JP2019144349A - データ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラム - Google Patents

データ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】局所解に導かれる割合を低減し、光の時間波形を所望の波形に近づけるためのスペクトル強度を精度良く算出する。【解決手段】強度スペクトル設計部23は、強度スペクトル関数の初めの候補解、位相スペクトル関数、並びに初期の温度及び冷却率を設定する初期値設定部25と、強度スペクトル関数の近傍解を生成する近傍解生成部26と、近傍解及び位相スペクトル関数を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換し、時間強度波形関数と所望の時間強度波形との相違の度合いを示す評価値を算出する評価値算出部27と、確率Pでもって近傍解を第n番目の候補解とする候補解置換部28と、候補解の置換ののち、温度を冷却率に基づいて低下させる温度更新部29と、を有する。近傍解の評価値が候補解の評価値よりも劣る場合、温度の低下は確率Pを小さくする方向に作用する。【選択図】図6

Description

本発明は、データ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムに関するものである。
特許文献1及び2には、空間光変調器(Spatial Light Modulator:SLM)を用いて位相スペクトル及び強度スペクトルの少なくとも一方を変調することにより、光パルスを成形する技術が開示されている。これらの文献では、所望の光パルス波形を得るための位相スペクトル及び強度スペクトルの少なくとも一方を、反復フーリエ法(Iterative Fourier Transform Algorithm;IFTA)を改良した方法を用いて算出している。
特開2016−218141号公報 特開2016−218142号公報
例えば超短パルス光といった種々の光の時間波形を制御するための技術として、光パルスのスペクトル強度をSLMによって変調するものがある。このような技術では、光の時間波形を所望の波形に近づけるためのスペクトル強度を光に与えるための変調パターンをSLMに呈示させる。その場合、任意の時間波形を容易に実現できるようにするために、スペクトル強度を計算により求め得ることが望ましい。
スペクトル強度を計算により求める際には、例えば特許文献1,2に示されるように、反復フーリエ法、もしくは反復フーリエ法を修正した方法が用いられる。しかしながら、反復フーリエ法及び反復フーリエ法を修正した方法では局所解に導かれてしまう割合が比較的高いため、最適解をより正確に算出し得る方法が求められる。本発明の一側面は、局所解に導かれる割合を低減し、光の時間波形を所望の波形に近づけるためのスペクトル強度を精度良く算出することができるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一側面によるデータ作成装置は、空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)を生成する強度スペクトル設計部と、位相スペクトル関数Ψ(ω)と、強度スペクトル設計部において生成された強度スペクトル関数A(ω)とに基づいて、データを作成するデータ生成部と、を備え、強度スペクトル設計部は、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)、位相スペクトル関数Ψ(ω)、並びにシミュレーテッドアニーリング法における初期の温度及び冷却率を設定する初期値設定部と、強度スペクトル関数A(ω)の第(n−1)番目(n=1,2,・・・)の候補解An−1(ω)とは異なる近傍解A(ω)を生成する近傍解生成部と、近傍解A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換し、時間強度波形関数と所望の時間強度波形との相違の度合いを示す評価値を算出する評価値算出部と、確率P(0<P≦1)でもって近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする候補解置換部と、候補解の置換ののち、温度を冷却率に基づいて低下させる温度更新部と、を有し、確率Pは、候補解An−1(ω)及び近傍解A(ω)に対する評価値並びに温度に応じて決定され、近傍解A(ω)の評価値が候補解An−1(ω)の評価値よりも劣る場合、温度の低下は確率Pを小さくする方向に作用し、近傍解生成部、評価値算出部、候補解置換部、及び温度更新部は、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら処理を繰り返し、強度スペクトル設計部は、所定の条件が満たされた場合の第n番目の候補解を、所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)とする。
本発明の一側面によるデータ作成方法は、空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)を生成する強度スペクトル関数生成ステップと、位相スペクトル関数Ψ(ω)と、強度スペクトル関数生成ステップにおいて生成された強度スペクトル関数A(ω)とに基づいて、データを作成するデータ生成ステップと、を含み、強度スペクトル関数生成ステップは、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)、位相スペクトル関数Ψ(ω)、並びにシミュレーテッドアニーリング法における初期の温度及び冷却率を設定する初期値設定ステップと、強度スペクトル関数A(ω)の第(n−1)番目(n=1,2,・・・)の候補解An−1(ω)とは異なる近傍解A(ω)を生成する近傍解生成ステップと、近傍解A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換し、時間強度波形関数と所望の時間強度波形との相違の度合いを示す評価値を算出する評価値算出ステップと、確率P(0<P≦1)でもって近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする候補解置換ステップと、候補解の置換ののち、温度を冷却率に基づいて低下させる温度更新ステップと、を有し、確率Pは、候補解An−1(ω)及び近傍解A(ω)に対する評価値並びに温度に応じて決定され、近傍解A(ω)の評価値が候補解An−1(ω)の評価値よりも劣る場合、温度の低下は確率Pを小さくする方向に作用し、近傍解生成ステップ、評価値算出ステップ、候補解置換ステップ、及び温度更新ステップを、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら繰り返し、強度スペクトル関数生成ステップにおいて、所定の条件が満たされた場合の第n番目の候補解を、所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)とする。
本発明の一側面によるデータ作成プログラムは、空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)を生成する強度スペクトル関数生成ステップと、位相スペクトル関数Ψ(ω)と、強度スペクトル関数生成ステップにおいて生成された強度スペクトル関数A(ω)とに基づいて、データを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させ、強度スペクトル関数生成ステップは、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)、位相スペクトル関数Ψ(ω)、並びにシミュレーテッドアニーリング法における初期の温度及び冷却率を設定する初期値設定ステップと、強度スペクトル関数A(ω)の第(n−1)番目(n=1,2,・・・)の候補解An−1(ω)とは異なる近傍解A(ω)を生成する近傍解生成ステップと、近傍解A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換し、時間強度波形関数と所望の時間強度波形との相違の度合いを示す評価値を算出する評価値算出ステップと、確率P(0<P≦1)でもって近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする候補解置換ステップと、候補解の置換ののち、温度を冷却率に基づいて低下させる温度更新ステップと、を有し、確率Pは、候補解An−1(ω)及び近傍解A(ω)に対する評価値並びに温度に応じて決定され、近傍解A(ω)の評価値が候補解An−1(ω)の評価値よりも劣る場合、温度の低下は確率Pを小さくする方向に作用し、近傍解生成ステップ、評価値算出ステップ、候補解置換ステップ、及び温度更新ステップを、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら繰り返し、強度スペクトル関数生成ステップにおいて、所定の条件が満たされた場合の第n番目の候補解を、所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)とする。
これらのデータ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムにおいては、候補解置換部が(若しくは候補解置換ステップにおいて)、確率P(0<P≦1)でもって近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする。その際、確率Pを、候補解An−1(ω)及び近傍解A(ω)に対する評価値並びに温度に応じて決定する。そして、近傍解A(ω)の評価値が候補解An−1(ω)の評価値よりも劣る場合、温度の低下は確率Pを小さくする方向に作用する。この場合、演算の初めのうち(nが小さいうち)は温度が高いので、候補解は、評価値が劣る近傍解へも積極的に変化する。そして、nが次第に増加して温度が低下すると、評価値が劣る近傍解へは次第に変化しなくなり、候補解が収束する。このような方式によれば、反復フーリエ法及び反復フーリエ法を修正した方法と比較して、候補解が局所解に導かれてしまう割合を低減し、最適解をより正確に探索することができる。すなわち、上記のデータ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムによれば、光の時間波形を所望の波形に近づけるためのスペクトル強度を精度良く算出することができる。
上記のデータ作成装置において、初期値設定部は、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)を生成する初期候補解生成部を含み、初期候補解生成部は、強度スペクトル関数A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第3波形関数に対するフーリエ変換と、該フーリエ変換後の時間領域における所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えと、第1の置き換え後に行う逆フーリエ変換と、該逆フーリエ変換後の周波数領域における、位相スペクトル関数Ψ(ω)を拘束するための第2の置き換えと、を反復して行うことによって初めの候補解A(ω)を生成してもよい。本発明者の知見によれば、前述したデータ作成装置において最適解をより正確に探索するためには、初めの候補解A(ω)の設定が極めて重要である。このように、反復フーリエ法を用いて初めの候補解A(ω)を生成することにより、初めの候補解A(ω)を適切に設定することができる。なお、これと同様に、上記のデータ作成方法及びデータ作成プログラムにおいても、初期値設定ステップは強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)を生成する初期候補解生成ステップを含み、初期候補解生成ステップにおいて、強度スペクトル関数A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第3波形関数に対するフーリエ変換と、該フーリエ変換後の時間領域における所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えと、第1の置き換え後に行う逆フーリエ変換と、該逆フーリエ変換後の周波数領域における、位相スペクトル関数Ψ(ω)を拘束するための第2の置き換えと、を反復して行うことによって初めの候補解A(ω)を生成してもよい。
上記のデータ作成装置において、近傍解生成部は、滑らかな凸型の部分を含む関数を用いて第(n−1)番目の候補解An−1(ω)を変化させることにより近傍解A(ω)を生成してもよい。これにより、候補解An−1(ω)から近傍解A(ω)への変化の程度を制御して、変調前の光のスペクトル強度と、変調後の光のスペクトル強度との差(すなわち強度損失)を許容範囲内に制限することが可能となる。なお、これと同様に、上記のデータ作成方法及びデータ作成プログラムの近傍解生成ステップにおいても、滑らかな凸型の部分を含む関数を用いて第n番目の候補解A(ω)を変化させることにより近傍解A(ω)を生成してもよい。
上記のデータ作成装置において、評価値算出部は、第2波形関数の時間強度波形関数と、所望の時間位相波形を表す関数に係数を乗じたものとの相違の度合いを示す評価値を算出し、係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の評価値が良好になる値を有してもよい。これにより、所望の時間強度波形と第2波形関数の時間強度波形関数との大きさの違いが評価値の算出に影響することを抑制し、所望の時間強度波形と第2波形関数の時間強度波形関数との形状の違いに主に基づいて評価値を算出することができる。なお、これと同様に、上記のデータ作成方法及びデータ作成プログラムの評価値算出ステップにおいて、第2波形関数の時間強度波形関数と、所望の時間位相波形を表す関数に係数を乗じたものとの相違の度合いを示す評価値を算出し、係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の評価値が良好になる値を有してもよい。
本発明の一側面による光制御装置は、入力光を出力する光源と、入力光を分光する分光素子と、分光後の入力光の強度スペクトルを変調し、変調光を出力する空間光変調器と、変調光を集光する光学系と、を備える。空間光変調器は、上記いずれかのデータ作成装置により作成されたデータに基づいて入力光の強度スペクトルを変調する。この装置によれば、局所解に導かれる割合を低減してスペクトル強度を精度良く算出し、光の時間波形を所望の波形に近づけることができる。
本発明によるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムによれば、局所解に導かれる割合を低減し、光の時間波形を所望の波形に近づけるためのスペクトル強度を精度良く算出することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光制御装置1Aの構成を概略的に示す図である。 図2は、光制御装置1Aが備える光学系10の構成を示す図である。 図3は、SLM14の変調面17を示す図である。 図4の(a)は、一例として、単パルス状の入力光Laのスペクトル波形(スペクトル位相G11及びスペクトル強度G12)を示し、図4の(b)は、該入力光Laの時間強度波形を示す。 図5の(a)は、一例として、SLM14において矩形波状の位相スペクトル変調を与えたときの出力光Ldのスペクトル波形(スペクトル位相G21及びスペクトル強度G22)を示し、図5の(b)は、該出力光Ldの時間強度波形を示す。 図6は、強度スペクトル設計部23の内部構成を示すブロック図である。 図7は、変調パターン算出装置20による強度スペクトル設計方法(データ作成方法)を示すフローチャートである。 図8は、初期候補解生成部25aにおける候補解A(ω)の算出手法を概念的に示す図である。 図9の(a)及び(b)は、関数U(ω)の一例を示すグラフである。 図10の(a)及び(b)は、数式(12)に示された関数U(ω)の一例を示すグラフである。 図11は、その際のパルス数と評価値(数式(15)に示される標準偏差の最小値)との関係をプロットしたグラフである。 図12は、上記の実施例におけるパルス数と平均パルス幅(半値全幅)との関係をプロットしたグラフである。 図13は、上記の実施例におけるパルス数とピーク値の分散との関係をプロットしたグラフである。 図14は、第2実施形態に係る光制御装置1Bの構成を概略的に示す図である。 図15の(a)は、SLM36からの出力光Liの光軸方向から見た強度分布の一例を示す図である。また、比較例として、図15の(b)は、SLM36による強度変調を行わない場合のSLM31への入力光の強度分布を示す図である。 図16は、SLM31に呈示される位相変調パターンの一例を示す図である。 図17の(a)は、図15の(a)に示された光強度分布に対応するスクリーン投影結果を示す図である。図17の(b)は、図15の(b)に示された光強度分布に対応するスクリーン投影結果を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る光制御装置1Aの構成を概略的に示す図である。図2は、光制御装置1Aが備える光学系10の構成を示す図である。本実施形態の光制御装置1Aは、入力光Laから、該入力光Laとは異なる任意の時間強度波形を有する出力光Ldを生成する。図1に示されるように、光制御装置1Aは、光源2、光学系10、及び変調パターン算出装置(データ作成装置)20を備える。
光源2は、光学系10に入力される入力光Laを出力する。光源2は例えば固体レーザ光源やファイバーレーザ光源等のレーザ光源であり、入力光Laは例えばコヒーレントなパルス光である。光学系10は、SLM14を有しており、変調パターン算出装置20からの制御信号SCをSLM14に受ける。光学系10は、光源2からの入力光Laを、任意の時間強度波形を有する出力光Ldに変換する。変調パターンは、SLM14を制御するためのデータであり、複素振幅分布の強度あるいは位相分布の強度をファイルに出力されたデータである。変調パターンは、例えば、計算機合成ホログラム(Computer-Generated Holograms(CGH))である。
図2に示されるように、光学系10は、回折格子12、レンズ13、SLM14、レンズ15、及び回折格子16を有する。回折格子12は本実施形態における分光素子であり、光源2と光学的に結合されている。SLM14はレンズ13を介して回折格子12と光学的に結合されている。回折格子12は、入力光Laを波長成分毎に分光する。なお、分光素子として、回折格子12に代えてプリズム等の他の光学部品を用いてもよい。入力光Laは、回折格子12に対して斜めに入射し、複数の波長成分に分光される。この複数の波長成分を含む光Lbは、レンズ13によって各波長成分毎に集光され、SLM14の変調面に結像される。レンズ13は、光透過部材からなる凸レンズであってもよく、凹状の光反射面を有する凹面鏡であってもよい。
SLM14は、入力光Laとは異なる任意の時間強度波形を有する出力光Ldを生成するために、光Lbの位相変調と強度変調とを同時に行う。SLM14は、強度変調のみを行ってもよい。SLM14は、例えば位相変調型である。一実施例では、SLM14はLCOS(Liquid crystal on silicon)型である。図3は、SLM14の変調面17を示す図である。図3に示されるように、変調面17には、複数の変調領域17aが或る方向Aに沿って並んでおり、各変調領域17aは方向Aと交差する方向Bに延びている。方向Aは、回折格子12による分光方向である。この変調面17はフーリエ変換面として働き、複数の変調領域17aのそれぞれには、分光後の対応する各波長成分が入射する。SLM14は、各変調領域17aにおいて、入射した各波長成分の位相及び強度を他の波長成分から独立して変調する。なお、本実施形態のSLM14は位相変調型であるため、強度変調は、変調面17に呈示される位相パターン(位相画像)によって実現される。
SLM14によって変調された変調光Lcの各波長成分は、レンズ15によって回折格子16上の一点に集められる。このときのレンズ15は、変調光Lcを集光する集光光学系として機能する。レンズ15は、光透過部材からなる凸レンズであってもよく、凹状の光反射面を有する凹面鏡であってもよい。また、回折格子16は合波光学系として機能し、変調後の各波長成分を合波する。すなわち、これらのレンズ15及び回折格子16により、変調光Lcの複数の波長成分は互いに集光・合波されて出力光Ldとなる。
レンズ15よりも前の領域(スペクトル領域)と、回折格子16よりも後ろの領域(時間領域)とは、互いにフーリエ変換の関係にあり、スペクトル領域における位相変調及び強度変調は、時間領域における時間強度波形に影響する。従って、出力光Ldは、SLM14の変調パターンに応じた、入力光Laとは異なる所望の時間強度波形を有することとなる。ここで、図4の(a)は、一例として、単パルス状の入力光Laのスペクトル波形(スペクトル位相G11及びスペクトル強度G12)を示し、図4の(b)は、該入力光Laの時間強度波形を示す。また、図5の(a)は、一例として、SLM14において矩形波状の位相スペクトル変調を与えたときの出力光Ldのスペクトル波形(スペクトル位相G21及びスペクトル強度G22)を示し、図5の(b)は、該出力光Ldの時間強度波形を示す。図4の(a)及び図5の(a)において、横軸は波長(nm)を示し、左の縦軸は強度スペクトルの強度値(任意単位)を示し、右の縦軸は位相スペクトルの位相値(rad)を示す。また、図4の(b)及び図5の(b)において、横軸は時間(フェムト秒)を表し、縦軸は光強度(任意単位)を表す。この例では、矩形波状の位相スペクトル波形を出力光Ldに与えることにより、入力光Laのシングルパルスが、出力光Ldとして高次光を伴うダブルパルスに変換されている。なお、図4及び図5に示されるスペクトル及び波形は一つの例であって、様々な位相スペクトル及び強度スペクトルの組み合わせにより、出力光Ldの時間強度波形を様々な形状に整形することができる。
再び図1を参照する。変調パターン算出装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレット端末といったスマートデバイス、あるいはクラウドサーバといった、プロセッサを有するコンピュータである。変調パターン算出装置20は、SLM14と電気的に接続されており、出力光Ldの時間強度波形を所望の波形に近づけるための位相変調パターンを算出し、該位相変調パターンを含む制御信号SCをSLM14に提供する。本実施形態の変調パターン算出装置20は、所望の波形を得る為の位相スペクトルを出力光Ldに与える位相変調用の位相パターンと、所望の波形を得る為の強度スペクトルを出力光Ldに与える強度変調用の位相パターンとを含む位相パターンをSLM14に呈示させる。そのために、変調パターン算出装置20は、任意波形入力部21と、位相スペクトル設計部22と、強度スペクトル設計部23と、変調パターン生成部(データ生成部)24とを有する。すなわち、変調パターン算出装置20に設けられたコンピュータのプロセッサは、任意波形入力部21の機能と、位相スペクトル設計部22の機能と、強度スペクトル設計部23の機能と、変調パターン生成部24の機能とを実現する。それぞれの機能は、同じプロセッサにより実現されてもよいし、異なるプロセッサにより実現されてもよい。
コンピュータのプロセッサは、変調パターン算出プログラム(データ作成プログラム)によって、上記の各機能を実現することができる。故に、変調パターン算出プログラムは、コンピュータのプロセッサを、変調パターン算出装置20における任意波形入力部21、位相スペクトル設計部22、強度スペクトル設計部23、及び変調パターン生成部24として動作させる。変調パターン算出プログラムは、コンピュータの内部または外部の記憶装置(記憶媒体)に記憶される。記憶装置は、非一時的記録媒体であってもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD、DVD等の記録媒体、ROM等の記録媒体、半導体メモリ、クラウドサーバ等が例示される。
任意波形入力部21は、操作者からの所望の時間強度波形の入力を受け付ける。操作者は、所望の時間強度波形に関する情報(例えばパルス幅、パルス数など)を任意波形入力部21に入力する。所望の時間強度波形に関する情報は、位相スペクトル設計部22及び強度スペクトル設計部23に与えられる。位相スペクトル設計部22は、与えられた所望の時間強度波形の実現に適した、出力光Ldの位相スペクトルを算出する。強度スペクトル設計部23は、与えられた所望の時間強度波形の実現に適した、出力光Ldの強度スペクトルを算出する。変調パターン生成部24は、位相スペクトル設計部22において求められた位相スペクトルと、強度スペクトル設計部23において求められた強度スペクトルとを出力光Ldに与えるための位相変調パターン(例えば、計算機合成ホログラム)を算出する。そして、算出された位相変調パターンを含む制御信号SCが、SLM14に提供され、SLM14は、制御信号SCに基づいて制御される。
図6は、強度スペクトル設計部23の内部構成を示すブロック図である。図6に示されるように、強度スペクトル設計部23は、初期値設定部25、近傍解生成部26、評価値算出部27、候補解置換部28、及び温度更新部29を有する。初期値設定部25は初期候補解生成部25aを含む。また、図7は、変調パターン算出装置20による強度スペクトル設計方法(データ作成方法)を示すフローチャートである。以下、図6及び図7を参照しながら、本実施形態の変調パターン算出装置20の動作、すなわち強度スペクトル設計方法(データ作成方法)について説明する。
まず、強度スペクトル設計部23が、任意波形入力部21から入力された所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)を生成する(強度スペクトル関数生成ステップS1)。詳細には、強度スペクトル関数生成ステップS1は、初期値設定ステップS11、近傍解生成ステップS12、評価値算出ステップS13、候補解置換ステップS14、及び温度更新ステップS15を含んで構成されている。
初期値設定ステップS11では、初期値設定部25が、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)、位相スペクトル関数Ψ(ω)、並びにシミュレーテッドアニーリング法における初期の温度T及び冷却率rを設定する。候補解A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)は、周波数ωの関数である。候補解A(ω)は、操作者により入力される。位相スペクトル関数Ψ(ω)は、操作者により入力されたものであってもよく、或いは、位相スペクトル設計部22により計算されたものであってもよい。初期の温度T及び冷却率rは、それぞれ操作者から入力される。この初期値設定ステップS11により、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の波形関数(1)が定義される。この波形関数(1)は、本実施形態における第1波形関数である。但し、iは虚数である。
本実施形態の初期値設定ステップS11は、初期候補解生成ステップS11aを含んでいる。初期候補解生成ステップS11aでは、初期候補解生成部25aが、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)を反復フーリエ法により生成する。図8は、初期候補解生成部25aにおける候補解A(ω)の算出手法を概念的に示す図である。図8に示されるように、まず、初期候補解生成部25aは、初期の強度スペクトル関数Ak=0(ω)及び位相スペクトル関数Ψ0(ω)を用意する(図中の処理番号(1))。一例では、初期の強度スペクトル関数Ak=0(ω)及び位相スペクトル関数Ψ0(ω)は、入力光Laのスペクトル強度及びスペクトル位相に基づいて定められる。次に、初期候補解生成部25aは、強度スペクトル関数Ak(ω)及び位相スペクトル関数Ψ0(ω)を含む周波数領域の波形関数(2)を用意する(図中の処理番号(2))。この波形関数(2)は、本実施形態における第3波形関数である。

添え字kは、第k回目のフーリエ変換処理後を表す。最初(第1回目)のフーリエ変換処理の前においては、強度スペクトル関数Ak(ω)として上記の初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)が用いられる。iは虚数である。
続いて、初期候補解生成部25aは、上記関数(2)に対して周波数領域から時間領域へのフーリエ変換を行う(図中の矢印A1)。これにより、時間強度波形関数bk(t)を含む時間領域の波形関数(3)が得られる(図中の処理番号(3))。
続いて、初期候補解生成部25aは、フーリエ変換後の波形関数bk(t)と関数Target0(t)に係数αを乗じたもの(α×Target0(t))との差が、波形関数bk(t)と関数Target0(t)との差よりも小さくなるような係数αを求める(図中の処理番号(4))。一例では、次の数式(4)で示されるように、フーリエ変換後の波形関数bk(t)に対する、α×Target0(t)の標準偏差σが最小(σmin)となる係数αを探査的に導出する。なお、数式(4)において、Dはデータ点数を表し、t、tはそれぞれ時間軸の始点及び終点を表す。
続いて、初期候補解生成部25aは、フーリエ変換後の関数(3)に含まれる時間強度波形関数bk(t)に対して所望の波形に基づく置き換えを行う(第1の置き換え)。このとき、初期候補解生成部25aは、所望の波形を表す関数Target0(t)に係数αを乗じたもの(α×Target0(t))を使用して置き換えを行う。一例では、数式(5)により算出されるTargetk(t)に置き換える(図中の処理番号(5)、(6))。

続いて、初期候補解生成部25aは、上記関数(6)に対して時間領域から周波数領域への逆フーリエ変換を行う(図中の矢印A2)。これにより、強度スペクトル関数Ck(ω)及び位相スペクトル関数Ψk(ω)を含む周波数領域の波形関数(7)が得られる(図中の処理番号(7))。

続いて、初期候補解生成部25aは、上記関数(7)に含まれる位相スペクトル関数Ψk(ω)を拘束するため、初期の位相スペクトル関数Ψ0(ω)に置き換える(第2の置き換え、図中の処理番号(8))。
また、初期候補解生成部25aは、逆フーリエ変換後の周波数領域における強度スペクトル関数Ck(ω)に対し、入力光Laの強度スペクトルに基づくフィルタ処理を行う。具体的には、強度スペクトル関数Ck(ω)により表される強度スペクトルのうち、入力光Laの強度スペクトルに基づいて定められる各波長毎のカットオフ強度を超える部分をカットする。一例では、波長毎のカットオフ強度は、入力光Laの強度スペクトル(本実施形態では初期強度スペクトル関数Ak=0(ω))と一致するように設定される。その場合、次の数式(9)に示されるように、強度スペクトル関数Ck(ω)が初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)よりも大きい周波数では、強度スペクトル関数Ak(ω)の値として初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)の値が取り入れられる。また、強度スペクトル関数Ck(ω)が初期強度スペクトル関数Ak=0(ω)以下である周波数では、強度スペクトル関数Ak(ω)の値として強度スペクトル関数Ck(ω)の値が取り入れられる。

初期候補解生成部25aは、上記関数(7)に含まれる強度スペクトル関数Ck(ω)を、上記数式(9)によるフィルタ処理後の強度スペクトル関数Ak(ω)に置き換える。また、Ck(ω)に任意の係数を乗じた関数C’k(ω)を定義して、カットオフ強度を相対的に変化させる方法を用いても良い(図中の処理番号(9))。
以降、初期候補解生成部25aが上記の処理(1)〜(9)を複数回繰り返し行うことにより、波形関数中の強度スペクトル関数Ak(ω)を、所望の時間強度波形に対応する強度スペクトル形状に近づけることができる。最終的に得られる強度スペクトル関数AIFTA(ω)が、初期値設定部25における初めの候補解A(ω)とされる。
再び図6及び図7を参照する。次に、近傍解生成ステップS12において、近傍解生成部26は、強度スペクトル関数A(ω)の第(n−1)番目(n=1,2,・・・)の候補解An−1(ω)とは異なる近傍解A(ω)を生成する。その際、近傍解生成部26は、第(n−1)番目の候補解An−1(ω)を変化させることにより近傍解A(ω)を生成する。例えば、近傍解生成部26は、候補解An−1(ω)に任意の(或いはランダムの)関数U(ω)を加算することによって近傍解A(ω)を生成する。
図9の(a)及び(b)は、関数U(ω)の一例を示すグラフである。この例では、下記の数式(11)に示されるように、関数U(ω)は、ωが或る値ωのときにのみ変化量kを有し、ωが他の値のときには変化量を0(ゼロ)とする。
別の例では、近傍解生成部26は、滑らかな凸型の部分を含む関数U(ω)を用いて第(n−1)番目の候補解An−1(ω)を変化させることにより、近傍解A(ω)を生成する。関数U(ω)は、例えばガウス型、ハイパボリックセカント型、或いは二次関数型といった、滑らかな凸型の部分を含む関数である。下記の数式(12)は、ガウス型の関数U(ω)の一例である。なお、数式(12)において、k、ω、及びWは、試行毎にランダムに生成される定数である。特に、Wはガウス関数の幅にかかわる重要な定数であって、滑らかな凸型の部分を表現する重要なパラメータである。また、ωは関数の中心を表す。pは変化幅にかかわる係数であり、任意に定めることができる。但し、近傍解A(ω)の生成は、入力光Laが有するスペクトル強度の範囲内で行われる。

図10の(a)及び(b)は、数式(12)に示された関数U(ω)の一例を示すグラフである。周波数ωを中心とする滑らかな凸型の部分を関数U(ω)が有することがわかる。
再び図6及び図7を参照する。続いて、評価値算出ステップS13において、評価値算出部27は、近傍解A(ω)及び位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第1波形関数(13)

を、時間強度波形関数I(t)及び時間位相波形関数Φ(t)を含む時間領域の波形関数(14)

に変換する。この波形関数(14)は、本実施形態における第2波形関数である。そして、評価値算出部27は、時間強度波形関数I(t)と所望の時間強度波形T(t)(=Target(t))との相違の度合いを示す評価値を算出する。例えば、評価値算出部27は、所望の時間強度波形T(t)に対する時間強度波形関数I(t)の標準偏差を評価値として算出する。このとき、所望の時間強度波形T(t)と時間強度波形関数I(t)との間にエネルギー差が存在すると、このエネルギー差に起因して評価値が変動してしまう。本実施形態では、このエネルギー差を補償するために、探査型評価関数を導入する。具体的には、評価値算出部27は、次の数式(15)で表されるように、時間強度波形関数I(t)と、所望の時間位相波形を表す関数T(t)に係数αを乗じたものとの相違の度合いを示す評価値を算出する。

係数αは、係数αの乗算前と比較して、評価値が小さくなる値を有する。なお、数式(15)は、評価値の一例として、所望の時間位相波形を表す関数T(t)に係数αを乗じたものに対する、時間強度波形関数I(t)の標準偏差σを示している。この例では、標準偏差σが最小値をとるように、αを変化させる。そして、標準偏差σの最小値σminを、その時間強度波形関数I(t)の評価値とする。
続いて、候補解置換ステップS14において、候補解置換部28は、試行毎に変化する確率P(0<P≦1)でもって近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合には候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする。確率Pは、候補解An−1(ω)及び近傍解A(ω)に対する評価値並びに温度Tに応じて決定される。すなわち、En−1を候補解An−1(ω)に対する評価値とし、Eを近傍解A(ω)に対する評価値とするとき、確率Pは関数P(En−1,E,T)として表される。
近傍解A(ω)の評価値Eが候補解An−1(ω)の評価値En−1よりも良好である場合、確率Pは1とされる。換言すると、近傍解A(ω)の評価値Eが候補解An−1(ω)の評価値En−1よりも良好である場合には、近傍解A(ω)は必ず第n番目の候補解となる。これに対し、近傍解A(ω)の評価値Eが候補解An−1(ω)の評価値En−1よりも劣る場合には、評価値En−1,E及び温度Tに基づいて、確率Pは1未満の大きさに設定される。このとき、温度Tの低下は確率Pを小さくする方向に作用する。確率Pを小さくする方向に作用するとは、他のパラメータ(評価値En−1及びE)が一定である場合、温度Tが低下すると必ず確率Pが小さくなることを意味する。一例では、確率Pは下記の数式(16)で表される。
続いて、温度更新ステップS15において、温度更新部29は、温度を冷却率rに基づいて低下させる。すなわち、第(n+1)番目の温度Tn+1は、第n番目の温度T及び冷却率rを用いて下記のように表される。
強度スペクトル関数生成ステップS1においては、上述した近傍解生成ステップS12、評価値算出ステップS13、候補解置換ステップS14、及び温度更新ステップS15が、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら繰り返される(ステップS16)。言い換えると、近傍解生成部26、評価値算出部27、候補解置換部28、及び温度更新部29は、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら処理を繰り返す。そして、強度スペクトル設計部23は(強度スペクトル関数生成ステップS1においては)、所定の条件が満たされた場合の第n番目の候補解を、所望の時間強度波形T(t)に適した強度スペクトル関数A(ω)とする。なお、所定の条件とは、例えば任意に設定した繰り返し試行回数を終了した場合や、任意に定めた評価値を満たした場合である。
上記の処理の後、データ生成ステップS2において、変調パターン生成部24は、位相スペクトル関数Ψ(ω)と、強度スペクトル関数生成ステップS1において生成された強度スペクトル関数A(ω)とに基づいて、SLM14に呈示させる変調パターンに関するデータを生成する。変調パターン生成部24は、生成したデータを、制御信号SCとしてSLM14に提供する。
以上に説明した本実施形態の光制御装置1A、変調パターン算出装置20、変調パターン算出方法、及び変調パターン算出プログラムによって得られる効果について説明する。従来、所望の時間波形を有する光をSLMを用いて実現する際、所望の時間波形に対応するスペクトル強度を精度良く算出するために、反復フーリエ法若しくは反復フーリエ法を修正した方法(例えば特許文献1,2を参照)が用いられている。しかしながら、同方法を用いてマルチパルスなどの生成を試みると、波形制御精度が大きく向上するものの、詳細に波形形状の分析を行うと、各パルスのピーク値やパルス幅に分散(ばらつき)が確認された。このことは、波形制御パターンの設計手法として改善の余地があることを意味する。特に、パルス光の顕微鏡応用や加工応用を考えた場合、パルス幅の変化やピーク値の変化は、信号のS/N比や加工状態の変化に大きく影響を及ぼす可能性がある。従って、波形制御パターンをより高精度に設計できる手法が望まれる。
このような課題に対し、本実施形態の変調パターン算出装置20、変調パターン算出方法、及び変調パターン算出プログラムにおいては、候補解置換部28が(若しくは候補解置換ステップS14において)、確率P(0<P≦1)でもって近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする。その際、確率Pを、候補解An−1(ω)及び近傍解A(ω)に対する評価値En−1,E及び温度Tに応じて決定する。そして、近傍解A(ω)の評価値Eが候補解An−1(ω)の評価値En−1よりも劣る場合、温度Tの低下は確率Pを小さくする方向に作用する。この場合、演算の初めのうち(nが小さいうち)は温度Tが高いので、候補解は、評価値Eが劣る近傍解A(ω)へも積極的に変化する。そして、nが次第に増加して温度が低下すると、評価値Eが劣る近傍解A(ω)へは次第に変化しなくなり、候補解が収束する。このような方式によれば、反復フーリエ法及び反復フーリエ法を修正した方法と比較して、候補解が局所解に導かれてしまう割合を低減し、最適解をより正確に探索することができる。すなわち、本実施形態によれば、出力光Ldの時間波形を所望の波形T(t)に近づけるためのスペクトル強度を精度良く算出することができる。
また、本実施形態のように、初期値設定部25(初期値設定ステップS11)は、強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)を生成する初期候補解生成部25a(初期候補解生成ステップS11a)を含んでもよい。そして、初期候補解生成部25a(初期候補解生成ステップS11a)は、反復フーリエ変換によって初めの候補解A(ω)を生成してもよい。本発明者の知見によれば、本実施形態の変調パターン算出装置20において最適解をより正確に探索するためには、初めの候補解A(ω)の設定が極めて重要である。そして、反復フーリエ法には、短時間で評価値の優れた解を算出できるという特徴がある。その上、その解近傍にさらに評価値の高い解が、存在することがある。従って、反復フーリエ法を用いて初めの候補解A(ω)を生成し利用することにより、効率的かつ効果的に強度スペクトル関数生成ステップS1を試行することができる。すなわち、反復フーリエ法を用いて初めの候補解A(ω)を生成することにより、初めの候補解A(ω)を適切に設定することができる。
また、本実施形態のように、近傍解生成部26(近傍解生成ステップS12)は、滑らかな凸型の部分を含む関数U(ω)を用いて第(n−1)番目の候補解An−1(ω)を変化させることにより、近傍解A(ω)を生成してもよい。これにより、候補解An−1(ω)から近傍解A(ω)への変化の程度を制御して、変調前の入力光Laのスペクトル強度と、変調後の出力光Ldのスペクトル強度との差(すなわち強度損失)を許容範囲内に制限することが可能となる。
また、本実施形態のように、評価値算出部27(評価値算出ステップS13)は、時間強度波形関数I(t)と、所望の時間位相波形を表す関数T(t)に係数αを乗じたものとの相違の度合いを示す評価値Eを算出し、係数αは、該係数αの乗算前と比較して、乗算後の評価値Eが良好になる値を有してもよい。これにより、所望の時間強度波形T(t)と時間強度波形関数I(t)との総エネルギーの違いが評価値Eの算出に影響することを抑制し、所望の時間強度波形T(t)と時間強度波形関数I(t)との形状の違いに主に基づいて評価値Eを算出することができる。
また、本実施形態の光制御装置1Aによれば、変調パターン算出装置20を備えることにより、局所解に導かれる割合を低減してスペクトル強度を精度良く算出し、出力光Ldの時間波形を所望の波形T(t)に近づけることができる。
なお、上記の説明では主に強度スペクトル設計部23の構成及びスペクトル強度の算出方法について説明したが、位相スペクトル設計部22の構成及びスペクトル位相の算出方法は、従来の構成及び方法(例えば反復フーリエ法若しくはその改良方法)を用いてもよく、或いは、本実施形態の強度スペクトル設計部23の構成及びスペクトル強度の算出方法と同様の構成及び方法を用いてもよい。
(実施例)
上記実施形態の有効性を確認するために、マルチパルスを含む時間強度波形を有する出力光Ldを生成するための変調パターンを、パルス数を変えながら複数計算した。各パルスはTLパルス(時間幅135fsのシングルパルス)であり、パルス間隔は1psで等間隔であった。初期位相スペクトルΨ0(ω)としては、反復フーリエ法を用いて算出したものを使用した。図11は、その際のパルス数と評価値(数式(15)に示される標準偏差の最小値)との関係をプロットしたグラフである。図11において、プロットP11は、反復フーリエ法のみを用いる従来の方法により強度スペクトル関数A(ω)を算出した場合を示し、プロットP12は、上述した本実施形態の方法により強度スペクトル関数A(ω)を算出した場合を示す。なお、本実施形態の方法による強度スペクトル関数A(ω)の算出では、評価値が収束するまでステップS12〜S15を十分に繰り返した。その繰り返し数は10万回であった。図11に示されるように、いずれのパルス数においても、本実施形態の方法によれば、従来の方法と比較して波形制御精度(評価値)が大幅に改善される。パルス数によって差はあるが、概ね2倍から31倍程度の改善が見込めることが確認された。
また、図12は、上記の実施例におけるパルス数と平均パルス幅(半値全幅)との関係をプロットしたグラフである。図13は、上記の実施例におけるパルス数とピーク値の分散との関係をプロットしたグラフである。図12及び図13において、プロットP21,P31は、反復フーリエ法のみを用いる従来の方法により強度スペクトル関数A(ω)を算出した場合を示し、プロットP22,P32は、上述した本実施形態の方法により強度スペクトル関数A(ω)を算出した場合を示す。これらの図から、図11に示された評価値の改善は、パルス幅が狭くなったこと(TLパルスの半値幅に近くなったこと)、及び、ピーク値のばらつきが小さくなったことに因ると考えられる。
(第2実施形態)
上記実施形態の変調パターン算出装置20、変調パターン算出方法、及び変調パターン算出プログラムは、時間パルス整形に代表される強度スペクトル変調パターン(1次元パターン)の設計に限らず、例えばビーム強度分布整形に代表される、2次元強度変調パターンの設計にも用いられ得る。言い換えると、例えばホログラムといった、所望の強度パターンと光学的フーリエ変換の関係にあるような領域にあるパターンの強度分布の設計にも用いられ得る。
図14は、本発明の第2実施形態に係る2次元強度変調パターンを有効利用する際の光制御装置1Bの構成を概略的に示す図である。なお、図14では、光制御装置1Bが備える変調パターン算出装置20の図示を省略している。光源は、第1実施形態の光源2のようにパルス光源であってもよく、或いはCW(Continuous Wave)レーザ光源であってもよい。光制御装置1Bは、上記実施形態の応用として、所望の光強度分布をスクリーン35に表示する。光制御装置1Bは、2つのSLM31,36と、一対のレンズ32,33と、フーリエ変換レンズ34とを備えている。2つのSLM31,36は、一対のレンズ32,33を介して光学的に結合されている。SLM36とレンズ32との光学距離はレンズ32の焦点距離fであり、SLM31とレンズ33との光学距離はレンズ33の焦点距離fである。一例では、焦点距離fと焦点距離fとは互いに等しい。レンズ32とレンズ33との間の光学距離は、焦点距離fと焦点距離fとの和である。フーリエ変換レンズ34は、SLM31と光学的に結合されており、その間の光学距離はフーリエ変換レンズ34の焦点距離fである。この光制御装置1Bは、フーリエ変換レンズ34からSLM31とは反対側に焦点距離fだけ離れたスクリーン35上に出力光像を結像する。SLM36は2次元の強度変調用のSLMであって、変調パターン算出装置20から提供された強度変調用の変調パターンを呈示する。SLM31は2次元の位相変調用のSLMであって、変調パターン算出装置20から提供された位相変調用の変調パターンを呈示する。強度変調用のホログラムパターンを表示するSLM36と、位相変調用のホログラムパターンを表示するSLM31とは、互いに入れ替えてもよい。
図15の(a)は、SLM36からの出力光Liの光軸方向から見た強度分布の一例を示す図である。また、比較例として、図15の(b)は、SLM36による強度変調を行わない場合のSLM31への入力光の強度分布を示す図である。図15の(a)及び(b)においては、光強度を色の濃淡で表している(淡い部分ほど光強度が大きい)。図16は、SLM31に呈示される位相変調パターンの一例を示す図であって、位相を色の濃淡で表している(淡い部分ほど位相が大きい)。これらの例においては、強度が均一な正方形状の強度分布を目標パターンとしている。図17の(a)は、図15の(a)に示された光強度分布に対応するスクリーン投影結果を示す図である。図17の(b)は、図15の(b)に示された光強度分布に対応するスクリーン投影結果を示す図である。図17の(a)及び(b)に示されるように、上記実施形態のSLM36による強度変調を行うことによって、強度分布がより均一な(すなわち、所望の光強度分布により近い)結果が得られることがわかる。
本発明によるデータ作成装置、光制御装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態では初期値設定部が初期候補解生成部を含み、初期候補解生成部が反復フーリエ法を用いて初めの候補解A(ω)を生成しているが、初めの候補解A(ω)の決定方式はこれに限られず、例えば任意の候補解A(ω)を入力してもよい。また、上述した実施形態では、近傍解生成部が、滑らかな凸型の部分を含む関数を用いて第(n−1)番目の候補解An−1(ω)を変化させることにより近傍解A(ω)を生成しているが、近傍解A(ω)の生成方法はこれに限られず、例えば近傍解A(ω)をランダムに生成してもよい。ここで、「ランダムに生成する」とは、予め定められた任意の範囲で、全く無秩序にしかも出現確率が同じになるように生成すること、若しくは、予め定められた任意の範囲で、全く無秩序にしかも出現確率が同じになるように生成することをいう。また、上述した実施形態では、評価値算出部が、第2波形関数の時間強度波形関数と、所望の時間位相波形を表す関数に係数を乗じたものとの相違の度合いを示す評価値を算出しているが(数式(15))、評価値の算出式はこれに限られず、第2波形関数の時間強度波形関数と所望の時間強度波形との相違の度合いを表すものであれば任意の算出式を用いることができる。
1A…光制御装置、1B…光制御装置、2…光源、10…光学系、12…回折格子、13,15…レンズ、16…回折格子、17…変調面、17a…変調領域、20…変調パターン算出装置、21…任意波形入力部、22…位相スペクトル設計部、23…強度スペクトル設計部、24…変調パターン生成部、25…初期値設定部、25a…初期候補解生成部、26…近傍解生成部、27…評価値算出部、28…候補解置換部、29…温度更新部、f,f,f…焦点距離、La…入力光、Lc…変調光、Ld…出力光、SC…制御信号。

Claims (7)

  1. 空間光変調器を制御するデータを作成する装置であって、
    所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)を生成する強度スペクトル設計部と、
    位相スペクトル関数Ψ(ω)と、前記強度スペクトル設計部において生成された前記強度スペクトル関数A(ω)とに基づいて、前記データを作成するデータ生成部と、を備え、
    前記強度スペクトル設計部は、
    前記強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)、前記位相スペクトル関数Ψ(ω)、並びにシミュレーテッドアニーリング法における初期の温度及び冷却率を設定する初期値設定部と、
    前記強度スペクトル関数A(ω)の第(n−1)番目(n=1,2,・・・)の候補解An−1(ω)とは異なる近傍解A(ω)を生成する近傍解生成部と、
    前記近傍解A(ω)及び前記位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換し、前記時間強度波形関数と前記所望の時間強度波形との相違の度合いを示す評価値を算出する評価値算出部と、
    確率P(0<P≦1)でもって前記近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に前記候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする候補解置換部と、
    前記候補解の置換ののち、前記温度を前記冷却率に基づいて低下させる温度更新部と、を有し、
    前記確率Pは、前記候補解An−1(ω)及び前記近傍解A(ω)に対する前記評価値並びに前記温度に応じて決定され、前記近傍解A(ω)の前記評価値が前記候補解An−1(ω)の前記評価値よりも劣る場合、前記温度の低下は確率Pを小さくする方向に作用し、
    前記近傍解生成部、前記評価値算出部、前記候補解置換部、及び前記温度更新部は、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら処理を繰り返し、前記強度スペクトル設計部は、前記所定の条件が満たされた場合の第n番目の候補解を、前記所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)とする、データ作成装置。
  2. 前記初期値設定部は、前記強度スペクトル関数A(ω)の前記初めの候補解A(ω)を生成する初期候補解生成部を含み、
    前記初期候補解生成部は、
    前記強度スペクトル関数A(ω)及び前記位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第3波形関数に対するフーリエ変換と、該フーリエ変換後の時間領域における前記所望の時間強度波形に基づく時間強度波形関数の第1の置き換えと、前記第1の置き換え後に行う逆フーリエ変換と、該逆フーリエ変換後の前記周波数領域における、前記位相スペクトル関数Ψ(ω)を拘束するための第2の置き換えと、を反復して行うことによって前記初めの候補解A(ω)を生成する、請求項1に記載のデータ作成装置。
  3. 前記近傍解生成部は、滑らかな凸型の部分を含む関数を用いて第(n−1)番目の前記候補解An−1(ω)を変化させることにより前記近傍解A(ω)を生成する、請求項1または2に記載のデータ作成装置。
  4. 前記評価値算出部は、前記第2波形関数の前記時間強度波形関数と、前記所望の時間位相波形を表す関数に係数を乗じたものとの相違の度合いを示す前記評価値を算出し、
    前記係数は、該係数の乗算前と比較して、乗算後の前記評価値が良好になる値を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータ作成装置。
  5. 入力光を出力する光源と、
    前記入力光を分光する分光素子と、
    分光後の前記入力光の強度スペクトルを変調し、変調光を出力する空間光変調器と、
    前記変調光を集光する光学系と、
    を備え、
    前記空間光変調器は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデータ作成装置により作成された前記データに基づいて前記入力光の強度スペクトルを変調する、光制御装置。
  6. 空間光変調器を制御するデータを作成する方法であって、
    所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)を生成する強度スペクトル関数生成ステップと、
    位相スペクトル関数Ψ(ω)と、前記強度スペクトル関数生成ステップにおいて生成された前記強度スペクトル関数A(ω)とに基づいて、前記データを作成するデータ生成ステップと、を含み、
    前記強度スペクトル関数生成ステップは、
    前記強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)、前記位相スペクトル関数Ψ(ω)、並びにシミュレーテッドアニーリング法における初期の温度及び冷却率を設定する初期値設定ステップと、
    前記強度スペクトル関数A(ω)の第(n−1)番目(n=1,2,・・・)の候補解An−1(ω)とは異なる近傍解A(ω)を生成する近傍解生成ステップと、
    前記近傍解A(ω)及び前記位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換し、前記時間強度波形関数と前記所望の時間強度波形との相違の度合いを示す評価値を算出する評価値算出ステップと、
    確率P(0<P≦1)でもって前記近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に前記候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする候補解置換ステップと、
    前記候補解の置換ののち、前記温度を前記冷却率に基づいて低下させる温度更新ステップと、を有し、
    前記確率Pは、前記候補解An−1(ω)及び前記近傍解A(ω)に対する前記評価値並びに前記温度に応じて決定され、前記近傍解A(ω)の前記評価値が前記候補解An−1(ω)の前記評価値よりも劣る場合、前記温度の低下は前記確率Pを小さくする方向に作用し、
    前記近傍解生成ステップ、前記評価値算出ステップ、前記候補解置換ステップ、及び前記温度更新ステップを、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら繰り返し、前記強度スペクトル関数生成ステップにおいて、前記所定の条件が満たされた場合の第n番目の候補解を、前記所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)とする、データ作成方法。
  7. 空間光変調器を制御するデータを作成するプログラムであって、
    所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)を生成する強度スペクトル関数生成ステップと、
    位相スペクトル関数Ψ(ω)と、前記強度スペクトル関数生成ステップにおいて生成された前記強度スペクトル関数A(ω)とに基づいて、前記データを作成するデータ生成ステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記強度スペクトル関数生成ステップは、
    前記強度スペクトル関数A(ω)の初めの候補解A(ω)、前記位相スペクトル関数Ψ(ω)、並びにシミュレーテッドアニーリング法における初期の温度及び冷却率を設定する初期値設定ステップと、
    前記強度スペクトル関数A(ω)の第(n−1)番目(n=1,2,・・・)の候補解An−1(ω)とは異なる近傍解A(ω)を生成する近傍解生成ステップと、
    前記近傍解A(ω)及び前記位相スペクトル関数Ψ(ω)を含む周波数領域の第1波形関数を、時間強度波形関数及び時間位相波形関数を含む時間領域の第2波形関数に変換し、前記時間強度波形関数と前記所望の時間強度波形との相違の度合いを示す評価値を算出する評価値算出ステップと、
    確率P(0<P≦1)でもって前記近傍解A(ω)を第n番目の候補解とし、それ以外の場合に前記候補解An−1(ω)を第n番目の候補解とする候補解置換ステップと、
    前記候補解の置換ののち、前記温度を前記冷却率に基づいて低下させる温度更新ステップと、を有し、
    前記確率Pは、前記候補解An−1(ω)及び前記近傍解A(ω)に対する前記評価値並びに前記温度に応じて決定され、前記近傍解A(ω)の前記評価値が前記候補解An−1(ω)の前記評価値よりも劣る場合、前記温度の低下は前記確率Pを小さくする方向に作用し、
    前記近傍解生成ステップ、前記評価値算出ステップ、前記候補解置換ステップ、及び前記温度更新ステップを、所定の条件が満たされるまでnを1ずつ加算しながら繰り返し、前記強度スペクトル関数生成ステップにおいて、前記所定の条件が満たされた場合の第n番目の候補解を、前記所望の時間強度波形に適した強度スペクトル関数A(ω)とする、データ作成プログラム。
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