JP2019146389A - 磁気歯車装置 - Google Patents

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芳永 久保田
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芳永 久保田
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Abstract

【課題】伝達効率の高い磁気歯車装置を提供する。【解決手段】本発明の磁気歯車装置は、複数の磁極を有するインナーロータ2と、インナーロータの外周に設けられ、複数の磁極を有するアウターロータ1と、インナーロータとアウターロータとの間に設けられ、周方向に複数のポールピースを有するステータ3と、インナーロータおよびアウターロータの回転軸方向にポールピースを移動可能とするアクチュエータ41と、アクチュエータを制御して前記ポールピースの移動を行う制御部42と、を備えるようにした。詳しくは、インナーロータあるいはアウターロータの軸に設けられたトルクセンサ43を備え、制御部は、トルクセンサの検出値に基づいてポールピースの移動を行うようにした。【選択図】 図4

Description

本発明は、磁気歯車装置に関する。
非接触に動力伝達を行う機構として、磁石の吸引反発により動力伝達を行う磁気歯車が検討されているが、機械式歯車の歯に磁石を張るなどした磁気歯車では、磁石と磁石の対向面積が小さくトルク密度が低い問題があった。近年、磁束変調型磁気歯車が提案され、高トルク密度化が実現されている。
この磁束変調型磁気歯車は、複数の磁極を有するインナーロータと複数の磁極を有するアウターロータの間に複数のポールピースを設け、ポールピースによって、磁石磁束を変調することで歯車機構として動作する(例えば、特許文献1を参照)。
特開2013−112298号公報
磁束変調型磁気歯車は、インナーロータとアウターロータの全ての磁石がトルク伝達に寄与するため、高いトルク密度を実現している。しかし、ポールピースを用いて磁石の記磁力を変調した際に生じる磁束密度分布には、次数・回転速度の異なる成分が存在するが、特定の成分の磁束がトルク伝達に寄与するため、磁石の過電流損失や電磁鋼板の鉄損が大きくなる問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、伝達効率の高い磁気歯車装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の磁気歯車装置は、複数の磁極を有するインナーロータと、前記インナーロータの外周に設けられ、複数の磁極を有するアウターロータと、前記インナーロータと前記アウターロータとの間に設けられ、周方向に複数のポールピースを有するステータと、前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転軸方向に前記ポールピースを移動可能とするアクチュエータと、前記アクチュエータを制御して前記ポールピースの移動を行う制御部と、を備えるようにした。
本発明によれば、無効な磁束量を低減できるので、磁気歯車装置の伝達効率を高めることができるとともに、発熱量を低減できることから、低保持力の磁石を用いることができるため、コストを低減することができる。
実施形態の磁気歯車の軸方向断面を説明する斜視図である。 磁気歯車の磁気特性を示す図である。 実施形態の磁気歯車における低伝達負荷時の状態を説明する斜視図である。 実施形態の磁気歯車装置の制御機構を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、詳細は後述するが、高伝達負荷時の磁気歯車Gの回転軸方向の断面を示す斜視図である。磁気歯車Gは、表面磁石型磁気歯車であり、低速ロータ(アウターロータ)1と高速ロータ(インナーロータ)2とステータ3とが、同軸状に配置されて構成されている。本実施形態の磁気歯車Gは、高速ロータ2を駆動歯車とし、低速ロータ1を従動歯車とした減速歯車として動作するものとして説明する。
低速ロータ1は、電磁鋼板、圧粉磁心、アモルファス金属、パーメンジュールなどの軟磁性材料が軸方向に円筒形状に形成されたロータ鉄心12と、ロータ鉄心12の内周に13極対の磁石が隣り合う磁石の極の向きが交互になるように配置された永久磁石11と、から構成されている。
高速ロータ2は、電磁鋼板、圧粉磁心、アモルファス金属、パーメンジュールなどの軟磁性材料が軸方向に円筒形状に形成されたロータ鉄心22と、ロータ鉄心22の外周に4極対の磁石が隣り合う磁石の極の向きが交互になるように配置された永久磁石21と、から構成されている。
ステータ3は、低速ロータ1と高速ロータ2との間にギャップを設けて配置され、
磁性体で形成されたポールピース31と非磁性体部32とが周方向に交互に、17対組み合わされて構成されている。
ポールピース31の回転軸方向の長さは、低速ロータ1の永久磁石11と、高速ロータ2の永久磁石21の回転軸方向における長さに略等しくなっている。
つぎに、磁気歯車Gの駆動原理を、図2により説明する。
図2は、低速ロータ1とステータ3との間のギャップにおける、1回転分の周長さ方向の磁束分布を示す図である。
回転する高速ロータ2の永久磁石21の磁束は、ステータ3により変調され、
(1)主成分(4極対、低速ロータと同じ速度)(図2の太実線)
(2)高調波成分(13極対、減速比−4/13)(図2の細実線)
(3)高調波成分(21極対、減速比4/21)(図2の細破線)
の次数・回転速度の異なる3つの主成分をもつ。
実施形態の磁気歯車Gの低速ロータ1には13極対の磁石が設けられているので、低速ロータ1は、変調された高速ロータ2の上記の(2)の高調波成分の磁束にカップリングして同期回転する。その際に、低速ロータ1は、高速ロータ2から見た場合に、極対数が13/4倍となり、速度が−4/13となるため、磁気歯車Gは、3.25の減速比の減速歯車として機能する。
この時、変調された高速ロータ2の上記の(1)の主成分と(3)の高調波成分の磁束は、低速ロータ1と同期しないため、磁石の渦電流損失や電磁鋼板の鉄損となり、磁気歯車Gの伝達効率の低下要因となっている。
磁気歯車におけるポールピースの回転軸方向の長さと伝達トルクの関係は、ポールピースと回転子(高速ロータ2)の回転軸方向の長さが等しいとき、伝達トルクが最大となる特性があることが知られている。つまり、ポールピースと回転子の回転軸方向の長さの差が大きくなると、伝達トルクが小さくなる。これは、ポールピースと回転子の軸方向の長さの重なりが小さくなると、変調された高速ロータ2の(2)の高調波成分の磁束が小さくなることを意味しているが、同時に、変調された高速ロータ2の(1)の主成分と(3)の高調波成分の磁束も小さくなる。つまり、ポールピースと回転子の軸方向の長さの重なりを小さくして、許容伝達トルク(磁束)を小さくすると、損失も小さくなる。
実施形態の磁気歯車Gでは、上記の特性に基づいて、図3に示すように、ポールピース31を、非磁性体の引き抜きプレート33で円周方向に連結し、アクチュエータにより引き抜きプレート33を操作して、ポールピース31を軸方向に引き抜く機構を設けた。これにより、ポールピース31の軸方向における、引き抜き量を調整して、低速ロータ1の永久磁石11および高速ロータ2の永久磁石21の軸方向における重なり量を調整できるようにする。
一例として、図4に示す磁気歯車装置の制御機構により、磁気歯車Gのポールピース31の引き抜き量を制御する。
図4では、磁気歯車Gを軸方向の断面図で示している。
出力軸トルクセンサ43は、従動歯車である低速ロータ1の軸トルクを検出して負荷トルクを求める。
引き抜き量制御部42は、出力軸トルクセンサ43で検出した負荷トルクに基づいて、ポールピース31の回転軸方向における引き抜き量を算出する。引き抜き量の算出方法の詳細は後述する。
アクチュエータ41は、ポールピース31を回転軸方向に引き抜き(押し込み)する駆動機構である。例えば、図3の引き抜きプレート33をボールねじとモータから構成される直動式アクチュエータで駆動する。アクチュエータ41は、引き抜き量制御部42で算出した引き抜き(押し込み)量に応じて、モータを駆動してボールねじを回転し、引き抜きプレート33を直線移動する。
引き抜きプレート33の直線移動により、引き抜きプレート33に接続しているポールピース31は、低速ロータ1の永久磁石11および高速ロータ2の永久磁石21の間で、引き抜きあるいは押し込まれる。
以上により、ポールピース31と、低速ロータ1の永久磁石11および高速ロータ2の永久磁石21の回転軸方向における重なり量を調整し、磁気歯車Gの許容伝達トルクを変える。
つぎに、引き抜き量制御部42の制御内容を説明する。
引き抜き量制御部42は、予め、ポールピース31の引き抜き量と許容伝達トルク値との対応関係を制御テーブルに記憶しておく。詳しくは、制御テーブルには、ポールピース31の引き抜き量が0の時における磁気歯車Gの伝達トルクから、ポールピース31の引き抜き量が最大(永久磁石11との重なり0)である磁気歯車Gの伝達トルクが0までを複数レベルに分けて対応関係を記憶する。
引き抜き量制御部42は、制御を開始すると、まず、出力軸トルクセンサ43で検出した負荷トルクを取得する。
そして、前記制御テーブルを参照して、検出した負荷トルクより大きな許容伝達トルク値の最小値を求め、この許容伝達トルク値に対応するポールピース31の引き抜き量を取得する。
引き抜き量制御部42は、取得した引き抜き量をアクチュエータ41に設定して、ポールピース31の引き抜きを行う。
実施形態の磁気歯車Gのステータ3は、回転部材でないので、低速ロータ1および高速ロータ2の回転に無関係にポールピース31の引き抜きを行うことができる。このため、出力軸トルクセンサ43で検出した負荷トルクの変動に応じて、ダイナミックにポールピース31の引き抜き量を制御してもよい。
上記の本実施形態の磁気歯車Gでは、減速歯車として動作するものとして説明したが、磁気歯車Gを、低速ロータ1を駆動歯車とし、高速ロータ2を従動歯車とした増速歯車として動作させてもよい。この場合には、出力軸トルクセンサ43は、従動歯車である高速ロータ2の軸トルクを検出して負荷トルクを求める。
実施形態の磁気歯車装置によれば、無効な磁束の発生を低減できるので、磁気歯車装置の伝達効率を高めることができる。
さらに、渦電流損失や鉄損に伴う発熱量を低減できることから、低保持力の磁石を用いることができるため、コストを低減することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
G 磁気歯車
1 低速ロータ(アウターロータ)
11 永久磁石
12 ロータ鉄心
2 高速ロータ(インナーロータ)
21 永久磁石
22 ロータ鉄心
3 ステータ
31 ポールピース
32 非磁性体部
33 引き抜きプレート
41 アクチュエータ
42 引き抜き量制御部(制御部)
43 出力軸トルクセンサ

Claims (3)

  1. 複数の磁極を有するインナーロータと、
    前記インナーロータの外周に設けられ、複数の磁極を有するアウターロータと、
    前記インナーロータと前記アウターロータとの間に設けられ、周方向に複数のポールピースを有するステータと、
    前記インナーロータおよび前記アウターロータの回転軸方向に前記ポールピースを移動可能とするアクチュエータと、
    前記アクチュエータを制御して前記ポールピースの移動を行う制御部と、
    を備えることを特徴とする磁気歯車装置。
  2. 前記インナーロータあるいは前記アウターロータの軸に設けられたトルクセンサを備え、
    前記制御部は、前記トルクセンサの検出値に基づいて前記ポールピースの移動を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気歯車装置。
  3. 前記制御部は、接続する負荷の負荷状態に基づいて前記ポールピースの移動を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気歯車装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112968585A (zh) * 2021-02-05 2021-06-15 上海理工大学 一种具备转矩测量能力的高减速比谐波磁齿轮减速器
CN113131715A (zh) * 2020-01-11 2021-07-16 芜湖磁轮传动技术有限公司 一种无轴承磁轮减速机
CN113949246A (zh) * 2021-09-30 2022-01-18 国家电投集团科学技术研究院有限公司 轴向磁通的磁齿轮
WO2022043185A1 (de) * 2020-08-28 2022-03-03 Robert Bosch Gmbh Antriebsanordnung eines zweiradfahrzeugs mit magnetgetriebe

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