JP2019137242A - ステアリングアシストシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 実用的なステアリングアシストシステムを提供する。【解決手段】 エンジン12を駆動源として転舵力を助勢する第1助勢部78,100,102と、電動モータ80を駆動源として転舵力を助勢する第2助勢部108とを備えたステアリングアシストシステムにおいて、駆動モータ14によって車両が走行するEVモードにおいて第2助勢部の失陥が発生したときに、エンジンを作動させて第2助勢部による助勢から第1助勢部による助勢への切換を行うとともに、当該車両が転舵されているときには、その切換において、第1助勢部による助勢力を漸増させる。車両が転舵されている場合に、第2助勢部による助勢力が無くなった後、エンジンが作動して急激に第1助勢部による助勢力が発生することが回避されるため、運転者が受ける助勢力の変動を防止若しくは抑制することが可能となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されて車輪の転舵をアシストするためのステアリングアシストシステムに関する。
エンジンと駆動モータとの両方によって駆動されることが可能なハイブリッド車両が普及する今日、運転者のステアリング操作部材の操作による転舵力を助勢するステアリングアシストシステムとして、例えば、下記特許文献に記載されているようなシステム、つまり、エンジンを駆動源として転舵力を助勢する第1助勢部と、電動モータを駆動源として転舵力を助勢する第2助勢部とを備えたシステム(以下、「2駆動源ステアリングアシストシステム」という場合がある)が検討されている。この2駆動源ステアリングアシストシステムでは、車両が駆動モータだけによって駆動されているモータ駆動状態(以下、「EVモードで車両が走行している状態」と呼ぶ場合がある)では、エンジンが停止しているため、上記第2助勢部だけによる転舵力の助勢が可能とされる。
特開2014−19290号公報
上記2駆動源ステアリングアシストシステムにおいて、第2助勢部が失陥して機能しなくなった場合には、第2助勢部による助勢から、エンジンを始動させて、第2助勢部による助勢から、第1助勢部による助勢に切り換えることが可能であるが、その切換を適切に行わないと、運転者がステアリング操作部材を介して助勢力の変動の影響を受けることも予想される。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、電動モータの作動に依存した転舵力の助勢からエンジンの作動に依存した転舵力の助勢への切換を、適切に行うことができる2駆動源ステアリングアシストシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のステアリングアシストシステムは、上述の2駆動源ステアリングアシストシステムであって、EVモードにおいて上記第2助勢部の失陥が発生したときに、エンジンを作動させて第2助勢部による助勢から上記第1助勢部による助勢への切換を行うとともに、当該車両が転舵されているときには、その切換において、第1助勢部による助勢力を漸増させるように構成される。
本発明のステアリングアシストシステムによれば、車両が転舵されている場合に、第2助勢部による助勢力が無くなった後、エンジンが作動して急激に第1助勢部による助勢力が発生すること回避されるため、運転者のステアリング操作に対する助勢力の変動を防止若しくは抑制することが可能となる。つまり、第2助勢部による助勢力から第1助勢部による切換を適切に行うことができるのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)エンジンと駆動モータとの両方によって駆動されることが可能なハイブリッド車両に搭載され、 (a)前記エンジンを駆動源として転舵力を助勢する第1助勢部と、 (b)電動モータを駆動源として転舵力を助勢する第2助勢部とを備え、当該車両が前記駆動モータだけによって駆動されているモータ駆動状態において、前記第2助勢部だけによって転舵力を助勢するように構成されたステアリングアシストシステムであって、
前記モータ駆動状態において前記第2助勢部の失陥が発生したときに、前記エンジンを駆動させて前記第2助勢部による転舵力の助勢から前記第1助勢部による転舵力の助勢への切換を行うとともに、当該車両が転舵されている場合には、その切換において、前記第1助勢部による助勢力を設定助勢力まで漸増させるように構成されたステアリングアシストシステム。
車両が転舵されている場合、つまり、運転者がステアリング操作部材の操作(以下、「ステアリング操作」と略す場合がある)を行っている場合において、転舵力の助勢がなくなったときは、車両の転舵量は一時的には減少するものの、運転者は、助勢による力(以下、「助勢力」という場合がある)がなくなったことを感知して、無意識的に、ステアリング操作部材を操作する力(以下、「ステアリング操作力」という場合がある)を増加させるようなステアリング操作を行うことになる。ことのようなステアリング操作、つまり、転舵中において助勢力がなくなったことへの対応は、運転者にとって比較的容易に行える。しかしながら、このようなステアリング操作の最中に、急激に助勢力が復活すると、その助勢力の増加により、大きくされたステアリング操作力をいきなり助勢することになり、運転者が助勢力の変動の影響を受けることも予想される。
本態様は、そのような問題への対処を目的としており、本態様によれば、EVモードで車両が走行している場合において、第2助勢部が機能しなくなるような失陥が発生したときに、第2助勢部による助勢から第1助勢部による助勢に切り換わるが、その切換りの際に、ステアリング操作が行われているときには、第1助勢部による助勢力が漸増させられることになる。したがって、一旦なくなった助勢力が復活する際、その助勢力が徐々に大きくされることで、運転者は、適切な転舵量を維持させることが容易となる。
本態様のステアリングアシストシステム(以下、「アシストシステム」と略す場合がある)における第1助勢部,第2助勢部は、それぞれ、エンジン,電動モータを駆動源とするものである限り、具体的構造については特に限定されない。例えば、電動モータの力が直接助勢力として作用するような第2助勢部を採用してもよく、また、後に説明するようなシステム、つまり、エンジン,電動モータをそれぞれ駆動源とする2つのポンプを備えた液圧式のアシストシステムであってもよい。簡単に言えば、第2助勢部は、EVモードにおいて、EVモードでは機能しない第1助勢部に代わって、転舵力を助勢するような機能を有するものであればよいのである。
本態様において、上記設定助勢力は、その大きさが特に限定されるものではないが、例えば、後に説明する態様のように、失陥が発生する前の第2助勢部の助勢力と同じ大きさの助勢力とすることができる。そのような設定助勢力であれば、第2助勢部の失陥後において、失陥前の第2助勢部による助勢力と同じ大きさの助勢力まで、第1助勢部による助勢力が漸増させられるため、失陥の前後において、ステアリング操作における運転者の操作感が変化することがない。また、「漸増」の程度は、第1助勢部による助勢力が、上記設定助勢力まで、0.5秒〜5秒で到達する程度の増加であることが望ましい。
本態様のアシストシステムが、運転者のステアリング操作力、すなわち、転舵力に応じて、助勢力が変化するように構成されている場合は、上記「第1助勢部による助勢力を設定助勢力まで漸増させる」とは、「第1助勢部の助勢能力を設定助勢能力まで漸増させる」ことをも含む意味である。これについては、以下の態様においても同様に解釈でき、液圧式のアシストシステムを例にとって、後に詳しく説明する。
(2)当該車両が転舵されていない場合には、前記切換において、前記第1助勢部による助勢力を切換の時点から前記設定助勢力とするように構成された(1)項に記載のステアリングアシストシステム。
本態様によれば、EVモードにおいて、第2助勢部が失陥したとしても、車両が転舵されていない場合には、上記問題は生じず、第1助勢部による助勢力が設定助勢力まで一気に増加することになることから、次回のステアリング操作の最初の段階から、充分な助勢力が得られることになる。
(3)前記設定助勢力が、前記切換前の前記第2助勢部による助勢力とされている( 1)項または( 2)項に記載のステアリングアシストシステム。
本態様によれば、先に説明したように、失陥の前後において、ステアリング操作における運転者の操作感が変化することがないというメリットを享受することができる。
(4)当該ステアリングアシストシステムが、
作動液を貯留するリザーバと、
前記エンジンによって駆動され、前記リザーバに貯留されている作動液を汲み上げてそのエンジンの回転数に応じた流量で吐出するエンジンポンプと、
前記電動モータによって駆動され、前記リザーバに貯留されている作動液を汲み上げて吐出するモータポンプと、
前記モータポンプから吐出される作動液と、前記エンジンポンプから吐出される作動液とを受け入れ可能とされ、受け入れた作動液を前記リザーバに戻しつつその受け入れた作動液によって要求に応じた転舵力の助勢を行う助勢装置と
を備え、
前記リザーバ,前記エンジンポンプ,前記助勢装置を含んで前記第1助勢部が構成され、前記リザーバ,前記電動モータ,前記モータポンプ,前記助勢装置を含んで前記第2助勢部が構成された( 1)項ないし( 3)項のいずれか1つに記載のステアリングアシストシステム。
本態様は、アシストシステムの全体構成についての限定を加えた態様であり、いわゆる「2ポンプ液圧式ステアリングアシストシステム」に関する態様である。本態様のアシストシステムにおけるエンジンポンプは、エンジンの回転数(回転速度の意味である)の増加に応じて、作動液の吐出流量が、概ねリニアに増加すると考えることができる。また、エンジンによって車両の走行が可能な状態,エンジンと駆動モータとの両方によって車両の走行が可能な状態(以下、それぞれ、「エンジンモードとされている状態」,「ハイブリッドモードとされている状態」という場合がある)では、エンジンは、設定されたアイドリング回転数以上の回転を伴った作動を行うため、設定された吐出流量以上の作動液が吐出されることとなる。一方で、EVモードにおいては、エンジンの作動が停止しているため、エンジンポンプからは、作動液は吐出されないことになる。
本態様における助勢装置は、例えば、(a) 自身が受け入れる作動液の圧力に応じて、ステアリングシステムのステアリングシャフト,転舵ロッド等に転舵力を助勢する力、つまり、助勢力を付与する液圧式アクチュエータと、(b) そのアクチュエータに供給する作動液の流量を制御する供給流制御機構とを含む構成のもの採用することができる。供給流制御機構は、例えば、特開平6−8840号公報の図2に示すような一般的な構造のものを採用することが可能である。具体的には、エンジンポンプとモータポンプとの少なくとも一方から吐出された作動液を受け入れ、転舵力が発生していない場合には、リザーバに作動液を帰還させる一方で、転舵力が発生している場合には、受け入れた作動液の一部を、アクチュエータに転舵に応じた流量で供給するような構成のものを採用することが可能である。助勢装置に対して、適切な助勢力を発生させるために、助勢装置が、すなわち、供給流制御機構が受け入れるべき作動液の流量を、必要助勢装置受入流量として設定することができる。
本態様では、第2助勢部の失陥は、モータポンプが機能しなくなるような欠陥を意味する。具体的には、モータポンプ自体の欠陥,電動モータの失陥等が含まれる。
上記構造の2ポンプ液圧式ステアリングアシストシステムを採用する場合、上述の助勢装置がエンジンポンプとモータポンプとの少なくとも一方から受け入れる作動液の流量の大きさを、当該アシストシステムの助勢能力と考えることができる。つまり、本態様では、エンジンポンプから助勢装置に吐出される作動液の流量であるエンジンポンプ吐出流量,モータポンプから助勢装置に吐出される作動液の流量であるモータポンプ吐出流量が、それぞれ、第1助勢部の助勢能力,第2助勢部の助勢能力と考えることができる。本態様は、EVモードにおいて第2助勢部の失陥が発生した場合、実現されていたモータポンプ吐出流量が、設定助勢能力すなわち設定流量となるエンジンポンプ吐出流量に置き換わるように構成すればよく、そのように構成する場合、第2助勢部による助勢力から第1助勢部による助勢力への切換は、第2助勢部の助勢能力の第1助勢部の助勢能力への置換という形態で実現されることになる。したがって、EVモードにおいて第2助勢部の失陥が発生した場合に、当該車両が転舵されているときには、エンジンポンプ吐出流量を漸増させればよい。なお、その場合、失陥発生時に、失陥発生前の第2助勢部の助勢能力と、失陥発生後の第1助勢部の助勢能力とが同じとなるような置換、つまり、失陥発生前のモータポンプ吐出流量と失陥発生後のエンジンポンプ吐出流量とが同じとなるような切換を行うことができる。
(5)当該ステアリングアシストシステムが、
前記エンジンポンプから吐出される作動液の流量であるエンジンポンプ吐出流量を制御するエンジンポンプ吐出流量制御装置と、前記電動モータの作動を制御することで前記モータポンプから吐出される作動液の流量であるモータポンプ吐出流量を制御するモータポンプ吐出流量制御装置とを備え、
前記車両が転舵されている場合における上記切換において、前記エンジンポンプ吐出流量制御装置がエンジンポンプ吐出流量を設定流量まで漸増させることによって、助勢力を漸増させるように構成された( 4)項に記載のステアリングアシストシステム。
本態様におけるエンジンポンプ吐出流量制御装置は、例えば、特開2014−19290号公報の図2に示すような一般的な構造の電磁バルブ機構を採用し、ソレノイドに供給される電流を制御することで、その制御された電流に応じた流量の作動液の自身の通過を許容するように構成すればよい。エンジンポンプ吐出流量制御装置を備えることで、本態様では、EVモードから、エンジンの駆動によって走行するモード(以下、「エンジンモード」という場合がある)、若しくは、駆動モータとエンジンとの両方の駆動によって走行するモード(以下、「ハイブリッドモード」という場合がある)への切換時において、助勢装置に吐出される作動液の流量の急変を抑制するといったメリットが得られることになる。また、エンジンモード、ハイブリッドモードにおいて、エンジンポンプ吐出流量制御装置によって、上述した必要助勢装置受入流量に満たないエンジンポンプ吐出流量の作動液をエンジンポンプから吐出させ、必要助勢装置受入流量を賄い切れない不足流量を、モータポンプ吐出流量によって補うように構成すれば、エンジンポンプの小型化を図りつつ、充分な助勢能力のあるアシストシステムを構築することができる。なお、本態様におけるモータポンプ吐出流量制御装置は、電動モータの駆動回路と、コンピュータとを含んだ電子制御装置として構成することができる。
(6)前記車両が転舵されている場合における上記切換において、前記エンジンポンプ吐出流量制御装置がエンジンポンプ吐出流量を流量増加勾配が一定となるように漸増させる( 5)項に記載のステアリングアシストシステム。
本態様は、上記切換の際の助勢力の漸増におけるその漸増の勾配を一定にする態様であり、本態様によれば、比較的簡便な手法によって、比較的円滑な切換を行うことができる。
本発明の実施例であるステアリングアシストシステムが搭載される車両、および、当該ステアリングアシストシステムの全体構成を模式的に示す図である。 当該ステアリングアシストシステムにおいてエンジンポンプだけから作動液が助勢装置に吐出される状態を示す図である。 当該ステアリングアシストシステムにおいてモータポンプだけから作動液が助勢装置に吐出される状態を示す図である。 通常時における当該ステアリングアシストシステムの作動を説明するためのグラフである。 EVモードでの車両の走行中に第2助勢部の失陥が発生したときに、従来の手法によって第1助勢部の助勢に切り換えた場合の、作動液の流量,操舵トルク,転舵角の変化を示すグラフである。 EVモードでの車両の走行中に第2助勢部の失陥が発生したときに、当該ステアリングアシストシステムが採用する手法によって第1助勢部の助勢に切り換えた場合の、作動液の流量,操舵トルク,転舵角の変化を示すグラフである。 当該ステアリングアシストシステムにおいて実行されるステアリングアシスト制御プログラムを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態として、実施例のステアリングアシストシステムを、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
[A]ステアリングアシストシステムが搭載されている車両の構成
実施例のステアリングアシストシステム(以下、「アシストシステム」と略す場合がある)が搭載されている車両は、図1に示すように、前後左右の4つの車輪10(図では、2つの後輪は省略されている)を有し、2つの前輪10が駆動輪とされた車両である。本車両は、エンジン12と電動モータである駆動モータ14との両者によって前輪10を駆動可能なハイブリッド車両であり、また、前輪10が転舵輪とされている。
当該車両の車両駆動システムについて説明すれば、その車両駆動システムは、エンジン12と、駆動モータ14と、主に発電機として機能するジェネレータ16と、それらエンジン12,ジェネレータ16が連結される動力分割機構18とを有している。動力分割機構18は、エンジン12の回転を、ジェネレータ16の回転と出力軸の回転とに分割する機能を有している。駆動モータ14は、減速機として機能するリダクション機構20を介して出力軸に繋げられている。出力軸の回転は、差動機構22,ドライブシャフト24L,24Rを介して伝達され、左右の前輪10が回転駆動される。ジェネレータ16は、インバータ26Gを介してバッテリ28に繋がれており、ジェネレータ16の発電によって得られる電気エネルギは、バッテリ28に蓄えられる。また、駆動モータ14も、インバータ26Mを介してバッテリ28に繋がれており、駆動モータ14の作動,ジェネレータ16の作動は、インバータ26M,インバータ26Gを制御することによって制御される。当該車両駆動システムの制御は、ハイブリッド駆動電子制御ユニット(以下、「HB−ECU」と略す場合がある)30によって行われ、HB−ECU30は、状況に応じて、走行モードとして、エンジン12だけで車両を駆動する「エンジンモード」,駆動モータ14だけで車両を駆動する「EVモード」(当該車両を「モータ駆動状態」とするモードを意味する),エンジン12と駆動モータ14との両方で車両を駆動する「ハイブリッドモード」のいずれかを選択的に実現する。
当該車両の車両操舵システムについて説明すれば、その車両操舵システムは、左右の前輪10をそれぞれ保持する1対のステアリングナックル(以下、「ナックル」と略す場合がある)50と、左右方向に延びて各ナックル50のナックルアーム52にタイロッド54を介して両端が接続された転舵ロッド56と、ステアリング操作部材であるステアリングホイール58と、ステアリングコラムに保持されステアリングホイール58の回転操作によって回転するステアリングシャフト60と、ステアリングシャフト60の回転動作を転舵ロッド56の左右方向の移動動作に変換する動作変換機構(ラックアンドピニオン機構)を内蔵したギヤボックス62とを有し、ステアリングホイール58の回転操作によって、左右の前輪10が転舵されるように構成されている。
[B]ステアリングアシストシステムのハード構成
実施例のアシストシステムは、作動液(作動油)の液圧によって、運転者が前輪10を転舵する力である転舵力を、助勢、すなわち、アシストするシステムであり、転舵ロッド56に固定されたピストン70と、ピストン70によって内部が2つの液室72L,72Rに区画されるハウジング74とを有する液圧式のアクチュエータ76を備えている。また、それぞれが高圧液源となる2つのポンプ、詳しくは、エンジン12によって駆動されるエンジンポンプ78と、電動モータ80によって駆動されるモータポンプ82とを備えている。エンジンポンプ78は、作動液を貯留するリザーバ84から第1汲上路86を介して、その作動液を汲み上げ、第1吐出路88,共通吐出路90を介して、供給流制御機構92(後述する)に、汲み上げた作動液を吐出する。モータポンプ82は、リザーバ84から第2汲上路94を介して作動液を汲み上げ、その汲み上げた作動液を第2吐出路96,共通吐出路90を介して、汲み上げた作動液を、供給流制御機構92に吐出する。
供給流制御機構92は、例えば、特開平6−8840号公報の図2に示すような一般的な構造のものであり、具体的には、例えば、運転者の転舵力に応じたトーションバーの捩じれ量および転舵方向に基づいて、アクチュエータ76に供給する作動液の流量、および、2つの液室72L,72Rのいずれに作動液を供給するかを制御する機能を有している。供給流制御機構92は、エンジンポンプ78とモータポンプ82との少なくとも一方から吐出された作動液を受け入れ、転舵力が発生していない場合には、帰還路98を介して、リザーバ84に、その受け入れた作動液を帰還させる。つまり、作動液は、循環させられるのである。一方で、転舵力が発生している場合には、供給流制御機構92は、受け入れた作動液の少なくとも一部を、アクチュエータ76の2つの液室72L,72Rの一方に、転舵に応じた流量で供給し、他方からその流量と同じ流量の作動液を受け入れて、その受け入れた作動液をもリザーバ84に帰還させるようにされている。アクチュエータ76は、供給流制御機構92から2つの液室72L,72Rの一方に供給された作動液の圧力に応じた力がピストン70に作用することで、その力、すなわち、助勢力によって、転舵力を助勢するように構成されている。つまり、本アシストシステムでは、供給流制御機構92とアクチュエータ76とを含んで、受け入れた作動液をリザーバ84に戻しつつ、その受け入れた作動液によって要求に応じた転舵力の助勢を行う助勢装置が構成されているのである。
エンジンポンプ78は、エンジン12の回転数(厳密には、「回転速度」の意味である)に応じた流量の作動液を吐出するようにされている。そのため、本アシストシステムには、エンジンポンプ78の吐出側に、エンジンポンプ78から吐出される作動液の流量を制限する流量制限機構100が設けられている。この流量制限機構100は、例えば、特許第3218788号公報,特開平8−301132号公報,特開平6−8840号公報等に示すような構造、つまり、バルブを含んだ一般的な構造のものであり、具体的には、エンジン12の回転数がある程度高くなった場合に、自身を通過して供給流制御機構92に送られる作動液の流量を、設定された流量に制限する機能を有している。さらに、本アシストシステムでは、流量制限機構100からの吐出側において流量制限機構100と直列的に設けられ、流量制限機構100から供給流制御機構92に送られる作動液の流量を制御するためのエンジンポンプ吐出流量制御機構102を備えている。エンジンポンプ吐出流量制御機構102は、例えば、特開2014−19290号公報の図2に示すような一般的な構造の電磁バルブ機構であり、ソレノイドに供給される電流に応じた流量の作動液の通過を許容する機能を有している。エンジンポンプ吐出流量制御機構102の制御は、エンジンポンプ吐出流量電子制御ユニット(以下、「EP−ECU」という場合がある)104によって行われる。エンジンポンプ吐出流量制御機構102とEP−ECU104とによってエンジンポンプ吐出流量制御装置が構成されていると考えることができ、エンジンポンプ78から供給流制御機構92に吐出される作動液の流量を便宜的にエンジンポンプ吐出流量Qeと呼べば、エンジンポンプ吐出流量制御装置は、エンジンポンプ吐出流量Qeを電子的に制御する機能を有している。
モータポンプ82の制御、詳しくは、モータポンプ82を駆動する電動モータ80の作動の制御は、モータポンプ吐出流量制御装置としてのモータポンプ電子制御ユニット(以下、「MP−ECU」という場合がある)106によって行われる。つまり、モータポンプ82から供給流制御機構92に吐出される作動液の流量をモータポンプ吐出流量Qmと呼べば、MP−ECU106は、そのモータポンプ吐出流量Qmを電子的に制御する機能を有している。モータポンプ82,電動モータ80,MP−ECU106はユニット化され、モータポンプユニット108として、当該車両に搭載されている。このようにユニット化されることで、それらモータポンプ82,電動モータ80,MP−ECU106の搭載性は良好なものとされている。
当該アシストシステムの制御は、主に、コンピュータが中心的な構成要素となるステアリングアシスト電子制御ユニット(以下、「SA−ECU」という場合がある)112によって行われる。SA−ECU112は、EP−ECU104,MP−ECU106を統括する統括制御装置として機能する。EP−ECU104,MP−ECU106,SA−ECU112,先に説明したHB−ECU30は、CAN(“car area network”or “contorolable area network”)114に接続され、互いに通信することによって、協調した制御処理を実行するようにされている。
以上説明した本アシストシステムの構成によれば、アクチュエータ76,エンジンポンプ78,リザーバ84,供給流制御機構92,流量制限機構100,エンジンポンプ吐出流量制御機構102,EP−ECU104等を含んで、エンジン12を駆動源として転舵力を助勢する第1助勢部が構成され、アクチュエータ76,電動モータ80,モータポンプ82,リザーバ84,供給流制御機構92,MP−ECU106等を含んで、電動モータ80を駆動源として転舵力を助勢する第2助勢部が構成されていると考えることができる。
[C]ステアリングアシストシステムの作動
i)通常時における作動
図1は、アシストシステムが、エンジンポンプ78とモータポンプ82との両方から供給流制御機構92に作動液が吐出される状態を示している。以下、このような状態での作動モードを、「両ポンプモード」と呼ぶこととする。アシストシステムだけが表されている図2,図3は、それぞれ、エンジンポンプ78だけから供給流制御機構92に作動液が吐出される状態,モータポンプ82だけから供給流制御機構92に作動液が吐出される状態を示している。以下、図2,図3に示す状態での作動モードを、それぞれ「エンジンポンプモード」,「モータポンプモード」と呼ぶこととする。
エンジンポンプモードでの作動を説明すれば、エンジンポンプ78からの作動液の吐出流量は、図4(a)のグラフにおいて破線で示すように、エンジン12の回転数Rの増加に応じて、概ねリニアに増加する。ここで、説明を単純化するために、エンジンポンプ吐出流量制御機構102を機能させない場合、つまり、流量制限機構100によってだけエンジンポンプ吐出流量Qeが制限される場合を考える。例えば、グラフにおいて一点鎖線で示すようにエンジンポンプ吐出流量Qeが制限されるように、流量制限機構100を調整してもよい。当該アシストシステムでは、供給流制御機構92によって受け入れられることが必要とされる作動液の流量、つまり、必要助勢装置受入流量Qaが設定されている。グラフでは、エンジンポンプ吐出流量Qeがその必要助勢装置受入流量Qaとなるように、流量制限機構100が調整された場合が示されている。すなわち、グラフの一点鎖線は、必要助勢装置受入流量Qaを示す線と考えることができるのである。なお、エンジン12の回転数Rがある程度増加した場合において、必要助勢装置受入流量Qaが少なくなっているのは、車両がある程度高速で走行する場合にステアリング操作をある程度重くし、操舵フィーリングを向上させるための配慮である。そのように構成されたエンジンポンプ78,流量制限機構100によれば、実線で示すようなエンジンポンプ吐出流量Qeの作動液が供給流制御機構92に吐出されることになる。ちなみに、エンジン12は、設定されたアイドリング回転数Ri以上で回転させられるため、アイドリング回転数Ri未満において、グラフでは、エンジンポンプ吐出流量Qeを示す実線は、存在していない。
本アシストシステムでは、実際には、EP−ECU104によってエンジンポンプ吐出流量制御機構102が制御作動させられることで、エンジンポンプ吐出流量Qeがさらに制限される。具体的には、図4(b)のグラフにおいて実線で示すように、エンジンポンプ吐出流量Qeは、両ポンプモード時設定エンジンポンプ吐出流量Qe0に小さく抑えられる。したがって、エンジン12が作動する回転数Rの全領域において、必要助勢装置受入流量Qaを賄い切れない不足流量Qi(Qa−Qe0)が存在し、その全領域に亘って、両ポンプモードとされて不足流量Qiがモータポンプ吐出流量Qmによって賄われる。
ちなみに、車両の走行モードがEVモードとされている場合には、エンジン12が作動させられていないため、モータポンプモードとされて、必要助勢装置受入流量Qaの全てをモータポンプ吐出流量Qmで賄うように、モータポンプ82がMP−ECU106によって制御される。
ii)第2助勢部の失陥とそれへの対処
電動モータ80,モータポンプ82,MP−ECU106等が失陥した場合、つまり、電動モータ80を駆動源として転舵力を助勢する部分としての第2助勢部がその助勢機能を果たすことができなくなった場合、モータポンプ吐出流量Qmは得られなくなる。以下、そのような失陥を、便宜的に、「第2助勢部の失陥」と呼べば、本アシストシステムでは、第2助勢部が失陥した場合には、第2助勢部による助勢から、第1助勢部による助勢、すなわち、エンジンポンプ78によって吐出される作動液に依拠した助勢への切換が行われる。そのため、第2助勢部が失陥した場合には、エンジン12が始動させられるとともに、EVモードでの当該車両の走行が禁止される。なお、エンジンポンプモードでは、必要助勢装置受入流量Qaの全てをエンジンポンプ吐出流量Qeで賄うため、エンジンポンプ吐出流量制御機構102を機能させないような制御が、EP−ECU104によって行われる。
しかしながら、EVモードで当該車両が走行している状態において、第2助勢部の失陥が生じた場合、第2助勢部による助勢から第1助勢部による助勢への切換に対して留意を要する。以下に詳しく説明すれば、EVモードにおいては、図5のグラフに示すように、モータポンプモードとされて、設定流量としての必要助勢装置受入流量Qaとなるモータポンプ吐出流量Qmの作動液が、モータポンプ82から吐出されている。運転者がステアリングホイール58を操作して車輪10が転舵されている場合、すなわち、操舵されている場合、図5のグラフに示すように、ステアリングホイール58の操作力である操舵トルクTqが、運転者によってステアリングホイール58に付与されている。図5のグラフでは、操舵トルクTqは、当該アシストシステムによって転舵力が助勢されているため、比較的小さな値Tq0となり、その操舵トルクTq0の下、車輪10の転舵量である転舵角θは、θ0に維持されていることが示されている。
時点t1において、第2助勢部が失陥したときには、つまり、例えば、電動モータ80の失陥,MP−ECU106の失陥,電動モータ80への給電停止等の電気的失陥等が発生した場合には、モータポンプ吐出流量Qmが0にまで低下し、転舵を助勢するための助勢力が得られなくなる。このとき、運転者は、転舵角θ0を維持しようとして、操舵トルクTqをTq1にまで増加させることになる。
そして、従来採用されている手法によれば、図5のグラフに示すように、時点t2において、エンジンポンプモードに切り換えて、エンジンポンプ吐出流量Qeが必要助勢装置受入流量Qaとなる作動液が、エンジンポンプ78からいきなり吐出される。このようなエンジンポンプ78からの作動液の吐出を行うと、助勢力が急に復活することで、転舵力の変化に対して運転者による操舵トルクTqの調整が間に合わず、転舵角θが大きく変動してしまう可能性がある。
上記転舵力の変動に対処するため、本アシストシステムでは、図6のグラフに示すように、時点t2において、エンジンポンプモードを立ち上げる際に、時点t2から時点t3までの間、助勢力を、設定助勢力、つまり、モータポンプモードにおいて付与していた助勢力まで漸増させるべく、エンジンポンプ吐出流量Qeを、エンジンポンプ78が始動したときのエンジンポンプ吐出流量Qeである最少吐出流量Qe’から、設定流量である必要助勢装置受入流量Qaまで、漸増させるようにされている。このエンジンポンプ吐出流量Qeの漸増は、EP−ECU104がエンジンポンプ吐出流量制御機構102を制御することによって行われる。エンジンポンプ吐出流量Qeが必要助勢装置受入流量Qaとなった時点で、その制御を終了し、以降、エンジンポンプ吐出流量制御機構102は、機能しない状態、つまり、流量制限機構100からの作動液を制限することなく通過させる状態とされる。なお、エンジンポンプ吐出流量Qeの漸増における変化勾配である流量増加勾配dQeは、一定とされる。つまり、時間の経過に対してリニアにエンジンポンプ吐出流量Qeが増加させられる。
このような、助勢力の漸増、つまり、助勢能力の漸増によって、モータポンプモードからエンジンポンプモードへの切換に、運転者は、容易に対応することができ、その切換において、転舵角θが安定的に維持されることになる。ちなみに、時点t2と時点t3との時間間隔は、車両の挙動が乱れることのない程度に設定される限り特に限定されるものではない。
なお、EVモードにおいて第2助勢部が失陥したとしても、その失陥の発生時に当該車両が操舵されていない場合、つまり、当該車両が転舵されていない場合には、上述のエンジンポンプ吐出流量Qeの漸増は行われず、時点t2の時点から、エンジンポンプ吐出流量Qeは、必要助勢装置受入流量Qaとされる。
[D]ステアリングアシストシステムの制御フロー
上述したEVモードにおける第2助勢部の失陥時の対処を含む本アシストシステムの制御は、SA−ECU112が、図7にフローチャートを示すステアリングアシスト制御プログラムを、短い時間ピッチ(例えば、数msec〜数十msec)で繰り返し実行することによって行われる。以下に、その制御プラグラムに従った処理を説明することで、当該アシストシステムの制御フローについて説明する。なお、SA−ECU112の代わりに、HB−ECU30,EP−ECU104,MP−ECU106のいずれか1以上のものに、ステアリングアシスト制御プログラムの少なくとも一部を実行させるようにしてもよい。
当該制御プログラムに従う処理によれば、まず、ステップ1(以下、「S1」と略す。他のステップも同様である。)において、助勢力漸増フラグIのフラグ値が判断される。助勢力漸増フラグIは、先に説明したエンジンポンプ吐出流量Qeの漸増のための処理(以下、「漸増処理」という場合がある)が行われているときにフラグ値が“1”とされるフラグであり、初期値は“0”とされている。
漸増処理が行われていない場合、S2において、当該車両がEVモードとされているか否かが判断される。EVモードとはされていない場合には、S3において、失陥フラグDの値が判定される。失陥フラグDは、電動モータ80を駆動源とする第2助勢部が失陥している場合にフラグ値が“1”とされるフラグであり、初期値は“0”とされている。第2助勢部に失陥が生じていない場合には、S4において、先に説明したように、EP−ECU104に、エンジンポンプ吐出流量Qeが両ポンプモード時設定エンジンポンプ吐出流量Qe0となるようなエンジンポンプ吐出流量制御機構102の制御を実行させつつ、MP−ECU106に、モータポンプ吐出流量Qmが上述の不足流量Qi(Qa−Qe0)となるような電動モータ80の制御を実行させる。それに対して、第2助勢部に失陥が生じている場合には、S5において、先に説明したように、エンジンポンプ吐出流量制御機構102を機能させないことで、エンジンポンプ吐出流量Qeが必要助勢装置受入流量Qaとされる。
S2においてEVモードとされていると判定された場合には、S6において、先に説明したように、MP−ECU106に、モータポンプ吐出流量Qmが必要助勢装置受入流量Qaとなるような電動モータ80の制御を実行させる。次に、S7において、今回の制御プログラムの実行において第2助勢部の失陥が発生したか否かが判断される。この判断は、MP−ECU106からの失陥発生信号,MP−ECU106が無応答である事実等に基づいて行われる。失陥が発生したと判断された場合には、S8において、エンジン12を始動させる旨の指示が、HB−ECU30に送られ、S9において、ステアリング操作中であるか否か、つまり、車両が転舵されているか否かが判定される。ステアリング操作中でない場合には、S10において、先のS5と同様に、エンジンポンプ吐出流量Qeが必要助勢装置受入流量Qaとされる。ステアリング操作中である場合には、S11において、助勢力漸増フラグIのフラグ値が“1”とされ、S12において、エンジンポンプ吐出流量Qeが、先に説明した最少吐出流量Qe’に設定される。次のS13において、エンジン12の回転数が必要回転数、つまり、最少吐出流量Qe’が確保できる回転数以上であるか否かが判断され、必要回転数以上である場合には、S14において、エンジンポンプ吐出流量Qeを、増加流量ΔQeだけ増加させる指示が、EP−ECU104に送られる。エンジン12の回転数が必要回転数が必要回転数未満である場合には、S14以降の処理はスキップされる。
助勢力漸増フラグIのフラグ値が“1”とされている間、当該制御プログラムの実行の度に、エンジンポンプ吐出流量Qeが増加流量ΔQeずつ増加させられることで、助勢力、すなわち、助勢能力がリニアに漸増させられる。そして、S15において、エンジンポンプ吐出流量Qeが必要助勢装置受入流量Qaに到達したと判断された場合に、S16において、助勢力の漸増処理を停止すべく、助勢力漸増フラグIのフラグ値が“0”にリセットされ、S17において、失陥フラグDのフラグ値が“1”にセットされるとともに、EVモードを禁止する旨の指示がHB−ECU30に送られる。S17の処理により次回の当該制御プログラムの実行からは、エンジンポンプ吐出流量Qeによって必要助勢装置受入流量Qaが賄われることになる。
なお、上記制御プロクラムに従う処理においては説明を省略しているが、EVモード以外のモードにおいて第2助勢部の失陥が発生したと判断された場合には、EVモードにおいて第2助勢部の失陥が発生したと判断された場合と同様に、エンジンポンプ吐出流量Qeが必要助勢装置受入流量Qaとされ、EVモードが禁止される。ちなみに、両ポンプモードにおいて第2助勢部の失陥が発生したと判断された場合に、エンジンポンプ吐出流量Qeを、両ポンプモード時設定エンジンポンプ吐出流量Qe0から必要助勢装置受入流量Qaまで漸増させるようにしてもよい。
10:車輪 12:エンジン 56:転舵ロッド 58:ステアリングホイール〔ステアリング操作部材〕 76:アクチュエータ 78:エンジンポンプ 80:電動モータ 82:モータポンプ 84:リザーバ 92:供給流制御機構 100:流量制限機構 102:エンジンポンプ吐出流量制御機構〔エンジンポンプ吐出流量制御装置〕 104:エンジンポンプ吐出流量電子制御ユニット(EP−ECU)〔エンジンポンプ吐出流量制御装置〕 106:モータポンプ電子制御ユニット(MP−ECU)〔モータポンプ吐出流量制御装置〕 108:モータポンプユニット 112:ステアリングアシスト電子制御ユニット(SA−ECU) Qe:エンジンポンプ吐出流量 Qm:モータポンプ吐出流量 Qa:必要助勢装置受入流量〔設定流量〕 θ:転舵角 Tq:操舵トルク

Claims (6)

  1. エンジンと駆動モータとの両方によって駆動されることが可能なハイブリッド車両に搭載され、 (a)前記エンジンを駆動源として転舵力を助勢する第1助勢部と、 (b)電動モータを駆動源として転舵力を助勢する第2助勢部とを備え、当該車両が前記駆動モータだけによって駆動されているモータ駆動状態において、前記第2助勢部だけによって転舵力を助勢するように構成されたステアリングアシストシステムであって、
    前記モータ駆動状態において前記第2助勢部の失陥が発生したときに、前記エンジンを駆動させて前記第2助勢部による転舵力の助勢から前記第1助勢部による転舵力の助勢への切換を行うとともに、当該車両が転舵されている場合には、その切換において、前記第1助勢部による助勢力を設定助勢力まで漸増させるように構成されたステアリングアシストシステム。
  2. 当該車両が転舵されていない場合には、前記切換において、前記第1助勢部による助勢力を切換の時点から前記設定助勢力とするように構成された請求項1に記載のステアリングアシストシステム。
  3. 前記設定助勢力が、前記切換前の前記第2助勢部による助勢力とされている請求項1または請求項2に記載のステアリングアシストシステム。
  4. 当該ステアリングアシストシステムが、
    作動液を貯留するリザーバと、
    前記エンジンによって駆動され、前記リザーバに貯留されている作動液を汲み上げてそのエンジンの回転数に応じた流量で吐出するエンジンポンプと、
    前記電動モータによって駆動され、前記リザーバに貯留されている作動液を汲み上げて吐出するモータポンプと、
    前記モータポンプから吐出される作動液と、前記エンジンポンプから吐出される作動液とを受け入れ可能とされ、受け入れた作動液を前記リザーバに戻しつつその受け入れた作動液によって要求に応じた転舵力の助勢を行う助勢装置と
    を備え、
    前記リザーバ,前記エンジンポンプ,前記助勢装置を含んで前記第1助勢部が構成され、前記リザーバ,前記電動モータ,前記モータポンプ,前記助勢装置を含んで前記第2助勢部が構成された請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のステアリングアシストシステム。
  5. 当該ステアリングアシストシステムが、
    前記エンジンポンプから吐出される作動液の流量であるエンジンポンプ吐出流量を制御するエンジンポンプ吐出流量制御装置と、前記電動モータの作動を制御することで前記モータポンプから吐出される作動液の流量であるモータポンプ吐出流量を制御するモータポンプ吐出流量制御装置とを備え、
    前記車両が転舵されている場合における上記切換において、前記エンジンポンプ吐出流量制御装置がエンジンポンプ吐出流量を設定流量まで漸増させることによって、助勢力を漸増させるように構成された請求項4に記載のステアリングアシストシステム。
  6. 前記車両が転舵されている場合における上記切換において、前記エンジンポンプ吐出流量制御装置がエンジンポンプ吐出流量を流量増加勾配が一定となるように漸増させる請求項5に記載のステアリングアシストシステム。
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