JP2019137633A - がん転移抑制ペプチド内包リポソーム - Google Patents
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Abstract
【課題】MetAP2由来ペプチドに適した送達システムの提供。【解決手段】ペプチドを封入したリポソーム製剤であって,該ペプチドは,配列番号1〜配列番号6に記載のアミノ酸配列等を有し,かつ,該リポソームは表面が糖鎖NeuAc−Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc−,及び/又は,SA−Gal−G1c−で修飾されていることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は,がんの転移を抑制するためのリポソーム製剤,及び該リポソーム製剤を利用したがん転移抑制方法に関する。
最近の厚労省の統計によると、わが国のがんによる年間死亡者総数は37万人に達し、これを日割り計算すると、毎日1000人の同胞が癌死している勘定になる。悪性腫瘍(種々の臓器癌、肉腫、悪性リンパ腫、白血病等)の最大の特徴は転移で、転移の克服なくしてがんの制圧無しと云われる由縁であるが、あらゆる先人の努力にも拘わらず未だに、治療への大きな障壁となっている。S100A4は101個のアミノ酸からなる小さなEFハンドタイプのカルシウム結合タンパク質であり,がんの転移を促進する作用を有していることが知られている。本発明者らは,S100A4が,血管新生に関与する酵素タンパク質であるメチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)(非特許文献1)と結合し,その局在を変えることにより血管新生を促進することを報告している(非特許文献2)。また,S100A4に対するsiRNAを用いた遺伝子silencingにより,毛細血管様管腔形成が阻害され,また腫瘍血管形成阻害を介して腫瘍増殖が阻害された(非特許文献3)。このsilencing実験から明らかなようにS100A4は血管内皮細胞MSS31内では,それ単独でも血管新生にworkしており,腫瘍血管の増生を介して腫瘍の増殖を助けていることが示されている。S100A4の相棒として発見されたMetAP2も,血管新生阻害剤Fumagillinのtarget分子と云う報告から血管新生に関与する蛋白質であると考えられている。従って両蛋白の結合コンプレックスは血管新生,腫瘍血管新生を介した腫瘍増大,転移促進にworkしていると考えられた。このように,S100A4とMetAP2との相互作用が血管新生に関与することから,逆に当該相互作用を阻害することにより腫瘍血管形成を阻害し、更にその阻害を介した腫瘍の増殖抑制、いわゆる、がんの兵糧攻めが考えられた。
この目的達成のために,まず両蛋白の結合サイトを明らかにするべく,MetAP2側の結合ドメインをin vitro pulldown法でnarrow downし,MetAP2−(170−229):60aaを得て,SBDと命名したが,本発明者らは2つの方法で両蛋白の結合コンプレックスの形成をプロックすることを考えた。一つはSBDの過剰発現で,もう一つはSBDのN端39aa,MetAP2−(170−208)(NBD)の導入である。その結果,両蛋白の結合コンプレックス形成は過剰発現との競合により解離し,代わってS100A/60aaコンプレックスがreplaceし,MSS31の増殖が阻害された。一方,NBDの導入によるreplacementではMSS31細胞の血管新生阻害,cell cycleのG1−arrest,Xenograft cancer modelへのNBD一回注射による腫瘍血管形成阻害,随伴する腫瘍の縮小が観察された。
Protein Data Bankに記載されているMetAP2のX線Crystallographyと照合すると,SBD(60aa)は,αHelix1−Loop−αHelix2−βSheet構造を示し,NBD(39aa)ペプチドはαHelix1−Loop−αHelix2 構造を示していることから,構造と結合活性との関連が注目された。CBD(38aa)はSBDのβsheetとαHelix2からなるペプチドMetAP2−(192−229)であるがS100A4との結合能は欠落していた。構造と結合活性との相関の解析に決定的役割を演じたのはSPRcompetition assayで(非特許文献5),それによると,SBD(+),NBD(+),CBD(−)で,In vitro Binding Assay及びFRET analysisの検証結果ともよく一致していた。P8もP9も、NBDのαHelix1−Loop−αHelix2の、より詳細な構造解析のために追加合成されたぺプチドで、P8はNBDと同じαHelix1−Loop−αHelix2の構造をもち、NBDの両端(N端5aa,C端4aa)を9aa欠落した30aaであり、P9はNBDのαHelix1の22aa部分である。両者共SPR competition assayでS100A4との結合は(−)であった。この追加ペプチドによって齎された重要な知見は、P8に関しては、1)NBDとP8との両Helix長の差の中にS100A4との結合に決定的に関与するaaの存在を想定させた事と、2)P9に関しては、その22aaと38aaのCBD(β−sheet+Helix2)を足すと、丁度SBD(60aa)の長さになるが、該assayによるS100A4との結合活性は、SBD(+)に対して、CBD(−)、P9(−)であった。このことは、SBDのLoopがcutされると結合活性が消失すること、即ちLoopの存在が活性維持に不可欠であること、とHelixが単独では活性は(−)であることを示している。かくして、αHelix1−Loop−αHelix2の存在がS100A4との結合に必要なことが明らかとなった。
このように,NDBペプチドを利用したがん転移抑制への期待が高まる一方,これらのペプチドをそのまま血管内皮細胞に接触させても細胞内に取り込まれないという問題があった。種々検討した結果,本発明者らは,これまで,NBDペプチドとアテロコラーゲンとの複合体(NBD−アテロコラーゲン複合体)を目的の血管内皮細胞に直接接触させ,又は,目的のがん組織内に直接注入することにより,NDBペプチドが血管内皮細胞に取り込まれることを報告している(非特許文献4)。当該実験において,NDBペプチドを取り込んだ血管内皮細胞に,著しい毛細血管様管腔形成阻害が観察された。また,同様にNBD−アテロコラーゲン複合体を用いてNDBペプチドを導入したdirect in vivo angiogenesis assay(DIVAA assay)においては,NBDはbFGFやVEGFの新規血管形成誘導能を強く阻害した。また,NBD−アテロコラーゲン複合体を用いてNDBペプチドを導入した異種移植がんモデル実験においては,NBDの単回腫瘍内投与は,腫瘍内血管形成を低下させ,腫瘍の増殖を抑制した。その際,NBDが,腫瘍細胞の増殖能に対する直接的な作用は認められなかった。
Science;282:1324−27(1998)
Endo,Hら,the Journal of Biological Chemistry;277(29):26396−26402(2002)
Ochiya,Tら,Angiogenesis;17:17−26(2014)
Ochiya,Tら,Molecular Therapy−Methods&Clinical Development;2:15008(2015)
Katagiri,Nら,P3138 : 第76回日本癌学会総会(2017)
このように,SBD及びNBDは血管内皮細胞に取り込まれることにより,血管形成阻害作用,及び腫瘍増殖抑制作用を有することが示されている一方,これらのペプチドはそのまま投与した場合には血管内皮細胞に取り込まれにくいという問題があった。アテロコラーゲンとペプチドとの複合体は,この問題を解決する一つの手段となりうることが示されたが,目的の血管内皮細胞に直接接触させ,又は,目的のがん組織内に直接注入する必要があり,医薬品として投与するには非常に煩雑で使いにくいという問題が残されていた。また,アテロコラーゲンを用いた場合にも血管内皮細胞への取り込み効率が十分ではないという問題もあった。
そこで,本発明者らは,SBD及びNBDに適した送達システムを探索すべく,種々の薬剤送達システムについて検討した。検討された送達システムとしては,例えば,siMPLETMデリバリー試薬,Plain DPPC/CHOLリポソーム,CPP,BioPORTER,アテロコラーゲン,及び本発明の糖鎖修飾リポソーム製剤が含まれる。このように種々の薬剤送達システムを用いて血管内皮細胞へのデリバリー効果を検討した結果,糖鎖修飾リポソーム製剤が他の送達システムと比較して圧倒的に効率よくペプチドを血管内皮細胞に送達できること(図4参照),また,がん局所投与ではなく血中全身性投与により転移抑制効果を奏することを見出し,本発明を完成させた。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり,よって,本発明は以下の発明に関する。
(1) ペプチドを封入したリポソームであって,該ペプチドは,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸が置換,挿入,付加,又は欠失しているアミノ酸配列,及び配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされたアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し,かつ,該リポソームは表面が糖鎖修飾されていることを特徴とする,リポソーム。
(2) 前記ペプチドが,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を有するペプチドである,(1)に記載のリポソーム。
(3) 前記ペプチドが,60アミノ酸以下のアミノ酸からなる,(1)又は(2)に記載のリポソーム。
(4) 前記ペプチドが,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列からなるペプチドである,(1)に記載のリポソーム。
(5) 糖鎖修飾における糖鎖が,NeuAc−Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc−,及び/又はSA−Gal−G1c−である,(1)〜(4)のいずれか1項に記載のリポソーム。
(6) (1)〜(5)のいずれか1項に記載のリポソームを含有する医薬組成物。
(7) がんの治療剤,がん転移抑制剤,又はがん治療予後改善剤である,(6)に記載の医薬組成物。
(8) がんが乳がんである,(7)に記載の医薬組成物。
(1) ペプチドを封入したリポソームであって,該ペプチドは,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸が置換,挿入,付加,又は欠失しているアミノ酸配列,及び配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされたアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し,かつ,該リポソームは表面が糖鎖修飾されていることを特徴とする,リポソーム。
(2) 前記ペプチドが,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を有するペプチドである,(1)に記載のリポソーム。
(3) 前記ペプチドが,60アミノ酸以下のアミノ酸からなる,(1)又は(2)に記載のリポソーム。
(4) 前記ペプチドが,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列からなるペプチドである,(1)に記載のリポソーム。
(5) 糖鎖修飾における糖鎖が,NeuAc−Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc−,及び/又はSA−Gal−G1c−である,(1)〜(4)のいずれか1項に記載のリポソーム。
(6) (1)〜(5)のいずれか1項に記載のリポソームを含有する医薬組成物。
(7) がんの治療剤,がん転移抑制剤,又はがん治療予後改善剤である,(6)に記載の医薬組成物。
(8) がんが乳がんである,(7)に記載の医薬組成物。
本発明は,SBDやNBDなどのMetAP2由来ペプチドに適した送達システムを提供することにより,がんの増殖抑制及び転移抑制を簡便かつ効果的に行うことができる。
本発明は,ペプチドを内包したリポソームに関する。本発明のリポソームが内包するペプチドは,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列,又は,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列への変異を含むアミノ酸配列を有する。ここで,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列への変異を含むアミノ酸配列とは,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸が置換,挿入,付加,又は欠失しているアミノ酸配列,及び配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされたアミノ酸配列を含む。
本明細書において,ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするとは,当業者に通常用いられるハイブリダイゼーション条件でハイブリダイズすることを意味する。当業者に通常用いられるハイブリダイゼーション条件とは,例えば,Molecular Cloning,a Laboratory Mannual,Fourth Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2012)又は,Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Online Library等に記載の方法に従って決定することができる。例えば,当業者に通常用いられるハイブリダイゼーション条件は,6×SSC(0.9M NaCl,0.09M クエン酸三ナトリウム)または6×SSPE(3M NaCl,0.2M NaH2PO4,20mM EDTA・2Na,pH7.4)中42℃でハイブリダイズさせ,その後42℃で0.5×SSCで洗浄する条件であってもよい。また,アミノ酸配列の同一性は,例えば,BLAST,FASTA等の公知のプログラムを用いて決定することができる。また,置換,挿入,付加,又は欠失していてもよいアミノ酸の数としては,1〜10個,1〜8個,1〜5個,1〜4個,1〜3個,1〜2個,又は1個であってもよい。
特に本発明者らの検討により,配列番号1に記載のアミノ酸配列(SBD)(REAAEAHRQVRKYVMSWIKPGMTMIEICEKLEDCSRKLIKENGLNAGLAFPTGCSLNNCA),配列番号2に記載のアミノ酸配列(NBD)(REAAEAHRQVRKYVMSWIKPGMTMIEICEKLEDCSRKLI),配列番号3に記載のアミノ酸配列(P8+RKLI)(AHRQVRKYVMSWIKPGMTMIEICEKLEDCSRKLI),配列番号4に記載のアミノ酸配列(P8+3aa)(AHRQVRKYVMSWIKPGMTMIEICEKLEDCSRKL),配列番号5に記載のアミノ酸配列(P8+2aa)(AHRQVRKYVMSWIKPGMTMIEICEKLEDCSRK),及び配列番号6に記載のアミノ酸配列(P8+1aa)(AHRQVRKYVMSWIKPGMTMIEICEKLEDCSR)のうち,AHRQVRKYVMSW(配列番号7)とMIEICEKLEDCSRKLI(配列番号8)がそれぞれ別のαヘリックス構造を形成すること,及びその間のIKPGMT(配列番号9)がループとなって二つのαヘリックス構造を繋いでいることが明らかとなっている。配列番号1〜配列番号6に記載のアミノ酸配列における変異は,配列番号7及び/又は配列番号8に含まれるアミノ酸における変異(αヘリックス構造内の変異)と配列番号9に含まれるアミノ酸における変異(ループ構造における変異)のいずれか又は両方であってもよい。また,配列番号1〜配列番号6に記載のアミノ酸配列における変異が,配列番号7及び配列番号8に含まれるアミノ酸における変異の場合には,αヘリックス構造を維持できる変異であることが好ましく,配列番号9に含まれるアミノ酸における変異の場合には,ループ構造が維持できる変異であることが好ましい。
本発明のリポソームが内包するペプチドのアミノ酸の長さは,本発明の効果を奏する限り限定されるものではないが,好ましくは,60アミノ酸以下,50アミノ酸以下,40アミノ酸以下,39アミノ酸以下,又は34アミノ酸以下とすることができる。また,本発明のリポソームが内包するペプチドのアミノ酸の長さは,本発明の効果を奏する限り限定されるものではないが,30アミノ酸以上,31アミノ酸以上,32アミノ酸以上,33アミノ酸以上,又は34アミノ酸以上とすることができる。例えば,本発明のリポソームが内包するペプチドのアミノ酸の長さは,60アミノ酸以下、30アミノ酸以上とすることができ、好ましくは39アミノ酸以下、30アミノ酸以上である。
本明細書に記載のペプチドとして,好ましくは,配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(SBD),配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(NBD),配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(P8+RKLI),配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(P8+3aa),配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(P8+2aa),及び配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるペプチド(P8+1aa)である。
本明細書において、「リポソーム」とは、内部に水性媒体を包含する脂質二重膜で形成された小胞体を意味し、脂質二重膜は単層であっても多層であってもよい。リポソームを構成する脂質は、親水基及び疎水基を備え、小胞体を構成することが可能な脂質であれば特に限定されないが、例えば、コレステロール(Chol)、3β−[N−(ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC−Chol)、N−(トリメチルアンモニオエチル)カルバモイルコレステロール(TC−Chol)等のステロール類;ジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルフォスファチジルエタノールアミン(DSPE)等のフォスファチジルエタノールアミン類;ジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)等のホスファチジルコリン類;ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)等のホスファチジルセリン類;ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)等のホスファチジン酸類等又は2以上のこれらの脂質の組み合わせを挙げることができる。
本発明のリポソームは表面が糖鎖修飾されている。糖鎖修飾は,血管内皮細胞への取り込みを促進する糖鎖の結合であれば特に限定されるものではないが,例えば,NeuAc−Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc−(シアリルルイス X:sLeX),及び/又は,SA−Gal−G1c−を挙げることができる。
別の態様において,本発明は前記リポソームを含む医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は,経口投与形態,又は注射剤,点滴,剤,点眼剤,点鼻剤,噴霧剤等の非経口投与形態で投与することができる。本発明の医薬組成物を哺乳動物等に投与する場合,錠剤,散剤,顆粒剤,シロップ剤等として経口投与してもよいし,又は,注射剤,点滴剤,点眼剤,点鼻剤,吸入剤として非経口的に投与してもよい。このような医薬組成物は,通常の薬学的に許容される担体を用いて,常法により製剤化することができる。経口用固形製剤を調製する場合は,主薬に賦形剤,更に必要に応じて,結合剤,崩壊剤,滑沢剤等を加えた後,常法により溶剤,顆粒剤,散剤,カプセル剤等とする。注射剤を調製する場合には,主薬に必要によりpH調整剤,緩衝剤,安定化剤,可溶化剤等を添加し,常法により皮下又は静脈内用注射剤とすることができる。投与量は,目的の治療効果又は予防効果を発揮可能な量であれば特に制限されるものではないが,症状,年齢,性別,体重,投与形態等により異なるが,例えば成人に経口的に投与する場合には,各々通常1日のペプチド量として0.1−1000mgである。
好ましくは,本発明の医薬組成物はがん治療剤(がん増殖抑制剤を含む,以下同様),がん転移予防剤(がん転移抑制剤を含む,以下同様)又はがん治療予後改善剤である。本明細書において「がん」は,宿主生物にとって病原体となるような悪性形質転換を受けた細胞を意味する。原発性がん細胞(すなわち,悪性形質転換の部位の近くから得られた細胞)は,十分に確立された技術,特に組織学的検査により,非がん性細胞から容易に区別することができる。がんは,原発性がん細胞のみならず,転移がん細胞も含む。通常,固形腫瘍として現れるがんに言及する場合,「臨床的に検出可能な」腫瘍は,腫瘍塊に基づいて検出可能であり,例えば,CATスキャン,MRイメージング,X線,超音波,または触診,及び/又は患者から得られる試料中の1つ以上のがん特異的抗原の発現を検出可能な手順によって検出できる。がんとしては,これらに限定されるものではないが,肺がん,非小細胞肺がん,小細胞肺がん,非ホジキンリンパ腫,副腎皮質がん,AIDS関連がん,エイズ関連リンパ腫,小児小脳星細胞腫,小児大脳星細胞腫,基底細胞がん,皮膚がん(非黒色腫),胆道がん,肝外胆管がん,肝内胆管がん,膀胱がん,骨や関節のがん,骨肉腫と悪性線維組織球腫,脳がん,脳腫瘍,脳幹神経膠腫,小脳星細胞腫,神経膠腫,大脳星細胞腫/悪性神経膠腫,上衣腫,髄芽腫,テント上原始神経外胚葉性腫瘍,視経路および視床下部神経膠腫,頭頸部がん,転移性扁平上皮頸部がん,気管支腺腫/カルチノイド,カルチノイド腫瘍,神経系リンパ腫,中枢神経系のがん,中枢神経系リンパ腫,神経芽細胞腫,小児がん,Seziary症候群,頭蓋外胚細胞腫瘍,性腺外胚細胞腫瘍,肝外胆管がん,眼のがん,眼内黒色腫,網膜芽細胞腫,唾液腺がん,口腔がん,口腔空洞がん,口腔咽頭がん,口腔がん,舌のがん,食道がん,胃がん,消化管カルチノイド腫瘍,消化管間質腫瘍(GIST),小腸がん,結腸がん,結腸直腸がん,直腸がん,肛門直腸がん,肛門がん,胚細胞腫瘍,肝細胞(肝臓)がん,ホジキンリンパ腫,喉頭がん,咽頭がん,下咽頭がん,鼻咽頭がん,副鼻腔および鼻腔がん,咽喉がん,膵島細胞腫瘍(内分泌膵臓),膵臓がん,副甲状腺がん,肝臓がん,胆嚢がん,虫垂がん,腎臓がん,尿道がん,腎盂と尿管の移行上皮がんおよび他の泌尿器のがん,扁平上皮がん,陰茎がん,精巣がん,胸腺腫,胸腺腫および胸腺がん,甲状腺がん,前立腺がん,卵巣がん,卵巣上皮がん,卵巣低悪性度腫瘍,卵巣胚細胞腫瘍,妊娠性絨毛腫瘍,乳がん,子宮がん,子宮肉腫,子宮頸がん,子宮内膜がん,子宮体がん,膣がん,外陰がん,およびウィルムス腫瘍,急性リンパ芽球性白血病,急性骨髄性白血病,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,多発性骨髄腫,慢性骨髄増殖性疾患,ヘアリー細胞白血病,原発性中枢神経系リンパ腫,慢性骨髄増殖性疾患,皮膚T細胞リンパ腫,リンパ系新生物,Waldenstramのマクログロブリン血症,髄芽腫,皮膚がん(非メラノーマ),皮膚がん(黒色腫),褐色細胞腫,メルケル細胞皮膚がん,中皮腫,悪性中皮腫,多発性内分泌腫瘍症候群,骨髄異形成症候群,骨髄異形成/骨髄増殖性疾患,松果体芽腫および下垂体腫瘍,形質細胞腫,胸膜肺芽細胞腫,網膜芽細胞腫,横紋筋肉腫,肉腫,ユーイング腫瘍のファミリー,軟組織肉腫,軟組織肉腫,菌状息肉腫,カポジ肉腫を含む。
がんの「転移」とは,原発性の腫瘍発生臓器とは直接接触していない臓器または他の身体部分において,原発性の腫瘍に由来して腫瘍が発生することをいう。転移には,原発性の腫瘍発生臓器とは直接接触していない臓器または他の身体部分における検出困難な量のがん細胞の存在である微小転移を含む。転移はまた,元の腫瘍部位からのがん細胞の脱離,がん細胞の身体の他の部分への移動および/または侵襲などのプロセスにおけるいくつかのステップとして定義することもできる。本発明の医薬組成物ががん転移抑制剤である場合,原発巣のがんとしては上述のいずれかのがんであってよく,また転移先の組織としては,脳,肝臓,副腎,骨,肺,及びリンパ節などが挙げられるが,これに限定されるものではない。
本明細書において「予後改善」とは,がん治療を受けた患者の治療後の状態(病態の経過)をよりよい状態とすることを意味し,例えば,がん再発リスクが減少すること,又は生存期間が延長することを意味してもよい。「予後改善剤」とは,当該薬剤を投与しなかった場合と比較して,当該薬剤を投与することにより,がん治療を受けた患者の治療後の状態をよりよい状態とする薬剤を意味し,例えば,がん再発リスクを減少させる薬剤,又は生存期間を延長させる薬剤ことを意味してもよい。
本発明は更に,前記ペプチドを内包したリポソームを含有する,がん治療(がん増殖抑制)又はがん転移予防(がん転移抑制)用又は予後改善用キットとすることができる。キットは,外箱,容器,希釈剤,濁液剤,及び/又は調製方法・投与方法に関する説明書を共に含めることができる。該キットにおいて,異なる構成成分が別々の容器中に包装され,一つのキットに含まれていてもよいし,あるいは,1種類以上の一部の構成成分(例えば,ペプチドを内包したリポソーム)のみがキットに含まれ,当該キットとは別に提供される残りの構成成分と共に使用されるように提供されていてもよい。また,好ましくは,キットの必要な構成成分は使用直前に混合される。
別の態様において,本発明は,がん治療剤,がん転移予防剤,又はがん治療予後改善剤を製造するための,上述のペプチドを封入したリポソームの使用を含む。また,本発明は,がんを治療するための(若しくはがんの増殖を抑制するための),がんの転移を予防(抑制)するための,又は,がん治療の予後を改善するための,上述のペプチドを封入したリポソームの使用を含む。更に,本発明は,それを必要とする患者に有効量の上述のペプチドを封入したリポソームを投与することを備える,がんの治療方法(若しくはがんの増殖抑制方法),がん転移の予防方法(抑制方法),又はがん治療後の予後を改善する方法を含む。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが,本発明はこれに限定されるものではない。なお,本願全体を通して引用される全文献は参照によりそのまま本願に組み込まれる。
(実施例1)NBD封入リポソームの調製
DPPC:コレステロール:ガングリオシド:DCP:DPPEを30.8:35.1:25.1:4.4:4.5で混合し,総脂質量の1.35倍のコール酸ナトリウムを加え,クロロホルム/メタノール(1:1(v/v))に溶解させた。エバポレーターで溶媒を除去し,真空乾燥させて脂質膜を得た。N−Tris(hydroxymethyl)methyl−3−aminopropanesulfonic acid(TAPS)緩衝液を添加して脂質膜を水和した後,超音波処理してミセル懸濁液とした。ミセル懸濁液とTAPS緩衝液に溶解したNBDペプチド溶液を混合し,TAPS緩衝液による限外濾過にかけてペプチド内包リポソームを得た。
DPPC:コレステロール:ガングリオシド:DCP:DPPEを30.8:35.1:25.1:4.4:4.5で混合し,総脂質量の1.35倍のコール酸ナトリウムを加え,クロロホルム/メタノール(1:1(v/v))に溶解させた。エバポレーターで溶媒を除去し,真空乾燥させて脂質膜を得た。N−Tris(hydroxymethyl)methyl−3−aminopropanesulfonic acid(TAPS)緩衝液を添加して脂質膜を水和した後,超音波処理してミセル懸濁液とした。ミセル懸濁液とTAPS緩衝液に溶解したNBDペプチド溶液を混合し,TAPS緩衝液による限外濾過にかけてペプチド内包リポソームを得た。
リポソーム溶液に架橋試薬BS3を加えて撹拌し,CBS緩衝液(50mM 炭酸水素ナトリウム/150mM 塩化ナトリウム,pH8.5)による限外濾過で洗浄後,Trisを添加して更に撹拌し,TAPS緩衝液による限外濾過で洗浄した。NaIO4を加えて撹拌後,10mMリン酸緩衝液による限外濾過で洗浄し,HSA及びNaBH3CNを添加して撹拌して,CBS緩衝液による限外濾過で洗浄した。Dithiobis(sulfosuccinimidyl propionate),disodium salt(DTSSP)を加えて撹拌し,CBS緩衝液による限外濾過で洗浄後,シリアルルイスX(SLX)及びTrisを加えて撹拌して,4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid(HEPES)緩衝液による限外濾過で洗浄した。0.22μm濾過フィルターを用いてろ過してリポソーム溶液を得た。
(実施例2)NBDペプチドおよび対照となるCBDペプチド(いずれもBioPORTERによるペプチド導入)の投与によるヒト乳がん細胞の浸潤能の抑制
8.0μmポアサイズPETメンブレンのBDファルコン・セルカルチャー・インサートを均一なマトリゲル基底膜マトリックスでコートした,バイオコートTMマトリゲルTM細胞浸潤チャンバー(COI社,コスモバイオ)に,NBDペプチド,対照となるCBDペプチドでBioPORTERペプチド導入試薬により72時間処理した転移能力の異なる2種のヒト乳がん細胞株(高転移株:MDA−MB−231−Luc−DH2LN;低転移:MDA−MB−231−Luc−D3H1)をそれぞれ5×104細胞数播種した。インキュベータで48時間培養後にマトリゲルインサートの底面に浸潤した細胞をトルイジンブルー染色にて染色し,顕微鏡下でカウントした。
8.0μmポアサイズPETメンブレンのBDファルコン・セルカルチャー・インサートを均一なマトリゲル基底膜マトリックスでコートした,バイオコートTMマトリゲルTM細胞浸潤チャンバー(COI社,コスモバイオ)に,NBDペプチド,対照となるCBDペプチドでBioPORTERペプチド導入試薬により72時間処理した転移能力の異なる2種のヒト乳がん細胞株(高転移株:MDA−MB−231−Luc−DH2LN;低転移:MDA−MB−231−Luc−D3H1)をそれぞれ5×104細胞数播種した。インキュベータで48時間培養後にマトリゲルインサートの底面に浸潤した細胞をトルイジンブルー染色にて染色し,顕微鏡下でカウントした。
(実施例3)マウスへのヒト乳がん細胞の移植による転移抑制試験
2×106細胞/50%マトリゲルのヒト乳がん細胞株MDA−MB−231−luc−D3H2LNを,50μl/匹で6週齢のC.B−17SCIDメスマウス乳房脂肪パッドへ注射することにより移植した。移植後,7日目と14日目に,以下の容量で,NBD封入リポソーム又はコントロールの空リポソームを尾静脈投与した。
NBD封入リポソーム:脂質量2.9mg/ml,ペプチド量0.374mg/ml
空リポソーム:脂質量2.9mg/ml(脂質量がNBD封入リポソームと同じとなるよう希釈した)対照としては,空リポソームを同様に投与した。
緩衝液:10mM HEPES,150mM NaCl(pH7.5)
一匹あたりの投与量:200μl(脂質量580μg,ペプチド量74.8μg)
2×106細胞/50%マトリゲルのヒト乳がん細胞株MDA−MB−231−luc−D3H2LNを,50μl/匹で6週齢のC.B−17SCIDメスマウス乳房脂肪パッドへ注射することにより移植した。移植後,7日目と14日目に,以下の容量で,NBD封入リポソーム又はコントロールの空リポソームを尾静脈投与した。
NBD封入リポソーム:脂質量2.9mg/ml,ペプチド量0.374mg/ml
空リポソーム:脂質量2.9mg/ml(脂質量がNBD封入リポソームと同じとなるよう希釈した)対照としては,空リポソームを同様に投与した。
緩衝液:10mM HEPES,150mM NaCl(pH7.5)
一匹あたりの投与量:200μl(脂質量580μg,ペプチド量74.8μg)
移植から6,13,20,27,及び34日後にin vivoイメージング装置IVISにて,ルシフェラーゼ発光量を計測して腫瘍の大きさを測定した。また,移植から34日後に解剖して,各臓器を摘出し,がんの微小転移を同じくルシフェラーゼ発光で計測した。肺の臓器以外に,対照リポソーム投与動物群でのルシフェラーゼ蛍光は認められなかったため,肺臓器に絞って,両群を計測,比較した。また,動物の肺を摘出し,外の微小転移をイメージングにより可視化した。動物は,各群4匹とした。
肺の微小転移の数を測定した結果を図2に示す。また,マウス肺における微小転移をイメージングにより可視化した結果を図3に示す。NBD封入リポソーム製剤を投与されたマウスでは,対照の空リポソームと比較して,肺への微小転移が有意に抑制された。
Claims (8)
- ペプチドを封入したリポソームであって,該ペプチドは,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸が置換,挿入,付加,又は欠失しているアミノ酸配列,及び配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされたアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し,かつ,該リポソームは表面が糖鎖修飾されていることを特徴とする,リポソーム。
- 前記ペプチドが,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を有するペプチドである,請求項1に記載のリポソーム。
- 前記ペプチドが,60アミノ酸以下のアミノ酸からなる,請求項1又は請求項2に記載のリポソーム。
- 前記ペプチドが,配列番号1〜配列番号6のいずれか1つに記載のアミノ酸配列からなるペプチドである,請求項1に記載のリポソーム。
- 糖鎖修飾における糖鎖が,NeuAc−Galβ1−4(Fucα1−3)GlcNAc−,及び/又は,SA−Gal−G1c−である,請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリポソーム。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリポソームを含有する医薬組成物。
- がんの治療剤,がん転移抑制剤,又はがん治療予後改善剤である,請求項6に記載の医薬組成物。
- がんが乳がんである,請求項7に記載の医薬組成物。
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