JP2019144121A - X線微分干渉顕微鏡及び像形成方法 - Google Patents

X線微分干渉顕微鏡及び像形成方法 Download PDF

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浄史 松田
三澤 雅樹
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正人 安本
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Abstract

【課題】 X線を線源に用いて微分干渉法によるコントラスト像を得て観察対象物の高分解能観察を与えるX線微分干渉顕微鏡及び像形成方法の提供。【解決手段】観察対象物にX線を照射して得られた空間周波数分布についてGaborホログラムを介して複素振幅分布に変換し、フィルタリング処理してそれぞれゼロ次を含む正の空間周波数分布及び負の空間周波数分布に分離する。正の空間周波数分布のゼロ次にπ/2を付加するとともに負の空間周波数分布のゼロ次に3π/2を付加する数値処理した上で、それぞれ逆フーリエ変換して干渉させる画像処理を行ってコントラスト像を得る。【選択図】 図3

Description

本発明は、可視光に比べて波長の短いX線を線源に用いたX線顕微鏡及び像形成方法に関し、特に、微分干渉法によるコントラスト像を得て観察対象物の高分解能観察を与えるX線微分干渉顕微鏡及び像形成方法に関する。
光学顕微鏡において、対物レンズを通過した光を試料に入射させ、再度、該対物レンズを通過させて像を結ばせる明視野像による観察が行われる。一方、コントラストを十分に得られない試料においては、微分干渉像による観察が行われ得る。かかる微分干渉コントラスト法は、透明物体の位相の微分値の大きさを強度分布に変換してコントラストを得るものである。つまり、対物レンズの手前に光路を2つに分岐させ「横ずれ」をさせる光学素子を挿入し光源からの、試料表面の異なる観察位置、つまり、横ずれ量(シア量)だけ離れた位置での透過光を再度、該対物レンズを通過させて重ね合わせて干渉させ干渉像を得るのである。微小な凹凸や傾斜を表面に有する試料や、部分的に光の透過性の異なる透明な試料、例えば、生物試料などでは、分岐した光の間に光路差が生じ、これに対応したコントラストが得られる。
また、透明な物体の厚さのばらつきや屈折率のゆらぎによって透過光に部分的に生ずる位相差から位相コントラスト像を得る、つまり、複素振幅分布の位相の大きさを強度分布に変換して透明物体を立体感のある可視像として得る位相差顕微鏡として知られている。
例えば、特許文献1では、位相差顕微鏡の構造を開示しているが、従来の一般的な位相差顕微鏡では必須の光学部材(位相板)を用いず、画像処理により位相差画像を得る位相差顕微鏡について述べている。ここでは、光源としてパルス幅の非常に小さいフェムト秒パルスレーザを用い、光路を2つに分岐し、試料を透過した一方の光に光遅延装置で時間遅延を与えた他方の光を結合させて、イメージセンサ上で電場の時間変化を得て複素振幅分布を求め、これを画像処理することでコントラスト像を得ている。
ところで、可視光に比べて波長の短いX線を光源(線源)に用いたX線顕微鏡が提案されている。波長が短い故に空間分解能の高い画像を得られるとされている。
例えば、特許文献2や3では、線源からのX線を集光し細胞などの生物試料を透過させて撮像装置に結像させるX線顕微鏡の構造を開示している。軟X線領域、特に、炭素のKα吸収端(44オングストローム)と酸素のKα吸収端(23.71オングストローム)の間のいわゆるWater Window領域のX線波長域において、酸素、すなわち水がタンパク質などの炭素を含んだ有機物に比べて大なる透過率を有し、この水とタンパク質との間のX線の吸収率の違いによりコントラストを得ることができるとしている。
また、非特許文献1では、ハードX線領域において、入射光の振幅変化、すなわち吸収は判別できても、位相変化に関する情報は得られず、位相変化に関する情報として、ゼルニケの位相差法を用いて位相変化を強度変化に変換する位相差顕微鏡について述べている。高次回折光(散乱光)に対してゼロ次元回折光(透過光)に位相変調を与え、位相を光の強弱の位相コントラストに変換することで透明試料の可視化をしている。
特開2006−23247号公報 特開平6−230200号公報 特開平7−253500号公報
篭島靖ら、「硬X線位相差顕微鏡による植物生体試料の観察」、放射光誌、第15巻第3号、146−152頁(2002)
可視光を透過しない生物試料の細胞内部を高分解能観察し、又は断層撮影(トモグラフィ)するには、可視光よりも透過性に優れるX線を利用することが考慮される。ここで、コヒーレント(可干渉性)なX線を用いることで顕微鏡としての高い分解能を与え得る。非特許文献1に用いられている光学系もコヒーレントなX線である。しかしながら、同文献でも明らかなように、十分なエネルギーのコヒーレントなX線を得るには大型放射光施設などを利用しなければ難しく、一般的なX線顕微鏡に用いられる線源はインコヒーレント(非干渉性)なX線とならざるを得ない。すると、上記した特許文献2及び3のようなX線の吸収コントラストを可視化するX線顕微鏡では、X線をほとんど透過してしまう細胞などの生物試料(位相物体)に対しては、像のコントラストが不鮮明で内部構造の観察を十分に与え得ないのである。
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、X線を線源に用いて微分干渉法によるコントラスト像を得て観察対象物の高分解能観察を与えるX線微分干渉顕微鏡及び像形成方法の提供にある。
すなわち、本発明によるX線微分干渉顕微鏡は、X線を線源に用いて微分干渉法によるコントラスト像を得て観察対象物の高分解能観察を与えるX線微分干渉顕微鏡であって、画像処理部を含み、前記画像処理部は、前記観察対象物に前記X線を照射して得られた空間周波数分布についてGaborホログラムを介して複素振幅分布に変換し、フィルタリング処理してそれぞれゼロ次を含む正の空間周波数分布及び負の空間周波数分布に分離し、前記正の空間周波数分布の前記ゼロ次にπ/2を付加するとともに前記負の空間周波数分布の前記ゼロ次に3π/2を付加する数値処理した上で、それぞれ逆フーリエ変換して足し合わせる画像処理を行って前記コントラスト像を得ることを特徴とする。
また、本発明による像形成方法は、X線を線源に用いて微分干渉法によるコントラスト像を得て観察対象物の高分解能観察を与える像形成方法であって、前記観察対象物に前記X線を照射して得られた空間周波数分布についてGaborホログラムを介して複素振幅分布に変換し、フィルタリング処理してそれぞれゼロ次を含む正の空間周波数分布及び負の空間周波数分布に分離し、前記正の空間周波数分布の前記ゼロ次にπ/2を付加するとともに前記負の空間周波数分布の前記ゼロ次に3π/2を付加する数値処理した上で、それぞれ逆フーリエ変換して足し合わせる画像処理を行って前記コントラスト像を得ることを特徴とする。
かかる発明によれば、時間的コヒーレンスが短くても記録できるハードX線Gaborホログラムに振動の影響を与えることなく短時間で記録させてから復号させることで、従来の微分干渉法のように「横ずらし」を利用することなく、また、作成が困難な短波長X線フィルタを用いずとも数値処理にて精度よく微分干渉法によるコントラスト像を得られて、観察対象物の高分解能観察を与え得るのである。本発明による方法は、物体の低空間周波数をカットする位相コントラスト法や、π/2のフィルタを用いて行うZernikeの方法などとは全く異なる原理なのである。
上記した発明において、前記Gaborホログラムに平面波又は球面波を照射したときの再生像の振幅分布をフーリエ変換しゼロ次をカットして共役像を得て、前記共役像を参照光として前記再生像の前記複素振幅分布を得ることを特徴としてもよい。また、前記平面波又は球面波の曲率を変えることで、前記再生像及び前記共役像の再生位置を変化させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、凸及び凹の再生光の曲率を可変とした平面波又は球面波を用いることで再生像及び共役像の再生位置を制御し、ゼロ次カットによる不要な波面間の干渉を除去できて、結果として、高分解能観察を与え得るのである。
上記した発明において、略点状の前記線源から拡がる曲面波として前記X線を前記観察対象物に照射し透過線をCCDに導いて前記Gaborホログラムを得ることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、観察対象物へのX線の照射により得られる散乱X線を含む透過X線からCCDにてGaborホログラムに形成させて、高速に数値処理できるようにできて、結果として、高分解能観察を与え得るのである。
本発明による像形成方法の手順を示すフロー図である。 本発明によるX線微分干渉顕微鏡の要部を示す図である。 本発明による像形成方法の手順を示すブロック図である。 ナイフエッジフィルタにおける選択を示す写真である。ここで、(a)はゼロ次と正の周波数、(b)はゼロ次と負の周波数を選択したところを示す。 再生像面における再生像の波面を示すグラフである。 微分干渉コントラスト像の強度分布を示すグラフである。 本発明による像形成方法により得られたコントラスト像の写真である。(a)はポリスチレンビーズ球、(b)はHeLa細胞の像である。
本発明によるX線微分干渉顕微鏡及び像形成方法の1つの実施例について、工程を示すフロー図である図1に沿って、適宜、図2乃至7を用いてその詳細を説明する。
図1に示すように、像形成方法は、シアリング干渉法を用いずに透明物体を観測できる微分干渉コントラスト法であって、X線の照射により得られる散乱X線を含む透過X線で観察対象物からの像情報を得るX線照射工程と、この像情報から画像処理を行ってコントラスト像を得る画像処理工程と、を含む。
図2に示すように、略点状のX線の線源10から拡がる曲面波としてX線ビームMを観察対象物12に照射する(図1、S1)。点光源とみなせる線源10から拡がる曲面波の中に位相物体である観察対象物12を配置し、所定距離だけ離れた位置に記録媒体14を配置し、透過線で記録媒体14の位置にホログラムを形成させ、これを記録する(図1、S2)。
線源10としては、観察対象物12の内部構造を観察するためには、エネルギーが高く、透過性の高いハードX線を用いることが好ましい。しかしながら、後述するように、本発明はX線の波長域のみならず、線種の異なる可視光であっても原理上、有効である。
ここで、記録媒体14としては、各種媒体を考慮できるが、好適には、CCDが用いられ、透過X線が導かれる。線源10としてハードX線を用いる場合にあっては、その可干渉距離が短いためLeithタイプのホログラムを作成できない。一方、時間的コヒーレンスが短くても記録できるGaborタイプのホログラム21(図3参照)を用いることができて、更に、記録媒体14としてCCDを用いることで、強度分布を短時間で記録できて、振動の影響を除去できるとともに、後述するような、作成困難な短波長X線フィルタを用いない数値処理で高速に処理できて好ましい。
図3に示すように、ホログラム21を画像処理部としてのコンピュータに取り込むが、このコンピュータ内で、ホログラム21に平面波又は球面波を照射して再生したときの複素振幅分布41を算出し(図1、S3)、微分干渉像61を生成させる(図1、S4)。
これには、空間周波数分布31をフーリエ変換して得られる複素振幅分布41にナイフエッジフィルタ16を用いて、ゼロ次を含みこれから正の周波数側を選択し(図3の16a、及び、図4(a)参照)、ゼロ次にexp(jπ/2)を付加して強度分布51aを算出する。一方、ゼロ次を含みこれから負の周波数側を選択し(図3の16b、及び、図4(b)参照)、ゼロ次にexp(j3π/2)を付加して強度分布51bを算出する。これらの一旦分離した2つの強度分布を逆フーリエ変換し足し合わせて、微分干渉像61を求めるのである。
このようにして、可視光における微分干渉顕微鏡での「シア(横ずらし)」を行うことなく、画像処理にて微分干渉コントラストを得ることで、シア量による分解能の低下を防ぐことができる。また、像情報としてのホログラム21を一旦、記録媒体14にGaborホログラムとして記録し、その後、画像処理することでX線照射工程を画像処理工程から切り離すことが出来て、且つ、記録媒体14にCCDを用いて強度分布を短時間で記録及び読み出しできるので、X線照射時の外部振動の影響を減じ、高分解能観察を与え得るのである。
なお、上記した再生像の振幅分布をフーリエ変換しゼロ次をカットして共役像を得て、共役像を参照光として再生像の複素振幅分布41を得ることで、ゼロ次カットによる不要な波面間の干渉を除去できてより高い分解能を与える。このとき、上記した平面波又は球面波において、凸及び凹の曲率を可変とすることで、再生像及び共役像の再生位置を変化させるよう制御することが好ましい。
更に、図3に沿って、ホログラム21を介して微分干渉像61を得る方法について詳述する。
まず、ホログラム21の強度分布は、
Figure 2019144121
で表される。また、参照光及び物体光の複素振幅分布は、それぞれ、
Figure 2019144121
Figure 2019144121
で与えられる。
上記した式(1)によって与えられるホログラム21をX線再生系の軸に平行な平面波で再生する。このとき、再生像面における複素振幅分布41について、ゼロ次及び共役像の複素振幅分布を求める。
式(1)をフレネル変換する。つまり、F-1[]はフレネル変換を表すものとすると、
Figure 2019144121
で表される。
再生像面における再生像の複素振幅分布41は、
Figure 2019144121
によって求められる。つまり、
Figure 2019144121
となる。
ここで、式(5)において、再生像の得られる位置Ziは、
Figure 2019144121
の条件を満足する位置に生じ、
Figure 2019144121
によって与えられる。したがって、
Figure 2019144121
が得られる。
ここで、Mは倍率であり、Ziはホログラムから再生像面までの距離、Zは物体面とホログラム面の間の距離、
Figure 2019144121
である。
再生像面における照明光の複素振幅分布は、式(4)より、
Figure 2019144121
によって与えられる。ここで、
Figure 2019144121
である。
さらに、共役像の複素振幅分布は、
Figure 2019144121
によって与えられる。特に、
Figure 2019144121
によって表される場合には、式(9)は、
Figure 2019144121
となる。ここで、
Figure 2019144121
である。
図5に再生像面における再生像の波面、つまり、再生像面に生ずる複素振幅分布41を示した。これら再生像面に生じた複素振幅分布41から微分干渉像61を求める。
空間周波数分布にナイフエッジフィルタ16を用いてフィルタリング処理して、ゼロ次の空間周波数と正の空間周波数の複素振幅分布を取り出す(図3の16a参照)。そして、このゼロ次の空間周波数の複素振幅分布にexp(jπ/2)を掛けて、つまり、π/2を用いてcosineの部分を−sineに変換する。このようにしてcosineを微分し、正の空間周波数の大きさが微分値の大きさに比例するので、位相分布の大きさに比例して、Ф(xi/M,yi/M)=0の時の値(C0 2+Ci 2)よりも暗くなる。すなわち、Ф(xi/M,yi/M)の値が十分小さいならば、その時の干渉縞の強度分布は、
Figure 2019144121
となる。
同様に、ナイフエッジフィルタ16を用いて、ゼロ次の空間周波数と負の空間周波数の複素振幅分布を取り出す(図3の16b参照)。そして、このゼロ次の空間周波数の複素振幅分布にexp(j3π/2)を掛けて、つまり、π/2を用いてcosineの部分をsineに変換する。このようにしてcosineの部分を微分し、位相分布の大きさに比例するため、(C0 2+Ci 2)よりも明るくなる。すなわち、その時の干渉縞の強度分布は、
Figure 2019144121
となる。
式(11)と式(12)を足し合わせれば、微分干渉法によって得られる像の強度分布は、
Figure 2019144121
となる。
図6に微分干渉コントラスト像の強度分布のグラフを示した。微分干渉によって得られた強度分布において、式(13)からも明らかなように、波面の勾配の正の部分は暗く、逆に、負の部分は明るくなる。また、ゼロの部分は中間の明るさになることがわかる。このようにして、微分干渉像61が得られるのである。
次に、再生像面に生ずる複素振幅分布の他の干渉縞についても述べる。
再生像ui(xi,yi)とその共役像uc(xi,yi)との間の干渉によって生ずる縞の強度分布は、
Figure 2019144121
となる。
同様に共役像uc(xi,yi)とu0(xi,yi)との干渉によって生ずる縞の強度分布は、
Figure 2019144121
となる。
再生像面には、再生像の複素振幅分布ui(xi,yi)、再生の照明ビームの複素振幅分布u0(xi,yi)、共役像の複素振幅分布uc(xi,yi)が存在する。それらの複素振幅分布が互いに干渉し合い、干渉によって生ずる縞の強度分布をそれぞれ(13)式、(14)式及び(15)式に示した。なお、微分干渉像を求めるには、(13)式となる。
ここで、(14)式、(15)式が(13)式に与える影響について述べる。複素振幅分布の振幅C0、Ci及びCicの大きさを再生像面において比較すると、C0は再生の照明ビームであり、C0の一部がホログラムの再生像に寄与している。但し、再生像面全体に広がる。Ciはホログラムから再生像面の一部に位置する像に集まり像を形成する。Cicは再生像面からホログラムと再生像面の間距離の2倍離れた位置に結像し、デフォーカスされた像となる。これらを考慮すると、C0,Ci>>Cicとなると考えられ、C0i>>Cici,C0icとなり、ほぼ無視できる。
さらに、通常の物体の場合、デフォーカスによって物体の形状を維持できず、再生像面上に広がった弱いボケた像となり、照明ビームCoに隠されてしまう。但し、球状の物体の場合はデフォーカスされた像は球状に拡がるため、式(13)の外側に式(15)に示される弱い微分干渉像が現れる。
図7には、上記の処理を経て得られた微分干渉コントラスト像を示した、図7(a)は直径8μmのポリスチレンビーズ球、図7(b)は乾燥後のHeLa細胞の微分干渉コントラスト像である。外形やその内部の構造のコントラスト像を得られていることがわかる。
以上述べてきた実施例において、ハードX線を用いることで人間や生物の細胞内部の観察、つまり、人間の目では不透明でもその内部の状況を観察でき得るのである。すなわち、細胞内部のCT画像や、欠陥検査などを与え得る。また、原子や分子レベルの観測に用いられる顕微鏡への応用もでき、原子・分子レベルでの干渉計測を与え得る。
また、従来の「横ずらし」を行うことなく微分干渉コントラスト像を得ることができ、観察対象物の高分解能観察を可能とする。なお、以上述べてきた方法は波動減少一般の応用であり、線源として、X線だけでなく、可視光、電子線や超音波など波動として取り扱えるものを同様に用い得る。そして、その用途としては、顕微鏡だけでなく、波動現象による分野で広く利用することが可能である。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
10 線源
12 観察対象物
14 記録媒体
16 ナイフエッジフィルタ
21 ホログラム
31 空間周波数分布
41 複素振幅分布
51a、51b 強度分布
61 微分干渉像

Claims (8)

  1. X線を線源に用いて微分干渉法によるコントラスト像を得て観察対象物の高分解能観察を与えるX線微分干渉顕微鏡であって、
    画像処理部を含み、
    前記画像処理部は、前記観察対象物に前記X線を照射して得られた空間周波数分布についてGaborホログラムを介して複素振幅分布に変換し、フィルタリング処理してそれぞれゼロ次を含む正の空間周波数分布及び負の空間周波数分布に分離し、前記正の空間周波数分布の前記ゼロ次にπ/2を付加するとともに前記負の空間周波数分布の前記ゼロ次に3π/2を付加する数値処理した上で、それぞれ逆フーリエ変換して足し合わせる画像処理を行って前記コントラスト像を得ることを特徴とするX線微分干渉顕微鏡。
  2. 前記Gaborホログラムに平面波又は球面波を照射したときの再生像の振幅分布をフーリエ変換しゼロ次をカットして共役像を得て、前記共役像を参照光として前記再生像の前記複素振幅分布を得ることを特徴とする請求項1記載のX線微分干渉顕微鏡。
  3. 前記平面波又は球面波の曲率を変えることで、前記再生像及び前記共役像の再生位置を変化させることを特徴とする請求項2記載のX線微分干渉顕微鏡。
  4. 略点状の前記線源から拡がる曲面波として前記X線を前記観察対象物に照射し透過線をCCDに導いて前記Gaborホログラムを得ることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載のX線微分干渉顕微鏡。
  5. X線を線源に用いて微分干渉法によるコントラスト像を得て観察対象物の高分解能観察を与える像形成方法であって、
    前記観察対象物に前記X線を照射して得られた空間周波数分布についてGaborホログラムを介して複素振幅分布に変換し、フィルタリング処理してそれぞれゼロ次を含む正の空間周波数分布及び負の空間周波数分布に分離し、前記正の空間周波数分布の前記ゼロ次にπ/2を付加するとともに前記負の空間周波数分布の前記ゼロ次に3π/2を付加する数値処理した上で、それぞれ逆フーリエ変換して足し合わせる画像処理を行って前記コントラスト像を得ることを特徴とする像形成方法。
  6. 前記Gaborホログラムに平面波又は球面波を照射したときの再生像の振幅分布をフーリエ変換しゼロ次をカットして共役像を得て、前記共役像を参照光として前記再生像の前記複素振幅分布を得ることを特徴とする請求項5記載の像形成方法。
  7. 前記平面波又は球面波の曲率を変えることで、前記再生像及び前記共役像の再生位置を変化させることを特徴とする請求項6記載の像形成方法。
  8. 略点状の前記線源から拡がる曲面波として前記X線を前記観察対象物に照射し透過線をCCDに導いて前記Gaborホログラムを得ることを特徴とする請求項5乃至7のうちの1つに記載の像形成方法。
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