JP2019146449A - 電力変換システム - Google Patents

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中林 弘一
Koichi Nakabayashi
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Abstract

【課題】コンバータにおけるフィードバック制御を安定させる電力変換システムを得ること。【解決手段】電力変換システム1は、複数のコンバータと、系統連系インバータ5とを有する。各コンバータは、コンバータから出力される直流電力の電圧の値を設定された電圧指令値に一致させるフィードバック制御を行うフィードバック制御部24,34,44を有する。フィードバック制御部24,34,44は、当該フィードバック制御部24,34,44が含まれているコンバータが有する平滑コンデンサ22,32,42の静電容量値と、当該フィードバック制御部24,34,44が含まれていないコンバータが有する平滑コンデンサ22,32,42の静電容量値と系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51の静電容量値とのうちの少なくともひとつの静電容量値とをもとに、フィードバック制御の制御ゲインを決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、直流電力の電圧を変換するコンバータと直流電力を交流電力に変換する系統連系インバータとを有する電力変換システムに関する。
太陽光発電システムの普及に伴い、総発電電力における太陽光発電システムによる発電電力の比率が年々増加している。太陽光発電システムに代表される自然エネルギを利用する発電システムには、発電電力量が天候によって変動するという問題がある。この問題に対処するために、太陽電池と蓄電池とを併用するシステムが実用化されている。これに伴い、直流電力の電圧を変換する複数のコンバータを有し、複数の直流電力源から出力される直流電力をもとに直流電力を出力するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5451504号公報
コンバータは、コンバータから出力される直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサを有する。従来のシステムでは、複数のコンバータは並列に接続されている。つまり、従来のシステムでは、複数の平滑コンデンサは並列に接続されている。複数のコンバータの各々は、コンバータから出力される直流電力の電圧の値を設定された電圧指令値に一致させるフィードバック制御を行う。
複数のコンバータが並列に接続されている場合、複数のコンバータの各々は、他のコンバータが有する平滑コンデンサの影響を受けるので、他のコンバータに並列に接続されておらず単独で動作する場合に比べて、フィードバック制御を安定して行うことができない。例えば、複数のコンバータの各々が行うフィードバック制御の応答速度は、複数のコンバータが並列に接続されていない場合に比べて遅くなる。
複数のコンバータと系統連系インバータとを有する電力変換システムにおいても、複数のコンバータの各々は、他のコンバータに並列に接続されておらずかつ系統連系インバータに接続されていない場合に比べて、フィードバック制御を安定して行うことができない。複数のコンバータと系統連系インバータとを有する電力変換システムにおいて、複数のコンバータの各々がフィードバック制御を安定して行うことを実現する技術が提供されることが要求されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンバータがフィードバック制御を安定して行う電力変換システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、直流電力源から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて前記直流電力をもとにした直流電力を出力する複数のコンバータと、前記複数のコンバータの各々が出力した直流電力を交流電力に変換する系統連系インバータとを有する。前記複数のコンバータの各々は、前記コンバータから出力される直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記出力される直流電力の電圧を計測する電圧計測部と、前記電圧計測部によって計測された電圧の値を設定された電圧指令値に一致させるフィードバック制御を行うフィードバック制御部とを有する。前記系統連系インバータは、前記複数のコンバータの各々が出力した直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサを有する。前記複数のコンバータのうちの少なくともひとつのコンバータが有する前記フィードバック制御部は、前記少なくともひとつのコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値と、前記複数のコンバータのうちの前記少なくともひとつのコンバータ以外のコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値と前記系統連系インバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値とのうちの少なくともひとつの静電容量値とをもとに、前記フィードバック制御の制御ゲインを決定する。
本発明は、コンバータがフィードバック制御を安定して行うことができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる電力変換システムの構成を示す図 実施の形態1にかかる電力変換システムの蓄電池用コンバータが有するフィードバック制御部の構成を示す図 実施の形態1にかかる電力変換システムの太陽電池用コンバータが有するフィードバック制御部の構成を示す図 実施の形態1にかかる電力変換システムの電気自動車用コンバータが有するフィードバック制御部の構成を示す図 実施の形態1にかかる電力変換システムの系統連系インバータが有するフィードバック制御部の構成を示す図 実施の形態1にかかる電力変換システムにおける制御ゲインに関連する動作の手順を示すシーケンス図 実施の形態2にかかる電力変換システムの構成を示す図 実施の形態3にかかる電力変換システムの構成を示す図 実施の形態1にかかる電力変換システムが有するフィードバック制御部及びシステム制御部を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図 実施の形態1にかかる電力変換システムが有するフィードバック制御部及びシステム制御部の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合のプロセッサを示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる電力変換システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、実施の形態1にかかる電力変換システム1の構成を説明する。図1は、実施の形態1にかかる電力変換システム1の構成を示す図である。電力変換システム1は、蓄電池61から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて当該直流電力をもとにした直流電力を出力する蓄電池用コンバータ2を有する。図1には、蓄電池61も示されている。蓄電池61は、直流電力源の例である。蓄電池61は、直流電力を蓄える機能を有すると共に蓄えた直流電力を出力する機能を有する。蓄電池用コンバータ2は、複数のコンバータのうちのひとつのコンバータの例である。
電力変換システム1は、太陽電池62から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて当該直流電力をもとにした直流電力を出力する太陽電池用コンバータ3を更に有する。図1には、太陽電池62も示されている。太陽電池62は、直流電力源の例である。太陽電池62は、光を直流電力に変換し、変換によって得られた直流電力を出力する機能を有する。太陽電池用コンバータ3は、複数のコンバータのうちのひとつのコンバータの例である。
電力変換システム1は、電気自動車63から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて当該直流電力をもとにした直流電力を出力する電気自動車用コンバータ4を更に有する。図1には、電気自動車63も示されている。電気自動車63は、直流電力源の例である。電気自動車63は、直流電力を出力する機能を有する。電気自動車用コンバータ4は、複数のコンバータのうちのひとつのコンバータの例である。
電力変換システム1は、蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4の各々が出力した直流電力を交流電力に変換する系統連系インバータ5を更に有する。蓄電池用コンバータ2と、太陽電池用コンバータ3と、電気自動車用コンバータ4とは、系統連系インバータ5に並列に接続されている。系統連系インバータ5は、商用電力系統64と、負荷65とに接続されている。図1には、商用電力系統64及び負荷65も示されている。負荷65は、商用電力系統64にも接続されている。負荷65の例は、エアーコンディショナ又は冷蔵庫である。系統連系インバータ5は、変換によって得られた交流電力を商用電力系統64及び負荷65に出力する機能を有する。
電力変換システム1は、筐体を更に有する。図1には、当該筐体は示されていない。蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3、電気自動車用コンバータ4及び系統連系インバータ5は、当該筐体に収められている。図1には、商用電力系統64と負荷65とを接続する電力線に設けられている電流計測用変流器66も示されている。電流計測用変流器66は、当該電力線を流れる電流を計測する。当該電流の例は、系統連系インバータ5から商用電力系統64に逆潮流された電力の電流である。電流計測用変流器66によって計測された電流の値を示す情報は、系統連系インバータ5によって受け取られる。
蓄電池用コンバータ2は、蓄電池61から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて当該直流電力をもとにした直流電力を出力するDC−DC電力変換部21を有する。DCは、“Direct Current”の略語である。蓄電池用コンバータ2は、蓄電池用コンバータ2から出力される直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサ22を更に有する。言い換えると、平滑コンデンサ22は、DC−DC電力変換部21が出力した直流電力の電圧を平滑化する。平滑コンデンサ22によって電圧が平滑化された直流電力は、蓄電池用コンバータ2から系統連系インバータ5に出力される。
蓄電池用コンバータ2は、蓄電池用コンバータ2から出力される直流電力の電圧を計測する電圧計測部23を更に有する。つまり、電圧計測部23は、平滑コンデンサ22の両端の電圧を計測する。蓄電池用コンバータ2は、電圧計測部23によって計測された電圧の値を設定された電圧指令値に一致させるフィードバック制御を行うフィードバック制御部24を更に有する。言い換えると、フィードバック制御部24は、電圧計測部23によって計測された電圧の値をもとにした制御指令であって、DC−DC電力変換部21を制御するための制御指令をDC−DC電力変換部21に出力する。電圧計測部23によって計測された電圧の値を示す情報は、フィードバック制御部24によって受け取られる。
太陽電池用コンバータ3は、太陽電池62から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて当該直流電力をもとにした直流電力を出力するDC−DC電力変換部31を有する。太陽電池用コンバータ3は、太陽電池用コンバータ3から出力される直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサ32を更に有する。言い換えると、平滑コンデンサ32は、DC−DC電力変換部31が出力した直流電力の電圧を平滑化する。平滑コンデンサ32によって電圧が平滑化された直流電力は、太陽電池用コンバータ3から系統連系インバータ5に出力される。
太陽電池用コンバータ3は、太陽電池用コンバータ3から出力される直流電力の電圧を計測する電圧計測部33を更に有する。つまり、電圧計測部33は、平滑コンデンサ32の両端の電圧を計測する。太陽電池用コンバータ3は、電圧計測部33によって計測された電圧の値を設定された電圧指令値に一致させるフィードバック制御を行うフィードバック制御部34を更に有する。言い換えると、フィードバック制御部34は、電圧計測部33によって計測された電圧の値をもとにした制御指令であって、DC−DC電力変換部31を制御するための制御指令をDC−DC電力変換部31に出力する。電圧計測部33によって計測された電圧の値を示す情報は、フィードバック制御部34によって受け取られる。
電気自動車用コンバータ4は、電気自動車63から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて当該直流電力をもとにした直流電力を出力するDC−DC電力変換部41を有する。電気自動車用コンバータ4は、電気自動車用コンバータ4から出力される直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサ42を更に有する。言い換えると、平滑コンデンサ42は、DC−DC電力変換部41が出力した直流電力の電圧を平滑化する。平滑コンデンサ42によって電圧が平滑化された直流電力は、電気自動車用コンバータ4から系統連系インバータ5に出力される。
電気自動車用コンバータ4は、電気自動車用コンバータ4から出力される直流電力の電圧を計測する電圧計測部43を更に有する。つまり、電圧計測部43は、平滑コンデンサ42の両端の電圧を計測する。電気自動車用コンバータ4は、電圧計測部43によって計測された電圧の値を設定された電圧指令値に一致させるフィードバック制御を行うフィードバック制御部44を更に有する。言い換えると、フィードバック制御部44は、電圧計測部43によって計測された電圧の値をもとにした制御指令であって、DC−DC電力変換部41を制御するための制御指令をDC−DC電力変換部41に出力する。電圧計測部43によって計測された電圧の値を示す情報は、フィードバック制御部44によって受け取られる。
系統連系インバータ5は、蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4の各々が出力した直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサ51を有する。系統連系インバータ5は、平滑コンデンサ51によって電圧が平滑化された直流電力を交流電力に変換する機能を有するDC−AC電力変換部52を更に有する。ACは、“Alternating Current”の略語である。DC−AC電力変換部52が変換することによって得られた交流電力は、系統連系インバータ5から商用電力系統64と負荷65との一方又は双方に出力される。
系統連系インバータ5は、電流計測用変流器66によって計測された電流の値を示す情報を電流計測用変流器66から受け取って、当該情報が示す電流の値をもとに電力を計測する電力計測部53を更に有する。系統連系インバータ5は、電力計測部53によって計測された電力の値を設定された電力指令値に一致させるフィードバック制御を行うフィードバック制御部54を更に有する。更に言うと、フィードバック制御部54は、電力計測部53によって計測された電力の値をもとにした制御指令であって、DC−AC電力変換部52を制御するための制御指令をDC−AC電力変換部52に出力する。電力計測部53によって計測された電力の値を示す情報は、フィードバック制御部54によって受け取られる。
系統連系インバータ5は、蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御部24と、太陽電池用コンバータ3のフィードバック制御部34と、電気自動車用コンバータ4のフィードバック制御部44と、系統連系インバータ5のフィードバック制御部54とに接続されているシステム制御部55を更に有する。システム制御部55は、蓄電池用コンバータ2が有する平滑コンデンサ22の静電容量値と、太陽電池用コンバータ3が有する平滑コンデンサ32の静電容量値と、電気自動車用コンバータ4が有する平滑コンデンサ42の静電容量値と、系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51の静電容量値とを加算して平滑コンデンサの静電容量値の合計を算出する。
図2は、実施の形態1にかかる電力変換システム1の蓄電池用コンバータ2が有するフィードバック制御部24の構成を示す図である。フィードバック制御部24は、電圧計測部23によって計測された電圧の値から設定された電圧指令値を差し引いて減算値を得る減算部241を有する。図2では、電圧計測部23によって計測された電圧の値は、「電圧計測値」と記載されている。
フィードバック制御部24は、減算部241によって得られた減算値をもとにDC−DC電力変換部21を制御するための制御指令を生成して制御指令をDC−DC電力変換部21に出力する電圧制御補償器242を更に有する。
フィードバック制御部24は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取る制御ゲイン設定部243を更に有する。制御ゲイン設定部243は、受け取った情報をもとにDC−DC電力変換部21を制御するための制御ゲインを算出し、算出した制御ゲインを特定する情報を電圧制御補償器242に出力する。電圧制御補償器242は、減算部241によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部243から出力された情報が示す制御ゲインとをもとにDC−DC電力変換部21を制御するための制御指令を生成する。
フィードバック制御部24は、平滑コンデンサ22の静電容量値を示す情報を記憶する記憶部244を更に有する。記憶部244が記憶する静電容量値を示す情報は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55に出力される。
図3は、実施の形態1にかかる電力変換システム1の太陽電池用コンバータ3が有するフィードバック制御部34の構成を示す図である。フィードバック制御部34は、電圧計測部33によって計測された電圧の値から設定された電圧指令値を差し引いて減算値を得る減算部341を有する。図3では、電圧計測部33によって計測された電圧の値は、「電圧計測値」と記載されている。
フィードバック制御部34は、減算部341によって得られた減算値をもとにDC−DC電力変換部31を制御するための制御指令を生成して制御指令をDC−DC電力変換部31に出力する電圧制御補償器342を更に有する。
フィードバック制御部34は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取る制御ゲイン設定部343を更に有する。制御ゲイン設定部343は、受け取った情報をもとにDC−DC電力変換部31を制御するための制御ゲインを算出し、算出した制御ゲインを特定する情報を電圧制御補償器342に出力する。電圧制御補償器342は、減算部341によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部343から出力された情報が示す制御ゲインとをもとにDC−DC電力変換部31を制御するための制御指令を生成する。
フィードバック制御部34は、平滑コンデンサ32の静電容量値を示す情報を記憶する記憶部344を更に有する。記憶部344が記憶する静電容量値を示す情報は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55に出力される。
図4は、実施の形態1にかかる電力変換システム1の電気自動車用コンバータ4が有するフィードバック制御部44の構成を示す図である。フィードバック制御部44は、電圧計測部43によって計測された電圧の値から設定された電圧指令値を差し引いて減算値を得る減算部441を有する。図4では、電圧計測部43によって計測された電圧の値は、「電圧計測値」と記載されている。
フィードバック制御部44は、減算部441によって得られた減算値をもとにDC−DC電力変換部41を制御するための制御指令を生成して制御指令をDC−DC電力変換部41に出力する電圧制御補償器442を更に有する。
フィードバック制御部44は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取る制御ゲイン設定部443を更に有する。制御ゲイン設定部443は、受け取った情報をもとにDC−DC電力変換部41を制御するための制御ゲインを算出し、算出した制御ゲインを特定する情報を電圧制御補償器442に出力する。電圧制御補償器442は、減算部441によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部443から出力された情報が示す制御ゲインとをもとにDC−DC電力変換部41を制御するための制御指令を生成する。
フィードバック制御部44は、平滑コンデンサ42の静電容量値を示す情報を記憶する記憶部444を更に有する。記憶部444が記憶する静電容量値を示す情報は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55に出力される。
図5は、実施の形態1にかかる電力変換システム1の系統連系インバータ5が有するフィードバック制御部54の構成を示す図である。フィードバック制御部54は、電力計測部53によって計測された電力の値から設定された電力指令値を差し引いて減算値を得る減算部541を有する。図5では、電力計測部53によって計測された電力の値は、「電力計測値」と記載されている。
フィードバック制御部54は、減算部541によって得られた減算値をもとにDC−AC電力変換部52を制御するための制御指令を生成して制御指令をDC−AC電力変換部52に出力する電力制御補償器542を更に有する。
フィードバック制御部54は、システム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取る制御ゲイン設定部543を更に有する。制御ゲイン設定部543は、受け取った情報をもとにDC−AC電力変換部52を制御するための制御ゲインを算出し、算出した制御ゲインを特定する情報を電力制御補償器542に出力する。電力制御補償器542は、減算部541によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部543から出力された情報が示す制御ゲインとをもとにDC−AC電力変換部52を制御するための制御指令を生成する。
フィードバック制御部54は、平滑コンデンサ51の静電容量値を示す情報を記憶する記憶部544を更に有する。記憶部544が記憶する静電容量値を示す情報は、システム制御部55に出力される。
次に、実施の形態1にかかる電力変換システム1の動作を説明する。蓄電池用コンバータ2の記憶部244は、記憶している平滑コンデンサ22の静電容量値を示す情報を系統連系インバータ5が有するシステム制御部55に出力する。太陽電池用コンバータ3の記憶部344は、記憶している平滑コンデンサ32の静電容量値を示す情報をシステム制御部55に出力する。電気自動車用コンバータ4の記憶部444は、記憶している平滑コンデンサ42の静電容量値を示す情報をシステム制御部55に出力する。系統連系インバータ5の記憶部544は、記憶している平滑コンデンサ51の静電容量値を示す情報をシステム制御部55に出力する。
システム制御部55は、平滑コンデンサ22、平滑コンデンサ32、平滑コンデンサ42及び平滑コンデンサ51の各々の静電容量値を示す情報を受け取り、平滑コンデンサ22、平滑コンデンサ32、平滑コンデンサ42及び平滑コンデンサ51の各々の静電容量値を加算して、平滑コンデンサの静電容量値の合計を算出する。システム制御部55は、平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を、フィードバック制御部24が有する制御ゲイン設定部243と、フィードバック制御部34が有する制御ゲイン設定部343と、フィードバック制御部44が有する制御ゲイン設定部443と、フィードバック制御部54が有する制御ゲイン設定部543とに出力する。
蓄電池用コンバータ2において、DC−DC電力変換部21は、フィードバック制御部24から出力された制御指令をもとに蓄電池61から出力された直流電力の電圧を変換し、変換後の直流電力を平滑コンデンサ22に出力する。平滑コンデンサ22は、DC−DC電力変換部21が出力した直流電力の電圧を平滑化する。電圧計測部23は、平滑コンデンサ22の両端の電圧を計測し、計測した電圧の値を示す情報をフィードバック制御部24に出力する。
フィードバック制御部24において、減算部241は、電圧計測部23によって計測された電圧の値から設定された電圧指令値を差し引いて減算値を得る。制御ゲイン設定部243は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取り、受け取った情報をもとにDC−DC電力変換部21を制御するための制御ゲインを算出する。制御ゲイン設定部243は、算出した制御ゲインを特定する情報を電圧制御補償器242に出力する。
電圧制御補償器242は、減算部241によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部243から出力された情報が示す制御ゲインとをもとに、DC−DC電力変換部21を制御するための制御指令を生成する。電圧制御補償器242は、生成した制御指令をDC−DC電力変換部21に出力する。
太陽電池用コンバータ3において、DC−DC電力変換部31は、フィードバック制御部34から出力された制御指令をもとに太陽電池62から出力された直流電力の電圧を変換し、変換後の直流電力を平滑コンデンサ32に出力する。平滑コンデンサ32は、DC−DC電力変換部31が出力した直流電力の電圧を平滑化する。電圧計測部33は、平滑コンデンサ32の両端の電圧を計測し、計測した電圧の値を示す情報をフィードバック制御部34に出力する。
フィードバック制御部34において、減算部341は、電圧計測部33によって計測された電圧の値から設定された電圧指令値を差し引いて減算値を得る。制御ゲイン設定部343は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取り、受け取った情報をもとにDC−DC電力変換部31を制御するための制御ゲインを算出する。制御ゲイン設定部343は、算出した制御ゲインを特定する情報を電圧制御補償器342に出力する。
電圧制御補償器342は、減算部341によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部343から出力された情報が示す制御ゲインとをもとに、DC−DC電力変換部31を制御するための制御指令を生成する。電圧制御補償器342は、生成した制御指令をDC−DC電力変換部31に出力する。
電気自動車用コンバータ4において、DC−DC電力変換部41は、フィードバック制御部44から出力された制御指令をもとに電気自動車63から出力された直流電力の電圧を変換し、変換後の直流電力を平滑コンデンサ42に出力する。平滑コンデンサ42は、DC−DC電力変換部41が出力した直流電力の電圧を平滑化する。電圧計測部43は、平滑コンデンサ42の両端の電圧を計測し、計測した電圧の値を示す情報をフィードバック制御部44に出力する。
フィードバック制御部44において、減算部441は、電圧計測部43によって計測された電圧の値から設定された電圧指令値を差し引いて減算値を得る。制御ゲイン設定部443は、系統連系インバータ5が有するシステム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取り、受け取った情報をもとにDC−DC電力変換部41を制御するための制御ゲインを算出する。制御ゲイン設定部443は、算出した制御ゲインを特定する情報を電圧制御補償器442に出力する。
電圧制御補償器442は、減算部441によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部443から出力された情報が示す制御ゲインとをもとに、DC−DC電力変換部41を制御するための制御指令を生成する。電圧制御補償器442は、生成した制御指令をDC−DC電力変換部41に出力する。
蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4の各々が出力した直流電力は結合され、系統連系インバータ5において、平滑コンデンサ51は、結合後の直流電力の電圧を平滑化する。DC−AC電力変換部52は、平滑コンデンサ51によって電圧が平滑化された直流電力を交流電力に変換する。DC−AC電力変換部52は、変換によって得られた交流電力を負荷65に出力する。DC−AC電力変換部52は、変換によって得られた交流電力のうちの負荷65によって消費される電力以外の余剰の電力を商用電力系統64に逆潮流する。
電力計測部53は、電流計測用変流器66によって計測された商用電力系統64に逆潮流された電力の電流の値と、商用電力系統64に逆潮流された電力の電圧の値とをもとに、商用電力系統64に逆潮流された電力の値を計測する。なお、商用電力系統64に逆潮流された電力の電圧を計測する手段は、図示されていない。
フィードバック制御部54において、減算部541は、電力計測部53によって計測された電力の値から設定された電力指令値を差し引いて減算値を得る。制御ゲイン設定部543は、システム制御部55から出力された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受け取り、受け取った情報をもとにDC−AC電力変換部52を制御するための制御ゲインを算出する。制御ゲイン設定部543は、算出した制御ゲインを特定する情報を電力制御補償器542に出力する。
電力制御補償器542は、減算部541によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部543から出力された情報が示す制御ゲインとをもとに、DC−AC電力変換部52を制御するための制御指令を生成する。電力制御補償器542は、生成した制御指令をDC−AC電力変換部52に出力する。
次に、フィードバック制御部24が有する記憶部244及び制御ゲイン設定部243と、フィードバック制御部34が有する記憶部344及び制御ゲイン設定部343と、フィードバック制御部44が有する記憶部444及び制御ゲイン設定部443と、フィードバック制御部54が有する記憶部544、制御ゲイン設定部543及びシステム制御部55との動作の詳細を説明する。図6は、実施の形態1にかかる電力変換システム1における制御ゲインに関連する動作の手順を示すシーケンス図である。
蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御部24が有する記憶部244は、記憶している平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBを示す情報を系統連系インバータ5が有するシステム制御部55に出力する(S1)。太陽電池用コンバータ3のフィードバック制御部34が有する記憶部344は、記憶している平滑コンデンサ32の静電容量値CPVを示す情報をシステム制御部55に出力する(S2)。
電気自動車用コンバータ4のフィードバック制御部44が有する記憶部444は、記憶している平滑コンデンサ42の静電容量値CEVを示す情報をシステム制御部55に出力する(S3)。系統連系インバータ5のフィードバック制御部54が有する記憶部544は、記憶している平滑コンデンサ51の静電容量値CINVを示す情報をシステム制御部55に出力する(S4)。
システム制御部55は、記憶部244、記憶部344、記憶部444及び記憶部544から出力された情報を受け取り、受け取った情報をもとに、平滑コンデンサ22、平滑コンデンサ32、平滑コンデンサ42及び平滑コンデンサ51の静電容量値の合計CTOTALを算出する(S5)。
システム制御部55は、算出された平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを示す情報を、蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御部24が有する制御ゲイン設定部243と、太陽電池用コンバータ3のフィードバック制御部34が有する制御ゲイン設定部343と、電気自動車用コンバータ4のフィードバック制御部44が有する制御ゲイン設定部443と、系統連系インバータ5のフィードバック制御部54が有する制御ゲイン設定部543とに出力する(S6)。
制御ゲイン設定部243は、下記の式(1)を用いて、DC−DC電力変換部21を制御するための制御指令を生成するための制御ゲインK2LIBを算出する(S7)。制御ゲインK2LIBは、電力変換システム1が有する蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御の制御ゲインである。つまり、フィードバック制御部24は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALをもとに、蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御の制御ゲインを決定する。下記の式(1)において、K1LIBは、蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合のフィードバック制御のあらかじめ設定されたゲインである。
K2LIB=K1LIB×(CTOTAL/CLIB) ・・・ (1)
上記の式(1)から理解できる通り、フィードバック制御部24は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBで割った値にあらかじめ設定されたゲインをかけて、蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御の制御ゲインK2LIBを決定する。
制御ゲイン設定部343は、下記の式(2)を用いて、DC−DC電力変換部31を制御するための制御指令を生成するための制御ゲインK2PVを算出する(S8)。制御ゲインK2PVは、電力変換システム1が有する太陽電池用コンバータ3におけるフィードバック制御の制御ゲインである。つまり、フィードバック制御部34は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALをもとに、太陽電池用コンバータ3におけるフィードバック制御の制御ゲインを決定する。下記の式(2)において、K1PVは、太陽電池用コンバータ3が単独で動作する場合のフィードバック制御のあらかじめ設定されたゲインである。
K2PV=K1PV×(CTOTAL/CPV) ・・・ (2)
上記の式(2)から理解できる通り、フィードバック制御部34は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを平滑コンデンサ32の静電容量値CPVで割った値にあらかじめ設定されたゲインをかけて、太陽電池用コンバータ3におけるフィードバック制御の制御ゲインK2PVを決定する。
制御ゲイン設定部443は、下記の式(3)を用いて、DC−DC電力変換部41を制御するための制御指令を生成するための制御ゲインK2EVを算出する(S9)。制御ゲインK2EVは、電力変換システム1が有する電気自動車用コンバータ4におけるフィードバック制御の制御ゲインである。つまり、フィードバック制御部44は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALをもとに、電気自動車用コンバータ4におけるフィードバック制御の制御ゲインを決定する。下記の式(3)において、K1EVは、電気自動車用コンバータ4が単独で動作する場合のフィードバック制御のあらかじめ設定されたゲインである。
K2EV=K1EV×(CTOTAL/CEV) ・・・ (3)
上記の式(3)から理解できる通り、フィードバック制御部44は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを平滑コンデンサ42の静電容量値CEVで割った値にあらかじめ設定されたゲインをかけて、電気自動車用コンバータ4におけるフィードバック制御の制御ゲインK2EVを決定する。
制御ゲイン設定部543は、下記の式(4)を用いて、DC−AC電力変換部52を制御するための制御指令を生成するための制御ゲインK2INVを算出する(S10)。制御ゲインK2INVは、電力変換システム1が有する系統連系インバータ5におけるフィードバック制御の制御ゲインである。つまり、フィードバック制御部54は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALをもとに、系統連系インバータ5におけるフィードバック制御の制御ゲインを決定する。下記の式(4)において、K1INVは、系統連系インバータ5が単独で動作する場合のフィードバック制御のあらかじめ設定されたゲインである。
K2INV=K1INV×(CTOTAL/CINV) ・・・ (4)
上記の式(4)から理解できる通り、フィードバック制御部54は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを平滑コンデンサ51の静電容量値CINVで割った値にあらかじめ設定されたゲインをかけて、系統連系インバータ5におけるフィードバック制御の制御ゲインK2INVを決定する。
次に、上記の式(1)から式(4)について、上記の式(1)を例にして説明する。まず、蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合のフィードバック制御のあらかじめ設定されたゲインK1LIBについて説明する。制御ゲイン設定部243を有するフィードバック制御部24は、蓄電池用コンバータ2に含まれている。蓄電池用コンバータ2は、上述の通り、DC−DC電力変換部21と、平滑コンデンサ22と、電圧計測部23と、フィードバック制御部24とを有する。
蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合の蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御系は、DC−DC電力変換部21と、平滑コンデンサ22と、電圧計測部23と、フィードバック制御部24とによって構成される。フィードバック制御のゲインK1LIBは、蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合において、当該フィードバック制御系にあらかじめ決められた応答特性を発揮させる値である。
電力変換システム1は、蓄電池用コンバータ2と、太陽電池用コンバータ3と、電気自動車用コンバータ4と、系統連系インバータ5とを有する。蓄電池用コンバータ2と、太陽電池用コンバータ3と、電気自動車用コンバータ4とは、系統連系インバータ5に並列に接続されている。つまり、平滑コンデンサ22は、太陽電池用コンバータ3が有する平滑コンデンサ32と、電気自動車用コンバータ4が有する平滑コンデンサ42と、系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51とに接続されている。
すなわち、電力変換システム1において、蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御系は、DC−DC電力変換部21と、平滑コンデンサ22と、電圧計測部23と、フィードバック制御部24と、太陽電池用コンバータ3が有する平滑コンデンサ32と、電気自動車用コンバータ4が有する平滑コンデンサ42と、系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51とを含む。
そのため、電力変換システム1における蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御系の平滑コンデンサの容量は、蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合の蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御系の平滑コンデンサの容量より多い。具体的には、電力変換システム1における蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御系の平滑コンデンサの容量は、平滑コンデンサ22、平滑コンデンサ32、平滑コンデンサ42及び平滑コンデンサ51の静電容量値の合計CTOTALである。
フィードバック制御系における制御の応答速度は、当該フィードバック制御系の平滑コンデンサの容量に反比例する。そのため、制御ゲイン設定部243は、上記の式(1)の通り、蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合のフィードバック制御のあらかじめ設定されたゲインK1LIBを(CTOTAL/CLIB)倍して、電力変換システム1における蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御の制御ゲインK2LIBを算出する。これにより、電力変換システム1における蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御系の制御の応答速度は、蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合の蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御系の制御の応答速度と実質的に同等となる。更に言うと、電力変換システム1において、蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御は安定する。
制御ゲイン設定部243は、上記の式(1)を用いて算出した制御ゲインK2LIBを蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御部24が有する電圧制御補償器242に出力する(S11)。電圧制御補償器242は、減算部241によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部243から出力された情報が示す制御ゲインK2LIBとをもとにフィードバック制御演算を行い、DC−DC電力変換部21を制御するための制御指令を生成する。
制御ゲイン設定部343は、上記の式(2)を用いて算出した制御ゲインK2PVを太陽電池用コンバータ3のフィードバック制御部34が有する電圧制御補償器342に出力する(S12)。電圧制御補償器342は、減算部341によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部343から出力された情報が示す制御ゲインK2PVとをもとにフィードバック制御演算を行い、DC−DC電力変換部31を制御するための制御指令を生成する。
制御ゲイン設定部443は、上記の式(3)を用いて算出した制御ゲインK2EVを電気自動車用コンバータ4のフィードバック制御部44が有する電圧制御補償器442に出力する(S13)。電圧制御補償器442は、減算部441によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部443から出力された情報が示す制御ゲインK2EVとをもとにフィードバック制御演算を行い、DC−DC電力変換部41を制御するための制御指令を生成する。
制御ゲイン設定部543は、上記の式(4)を用いて算出した制御ゲインK2INVを系統連系インバータ5のフィードバック制御部54が有する電力制御補償器542に出力する(S14)。電力制御補償器542は、減算部541によって得られた減算値と、制御ゲイン設定部543から出力された情報が示す制御ゲインK2INVとをもとにフィードバック制御演算を行い、DC−AC電力変換部52を制御するための制御指令を生成する。
上述の通り、電力変換システム1において、フィードバック制御部24は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBで割った値にあらかじめ設定されたゲインをかけて、蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御の制御ゲインK2LIBを決定する。フィードバック制御系における制御の応答速度は、当該フィードバック制御系の平滑コンデンサの容量に反比例する。フィードバック制御部24が上述の通りに制御ゲインK2LIBを決定するので、蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御の応答速度は、蓄電池用コンバータ2が単独で動作する場合の蓄電池用コンバータ2のフィードバック制御の応答速度と実質的に同等となる。すなわち、電力変換システム1において、蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御は安定する。
フィードバック制御部34及びフィードバック制御部44の各々は、フィードバック制御部24と同様に、制御ゲインを決定する。そのため、電力変換システム1において、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4の各々におけるフィードバック制御は安定する。すなわち、電力変換システム1は、蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4の各々におけるフィードバック制御を安定させることができる。
更に言うと、蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4の各々におけるフィードバック制御が安定するので、電力変換システム1は、蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4の各々が出力する電力の電圧を安定させることができる。加えて、各コンバータにおけるフィードバック制御が安定するので、電力変換システム1は、複数の直流電力源から出力された直流電力をもとにする交流電力を安定して出力することができ、ひいては運転を継続することができる。
さらに、フィードバック制御部54は、フィードバック制御部24と同様に、制御ゲインを決定する。そのため、系統連系インバータ5におけるフィードバック制御は安定する。すなわち、電力変換システム1は、系統連系インバータ5におけるフィードバック制御を安定させることができる。
一般的に、系統連系インバータは、商用電力系統のシステムの保安を目的とした連系保護機能を有している。例えば、系統連系インバータは、商用電力系統への逆潮流電力を抑制する逆電力継電器の機能を有する。逆電力継電器の機能を有する系統連系インバータでは、フィードバック制御部は、連系点での逆潮流電力の発生を防ぐために、商用電力系統への逆潮流電力が常時0未満となるようにフィードバック制御によりDC−AC電力変換部が出力する電力を制御する。
商用電力系統への逆潮流電力が商用電力系統に接続された負荷の変化によって変化するため、負荷の変化に追従することができる比較的高速なフィードバック制御が要求される。例えば、一般社団法人日本電気協会が発行する系統連系規程は、0.5秒以内の比較的高速な応答を要求している。従来の技術では、複数のコンバータが並列に接続されると各コンバータが出力する電力の電圧のフィードバック制御系の応答が変化するため、当該系統連系規程が要求する比較的高速な応答を保証することはできない。
電力変換システム1では、フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44及びフィードバック制御部54は、上述の通り、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを用いて制御ゲインを決定する。そのため、設計者は、逆潮流電力についての比較的高速な応答制御を安定して行うことができる電力変換システムを設計することができる。すなわち、本発明は、商用電力系統のシステムの保安を確実に達成することができるという効果を発揮する。
なお、上述した実施の形態1では、フィードバック制御部24は、平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALを平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBで割った値にあらかじめ設定されたゲインをかけて、蓄電池用コンバータ2におけるフィードバック制御の制御ゲインK2LIBを決定する。
例えば、電気自動車用コンバータ4が有する平滑コンデンサ42の静電容量値CEVと系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51の静電容量値CINVとの双方が、フィードバック制御部24を有する蓄電池用コンバータ2が有する平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBに比べて比較的小さい場合を想定する。この場合、DC−DC電力変換部21を制御するための制御指令を生成するための制御ゲインK2LIBを算出する際の平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALは、平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBと太陽電池用コンバータ3が有する平滑コンデンサ32の静電容量値CPVとを加算することによって得られる合計に置き換えられてもよい。
例えば、太陽電池用コンバータ3が有する平滑コンデンサ32の静電容量値CPVと電気自動車用コンバータ4が有する平滑コンデンサ42の静電容量値CEVとの双方が、フィードバック制御部24を有する蓄電池用コンバータ2が有する平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBに比べて比較的小さい場合を想定する。この場合、DC−DC電力変換部21を制御するための制御指令を生成するための制御ゲインK2LIBを算出する際の平滑コンデンサの静電容量値の合計CTOTALは、平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBと系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51の静電容量値CINVとを加算することによって得られる合計に置き換えられてもよい。
このように、複数のコンバータのうちの少なくともひとつのコンバータが有するフィードバック制御部は、当該少なくともひとつのコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値と、複数のコンバータのうちの当該少なくともひとつのコンバータ以外のコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値と系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51の静電容量値CINVとのうちの少なくともひとつの静電容量値とをもとに、フィードバック制御の制御ゲインを決定してもよい。
具体的には、当該少なくともひとつのコンバータが有するフィードバック制御部は、当該少なくともひとつのコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値を含む合計を、当該少なくともひとつのコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値で割った値に、あらかじめ設定されたゲインをかけて、フィードバック制御の制御ゲインを決定してもよい。上記の合計は、当該少なくともひとつのコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値と、上記の少なくともひとつの静電容量値とを加算することによって得られる値である。
当該少なくともひとつのコンバータが有するフィードバック制御部が上述の通りに制御ゲインを決定しても、当該少なくともひとつのコンバータにおけるフィードバック制御は従来より安定する。当該少なくともひとつのコンバータは、蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4のいずれであってもよい。
同様に、系統連系インバータ5が有するフィードバック制御部54は、系統連系インバータ5が有する平滑コンデンサ51の静電容量値CINVと、複数のコンバータのうちの少なくともひとつのコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値とをもとに、フィードバック制御の制御ゲインを決定してもよい。具体的には、フィードバック制御部54は、平滑コンデンサ51の静電容量値CINVを含む合計を、平滑コンデンサ51の静電容量値CINVで割った値に、あらかじめ設定されたゲインをかけて、フィードバック制御の制御ゲインを決定してもよい。この場合の合計は、平滑コンデンサ51の静電容量値CINVと、当該少なくともひとつのコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値とを加算することによって得られる値である。
フィードバック制御部54が上述の通りに制御ゲインを決定しても、フィードバック制御部54におけるフィードバック制御は従来より安定する。
上述した実施の形態1では、系統連系インバータ5はシステム制御部55を有する。しかしながら、蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3及び電気自動車用コンバータ4のいずれかがシステム制御部55を有してもよい。要するに、システム制御部55は、電力変換システム1に含まれていればよい。
フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の機能は、ひとつの制御部によって実現されてもよい。ひとつの制御部は、マイクロコンピュータによって実現されてもよい。ひとつの制御部は、電力変換システム1に含まれていればよい。
上述した実施の形態1における電圧指令値は、あらかじめ設定された値であってもよいし、システム制御部55によって設定された値であってもよい。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2にかかる電力変換システム1Aの構成を示す図である。電力変換システム1Aは、蓄電池用コンバータ2Aと、太陽電池用コンバータ3Aと、電気自動車用コンバータ4Aと、系統連系インバータ5Aとを有する。電力変換システム1Aは、図示されていないが4個の筐体を有する。4個の筐体の各々は、蓄電池用コンバータ2A、太陽電池用コンバータ3A、電気自動車用コンバータ4A及び系統連系インバータ5Aのうちのひとつを有する。更に言うと、蓄電池用コンバータ2A、太陽電池用コンバータ3A、電気自動車用コンバータ4A及び系統連系インバータ5Aの各々は、4個の筐体のうちのいずれかひとつの筐体に収められている。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
蓄電池用コンバータ2Aは、実施の形態1における蓄電池用コンバータ2が有するすべての構成要素と、平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部25とを有する。太陽電池用コンバータ3Aは、実施の形態1における太陽電池用コンバータ3が有するすべての構成要素と、平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部35とを有する。
電気自動車用コンバータ4Aは、実施の形態1における電気自動車用コンバータ4が有するすべての構成要素と、平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部45とを有する。系統連系インバータ5Aは、実施の形態1における系統連系インバータ5が有するすべての構成要素と、平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部56とを有する。
通信部25は、平滑コンデンサ22の静電容量値を示す情報を通信部56に送信する。通信部35は、平滑コンデンサ32の静電容量値を示す情報を通信部56に送信する。通信部45は、平滑コンデンサ42の静電容量値を示す情報を通信部56に送信する。通信部56は、通信部25から平滑コンデンサ22の静電容量値を示す情報を受信し、通信部35から平滑コンデンサ32の静電容量値を示す情報を受信し、通信部45から平滑コンデンサ42の静電容量値を示す情報を受信する。
システム制御部55は、通信部56によって受信された情報をもとに平滑コンデンサの静電容量値の合計を算出する。通信部56は、システム制御部55によって算出された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を通信部25、通信部35及び通信部45に送信する。通信部25、通信部35及び通信部45の各々は、通信部56から平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受信する。
蓄電池用コンバータ2Aが有するフィードバック制御部24は、通信部25によって受信された情報をもとに制御ゲインを決定する。太陽電池用コンバータ3Aが有するフィードバック制御部34は、通信部35によって受信された情報をもとに制御ゲインを決定する。電気自動車用コンバータ4Aが有するフィードバック制御部44は、通信部45によって受信された情報をもとに制御ゲインを決定する。
上述の通り、蓄電池用コンバータ2A、太陽電池用コンバータ3A、電気自動車用コンバータ4A及び系統連系インバータ5Aの各々は、4個の筐体のうちのいずれかひとつの筐体に含まれている。そのため、電力変換システム1Aでは、蓄電池用コンバータ2A、太陽電池用コンバータ3A、電気自動車用コンバータ4A及び系統連系インバータ5Aの各々を設置する際の自由度が、実施の形態1にかかる電力変換システム1が有する蓄電池用コンバータ2、太陽電池用コンバータ3、電気自動車用コンバータ4及び系統連系インバータ5の各々を設置する際の自由度より高いという効果が得られる。
例えば、電力変換システム1Aのユーザは、蓄電池用コンバータ2Aを屋外に配置された蓄電池61に比較的近い場所に設置し、太陽電池用コンバータ3Aを太陽電池62に比較的近い場所に設置し、電気自動車用コンバータ4Aをガレージに比較的近い場所に設置し、系統連系インバータ5Aを屋内の分電盤に比較的近い場所に設置することができる。つまり、電力変換システム1Aは、ユーザに、蓄電池用コンバータ2A、太陽電池用コンバータ3A、電気自動車用コンバータ4A及び系統連系インバータ5Aの各々を設置する場所の自由度を与えることができる。
上記の太陽電池62に比較的近い場所の例は、屋根である。蓄電池用コンバータ2Aは、蓄電池61が収められている筐体に収められてもよい。
なお、上述した実施の形態2では、蓄電池用コンバータ2A、太陽電池用コンバータ3A、電気自動車用コンバータ4A及び系統連系インバータ5Aの各々が通信部を有する。例えば、太陽電池用コンバータ3Aが有する平滑コンデンサ32の静電容量値CPVと電気自動車用コンバータ4Aが有する平滑コンデンサ42の静電容量値CEVとの双方が、フィードバック制御部24を有する蓄電池用コンバータ2Aが有する平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBに比べて比較的小さい場合、通信部35及び通信部45は設けられなくてもよい。
つまり、複数のコンバータのうちの少なくともひとつのコンバータと、複数のコンバータのうちの当該少なくともひとつのコンバータ以外のコンバータと系統連系インバータとのうちの少なくともひとつとだけが、フィードバック制御の制御ゲインを決定するための平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部を有してもよい。当該少なくともひとつのコンバータが有するフィードバック制御部は、通信部が受信した情報を用いてフィードバック制御の制御ゲインを決定する。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3にかかる電力変換システム1Bの構成を示す図である。電力変換システム1Bは、実施の形態2にかかる電力変換システム1Aと同様に、蓄電池用コンバータ2Aと、太陽電池用コンバータ3Aと、電気自動車用コンバータ4Aと、系統連系インバータ5Bとを有する。系統連系インバータ5Bは、蓄電池用コンバータ2A、太陽電池用コンバータ3A及び電気自動車用コンバータ4Aが収められている筐体とは別の筐体に収められている。実施の形態3では、実施の形態2との相違点を主に説明する。
電力変換システム1Bは、システム制御部55を有するエネルギマネジメントシステムコントローラ7を更に有する。系統連系インバータ5Bは、平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部56Bを有する。系統連系インバータ5Bは、システム制御部55を有さない。エネルギマネジメントシステムコントローラ7は、平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部71を更に有する。
通信部25は、平滑コンデンサ22の静電容量値を示す情報を通信部71に送信する。通信部35は、平滑コンデンサ32の静電容量値を示す情報を通信部71に送信する。通信部45は、平滑コンデンサ42の静電容量値を示す情報を通信部71に送信する。通信部56Bは、平滑コンデンサ51の静電容量値を示す情報を通信部71に送信する。通信部71は、通信部25から平滑コンデンサ22の静電容量値を示す情報を受信し、通信部35から平滑コンデンサ32の静電容量値を示す情報を受信し、通信部45から平滑コンデンサ42の静電容量値を示す情報を受信し、通信部56Bから平滑コンデンサ51の静電容量値を示す情報を受信する。
システム制御部55は、通信部71によって受信された情報をもとに平滑コンデンサの静電容量値の合計を算出する。通信部71は、システム制御部55によって算出された平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を通信部25、通信部35、通信部45及び通信部56Bに送信する。通信部25、通信部35、通信部45及び通信部56Bの各々は、通信部71から平滑コンデンサの静電容量値の合計を示す情報を受信する。
蓄電池用コンバータ2Aが有するフィードバック制御部24は、通信部25によって受信された情報をもとに制御ゲインを決定する。太陽電池用コンバータ3Aが有するフィードバック制御部34は、通信部35によって受信された情報をもとに制御ゲインを決定する。電気自動車用コンバータ4Aが有するフィードバック制御部44は、通信部45によって受信された情報をもとに制御ゲインを決定する。系統連系インバータ5Bが有するフィードバック制御部54は、通信部56Bによって受信された情報をもとに制御ゲインを決定する。
通信部56Bは、電流計測用変流器66によって計測された電流の値を示す情報を通信部71に送信する。当該情報は、エネルギマネジメントシステムコントローラ7において管理される。当該電流の例は、系統連系インバータ5Bから商用電力系統64に逆潮流された電力の電流である。
上述の通り、エネルギマネジメントシステムコントローラ7は、電流計測用変流器66によって計測された電流の値を示す情報を系統連系インバータ5Bから受信する。したがって、電力変換システム1Bは、エネルギマネジメントシステムコントローラ7に電流計測用変流器66を設置することを省略することができる効果をもたらす。
なお、上述した実施の形態3では、通信部71は、通信部25から平滑コンデンサ22の静電容量値を示す情報を受信し、通信部35から平滑コンデンサ32の静電容量値を示す情報を受信し、通信部45から平滑コンデンサ42の静電容量値を示す情報を受信し、通信部56Bから平滑コンデンサ51の静電容量値を示す情報を受信する。システム制御部55は、通信部71によって受信された情報をもとに平滑コンデンサの静電容量値の合計を算出する。
例えば、太陽電池用コンバータ3Aが有する平滑コンデンサ32の静電容量値CPVと電気自動車用コンバータ4Aが有する平滑コンデンサ42の静電容量値CEVとの双方が、フィードバック制御部24を有する蓄電池用コンバータ2Aが有する平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBに比べて比較的小さい場合、システム制御部55は、平滑コンデンサ32の静電容量値CPVと平滑コンデンサ42の静電容量値CEVとを用いることなく平滑コンデンサの静電容量値の合計を算出してもよい。
上記の場合、システム制御部55は、平滑コンデンサ22の静電容量値CLIBと系統連系インバータ5Bが有する平滑コンデンサ51の静電容量値CINVとを加算して平滑コンデンサの静電容量値の合計を算出する。このように、システム制御部55は、複数のコンバータのうちの少なくともひとつのコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値と、複数のコンバータのうちの当該少なくともひとつのコンバータ以外のコンバータが有する平滑コンデンサの静電容量値と系統連系インバータ5Bが有する平滑コンデンサ51の静電容量値CINVとのうちの少なくともひとつの静電容量値とを加算して合計を算出してもよい。
いずれにしても、複数のコンバータの各々のフィードバック制御部は、システム制御部によって得られた値をもとに、フィードバック制御の制御ゲインを決定する。
図9は、実施の形態1にかかる電力変換システム1が有するフィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路81によって実現される場合の処理回路81を示す図である。つまり、フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の機能の少なくとも一部は、処理回路81によって実現されてもよい。
処理回路81は、専用のハードウェアである。処理回路81は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
図10は、実施の形態1にかかる電力変換システム1が有するフィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の少なくとも一部の機能がプロセッサ82によって実現される場合のプロセッサ82を示す図である。つまり、フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の少なくとも一部の機能は、メモリ83に格納されるプログラムを実行するプロセッサ82によって実現されてもよい。
プロセッサ82は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図10には、メモリ83も示されている。
フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の少なくとも一部の機能がプロセッサ82によって実現される場合、当該一部の機能は、プロセッサ82と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせによって実現される。
ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ83に格納される。プロセッサ82は、メモリ83に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の少なくとも一部の機能を実現する。
フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の少なくとも一部の機能がプロセッサ82によって実現される場合、電力変換システム1は、フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ83を有する。
メモリ83に格納されるプログラムは、フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の少なくとも一部が実行する手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ83は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の複数の機能について、当該複数の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、当該複数の機能の残部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。このように、フィードバック制御部24、フィードバック制御部34、フィードバック制御部44、フィードバック制御部54及びシステム制御部55の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
通信部25、通信部35、通信部45、通信部56、通信部56B及び通信部71を構成する少なくとも一部の構成要素は、処理回路81と同等の処理回路によって実現されてもよい。通信部25、通信部35、通信部45、通信部56、通信部56B及び通信部71の少なくとも一部の機能は、プロセッサ82と同等のプロセッサによって実現されてもよい。
通信部25、通信部35、通信部45、通信部56、通信部56B及び通信部71の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合、電力変換システム1A又は電力変換システム1Bは、通信部25、通信部35、通信部45、通信部56、通信部56B又は通信部71の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。当該メモリは、メモリ83と同等のものである。
記憶部244、記憶部344、記憶部444及び記憶部544の各々の少なくとも一部は、例えば半導体メモリである。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1,1A,1B 電力変換システム、2,2A 蓄電池用コンバータ、3,3A 太陽電池用コンバータ、4,4A 電気自動車用コンバータ、5,5A,5B 系統連系インバータ、7 エネルギマネジメントシステムコントローラ、21,31,41 DC−DC電力変換部、22,32,42,51 平滑コンデンサ、23,33,43 電圧計測部、24,34,44,54 フィードバック制御部、25,35,45,56,56B,71 通信部、52 DC−AC電力変換部、53 電力計測部、55 システム制御部、61 蓄電池、62 太陽電池、63 電気自動車、64 商用電力系統、65 負荷、66 電流計測用変流器、81 処理回路、82 プロセッサ、83 メモリ、241,341,441,541 減算部、242,342,442 電圧制御補償器、243,343,443,543 制御ゲイン設定部、244,344,444,544 記憶部、542 電力制御補償器。

Claims (4)

  1. 直流電力源から出力された直流電力の電圧を変換する機能を有していて前記直流電力をもとにした直流電力を出力する複数のコンバータと、
    前記複数のコンバータの各々が出力した直流電力を交流電力に変換する系統連系インバータとを備え、
    前記複数のコンバータの各々は、
    前記コンバータから出力される直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
    前記出力される直流電力の電圧を計測する電圧計測部と、
    前記電圧計測部によって計測された電圧の値を設定された電圧指令値に一致させるフィードバック制御を行うフィードバック制御部とを有し、
    前記系統連系インバータは、前記複数のコンバータの各々が出力した直流電力の電圧を平滑化する平滑コンデンサを有し、
    前記複数のコンバータのうちの少なくともひとつのコンバータが有する前記フィードバック制御部は、前記少なくともひとつのコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値と、前記複数のコンバータのうちの前記少なくともひとつのコンバータ以外のコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値と前記系統連系インバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値とのうちの少なくともひとつの静電容量値とをもとに、前記フィードバック制御の制御ゲインを決定する
    ことを特徴とする電力変換システム。
  2. 前記少なくともひとつのコンバータと、前記複数のコンバータのうちの前記少なくともひとつのコンバータ以外のコンバータと前記系統連系インバータとのうちの少なくともひとつとは、前記フィードバック制御の制御ゲインを決定するための平滑コンデンサの静電容量値を示す情報を送受信する通信部を更に有し、
    前記少なくともひとつのコンバータが有する前記フィードバック制御部は、前記通信部が受信した情報を用いて前記フィードバック制御の制御ゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。
  3. 前記少なくともひとつのコンバータが有する前記フィードバック制御部は、前記少なくともひとつのコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値を含む合計を、前記少なくともひとつのコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値で割った値に、あらかじめ設定されたゲインをかけて、前記フィードバック制御の制御ゲインを決定し、
    前記合計は、前記少なくともひとつのコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値と、前記少なくともひとつの静電容量値とを加算することによって得られる値である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換システム。
  4. 前記少なくともひとつのコンバータが有する前記平滑コンデンサの静電容量値と前記少なくともひとつの静電容量値とを加算するシステム制御部を有するエネルギマネジメントシステムコントローラを更に備え、
    前記少なくともひとつのコンバータが有する前記フィードバック制御部は、前記システム制御部によって得られた値をもとに、前記フィードバック制御の制御ゲインを決定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021103909A (ja) * 2019-12-24 2021-07-15 株式会社セイブ・ザ・プラネット 蓄電池ユニット、蓄電池装置及びハイブリッド式電源システム

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