以下の実施形態は、一般に、照明装置、および照明器具に関する。より詳細には、以下の実施形態は、複数の光源のそれぞれの負荷電流を制御する照明装置、および照明器具に関する。
以下に実施形態を図面に基づいて説明する。
(照明装置)
図1は、本実施形態の照明装置A1の回路構成を示す。
照明装置A1は、電源回路1と、3つの負荷回路2(21〜23)と、3つの電流制御回路3(31〜33)と、差動増幅器50〜53と、抵抗Ra,Rbとを主に備える。
電源回路1は、直流電源回路E0から一対の入力端11,12に直流の入力電圧Viを入力され、入力電圧Viを直流の出力電圧Vo1に変換して、一対の出力端13,14から出力電圧Vo1を出力する。出力端13と出力端14との間の出力電圧Vo1はフィードバック制御されており、電源回路1は、出力電圧Vo1が所望の値(目標値)に一致するように電圧制御(フィードバック制御)を行う。入力端11は入力電圧Viの高電位側となり、入力端12は入力電圧Viの低電位側となる。また、出力端13は出力電圧Vo1の高電位側となり、出力端14は出力電圧Vo1の低電位側となる。直流電源回路E0は、商用電圧を直流の入力電圧Viに変換して出力するコンバータ、または直流の入力電圧Viを出力するバッテリで構成される。なお、照明装置1が直流電源回路E0を備えることは必須ではなく、別の装置が直流電源回路E0を備えていてもよい。
具体的に、図1の電源回路1は、スイッチング素子Q0、インダクタL0、コンデンサC0、ダイオードD0、スイッチ制御部K0を備える降圧チョッパ回路で構成されている。一対の入力端11,12の間には、スイッチング素子Q0とダイオードD0との直列回路が接続されている。スイッチング素子Q0は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、スイッチング素子Q0のドレインは入力端11に接続し、スイッチング素子Q0のソースはダイオードD0のカソードに接続する。ダイオードD0のアノードは入力端12に接続する。さらに、ダイオードD0の両端間には、インダクタL0とコンデンサC0との直列回路が接続されている。インダクタL0の一端は、ダイオードD0のカソード(スイッチング素子Q1のソース)に接続し、インダクタL0の他端は、コンデンサC0の一端(正極)に接続する。コンデンサC0の他端(負極)は、ダイオードD0のアノードに接続する。
スイッチ制御部K0は、スイッチング素子Q0のゲートに接続し、スイッチング素子Q0のゲートに駆動信号(ゲート電圧)を出力して、スイッチング素子Q0をオンオフ(スイッチング)させる。そして、スイッチ制御部K0は、スイッチング素子Q0をオンオフさせることによって、入力電圧Viを降圧した出力電圧Vo1をコンデンサC0の両端間に発生させる。なお、本実施形態において、出力電圧Vo1の値は30Vである。
スイッチ制御部K0は、コンピュータシステムと、トランジスタQ0のドライブ回路とを備えている。ドライブ回路は、コンピュータシステムからの指示に従ってトランジスタQ0をオンオフ駆動する。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。メモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、スイッチ制御部K0の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、電源回路1は、降圧チョッパ回路以外で構成されてもよく、例えば昇圧チョッパ回路、昇降圧チョッパ回路のいずれであってもよい。さらに、電源回路1が昇降圧チョッパ回路で構成される場合、具体的な回路構成として、SEPIC回路、CUK回路、ZETA回路のいずれかが用いられることが好ましい。
電源回路1の出力端13,14の間には、複数の負荷回路2が電気的に接続している。図1の照明装置A1は、3つの負荷回路2(21〜23)、3つの電流制御回路3(31〜33)を備えている。以降、3つの負荷回路2を互いに区別する場合、3つの負荷回路2を負荷回路21,22,23とそれぞれ呼ぶ。また、3つの電流制御回路3を互いに区別する場合、3つの電流制御回路3を電流制御回路31,32,33とそれぞれ呼ぶ。
負荷回路21は、電源回路1の出力端13,14の間に接続されている。負荷回路21は、光源21aと電流調整回路21bとの直列回路を有する。
光源21aは、複数のLED(Light Emitting Diode)210が直列接続されたLEDアレイを有している。光源21aは、並列接続された複数のLEDアレイを有していてもよい。ここで、光源21aの一端には、LEDアレイの一端のLED210のアノードが接続しており、光源21aの一端をアノード側と呼ぶ。また、光源21aの他端には、LEDアレイの他端のLED210のカソードが接続しており、光源21aの他端をカソード側と呼ぶ。そして、光源21aのアノード側は、電源回路1の出力端13に接続されている。
電流調整回路21bは、スイッチング素子Q1と、検出抵抗R11とを備えており、スイッチング素子Q1と検出抵抗R11との直列回路で構成されている。スイッチング素子Q1は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETであり、スイッチング素子Q1のドレインは、光源21aのカソード側に接続されている。スイッチング素子Q1のソースは、検出抵抗R11の一端に接続している。検出抵抗R11の他端は、電源回路1の出力端14に接続している。すなわち、電源回路1の出力端13,14の間には、光源21aと電流調整回路21bとの直列回路が電気的に接続している。言い換えると、電源回路1の出力端13,14の間には、光源21aとスイッチング素子Q1と検出抵抗R11との直列回路が接続している。そして、電流調整回路21bは、スイッチング素子Q1による電圧降下(スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧)を電流制御回路31によって制御されることで、光源21aに流れる負荷電流Io1を調整できる。
電流制御回路31は、オペアンプOP1と、抵抗R12,R13とを備える。抵抗R12の一端は、スイッチング素子Q1のソースに接続し、抵抗R12の他端は、オペアンプOP1の−側入力端子に電気的に接続している。すなわち、スイッチング素子Q1のソースと検出抵抗R11との接続点は、抵抗R12を介してオペアンプOP1の−側入力端子に接続している。また、オペアンプOP1の+側入力端子には、調光基準電圧Vt1が入力される。また、オペアンプOP1の出力端子と−側入力端子との間には、抵抗R13が接続されている。さらに、オペアンプOP1の出力端子は、スイッチング素子Q1のゲートに接続している。そして、電流制御回路31は、調光基準電圧Vt1に応じてスイッチング素子Q1のゲート電圧を制御することで、スイッチング素子Q1と検出抵抗R11との直列回路に流れる電流(負荷電流Io1)を調節できる。
次に、負荷回路22は、電源回路1の出力端13,14の間に接続されている。負荷回路22は、インピーダンス素子41と光源22aと電流調整回路22bとの直列回路を有する。インピーダンス素子41の一端は出力端13に接続し、インピーダンス素子41の他端は光源22aの一端に接続し、光源22aの他端は電流調整回路22bの一端に接続し、電流調整回路22bの他端は、出力端14に接続している。
インピーダンス素子41は、複数のダイオード410が直列接続された2つのダイオードアレイを有している。ここで、インピーダンス素子41の一端には、LEDアレイの一端のダイオード410のアノードが接続しており、インピーダンス素子41の一端をアノード側と呼ぶ。また、インピーダンス素子41の他端には、ダイオードアレイの他端のダイオード410のカソードが接続しており、インピーダンス素子41の他端をカソード側と呼ぶ。
光源22aは、複数のLED220が直列接続されたLEDアレイを有している。光源22aは、並列接続された複数のLEDアレイを有していてもよい。上述の光源21aと同様に、光源22aの一端をアノード側と呼び、光源22aの他端をカソード側と呼ぶ。
電流調整回路22bは、スイッチング素子Q2と、検出抵抗R21とを備えており、スイッチング素子Q2と検出抵抗R21との直列回路で構成されている。スイッチング素子Q2は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETであり、スイッチング素子Q2のドレインは、光源22aのカソード側に接続されている。スイッチング素子Q2のソースは、検出抵抗R21の一端に接続している。検出抵抗R21の他端は、電源回路1の出力端14に接続している。すなわち、電源回路1の出力端13,14の間には、インピーダンス素子41と光源22aと電流調整回路22bとの直列回路が電気的に接続している。言い換えると、電源回路1の出力端13,14の間には、インピーダンス素子41と光源22aとスイッチング素子Q2と検出抵抗R21との直列回路が接続している。そして、電流調整回路22bは、スイッチング素子Q2による電圧降下(スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間電圧)を電流制御回路32によって制御されることで、光源22aに流れる負荷電流Io2を調整できる。
電流制御回路32は、オペアンプOP2と、抵抗R22,R23とを備える。電流制御回路32のオペアンプOP2、抵抗R22,R23、及び調光基準電圧Vt2は、上述の電流制御回路31のオペアンプOP1、抵抗R12,R13、及び調光基準電圧Vt1に対応する。したがって、電流制御回路32は、調光基準電圧Vt2に応じてスイッチング素子Q2のゲート電圧を制御することで、スイッチング素子Q2と検出抵抗R21との直列回路に流れる電流(負荷電流Io2)を調節できる。
次に、負荷回路23は、電源回路1の出力端13,14の間に接続されている。負荷回路23は、インピーダンス素子41、42と光源23aと電流調整回路23bとの直列回路を有する。インピーダンス素子41の一端は出力端13に接続し、インピーダンス素子41の他端はインピーダンス素子42の一端に接続する。さらに、インピーダンス素子42の他端は光源23aの一端に接続し、光源23aの他端は電流調整回路23bの一端に接続し、電流調整回路23bの他端は、出力端14に接続している。
インピーダンス素子42は、複数のダイオード420が直列接続されたダイオードアレイを有している。インピーダンス素子42は、1つのダイオードアレイを有している。なお、上述のインピーダンス素子41と同様に、インピーダンス素子42の一端をアノード側と呼び、インピーダンス素子42の他端をカソード側と呼ぶ。
光源23aは、複数のLED230が直列接続されたLEDアレイを有している。光源23aは、並列接続された複数のLEDアレイを有していてもよい。上述の光源21aと同様に、光源23aの一端をアノード側と呼び、光源23aの他端をカソード側と呼ぶ。
電流調整回路23bは、スイッチング素子Q3と、検出抵抗R31とを備えており、スイッチング素子Q3と検出抵抗R31との直列回路で構成されている。スイッチング素子Q3は、Nチャネルのエンハンスメント型のMOSFETであり、スイッチング素子Q3のドレインは、光源23aのカソード側に接続されている。スイッチング素子Q3のソースは、検出抵抗R31の一端に接続している。検出抵抗R31の他端は、電源回路1の出力端14に接続している。すなわち、電源回路1の出力端13,14の間には、インピーダンス素子41、42と光源23aと電流調整回路23bとの直列回路が電気的に接続している。言い換えると、電源回路1の出力端13,14の間には、インピーダンス素子41、42と光源23aとスイッチング素子Q3と検出抵抗R31との直列回路が接続している。そして、電流調整回路23bは、スイッチング素子Q3による電圧降下(スイッチング素子Q3のドレイン−ソース間電圧)を電流制御回路33によって制御されることで、光源23aに流れる負荷電流Io3を調整できる。
電流制御回路33は、オペアンプOP3と、抵抗R32,R33とを備える。電流制御回路33のオペアンプOP3、抵抗R32,R33、及び調光基準電圧Vt3は、上述の電流制御回路31のオペアンプOP1、抵抗R12,R13、及び調光基準電圧Vt1に対応する。したがって、電流制御回路33は、調光基準電圧Vt3に応じてスイッチング素子Q3のゲート電圧を制御することで、スイッチング素子Q3と検出抵抗R31との直列回路に流れる電流(負荷電流Io3)を調節できる。
上述のLED210の発光色,LED220の発光色,LED230の発光色は、互いに異なる。すなわち、光源21aの発光色,光源22aの発光色,光源23aの発光色は互いに異なる。光源21a,22a,23aの各発光色は、例えば赤、緑、青、白などのいずれかである。そして、照明装置A1は、光源21a,22a,23aを個別に調光することで、光源21a,22a,23aの各発光を混ぜ合わせた混色光の調色を行うことができる。
具体的に、図2に示す信号処理部6が、調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3(第1目標値)を生成し、調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3の各値を増減させる。信号処理部6は、照明装置A1に含まれる構成要素であってもよいし、照明装置A1に含まれない構成要素(他の装置の構成要素)であってもよい。
まず、外部のコントローラが、照明装置A1に要求される制御内容に応じて、DMX512などの指示信号(DMX信号)Y1を信号処理部6へ送信する。信号処理部6は、外部のコントローラから指示信号Y1を入力端子にて受け取る。指示信号Y1は、光源21a,22a,23aの各調光レベルを指示する信号である。光源21a,22a,23aは、それぞれに指示された調光レベルが高いほど明るくなる。一方、光源21a,22a,23aは、それぞれに指示された調光レベルが低いほど暗くなる。そして、光源21a,22a,23aの混色光が要求される色になるように、光源21a,22a,23aの各調光レベルは個別に指示される。
そして、信号処理部6は、指示信号Y1によって指示される光源21a,22a,23aの各調光レベルに基づいて、光源21a,22a,23aにそれぞれ対応する調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3を生成する。調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3の各値は、調光レベルが高いほど大きくなり、調光レベルが低いほど小さくなる。調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3は、オペアンプOP1,OP2,OP3の+側入力端子にそれぞれ入力される。
以下に、光源21aの調光制御について説明する。
オペアンプOP1の+側入力端子には調光基準電圧Vt1が入力されている。そして、オペアンプOP1は、イマジナリショート(Imaginary Short)の作用によって、オペアンプOP1の−側入力端子の電位も調光基準電圧Vt1に等しくなるように出力電圧を調整する。つまり、スイッチング素子Q1のドレイン電流は負荷電流Io1であり、検出抵抗R11の抵抗値を[R11]とすると、Vt1=Io1×[R11]となるように、オペアンプOP1は出力電圧を調整する。
そして、オペアンプOP1の出力電圧はスイッチング素子Q1のゲートに印加されるため、調光基準電圧Vt1によってスイッチング素子Q1のゲート電圧(ゲート−ソース間電圧)が決まる。スイッチング素子Q1のゲート電圧は、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧(Vgs)とドレイン電流(Id)との対応を示すVgs−Id特性に従って決定される。電流制御回路31は、スイッチング素子Q1のゲート電圧を調整することで、スイッチング素子Q1のドレイン電流を制御することができる。したがって、信号処理部6が指示信号Y1に応じた調光基準電圧Vt1を設定することで、検出抵抗R11の両端電圧が調光基準電圧Vt1に一致するようにスイッチング素子Q1のドレイン電流(すなわち、負荷電流Io1)が制御されて、光源21aの調光レベルが制御される。
また、電流制御回路32,33は、上述の電流制御回路31と同様に、光源22a、23aの各調光制御を行う。
まず、信号処理部6が指示信号Y1に応じた調光基準電圧Vt2を設定する。そして、電流制御回路32は、検出抵抗R21の両端電圧が調光基準電圧Vt2に一致するようにスイッチング素子Q2のドレイン電流(すなわち、負荷電流Io2)を制御して、光源22aの調光レベルを制御する。
また、信号処理部6が指示信号Y1に応じた調光基準電圧Vt3を設定する。そして、電流制御回路33は、検出抵抗R31の両端電圧が調光基準電圧Vt3に一致するようにスイッチング素子Q3のドレイン電流(すなわち、負荷電流Io3)を制御して、光源23aの調光レベルを制御する。
本実施形態では、LED210、LED220、LED230の発光色は互いに異なっており、LED210、LED220、LED230の順方向電圧の値も互いに異なる。また、光源21aにおけるLED210の直列接続数、光源22aにおけるLED220の直列接続数、光源23aにおけるLED230の直列接続数も異なることが多い。この結果、光源21aの順方向電圧Vf1,光源22aの順方向電圧Vf2,光源23aの順方向電圧Vf3の各値が互いに異なる。本実施形態では、順方向電圧Vf1の値を[Vf1]、順方向電圧Vf2の値を[Vf2]、順方向電圧Vf3の値を[Vf3]とすると、[Vf1]>[Vf2]>[Vf3]の関係になる。なお、以降では、順方向電圧値[Vf1]、順方向電圧値[Vf2]、順方向電圧値[Vf3]と呼ぶ。
すなわち、負荷回路21が有する光源21aの順方向電圧値[Vf1]は、負荷回路22,23がそれぞれ有する光源22a,23aの各順方向電圧値[Vf2],[Vf3]よりも高い。この場合、負荷回路21が第1負荷回路に相当し、負荷回路22,23が第2負荷回路にそれぞれ相当する。
そして、光源21a,22a,23aをそれぞれ点灯させる場合、電源回路1は、出力電圧Vo1の値[Vo1]を各順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3]より大きくする必要がある。この場合、出力電圧Vo1と順方向電圧Vf1,Vf2,Vf3との差分電圧は、スイッチング素子Q1,Q2,Q3の発熱の要因になることがある。特に、出力電圧Vo1と順方向電圧との差分電圧の値が大きいほど、対応するスイッチング素子の発熱量も大きくなる傾向にある。
しかしながら、照明装置A1の配光及び色混ざりの観点、LED210,220,230を実装する基板における配線の引き回しの観点などから、光源21a,22a,23aの各順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3]を同一にすることは困難である。
また、LED210,220,230は、周囲温度が上昇すると順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3]がそれぞれ下がる傾向となる。すなわち、周囲温度が上昇すると、出力電圧値[Vo1]と順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3]との差分値が増加し、スイッチング素子Q1,Q2,Q3の発熱も増える可能性がある。
そこで、照明装置A1は、インピーダンス素子41,42、差動増幅器51〜53を備えることで、インピーダンス素子41,42、差動増幅器51〜53を備えていない場合に比べて、スイッチング素子Q1,Q2,Q3の各発熱量を低減させている。
インピーダンス素子41は、複数のダイオード410を直列接続することで、負荷電流Io2,Io3による電圧降下Va1を生じる。電圧降下Va1の値(電圧降下値)[Va1]は、順方向電圧値[Vf1]と順方向電圧値[Vf2]との差分値([Vf1]−[Vf2])に一致する(ほぼ一致する)ように設定される。すなわち、インピーダンス素子41では、[Va1]が[Vf1]−[Vf2]に一致する(ほぼ一致する)ように、ダイオード410の順方向電圧、ダイオード410の直列接続数などが決められている。なお、インピーダンス素子41は、負荷電流Io2,Io3による電圧降下Va1を生じる素子であればよく、例えば1つ以上のツェナーダイオードを備えていてもよい。
また、インピーダンス素子42は、複数のダイオード420を直列接続することで、負荷電流Io3による電圧降下Va2を生じる。電圧降下Va2の値(電圧降下値)[Va2]は、順方向電圧値[Vf2]と順方向電圧値[Vf3]との差分値([Vf2]−[Vf3])に一致する(ほぼ一致する)ように設定される。すなわち、インピーダンス素子42では、[Va2]が[Vf2]−[Vf3]に一致する(ほぼ一致する)ように、ダイオード420の順方向電圧、ダイオード420の直列接続数などが決められている。なお、インピーダンス素子42は、負荷電流Io3による電圧降下Va2を生じる素子であればよく、例えば1つ以上のツェナーダイオードを備えていてもよい。
次に、差動増幅器51〜53によるフィードバック動作について説明する。
スイッチング素子Q1のドレイン電圧(光源21aのカソード側の電圧)を監視電圧Vs1とすると、差動増幅器51は、監視電圧Vs1とFB基準電圧Vb1との差分を表す電圧信号を、誤差信号Y11として出力する。なお、監視電圧Vs1は、出力電圧Vo1から順方向電圧Vf1を差し引いた電圧に相当する。本実施形態において、FB基準電圧Vb1の値(FB基準電圧値)[Vb1]は、3V(または3V程度)に設定される。
なお、FB基準電圧Vb1の値(FB基準電圧値)[Vb1]は、調光基準電圧Vt1の上限値にスイッチング素子Q1のオン電圧値(またはオン電圧値よりわずかに大きい電圧値)が加算された値に設定されることが好ましい。すなわち、FB基準電圧値[Vb1]は、光源21aを全調光範囲で点灯可能な値のうち、最小値であることが好ましい。
また、スイッチング素子Q2のドレイン電圧(光源22aのカソード側の電圧)を監視電圧Vs2とすると、差動増幅器52は、監視電圧Vs2とFB基準電圧Vb2との差分を表す電圧信号を、誤差信号Y12として出力する。なお、監視電圧Vs2は、出力電圧Vo1から電圧降下Va1及び順方向電圧Vf2を差し引いた電圧に相当する。また、FB基準電圧Vb2の値(FB基準電圧値)[Vb2]は、FB基準電圧値[Vb1]に電圧降下値[Va1]を加算した値である。
スイッチング素子Q3のドレイン電圧(光源23aのカソード側の電圧)を監視電圧Vs3とすると、差動増幅器53は、監視電圧Vs3とFB基準電圧Vb3との差分を表す電圧信号を、誤差信号Y13として出力する。なお、監視電圧Vs3は、出力電圧Vo1から電圧降下Va1,Va2、及び順方向電圧Vf3を差し引いた電圧に相当する。また、FB基準電圧Vb3の値(FB基準電圧値)[Vb3]は、FB基準電圧値[Vb1]に電圧降下値[Va1]及び電圧降下値[Va2]を加算した値である。
そして、電源回路1のスイッチ制御部K0は、誤差信号Y11,Y12,Y13のうちいずれか1つを対象誤差信号とし、対象誤差信号の電圧値が0になるように、スイッチング素子Q0をオンオフさせる。すなわち、出力電圧値[Vo1]は、対象誤差信号が0になるように調整される。
具体的に、スイッチ制御部K0は、調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3と、誤差信号Y11,Y12,Y13との対応関係のデータを予め記憶している。また、スイッチ制御部K0は、調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3と、負荷回路21,22,23(光源21a,22a,23a、電流調整回路21b,22b,23b)との対応関係のデータを予め記憶している。
さらに、スイッチ制御部K0は、光源21a,22a,23aの各順方向電圧Vf1,Vf2,Vf3の大小関係のデータも予め記憶している。または、スイッチ制御部K0は、誤差信号Y11,Y12,Y13の優先順位のデータとして、優先順位1:Y11、優先順位2:Y12、優先順位3:Y13を表すデータを予め記憶していてもよい。
そして、スイッチ制御部K0は識別回路15を有している。識別回路15は、調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3を入力されて、調光基準電圧Vt1,Vt2,Vt3の各値を所定電圧値と比較する。
調光基準電圧(Vt1,Vt2,Vt3)の値が所定電圧値より大きい場合、調光基準電圧(Vt1,Vt2,Vt3)は、対応する光源(21a,22a,23a)の点灯を指示している。そこで、識別回路15は、所定電圧値より大きい値の調光基準電圧(Vt1,Vt2,Vt3)に対応する光源(21a,22a,23a)を、点灯を指示されている光源として識別する。一方、調光基準電圧(Vt1,Vt2,Vt3)の値が所定電圧値以下である場合、調光基準電圧(Vt1,Vt2,Vt3)は、対応する光源(21a,22a,23a)の消灯を指示している。そこで、識別回路15は、所定電圧値以下の値の調光基準電圧(Vt1,Vt2,Vt3)に対応する光源(21a,22a,23a)を、消灯を指示されている光源として識別する。
そして、スイッチ制御部K0は、点灯を指示されている光源のうち、順方向電圧(Vf1,Vf2,Vf3)が最も高い(点灯時の両端電圧が最も高い)光源を有する負荷回路を対象負荷回路とし、対象負荷回路に対応する誤差信号を対象誤差信号とする。
(第1具体例:光源21a,22a,23aが点灯を指示されている場合)
例えば、スイッチ制御部K0は、光源21a,22a,23aが点灯を指示されている場合、光源21aを有する負荷回路21を対象負荷回路21とする。そして、スイッチ制御部K0は、対象負荷回路21に対応する誤差信号Y11を対象誤差信号Y11として、対象誤差信号Y11の電圧値が0になるように、スイッチング素子Q0をオンオフさせる。すなわち、監視電圧Vs1の値(監視電圧値)[Vs1]は、FB基準電圧値[Vb1]になる。この場合、出力電圧値[Vo1]は、以下の式1のように表される。
[Vo1]=[Vf1]+[Vb1] ……… 式1
したがって、負荷電流Io1が流れて、光源21aは点灯する。しかし、スイッチング素子Q1の両端電圧は、光源21aを点灯可能な範囲で比較的小さくなり、スイッチング素子Q1の電力損失も比較的小さくなる。したがって、スイッチング素子Q1の発熱は比較的少なくなる。
このとき、光源22aのアノード側の直流電圧Vo2の値(直流電圧値)[Vo2]は、以下の式2のように表される。
[Vo2]=[Vo1]−[Va1]
=([Vf1]+[Vb1])−([Vf1]−[Vf2])
=([Vf2]+[Vb1]) ……… 式2
したがって、負荷電流Io2が流れて、光源22aは点灯する。また、監視電圧Vs2の値(監視電圧値)[Vs2]は、FB基準電圧値[Vb1]になる。この場合、スイッチング素子Q2の両端電圧は、光源22aを点灯可能な範囲で比較的小さくなり、スイッチング素子Q2の電力損失も比較的小さくなる。したがって、スイッチング素子Q2の発熱は比較的少なくなる。
また、光源23aのアノード側の直流電圧Vo3の値(直流電圧値)[Vo3]は、以下の式3のように表される。
[Vo3]=[Vo2]−[Va2]
=([Vf2]+[Vb1])−([Vf2]−[Vf3])
=([Vf3]+[Vb1]) ……… 式3
したがって、負荷電流Io3が流れて、光源23aは点灯する。また、監視電圧Vs3の値(監視電圧値)[Vs3]は、FB基準電圧値[Vb1]になる。この場合、スイッチング素子Q3の両端電圧は、光源23aを点灯可能な範囲で比較的小さくなり、スイッチング素子Q3の電力損失も比較的小さくなる。したがって、スイッチング素子Q3の発熱は比較的少なくなる。
(第2具体例:光源21aが消灯を指示され、光源22a,23aが点灯を指示されている場合)
スイッチ制御部K0は、光源21aが消灯を指示されており、光源22a,23aが点灯を指示されている場合、光源22aを有する負荷回路22を対象負荷回路22とする。光源21aは消灯を指示されているので、スイッチング素子Q1はオフ状態を維持しており、負荷電流Io1の値は「0」である。そして、スイッチ制御部K0は、対象負荷回路22に対応する誤差信号Y12を対象誤差信号Y12として、対象誤差信号Y12の電圧値が0になるように、スイッチング素子Q0をオンオフさせる。すなわち、監視電圧値[Vs2]は、FB基準電圧値[Vb2]になる。この場合、出力電圧値[Vo1]は、以下の式4のように表される。
[Vo1]=[Va1]+[Vf2]+[Vb2] ……… 式4
そして、直流電圧値[Vo2]は、以下の式5のように表される。
[Vo2]=[Vo1]−[Va1]
=([Va1]+[Vf2]+[Vb2])−[Va1]
=([Vf2]+[Vb2]) ……… 式5
したがって、負荷電流Io2が流れて、光源22aは点灯する。また、監視電圧値[Vs2]は、FB基準電圧値[Vb2]になる。この場合、スイッチング素子Q2の両端電圧は、光源22aを点灯可能な範囲で比較的小さくなり、スイッチング素子Q2の電力損失も比較的小さくなる。したがって、スイッチング素子Q2の発熱は比較的少なくなる。
また、直流電圧値[Vo3]は、以下の式6のように表される。
[Vo3]=[Vo2]−[Va2]
=([Vf2]+[Vb2])−([Vf2]−[Vf3])
=([Vf3]+[Vb2]) ……… 式6
したがって、負荷電流Io3が流れて、光源23aは点灯する。また、監視電圧値[Vs3]は、FB基準電圧値[Vb2]になる。この場合、スイッチング素子Q3の両端電圧は、光源23aを点灯可能な範囲で比較的小さくなり、スイッチング素子Q3の電力損失も比較的小さくなる。したがって、スイッチング素子Q3の発熱は比較的少なくなる。
(第3具体例:光源21a,22aが消灯を指示され、光源23aが点灯を指示されている場合)
スイッチ制御部K0は、光源21a,22aが消灯を指示され、光源23aが点灯を指示されている場合、光源23aを有する負荷回路23を対象負荷回路23とする。光源21a,22aは消灯を指示されているので、スイッチング素子Q1,Q2はオフ状態を維持しており、負荷電流Io1,Io2の値はそれぞれ「0」である。そして、スイッチ制御部K0は、対象負荷回路23に対応する誤差信号Y13を対象誤差信号Y13として、対象誤差信号Y13の電圧値が0になるように、スイッチング素子Q0をオンオフさせる。すなわち、監視電圧値[Vs3]は、FB基準電圧値[Vb3]になる。この場合、出力電圧値[Vo1]は、以下の式7のように表される。
[Vo1]=[Va1]+[Va2]+[Vf3]+[Vb3] ……… 式7
そして、直流電圧値[Vo2]は、以下の式8のように表される。
[Vo2]=[Vo1]−[Va1]
=([Va1]+[Va2]+[Vf3]+[Vb3])−[Va1]
=([Va2]+[Vf3]+[Vb3]) ……… 式8
さらに、直流電圧値[Vo3]は、以下の式9のように表される。
[Vo3]=[Vo2]−[Va2]
=([Va2]+[Vf3]+[Vb3])−[Va2]
=([Vf3]+[Vb3]) ……… 式9
したがって、負荷電流Io3が流れて、光源23aは点灯する。また、監視電圧値[Vs3]は、FB基準電圧値[Vb3]になる。この場合、スイッチング素子Q3の両端電圧は、光源23aを点灯可能な範囲で比較的小さくなり、スイッチング素子Q3の電力損失も比較的小さくなる。したがって、スイッチング素子Q3の発熱は比較的少なくなる。
なお、上述の第1具体例1〜第3具体例以外であっても、光源21a,22a,23aのうち少なくとも1つが点灯する場合、スイッチ制御部K0は、上記同様に対象負荷回路を選択し、対象負荷回路に対応する誤差信号を対象誤差信号とする。
このように、光源21a,22a,23aの各順方向電圧Vf1,Vf2,Vf3に電圧差がある場合でも、インピーダンス素子41,42によって、光源21a,22a,23aの電圧差を吸収できる。したがって、照明装置A1は、スイッチング素子Q1,Q2,Q3の発熱をより抑えることができるので、スイッチング素子Q1,Q2,Q3の放熱構造を簡略化できる。
(第4具体例:光源21a,22a,23aが消灯を指示されている場合)
次に、光源21a,22a,23aのそれぞれが消灯する場合(すなわち、照明装置A1が全消灯する場合)の動作について説明する。照明装置A1が全消灯する場合、スイッチング素子Q1,Q2,Q3は、それぞれオフ状態を維持する。全消灯時に負荷回路21を対象負荷回路21とすると、出力電圧値[Vo1]は、FB基準電圧値[Vb1]になるように調整される。また、全消灯時に負荷回路22を対象負荷回路22とすると、出力電圧値[Vo1]は、FB基準電圧値[Vb2]になるように調整される。また、全消灯時に負荷回路23を対象負荷回路23とすると、出力電圧値[Vo1]は、FB基準電圧値[Vb3]になるように調整される。そして、全消灯状態の照明装置A1が光源21a,22a,23aの少なくとも1つを消灯状態から点灯状態に移行させる場合、光源の順方向電圧が光源の点灯開始電圧以上になるまで出力電圧値[Vo1]を上昇させるフェードイン動作に時間がかかる。この結果、全消灯状態からのフェードイン動作に違和感が生じる。
そこで、照明装置A1は、抵抗Ra,Rbの直列回路、及び差動増幅器50を備える。抵抗Ra,Rbの直列回路は、出力端13と出力端14との間に接続されており、抵抗Raの一端が出力端13に接続され、抵抗Rbの一端が出力端14に接続されている。そして、抵抗Ra,Rbの直列回路によって出力電圧Vo1が分圧され、抵抗Rbの両端電圧(出力電圧Vo1分圧電圧)が、監視電圧Vs0として差動増幅器50に入力される。
差動増幅器50は、監視電圧Vs0とFB基準電圧Vb0との差分を表す電圧信号を、誤差信号Y10として出力する。電源回路1のスイッチ制御部K0は、誤差信号Y10を対象誤差信号とし、対象誤差信号Y10の電圧値が0になるように、スイッチング素子Q0をオンオフさせる。この場合、出力電圧値[Vo1]が順方向電圧値[Vf1]以上になるように、FB基準電圧Vb0の値(FB基準電圧値)[Vb0]は設定されている。
すなわち、全消灯時の出力電圧値[Vo1]が順方向電圧値[Vf1]以上に調整される。したがって、全消灯状態の照明装置A1が光源21a,22a,23aの少なくとも1つを消灯状態から点灯状態に移行させる場合、光源の順方向電圧が光源の点灯開始電圧以上になるように出力電圧値[Vo1]を上昇させるのに必要な時間が短縮される。この結果、全消灯状態からのフェードイン動作に違和感が生じにくくなる。
なお、FB基準電圧値[Vb1],[Vb2],[Vb3]は第1目標値に相当し、FB基準電圧値[Vb0]は第2目標値に相当する。
また、FB基準電圧値[Vb0]は、全消灯時の出力電圧値[Vo1]が順方向電圧値[Vf2]または[Vf3]以上になるように設定されてもよい。
上述のように、照明装置A1は、4つの差動増幅器50,51,52,53を介した4つのフィードバック経路を備えている。そして、照明装置A1は、光源21a,22a,23aの各点灯指示及び各消灯指示に応じて、4つのフィードバック経路のいずれか1つを用いて、出力電圧Vo1を調整するフィードバック制御を行う。
したがって、照明装置A1は、4つのフィードバック経路のいずれか1つを用いたフィードバック制御(1つのフィードバック制御)によって、電源回路1から光源21a,22a,23aにそれぞれ供給される負荷電流Io1,Io2,Io3を制御できる。
さらに、照明装置A1は、スイッチング素子Q1,Q2,Q3での電力損失を低減でき、この結果として電流調整回路21b,22b,23bにおける電力損失を低減することができる。
(第1変形例)
図3は、本実施形態の第1変形例の照明装置A2の構成を示す。
照明装置A2の動作時において、光源21a,22a,23aがそれぞれ消灯する全消灯状態は発生せず、光源21a,22a,23aの少なくとも1つが点灯する。この場合、照明装置A2は、照明装置A1の抵抗Ra,Rbの直列回路、及び差動増幅器50を備える必要がなく、照明装置A1に比べて構成を簡略化できる。すなわち、照明装置A1では4つのフィードバック経路が必要であったが、照明装置A2では3つのフィードバック経路を備えていればよい。
(第2変形例)
図4は、本実施形態の第2変形例の照明装置A3の構成を示す。
照明装置A3の動作時において、光源21aが消灯する状態は発生せず、光源21aは常に点灯する。この場合、照明装置A3は、照明装置A2の差動増幅器52,53を備える必要がなく、照明装置A1,A2に比べて構成を簡略化できる。すなわち、照明装置A1では4つのフィードバック経路が必要であり、照明装置A2では3つのフィードバック経路が必要であったが、照明装置A3では1つのフィードバック経路を備えていればよい。
また、インピーダンス素子41は、図4に示すように、1つのダイオードアレイで構成されてもよい。
(照明器具)
次に、図5は、上述の照明装置A1,A2,A3のいずれか1つを備えた照明器具B1の構成を示す。
照明器具B1は、テレビ局のスタジオや舞台などの背景壁面(ホリゾント)を照明する用途に用いられる、いわゆる、ホリゾントライトである。
照明器具B1は、図5に示すように、光源ユニット8と、電源ユニット9とを備えている。なお、以下の説明では、図5において、前後、左右、上下の各方向を規定する。つまり、図5の紙面の左を前、右を後とし、図5の紙面の上を左、下を右とする。
光源ユニット8は、4つのLEDモジュール80と、第1筐体81と、反射板ブロック82と、放熱板ブロック83とを備えている。各LEDモジュール80は、長方形状の基板の表面に光源21a,22a,23a(LED210,220,230)が実装されて構成されている。
第1筐体81は、金属板によって直方体状に形成されている。第1筐体81は、前面に矩形の窓孔810が開口している。第1筐体81の内部には、表面を窓孔810に対向させるようにして、4つのLEDモジュール80が縦横2列に並べて収容されている。
反射板ブロック82は、複数の反射板820と、遮光板821とを備えている。複数の反射板820及び遮光板821は、第1筐体81内において、窓孔810と各LEDモジュール80の表面との間に配置されており、各LEDモジュール80から放射される光の配光を制御するように構成されている。
放熱板ブロック83は、多数の放熱板830を備えている。複数の放熱板830は、互いに板厚方向に沿って等間隔に並べて構成されている。放熱板ブロック83は、第1筐体81の後面に設けられている。なお、放熱板ブロック83は、第1筐体81内において、4つのLEDモジュール80(の基板)とそれぞれ熱的に結合されることが好ましい。
電源ユニット9は、照明装置A1,A2,A3のいずれか1つを構成する回路ブロック(但し、光源21a,22a,23aを除く)を収容する第2筐体90と、一対のアーム91とを備えている。
第2筐体90は、金属板によって扁平な直方体状に形成されており、回路ブロックを内部に収容するように構成されている。一対のアーム91は、第2筐体90の左右両端から上向きに立ち上がるように設けられている。一対のアーム91は、先端(上端)に向かって、前後方向の幅寸法を徐々に狭くするように形成されている。各アーム91の先端部分には、いわゆるノブボルト92のボルトが挿通される挿通孔がそれぞれ設けられている。すなわち、一対のアーム91は、先端部分の挿通孔に挿通されるボルトを、第1筐体81の左右両側面に設けられる雌ねじにねじ込むことにより、光源ユニット8を回転可能に支持するように構成されている。
次に、照明器具B1使用状態について説明する。照明器具B1は、例えば、光源ユニット8の窓孔810を背景壁面に向け、かつ、背景壁面から離れた床に設置される。照明器具B1は、背景壁面の床に近い下部から上部にかけてほぼ均一に照明光を照射することができる。
また、照明器具B1は、ホリゾントライトには限定されず、他の用途に用いられる照明器具であってもよい。
なお、光源21a,22a,23aは、固体発光素子としてLED210,LED220,LED230を有する構成に限らない。光源21a,22a,23aは、例えば、有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)、または半導体レーザ(Laser Diode、LD)などの他の固体発光素子を有していてもよい。
また、スイッチング素子Q0,Q1,Q2,Q3は、MOSFETに限定されず、J−FET(Junction Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタなどの他のスイッチング素子(トランジスタ)であってもよい。
(まとめ)
以上のように、実施形態に係る第1の態様の照明装置A1,A2,A3は、電源回路1と、複数の負荷回路21,22,23と、を備える。電源回路1は、一対の出力端13,14から直流の出力電圧Vo1を出力する。複数の負荷回路21,22,23は、一対の出力端13,14の間に接続されている。複数の負荷回路21,22,23の各々は、一対の出力端13,14の間に接続された光源21a,22a,23aと電流調整回路21b,22b,23bとの直列回路を有して、電流調整回路21b,22b,23bによって光源21a,22a,23aに流れる負荷電流Io1,Io2,Io3を調整する。複数の負荷回路21,22,23のうち少なくとも1つの負荷回路22,23は、一対の出力端13,14の一方と前記直列回路との間に接続されたインピーダンス素子41,42を有する。電源回路1は、複数の負荷回路21,22,23のうち1つの負荷回路を対象負荷回路とする。そして、電源回路1は、前記対象負荷回路が有する電流調整回路(21bまたは22bまたは23b)の両端電圧の値(監視電圧値[Vs1]または[Vs2]または[Vs3])が目標値(FB基準電圧値[Vb1]または[Vb2]または[Vb3])に近付くように出力電圧Vo1をフィードバック制御する。
上述の照明装置A1,A2,A3は、インピーダンス素子41,42によって、電流調整回路21b,22b,23bにおける電力損失を低減できる。したがって、照明装置A1,A2,A3は、1つのフィードバック制御によって、1つの電源回路1から複数の光源21a,22a,23aにそれぞれ供給される負荷電流Io1,Io2,Io3を制御できる。また、照明装置A1,A2,A3は、電流調整回路21b,22b,23bにおける電力損失を低減できる。
さらに、照明装置A1,A2,A3は、電力損失による発熱箇所を、電流調整回路21b,22b,23bと、インピーダンス素子41,42に分散させることで、放熱板などを有する放熱構造の放熱効率を向上させることが容易になる。
また、実施形態に係る第2の態様の照明装置A1,A2,A3では、第1の態様において、複数の光源21a,22a,23aは、点灯時の順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3](両端電圧の値)が互いに異なる。そして、複数の負荷回路21,22,23のうち、第1負荷回路(負荷回路21)を除く第2負荷回路(負荷回路22,23)は、インピーダンス素子41,42を有することが好ましい。第1負荷回路(負荷回路21)は、複数の光源21a,22a,23aのうち点灯時の順方向電圧値が最も高い光源(光源21a)を有する。
上述の照明装置A1,A2,A3では、複数の光源21a,22a,23aの各順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3]の差を、インピーダンス素子41,42が吸収する。したがって、照明装置A1,A2,A3は、光源21a,22a,23aの各発光色が異なり、負荷電流Io1,Io2,Io3を個別に調光して調色制御を行う場合でも、電流調整回路21b,22b,23bにおける電力損失を低減できる。
また、実施形態に係る第3の態様の照明装置A1,A2では、第2の態様において、複数の光源21a,22a,23aから点灯を指示されている光源を識別する識別回路15を備えることが好ましい。そして、電源回路1は、点灯を指示されている光源のうち点灯時の順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3](両端電圧の値)が最も高い光源を有する負荷回路を前記対象負荷回路とする。
上述の照明装置A1,A2では、複数の光源21a,22a,23aのいずれかが消灯した場合でも、電流調整回路21b,22b,23bにおける電力損失を低減できる。
また、実施形態に係る第4の態様の照明装置A1では、第3の態様において、複数の光源21a,22a,23aがそれぞれ消灯している場合、電源回路1は、出力電圧値[Vo1](出力電圧Vo1の値)を、複数の光源21a,22a,23aの点灯時の順方向電圧値[Vf1],[Vf2],[Vf3](両端電圧の値)のうちの少なくとも1つよりも高い値に制御することが好ましい。
上述の照明装置A1では、複数の光源21a,22a,23aがそれぞれ消灯した全消灯状態から点灯状態に移行する場合に、光源が点灯するまでに必要な時間が短縮される。この結果、全消灯状態からのフェードイン動作に違和感が生じにくくなる。
また、実施形態に係る第5の態様の照明装置A1では、第4の態様において、照明装置A1は、一対の出力端13,14間に接続された2つ以上の抵抗Ra,Rbの直列回路をさらに備える。前記目標値(FB基準電圧値[Vb1]または[Vb2]または[Vb3])は、第1目標値である。そして、電源回路1は、複数の光源21a,22a,23aがそれぞれ消灯している場合、2つ以上の抵抗Ra,Rbによって分圧された出力電圧値[Vo1](出力電圧Vo1の値)が第2目標値(FB基準電圧値[Vb0])に近付くように出力電圧Vo1を制御することが好ましい。
上述の照明装置A1では、FB基準電圧値[Vb0]を適宜設定することで、全消灯状態から点灯状態に移行する場合に、光源が点灯するまでに必要な時間を容易に短縮できる。
また、実施形態に係る第6の態様の照明装置A3では、第2の態様において、前記対象負荷回路は、前記第1負荷回路(負荷回路21)であることが好ましい。
上述の照明装置A3では、フィードバック経路を1つにすることができ、構成を簡略化できる。
また、実施形態に係る第7の態様の照明装置A1,A2,A3では、第1乃至第6の態様のいずれか一つにおいて、電流調整回路21b,22b,23bは、光源21a,22a,23aに直列接続されるスイッチング素子Q1,Q2,Q3(トランジスタ)と検出抵抗R11,R21,R31(抵抗)との直列回路を有することが好ましい。そして、電流調整回路21b,22b,23bは、スイッチング素子Q1,Q2,Q3における電圧降下が制御されることによって、負荷電流Io1,Io2,Io3を調整する。
上述の照明装置A1,A2,A3は、負荷電流Io1,Io2,Io3をそれぞれ定電流制御することができる。
また、実施形態に係る第8の態様の照明装置A1,A2,A3では、第1乃至第7の態様のいずれか一つにおいて、光源21a,22a,23aは、固体発光素子(LED210,220,230)を有することが好ましい。
上述の照明装置A1,A2,A3は、1つのフィードバック制御によって、1つの電源回路1から固体発光素子に供給される負荷電流Io1,Io2,Io3を制御でき、かつ電流調整回路21b,22b,23bにおける電力損失を低減できる。
また、実施形態に係る第9の態様の照明器具B1は、第1乃至第8のいずれか一つの形態の照明装置A1またはA2またはA3と、照明装置A1またはA2またはA3を設ける第1筐体81及び第2筐体90(筐体)とを備える。
上述の照明器具B1は、上述の照明装置A1またはA2またはA3を備えており、1つのフィードバック制御によって、1つの電源回路1から複数の光源21a,22a,23aにそれぞれ供給される負荷電流Io1,Io2,Io3を制御できる。また、照明器具B1は、電流調整回路21b,22b,23bにおける電力損失を低減できる。
また、上述の実施形態および変形例は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態および変形例に限定されることはなく、この実施形態および変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。