであればオフとなる。また、大当り3信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオフ、低確率中の2R突確大当りであればオンとなる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(たとえば5000ms、4700ms、7700ms、または300ms)を設定して(ステップA777)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA778)、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるか否か判定する(ステップA779)。
上大入賞口開放の大当りであれば(ステップA779;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA780)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA781)、ステップA784へ移行する。
一方、上大入賞口開放の大当りでない場合(ステップA779;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA782)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA783)、ステップA784へ移行する。
ステップA784へ移行すると、処理番号として3を設定し(ステップA784)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号すなわち「3」をセーブし(ステップA785)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA786)をおこない、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップA765にて、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA765;N)は、ロードした小当りフラグ2が小当りであるか否かを判定し(ステップA787)、小当りフラグ2が小当りであると判定した場合(ステップA787;Y)、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA788)。
そして、ステップA788にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA788;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA789)、演出コマンド設定処理(ステップA790)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA791)、右打ち指示報知フラグをクリアする(ステップA792)。なお、ステップA792は、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定し、高確率最終変動と判定されて高確率状態が終了した状態であるので右打ち指示報知フラグをクリアする構成を例示している。しかし、本実施形態が高確率状態において右打ち指示報知をしない態様である場合には、ステップA792は削除した構成(あるいは、高確率状態で左打ち指示報知をしてステップA792では左打ち指示報知フラグをクリアする構成)とする態様もあり得る。
次に、ステップA792を終了した場合と、高確率最終変動中でない場合(ステップA788;N)には、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードし、準備し(ステップA793)、演出コマンド設定処理(ステップA794)をおこなう。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応する小当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA795)、演出コマンド設定処理(ステップA796)をおこない、遊技状態が左打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態でも大当り中でも特別モード中でもない状態)であるか否かを判定する(ステップA797)。
ステップA797にて、左打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA797;Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA798)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA799)、ステップA802に移行する。
一方、左打ちすべき所定状態であると判定しなかった場合(ステップA797;N)には、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA800)。なお、右打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオンにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA801)、ステップA802に移行する。
ステップA802に移行すると、上大入賞口(特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるか否か判定する(ステップA802)。上大入賞口開放の小当りであれば(ステップA802;Y)、上大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA803)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA804)、ステップA807へ移行する。
一方、上大入賞口開放の小当りでない場合(ステップA802;N)には、下大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA805)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA806)、ステップA807へ移行する。
ステップA807へ移行すると、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA807)をおこない、特図2表示中処理を終了する。なお、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号として「7」をセーブする処理、特図2ゲーム処理タイマ領域に小当りファンファーレ時間(たとえば4m秒)をセーブする処理などをおこなう。
一方、ステップA787にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステップA787;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA808)。
そして、ステップA808にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA808;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA809)、演出コマンド設定処理(ステップA810)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA811)、右打ち指示報知フラグをクリアし(ステップA812)、特図1変動表示ゲームが大当り中か否か判定する(ステップA813)。なお、ステップA812は、前述のステップA792と同様に、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定した一例にすぎない。
次に、特図1変動表示ゲームが大当り中でないと判定した場合(ステップA813;N)には、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA814)、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA815)。なお、本実施形態は、特図1変動表示ゲームが大当り中である場合は、その際に開放される上大入賞口(特別変動入賞装置38)をねらって右打ちをすべき状態となるため、特図1が大当り中である場合(ステップA813;Y)には、ステップA814、A815をパスしてステップA816へ移行する。また本実施形態は、特図1変動表示ゲームが小当り中である場合は、その際に開放される下大入賞口(特別変動入賞装置95)をねらって左打ちをすべき状態となるため、特図1が大当り中でない場合(ステップA813;N)(特図1が小当り中である場合も含む)には、ステップA814、A815を実行後にステップA816へ移行する。ただし、このような右打ち左打ちに関する処理内容は、遊技機の盤面構成やゲーム性によって変わるものであり、一例にすぎない。またここで、ステップA815が終了した場合も、ステップA816へ移行する。
そして、ステップA816へ移行すると、RWMにおける特図ステータス領域の特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報をクリア(情報減算)し(ステップA816)、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理に係る処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA817)、特図2表示中処理を終了する。なお、ステップA816を実行した場合、特図ステータスは、特図1のみ変動中の状態か、特図1も特図2も変動中でない状態のうちのいずれかの状態になる。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS134)の詳細について図42と図43を用いて説明する。図42は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その1)である。図43は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その2)である。
外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS125)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)、磁石不正監視処理(ステップS132)および盤電波不正監視処理(ステップS133)での監視結果にもとづいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等をおこなう。
外部情報編集処理では、まず、エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理をおこなう。エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理では、ガラス枠開放エラーの発生中(ステップC71;Y)、本体枠開放エラーの発生中(ステップC72;Y)である場合に、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC73)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC74)。すなわち、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーの発生が、外部情報および試験信号として出力される。
一方、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーのいずれのエラーも発生していない場合(ステップC71からC72;N)は、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC75)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップC76)。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれた時から所定時間(たとえば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップC77)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC78)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップC78;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブ(ステップC79)する。一方、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」の場合(ステップC78;Y)、すなわちタイムアップしている場合は、ステップC79の処理がパスされる。すなわち、前述したメイン処理においてRAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれてセキュリティ信号制御タイマに初期値(たとえば256ms)がセーブされたときから、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップするまでの間、セキュリティ信号のオンデータが外部情報として出力される。
次に、磁石不正発生中(ステップC80;Y)、盤電波不正発生中(ステップC81;Y)、枠電波不正発生中(ステップC82;Y)、大入賞口不正発生中(ステップC83;Y)、または特図2異常変動発生中(ステップC84;Y)である場合にセキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC85)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)。なお、普電不正発生中の場合も、同様に、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC85)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)構成としてもよい。
一方、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、普電不正、大入賞口不正、または特図2異常変動のいずれも発生していない場合(ステップC80からC84;N)は、スイッチ異常1またはスイッチ異常2のスイッチ異常発生中であるか否か判定し(ステップC87)、いずれのスイッチ異常も発生中でない場合(ステップC87;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC88)。
そして、いずれかのスイッチ異常が発生中である場合(ステップC87;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)。ここで、特図2異常変動やスイッチ異常などは、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理で監視される異常である。
次に、ステップC86またはC88を終了した後、外部情報編集処理では、始動口1(特図1の始動入賞口である始動入賞口36、普通変動入賞装置37)の入賞信号(始動口1信号)を編集する始動口1信号編集処理(ステップC89)をおこない、始動口2(特図2の始動入賞口である始動入賞口92)の入賞信号(始動口2信号)を編集する始動口2信号編集処理(ステップC90)をおこなう。続いて、払出予定の賞球数に関するメイン賞球信号を編集するメイン賞球信号編集処理(ステップC91)をおこない、図柄確定回数出力回数(図柄確定回数信号出力回数)にもとづいて図柄確定回数信号を編集する図柄確定回数信号編集処理(ステップC92)をおこない、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図44を用いて説明する。図44は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理については、後で図45を用いて説明する。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
制御部は、ステップD30を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD30の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD30は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、受信コマンドチェック処理について図45を用いて説明する。図45は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンドチェック処理のフローチャートを示す図である。受信コマンドチェック処理は、メイン処理のステップD22で制御部によって実行される処理である。
なお、受信コマンド(演出コマンド)は、MODEのデータ(1バイト)とACTIONのデータ(1バイト)とを含む構成となっており、遊技制御装置(主基板)100から演出制御装置300に演出コマンドが順次送信される。以下では、コマンドを構成するこのようなデータを、コマンドのデータあるいはコマンドデータという。
また、主基板からのコマンド受信の処理は、図示省略した「コマンド受信割込み処理」によっておこなわれる。即ち、本例のシリアル通信では、ハード的に(CPU自身の機能により)自動で送受信がおこなわれ、コマンドを受信完了すると割込み(コマンド受信割込み)が発生して知らせてくれるので、あとはシリアル受信バッファから取り出すだけでよいが、上記「コマンド受信割込み処理」では、コマンド受信割込みがあるごとに、シリアル受信バッファからコマンドをロードし、ロードしたコマンドデータに異常がないかチェックした上で、当該コマンドデータ(MODEとACTIONのデータ)をコマンドバッファに格納し、格納した分だけコマンド受信カウンタの値を「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、制御処理の説明において、単に「格納する」というときは、後の制御処理に使用するために所定の記憶領域に読出し可能に記憶保存することを意味する(以下同様)。また、コマンドバッファは、たとえばリングバッファである。このコマンドバッファは、たとえばCPU311のRAM311a(あるいはRAM322)内の記憶領域によって構成される。コマンドバッファの容量は、システム制御周期(前述の処理周期;たとえば1/30秒)で主基板から送信される可能性のあるコマンド数以上になっていればよい。
[ステップD41]制御部は、コマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする。なお、コマンド受信カウンタは、RWM(RAM322またはRAM311a)に設定される。コマンド受信カウンタは、ステップD43において原則として「0」クリアされるので、1フレーム(1/30秒間)の間(前述の処理周期の1周期分の時間)に受信したコマンド数を記憶する。
[ステップD42]制御部は、コマンド受信数が「0(ゼロ)」でないか否かを判定し、コマンド受信数が「0」でなければステップD43に進み、コマンド受信数が「0」であれば受信コマンドチェック処理を終了する。なお本願では、上記ステップD41のように、制御処理においてデータを「ロードする」とは、RAM(本例の演出制御装置300ではRAM322またはRAM311a)からデータを取り出すことを意味する。
[ステップD43]制御部は、コマンド受信カウンタ領域の内容(即ち、コマンド受信カウンタの値)をコマンド受信数分減算する。
なお、A:コマンド受信カウンタの値、B:コマンド受信数とすると、ステップD41の実行直後で「A=B」である。そして、ステップD43の実行直後では「A=A−B=0」となるのが通常の動きだが、本例の態様では、演出制御装置300は遊技制御装置(主基板)100からのコマンド受信割込みを割込み禁止にせず最優先にしているので、ステップD41の処理からステップD43の処理までの間にAの値が増えている可能性がある。よって、ステップD43の処理を「A←0」(即ち、コマンド受信カウンタの値をゼロとする処理)としてしまうとコマンドのカウントがずれてしまうので、ステップD43では「A−B」という減算処理をおこなっている。但し、本実施例のように主基板からのコマンドの送受信にシリアル通信を使用した場合は、割込み禁止にしてステップD41の処理からステップD153までの処理の間にAの値が増えることがないようして、ステップD43の処理内容を「A←0」としてもよい。
[ステップD44]制御部は、受信コマンドバッファ(コマンドバッファに相当、以下単にコマンドバッファという場合もある)の内容(即ち、コマンドバッファの読出用ポインタに対応するアドレスに記憶されているコマンドデータ)をコマンド領域(場合により、コマンド格納領域という)にコピーする。コマンド領域は、たとえばRAM322またはRAM311a内の記憶領域にあって、いわゆるFIFO形式(先入れ先出し形式)のバッファである。
[ステップD45]制御部は、コマンドバッファのデータを読み出したので、コマンドバッファの読出用ポインタであるコマンド読出インデックスの値を、たとえば「0」乃至「31」の範囲で「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、ここでの「0」乃至「31」の範囲は、コマンドバッファの容量(たとえば、「32」)に対応している。
[ステップD46]制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD44およびステップD45を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了した場合にステップD47に進み、コピー完了していない場合にステップD44に進む。
[ステップD47]制御部は、コマンド領域の内容(コマンド領域の未だ読み出されていないデータのうちで一番先に格納されたデータ、即ち、次に読み出すべきデータ)をロード(即ち、読み出し)する。
[ステップD48]制御部は、受信コマンド解析処理を実行する。受信コマンド解析処理は、ロードしたコマンド(以下、今回のコマンドという)のデータを解析する処理である。受信コマンド解析処理については、図46を用いて後で説明する。
[ステップD49]制御部は、コマンド領域のアドレス(次に読み出すべきデータのアドレス)を更新する。
[ステップD50]制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD47乃至ステップD49を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了していない場合にステップD47に進み、解析完了した場合に受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、受信コマンド解析処理について図46を用いて説明する。図46は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンド解析処理のフローチャートを示す図である。受信コマンド解析処理は、受信コマンドチェック処理のステップD48で制御部によって実行される処理である。
[ステップD51]制御部は、受信コマンドチェック処理のステップD47においてロードした今回のコマンドのデータのうちの上位バイトをMODEに、下位バイトをACTにそれぞれ分離して記憶する。なお、特図の変動パターンを指令する変動系のコマンドの場合、MODEとして記憶される上位バイトのデータは前半変動パターンを指令し、ACTとして記憶される下位バイトのデータは後半変動パターンを指令するものである。
[ステップD52]制御部は、ステップD51で分離されたMODEの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が正常範囲にある場合にステップD53に進み、MODEの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。なお、MODEの値は定義されずに使用されていない値もあり、このような使用されていない値である場合には、ステップD52の判定で正常範囲でないと判定される。
[ステップD53]制御部は、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正常範囲にある場合にステップD54に進み、ACTの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
また、上記ステップD53における、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲か否かの判定は、たとえば次のようにおこなう。即ち、MODEごとに有効なACTの値は異なり、このACTの有効値の上限〜下限は所定のACTIONチェックテーブル(図示省略)に定義されており、ステップD53ではこの上限〜下限の範囲内に分離されたACTの値が収まっているかをチェックし、収まっていれば正常範囲と判定する(この時点では後述する歯抜けチェックが出来ていない)。
[ステップD54]制御部は、分離されたMODEの値に対する分離されたACTの値が正しい組み合わせであるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正しい組み合わせである場合にステップD55に進み、正しい組み合わせでない場合に受信コマンド解析処理を終了する。ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、たとえば一致チェックテーブルを使っておこなうことができる。一致チェックテーブルは、MODEの値に対して有効なすべてのACTの値(ACTIONの値)が先頭アドレスから順に登録されたものであり、MODEの値ごとに設けられている。そして、MODEの値に対応するこの一致チェックテーブルの中に、分離されたACTの値が有れば正しい組み合わせであると判定でき、一致チェックテーブルの中に分離されたACTの値が無ければ正しい組み合わせでないと判定できる。
なお、ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、MODEに対して正常なACTの組み合わせになっているか否かの歯抜けチェックを含めて実行している。1つのMODEに対し、有効なACTは複数あるがそれらの値が連続しているとは限らない(即ち、不連続に存在していない値、歯抜けになっている値がある)ので、コマンドが有効値であるかを比較確認している。そして、一致チェックテーブル中には有効値のみ定義されているので、それらの何れかと一致するかを1つ1つ比較確認している。
[ステップD55]制御部は、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が変動系コマンド範囲内にある場合に変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD56)、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にない場合にステップD57に進む。
ここで、MODEのデータとは、ステップD51で分離されて記憶されたMODEのデータである(後述のステップD57等でも同様)。また、変動系コマンド(変動コマンドあるいは変動パターンコマンドという場合もある)は、特図の変動パターンを指令するコマンドであり、この変動コマンドのデータがとり得る範囲が変動系コマンド範囲である。
[ステップD57]制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にある場合に大当り系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD58)、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にない場合にステップD59に進む。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示等)を指令するコマンドであり、この大当り系コマンドのデータがとり得る範囲が大当り系コマンド範囲である。
[ステップD59]制御部は、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が図柄系コマンド範囲内にある場合に図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD60)、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD61に進む。図柄系コマンド(図柄コマンド、あるいは飾り特図コマンドという場合もある)は、特図の図柄に関する情報(たとえば、特図の停止図柄を何にするか等)を指令するコマンドであり、この図柄コマンドのデータがとり得る範囲が図柄系コマンド範囲である。
[ステップD61]制御部は、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が単発系コマンド範囲内にある場合に単発系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD62)、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にない場合にステップD63に進む。なお、図柄コマンドと変動系コマンドのように組み合わせで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドを単発系コマンドという。単発系コマンド(単発コマンドという場合もある)には、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンド等がある。この単発コマンドのデータがとり得る範囲が単発系コマンド範囲である。
[ステップD63]制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にある場合に先読み図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD64)、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD65に進む。
[ステップD65]制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にある場合に先読み変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD66)、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み図柄系コマンドおよび先読み変動系コマンドは、先読み演出のためのコマンドである。また、ステップD56、D58、D60、D62、D64、D66のいずれかの処理が終了すると、受信コマンド解析処理を終了する。
ここで、先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図の変動表示ゲームが未実行の始動入賞記憶(始動入賞記憶の保留、あるいは単に保留という)に対応する変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、始動入賞記憶の保留表示等を通常と異なる態様でおこなう等の演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、および先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動入賞記憶の保留に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。第2の実施形態の遊技機10は、基板上に実装する部品の向きを特定方向に揃えている。まず、遊技機10における基板配置環境について図47を用いて説明する。図47は、第2の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
図47は、遊技機10が外枠(本体枠)11に対して前面枠12を開放する様子を示す。遊技機10は、一般に島と呼ばれる遊技場設備に外枠11を固定し、前面枠12を開放することによって係員によるメンテナンス作業をおこなえるようにしている。そのため、遊技機10は、外枠11に前面枠12を軸支する軸支側よりも開放側において、設置環境でのメンテナンス作業性が優れる。特に、近時の遊技機は、前面枠12の前面側構成部材(たとえば、枠装飾装置18や上皿21等)の突出量が大きいことから、前面枠12が遊技場設備(たとえば、呼び出しランプや、カードユニット等)と干渉し、前面枠12の開放量が制限される場合がある。なお、外枠11は、左側を回動軸として前面枠12を開閉可能にするが、右側を回動軸として前面枠12を開閉可能にするものであってもよい。
前面枠12は、遊技盤30の裏面側に遊技制御装置100と演出制御装置300とを備える。遊技制御装置100は、コネクタ接続部を臨ませて基板ボックスに収容される遊技制御基板510を含む。演出制御装置300は、コネクタ接続部を臨ませて基板ボックスに収容される演出制御基板511を含む。さらに、前面枠12は、前面枠12から裏面側に臨む各種基板512,513,514を備える。各種基板512,513,514は、制御基板(たとえば、払出制御基板)、中継基板(たとえば、中継基板70)、その他基板(たとえば、LED基板やセンサ基板)等である。また、前面枠12は、前面枠12を開放したときに部品実装面を視認可能にして、遊技制御基板510、演出制御基板511、各種基板512,513,514を支持する。
遊技機10は、遊技制御基板510、演出制御基板511、および各種基板512,513,514をハーネスにより電気的に接続する。このとき、ハーネスは、基板間の信号を送受信する信号線、または基板間の電力を送信する電力線として機能する。
前面枠12は、各種基板と、図示を省略するが基板に接続するハーネスとを裏面側に臨ませて備える。なお、前面枠12は、図示しない保護カバーを介して基板やハーネスを裏面側に臨ませる場合がある。
次に、前面枠12が支持する遊技制御装置100について図48と図49を用いて説明する。図48は、第2の実施形態の遊技制御装置と、遊技制御装置を前面枠で支持する取付ベースの一例を示す図である。図49は、第2の実施形態の遊技制御装置のA−A断面の一例を示す図である。
前面枠12は、取付ベース521を備え、取付ベース521を介して遊技制御装置100を支持する。遊技制御装置100は、基板ボックス520に遊技制御基板510を収容する。基板ボックス520は、正面視で略長方形の箱型形状であり、上側となる長辺に係合部522を備え、下側となる対辺に係止部523を備える。取付ベース521は、基板ボックス520よりも一回り大きな略長方形形状であり、係合部522に対応して被係合部522a、522bを備え、係止部523に対応して被係止部523aを備える。
基板ボックス520は、係合部522と被係合部522a、522bとを先に係合して、係合部522を回動軸にして取付ベース521に載置してから係止部523を被係止部523aに係止することで、取付ベース521に固定される。なお、基板ボックス520を取付ベース521から取り外す場合に、基板ボックス520は、係止部523と被係止部523aとの係止状態を解く操作を要する。したがって、係止部523は、遊技機10の保守作業をおこなう作業者にとって基板ボックス520の係止状態を解くための操作部としての側面を有する。
基板ボックス520は、主要な構造体として上側部材5201と下側部材5202とを有し、上側部材5201と下側部材5202とで遊技制御基板510を挟持して収容する。上側部材5201は、基板支持部5203(たとえばボス)で遊技制御基板510を支持し、ビス5204によって遊技制御基板510を固定する。また、下側部材5202は、基板支持部5205(たとえばリブ)によって遊技制御基板510を支持する。これにより、遊技制御基板510は、上側部材5201と下側部材5202の双方の外面から所定の間隙を有して支持される。
上側部材5201と下側部材5202とは、カシメ部524(たとえば螺子等)によってかしめられる。カシメ部524は、所定回数だけカシメ状態とカシメ解除状態とを痕跡を残して切り替え可能にする。たとえば、カシメ部524は、カシメ前の所要数の螺子を有し、このうちの1つをかしめることでカシメ状態とし、基板ボックス520のあらかじめ用意された部位を破壊することで痕跡(たとえば、樹脂の切断痕等)を保持してカシメ状態を解くことができる。また、基板ボックス520は、封止部525を備え、ここに封止シール525aを貼付し、封止シール525aの状態によって基板ボックス520の開封の有無を検出可能にしている。たとえば、封止シール525aは、基板ボックス520の開封によって破断し、基板ボックス520の開封があったことを破断した状態によって示す。なお、封止シール525aは、RF(Radio Frequency)タグ等を含むものであってもよく、近距離無線通信によって基板ボックス520の開封の有無(たとえば、通信失敗によるアンテナの破壊検出等による)を検出可能にするものであってもよい。
遊技制御基板510は、矩形(たとえば長方形)のガラスエポキシ基板である。遊技制御基板510は、表面を部品実装面とし、裏面を半田面とする2層基板である。遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530と部品540を部品実装面に備える。部品540は、不正な部品との交換ができないように基板ボックス520内にあって外部に露出しない。一方、コネクタ530は、基板ボックス520(上側部材5201)に設けられた開口となる窓部5209から基板ボックス520の外部に臨み、所定のハーネスとコネクタ接続可能にしている。なお、遊技制御基板510は、コネクタ530の多くを上側に配置することで、ハーネスが部品実装面の観察の障害になることを抑制している。また、遊技制御基板510は、下側に配置するコネクタを有するが、このようなコネクタを稼働環境においてハーネスを接続しないコネクタ(たとえば、検査用コネクタ等)に限定する。これにより、遊技機10は、部品配置の効率化と部品実装面の観察の障害抑止とを両立する。
次に、遊技制御基板510における抵抗器(抵抗)の実装について図50を用いて説明する。図50は、第2の実施形態の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図(その1)である。
図50(1)に示す遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530a,530bを部品実装面に備えるとともに、部品540として所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備える。抵抗541は、前面枠12の左右方向に沿う向きで配設される抵抗である。抵抗542は、前面枠12の左右方向に直交する向き、すなわち前面枠12の上下方向に沿う向きで配設される抵抗である。
抵抗541,542は、カラーコードによって定格を表示する受動素子であって、所要数の色帯を有する。たとえば、抵抗541,542は、4つの色帯を有し、第1色帯543が示す第1数字と、第2色帯544が示す第2数字と、第3色帯545が示す乗数と、第4色帯546が示す公称抵抗値許容差とを表示する。したがって、抵抗541,542は、第1色帯543の確認を容易にすることで、抵抗541,542としての確認容易性を高めることができる。なお、抵抗541,542は、色帯間隔が狭い側に第1色帯543を表示し、色帯間隔が広い側に第4色帯546を表示する。
図50(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を前面枠12の左側に向ける。前面枠12は、本体枠11に対して左を開放側(開放端側)とし、右側を軸支側(回動軸側)とする。したがって、遊技制御基板510は、抵抗541の第1色帯543を前面枠12の開放側に向けて抵抗541を実装する。言い換えれば、遊技制御基板510は、抵抗541の第4色帯546を前面枠12の軸支側に向けて抵抗541を実装する。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者の抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図50(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を前面枠12の下側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗542の第1色帯543を前面枠12の下側に向けて抵抗542を実装する。言い換えれば、遊技制御基板510は、抵抗542の第4色帯546を前面枠12の上側に向けて抵抗542を実装する。
また、遊技制御基板510は、遊技制御の用に供するコネクタ530aと、所定の検査の用に供し遊技制御の用に供しないコネクタ530b(検査用コネクタ)とを含む。コネクタ530aは、所定のコネクタをハーネス接続するためハーネスが遊技制御基板510の部品実装面にかかると実装されている部品の視認性を妨げる恐れがある。すなわち、遊技制御基板510は、ハーネスが遊技制御基板510の部品実装面にかかる場合があっても、第4色帯546と比較して第1色帯543の視認性を良好にして抵抗542の確認容易性を向上する。なお、コネクタ530bは、遊技場における遊技機10の営業稼働時においてコネクタ接続されるものでないから部品実装面の観察の障害にならない。
これにより、遊技機10は、作業者の抵抗542の確認容易性を向上(点検作業の容易化)する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
次に、遊技制御基板510における抵抗器(抵抗)の実装について、別観点から図51を用いて説明する。図51は、第2の実施形態の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図(その2)である。
図51(1)に示す遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530a,530bを部品実装面に備えるとともに、部品540として所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備える。遊技制御基板510は、基板ボックス520に収容されて、基板ボックス520の係合部522を上側にして、係止部523を下側にして前面枠12に支持される。
図51(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を前面枠12の左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗541の第1色帯543を前面枠12の開放側に向けて抵抗541を実装する。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者の抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図51(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を基板ボックス520の係止部523側に向け、第4色帯546を基板ボックス520の係合部522側に向ける。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなうときに基板ボックス520を前面枠12から取り外す際の操作部となる係止部523を基準にして、作業者に抵抗542を確認させることができる。すなわち、遊技機10は、作業者の抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
次に、遊技制御基板510における抵抗器(抵抗)の実装について、さらに別観点から図52を用いて説明する。図52は、第2の実施形態の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図(その3)である。
図52(1)に示す遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530aと1つのコネクタ530bを部品実装面に備える。コネクタ530aは、遊技制御の用に供するコネクタであり、コネクタ530bは、たとえば検査用コネクタであり、所定の検査の用に供するものであって遊技制御の用に供しないコネクタである。したがって、遊技機10は、遊技場における営業稼働時において、コネクタ530aには所要のハーネスがコネクタ接続されるものの、コネクタ530bにはハーネスがコネクタ接続されていないのが通常である。また、コネクタ530bは、ハーネスがコネクタ接続されているかいないかという観点で、コネクタ530aと容易に区別可能である。なお、コネクタ530bは、ハーネス接続の有無に加えて、コネクタ530bを赤色としコネクタ530aを非赤色とするように、コネクタ530aと異なる色彩が付されることで区別されるものであってもよい。また、コネクタ530bは、ハーネス接続の有無に加えて、コネクタ530bをモジュラータイプとしコネクタ530aを非モジュラータイプとするように、コネクタ530aと異なる形状で区別されるものであってもよい。
また、遊技制御基板510は、部品540として所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備えるとともに、プロセッサ532を部品実装面に備える。たとえば、プロセッサ532は、遊技用マイコン111である。プロセッサ532は、機種名を表示するシール等が貼付されることによって他の集積回路(たとえば、ドライバIC)と区別可能である。なお、プロセッサ532は、遊技制御基板510に実装される部品のうちで最大のピン数であることによっても区別可能である。さらに、プロセッサ532は、プロセッサ532を青色とし、他の集積回路を非青色(たとえば黒色等)とするように、所定の色彩が付されることで区別されるものであってもよい。
これにより、遊技制御基板510は、実装される特定コネクタとしてコネクタ530bを特定可能にし、実装される特定集積回路としてプロセッサ532を特定可能にしている。
遊技制御基板510は、コネクタ530bとプロセッサ532とを、左右方向にオフセットd1を設けて配置するとともに、上下方向にオフセットd2を設けて配置する。オフセットd1は、プロセッサ532を基準にしてコネクタ530bが位置する方向を正方向とし、コネクタ530bが位置しない方向を負方向とする。また、オフセットd2は、プロセッサ532を基準にしてコネクタ530bが位置する方向を正方向とし、コネクタ530bが位置しない方向を負方向とする。
図52(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543をオフセットd1の正方向側に向け、第4色帯546をオフセットd1の負方向側に向ける。
これにより、遊技機10は、抵抗541の基準方向を明確にして、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者の抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図52(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543をオフセットd2の正方向側に向け、第4色帯546をオフセットd2の負方向側に向ける。
これにより、遊技機10は、抵抗542の基準方向を明確にして、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者の抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
なお、オフセットd1の正方向は、前面枠開放側と同じであり、オフセットd1の負方向は、前面枠軸支側と同じである。また、オフセットd2の正方向は、前面枠下側と同じであり、オフセットd1の負方向は、前面枠上側と同じである。同様に、オフセットd2の正方向は、基板ボックス係止部側と同じであり、オフセットd2の負方向は、基板ボックス係合部側と同じである。
したがって、遊技機10は、抵抗541,542の基準方向を明確にしながら、抵抗541と抵抗542の視認容易性の向上をも図ることができる。
次に、遊技制御基板510における抵抗器(抵抗)の実装について、さらに別観点から図53を用いて説明する。図53は、第2の実施形態の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図(その4)である。
図53(1)に示す遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530a,530bを部品実装面に備えるとともに、部品540として所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備える。遊技制御基板510は、基板ボックス520に収容されて、封止部525で封止シール5251によって封止される。
封止シール5251は、所要の文字や意匠を表示する。たとえば、封止シール5251は、文字「開封禁止」を表示する。なお、封止シール5251は、管理情報を英数字や記号、2次元コード等のイメージ表示等により表示するものであってもよい。また、封止シール5251は、出所を明らかにしたり、偽造を防止するための意匠を表示したりするものであってもよい。封止シール5251は、所要の文字や意匠によって封止シール5251の正位置を明示する。たとえば、封止シール5251は、図示右側を下に見る向きを正位置(封止部基準)とする。
図53(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を前面枠12の左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗541の第1色帯543を前面枠12の開放側に向けて抵抗541を実装する。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者の抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図53(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を封止部基準左側(図示下側)に向け、第4色帯546を封止部基準右側(図示上側)に向ける。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなうときに封止部525を基準にして、作業者に抵抗542を確認させることができる。すなわち、遊技機10は、作業者の抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。なお、封止シール525の健全性の確認と遊技制御基板510の確認とは、密接に関係することから、封止部525を基準とすることは、作業者にとって理解容易である。
次に、遊技制御基板510における抵抗器(抵抗)の実装について、さらに別観点から図54を用いて説明する。図54は、第2の実施形態の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図(その5)である。
図54(1)に示す遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530a,530bを部品実装面に備えるとともに、部品540として所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備える。遊技制御基板510は、基板ボックス520に収容されて、封止部525で封止シール5251によって封止される。また、基板ボックス520は、その表面に管理番号シール5206を貼付する。管理番号シール5206は、ベースを透明素材として部品実装面を確認容易にしながら、所要の情報を表示する。たとえば、管理番号シール5206は、所要の情報として主基板管理番号を表示する。たとえば、管理番号シール5206は、必要に応じて文字の背景をベタにして黒字または白字で所要の情報を表示する。管理番号シール5206は、所要の情報表示によって管理番号シール5206の正位置を明示する。たとえば、管理番号シール5206は、図示下側を下に見る向きを正位置(管理番号シール基準)とする。
封止シール5251は、所要の文字や意匠を表示する。たとえば、封止シール5251は、文字「開封禁止」を表示する。封止シール5251は、所要の文字や意匠によって封止シール5251の正位置を明示する。たとえば、封止シール5251は、図示右側を下に見る向きを正位置(封止シール基準)とする。
なお、管理番号シール基準の向きと封止シール基準の向きとは直交する。管理番号シール基準の向きは、抵抗541の配設方向を示し、封止シール基準の向きは、抵抗542の配設方向を示す。
図54(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を管理番号シール基準の左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗541の第1色帯543を管理番号シール基準の左側に向けて抵抗541を実装する。
これにより、遊技機10は、作業者に管理番号シール5206を確認させることで抵抗541の第1色帯543の位置を把握させることができ、抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図54(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を封止シール基準の左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗542の第1色帯543を封止シール基準の左側に向けて抵抗542を実装する。
これにより、遊技機10は、作業者に封止シール5251を確認させることで抵抗542の第1色帯543の位置を把握させることができ、抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
なお、管理番号シール5206による遊技制御装置の種別把握と封止シール5251の健全性の確認と遊技制御基板510の確認とは、密接に関係することから、管理番号シール5206や封止シール5251を基準とすることは、作業者にとって理解容易である。
次に、遊技制御基板510における部品番号の表示について図55を用いて説明する。図55は、第2の実施形態の遊技制御基板に実装される抵抗と、対応する部品番号の表示の一例を示す図である。
図55(1)に示す部品番号547は、抵抗541の近傍に抵抗541と同じ向きで表示される。部品番号547は、たとえば文字「R15」を表示する。このとき、部品番号547の先頭文字「R」は抵抗541の第1色帯543側にあり、部品番号547の末尾文字「5」は抵抗541の第4色帯546側にある。
これにより、遊技機10は、部品番号547の先頭文字を手掛かりにし、抵抗541の第1色帯543の発見を容易にする。また、遊技機10は、抵抗541の第1色帯543を手掛かりにし、部品番号547の先頭文字の発見を容易にする。
図55(2)に示す部品番号548は、抵抗542の近傍に抵抗542と同じ向きで表示される。部品番号548は、たとえば文字「R16」を表示する。このとき、部品番号548の先頭文字「R」は抵抗542の第1色帯543側にあり、部品番号548の末尾文字「6」は抵抗542の第4色帯546側にある。
これにより、遊技機10は、部品番号548の先頭文字を手掛かりにし、抵抗542の第1色帯543の発見を容易にする。また、遊技機10は、抵抗542の第1色帯543を手掛かりにし、部品番号548の先頭文字の発見を容易にする。
ここまで、遊技制御基板510が備える部品540として、抵抗541,542を用いて説明してきたが、所要の向きで部品実装面に備えられる部品はこれに限らない。所要の向きで部品実装面に備えられる部品について図56を用いて説明する。図56は、第2の実施形態の部品実装面に備えられる部品の一例を示す図である。
たとえば、遊技制御基板510は、図56(1)に示すように、チップ(表面実装)式の抵抗549を備えるものであってもよい。抵抗549は、文字列によって定格を表示する受動素子であって、所要数の文字を有する。抵抗549は、3つの文字を有し、左から順に第1数字、第2数字、乗数を表示する。たとえば、抵抗549は、3つの文字「1」、「0」、「2」により、1kΩを示す。したがって、抵抗549は、先頭文字の確認を容易にすることで、抵抗549の確認容易性を高めることができる。
部品番号550は、抵抗549の近傍に抵抗549が表示する文字列と同じ向きで表示される。部品番号550は、たとえば文字「R16」を表示する。このとき、部品番号550の先頭文字「R」は抵抗549の第1数字を示す「1」側にあり、部品番号550の末尾文字「6」は抵抗549の乗数を示す「2」側にある。
これにより、遊技機10は、部品番号550の先頭文字を手掛かりにし、抵抗549の第1数字の発見を容易にする。また、遊技機10は、抵抗549の第1数字を手掛かりにし、部品番号550の先頭文字の発見を容易にする。
また、遊技制御基板510は、図56(2)に示すように、コンデンサ551を備えるものであってもよい。コンデンサ551は、カラーコードによって定格を表示する受動素子であって、所要数の色帯を有する。コンデンサ551は、3つの色帯を有し、第1色帯552が示す第1数字と、第2色帯553が示す第2数字と、第3色帯554が示す乗数とを表示する。したがって、コンデンサ551は、第1色帯552の確認を容易にすることで、コンデンサ551の確認容易性を高めることができる。なお、コンデンサ551は、色帯間隔が狭い側に第1色帯552を表示し、色帯間隔が広い側に第3色帯554を表示する。
部品番号555は、コンデンサ551が表示する色帯群が並ぶ向きでコンデンサ551の近傍に表示される。部品番号555は、たとえば文字「C10」を表示する。このとき、部品番号555の先頭文字「C」はコンデンサ551の第1色帯552側にあり、部品番号555の末尾文字「0」はコンデンサ551の第3色帯554側にある。
これにより、遊技機10は、部品番号555の先頭文字を手掛かりにし、コンデンサ551の第1数字の発見を容易にする。また、遊技機10は、コンデンサ551の第1数字を手掛かりにし、部品番号555の先頭文字の発見を容易にする。
また、遊技制御基板510は、図56(3)に示すように、コンデンサ556を備えるものであってもよい。コンデンサ556は、文字列によって定格を表示する受動素子であって、所要数の文字を有する。コンデンサ556は、3つの文字を有し、左から順に第1数字、第2数字、乗数を表示する。たとえば、コンデンサ556は、3つの文字「1」、「0」、「3」により、10000pFを示す。したがって、コンデンサ556は、先頭文字の確認を容易にすることで、コンデンサ556の確認容易性を高めることができる。
部品番号557は、コンデンサ556が表示する文字列が並ぶ向きでコンデンサ556の近傍に表示される。部品番号557は、たとえば文字「C11」を表示する。このとき、部品番号557の先頭文字「C」はコンデンサ556の第1数字を示す「1」側にあり、部品番号557の末尾文字「1」はコンデンサ556の乗数を示す「3」側にある。
これにより、遊技機10は、部品番号557の先頭文字を手掛かりにし、コンデンサ556の第1数字の発見を容易にする。また、遊技機10は、コンデンサ556の第1数字を手掛かりにし、部品番号557の先頭文字の発見を容易にする。
[第2の実施形態の変形例1]
次に、第2の実施形態の変形例1の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例1の遊技機10は、基板上に実装する部品の向きを、管理番号シールと封止シールがそれぞれ備える二次元コードに関連する特定方向に揃えている。第2の実施形態の変形例1の遊技制御基板510における抵抗器(抵抗)の実装について、図57を用いて説明する。図57は、第2の実施形態の変形例1の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図である。
図55(1)に示す遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530a,530bを部品実装面に備えるとともに、部品540として所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備える。遊技制御基板510は、基板ボックス520に収容されて、封止部525で封止シール5252によって封止される。また、基板ボックス520は、その表面に管理番号シール5207を貼付する。管理番号シール5207は、ベースを透明素材として部品実装面を確認容易にしながら、所要の情報を表示する。たとえば、管理番号シール5207は、所要の情報として管理コード5208を表示する。たとえば、管理コード5208は、2次元コード(たとえば、QRコード(登録商標)等)を表示する。管理コード5208は、パターン中に現れるアライメントパターンを右下側に表示する表示態様によって管理コード5208の正位置を明示する。たとえば、管理コード5208は、図示下側を下に見る向きを正位置(管理コード基準)とする。
封止シール5252は、所要の情報として封止コード5253を表示する。たとえば、封止コード5253は、2次元コード(たとえば、QRコード(登録商標)等)を表示する。封止コード5253は、パターン中に現れるアライメントパターンを右下側に表示する表示態様によって封止コード5253の正位置を明示する。たとえば、封止コード5253は、図示右側を下に見る向きを正位置(封止コード基準)とする。
なお、管理コード基準の向きと封止コード基準の向きとは直交する。管理コード基準の向きは、抵抗541の配設方向を示し、封止コード基準の向きは、抵抗542の配設方向を示す。
図57(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を管理コード基準の左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗541の第1色帯543を管理コード基準の左側に向けて抵抗541を実装する。
これにより、遊技機10は、作業者に管理コード5208(管理番号シール5207)を確認させることで抵抗541の第1色帯543の位置を把握させることができ、抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図57(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を封止コード基準の左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗542の第1色帯543を封止コード基準の左側に向けて抵抗542を実装する。
これにより、遊技機10は、作業者に封止コード5253(封止シール5252)を確認させることで抵抗542の第1色帯543の位置を把握させることができ、抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
なお、管理コード5208による遊技制御装置の種別把握と封止コード5253による健全性の確認(あるいは封止シール5252の正当性の確認)と遊技制御基板510の確認とは、密接に関係することから、管理コード5208や封止コード5253を基準とすることは、作業者にとって理解容易である。
[第2の実施形態の変形例2]
次に、第2の実施形態の変形例2の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例2の遊技機10は、第2の実施形態の基板ボックス520と比較して、係合部と係止部の位置を逆にする点で相違する。
まず、第2の実施形態の変形例2の前面枠12が支持する遊技制御装置100について図58を用いて説明する。図58は、第2の実施形態の変形例2の遊技制御装置と、遊技制御装置を前面枠で支持する取付ベースの一例を示す図である。
前面枠12は、取付ベース550を備え、取付ベース550を介して遊技制御装置100を支持する。遊技制御装置100は、基板ボックス551に遊技制御基板510を収容する。基板ボックス551は、正面視で略長方形の箱型形状であり、上側となる長辺に係止部552を備え、下側となる対辺に係合部553を備える。取付ベース550は、基板ボックス551よりも一回り大きな略長方形形状であり、係合部553に対応して被係合部553a、553bを備え、係止部552に対応して被係止部552aを備える。
基板ボックス551は、係合部553と被係合部553a、553bとを先に係合してから、係合部553を回動軸にして取付ベース550に載置し、係止部552を被係止部552aに係止することで、取付ベース550に固定される。なお、基板ボックス551を取付ベース550に取り付ける際に、基板ボックス551は、係合部553と被係合部553a、553bとを先に係合する操作を要する。したがって、係合部553は、遊技機10の保守作業をおこなう作業者にとって基板ボックス551の取付作業の作業起点としての側面を有する。
コネクタ530aは、基板ボックス551(上側部材)に設けられた開口となる窓部から基板ボックス551の外部に臨み、所定のハーネスとコネクタ接続可能にしている。なお、遊技制御基板510は、コネクタ530aを上側に配置することで、ハーネスが部品実装面の観察の障害になることを抑制している。また、遊技制御基板510は、コネクタ530aを上側に配置することで、ハーネスが係止部552の視認性を阻害する。このような遊技制御装置100は、不正な操作をおこなおうとする第三者の操作性を阻害する。
次に、遊技制御基板510における抵抗器(抵抗)の実装について図59を用いて説明する。図59は、第2の実施形態の変形例2の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図である。
図59(1)に示す遊技制御基板510は、所要数のコネクタ530a,530bを部品実装面に備えるとともに、所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備える。遊技制御基板510は、基板ボックス551に収容されて、基板ボックス551の係止部552を上側にして、係合部553を下側にして前面枠12に支持される。
図59(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を前面枠12の左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗541の第1色帯543を前面枠12の開放側に向けて抵抗541を実装する。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者の抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図59(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を基板ボックス551の係合部553側に向け、第4色帯546を基板ボックス551の係止部552側に向ける。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなうときに基板ボックス551を前面枠12に取り付ける際の作業起点となる係合部553を基準にして、作業者に抵抗542を確認させることができる。すなわち、遊技機10は、作業者の抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
[第2の実施形態の変形例3]
次に、第2の実施形態の変形例3の遊技機10について説明する。第2の実施形態の変形例3の遊技機10は、第2の実施形態の遊技制御基板510と比較して、リセットSWを基板上に備える点で相違する。第2の実施形態の変形例3の遊技制御基板における抵抗器(抵抗)の実装について図60を用いて説明する。図60は、第2の実施形態の変形例3の遊技制御基板と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図である。
図60(1)に示す遊技制御基板555は、所要数のコネクタ530a,530bを部品実装面に備えるとともに、所要数の抵抗541,542を所要の向きで部品実装面に備える。さらに、遊技制御基板555は、矩形の基板の一隅部にリセットSW556を備える。たとえば、遊技制御基板555は、基板の左下隅部にリセットSW556を備える。基板の左下隅部は、前面枠12の開放端側であってリセットSW556の操作性に優れる位置であるとともに、コネクタ530aにコネクタ接続するハーネスがリセットSW556の操作性を妨げない位置である。
抵抗541は、前面枠12の左右方向に沿う向きで配設される抵抗である。抵抗542は、前面枠12の左右方向に直交する向き、すなわち前面枠12の上下方向に沿う向きで配設される抵抗である。
図60(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を前面枠12の左側に向ける。すなわち、抵抗541は、遊技制御基板555においてリセットSW556がある方向に第1色帯543を向ける。したがって、遊技制御基板555は、抵抗541の第1色帯543をリセットSW556がある方向に向けて抵抗541を実装する。言い換えれば、遊技制御基板555は、抵抗541の第4色帯546をリセットSW556がない方向に向けて抵抗541を実装する。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者に、リセットSW556を好適な目印として提供し、抵抗541の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板555に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
また、図60(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を前面枠12の下側に向ける。すなわち、抵抗542は、遊技制御基板555においてリセットSW556がある方向に第1色帯543を向ける。したがって、遊技制御基板555は、抵抗542の第1色帯543をリセットSW556がある方向に向けて抵抗542を実装する。言い換えれば、遊技制御基板555は、抵抗542の第4色帯546をリセットSW556がない方向に向けて抵抗542を実装する。
これにより、遊技機10は、前面枠12を開放して保守点検作業をおこなう作業者に、リセットSW556を好適な目印として提供し、抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板555に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
これにより、遊技機10は、作業者の抵抗542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板555に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
なお、第2の実施形態の変形例3について、抵抗541,542の向きを把握するための基準部品としてリセットSW556を例示して説明したが、矩形の基板の一隅部に設けられるものであれば、その他の部品を基準部品とするものであってもよい。
また、第2の実施形態の変形例3について、矩形の基板の一隅部として基板の左下隅部を例示して説明したが、矩形の基板の一隅部を左上部や、右上部、右下部等とするものであってもよい。
なお、第2の実施形態について、遊技制御基板510を例示して説明したが、演出制御基板511や、その他の各種制御基板(たとえば、払出制御基板)、中継基板(たとえば、中継基板70)、その他基板(たとえば、LED基板やセンサ基板)等にも適用可能である。
なお、第2の実施形態について、遊技制御基板510を例示し、抵抗541,542に代えて、抵抗549、コンデンサ551,556を実装するものであってもよいとしたが、第2の実施形態の変形例についても同様とすることができる。また、第2の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、抵抗541,542に加えて抵抗549、コンデンサ551,556を実装するものであってもよく、異種の部品が混在して実装されるものであってもよい。遊技機10は、異なる部品が混在しても、上述した配置規則にしたがう部品の確認容易性を向上することができる。
上述した第2の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、本体枠(外枠11)と、本体枠の左右側の一方を回動軸として開閉可能な前面枠(前面枠12)と、部品実装面を視認可能にして前面枠が支持する基板(たとえば、遊技制御基板510)と、を含む。基板は、カラーコードによって定格を表示する受動素子(たとえば、抵抗541)を左右方向の向きに実装するとき、カラーコードの第1色帯を前面枠の開放端側にする(図50参照)。
(2)(1)の遊技機10は、部品実装面を視認可能にして基板を収容する収容ケース(たとえば、基板ボックス551)を含む。収容ケースは、左右方向に沿う一側(たとえば、前面枠12の下側)で前面枠(たとえば、前面枠12の取付ベース550が備える被係合部553a,553b)に係合する係合部(たとえば、係合部553)と、係合部を回動軸として左右方向に沿う他側で前面枠(たとえば、前面枠12の取付ベース550が備える被係止部552a)に係止する係止部(たとえば、係止部552)と、を含む。基板は、左右方向と直交する向き(上下方向の向き)に受動素子(たとえば、抵抗542)を実装するとき、カラーコードの第1色帯を係合部側にする(図58、59参照)。
(3)(1)の遊技機10は、部品実装面を視認可能にして基板を収容する収容ケース(たとえば、基板ボックス520)を含む。収容ケースは、左右方向に沿う一側(前面枠12の上側)で前面枠(たとえば、前面枠12の取付ベース521が備える被係合部522a,522b)に係合する係合部(たとえば、係合部522)と、係合部を回動軸として左右方向に沿う他側で前面枠(たとえば、前面枠12の取付ベース521が備える被係止部523a)に係止する係止部(たとえば、係止部523)と、を含む。基板は、左右方向と直交する向き(上下方向の向き)に受動素子(たとえば、抵抗542)を実装するとき、カラーコードの第1色帯を係止部側にする(図51参照)。
(4)(1)の遊技機10は、部品実装面を視認可能にして基板を収容する収容ケース(たとえば、基板ボックス520)を含む。収容ケースは、左右方向に沿う一側(前面枠12の上側)に基板上の複数のコネクタ(たとえば、コネクタ530a)を臨ませて基板を収容する。基板は、左右方向と直交する向き(上下方向の向き)に受動素子(たとえば、抵抗542)を実装するとき、カラーコードの第1色帯を左右方向に沿う他側(前面枠12の下側)にする(図50参照)。
(5)(1)の基板は、左右方向と直交する向き(上下方向の向き)に受動素子(たとえば、抵抗542)を実装するとき、カラーコードの第1色帯を前面枠(前面枠12)の下側にする(図50参照)。
(6)(5)の遊技機10は、部品実装面を視認可能にして基板を収容する収容ケース(たとえば、基板ボックス520)を含む。収容ケースは、前面枠の上側に基板上の複数のコネクタ(たとえば、コネクタ530a)を臨ませて基板を収容する(図48参照)。
(7)遊技機10は、矩形の基板(たとえば、遊技制御基板510)と、部品実装面を視認可能にして基板を収容する収容ケース(たとえば、基板ボックス520)と、を含む。収容ケースは、基板を支持する基体部(たとえば、下側部材5202)と、基板を部品実装面から覆い、基体部と係合する覆体部(たとえば、上側部材5201)と、基体部と覆体部との係合関係を封止する封止部(たとえば、封止部525)と、を含む。基板は、カラーコードによって定格を表示する受動素子(たとえば、抵抗541)を、封止部側の一辺(たとえば、図53が図示する遊技制御基板510の右辺)に平行する向き(たとえば、前面枠12の上下方向の向き)に実装するとき、封止部を下に見てカラーコードの第1色帯を左側(たとえば、封止部基準左側)にする(図48、図53参照)。
(8)遊技機10は、矩形の基板(たとえば、遊技制御基板510)と、部品実装面を視認可能にして基板を収容する収容ケース(たとえば、基板ボックス520)と、を含む。収容ケースは、基板の部品実装面を覆う第1ケース部(たとえば、上側部材5201)と、第1ケース部に係合する第2ケース部(たとえば、下側部材5202)と、第1ケース部と第2ケース部との係合関係を封止する封止部(たとえば、封止部525)と、を含む。基板は、カラーコードによって定格を表示する受動素子(たとえば、抵抗541)を、封止部側の一辺(たとえば、図53が図示する遊技制御基板510の右辺)に平行する向き(たとえば、前面枠12の上下方向の向き)に実装するとき、封止部を下に見てカラーコードの第1色帯を左側(たとえば、封止部基準左側)にする(図48、図53参照)。
(9)遊技機10は、矩形の基板(たとえば、遊技制御基板510)と、部品実装面を視認可能にして基板を収容する収容ケース(たとえば、基板ボックス520)と、を含む。収容ケースは、基板を支持する基体部(たとえば、下側部材5202)と、基板を部品実装面から覆い、基体部と係合する覆体部(たとえば、上側部材5201)と、一の向き(たとえば、前面枠12の左右方向の向き)に沿って貼付される管理番号票(たとえば、管理番号シール5206)と、基体部と覆体部との係合関係を、一の向きに直交する向き(たとえば、前面枠12の上下方向の向き)で貼付される封止票(たとえば、封止シール5251)によって封止する封止部(たとえば、封止部525)と、を含む。基板は、カラーコードによって定格を表示する受動素子(たとえば、抵抗541)を一の向きに実装するとき、管理番号票を正位置に見てカラーコードの第1色帯を左側(たとえば、管理番号シール基準左側)にし、受動素子(たとえば、抵抗542)を一の向きに直交する向きに実装するとき、封止票を正位置に見てカラーコードの第1色帯を左側(たとえば、封止シール基準左側)にする(図54参照)。
(10)(9)の管理番号票と封止票は、それぞれ表示する文字列(たとえば、主基板管理番号、文字「開封禁止」等)によって正位置を示す(図54参照)。
(11)(9)の管理番号票と封止票は、それぞれイメージ表示(たとえば、二次元コード、意匠等)によって正位置を示す(図57参照)。
(12)(11)のイメージ表示は、二次元コードである(図57参照)。
(13)遊技機10は、プロセッサ(たとえば、プロセッサ532)と、検査の用に供し遊技制御の用に供しない検査端子(たとえば、コネクタ530b)とを含む矩形の基板(遊技制御基板510)を備える。基板は、プロセッサと検査端子とを縦横方向にそれぞれオフセット(オフセットd1,d2)を設けて実装し、カラーコードによって定格を表示する受動素子(たとえば、抵抗541,542)を縦方向と横方向とに複数実装するとき、縦方向に実装する受動素子(たとえば、抵抗542)と横方向に実装する受動素子(たとえば、抵抗541)のそれぞれについてプロセッサに対して検査端子が位置する方向をカラーコードの第1色帯が位置する方向とする(図52参照)。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の遊技機10について説明する。第3の実施形態の遊技機10は、基板上で集積回路とコネクタとの間に実装する部品の向きを、集積回路とコネクタとの位置関係において特定方向に揃えている。まず、遊技機10における基板配置環境について図61を用いて説明する。図61は、第3の実施形態の遊技制御基板上の集積回路、コネクタ、および抵抗の配置関係と、遊技制御基板に実装される抵抗の向きの一例を示す図である。なお、第1の実施形態、および第2の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
図61(1)に示すように、遊技機10は、遊技制御基板510の基板実装面に集積回路560と、コネクタ561,562,563を実装する。集積回路560は、正面視で一側を長手方向とする矩形のICパッケージであり、たとえば、入力信号のドライバIC(より具体的には、集積回路560は、インタフェースチップ(近接I/F)121)である。なお、集積回路560は、遊技制御基板510に実装される集積回路の一例であり、出力信号のドライバICや、所要の制御回路、バッファ回路、ポートエキスパンダ等であってもよい。
コネクタ561,562,563は、集積回路560が入出力する信号を外部に入出力するためのコネクタである。コネクタ561,562,563と集積回路560とは、間に部品配置領域566を挟んで対向する。
部品配置領域566は、ラインTLより集積回路560側に線形の抵抗541(線形状部品:たとえば、部品番号R22,R21)を配置し、ラインTLよりコネクタ561,562,563側に線形の抵抗542(線形状部品:たとえば、部品番号R15,R3,R2)を配置する。抵抗541は、集積回路560の長手方向に平行する向き(図示左右方向)で配置され、抵抗542は、集積回路560の長手方向に直交する向き(図示上下方向)で配置される。言い換えれば、抵抗542は、集積回路560とコネクタ561,562,563とを結ぶ向き(図示上下方向)に配置され、抵抗541は、集積回路560とコネクタ561,562,563とを結ぶ向きに直交する向き(図示左右方向)に配置される。
なお、遊技制御基板510は、多層基板(たとえば、2層基板)であり、コネクタ561,562,563と集積回路560とを抵抗542を介して接続するとき、第1の層(たとえば、部品実装面)に配線パターンを通し、コネクタ561,562,563と集積回路560とを抵抗541を介して接続するとき、第2の層(たとえば、半田面)に配線パターンを通す。
これにより、遊技制御基板510は、抵抗541を通る配線パターンと、抵抗542を通る配線パターンの引き回しを容易にする。また、遊技制御基板510は、部品配置領域566を分割して抵抗541,542の向きを揃えるため部品確認を容易にする。また、遊技制御基板510は、部品配置領域566を分割して抵抗541,542の向きを揃えるため部品番号の表示領域の確保を容易にする。
なお、遊技制御基板510は、実装部品の一例として抵抗541,542を例示したが、抵抗541,542に代えて、あるいは抵抗541,542に加えて実装方向を有するその他の部品を部品配置領域566に実装するものであってもよい。
また、遊技制御基板510は、すべての集積回路とすべてのコネクタの間の部品配置領域で部品の向きを制限するものであってもよいし、一部に限って制限するものであってもよい。たとえば、コネクタ561,562は、始動口スイッチ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a)と接続するコネクタであって、蛍光色によりその存在が明示される。遊技制御基板510は、このような不正監視対象として注意喚起を要するコネクタ561,562とインタフェースチップ(近接I/F)121との間に、部品配置領域を設定するようにしてもよい。
このとき、図61(2)に示すように、抵抗541は、第1色帯543を左側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗541の第1色帯543を左側(前面枠12の開放側)に向けて抵抗541を実装する。言い換えれば、遊技制御基板510は、抵抗541の第4色帯546を右側(前面枠12の軸支側)に向けて抵抗541を実装する。
また、図61(3)に示すように、抵抗542は、第1色帯543を下側に向ける。したがって、遊技制御基板510は、抵抗542の第1色帯543を下側(前面枠12の下側)に向けて抵抗542を実装する。言い換えれば、遊技制御基板510は、抵抗542の第4色帯546を上側(前面枠12の上側)に向けて抵抗542を実装する。
これにより、遊技機10は、保守点検作業をおこなう作業者の抵抗541,542の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
次に、ラインTLの設定例について図62を用いて説明する。図62は、第3の実施形態のラインTLの設定例を示す図である。
図62(1)に示すラインTLは、抵抗542の下側(集積回路560側)のリード線を挿入するスルーホール564の下端を通るように設定される。このとき、遊技制御基板510は、ラインTLよりも抵抗542側に部品番号548を表示する。なお、ラインTLは、スルーホール564の下端に限らず、スルーホール564の上端と下端との間に設定されるものであってもよい。
図62(2)に示すラインTLは、抵抗542の本体(リード線を除く)の下端(集積回路560側)を通るように設定される。このとき、遊技制御基板510は、ラインTLよりも抵抗542側に部品番号548を表示する。なお、ラインTLは、抵抗542の本体の下端と、スルーホール564の上端との間に設定されるものであってもよい。
図62(3)に示すラインTLは、抵抗542の第1色帯543より下側(集積回路560側)であって、抵抗542の本体に重なる位置に設定される。このとき、遊技制御基板510は、ラインTLよりも抵抗542側に部品番号548を表示する。
図62(4)に示すラインTLは、抵抗542の下側(集積回路560側)のリード線を挿入するスルーホール564の下端(BL)から下側に距離dだけ離れた位置に設定される。このとき、遊技制御基板510は、ラインTLよりも抵抗542側に部品番号548を表示する。
なお、図62(5)に示すように、遊技制御基板510は、ラインTLよりも抵抗542側に、ラインTLに接するようにして部品番号548を表示するようにしてもよい。また、図62(6)に示すように、遊技制御基板510は、ラインTLを跨いで部品番号548を表示するようにしてもよい。
また、ラインTLは、遊技制御基板510に実装された部品や、スルーホール、パターン、シルク印刷(部品番号表示等)により認識可能な仮想ラインであるとしたが、遊技制御基板510にシルク印刷(実線や破線等)で明示された実ラインであってもよいし、基板ボックス520に印刷やシール等で明示された実ラインであってもよい。
[第3の実施形態の変形例]
次に、第3の実施形態の変形例の遊技機10について説明する。第3の実施形態の変形例の遊技機10は、基板上で集積回路とコネクタとの間に、部品配置領域と非部品配置領域とを並べる。部品配置領域と非部品配置領域について図63と図64を用いて説明する。図63は、第3の実施形態の変形例の遊技制御基板上の集積回路とコネクタとの間に位置する部品配置領域と非部品配置領域の一例を示す図である。図64は、第3の実施形態の変形例の遊技制御装置のA−A断面の一例を示す図である。
遊技機10は、基板ボックス520に遊技制御基板510を収容する遊技制御装置100を備え、遊技制御基板510の基板実装面に集積回路560と、コネクタ561,562,563を実装する。
遊技制御基板510は、集積回路560と、コネクタ561,562,563との間に、部品配置領域566と非部品配置領域565を並べて設定する。部品配置領域566は、集積回路560側に位置し、非部品配置領域565は、コネクタ561,562,563側に位置する。部品配置領域566は、抵抗542を配置し、非部品配置領域565は、抵抗542に対応する部品番号548を表示する。
集積回路560と抵抗542、および抵抗542とコネクタ561は、基板570の半田面に設けられたパターン572を介して電気的に接続する。すなわち、遊技制御基板510は、集積回路560と抵抗542、および抵抗542とコネクタ561とを電気的に接続するパターンを基板570の部品実装面に有しない。
集積回路560と抵抗542は、基板ボックス520に収容されて外部から保護される。一方、コネクタ561は、基板ボックス520に設けられた開口567から外部に臨み、所要のハーネスをコネクタ接続可能にする。
基板ボックス520は、各種部品(たとえば、集積回路560、抵抗542等)を収容するため各種部品上で所定の間隙を有する。一方で、基板ボックス520は、開口567近傍では、遊技制御基板510に近接する。そのため、基板ボックス520は、各種部品を収容する領域(部品配置領域566)と開口567との間に起立壁568を有する。起立壁568は、非部品配置領域565の範囲内にある。
非部品配置領域565は、起立壁568を含むため、遊技制御基板510は、起立壁568近傍で部品番号表示の視認性が不十分になる場合がある。そのため、遊技制御基板510は、部品配置領域566の範囲にある部品(たとえば、集積回路560、抵抗542等)に対応する部品番号を領域5651の範囲に表示し、各種コネクタ(たとえば、コネクタ561等)に対応する部品番号を領域5653の範囲に表示し、領域5652の範囲の部品番号表示を制限する。
ここで、第3の実施形態の変形例の部品番号表示について図65と図66を用いて説明する。図65は、第3の実施形態の変形例の部品番号表示の一例を示す図(その1)である。図66は、第3の実施形態の変形例の部品番号表示の一例を示す図(その2)である。
図65(1)に示す部品番号表示は、非部品配置領域565のうち、領域5651の範囲に抵抗542に対応する部品番号573を抵抗542と同じ向きで表示し、領域5653の範囲にコネクタ561に対応するコネクタ番号574(部品番号)をコネクタ561と同じ向き(抵抗542と直交する向き)で表示し、領域5652の範囲の部品番号表示を非表示とする。これにより、遊技機10は、保守点検作業をおこなう作業者の部品及び部品番号の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
図65(2)に示す部品番号表示は、非部品配置領域565のうち、領域5651に部品番号575を表示し、領域5651と領域5652とに跨り部品番号576を表示する。ただし、部品番号576は、隣接する部品番号との関係において識別力の大きな数字部分(数字「15」を、領域5651に表示し、隣接する部品番号との関係において識別力の小さな文字部分(文字「R」)を、領域5652に表示する。これにより、遊技機10は、部品番号576の視認性の一部を犠牲にしながらも部品番号576の一定の識別力を確保することができる。また、遊技機10は、部品番号576の視認性の一部を犠牲にすることでその他の部品番号(たとえば、部品番号575)の表示位置の自由度向上を図ることができる。これにより、遊技機10は、保守点検作業をおこなう作業者の部品及び部品番号の確認容易性を向上する。したがって、遊技機10は、遊技制御基板510に対する不正行為の発見を容易にすることができる。
図66(1)は、図64に示した遊技制御装置のA−A断面の一部(非部品配置領域565)拡大図である。基板ボックス520は、外部から外力を受けて変形し得る。そのとき、基板ボックス520の起立壁角部580が遊技制御基板510に接触し得る。
そこで、遊技制御基板510は、図66(2)に示すように、起立壁角部580が接触し得る起立壁角部直下領域581において部品実装面を避けて半田面にパターン582を配置する。これにより、遊技制御基板510は、基板ボックス520の外部から外力を受けたことに起因して遊技制御基板510に障害が発生し動作不良となることを防止する。
また、遊技制御基板510は、起立壁角部直下領域581において部品実装面を避けて半田面にパターン583を配置することができない場合、すなわち部品実装面にパターン583を配置する場合、起立壁角部直下領域581でパターン583の上に部品番号584を表示する。部品番号584は、シルク印刷等で一定の厚さを有することから、パターン583を保護することができる。
これにより、遊技制御基板510は、基板ボックス520の外部から外力を受けたことに起因して遊技制御基板510に障害が発生し動作不良となることを防止する。
なお、第3の実施形態について、遊技制御基板510を例示して説明したが、演出制御基板511や、その他の各種制御基板(たとえば、払出制御基板)、中継基板(たとえば、中継基板70)、その他基板(たとえば、LED基板やセンサ基板)等にも適用可能である。
上述した第3の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、集積回路(たとえば、集積回路560)と、集積回路が入出力する信号を接続可能なコネクタ(たとえば、コネクタ561,562,563)とを含む制御基板(たとえば、遊技制御基板510)を備える。制御基板は、集積回路とコネクタとの間の領域(たとえば、部品配置領域566のうち)に実装する複数の受動素子(たとえば、抵抗541,542)のうち、コネクタ側に位置するコネクタ側領域に実装する受動素子の向きを集積回路とコネクタとを結ぶ第1の向き(たとえば、集積回路560とコネクタ561,562,563とを結ぶ向き)とし、集積回路側に位置する集積回路側領域に実装する受動素子の向きを第1の向きに直交する第2の向き(たとえば、集積回路560とコネクタ561,562,563とを結ぶ向きに直交する向き)とする。
(2)(1)のコネクタ側領域は、集積回路とコネクタとの間の領域のうち所定ラインよりコネクタ側に位置する領域であって、集積回路側領域は、所定ラインより集積回路側に位置する領域である。
(3)(2)の所定ラインは、制御基板上に明示されたライン(たとえば、シルク印刷等による実ライン)である。
(4)(2)の所定ラインは、制御基板上に非明示のライン(たとえば、実装部品等から認識可能な仮想ライン)である。
(5)遊技機10は、集積回路(たとえば、集積回路560)と、集積回路が入出力する信号を接続可能なコネクタ(たとえば、コネクタ561,562,563)とを含む制御基板(たとえば、遊技制御基板510)を備える。制御基板は、集積回路とコネクタとの間の領域のうち、集積回路側に位置する集積回路側領域(たとえば、部品配置領域566)に受動素子(たとえば、抵抗542)を実装し、コネクタ側に位置するコネクタ側領域(たとえば、非部品配置領域565)に受動素子に関する受動素子情報(たとえば、部品番号548)を表示する。
[ベースの算出と表示]
ここで、遊技機10がおこなう遊技性能としてのベースの算出と表示について、図67、図68を用いて説明する。ここでベースとは、通常遊技状態での出玉率である。ここで通常遊技状態とは、時短状態ではなく大当り遊技状態(大当り状態)でもない状態であり、さらに一般的には、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確状態)である状態である。また出玉率とは、アウト球数100個あたりの払出球数である。そのため、通常遊技状態でのアウト球数をNoutとし、通常遊技状態での払出球数をNsafeとした場合、ベースBは、B=(Nsafe÷Nout)×100という式で算出する。なお、アウト球数とは、遊技領域に発射されてアウト口又は入賞口に入った球数(たとえば前述したアウト球検出スイッチ信号にもとづいて計数される球数)であり、アウト個数、或いは単にアウトなどと称することもある。また払出球数とは、入賞に対して払い出された賞球数であり、払出個数、セーフ球数、或いは単にセーフなどと称することもある。
図3の説明で既述したように、遊技機10の遊技制御装置100には状態表示装置135が設けられている。図67は、ベースの表示手段である状態表示装置135とベース用の記憶領域を示す図であり、図67(1)は状態表示装置135の表示部を示し、図67(2)はベース用の記憶領域を示す。また図68は、状態表示装置135による表示例を示す。
状態表示装置135は、図67(1)に示すように、横に4個並べて設けられた4桁分の7セグメントLEDよりなり、各7セグメントLEDの右下にはドットポイント(小さな円形の発光部)が設けられている。ベースの表示に関して、4桁の7セグメントLEDのうち、左側の2桁はベースの計測時期(計測中のものか否かや計測した順番)を表示する識別セグとなっており、右側の2桁はベースの値を表示する比率セグとなっている。なお図68に示すように、状態表示装置135の7セグメントLEDでは「B」を実際には小文字「b」の形態で表示する。
遊技制御装置100は(詳細には、制御部であるCPU111Aは)、RAM111CなどのRWMに、図67(2)に示すようなベース用の記憶領域を設定し、ベースの算出とベースの表示に使用する。すなわち遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域として、アウト球数の累積値を記憶する「アウト球数」と、払出球数の累積値を記憶する「払出球数」とを設定する。また、ベースの算出値を記憶するベース用記憶領域として、「ベース(BL)」、「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」を設定する。
ここで、「ベース(BL)」は計測中のベースを記憶する領域であり、「ベース(B1)」は1回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B2)」は2回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B3)」は3回前に計測したベースを記憶する領域である。つまり、「ベース(B3)」が設定される記憶領域のうちで最も古いベースの計測値(算出値)を記憶する領域である。
なお、上述したベース算出用記憶領域とベース用記憶領域の記憶値は、電源断時にはバックアップされて記憶保持され、またRWMの異常を除いて、RAMクリア時(RAM初期化スイッチ112を押して電源投入時)にもゼロクリアしないで記憶保持する構成であることが望ましい。
遊技制御装置100は、前述した設定変更モード又は設定確認モードにおいて確率設定の設定内容(5段階のうちの何れかの設定)を状態表示装置135によって表示する場合を除いて、状態表示装置135によってベースの表示をおこなう。なお、前述した第1の実施形態では、確率設定の設定内容の表示は確率設定値表示装置136によりおこなう態様を説明した。しかし、確率設定値表示装置136を削除して、状態表示装置135が確率設定値表示装置としても機能する構成としてもよく、その場合には、状態表示装置135によって上記設定内容の表示を上記各モードにおいておこない、それ以外では状態表示装置135によってベースの表示をおこなう。
遊技制御装置100は、ベースの算出と表示を一例として次のようにおこなう。すなわち遊技制御装置100は、電源投入時にはまず、状態表示装置135の4桁の7セグメントLEDの全てのセグメント(ドットポイント含む)を確認として所定時間(たとえば5秒間)全点滅させる。
その後、遊技制御装置100は、図68(1)に示すようなBL表示状態、図68(2)に示すようなB1表示状態、図68(3)に示すようなB2表示状態、図68(4)に示すようなB3表示状態、をそれぞれ所定時間(たとえば5秒間)維持する動作を繰り返し実行する。すなわち、電源投入後の定常状態では、BL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、次いでB2表示状態を所定時間維持し、次いでB3表示状態を所定時間維持し、次いでBL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、…といったように四つの状態を順に切り替えて繰り返す。
ここで、BL表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が計測中(今回)であることを示す「bL」(BL)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(BL)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B1表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が1回前であることを示す「b1」(B1)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B1)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B2表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が2回前であることを示す「b2」(B2)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B2)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B3表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が3回前であることを示す「b3」(B3)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B3)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。
一方、ベースの算出のために遊技制御装置100は、起動後に、通常遊技状態でたとえばアウト球が検出される毎(すなわちアウト球検出スイッチ信号が出力される毎)にベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値を検出されたアウト球の数に相当する値だけ増加させ、通常遊技状態で遊技球の入賞口への入賞がある毎(或いは入賞にもとづく賞球の払出が発生する毎など)にベース算出用記憶領域の「払出球数」の記憶値を発生した払出球数(或いは払出制御装置200からの信号にもとづいて検知した実際に払い出した賞球数でもよい)に相当する値だけ増加させる。また遊技制御装置100は、たとえばベース算出用記憶領域の「アウト球数」または「払出球数」の記憶値が変化する毎に、前述した式でベースBを算出し、算出結果をベースBの最新の値としてベース用記憶領域の「ベース(BL)」に上書きする。
なお、遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値が規定の計測個数(たとえば60000個)に到達すると、1回の計測が終了したとして、次のような計測終了時の処理をおこなう構成となっている。この計測終了時の処理では、その時点のベース用記憶領域「ベース(B2)」の値をベース用記憶領域「ベース(B3)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(B1)」の値をベース用記憶領域「ベース(B2)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(BL)」の値をベース用記憶領域「ベース(B1)」に上書きし、さらに、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」と「払出球数」の記憶値をクリアしてゼロにリセットする。これにより、常に最大3回前までのベースの値と、現在計測中のベースの値とが記憶保持される。
そして遊技制御装置100は、初回電源投入時(ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値はゼロ)からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)未満である期間Aでは、各表示状態において、識別セグでは「bL」、「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは図68(4)に示すように「 - - 」(中央の横長のセグメントのみを発光させる状態)を表示し、未計測状態であることを報知する。
次いで遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)に到達すると、ベース算出用記憶領域とベース用記憶領域を初期化(ゼロクリア)して1回目の計測を開始する。
そして遊技制御装置100は、1回目の計測開始からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達するまでの期間Bでは、BL表示状態において、識別セグでは「bL」を点滅表示または点灯表示し、比率セグではベース用記憶領域「ベース(BL)」の値を表示する。また期間Bでは、その他の表示状態(B1〜B3表示状態)においては、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは「 - - 」を表示し、未計測状態であることを報知する。
なお、BL表示状態における識別セグでの「bL」の表示は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数未満である場合には点滅表示とし、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数に到達した場合には点灯表示とする。また、上記識別セグや比率セグでの点滅表示の点滅周期は、たとえば0.6秒周期とし、そのうちたとえば点灯0.3秒、消灯0.3秒とする。また、「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達して期間Bが終了すると、前述した計測終了時の処理をおこない、次の2回目の計測を開始する。
その後、遊技制御装置100は、上記1回目の計測をおこなう期間Bと同様に、2回目の計測をおこなう期間C、3回目の計測をおこなう期間D、4回目の計測をおこなう期間E、…というように計測を連続的におこなう。そして、3回目の計測を終了した時点以降では、過去3回のベースの算出値が記憶されているので、B1〜B3表示状態の全てにおいて、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点灯表示し、比率セグでは対応するベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」のうちの何れか)の値を表示する。
なお、図68(1)〜(4)は、2回目の計測が終了した後の上記期間Dにおける各表示状態での具体的な表示の一例を示している。この場合、3回前の計測結果はないので、B3表示状態の具体例である図68(4)では、比率セグの表示が「 - - 」(未計測状態を示す表示)となっている。
また、BL表示状態の具体例である図68(1)では、比率セグの表示が「5 8 」となっていて、現在計測中のリアルタイムのベースの値が58であることを示している。また、B1表示状態の具体例である図68(2)では、比率セグの表示が「6 7 」となっていて、1回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が67であることを示している。また、B2表示状態の具体例である図68(3)では、比率セグの表示が「4 9 」となっていて、2回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が49であることを示している。なお、ベースの値が100以上の場合には、比率セグの表示を「9 9.」(比率セグで数字99を表示し、かつ最後の桁のドットポイントを点灯)とすることで、100以上であることを報知する。
またベースの値は、一般的にたとえば25〜35程度の範囲が正常範囲であり、この範囲より小さくても、この範囲より大きくても異常であり、この異常はベース異常と呼ばれる。前述した図68の表示例は、正常範囲を超えるベース異常の計測結果が連続している状態を一例として示しており、正常な場合には、識別セグに25〜35程度の正常範囲内の数値が表示される。
遊技制御装置100は、たとえば、ベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」)に記憶されている過去3回のベースの計測値(上記B1〜B3表示状態での比率セグの表示値)が全て正常範囲から外れて異常である場合に、ベース異常が発生したとして、ベース異常が発生したことを示す信号を外部のたとえば遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)に送信する。
このベース異常を示す信号(情報)は、たとえばコマンドとして演出制御装置300に送信されて、この信号を受けた演出制御装置300の制御によって、表示装置41の表示領域に、このベース異常を報知する画像(たとえばエラー報知画像)が表示される構成としてもよい。また、このベース異常は、不正がおこなわれている場合に発生する可能性があるので、前述の強エラーに設定することが望ましい。
また、図67、図68に示した例では、ベースの計測値を過去3回前まで記憶し表示する構成であるが、ベース用記憶領域の数を増やして過去4回以上前まで記憶し表示する構成でもよい。また、ベース算出用記憶領域は、計測中のものしか設定していないが、過去の計測値の算出の基となったアウト球数と払出球数を記憶しておく記憶領域をそれぞれ設けてもよい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の遊技制御装置は、目視検査による確認が容易な遊技制御基板を備える。なお、目視検査による確認が容易な基板として遊技制御基板を例示して説明するが、演出制御基板や払出制御基板、電源基板、中継基板やセンサ基板、ランプ基板等、その他の基板にも適用可能である。まず、第4の実施形態の遊技制御装置について図69を用いて説明する。図69は、第4の実施形態の遊技制御装置の一例を示す図である。
遊技制御装置100aは、遊技制御装置100と同様に、取付ベース521を介して前面枠12に支持される(図48参照)。遊技制御装置100aは、第2の実施形態の遊技制御装置100と同様の基板ボックス520を備え、第2の実施形態の遊技制御装置100と異なる遊技制御基板600を基板ボックス520に収容する。基板ボックス520は、正面視で略長方形の箱型形状であり、上側となる長辺に係合部522を備え、下側となる対辺に係止部523を備える。取付ベース521は、基板ボックス520よりも一回り大きな略長方形形状であり、係合部522に対応して被係合部522a、522bを備え、係止部523に対応して被係止部523aを備える。
基板ボックス520は、係合部522と被係合部522a、522bとを先に係合して、係合部522を回動軸にして取付ベース521に載置してから係止部523を被係止部523aに係止することで、取付ベース521に固定される。基板ボックス520は、主要な構造体として上側部材5201と下側部材5202とを有し、上側部材5201と下側部材5202とで遊技制御基板600を挟持して収容する(図49参照)。
カシメ部524(たとえば螺子等)は、上側部材5201と下側部材5202とをかしめる。カシメ部524は、所定回数だけカシメ状態とカシメ解除状態とを痕跡を残して切り替え可能にする。また、基板ボックス520は、封止部525を備え、ここに封止シール525aを貼付し、封止シール525aの状態によって基板ボックス520の開封の有無を検出可能にしている。
また、基板ボックス520は、上側部材5201に情報表示シール603を貼付する。情報表示シール603は、機種名やメーカ名、基板管理番号や、基板ボックス開封履歴等の所要の情報を表示する。なお、情報表示シール603は、正面視したときに直下の遊技制御基板600の観察を困難にする場合があるが、透明の基材に情報を印刷表示することで観察角度を違えることで遊技制御基板600の観察に死角が生じないようにしている。なお、情報表示シール603の視認性の確保は、いたずらに情報表示シール603の面積を大きくしないことにもよる。また、情報表示シール603の視認性の確保は、情報表示シール603と遊技制御基板600との間隙を確保していることにもよる。
遊技制御基板600は、矩形(たとえば長方形)のガラスエポキシ基板である。遊技制御基板600は、表面と裏面とに導体パターンを形成し、表面を部品実装面とし、裏面を半田面とする2層基板である。遊技制御基板600は、四隅のそれぞれにビス穴602を備え、ビス穴602を通して下側部材5202と螺合する。
また、遊技制御基板600は、部品実装面と半田面のうち少なくともいずれか一方に情報表示領域を備える。たとえば、遊技制御基板600は、部品実装面に情報表示領域601を備える。情報表示領域601は、機種名やメーカ名、基板管理番号等の遊技制御基板600に関する所要の情報を表示する領域である。
情報表示領域601は、正面視で情報表示シール603と重ならない位置に設けられる。別観点によれば、情報表示シール603は、正面視で情報表示領域601と重ならない位置に設けられる。すなわち、遊技制御装置100aは、正面視で重ならない位置に情報表示領域601と情報表示シール603とを配置する。これにより、遊技機10は、前面枠12に遊技制御装置100aを支持した状態での情報表示領域601の視認性を確保する。なお、情報表示領域601は、遊技制御基板600の確認に有用な情報を表示することから、遊技機10は、情報表示領域601の確認を容易にすることで、遊技制御基板600あるいは遊技制御装置100aの確認を容易にしている。
次に、遊技制御基板600の表面と裏面について図70を用いて説明する。図70は、第4の実施形態の遊技制御基板の表面と裏面の一例を示す図である。なお、遊技制御基板600は、図示省略するが所要のコネクタや部品を部品実装面に備える。たとえば、遊技制御基板600は、図50や図52に示したコネクタ530a,530b、抵抗541,542、プロセッサ532等を部品実装面に備える。
図70(1)は、遊技制御基板600の表面、すなわち部品実装面を示す。遊技制御基板600は、表面に情報表示領域601(斜線ハッチングで示す)とビス穴602aとGNDパターン604(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示領域601は、遊技制御基板600に関する制御基板情報を表示する。情報表示領域601は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、GNDパターン604と隔絶して形成される導体パターンにより制御基板情報を表示する。情報表示領域601は、矩形であってその一辺を遊技制御基板600の一辺に接して設けられる。これにより、遊技制御基板600は、情報表示領域601の外周でGNDパターン604がループし、情報表示領域601の配置がノイズ源となることを抑止する。なお、遊技制御基板600は、情報表示領域601の配置によるノイズが看過できるものであれば、遊技制御基板600の一辺に接して情報表示領域601を設けることを要しない。すなわち、遊技制御基板600は、GNDパターン604に囲まれて情報表示領域601を配置するものであってもよい。また、情報表示領域601は、矩形に限らない形状であってもよく、たとえば角部が丸められていてもよい。
ビス穴602aは、ビス穴602のうちの1つであり、情報表示領域601の近傍に位置する。ビス穴602aは、情報表示領域601を下側にして遊技制御基板600の表面を観察したときに左下隅部に位置する。ビス穴602aは、導体パターンが形成されないベタ抜き部に設けられ、GNDパターン604と隔絶する。ビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、矩形であってその左下隅部の二辺を遊技制御基板600の左下隅部の二辺に接して設けられる。これにより、遊技制御基板600は、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部の外周でGNDパターン604がループし、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部の配置がノイズ源となることを抑止する。なお、遊技制御基板600は、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部の配置によるノイズが看過できるものであれば、遊技制御基板600の左下隅部の二辺に接してビス穴602aの周囲のベタ抜き部を設けることを要しない。すなわち、遊技制御基板600は、GNDパターン604に囲まれてビス穴602aの周囲のベタ抜き部を配置するものであってもよい。また、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、矩形に限らない形状であってもよく、たとえば角部が丸められていてもよい。
GNDパターン604は、平面的な導体パターン面を有するGND(GNDベタ)である。GNDパターン604は、情報表示領域601の周縁に設けられる。これにより、GNDパターン604は、ベタ抜き部に形成された情報表示領域601の外縁を明示し、遊技制御基板600における情報表示領域601の所在を明らかにする役割を有する。また、GNDパターン604は、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部の周縁に設けられる。情報表示領域601とビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、GNDパターン604を挟んで隣接することから、ビス穴602aも遊技制御基板600における情報表示領域601の所在を明らかにする役割を有する。なお、図示するGNDパターン604の形状や大きさは、一例であってこれに限るものではない。GNDパターン604は、情報表示領域601やビス穴602aの周囲のベタ抜き部の周縁にありさえすればよく、より複雑であってもよいしその大きさが基板全体に広がるものであってもよい。
図70(2)は、遊技制御基板600の裏面、すなわち半田面を示す。遊技制御基板600は、裏面に情報表示裏面領域601a(破線で示す)とビス穴602aとGNDパターン604a(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示裏面領域601aは、情報表示領域601の裏面に相当する領域である。ビス穴602aは、情報表示裏面領域601a(情報表示領域601)を下側にして遊技制御基板600の裏面を観察したときに右下隅部に位置する。GNDパターン604aは、情報表示裏面領域601aを含む。すなわち、情報表示裏面領域601aもまたGNDパターン(GNDベタ)である。
次に、情報表示領域601について図71を用いて説明する。図71は、第4の実施形態の情報表示領域の一例を示す図である。まず、図71(1)に、情報表示領域601における情報表示位置について説明する。情報表示領域601は、遊技制御基板600の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板600の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域601は、幅d1の短辺を、遊技制御基板600の端部側を幅d2、内部側を幅d3で二分する。情報表示領域601は、二分された領域のうち端部側を情報表示部606aとし、内部側を情報非表示部606bとする。なお、幅d2と幅d3とは同じであってもよいし異なってもよい。
情報表示部606aは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン605を有する。情報表示パターン605は、その外観から遊技制御基板600に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン605は、遊技制御基板600の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。
情報非表示部606bは、導体パターンを有しないベタ抜き部であり、情報表示領域601の長辺側において情報表示パターン605とGNDパターン604とが近接することを抑止する間隙としての機能を有する。これにより、遊技制御基板600は、情報表示パターン605の視認性を向上する。このような遊技機10は、遊技制御基板600の確認が容易である。
また、遊技制御基板600は、情報表示パターン605がノイズ源となりGNDパターン604に与える影響を低減する。このような観点から、遊技制御基板600は、幅d2よりも幅d3を大きくして情報表示部606aと情報非表示部606bとを設定することが望ましい。
次に、図71(2)に、情報表示パターン605の詳細を示す。情報表示パターン605は、導体パターン605aにより文字列として形成され、遊技制御基板600の製造メーカが「株式会社甲」であることを表示する。導体パターン605aは、GNDパターン604から独立、すなわち絶縁している。また、導体パターン605aは、GNDパターン604aから独立、すなわち絶縁している。これにより、導体パターン605aは、ノイズ源となり得る性質を有するが、情報非表示部606bによりその影響が限定される。
次に、図71(3)に、情報表示パターン605の変形例を示す。情報表示パターン607は、導体パターン607aにより文字列として形成され、遊技制御基板600の製造メーカが「株式会社甲」であることを表示する。導体パターン607aは、GNDパターン604から独立、すなわち絶縁している。
一方で、導体パターン607aは、ビア607bを有し、GNDパターン604aと電気的に接続している。これにより、導体パターン607aは、ノイズ源となり得る性質を限定する。なお、導体パターン607aは、独立した導体パターンのすべてに1以上のビア607bを設けることが望ましいが、一部に限定するものであってもよい。
次に、情報表示領域601の第1の変形例(変形例1)について図72を用いて説明する。図72は、第4の実施形態の変形例1の情報表示領域の一例を示す図である。まず、図72(1)に、遊技制御基板610が有する情報表示領域611について説明する。なお、遊技制御基板610は、第4の実施形態の遊技制御基板600と比較して、情報表示領域601に代えて情報表示領域611を有する点で相違し、その余の点で同様とする。
情報表示領域611は、遊技制御基板610の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板610の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域611は、幅d4の短辺を、遊技制御基板610の内部側を幅d5、端部側を幅d7、その間を幅d6で三分する。情報表示領域611は、三分された領域のうち内部側から順に、情報表示部615a、情報表示部615b、情報表示部615cとする。なお、幅d5、幅d6、幅d7とは同じであってもよいし異なってもよい。
情報表示部615aは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン612を有する。情報表示パターン612は、その外観から遊技制御基板610に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン612は、遊技制御基板610の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)のロゴを表示する。情報表示部615aは、導体パターンをベタベースにした導体パターンの抜きにより情報を表示する。したがって、情報表示部615aで表示する情報は、抜きパターンで形成された抜きパターン形成情報という側面を有する。
情報非表示部615bは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン613を有する。情報表示パターン613は、その外観から遊技制御基板610に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン613は、遊技制御基板610の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)の名称を表示する。情報表示部615bは、導体パターンを有しない抜きベースに導体パターンを配して情報を表示する。したがって、情報表示部615bで表示する情報は、導体パターンで形成された導体パターン形成情報という側面を有する。
情報非表示部615cは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン614を有する。情報表示パターン614は、その外観から遊技制御基板610に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン614は、遊技制御基板610の基板管理番号を表示する。
なお、遊技制御基板610は、情報表示部615a、情報表示部615b、情報表示部615cの裏面を導体パターンのベタ抜き部にしてもよいし、導体パターンのベタ部としてもよい。また、遊技制御基板610は、情報表示部615a、情報表示部615b、情報表示部615cの裏面を導体パターンのベタ抜き部とベタ部との組み合わせにしてもよい。たとえば、遊技制御基板610は、情報表示部615aの裏面(情報表示部615aに対応する領域)をベタ抜き部とし、情報表示部615bの裏面(情報表示部615bに対応する領域)をベタ部とすることができる。これにより、遊技制御基板610は、情報表示部615a、情報表示部615b、情報表示部615cごとの観察態様(たとえば、後で説明する透過観察の観察態様)を違えることができる。
次に、図72(2)に、情報表示パターン612の詳細を示す。情報表示パターン612は、導体パターン612aと抜きパターン612bとによりロゴとして形成され、遊技制御基板610の製造メーカがロゴ「KOH」により特定される「株式会社甲」であることを表示する。導体パターン612aは、GNDパターン604から独立、すなわち絶縁している。導体パターン612aは、ロゴベースとなる平面的な導体パターン面からなる。抜きパターン612bは、ロゴベースの内側にあって導体パターンを有しない(抜く)ことにより、導体パターン612aとともにロゴを形成する。
このように、情報表示領域611内にあって、異なる情報を並記するとき、一方の情報を抜きパターン形成情報とし、他方の情報を導体パターン形成情報とする。これにより、遊技制御基板610は、2つの異なる情報の区分を明確にしている。
次に、図72(3)に、情報表示パターン612の変形例を示す。情報表示パターン613は、導体パターン613aと抜きパターン613bとによりロゴとして形成され、遊技制御基板610の製造メーカがロゴ「KOH」により特定される「株式会社甲」であることを表示する。導体パターン613aは、GNDパターン604から独立、すなわち絶縁している。
一方で、導体パターン613aは、ビア613cを有し、GNDパターン604aと電気的に接続している。これにより、導体パターン613aは、ノイズ源となり得る性質を限定する。なお、導体パターン613aは、独立した導体パターンのすべてに1以上のビア613cを設けることが望ましいが、一部に限定するものであってもよい。
次に、情報表示領域601の第2の変形例(変形例2)について図73を用いて説明する。図73は、第4の実施形態の変形例2の情報表示領域の一例を示す図である。まず、図73(1)に、遊技制御基板620が有する情報表示領域622とGNDパターン621について説明する。なお、遊技制御基板620は、第4の実施形態の遊技制御基板600と比較して、情報表示領域601に代えて情報表示領域622を有する点と、GNDパターン604に代えてGNDパターン621を有する点とで相違し、その余の点で同様とする。
情報表示領域622は、遊技制御基板620の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板620の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域622は、短辺を二分し、二分された領域のうち端部側を情報表示部622aとし、内部側を情報非表示部622bとする。
情報表示部622aは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン623を有する。情報表示パターン623は、その外観から遊技制御基板620に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン623は、遊技制御基板620の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。
情報非表示部622bは、導体パターンを有しないベタ抜き部であり、情報表示領域622の長辺側において情報表示パターン623とGNDパターン621とが近接することを抑止する間隙としての機能を有する。これにより、遊技制御基板620は、情報表示パターン623の視認性を向上する。このような遊技機10は、遊技制御基板620の確認が容易である。また、遊技制御基板620は、情報表示パターン623がノイズ源となりGNDパターン621に与える影響を低減する。
GNDパターン621は、情報表示部621aを含む。情報表示部621aは、GNDパターン621をベタベースにして導体パターンの抜きにより情報を表示する情報表示パターン625を表示する。情報表示パターン625は、その外観から遊技制御基板620に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン625は、遊技制御基板620の基板管理番号を表示する。このような情報表示パターン625は、遊技制御基板620に関する所要の情報を表示しながらも、遊技制御基板620におけるGNDパターン621の面積をいたずらに小さくすることを要しない。
またこのように、遊技制御基板620は、異なる情報を並記するとき、一方の情報をGNDパターン621をベタベースにした抜きパターン形成情報とし、他方の情報を導体パターン形成情報とする。これにより、遊技制御基板620は、2つの異なる情報の区分を明確にしている。
なお、情報表示領域622と情報表示部621aとは、近接して配置されてもよいし、別離して配置されてもよい。また、情報表示領域622は、情報表示領域622と情報表示部621aとが近接して配置される場合に、情報非表示部622bを要しない構成としてもよい。
次に、図73(2)に、遊技制御基板627が有する情報表示領域628とGNDパターン629について説明する。なお、遊技制御基板620は、第4の実施形態の遊技制御基板600と比較して、情報表示領域601に代えて情報表示領域628を有する点と、GNDパターン604に代えてGNDパターン629を有する点とで相違し、その余の点で同様とする。
情報表示領域628は、遊技制御基板627の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板627の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域628は、情報表示部628aを含む。
情報表示部628aは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン623を有する。情報表示パターン623は、その外観から遊技制御基板627に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン623は、遊技制御基板620の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。
GNDパターン629は、情報表示部629aと情報非表示部629bを含む。情報表示部629aは、GNDパターン629をベタベースにして導体パターンの抜きにより情報を表示する情報表示パターン625を表示する。情報表示パターン625は、その外観から遊技制御基板627に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン625は、遊技制御基板627の基板管理番号を表示する。このような情報表示パターン625は、遊技制御基板627に関する所要の情報を表示しながらも、遊技制御基板627におけるGNDパターン629の面積をいたずらに小さくすることを要しない。
情報非表示部629bは、平面的な導体パターン面を有するGND(GNDベタ)であり、情報表示領域628の長辺側において情報表示パターン623と情報表示パターン625とが近接することを抑止する間隙としての機能を有する。これにより、遊技制御基板627は、情報表示パターン623と情報表示パターン625の視認性を向上する。このような遊技機10は、遊技制御基板627の確認が容易である。
またこのように、遊技制御基板627は、異なる情報を並記するとき、一方の情報をGNDパターン629をベタベースにした抜きパターン形成情報とし、他方の情報を導体パターン形成情報とする。これにより、遊技制御基板627は、2つの異なる情報の区分を明確にしている。
なお、情報表示領域628と情報表示部629aとは、近接して配置されてもよいし、別離して配置されてもよい。また、GNDパターン629は、情報表示領域628と情報表示部629aとが近接して配置される場合に、情報非表示部629bを要しない構成としてもよい。
次に、情報表示領域601の第3の変形例(変形例3)について図74を用いて説明する。図74は、第4の実施形態の変形例3の情報表示領域の一例を示す図である。遊技制御基板630は、矩形であり、その四隅のうちの1つの隅部、たとえばビス穴602aが位置する左下隅部に、情報表示領域632を配置する。
情報表示領域632は、遊技制御基板630の左下隅部を角部とし、長辺と短辺とを有する矩形である。情報表示領域632は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、情報表示部632aと情報非表示部632bとを含み、ビス穴602aと同じベタ抜き部を共有する。
情報表示領域632は、幅d1の短辺を、遊技制御基板630の端部側を幅d2、内部側を幅d3で二分する。情報表示領域632は、二分された領域のうち端部側を情報表示部632aとし、内部側を情報非表示部632bとする。なお、幅d2と幅d3とは同じであってもよいし異なってもよい。
情報表示部632aは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン634を有する。情報表示パターン634は、その外観から遊技制御基板630に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン634は、遊技制御基板630の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。情報表示部632aは、ビス穴602aと同じベタ抜き部を共有することから、ビス穴602aを基準にして情報表示部632aの発見を容易にしている。
情報非表示部632bは、導体パターンを有しないベタ抜き部であり、情報表示領域632の長辺側において情報表示パターン634とGNDパターン631とが近接することを抑止する間隙としての機能を有する。これにより、遊技制御基板630は、情報表示パターン634の視認性を向上する。このような遊技機10は、遊技制御基板630の確認が容易である。また、遊技制御基板630は、情報表示パターン634がノイズ源となりGNDパターン631に与える影響を低減する。このような観点から、遊技制御基板630は、幅d2よりも幅d3を大きくして情報表示部632aと情報非表示部632bとを設定することが望ましい。
次に、遊技制御基板600の第4の変形例(変形例4)について図75を用いて説明する。図75は、第4の実施形態の変形例4の遊技制御基板の表面と裏面の一例を示す図である。なお、遊技制御基板640は、図示省略するが所要のコネクタや部品を部品実装面に備える。たとえば、遊技制御基板640は、図50や図52に示したコネクタ530a,530b、抵抗541,542、プロセッサ532等を部品実装面に備える。
図75(1)は、遊技制御基板640の表面、すなわち部品実装面を示す。遊技制御基板640は、表面に情報表示領域641(斜線ハッチングで示す)とビス穴602aとGNDパターン642(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示領域641は、遊技制御基板640に関する制御基板情報を表示する。情報表示領域641は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、GNDパターン642と隔絶して形成される導体パターンにより制御基板情報を表示する。情報表示領域641は、矩形であってその一辺を遊技制御基板640の一辺に接して設けられる。
ビス穴602aは、ビス穴602のうちの1つであり、情報表示領域641の近傍に位置する。ビス穴602aは、情報表示領域641を下側にして遊技制御基板600の表面を観察したときに左下隅部に位置する。ビス穴602aは、導体パターンが形成されないベタ抜き部に設けられ、GNDパターン642と隔絶する。ビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、矩形であってその左下隅部の二辺を遊技制御基板640の左下隅部の二辺に接して設けられる。
GNDパターン642は、平面的な導体パターン面を有するGND(GNDベタ)である。GNDパターン642は、情報表示領域641の周縁に設けられる。これにより、GNDパターン642は、ベタ抜き部に形成された情報表示領域641の外縁を明示し、遊技制基板640における情報表示領域641の所在を明らかにする役割を有する。また、GNDパターン642は、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部の周縁に設けられる。情報表示領域641とビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、GNDパターン642を挟んで隣接することから、ビス穴602aも遊技制御基板640における情報表示領域641の所在を明らかにする役割を有する。なお、図示するGNDパターン642の形状や大きさは、一例であってこれに限るものではない。GNDパターン642は、情報表示領域641やビス穴602aの周囲のベタ抜き部の周縁にありさえすればよく、より複雑であってもよいしその大きさが基板全体に広がるものであってもよい。
図75(2)は、遊技制御基板640の裏面、すなわち半田面を示す。遊技制御基板640は、裏面に情報表示裏面領域644(白抜きで示す)とビス穴602aとGNDパターン643(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示裏面領域644は、情報表示領域641の裏面に相当する領域である。情報表示裏面領域644は、導体パターンを有しないベタ抜き部である。遊技制御基板640は、導体パターンを有しない領域で光を一部透過可能にして、導体パターンを有する領域で光を透過不可能にしている。これは、遊技制御基板640は、構成する基材が光を一部透過可能にし、導体パターンが光を遮光することによる。
ここで、情報表示領域641の観察時の見え方について図76を用いて説明する。図76は、第4の実施形態の変形例4の遊技制御基板の観察時の見え方の一例を示す図である。
遊技制御基板640の通常観察の見え方を図76(1)に示す。通常観察は、遊技制御基板640の表面を照射する光源を頼りにした観察である。遊技制御基板640は、十分な光量のもとで情報表示パターン645の良好な視認性を得ることができる。一方で、遊技制御基板640は、不十分な光量のもとであってもビス穴602aと情報表示領域641との位置関係や、GNDパターン642と情報表示領域641とのコントラスト等を手掛かりにして情報表示パターン645の位置を特定して一応の視認性を得ることができる場合がある。ただし、遊技制御基板640は、遊技場設置環境等の不十分な光量のもとで情報表示パターン645の視認性を得ることができない場合がある。
遊技制御基板640の表面を照射する光源を頼りにできない場合に有用な遊技制御基板640の透過観察の見え方を図76(2)に示す。透過観察は、遊技制御基板640の裏面側の光源を頼りにした観察であり、情報表示領域641のベース(抜き部)を明るくして、情報表示領域641のベースと導体パターンのコントラストを際立たせることができる。遊技制御基板640は、透過観察により遊技制御基板640を透過する光量のもとで情報表示パターン645の良好な視認性を得ることができる。
これにより、遊技制御基板640は、情報表示領域641の位置特定を容易にする。また、遊技制御基板640は、情報表示領域641における情報観察を容易にする。また、遊技制御基板640は、遊技場設置環境において外光が十分でない状態で遊技機10の裏面側から漏れる光を頼りにした情報観察を可能にする。また、遊技制御基板640は、遊技制御基板640の遊技場設置環境に限らず、組立工程や検査工程等、その他の作業環境においても透過光を頼りにした情報観察を容易にする。
なお、情報表示領域641と情報表示裏面領域644との大きさと位置、形状は、必ずしも完全に一致することを要しない。情報表示領域641と情報表示裏面領域644とは、透過観察ができる範囲において重複していれば十分である。
次に、情報表示領域601の第5の変形例(変形例5)について図77を用いて説明する。図77は、第4の実施形態の変形例5の情報表示領域の一例を示す図である。遊技制御基板650は、矩形であり、その四隅のうちの1つの隅部、たとえばビス穴602aが位置する左下隅部に、情報表示領域651,653を配置する。
情報表示領域651は、遊技制御基板650の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板650の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域653は、情報表示領域651の長辺に沿う一辺を長辺として、情報表示領域651に接する矩形である。したがって、情報表示領域653は、情報表示領域651を挟んで遊技制御基板650の端部を臨む。言い換えれば、情報表示領域651は、遊技制御基板650の端部と情報表示領域653との間に位置する。
情報表示領域651は、導体パターンを有しないベタ抜き部をベースにした領域内に、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン652を含む。
情報表示領域653は、GNDパターン655に設けられる。情報表示領域653は、平面的な導体パターン面を有するGND(GNDベタ)であり、印字表示(たとえば、シルク印刷等)により形成された情報表示パターン654を含む。
情報表示パターン652,654は、その外観から遊技制御基板650に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン652,654は、遊技制御基板650の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。
このように、遊技制御基板650は、情報表示パターン652,654により、同じ情報を異なる形態で表示する。そのため、遊技制御基板650は、情報表示パターン652,654とのうち一方の視認性が十分でない場合であっても他方の視認性が十分であることを期待できる場合がある。また、遊技制御基板650は、情報表示パターン652,654の双方の視認性が十分でない場合であっても、相互補完により十分な視認性を期待できる場合がある。たとえば、遊技制御基板650は、不十分な光量や光の反射のために導体パターンにより形成された情報表示パターン652を視認できない場合であっても、シルク印刷により形成された情報表示パターン654を視認できる場合がある。また、逆に、遊技制御基板650は、不十分な光量や光の反射のためにシルク印刷により形成された情報表示パターン654を視認できない場合であっても、導体パターンにより形成された情報表示パターン652を視認できる場合があり得る。このように、遊技制御基板650は、観察性能が異なる情報表示パターン652,654を並列することで、より広い観察条件に対応して情報表示をおこなうことができる。
また、変形例4で説明したように、遊技制御基板650は、情報表示領域651の裏面をベタ抜きにすることで情報表示パターン652の良好な視認性を透過観察により得ることもできる。なお、遊技制御基板650は、情報表示パターン652,654が同じ情報を異なる形態で表示するとしたが、異なる情報を表示するものであってもよい。たとえば、遊技制御基板650は、遊技制御基板650の製造メーカのロゴを情報表示領域653にシルク印刷で表示し、遊技制御基板650の製造メーカ名を情報表示領域651に導体パターンで表示するものであってもよい。
次に、情報表示領域601の第6の変形例(変形例6)について図78を用いて説明する。図78は、第4の実施形態の変形例6の遊技制御基板の観察時の見え方の一例を示す図である。遊技制御基板660の通常観察の見え方を図78(1)に示す。遊技制御基板660は、矩形であり、その四隅のうちの1つの隅部、たとえばビス穴602aが位置する左下隅部に、情報表示領域661,663を配置する。
情報表示領域661は、遊技制御基板660の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板660の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域663は、情報表示領域661の長辺に沿う一辺を長辺として、情報表示領域661に接する矩形である。したがって、情報表示領域663は、情報表示領域661を挟んで遊技制御基板660の端部を臨む。言い換えれば、情報表示領域661は、遊技制御基板660の端部と情報表示領域663との間に位置する。
情報表示領域661は、導体パターンを有しないベタ抜き部をベースにした領域内に、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン662を含む。情報表示領域663は、導体パターンを有しないベタ抜き部をベースにした領域内に、印字表示(たとえば、シルク印刷等)により形成された情報表示パターン664を含む。
情報表示パターン662,664は、その外観から遊技制御基板660に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン662,664は、遊技制御基板660の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。
遊技制御基板660の通常観察は、遊技制御基板660の表面を照射する光源を頼りにした観察である。遊技制御基板660は、十分な光量のもとで情報表示パターン662,664の良好な視認性を得ることができる。また、遊技制御基板660は、情報表示パターン662,664により、同じ情報を異なる形態で表示する。そのため、遊技制御基板660は、情報表示パターン662,664とのうち一方の視認性が十分でない場合であっても他方の視認性が十分であることを期待できる場合がある。また、遊技制御基板660は、情報表示パターン662,664の双方の視認性が十分でない場合であっても、相互補完により十分な視認性を期待できる場合がある。たとえば、遊技制御基板660は、不十分な光量や光の反射のために導体パターンにより形成された情報表示パターン662を視認できない場合であっても、シルク印刷により形成された情報表示パターン664を視認できる場合がある。また、逆に、遊技制御基板660は、不十分な光量や光の反射のためにシルク印刷により形成された情報表示パターン664を視認できない場合であっても、導体パターンにより形成された情報表示パターン662を視認できる場合があり得る。このように、遊技制御基板660は、観察性能が異なる情報表示パターン662,664を並列することで、より広い観察条件に対応して情報表示をおこなうことができる。
一方で、遊技制御基板660は、不十分な光量のもとであってもビス穴602aと情報表示領域661,663との位置関係や、GNDパターン665と情報表示領域661,663とのコントラスト等を手掛かりにして情報表示パターン662,664の位置を特定して一応の視認性を得ることができる場合がある。ただし、遊技制御基板660は、遊技場設置環境等の不十分な光量のもとで情報表示パターン662,664の視認性を得ることができない場合がある。
しかしながら、遊技制御基板660は、変形例4で説明したように情報表示領域661の裏面をベタ抜きにし、情報表示領域663の裏面をGNDベタにする。このような遊技制御基板640の透過観察の見え方を図78(2)に示す。
透過観察は、遊技制御基板660の裏面側の光源を頼りにした観察であり、情報表示領域661のベース(抜き部)を明るくして、情報表示領域661のベースと導体パターンのコントラストを際立たせることができる。遊技制御基板660は、透過観察により遊技制御基板660を透過する光量のもとで情報表示パターン662の良好な視認性を得ることができる。
なお、遊技制御基板660は、情報表示領域663の裏面をGNDベタにするため情報表示領域663において透過光を観察できない。したがって、遊技制御基板660は、透過観察により遊技制御基板660を透過する光量のもとで情報表示パターン664の良好な視認性を期待できない。しかしながら、遊技制御基板660は、情報表示領域663の裏面のGNDベタにより遊技制御基板660を透過する光量を制限することができること。したがって、遊技制御基板660は、情報表示領域663の裏面をベタ抜きにした場合と比較して通常観察において情報表示パターン664の良好な視認性を得ることができる。
これにより、遊技制御基板660は、情報表示領域661の位置特定を容易にする。また、遊技制御基板660は、情報表示領域661における情報観察を容易にする。また、遊技制御基板660は、遊技場設置環境において外光が十分でない状態で遊技機10の裏面側から漏れる光を頼りにした情報観察を可能にする。また、遊技制御基板660は、遊技制御基板660の遊技場設置環境に限らず、組立工程や検査工程等、その他の作業環境においても透過光を頼りにした情報観察を容易にする。
なお、情報表示領域661とその裏面のベタ抜き部の大きさと位置、形状は、必ずしも完全に一致することを要しない。情報表示領域661とその裏面のベタ抜き部とは、透過観察ができる範囲において重複していれば十分である。
次に、遊技制御基板600の第7の変形例(変形例7)について図79を用いて説明する。図79は、第4の実施形態の変形例7の遊技制御基板の表面と裏面の一例を示す図である。なお、遊技制御基板670は、図示省略するが所要のコネクタや部品を部品実装面に備える。たとえば、遊技制御基板670は、図50や図52に示したコネクタ530a,530b、抵抗541,542、プロセッサ532等を部品実装面に備える。
図79(1)は、遊技制御基板670の表面、すなわち部品実装面を示す。遊技制御基板670は、表面に情報表示領域671(斜線ハッチングで示す)とビス穴602a,602bとGNDパターン672(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示領域671は、遊技制御基板670に関する制御基板情報を表示する。情報表示領域671は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、GNDパターン672と隔絶して形成される導体パターンにより制御基板情報を表示する。情報表示領域671は、矩形であってその一辺を遊技制御基板670の一辺に接して設けられる。情報表示領域671は、遊技制御基板670に接する一辺を下側にして遊技制御基板670の表面を観察したときに左下部に位置する。
ビス穴602aは、ビス穴602のうちの1つであり、情報表示領域671の近傍に位置する。ビス穴602aは、情報表示領域671を下側にして遊技制御基板670の表面を観察したときに左下隅部に位置する。ビス穴602aは、導体パターンが形成されないベタ抜き部に設けられ、GNDパターン672と隔絶する。ビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、矩形であってその左下隅部の二辺を遊技制御基板670の左下隅部の二辺に接して設けられる。
ビス穴602bは、ビス穴602のうちの1つであり、情報表示領域671から離れて位置する。ビス穴602bは、情報表示領域671を下側にして遊技制御基板670の表面を観察したときに右下隅部に位置する。
GNDパターン672は、平面的な導体パターン面を有するGND(GNDベタ)である。GNDパターン672は、情報表示領域671の周縁に設けられる。これにより、GNDパターン672は、ベタ抜き部に形成された情報表示領域671の外縁を明示し、遊技制御基板670における情報表示領域671の所在を明らかにする役割を有する。また、GNDパターン672は、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部の周縁に設けられる。情報表示領域671とビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、GNDパターン672を挟んで隣接することから、ビス穴602aも遊技制御基板670における情報表示領域671の所在を明らかにする役割を有する。
図79(2)は、遊技制御基板670の裏面、すなわち半田面を示す。遊技制御基板670は、裏面に情報表示領域673(斜線ハッチングで示す)とビス穴602a,602bとGNDパターン674(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示領域673もまた、情報表示領域671と同様に、遊技制御基板670に関する制御基板情報を表示する。情報表示領域673は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、GNDパターン674と隔絶して形成される導体パターンにより制御基板情報を表示する。情報表示領域673は、矩形であってその一辺を遊技制御基板670の一辺に接して設けられる。情報表示領域673もまた、情報表示領域671と同様に、遊技制御基板670に接する一辺を下側にして遊技制御基板670の裏面を観察したときに左下部に位置する。
このように、情報表示領域671が遊技制御基板670の表面(部品実装面)における所定の位置(左下部)に配置されているとき、情報表示領域673は、遊技制御基板670の裏面(半田面)における所定の位置(左下部)に配置されている。すなわち、遊技制御基板670は、表面における情報表示領域671と同一の位置関係で裏面に情報表示領域673を配置する。
次に、遊技制御基板600の第8の変形例(変形例8)について図80から図82を用いて説明する。まず、変形例8の遊技制御基板の表面と裏面について図80を用いて説明する。図80は、第4の実施形態の変形例8の遊技制御基板の表面と裏面の一例を示す図である。なお、遊技制御基板680は、図示省略するが所要のコネクタや部品を部品実装面に備える。たとえば、遊技制御基板680は、図50や図52に示したコネクタ530a,530b、抵抗541,542、プロセッサ532等を部品実装面に備える。
図80(1)は、遊技制御基板680の表面、すなわち部品実装面を示す。遊技制御基板680は、表面に情報表示領域681(斜線ハッチングで示す)とビス穴602a,602bとGNDパターン682(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示領域681は、遊技制御基板680に関する制御基板情報を表示する。情報表示領域681は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、GNDパターン682と隔絶して形成される導体パターンにより制御基板情報を表示する。情報表示領域681は、矩形であってその一辺を遊技制御基板680の一辺に接して設けられる。情報表示領域681は、遊技制御基板680に接する一辺を下側にして遊技制御基板680の表面を観察したときに左下部に位置する。
ビス穴602aは、ビス穴602のうちの1つであり、情報表示領域681の近傍に位置する。ビス穴602aは、情報表示領域681を下側にして遊技制御基板680の表面を観察したときに左下隅部に位置する。ビス穴602aは、導体パターンが形成されないベタ抜き部に設けられ、GNDパターン682と隔絶する。ビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、矩形であってその左下隅部の二辺を遊技制御基板680の左下隅部の二辺に接して設けられる。
ビス穴602bは、ビス穴602のうちの1つであり、情報表示領域681から離れて位置する。ビス穴602bは、情報表示領域681を下側にして遊技制御基板680の表面を観察したときに右下隅部に位置する。
GNDパターン682は、平面的な導体パターン面を有するGND(GNDベタ)である。GNDパターン682は、情報表示領域681の周縁に設けられる。これにより、GNDパターン682は、ベタ抜き部に形成された情報表示領域681の外縁を明示し、遊技制御基板680における情報表示領域681の所在を明らかにする役割を有する。また、GNDパターン682は、ビス穴602aの周囲のベタ抜き部の周縁に設けられる。情報表示領域681とビス穴602aの周囲のベタ抜き部は、GNDパターン682を挟んで隣接することから、ビス穴602aも遊技制御基板680における情報表示領域681の所在を明らかにする役割を有する。
図80(2)は、遊技制御基板680の裏面、すなわち半田面を示す。遊技制御基板680は、裏面に情報表示領域683(斜線ハッチングで示す)とビス穴602a,602bとGNDパターン684(縦線ハッチングで示す)を有する。
情報表示領域683もまた、情報表示領域681と同様に、遊技制御基板680に関する制御基板情報を表示する。情報表示領域683は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、GNDパターン684と隔絶して形成される導体パターンにより制御基板情報を表示する。情報表示領域683は、矩形であってその一辺を遊技制御基板680の一辺に接して設けられる。情報表示領域683は、情報表示領域681の裏面に相当する位置であり、遊技制御基板680に接する一辺を下側にして遊技制御基板680の裏面を観察したときに右下部に位置する。
このように、情報表示領域681が遊技制御基板680の表面(部品実装面)における所定の位置(左下部)に配置されているとき、情報表示領域683は、遊技制御基板680の裏面(半田面)であって情報表示領域681の裏面に相当する位置(右下部)に配置されている。すなわち、遊技制御基板680は、表面における情報表示領域681に対応する位置関係で裏面に情報表示領域683を配置する。
次に、情報表示領域681,683について図81を用いて説明する。図81は、第4の実施形態の変形例8の情報表示領域の一例を示す図である。まず、図81(1)に、情報表示領域681における情報表示位置について説明する。情報表示領域681は、遊技制御基板680の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板680の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域681は、短辺を二分し、二分された領域のうち端部側を情報表示部681aとし、内部側を情報非表示部681bとする。なお、二分される短辺の幅は、同じであってもよいし異なってもよい。
情報表示部681aは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン685を有する。情報表示パターン685は、その外観から遊技制御基板680に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン685は、遊技制御基板680の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。
情報非表示部681bは、導体パターンを有しないベタ抜き部であり、情報表示領域681の長辺側において情報表示パターン685とGNDパターン682とが近接することを抑止する間隙としての機能を有する。これにより、遊技制御基板680は、情報表示パターン685の視認性を向上する。このような遊技機10は、遊技制御基板680の確認が容易である。
次に、図81(2)に、情報表示領域683における情報表示位置について説明する。情報表示領域683は、遊技制御基板680の端部に沿う一辺を長辺として、遊技制御基板680の端部に直交する辺を短辺とする矩形である。情報表示領域683は、短辺を二分し、二分された領域のうち内部側を情報表示部683aとし、端部側を情報非表示部683bとする。すなわち、情報表示部681aの裏面は、情報非表示部683bであり、情報表示部683aの裏面は、情報非表示部681bである。なお、二分される短辺の幅は、同じであってもよいし異なってもよい。
情報表示部683aは、周縁の導体パターンから独立した導体パターンにより形成された情報表示パターン686を有する。情報表示パターン686は、その外観から遊技制御基板680に関する所要の情報を表示する。たとえば、情報表示パターン686は、遊技制御基板680の製造メーカ(あるいは販売メーカでもよい)を表示する。
情報非表示部683bは、導体パターンを有しないベタ抜き部であり、情報表示領域681の長辺側において情報表示パターン686と遊技制御基板680の端部とが近接することを抑止する間隙としての機能を有する。これにより、遊技制御基板680は、情報非表示部683bを手掛かりにした情報表示パターン686の位置特定を容易にする。このような位置特定は、遊技制御基板680の裏面が部品実装面でないことから有用であり、遊技機10は、遊技制御基板680の確認が容易である。
次に、情報表示領域681,683の透過観察時の見え方について図82を用いて説明する。図82は、第4の実施形態の変形例8の遊技制御基板の観察時の見え方の一例を示す図である。
遊技制御基板680の表面を照射する光源を頼りにできない場合に有用な遊技制御基板680の透過観察の見え方を示す。透過観察は、遊技制御基板680の裏面側の光源を頼りにした観察であり、情報表示領域681,683のベース(抜き部)を明るくして、情報表示領域681,683のベースと、GNDパターン682,684や情報表示パターン685,686の導体パターンとのコントラストを際立たせることができる。遊技制御基板680は、表面からの透過観察により遊技制御基板680を透過する光量のもとで情報表示パターン685の良好な視認性を得ることができる。また、遊技制御基板680は、表面からの透過観察により情報表示パターン686を反転表示することとなるが、情報表示パターン686の存在と位置を表面から示すことができる。
なお、遊技制御基板680は、裏面からの透過観察により遊技制御基板680を透過する光量のもとで情報表示パターン686の良好な視認性を得ることができる。また、遊技制御基板680は、裏面からの透過観察により情報表示パターン685を反転表示することとなるが、情報表示パターン685の存在と位置を裏面から示すことができる。
これにより、遊技制御基板680は、情報表示領域681,683の位置特定を容易にする。また、遊技制御基板680は、情報表示領域681,683における情報観察を容易にする。また、遊技制御基板680は、遊技場設置環境において外光が十分でない状態で遊技機10の裏面側から漏れる光を頼りにした情報観察を可能にする。また、遊技制御基板680は、遊技制御基板640の遊技場設置環境に限らず、組立工程や検査工程等、その他の作業環境においても透過光を頼りにした情報観察を容易にする。
なお、情報表示領域681,683の大きさと位置、形状は、必ずしも完全に一致することを要しない。情報表示領域681,683は、透過観察ができる範囲において重複していれば十分である。また、情報表示パターン685,686が表示する情報は、必ずしも同じ情報であることを要せず、異なる情報であってもよい。また、情報表示パターン685,686は、透過観察時に重複しないことが望ましいが、その存在を容易に把握できることから一部が重なるものであってもよい。
次に、遊技制御基板600の第9の変形例(変形例9)について図83を用いて説明する。図83は、第4の実施形態の変形例9の遊技制御基板の表面と裏面の一例を示す図である。なお、遊技制御基板690は、図示省略するが所要のコネクタや部品を部品実装面に備える。たとえば、遊技制御基板690は、図50や図52に示したコネクタ530a,530b、抵抗541,542、プロセッサ532等を部品実装面に備える。
図83(1)は、遊技制御基板690の表面、すなわち部品実装面を示す。遊技制御基板690は、表面に表面実装領域691(斜線ハッチングで示す)を有する。表面実装領域691は、遊技制御基板690の表面に表面実装用の部品を実装する領域である。表面実装用の部品は、たとえば、SOP(Small Outline Package)やQFP(Quad Flat Package)等のICパッケージや、チップ抵抗やチップコンデンサ、コネクタ等がある。
表面実装領域691は、矩形であってその一辺を遊技制御基板690の一辺に接して設けられる。表面実装領域691は、遊技制御基板690に接する一辺を下側にして遊技制御基板690の表面を観察したときに左下部に位置する。なお、表面実装領域691は、遊技制御基板690の一辺に接することなく設けられるものであってもよい。
図83(2)は、遊技制御基板690の裏面、すなわち半田面を示す。遊技制御基板690は、裏面に情報表示領域692(斜線ハッチングで示す)とGNDパターン693(縦線ハッチングで示す)を有する。遊技制御基板690は、表面実装領域691がスルーホールを有しないことから、表面実装領域691の裏面にスルーホールによる障害を受けることなく情報表示領域692を配置することができる。
情報表示領域692は、遊技制御基板690に関する制御基板情報を表示する。情報表示領域692は、導体パターンが形成されないベタ抜き部をベースにして、GNDパターン693と隔絶して形成される導体パターンにより制御基板情報を表示する。情報表示領域692は、矩形であってその一辺を遊技制御基板690の一辺に接して設けられる。情報表示領域692は、表面実装領域691の裏面に相当する位置であり、遊技制御基板690に接する一辺を下側にして遊技制御基板690の裏面を観察したときに右下部に位置する。
このように、表面実装領域691が遊技制御基板690の表面(部品実装面)における所定の位置(左下部)に配置されているとき、情報表示領域692は、遊技制御基板690の裏面(半田面)であって表面実装領域691の裏面に相当する位置(右下部)に配置されている。すなわち、遊技制御基板690は、表面における表面実装領域691に対応する位置関係で裏面に情報表示領域692を配置する。
なお、遊技制御基板690は、非量産時に表面実装領域691に表面実装部品を表面実装し、量産時に表面実装領域691に表面実装部品を搭載しないものであってもよい。非量産時とは、量産時ではなく、たとえば開発時や量産前検査時をいう。遊技制御基板690は、開発時や検査時に検査用信号を出力するための表面実装部品(たとえば、ドライバIC)を表面実装領域691に表面実装する。また、遊技制御基板690は、量産時、すなわち市場における稼働時に、表面実装領域691に表面実装部品を表面実装しない。これにより、遊技機10は、遊技制御基板690の製造コストを低減するとともに、検査用信号の取得にもとづく不正行為を抑止する。また、遊技制御基板690は、表面実装領域691に表面実装部品を表面実装しないことで、表面実装領域691をベタ抜き部にしたときに、情報表示領域692の透過観察を容易にすることができる。
上述した第4の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン604,604a、情報表示パターン605)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板600)を備える。制御基板は、第1の面の所定領域に導体パターンのベタ抜き部(たとえば、情報表示領域601)を設け、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する情報表示部(たとえば、情報表示部606a)を周縁の導体パターン(たとえば、GNDパターン604)から独立した導体パターン(たとえば、情報表示パターン605)により形成し、第2の面であって情報表示部に対応する位置に導体パターンのベタ部(たとえば、GNDパターン604a、情報表示裏面領域601a)を設ける(図70,71参照)。
(2) (1)のベタ抜き部は、一側を当該制御基板の端部とし、他側で周縁の導体パターンと接し、周縁の導体パターンよりも当該制御基板の端部に寄せて情報表示部を配置する(図71(1)参照)。
(3) (1)または(2)の制御基板情報(たとえば、導体パターン607a)は、第2の面に設けられた導体パターンのベタ部(たとえば、GNDパターン604a、情報表示裏面領域601a)とビア(たとえば、ビア607b)で電気的に接続する(図71(3)参照)。
(4) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン642,643)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板640)を備える。制御基板は、第1の面の所定領域に導体パターンのベタ抜き部(たとえば、情報表示領域641)を設け、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する情報表示部を周縁の導体パターン(たとえば、GNDパターン642)から独立した導体パターン(たとえば、情報表示パターン645)により形成し、第2の面であって情報表示部に対応する位置に導体パターンのベタ抜き部(たとえば、情報表示裏面領域644)を設ける(図75,76参照)。
(5) (4)の情報表示部を周縁の導体パターン(たとえば、GNDパターン642)から独立した導体パターン(たとえば、情報表示パターン645)により形成する(図76(1)参照)。
(6) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン682,684)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板680)を備える。制御基板は、第1の面の所定領域(たとえば、遊技制御基板680を所定向きにして表面から観察したときの左下隅部)に導体パターンのベタ抜き部を設け、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する第1の情報表示部(たとえば、情報表示領域681)を導体パターンにより形成し、第2の面であって第1の情報表示部に対応する位置(たとえば、遊技制御基板680を所定向きにして表面から観察したときの左下隅部の裏側、すなわち遊技制御基板680を所定向きにして裏面から観察したときの右下隅部)に導体パターンのベタ抜き部を設け、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する第2の情報表示部(たとえば、情報表示領域683)を導体パターンにより形成する(図80参照)。
(7) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン672,674)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板670)を備える。制御基板は、第1の面の所定領域(たとえば、遊技制御基板670を所定向きにして表面から観察したときの左下隅部)に導体パターンのベタ抜き部を設け、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する第1の情報表示部(たとえば、情報表示領域671)を導体パターンにより形成し、第2の面であって第1の情報表示部に対応する位置(たとえば、遊技制御基板670を所定向きにして裏面から観察したときの左下隅部)に導体パターンのベタ抜き部を設け、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する第2の情報表示部(たとえば、情報表示領域673)を導体パターンにより形成する(図79参照)。
(8) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン693)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板690)を備える。制御基板は、非量産時に所定の表面実装部品(たとえば、ICパッケージ(SOP))を実装し、量産時に表面実装部品を実装しない所定領域(たとえば、表面実装領域691)を第1の面に設け、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する情報表示部(たとえば、情報表示領域692)を第2の面であって所定領域に対応する位置(たとえば、表面実装領域691の裏側)に導体パターンにより形成して設ける(図83参照)。
(9) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン604、情報表示パターン612,613,614)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板610)を備える。制御基板は、当該制御基板に関する第1の制御基板情報(たとえば、情報表示部615aに表示する情報)と第2の制御基板情報(たとえば、情報表示部615bに表示する情報)とを隣接して表示するとき、第1の制御基板情報と第2の制御基板情報とのうちいずれか一方を導体パターンのベタ抜き部に形成した導体パターン(たとえば、情報表示パターン613)により表示し、他方を導体パターンのベタ部に形成した抜きパターン(たとえば、情報表示パターン612)により表示する(図72参照)。
(10) (9)の第1の制御基板情報と第2の制御基板情報とを第1の面に表示するとき、第2の面であって第1の制御基板情報と第2の制御基板情報とのうちいずれか一方に対応する領域を導体パターンのベタ抜き部とし、他方に対応する領域を導体パターンのベタ部とする(図72,78参照)。
(11) (9)または(10)の第1の制御基板情報と第2の制御基板情報は、いずれも周縁の導体パターン(たとえば、GNDパターン604)から独立した導体パターン(たとえば、情報表示パターン612,613)により表示される(図72参照)。
(12) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン621、情報表示パターン623)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板620)を備える。制御基板は、当該制御基板に関する制御基板情報を表示する情報表示部を、第1の面と第2の面とのうち少なくともいずれか一方のグランドベタ(たとえば、GNDパターン604)に形成した抜きパターン(たとえば、情報表示パターン625)により表示する(図73参照)。
(13) 遊技機10は、第1の面(たとえば、表面)と第1の面の裏面側となる第2の面(たとえば、裏面)とに導体パターン(たとえば、GNDパターン655、情報表示パターン652)を形成可能な制御基板(たとえば、遊技制御基板650)を備える。制御基板は、当該制御基板に関する制御基板情報を第1の形態(たとえば、導体パターン)で表示する第1の情報表示部(たとえば、情報表示パターン652)と、制御基板情報を第1の形態と異なる第2の形態(たとえば、シルク印刷)で表示する第2の情報表示部(たとえば、情報表示パターン654)と、を含む(図77参照)。
(14) (13)の第1の情報表示部と第2の情報表示部とは、並列にして配置される(図77参照)。
[第5の実施形態]
第5の実施形態の遊技機は、基板上に電子部品を搭載しない非搭載領域があっても安定して動作可能にするノイズ低減部品を備える。なお、非搭載領域を有する基板として遊技制御基板を例示して説明するが、演出制御基板や払出制御基板、電源基板、中継基板やセンサ基板、ランプ基板等、その他の基板にも適用可能である。まず、第5の実施形態の遊技制御装置について図84を用いて説明する。図84は、第5の実施形態の遊技制御装置の一例を示す図である。
遊技制御装置100bは、遊技制御装置100と同様に、取付ベース521を介して前面枠12に支持される(図48参照)。遊技制御装置100bは、第2の実施形態の遊技制御装置100と同様の基板ボックス520を備え、第2の実施形態の遊技制御装置100と異なる遊技制御基板700を基板ボックス520に収容する。基板ボックス520は、正面視で略長方形の箱型形状であり、上側となる長辺に係合部522を備え、下側となる対辺に係止部523を備える。取付ベース521は、基板ボックス520よりも一回り大きな略長方形形状であり、係合部522に対応して被係合部522a、522bを備え、係止部523に対応して被係止部523aを備える。
基板ボックス520は、係合部522と被係合部522a、522bとを先に係合して、係合部522を回動軸にして取付ベース521に載置してから係止部523を被係止部523aに係止することで、取付ベース521に固定される。基板ボックス520は、主要な構造体として上側部材5201と下側部材5202とを有し、上側部材5201と下側部材5202とで遊技制御基板700を挟持して収容する(図49参照)。
カシメ部524(たとえば螺子等)は、上側部材5201と下側部材5202とをかしめる。カシメ部524は、所定回数だけカシメ状態とカシメ解除状態とを痕跡を残して切り替え可能にする。また、基板ボックス520は、封止部525を備え、ここに封止シールを貼付し、封止シールの状態によって基板ボックス520の開封の有無を検出可能にしている。
遊技制御基板700は、矩形(たとえば長方形)のガラスエポキシ基板である。遊技制御基板700は、表面と裏面とに導体パターンを形成し、表面を部品実装面とし、裏面を半田面とする2層基板である。遊技制御基板700は、部品実装面に、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702と入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704とを備える。
試験用回路配設領域701は、試験用回路を配設する領域である。試験用コネクタ配設領域702は、試験用コネクタを配設する領域である。入力信号用回路配設領域703は、入力信号用回路を配設する領域である。入力信号用コネクタ配設領域704は、入力信号用コネクタを配設する領域である。試験用回路配設領域701と入力信号用回路配設領域703は、遊技制御基板700の部品実装面に隣接して配置される。
なお、試験用コネクタは、遊技機10と外部装置とを繋ぐケーブルを接続可能にする。たとえば、外部装置は、遊技機10の動作試験をおこなう試験装置、遊技機10の動作検証をおこなう検証装置等がある。入力信号用コネクタは、遊技制御基板700と遊技機10のその他の基板とを繋ぐケーブルを接続可能にする。あるいは、入力信号用コネクタは、遊技制御基板700と遊技機10の入力センサとを繋ぐケーブルを接続可能にする。
なお、入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704は、遊技機10としての機能を実現するために必須の領域である。一方、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702は、遊技機10としての機能の実現において冗長な領域であり、試験用途の領域である。試験用途は、性能試験用途や型式試験用途のほか、開発過程における動作検証用途を含む。
なお、入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704は、遊技機としての本来用途の一般回路配設領域と一般コネクタ配設領域の一例である。したがって、入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704は、出力信号用の回路や出力信号用コネクタ、入出力信号用の回路や入出力信号用コネクタ、その他の回路やその他のコネクタ等を配設する領域であってもよい。
次に、遊技制御基板700の部品実装面に配置される試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702と入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704について説明する。まず、部品を実装していない遊技制御基板について図85を用いて説明する。図85は、第5の実施形態の遊技制御基板(部品非実装)の試験用回路配設領域と試験用コネクタ配設領域と入力信号用回路配設領域と入力信号用コネクタ配設領域の一例を示す図である。
遊技制御基板700aは、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702と入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704とに未だ部品を実装していない状態(部品非実装)を示す。
試験用回路配設領域701は、試験用の信号入出力用途の電子部品を搭載可能にする回路パターン711が導体パターンやスルーホール、ビア等を含んで配設されている。たとえば、回路パターン711は、電子部品としてバッファ回路を構成する集積回路IC2や、試験用回路のノイズを除去するバイパスコンデンサ(パスコン)C2を集積回路IC2の近傍に搭載可能にする。試験用コネクタ配設領域702は、試験用の信号入出力用途の試験用コネクタCN2を搭載可能にする領域である。なお、集積回路IC2の近傍の好適例は、集積回路IC2の電源ピンとグランドピンに近接する位置である。
試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702は、試験領域範囲表示705によって試験用の実装領域の範囲が明示される。たとえば、試験領域範囲表示705は、シルク印刷の矩形表示によって試験用の実装領域の範囲を明示する。
また、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702は、試験領域名称表示706によって試験用の実装領域の名称(用途)が明示される。たとえば、試験領域名称表示706は、シルク印刷の矩形表示によって試験用の実装領域の名称「試験用」を明示する。
また、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702は、試験部品形状表示707によって試験用の部品の形状が明示される。たとえば、試験部品形状表示707は、シルク印刷の概形表示によって集積回路IC2やバイパスコンデンサC2、試験用コネクタCN2の概形を明示する。
また、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702は、試験部品記号表示708によって試験用の部品の記号が明示される。たとえば、試験部品記号表示708は、シルク印刷の文字表示や数字表示によって集積回路IC2やバイパスコンデンサC2、試験用コネクタCN2の部品記号を明示する。
入力信号用回路配設領域703は、一般用(遊技用)の信号入力用途の電子部品を搭載可能にする回路パターン712が導体パターンやスルーホール、ビア等を含んで配設されている。たとえば、回路パターン712は、電子部品としてバッファ回路を構成する集積回路IC1や、入力信号用回路のノイズを除去するバイパスコンデンサC1を集積回路IC1の近傍に搭載可能にする。入力信号用コネクタ配設領域704は、一般用の信号入力用途の入力信号用コネクタCN1を搭載可能にする領域である。なお、集積回路IC1の近傍の好適例は、集積回路IC1の電源ピンとグランドピンに近接する位置である。
入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704は、一般部品形状表示709によって一般用の部品の形状が明示される。たとえば、一般部品形状表示709は、シルク印刷の概形表示によって集積回路IC1やバイパスコンデンサC1、入力信号用コネクタCN1の概形を明示する。
また、入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704は、一般部品記号表示710によって一般用の部品の記号が明示される。たとえば、一般部品記号表示710は、シルク印刷の文字表示や数字表示によって集積回路IC1やバイパスコンデンサC1、入力信号用コネクタCN1の部品記号を明示する。
次に、試験時の部品を実装した遊技制御基板について図86を用いて説明する。図86は、第5の実施形態の遊技制御基板(試験時部品実装)の試験用回路配設領域と試験用コネクタ配設領域と入力信号用回路配設領域と入力信号用コネクタ配設領域の一例を示す図である。
遊技制御基板700bは、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702と入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704との試験時の部品実装状態(試験時部品実装)を示す。
試験用回路配設領域701は、試験用IC721(集積回路IC2)とコンデンサ722(バイパスコンデンサC2)を実装し、試験用コネクタ配設領域702は、試験用コネクタ720(試験用コネクタCN2)を実装する。
これにより、コンデンサ722は、試験用IC721のバイパスコンデンサとして機能し、試験用IC721の動作に伴うノイズを低減する。このような遊技制御基板700bは、試験用回路を安定して動作可能にする。
入力信号用回路配設領域703は、入力信号用IC724(集積回路IC1)とコンデンサ725(バイパスコンデンサC1)を実装し、入力信号用コネクタ配設領域704は、入力信号用コネクタ723(入力信号用コネクタCN1)を実装する。
これにより、コンデンサ725は、入力信号用IC724のバイパスコンデンサとして機能し、入力信号用IC724の動作に伴うノイズを低減する。このような遊技制御基板700bは、入力信号用回路を安定して動作可能にする。
次に、量産時の部品を実装した遊技制御基板について図87を用いて説明する。図87は、第5の実施形態の遊技制御基板(量産時部品実装)の試験用回路配設領域と試験用コネクタ配設領域と入力信号用回路配設領域と入力信号用コネクタ配設領域の一例を示す図である。
遊技制御基板700cは、試験用回路配設領域701と試験用コネクタ配設領域702と入力信号用回路配設領域703と入力信号用コネクタ配設領域704との量産時の部品実装状態(量産時部品実装)を示す。
試験用回路配設領域701は、コンデンサ722(バイパスコンデンサC2)を実装し、試験用IC721(集積回路IC2)を実装しない。また、試験用コネクタ配設領域702は、試験用コネクタ720(試験用コネクタCN2)を実装しない。
これにより、遊技制御基板700cは、第三者が試験用信号にアクセスすることを物理的に防止する。また、遊技制御基板700cは、本来用途で必要としない部品を非実装とすることで量産時の製造コストを低減する。
入力信号用回路配設領域703は、入力信号用IC724(集積回路IC1)とコンデンサ725(バイパスコンデンサC1)を実装し、入力信号用コネクタ配設領域704は、入力信号用コネクタ723(入力信号用コネクタCN1)を実装する。
これにより、コンデンサ725は、入力信号用IC724のバイパスコンデンサとして機能し、入力信号用IC724の動作に伴うノイズを低減する。このような遊技制御基板700cは、入力信号用回路を安定して動作可能にする。
なお、コンデンサ722は、試験用IC721のバイパスコンデンサとして機能しないが、回路パターン711のノイズ低減部品としての機能が期待される。たとえば、コンデンサ722は、試験用IC721を実装しない回路パターン711がアンテナとなりノイズ源となることを抑制する。また、コンデンサ722は、コンデンサ725のバイパスコンデンサとして機能を補助する。
ここで、コンデンサ722によるコンデンサ725のバイパスコンデンサとして機能補助について図88を用いて説明する。図88は、第5の実施形態のバイパスコンデンサが架設される電源パターンとグランドパターンの一例を示す図である。
コンデンサ722とコンデンサ725は、共通の電源パターン727と共通のグランドパターン726とに架設されて実装される。電源パターン727とグランドパターン726のうち少なくとも一方は、遊技制御基板700の部品実装面または半田面において島状の導体パターンによって構成される。たとえば、電源パターン727は、遊技制御基板700の半田面において島状の導体パターンであり、図示しないビアを介して部品実装面にある電源パターンと電気的に接続する。また、グランドパターン726は、遊技制御基板700の半田面において島状の導体パターンであり、図示しないビアを介して部品実装面にあるグランドパターンと電気的に接続する。
このような電源パターン727やグランドパターン726は、試験用IC721を実装しない場合においてアンテナとなり、入力信号用回路においてノイズ源となる場合がある。しかしながら、遊技制御基板700は、電源パターン727とグランドパターン726とに架設してコンデンサ722を実装することで電源パターン727やグランドパターン726がノイズ源となることを軽減または抑止する。また、遊技制御基板700は、コンデンサ725に加えてコンデンサ722を電源パターン727とグランドパターン726とに架設して実装することで、コンデンサ725のバイパスコンデンサとして機能をコンデンサ722により補助することができる。
したがって、遊技機10は、基板上に電子部品を搭載しない非搭載領域があっても安定して動作可能である。また、遊技機10は、より確実な信号入力が求められる入力信号用回路を安定して動作可能にする。
なお、コンデンサ722,725は、ノイズ低減部品の一例であって、ノイズ低減部品は、抵抗やコンデンサ、コイル、その他の受動素子、あるいはこれらの組合せによって構成されるものであってもよい。
上述した第5の実施形態の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1) 遊技機10は、第1の集積回路(たとえば、試験用IC721)の実装により外部装置(たとえば、試験装置)との接続に関係する第1の機能(たとえば、試験信号出力機能、非遊技用途機能、非量産用途機能)を実現する第1の回路(たとえば、試験用回路)と、第2の集積回路(たとえば、入力信号用IC724)の実装により外部装置との接続に関係しない第2の機能(たとえば、信号入力機能、遊技用途機能、量産用途機能)を実現する第2の回路(たとえば、入力信号用回路)とを含む基板(たとえば、遊技制御基板700)を備える。基板は、第1の集積回路を実装可能にしながら非実装とする第1の領域(たとえば、試験用回路配設領域701)と第2の集積回路を実装する第2の領域(たとえば、入力信号用回路配設領域703)とを隣接して配置する。第1の回路は、第1の集積回路と電源とを接続する第1の電源ライン(たとえば、試験用IC721の電源ピンと電源を接続する導体パターン)と、第1の集積回路とグランドとを接続する第1のグランドライン(たとえば、試験用IC721のグランドピンとグランドを接続する導体パターン)と、第1の集積回路のノイズを低減する第1のノイズ低減部品(たとえば、コンデンサ722)とを含む。第2の回路は、第2の集積回路と電源とを接続する第2の電源ライン(たとえば、入力信号用IC724の電源ピンと電源を接続する導体パターン)と、第2の集積回路とグランドとを接続する第2のグランドライン(たとえば、入力信号用IC724のグランドピンとグランドを接続する導体パターン)と、第2の集積回路のノイズを低減する第2のノイズ低減部品(たとえば、コンデンサ725)とを含む。第1の電源ラインと第2の電源ラインとは、第1の導体パターン(たとえば、電源パターン727)を共有する。第1のグランドラインと第2のグランドラインとは、第2の導体パターン(たとえば、グランドパターン726)を共有する。第1のノイズ低減部品と第2のノイズ低減部品は、第1の導体パターンと第2の導体パターンとを架設するようにして実装される(図87、図88参照)。
[第6の実施形態]
第6の実施形態の遊技機は、基板上のコネクタと接続するハーネスの抜脱操作部を当該ハーネスのケーブルで覆うことにより、基板に接続されたハーネスを抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にする。このような第6の実施形態の遊技機は、基板からのハーネスの抜脱操作を伴う不正行為を困難にする。基板に接続されたハーネスを抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にする基板とハーネスについて図89を用いて説明する。図89は、第6の実施形態の基板とハーネスの概観の一例を示す図である。
図89(1)に基板733とハーネス736の側方観察による概観を示し、図89(2)に基板733とハーネス736の正面観察(上方観察)による概観を示す。基板733は、上基板ボックス730と下基板ボックス732とに挟持されて、上基板ボックス730と下基板ボックス732とに収容される。基板733は、ハーネス736とコネクタ接続される基板側コネクタ734を部品実装面の端部に備える。基板側コネクタ734は、上基板ボックス730が有する開口部731から基板収容空間の外部に臨む。基板側コネクタ734は、ハーネス736が有するハーネス側コネクタ737とコネクタ接続する。ハーネス側コネクタ737は、係止爪739を有し、基板側コネクタ734が有する係止受け部735と係合する。さらに、ハーネス側コネクタ737は、操作部738を有する。操作部738は、係止受け部735との係合状態を解除可能にする。たとえば、操作部738は、操作者による押込み操作によって係止爪739と係止受け部735との係合状態を解除できる。
ハーネス736は、係止部729によってケーブルを係止される。ハーネス736は、ケーブルの引き回し方向が係止部729側に規制され、操作部738を覆う方向に引き回される。操作部738を覆うケーブルは、操作部738の操作性を低下させるだけでなく、操作部738の視認性を低下させる。
なお、ハーネス736は、係止部729による引き回しにより上基板ボックス730の高さを超えないように高さ方向のケーブルの遊び量が制約される。これにより、ハーネス736は、操作部738の直上におけるケーブルの高さが上基板ボックス730の高さよりもd1だけ低い位置に制約される。
高さ方向の遊び量が制約されたケーブルは、操作部738の操作を一層阻害するようにして操作部738を覆う。遊び量が制約されて操作部738を覆うケーブルは、操作部738の操作性を一層低下させるだけでなく、操作部738の視認性を一層低下させる。
このようにして、遊技機10は、基板733に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。なお、遊技機10は、係止部729によるケーブルの係止状態を解除可能にすることで、正当な作業者に対して十分な作業環境を提供可能にする。遊技機10は、係止部729によるケーブルの係止状態を解除可能であっても、係止部729によるケーブルの係止状態を解除する作業を不正行為者にも強いることとなり不正行為に対する抑止力を保持できる。
なお、ハーネス736のケーブル束の幅は、操作部738の幅より大きいことが望ましい。言い換えれば、操作部738の幅は、ハーネス736のケーブル束の幅よりも小さいことが望ましい。また、遊技機10は、操作部738の中心軸とハーネス736のケーブル束の中心軸とを揃えてケーブルを引き回すことで好適に操作部738をケーブルで覆うことができる。
次に、横方向に並んで配置された2つの基板を接続するハーネスの抜脱作業性の阻害について図90を用いて説明する。図90は、第6の実施形態の横方向に並んで配置された2つの基板と、2つの基板を接続するハーネスの概観の一例を示す図である。
ハーネス736は、一端にハーネス側コネクタ737を備え、他端にハーネス側コネクタ739を備える。ハーネス側コネクタ737は、基板733が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。ハーネス側コネクタ739は、基板741が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。これにより、ハーネス736は、横方向に並んで配置された2つの基板733,741を接続する。
基板733が備える基板側コネクタと基板741が備える基板側コネクタは、横方向で対向する。したがって、ハーネス736は、基板733が備える基板側コネクタと基板741が備える基板側コネクタとの間で横方向(水平方向)に懸架される。ハーネス736は、基板733,741の双方からケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とをケーブルで覆う。
このとき、基板733は、ハーネス側コネクタ739からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有し、基板741は、ハーネス側コネクタ737からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有する。
なお、遊技機10は、基板733が備える基板側コネクタと基板741が備える基板側コネクタとを横方向で対向させるとともに操作部738,740の中心軸とハーネス736のケーブル束の中心軸とを揃えてケーブルを引き回すことで、好適に操作部738,740をケーブルで覆うことができる。なお、ハーネス736は、水平方向に懸架されるので、操作部738,740を同程度にケーブルで覆うことができる。
したがって、遊技機10は、基板733,741に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。
次に、縦方向に並んで配置された2つの基板を接続するハーネスの抜脱作業性の阻害について図91を用いて説明する。図91は、第6の実施形態の縦方向に並んで配置された2つの基板と、2つの基板を接続するハーネスの概観の一例を示す図である。
ハーネス736は、一端にハーネス側コネクタ737を備え、他端にハーネス側コネクタ739を備える。ハーネス側コネクタ737は、基板733が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。ハーネス側コネクタ739は、基板742が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。これにより、ハーネス736は、縦方向に並んで配置された2つの基板733,742を接続する。
基板733が備える基板側コネクタと基板742が備える基板側コネクタは、縦方向で対向する。したがって、ハーネス736は、基板733が備える基板側コネクタと基板742が備える基板側コネクタとの間で縦方向(垂直方向)に懸架される。ハーネス736は、基板733,742の双方からケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とをケーブルで覆う。
このとき、基板733は、ハーネス側コネクタ739からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有し、基板742は、ハーネス側コネクタ737からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有する。また、ハーネス736は、その自重によってハーネス側コネクタ737からのケーブルの引き回し方向がハーネス側コネクタ739からのケーブルの引き回し方向よりも強く規制される。
なお、遊技機10は、基板733が備える基板側コネクタと基板742が備える基板側コネクタとを縦方向で対向させるとともに操作部738,740の中心軸とハーネス736のケーブル束の中心軸とを揃えてケーブルを引き回すことで、好適に操作部738,740をケーブルで覆うことができる。なお、ハーネス736は、垂直方向に懸架されるので、操作部740よりも抜脱作業性を困難にしてケーブルで操作部738を覆うことができる。
したがって、遊技機10は、基板733,742に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。
次に、コネクタの向きが異なりコネクタが対向しない2つの基板を接続するハーネスの抜脱作業性の阻害について図92を用いて説明する。図92は、第6の実施形態のコネクタの向きが異なりコネクタが対向しない2つの基板と、2つの基板を接続するハーネスの概観の一例を示す図である。
ハーネス736は、一端にハーネス側コネクタ737を備え、他端にハーネス側コネクタ739を備える。ハーネス側コネクタ737は、基板733が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。ハーネス側コネクタ739は、基板743が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。これにより、ハーネス736は、縦方向にも横方向にもずれて配置(異方向オフセット配置)された2つの基板733,743を接続する。
基板733が備える基板側コネクタと基板743が備える基板側コネクタは、異なる方向を向いて対向しない。すなわち、操作部738の中心軸と操作部740の中心軸とは、角度Aだけ向きが異なっている。したがって、ハーネス736は、基板733が備える基板側コネクタと基板743が備える基板側コネクタとの間で直接に懸架された場合に基板733,743の双方からケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とを好適にケーブルで覆うことができない。
そこで、基板733が備える基板側コネクタと基板743が備える基板側コネクタが異なる方向を向いて対向しない場合、遊技機10は、基板733,743に代えて係止片744,745によってハーネス736の引き回し方向を規制する。これにより、ハーネス736は、係止片744,745の双方からケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とをケーブルで覆う。
このとき、係止片744は、ハーネス側コネクタ737からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有し、係止片745は、ハーネス側コネクタ739からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有する。
このように、遊技機10は、基板733が備える基板側コネクタと係止片744とを対向させるとともに双方の中心軸とハーネス736のケーブル束の中心軸とを揃えてケーブルを引き回すことで、好適に操作部738をケーブルで覆うことができる。また、遊技機10は、基板743が備える基板側コネクタと係止片745とを対向させるとともに双方の中心軸とハーネス736のケーブル束の中心軸とを揃えてケーブルを引き回すことで、好適に操作部740をケーブルで覆うことができる。
したがって、遊技機10は、基板733,743に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。
なお、係止片744は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部738の幅より広くして係止する。言い換えれば、係止片744は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部738の幅より狭く絞り込んで係止しない。同様にして、係止片745は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部740の幅より広くして係止する。言い換えれば、係止片745は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部740の幅より狭く絞り込んで係止しない。
なお、係止片744,745は、双方の間においてケーブル束の幅を操作部738,740の幅より狭くなるようにしてハーネス736のケーブル束を保持することができる。これにより、遊技機10は、係止片744,745の間においてコンパクトにハーネス736のケーブル束を引き回すことができる。
次に、コネクタの向きが一致するものの大きなオフセットを有してコネクタが対向しない2つの基板を接続するハーネスの抜脱作業性の阻害について図93を用いて説明する。図93は、第6の実施形態のコネクタの向きが一致するものの大きなオフセットを有してコネクタが対向しない2つの基板と、2つの基板を接続するハーネスの概観の一例を示す図である。
ハーネス736は、一端にハーネス側コネクタ737を備え、他端にハーネス側コネクタ739を備える。ハーネス側コネクタ737は、基板733が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。ハーネス側コネクタ739は、基板746が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。これにより、ハーネス736は、コネクタの向きが一致するものの大きなオフセットで配置(同方向オフセット配置)された2つの基板733,746を接続する。なお、ここでいう大きなオフセットは、双方の基板側コネクタとの間でハーネス736が直接に懸架された場合に双方の基板側コネクタからケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とを好適にケーブルで覆うことができない程度のオフセット(ずれ量)d2をいう。
すなわち、ハーネス736は、基板733が備える基板側コネクタと基板746が備える基板側コネクタとの間で直接に懸架された場合に基板733,746の双方からケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とを好適にケーブルで覆うことができない。
そこで、基板733が備える基板側コネクタと基板746が備える基板側コネクタが大きなオフセットを有する場合、遊技機10は、基板733,746に代えて係止片747,748によってハーネス736の引き回し方向を規制する。これにより、ハーネス736は、係止片747,748の双方からケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とをケーブルで覆う。
このとき、係止片747は、ハーネス側コネクタ737からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有し、係止片748は、ハーネス側コネクタ739からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有する。
このように、遊技機10は、基板733が備える基板側コネクタと係止片747とを対向させるとともに双方の中心軸とハーネス736のケーブル束の中心軸とを揃えてケーブルを引き回すことで、好適に操作部738をケーブルで覆うことができる。また、遊技機10は、基板746が備える基板側コネクタと係止片748とを対向させるとともに双方の中心軸とハーネス736のケーブル束の中心軸とを揃えてケーブルを引き回すことで、好適に操作部740をケーブルで覆うことができる。
したがって、遊技機10は、基板733,746に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。
なお、係止片747は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部738の幅より広くして係止する。言い換えれば、係止片747は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部738の幅より狭く絞り込んで係止しない。同様にして、係止片748は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部740の幅より広くして係止する。言い換えれば、係止片748は、対向する基板側コネクタとの間でハーネス736のケーブル束の幅を操作部740の幅より狭く絞り込んで係止しない。
なお、係止片747,748は、双方の間においてケーブル束の幅を操作部738,740の幅より狭くなるようにしてハーネス736のケーブル束を保持することができる。これにより、遊技機10は、係止片747,748の間においてコンパクトにハーネス736のケーブル束を引き回すことができる。
次に、コネクタの向きが一致するもののオフセットによりコネクタの一部だけが対向する2つの基板を接続するハーネスの抜脱作業性の阻害について図94を用いて説明する。図94は、第6の実施形態のコネクタの向きが一致するもののオフセットによりコネクタの一部だけが対向する2つの基板と、2つの基板を接続するハーネスの概観の一例を示す図である。
ハーネス736は、一端にハーネス側コネクタ737を備え、他端にハーネス側コネクタ739を備える。ハーネス側コネクタ737は、基板733が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。ハーネス側コネクタ739は、基板747が備える基板側コネクタ(図示せず)とコネクタ接続する。これにより、ハーネス736は、コネクタの向きが一致するもののオフセットによりコネクタの一部だけが対向して配置(同方向オフセット配置)された2つの基板733,747を接続する。なお、ここでいうコネクタの一部だけが対向するオフセットは、双方の基板側コネクタとの間でハーネス736が直接に懸架された場合に双方の基板側コネクタからケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とを好適にケーブルで覆うことができる程度のオフセット(ずれ量)d3をいう。
基板733が備える基板側コネクタと基板747が備える基板側コネクタは、縦方向でその一部が対向する。したがって、ハーネス736は、基板733が備える基板側コネクタと基板747が備える基板側コネクタとの間で斜め縦方向に懸架される。ハーネス736は、基板733,747の双方からケーブルの引き回し方向が規制され、ハーネス側コネクタ737が備える操作部738とハーネス側コネクタ739が備える操作部740とをケーブルで覆う。
このとき、基板733は、ハーネス側コネクタ739からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有し、基板747は、ハーネス側コネクタ737からのケーブルの引き回し方向を規制する係止部としての機能を有する。
このように、遊技機10は、基板733が備える基板側コネクタと基板747が備える基板側コネクタとの間でオフセットを有して縦方向で一部しか対向しなくても、オフセットが小さい限りにおいては好適に操作部738,740をケーブルで覆うことができる。
したがって、遊技機10は、基板733,747に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。
次に、第6の実施形態の変形例1について図95を用いて説明する。第6の実施形態の係止部729は、操作部738の直上におけるケーブルの高さが上基板ボックス730の高さよりもd1だけ低い位置になるように制約したが、第6の実施形態の変形例1の係止部はより好適に制約する。図95は、第6の実施形態の変形例1の基板とハーネスの側方観察による概観の一例を示す図である。なお、第6の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
ハーネス736は、係止片748によってケーブルを係止される。係止片748は、部品実装面より下方、より望ましくは基板ボックス底面より下方でハーネス736のケーブルを係止する。なお、部品実装面は、基板733の部品実装面であり、ハーネス側コネクタ737がコネクタ接続する基板側コネクタ734の載置面である。また、基板ボックス底面は、下基板ボックス732の下面である。
これにより、ハーネス736は、ケーブルの引き回し方向が係止片748側に規制され、操作部738を覆う方向に引き回される。操作部738を覆うケーブルは、操作部738の操作性を低下させるだけでなく、操作部738の視認性を低下させる。
なお、ハーネス736は、係止片748による引き回しにより上基板ボックス730の高さを超えないように高さ方向のケーブルの遊び量が強く制約される。これにより、ハーネス736は、操作部738の直上におけるケーブルの高さが上基板ボックス730の高さよりもd1だけ低い位置に制約される。なお、係止片748は、ハーネス736のケーブルが基板ボックス側壁732aに当接するようにハーネス736のケーブルを係止するようにしてもよい。
高さ方向の遊び量が制約されたケーブルは、操作部738の操作を一層阻害するようにして操作部738を覆う。遊び量が制約されて操作部738を覆うケーブルは、操作部738の操作性を一層低下させるだけでなく、操作部738の視認性を一層低下させる。
このようにして、遊技機10は、基板733に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。なお、遊技機10は、係止片748によるケーブルの係止状態を解除可能にすることで、正当な作業者に対して十分な作業環境を提供可能にする。遊技機10は、係止部729によるケーブルの係止状態を解除可能であっても、係止片748によるケーブルの係止状態を解除する作業を不正行為者にも強いることとなり不正行為に対する抑止力を保持できる。
次に、第6の実施形態の変形例2について図96を用いて説明する。第6の実施形態のケーブルは、係止片や基板によって制約されたが、第6の実施形態の変形例2の係止部は係止片や基板によらずにケーブルを制約する。図96は、第6の実施形態の変形例2の基板とハーネスの側方観察による概観の一例を示す図である。なお、第6の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
上基板ボックス730と下基板ボックス732とは、取付ベース749に取り付けられる。取付ベース749は、下基板ボックス732より一回り以上大きな板状であって、取付ベース側壁749aは、基板ボックス側壁732aより張り出す。ハーネス736は、取付ベース側壁749aによってケーブルの引き回し方向が規制される。
すなわち、ハーネス736のケーブルは、ハーネス側コネクタ737から取付ベース側壁749aに引き回されたのち、取付ベース側壁749aから折り返した方向に引き回される。このように、取付ベース側壁749aは、ハーネス736のケーブルを基板ボックス底面より下方に引き回す。
これにより、ハーネス736は、ケーブルの引き回し方向が取付ベース側壁749aに規制され、操作部738を覆う方向に引き回される。操作部738を覆うケーブルは、操作部738の操作性を低下させるだけでなく、操作部738の視認性を低下させる。
なお、ハーネス736は、取付ベース側壁749aを介した引き回しにより上基板ボックス730の高さを超えないように高さ方向のケーブルの遊び量が強く制約される。これにより、ハーネス736は、操作部738の直上におけるケーブルの高さが上基板ボックス730の高さよりもd1だけ低い位置に制約される。なお、取付ベース側壁749aは、ハーネス736のケーブルが基板ボックス側壁732aに当接するようにハーネス736のケーブルを係止するようにしてもよい。
高さ方向の遊び量が制約されたケーブルは、操作部738の操作を一層阻害するようにして操作部738を覆う。遊び量が制約されて操作部738を覆うケーブルは、操作部738の操作性を一層低下させるだけでなく、操作部738の視認性を一層低下させる。
このようにして、遊技機10は、基板733に接続されたハーネス736を抜脱可能にしながらも、抜脱作業性を困難にすることができる。このような遊技機10は、正当な作業者に対して困難な作業を強いることとなるが、不正行為に対する抑止力を向上する。
なお、ハーネス736は、ケーブルの引き回し方向が取付ベース側壁749aに規制されるとしたが、基板733を支持する構造材であれば、取付ベース749に代わるものであってもよい。たとえば、ハーネス736は、ケーブルの引き回し方向が下基板ボックス732に規制されるようにしてもよい。
このような構造材は、一般に操作部738より十分に大きいので、構造材の端部と操作部738とが対向する関係を容易に構成できる。したがって、ケーブル束によって、操作部738を容易に覆うことができる。また、基板733と接続するハーネスが2以上あってもそれぞれのハーネスごとに係止部を用意することを要しない。
上述した第6の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1) 遊技機10は、基板(たとえば、基板733)と、基板とコネクタ接続するハーネス(たとえば、ハーネス736)と、基板の外でハーネスを係止する係止部(たとえば、係止部729)と、を備える。基板は、コネクタ接続時にハーネス側コネクタ(たとえば、ハーネス側コネクタ737)の抜脱操作部(たとえば、操作部738)が当該基板の外縁に臨むようにして基板側コネクタ(たとえば、基板側コネクタ734)を配設する。ハーネスは、係止部により係止されたときに抜脱操作部を覆う(図89参照)。
(2) 遊技機10は、基板(たとえば、基板733)と、基板とコネクタ接続するハーネス(たとえば、ハーネス736)と、基板を支持する構造材(たとえば、取付ベース749)と、を備える。基板は、コネクタ接続時にハーネス側コネクタ(たとえば、ハーネス側コネクタ737)の抜脱操作部(たとえば、操作部738)が構造材の外縁に臨むようにして基板側コネクタ(たとえば、基板側コネクタ734)を配設する。ハーネスは、構造材により引き回し方向が規制されたときに抜脱操作部を覆う(図96参照)。
[第7の実施形態]
第7の実施形態の遊技機は、第1の実施形態の外部情報端子板71に代えて、操作部をシルク印刷で表示した外部情報端子板を有する。まず、外部情報端子板の概観について図97を用いて説明する。図97は、第7の実施形態の外部情報端子板の概観の一例を示す図である。
外部情報端子板750は、外部情報端子基板751と、コネクタ752と、情報出力端子753と、フォトカプラ758とを含む。外部情報端子基板751は、コネクタ752と情報出力端子753とフォトカプラ758とを部品実装面に実装する。外部情報端子板750は、1個のコネクタ752(T1)を備える。外部情報端子板750は、コネクタ752と接続するハーネスを介して遊技制御装置100と接続する。
情報出力端子753は、ホールコンピュータ等の外部装置に対して情報出力可能な端子である。外部情報端子板750は、10個の情報出力端子753(CN1からCN10)を1列にして備える。CN1からCN5の5個の情報出力端子753と、CN6からCN10の5個の情報出力端子753は、それぞれ等間隔にして外部情報端子基板751に配置される。そして、CN5の情報出力端子753とCN6の情報出力端子753との配置間隔は、その他の情報出力端子753との配置間隔よりも広く設定される。CN5の情報出力端子753とCN6の情報出力端子753との間隙は、10個の情報出力端子753の位置確認の目安とすることができる。なお、10個の情報出力端子753(CN1からCN10)は、それぞれ異なる色彩が付されることで識別容易にされているが、コスト低減のために同じ色彩が付されるものであってもよい。
情報出力端子753は、1対2線の電線を接続可能である。情報出力端子753は、電線接続部756,757を備え、それぞれに1線の電線を接続可能である。電線接続部756,757は、電線を差込可能な開口部を有する。電線接続部756,757は、常態で、図示しない付勢部(たとえば、ばね)により付勢された蓋体により開口部が閉塞状態にある。電線接続部756は、短尺操作レバー754の押下操作により付勢部による付勢に逆らって蓋体が移動されて、開口部が閉塞状態から開口状態に切り替えられる。電線接続部756は、短尺操作レバー754の押下操作がなくなると、付勢部による付勢により、短尺操作レバー754が初期位置に復帰するとともに、蓋体が移動されて開口部が開口状態から閉塞状態に切り替えられる。電線接続部757は、長尺操作レバー755の押下操作により付勢部による付勢に逆らって蓋体が移動されて、開口部が閉塞状態から開口状態に切り替えられる。電線接続部757は、長尺操作レバー755の押下操作がなくなると、付勢部による付勢により、長尺操作レバー755が初期位置に復帰するとともに、蓋体が移動されて開口部が開口状態から閉塞状態に切り替えられる。
フォトカプラ758は、ホールコンピュータ等の外部装置と電気的に絶縁しながら情報出力するアイソレーション手段の1つである。したがって、外部情報端子板750は、フォトカプラ758に代えて、フォトトランジスタ等の無接点リレーや、メカニカルリレー等の有接点リレーを用いるものであってもよい。また、その場合に、外部情報端子板750は、抵抗やコンデンサ等の受動素子をアイソレーション手段の構成に含むことができる。
外部情報端子板750は、10個のフォトカプラ758(PC1からPC10)を1列にして備える。PC1からPC5の5個のフォトカプラ758と、PC6からPC10の5個のフォトカプラ758は、それぞれ等間隔にして外部情報端子基板751に配置される。そして、PC5のフォトカプラ758とPC6のフォトカプラ758との配置間隔は、その他のフォトカプラ758との配置間隔よりも広く設定される。PC5のフォトカプラ758とPC6のフォトカプラ758との間隙は、10個のフォトカプラ758の位置確認の目安とすることができる。なお、フォトカプラ758は、それぞれ第1端子の位置を明示する第1端子記号759を備える。第1端子記号759は、たとえば、丸印の刻印によって示される。
また、フォトカプラ758は、情報出力端子753と対にして備えられ、情報出力端子753の操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)と反対側に並設される。たとえば、フォトカプラ758a(PC10)は、情報出力端子753a(CN10)の短尺操作レバー754aの操作軸754bと、情報出力端子753aの長尺操作レバー755aの操作軸755bとの間であって、操作部(短尺操作レバー754a、長尺操作レバー755a)と反対側に並設される。
次に、外部情報端子基板の概観について図98を用いて説明する。図98は、第7の実施形態の外部情報端子基板の概観の一例を示す図である。
図98に示す外部情報端子基板751は、コネクタ752、情報出力端子753、フォトカプラ758等の部品を実装していない状態を示す。外部情報端子基板751は、部品実装面にシルク表示による、部品形状表示760と部品記号表示761と操作部表示762と識別補助表示763とを含む。なお、外部情報端子基板751は、シルク表示以外の態様(たとえば、導体パターン表示等)で、部品形状表示760と部品記号表示761と操作部表示762と識別補助表示763を表示するものであってもよい。
部品形状表示760は、部品の実装位置を部品のおおよその形状で示す表示である。たとえば、部品形状表示760は、コネクタ752、情報出力端子753、フォトカプラ758等の部品の実装位置を矩形によって示す。
部品記号表示761は、部品を一意に特定可能な記号の表示である。たとえば、部品記号表示761の1つである「CN1」は、実装部品が情報出力端子753であることを示し、部品記号表示761の1つである「PC1」は、実装部品がフォトカプラ758であることを示し、部品記号表示761の1つである「T1」は、実装部品がコネクタ752であることを示す。
操作部表示762は、情報出力端子753の操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)の概形を表示する。操作部表示762は、短尺の矩形表示と長尺の矩形表示を含む。短尺の矩形表示は、短尺操作レバー754の概略形状と操作位置を示し、長尺の矩形表示は、長尺操作レバー755の概略形状と操作位置を示す。
これにより、遊技機10は、操作部表示762により操作案内をおこなうことができる。このような遊技機10は、外部情報端子板750における操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)の好適な操作環境を提供する。
また、遊技機10は、操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)と操作部表示762とを比較可能にし、操作部が折損等した場合に異常の検知を容易にすることができる。
識別補助表示763は、10個の情報出力端子753(CN1からCN10)にそれぞれ付された異なる色彩を文字情報により明示する。たとえば、文字情報「シロ」は、対応する情報出力端子753に白色の色彩が付されていることを示す。また、文字情報「ミドリ」は、対応する情報出力端子753に緑色の色彩が付されていることを示す。文字情報「ハイ」は、対応する情報出力端子753に灰色の色彩が付されていることを示す。文字情報「キイロ」は、対応する情報出力端子753に黄色の色彩が付されていることを示す。文字情報「クロ」は、対応する情報出力端子753に黒色の色彩が付されていることを示す。文字情報「ピンク」は、対応する情報出力端子753に桃色の色彩が付されていることを示す。文字情報「アオ」は、対応する情報出力端子753に青色の色彩が付されていることを示す。文字情報「アカ」は、対応する情報出力端子753に赤色の色彩が付されていることを示す。文字情報「ダイ」は、対応する情報出力端子753に橙色の色彩が付されていることを示す。文字情報「ミズ」は、対応する情報出力端子753に水色の色彩が付されていることを示す。
部品形状表示760は、部品搭載により視認困難に表示されるが、部品記号表示761と操作部表示762と識別補助表示763とは、部品搭載によっても視認容易に表示される。
次に、情報出力端子753の操作状態について図99を用いて説明する。図99は、第7の実施形態の外部情報端子の操作状態の一例を示す図である。図99(1)は、情報出力端子753のロック状態を示す。
情報出力端子753は、電線接続部756,757の開口部が閉塞した状態をロック状態とする。このとき、操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)は、初期位置にあり、付勢部に付勢されて初期位置が保持される。
短尺操作レバー754は、情報出力端子753の本体から水平方向(図示横方向)に距離d1だけ延出し、外部情報端子基板751の部品実装面との間に高さh1だけ間隙を有する。長尺操作レバー755は、情報出力端子753の本体から水平方向に距離d1より大きい距離d2だけ延出し、外部情報端子基板751の部品実装面との間に高さh1より低い高さh2だけ間隙を有する。
図99(2)は、情報出力端子753の解除状態を示す。情報出力端子753は、電線接続部756,757の開口部が開口した状態を解除状態とする。このとき、操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)は、付勢部の付勢に逆らって操作者が押下操作した位置にあり、押下操作によって解除状態が保持される。
短尺操作レバー754は、押下操作により図示しない支点を回動軸にして回動した状態であり、外部情報端子基板751の部品実装面との間に高さh1より低い高さh3だけ間隙を有する。長尺操作レバー755は、押下操作により図示しない支点を回動軸にして回動した状態であり、外部情報端子基板751の部品実装面との間に高さh2かつ高さh3より低い高さh4だけ間隙を有する。
このように、情報出力端子753は、操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)の操作位置が水平方向に異なるだけでなく高さ方向でも異なることから、操作者が操作対象とする操作部を容易に認識可能にする。
なお、外部情報端子板750は、すべての情報出力端子753において短尺操作レバー754と長尺操作レバー755とが交互に配置されるので、1つの情報出力端子753に限らず、すべての情報出力端子753において操作者が操作対象とする操作部を容易に認識可能にする。
次に、第7の実施形態の外部情報端子板750における部品配置の変形例について図100と図101から図102を用いて説明する。図100は、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子とその他部品との配置例を示す図(その1)である。図101は、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子とその他部品との配置例を示す図(その2)である。図102は、第7の実施形態の変形例1のフォトカプラと抵抗の配置例を示す図である。
図100(1)に示す情報出力端子753は、操作部側に抵抗765を配置する。抵抗765は、アイソレーション手段に含まれる受動素子の一つである。抵抗765は、短尺操作レバー754の操作軸754Lの軸線上に乗り、長尺操作レバー755の操作軸755Lの軸線上に乗らない位置に配置される。また、別観点では、抵抗765は、短尺操作レバー754の水平方向干渉ラインL1よりも外側に配置される。ただし、抵抗765は、長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2よりも内側に配置されるものであってもよい。これにより、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、操作性に影響を及ぼすことなく情報出力端子753と抵抗765を高密度に配置することができる。したがって、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、よりコンパクトに形成できる。また、情報出力端子753に対する抵抗765の配置は、短尺操作レバー754と長尺操作レバー755が情報出力端子753に対していずれ側にあるかを示唆する。また、情報出力端子753に対する抵抗765の配置は、短尺操作レバー754と長尺操作レバー755のそれぞれの下方に同程度の空間を確保することから、外部情報端子板750の点検や確認の作業性を損なうことがない。
図100(2)に示す情報出力端子753は、操作部側にフォトカプラ766を配置する。フォトカプラ766は、アイソレーション手段に含まれるリレー素子の一つである。フォトカプラ766は、短尺操作レバー754の操作軸754Lの軸線上に乗り、長尺操作レバー755の操作軸755Lの軸線上に乗らない位置に配置される。また、別観点では、フォトカプラ766は、短尺操作レバー754の水平方向干渉ラインL1よりも外側に配置される。ただし、フォトカプラ766は、長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2よりも内側に配置されるものであってもよい。これにより、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、操作性に影響を及ぼすことなく情報出力端子753とフォトカプラ766を高密度に配置することができる。したがって、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、よりコンパクトに形成できる。また、情報出力端子753に対するフォトカプラ766の配置は、短尺操作レバー754と長尺操作レバー755が情報出力端子753に対していずれ側にあるかを示唆する。また、情報出力端子753に対するフォトカプラ766の配置は、短尺操作レバー754と長尺操作レバー755のそれぞれの下方に同程度の空間を確保することから、外部情報端子板750の点検や確認の作業性を損なうことがない。
なお、図100(1)に示した抵抗765や図100(2)に示したフォトカプラ766は、図100(3)に示したフォトカプラ766のように、短尺操作レバー754の水平方向干渉ラインL1と長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2のいずれよりも外側に配置されるものであってもよい。これにより、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、情報出力端子753とフォトカプラ766を高密度に配置しながら、操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)について十分な操作性を担保する。
図101(1)に示す情報出力端子753は、操作部側に抵抗765とフォトカプラ766を配置する。フォトカプラ766は、短尺操作レバー754の操作軸754Lの軸線上に乗り、長尺操作レバー755の操作軸755Lの軸線上に乗らない位置に配置される。また、別観点では、フォトカプラ766は、短尺操作レバー754の水平方向干渉ラインL1よりも外側に配置される。ただし、フォトカプラ766は、長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2よりも内側に配置されるものであってもよい。抵抗765は、長尺操作レバー755の操作軸755Lの軸線上に乗り、短尺操作レバー754の操作軸754Lの軸線上に乗らない位置に配置される。また、別観点では、抵抗765は、短尺操作レバー754の水平方向干渉ラインL1よりも外側に配置される。ただし、抵抗765は、長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2よりも内側に配置されるものであってもよい。
なお、フォトカプラ766は、抵抗765と比較して部品の背が高い。言い換えれば、抵抗765は、フォトカプラ766と比較して部品の背が低い。したがって、抵抗765は、部品の背が高さh4(図99参照)より低い限りにおいて短尺操作レバー754と長尺操作レバー755のいずれにも干渉しない。また、フォトカプラ766は、部品の背が高さh3(図99参照)より低い限りにおいて短尺操作レバー754と干渉しない。
これにより、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、操作性に影響を及ぼすことなく情報出力端子753とフォトカプラ766と抵抗765を高密度に配置することができる。なお、フォトカプラ766と抵抗765は、高さが異なる実装部品の一例であってその他の実装部品の組合せであってもよい。また、情報出力端子753に対するフォトカプラ766と抵抗765の配置は、短尺操作レバー754と長尺操作レバー755のそれぞれの下方に同程度の空間を確保することから、外部情報端子板750の点検や確認の作業性を損なうことがない。
図101(1)に示す情報出力端子753は、操作軸754Lと操作軸755Lのそれぞれの軸線上に実装部品が位置したが、図101(2)に示す情報出力端子753は、操作軸754Lの軸線上に実装部品が位置する。抵抗765とフォトカプラ766は、短尺操作レバー754の操作軸754Lの軸線上に乗り、長尺操作レバー755の操作軸755Lの軸線上に乗らない位置に配置される。また、別観点では、抵抗765は、短尺操作レバー754の水平方向干渉ラインL1よりも外側に配置され、フォトカプラ766は、長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2よりも外側に配置される。これにより、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、操作性に影響を及ぼすことなく情報出力端子753と抵抗765とフォトカプラ766を高密度に配置することができる。したがって、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、よりコンパクトに形成できる。また、情報出力端子753に対する抵抗765とフォトカプラ766の配置は、短尺操作レバー754と長尺操作レバー755が情報出力端子753に対していずれ側にあるかを示唆する。また、情報出力端子753に対するフォトカプラ766と抵抗765の配置は、短尺操作レバー754と長尺操作レバー755のそれぞれの下方に同程度の空間を確保することから、外部情報端子板750の点検や確認の作業性を損なうことがない。
図101(2)に示す情報出力端子753は、短尺操作レバー754の水平方向干渉ラインL1よりも外側に抵抗765を配置され、長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2よりも外側にフォトカプラ766を配置されたが、図101(3)に示す情報出力端子753は、抵抗765とフォトカプラ766のいずれも長尺操作レバー755の水平方向干渉ラインL2よりも外側に配置される。これにより、第7の実施形態の変形例1の外部情報端子板750は、情報出力端子753と抵抗765とフォトカプラ766を高密度に配置しながら、操作部(短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)について十分な操作性を担保する。
なお、外部情報端子板750は、短尺操作レバー754の操作軸754Lの軸線上に抵抗765とフォトカプラ766とを配置するとき、背の低い部品である抵抗765を背の高い部品であるフォトカプラ766より情報出力端子753側に配置することが操作性の観点から望ましい。
なお、情報出力端子753と対になる部品を情報出力端子753の操作部側に配置したとき、外部情報端子板750は、情報出力端子753と対になる部品との間に操作部表示762を表示する。このとき、操作部表示762は、情報出力端子753と、情報出力端子753と対になる部品との対応関係を明示する対応関係表示として機能する。
図102(1)や図102(2)に示す抵抗765は、フォトカプラ766の第1端子767側に第1色帯543が向くように配置される。なお、フォトカプラ766の第1端子767は、第1端子記号759によって明示されるので、抵抗765は、フォトカプラ766の第1端子記号759側に第1色帯543が向くように配置される、と言い換えることができる。
なお、抵抗765は、カラーコードによって定格を表示する受動素子であって、所要数の色帯を有する。たとえば、抵抗765は、4つの色帯を有し、第1色帯543が示す第1数字と、第2色帯が示す第2数字と、第3色帯が示す乗数と、第4色帯が示す公称抵抗値許容差とを表示する。したがって、抵抗765は、第1色帯543の確認を容易にすることで、抵抗765としての確認容易性を高めることができる。なお、抵抗765は、色帯間隔が狭い側に第1色帯543を表示し、色帯間隔が広い側に第4色帯を表示する。
このような抵抗765の配置は、抵抗765やフォトカプラ766の誤った配設の発見を容易にする。
なお、抵抗765は、カラーコードによって定格を表示する受動素子の一例であって、カラーコードによって定格を表示する受動素子であればアイソレーション手段に含まれるその他の受動素子にも適用可能である。また、フォトカプラ766は、第1端子記号によって第1端子が明示されるリレー素子の一例であって、第1端子記号によって第1端子が明示されるリレー素子であればアイソレーション手段に含まれるその他のリレー素子にも適用可能である。
次に、第7の実施形態の変形例2の外部情報端子板について図103を用いて説明する。図103は、第7の実施形態の変形例2の外部情報端子板の概観の一例を示す図である。
外部情報端子板770は、外部情報端子基板771と、コネクタ752と、情報出力端子753と、フォトカプラ758とを含む。外部情報端子基板771は、コネクタ752と情報出力端子753とフォトカプラ758とを部品実装面に実装する。外部情報端子板770は、1個のコネクタ752(T1)を備える。外部情報端子板770は、コネクタ752と接続するハーネスを介して遊技制御装置100と接続する。
情報出力端子753は、ホールコンピュータ等の外部装置に対して情報出力可能な端子である。外部情報端子板770は、10個の情報出力端子753(CN1からCN10)を1列にして備える。CN1からCN5の5個の情報出力端子753と、CN6からCN10の5個の情報出力端子753は、それぞれ等間隔にして外部情報端子基板771に配置される。そして、CN5の情報出力端子753とCN6の情報出力端子753との配置間隔は、その他の情報出力端子753との配置間隔よりも広く設定される。CN5の情報出力端子753とCN6の情報出力端子753との間隙は、10個の情報出力端子753の位置確認の目安とすることができる。なお、10個の情報出力端子753(CN1からCN10)は、それぞれ異なる色彩が付されることで識別容易にされている。
外部情報端子板770は、10個のフォトカプラ758(PC1からPC10)を1列にして備える。PC1からPC10の10個のフォトカプラ758は、それぞれ等間隔にして外部情報端子基板771に配置される。ただし、10個のフォトカプラ758は、10個の情報出力端子753と比較して密にして配置される。
これにより、外部情報端子基板771は、外部情報端子基板751と比較して図示ハッチング部分相当だけコンパクトに構成できる。なお、外部情報端子基板771は、10個のフォトカプラ758を集約配置したが、アイソレーション手段を構成するその他の受動素子を集約配置するものであってもよい。なお、10個の情報出力端子753は、その操作性を担保する観点から外部情報端子基板751と同様の配置とすることが望ましいが、フォトカプラ758と同様にして集約配置されるものであってもよい。なお、外部情報端子基板771は、集約により不要となる領域(図示ハッチング部分相当)によって非矩形となる場合、集約により不要となる領域をコネクタ752から遠い位置に配置することが望ましい。コンパクトに構成された外部情報端子板770は、遊技機10における配設自由度が向上する。
上述した第7の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1) 遊技機10は、外部装置(たとえば、ホールコンピュータ)に情報を出力可能な外部情報端子板(たとえば、外部情報端子板750)を備える。外部情報端子板は、レバー部(たとえば、短尺操作レバー754、長尺操作レバー755)の操作により電線を接続可能な情報出力端子(たとえば、情報出力端子753)と、情報出力端子を配設する基板(たとえば、外部情報端子基板751)とを備える。基板は、情報出力端子の配設位置(たとえば、部品形状表示760)とレバー部の操作位置(たとえば、操作部表示762)とを、情報出力端子が配設された配設面の表示内容に含む(図97、図98参照)。
(2) (1)の外部情報端子板は、2以上の情報出力端子(たとえば、情報出力端子753(CN1からCN10))と、外部装置と当該遊技機とを絶縁するアイソレーション手段(たとえば、フォトカプラ766)を情報出力端子ごとに備える。基板は、対をなす情報出力端子とアイソレーション手段とを、当該情報出力端子のレバー部の操作軸(たとえば、操作軸754L)上に並べて配設する(図100(2)参照)。
(3) (1)の外部情報端子板は、情報出力端子と、外部装置と当該遊技機とを絶縁するアイソレーション手段(たとえば、情報出力端子753)を備える。情報出力端子は、1対2線の電線のうち第1の電線を第1のレバー部(たとえば、長尺操作レバー755)の操作により接続可能であり、第2の電線を第2のレバー部(たとえば、短尺操作レバー754)の操作により接続可能である。第1のレバー部の可動域は、配設面から第1の高さ(たとえば、高さh4)だけ非干渉であり、第2のレバー部の可動域は、配設面から第1の高さより大きい第2の高さ(たとえば、高さh3)だけ非干渉である。基板は、第1のレバー部より第2のレバー部に近接させてアイソレーション手段を配設する(図100(2)参照)。
(4) (1)の外部情報端子板は、情報出力端子と、外部装置と当該遊技機とを絶縁するアイソレーション手段を備える。アイソレーション手段は、リレー素子(たとえば、フォトカプラ766)と、カラーコードによって定格を表示する受動素子(たとえば、抵抗765)とを含む。基板は、受動素子のカラーコードの第1色帯をリレー素子の第1端子に向けて受動素子とリレー素子とを並べて配設する(図102参照)。
(5) (1)の外部情報端子板(たとえば、外部情報端子板770)は、情報出力端子と、外部装置と当該遊技機とを絶縁するアイソレーション手段を備える。アイソレーション手段は、アイソレーション手段構成素子(たとえば、フォトカプラ766等のリレー素子や、抵抗765等の受動素子)を含む。基板は、情報出力端子の配設と比較してアイソレーション手段構成素子を集約する(図103参照)。
[第8の実施形態]
次に、第8の実施形態の遊技機10について説明する。第8の実施形態の遊技機10は、液晶表示装置のバックライトからの照射光を用いて遊技機設置環境下の作業性を向上する。まず、遊技機10における液晶表示装置の配置環境について図104を用いて説明する。図104は、第8の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
図104は、遊技機10が外枠(本体枠)11に対して前面枠12を開放する様子を示す。遊技機10は、一般に島と呼ばれる遊技場設備に外枠11を固定し、前面枠12を開放することによって係員によるメンテナンス作業をおこなえるようにしている。そのため、遊技機10は、外枠11に前面枠12を軸支する軸支側よりも開放側において、設置環境でのメンテナンス作業性が優れる。特に、近時の遊技機は、前面枠12の前面側構成部材(たとえば、枠装飾装置18や上皿21等)の突出量が大きいことから、前面枠12が遊技場設備(たとえば、呼び出しランプや、カードユニット等)と干渉し、前面枠12の開放量が制限される場合がある。なお、外枠11は、左側を回動軸として前面枠12を開閉可能にするが、右側を回動軸として前面枠12を開閉可能にするものであってもよい。
前面枠12は、遊技盤30の裏面側に遊技制御装置100と演出制御装置300とを備える。遊技制御装置100は、コネクタ接続部を臨ませて基板ボックスに収容される遊技制御基板510を含む。演出制御装置300は、コネクタ接続部を臨ませて基板ボックスに収容される演出制御基板511を含む。さらに、前面枠12は、前面枠12から裏面側に臨む各種基板512,513,514を備える。各種基板512,513,514は、制御基板(たとえば、払出制御基板)、中継基板(たとえば、中継基板70)、その他基板(たとえば、LED基板やセンサ基板)等である。また、前面枠12は、前面枠12を開放したときに部品実装面を視認可能にして、遊技制御基板510、演出制御基板511、各種基板512,513,514を支持する。
遊技機10は、遊技制御基板510、演出制御基板511、および各種基板512,513,514をハーネスにより電気的に接続する。このとき、ハーネスは、基板間の信号を送受信する信号線、または基板間の電力を送信する電力線として機能する。
前面枠12は、各種基板と、図示を省略するが基板に接続するハーネスとを裏面側に臨ませて備える。なお、前面枠12は、図示しない保護カバーを介して基板やハーネスを裏面側に臨ませる場合がある。
遊技機10は、表示部を前面側に臨ませる液晶表示装置780を備える。液晶表示装置780は、前面側に表示部を臨ませる開口と、バックライトのからの照射光を裏面側に漏らす複数のスリット781,782を備える。
次に、液晶表示装置780について図105を用いて説明する。図105は、第8の実施形態の液晶表示装置の分解斜視図である。
液晶表示装置780は、筐体783,787と、液晶パネル785と、バックライト786とを含む。筐体783と筐体787は、勘合により箱体(略直方体)を形成し、内部に液晶パネル785とバックライト786を収容する。筐体783は、遊技機10の前面側に向いて備えられ、筐体787は、遊技機10の背面側に向いて備えられる。筐体783は、前面開口784を有する額縁形状であり、液晶パネル785の表示領域を遊技機10の前面側に前面開口784から臨ませる。
液晶パネル785は、バックライト786を背面側にして備えられ、バックライト786からの照射光を用いて表示領域に映像を表示する。バックライト786は、図示しない光源と光拡散手段等を含んで構成され、照度を一様にした光を液晶パネル785に照射する。筐体787は、箱体形状であり、液晶パネル785やバックライト786を収容して保護する。また、筐体787は、バックライト786が効率よく液晶パネル785に光を照射するよう液晶パネル785の背面側を覆う。筐体787は、複数(たとえば、3個)のスリット(上部スリット)781を上部に一列に整列して備え、複数(たとえば、3個)のスリット(下部スリット)782を下部に一列に整列して備える。
スリット781は、筐体783の上縁部に対応する位置に設けられ、スリット782は、筐体783の下縁部に対応する位置に設けられる。したがって、スリット781,782は、筐体783の前面開口784の背面を避けて設けられる。これにより、液晶表示装置780は、スリット781,782を有しても好適な映像を表示することができる。
スリット781,782は、その開口から遊技機10の背面側にバックライト786の照射光の一部を漏らすことができる。
次に、液晶表示装置780と遊技制御装置100、演出制御装置300の配置関係について図106を用いて説明する。図106は、液晶表示装置における下部スリットの1つと、遊技制御装置、演出制御装置を通る断面の一例を示す図である。
前面枠12は、取付ベース788を備え、取付ベース788を介して遊技制御装置100と演出制御装置300とを支持する。なお、遊技制御装置100と演出制御装置300とは、それぞれ別体の取付ベースに支持されるものであってもよい。
遊技制御装置100は、基板ボックス520に遊技制御基板510を収容する。基板ボックス520は、正面視で略長方形の箱型形状であり、透明部材により形成される。遊技制御基板510は、矩形(たとえば長方形)のガラスエポキシ基板である。遊技制御基板510は、表面を部品実装面とし、裏面を半田面とする2層基板である。遊技制御基板510は、所要数のコネクタ794と部品を部品実装面に備える。コネクタ794は、基板ボックス520に設けられた開口となる窓部から基板ボックス520の外部に臨み、所定のハーネスとコネクタ接続可能にしている。
演出制御装置300は、基板ボックス790に演出制御基板511を収容する。基板ボックス790は、正面視で略長方形の箱型形状であり、透明部材により形成される。遊技制御基板511は、矩形(たとえば長方形)のガラスエポキシ基板である。遊技制御基板510は、表面と裏面と部品実装面とする多層基板である。演出制御基板511は、所要数のコネクタ791と部品を備える。コネクタ791は、基板ボックス790に設けられた開口となる窓部から基板ボックス790の外部に臨み、所定のハーネスとコネクタ接続可能にしている。
液晶表示装置780は、図示されない取付ベースを介して前面枠12に支持される。なお、液晶表示装置780は、遊技制御装置100、演出制御装置300と同様に取付ベース788を介して前面枠12に支持されるものであってもよい。
液晶表示装置780は、高さw1のスリット782を備える。液晶表示装置780は、スリット782の開口延長上にバックライト786を配置し、スリットから遊技機10の背面側に好適に光が漏れるようにしている。また、液晶表示装置780は、スリット782の開口延長上に液晶パネル785の表示領域が位置しないようにしてスリット782が映像の視認性を損なうことを抑止している。また、液晶表示装置780は、スリット782の開口延長上に筐体783の上縁部を配置し、液晶表示装置780の正面視でスリット782を視認できないようにしている。
スリット782からの漏れ光は、光線L1,L2の範囲内で遊技機10の裏面側を照射する。遊技機10は、スリット782からの漏れ光の照射範囲に、遊技制御装置100と演出制御装置300の間隙(幅w2)を配置する。取付ベース788は、透明部材から構成されるため、スリット782からの漏れ光は、取付ベース788を透過して遊技機10の裏面側を照射する。また、基板ボックス520は、透明部材から構成されるため、スリット782からの漏れ光は、基板ボックス520を透過して遊技制御基板510やコネクタ794を照射する。また、基板ボックス790は、透明部材から構成されるため、スリット782からの漏れ光は、基板ボックス790を透過して演出制御基板511やコネクタ791を照射する。このようなスリット782からの漏れ光は、遊技制御基板510や演出制御基板511によって遮光されない範囲(幅w3)で遊技機10の裏面側を照射する。
したがって、遊技機10は、スリット782からの漏れ光によって遊技制御装置100や演出制御装置300の観察を容易にする。また、遊技機10は、スリット782からの漏れ光によって遊技制御基板510や演出制御基板511の観察を容易にする。また、遊技機10は、スリット782からの漏れ光によってコネクタ791やコネクタ794の観察を容易にする。また、遊技機10は、スリット782からの漏れ光によってコネクタ791と接続するハーネスや、コネクタ794と接続するハーネスの観察を容易にする。また、遊技機10は、スリット782からの漏れ光によって遊技機10の裏面側のその他範囲の観察を容易にする。このような遊技機10は、簡易な構成で遊技機設置環境下の作業性を向上する。なお、スリット782について説明したが、スリット781についてもその他の範囲について遊技機設置環境下の作業性を向上することができる。
次に、遊技制御装置100のケーブル(ハーネス)引回しについて図107を用いて説明する。図107は、第8の実施形態の遊技制御装置のケーブル引回しの一例を示す図である。
遊技機10は、スリット782からの漏れ光を基板ボックス510が透過し、遊技制御基板510が遮光するため、遊技制御装置100の周辺においては図示ハッチングの範囲にスリット照射光観察領域796を有する。遊技機10は、遊技制御装置100のコネクタ894と接続するハーネスをケーブル引回し領域797の範囲にする。ケーブル引回し領域797は、係止部798,799が遊技制御装置100のコネクタ894と接続するハーネスの引き回し方向を規制することで実現する。ケーブル引回し領域797は、遊技制御基板510上であって、かつコネクタ配設領域の上にある。これにより、遊技制御装置100のコネクタ894と接続するハーネスがスリット照射光観察領域796を覆うことを抑制する。なお、遊技機10は、すべてのケーブルがスリット照射光観察領域796に干渉しないことを要求するものではない。遊技機10は、必要なケーブルがスリット照射光観察領域796に干渉することを許容し、不必要なケーブルがスリット照射光観察領域796に干渉することを制限するものである。
次に、第8の実施形態の変形例1について図108を用いて説明する。図108は、第8の実施形態の変形例1の遊技制御基板の観察時の見え方の一例を示す図である。
遊技制御基板800は、端部に情報表示領域801を備える。情報表示領域801は、GNDパターン803に囲われるようにしたGNDパターンベタ抜き部に、導体パターンにより形成された情報表示パターン802を有する。たとえば、情報表示パターン802は、製造者名「株式会社 甲」を表示する。なお、情報表示パターン802は、製造者名に限らず、メーカ名、基板管理番号等、その他の情報であってもよいし、1つに限らず2以上の情報を含むものであってもよい。
GNDパターン803と情報表示パターン802は、背面からの照射光を遮光するが、GNDパターンベタ抜き部は、背面からの照射光の一部を透過する。情報表示領域801は、スリット782からの漏れ光が背面から照射されるスリット照射光観察領域804の領域内に配置される。これにより、遊技機10は、遊技制御基板800の表面を照射する光源を頼りにできない場合にスリット782からの漏れ光を頼りにして情報表示パターン802を観察可能にする。
次に、第8の実施形態の変形例2について図109を用いて説明する。図109は、第8の実施形態の変形例2のスリット照射対象の一例を示す図である。
スリット781は、その漏れ光によって遊技機10の球流路810を裏面から照射する。球流路810は、裏面からの光を前面に透過する透過観察窓(透過窓)811を備える。透過観察窓811を透過する透過光は、球流路810を流下する遊技球によって遮光される。したがって、スリット781は、球流路810における遊技球の流下状態を暗所においても観察可能にする。
なお、遊技機10は、スリット781からの漏れ光による観察対象を球流路810としたが、観察対象は、これに限られない。遊技機10は、スリット781からの漏れ光によって動作状態を確認可能なその他の構造体(たとえば、装飾装置等の可動部、球送り装置等)を観察対象とすることができる。
このように、スリット781,782からの漏れ光は、本来用途の照明性能を低下させることなく、簡易な構成で遊技機設置環境下の作業性を向上できる。なお、スリット781,782の位置、形状、数は、任意に変更可能であってもよい。
上述した第8の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1) 遊技機10は、液晶表示装置(たとえば、液晶表示装置780)と、背面側に配設される第1の基板(たとえば、遊技制御基板510)と、第1の基板と間隙を有して背面側に配設される第2の基板(たとえば、演出制御基板511)と、を含む。液晶表示装置は、液晶パネル(たとえば、液晶パネル785)と、液晶パネルの光源となるバックライト(たとえば、バックライト786)と、液晶パネルを前面開口(たとえば、前面開口784)から臨ませるとともにバックライトを収容する筐体(たとえば、筐体783,787)とを含む。筐体は、バックライトからの出射光を背面側に漏洩するスリット(たとえば、スリット781,782)を第1の基板と第2の基板の間隙から臨む位置に備える(図106参照)。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。