JP2019143606A - 電動圧縮機 - Google Patents

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幹生 小林
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    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B39/00Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
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    • F04B39/12Casings; Cylinders; Cylinder heads; Fluid connections

Abstract

【課題】スイッチング電流の高周波成分を吸収するフィルタ回路部の揺れを低減した電動圧縮機を提供する。【解決手段】フィルタ回路部5は、平滑コンデンサ63等の電気部品が実装されたフィルタ回路基板66と、電気部品を収容する樹脂製の支持部材67を備え、この支持部材67は、フィルタ回路部4をハウジング2に固定するためのボルト36が挿通される所定長さ寸法のスリーブ68が一体に樹脂モールドされており、フィルタ回路部4は、スリーブ68がハウジング2に当接した状態で、ボルト36によりハウジング2に固定される。【選択図】図3

Description

本発明は、モータに給電するインバータ回路部とスイッチング電流の高周波成分を吸収するフィルタ回路部を、ハウジングに形成されたインバータ収容部内に取り付けて成る電動圧縮機に関するものである。
従来より車両用の空気調和装置に用いられる電動圧縮機としては、スイッチングノイズを考慮して、ハウジングの外面に構成されたインバータ収容部内にインバータ回路部を取り付けたインバータ一体型の電動圧縮機が用いられている。また、インバータ収容部内には、インバータ回路部と共にフィルタモールドアセンブリも設けられる。このフィルタモールドアセンブリは、スイッチング電流の高周波成分を吸収するための電気回路部である(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−172509号公報
ここで、フィルタモールドアセンブリには比較的大型の平滑コンデンサやコイル等の電気部品が取り付けられる。そのため、車両の走行で振動が加わるとフィルタモールドアセンブリが大きく揺れて接続部に破損を来す問題があった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、スイッチング電流の高周波成分を吸収するフィルタ回路部の揺れを低減した電動圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の電動圧縮機は、モータが内蔵されたハウジングと、モータに給電するためのインバータ回路部と、スイッチング電流の高周波成分を吸収するためのフィルタ回路部を備え、インバータ回路部とフィルタ回路部が、ハウジングの外面に構成されたインバータ収容部内に取り付けられているものであって、フィルタ回路部は、電気部品が実装されたフィルタ回路基板と、電気部品を収容する樹脂製の支持部材を備え、この支持部材は、フィルタ回路部をハウジングに固定するためのボルトが挿通される所定長さ寸法のスリーブが一体に樹脂モールドされており、フィルタ回路部は、スリーブがハウジングに当接した状態で、ボルトによりハウジングに固定されていることを特徴とする。
請求項2の発明の電動圧縮機は、上記発明においてスリーブのハウジング側となる端部は、フィルタ回路部の高さ方向における中央、若しくは、中央近傍の領域に位置することを特徴とする。
請求項3の発明の電動圧縮機は、上記各発明においてフィルタ回路部は、支持部材に電気部品を収容した状態で当該支持部材内に熱硬化性の樹脂を充填することで、フィルタ回路基板と支持部材が一体化されており、支持部材は、一端がフィルタ回路基板に半田付けされ、他端がインバータ回路部にネジで電気的に接続される接続端子が一体に樹脂モールドされていることを特徴とする。
請求項4の発明の電動圧縮機は、上記各発明において支持部材は、ハウジングとの位置決めピンを有することを特徴とする。
本発明によれば、モータが内蔵されたハウジングと、モータに給電するためのインバータ回路部と、スイッチング電流の高周波成分を吸収するためのフィルタ回路部を備え、インバータ回路部とフィルタ回路部が、ハウジングの外面に構成されたインバータ収容部内に取り付けられている電動圧縮機において、フィルタ回路部は、電気部品が実装されたフィルタ回路基板と、電気部品を収容する樹脂製の支持部材を備え、この支持部材には、フィルタ回路部をハウジングに固定するためのボルトが挿通される所定長さ寸法のスリーブが一体に樹脂モールドされており、フィルタ回路部は、スリーブがハウジングに当接した状態で、ボルトによりハウジングに固定されるようにしたので、フィルタ回路部がハウジングに当接する位置を、スリーブの長さ寸法分、ハウジング側に近づけることができるようになり、振動が加わったときのフィルタ回路部の揺れを低減して、破損の発生を抑制することができるようになる。
特に、請求項2の発明の如くスリーブのハウジング側となる端部を、フィルタ回路部の高さ方向における中央、若しくは、中央近傍の領域に位置させることで、振動が加わったときのフィルタ回路部の揺れを効果的に低減することができるようになる。
また、請求項3の発明の如くフィルタ回路部の支持部材に電気部品を収容した状態で当該支持部材内に熱硬化性の樹脂を充填することで、フィルタ回路基板と支持部材を一体化し、支持部材には、一端がフィルタ回路基板に半田付けされ、他端がインバータ回路部にネジで電気的に接続される接続端子を一体に樹脂モールドするようにすれば、樹脂充填や半田付けはハウジングへの組み付け前に行っておき、組み付け時にはネジやボルトの締結のみで済むようになるので、組立作業性が著しく向上する。また、一端がフィルタ回路基板に半田付けされる接続端子は支持部材に一体に樹脂モールドされているので、振動に対して剛性の高い構造となり、フィルタ回路部をハウジングに固定した後も、半田付け部分に応力が生じない。
更に、請求項4の発明の如く支持部材に、ハウジングとの位置決めピンを設けることで、フィルタ回路部とハウジングとの位置決めも容易に行えるようになる。
本発明を適用した一実施例のインバータ一体型の電動圧縮機の縦断側面図である。 図1の電動圧縮機の蓋部材を取り外した状態のインバータ収容部側(一端側)から見た平面図である。 図1の電動圧縮機のインバータ収容部の部分の拡大縦断側面図である。 図1の電動圧縮機のインバータ回路部の斜視図である。 図4のインバータ回路部の裏面の斜視図である。 図4のインバータ回路部のスリーブアセンブリの斜視図である。 図6のスリーブアセンブリの裏面の斜視図である。 図6のスリーブアセンブリの端子接続部の斜視図である。 図4のインバータ回路部のパワーモジュールの斜視図である。 図9のパワーモジュールのスイッチング素子部分の縦断側面図である。 図9のパワーモジュールの設置プレートの斜視図である。 図9のパワーモジュールの分解斜視図である。 図4のインバータ回路部の分解斜視図である。 図1の電動圧縮機のフィルタ回路部の斜視図である。 図14のフィルタ回路部の裏面の斜視図である。 図14のフィルタ回路部の支持部材の斜視図である。 図16の支持部材の裏面の斜視図である。 図14のフィルタ回路部のナット部材の斜視図である。 図18のナット部材の縦断側面図である。 図14のフィルタ回路部のフィルタ側接続端子の斜視図である。 図14のフィルタ回路部のフィルタ回路基板と支持部材の分解斜視図である。 図1の電動圧縮機のインバータ収容部にインバータ回路部とフィルタ回路部を取り付ける手順を説明する図である。 図1の電動圧縮機のインバータ収容部にインバータ回路部を取り付ける手順を説明する図である。 図1の電動圧縮機のモータ側接続端子部分のインバータ収容部の拡大平面図である。 図1の電動圧縮機のモータ側接続端子部分のインバータ収容部の縦断側面図である。 図1の電動圧縮機のモータ側接続端子の平面図である。 図1の電動圧縮機のモータ側接続端子の取り付け手順を説明する図である。 図1の電動圧縮機のインバータ収容部にフィルタ回路部を取り付ける手順を説明する図である。 図14のフィルタ回路部に電源側接続端子を取り付ける手順を説明する図である。 図14のフィルタ回路部に電源側接続端子を取り付けた状態の拡大斜視図である。 図29に示した電源側接続端子を取り付けた状態のインバータ収容部のフィルタ回路部分の斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明を適用した一実施例の電動圧縮機1の縦断側面図、図2は電動圧縮機1の蓋部材11を取り外した状態のインバータ収容部8側(一端側)から見た平面図、図3は電動圧縮機1のインバータ収容部8の部分の拡大縦断側面図である。
(1)電動圧縮機1の全体構成
実施例の電動圧縮機1は、所謂インバータ一体型の電動圧縮機であり、図示しない車両の車室内を空調する車両用空気調和装置の冷媒回路の一部を構成するものである。電動圧縮機1は、モータ6と、このモータ6の回転軸5により駆動される圧縮機構7を内蔵したハウジング2と、モータ2を駆動するインバータ回路部3と、スイッチング電流の高周波成分を吸収するための電気回路部としてのフィルタ回路部4を備えている。
実施例のハウジング2の外面には、モータ6の回転軸5の軸方向における一端側に位置して収容部としてのインバータ収容部8が構成されており、このインバータ収容部8の開口9は、蓋部材11により開閉可能に閉塞される。そして、このインバータ収容部8内にインバータ回路部3とフィルタ回路部4が、モータ6の回転軸5の軸方向からそれぞれ個別に収容され、ハウジング2に着脱可能に取り付けられるように構成されている。
尚、各図ではインバータ収容部8を上にした状態で実施例の電動圧縮機1を示しているが、実際にはインバータ収容部8が一側となるように横方向で配置されるものである。
実施例のモータ6は、三相同期モータ(ブラシレスDCモータ)から構成されており、圧縮機構7は例えばスクロール式の圧縮機構である。圧縮機構7はモータ6の回転軸5により駆動され、冷媒を圧縮して冷媒回路内に吐出する。そして、ハウジング2には、これも冷媒回路の一部を構成するエバポレータ(吸熱器とも称される)から吸入された低温のガス冷媒が流通される。そのため、ハウジング2内は冷却されている。そして、インバータ収容部8は、当該インバータ収容部8の底面となる隔壁12によりモータ6が収容されるハウジング2内と区画されており、この隔壁12も低温のガス冷媒により冷却される。
(2)インバータ回路部3の構成
次に、図4〜図13を参照しながら前記インバータ回路部3の構成について説明する。インバータ回路部3は、三相インバータ回路の各相のアームを構成する6個の電力スイッチング素子13(実施例ではIGBT)が実装されたパワーモジュール14と、制御回路16が実装されたインバータ制御基板17と、複数(実施例では5個)の端子接続部19、20、21、22、23を有する樹脂製のスリーブアセンブリ18を備えている。
このインバータ回路部3は、図示しない車両のバッテリから給電される直流電力を三相交流電力に変換してモータ6のステータコイル27に給電するものである。そのため、各相の上アーム側の電力スイッチング素子13と下アーム側の電力スイッチング素子13との接続点が、ハウジング2の隔壁12から引き出されて軸方向に突出する引出端子24、25、26に3個のモータ側接続端子(接続端子)28を介してそれぞれ接続され、上アーム側の電力スイッチング素子13の電源端子と下アーム側の電力スイッチング素子13の接地端子が、フィルタ回路部4と高電力用コネクタ(HVコネクタ)29を介して前述したバッテリからの電源ハーネスに接続されることになる。
この場合、各相の上アーム側の電力スイッチング素子13と下アーム側の電力スイッチング素子13との接続点が接続される引出端子24〜26は、隔壁12を貫通してハウジング2内のモータ6のステータコイル27に接続されている。また、電源端子と接地端子は、フィルタ回路部4、前述した高電力用コネクタ29から引き出された2本の配線98の先端にそれぞれ設けられた電源側接続端子(接続端子)31、及び、当該高電力用コネクタ29等を介して電源ハーネスに電気的に接続される。
(2−1)スリーブアセンブリ18の構成
次に、図6〜図8を参照しながら前記スリーブアセンブリ18の構成を説明する。スリーブアセンブリ18には、前述した5個の端子接続部19、20、21、22、23が突設されており、スリーブアセンブリ18は更に6個のスリーブ32を有している。各端子接続部19〜23は、実施例では何れも図8に示す如き金属製の雄ネジから構成されており、外面に微細な凹凸が形成された埋設部33(ネジ頭となる)と、この埋設部33から突出したネジ溝部34を有している。また、スリーブ32は所定長さ寸法の金属製円筒から成る。
そして、これら端子接続部19〜23とスリーブ32は、絶縁性の硬質樹脂のインサート成形によりスリーブアセンブリ18と一体に樹脂モールドされている。このとき、各端子接続部19〜23の埋設部33のみがスリーブアセンブリ18の硬質樹脂内に埋設され、ネジ溝34はスリーブアセンブリ18の表面から上方に突出した状態とされる。また、端子接続部19〜21は引出端子24〜26側となる位置に配置され、端子接続部22、23はフィルタ回路部4側となる位置に配置される。更に、各スリーブ32はスリーブアセンブリ18の周辺部に配置され、上下端がスリーブアセンブリ18の表面と裏面で露出して開口し、後述するハウジング2に固定するためのボルト36を挿通可能とされる。
また、スリーブアセンブリ18の表面の所定位置には、インバータ制御基板17との位置決めピン37が3箇所、硬質樹脂により一体に突出形成されている。更に、スリーブアセンブリ18の裏面の所定位置には、パワーモジュール14との位置決めピン38が4箇所、硬質樹脂により一体に突出形成されている。更にまた、スリーブアセンブリ18の裏面の所定位置には、ハウジング2との位置決めピン39が2箇所、硬質樹脂により一体に突出形成されている。
また、スリーブアセンブリ18の中央部には、パワーモジュール14に実装された各電力スイッチング素子13のソース、エミッタ、ドレインの各端子41を通過させるための挿通孔42が複数(18箇所)形成されている。そして、スリーブアセンブリ18は後述する如くインバータ制御基板17とパワーモジュール14(後述する設置プレート43)との絶縁距離(最短の絶縁距離)を少なくとも確保できるだけの所定の厚さ寸法を有している。
(2−2)パワーモジュール14の構成
図9〜図12を参照しながら前記パワーモジュール14の構成を説明する。パワーモジュール14は高放熱性の金属板(実施例ではアルミニウム)から成る設置プレート43に6個の電力スイッチング素子13を実装して構成されている。この場合、設置プレート43には嵌合孔44が3個ずつ所定間隔を存して2列、合計6箇所貫通形成されており、各嵌合孔44の表面には座繰り部46がそれぞれ凹陥形成されている。
そして、各嵌合孔44には裏面側から雄ネジ47が圧入嵌合されて固定され、設置プレート43に立設される。各雄ネジ47は、嵌合された状態で各雄ネジ47のネジ溝部48が設置プレート43の表面から突出すると共に、座繰り部46を含め、各雄ネジ47のネジ溝部48以外の部分には、樹脂被覆材49が雄ネジ47の外面にモールド成形される。この状態で、樹脂被覆材49は雄ネジ47のネジ溝部48が露出した状態で各雄ネジ47をそれぞれ被覆する(図11)。
一方、各電力スイッチング素子13には貫通孔51がそれぞれ形成されている。そして、この貫通孔51に各雄ネジ47を貫通させるかたちで絶縁シート52を介し、設置プレート43上(表面)に配置される。この場合、絶縁シート52は各列の電力スイッチング素子13に渡るかたちで二枚使用され、各絶縁シート52にも貫通孔53が三箇所ずつ形成されており、各雄ネジ47はこの絶縁シート52の貫通孔53と電力スイッチング素子13の貫通孔51を貫通し、ネジ溝部48は電力スイッチング素子13から突出する。
また、各電力スイッチング素子13が設置プレート43上に配置された状態で、各列の電力スイッチング素子13の各端子41は設置プレート43の中央部で相互に隣接すると共に、設置プレート43から上方(表面から起立する方向)に向かうに折曲されている。この状態でナット54を各雄ネジ47のネジ溝部48に螺合させることにより、各電力スイッチング素子13を設置プレート43に締結固定し、パワーモジュール14を構成する。この状態で、樹脂被覆材49は、電力スイッチング素子13及び絶縁シート52と、雄ネジ47の間に介在するかたちとなる(図10)。
尚、ナット54を雄ネジ47に螺合させる際には、各電力スイッチング素子13が回転しないように所定の治具が使用される。このように、設置プレート43に立設された6個の雄ネジ47と、各雄ネジ47のネジ溝部48が露出した状態で各雄ネジ47をそれぞれ被覆する樹脂被覆材49を設け、各電力スイッチング素子13及び絶縁シート52を、雄ネジ47が貫通した状態で設置プレート43に配置し、ネジ溝部48に螺合するナット54により設置プレート43に固定することで、各電力スイッチング素子13を、絶縁シート52を介して設置プレート43に実装し、パワーモジュール14を構成するようにしたので、各雄ネジ47が設置プレート43に対する電力スイッチング素子13と絶縁シート52の位置決めの役割を果たすことになる。
これにより、組み付け作業性が著しく向上すると共に、格別な位置決め手段を設ける必要も無くなるため、小型化を図ることもできるようになる。特に、ナット54により設置プレート43に固定された状態で、電力スイッチング素子13及び絶縁シート52と、雄ネジ47の間には樹脂被覆材49が介在することになるので、雄ネジ47と電力スイッチング素子13との絶縁も支障無く確保することができるようになる。
特に、実施例では各雄ネジ47を設置プレート43に圧入固定すると共に、樹脂被覆材49を、雄ネジ47の外面にモールド成形するようにしているので、更なる組み付け作業性の向上を図り、省スペース性の向上にも著しく寄与することができるようになる。
尚、設置プレート43の周辺部には前述したスリーブアセンブリ18の所定のスリーブ32に対応する位置に、挿通孔56が5箇所形成されている。また、スリーブアセンブリ18の裏面に形成された位置決めピン38、39にそれぞれ対応する位置には、位置決め孔57が6箇所貫通形成されている。
(2−3)インバータ制御基板17の構成
前記インバータ制御基板17の制御回路16は、外部からの指令に基づいてパワーモジュール14の各電力スイッチング素子13をスイッチング制御する。また、モータ6の駆動状態を外部に送信する機能を有しており、マイクロコンピュータ等の回路部品をプリント配線にて接続して構成されている。
また、インバータ制御基板17の周辺部には、前述したスリーブアセンブリ18の端子接続部19、20、21、22、23に対応する位置に、端子接続孔58が5箇所形成されている。更に、インバータ制御基板17の周辺部には、スリーブアセンブリ18の各スリーブ32に対応する位置を含め、挿通孔59が8箇所形成されている。更にまた、スリーブアセンブリ18の表面に形成された位置決めピン37にそれぞれ対応する位置には、位置決め孔61が3箇所貫通形成されている。また、スリーブアセンブリ18の各挿通孔42に対応する位置にも、端子接続孔62が複数(18箇所)形成されている。
(2−4)インバータ回路部3の組立手順
以上の構成で、次にインバータ回路部3の組立手順について説明する。尚、インバータ回路部3はサブラインにて前記インバータ制御基板17とスリーブアセンブリ18とパワーモジュール14を一体化する。その際、先ず図13に示す如く、制御回路16が実装されたインバータ制御基板17を上とし、電力スイッチング素子13が実装されたパワーモジュール14を下とし、これらインバータ制御基板17とパワーモジュール14によりスリーブアセンブリ18を挟んだ状態でこれらインバータ制御基板17、スリーブアセンブリ18、及び、パワーモジュール14を順次積層する。
このとき、スリーブアセンブリ18の表面の各位置決めピン37がインバータ制御基板17の各位置決め孔61にそれぞれ進入してインバータ制御基板17から突出し、スリーブアセンブリ18の裏面の各位置決めピン38、39がパワーモジュール14の各位置決め孔57にそれぞれ進入してパワーモジュール14から突出するので、三者の位置は精度良く確定する。
このように積層された状態で、パワーモジュール14の各挿通孔56はスリーブアセンブリ18の各スリーブ32のうちの5個のスリーブ32の裏面側に対応し、インバータ制御基板17の各挿通孔59のうちの6個の挿通孔59はスリーブアセンブリ18の各スリーブ32の表面側に対応する。また、スリーブアセンブリ18に設けられた各端子接続部19〜23はインバータ制御基板17に形成された各端子接続孔58を通過してインバータ制御基板17の表面側に突出する。更に、パワーモジュール14の各電力スイッチング素子13の端子41は、スリーブアセンブリ18の各挿通孔42を通過し、インバータ制御基板17の各端子接続孔62から当該インバータ制御基板17の表面側に少許突出する。
この状態で、インバータ制御基板17から突出した各位置決めピン37と、パワーモジュール14から突出した各位置決めピン38を熱カシメすることにより、インバータ制御部17と、スリーブアセンブリ18、及び、パワーモジュール14を一体化する。更に、各端子接続孔62から突出した電力スイッチング素子13の端子41をインバータ制御回路17に半田付けして電力スイッチング素子13とインバータ制御基板17を電気的に接続する。
このような熱カシメと半田付けにより、インバータ制御基板17とスリーブアセンブリ18とパワーモジュール14をサブラインにて一体化しておく(図4、図5)。このとき、樹脂製のスリーブアセンブリ18は所定の厚さ寸法を有しているので、スリーブアセンブリ18はインバータ制御ブロック17とパワーモジュール14間に介在するスペーサとなり、インバータ制御部17とパワーモジュール14との間の絶縁距離が最短で確保されることになる。
このように、スリーブアセンブリ18にインバータ制御基板17とパワーモジュール14との位置決めピン37、38を設け、インバータ制御基板17とパワーモジュール14とでスリーブアセンブリ18を挟んだ状態で位置決めピン37、38を熱カシメすることにより、インバータ制御基板17、スリーブアセンブリ18、及び、パワーモジュール14を一体化するようにしたので、インバータ回路部3のインバータ制御基板17、スリーブアセンブリ18、及び、パワーモジュール14を一体化するためのネジ等の格別な締結具が不要となり、部品点数の削減と軽量化を実現することができるようになる。
また、ネジ等の締結具を使用しないことで、それらとの絶縁距離の確保も不要となり、インバータ回路部3の小型化にも寄与することができるようになる。更に、一体化された状態でインバータ制御基板17とパワーモジュール14の間には樹脂製のスリーブアセンブリ18が介在することになるため、インバータ制御基板17とパワーモジュール14との絶縁距離が最短で確保される。また、パワーモジュール14の電力スイッチング素子13からの発熱によるインバータ制御基板17への影響も樹脂製のスリーブアセンブリ18で遮断することができるので、これらによっても小型化を実現することができるようになる。
そして、スリーブアセンブリ18に、ネジ溝34を有する雄ネジから成る端子接続部19〜23と、後述する如くインバータ回路部3をハウジング2に固定するためのボルト36が挿通されるスリーブ32を設け、ネジ溝部34が突出した状態で、端子接続部19〜23及びスリーブ32を一体に樹脂モールドしているので、スリーブアセンブリ18及びインバータ回路部3が剛性の高い構造となり、耐振性を向上させることができるようになる。
(3)フィルタ回路部4の構成
次に、図14〜図21を参照しながら前記フィルタ回路部4の構成について説明する。フィルタ回路部4は、三相インバータ回路の電源端子と設置端子との間に接続される比較的大型の平滑コンデンサ(電解コンデンサ)63や電源端子に接続されるこれも比較的大型のコイル64等の電気部品が実装された回路基板としてのフィルタ回路基板66と、これらコンデンサ63やコイル64(電気部品)を収容する硬質樹脂製の支持部材67から構成されている。
(3−1)支持部材67の構成
支持部材67は一面が開口し、上記の如く大型の平滑コンデンサ63やコイル64を収容するのに十分な深さ寸法を有した容器(ケース)状を呈しており、支持部材67の周辺部には金属製円筒から成る所定長さ寸法のスリーブ68が5個、絶縁性の硬質樹脂のインサート成形により支持部材67と一体に樹脂モールドされ、支持部材67の表面と裏面にて露出し、開口している。また、支持部材67の一端側には、図18、図19に示すように外面に微細な凹凸が形成された袋状の金属製ナット部材69が2個、同様に支持部材67と一体に樹脂モールドされ、支持部材67の表面にて露出し、開口している。そして、各ナット部材69は相互に所定の間隔を存して配置されている。
更に、各ナット部材69にそれぞれ対応する位置の支持部材67の縁部には、ガイド部76が内側にえぐられたかたちで2箇所形成されている。各ガイド部76は相互に所定の間隔を有しており、後述する如く2個の電源側接続端子31がフィルタ回路基板66に電気的に接続される際の位置ずれを規制しながら、電源側接続端子31間の絶縁距離を確保する。
更にまた、支持部材67の他端側には、2個のフィルタ側接続端子(接続端子)71が同じく一体に樹脂モールドされている。各フィルタ側接続端子71は、図20に示す如く孔75が穿設された平板端子部72と、この平板端子部72から直角に折れ曲がった半田付け部73を有しており、平板端子部72が支持部材67から側方に突出し、半田付け部73が上面から突出するかたちで支持部材67に埋設されている。また、支持部材67の底面には、位置決めピン74が突出形成されている。
(3−2)フィルタ回路基板66の構成
前記平滑コンデンサ63やコイル64等の電気部品はフィルタ回路基板66の裏面側に実装されている。また、フィルタ回路基板66の周辺部には、前述した支持部材67のスリーブ68に対応する位置に挿通孔77が4箇所形成されており、支持部材67のナット部材69にそれぞれ対応する位置には、端子接続孔78が一端側に2箇所形成されている。更に、フィルタ回路基板66の他端側には支持部材67のフィルタ側接続端子71にそれぞれ対応する位置に、端子接続孔79が2箇所形成されている。
(3−3)フィルタ回路部4の組立手順
以上の構成で、次にフィルタ回路部4の組立手順について説明する。尚、フィルタ回路部4もサブラインにて前記フィルタ回路基板66と支持部材67を一体化する。その際、先ず図21に示す如く、フィルタ回路基板66の平滑コンデンサ64やコイル64を下側として、それらを支持部材67内に収容する。
このとき、各フィルタ側接続端子71の半田付け部73がフィルタ回路基板66の端子接続孔79にそれぞれ進入してフィルタ回路基板66から少許突出し、各挿通孔77は支持部材67の各スリーブ68にそれぞれ対応する。また、フィルタ回路基板66の各端子接続孔78は支持部材67の各ナット部材69にそれぞれ対応する。
この状態で、支持部材67内に熱硬化性の樹脂81(例えば、エポキシ樹脂。図3に示す)を充填することで、フィルタ回路基板66と支持部材67を一体化する。更に、各端子接続孔79から突出したフィルタ側接続端子71の半田付け部73をフィルタ回路基板66に半田付けして当該フィルタ回路基板66に電気的に接続する。このような、熱硬化性の樹脂81の充填と半田付けにより、フィルタ回路基板66と支持部材67をサブラインにて一体化しておく(図14、図15)。このとき、スリーブ68の下端(ハウジング2側となる端部)は、フィルタ回路部4の高さ方向における中央、若しくは、中央近傍の領域に位置している(図3)。
このように、サブラインにてフィルタ回路部4の支持部材67に平滑コンデンサ63やコイル64を収容した状態で当該支持部材67内に熱硬化性の樹脂81を充填することで、フィルタ回路基板66と支持部材67を一体化しておくと共に、支持部材67には、一端がフィルタ回路基板66に半田付けされ、他端がインバータ回路部3に後述する如く端子接続部22、23(雄ネジ)とナット92で電気的に接続されるフィルタ側接続端子71を一体に樹脂モールドしておくようにすれば、樹脂充填や半田付けはハウジング2への組み付け前に行っておき、組み付け時にはナット92のネジ止めやボルト36の締結のみで済むようになるので、組立作業性が著しく向上する。また、一端がフィルタ回路基板66に半田付けされるフィルタ側接続端子71は支持部材67に一体に樹脂モールドされているので、振動に対して剛性の高い構造となり、フィルタ回路部4をハウジング2に固定した後も、半田付け部分に応力が生じなくなる。
(4)インバータ回路部3とフィルタ回路部4のハウジング2への取り付け手順
次に、図22及び図23を参照しながら、メインラインにてインバータ回路部3とフィルタ回路部4をハウジング2に取り付ける手順について説明する。ハウジング2は図22や図23に示すように、インバータ収容部8が構成されたモータ6の回転軸5の軸方向における一端側を上として配置する。そして、前述したようにサブラインにてそれぞれ一体化されたインバータ回路部3とフィルタ回路部4を、同じく軸方向(上方)からハウジング2のインバータ収容部8内にそれぞれ個別に収容する。
このとき、インバータ収容部8の底面となるハウジング2の隔壁12には、インバータ回路部3の各位置決めピン39にそれぞれ対応する位置に、位置決め凹所82が2箇所形成されており、インバータ回路部3のインバータ制御基板17の挿通孔59に対応する位置に、ボルト固定凹所83が8箇所形成されている。そして、各位置決めピン39が位置決め凹所82内に進入することで、ハウジング2に対してインバータ回路部3の位置は確定され、その状態で各挿通孔59(スリーブアセンブリ18のスリーブ32、パワーモジュール14の挿通孔56)は、各ボルト固定凹所83にそれぞれ対応する(図22)。
この状態で図3に示す如くパワーモジュール14の設置プレート43が隔壁12に当接するので、電力スイッチング素子13はこの設置プレート43を介して隔壁12と熱交換関係となり、低温のガス冷媒により冷却されることになる。尚、図3において96は、熱カシメされた位置決めピン38を逃げるために隔壁12に形成された凹所であり、97は設置プレート43の雄ネジ47の頭部を逃げるために隔壁12に形成された凹所である。
一方、ハウジング2の隔壁12には、フィルタ回路部4の各位置決めピン74にそれぞれ対応する位置に、位置決め凹所84が2箇所形成されており、フィルタ回路部4のインバータ回路部3とは反対側となる位置の2箇所の挿通孔77(スリーブ68)に対応する位置に、ボルト固定凹所86が2箇所形成されている。そして、各位置決めピン74が位置決め凹所84内に進入することで、ハウジング2に対してフィルタ回路4の位置は確定される。このように、支持部材67にハウジング2との位置決めピン74を設けておくことで、フィルタ回路部4とハウジング2との位置決めが容易に行えるようになる。
その際、インバータ回路部3とは反対側となる位置の2箇所の挿通孔77(スリーブ68)は、各ボルト固定凹所86にそれぞれ対応し、各スリーブ68はハウジング2(隔壁12)に当接する(図3)。他方、フィルタ回路部4のインバータ回路部3側となる支持部材67の上縁部の一部分はインバータ回路部3に重合し、インバータ回路部3側となる2箇所の挿通孔(スリーブ68)はインバータ回路部3の2箇所の挿通孔59にそれぞれ対応する(図22)。
ここで、前述した如くフィルタ回路部4の平滑コンデンサ64やコイル64は比較的大型であるため、図3に示す如くフィルタ回路部4の高さ寸法H1は、インバータ回路部3の高さ寸法H2よりも大きくなるが、実施例の如くフィルタ回路部4の一部がインバータ回路部3に重合した状態で、インバータ回路部3とフィルタ回路部4を、ハウジング2に着脱可能に取り付けるようにすることで、高さ寸法の大きいフィルタ回路部4を支障無くインバータ収容部8内に収納して取り付けることができるようになる。
また、後述する如くフィルタ回路部4(電気回路部)のフィルタ側接続端子71をスリーブアセンブリ18の端子接続部22、23にインバータ制御基板17とナット92にて共締めする作業も容易に行えるようになる。
尚、この2箇所の挿通孔59に対応するスリーブ32はハウジング2(隔壁12)に当接する(図3)。また、フィルタ回路部4のフィルタ側接続端子71の平板端子部72は、インバータ回路部3の端子接続部22、23にそれぞれ対応し、各端子接続部22、23はフィルタ側接続端子71の平板端子部72の孔75に進入するかたちとなる。
このようにしてインバータ収容部8内にインバータ回路部3とフィルタ回路部4を配置した後、インバータ回路部3の各挿通孔59(スリーブ32、挿通孔56)と、フィルタ回路部4の各挿通孔77(スリーブ68)に軸方向(上方)からボルト36を挿通し(図23)、ボルト固定凹所83、86にそれぞれ螺合させ、締結することでインバータ回路部3とフィルタ回路部4をハウジング2に着脱可能に取り付ける(図2、図3)。この状態でインバータ回路部3の各端子接続部19、20、21は、引出端子24、25、26にそれぞれ隣接し、これら引出端子24、25、26と同一の軸方向(上方)に向けて突出する。
(5)各接続端子28、31、71の接続手順
次に、図24〜図31を参照しながら前述したモータ側接続端子28、電源側接続端子31、及び、フィルタ側接続端子71(何れも接続端子)の接続手順について説明する。モータ側接続端子28は金属板から構成され、図26に示すように一端側に孔87が穿設された平板端子部88を有し、他端側には所定の弾性を有する圧接端子部89を有している。
そして、ハウジング2の軸方向(上方)から3個のモータ側接続端子28をインバータ収容部8内に挿入し、各モータ側接続端子28の圧接端子部89内に各引出端子24、25、26をそれぞれ圧入する。これにより、各モータ側接続端子28の圧接端子部89は、各引出端子24〜26に圧接して電気的に接続される。また、各平板端子部88の孔87に各端子接続部19、20、21を進入させることで、引出端子24と端子接続部19、引出端子25と端子接続部20、引出端子26と端子接続部21間に渡ってそれぞれモータ側接続端子28を取り付ける。
その状態で、上方からナット91をそれぞれ端子接続部19〜21のネジ溝部34に螺合させることで、各モータ側接続端子28の平板端子部88をナット91とインバータ制御基板17で挟持し、平板端子部88とインバータ制御基板17を共締めする。これにより、各モータ側接続端子28はインバータ制御基板17を介して各端子接続部19〜21に締結される。このようにして、各モータ側接続端子28をインバータ制御基板17に固定して電気的に接続し、モータ6からの引出端子24〜26を、モータ側接続端子28によりインバータ制御基板17に電気的に接続する。
また、インバータ回路部3の端子接続部22、23のネジ溝部34にも上方からナット92をそれぞれ螺合させることで、フィルタ側接続端子71の平板端子部72をナット92とインバータ制御基板17で挟持し、平板端子部72とインバータ制御基板17を共締めする。これにより、フィルタ側接続端子71をインバータ制御基板17に固定して電気的に接続し、フィルタ回路部4のフィルタ回路基板66を、フィルタ側接続端子71を介してインバータ制御基板17に電気的に接続する。
このように端子接続部22、23に、インバータ制御基板17とフィルタ回路部4のフィルタ側接続端子71を、ネジ溝部34に螺合するナット92により共締めし、インバータ制御基板17とフィルタ回路部4を電気的に接続するようにしたので、高い剛性の接続構造でインバータ制御基板17とフィルタ回路部4とを接続することができるようになる。また、インバータ回路部3とフィルタ回路部4の接続と、ハウジング2への取り付け、取り外しも容易に行えるようになる。
特に、フィルタ回路部4のフィルタ側接続端子71を直接インバータ制御基板17に接続することができるので、部品点数の削減によるコストの抑制を図ることができるようになる。また、半田接続に比べて組み付けや取り外しが容易となると共に、ナット92による共締めによりスリーブアセンブリ18とインバータ制御基板17も一体化されることになるため、インバータ制御基板17の剛性も向上させることができるようになる。
更に、前述した2個の電源側接続端子31も孔94が穿設された平板端子であり、この孔94をフィルタ回路部4の各端子接続孔78に対応させ、図29に示す如く軸方向(上方)からネジ93を差し込んでナット部材69に螺合させることで、ナット部材69に電源側接続端子31とフィルタ回路基板66を共締めする。これにより、フィルタ回路基板66と電源側接続端子31が電気的に接続される。
このように、フィルタ回路部4の支持部材67に、袋状のナット部材69を一体に樹脂モールドしておき、このナット部材69にフィルタ回路基板66と電源側接続端子31をネジ93にて共締めし、フィルタ回路基板66と電源側接続端子31を電気的に接続するようにしたので、高い剛性の接続構造でフィルタ回路基板66と電源側接続端子31とを接続することができるようになる。
特に、電源側接続端子31を直接フィルタ回路基板66に接続することができるので、部品点数の削減によるコストの抑制を図ることができるようになる。また、半田接続に比べて組み付けや取り外しが容易となると共に、ネジ93による共締めにより支持部材67とフィルタ回路基板66も一体化されることになるため、フィルタ回路基板66の剛性も向上させることができるようになる。
また、袋状のナット部材69を使用しているため、ネジ93による共締め時に生じた屑もナット部材69内に納めておくことができるようになり、屑が拡散することで生じる短絡や漏電等の不都合の発生も防止することができるようになる。
このとき、各電源側接続端子31は支持部材67に形成された各ガイド部76にそれぞれ進入して保持される(図30)。これにより、各電源側接続端子31の位置ずれが規制されるのでネジ止め作業性も向上すると共に、各電源側接続端子31間の絶縁距離も確保されることになる(図31)。そして、最後に蓋部材11をインバータ収容部8の開口9に着脱可能に取り付け、開閉可能にインバータ収容部8の開口9を閉塞する(図1)。
以上の如く、インバータ回路部3のインバータ制御基板17と、スリーブアセンブリ18と、パワーモジュール14を一体化しておき、フィルタ回路部4のフィルタ回路基板66と支持部材67を一体化しておいて、これらインバータ回路部3とフィルタ回路部4を、インバータ収容部8内に同一方向からそれぞれ個別に収容し、着脱可能にハウジング2に取り付けられる構造としたことにより、インバータ回路部3とフィルタ回路部4をそれぞれ別個にインバータ収容部8内に収容することができるようになり、インバータ回路部3とフィルタ回路部4をハウジング2に取り付ける際の組立工程の自由度が増し、電動圧縮機1の組立作業性を改善することができるようになる。
この場合、インバータ回路部3の半田付けやフィルタ回路部4の半田付け、樹脂充填はハウジング2への組み付け前にサブラインにて行っておくことができるので、メインラインでの工数を削減することができるようになる。また、インバータ回路部3とフィルタ回路部4が別個に設けられるため、それらの配置に設計上の自由度が増し、インバータ収容部8の省スペース化を図ることも可能となる。更に、比較的大型となるフィルタ回路部4がインバータ回路部3と別個に設けられることで、耐振性も改善され、車両用の空気調和装置に用いられる電動圧縮機として極めて好適なものとなる。
特に、インバータ回路部3とフィルタ回路部4は、同一方向からインバータ収容部8内に収容可能とされているので、インバータ回路部3とフィルタ回路部4をハウジング2に取り付ける際に、ハウジング2の向きを変更する必要が無くなり、より一層組立作業が良好となる。
例えば実施例の如く、インバータ収容部8を、モータ6の回転軸5の軸方向におけるハウジング2の一端側に構成し、インバータ回路部3とフィルタ回路部4を、モータ6の回転軸5の軸方向からインバータ収容部8内にそれぞれ個別に収容し、着脱可能にハウジング2に取り付けるようにすれば、前述した如くハウジング2の一端側を上にして、インバータ回路部3とフィルタ回路部4を上からインバータ収容部8内に容易に取り付けることができるようになる。
また、実施例ではスリーブアセンブリ18の各端子接続部19〜23に、モータ6の引出端子24〜26に接続されるモータ側接続端子28と、フィルタ回路部4のフィルタ側接続端子71をそれぞれ固定し、インバータ制御基板17に電気的に接続しているので、インバータ制御基板17とモータ6及びフィルタ回路部4との電気的接続も支障無く行えるようになる。
この場合、端子接続部19〜23に、インバータ制御基板17とモータ6の引出端子24〜26に接続されるモータ側接続端子28を、ネジ溝部34に螺合するナット91により共締めし、インバータ制御基板17と引出端子24〜26が電気的に接続するようにしているので、モータ6の引出端子24〜26に接続されるモータ側接続端子28を、インバータ制御基板17に高い剛性の接続構造で接続することができるようになる。
また、実施例では各端子接続部19〜23を、ネジ溝部34を有する雄ネジから構成し、スリーブアセンブリ18を樹脂成形されたものとして、ネジ溝部34が突出した状態で各端子接続部19〜23を一体に樹脂モールドするようにしているので、スリーブアセンブリ18や端子接続部19〜23の剛性が高くなり、耐震性が著しく改善される。
そして、実施例の如くモータ側接続端子28とフィルタ側接続端子71を、端子接続部19〜23のネジ溝部34に螺合するナット91、92により、インバータ制御基板17を介して各端子接続部19〜23に締結することにより、モータ側接続端子28とフィルタ側接続端子71を強固に締結して、接続強度と剛性の向上を図り、振動に強い構成とすることができるようになる。
更に、実施例の如くスリーブアセンブリ18に、インバータ回路部3をハウジング2に固定するためのボルト36が挿通されるスリーブ32を一体に樹脂モールドすることで、スリーブ32をスリーブアセンブリ18に一体化して、部品点数の削減とインバータ回路部3の剛性向上を図ることができるようになる。
また、インバータ回路部3に、ネジ溝部34を有した端子接続部19〜21を突設すると共に、モータ側接続端子28には平板端子部88を設け、この平板端子部88が端子接続部19〜21のネジ溝部34に螺合するナット91によりインバータ回路部3のインバータ制御基板17に固定されることで、インバータ回路部3に電気的に接続されるようにしたので、モータ側接続端子28とインバータ回路部3とは機械的に締結されるかたちとなり、振動や熱等により外力が加わった場合にも、モータ側接続端子28とインバータ回路部3との接続強度を維持することができるようになる。
これにより、クリープ現象に伴う保持力の低下による接続不良の発生を効果的に解消することができるようになる。また、端子接続部19〜21はネジ溝部34が突出した状態でスリーブアセンブリ18に一体に樹脂モールドされており、ネジ溝部34がインバータ制御基板17を通過して突出するようにすると共に、ナット91が端子接続部19〜21のネジ溝部34に螺合することで、モータ側接続端子28の平板端子部88がナット91とインバータ制御基板17に挟持され、その状態で平板端子部88がインバータ制御基板17に電気的に接続されるようにしているので、モータ側接続端子88が接続される端子接続部19〜21周辺のインバータ回路部3の強度と剛性を向上させることができるようになる。
更に、モータ側接続端子28には、モータ6の引出端子24〜26に圧接して電気的に接続される圧接端子部89を設けているので、引出端子24〜26側は従来同様の圧接により、容易にモータ側接続端子28を接続することができるようになる。
この場合、実施例では端子接続部19〜21が、インバータ回路部3がインバータ収容部8内に収容された状態で、引出端子24〜26と同一方向に突出しているので、モータ側接続端子28の圧接端子部89をモータ6の引出端子24〜26に圧接にて接続する方向と、平板端子部88をインバータ回路部3の端子接続部19〜21にナット91で固定する方向とが一致することになり(上方からの接続と固定)、モータ側接続端子28の組み付け作業性が向上する。
また、実施例ではスリーブアセンブリ18に、ハウジング2との位置決めピン39を設けているので、インバータ回路部3をインバータ収容部8に取り付ける際の、ハウジング2との位置決めも容易に行えるようになる。
また、前述した如くフィルタ回路部4の支持部材67に、フィルタ回路部4をハウジング2に固定するためのボルト36が挿通される所定長さ寸法のスリーブ68を一体に樹脂モールドし、フィルタ回路部4を、スリーブ68がハウジング2に当接した状態で、ボルト36によりハウジング2に固定するようにしたので、フィルタ回路部4がハウジング2に当接する位置は、図3に示されるようにスリーブ68の長さ寸法分、ハウジング2の隔壁12側に近づくことになる。これにより、車両の走行時の振動が電動圧縮機1に加わったときのフィルタ回路部4の揺れを低減して、各部に破損が発生する不都合を抑制することができるようになる。
特に、実施例のようにスリーブ68のハウジング2側となる端部を、フィルタ回路部4の高さ方向における中央、若しくは、中央近傍の領域に位置させることで、振動が加わったときのフィルタ回路部4の揺れを効果的に低減することができるようになる。
尚、実施例で示したインバータ回路部3やフィルタ回路部4、ハウジング2の形状、構造は、それに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは云うまでもない。
1 電動圧縮機
2 ハウジング
3 インバータ回路部
4 フィルタ回路部(電気回路部)
6 モータ
8 インバータ収容部
12 隔壁
13 電力スイッチング素子
14 パワーモジュール
16 制御回路
17 インバータ制御基板
18 スリーブアセンブリ
19〜23 端子接続部
24〜26 引出端子
28 モータ側接続端子(接続端子)
31 電源側接続端子(接続端子)
32、68 スリーブ
34 ネジ溝部
36 ボルト
37〜39、74 位置決めピン
43 設置プレート
47 雄ネジ
49 樹脂被覆材
52 絶縁シート
54、91、92 ナット
63 平滑コンデンサ(電気部品)
64 コイル(電気部品)
66 フィルタ回路基板(回路基板)
67 支持部材
69 ナット部材
71 フィルタ側接続端子(接続端子)
88 平板端子部
89 圧接端子部
93 ネジ

Claims (4)

  1. モータが内蔵されたハウジングと、前記モータに給電するためのインバータ回路部と、スイッチング電流の高周波成分を吸収するためのフィルタ回路部を備え、前記インバータ回路部と前記フィルタ回路部が、前記ハウジングの外面に構成されたインバータ収容部内に取り付けられている電動圧縮機において、
    前記フィルタ回路部は、電気部品が実装されたフィルタ回路基板と、前記電気部品を収容する樹脂製の支持部材を備え、
    該支持部材は、前記フィルタ回路部を前記ハウジングに固定するためのボルトが挿通される所定長さ寸法のスリーブが一体に樹脂モールドされており、
    前記フィルタ回路部は、前記スリーブが前記ハウジングに当接した状態で、前記ボルトにより前記ハウジングに固定されていることを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記スリーブの前記ハウジング側となる端部は、前記フィルタ回路部の高さ方向における中央、若しくは、中央近傍の領域に位置することを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記フィルタ回路部は、前記支持部材に前記電気部品を収容した状態で当該支持部材内に熱硬化性の樹脂を充填することで、前記フィルタ回路基板と前記支持部材が一体化されており、
    前記支持部材は、一端が前記フィルタ回路基板に半田付けされ、他端が前記インバータ回路部にネジで電気的に接続される接続端子が一体に樹脂モールドされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記支持部材は、前記ハウジングとの位置決めピンを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の電動圧縮機。
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