JP2019134632A - 電力供給方法、情報処理プログラム及び電力供給装置 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕分散型エネルギーを直流電力に変換する装置T直、前記直流電力を交流電力に変換する装置T交及び蓄電装置を使用する電力供給方法であって、
前記装置T直で変換された直流電力中、前記装置T交で交流電力に変換できなかった未変換直流電力を前記蓄電装置に蓄電する工程を有し、
前記未変換直流電力が、前記装置T直によって前記装置T交の変換能力を超えて変換された直流電力を含む電力供給方法(以下「本発明1」ともいう)、
〔2〕前項〔1〕記載の未変換直流電力を予測するための情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
時刻tにおける、前項〔1〕記載の装置T直に供給される分散型エネルギー供給量e(t)を入力するステップ1、
前記e(t)に基づき、時刻tにおける、
前項〔1〕記載の装置T交で生じる予測交流電力w交1(t)、及び、
前記w交1(t)を生じるのに必要な前記装置T直で生じる予測直流電力w直1(t)を算出するステップ2、
時刻tにおいて装置T直で生じた直流電力w直2(t)を入力ステップ3、
並びに、
w直2(t)−w直1(t)の算出値Δw直(t)を未変換直流電力の予測値として入力するステップ4を実行させる情報処理プログラム(以下「本発明2」ともいう)、及び、
〔3〕前項〔1〕記載の装置T直、装置T交及び蓄電装置を備え、
前記装置T直から前記装置T交への直流電力の供給量及び前記未変換直流電力の前記蓄電装置への供給量が、前項〔2〕記載のΔw直(t)に基づいて設計されている電力供給装置(以下「本発明3」ともいう)に関する。
本発明1は、
分散型エネルギーを直流電力に変換する装置T直、前記直流電力を交流電力に変換する装置T交及び蓄電装置を使用する電力供給方法であって、
前記装置T直で変換された直流電力中、前記装置T交で交流電力に変換できなかった未変換直流電力を前記蓄電装置に蓄電する工程を有し、
前記未変換直流電力が、前記装置T直によって前記装置T交の変換能力を超えて変換された直流電力を含む電力供給方法である。
(分散型エネルギー)
総合資源エネルギー調査会長期エネルギー需給見通し小委員会(第6回会合)資料1によれば、「分散型エネルギーと」とは、比較的小規模で、かつ様々な地域に分散しているエネルギーの総称であり、従来の大規模・集中型エネルギーに対する相対的な概念であるとされており、(1)使用する創エネルギー機器の別、(2)電気・熱といったエネルギー形態の別、(3)機器単体か、複数機器の組合せで使用するのかの別など、様々な形態が存在するとされる。
(1)高温エネルギーである「温泉・地熱」、「太陽光」、「バイオマス熱」等、
(2)低温エネルギーである「雪氷熱」等、
(3)温度差エネルギーである「海水熱」、「河川水熱」、「地下水熱」、「下水熱」、「地中熱」等が挙げられる。
(1)高温エネルギーである「清掃工場排熱」「下水汚泥焼却場排熱」「工場排熱」「火力発電所排熱」等、
(2)低温エネルギーである「変電所排熱」「地下ケーブル排熱」「地下鉄排熱」「LNG冷熱」等が挙げられる。
本発明1では、分散型エネルギーを直流電力に変換する装置T直、当該直流電力を交流電力に変換する装置T交及び蓄電装置を使用する。
装置T直によって変換されて発生した直流電力を「発生直流電力」又は装置T直で生じた直流電力といい、
装置T交によって変換されて発生した交流電力を「発生交流電力」又は装置T交で生じた交流電力という。
当該直流電流によって単位時間当たりになす仕事が本発明1における装置T直によって変換されて発生した直流電力であり、
当該交流電流によって単位時間当たりになす仕事が本発明1における装置T交によって変換されて発生した交流電力であるとする。
(2)装置T交として、直流電流を交流電流に変換するインバータ(我国では「パワーコンディショナー(PCS)」とも呼ばれる);
(3)インバータからの交流電流を集約し電力会社の送配電網に供給するための受電装置;並びに、
(4)インバータで交流電流に変換されなかった未変換直流電流を電気エネルギーとして蓄電し、蓄電した電気エネルギーを放電するための蓄電装置。
住宅用の場合は、10kW未満の低圧である場合が多く、
産業用の場合は、発生交流電力の規模によって、10kW以上50kW未満の低圧、50kW以上2,000kW未満の高圧、2,000kW以上の特別高圧に分類される場合がある。
「住宅向」・「低圧」・「高圧」・「特別高圧」の未変換直流電力を対象とすることが好ましく、
「低圧」・「高圧」・「特別高圧」の未変換直流電力を対象とすることがより好ましく、
「高圧」・「特別高圧」の未変換直流電力を対象とすることが更に好ましい。
住宅向けでは、太陽電池モジュール毎にマイクロインバータ、ミニインバータ等の小規模インバータが設置されている場合もある。
装置T交の直流電力の交流電力への変換能力は、以下の2つの要素で規定される。
例えば、太陽光発電の場合、装置T交であるインバータは、装置T直で生じる直流電流を、連続的に交流波形を変えることなく交流電流に変換できた場合の、発生直流電力PCと発生交流電力PAの比、変換効率PA/PC(以下「本来の変換能力」ともいう))が大きいほど変換能力が高いことになるが、この変換能力は装置T交の直流/交流変換回路の形態に基づいて決まる。
太陽光発電の場合、装置交で生じた交流電力が、受電装置から電力会社の送配電網に供給されるが、送配電網全体でみると、電力供給者から供給された交流電力の総計と末端需要者の消費電力に過不足が生じてバランスが崩れると、末端需要者の使用する電力に由来する電圧等の電磁パラメータが不安定になる。
装置T直は、分散型エネルギーを直流電流に変換する装置であり、その変換能力は分散型エネルギー/直流変換回路の変換能力とその数を主要な要素として決まる。
分散型エネルギーを電力源とした電力の供給方法において、発生交流電力の供給量を増加させるには、装置T直の変換能力を増大することが直接的であり、
(1)分散型エネルギー/直流変換回路の変換能力を向上させる、及び/又は、
(2)分散型エネルギー/直流変換回路の数を増やすことで実現できる。
(1)装置T交で生じた交流電力が末端需要者の消費電力よりも大きくなる場合(この場合を以下「過剰供給の場合」という)、及び、
(2)装置T直で生じた直流電力がT交の変換能力を超えてしまう場合(この場合を以下「過積載の場合」という)、
において、装置T直で生じた直流電力が使用されずに消失してしまう未変換直流電力が発生することになる。
装置T直の需要直流電力とは、その日の装置T交で生じて需要家に消費された交流電流を生じるのに必要な発生直流電力であり、
装置T直の予測需要直流電力とは、予測日射量及び予測需要電力に基づく、その日の装置T交で生じさせるべき交流電力を生じるのに必要な発生直流電力である。
黒棒グラフはw直1(t)の模式図であり、
灰色棒グラフは、予測日射量及び予測需要電力に基づく、出力抑制するように制御されていない場合の、装置T直の発生直流電圧又は予測発生直流電圧の経時変化(w直2(t))の模式図であり、
線グラフは、装置T交の変換能力において生じうる最大の発生交流電圧を生じさせるのに必要な装置T直の発生直流電圧(以下「限界需要直流電圧」という)の模式図である。
w直2(t)≦限界需要直流電圧におけるΔw直(t)が過剰供給の場合の未変換直流電力(以下「過剰供給直流電力」という)であり、
w直2(t)>限界需要直流電圧におけるΔw直(t)が過積載の場合の未変換直流電力(以下「過積載直流電力」という)である。
黒棒グラフはw直1(t)の模式図、灰色棒グラフは、w直2(t))の模式図、線グラフは限界需要直流電圧の模式図である。
本発明1は、上述した未変換直流電力を蓄電装置に蓄電する工程を有し、当該未変換直流電力には前記未変換直流電力が、前記装置T直によって前記装置T交の変換能力を超えて変換された直流電力(過積載直流電力)が含まれ、好ましくは装置T交の直流電力を交流電力に変換する変換能力が、出力抑制するように制御されていない場合の交換能力である場合に、当該交換能力を超えて変換された直流電力が含まれる。
(1)未変換直流電力の容量(実測値や予測値)から、最も効率的な、
(1-1)セル容量(何直何列)・充放電回数等の蓄電池仕様、
(1-2)入力電圧・出力電力量等のインバータ仕様、及び、
(1-3)付随する電気設備費用、工事費用及び維持費用等
の投資効果を予測計算(シミュレーション)する事によって、蓄電された電力を自産自消で消費しつつ、インバータ経由でシフト売電、夜間売電する事によって売電収入増加を期待できる。
運搬が困難な電気エネルギーを圧縮可能で運搬が可能な水素エネルギーに変換して、
(3-1)電気自動車(EV、PHV)にて自産自消する、
(3-2)災害防災時の電力資源とする、
(3-3)電力送配網インフラが遮断された場合に「運搬」可能な電力資源とする、
等、再利用資源として用途拡大化が期待できる。
本発明1において、未変換直流電力を蓄電するための蓄電装置は以下のように設計されていることが好ましい。
安定した入力電源(AC)を直流の蓄電池(DC)に蓄積して、
放電時に交流に変換(AC)して、AC→DC→ACの流れで電力供給を行う。
本発明2は、本発明1における未変換直流電力を予測するための情報処理プログラムであって、コンピュータに、
時刻tにおける、本発明1における装置T直に供給される分散型エネルギー供給量e(t)を入力するステップ1、
前記e(t)に基づき、時刻tにおける、
本発明1における装置T交で生じる予測交流電力w交(t)、及び、
w交(t)を生じるのに必要な装置T直で生じる予測直流電力w直1(t)を算出するステップ2、
時刻tにおいて装置T直で生じた直流電力w直2(t)を入力するステップ3、
並びに、
w直2(t)−w直1(t)の算出値Δw直(t)を未変換直流電力の予測値として入力するステップ4を実行させる情報処理プログラムである。
本発明2のステップ1は、時刻tにおける、本発明1における装置T直に供給される分散型エネルギー供給量e(t)を入力するステップである。
時刻tにおける電力供給者の使用する太陽電池モジュール(装置T直)に照射された太陽光熱の計測値を使用してもよく、
太陽光発電の実施実績に基づき、時刻(t)における電力供給者の使用する太陽電池モジュール(装置T直)に照射される太陽光熱の予測値を使用してもよい。
本発明2のステップ2は、e(t)に基づき、時刻tにおける、
本発明1における装置T交で生じる予測交流電力w交1(t)、及び、
w交1(t)を生じるのに必要な装置T直で生じる予測直流電力w直1(t)を算出するステップである。
インバータ(装置T交)の変換能力の限界と出力抑制による限界の範囲で、直流電力w直2(t)の一部だけが需要に応じて供給される交流電力に変換される。
本発明2におけるステップ3は、時刻tにおいて装置T直で生じた直流電力w直2(t)を入力するステップである。
e(t)が、電力供給者の使用する太陽電池モジュール(装置T直)で変換されて得られた直流電力を直流電力w直2(t)とする。
本発明2におけるステップ3は、w直2(t)−w直1(t)の算出値Δw直(t)を未変換直流電力の予測値として入力するステップである。
インバータ(装置T交)の変換能力の限界と出力抑制による限界の範囲で生じたΔw直(t)は、需要に応じて供給される交流電力以上に発電してしまった電力(以下「過剰供給電力Δw直(過剰)(t)」又は「Δw直(過剰)(t)」ともいう)であり、
インバータ(装置T交)の変換能力の限界と出力抑制による限界の範囲を超えて生じたΔw直(t)は、電力供給者が需要見込み以上に太陽電池モジュールを過積載したことによリアルタイム需要では消費しきれない電力(以下「過剰積載電力Δw直(過積載)(t)」又は「Δw直(過積載)(t)」ともいう)である。
Δw直(t)=w直2(t)−w直1(t)=Δw直(過剰)(t)+Δw直(過積載)(t)
であり、
Δw直(過積載)(t)≧Δw直(出力抑制)(t)
である。
〔B〕電力会社からの出力抑制ついての(B1)所定期間(好ましくは1月〜5年、より好ましくは3月〜3年、更に好ましくは6月〜2年、1年〜1.5年)の設定値(B2)又は所定時間単位(好ましくは5分〜2時間、より好ましくは10分〜1時間、更に好ましくは15〜45分単位の最新設定値の出力抑制スケジュール情報;
〔C〕インバータメーカーのModbusフォーマット仕様のフィールドのデータに基づき、例えばインバータとRS485(TCP/IP)ケーブル接続等により収集できる、インバータのΔw直(過剰)(t)及びΔw直(過積載)(t)の出力実績、メンテナンス・故障等による設備停止状況等の稼働状況情報;
〔D〕太陽電池モジュールメーカーの単結晶、多結晶、その他の仕様にて段階的、現時点の経年劣化情報。
本発明3は、装置T直、装置T交及び蓄電装置を備え、少なくとも蓄電装置がΔw直(t)に基づいて設計されている電力供給装置である。
本発明1〜3に基づけば、複数の電力供給者が使用する電力供給方法及び設備(以下「発電所」)又は電力供給者が使用する複数の発電所(以上をめとめて「発電所網」ともいう)による電力供給をシステマチックに一括管理することが、例えば、ネット上に存在する大規模容量の情報管理システム(クラウド)によるコンピューティング及び発電所網で共有する情報管理システム(エッジ)によるエッジ・コンピューティングを組合せて、迅速・低コストで可能となる。
クラウド側で保存・管理・分析される気象情報、地形情報及び出力抑制スケジュール等のクラウド側情報を、クラウド側のAI等の高性能情報処理装置による情報処理をエッジ側情報に特化して適用・計算して、
e(t)、Δw直(t)、Δw直(過剰)(t)及びΔw直(過積載)(t)等の電力供給情報を、発電所網全体又は発電所毎に、エッジ側のパソコン、モバイル等のブラウザーにすること、
出力・表示された電力供給情報に基づきエッジ側の管理者又は電力供給情報に基づきエッジ側の管理ソフトが発電所網の運用状況を判断して、エッジ側の発電所網管理システムを作動させて電力供給量や蓄電・放電量の自動調整、電力供給トラブル警報等を行う(システム全体の一元的管理の観点から、好ましくは遠隔操作する)こと等が可能である。
Claims (5)
- 分散型エネルギーを直流電力に変換する装置T直、前記直流電力を交流電力に変換する装置T交及び蓄電装置を使用する電力供給方法であって、
前記装置T直で変換された直流電力中、前記装置T交で交流電力に変換できなかった未変換直流電力を前記蓄電装置に蓄電する工程を有し、
前記未変換直流電力が、前記装置T直によって前記装置T交の変換能力を超えて変換された直流電力を含む電力供給方法。 - 前記装置T交の変換能力が出力抑制するように制御されていない場合の交換能力である場合に、前記未変換直流電力が当該交換能力を超えて変換された直流電力を含む請求項1記載の電力供給方法。
- 請求項1又は2記載の未変換直流電力を予測するための情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
時刻tにおける、請求項1又は2記載の装置T直に供給される分散型エネルギー供給量e(t)を入力するステップ1、
前記e(t)に基づき、時刻tにおける、
請求項1又は2記載の装置T交で生じる予測交流電力w交1(t)、及び、
前記w交1(t)を生じるのに必要な前記装置T直で生じる予測直流電力w直1(t)を算出するステップ2、
時刻tにおいて装置T直で生じた直流電力w直2(t)を入力ステップ3、
並びに、
w直2(t)−w直1(t)の算出値Δw直(t)を未変換直流電力の予測値として入力するステップ4を実行させる情報処理プログラム。 - 前記装置T直から前記装置T交への直流電力の供給量及び前記未変換直流電力の前記蓄電装置への供給量を、請求項3記載のΔw直(t)に基づいて設計する工程を含む請求項1又は2記載の電力供給方法。
- 請求項1又は2記載の装置T直、装置T交及び蓄電装置を備え、
前記装置T直、前記装置T交及び前記蓄電装置が、請求項4記載の工程における設計による電力供給装置。
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