JP2019142304A - 落下物検出装置及び落下物検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、カメラを用いて検出された物体を、データベース内に蓄積された画像と比較することで、当該物体の異常性を分類する、鉄道軌道スキャニングシステムおよび方法が開示されている。
また、落下物を例えば作業員が落したスパナであると限定した場合であっても、スパナの大きさや色には様々な種類があり、なおかつ、画像中のスパナの置かれた角度も場合により様々である。この理由においても、見本画像との比較により落下物を効果的に、精度よく検出するのは容易ではない。
本実施形態における落下物検出装置は、鉄道車両に設けられて鉄道軌道上の落下物を検出するものであり、鉄道車両の進行方向側に設けられて鉄道軌道を撮像する撮像装置と、撮像装置により撮像された画像を基にした画像を解析し、落下物を検出する落下物検出部と、を備え、鉄道軌道の画像と、この画像に対応する落下物の有無の情報を学習データとして取り込み、落下物及び落下物の有無に関する特徴データを作成、保持する機械学習器により、落下物を検出する。
鉄道車両1は、鉄道軌道5上を走行するように設けられている。鉄道軌道5は、道床、本実施形態においてはバラスト6と、バラスト6上に設けられた枕木7、及び枕木7上に設けられたレール8を備えている。
鉄道車両1は、進行方向Fを照射する照明2を備えている。
本実施形態において、落下物9は、例えば、鉄道軌道5近辺で夜間に作業に当たる作業員が置き忘れた、スパナやボルト等の工具や部材である。
落下物検出装置10は、互いに通信可能に設けられた、撮像装置11と、制御端末12を備えている。
撮像装置11による撮像対象を、鉄道車両1から進行方向Fに向かってどれくらいの距離とするかは、鉄道車両1の走行速度に応じて、例えば落下物検出装置10により落下物9を検出した際に鉄道車両1が落下物9の手前で安全に停止できるような距離に設定すればよい。
撮像装置11は、撮像画像30を制御端末12へと送信する。
入力画像生成部13は、撮像画像30を部分的に切り出して、複数の入力画像(撮像装置11により撮像された画像30を基にした画像)を生成する。
図3は、撮像画像30と入力画像31の関係を示す説明図である。入力画像31は、次に説明する落下物検出部14へと渡されて、落下物検出部14への入力とされる画像である。落下物検出部14は、本実施形態においては、後述するように例えば227×227の、所定の大きさの解像度を備えたRGB画像を入力としている。このため、入力画像生成部13は、撮像画像30をこの所定の大きさに切り出す。
まず、撮像画像30から画像処理により大まかな鉄道軌道5の場所を抽出する。この抽出された鉄道軌道近傍領域32の近傍で、最も左上に位置する基点画素33を決定し、この基点画素33を基点として右方向かつ下方向に所定の大きさの画素範囲34を定め、この画素範囲34を入力画像31として切り出す。
次に、この画素範囲34を右方向に所定の解像度数だけ移動させ、移動後の画素範囲34を次の入力画像31として切り出す。この、画素範囲34の右方向への移動と入力画像31の切り出しを繰り返す。
画素範囲34が鉄道軌道近傍領域32の右端を超えて、例えば図3に34Aとして示される位置に移動した際には、この画素範囲34を入力画像31として切り出した後に、所定の解像度数だけ下方の水平位置において、鉄道軌道近傍領域32の左端の位置34Bから画素範囲34の右方向への移動と入力画像31の切り出しを繰り返す。
入力画像生成部13は、生成した入力画像31を随時、落下物検出部14へ送信する。
また、入力画像生成部13は、撮像画像30をデータ処理部15へ送信する。
落下物検出部14は、入力画像31を解析し、落下物9を検出する。より詳細には、落下物検出部14は、鉄道軌道5の画像と、その画像に対応する落下物9の有無の情報を学習データとして取り込み、落下物9及び落下物9の有無に関する特徴データを作成、保持する機械学習器により、落下物9を検出する。
第1畳み込み層41においては、畳み込みフィルタ処理、正規化処理、及びプーリング処理が順次実行される。
機械学習器40は、この処理を、全ての第1フィルタ41fに対して実行し、第1フィルタ41fの数に応じた第1特徴マップ41mを生成する。
本実施形態においては、第1フィルタ41fを学習画像49上で例えば4画素の移動幅で移動させることにより、例えば55×55の画素数の、1枚の第1特徴マップ41mが生成される。
本実施形態においては、例えば96個の第1フィルタ41fを備えており、この第1フィルタ41fの各々により畳み込みフィルタ処理が実行されるため、計96枚の第1特徴マップ41mが生成される。
各第1フィルタ41fの重みは、機械学習により調整される。
第2畳み込み層42は、第1畳み込み層41と同様に、所定の数の第2フィルタ42fを備えており、これらを用いて畳み込みフィルタ処理を実行することで、第2フィルタ42fの数に応じた所定の数の第2特徴マップ42mを生成する。
本実施形態においては、第2フィルタ42fを、互いに重ねられた、プーリング処理された第1特徴マップ41m上で、例えば1画素の移動幅で移動させることにより、例えば27×27の画素数の、1枚の第2特徴マップ42mが生成される。
本実施形態においては、例えば256個の第2フィルタ42fを備えており、この第2フィルタ42fの各々により畳み込みフィルタ処理が実行されるため、計256枚の第2特徴マップ42mが生成される。
第3畳み込み層43は、第1及び第2畳み込み層41、42と同様に、所定の数の第3フィルタ43fを備えており、これらを用いて畳み込みフィルタ処理を実行することで、第3フィルタ43fの数に応じた所定の数の第3特徴マップ43mを生成する。
本実施形態においては、例えば384個の第3フィルタ43fを備えており、この第3フィルタ43fの各々により畳み込みフィルタ処理が実行されるため、計384枚の第3特徴マップ43mが生成される。
第3特徴マップ43mは、第4畳み込み層44の入力画像となる。
第4特徴マップ44mは、第5畳み込み層45の入力画像となる。
プーリング処理された第5特徴マップ45m、すなわち例えば4096個の画素値情報は、第1全結合層46への入力となる。
第1及び第2出力ノード48a、48bは、第2全結合層47の全てのノード47nと結合しており、層間に結合荷重を備えている。第3全結合層48においては、この結合荷重に基づいて、ノード47nに対して重み付け和を演算し、その結果に出力関数を適用した値が、第1及び第2出力ノード48a、48bに格納される。
本実施形態においては、落下物9が無い場合に第1出力ノード48aの値が所定の第1判定値、例えば1に近く、第2出力ノード48bの値が所定の第2判定値、例えば0に近い値となるように、なおかつ、落下物9が有る場合に第1出力ノード48aの値が第2判定値に近く、第2出力ノード48bの値が第1判定値に近い値となるように、設計されている。
その上で、このコスト関数を小さくするように、誤差逆伝搬法等により、第1〜第5畳み込み層41、42、43、44、45の各第1〜第5フィルタ41f、42f、43f、44f、45fの重みの値、及び、第1〜第3全結合層46、47、48の各結合荷重の値を調整することで、機械学習器40が機械学習される。これらの、各第1〜第5フィルタ41f、42f、43f、44f、45fの重みの値、及び、第1〜第3全結合層46、47、48の各結合荷重の値が、落下物及び落下物の有無に関する特徴データとなる。
機械学習器40の中で、第1〜第3全結合層46、47、48は、第1全結合層46の入力となるプーリング処理された第5特徴マップ45mから、落下物9の有無を判定する2クラス分類のための特徴データを保持し、これに基づいて特徴を抽出するものである。
第1〜第5畳み込み層41、42、43、44、45も、同様に落下物9及び落下物9の有無に関する特徴データを保持するものではあるが、これらにおいては特に、落下物9のエッジや濃淡パターン等の、画像としての特徴を、より抽出する部分である。このため、精度の上で問題がなければ、第1〜第5畳み込み層41、42、43、44、45を、鉄道の分野に限られない、一般に広く用いられている様々な画像を入力として機械学習してもよい。この場合においては、鉄道軌道5の学習画像及び鉄道軌道5上に落下物9が落ちている学習画像の数を低減し、学習を比較的容易に行うことができる。
落下物検出部14は、実際に鉄道車両1に搭載されて落下物9を検出する処理の際には、上記の第1〜第5畳み込み層41、42、43、44、45、及び第1〜第3全結合層46、47、48の各処理を、学習時と同様に実行する。
更に、このプーリング処理された第5特徴マップ45mを入力として、第1〜第3全結合層46、47、48の各々において重み付け和を演算する処理を実行し、最終的に第1及び第2出力ノード48a、48bに処理結果が格納される。
落下物検出部14は、判断結果すなわち落下物9の検出結果と、その際に入力された入力画像31とを対応させて、落下物情報として、データ処理部15へ送信する。
また、データ処理部15は、落下物検出部14から、入力画像31と落下物9の検出結果である落下物情報を受信する。
データ処理部15は、撮像画像30と入力画像31を随時保存すると同時に、表示装置17に撮像画像30を表示する。
同時に、データ処理部15は、表示装置17に表示された撮像画像30において、落下物情報内の入力画像31に対応する部分を、例えば枠で囲う等により強調表示し、落下物9の場所を明示的に搭乗員に知らせる。
本落下物検出方法は、鉄道軌道上の落下物を検出するものであり、鉄道軌道の、鉄道車両の進行方向側を撮像し、鉄道軌道の画像と、画像に対応する落下物の有無の情報を学習データとして取り込み、落下物及び落下物の有無に関する特徴データを作成、保持する機械学習器により、撮像された画像を基にした画像を解析し、落下物を検出する。
学習処理が開始されると(ステップS20)、入力された学習画像に対し、第1畳み込み層41が、畳み込みフィルタ処理、正規化処理、及びプーリング処理を順次実行し、プーリング処理された第1特徴マップ41mを生成する(ステップS22)。
第2畳み込み層42は、プーリング処理された第1特徴マップ41mに対し、畳み込みフィルタ処理、正規化処理、及びプーリング処理を順次実行し、プーリング処理された第2特徴マップ42mを生成する(ステップS24)。
第3畳み込み層43は、プーリング処理された第2特徴マップ42mに対し、畳み込みフィルタ処理を実行し、第3特徴マップ43mを生成する(ステップS26)。
第4畳み込み層44は、第3特徴マップ43mに対し、畳み込みフィルタ処理を実行し、第4特徴マップ44mを生成する(ステップS28)。
第5畳み込み層45は、第4特徴マップ44mに対し、畳み込みフィルタ処理とプーリング処理を実行し、プーリング処理された第5特徴マップ45m、すなわち例えば4096個の画素値情報を生成する(ステップS30)。
第2全結合層47は、ノード46nに対して重み付け和を演算し、その結果に出力関数を適用して、各ノード47nに格納する(ステップS34)。
第3全結合層48は、ノード47nに対して重み付け和を演算し、その結果に出力関数を適用して、第1及び第2出力ノード48a、48bに格納する(ステップS36)。
このコスト関数を小さくするように、誤差逆伝搬法等により、第1〜第5畳み込み層41、42、43、44、45の各第1〜第5フィルタ41f、42f、43f、44f、45fの重みの値、及び、第1〜第3全結合層46、47、48の各結合荷重の値を調整することで、機械学習器40を機械学習する。
その後、落下物検出装置10を鉄道車両1に搭載し、鉄道車両1を走行させつつ、落下物検出装置10による落下物9の検出を開始する(図5のステップS0)。
入力画像生成部13は、撮像装置11から撮像画像30を受信し、撮像画像30を部分的に切り出して、複数の入力画像31を生成する(ステップS4)。
入力画像生成部13は、入力画像31を落下物検出部14へ送信する。
また、入力画像生成部13は、撮像画像30をデータ処理部15へ送信する。
すなわち、入力画像31が第1畳み込み層41に入力されると、第1畳み込み層41は畳み込みフィルタ処理、正規化処理、及びプーリング処理を順次実行する(ステップS22)。続いて、第2畳み込み層42が畳み込みフィルタ処理、正規化処理、及びプーリング処理を、第3畳み込み層43が畳み込みフィルタ処理を、第4畳み込み層44が畳み込みフィルタ処理を、及び第5畳み込み層45が畳み込みフィルタ処理とプーリング処理を、それぞれ実行して、プーリング処理された第5特徴マップ45mを生成する(ステップS24〜S30)。
更に、このプーリング処理された第5特徴マップ45mを入力として、第1〜第3全結合層46、47、48の各々において重み付け和を演算する処理を実行し、最終的に第1及び第2出力ノード48a、48bに処理結果を格納する(ステップS32〜S36)。
落下物検出部14は、判断結果すなわち落下物9の検出結果と、その際に入力された入力画像31とを対応させて、落下物情報として、データ処理部15へ送信する。
また、データ処理部15は、落下物検出部14から、入力画像31と落下物9の検出結果である落下物情報を受信する。
データ処理部15は、撮像画像30と入力画像31を随時保存すると同時に、表示装置17に撮像画像30を表示する。
落下物9が有ると検出された場合には(ステップS8のYes)、警報器16により鉄道車両1の搭乗員に落下物9の検出を通知する(ステップS10)。
同時に、データ処理部15は、表示装置17に表示された撮像画像30において、落下物情報内の入力画像31に対応する部分を、例えば枠で囲う等により強調表示し、落下物9の場所を明示的に搭乗員に知らせる。
撮像画像30に対して未処理の部分が残っている場合においては(ステップS12のNo)、当該部分を入力画像31として切り出す処理へと移行する(ステップS4へ遷移)。
撮像画像30に対して未処理の部分が残っていない場合においては(ステップS12のYes)、次の撮像画像30に対する処理へと移行する(ステップS2へ遷移)。
上記のような構成によれば、鉄道軌道5の画像と、画像に対応する落下物の有無の情報を学習データとして取り込み、落下物9及び落下物9の有無に関する特徴データを作成、保持するように機械学習されているため、機械学習器40は入力画像31がこの特徴データに合致するか否かで落下物9を検出可能である。
すなわち、従来の画像処理等による、見本画像との比較により落下物9を検出する場合に比べると、画像の表面的な情報だけでなく、これを抽象化した特徴により落下物9を検出するため、落下物9の角度、大きさ、色、及び、天候や時刻に依存した明度により受ける影響等を抑制可能である。また、抽象化した特徴により落下物9を検出するため、機械学習時に画像として入力されていない種類の落下物9であっても、これを検出できる可能性が高くなる。
これにより、鉄道軌道5上の落下物9を精度よく検出可能である。
また、撮像装置40により撮像された画像30を部分的に切り出して、撮像装置11により撮像された画像30を基にした画像31を生成し、落下物検出部14へ送信する、入力画像生成部13を備えている
上記のような構成によれば、落下物検出装置10を適切に実現可能である。
上記のような構成によれば、落下物9を検出した際に搭乗員への通知が可能となるため、鉄道車両1の迅速な停止が可能となる。
上記のような構成によれば、落下物9の検出状況を視認することが可能となる。
次に、上記実施形態における落下物検出装置10を使用した実施結果を説明する。
図7(a)は、バラスト6のみを撮像した入力画像31である。図7(b)、(c)は、それぞれ、バラスト6上に落下物9が異なる態様で位置している場合の入力画像31である。
図8、図9、図10は、それぞれ、図7(a)、(b)、(c)を機械学習された機械学習器40へ入力画像31として入力したときの、第5畳み込み層45の出力、すなわちプーリング処理された第5特徴マップ45mである。
特に図8と図9、10を比べると、図9、10には、落下物9とバラスト6の境界を示すと考えられるエッジや、濃淡パターンが、特徴として表現されていることがわかる。特に、図9と図10により、落下物9の角度が異なる場合においても、同様な特徴が抽出されていることがわかる。
例えば、精度が損なわれない範囲において、撮像画像30から、バラスト6とは異なる色合いの部分や、画素値の変化の傾向が他とは異なる部分等を落下物9である可能性が高いとしてフィルタ処理等で抽出し、抽出された部分の近傍のみから入力画像31を切り出すようにしても構わない。
5 鉄道軌道
9 落下物
10 落下物検出装置
11 撮像装置
12 制御端末
13 入力画像生成部
14 落下物検出部
15 データ処理部
16 警報器
17 表示装置
20 事前学習部
21 画像データベース
22 機械学習部
30 撮像画像(撮像装置により撮像された画像)
31 入力画像(撮像装置により撮像された画像を基にした画像)
40 機械学習器
49 学習画像
F 進行方向
Claims (6)
- 鉄道車両に設けられて鉄道軌道上の落下物を検出する、落下物検出装置であって、
前記鉄道車両の進行方向側に設けられて前記鉄道軌道を撮像する撮像装置と、
当該撮像装置により撮像された画像を基にした画像を解析し、前記落下物を検出する落下物検出部と、
を備え、
前記鉄道軌道の画像と、当該画像に対応する前記落下物の有無の情報を学習データとして取り込み、前記落下物及び前記落下物の有無に関する特徴データを作成、保持する機械学習器により、前記落下物を検出する、落下物検出装置。 - 前記機械学習器は、畳み込みニューラルネットワークにより実現されている、請求項1に記載の落下物検出装置。
- 前記撮像装置により撮像された前記画像を部分的に切り出して、当該撮像装置により撮像された前記画像を基にした前記画像を生成し、前記落下物検出部へ送信する、入力画像生成部を備えている、請求項1または2に記載の落下物検出装置。
- 前記落下物検出部が前記落下物を検出した際に、前記鉄道車両の搭乗員へ前記落下物の検出を通知する警報器を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載の落下物検出装置。
- 前記撮像装置により撮像された前記画像を表示する表示装置を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の落下物検出装置。
- 鉄道軌道上の落下物を検出する落下物検出方法であって、
前記鉄道軌道の、鉄道車両の進行方向側を撮像し、
前記鉄道軌道の画像と、当該画像に対応する前記落下物の有無の情報を学習データとして取り込み、前記落下物及び前記落下物の有無に関する特徴データを作成、保持する機械学習器により、撮像された画像を基にした画像を解析し、前記落下物を検出する、落下物検出方法。
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