JP2019135526A - 合わせずれ検査装置および合わせずれ検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置合わせマークの検出精度を向上させる。【解決手段】合わせずれ検査装置10は、位置合わせマークMP1及び前記位置合わせマークMP1の下層に反射膜が形成された基板Wに光を照射する光源31と、前記基板Wからの反射光から、前記位置合わせマークMP1からの反射光を抽出する演算部72と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、合わせずれ検査装置および合わせずれ検査方法に関する。
従来、半導体デバイス製造工程の一工程では、所定膜の合わせずれ量を計測するため、光学式の合わせずれ検査装置によってXY方向の合わせずれ検査を行なっている。この合わせずれ検査装置では、例えば位置合わせマークの合わせずれ量を計測しており、この計測結果に基づいて合わせずれ量判定やプロセスコントロールが行われている。
ところで、従来技術においては、例えば、位置合わせマークの検出精度の点でさらなる改善の余地がある。
実施形態の合わせずれ検査装置は、位置合わせマーク及び前記位置合わせマークの下層に反射膜が形成された基板に光を照射する光源と、前記基板からの反射光から、前記位置合わせマークからの反射光を抽出する抽出部と、を備える。
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1〜図4を用い、実施形態1の合わせずれ検査装置および合わせずれ検査処理について説明する。
図1〜図4を用い、実施形態1の合わせずれ検査装置および合わせずれ検査処理について説明する。
(合わせずれ検査装置の構成例)
図1は、実施形態1にかかる合わせずれ検査装置10の全体構成を示す図である。図1の上段は、合わせずれ検査装置10で検出される位置合わせマークMP1の一例を示す平面図である。
図1は、実施形態1にかかる合わせずれ検査装置10の全体構成を示す図である。図1の上段は、合わせずれ検査装置10で検出される位置合わせマークMP1の一例を示す平面図である。
図1に示すように、合わせずれ検査装置10は、パルスレーザ光源31、照明レンズ41、ハーフミラー44、対物レンズ42、結像レンズ43、撮像素子50、ステージ60、および制御部70を備える。
ステージ60は、ウェハWを水平に保持した状態で水平方向に移動させることができる。ウェハW上には、例えば、レジスト膜RFと加工対象膜PFとが形成されている。加工対象膜PFは、例えばシリコン酸化膜、シリコンナイトライド膜等の絶縁膜である。加工対象膜PFには、位置合わせマークMP1が形成されている。位置合わせマークMP1は、例えば、加工対象膜PFに埋め込まれたタングステン等の金属膜である。位置合わせマークMP1により、ウェハWに対する加工対象膜PFのXY方向(水平方向)における合わせずれ量が判定される。この合わせずれ量を、例えば、後の工程であるレジスト膜RFのパターニングの際に参照する。これにより、加工対象膜PFに対し、レジスト膜RFが所定の精度を保ってパターニングされたか否かがわかる。
パルスレーザ光源31は、ステージ60上のウェハWに照射されるパルスレーザ(パルス光)を発生する。パルス光の波長は、例えば、400nm以上900nm以下、好ましくは、400nm以上800nm以下に設定されている。パルス光の1パルスあたりの発光時間は、例えば、10ピコ秒以下、好ましくは1ピコ秒以下である。パルス光の発光周期、つまり、1回のパルスと次のパルスとの間隔は、ウェハWからの反射光および回折光等がパルス光に重複しない周期となっている。具体的には、パルス光の発光周期は、例えば、50ピコ秒以上1000000ピコ秒(1マイクロ秒)以下である。
照明レンズ41は、パルスレーザ光源31から放射されたパルス光を集光させる。ハーフミラー44は、ウェハWから放射されたパルス光を反射させたり、ウェハWから反射された反射光を透過させたりする。対物レンズ42は、パルス光をウェハW上に集光させる。結像レンズ43は、撮像素子50の撮像面にウェハWからの反射光および回折光を集光させる。
検出部としての撮像素子50は、ウェハWからの反射光および回折光を検出する。撮像素子50は、CCDであってもよいし、CMOSイメージセンサであってもよい。撮像素子50は、ウェハW上の位置合わせマークMP1を撮像してもよい。
制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサ、メモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)等を備えるコンピュータとして構成されている。制御部70は、パルスレーザ光源31、照明レンズ41、ハーフミラー44、対物レンズ42、結像レンズ43、撮像素子50、およびステージ60の動作を制御する。また、制御部70は、収集部71と演算部72と出力部73と、記憶部74と、を備える。
収集部71は、撮像素子50が検出した光を信号として受け取る。かかる信号の強度は継時的に変化する。収集部71は、所定時間、これらの信号のデータを収集することで、信号の時間に対する強度分布を得る。
抽出部としての演算部72は、収集部71により収集された信号の強度分布のうち、所定の範囲を抽出する。信号強度は1回のパルス発光に対し、継時的に減衰していく。そこで、所定の信号強度を閾値と定め、信号強度がかかる閾値に低下するまでを所定範囲とすることができる。または、1回のパルス発光後、一定期間を所定範囲とすることができる。
演算部72は、また、抽出した信号を、検出対象である位置合わせマークMP1からの検出信号として演算処理する。つまり、抽出された信号は、位置合わせマークMP1からの反射光として演算処理される。これにより、位置合わせマークMP1が検出される。
演算部72は、また、検出された位置合わせマークMP1のウェハWに対する相対位置から、位置合わせマークMP1の合わせずれ量を算出する。位置合わせマークMP1の合わせずれ量が所定値内の場合、当該ウェハWを合格と判定する。位置合わせマークMP1の合わせずれ量が所定値から外れている場合、当該ウェハWを不合格と判定する。
出力部73は、演算部72が検出した位置合わせマークMP1の画像、合わせずれ量、および合否判定等を出力装置80に出力する。出力装置80は、例えば、モニタ等である。
記憶部74には、検出された位置合わせマークMP1のウェハWにおける位置情報が格納される。かかる位置情報は、例えば後の工程にて参照される。
以下、図2および図3を用い、制御部70の機能についてさらに詳細に説明する。
図2は、実施形態1にかかる合わせずれ検査対象のウェハWのA−A’断面図である。ウェハW上の加工対象膜PFの上方には、例えばレジスト膜RFが形成されている。加工対象膜PFの下方には、多層膜からなる下層膜UFが形成されている。下層膜UFを構成する多層膜は、例えば、素子を構成する金属膜、半導体膜、および絶縁膜等が積層された膜である。下層膜UFは、素子の形成工程で用いられるマスク膜等の膜を含んでいてもよい。下層膜UFは、例えば最下層に、反射膜としての金属膜MF1を含んでいる。
加工対象膜PFの位置合わせマークMP1を検出するにあたり、制御部70は、パルスレーザ光源31を動作させる。これにより、一定周期のパルス光L1,L2等がウェハWに照射される。
例えば、パルス光L1は、位置合わせマークMP1の上面に当たり、上方へと反射する反射光Lr1となる。ウェハW上方のハーフミラー44、結像レンズ43を透過した反射光Lr1は撮像素子50へと到達し、検出される。
例えば、パルス光L2は、位置合わせマークMP1の間を抜けて、一部が下層膜UFを透過する。下層膜UFを透過したパルス光L2は、例えば、下層膜UFに含まれる金属膜MF1の上面に当たり、上方へと反射する反射光Lr2となる。ウェハW上方のハーフミラー44、結像レンズ43を透過した反射光Lr2は撮像素子50へと到達し、検出される。
例えば、反射光Lr2の一部は回折光Ld2となり、位置合わせマークMP1の下面に当たり、下層膜UF方向へと反射する反射光Lr3となる。反射光Lr3は、例えば、金属膜MF1の上面に当たり、上方へと反射する反射光Lr4となる。ウェハW上方のハーフミラー44、結像レンズ43を透過した反射光Lr4は撮像素子50へと到達し、検出される。
このように、撮像素子50においては、位置合わせマークMP1からの反射光Lr1だけでなく、下層膜UFに含まれる種々の膜からの反射光や回折光等も検出される。これらの反射光および回折光は互いに反射光Lr1と干渉し合った状態となっている。制御部70は、これらの反射光および回折光の影響を低減し、反射光Lr1を抽出する。
図3の(a)は、実施形態1にかかるウェハWへの入射光の波形を模式的にあらわした図であり、(b)は、実施形態1にかかるウェハWからの反射光および回折光の波形を模式的に表した図であり、(c)は、実施形態1にかかるウェハWの断面図である。これらの反射光および回折光の波形は、撮像素子50により検出され、収集部71により収集された波形である。パルスレーザ光源31からの光、ウェハWからの反射光、回折光等の光を、以後、信号とも呼ぶ。
図3(a)に示すように、パルスレーザ光源31が一定周期でパルス光を発すると、ウェハWには所定強度の入射光(信号)が入射される。
また、図3(b)に示すように、ウェハWへの入射光の入射から一定期間を経て、撮像素子50は、位置合わせマークMP1からの反射光Lr1を含む種々の光(信号)を検出する。
最初に検出される最も強度の高い信号が、ウェハW表層に近い位置合わせマークMP1からの反射光Lr1である。これに対し、例えば、金属膜MF1が位置合わせマークMP1の上面から8μm下方にあるとすると、光L2,Lr2と光L1,Lr1との光路差OPは16μmとなる。この光路差OPにより、光L2,Lr2には、光L1,Lr1に対し、時間差にして約53ピコ秒の遅れがもたらされる。この時間差は、下層膜UFの各層の屈折率を考慮せずに算出されたもので、実際にはより大きな時間差が生じうる。また、下層膜UFの膜厚を8μmとしたのは、現行の比較的厚膜の半導体デバイスの膜厚を例にとったものである。
上述のパルス光の発光時間から、パルスレーザ光源31が発するパルス光は、10ピコ秒と同等、より好ましくは1ピコ秒と同等、またはそれらよりも微小な時間分解能を有する。よって、約53ピコ秒遅れの反射光Lr2と、位置合わせマークMP1からの反射光Lr1とは技術的に分離可能である。
また、上述のように、パルス光の発光周期は50ピコ秒以上1マイクロ秒以下である。厚膜の8μmにおいて時間差が約53ピコ秒であるので、50ピコ秒以上の発光周期であれば、パルスレーザ光源31からの照射光とウェハWからの反射光とが重複してしまうことを充分に抑制できる。また、下層膜UF中における多重反射や、今後の半導体デバイスがさらに厚膜化していくことに鑑みても、上限の1マイクロ秒は光の重複を抑制するに充分な発光周期といえる。
ところで、下層膜UFを透過した反射光Lr2の強度は、表層における反射光Lr1の強度より減衰している。さらに、このような光L2,Lr2以外にも、撮像素子50は様々な光を検出している。したがって、反射光Lr1は他の光と干渉した状態となっており、検出される信号は、図3(b)に示すように、時間経過とともに急速に減衰する波型の波形となる。
上述のように、制御部70の収集部71は、これらの信号の時間に対する強度分布を得る。つまり、図3(b)のような信号の波形データを得る。
演算部72は、これらの波形データから、1ピークあたりの所定の範囲を抽出する。抽出される所定範囲は、例えば、最も高い信号強度を100%としたときの所定の信号強度を閾値として、信号強度が100%からかかる閾値に低下するまでとすることができる。このような抽出範囲の信号は、その他の余計な信号がほぼ取り除かれ、主に位置合わせマークMP1からの信号であると考えられる。
このとき、閾値を100%に近づけていくほど、より確実に位置合わせマークMP1からの信号のみを抽出できる。しかし、合わせずれ検査に必要な光量が得られるまでに時間がかかりすぎてしまう。このため、閾値の好ましい範囲は、例えば、信号強度が30%以上100%以下の範囲である。図3(b)の例は、閾値を信号強度50%として、信号強度が100%から50%に低下するまでを所定範囲としている。
なお、所定範囲を定めるために閾値を決めるのではなく、上述のように、パルス光の発光後の一定期間、つまり、入射光の入射から一定期間を所定範囲としてもよい。
演算部72は、さらに、位置合わせマークMP1の検出に充分な光量が得られるまで、複数ピークについて上記所定範囲を抽出する。このとき必要なピーク数、つまり、パルス光のパルス数としては、例えば、103以上1010以下である。1パルスあたりの発光時間及び1ピークあたりの抽出範囲にもよるが、パルス数が103以上であれば充分な光量が得られる。また、パルス数が1010以下であれば、合わせずれ検査装置10のスループット低下を抑制することができる。
演算部72は、このように抽出された信号を検出信号として演算処理することで、位置合わせマークMP1を検出する。
(合わせずれ検査処理の例)
次に、図4を用いて、合わせずれ検査装置10における合わせずれ検査処理の例について説明する。図4は、実施形態1にかかる合わせずれ検査装置10における合わせずれ検査処理の手順の一例を示すフローチャートである。
次に、図4を用いて、合わせずれ検査装置10における合わせずれ検査処理の例について説明する。図4は、実施形態1にかかる合わせずれ検査装置10における合わせずれ検査処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS11において、合わせずれ検査装置10のステージ60にウェハWが載置される。
ステップS12において、パルスレーザ光源31は、ウェハWに向けてパルス光を照射する。ステップS13において、撮像素子50は、ウェハWからの光を検出する。ステップS14において、収集部71は、撮像素子50からの光を信号として収集する。ステップS15において、演算部72は、収集された信号の強度分布の所定範囲を抽出し、演算処理を行う。ステップS16において、演算部72の演算処理により、位置合わせマークMP1が検出される。このとき、検出された位置合わせマークMP1の位置情報が記憶部74に格納される。
ステップS17において、演算部72は、ウェハWに対する位置合わせマークMP1の合わせずれ量を算出する。ステップS18において、演算部72は、合わせずれ量が所定の閾値内であるか否かを判定する。合わせずれ量が閾値内であれば(Yes)、ステップS19aにおいて、演算部72は、当該ウェハWを合格と判定する。合わせずれ量が閾値から外れていれば(No)、ステップS19bにおいて、演算部72は、当該ウェハWを不合格と判定する。ステップS20において、出力部73は、演算部72の判定結果を出力装置80に出力する。
以上により、合わせずれ検査装置10における合わせずれ検査処理が終了する。合格とされたウェハWは、次の工程へと送られる。次の工程では、位置合わせマークMP1の位置情報を参照しながら、例えば、レジスト膜RFのパターニングが行われる。不合格とされたウェハWは、例えば、加工対象膜PFの成膜工程等に送られ、リワークされる。
半導体デバイスの製造工程では、異なる材質やレイアウトで構成される複数の層を立体的に積層し、複雑な回路を形成している。半導体デバイスの高性能化に対応するため、半導体デバイスの構成要素である回路素子は微細化しており、各層を積層する際の重ね合わせ精度に対する要求も厳しくなっている。現在の先端的な半導体デバイスにおける重ね合わせ精度の要求値は、例えば10nm以下である。それに応じて、位置合わせマークの検出精度の要求値は、例えば1nm以下となっている。
従来の合わせずれ検査装置においては、加工対象膜の位置合わせマークを検出するにあたり、下層膜での光の反射、吸収、拡散等により、様々な光が検出されてしまう。これらの余計な光が位置合わせマークからの反射光と干渉し、計測ノイズとなって検査精度を低下させていた。
実施形態1の合わせずれ検査装置10においては、位置合わせマークMP1の検出に用いる光源をパルスレーザ光源31としている。パルスレーザ光源31が発するパルス光は、位置合わせマークMP1からの反射光Lr1に干渉する他の光を分離するのに充分な時間分解能を有する。よって、撮像素子50が検出した光から、位置合わせマークMP1からの信号を抽出することが可能となる。これにより、計測ノイズを低減し、より高精度の合わせずれ検査を行うことができる。
なお、検査に付されるウェハWにはレジスト膜RFが形成されているものとしたが、レジスト膜RF形成前のウェハWに対して合わせずれ検査をしてもよい。
[実施形態2]
次に、図5〜図7を用い、実施形態2の合わせずれ検査装置20および合わせずれ検査処理について説明する。実施形態2の合わせずれ検査装置20は、位置合わせマークMP1からの光(信号)の抽出手法が実施形態1の合わせずれ検査装置10とは異なる。
次に、図5〜図7を用い、実施形態2の合わせずれ検査装置20および合わせずれ検査処理について説明する。実施形態2の合わせずれ検査装置20は、位置合わせマークMP1からの光(信号)の抽出手法が実施形態1の合わせずれ検査装置10とは異なる。
(合わせずれ検査装置の構成例)
図5は、実施形態2にかかる合わせずれ検査装置20の全体構成を示す図である。図5に示すように、合わせずれ検査装置20は、光源32、照明レンズ41、ハーフミラー44、対物レンズ42、結像レンズ43、撮像素子50、ステージ60、偏光フィルタ90、および制御部75を備える。
図5は、実施形態2にかかる合わせずれ検査装置20の全体構成を示す図である。図5に示すように、合わせずれ検査装置20は、光源32、照明レンズ41、ハーフミラー44、対物レンズ42、結像レンズ43、撮像素子50、ステージ60、偏光フィルタ90、および制御部75を備える。
合わせずれ検査装置20においては、パルス光ではなく通常の光を発する光源32を用いることができる。ただし、実施形態1の合わせずれ検査装置10のように、パルスレーザ光源31を使用することを禁止するものではない。光源32が発する光の波長は、例えば、400nm以上900nm以下、好ましくは、400nm以上800nm以下である。
抽出部としての偏光フィルタ90は、例えば、結像レンズ43と撮像素子50との間に配置される。偏光フィルタ90は、スリット状の偏光膜を備える。偏光膜のスリット幅は、例えばナノメーターオーダーであり、合わせずれ検査装置20に用いられる光源32の光の波長に応じて調整される。偏光フィルタ90は、この偏光膜の働きにより、ウェハWからの光のうち、位置合わせマークMP1からの光を撮像素子50側へ透過させ、後述する下層膜UFからの反射光を遮蔽する。なお、例えば、結像レンズ43内に偏光膜を介在させ、偏光フィルタの機能を果たすようにしてもよい。
制御部75は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサ、メモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)等を備えるコンピュータとして構成されている。制御部75は、光源32、照明レンズ41、ハーフミラー44、対物レンズ42、結像レンズ43、撮像素子50、ステージ60、及び偏光フィルタ90、の動作を制御する。また、制御部75は、収集部76と、演算部77と、出力部78と、記憶部79と、を備える。
収集部76は、撮像素子50が検出した光を信号として受け取る。演算部77は、収集部76により収集された信号に演算処理を施し、位置合わせマークMP1の合わせずれ量から合格または不合格の判定を行う。出力部78は、演算部77が検出した位置合わせマークMP1の画像、合わせずれ量、および合否判定等を出力装置80に出力する。記憶部79は、検出された位置合わせマークMP1の位置情報を格納する。
合わせずれ検査装置20のその他の構成は実施形態1の合わせずれ検査装置10であるので、合わせずれ検査装置10と同じ符号を付してその説明を省略する。
以下、図6を用い、偏光フィルタ90の機能についてさらに詳細に説明する。
図6は、実施形態2にかかる合わせずれ検査装置20の偏光フィルタ90の機能を説明する模式図である。図6に示されるように、ウェハWの下層膜UFは反射膜としての金属膜MF2を含む。金属膜MF2は、素子領域EAとマーク領域MAとで異なるパターンを有する。素子領域EAは、素子が形成される領域である。マーク領域MAは、位置合わせマークMP1の下層にあたる領域、つまり、位置合わせマークMP1と垂直方向で重なり合う領域である。
素子領域EAの金属膜MF2には、例えば、凸部(ライン)と凹部(スペース)とが複数組み合わされたラインアンドスペース(L/S)パターンPeaが形成されている。L/SパターンPeaの延伸方向は、通常、ウェハWを構成するシリコンの所定の結晶方向に対して平行になるよう、または、直交するよう形成される。
マーク領域MAの金属膜MF2には、例えば、L/SパターンPmaが形成されている。かかるL/SパターンPmaの延伸方向は、素子領域EAのL/SパターンPeaの延伸方向に対して角度θmで傾いて形成されている。角度θmは、例えば1°以上45°未満であり、図6の例では45°である。L/SパターンPmaの加工サイズは、例えばマイクロメーターオーダーであり、合わせずれ検査装置20に用いられる光源32の光の波長に応じて調整される。
これらのL/SパターンPea,Pmaは、同じパターン形成工程で一括して形成されることができる。つまり、例えば、同じマスクパターンを用い、同じエッチング工程や埋め込み工程等で加工されることができる。よって、L/SパターンPeaに加え、L/SパターンPmaを形成するにあたって、追加の工程は生じない。
ここで、光源32からウェハWに照射された光L5,L6について考える。
光L6は、偏光フィルタ90を介してウェハWに到達し、金属膜MF2のL/SパターンPmaにより反射され、反射光Lr6となって再び偏光フィルタ90に到達する。このとき、光L6は様々な振幅方向の光を含んだ状態であり、少なくとも一部の光は、偏光フィルタ90のスリット90sを抜けてウェハWに到達することができる。一方、反射光Lr6は、角度θmで所定方向に延伸するL/SパターンPmaにより、主に所定の振幅方向の光のみを含んだ状態となっている。このため、偏光フィルタ90のスリット90sを、反射光Lr6の振幅方向に対して角度θp傾けておけば、反射光Lr6は偏光フィルタ90により遮蔽される。角度θpは、例えば1°以上45°未満であり、図6の例では45°である。ただし、上記の角度θmと、角度θpとが同一の角度である必要はない。
光L5は、偏光フィルタ90を介してウェハWに到達し、位置合わせマークMP1により反射され、反射光Lr5となって再び偏光フィルタ90に到達する。このとき、光L5及び反射光Lr5はともに、様々な振幅方向の光を含んだ状態であり、少なくとも一部の光は、偏光フィルタ90のスリット90sを抜けることができる。つまり、光L5は偏光フィルタ90を透過してウェハWに到達し、反射光Lr5は偏光フィルタ90を透過して撮像素子50に到達する。
したがって、撮像素子50においては、金属膜MF2からの反射光Lr6は検出されず、主に位置合わせマークMP1からの反射光Lr5が検出される。撮像素子50により検出された光Lr5は、収集部76により所定期間、収集され、演算部77が演算処理により増幅させノイズ等を取り除き、出力部78により出力される。
(合わせずれ検査処理の例)
次に、図7を用いて、合わせずれ検査装置20における合わせずれ検査処理の例について説明する。図7は、実施形態2にかかる合わせずれ検査装置20における合わせずれ検査処理の手順の一例を示すフローチャートである。
次に、図7を用いて、合わせずれ検査装置20における合わせずれ検査処理の例について説明する。図7は、実施形態2にかかる合わせずれ検査装置20における合わせずれ検査処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、ステップS21において、合わせずれ検査装置20のステージ60にウェハWが載置される。
ステップS22において、光源32はウェハWに向けて光を照射する。ステップS23において、偏光フィルタ90は、ウェハWからの光のうち、位置合わせマークMP1からの反射光を抽出する。ステップS24において、抽出された光が撮像素子50により検出される。ステップS25において、収集部76が検出された光を信号として収集し、演算部77が演算処理し、位置合わせマークMP1として検出される。検出された位置合わせマークMP1の位置情報は、記憶部79に格納される。
ステップS26において、演算部77は、ウェハWに対する位置合わせマークMP1の合わせずれ量を算出する。ステップS27において、演算部77は、合わせずれ量が所定の閾値内であるか否かを判定する。合わせずれ量が閾値内であれば(Yes)、ステップS28aにおいて、演算部77は、当該ウェハWを合格と判定する。合わせずれ量が閾値から外れていれば(No)、ステップS28bにおいて、演算部77は、当該ウェハWを不合格と判定する。ステップS29において、出力部78は、演算部77の判定結果を出力装置80に出力する。
以上により、合わせずれ検査装置20における合わせずれ検査処理が終了する。
実施形態2の合わせずれ検査装置20においては、金属膜MF2のL/SパターンPmaとの組み合わせにより、偏光フィルタ90がウェハWから検出対象の光を抽出する機能を果たす。これにより、計測ノイズを低減し、より高精度の合わせずれ検査を行うことができる。また、所定位置に偏光フィルタ90を挿入するのみであるので、例えば、既存の合わせずれ検査装置への適用が容易である。また、L/SパターンPmaを追加工程無しに形成できるので、製造工程における負担が生じない。
なお、検査に付されるウェハWにはレジスト膜RFが形成されているものとしたが、レジスト膜RF形成前のウェハWに対して合わせずれ検査をしてもよい。
[実施形態3]
次に、図8及び図9を用い、実施形態3の合わせずれ検査装置および合わせずれ検査処理について説明する。実施形態3の合わせずれ検査装置においては、レジスト膜RFと加工対象膜PFとの重ね合わせの精度を判定する点が、上述の実施形態1,2とは異なる。
次に、図8及び図9を用い、実施形態3の合わせずれ検査装置および合わせずれ検査処理について説明する。実施形態3の合わせずれ検査装置においては、レジスト膜RFと加工対象膜PFとの重ね合わせの精度を判定する点が、上述の実施形態1,2とは異なる。
図8は、実施形態3にかかる合わせずれ検査装置における重ね合わせの精度の判定について説明する模式図である。実施形態3の合わせずれ検査装置の検査対象となるウェハWにおいては、レジスト膜RFに素子形成にかかるパターニングが施される。これと同時に、図8に示すように、位置合わせマークMP2が、位置合わせマークMP1と重なる位置に形成される。実施形態3の合わせずれ検査装置において、これらの位置合わせマークMP1,MP2の相対位置を検出する。これにより、加工対象膜PFに対し、レジスト膜RFのパターンが所定の精度を持って重ね合されたか否かを判定することができる。
実施形態3の合わせずれ検査装置としては、上述の実施形態1の合わせずれ検査装置10、または、実施形態2の合わせずれ検査装置20のいずれかを用いることができる。
図9は、実施形態3にかかる合わせずれ検査装置における合わせずれ検査処理の手順の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップS31にてウェハWをステージ60に載置し、ステップS32にてウェハWに光を照射する。
ステップS33にて、レジスト膜RFの位置合わせマークMP2を検出する。位置合わせマークMP2は表層部に形成されているので、一般的な検出手法により検出することができる。位置合わせマークMP2の位置情報は、記憶部74,79に格納される。
ステップS34にて、加工対象膜PFの位置合わせマークMP1を検出する。位置合わせマークMP1は、実施形態1または実施形態2の手法に基づき、検出することができる。
ステップS35にて、位置合わせマークMP1,MP2の相対位置からレジスト膜RFと加工対象膜PFとの重ね合わせ精度が算出される。ステップS36にて、重ね合わせ精度が所定の閾値内であるか否かが判定される。所定値内であれば(Yes)ステップS37aにて合格判定がなされ、所定値外であれば(No)ステップS37bにて不合格判定がなされる。これらのステップS35〜S36は、実施形態1の演算部72または実施形態2の演算部77により行われる。
ステップS38にて、出力部73,78により、合否判定が出力される。
以上により、実施形態3の合わせずれ検査装置における合わせずれ検査処理が終了する。
実施形態3の合わせずれ検査装置においては、レジスト膜RFと加工対象膜PFとの重ね合わせ精度を判定することができる。また、加工対象膜PFの位置情報を得るため、実施形態1または実施形態2の合わせずれ検査処理を行うので、位置合わせマークMP1を精度よく検出することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,20…合わせずれ検査装置,31…パルスレーザ光源,32…光源,41…照明レンズ,42…対物レンズ,43…結像レンズ,44…ハーフミラー,50…撮像素子,60…ステージ,70,75…制御部,71,76…収集部,72,77…演算部,73,78…出力部,74,79…記憶部,80…出力装置,90…偏光フィルタ,Pea,Pma…L/Sパターン,MF1,MF2…金属膜,MP1,MP2…位置合わせマーク,PF…加工対象膜,RF…レジスト膜,UF…下層膜,W…ウェハ。
Claims (10)
- 位置合わせマーク及び前記位置合わせマークの下層に反射膜が形成された基板に光を照射する光源と、
前記基板からの反射光から、前記位置合わせマークからの反射光を抽出する抽出部と、を備える、
合わせずれ検査装置。 - 前記光源は、パルス光を照射するパルスレーザ光源であり、
前記抽出部は、前記基板からの反射光の時間に対する強度分布の所定範囲を抽出して検出信号として演算処理する制御部である、
請求項1に記載の合わせずれ検査装置。 - 前記パルス光は、10ピコ秒または10ピコ秒よりも微小な時間分解能を有する、
請求項2に記載の合わせずれ検査装置。 - 前記制御部は、
前記強度分布の所定の強度を閾値として、検出された前記反射光の強度が最高値から前記閾値に低下するまでの範囲を前記強度分布の前記所定範囲とする、
請求項2または請求項3に記載の合わせずれ検査装置。 - 前記反射膜は、前記位置合わせマークに垂直方向に重なる位置に複数の溝を有し、
前記抽出部は、前記反射膜からの反射光が有する振幅方向に対して所定角度傾いたスリットを有する偏光フィルタである、
請求項1に記載の合わせずれ検査装置。 - 前記反射膜からの前記反射光が有する前記振幅方向と前記偏光フィルタが有する前記スリットとがなす角度は1°以上45°未満である、
請求項5に記載の合わせずれ検査装置。 - 前記反射膜は、半導体デバイスを構成する複数の他の溝を有し、
前記溝と前記他の溝とは同じパターン形成工程で一括して形成され、
前記溝と前記他の溝とがなす角度は1°以上45°未満である、
請求項5または請求項6に記載の合わせずれ検査装置。 - 位置合わせマーク及び前記位置合わせマークの下層に反射膜が形成された基板に光を照射する照射ステップと、
前記基板からの反射光から、前記位置合わせマークからの反射光を抽出する抽出ステップと、を含む
合わせずれ検査方法。 - 前記照射ステップでは、パルス光を照射し、
前記抽出ステップでは、前記基板からの反射光の時間に対する強度分布の所定範囲を抽出して検出信号として演算処理する、
請求項8に記載の合わせずれ検査方法。 - 前記照射ステップでは、前記反射膜が前記位置合わせマークに垂直方向に重なる位置に複数の溝を有する前記基板に光を照射し、
前記抽出ステップでは、前記反射膜からの反射光が有する振幅方向に対して所定角度傾いたスリットを有する偏光フィルタを介して前記位置合わせマークからの反射光を抽出する、
請求項8に記載の合わせずれ検査方法。
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