JP2019136625A - 電解水生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定のpH値で所定の有効塩素濃度を有する微酸性電解水を生成するに際し、環境条件に応じて安定してPI制御により自動的に適切な電圧と適切な電流に設定する電解水生成装置の提供。【解決手段】原水のMアルカリ度、添加する電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温の各複数の環境条件値に対して、所定のpH値および所定の有効塩素濃度を有する電解水を生成するために電極間に印加すべき各適切な直流電圧値と電極間を流すべき各適切な電流値を示すデータテーブルを備え、実際の環境条件に応じてデータテーブルを参照して選定された直流電圧を電極間に印加するとともに、データテーブルを参照して選定された電流が流れるようにPI制御手法により電解質水溶液の添加流量を自動的に調節する。P項、I項の係数を水温、流量、電圧に応じて設定することにより、水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたって良好なPI制御がなされる。【選択図】図3

Description

この発明は、電解水を生成する電解水生成装置に関し、より具体的には、微酸性電解水を生成する電解水生成装置において、給水源から供給される原水に電解質水溶液を添加した被電解水を、無隔膜電解槽内で一対の電極に直流電圧を印加して電気分解することにより微酸性電解水を生成するに際して、所定のpH値および所定の有効塩素濃度の微酸性電解水が生成されるように、原水のMアルカリ度、電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温に応じて設定される値の電流が被電解水中を流れるように、原水に添加されるべき電解質水溶液の添加流量が実際に電解槽内を流れる電流の測定値に照らして自動的に調節されるようにPI制御し、その場合のP項、I項の係数を実際の運転における水温、流量、電圧に応じて設定することにより、水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたって同一の演算式で適切にPI制御がなされるように工夫したものである。
一対の電極を配設した無隔膜電解槽に水道水を所定流量で供給するとともに塩化ナトリウムと塩酸を含む電解質水溶液を所定流量で添加してなる被電解水を、電解槽内で一対の電極に直流電圧を印加して電気分解することにより、微酸性電解水を連続的に生成する装置が知られている。例えば、特許文献1には、原水に塩化ナトリウム水溶液と塩酸水溶液を添加してなる被電解水を無隔膜電解槽で電気分解する微酸性電解水の製造方法が開示されており、その方法では、所定のpH値で所定の有効塩素濃度の電解水が生成されるように、被電解水の水量の調節や、電解質水溶液を添加するポンプの調節、電気分解の電圧および電流の調節を経験や勘に基づいて行っている。
特開平5−237478号公報
この出願の発明は、所定のpH値で所定の有効塩素濃度を有する微酸性電解水を生成するのに、原水のMアルカリ度、添加する電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温に応じて、電気分解のために電極間に印加される直流電圧および電極間を流れる電流を適切な値に選定し、当該選定された電圧値の直流電圧を電極間に印加するとともに、当該選定された電流値の電流が実際に電極間を流れるように、原水に添加されるべき電解質水溶液の添加流量を、経験や勘に頼ることなく、PI制御により自動的に調節し、その場合に実際の運転における水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたって同一の演算式により適切にPI制御がなされる電解水生成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この出願の発明は、一対の電極を配設した電解槽と、給水源から供給される原水を電解槽に供給する原水供給管路と、電解槽に供給される原水に少なくとも塩酸を含む電解質水溶液を流量可変の送出ポンプを介して供給する電解質水溶液供給管路と、原水のMアルカリ度、添加する電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温のそれぞれ予め考慮された各複数の環境条件値に対して、電解槽内で所定のpH値および所定の有効塩素濃度を有する電解水を生成するために電極間に印加すべき直流電圧の各所要電圧値と電極間を流れるべき電流の各所要電流値を示すデータテーブルと、電解水の生成を行う際の実際の原水のMアルカリ度、添加する電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温の環境条件情報の入力を受けて、データテーブルからその環境条件下で電解水を生成するために適切な電解電圧値と電解電流値を読み出して提示する電圧電流値提示装置と、一対の電極に電解電圧値の直流電圧を印加する電源装置と、電極間に実際に供給されている電流を計測電流値として計測する電流計測手段と、電解質水溶液供給管路から電解槽に供給すべき電解質水溶液の流量を、電解電流値を目標電流値として、目標電流値と計測電流値との電流値差に基づいてPI制御の手法により所定の演算周期で順次演算して、順次計測電流値が目標電流値に漸近するように、原水に添加する電解質水溶液の流量を演算周期で順次自動的に調節しながら供給するように送出ポンプを制御する制御装置とを備えてなり、PI制御における演算のP項の係数およびI項の係数が、原水の水温、原水の流量および電解電圧値に応じて無駄時間、時定数およびゲインを求めたうえで、無駄時間、時定数およびゲインから算定されることを特徴とする電解水生成装置を提供するものである。これにより、環境条件に応じて電気分解の電圧が設定されるとともに、電流が自動的に調節されて、所定のpH値および所定の有効塩素濃度を有する電解水が、水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたって同一の演算式により適切にPI制御がなされて生成される。
また、上記のように構成した電解水生成装置においては、制御装置の演算において、無駄時間が、原水の流量に反比例する係数として求められ、時定数が、原水の流量に反比例する係数として求められ、ゲインが、原水の水温による+2%/℃の影響があり、不感帯を超える印加電圧値に比例し、原水の流量に反比例する係数として求められる。これにより、適切なPI制御がなされる。
さらに、上記のように構成した電解水生成装置においては、制御装置において演算周期の各演算時点で演算して算出する電解槽に供給すべき電解質水溶液の今回算出流量が、直前の演算時点において算出した電解槽に供給すべき電解質水溶液の前回算出流量に、今回電流値差から前回電流値差を減じた値にP項の係数を乗じた値と、今回電流値差に演算周期とI項の係数を乗じた値とを加算して得られる。漸化式を用いて演算ずることにより、演算規模を小さくすることができる。
さらに、上記のように構成した電解水生成装置においては、
前記制御装置において前記演算周期の各演算時点で演算して算出する電解槽に供給すべき電解質水溶液の今回算出流量Strknが、式[数1]により演算して算出され、
Figure 2019136625
式[数1]において、送出ポンプが1ストローク当たり一定量の水溶液を送り出すタイプのパルスポンプであって、単位時間当たりのストローク数、すなわちストローク速度を変えることにより、電解質水溶液の流量を可変とするものであり、Strknは今回演算時点で算出される前記電解質水溶液の今回算出流量、Strkn-1は前回演算時点で算出された電解質水溶液の流量、en は今回演算時点での今回電流値差、en-1 は前回演算時点での前回電流値差、Δtは演算周期であり、ここに、KP は[数1]におけるP項の係数、KP /TI は[数1]におけるI項の係数で、KP とTI は、無駄時間LPLと時定数TPLとゲインKPLとによって式[数2]により定義される。
Figure 2019136625
さらに、上記のように構成した電解水生成装置においては、無駄時間LPL、時定数TPL、ゲインKPLは、それぞれ式[数3]によって求められたものであり、
Figure 2019136625
ここに、流量は原水の流量であり、水温は原水の水温であり、電圧は一対の電極に印加されている電解電圧値である。
さらに、上記のように構成した電解水生成装置においては、送出ポンプは、1ストローク当たり一定量の水溶液を送り出すタイプのパルスポンプであって、パルスポンプのストロークの周期を変えることにより電解質水溶液の流量を可変とするものであり、制御装置は、電流計測手段が計測する前記計測電流値の時間的変化波形をパルスポンプのストロークの周期の1/2を時定数とする一次遅れ処理をする一次遅れ回路を介して遅延電流波形を得て、遅延電流波形の値をPI制御の手法における計測電流値として演算する。これにより、制御装置の演算周期と比較してパルスポンプのストロークの周期が長めである場合でも、パルスポンプによる電解質水溶液の打ち込み時における計測電流波形の一時的変動の影響が減じられて、制御装置内でのPI制御におけるハンチング現象の発生が抑制される。
この出願の発明によると、電解水生成装置を運転するに際して、水温、Mアルカリ度、塩酸濃度に応じて電気分解の電極に印加する電圧を適切な値に自動的に設定するとともに、電極間を流れる電流をPI制御により適切な値に自動的に調節し、その場合のP項、I項の係数を水温、流量、電圧に応じて設定することにより、水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたって良好なPI制御がなされる。
この発明による電解水生成装置の一実施形態の概略線図である。 原水のMアルカリ度と、電解質水溶液の塩酸濃度と、原水の水温の各複数の環境条件に対して、所定のアルカリ度および所定の有効塩素濃度の微酸性電解水を生成するために電極に印加すべき各電圧値と電極間に流すべき各電流値を示すデータテーブルである。 図1の構成部分および図2のデータテーブルに対する制御装置の関連を示すブロック線図である。 電解質水溶液がストロークポンプで原水に添加されることにより、電極間を流れる計測電流が時間的に変化する様子を示す変化波形図である。 図3の部分の他の実施形態を示すブロック線図である。
以下に、この発明による電解水生成装置の一実施形態を添付図面を参照して説明する。図1に示すように、この発明の電解水生成装置10は、被電解水を無隔膜の電解槽11内で電気分解することによって微酸性電解水を生成するものであり、特にpH5.0〜6.5、有効塩素濃度10〜80ppmの微酸性電解水を生成するものである。電解水生成装置10は、一対の電極12a、12bを配設した電解槽11と、電解槽11に原水を供給する原水供給管路20と、塩酸を含む電解質水溶液を原水に供給する電解質水溶液供給管路30と、電極12a、12bに直流電圧を印加する電源装置40とを備えている。
電解槽11は、被電解水を電気分解するための一室型の無隔膜電解槽であり、中に一対の電極12a、12bが配設されている。電解槽11には、水道等の給水源から原水を供給する原水供給管路20と、電解槽11で生成された微酸性電解水を注出する注出管路13が接続されている。
原水供給管路20には、減圧弁21と通水弁22が介装されており、給水源から送られる原水が減圧弁21によって圧力が下げられ、通水弁22の開放によって電解槽11に供給される。また、原水供給管路20には、温度センサ23と流量計24が介装されており、温度センサ23は、原水供給管路20を通過する原水の温度を検出し、流量計24は、原水供給管路20を通過する原水の流量を検出する。なお、この原水供給管路20には、アルカリ度測定器を設けて、アルカリ度測定器により原水のMアルカリ度を計測するようにしてもよい。
原水供給管路20には、電解質水溶液タンク31から電解質水溶液を送出ポンプ(送出手段)32を介して原水供給管路20に供給するための電解質水溶液供給管路30が接続されている。電解質水溶液タンク31内に貯えた電解質水溶液は、少なくとも塩酸を含むものであり、この実施形態では飽和塩化ナトリウム水溶液に塩酸を所定濃度となるように調製したものである。電解質水溶液タンク31内の電解質水溶液は、送出ポンプ32の作動によって電解質水溶液供給管路30を通って原水供給管路20に送られ、原水に添加される。送出ポンプ32は、1ストローク当たり一定量の水溶液を送り出すタイプのパルスポンプであり、パルス信号の周期に応じてポンプのストロークの周期を変える(単位時間当たりのストローク数を変える)ことにより、電解質水溶液の流量(単位時間当たり流れる体積)を可変とするものである。電解質水溶液タンク31内の電解質水溶液は、所定の特性の微酸性電解水を生成するために、原水のMアルカリ度に応じて異なる適切な塩酸濃度の電解質水溶液が用いられる。具体的には、原水のMアルカリ度が20〜40ppmの範囲では、塩酸濃度が0.8wt%の電解質水溶液を用い、原水のMアルカリ度が40〜60ppmの範囲では、塩酸濃度が1.0wt%の電解質水溶液を用い、原水のMアルカリ度が60〜80ppmの範囲では、塩酸濃度が1.2wt%の電解質水溶液を用いるようにしている。詳しくは、図2を参照して後記する。
電源装置40は、電解槽11内の電極12a、12bに直流電圧を印加して、電解槽11内の被電解水を電気分解するものである。電源装置40と電極12aとの間には電流計41が接続されており、電流計41は、被電解水を通して電極12a、12bの間を流れる実際の電解電流を計測するものである。電極12a、12bの間には電圧計42が接続されており、電圧計42は、電極12a、12bの間に印加される実際の電解電圧を計測するものである。
図2は、この実施形態の電解水生成装置10が備えているデータテーブル50の具体的内容を示すもので、このデータテーブル50は、原水のMアルカリ度と、電解質水溶液の塩酸濃度と、原水の水温のそれぞれ予め考慮された複数の各環境条件に対する、アルカリ度pH=5.0〜6.5で有効塩素濃度=10〜80ppmの微酸性電解水を生成するために電極に印加すべき適切な電圧値と電極間に流すべき適切な電流値を、予め実験により求めて一覧表の形で示したものである。図示の表は、環境条件として、原水のMアルカリ度が20〜80ppmの範囲について、添加する電解質水溶液の塩酸濃度が0.8〜1.2wt%の範囲について、原水の温度が5〜30℃の範囲について、所定の微酸性電解水を生成するのに適切な電圧値と電流値を示している。より具体的に説明すると、原水のMアルカリ度が20〜40ppmの範囲では、塩酸濃度が0.8wt%の電解質水溶液を用い、原水のMアルカリ度が40〜60ppmの範囲では、塩酸濃度が1.0wt%の電解質水溶液を用い、原水のMアルカリ度が60〜80ppmの範囲では、塩酸濃度が1.2wt%の電解質水溶液を用いるようにしている。さらに、それぞれの条件の組合せについて原水の異なる水温5〜30℃の範囲に対して、所定の電解水生成に適切な電圧値と電流値が示されている。例えば、水温15℃でMアルカリ度50ppmの原水に対しては、原水に塩酸濃度1.0wt%の電解質水溶液を添加して、電極12a、12bの間に6.7Vの直流電圧を印加して、20Aの電流が流れるようにする。この場合、電流の値は、被電解水の導電度に応じて決まり、その導電度は、電解質水溶液で添加された被電解水中の塩化ナトリウムの濃度に応じて決まるので、流れる電流が少なければ、電解質水溶液の添加流量を多くし、流れる電流が多ければ、電解質水溶液の添加流量を少なくすることにより、所定の電流が流れるように調節して運転する。なお、図2のデータテーブルがカバーする各環境条件の範囲の外の隣接条件については、適宜外挿補間により値を算出して、その値が使用される。
次に、この出願の発明による電解水生成装置の制御系について説明する。図3は、図1の構成のうち制御に関連する構成部分と図2のデータテーブル50に対する制御系の関連を示すブロック線図である。図3において、制御系は、電圧電流値提示装置60と制御装置70を含んで構成されている。電圧電流値提示装置60は、実際の原水のMアルカリ度、添加する電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温という実際の環境条件情報の入力を受けて、データテーブル50からその環境条件下で所定の電解水を生成するために適切な電解電圧値と電解電流値を読み出して、提示するものである。この場合、各環境情報は、それぞれの計測器で検知した値を作業者がボタン操作などで人為的に入力する構成としてもよいし、それぞれの計測器をこの電解水生成装置の系に付随させて、各計測器から直接に信号入力する構成としてもよい。提示された電解電圧値は、電源装置40に伝達されて、電源装置40は、その電圧値の直流電圧を電極12a、12b(図1)に印加する。他方、提示された電解電流値は、制御装置70に伝達される。制御装置70は、電解質水溶液供給管路30から電解槽11に供給すべき電解質水溶液の流量を制御するもので、当該提示された電解電流値を目標電流値として、当該目標電流値と電流計41の計測した計測電流値との差に基づいてPI制御の手法により所定の演算周期で順次演算して、電流計41が計測する実際の計測電流値が目標電流値に漸近するように、原水に添加する電解質水溶液の流量を所定の演算周期で順次自動的に調節しながら、その流量の電解質水溶液を供給するように送出ポンプ32を制御するものである。
ここで、目標電流値と計測電流値との差に基づいて送出ポンプ32の送出流量を制御するPI制御について、具体的に説明する。送出流量は、パルスポンプのストローク速度(単位時間当たりのストローク数)を変えることによって、調節する。ストローク速度は、ここでは、[ストローク/分](または[spm])の単位で表す。以下、各種の量の単位を[ ]内に示す。演算周期は、ここでは、1秒である。次式[数1]は、目標電流値と現実の電流値との差に応じてPI制御の手法によりストローク速度を算出する関係式である。なお、ここで用いるPI制御手法は、いわゆるPID制御手法のうちのP項とI項による制御を行うものである。
Figure 2019136625
ここに、Strknは今回の演算時点で算出されるストローク速度[spm]、Strkn-1は前回の演算時点で算出されたストローク速度[spm]、en は今回の演算時点における目標電流値[A]と計測電流値[A]との差[A]、en-1 は前回の演算時点における目標電流値と計測電流値との差、Kp [spm/A]はP項(比例項)の係数、Kp [spm/A]/TI [s]はI項(積分項)の係数である。なお、ストローク速度により添加流量を変える方式の場合、ストローク速度が遅いと被電解水の導電度が波打って変化し(電解質水溶液を打ち込んだときに、少し遅れて導電度が一瞬上がり、その後下がる)、電流が波打つため、この発明では、D項(微分項)による制御は不適当なので、使用しない。Δt[s]は演算周期で、ここでは1秒である。
この発明は、実際の制御が良好に行われるように、式[数1]の右辺の第2項であるP項(比例項)および右辺の第3項であるI項(積分項)の各係数の設定に特徴があるので、その点について説明する。すなわち、この発明では、P項、I項の係数を水温、流量、電圧に応じて設定して、PI制御が水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたって適切になされるようにした。
様々な環境条件(Mアルカリ度、塩酸濃度、水温、流量、電圧)について、PI制御における無駄時間、時定数およびゲインに関して実験で調べたところ、次のことが分かった。
1.無駄時間は、流量にほぼ反比例し、その他の影響は少ない。
2.時定数も、流量にほぼ反比例し、その他の影響は少ない。
3.3V程度以上の電圧を印加しないと、電流が流れない(不感帯がある)。
また、既知の知見として、次のことが分かっている。
4.ゲインは、水温による+2%/℃の影響がある。
5.ゲインは、流量にほぼ反比例する。
さらに、発明者らの実験によると、P項およびI項について係数を独立に設定するのではなく、水温、流量、電圧からPI制御における無駄時間、時定数、ゲインを計算して、それら無駄時間、時定数、ゲインからP項の係数とI項の係数を計算するやり方により、水温、流量、電圧の幅広い変化範囲にわたって良好な制御が可能であることが分かった。
以上のことを踏まえて、式[数1]におけるP項の係数とI項の係数を、無駄時間LPL[s]、時定数TPL[s]、ゲインKPL[A/spm]により、次式[数2]により定義する。
Figure 2019136625
ここに、KPcoef とTIcoef は、各項の係数の効果の度合いを調節するための係数である。また、無駄時間LPL、時定数TPL、ゲインKPLは、以下の意味をもつものである。すなわち、添加すべき電解質水溶液を一定ストローク打ったときに、電流がある時間遅れてから立ち上がり始めて定常値に近づいていくが、その立ち上がりまでの時間的遅れが無駄時間であり、立ち上がり曲線の初期傾斜が時定数であり、定常状態における電流値(増加量)とストローク量(ストローク速度の増加量)との比がゲインである。同型の電解水生成装置において予め実験により求めた良好に当てはまる関係式として、具体的な数値を含んで、次式[数3]を作成した。なお、流量の単位は[L/min]、水温の単位は[℃]、電圧の単位は[V]である。
Figure 2019136625
式[数3]に示すように、無駄時間は、原水の流量に反比例し、時定数は、原水の流量に反比例し、ゲインは、原水の水温による+2%/℃の影響があり、不感帯を超える印加電圧値に比例し、原水の流量に反比例する。このように、PI制御を行うに当たり、P項、I項の係数を実際の運転における水温、流量、電圧に応じて設定することにより、PI制御が水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたって良好になされる。
次に、ストロークの周期(打込み周期)が比較的長い場合に、測定した電流が波打つ現象の影響およびその抑制手法について説明する。図4は、演算周期より長い周期で電解質水溶液がストロークポンプにより打ち込まれる場合(ストローク速度が比較的遅い場合)における計測電流の時間的変化波形Wを示している。図示の場合、演算時点t1 では、計測電流値が高くなっており、その高い計測電流値に対して打ち込みのストローク速度が演算されるので、もし、その測定電流値が目標電流値よりも大きいと、ストローク速度を下げる方向の演算がなされる。しかし、その後の演算時点t2 やt3 では、計測電流値が低くなっていて、その低い計測電流値に対して打ち込みのストローク速度が演算されるので、ストローク速度を上げる方向の演算がなされる。このように、計測電流値が波打つと、送出ポンプを制御する演算結果が安定せず、目標の電流値に漸近させることが難しいことになる。
続いて、測定した電流の波打つ現象がP項およびI項による制御における影響を少なくする手法について説明する。図5は、その手法を実施する場合の制御系のブロック線図であり、前記図3の制御系に相当する部分の一部を変形したものである。なお、図5の実施形態および前記図3の実施形態とも、演算をデジタル処理で行うため、PI制御の演算周期は、1秒であり、電流の測定は、0.1秒周期でデジタル的に行っている。計測した電流の波形は、打込み周期と同じ周期で少し遅れて瞬間的に高くなり波打つが、図5の実施形態では、その電流波形を一次遅れ回路73によりその周期の1/2の時定数で一次遅れ処理することにより適当に平坦化して、上記算出式における計測電流値として演算に使用する。一次遅れ回路73を介することにより、演算に使用される計測電流の変化波形は、図4においてW73で示すような形となり、PI制御の不安定さが抑制される。
以上説明したように、この発明による電解水生成装置では、運転に際して、環境条件に応じて電気分解の電極に印加される電圧が適切な値に自動的に設定されるとともに、電極間を流れる電流が水温、流量、電圧の幅広い範囲にわたってPI制御により適切な値に自動的に調節されて、所定のアルカリ度および所定の有効塩素濃度の微酸性電解水を生成することができる。
10…電解水生成装置、11…電解槽、12a、12b…電極、20…原水供給管路、30…電解質水溶液供給管路、32…送出ポンプ、40…電源装置、41…電流計、42…電圧計、50…データテーブル、60…電圧電流値表示装置、70…制御装置、73…一次遅れ回路。

Claims (6)

  1. 一対の電極を配設した電解槽と、
    給水源から供給される原水を前記電解槽に供給する原水供給管路と、
    前記電解槽に供給される原水に少なくとも塩酸を含む電解質水溶液を流量可変の送出ポンプを介して供給する電解質水溶液供給管路と、
    原水のMアルカリ度、添加する電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温のそれぞれ予め考慮された各複数の環境条件値に対して、前記電解槽内で所定のpH値および所定の有効塩素濃度を有する電解水を生成するために前記電極間に印加すべき直流電圧の各所要電圧値と前記電極間を流れるべき電流の各所要電流値を示すデータテーブルと、
    電解水の生成を行う際の実際の原水のMアルカリ度、添加する電解質水溶液の塩酸濃度および原水の水温の環境条件情報の入力を受けて、前記データテーブルからその環境条件下で電解水を生成するために適切な電解電圧値と電解電流値を読み出して提示する電圧電流値提示装置と、
    前記一対の電極に前記電解電圧値の直流電圧を印加する電源装置と、
    前記電極間に実際に供給されている電流を計測電流値として計測する電流計測手段と、
    前記電解質水溶液供給管路から前記電解槽に供給すべき前記電解質水溶液の流量を、前記電解電流値を目標電流値として、当該目標電流値と前記計測電流値との電流値差に基づいてPI制御の手法により所定の演算周期で順次演算して、順次前記計測電流値が前記目標電流値に漸近するように、前記原水に添加する前記電解質水溶液の流量を前記演算周期で順次自動的に調節しながら供給するように前記送出ポンプを制御する制御装置と
    を備えてなり、
    前記PI制御における演算のP項の係数およびI項の係数は、前記原水の水温、前記原水の流量および前記電解電圧値に応じて無駄時間、時定数およびゲインを求めたうえで、前記無駄時間、前記時定数および前記ゲインから算定されることを特徴とする
    電解水生成装置。
  2. 請求項1に記載の電解水生成装置において、
    前記制御装置における演算において、前記無駄時間は、前記原水の流量に反比例する係数として求められ、前記時定数は、前記原水の流量に反比例する係数として求められ、前記ゲインは、原水の水温による+2%/℃の影響があり、不感帯を超える印加電圧値に比例し、原水の流量に反比例する係数として求められる
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  3. 請求項1または2に記載の電解水生成装置において、
    前記制御装置において前記演算周期の各演算時点で演算して算出する電解槽に供給すべき電解質水溶液の今回算出流量が、直前の演算時点において算出した電解槽に供給すべき電解質水溶液の前回算出流量に、今回電流値差から前回電流値差を減じた値にP項の係数を乗じた値と、今回電流値差に演算周期とI項の係数を乗じた値とを加算して得られる
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  4. 請求項3に記載の電解水生成装置において、
    前記制御装置において前記演算周期の各演算時点で演算して算出する電解槽に供給すべき電解質水溶液の今回算出流量Strknが、式[数1]により演算して算出され、
    Figure 2019136625
    上記式[数1]において、前記送出ポンプが1ストローク当たり一定量の水溶液を送り出すタイプのパルスポンプであって、単位時間当たりのストローク数、すなわちストローク速度を変えることにより、前記電解質水溶液の流量を可変とするものであり、Strknは今回演算時点で算出される前記電解質水溶液の今回算出流量、Strkn-1は前回演算時点で算出された前記電解質水溶液の流量、en は今回演算時点での今回電流値差、en-1 は前回演算時点での前回電流値差、Δtは演算周期であり、ここに、KP は[数1]におけるP項の係数、KP /TI は[数1]におけるI項の係数で、KP とTI は、無駄時間LPLと時定数TPLとゲインKPLとによって式[数2]により定義される、
    Figure 2019136625
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  5. 請求項4に記載の電解水生成装置において、
    前記無駄時間LPL、時定数TPL、ゲインKPLは、それぞれ式[数3]によって求められたものであり、
    Figure 2019136625
    ここに、流量は前記原水の流量であり、水温は前記原水の水温であり、電圧は前記一対の電極に印加されている電解電圧値である、
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電解水生成装置において、
    前記送出ポンプは、1ストローク当たり一定量の水溶液を送り出すタイプのパルスポンプであって、前記パルスポンプのストロークの周期を変えることにより前記電解質水溶液の流量を可変とするものであり、
    前記制御装置は、前記電流計測手段が計測する前記計測電流値の時間的変化波形を前記パルスポンプのストロークの周期の1/2を時定数とする一次遅れ処理をする一次遅れ回路を介して遅延電流波形を得て、当該遅延電流波形の値を前記PI制御の手法における計測電流値として演算する
    ことを特徴とする電解水生成装置。
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