発明の詳細な説明
本出願は、がんの処置、副作用の軽減、および閉経後の症状(単数または複数)の軽減のために第2の薬剤と併せてアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を含む併用療法のための方法および組成物を提供する。本発明は、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の固有の性質および作用機構の発見に基づく。大規模スクリーニング後、驚いたことに、本発明者らは、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)が膜結合エストロゲン結合タンパク質の特異的に選択的なエストロゲン受容体調節因子であることを見出した。他方では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)は、GPER1に結合して、バイオエネルギー消費の平衡を保つための代謝シグナルを調整する、GPER1経路のアゴニストとして機能する。したがって、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の有益な効果には、以下が含まれる:i)エストロゲン媒介性HER/VEGFR経路を介して膜結合エストロゲン受容体によって制御された悪性細胞の遊走および成長の阻害、ii)閉経後の症状(脂肪肝、体重増加、高血中トリグリセリド、骨粗鬆症、および臓器萎縮など)を軽減させるアゴニストとしてのエストロゲン代謝効果の調整、iii)タモキシフェン、ラロキシフェン、およびアナストロゾールなどの薬物による有害影響(例えば、骨粗鬆症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、臓器の萎縮、および子宮内膜がんが含まれる)の中和。
したがって、本発明は、1つの態様では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を、単独か、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤と組み合わせて投与することを含む、がんを処置する方法を提供する。
別の態様では、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤の副作用を軽減する方法であって、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)をかかる他の薬剤と組み合わせて投与することによる、方法を提供する。
別の態様では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を単独か少なくとも1つの他の薬剤と組み合わせて投与することによる閉経後症候群を軽減する方法であって、他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、方法を提供する。
別の態様では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を単独か少なくとも1つの他の薬剤と組み合わせて投与することによる血液粘性(blood viscocity)および血栓塞栓症を軽減する方法であって、他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、方法を提供する。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)ならびにタモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を含む薬学的組成物も提供する。
定義
当業者は、本明細書中に記載の併用療法が1つの薬剤または組成物を別の薬剤と併せて投与することが必要であると理解されたい。「〜と併せて」は、ある処置様式に別の処置様式を加えた投与(同一個体への本明細書中に記載のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与に第2の薬剤の投与を加えるなど)をいう。それゆえ、「〜と併せて」は、個体への一方の処置様式の、他方の処置様式の送達前、送達中、または送達後の投与をいう。
本明細書中に記載の方法は、一般に、疾患の処置に有用である。本明細書中で使用する場合、「処置」は、有利なまたは所望の臨床結果を得るためのアプローチである。例えば、がんの処置のために、有利なまたは所望の臨床結果には、以下のうちのいずれか1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない:1つまたは複数の症状の緩和、疾患範囲の縮小、疾患の拡大(例えば、転移(例えば、肺またはリンパ節への転移))の防止または遅延、疾患の再発の防止または遅延、疾患の進行の遅延または緩慢化、疾患状態の改善、および寛解(部分または全体のいずれか)。増殖性疾患の病理学的帰結の軽減も「処置」に含まれる。本発明の方法は、これらの処置の態様のうちのいずれか1つまたは複数を意図する。
本明細書中で使用される「トリプルネガティブ乳がん」を有する個体は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、およびHER2タンパク質の発現が臨床的に陰性の個体をいう。
「mER」は、膜結合型エストロゲン受容体をいう。ERは、そのエストロゲン結合ドメイン(LBD)のシステイン残基でのパルミトイル化修飾によって原形質膜上で亢進される。ER−α−36は、短縮ER−αバリアントである。ER−α−36は、パルミトイル化モチーフ(445〜453)が残存し、全長ER−αのC末端の140アミノ酸領域(456〜595)の代わりに固有の27アミノ酸を保有する。ER−α−36が部分的なLBDを保有し、主に原形質膜およびサイトゾルに局在しているので、ER−α−36はエストロゲンと結合せず、それにより、エストロゲン古典的経路の調整能力を喪失している。
本明細書中で使用される「mER」、「EGFR陽性」、「VEGFR陽性」は、膜結合型エストロゲン受容体、上皮成長因子受容体(EGFR)、または血管上皮成長因子受容体(VEGFR)が臨床的に陽性の個体をいう。
本明細書中で使用される用語「有効量」は、特定の障害、状態、または疾患を処置する(1つまたは複数のその症状を改善する、和らげる、減らす、および/または遅延させるなど)のに十分な化合物または組成物の量をいう。がんに関して、有効量は、腫瘍を収縮させ、そして/または腫瘍の成長速度を減少させ(腫瘍成長の抑制など)、または他の望ましくない細胞増殖を防止もしくは遅延させるのに十分な量を含む。
用語「個体」は、哺乳動物(ヒトが含まれる)である。個体には、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
本方法を、アジュバント療法(Adjuvant setting)で実施してよい。「アジュバント療法」は、個体に増殖性疾患、特に、がんの病歴があり、(必然ではないが)一般に、治療(手術(外科的切除など)、照射療法、および化学療法が含まれるが、これらに限定されない)に応答していた臨床実践場面をいう。しかし、その増殖性疾患(がんなど)の病歴のために、これらの個体は、疾患の発症リスクがあると考えられる。「アジュバント療法」での処置または投与は、その後の処置様式をいう。リスクの程度(すなわち、アジュバント療法における個体が「高リスク」または「低リスク」と考えられる場合)は、いくつかの要因に依存するが、最も一般的には、最初に処置された疾患の範囲に依存する。
本明細書中に提供した方法を、「ネオアジュバント療法」で実施してよい(すなわち、本方法を、一次/根治的治療前に行ってよい)。いくつかの実施形態では、個体は以前に処置されていた。いくつかの実施形態では、個体は以前に処置されていなかった。いくつかの実施形態では、処置は第一選択療法である。
「アルキル」は、線状または枝分かれの飽和炭化水素である。例えば、アルキル基は、1〜12個の炭素原子(すなわち、(C1〜C12アルキル))、または1〜10個の炭素原子(すなわち、(C1〜C10アルキル))、または1〜8個の炭素原子(すなわち、(C1〜C8アルキル))、または1〜6個の炭素原子(すなわち、(C1〜C6アルキル))、または1〜4個の炭素原子(すなわち、(C1〜C4アルキル))を有し得る。適切なアルキル基の例には、メチル(Me、−CH3)、エチル(Et、−CH2CH3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH2CH2CH3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH3)2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH2CH2CH2CH3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH2CH(CH3)2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH3)3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH2CH3)、3−ペンチル(−CH(CH2CH3)2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH2CH3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH3)CH(CH3)2)、3−メチル−1−ブチル(−CH2CH2CH(CH3)2)、2−メチル−1−ブチル(−CH2CH(CH3)CH2CH3)、1−ヘキシル(−CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ヘキシル(−CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3−ヘキシル(−CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH3)2CH2CH2CH3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH3)(CH2CH3)2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH3)C(CH3)3、およびオクチル(−(CH2)7CH3)が含まれるが、これらに限定されない。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する線状または枝分かれの炭化水素である。例えば、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子(すなわち、C2〜C12アルケニル)、または2〜10個の炭素原子(すなわち、C2〜C10アルケニル)、または2〜8個の炭素原子(すなわち、C2〜C8アルケニル)、または2〜6個の炭素原子(すなわち、C2〜C6アルケニル)、または2〜4個の炭素原子(すなわち、C2〜C4アルケニル)を有し得る。適切なアルケニル基の例には、エチレンまたはビニル(−CH=CH2)、アリル(−CH2CH=CH2)、および5−ヘキセニル(−CH2CH2CH2CH2CH=CH2)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中に記載の本発明の態様および実施形態には「からなる(consisting)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」の態様および実施形態が含まれると理解される。
「約」に関して、本明細書中の値またはパラメータにはその値またはパラメータ自体に関する変化量が含まれる(記載される)。例えば、「約X」に関する記述には、「X」の記述が含まれる。
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される場合、単数形「a」、「or」、および「the」には、文脈上そうでないと明確に示されない限り、複数の指示対象が含まれる。本明細書中に記載の本発明の態様および変形形態には、「からなる」および/または「から本質的になる」の態様および変形形態が含まれると理解される。
がんの処置方法
本発明は、1つの態様では、個体におけるがんを処置する方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量のラロキシフェンを該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量のタモキシフェンを該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量のラソフォキシフェン(lasofoxidene)またはバゼドキシフェンを該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量のアナストロゾールを該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の両方を経口投与する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤は、例えば、経口投薬形態の形態で単一の組成物(本明細書中に記載の薬学的組成物など)中に存在する。
いくつかの実施形態では、がんは、乳がん、肺がん(小細胞肺がんおよび非小細胞肺がんなど)、腎がん、膀胱がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、脳腫瘍、結腸直腸がん、白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体はmER陽性である。いくつかの実施形態では、個体はEGFR陽性である。いくつかの実施形態では、個体はVEGFR陽性である。いくつかの実施形態では、個体は固形腫瘍を有する。
いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がEGFRインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がVEGFRインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも2つの他の薬剤であって、該2つの他の薬剤がEGFRインヒビターおよびVEGFRインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される別の薬剤を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、がんはEGFR陽性である。いくつかの実施形態では、がんはVEGFR陽性である。いくつかの実施形態では、がんは、mER陽性である。いくつかの実施形態では、がんは、EGFR陽性およびVEGFR陽性である。いくつかの実施形態では、がんは、mER陽性、EGFR陽性、およびVEGFR陽性である。
適切なEGFRインヒビターには、例えば、セツキシマブ、パニツムマブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、およびバンデタニブが含まれる。適切なVEGFRインヒビターには、例えば、ベバシズマブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、およびソラフェニブが含まれる。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を逐次的に投与する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を同時に投与する。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を並行して投与する。例えば、いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日以内のうちの任意の1つ)開始する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日以内のうちの任意の1つ)終了する。いくつかの実施形態では、他の薬剤の投与を、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与終了後に(例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間のうちの任意の1つ)継続する。いくつかの実施形態では、他の薬剤の投与を、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与開始後に(例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月後のうちの任意の1つ)開始する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に開始および終了する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与をほぼ同時に開始し、他の薬剤の投与を、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与終了後に(例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間のうちの任意の1つ)継続する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与をほぼ同時に停止し、他の薬剤の投与を、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与開始後に(例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月後のうちの任意の1つ)開始する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与をほぼ同時に停止し、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与を他の薬剤の投与開始後に(例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月後のうちの任意の1つ)開始する。
本明細書中に記載のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤は、薬剤自体、その薬学的に許容され得る塩、およびその薬学的に許容され得るエステル、ならびに立体異性体、鏡像異性体、およびラセミ混合物などであり得る。記載のような他の薬剤(単数または複数)を投与することができ、ならびに薬剤(単数または複数)を含有する薬学的組成物(この薬学的組成物は薬学的に許容され得る担体ビヒクルを含む)なども投与することができる。
本明細書中に記載の方法では、アノルドリンおよび/またはそのアナログ(アノルドリンなど)ならびに他の薬剤を有効量で投与する必要がある。いくつかの実施形態では、有効量は、発症を遅延させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、再発を防止または遅延するのに十分な量である。有効量を、1回または複数回投与することができる。がんの場合、薬物または組成物の有効量は、(i)がん細胞の数を減少させ得;(ii)腫瘍サイズを減少させ得;(iii)末梢臓器内へのがん細胞浸潤を阻害し得、阻止し得、ある程度まで遅らせ得、好ましくは停止させ得;(iv)腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度まで遅らせ、好ましくは停止させ)得;(v)腫瘍成長を阻害し得;(vi)腫瘍の出現および/または再発を防止または遅延させ得;および/または(vii)がんに関連する1つまたは複数の症状をある程度まで軽減し得る。
したがって、いくつかの実施形態では、個体における細胞増殖(腫瘍成長など)を阻害する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤は、細胞増殖(腫瘍細胞成長など)を相乗的に阻害する。いくつかの実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のうちのいずれかが含まれる)の細胞増殖が阻害される。
いくつかの実施形態では、個体における腫瘍転移(乳がんの転移、肺転移、またはリンパ節への転移など)を阻害する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤は、腫瘍転移を相乗的に阻害する。いくつかの実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかが含まれる)の転移が阻害される。いくつかの実施形態では、リンパ節への転移の阻害方法を提供する。いくつかの実施形態では、肺への転移の阻害方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体における既存の腫瘍転移(肺転移またはリンパ節への転移など)の発生または負荷を軽減する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体の腫瘍サイズを減少させる方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかが含まれる)減少する。
いくつかの実施形態では、個体におけるがんの疾患進行時間を延長する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法により、疾患進行時間が少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間のいずれかまで延長される。
いくつかの実施形態では、増殖性疾患(がんなど)を有する個体の生存を延長する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法により、個体の生存が少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、または24ヶ月のいずれかまで延長される。
いくつかの実施形態では、本方法を使用して、原発性腫瘍を処置する。いくつかの実施形態では、転移性がん(すなわち、原発性腫瘍から転移したがん)の処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、進行性疾患の処置または疾患範囲をより小さくすること(腫瘍量を低くするなど)を目的とする。いくつかの実施形態では、進行期のがんの処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、早期乳がんの処置を目的とする。本方法を、アジュバント療法で実施してよい。本明細書中に提供した方法を、ネオアジュバント療法でも実施してよい(すなわち、本方法を、一次/根治的治療前に行ってよい)。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、処置完了後に個体に手術を行うことを含む。例えば、がんが乳がんである場合のいくつかの実施形態では、乳房温存手術または乳房切除術を、ネオアジュバント化学療法の完了後の約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間以内に行うことができる。
いくつかの実施形態では、個体は以前に処置されていた。いくつかの実施形態では、個体は以前に処置されていなかった。いくつかの実施形態では、処置は第一選択療法である。いくつかの実施形態では、乳がんは、寛解後に再発していた。
いくつかの実施形態では、がんは乳がんである。これらの方法を使用して、例えば、あらゆる型または病期の乳がん(早期乳がん、非転移性乳がん、進行性乳がん、IV期乳がん、局所進行性乳がん、転移性乳がん、寛解乳がん、アジュバント療法における乳がん、またはネオアジュバント療法における乳がんなど)を処置、安定化、防止、および/または遅延させることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、術前全身療法(PST)に有用である。
いくつかの実施形態では、乳がん(HER2陽性またはHER2陰性であり得る)(例えば、進行性乳がん、IV期乳がん、局所進行性乳がん、および転移性乳がんが含まれる)を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、乳がんはルミナールB型乳がんである。いくつかの実施形態では、乳がんは基底細胞型乳がんである。いくつかの実施形態では、個体は、T2、T3、またはT4病変、またはステージN、M0、またはT1c、N1−3およびM0と診断されている。いくつかの実施形態では、個体のECOGパフォーマンスステータスは0〜1である。いくつかの実施形態では、個体は同側乳房に皮膚転移を有する。いくつかの実施形態では、個体は前治療(ホルモン療法など)を受けている。いくつかの実施形態では、個体は前治療(ホルモン療法など)を受けていない。いくつかの実施形態では、個体は、根治手術を待機している。いくつかの実施形態では、乳がんは切除した乳がんである。いくつかの実施形態では、乳がんは非切除乳がん(非切除II期またはIII期乳がんなど)である。
いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数のこれら危険因子を有し、その結果、これらの危険因子(単数または複数)を持たない個体より乳がん発症の確率が高くなる個体の処置を目的とする。これらの危険因子には、年齢、性別、民族、食事、病歴、前駆疾患の存在、遺伝学的(すなわち、遺伝性)検討事項、および環境曝露が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体は、乳がん発症の遺伝的素因を有するか、または乳がん発症の別の素因を有し、乳がんと診断されているか、または診断されていないヒトであり得る。乳がんリスクの有る個体には、例えば、乳がんを経験した血縁者を有する個体およびリスクが遺伝子マーカー分析または生化学マーカー分析によって決定される個体が含まれる。例えば、個体は、乳がんに関連する遺伝子、遺伝子変異、または多型(例えば、BRCA1、BRCA2、ATM、CHEK2、RAD51、AR、DIRAS3、ERBB2、および/またはTP53)または1つもしくは複数の乳がんに関連する遺伝子の過剰コピー(extra copy)(例えば、1つまたは複数のHER2遺伝子の過剰コピー)を有するヒトであり得る。いくつかの実施形態では、乳がんはHER2陰性である。いくつかの実施形態では、乳がんはER陰性である。いくつかの実施形態では、乳がんはPR陰性である。いくつかの実施形態では、乳がんはEP陰性およびHER2陰性である。いくつかの実施形態では、乳がんはPR陰性およびHER2陰性である。いくつかの実施形態では、乳がんはER陰性およびPR陰性である。いくつかの実施形態では、乳がんは、ER陰性、PR陰性、およびHER2陰性である。
本明細書中に記載の方法はまた、他の固形腫瘍(進行性固形腫瘍など)の処置に有用である。いくつかの実施形態では、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(進行性NSCLCなどのNSCLC)、小細胞肺がん(進行性SCLCなどのSCLC)、および肺内の悪性進行性固形腫瘍が含まれる)を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、卵巣がん、頭頸部がん、胃悪性腫瘍、黒色腫(転移性黒色腫および悪性黒色腫が含まれる)、卵巣がん、結腸直腸がん、および膵臓がんのいずれかを処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数の以下の処置に有用である:皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、白血病、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、および急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)。
いくつかの実施形態では、疾患は、以下のいずれか1つのがんである:基底細胞癌、髄芽細胞腫、膠芽細胞腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)、膵臓がん、肺がん(小細胞肺がんおよび非小細胞肺がん)、食道がん、胃がん(stomach cancer)、胆管がん(billary cancer)、前立腺がん、肝臓がん、肝細胞がん、消化管がん、胃がん(gastric cancer)、ならびに卵巣がんおよび膀胱がん。いくつかの実施形態では、がんは、膵管腺癌、結腸腺癌、および卵巣嚢胞腺癌からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、膵管腺癌である。いくつかの実施形態では、がんは、灌流および/または脈管化が乏しい腫瘍である。
いくつかの実施形態では、がんは、膵臓がん(例えば、膵臓腺癌、膵腺扁平上皮癌、膵扁平上皮癌、および膵巨細胞癌が含まれる)である。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、外分泌性膵臓がんである。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、内分泌性膵臓がん(島細胞癌など)である。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、進行性転移性膵臓がんである。
本発明の方法によって処置され得るがんの他の例には、副腎皮質癌(adenocortical carcinoma)、特発性骨髄化生、AIDS関連がん(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫(例えば、小脳および大脳)、基底細胞癌、胆管がん(例えば、肝外)、膀胱がん、骨のがん、(骨肉腫および悪性線維性組織球腫)、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、脳幹部神経膠腫、小脳または大脳の星状細胞腫(例えば、毛様細胞性星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、未分化(悪性)星状細胞腫)、悪性神経膠腫、上衣腫、オリゴデングリオーマ(oligodenglioma)、髄膜腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽細胞腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、視覚路および視床下部の神経膠腫、ならびに膠芽細胞腫)、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍(例えば、消化管カルチノイド腫瘍)、原発不明癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、結腸がん、結腸直腸がん、慢性骨髄増殖性障害、子宮内膜がん(例えば、子宮がん)、上衣腫、食道がん、ユーイングファミリー腫瘍、眼のがん(例えば、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫)、胆嚢がん、胃(胃)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん(例えば、肝癌およびヘパトーマ)、下咽頭がん、島細胞癌(膵臓内分泌部)、喉頭がん、喉頭がん、白血病、口唇および口腔(oral cavity)がん、口腔(oral)がん、肝臓がん、肺がん(例えば、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺癌、および肺扁平上皮癌)、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)、髄芽細胞腫、卵巣がん、中皮腫、転移性頸部扁平上皮がん、口腔(mouth)がん、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、神経内分泌がん、口腔咽頭がん、卵巣がん(例えば、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍)、膵臓がん、副甲状腺がん、陰茎がん、腹膜がん、咽頭がん、クロム親和性細胞腫、松果体芽細胞腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫(小神経膠腫)、肺リンパ管筋腫症、直腸がん、腎がん、腎盂がんおよび尿管がん(移行細胞がん)、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん(例えば、非黒色腫(例えば、扁平上皮癌)、黒色腫、およびメルケル細胞癌)、小腸がん、扁平上皮がん、睾丸がん、咽頭(throat)がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、結節性硬化症、尿道がん、膣がん、外陰がん、ウィルムス腫瘍、および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連する浮腫など)、ならびにメーグス症候群が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍(進行性固形腫瘍など)である。固形腫瘍には、肉腫および癌(線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮サクロノーマシノビオーマ(sacronomasynovioma)、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌(例えば、腺癌、明細胞腎細胞癌、乳頭状腎細胞癌、嫌色素性腎細胞癌、集合管腎細胞癌、顆粒腎細胞癌(granular renal cell carcinoma)、混合顆粒腎細胞癌(mixed granular renal cell carcinoma)、腎血管筋脂肪腫(renal angiomyolipomas)、または腎紡錘細胞癌(spindle renal cell carcinoma)が含まれる)、ヘパトーマ、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫など)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)は、B細胞新生物である。B細胞新生物の例には、前駆B細胞新生物(例えば、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫)および末梢B細胞新生物(例えば、B細胞慢性リンパ性白血病/前リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(小リンパ球性(SL)NHL)、リンパ形質細胞性リンパ腫/免疫細胞腫、マントル細胞リンパ腫(mantel cell lymphoma)、濾胞中心リンパ腫、濾胞性リンパ腫(例えば、細胞学的悪性度:I(小細胞)、II(小細胞と大細胞の混合型)、III(大細胞)および/またはサブタイプ:びまん性および小細胞優位型)、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、中悪性度/濾胞性NHL、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、節外性(例えば、MALT型+/−単球様B細胞)および/または節性(例えば、+/−単球様B細胞))、脾性辺縁帯リンパ腫(例えば、+/−絨毛リンパ球)、毛様細胞白血病、形質細胞腫/形質細胞骨髄腫(例えば、骨髄腫および多発性骨髄腫)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、原発性縦隔(胸腺)B細胞リンパ腫)、中悪性度びまん性NHL、バーキットリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、バーキット様高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大病変NHL、AIDS関連リンパ腫、ならびにワルデンシュトレームマクログロブリン血症)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)は、T細胞および/または推定NK細胞新生物である。T細胞および/または推定NK細胞新生物の例には、前駆T細胞新生物(前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病)および末梢T細胞新生物および末梢NK細胞新生物(例えば、T細胞慢性リンパ性白血病/前リンパ球性白血病、および大顆粒リンパ球白血病(LGL)(例えば、T細胞型および/またはNK細胞型)、皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症/セザリー症候群)、特定されない原発性T細胞リンパ腫(primary T-cell lymphomas unspecified)(例えば、細胞学的カテゴリー(例えば、中サイズの細胞、中サイズの細胞と大細胞との混合型)、大細胞、リンパ上皮細胞(lymphoepitheloid cell)、サブタイプ肝脾γδT細胞リンパ腫、および皮下脂肪織炎様(panniculitic)T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILD)、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫(例えば、+/−腸症関連リンパ腫)、成人T細胞リンパ腫/白血病(ATL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)(例えば、CD30+、T細胞型およびヌル細胞型)、未分化大細胞型リンパ腫、およびホジキン様)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)はホジキン病である。例えば、ホジキン病は、リンパ球優位型、結節性硬化症、混合細胞型、リンパ球減少型、および/またはリンパ球豊富型であり得る。
いくつかの実施形態では、がんは白血病である。いくつかの実施形態では、白血病は慢性白血病である。慢性白血病の例には、慢性骨髄性I(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病、および慢性リンパ性白血病(CLL)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、白血病は急性白血病である。急性白血病の例には、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)、急性リンパ性白血病、および急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia)(例えば、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、および赤白血病)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、がんは、液性腫瘍または形質細胞腫である。形質細胞腫には、骨髄腫が含まれるが、これに限定されない。骨髄腫には、髄外形質細胞腫、孤立性骨髄腫、および多発性骨髄腫が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、形質細胞腫は多発性骨髄腫である。
いくつかの実施形態では、がんは多発性骨髄腫である。多発性骨髄腫の例には、IgG多発性骨髄腫、IgA多発性骨髄腫、IgD多発性骨髄腫、IgE多発性骨髄腫、および非分泌性多発性骨髄腫が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫はIgG多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫はIgA多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、くすぶり型多発性骨髄腫または無痛性多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、進行性多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、薬物(ボルテゾミブ、デキサメタゾン(Dex−)、ドキソルビシン(Dox−)、およびメルファラン(LR)などであるが、これらに限定されない)に耐性であり得る。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)によって少なくとも1つの他の薬剤の副作用を軽減する方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を他の薬剤と組み合わせて個体に投与することを含み、他の薬剤が、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体はmER陽性である。いくつかの実施形態では、個体はEGFR陽性である。いくつかの実施形態では、個体はVEGFR陽性である。
タモキシフェンの副作用には、例えば、子宮がん、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、心血管および心臓発作、下痢、嘔気、頭痛、のぼせ、副鼻腔炎、体重増加、下肢痙攣、および踝腫脹が含まれる。ラロキシフェンの副作用には、例えば、血中トリグリセリドの減少、NASH、心血管および心臓発作、血塊、卒中(stoke)、深部静脈血栓症、および肺塞栓症(pulomary embolism)が含まれる。アナストロゾールの副作用には、例えば、下痢、嘔気、頭痛、のぼせ、副鼻腔炎、体重増加、筋痛、臓器萎縮、および骨粗鬆症が含まれる。
いくつかの実施形態では、mERの状態を、がん処置(またはがん処置における他の薬剤の副作用の軽減)のための個体選択の基準として使用する。mERレベルを、例えば、以下のうちのいずれか1つまたは複数において決定する(そして評価を補助する)ために使用することができる:a)個体が最初に処置を受けるのが適切であることがほぼ確実かまたはその可能性があること;b)個体が最初に処置(複数可)を受けるのが不適切であることがほぼ確実かまたはその可能性があること;c)処置に対する応答性;d)個体に処置を継続するのが適切であることがほぼ確実かまたはその可能性があること;e)個体に処置(複数可)を受けさせるのが不適切であることがほぼ確実かまたはその可能性があること;f)投薬量の調整;g)臨床的有益性の尤度の予測。本出願は、これらの方法のいずれも包含する。
例えば、いくつかの実施形態では、個体(ヒト個体など)におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含み、該個体のmERレベルが高い、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体(ヒト個体など)におけるがんを処置する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);および、任意選択的に、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含み、mERレベルを処置のための該個体選択の基準として使用する、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体は、該個体のmERレベルが高い場合、処置のために選択される。いくつかの実施形態では、mERレベルを、免疫組織化学的方法によって決定する。いくつかの実施形態では、mERレベルは、タンパク質発現レベルに基づく。いくつかの実施形態では、mERレベルはmRNAレベルに基づく。いくつかの実施形態では、mERレベルは、エストロゲン刺激に応答したCa2+シグナルに基づく。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、処置前にmERレベルを決定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、mERレベルに基づいて処置のための個体を選択することを含む。
mERレベルは、コントロールサンプルと比較して高レベルまたは低レベルであり得る。いくつかの実施形態では、個体のmERレベルを、コントロールサンプルにおけるmERレベルと比較する。いくつかの実施形態では、被験体におけるmERレベルを、複数のコントロールサンプルにおけるmERレベルと比較する。いくつかの実施形態では、複数のコントロールサンプルを使用して統計処理し、これを使用してがんを有する個体におけるmERレベルを分類する。
mERレベル(すなわち、高いまたは低い)の分類または格付けを、コントロールレベルの統計的分布と比較して決定してよい。いくつかの実施形態では、分類または格付けを、個体から得たコントロールサンプルと比較する。いくつかの実施形態では、mERレベルを、コントロールレベルの統計的分布と比較して分類または格付けする。いくつかの実施形態では、mERレベルを、被験体から得たコントロールサンプル由来のレベルと比較して分類または格付けする。
コントロールサンプルを、非コントロールサンプルと同一の供給源および方法を使用して得ることができる。いくつかの実施形態では、コントロールサンプルを、異なる個体(例えば、がんを有さない個体ならびに/または民族、年齢、および性同一性が類似する個体)から得る。サンプルが腫瘍組織サンプルであるいくつかの実施形態では、コントロールサンプルは、同一個体由来の非がん性サンプルであり得る。いくつかの実施形態では、複数のコントロールサンプル(例えば、異なる個体由来)を使用して、特定の組織、臓器、または細胞集団中のmERレベル範囲を決定する。いくつかの実施形態では、コントロールサンプルは、適切なコントロールであると決定されている培養組織または培養細胞である。いくつかの実施形態では、コントロールは、mERを発現しない細胞である。いくつかの実施形態では、標準化試験における臨床的に許容される正常レベルを、mERレベル決定のためのコントロールレベルとして使用する。いくつかの実施形態では、被験体におけるmERの基準レベルを、スコアリングシステム(免疫組織化学ベースのスコアリングシステムなど)に従って、高、中、低に分類する。
いくつかの実施形態では、mERレベルを、個体におけるmERレベルの測定およびコントロールまたは基準(例えば、所与の患者集団についての中央値レベルまたは第2の個体のレベル)との比較によって決定する。例えば、単一個体のmERレベルが患者集団の中央値レベルを上回ると決定される場合、この個体はmERを高発現すると決定される。あるいは、単一個体のmERレベルが患者集団の中央値レベル未満と決定される場合、この個体はmERを低発現すると決定される。いくつかの実施形態では、個体を、第2の個体および/または処置に応答する患者集団と比較する。いくつかの実施形態では、個体を、第2の個体および/または処置に応答しない患者集団と比較する。本明細書中のいずれの実施形態では、このレベルを、mERレベルの測定によって決定する。例えば、単一個体のmERをコードするmRNAレベルが患者集団の中央値レベルを上回ると決定される場合、この個体はmERをコードするmRNAレベルが高いと決定される。あるいは、単一個体のmERをコードするmRNAレベルが患者集団の中央値レベル未満と決定される場合、この個体はmERをコードするmRNAレベルが低いと決定される。
いくつかの実施形態では、mERの基準レベルを、mERレベルの統計的分布を得ることによって決定する。
いくつかの実施形態では、バイオインフォマティクス法を、mERレベルの決定および分類のために使用する。遺伝子発現プロファイリングデータを使用して遺伝子組の発現プロフィールを評価するための多数の代替バイオインフォマティクスアプローチが開発されている。方法には、Segal,E.ら、Nat.Genet.34:66−176(2003);Segal,E.ら、Nat.Genet.36:1090−1098(2004);Barry,W.T.ら、Bioinformatics 21:1943−1949(2005);Tian,L.ら、Proc Nat’l Acad Sci USA 102:13544−13549(2005);Novak B A and Jain A N.Bioinformatics 22:233−41(2006);Maglietta Rら、Bioinformatics 23:2063−72(2007);Bussemaker H J,BMC Bioinformatics 8 Suppl 6:S6(2007)に記載の方法が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、mRNAレベルを決定し、低レベルとは、臨床的に正常と見なされるmRNAレベルまたはコントロールから得たmRNAレベルの約1/1.1、1/1.2、1/1.3、1/1.5、1/1.7、1/2、1/2.2、1/2.5、1/2.7、1/3、1/5、1/7、1/10、1/20、1/50、1/70、1/100、1/200、1/500、1/1000未満または1/1000未満のmRNAレベルである。いくつかの実施形態では、高レベルとは、臨床的に正常と見なされるmRNAレベルまたはコントロールから得たmRNAレベルの約1.1、1.2、1.3、1.5、1.7、2、2.2、2.5、2.7、3、5、7、10、20、50、70、100、200、500、1000倍超、または1000倍超のmRNAレベルである。
いくつかの実施形態では、タンパク質発現レベルを、例えば、免疫組織化学によって決定する。例えば、mERタンパク質を特異的に認識する抗体を使用して、陽性染色細胞数および/または染色強度に基づいて低レベルまたは高レベルの判定基準を作成することができる。いくつかの実施形態では、陽性染色細胞が約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%未満である場合、上記レベルは低い。いくつかの実施形態では、染色の強度がポジティブコントロール染色より1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%低い場合、上記レベルは低い。
いくつかの実施形態では、約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%超の細胞が陽性染色される場合、上記レベルは高い。いくつかの実施形態では、染色がポジティブコントロール染色と同様の強度である場合、上記レベルは高い。いくつかの実施形態では、染色がポジティブコントロール染色の80%、85%、または90%ほどの強度である場合、上記レベルは高い。
いくつかの実施形態では、強染色、中程度の染色、および弱染色とは、較正した染色レベルであって、その中で範囲を確立してこの範囲内で染色強度を区分けする(binned)。いくつかの実施形態では、強染色は強度範囲の75パーセンタイルを超える染色であり、中程度の強度は強度範囲の25〜75パーセンタイルの染色であり、低染色は強度範囲の25パーセンタイル未満の染色(is staining is staining)である。いくつかの態様では、特定の染色技法に精通する当業者が区分け(bin)サイズを調整し、染色カテゴリーを画定する。
いくつかの実施形態では、エストロゲン感受性レベルを、例えば、Ca2+オシレーションまたは電気生理学的パッチクランプ法によって決定する。例えば、エストロゲンの使用によるCa2+濃度または陽性細胞の応答シグナルの変化に基づいて低レベルまたは高レベルの判定基準を作成することができる。いくつかの実施形態では、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%未満の細胞が陽性感受性を有する場合、上記レベルは低い。いくつかの実施形態では、Ca2+濃度または応答シグナルの変化がポジティブコントロールの感受性の強度より1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%低い場合、上記レベルは低い。
いくつかの実施形態では、約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%超の細胞が陽性に変化する場合、上記レベルは高い。いくつかの実施形態では、感受性がポジティブコントロールの感受性と同程度の強度である場合、上記レベルは高い。いくつかの実施形態では、変化がポジティブコントロールの80%、85%、または90%ほどの強さである場合、上記レベルは高い。
いくつかの実施形態では、最大感受性、中程度の感受性、および弱感受性とは、較正した細胞中のCa2+シグナルレベルであって、その中で範囲を確立してこの範囲内でCa2+シグナル強度を区分けする。いくつかの実施形態では、最大感受性は強度範囲の75パーセンタイルを超えるCa2+シグナルの変化であり、中程度の感受性は強度範囲の25〜75パーセンタイルのCa2+シグナルの変化であり、低感受性は強度範囲の25パーセンタイル未満(is measuring below)のCa2+シグナルの変化である。いくつかの態様では、特定の灌流技法に精通する当業者が区分けサイズを調整し、シグナル記録カテゴリーを画定する。
閉経後症候群を軽減する方法
いくつかの実施形態では、個体における閉経後の症状を軽減する方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体における閉経後の症状を軽減する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の、ラロキシフェンまたはその機能的等価物およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を逐次的に投与する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を、同時に(例えば、本明細書中に記載の薬学的組成物などの単一組成物で)投与する。
本明細書中に記載の閉経後症候群には、脂肪肝、体重増加、高血中トリグリセリド、骨粗鬆症、および臓器萎縮が含まれるが、これらに限定されない。
したがって、例えば、いくつかの実施形態では、個体における骨粗鬆症を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体における骨粗鬆症を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体における骨粗鬆症を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、有効量のカルシウムを個体に投与することを含む。カルシウムの適量には、約1〜約500mg/日、例えば、約10〜約200mg/日、約50〜約1500mg/日が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、有効量のビタミンDを個体に投与することを含む。ビタミンDの適量には、約400〜約800IU/日(約500〜約600IU/日など)が含まれるが、これに限定されない。
いくつかの実施形態では、個体における脂肪肝を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体における脂肪肝を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体における脂肪肝を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。
いくつかの実施形態では、個体におけるインスリン抵抗性を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体におけるインスリン抵抗性を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体におけるインスリン抵抗性を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。
いくつかの実施形態では、個体における糖取り込みの軽減または細胞ATP濃度の増加またはその両方を行う方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体における糖取り込みの軽減または細胞ATP濃度の増加またはその両方を行う方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体における糖取り込みの軽減または細胞ATP濃度の増加またはその両方を行う方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。
いくつかの実施形態では、個体における臓器萎縮を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体における臓器萎縮を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体における臓器萎縮を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。
いくつかの実施形態では、個体における体重増加を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体における体重増加を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体における体重増加を防止する(またはその症状を軽減する)方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。
いくつかの実施形態では、個体における血中トリグリセリドを軽減する方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体における血中トリグリセリドを軽減する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体における(in an individual,in an individual)血中トリグリセリドを軽減する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。
いくつかの実施形態では、個体における血液粘性および/または血栓塞栓症を軽減する方法であって、有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体における血液粘性および/または血栓塞栓症を軽減する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がラロキシフェンまたはその機能的等価物である、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はラロキシフェンである。いくつかの実施形態では、他の薬剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、個体における血液粘性および/または血栓塞栓症を軽減する方法であって、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど);およびb)有効量の少なくとも1つの他の薬剤であって、該他の薬剤がアロマターゼインヒビターである、他の薬剤を該個体に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、他の薬剤はアナストロゾールである。
投与様式
併用療法の文脈では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を含む組成物を、同時に(すなわち、同時投与)および/または逐次的に(すなわち、逐次投与)投与することができる。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤(本明細書中に記載の具体的薬剤が含まれる)を同時に投与する。用語「同時投与」は、本明細書中で使用する場合、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を約15分間以下(約10、5、または1分間のいずれか以下など)の時間間隔で投与することを意味する。薬物を同時に投与する場合、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を、同一の組成物中(例えば、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の両方を含む組成物(例えば、本明細書中に含まれる薬学的組成物))または個別の組成物中(例えば、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を個別の組成物中に含める)に含めてよい。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を逐次的に投与する。用語「逐次投与」は、本明細書中で使用する場合、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)中の薬物および他の薬剤を、約15分間を超える時間(約20、30、40、50、60分間を超える時間、またはそれを超える時間のいずれかなど)の時間間隔で投与することを意味する。アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)または他の薬剤のいずれかを、最初に投与してよい。アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤は個別の組成物中に含まれ、この個別の組成物は、同一または異なるパッケージに含めてよい。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与は並行している。すなわち、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与期間と他の薬剤の投与期間は相互に重複している。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を、他の薬剤の投与前に少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも2、3、または4サイクルのいずれか)で投与する。いくつかの実施形態では、他の薬剤を、少なくとも1、2、3、または4週間のいずれかの期間投与する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日以内のいずれか1つ)開始する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日以内のいずれか1つ)終了する。いくつかの実施形態では、他の薬剤の投与を、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与終了後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間のいずれか1つの期間)継続する。いくつかの実施形態では、他の薬剤の投与を、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与開始後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12(we)ヶ月後のいずれか1つ)開始する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与を、ほぼ同時に開始および終了する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与をほぼ同時に開始し、他の薬剤の投与をアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与終了後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月間のいずれか1つの期間)継続する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の投与をほぼ同時に停止し、他の薬剤の投与をアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与開始後に(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12(we)ヶ月後のいずれか1つ)開始する。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および/または他の薬剤の投薬頻度を、投与する医師の判断に基づいて処置のコースにわたって調整してよい。個別に投与する場合、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を、異なる投薬頻度または投薬間隔で投与することができる。例えば、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を毎週投与することができる一方で、別の薬剤をより高い頻度またはより低い頻度で投与することができる。徐放を達成するための種々の製剤およびデバイスは当該分野で公知である。投薬頻度の例を本明細書中にさらに提供する。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を、同一の投与経路または異なる投与経路を使用して投与することができる。投与経路の例を本明細書中にさらに提供する。いくつかの実施形態では(同時投与および逐次投与の両方について)、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を、所定の比で投与する。例えば、いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の重量比は約1対1である。いくつかの実施形態では、重量比は、約0.001対約1〜約1000対約1の間、または約0.01対約1〜100対約1の間であり得る。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の重量比は、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1未満のいずれかである。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の重量比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1超のいずれかである。他の比が意図される。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および/または他の薬剤に必要な用量は、各薬剤が単独で投与される場合に通常必要とされる用量より低くてよい(しかし、必ずしもそうではない)。したがって、いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)中の治療量以下の薬物および/または他の薬剤を投与する。「治療量以下」または「治療レベル以下」は、治療量未満(すなわち、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)中の薬物および/または他の薬剤を単独で投与する場合に通常使用される量未満)である量をいう。減少は、所与の投与での投与された量および/または所与の期間にわたる投与された量(頻度の減少)の点において反映され得る。
いくつかの実施形態では、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ超のいずれかと同程度の処置を得るのに必要なアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の通常用量を減少させるのに十分な他の薬剤を投与する。いくつかの実施形態では、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ超のいずれかと同程度の処置を得るのに必要な他の薬剤の通常用量を減少させるのに十分なアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を投与する。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の両方の用量は、単独で投与した場合の各々の対応する通常用量と比較して減少する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の両方を、治療量以下(すなわち、低レベル)で投与する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および/または他の薬剤の用量は、確立された最大中毒量(maximum toxic dose)(MTD)より実質的に低い。例えば、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および/または他の薬剤の用量は、MTDの約50%、40%、30%、20%、または10%未満である。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の用量および/または他の薬剤の用量は、各薬剤を単独で投与した場合に通常必要な用量より高い。例えば、いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および/または他の薬剤の用量は、確立された最大中毒量(MTD)より実質的に高い。例えば、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および/または他の薬剤の用量は、単独で投与した場合の薬剤のMTDの約50%、40%、30%、20%、または10%超である。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(単独または他の薬剤との組み合わせ)の量は、以下の範囲のいずれかに含まれる:約0.1〜約0.5mg、約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mg。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(例えば、単位投薬形態)の量は、約5mg〜約500mgの範囲(約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgなど)である。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(単独または他の薬剤との組み合わせ)の量には、少なくとも約0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、または20mg/kgのいずれかが含まれる。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(単独または他の薬剤との組み合わせ)の量には、少なくとも約0.01mg/kg/日、0.05mg/kg/日、0.1mg/kg/日、0.25mg/kg/日、0.5mg/kg/日、1mg/kg/日、2.5mg/kg/日、3.5mg/kg/日、5mg/kg/日、6.5mg/kg/日、7.5mg/kg/日、10mg/kg/日、15mg/kg/日、または20mg/kg/日のいずれかが含まれる。
いくつかの実施形態では、他の薬剤の量には、少なくとも約0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、または20mg/kgのいずれかが含まれる。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(単独または他の薬剤との組み合わせ)の量には、少なくとも約0.01mg/kg/日、0.05mg/kg/日、0.1mg/kg/日、0.25mg/kg/日、0.5mg/kg/日、1mg/kg/日、2.5mg/kg/日、3.5mg/kg/日、5mg/kg/日、6.5mg/kg/日、7.5mg/kg/日、10mg/kg/日、15mg/kg/日、または20mg/kg/日のいずれかが含まれる。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(および他の薬剤)の投薬頻度の例には、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、6週間毎に1回、または8週間毎に1回が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物を、少なくとも1週間に約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)、毎日3回、または毎日2回のいずれかで投与する。いくつかの実施形態では、各投与間の間隔は、約6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月、20日、15日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日未満のいずれかである。いくつかの実施形態では、各投与間の間隔は、約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、または12ヶ月超のいずれかである。いくつかの実施形態では、投薬計画中に休止期間はない。いくつかの実施形態では、各投与間の間隔は、約1週間以下である。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(および他の薬剤)の投与を、長期間(約1ヶ月から約7年までなど)にわたって延長することができる。いくつかの実施形態では、組成物を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84ヶ月のいずれかの期間にわたって投与する。
いくつかの実施形態では、個体を、少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回の処置サイクルのいずれかで処置する。
他の薬剤の投薬頻度は、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投薬頻度と同一または異なり得る。頻度の例は、上記している。
本明細書中に記載のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(および他の薬剤)を、種々の経路(例えば、経口、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、吸入、小胞内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜、および経皮が含まれる)を介して個体(ヒトなど)に投与することができる。いくつかの実施形態では、組成物の徐放製剤を使用してよい。
本明細書中に記載の投与形態(administration configuration)の組み合わせを使用することができる。本明細書中に記載の併用療法を、単独または別の治療(手術、照射、化学療法、免疫療法、および遺伝子療法など)と併せて行ってよい。さらに、増殖性疾患発症リスクのより高い者は、疾患発症の阻害および/または(or and/or)遅延のための処置を受けてよい。
当業者に理解されるように、他の薬剤の適切な用量は、他の薬剤を単独または他の薬剤と組み合わせて投与する臨床治療で既に使用されている用量に近い。処置される状態に応じて投薬量の変動が生じる可能性がある。上記のように、いくつかの実施形態では、他の薬剤を低レベルで投与してよい。
組成物、キット、および医薬品
本発明はまた、本明細書中に記載の方法に有用な組成物(薬学的組成物など)、医薬品、キット、および単位投薬量を提供する。医薬としての用途および/または医薬製造のための使用のいずれかに関連して、本明細書中に記載のあらゆる使用も提供する。
本出願の方法は、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の投与を含む。適切なアノルドリンまたはそのアナログを、以下により詳細に記載している。
いくつかの態様における本出願の方法は、ラロキシフェンまたはその機能的等価物の投与を含む。本明細書中で使用される「その機能的等価物」は、ラロキシフェンと同一の機構によって機能する化合物をいう。例えば、ラロキシフェンの機能的等価物には、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、およびレボルメロキシフェンが含まれるが、これらに限定されない。
別の態様では、本方法は、アロマターゼインヒビターの投与を含む。「アロマターゼインヒビター」は、アロマターゼ活性を阻害する薬剤クラスをいう。アロマターゼインヒビターは、外部テストステロンを使用したサイクル中のエストロゲン変換の増加を減少させるために閉経後の女性の乳がんおよび卵巣がんの処置で使用されている。適切なアロマターゼインヒビターには、アナストロゾール(アリミデックス)、レトロゾール(フェマラ)、エキセメスタン(アロマシン)、ボロゾール(リビゾール)、ホルメスタン(レンタロン)、およびファドロゾール(アフェマ)が含まれるが、これらに限定されない。
別の態様では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)ならびにタモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および少なくとも1つの他の薬剤を含む薬学的組成物であって、他の薬剤がタモキシフェンである、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および少なくとも1つの他の薬剤を含む薬学的組成物であって、他の薬剤がラロキシフェンである、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および少なくとも1つの他の薬剤を含む薬学的組成物であって、他の薬剤がアナストロゾールである、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、さらに、脂質(トウモロコシ油が含まれるが、これに限定されない)を含む。脂質は、例えば、約1%〜5%(w/w)の量で存在し得る。
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、さらに、タンパク質(カゼインなど)を含む。タンパク質(カゼインなど)は、例えば、約5%〜50%(w/w)の量で存在し得る。
いくつかの実施形態では、組成物中のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の重量比は、約1対1である。いくつかの実施形態では、重量比は、約0.001対約1〜約1000対約1の間、または約0.01対約1〜100対約1の間である。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の重量比は、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1未満のいずれかである。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の重量比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1超のいずれかである。いくつかの実施形態では、組成物中のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤の重量比は、約1:20〜約20:1(例えば、約10:1〜約1:10または約1:10〜約1:15が含まれる)である。
組成物は、いくつかの実施形態では、単位投薬形態(経口単位投薬形態など)で存在し得る。適切な単位投薬形態には、カプセル、錠剤、丸薬、カプレット、ゲル、液体(例えば、懸濁液、溶液、乳濁液)、粉末、または他の粒子などが含まれるが、これらに限定されない。
別の態様では、個別の容器中または同一の容器中のいずれかにアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を含むキットを提供する。本発明のキットは、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(または単位投薬形態および/もしくは製品)および/または少なくとも1つの他の薬剤を含む1つまたは複数の容器を含み、いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の任意の方法にしたがって使用するための指示をさらに含む。キットは、さらに、処置に(or)適切な個体選択の記載を含んでよい。本発明のキット中に提供された指示は、典型的には、ラベル上の書面または添付文書(例えば、キット中に含まれる用紙)であるが、機械で読み取り可能な指示(例えば、磁気記憶ディスクまたは光学記憶ディスク上の指示)も許容され得る。
いくつかの実施形態では、キットは、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)ならびにb)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤を含む。いくつかの実施形態では、キットは、a)有効量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、b)有効量の、タモキシフェン、ラロキシフェンまたはその機能的等価物、およびアロマターゼインヒビターからなる群から選択される少なくとも1つの他の薬剤、およびc)がんの処置(または本明細書中に記載の他の使用)のために同時に、逐次的に、または並行してアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤を投与するための指示を含む。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および他の薬剤は、個別の容器または単一の容器中に存在し得る。キットが、1つの個別の組成物、または一方の組成物がアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)を含み、他方の組成物が別の薬剤を含む2つまたはそれを超える組成物を含み得ると理解される。
本発明のキットは、適切に包装されている。適切な包装には、バイアル、ボトル、ジャー、およびフレキシブル包装(例えば、密封されたMylarまたはプラスチック製のバッグ)などが含まれるが、これらに限定されない。キットは、任意選択的に、緩衝液および解釈を促す情報などのさらなる構成要素を提供し得る。したがって、本出願は、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、およびフレキシブル包装などを含む製品も提供する。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の使用に関する指示は、一般に、意図する処置のための投薬量、投薬計画、および投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、大量パッケージ(例えば、複数用量パッケージ)、または単位以下の用量であり得る。例えば、長期間(1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、またはそれ超の期間のいずれかなど)にわたって個体を有効に処置するのに十分な投薬量の本明細書中に開示のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)(アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)など)を含むキットが提供され得る。キットはまた、複数の単位用量のアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)および薬学的組成物ならびに使用のための指示を含み、薬局(例えば、病院の薬局および調剤薬局)での保存および使用に十分な量でパッケージングされてよい。
アノルドリンおよびそのアナログ
本出願は、方法およびアノルドリンまたはそのアナログを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(analog therefore)またはその薬学的に許容され得る塩は、以下の式(I):
(式中、
R1はヒドロキシルまたは−O(CO)R1aであり、式中R1aはC1〜C4アルキルであり;
R2は、
であり;式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、またはフェニルであり;
R4はヒドロキシルまたは−O(CO)R4aであり、式中R4aはC1〜C4アルキルであり;
R5は、
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、またはフェニルであり;
R6はC1〜C6アルキルまたはC2〜C6アルケニルであり;
R7はC1〜C6アルキルまたはC2〜C6アルケニルである)の構造を有する。
いくつかの実施形態では、式(I)は、式(Ia):
である。
いくつかの実施形態では、式(I)は、式(Ib):
である。
いくつかの実施形態では、R1は−O(CO)R1aであり、式中R1aはC1〜C4アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、またはC4アルキル)である。いくつかの実施形態では、R1aはC1〜C4アルキル(C1〜C3アルキルまたはC1〜C2アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R1aはメチルである。いくつかの実施形態では、R1aはエチルである。いくつかの実施形態では、R1はヒドロキシルである。
いくつかの実施形態では、R2は
である。
いくつかの実施形態では、R2は
であり、式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は
であり、式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は
であり、式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2は
であり、式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、またはC2〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素またはC1〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素またはC2〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、またはC2〜C4アルケニルである。いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素またはC1〜C4アルキルである。いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素またはC2〜C4アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、またはC10〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素またはC10〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R2aおよびR2bは、独立して、水素またはC10〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R2aは水素であり、R2bはC1〜C12アルキル(C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルキル、またはC10〜C12アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R2aは水素であり、R2bはC2〜C12アルケニル(C2〜C4アルケニル、C2〜C3アルケニル、C2アルケニル、またはC10〜C12アルケニルなど)である。
いくつかの実施形態では、R4は−O(CO)R1aであり、式中R4aはC1〜C4アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、またはC4アルキル)である。いくつかの実施形態では、R4aはC1〜C4アルキル(C1〜C3アルキルまたはC1〜C2アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R4aはメチルである。いくつかの実施形態では、R4aはエチルである。いくつかの実施形態では、R4はヒドロキシルである。
いくつかの実施形態では、R5は
である。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、またはC2〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC1〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC2〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、またはC2〜C4アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC1〜C4アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC2〜C4アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、またはC10〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC10〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC10〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aは水素であり、R5bはC1〜C12アルキル(C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルキル、またはC10〜C12アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R5aは水素であり、R5bはC2〜C12アルケニル(C2〜C4アルケニル、C2〜C3アルケニル、C2アルケニル、またはC10〜C12アルケニルなど)である。
いくつかの実施形態では、R6はC1〜C6アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R6はC1〜C6アルキル(C1〜C3アルキルまたはC1〜C2アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R6はメチルである。いくつかの実施形態では、R6はエチルである。いくつかの実施形態では、R6はC2〜C6アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、またはC6アルケニル)である。
いくつかの実施形態では、R7はC1〜C6アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R7はC1〜C6アルキル(C1〜C3アルキル、C1〜C2アルキル、またはC3〜C6アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R7はメチルである。いくつかの実施形態では、R7はエチルである。いくつかの実施形態では、R7はC1〜C2アルキルである。いくつかの実施形態では、R7はC3〜C6アルキルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。いくつかの実施形態では、R1およびR4は同一の部分であり、R2およびR5は同一の部分である。
a)R1は−O(CO)R1aであり、式中R1aはC1〜C4アルキルであり;
b)R4は−O(CO)R4aであり、式中R4aはC1〜C4アルキルであり;
c)R2は
であり;式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1〜C4アルキルまたはC10〜C12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2〜C4アルケニルまたはC10〜C12アルケニル)、またはフェニルであり;
d)R5は
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1〜C4アルキルまたはC10〜C12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2〜C4アルケニルまたはC10〜C12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。いくつかの実施形態では、R1およびR4は同一の部分である。
a)R1は−O(CO)R1aであり、式中R1aはC1〜C4アルキルであり;
b)R4は−O(CO)R4aであり、式中R4aはC1〜C4アルキルであり;
c)R2は
であり;
d)R5は
である。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。いくつかの実施形態では、R1およびR4は同一の部分であり、R2およびR5は同一の部分である。
a)R1は−O(CO)R1aであり、式中R1aはC1〜C4アルキルであり;
b)R4は−O(CO)R4aであり、式中R4aはC1〜C4アルキルであり;
c)R2は
であり;式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、またはフェニルであり;
d)R5は
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。いくつかの実施形態では、R1およびR4は同一の部分であり、R2およびR5は同一の部分である。
a)R1は−O(CO)R1aであり、式中R1aはC1〜C4アルキルであり;
b)R4は−O(CO)R4aであり、式中R4aはC1〜C4アルキルであり;
c)R2は
であり;式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、C10〜C12アルケニル、またはフェニルであり;
d)R5は
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、C10〜C12アルケニル、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。いくつかの実施形態では、R2およびR5は同一の部分である。
a)R2は、
であり;式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1〜C4アルキルまたはC10〜C12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2〜C4アルケニルまたはC10〜C12アルケニル)、またはフェニルであり;
b)R5は、
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1〜C4アルキルまたはC10〜C12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2〜C4アルケニルまたはC10〜C12アルケニル)、またはフェニルであり;
c)R1はヒドロキシルであり;
d)R4はヒドロキシルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。いくつかの実施形態では、R2およびR5は同一の部分である。
a)R2は、
であり;式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、またはフェニルであり;
b)R5は、
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、またはフェニルであり;
c)R1はヒドロキシルであり;
d)R4はヒドロキシルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。いくつかの実施形態では、R2およびR5は同一の部分である。
a)R2は、
であり;式中R2aおよびR2bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、C10〜C12アルケニル、またはフェニルであり;
b)R5は、
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、C10〜C12アルケニル、またはフェニルであり;
c)R1はヒドロキシルであり;
d)R4はヒドロキシルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る:
a)R6はC1〜C6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
b)R7はメチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログまたはその薬学的に許容され得る塩は、式(II):
(式中、
R5は
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、またはフェニルであり;
R6はC1〜C6アルキルまたはC2〜C6アルケニルである)の構造を有する。
いくつかの実施形態では、式(II)は、式(IIa):
である。
いくつかの実施形態では、式(II)は、式(IIb):
である。
いくつかの実施形態では、R5は
である。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、またはC2〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC1〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC2〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、またはC2〜C4アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC1〜C4アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC2〜C4アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、またはC10〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC10〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC10〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aは水素であり、R5bはC1〜C12アルキル(C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルキル、またはC10〜C12アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R5aは水素であり、R5bはC2〜C12アルケニル(C2〜C4アルケニル、C2〜C3アルケニル、C2アルケニル、またはC10〜C12アルケニルなど)である。
いくつかの実施形態では、R6はC1〜C6アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R6はC1〜C6アルキル(C1〜C3アルキルまたはC1〜C2アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R6はメチルである。いくつかの実施形態では、R6はエチルである。いくつかの実施形態では、R6はC2〜C6アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、またはC6アルケニル)である。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログ(analog therefore)またはその薬学的に許容され得る塩は、式(III):
(式中、
R5は
であり;式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、またはフェニルである)の構造を有する。
いくつかの実施形態では、式(III)は、式(IIIa):
である。
いくつかの実施形態では、式(III)は、式(IIIb):
である。
いくつかの実施形態では、R5は
である。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は
であり、式中R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、またはC12アルキル)、C2〜C12アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、C6アルケニル、C7アルケニル、C8アルケニル、C9アルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、またはC12アルケニル)、またはフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、またはC2〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC1〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC2〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C1〜C4アルキル、またはC2〜C4アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC1〜C4アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC2〜C4アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素、C10〜C12アルキル、またはC10〜C12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC10〜C12アルキルである。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、水素またはC10〜C12アルケニルである。
いくつかの実施形態では、R5aは水素であり、R5bはC1〜C12アルキル(C1〜C4アルキル、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルキル、またはC10〜C12アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R5aは水素であり、R5bはC2〜C12アルケニル(C2〜C4アルケニル、C2〜C3アルケニル、C2アルケニル、またはC10〜C12アルケニルなど)である。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログまたはその薬学的に許容され得る塩は、式(IV):
(式中、
R6はC1〜C6アルキルまたはC2〜C6アルケニルである)の構造を有する。
いくつかの実施形態では、式(IV)は、式(IVa):
である。
いくつかの実施形態では、式(IV)は、式(IVa):
である。
いくつかの実施形態では、R6はC1〜C6アルキル(例えば、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、またはC6アルキル)である。いくつかの実施形態では、R6はC1〜C6アルキル(C1〜C3アルキルまたはC1〜C2アルキルなど)である。いくつかの実施形態では、R6はメチルである。いくつかの実施形態では、R6はエチルである。いくつかの実施形態では、R6はC2〜C6アルケニル(例えば、C2アルケニル、C3アルケニル、C4アルケニル、C5アルケニル、またはC6アルケニル)である。
いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログはアノルドリンである。いくつかの実施形態では、アノルドリンまたはそのアナログは、下記の構造を有する化合物である。
当業者は、いくつかの実施形態が本発明の範囲内および精神内で可能であると認識されたい。本発明を、以下の非限定的な実施例を参照してより詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、勿論、いかなる場合も本発明の範囲を制限するとして解釈されるべきではない。
実施例1
子宮サイトゾル中の2つのエストロゲン結合複合体(超遠心分離による沈降速度に関して命名された4Sおよび8S)がMehtaら(18)によって報告された。アノルジオール(アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)の非エステル化活性代謝産物)は、およそ2×105M−1の親和性で8S複合体と優先的に結合することが見出された。対照的に、タモキシフェンは、両方のエストロゲン結合複合体に結合することが見出された。アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)のたった1つのエストロゲン結合子宮サイトゾル複合体との選択的結合により、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)がエストロゲンによって制御される特異的生物学的機能を調整し得ることが示唆される。特異的生物学的機能を制御するためにエストロゲンによって調整される経路は、現在2つが公知である。本発明者らは、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)がエストロゲン調整の古典的経路に関与するかどうかを最初に試験した。ER−αリガンド結合ドメインを、大腸菌内でGST融合タンパク質(GST−ER−α−LBD)として発現させ、グルタチオンビーズを使用して精製した。アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)、タモキシフェン、およびE2のER−αLBDへの結合親和性を、3H−E2競合アッセイを使用して比較した。50nMのアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)が0.5nMの3H−E2の2μgのGST−ER−α−LBDへの結合を阻害することができないことが見出された。対照的に、同一濃度のタモキシフェンまたはE2のいずれかが、60パーセントを超える3H−E2のGST−ER−αLBDへの結合を遮断した(図1A)。これらの結果に基づいて、本発明者らは、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)がエストロゲンシグナル伝達の古典的経路を介した遺伝子発現の制御に関与しないと仮定した。
Bcl−2は、抗アポトーシスタンパク質ファミリーの重要なメンバーである。その過剰発現は、ヒトにおける多種のがんに関連している。Bcl−2プロモーターはERE配列を含み、MCF−7細胞中のBcl−2 mRNA発現は、E2によって正に制御され、タモキシフェンによって阻害されることが見出されている(19)。Nehraの結果と一致して、本発明者らは、Bcl−2タンパク質の発現レベルがエストロゲンによって増強されることを見出し(図1C、レーン1および4)、7.5μMのタモキシフェンはBcl−2発現を阻害することが見出された(図1C、レーン2)。対照的に、Bcl−2 mRNA(データ示さず)またはタンパク質(図1C、レーン3)のいずれかの発現レベルは、7.5μMのアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)で処理されたMCF−7細胞において影響を受けなかった。タモキシフェンおよびアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)のいずれにおいても、フェノールレッド不含DMEM培地中の活性炭処理済みFBSを使用した培地中で培養した細胞におけるBcl−2タンパク質発現に影響を及ぼさないことが判明した(図1C、それぞれレーン5および6)。BRCA1 mRNAの発現は、MCF−7細胞中でエストロゲンの調節下にあることも報告されている(20)。本発明者らは、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)がMCF−7細胞においてRT−qPCRを使用して測定した場合にBRCA1のmRNAレベルに有意に影響を及ぼさない一方で、タモキシフェンは同一条件下でBRCA1 mRNAの合成を有意に阻害する(図13B、列2および4)ことをさらに証明した。これらの結果は、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)がエストロゲン制御の古典経路に関与しないことをさらに支持する。興味深いことに、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)が古典的ER経路を通じて遺伝子転写を調整しないようであったが、本発明者らは、7.5μMのアノルドリンがMCF−7細胞成長を50%超、阻害することができることを実際に見出した(図13A、列1、行1および2)。さらに、T47D細胞の7.5μMのアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)での処理では、10ng/mlのEGFによって誘導された細胞成長の増加を遮断しただけでなく、基底レベル未満にさらに減少させた(図6)。
インスリン(IL)はインスリン受容体(IR)に結合して、インスリン様成長因子受容体1(IGFR1)経路を介するインスリン受容体基質(IRS)のリン酸化を刺激する。リン酸化IRSはエストロゲン−ER複合体と相互作用し、次いで、核内に移行してエストロゲン古典的経路を介するRNA転写を制御することができる。MCF−7細胞の増殖はILによって調整され、これらの細胞のタモキシフェンに対する感受性は、ILが培養培地から一時的に除去された後(21)またはIRS特異的siRNAを使用してIRS発現が一過性にノックダウンされた場合(22)に増加することが見出された。したがって、IL−IRS−IGFR1−ER経路は、MCF−7増殖の制御で重要な役割を果たす。IL−IRS−IGFR1−ER経路の妨害により、MCF−7細胞の増殖をMIESにさらに一層依存性にするはずである。結果的に、IL−IRS−ER経路が破壊されたMCF−7細胞のタモキシフェン感受性は減少する一方で、MIESのモジュレーターに対する応答は増加する。この仮説を試験するために、本発明者らは、MCF−7細胞をIL不含培地中にて2ヶ月間誘導した。細胞成長の薬物感受性を、インキュベーションの144時間後に細胞計数によって試験した(図13A)。MCF−7細胞成長のIC50に関するデータは、ILがMCF−7細胞のタモキシフェンに対する感受性を増強させ(列2)、一方で、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)に対する感受性を減少させる(列1)ことを示す。さらに、培養培地中の200nMアノルドリンの存在は、タモキシフェンがMCF−7細胞成長を阻害する能力に影響を及ぼさなかった(列2−行1 対 行4)。MCF−7細胞におけるER−α−36の発現が培養培地からのインスリンの除去に応答して増加したので、GPER1およびER−α−66の発現レベルは変化しなかった(図13C)。これらの結果は、さらにアノルドリン活性が古典的経路から独立していることを示す。さらに、これらの結果は、アノルドリンがMIES経路(特に、ER−α−36経路など)の阻害によってMCF−7細胞成長を阻害し得ることを示唆している。
MIESは、一連の足場タンパク質複合体を介して細胞の増殖、遊走、細胞間結合および細胞間マトリックス、ならびにエネルギー代謝を制御する。原形質膜とのER−α結合は、LBD中の残基C447でのパルミトイル化によって促進される。ER−α−36は、短縮ER−αバリアントであり、パルミトイル化モチーフ(445〜453)を保持し、固有のC末端27アミノ酸配列を全長ER−αの典型的な140アミノ酸(456〜595)の代わりに保有している(1)。ER−α−36が部分的LBDを保有し、主に原形質膜およびサイトゾルに局在しているので、エストロゲン結合が損なわれ、それにより、エストロゲン古典的経路の調整能力が喪失している可能性がある。これを検証するために、本発明者らは、3H−E2の、大腸菌から発現し、精製されたGST−ER−α−36との結合親和性を測定した。結果は、大腸菌から発現されたGST−ER−α−36は3H−E2に結合しないことを示している(図20)。対照的に、3H−E2は、全長ER−α−LBDを有するGST−ER−α−46に結合する。本発明者らは、次に、HEK293細胞に発現したER−α−36がKangによって見出されたように類似の親和性(Kd約1.9nM)で3H−E2に結合することを確認した(23、データ示さず)。興味深いことに、アノルドリンは、ER−α−36への3H−E2の結合に対して二相効果(低濃度でのER−α−36への3H−E2の結合遮断およびより高い濃度での結合の促進)を示した(図2A)。まとめると、本発明者らのデータは、公開されたER−α−36の研究を考慮して、ER−α−36がMIES経路に排他的に関与し得ることを示唆している。本発明者らは、続けて、ER−α−36を使用してE2およびSERMによるMIES調整の生理学的意義を研究した。
ER−α−36は、MDA−MB−231細胞およびHec1A細胞における固有且つ高発現性のER−αバリアントであり、MAPK/ERK(1/2)経路の調整を介して細胞増殖を制御することが証明された(23)。本発明者らは、細胞成長の点においてアノルドリンに対するMDA−MB−231の感受性を調べた。本発明者らによる細胞計数の結果は、6μMのアノルドリンがMDA−MB−231細胞の成長を有意に阻害する一方で、タモキシフェン処理は効果がないことを示す(図2C)。アノルドリン処理により、2〜8μMの範囲の用量でHec1A細胞およびIshikawa細胞の両方の増殖が阻害されることも見出された(図14A、B)。さらに、HepG2細胞のアノルドリン処理により、二相用量応答によって特徴づけられる細胞成長の阻害が示され、約7μMの中間濃度で阻害度が最も高かった(図7A)。HepG2細胞におけるERKのリン酸化により、アノルドリン処理に対して類似の単調でない用量応答が示され、濃度が10μMのアノルドリンで最大のリン酸化が起こった(図7B)。これは、アノルドリンがERK経路を介して細胞成長に対するその阻害効果を媒介するように作用し得ることを示唆していた。本発明者らの知見に基づいて、本発明者らは、MIES調整を介する作用経路を予想し、伝統的なエストロゲン遮断処置によって誘発される副作用を抑制するための併用療法プロトコールにおけるアノルドリンの有用な適用法を提案する。
原形質膜に結合したE2−ER複合体は、ヒトにおける乳がん抗エストロゲン耐性1(BCAR1)としても公知のCas結合基質(p130Cas)などの足場タンパク質の生物学的機能を調整することができる。インテグリン−p130Cas複合体は、細胞外マトリックス(ECM)ならびにがん細胞の遊走および浸潤の制御で基本的役割を果たす。ER−α−36は、MDA−MB−231細胞の遊走を調整することが以前に示されている(24)。アノルドリンが細胞の遊走および浸潤を阻害する抗血管新生剤として報告されているので(16)、本発明者らは、マトリックスゲルを使用してアノルドリンがMDA−MB−231細胞の遊走を調整する能力を研究した。MDA−MB−231細胞を、基底側ウェル中でアノルドリンまたはビヒクルコントロールと組み合わせた10nMのE2または10ng/mlのEGFのいずれかに曝露した。20時間後、遊走細胞を染色し、プレートリーダーを使用して560nmで定量した。本発明者らは、E2およびEGFの両方がMDA−MB−231細胞の遊走をわずかに増大させたことを見出した。6μMのアノルドリンは、E2またはEGFのいずれかを含む培地中でMDA−MB−231細胞の遊走を有意に阻害した(図2EおよびF)。興味深いことに、アノルドリンは、E2によるよりもEGFによって媒介されたMDA−MB−231細胞の遊走を効率よく阻害した。さらに、本発明者らは、特異的siRNAを使用してMDA−MB−231細胞におけるER−α−36またはGPER1をノックダウンした。本発明者らは、MDA−MB−231細胞の遊走効率がER−α−36ノックダウンに応答して減少したことを見出した。対照的に、細胞遊走効率は、MDA−MB231細胞中でGPER1の発現がノックダウンされた場合に影響を受けなかった(図22)。
細胞表面へのインテグリン移行は、細胞の付着および遊走で基本的役割を果たすためにp130Cas足場タンパク質複合体によって制御される。インテグリンα3β1は、MDA−MB−231細胞の遊走だけでなくMCF−7細胞付着にも関与することが報告されている(25、26)。本発明者らの結果は、E2−ER−p130cas−インテグリンシグナル伝達経路の負の調整を介する細胞膜上のインテグリン分布の可能性のある下方制御因子としてのアノルドリンの役割を示唆している。この仮説を検証するために、本発明者らは、MCF−7細胞およびMDA−MB−231細胞を6μMのアノルドリンで16時間処理し、FITC標識抗インテグリンβ1抗体を使用して細胞表面のインテグリンβ1分布を測定した。本発明者らは、アノルドリンがMCF−7細胞(図2H)およびMDA−MB−231細胞(図2G)の原形質膜へのインテグリンβ1分布を下方制御することを見出した。しかし、アノルドリンは、MCF−7細胞またはMDA−MB−231細胞のいずれにおいてもインテグリンβ1の発現レベルに影響を及ぼさなかった(図15)。まとめると、本発明者らは、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)が膜結合ERに結合して細胞の遊走および増殖を阻害すると結論付ける。
エストロゲンはまた、雌哺乳動物におけるエネルギー平衡の調節において重要な役割を果たす。代謝シグナル伝達のエストロゲン調整は、中枢神経系、肝臓、骨格筋、骨、腎臓、心血管系などに影響を及ぼす。エストロゲンおよびその受容体の複合体がインスリン(IL)−インスリン受容体(IR)複合体またはレプチン/ニューロンペプチドY(NPY)およびその受容体とクロストークして、食物摂取、グルコース代謝、および脂肪細胞の組成を制御する。MCF−7細胞成長に及ぼすアノルドリンおよびタモキシフェンの影響を研究する一方で、本発明者らは、アノルドリンで処理した細胞の培地がさらなる黄変となったことを観察した。これはpHの低下を示すものである(図18)。これの1つの原因は、タモキシフェンで処理した細胞と比較してアノルドリン処理細胞においてグルコース消費が増大したことであろう。これが正しいかどうかを決定するために、本発明者らは、MCF−7細胞を異なる濃度のアノルドリンまたはタモキシフェンのいずれかで60時間処理した。培養培地中のグルコース濃度を、グルコースアッセイキットを使用して測定した。図3Aは、アノルドリン処理細胞由来の培地のグルコース濃度がタモキシフェンで処理した細胞由来の培地と比較して低かったことを示す。本発明者らは、次に、アノルドリンがタモキシフェン処理MCF−7細胞におけるグルコース代謝を増加させることができるかどうかを試験した。1μMのタモキシフェンおよび200nMのアノルドリンを含む100μl培地中のウェルあたり2×104個のMCF−7細胞を、96ウェルプレート中に播種した。培地中のグルコース濃度を、60時間後に測定した。図3Bは、200nMのアノルドリンによってグルコース代謝に及ぼす1μMのタモキシフェンの阻害効果を逆にしただけでなく、コントロールと比較してグルコース消費がさらに増強された(図4B、バーTAM対バーTAM+ANO)ことを示す。レプチン耐性マウスモデル(db/db)では、E2は、エネルギー支出を増加させ、それにより体重が減少することが示されている(28)。本発明者らは、アノルドリン(2.5%メチルセルロースを含む200μl滅菌水に懸濁)を、0.45μg/g体重の用量でdb/dbマウスに毎日投与し、グルコースアッセイキットを使用して全血グルコースを毎週、4週間にわたって測定した。結果は、コントロール(群2)と比較してアノルドリン処置雌マウス(群1)においてグルコース消費の改善が示される(図3C)。食物摂取および体重は、試験期間中有意に変化しなかった(図16A)。興味深いことに、アノルドリンは、雄db/dbマウスにおけるグルコース消費に影響を及ぼさなかった(データ示さず)。
エストロゲンは、脂肪組織中のATP合成と脂肪の沈着との間の均衡を調整する、グルコース代謝制御に関与する重要なアディポカインの1つである。エストロゲンレベルの低下により、閉経後の女性において脂肪貯蔵および肥満が増加し、それにより、II型糖尿病および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の発生率が増加し得る。結果的に、抗エストロゲン治療(タモキシフェンなど)は、乳がん患者においてNASHの発生率を増大させる。本発明者らの結果は、アノルドリンがMCF−7細胞およびdb/dbマウスにおけるグルコース代謝を増大させることを既に示しており、本発明者らは、アノルドリンが卵巣切除(OVX)マウスにおける肝臓脂肪の増加ならびに正常マウスにおけるタモキシフェンによって誘発されたNASHを防止することができると予想した。この仮説を試験するために、6週齢マウスの卵巣を外科的に切除した。手術3日後、マウスにイプリフラボン、E2、アノルドリン、またはビヒクルコントロールの胃内注入を行った。体重および食物摂取を毎週測定した。本発明者らは、6週間後にイプリフラボン群およびコントロール群において体重が増加したが、偽投与群、E2群、およびアノルドリン群において不変のままであったことを見出した(図4A)。食物摂取はいかなる群においても影響を受けず(図16B)、差異はエネルギー支出の変化に起因することが示された。次いで、マウスを屠殺して30〜50mgの肝臓を採取し、クロロホルム:メタノール(2:1)と0.5mlの生理的塩類溶液との1mlの混合物を使用して総脂質を抽出した。有機相中の総コレステロール(TC)レベルおよびトリグリセリド(TG)レベルを、TCおよびTGのアッセイキットを使用して測定した(29)。結果は、コントロールと比較してアノルドリン群およびE2群における卵巣切除(OVX)マウスの肝臓のTCおよびTGの量が減少したが、イプリフラボン群では変化しなかったことを示す(図4D、図17A)。アノルドリン群およびE2群由来の肝臓のパラフィン切片は、コントロール群およびイプリフラボン群由来の切片と比較して脂肪沈着がより少なかった(図4C)。グルコース代謝に及ぼすアノルドリンおよびタモキシフェンの影響をさらに研究するために、6週齢の正常マウスを、薬物のみまたは組み合わせのいずれで処置した。タモキシフェンを4.5μg/g体重/日の用量で9週間摂取したマウスは、コントロールマウスと比較して、体重が増加し(図4B)、NASH症候群(核周囲のTG沈着など)および肝臓TGレベルの指標が増加していた(図4、EおよびF)。体重、NASH症候群、および肝臓TG表現型は、0.45μg/g体重の用量でアノルドリンと組み合わせた上記のタモキシフェンを摂取したマウスにおいて完全に逆であった(図4、B、E、およびF)。肝臓TCレベルは、いかなる群においても相違がなかった(図17B)。本発明者らはまた、アノルドリンがタモキシフェン処置によって誘導された血清粘度およびTGレベルの増加を逆にすることができることを見出した(図5)。さらに、GPER1、ER−α、およびER−βに対する抗体を使用したマウス肝臓のパラフィン切片の免疫蛍光(IF)染色は、それぞれ、GPER1のみが他のエストロゲン受容体(ER−α、およびER−β、図21)と比較して核周囲に局在されることを示した。まとめると、結果は、タモキシフェンがGPER1機能の阻害によってNASHを誘発し得ることを示唆している。対照的に、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)はGPER1のアゴニストである。
核周囲のTG沈着の増加は、グルコース取り込みの増加または細胞ATP濃度の減少に原因があり得る。したがって、本発明者らは、タモキシフェンおよびアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)がER−αまたはGPER1を介してグルコース取り込みおよび細胞ATP濃度を制御することができるかどうかを試験した。グルコース取り込みを、蛍光標識グルコース(2−NBDG)を使用して測定し、ATP濃度を、ATP分析キットを使用して測定した。本発明者らは、アノルドリンが2−NBDG取り込みおよび細胞ATP濃度を増大させることを見出した(図23AおよびB)。タモキシフェンは、2−NBDG取り込みを増大させたが、細胞ATP濃度を減少させた(図23AおよびB)。アノルドリンとタモキシフェンとの組み合わせは、薬物処置を行っていないコントロールと比較してMCF−7細胞における2−NBDG取り込みレベルを変化させなかった(図23A)。この結果は、アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)およびタモキシフェンが逆の機構によってグルコース取り込みを制御し得ることを示す。ER−αまたはGPER1をMCF−7細胞中で特異的siRNAによって個別にノックダウンした場合(図23C)、本発明者らは、2−NBDG取り込みおよび細胞ATP濃度に及ぼす各薬物の影響が低下することを見出した(図23AおよびB)。これらの結果は、タモキシフェンおよびアノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)がER−αとGPER1との間のクロストークを介してグルコース取り込みおよび細胞ATP濃度を制御することを示唆している。
アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)はまた、閉経後の女性の処置において潜在的な治療的利点を有する。卵巣切除マウスの子宮萎縮を防止し(図8B)、タモキシフェン誘発性の子宮および膣の萎縮範囲を減少させることが見出された(図8、AおよびC)。特に、アノルドリンのトウモロコシ油およびカゼイン製剤は、メチル−セルロースを使用した製剤と比較してマウスにおける子宮萎縮を防止するその活性を増加させた(図10)。重要なことに、アノルドリンは、タモキシフェンおよびE2(共に増殖および多層の発生を誘導する)比較して、マウスにおいて子宮内膜上皮細胞を肥大させる一方で、子宮内膜上皮細胞増殖を誘導せず、上皮が単層のままである(図9、AおよびC)。アノルドリンおよびタモキシフェンを使用した併用処置により、肥大および増殖の増加のいずれも起こらなかった(図9A)。
骨粗鬆症は、閉経後の女性に一般的な進行性の骨疾患であり、骨量および骨密度の減少を特徴とする。血清Ca2+濃度([Ca2+])の減少およびリン酸塩(phoaphate)濃度([Pi])の増加が、骨粗鬆症の進行を示すために使用される臨床診断マーカーである。アノルドリンは、卵巣切除マウスにおいて、血清Ca2+の増加(図11A)、Piの減少(図11B)、および骨密度の増加(図11、DおよびE)によって示されるように骨粗鬆症を防止することが見出された。アノルドリンはまた、骨髄細胞の減少を防止することが見出された(図11C)。
エストロゲン、タモキシフェン、およびラロキシフェンは全てERのLBDに結合してエストロゲン古典的経路を調整する。タモキシフェンまたはラロキシフェンを使用したエストロゲン補充療法またはエストロゲン補充処置により、ApoD(潜在的に血餅形成をもたらすHDLの成分)の発現を増大させることができる(図13B、列3)。本発明者らは、エストロゲンの古典的経路を調整しないSERMは血餅または血栓塞栓症を引き起こさないと仮定する。大規模スクリーニング後、アノルドリンを、ER古典的経路を調整せず、タモキシフェンによって誘導された血清粘度も減少させない化合物と同定した。本発明者らは、アノルドリンのR6中のメチル基がジノルドリンと比較してER−LBDに対するアノルドリン結合親和性の減少に不可欠であることを見出した(図1A、ジノルドリン対アノルドリン)。したがって、アノルドリンのR6中のアルキル基またはアルケニル基は、血餅および血栓塞栓症の防止に必要である。
タモキシフェンは、ER古典的経路のアンタゴニストとして有用な治療薬であるが、mERのアゴニストでもあり、子宮内膜上皮細胞の増殖を誘導する。アノルドリンは、子宮内膜上皮細胞のタモキシフェン誘導性増殖を中和することができ、それゆえ、併用療法で有用である。本発明者らの知見に基づいて、本発明者らは、アノルドリンがmERのアンタゴニストであると結論付ける。アノルドリンは、ER古典的経路を調整しないが、エストロゲン代謝シグナル伝達を増大させることができる。本発明者らは、アノルドリンはGPER1のアゴニストであり、それにより、アノルドリンはエストロゲン代謝シグナル伝達を調整するということを提唱する。対照的に、タモキシフェンは、GPER1のアンタゴニストであり、エストロゲン代謝シグナル伝達を阻害する。
考察
エストロゲンのその膜結合受容体への結合によりサイトゾルCa2+オシレーションが生じ、シグナルが細胞外マトリックス(ECM)に伝達され、細胞遊走に影響を及ぼし得る。InsP3Rは、多様なシグナル伝達経路の制御に関与する主要なCa2+チャネルの1つである。InsP3Rは、小胞体からのCa2+放出のエストロゲン調整に貢献することが報告されており(30)、アクチンフィラメントの機能制御に関与することも示されている(31)。しかし、この作用の根底にある詳細な分子機構は明確に理解されていない。E2−ER複合体は、c−Srcを介して細胞遊走を制御することが報告されている(32)。c−Srcは、細胞の接着、浸潤、成長、および分化の制御で重要な役割を果たす非受容体チロシンキナーゼである。c−Srcチロシンキナーゼの重要な調節機構は、そのリン酸化状態およびキナーゼ活性の調節に関与し、この機構を、E2のERとの相互作用によって誘導されるCa2+シグナル伝達によって調整することができる。c−Src−FAK(焦点接着キナーゼ)−p130Cas足場は焦点接着複合体と反応してアクチン細胞骨格を制御し、それにより、細胞運動性および細胞接着を調整する。p130Cas/BCAR1複合体は、インテグリンと相互作用してECMおよび遊走を制御する。アノルドリンは、膜結合ERと結合してエストロゲン媒介性インテグリン移行のシグナル伝達経路を遮断し、それにより、細胞遊走を阻害する。逆に、タモキシフェンはこのシグナル伝達経路のアゴニストであり、BCAR1は、この足場のコア成分として、乳がん患者の処置中のタモキシフェン耐性の発生に関係すると考えられる。さらに、FAK−CDC42−ARHGAP21経路は、インテグリン−F−アクチン足場複合体の形成を制御し、結果的に膠芽細胞腫の細胞遊走を制御すると報告されている(33)。本発明者らは、ARHGAP21のカルボキシル末端がInsP3Rのカルボキシル末端と相互作用してInsP3R Ca2+チャネルを介して小胞体からのCa2+放出を増大させることを見出した。ARHGAP21のInsP3Rとの相互作用により、F−アクチンの形成およびHEK−293細胞遊走を制御する。したがって、本発明者らは、エストロゲンが膜結合ERに結合して、c−Src−CDC42−ARHGAP21−InsP3R−インテグリン経路を介してECMおよび細胞遊走を調整することを提唱する(図12)。
EGFはHer1に結合し、それにより、c−Srcリン酸化経路が活性化されて細胞の増殖および遊走が制御される。アノルドリンによる細胞の増殖および遊走の調整は、c−Src経路を介して作用することが証明されている。本発明者らは、アノルドリンが、MDA−MB−231細胞における細胞遊走およびT47D細胞における細胞成長に対するEGFの刺激効果を遮断することができることを見出した。1990年代にアノルドリンが抗腫瘍薬として使用されていたとき、アノルドリンは、がんが潜在的にEGF/Her1によって引き起こされ、EGF競合物質が阻害できなかった患者の生活の質を改善し、延命することが見出された。本発明者らの結果は、アノルドリンを抗腫瘍治療で使用して腫瘍成長が膜結合ERおよびHer1−c−Src経路に依存する患者を処置することができることを示唆している。
GPER1は、ER陰性であるがGPER1陽性の乳がん細胞株においてEGFR経路を介するエストロゲンによるMAPK/ERKおよびPI3K/AKTの活性化に関与することが見出されているので、生殖器がんにおける抗エストロゲン耐性に関連すると基本的に考えられている(34)。その後、GPER1が患者由来の生殖器がんの生検標本において豊富に(adundantly)発現されることが、報告された。とりわけ、GPER1発現は、腫瘍サイズ、ER陰性her−2/neu、および乳房外転移に関連する(35)。しかし、報告では、GPER1のノックダウンをERK活性と相関させることができないことが示された(36)。GPER1選択性アゴニストG1も、子宮または乳腺においてエストロゲン様効果を発揮することがでなかった(37)。本発明者らの結果は、アノルドリンが膜結合ERの純粋なアンタゴニストであり、GPER1アゴニストとして機能することを示す。対照的に、タモキシフェンは逆の性質を示す。したがって、本発明者らの結果に基づいて、アノルドリンとタモキシフェンとの組み合わせは、タモキシフェンの副作用を最小にすることができる。
エネルギー平衡のエストロゲン制御は、主にER−αによって媒介されることが報告されている。ER−αのノックアウトにより、肥満のエストロゲン調整が損なわれる結果となることが示されている(39)。25%のGPER1ノックアウトマウスが、肥満を示すことが示されている(40)。対照的に、ER−βノックアウトマウスは、肥満率の増加を示さない(41)。これらの結果は、ER−αとGPER1との間のクロストークがエネルギー平衡のエストロゲン制御に重要であることを示唆している。GPER1は、主に小胞体に局在し、小胞体でエストロゲンおよびホスファチジルイノシトール3、4、5−三リン酸(IP3)シグナルが生じ、それによりInsP3RからCa2+が放出される(5)。Whiteらは、InsP3RからのCa2+放出がミトコンドリアの生体エネルギー(bioenergetic)を増大させると報告した(42)。本実施例では、本発明者らは、卵巣切除(OVX)マウスおよびタモキシフェン処置マウスの両方において肝臓細胞の核周囲に脂質の蓄積を見出した。まとめると、本発明者らは、GPER1アゴニストが小胞体からミトコンドリアへCa2+を送達させるInsP3R活性を増大させ、それにより、グルコースのATPへのミトコンドリア代謝を増大させる可能性があると予想する。
GPER1が原形質膜に局在化することも見出されているが、GPER1とIL−IR複合体との間のクロストークは今までに報告されていない。他方では、エストロゲン−ER−αは、Glut−4発現および細胞膜へのその移行を制御するだけでなく(43)、それが、MCF−7細胞および骨格筋細胞においてIL−IR複合体とクロストークしてグルコース取り込みを制御する(44、45)。興味深いことに、タモキシフェンは、臨床的利用の間に骨粗鬆症を防止することが見出された。アノルドリンはまた、本発明者らの実験において骨粗鬆症を防止することが見出された(図11)。
タモキシフェンは、2−NBDG取り込みを増大させ、ATP生成を阻害することができる。タモキシフェンに原因するグルコース取り込みの増加分を、APTに代謝することができない。結果的に、過剰なグルコースがTGに変換され得る。この一連の事象により、タモキシフェンを乳がん治療に使用した場合にタモキシフェンがNASHを誘発し得る理由が説明される。他方では、過剰量のグルコース取り込み分を代謝することができない場合、過剰量のTGが蓄積され、それにより、インスリン濃度が高い場合でさえグルコースのさらなる取り込みが阻害される。このシナリオは、タモキシフェンがインスリン抵抗性を誘導し、それにより、II型糖尿病の発生率を増加させる理由を説明し得る。アノルドリンまたはそのアナログ(アノルドリンなど)は、グルコース取り込みおよびATPおよびTGへのグルコース代謝に及ぼすタモキシフェンの影響を弱めることができる。したがって、アノルドリンとタモキシフェンとの組み合わせは、タモキシフェン誘導性インスリン抵抗性およびII型糖尿病の発生を防止することができる。
材料と方法
プラスミド構築、タンパク質の発現、精製、およびLC−MSMSによる特徴付け:ER−αリガンド結合ドメインおよびER−α−36を、EcoRI部位およびXhoI部位でpGEX−6P−1にクローニングした。GST−ER融合タンパク質を、0.1μM IPTGを使用して誘導し、大腸菌にて25℃で3時間発現させた。細菌を回収した。GST融合タンパク質を、製造者の指示に従って精製した。GST−ビーズ上の精製タンパク質を、1×サンプル緩衝液を使用して100℃で5分間溶離した。上清を10%SDS−PAGEで泳動した。ゲルを、クーマシーブルー−R250を使用して染色した。タンパク質バンドを切り出し、LC−MSMSによって特徴付けた。ER−α−36およびGPER1のcDNAを、YR geneから購入し、pRetro−AcGFPベクターおよびpQXIX−EGFPベクター(Clontech)にそれぞれサブクローニングした。
細胞培養、レトロウイルスパッケージング、細胞選別および安定な細胞株の構築、ならびに薬物阻害アッセイ:MCF−7細胞、T47D細胞、MDA−MB−231細胞、Hec−1A細胞、CHO−K1細胞、およびHEK−293細胞を、以下のATCCプロトコールに従って成長させた。ER−α−36またはGPER1のcDNAを有するpVSV−Gタンパク質cDNAのプラスミドをHEK−293パッケージ細胞に共トランスフェクトした。トランスフェクション72時間後、上清を回収し、超遠心分離を使用して25krpmで2時間濃縮した。ウイルスを、安定細胞の培養培地を使用して再懸濁した。細胞を、ウイルスを使用して37℃で2時間感染させ、2日間成長させ、GFP陽性細胞を、96ウェルプレート中にウェルあたり1個播種した。GFP融合タンパク質の発現を、ウェスタンブロッティングを使用してチェックした。
結合および競合アッセイ:GSTおよびGST−ER−α融合タンパク質を大腸菌中で発現させ、グルタチオンビーズを使用して精製した。2μg/mlのGST(40〜80nM)融合タンパク質を含む1mlのTE緩衝液を、1nMの3H−E2と4℃で2時間混合した。ビーズ上の放射能を、GMメーターを使用して測定した。HEK−293細胞をトランスフェクトして、ER−βまたはGPER1のGST融合タンパク質を発現させた。細胞を、プロテアーゼインヒビターカクテル(sigma)を含む1×TE緩衝液中にて氷上で30分間溶解し、20%グリセロールに到達するまで80%グリセロールを添加した。チューブを300gで5分間遠心分離し、上清を回収した。タンパク質濃度を、Bio−radタンパク質濃度アッセイキットによって測定した。100nMのアノルドリンおよび1nMの3H−E2を、1mlのライセート(総タンパク質5mg/ml)に4℃で2時間添加した。ビーズ上の放射能を、GMメーターを使用して測定した。
ミクロソームの単離および薬物競合アッセイ:細胞を回収し、TE緩衝液(50mM Tris(pH8.0)、5mM EDTA、2mM PMSF、およびプロテアーゼインヒビターカクテル(Sigma))中にて5分毎にボルテックスしながら30分間溶解した。80%グリセロールを含むTE緩衝液を20%に到達するまで細胞ライセートに添加し、800gで5分間遠心分離した。上清を新しいチューブに移し、総タンパク質濃度を5mg/mlに調整した。薬物および3H−E2を1mlタンパク質溶液に添加し、4℃で2時間インキュベートした。ミクロソームを25krpm、2時間で沈殿させた。結合した3H−E2を、GMメーターを使用して測定した。
薬物阻害アッセイ:細胞を24ウェルプレート中に接種し、指定濃度の薬物を使用して処理した。細胞数を、細胞カウンター(Count Star)を使用して計数した。
トランズウェルおよびフローサイトメトリーアッセイ:細胞を、5%活性炭処理済みFBSを含むフェノールレッド不含培地中で48時間飢餓にさせ、次いで、フェノールレッド不含培地にさらに24時間交換した。トランズウェルを、Chemiconキットの指示(カタログ番号ECM551)に従って実施した。簡潔に述べれば、細胞を、トリプシン処理し、Ca2+およびMg2+を含む1×DPBS(Sigma)を使用して洗浄し、血清およびフェノールレッドを含まない培地で0.5×106細胞/mlの細胞密度に再懸濁した。薬物を含む200μlの細胞懸濁液を上部チャンバーに添加し、10%FBSを含む0.5mlの培地を含む下部チャンバーに16時間挿入した。製造会社の指示に従って細胞をトリプシン不含細胞懸濁緩衝液(Millipore)に懸濁し、FITC−抗体(millinpore)で標識することによってフローサイトメトリーを行った。
ER−αおよびGPER1に対する特異的siRNAを、文献46および47にそれぞれ従って設計し、Genepharma Co.,LTDが合成した。
グルコース濃度アッセイ:培地またはマウス尾部からの全血中のグルコース濃度を、製造者(Yicheng、Beijing)の指示に従ってグルコースアッセイキットを使用して測定した。
卵巣切除(OVX)マウスモデルの構築および薬物の投与:6週齢マウスの卵巣を、手術によって切除した。手術3日後に薬物を胃管注射によって毎日投与するか、食物と混合した。
パラフィン切片の調製およびHE染色:マウスの組織を、手術によって切除し、2.5%ホルムアルデヒドを含む1×PBSを使用して固定した。パラフィン切片の調製およびHE染色を、BK animal model,Inc.のGLP研究所の標準的プロトコールに従って行った。
マウスの肝臓および血清中のTCおよびTGの測定:30〜50mgのマウス肝臓を手術によって切除し、1mlクロロホルム(Cholroform):メタノール(2:1)混合物中でホモジナイズし、0.5mlのddH2Oを使用して抽出した。有機相を新規のチューブに移し、風乾させた。TCおよびTGの量を、製造者の指示に従ってキットを使用して測定した。エラーを、内部標準コントロールを使用して補正した。
micro−CTを使用した骨密度アッセイ:大腿骨を、3%ホルムアルデヒドを含む1×DPBS中で2週間固定した。1週間後に固定液を交換した。大腿骨の密度を、Siemens Inveon Micro−CTによって測定した。Inveon Research Workplace(IRW)を使用して、以下の測定条件でHU2000値を分析した:80KVP、500mA、曝露時間1500ms;CCD読み出し設定:2048体軸断面、2048ビニング;FOV体軸横断面:19.03mm、体軸断面:19.03mm、ピクセルサイズ:9.29μm。
細胞ライセートの抽出、ウェスタンブロッティング、総RNA抽出、およびRT−qPCR:細胞を回収し、1%triton−x100およびプロテアーゼインヒビターカクテルを含むRIPA緩衝液または1×DPBSに溶解した。総タンパク質濃度を、Bio−radタンパク質染色用色素を使用して測定した。ウェスタンブロッティングを、標準的なプロトコールに従ってニトロセルロース膜(Millipore)およびBio−radセミドライトランスファーシステムを使用して行った。総RNAを、RNA抽出溶液(sigma)を使用して抽出した。RT−qPCRを、Roche Sybr qPCRキット、以下のプログラムを使用したABI7900HT PCR装置を使用して行った:95℃で10分間、その後、95℃で10秒間および60℃で1分間を40サイクル。
統計分析:表および図中、結果を、平均値+STDEVで示す。アスタリスクは、両側スチューデントt検定を使用して計算した統計的有意差を示す。
実施例2.アノルドリンおよびジノルドリンの結合アッセイ
ジノルドリンは、R6位に−Hを有することを除いてアノルドリンに類似の構造を有する。本発明者らは、50nMのジノルドリンがビーズ上の1μgのGST−ER−α−LBDへの0.5nM[H3−E2]結合を63.2±5.7%遮断することを見出した。対照的に、1μgのGST−ER−α−LBDへの[H3−E2]結合を遮断するアノルドリンによる阻害はない。
さらに、6μMのジノルドリンは、Bcl−2 mRNA転写を147.2%±22.73%(P<0.001)増加させた。対照的に、RT−qPCRを使用して、MCF−7細胞においてアノルドリンによって統計的に有意でない差(3.18%±3.22%)が測定された。
結果は、R6の−CH3が(−Hと対照的に)アノルドリンの固有の機能特性に不可欠であることが示された。
キシレンを使用してマウス肝臓切片からパラフィンを除去した。肝臓切片を、それぞれGPER1、ER−α、またはER−βに対する抗体を使用して染色した。
参考文献