JP2019135360A - 水栓柱 - Google Patents

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Abstract

【課題】給水栓の意匠性に影響を与えることなく、泡沫状の液体を吐水すること。【解決手段】枠壁部10を有し、内部が中空とされた柱状の外郭ケース2と、枠壁部に開口した吐水口33を有すると共に、給水された液体が吐水口に向けて内部を流れる給水管3と、吐水口を開閉する給水栓4と、吐水口よりも液体の流通方向の上流側に配置され、給水管に給水された液体に外気を含ませて泡沫水を生成する泡沫水生成部5とを備え、泡沫水生成部は、給水管に組み合わされた外筒部60、及び前記外筒部の内側に組み合わされ、その内側を通じて給水管に給水された液体を通過させる内筒部70を有する通水部50と、外郭ケースの外部からの外気を外筒部内に導く通気部51と、通気部からの外気を、外筒部の内側で、且つ内筒部よりも液体の流通方向の下流側に導くと共に、内筒部を通過した液体に対して混合させる気液混合部52と、を備える水栓柱1を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、水栓柱に関する。
一般的に、蛇口等の給水栓から吐水された液体は、給水栓の下方に位置するシンク或いは水栓パン等に勢いよく衝突し易い。そのため、水跳ねによって周囲に液体が飛沫する不都合が生じてしまう。このような飛沫を抑制するための技術として、例えば吐水される前の液体の一部を泡沫化(気泡化)させる泡沫吐出装置を、蛇口の先端部に取り付ける、或いはシャワーヘッドに組み込む方法等が知られている。
例えば下記特許文献1には、一端に給水口、他端に吐水口を有する通水路と、通水路に設けられ、給水口から供給された水を泡沫水に変換する泡沫部と、泡沫部の上流側に設けられ、通水路内に外気を取り入れる通気路と、を備えた泡沫吐出装置を、シャワーヘッドに組み込んだ泡沫吐水ユニットが開示されている。
国際公開第2017/029835号
ところで、近年、ガーデニング趣向の浸透等により、屋外の手洗い場等には、意匠性、デザイン性に優れた外観を有する多種多様な水栓柱が設置され始めている。そのため、ガーデニングの分野等においては、この種の水栓柱に適した(見劣りがしない)、蛇口等を選択する傾向が強まりを見せている。そこで、このようなニーズに応えるために、水栓柱と同様に、意匠性に優れた外観を有する蛇口等の給水栓が市場に出始めている。
このような意匠性の高い蛇口等の給水栓においては、他の給水栓との差別化を図るために、その機能性よりも外観や外形形状等を重要視する傾向にあるので、例えばその内部で液体を泡沫状に生成するといったことまでは想定されていない。つまり、上記従来の泡沫吐出装置を、意匠性の高い蛇口等の給水栓の内部に組み込むことは想定されていない。従って、水跳ねによって周囲に液体が飛沫する課題が依然として残されている。
なお、上記従来の泡沫吐出装置と同様の装置を、例えば蛇口の先端部に取り付けることも考えられるが、この場合には意匠性を低下させてしまううえ、蛇口の形状等によっては取り付けを行うことができない場合もある。
このようなことから、意匠性の高い蛇口等の給水栓を使用する場合には、飛沫の課題を抱えながら使用する、或いは意匠性の低下を受け入れながら、上記従来の泡沫吐出装置と同様の装置を蛇口の先端部等に取り付けざるを得ないのが現状である。従って、ユーザのニーズを満足することができず、改善の余地が残されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、給水栓の意匠性に影響を与えることなく、泡沫状の液体を吐水することができる水栓柱を提供することである。
(1)本発明に係る水栓柱は、枠壁部を有し、内部が中空とされた柱状の外郭ケースと、前記外郭ケースの内部に配設され、前記枠壁部に開口した吐水口を有すると共に、給水された液体が前記吐水口に向けて内部を流れる給水管と、前記吐水口に装着されると共に、前記吐水口を開閉する給水栓と、前記吐水口よりも液体の流通方向の上流側に配置され、前記給水管に給水された液体に外気を含ませて泡沫水を生成する泡沫水生成部と、を備え、前記泡沫水生成部は、前記給水管に組み合わされた外筒部、及び前記外筒部の内側に組み合わされ、その内側を通じて前記給水管に給水された液体を通過させる内筒部を有する通水部と、前記外郭ケースの外部からの外気を、前記外筒部内に導く通気部と、前記通気部からの外気を、前記外筒部の内側で、且つ前記内筒部よりも液体の流通方向の下流側に導くと共に、前記内筒部を通過した液体に対して混合させる気液混合部と、を備える。
本発明に係る水栓柱によれば、蛇口等の給水栓を開操作することで、吐水口を通じて給水栓から液体を吐水することができる。液体の吐水時、外郭ケースの内部には、吐水口よりも上流側に泡沫水生成部が配設されているので、給水管に給水された液体に外気を含ませることで泡沫化(気泡化)させた泡沫水を生成することができる。これにより、泡沫水として、給水栓から液体を外部に吐水することができる。
具体的には、液体の吐水時、給水管に給水された液体は、吐水口よりも上流側において通水部における内筒部の内側を通過した後、吐水口に向かって流れる。このとき、気液混合部が、通気部を通じて導入された外気を、外筒部の内側で、且つ内筒部よりも下流側に導いて、内筒部を通過した液体に対して混合させる。これにより、気泡を含んで泡沫化した泡沫水を生成することができる(すなわち液体を泡沫水に変換することができる)。そして、気液混合部によって生成された泡沫水は、通水部よりも下流側に位置する吐水口に向かって給水管内を流れるので、上述したように泡沫水として給水栓から吐水することができる。
このように、給水栓から泡沫水として液体を吐水できるので、吐水された液体の水跳ねを抑制することができ、液体の周囲への飛沫を抑制することができる。特に、外郭ケースの内部に配設された泡沫水生成部を利用して泡沫水を生成することができるので、例えば蛇口等の給水栓の形状、サイズ或いは種類等に何ら関係なく、泡沫水を吐水することができる。従って、給水栓の意匠性に影響を与えることがないので、例えば外郭ケースに対応して多種多様な給水栓を任意に選択することが可能である。その結果、意匠性を具備させたいといったユーザのニーズに応えることができる水栓柱とすることができる。
(2)前記通気部は、前記枠壁部と前記外筒部との間に配設され、前記外筒部内と外部とを連通する通気管と、前記通気管に設けられ、前記通気管を通じた外部から前記通水部側に向かう外気の移動を許容し、且つ前記通気管を通じた前記通水部側から外部に向かう液体の移動を規制する規制部と、を備えても良い。
この場合には、規制部が、通気管を通じて外部から通水部側に向けた外気の移動を許容するので、先に述べたように泡沫水を適切に生成することができる。さらに規制部は、通気管を通じて通水部側から外部に向けた液体の移動を規制するので、例えば給水栓から泡沫水として液体を吐水している間、或いは給水栓を閉操作して該給水栓からの液体の吐水を停止している間のいずれの場合であっても、液体が通気管を通じて枠壁部側に漏れ出てしまうことを抑制することができる。従って、外郭ケースの枠壁部における液垂れを抑制することができ、水栓柱の美観が低下することを防止できる。そのため、長期に亘って美観性、品質等を維持し易い水栓柱とすることができる。
(3)前記内筒部は、その外径が前記外筒部の内径よりも小さい小径筒を備え、前記気液混合部は、前記小径筒と前記外筒部との間に前記給水管の中心軸線回りに環状に形成されると共に、前記通気部からの外気が流入する旋回路と、前記小径筒と前記外筒部との間に形成され、前記旋回路内の外気を、前記内筒部よりも液体の流通方向の下流側に導く案内路と、を備えても良い。
この場合には、通気部を通じて環状の旋回路に外気を流入させることができるので、旋回路内で外気を旋回させることができ、速度を上げた状態で案内路を通じて外気を内筒部の下流側に導くことができる。そのため、液体に対して外気をより効果的に混合させることができ、泡沫水を効率良く生成することができるうえ、例えば均一且つ細かな気泡を含む、きめの細かい水流となる泡沫水を生成することができる。従って、飛沫をさらに効果的に抑制することができるうえ、節水にも貢献することができる。
(4)前記内筒部の内周面の少なくとも一部には、その内径が液体の流通方向の上流側から下流側に向かうにしたがって漸次縮径する傾斜面が形成されても良い。
この場合には、給水管内に給水された液体が内筒部における断面テーパ状の傾斜面の内側を通過するので、流速が増加すると共に、いわゆるベルヌーイの定理により、外筒部内のうち内筒部よりも下流側に位置する部分の内圧を例えば大気圧よりも低下させて、負圧化させることができる。そのため、上記負圧を利用して、通気部を通じて外気を外筒部内に積極的に引き込むことができる。従って、液体に対して外気をより効果的に混合させることができ、泡沫水を効率良く生成することができる。
本発明に係る水栓柱によれば、給水栓の意匠性に影響を与えることなく、泡沫状の液体を吐水することができる。従って、例えば外郭ケースに対応して多種多様な給水栓を任意に選択することができ、意匠性を具備させたいといったユーザのニーズに応えることができる。
本発明に係る水栓柱の実施形態を示す外観斜視図である。 図1に示す水栓柱を洗い場側から見た側面図である。 図2に示すA−A線に沿った水栓柱の縦断面図である。 図3に示す泡沫水生成部の周辺を拡大した縦断面図である。 図4に示す泡沫水生成部と給水管とを上下に分離させた状態における縦断面図である。 本発明に係る水栓柱の変形例を示す図であって、図3に対応した縦断面図である。 図6に示すB−B線に沿った水栓柱の横断面図である。
以下、本発明に係る水栓柱の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の水栓柱1は、例えば庭、車庫、公園等の屋外に設置される。具体的には、水栓柱1は、屋外に設けられた洗い場Wに隣接して配置され、設置面Sから上方に向けて立設した状態で設置されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば洗い場Wに関係なく水栓柱1を設置しても構わないし、その一部が地中に埋設された状態で水栓柱1を設置しても構わない。
図1〜図3に示すように、水栓柱1は、内部が中空とされ、設置面Sに対して略垂直に立設された柱状の外郭ケース2と、外郭ケース2の内部に配設され、給水された液体が内部を流れる給水管3と、外郭ケース2に装着され、後述する吐水口33を開放可能に閉塞する蛇口(給水栓)4と、外郭ケース2の内部に設けられ、給水管3に給水された液体に外気を含ませて泡沫水を生成する泡沫水生成部5と、を備えている。
(外郭ケース)
外郭ケース2は、4つの枠壁部10を有し、上方及び下方にそれぞれ開口した横断面正方形状に形成されている。ただし、外郭ケース2の形状は、この場合に限定されるものではなく、例えば横断面視矩形状、四角以外の多角形状、楕円状或いは円形状等でも良く、適宜変更して構わない。
4つの枠壁部10のうち、洗い場W側を向いた枠壁部10を前壁部11といい、前壁部11に対して向い合う枠壁部10を後壁部12といい、互いに向い合う残り2つの枠壁部10を側壁部13という。なお、枠壁部10は、例えば硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂製であっても構わないし、アルミニウム、ステンレス等の金属製であっても構わない。
なお、本実施形態では前壁部11と後壁部12とを結ぶ方向を前後方向Lといい、前後方向Lのうち前壁部11側を前方、後壁部12側を後方という。
外郭ケース2における上端部には、上端開口部を閉塞する有頂筒状のトップキャップ15が装着されている。トップキャップ15は、外郭ケース2に対して、例えば嵌合、接着、溶着等によって一体的に固定され、上端開口部をシールした状態で閉塞している。外郭ケース2における下端部には、下端開口部を閉塞する有底筒状のボトムキャップ16が装着されている。ボトムキャップ16は、トップキャップ15と同様に外郭ケース2に対して一体的に固定され、下端開口部をシールした状態で閉塞している。
外郭ケース2の前壁部11には、該前壁部11を前後方向Lに貫通する第1取付孔17及び第2取付孔18が形成されている。第1取付孔17は、蛇口4を取り付けるための取付孔であって、前壁部11の上部側に形成されている。第2取付孔18は、給水配管19を取り付けるための取付孔であって、前壁部11の下部側に形成されている。
(給水管)
図3及び図4に示すように、給水管3は、泡沫水生成部5よりも下方に配置され、上下方向に延在した直管20と、直管20の上端部に泡沫水生成部5を介して組み合わされた上部継手21と、直管20の下端部に組み合わされた下部継手22と、を備えている。この給水管3には、給水配管19を通じて給水された液体が、後述する吐水口33に向けて内部を流れる。
直管20は、例えば硬質塩化ビニル樹脂等の樹脂製パイプとされ、外郭ケース2の内部において、第1取付孔17と第2取付孔18との間に配置されている。なお、本実施形態では、直管20の中心軸線をパイプ軸Oといい、パイプ軸O方向から見た平面視において、パイプ軸Oに交差する方向を径方向といい、パイプ軸O回りに周回する方向を周方向という。
上部継手21は、例えば直管20と同様に硬質塩化ビニル樹脂等の樹脂製部品とされ、略90度に屈曲したL形のエルボ継手とされている。
上部継手21は、前方に向けて開口すると共に、その一部が第1取付孔17の内側に外郭ケース2の内側から固定された固定筒30と、固定筒30の後端部から後方に向かうにしたがって下方に向けて略90度屈曲した屈曲筒31と、屈曲筒31の下端部から下方に向けて延びると共に、下方に向けて開口した連結筒32と、を備えている。
固定筒30は、その一部が第1取付孔17の内側に例えば密に嵌合、接着或いは係止等によって固定されている。これにより、上部継手21は、固定筒30を介して外郭ケース2の前壁部11に対して接続されている。固定筒30の内側は、前壁部11に開口した吐水口33とされている。
固定筒30内には、その内周面にねじ部34(例えば雌ねじ部)が形成された環状のブッシング35が例えば圧入によって組み込まれている。ただし、ブッシング35は必須なものではなく、具備しなくても構わない。この場合には、例えば固定筒30の内周面にねじ部34を形成すれば良い。
連結筒32は、パイプ軸Oと同軸に配置されている。連結筒32と屈曲筒31との接続部分には、下方を向いた環状のストッパ壁36を有する段差部が形成されている。
上述のように構成された上部継手21の固定筒30には、ねじ部34を介して蛇口4が螺着されている。これにより、蛇口4は上部継手21を介して外郭ケース2の前壁部11に取り付けられ、吐水口33を開閉操作することが可能とされている。
下部継手22は、例えば上部継手21と同様に、硬質塩化ビニル樹脂等の樹脂製部品とされ、略90度に屈曲したL形のエルボ継手とされている。
下部継手22は、前方に向けて開口すると共に、その一部が第2取付孔18の内側に外郭ケース2の内側から固定された固定筒40と、固定筒40の後端部から後方に向かうにしたがって上方に向けて略90度屈曲した屈曲筒41と、屈曲筒41の上端部から上方に向けて延びると共に、上方に向けて開口した連結筒42と、を備えている。
固定筒40は、その一部が第2取付孔18の内側に例えば密に嵌合、接着或いは係止等によって固定されている。これにより、下部継手22は、固定筒40を介して外郭ケース2の前壁部11に対して接続されている。固定筒40の内側は、前壁部11に開口した給水口43とされている。
固定筒40内には、上部継手21と同様に、その内周面にねじ部44(例えば雌ねじ部)が形成された環状のブッシング45が例えば圧入によって組み込まれている。ただし、ブッシング45は必須なものではなく、具備しなくても構わない。この場合には、例えば固定筒40の内周面にねじ部44を形成すれば良い。
連結筒42は、パイプ軸Oと同軸に配置されている。連結筒42と屈曲筒41との接続部分には、上方を向いた環状のストッパ壁46を有する段差部が形成されている。連結筒42の内側には、直管20の下端部が上方から挿入されている。直管20の下端部は、連結筒42の内側に例えば密に嵌合されている。これにより、直管20の外周面と連結筒42の内周面との間には、一定のシール性が確保されている。
直管20の下端部が連結筒42の内側に嵌合されていることで、直管20と下部継手22とは分離可能に組み合わされている。なお、直管20の下端開口縁は、ストッパ壁46に対して上方から当接している。従って、直管20と下部継手22とは上下方向に適切に位置決めされた状態で一体に組み合わされている。
上述のように構成された下部継手22の固定筒40には、例えばねじ部44を介して液体が給水される給水配管19が螺着されている。これにより、給水配管19から下部継手22を介して給水管3の全体に液体を給水することが可能とされ、蛇口4に向けて液体を流すことができる。
上述のように構成された給水管3のうち上部継手21は、泡沫水生成部5よりも上方側、すなわち液体の流通方向の下流側に配置され、蛇口4に繋がると共に後述する泡沫水生成部5の外筒部60に対して分離可能に組み合わされた第1給水管として機能する。また、直管20及び下部継手22は、泡沫水生成部5よりも下方側、すなわち液体の流通方向の上流側に配置され、液体が給水されると共に後述する泡沫水生成部5の外筒部60に対して分離可能に組み合わされた第2給水管として機能する。
(泡沫水生成部)
図3及び図4に示すように、泡沫水生成部5は、外郭ケース2の内部において、吐水口33よりも液体の流通方向の上流側に配置されている。泡沫水生成部5は、給水管3に組み合わされた二重筒状の通水部50と、外郭ケース2の外部からの外気(空気)を通水部50内に導く通気部51と、通気部51からの外気を、通水部50の後述する内筒部70を通過した液体に対して混合させる気液混合部52と、を備えている。
通水部50は、給水管3に組み合わされた外筒部60と、外筒部60の内側に組み合わされ、その内側を通じて給水管3に給水された液体を通過させる内筒部70と、を備えている。
外筒部60は、給水管3における上部継手21の連結筒32に下方から挿入された第1外筒部61と、第1外筒部61の下方に配置されると共に第1外筒部61に一体に形成され、給水管3における直管20の上端部に外嵌された第2外筒部62と、を備えた2段筒状に形成され、パイプ軸Oと同軸に配置されている。
第1外筒部61は、その全長に亘って連結筒32内に挿入され、連結筒32の内側に例えば密に嵌合している。これにより、第1外筒部61の外周面と連結筒32の内周面との間には、一定のシール性が確保されている。第1外筒部61が連結筒32の内側に嵌合されていることで、上部継手21と外筒部60とは分離可能に組み合わされている。
なお、第1外筒部61の上端開口縁は、ストッパ壁36に対して下方から当接している。従って、外筒部60と上部継手21とは上下方向に適切に位置決めされた状態で組み合わされている。
第2外筒部62は、その外径が第1外筒部61の外径よりも大きく形成されている。図示の例では、第2外筒部62の外径は、上部継手21における連結筒32の外径と略同径とされている。なお、上部継手21における連結筒32の下端開口縁は、第2外筒部62の上端部に対して上方から当接している。このことによっても、外筒部60と上部継手21とは上下方向に適切に位置決めされた状態で組み合わされている。
第2外筒部62は、直管20の外側に例えば密に嵌合している。これにより、第2外筒部62の内周面と直管20の外周面との間には、一定のシール性が確保されている。第2外筒部62が直管20の外側に嵌合されていることで、直管20と外筒部60とは分離可能に組み合わされている。
第1外筒部61の内周面には、その内径が下方から上方に向かうにしたがって(すなわち、液体の流通方向の上流側から下流側に向かうにしたがって)漸次縮径する断面テーパ状の第1傾斜面63が形成されていると共に、その内径が下方から上方に向かうにしたがって漸次拡径する断面テーパ状の第2傾斜面64が形成されている。第2傾斜面64は、第1傾斜面63の上方に配置され、且つ第1傾斜面63に連設されている。
第2外筒部62の上端部側には、径方向の内側に向けて突出すると共に、周方向に延びた環状のストッパ壁65が形成されている。ストッパ壁65の内径は、第2外筒部62の内径よりも小さく形成され、且つ上述した第1傾斜面63における最大径よりも大きく形成されている。
ストッパ壁65のうち後方側に位置する部分には、該ストッパ壁65を前後方向Lに貫通する第1通気孔66が形成されている。なお、外郭ケース2における後壁部12には、第1通気孔66と前後方向Lに対向する部分に、後壁部12を前後方向Lに貫通する第2通気孔67が形成されている。
内筒部70は、外筒部60におけるストッパ壁65の内側に配設された第1内筒部(小径筒)71と、第1内筒部71の下方に配置されると共に第1内筒部71に一体に形成され、第2外筒部62の内側に配設された第2内筒部72と、を備えた2段筒状に形成され、パイプ軸Oと同軸に配置されている。
なお、内筒部70は、第2外筒部62の下方から挿入されることで、外筒部60の内側に組み合わされている。
第2内筒部72は、第2外筒部62の内側に嵌合されていると共に、ストッパ壁65の下端縁に下方から当接している。また、第2内筒部72の下端開口縁には、直管20の上端開口縁が下方から当接している。これにより、内筒部70は上下方向に位置決めされた状態で外筒部60内に組み合わされている。
第1内筒部71は、その外径が第2内筒部72の外径よりも小さく形成されていると共に、外筒部60におけるストッパ壁65の内径よりも小さく形成されている。従って、第1内筒部71とストッパ壁65との間には、環状の空間が形成されている。この環状の空間は、後述する旋回路85として機能する。
第1内筒部71の上端部は、ストッパ壁65よりも上方に突出すると共に第1傾斜面63の内側に入り込んでいる。そして、第1内筒部71のうち第1傾斜面63の内側に入り込んだ部分の外周面には、第1傾斜面63の傾斜に対応して、下方から上方に向かうにしたがって漸次縮径する断面テーパ状の第3傾斜面73が形成されている。第3傾斜面73は、第1傾斜面63に対して隙間をあけた状態で第1傾斜面63の径方向内側に配置されている。
第2内筒部72の内周面には、その内径が下方から上方に向かうにしたがって漸次縮径する断面テーパ状の第4傾斜面(傾斜面)74が形成されている。なお、第1内筒部71の内径は、第4傾斜面74における最小径と略同径とされている。
上述のように通水部50が構成されているので、直管20内を流れる液体は、内筒部70の内側及び外筒部60における第1外筒部61の内側を通過した後、上部継手21内を通じて吐水口33及び蛇口4に向けて流れる。
通気部51は、外郭ケース2における後壁部12と外筒部60との間に配置され、外筒部60内と外部とを連通する通気管80と、通気管80に設けられ、通気管80を通じた外部から通水部50側に向かう外気の移動を許容し、且つ通気管80を通じた通水部50側から外部に向かう液体の移動を規制する規制部81と、を備えている。
通気管80は、例えば径方向に沿って配設され、その前端部は第1取付孔17内に嵌合され、その後端部は第2取付孔18内に嵌合されている。これにより、通気管80は外気を外筒部60内、具体的にはストッパ壁65と第1内筒部71との間に形成された環状の空間に導入することが可能とされている。
規制部81は、上述のように外気の移動を許容し、且つ液体の移動を規制できれば良く、例えば公知の構成を採用して構わない。例えば規制部81としては、逆止弁、ボール弁、開閉弁、通気膜等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
気液混合部52は、通気部51からの外気を、外筒部60の内側で、且つ内筒部70よりも液体の流通方向の下流側に導くと共に、内筒部70を通過した液体に対して外気を混合させる。
気液混合部52は、第1内筒部71と外筒部60におけるストッパ壁65との間にパイプ軸Oを中心として環状に形成され、通気管80を通じて外気が流入する旋回路85と、第1内筒部71の上端部における第3傾斜面73と第1内筒部71における第1傾斜面63との間にパイプ軸Oを中心として環状に形成され、旋回路85内の外気を内筒部70よりも液体の流通方向の下流側に導く案内路86と、を備えている。なお、案内路86は環状に形成されている必要はない。
(水栓柱の作用)
次に、上述のように構成された水栓柱1を利用して、蛇口4から液体を吐水する場合について説明する。
この場合には、図1に示すように、蛇口4を開操作することで、吐水口33を通じて蛇口4から液体を吐水することができる。この液体の吐水時、外郭ケース2の内部には、吐水口33よりも上流側に泡沫水生成部5が配設されているので、給水管3に給水された液体に外気を含ませることで、泡沫化(気泡化)させた泡沫水を生成することができる。これにより、泡沫水として蛇口4から液体を外部に吐水することができる。
詳細に説明する。
蛇口4を開操作すると、図3及び図4に示すように、給水配管19を通じて下部継手22内に給水された矢印P1に示す液体は、直管20内、内筒部70内、第1外筒部61内及び上部継手21内を通過した後、吐水口33及び蛇口4に向かって流れる。このとき、気液混合部52が、通気管80を通じて導入された矢印P2に示す外気を、外筒部60の内側で、且つ内筒部70よりも下流側に導いて、内筒部70を通過した液体に対して混合させる。これにより、気泡を含んで泡沫化した泡沫水を生成することができる。すなわち、液体を泡沫水に変換することができる。そして、気液混合部52によって生成された泡沫水は、通水部50よりも下流側に位置する吐水口33に向かって流れるので、上述のように泡沫水として蛇口4から吐水することができる。
このように、蛇口4から泡沫水として液体を吐水できるので、洗い場Wにおいて、吐水された液体の水跳ねを抑制することができる。従って、周囲への飛沫を抑制することができる。特に、外郭ケース2の内部に配設された泡沫水生成部5を利用して泡沫水を生成することができるので、例えば蛇口4の形状、サイズ或いは種類に何ら関係なく、泡沫水を吐水することができる。従って、蛇口4の意匠性に影響を与えることがないので、例えば外郭ケース2のデザイン性等に対応した多種多様な蛇口4を任意に選択することが可能である。
その結果、意匠性を具備させたいといったユーザのニーズに応えることができる水栓柱1とすることができる。
以上説明したように、本実施形態の水栓柱1によれば、蛇口4の意匠性に影響を与えることなく、泡沫状の液体を吐水することができる。
さらに液体の吐水時、通気管80を通じて環状の旋回路85に外気を流入させることができるので、旋回路85内で外気を旋回させることができ、速度を上げた状態で案内路86を通じて外気を内筒部70の下流側に導くことができる。そのため、液体に対して外気をより効果的に混合させることができ、泡沫水を効率良く生成することができるうえ、例えば均一且つ細かな気泡を含む、きめの細かい水流となる泡沫水を生成することができる。従って、飛沫をさらに効果的に抑制することができるうえ、節水にも貢献することができる。
さらに液体は、内筒部70における第1傾斜面63の内側を通過するので、その流速が増加する。そのため、いわゆるベルヌーイの定理により、外筒部60内のうち内筒部70よりも下流側に位置する部分の内圧を例えば大気圧よりも低下させて、負圧化させることができる。従って、この負圧を利用して、通気管80を通じて外気を旋回路85内に積極的に引き込むことができる。従って、液体に対して外気をさらに効果的に混合させることができ、泡沫水を効率良く生成することができる。
さらに通気管80に規制部81が設けられているので、規制部81が通気管80を通じて外部から通水部50側に向けた外気の移動を許容して泡沫水の生成を可能とさせる一方、通気管80を通じて通水部50側から外部に向けた液体の移動を規制する。従って、例えば蛇口4から泡沫水として液体を吐水している間、或いは蛇口4を閉操作して液体の吐水を停止している間のいずれの場合であっても、液体が通気管80を通じて後壁部12側に漏れ出てしまうことを抑制することができる。
従って、外郭ケース2の枠壁部10における液垂れを抑制することができ、水栓柱1の美観が低下することを防止できる。そのため、長期に亘って美観性、品質等を維持し易い水栓柱1とすることができる。
さらに給水管3が、外筒部60に対して分離可能な上部継手21、直管20及び下部継手22を備えているので、図5に示すように、給水管3に対して泡沫水生成部5を簡便に組み合わせることができる。従って、例えば水栓柱1を設置する設置現場であっても、外郭ケース2の内部に給水管3及び泡沫水生成部5を簡便に組み合わせながら、水栓柱1を設置することができる。さらに、水栓柱1のメンテンス性についても向上することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。各実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが可能である。また、各実施形態には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記実施形態では、給水栓として蛇口4を採用したが、蛇口4に限定されるものではなく、開閉操作可能とされ、吐水口33を開放可能に閉塞できるものであれば蛇口4以外のものを採用しても構わない。例えば、給水栓として単水栓や混合水栓等を採用しても構わない。
また、上記実施形態では、直管20と下部継手22とを接続したが、下部継手22は必須なものではなく、具備しなくても構わない。この場合には、例えば直管20の下端部がボトムキャップ16を貫通してボトムキャップ16よりもさらに下方に向けて延び、例えば地中において給水配管19内から直管20内に液体を給水させる構成を採用しても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏功することができる。さらにこの場合には、後壁部12に第2取付孔18を形成する必要がないので、水栓柱1の意匠性を高め易い。
さらに図6に示すように、外郭ケース2の内部に、硬質発泡ウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン等の断熱材90を充填させても構わない。
この場合には、断熱材90によって外気温度の影響を液体が受け難くなるので、例えば水栓柱1を不凍水栓柱として好適に利用することができる。さらに、断熱材90によって、給水管3及び泡沫水生成部5を外郭ケース2の内部で安定的に保持することができるので、長期に亘って安定に設置された水栓柱1とすることができる。
さらに、図6及び図7に示すように、給水管3及び外筒部60を保持して、外郭ケース2に対する給水管3及び外筒部60の相対移動を抑制する保持具95を取り付けても構わない。図示の例では、保持具95は上下に間隔をあけて2つ配置されている。上方に位置する保持具95は外筒部60における第2外筒部62に装着され、下方に位置する保持具95は下部継手22における連結筒42に装着されている。ただし、保持具95の数や取付け位置は、適宜変更して構わない。
上方に位置する保持具95は、第2外筒部62を径方向の外側から囲む保持筒96と、保持筒96から後壁部12と側壁部13との間の角部(コーナー部)に向かって径方向に沿って延びた一対の第1保持片97と、保持筒96から側壁部13に向かって径方向に沿って延びた一対の第2保持片98と、を備えている。第1保持片97の外端縁は、角部に対して近接或いは当接している。第2保持片98の外端縁は、側壁部13に対して近接或いは当接している。
これにより、第2外筒部62は、保持具95によって例えば径方向の移動、或いはパイプ軸O回りの回転が抑制された状態となり、外郭ケース2の内部において姿勢が安定化される。
なお、下方に位置する保持具95は、上方に位置する保持具95と同様に構成されているため、その説明を省略する。下部継手22は、この下方に位置する保持具95によって例えば径方向の移動、或いはパイプ軸O回りの回転が抑制された状態となるので、同様に外郭ケース2の内部において姿勢が安定化される。
このように、保持具95を取り付けることで、外郭ケース2に対する給水管3及び外筒部60の相対移動を抑制でき、長期に亘ってがたつき等が少ない高品質な水栓柱1とすることができる。特に、断熱材90と一緒に保持具95を用いることで、より一層、上述の作用効果を奏功することができる。
O…パイプ軸(中心軸線)
1…水栓柱
2…外郭ケース
3…給水管
4…蛇口(給水栓)
5…泡沫水生成部
10…枠壁部
20…直管(第2給水管)
21…上部継手(第1給水管)
22…下部継手(第2給水管)
33…吐水口
50…通水部
51…通気部
52…気液混合部
60…外筒部
70…内筒部
71…第1内筒部(小径筒)
74…第4傾斜面(傾斜面)
80…通気管
81…規制部
85…旋回路
86…案内路

Claims (4)

  1. 枠壁部を有し、内部が中空とされた柱状の外郭ケースと、
    前記外郭ケースの内部に配設され、前記枠壁部に開口した吐水口を有すると共に、給水された液体が前記吐水口に向けて内部を流れる給水管と、
    前記吐水口に装着されると共に、前記吐水口を開閉する給水栓と、
    前記吐水口よりも液体の流通方向の上流側に配置され、前記給水管に給水された液体に外気を含ませて泡沫水を生成する泡沫水生成部と、を備え、
    前記泡沫水生成部は、
    前記給水管に組み合わされた外筒部、及び前記外筒部の内側に組み合わされ、その内側を通じて前記給水管に給水された液体を通過させる内筒部を有する通水部と、
    前記外郭ケースの外部からの外気を、前記外筒部内に導く通気部と、
    前記通気部からの外気を、前記外筒部の内側で、且つ前記内筒部よりも液体の流通方向の下流側に導くと共に、前記内筒部を通過した液体に対して混合させる気液混合部と、を備える、水栓柱。
  2. 請求項1に記載の水栓柱において、
    前記通気部は、
    前記枠壁部と前記外筒部との間に配設され、前記外筒部内と外部とを連通する通気管と、
    前記通気管に設けられ、前記通気管を通じた外部から前記通水部側に向かう外気の移動を許容し、且つ前記通気管を通じた前記通水部側から外部に向かう液体の移動を規制する規制部と、を備えている、水栓柱。
  3. 請求項1又は2に記載の水栓柱において、
    前記内筒部は、その外径が前記外筒部の内径よりも小さい小径筒を備え、
    前記気液混合部は、
    前記小径筒と前記外筒部との間に前記給水管の中心軸線回りに環状に形成されると共に、前記通気部からの外気が流入する旋回路と、
    前記小径筒と前記外筒部との間に形成され、前記旋回路内の外気を、前記内筒部よりも液体の流通方向の下流側に導く案内路と、を備える、水栓柱。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の水栓柱において、
    前記内筒部の内周面の少なくとも一部には、その内径が液体の流通方向の上流側から下流側に向かうにしたがって漸次縮径する傾斜面が形成されている、水栓柱。
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