JP2019144851A - 電力取引履歴生成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】再エネ電力のトレーサビリティを担保し得る技術を提供すること。【解決手段】本発明によるシステムは、発電する電力のうち所定の電力ネットワークに送電する供給量を取引履歴生成端末に通知し、取引履歴生成端末は、通知された供給量に対応する取引通貨を発行して供給者の供給者ウォレットに送付し、需要者端末は、所定の電力ネットワークを介して供給者から受電する需要量を取引履歴生成端末に通知し、取引履歴生成端末は、需要量に対応した取引通貨のトランザクションを生成して供給者端末に通知し、供給者端末は、トランザクションに基づいて供給者ウォレットから所定量の取引通貨を需要者の需要者ウォレットに送付する、電力取引履歴生成システム。【選択図】図1

Description

本発明は、電力取引履歴システムに関し、特に、発電した電力のトレーサビリティをブロックチェーン技術を利用して担保した技術に関するものである。
近年、ハッシュ関数と公開鍵暗号方式とを用いて、取引情報の真正性を担保した「ブロックチェーン技術(分散型台帳技術)」が様々な分野で利用されようとしている。一例として、暗号通貨の取引においては、暗号通貨の取引情報(以下、「トランザクション」という。)は、暗号通貨を利用する全端末に対してブロードキャストされる。送信されたトランザクションは、マイナー(採掘者)と呼ばれる端末によって真正性が検証され、承認されるとブロックにまとめられ、ブロックチェーンと呼ばれる台帳に記録される。暗号通貨による取引では、マイナーにマイニング(採掘)と呼ばれる計算処理を行わせてから、ブロックチェーンにブロックを追加することによって、トランザクションの改ざんを防いでいる。
特許文献1には、このようなブロックチェーンを利用した取引情報の真正性の保証度を高める技術が開示されている。また、特許文献2には、電子署名技術を利用し、グリーン電力であることを証明する仕組みを実現する技術が提案されている。
特開2017−207860号公報 特開2011−175556号公報
ところで、近年、企業、自治体の間で、再生可能エネルギー電力(以下「再エネ電力」という)を積極的に利用するニーズが高まっている。背景には、企業の気候変動への取り組みを開示するCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)への報告が、機関投資家をはじめとした株主評価に直結することなどが起因しているものと推定できる。ここで、再エネ電力の利用要件には「トレーサビリティ(電源特定)」が求められるが、このような技術はまだ存在していない。即ち、発電した電力が一度電力ネットワーク(送電ネットワーク)に入ってしまうと、他の電力と同化してしまうことから、もはや発電元を特定することは不可能となる。
そこで、本発明は、再エネ電力のトレーサビリティを担保し得る技術を提供することを目的とする。
本発明によれば
発電装置に接続され供給者が管理する供給者端末と、前記発電装置により発電された電力の利用を希望する需要者が管理する需要者端末と、取引履歴生成端末とを含む、電力取引履歴生成システムであって、
前記供給者端末は、前記発電装置によって発電する電力のうち所定の電力ネットワークに送電する供給量を前記取引履歴生成端末に通知し、
前記取引履歴生成端末は、通知された前記供給量に対応する取引通貨を発行して前記供給者の供給者ウォレットに送付し、
前記需要者端末は、前記所定の電力ネットワークを介して前記供給者から受電する需要量を前記取引履歴生成端末に通知し、
前記取引履歴生成端末は、前記需要量に対応した前記取引通貨のトランザクションを生成して前記供給者端末に通知し、
前記供給者端末は、前記トランザクションに基づいて前記供給者ウォレットから所定量の前記取引通貨を前記需要側の受電者ウォレットに送付する、
電力取引履歴生成システムが得られる。
本発明によれば、トレーサビリティを備えた再エネ電力のP2P取引プラットフォームを提供することができ、且つブロックチェーン技術を更に利用することによって履歴の改ざんを防止することも可能となる。
発電装置による電力の売電処理を示すイメージ図である。 複数の発電者と複数の需要者とが電力ネットワークを介して電力の取引を行う状態を示すイメージ図である。 供給者と需要者との1対1の電力取引の様子とトークンの移動を表す概念図である。 本発明の実施の形態による電力取引履歴生成システムを構成する端末を示す図である。 図4に示される供給者端末の機能ブロック図を示す図である。 図4の取引履歴生成端末の機能ブロック図を示す図である。 図4の需要者端末の機能ブロック図を示す図である。 図4の取引履歴生成端末のウォレット管理に関する機能ブロック図を示す図である。 図4の供給者端末のウォレット管理に関する機能ブロック図を示す図である。 図4の需要者端末のウォレット管理に関する機能ブロック図を示す図である。 本発明の実施の形態による電力取引履歴生成システムの処理の流れを示す図である。 需要量が発電量を上回ったときの電力の流れを示すイメージ図である。 発電量が需要量を上回ったときの電力の流れを示すイメージ図である。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による電力取引履歴生成システム(以下単に「システム」という)は、以下のような構成を備える。
[項目1]
発電装置に接続され供給者が管理する供給者端末と、前記発電装置により発電された電力の利用を希望する需要者が管理する需要者端末と、取引履歴生成端末とを含む、電力取引履歴生成システムであって、
前記供給者端末は、前記発電装置によって発電する電力のうち所定の電力ネットワークに送電する供給量を前記取引履歴生成端末に通知し、
前記取引履歴生成端末は、通知された前記供給量に対応する取引通貨を発行して前記供給者の供給者ウォレットに送付し、
前記需要者端末は、前記所定の電力ネットワークを介して前記供給者から受電する需要量を前記取引履歴生成端末に通知し、
前記取引履歴生成端末は、前記需要量に対応した前記取引通貨のトランザクションを生成して前記供給者端末に通知し、
前記供給者端末は、前記トランザクションに基づいて前記供給者ウォレットから所定量の前記取引通貨を前記需要者の需要者ウォレットに送付する、
電力取引履歴生成システム。
[項目2]
項目1に記載の電力取引履歴生成システムであって、
前記送電電力量及び前記受電電力量は、将来の所定の単位時間内に送電及び受電される電力量に関するものである、
電力取引履歴生成システム。
[項目3]
項目1又は項目2に記載の電力取引履歴生成システムであって、
前記取引履歴生成端末は、複数の需要者端末から前記需要量に関するリクエストを受け付けるとともに、前記供給量を上限として、前記リクエストに対応した前記トランザクションを夫々生成する、
電力取引履歴生成システム。
[項目4]
項目1乃至項目3のいずれかに記載の電力取引履歴生成システムであって、
前記供給者端末は、前記需要量に相当する電力を消費した後に前記需要者ウォレットに送付された前記取引通貨の処分処理を行う、
電力取引履歴生成システム。
[項目5]
項目1乃至項目3のいずれかに記載の電力取引履歴生成システムであって、
前記取引通貨は、分散型台帳技術を利用して生成するトークンである、
電力取引履歴生成システム。
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態によるシステムについて、図面を参照しながら説明する。
<概要>
近年、自家消費方式及び全量売電方式によって、太陽光発電に代表される再生エネ電力の利活用がなされている。図1(a)は自家消費方式を表すイメージ図である。かかる方式によれば、発電された電力は家庭消費用に利用され余った電力は余剰電力として電力会社に売電することができる。ここで、売電の処理が行われると、供給者には所定の支払い処理(電気代との相殺処理を含む)がなされる。一方、図2(b)は全量売電方式を示すイメージ図である。かかる方式は、発電された電力を全て売電する目的で広大な遊休地などを利用して大規模発電がなされることが多い。
近年電力の取引の自由化が進み、例えば、図2に示されるように、複数の供給者1が発電した電力を、送電ネットワーク30を介して、複数の需要者2に販売することも理論上は可能になった。しかしながら、上述したように、個々の供給者が発電した電力は、一度送電ネットワークに入ってしまうと、現状ではトレースすることは困難である。
本発明は、このように複数の供給者と複数の需要者とにおいて、トレーサビリティを有する電力取引を実現する。詳しくは、図3に示されるように、供給者1が発電した電力(例えば100kWh)は、電柱などを経て送電ネットワーク30に送電される。同時間帯に需要者2が電力100kWhを利用した場合、実際には、「供給者1が発電した電力を含む電力」が送電ネットワークから供給されることとなる。
一方で、ブロックチェーン・ネットワーク上においては、送電電力(取引対象となる電力:100kWh)に相当するトークンを供給者1のウォレット100から需要者2のウォレット200に送付する。この際、予めある時間帯(例えば、30分毎における発電量と需要量)における電力の「入」と「出」を把握したうえでトークンを取引することとすれば、電力の取引を疑似的にトレースすることが可能となる。
更に、需要者2は、当該トークンを購入する行為に対して、供給者1から電力を購入したことと同じ意味を持たせることができる。
<システムの端末構成>
図4に示されるように、本発明の実施の形態によるシステムは、発電を行い余剰電力の販売を希望する供給者1の供給者端末と、発電された電力の購入を希望する需要者2の需要者端末と、上述したトークンの発行などを行うことによって取引を管理する取引履歴生成端末(管理業者の端末)を少なくとも有している。
図5に示されるように、供給者端末は、発電量監視部と、電力制御部と、余剰電力管理部と、通信部とを備えている。発電量監視部は、発電装置から発電した電力に関する情報を取得する(SQ1)。本実施の形態による発電装置は、例えば、太陽光発電装置を採用することとしてもよい。上述した自家消費方式においては、発電装置は、家庭内の電力消費機器に電力を供給する(SQ2)。なお、例えば、全量売電方式の場合には電力消費機器は存在しない。電力制御部は、発電量監視部から発電量に関する情報を取得して(SQ3)、発電した電力のうち、電力消費機器で使用する分と、余剰電力分とを分ける。余剰電力管理部は、電力制御部から余剰電力量に関する情報を受け取り(SQ4)、余剰電力に関する情報を管理するとともに当該情報を通信部に送信して(SQ5)、取引履歴生成端末に送信する(SQ6)。電力制御部は、家庭内で使用する電力と、余剰電力との内訳に基づいて発電装置を制御し、電力消費機器に電力を供給したり(SQ2)、余剰電力を送電ネットワークに送電する(SQ8)。
図6に示されるように、取引履歴生成端末は、通信部と、換算部と、Token管理部と、Token発行部とを備えている。通信部は、上述した供給者端末から発電量に関する情報を取得する(SQ9)。換算部は、通信部から発電量に関する情報を受け取り(SQ10)、所定のレートに基づいて発電量からTokenの数を算出する。本実施の形態においては、説明を簡易にするために100kWh=100Tokenとする。なお、換算レートは固定レートであってもよいし、変動レートであってもよい。Token管理部は、換算された情報を取得すると(SQ11)、発行済みのToken情報や誰にいくつ発行したか等といった情報と共に、発行すべきTokenの数を管理・記憶する。発行すべきTokenの数はToken発行部に伝えられ(SQ12)、発行したToken及び宛先の情報は、通信部に送られる(SQ13)。通信部は、供給者に関連付けられている供給者ウォレットに対して発行したTokenを送付する(SQ14)。
図7に示されるように、需要者端末は、電力需要受付部と通信部とを備えている。電力需要受付部は、例えば、スマートメータ―のように、電気の使用量を30分毎に計測・記録する機能と通信機能を合わせ持ったデバイスを使用することにより、需要者の家庭全体の電力需要データを入手する(SQ15)。当該データは、電力需要受付部に送られる(SQ16)。電力の需要を計算(予測)する。計算された電力の需要量は通信部に送られ(SQ17)、更に取引履歴生成端末に送信される(SQ18)。なお、需要者の電力消費機器は、送電ネットワークから電力が供給される(SQ19)。
続いて、図8を参照して、取引生成端末のウォレット管理構成を説明する。図示されるように、取引履歴生成端末は、通信部と、トランザクション生成部とを備えている。通信部は、需要者端末から需要量に関する情報を取得する(SQ20)。トランザクション生成部は、需要量に関して、所定のレートに基づいて、需要者が供給者から受け取るべきTokenの数を算出する。なお、換算レートは固定レートであってもよいし、変動レートであってもよいし、上述した供給者の算出に使用してレートと異なるレート条件であってもよい。Tokenの情報は、通信部に伝えられ(SQ22)、供給者端末に送信される(SQ23)。
図9を参照して、供給者端末のウォレット管理構成を説明する。図示されるように、供給者端末は、通信部と、ウォレット管理部とトランザクション実行部とを備えている。通信部は、取引履歴生成端末からトランザクション情報を受け取る(SQ24)。受け取ったトランザクション情報は、供給者のウォレットを管理するウォレット管理部に伝えられ(SQ25)、当該トランザクション情報に基づいて、当該トランザクションが実行される(SQ26)。実行されたトランザクションに基づいて供給者のTokenが需要者のウォレットに送付される(SQ27及びSQ28)。
図10を参照して、需要者端末のウォレット管理構成を説明する。図示されるように、需要者端末は、通信部と、ウォレット管理部と、消費電力監視部とを備えている。通信部は、供給者によるトランザクションの実行に関してTokenを受け取る(SQ29)。ウォレット管理部は、受け取ったTokenの数を管理する(SQ30)。受け取ったTokenは、言わば、供給者の発電量の使用権のような性質を有している。従って、消費電力監視部は、Tokenの情報を受け取ると(SQ31)、家庭全体の電力需要データを取得し、受け取ったToken相当の電気量を利用し尽くしたか否かを確認する。
図11は、以上の流れを処理フローにまとめた図である。まず、供給者端末が、取引履歴生成端末に対して、発電量を通知する(SQ601)。取引履歴生成端末のウォレットから発電量に応じたTokenが供給者のウォレットに送付される(SQ603)。一方、需要者端末は、取引履歴生成端末に対して、需要量を通知する(SQ605)。取引履歴生成端末は、需要量に相当するTokenを供給者から需要者に送付するためのトランザクションを生成する(SQ607)。生成されたトランザクション情報は、取引履歴生成端末から供給者端末にトランザクション指示として送信される(SQ609)。トランザクションに対応して、供給者端末のウォレットからは必要なTokenが需要者端末のウォレットに送付される(SQ611)。
上述した実施の形態においては、発電量と需要量が一致していた。次の説明は、これらが一致しない場合についての説明である。図12に示されるように、例えば、供給者1が100kWhの発電を行った場合、100Tokenが需要者2に送付される。需要者は100Tokenの取引(購入)によって、100kWh分の電力を使用することができる。しかしながら、需要者2の需要量は120kWhであるから、供給者だけの発電慮(100kWh)では足りない。そこで、このように、需要量が発電量を上回ったときには、需要量に足りない分は、送電ネットワーク30から通常通り、電力の供給を受け取ることとすればよい。
一方、発電量の方が需要量を上回ってしまった時には、図13に示されるように、他の需要者2aに供給することとすればよいし、更に余剰電力が生じた場合には、送電ネットワークに戻す(売電)こととすればよい。
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
1 供給者
2 需要者
3 発電装置
30 送電ネットワーク
100 供給者ウォレット
200 需要者ウォレット

Claims (5)

  1. 発電装置に接続され供給者が管理する供給者端末と、前記発電装置により発電された電力の利用を希望する需要者が管理する需要者端末と、取引履歴生成端末とを含む、電力取引履歴生成システムであって、
    前記供給者端末は、前記発電装置によって発電する電力のうち所定の電力ネットワークに送電する供給量を前記取引履歴生成端末に通知し、
    前記取引履歴生成端末は、通知された前記供給量に対応する取引通貨を発行して前記供給者の供給者ウォレットに送付し、
    前記需要者端末は、前記所定の電力ネットワークを介して前記供給者から受電する需要量を前記取引履歴生成端末に通知し、
    前記取引履歴生成端末は、前記需要量に対応した前記取引通貨のトランザクションを生成して前記供給者端末に通知し、
    前記供給者端末は、前記トランザクションに基づいて前記供給者ウォレットから所定量の前記取引通貨を前記需要者の需要者ウォレットに送付する、
    電力取引履歴生成システム。
  2. 請求項1に記載の電力取引履歴生成システムであって、
    前記送電電力量及び前記受電電力量は、将来の所定の単位時間内に送電及び受電される電力量に関するものである、
    電力取引履歴生成システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電力取引履歴生成システムであって、
    前記取引履歴生成端末は、複数の需要者端末から前記需要量に関するリクエストを受け付けるとともに、前記供給量を上限として、前記リクエストに対応した前記トランザクションを夫々生成する、
    電力取引履歴生成システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電力取引履歴生成システムであって、
    前記供給者端末は、前記需要量に相当する電力を消費した後に前記需要者ウォレットに送付された前記取引通貨の処分処理を行う、
    電力取引履歴生成システム。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電力取引履歴生成システムであって、
    前記取引通貨は、分散型台帳技術を利用して生成するトークンである、
    電力取引履歴生成システム。

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