JP2019131142A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランキングトルクをより適切に設定して電動走行可能な領域を拡大する。【解決手段】モータMG2から駆動軸に要求トルクTd*を出力して走行しているときにモータMG1からの正のトルクTm1*(クランキングトルク)によりエンジンをクランキングして始動する際には、駆動軸の回転角速度ωm2が大きいとき小さいときに比して小さくなり、モータMG1の回転角速度ωm1が小さいときには大きいときに比して小さくなるようにトルク指令Tm1*を設定する。また、駆動軸の回転角加速度d(ωm2)/dtが大きいときには小さいときに比して小さくなり、モータMG1の回転角加速度d(ωm1)/dtが小さいときには大きいときに比して小さくなるようにトルク指令Tm1*を設定する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンと第1モータと第2モータとプラネタリギヤとを備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンの出力軸と発電用モータの回転軸と駆動用モータの回転軸とが遊星歯車機構のキャリヤとサンギヤとリングギヤとに接続されると共にリングギヤに駆動輪が連結されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、バッテリの充電量がその充電許容量を超えないように駆動用モータだけで走行するEV走行状態に車速の上限値を設け、車速がその上限値となると、エンジンを始動させる。そして、エンジンを始動するときには、車速が速い場合には、車速が遅い場合に比べて、発電用モータで発生させるクランキングトルクを小さくする。これにより、車速が速い場合にエンジンをクランキングする際にバッテリへ供給される電力を小さくして、バッテリの充電時の負荷を低減することができる。この結果、クランキングを開始する車速を高くすることができ、EV走行状態を実行できる状況を多くすることができる。
特開2009−227096号公報
しかしながら、上述したハイブリッド自動車では、車両の減速状態によっては、車速が速い場合に発電用モータで発生させるクランキングトルクを小さくしても、クランキングトルクが適正値よりも大きくなる場合があり、なお改善の余地がある。
本発明のハイブリッド自動車は、クランキングトルクをより適切に設定して電動走行可能な領域を拡大することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、
第1モータと、
共線図において順番に並ぶ第1回転要素,第2回転要素および第3回転要素を有し、前記第1回転要素に前記第1モータの回転軸が接続され、前記第2回転要素に前記エンジンの出力軸が接続され、前記第3回転要素に駆動輪に連結された駆動軸が接続されたプラネタリギヤと、
前記駆動軸に動力を出力可能な第2モータと、
前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取りするバッテリと、
前記駆動軸が正回転方向に回転して走行している最中に前記エンジンを始動するときには、負回転方向に回転している前記第1モータからの正のクランキングトルクにより前記エンジンが始動されると共に要求トルクが前記駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する始動制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記始動制御手段は、前記駆動軸の回転角速度が大きいときには小さいときに比して小さくなり、前記第1モータの回転軸の回転角速度が小さいときには大きいときに比して小さくなり、前記駆動軸の回転角加速度が大きいときには小さいときに比して小さくなり、前記第1モータの回転軸の回転角加速度が小さいときには大きいときに比して小さくなるように前記クランキングトルクを設定する、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、駆動軸が正回転方向に回転して走行している最中にエンジンを始動するときには、負回転方向に回転している第1モータからの正のクランキングトルクによりエンジンが始動されると共に要求トルクが駆動軸に出力されるよう制御する。駆動軸が正回転方向に回転しているときには、第1モータの回転軸には、第1モータの回転軸の回転角速度に応じた抵抗トルクと駆動軸の回転角速度に応じた抵抗トルクとが作用する。このとき、両抵抗トルクの方向は、第1モータのクランキングトルクの方向と一致する。したがって、駆動軸の回転角速度が大きいときには小さいときに比して小さくなり、第1モータの回転軸の回転角速度が小さいとき(絶対値として大きいとき)には大きいとき(絶対値として小さいとき)に比して小さくなるようにクランキングトルクを設定することにより、エンジンの適正な始動を確保しつつクランキングトルクをより小さくすることができる。加えて、駆動軸の回転角速度が正回転方向に増加しているときには、第1モータの回転軸には、第1モータの回転軸の回転角加速度に応じたイナーシャトルクと駆動軸の回転角加速度に応じたイナーシャトルクとが作用する。このとき、両イナーシャトルクの方向は、第1モータのクランキングトルクの方向と一致する。したがって、駆動軸の回転角加速度が大きいときには小さいときに比して小さくなり、第1モータの回転軸の回転角加速度が小さいとき(絶対値として大きいとき)には大きいとき(絶対値として小さいとき)に比して小さくなるようにクランキングトルクを設定することにより、エンジンの適正な始動を確保しつつクランキングトルクを更に小さくすることができる。これにより、例えば、アクセルオンして走行しているときには、バッテリの放電電力を小さくして、その放電許容電力を超えないようにすることができる。また、アクセルオフして走行しているときには、バッテリの充電電力を小さくして、その充電許容電力を超えないようにすることができる。この結果、エンジンの始動用閾値を下げることが可能となり、電動走行可能な領域を拡大することができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ50の入力制限Winと始動用車速Vstartとの関係を示す説明図である。 実施例のHVECU70により実行されるアクセルオン時始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 HV走行しているときのプラネタリギヤ30の各回転要素のトルクおよび回転数の関係を示す共線図である。 エンジン22をクランキングする際にモータMG1から出力するトルクTm1*を共線図をもって説明する説明図である。 実施例のHVECU70により実行されるアクセルオフ時始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrなどが入力ポートから入力されている。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2と接続されると共に電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2や回転角速度ωm1,ωm2、回転角加速度d(ωm1)/dt,d(ωm2)/dtを演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからのバッテリ50の電圧Vbやバッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の入出力制限Win,Woutを演算したりしている。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の充放電が許容される最大充放電電力である。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、ハイブリッド走行(HV走行)モードや電動走行(EV走行)モードで走行する。ここで、HV走行モードは、エンジン22の運転を伴って走行するモードであり、EV走行モードは、エンジン22の運転を伴わずに走行するモードである。
HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84によりアクセルオンが検出されているときには、以下のように制御する。即ち、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて、走行に要求される(駆動軸36に出力すべき)要求トルクTd*を設定する。続いて、設定した要求トルクTd*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて、走行に要求される要求走行用パワーPdrv*を計算する。ここで、駆動軸36の回転数Nrとしては、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数を用いることができる。そして、計算した要求走行用パワーPdrv*にバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50に充電するときが正の値)を加えて、車両に要求される要求パワーPe*を設定する。ここで、充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の蓄電割合SOCと目標割合SOC*との差分ΔSOCに基づいて、差分ΔSOCの絶対値が小さくなるように設定する。次に、現在の走行モードがHV走行モードであるか或いはEV走行モードであるかを判定し、EV走行モードであると判定すると、要求パワーPe*が始動用パワーPstartよりも大きいか否かを判定する。ここで、始動用パワーPstartは、エンジン22を始動するか否かを判定するための閾値であり、バッテリ50の出力制限Woutよりも低い値に定められている。要求パワーPe*が始動用パワーPstart以下であると判定すると、EV走行モードを継続すると判断し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTd*(要求走行用パワーPdrv*)が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるように、インバータ41,42の各トランジスタのスイッチング制御を行なう。
一方、要求パワーPe*が始動用パワーPstartよりも大きいと判定すると、EV走行モードからHV走行モードへ移行するため、モータMG1によりエンジン22をクランキングして始動するエンジン始動処理を実行する。なお、エンジン始動処理の詳細については後述する。エンジン22が始動されてHV走行モードへ移行すると、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTd*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標運転ポイント(目標回転数Ne*,目標トルクTe*)や、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。エンジン22の目標運転ポイント(目標回転数Ne*,目標トルクTe*)は、エンジン22の運転ポイント(回転数,トルク)のうち騒音や振動等を加味して燃費が最適となる最適動作ラインを予め定めておき、要求パワーPe*に対応する最適動作ライン上の運転ポイント(回転数,トルク)を求めて設定する。エンジン22の目標運転ポイント(目標回転数Ne*,目標トルクTe*)については、エンジンECU24に送信する。モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*については、モータECU40に送信する。エンジンECU24は、目標運転ポイントに基づいてエンジン22が運転されるように、エンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。モータECU40は、上述したように、インバータ41,42を制御する。
また、HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84によりアクセルオフが検出されているときには、以下のように制御する。即ち、まず、車速センサ88からの車速Vとに基づいて、要求トルクTd*(要求制動力)を設定する。次に、現在の走行モードがHV走行モードであるか或いはEV走行モードであるかを判定し、EV走行モードであると判定すると、車速Vが始動用車速Vstartよりも大きいか否かを判定する。始動用車速Vstartは、エンジン22を始動するか否かを判定するための閾値である。車速Vが始動用車速Vstart以下のときには、EV走行モードを継続すると判断し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に、バッテリ50の入力制限Winの範囲内で要求トルクTd*(要求制動力)が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、トルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40は、上述したように、インバータ41,42を制御する。
一方、車速Vが始動用車速Vstartよりも大きいと判定すると、EV走行モードからHV走行モードへ移行するため、モータMG1によりエンジン22をクランキングして始動するエンジン始動処理を実行する。なお、エンジン始動処理の詳細については後述する。エンジン22が始動されてHV走行モードへ移行すると、エンジン22を燃料カットの状態でモータリングすることによりエンジン22のフリクショントルク(制動力)を駆動軸36に作用させるためのモータリングトルクをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定する。そして、バッテリ50の入力制限Winの範囲内で要求トルクTd*(要求制動力)が駆動軸36に出力されるように、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、トルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40は、上述したように、インバータ41,42を制御する。
ここで、始動用車速Vstartは、バッテリ50の入力制限Winに基づいて設定される。図2は、バッテリ50の入力制限Winと始動用車速Vstartとの関係を示す説明図である。図示するように、始動用車速Vstartは、バッテリ50の入力制限Win(負の値)が絶対値として小さいほど小さくなるように設定される。ここで、エンジン22が停止されている場合、車速Vが高いとき、即ち駆動軸36の回転数が高いときには、モータMG1の回転数Nm1(負の値)は絶対値として大きくなる。このため、モータMG1は比較的高い回転エネルギをもち、クランキングトルクが大きいほど、モータMG1の発電電力は一時的に大きくなる。また、例えばコーストダウン時のようにモータMG2から回生制動力を出力しているときにモータMG1によりエンジン22をクランキングすると、モータMG1の発電電力とモータMG2の発電電力とがバッテリ50に入力されるため、モータMG1のクランキングトルクが大きいと、バッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力される虞がある。したがって、本実施例のハイブリッド自動車20では、クランキング時にバッテリ50に入力される電力が入力制限Winを超えないように、始動用車速Vstartを設定し、車速Vが始動用車速Vstartを超えると、エンジン22を始動するものとした。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、シフトポジションSPがDポジジョンでアクセルオンしてEV走行しているときにモータMG1によってエンジン22をクランキングして始動する際の動作について説明する。図2は、実施例のHVECU70により実行されるアクセルオン時始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、走行モードがEV走行モードであり且つアクセルペダルポジションセンサ84によりアクセルオンが検出されているときに要求パワーPe*が始動用パワーPstartよりも大きくなってエンジン22の始動指示がなされたときに実行される。
アクセルオン時始動制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、アクセル開度Accや車速V、エンジン22の回転数Ne、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,回転角速度ωm1,ωm2および回転角加速度d(ωm1)/dt,d(ωm2)/dt、バッテリ50の出力制限Woutなどの制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。ここで、アクセル開度Accは、アクセルペダルポジションセンサ84によって検出された値を入力するものとした。車速Vは、車速センサ88によって検出された値を入力するものとした。エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ23からのエンジン22のクランク角θcrに基づいて演算された値をエンジンECU24から通信により入力するものとした。モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,回転角速度ωm1,ωm2および回転角加速度d(ωm1)/dt,d(ωm2)/dtは、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転位置θm1,θm2に基づいて演算された値をモータEUC40から通信により入力するものとした。バッテリ50の出力制限Woutは、蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいて演算された値をバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて、走行に要求される(駆動軸36に要求される)要求トルクTd*を設定する(ステップS110)。続いて、エンジン22をクランキングするための基本クランキングトルクTcrbを設定する(ステップS120)。ここで、基本クランキングトルクTcrbは、共振の発生等を加味してエンジン22がスムーズにクランキングされるように始動用マップを用いて始動指示がなされてからの経過時間tに基づいて設定される。次に、モータMG1の回転軸(プラネタリギヤ30のサンギヤ)に作用する回転抵抗トルクTresを次式(1)により算出すると共にモータMG1の回転軸に作用するイナーシャトルクTinaを次式(2)により算出する(ステップS130)。なお、式(1)中、「c1」は、モータMG1の回転軸の粘性抵抗係数であり、「c2」は駆動軸36の粘性抵抗係数であり、「ρ」はプラネタリギヤ30のギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)である。また、式(2)中、「I1」はモータMG1を含む慣性系の慣性モーメントであり、「I2」は駆動軸36を含む慣性系の慣性モーメントである。
Tres=-c1・ωm1+ρ・c2・ωm2 …(1)
Tina=-I1・d(ωm1)/dt+ρ・I2・d(ωm2)/dt …(2)
いま、EV走行モードで走行(加速走行)しているときにモータMG1によりエンジン22をクランキングして始動する場合を考える。図4は、HV走行しているときのプラネタリギヤ30の各回転要素のトルクおよび回転数(回転角速度)の関係を示す共線図である。図中、縦軸は回転数(回転角加速度)を示し、太線矢印はトルクを示す。なお、トルクは上向きを正とした。EV走行モードでは、エンジン22の回転数が値0であるから、図4に示すように、駆動軸36の回転角速度ωm2(回転数Nm2)は正の値となり、モータMG1の回転角速度ωm1(回転数Nm1)はプラネタリギヤ30の特性により負の値となる。このとき、モータMG1の回転軸には、その摩擦により回転角速度ωm1に比例した回転抵抗トルクが正方向に作用する。また、駆動軸36には、その摩擦により回転角速度ωm2に比例した回転抵抗トルクが負方向に作用する。そして、駆動軸36に作用する回転抵抗トルクは、駆動軸36からプラネタリギヤ30を介してモータMG1の回転軸に正方向のトルクとして作用する。したがって、モータMG1の回転軸および駆動軸36の摩擦に起因してモータMG1の回転軸に作用する正方向のトルク(回転抵抗トルクTres)は、式(1)に示すように、モータMG1の回転角速度ωm1が小さいほど(絶対値として大きいほど)大きくなり、駆動軸36の回転角速度ωm2が大きいほど大きくなる。
また、EV走行モードで加速走行しているときには、駆動軸36の回転角加速度d(ωm2)/dtは正の値となり、モータMG1の回転軸の回転角加速度d(ωm1)/dtはプラネタリギヤ30の特性により負の値となる。このとき、モータMG1の回転軸には、モータMG1を含む慣性系の慣性モーメントI1により回転角加速度d(ωm1)/dtに比例したイナーシャトルクが正方向に作用する。また、駆動軸36には、駆動軸36を含む慣性系の慣性モーメントI2により回転角加速度d(ωm2)/dtに比例したイナーシャトルクが負方向に作用する。そして、駆動軸36に作用するイナーシャトルクは、駆動軸36からプラネタリギヤ30を介してモータMG1の回転軸に正方向のトルクとして作用する。したがって、モータMG1の回転軸および駆動軸36のイナーシャに起因してモータMG1の回転軸に作用する正方向のトルク(イナーシャトルクTina)は、式(2)に示すように、モータMG1の回転角加速度d(ωm1)/dtが小さいほど(絶対値として大きいほど)大きくなり、駆動軸36の回転角加速度d(ωm2)/dtが大きいほど大きくなる。
こうして回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaとを算出すると、次式(3)に示すように、基本クランキングトルクTcrbから回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaとの和のトルクを減じたトルクをモータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*に設定する(ステップS140)。
Tm1*=Tcrb-(Tres+Tina) …(3)
図5は、エンジン22をクランキングする際にモータMG1から出力するトルクTm1*を共線図をもって説明する説明図である。EV走行モードで加速走行している状況において、モータMG1からのトルクTm1*によりエンジン22をクランキングして始動する場合、図示するように、モータMG1の回転軸に作用する回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaは、正のトルクとなる。すなわち、回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaは、モータMG1によりエンジン22をクランキングする際のアシストトルクとなる。したがって、回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaとによるアシスト分を加味してモータMG1のトルク指令Tm1*(クランキングトルク)を設定することにより、エンジン22の適正な始動を確保しながらモータMG1のクランキングトルクを小さくすることができる。ここで、エンジン22をクランキングする際、モータMG1は、負の回転数Nm1で正のトルクTm1*を出力するから、モータMG1は発電する。一方、モータMG1から出力された正のトルクTm1*はプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に負のトルクとして伝達され、モータMG2は、要求トルクTd*の出力による電力の消費に加えて、モータMG1から伝達される負のトルクをキャンセルするための正のトルク(キャンセルトルク)の出力により電力を消費する。なお、モータMG1は、負の回転数Nm1で回転しており、回転エネルギをもっているから、クランキング開始時には、一時的に、モータMG1のクランキングトルクの出力に基づく発電電力がモータMG2のキャンセルトルクの出力に基づく消費電力よりも大きくなる。しかし、アクセルオン時には、モータMG2からの要求トルクTr*(要求走行用パワーPdrv*)の出力により電力を消費しているため、バッテリ50に入力制限Winを超える充電は生じない。そして、クランキングによりモータMG1の回転数Nm1が上昇すると、モータMG1のクランキングトルクの出力に基づく発電電力はモータMG2のキャンセルトルクの出力に基づく消費電力よりも小さくなり、バッテリ50が放電する。すなわち、エンジン22は、バッテリ50から放電される電力を用いてクランキングされる。このバッテリ50から放電される電力はモータMG1から出力される正のトルクTm1*(クランキングトルク)が小さいほど小さくなる。したがって、モータMG1のクランキングトルクを小さくすることにより、バッテリ50の出力制限Woutの範囲内で、エンジン22をクランキングしている間の要求トルクTd*の出力に必要なパワー(電力)を確保することができる。これにより、エンジン22をクランキングしている間に駆動軸36に作用させるトルクに不足を生じさせることなく、始動用パワーPstartを大きくすることも可能となり、EV走行の領域を拡大することができる。
そして、要求トルクTd*とモータMG1のトルク指令Tm1*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて次式(4)によりモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを計算する(ステップS150)。仮モータトルクTm2tmpは、式(4)に示すように、モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにモータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(−Tm1*/ρ)を要求トルクTd*から減じた値として計算される。次に、次式(5)によりモータMG2から出力してもよいトルクの上限であるトルク制限Tm2maxを計算する(ステップS160)。トルク制限Tm2maxは、式(5)に示すように、モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにモータMG1で消費または発電される電力をバッテリ50の出力制限Woutから減じ、更にモータMG2の回転数Nm2で除した値として計算される。そして、仮モータトルクTm2tmpとトルク制限Tm2maxとのうち小さい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS170)。これにより、バッテリ50の出力制限Woutの範囲内でモータMG2からトルクを出力して走行することができる。
Tm2tmp=Td*+Tm1*/ρ …(4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(5)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS180)。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、トルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
次に、エンジン22の回転数Neを運転開始回転数Nstegと比較する(ステップS190)。ここで、運転開始回転数Nstegは、エンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)を開始する回転数であり、例えば、800rpmや9000rpm,1000rpmなどを用いることができる。エンジン22の回転数Neが運転開始回転数Nsteg未満のときには、ステップS100に戻り、ステップS100〜S190の処理を繰り返し実行する。一方、エンジン22の回転数Neが運転開始回転数Nsteg以上に至ると、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御の開始指令をエンジンECU24に送信する(ステップS200)。エンジンECU24は、この開始指令を受信すると、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する。そして、エンジン22が完爆に至ったか否かを判定し(ステップS210)、未だ完爆に至っていないときにはステップS100に戻り、ステップS100〜S210の処理を繰り返し実行し、エンジン22が完爆に至ると、本ルーチンを終了する。
次に、シフトポジションSPがDポジジョンでアクセルオフしてEV走行しているときにモータMG1によってエンジン22をクランキングして始動する際の動作について説明する。図6は、実施例のHVECU70により実行されるアクセルオフ時始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、走行モードがEV走行モードであり且つアクセルペダルポジションセンサ84によりアクセルオフが検出されているときに車速Vが始動用車速Vstartよりも大きくなってエンジン22の始動指示がなされたときに実行される。なお、図6のアクセルオフ時始動制御ルーチンの各ステップのうち図3のアクセルオン時始動制御ルーチンと同一のステップについては同一のステップ番号を付し、その説明は重複するから省略する。
図6のアクセルオフ時始動制御ルーチンでは、アクセルオン時始動制御ルーチンのステップS100と同様に必要なデータ(アクセル開度Accを除く)を入力し(ステップS100B)、入力した車速Vに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*(要求制動力)を設定する(ステップS110B)。続いて、アクセルオン時始動制御ルーチンのステップS120〜S140と同様に、基本クランキングトルクTcrbから回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaとの和のトルクを減じたトルクをモータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*に設定する。ここで、いま、アクセルオフで車速Vが始動用車速Vstartよりも大きくなってエンジン22を始動する場合を考えているから、モータMG1の回転数Nm1(負の値)は絶対値として大きくなっている。この状態でモータMG1から大きなクランキングトルクを出力すると、モータMG1の発電電力が一時的に大きくなり、モータMG2から要求トルクTr*(要求制動力)に見合う回生制動力を出力しようとすると、バッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力される虞がある。本実施例では、回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaとの和のトルクを減じてモータMG1のクランキングトルクを小さくするから、モータMG1の発電電力を小さくでき、モータMG2から要求トルクTr*(要求制動力)に見合う回生制動力を出力しても、バッテリ50に入力制限Winを超える電力が入力されないようにすることができる。これにより、エンジン22をクランキングしている間に駆動軸36に作用させる制動力に不足を生じさせることなく、始動用車速Vstartを大きくすることも可能となり、EV走行の領域を拡大することができる。
そして、アクセルオン時始動制御ルーチンのステップS150と同様に、上述した式(4)によりモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを設定する。次に、次式(6)によりモータMG2から出力してもよいトルクの下限であるトルク制限Tm2minを計算する(ステップS160B)。トルク制限Tm2minは、式(6)に示すように、モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにモータMG1で消費または発電される電力をバッテリ50の入力制限Winから減じ、更にモータMG2の回転数Nm2で除した値として計算される。そして、仮モータトルクTm2tmpとトルク制限Tm2minとのうち大きい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS170B)。これにより、バッテリ50の入力制限Winの範囲内でモータMG2からトルクを出力して走行することができる。そして、アクセルオン時始動制御ルーチンのステップS180〜S210と同様に制御して、アクセルオフ時始動制御ルーチンを終了する。
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(6)
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2から駆動軸36に要求トルクTd*を出力して走行しているときにモータMG1からの正のトルクTm1(クランキングトルク)によりエンジン22を始動する際には、駆動軸36の回転角速度ωm2が大きいとき小さいときに比して小さくなり、モータMG1の回転角速度ωm1が小さいとき(絶対値として大きいとき)には大きいとき(絶対値として小さいとき)に比して小さくなるようにトルク指令Tm1*を設定する。また、駆動軸36の回転角加速度d(ωm2)/dtが大きいときには小さいときに比して小さくなり、モータMG1の回転角加速度d(ωm1)/dtが小さいとき(絶対値として大きいとき)には大きい(絶対値として小さいとき)ときに比して小さくなるようにトルク指令Tm1*を設定する。すなわち、モータMG1や駆動軸36の摩擦とモータMG1や駆動軸36のイナーシャとによりモータMG1の回転軸にクランキングトルクと同方向に作用するトルク(回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTina)を加味してモータMG1のトルク指令Tm1*(クランキングトルク)を設定する。これにより、アクセルオンして走行しているときには、バッテリ50の放電電力を小さくして、その出力制限Woutを超えないようにすることができる。また、アクセルオフして走行しているときには、バッテリ50の充電電力を小さくして、その入力制限Winを超えないようにすることができる。この結果、エンジン22の始動用閾値(始動用パワーPstart,始動用車速Vstart)を下げても、バッテリ50の入出力制限Win,出力制限Woutを超える電力が入出力されないようにすることができ、電動走行可能な領域を拡大することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、回転抵抗トルクTresとイナーシャトルクTinaとをそれぞれ式(1),(2)により算出するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、回転角速度ωm1,ωm2と回転抵抗トルクTresとの関係を定めたマップを用いて回転抵抗トルクTresを導出してもよい。また、回転角加速度d(ωm1)/dt,d(ωm2)/dtとイナーシャトルクTinaとの関係を定めたマップを用いてイナーシャトルクTinaを導出してもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「プラネタリギヤ」に相当し、サンギヤが「第1回転要素」に相当し、キャリヤが「第2回転要素」に相当し、リングギヤが「第3回転要素」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とが「始動制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、46 コンデンサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、
    第1モータと、
    共線図において順番に並ぶ第1回転要素,第2回転要素および第3回転要素を有し、前記第1回転要素に前記第1モータの回転軸が接続され、前記第2回転要素に前記エンジンの出力軸が接続され、前記第3回転要素に駆動輪に連結された駆動軸が接続されたプラネタリギヤと、
    前記駆動軸に動力を出力可能な第2モータと、
    前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取りするバッテリと、
    前記駆動軸が正回転方向に回転して走行している最中に前記エンジンを始動するときには、負回転方向に回転している前記第1モータからの正のクランキングトルクにより前記エンジンが始動されると共に要求トルクが前記駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する始動制御手段と、
    を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記始動制御手段は、前記駆動軸の回転角速度が大きいときには小さいときに比して小さくなり、前記第1モータの回転軸の回転角速度が小さいときには大きいときに比して小さくなり、前記駆動軸の回転角加速度が大きいときには小さいときに比して小さくなり、前記第1モータの回転軸の回転角加速度が小さいときには大きいときに比して小さくなるように前記クランキングトルクを設定する、
    ハイブリッド自動車。
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