JP2019130983A - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池を搭載した電動車両において、二次電池のハイレート劣化を抑制しつつEV走行距離の低下を抑制する。【解決手段】ECU26は、ハイレート劣化の評価値ΣDを算出し、評価値ΣDにより電池16が劣化しているものと評価される場合に、SOCの目標を上昇させることによってSOCを上昇させるハイレート劣化抑制制御を実行する。ECU26は、車両起動前の外部充電の実行履歴があり、かつ、ハイレート劣化抑制制御が実行中の場合に、評価値ΣDとSOCとからEVモードを選択可能か否かを判定する。EVモード可能と判定された場合には、ECU26は、ハイレート劣化抑制制御を終了してEVモードを選択し、EVモード不可と判定された場合には、ハイレート劣化抑制制御が継続される。【選択図】図1

Description

本開示は、電動車両に関し、特に、電動車両に搭載される二次電池に生じるハイレート劣化を抑制するための制御技術に関する。
特開2017−159741号公報(特許文献1)には、バッテリ(二次電池)の使用継続時間、温度履歴、過充放電履歴の少なくとも1つに基づいてバッテリの劣化度合いを推定することが開示されている。そして、バッテリの劣化が進行すると、バッテリの内部抵抗が高まるために充電時にバッテリのSOC(State Of Charge)が増加しにくくなってしまうため、推定された劣化度合いの進行に伴ないSOCの目標値(目標SOC)を増加するように補正することが開示されている(特許文献1参照)。
特開2017−159741号公報
二次電池のSOCが目標SOCよりも高い場合は、SOCが目標SOCに低下するまで、基本的に二次電池に蓄えられた電力を用いたモータ走行(以下「EV走行」と称する。)が行なわれる。そして、SOCが目標SOCまで低下すると、エンジン等を用いた発電機構を適宜作動させてSOCを目標SOCに制御しつつ走行するハイブリッド走行(以下「HV走行」とも称する。)が行なわれる。
二次電池の充放電に伴ない二次電池の電解液に塩濃度の偏りが生じると、二次電池の内部抵抗が上昇する。この塩濃度の偏りに起因した内部抵抗の上昇は、二次電池を構成する材料の経年劣化と区別して「ハイレート劣化」等と称される。
ハイレート劣化は、SOCが低い領域で二次電池が使用されると促進される特性を有する。これは、SOCが低い領域では、電池の負極の膨張・収縮が大きくなり、電池セル内の電解液が押し出されやすくなるので、電池セル面内の塩濃度差が生じやすくなるためと考えられる。そこで、ハイレート劣化が生じた場合に目標SOCを上昇させることが考えられる。しかしながら、目標SOCを上昇させると、EV走行可能な距離が不必要に短くなったり、或いはEV走行ができなくなる可能性がある。
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、二次電池を搭載した電動車両において、二次電池のハイレート劣化を抑制しつつEV走行距離の低下を抑制することである。
本開示における電動車両は、電力を受けて車両駆動力を発生するとともに発電可能に構成された車両駆動装置と、車両駆動装置との間で電力をやり取りする二次電池と、車両外部の電源により二次電池を充電する外部充電を行なうための充電装置と、制御装置とを備える。制御装置は、二次電池のSOCを消費するEVモードと、SOCを所定の目標に制御するモードとを切替えるように構成される。制御装置は、さらに、二次電池内の塩濃度の偏りに起因した二次電池の劣化(ハイレート劣化)の度合いを示す評価値(ΣD)を算出し、評価値により二次電池が劣化しているものと評価される場合に、SOCの目標を上昇させることによってSOCを上昇させる劣化抑制制御(ハイレート劣化抑制制御)を実行する。さらに、制御装置は、車両起動前の外部充電の実行履歴があり、かつ、劣化抑制制御が実行中の場合に、評価値(ΣD)とSOCとからEVモードを選択可能か否かを判定する。そして、制御装置は、EVモードを選択可能と判定された場合には、劣化抑制制御を終了してEVモードを選択し、EVモードを選択不可と判定された場合には、劣化抑制制御を継続する。
ハイレート劣化は、特に、低SOC領域で充電方向の電流が流れると促進される特性を有する。充電方向の電流が流れることにより生じたハイレート劣化は、放電方向の電流が継続的に流れることにより回復傾向となる。ここで、SOCが消費されるEVモードでは、充電よりも放電の割合の方が大きくなるので、外部充電後のSOCが十分に高ければ、EVモードを選択することによって、継続的な放電によるハイレート劣化の回復が期待できるとともに、十分なEV走行距離を確保することができる。しかしながら、仮に劣化抑制制御が実行(継続)されていると、SOC制御目標が高められていることによりEV走行距離が短くなる。また、SOCとSOC制御目標との偏差がユーザに向けて表示されるような場合には、外部充電が実行されたにも拘わらず蓄電量が十分でないとの違和感をユーザが覚える可能性もある。そこで、この電動車両においては、車両起動前の外部充電の実行履歴があり、かつ、劣化抑制制御が実行中の場合に、評価値(ΣD)とSOCとからEVモードを選択可能か否かが判定される。
たとえば、外部充電後のSOCが高い場合には、評価値(ΣD)が大きくてもEVモードを選択可能と判定される。SOCが高い場合には、EVモードによる継続的な放電によりハイレート劣化の回復が期待できるからである。そして、EVモードを選択可能と判定された場合には、劣化抑制制御を終了してEVモードが選択される。これにより、SOCを制御目標に制御することなくSOC下限までEV走行を行なうことができ、EV走行距離を確保することができる。
一方、たとえば、評価値(ΣD)が大きい場合には、外部充電後のSOCが高くなければ、EVモードを選択不可と判定される。SOCが高くない場合は、EVモードが選択されるとSOCが早期に低下して評価値(ΣD)が増加してしまう。そこで、この場合は、EVモードの選択を不可として劣化抑制制御を継続した方が、ハイレート劣化の進行を抑制することができる。
このように、上記の電動車両によれば、ハイレート劣化の評価値(ΣD)とSOCとに基づいて、EVモードを選択することでハイレート劣化の回復を図るとともにEV走行距離を確保できるか、それともハイレート劣化抑制制御の実行を継続することでハイレート劣化の進行を抑制するかを、適切に判定することができる。
本開示における電動車両によれば、二次電池のハイレート劣化を抑制しつつEV走行距離の低下を抑制することができる。
本開示の実施の形態に従う電動車両の一例として示されるハイブリッド車両の全体構成を説明するブロック図である。 電池のSOCの推移の一例を示した図である。 SOCと充電要求パワーとの関係を示した図である。 ハイレート劣化の評価値とSOC目標との関係の一例を示した図である。 図1に示すECUの機能ブロック図である。 ハイレート劣化の評価値及びSOCとEVモード可否との関係の一例を示した図である。 ECUにより実行されるハイレート劣化抑制制御の処理手順の一例を示したフローチャートである。 ハイレート劣化抑制制御の終了判定の一例を示したフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本開示の実施の形態に従う電動車両の一例として示されるハイブリッド車両の全体構成を説明するブロック図である。図1を参照して、ハイブリッド車両100は、車両駆動装置22と、伝達ギヤ8と、駆動軸12と、車輪14と、電池16と、ECU(Electronic Control Unit)26とを備える。また、ハイブリッド車両100は、充電器28と、接続部30とをさらに備える。
車両駆動装置22は、車両駆動力を発生するとともに発電可能に構成される。具体的には、車両駆動装置22は、エンジン2と、動力分割装置4と、モータジェネレータ6,10と、電力変換器18,20とを含む。
エンジン2は、燃料の燃焼による熱エネルギーをピストンやロータなどの運動子の運動エネルギーに変換することによって動力を出力する内燃機関である。エンジン2の燃料としては、ガソリンや軽油、エタノール、液体水素、天然ガスなどの炭化水素系燃料、又は、液体若しくは気体の水素燃料が好適である。
モータジェネレータ6,10は、交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ6は、動力分割装置4を経由してエンジン2により駆動される発電機として用いられるとともに、エンジン2を始動するための電動機としても用いられる。モータジェネレータ10は、主として電動機として動作し、駆動軸12を駆動する。一方で、車両の制動時や降坂走行時には、モータジェネレータ10は、発電機として動作して回生発電を行なう。
動力分割装置4は、たとえば、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を含む。動力分割装置4は、エンジン2の駆動力を、モータジェネレータ6の回転軸に伝達される動力と、伝達ギヤ8に伝達される動力とに分割する。伝達ギヤ8は、車輪14を駆動するための駆動軸12に連結される。また、伝達ギヤ8は、モータジェネレータ10の回転軸にも連結される。
電池16は、再充電可能な二次電池であり、たとえば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池である。電池16は、電力変換器18,20へ電力を供給する。また、電池16は、モータジェネレータ6及び/又は10の発電時に発電電力を受けて充電される。さらに、電池16は、接続部30を通じて車両外部の電源(図示せず)から供給される電力を受けて充電され得る。電流センサ24は、電池16に入出力される電流Iを検出し(電池16からの出力(放電)を正値、電池16への入力(充電)を負値として検出する。)、その検出値をECU26へ出力する。
なお、電池16の残存容量は、たとえば、電池16の満充電状態に対する現在の蓄電量を百分率で表したSOCによって示される。SOCは、たとえば、電流センサ24及び/又は図示されない電圧センサの検出値に基づいて算出される。SOCは、ECU26で算出してもよいし、電池16に別途設けられるECUで算出してもよい。
電力変換器18は、ECU26から受ける制御信号に基づいて、モータジェネレータ6と電池16との間で双方向の直流/交流電力変換を実行する。同様に、電力変換器20は、ECU26から受ける制御信号に基づいて、モータジェネレータ10と電池16との間で双方向の直流/交流電力変換を実行する。これにより、モータジェネレータ6,10は、電池16との間での電力の授受を伴なって、電動機として動作するための正トルク又は発電機として動作するための負トルクを出力することができる。電力変換器18,20は、たとえばインバータによって構成される。なお、電池16と電力変換器18,20との間に、直流電圧変換のための昇圧コンバータを配置してもよい。
充電器28は、接続部30に電気的に接続される車両外部の電源からの電力を電池16の電圧レベルに変換して電池16へ出力する(以下、車両外部の電源を「外部電源」とも称し、外部電源による電池16の充電を「外部充電」とも称する。)。充電器28は、たとえば整流器やインバータを含んで構成される。なお、外部電源からの受電方法は、接続部30を用いた接触受電に限定されず、接続部30に代えて受電用コイル等を用いて外部電源から非接触で受電してもよい。
ECU26は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、ハイブリッド車両100における各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU26の主要な制御として、ECU26は、車速とアクセルペダルの操作量に応じたアクセル開度とに基づいて車両駆動トルク(要求値)を算出し、算出された車両駆動トルクに基づいて車両駆動パワー(要求値)を算出する。また、ECU26は、電池16のSOCに基づいて電池16の充電要求パワーをさらに算出し、車両駆動パワーに充電要求パワーを加えたパワー(以下「車両パワー」と称する。)を発生するように車両駆動装置22を制御する。
ECU26は、車両パワーが小さいときは、エンジン2を停止させてモータジェネレータ10のみで走行(EV走行)するように車両駆動装置22を制御する。これにより、電池16は放電し、電池16のSOCは減少する。車両パワーが大きくなると、ECU26は、エンジン2を作動させて走行(HV走行)するように車両駆動装置22を制御する。このとき、エンジン2の出力が車両パワーよりも大きければ電池16は充電され、車両パワーの方がエンジン出力よりも大きければ電池16は放電する。
そして、ECU26は、HV走行を許容しつつもEV走行を主体的に行なうことによって電池16のSOCを積極的に消費するモード(EVモード)と、HV走行とEV走行とを適宜切替えることによってSOCを維持するモードとを選択的に適用して車両の走行を制御する。後者のモードについては、SOCが所定の下限まで低下するとSOCを下限に維持するモード(HVモード)と、ユーザの要求に従ってSOCを下限よりも高い状態に維持するモード(HVSモード)とを含む。各モードについては、後ほど詳しく説明する。
また、ECU26は、外部充電の実行中、接続部30に電気的に接続される外部電源から供給される電力を電池16の電圧レベルに変換して電池16へ出力するように充電器28を制御する。
さらに、ECU26は、電池16の充放電に伴なう電池16の塩濃度の継続的な偏りに起因した電池16の劣化(ハイレート劣化)の度合いを示す評価値(ΣD)を算出する。評価値(ΣD)の算出方法については後ほど詳しく説明するが、この評価値は、電池16が充電過多の使われ方をすることによって塩濃度の偏りが生じた場合には負の値を示し、電池16が放電過多の使われ方をすることによって塩濃度の偏りが生じた場合には正の値を示す。
上述のように、ハイレート劣化は、SOCが低い領域で電池が使用されると促進され、特に、低SOC領域で充電方向の電流が流れると促進される特性を有する。そこで、評価値(ΣD)によりハイレート劣化が進行していると評価される場合に、SOCの制御目標を高めることによってSOCを上昇させることが考えられる(以下、このようなSOC制御を「ハイレート劣化抑制制御」と称する。)。しかしながら、ハイレート劣化抑制制御によってSOCの制御目標が高められると、EV走行可能な距離が不必要に短くなったり、或いはEV走行ができなくなる可能性がある。
充電方向の電流が流れることにより生じたハイレート劣化は、放電方向の電流が継続的に流れることにより回復傾向となる。ここで、SOCが消費されるEVモードでは、充電よりも放電の割合の方が大きくなるので、外部充電後のSOCが十分に高ければ、EVモードを選択することによって、継続的な放電によるハイレート劣化の回復が期待できるとともに、十分なEV走行距離を確保することができる。しかしながら、ハイレート劣化抑制制御が実行(継続)されていると、SOC制御目標が高められていることによりEV走行距離が短くなる。また、SOCとSOC制御目標との偏差がユーザに向けて表示されるような場合には、外部充電が実行されたにも拘わらず蓄電量が十分でないとの違和感をユーザが覚える可能性もある。
そこで、この実施の形態では、ECU26は、車両起動前の外部充電の実行履歴があり、かつ、ハイレート劣化抑制制御が実行中の場合に、ハイレート劣化の評価値(ΣD)とSOCとからEVモードを選択可能か否かを判定する。
たとえば、外部充電後のSOCが高い場合には、ECU26は、評価値(ΣD)が大きくてもEVモードを選択可能と判定することができる。SOCが高い場合には、EVモードでのEV走行に伴なう継続的な放電によりハイレート劣化の回復が期待できる。そして、EVモードを選択可能と判定された場合には、ECU26は、ハイレート劣化抑制制御を終了してEVモードを選択する。これにより、SOCを制御目標に制御することなくSOC下限までEV走行を行なうことができ、EV走行距離を確保することができる。
一方、たとえば、評価値(ΣD)が大きい場合には、ECU26は、外部充電後のSOCが高くなければ、EVモードを選択不可と判定することができる。SOCが高くない場合は、EVモードが選択されるとSOCが早期に低下して評価値(ΣD)が増加してしまう。そこで、EVモードを選択不可と判定された場合には、ECU26は、ハイレート劣化抑制制御を継続する。これにより、ハイレート劣化の進行を抑制することができる。
図2は、電池16のSOCの推移の一例を示した図である。図2を参照して、外部充電により電池16が満充電状態(SOC=MAX)となった後、時刻t0においてEVモードで走行が開始されたものとする。
EVモードは、電池16のSOCを積極的に消費するモードであり、基本的には、電池16に蓄えられた電力(主には外部充電による電気エネルギー)を消費するものである。EVモードでの走行時は、SOCを維持するためにはエンジン2は作動しない。具体的には、たとえば、EVモード中は電池16の充電要求パワーが零に設定される。これにより、車両の減速時等に回収される回生電力やエンジン2の作動に伴ない発電される電力により一時的にSOCが増加することはあるものの、結果的に充電よりも放電の割合の方が相対的に大きくなり、全体としては走行距離の増加に伴ないSOCが減少する。
なお、EVモードにおいても、車両パワー(車両駆動パワー)がエンジン始動しきい値を超えれば、エンジン2は作動する。また、車両パワーがエンジン始動しきい値を超えていなくても、エンジン2や排気触媒の暖機時などエンジン2の作動が許容される場合もある。すなわち、EVモードにおいても、EV走行とHV走行とが可能である。なお、このようなEVモードは、「CD(Charge Depleting)モード」と称されることもある。
時刻t3において、SOCが下限SLまで低下すると、EVモードからHVモードに制御モードが切替えられる(時刻t1からt2のHVSモードについては後述)。HVモードは、SOCを下限SLに制御(維持)するモードである。具体的には、SOCが下限SLよりも低下するとエンジン2が作動し(HV走行)、SOCが上昇するとエンジン2が停止する(EV走行)。このように、HVモードでは、SOCを維持するためにエンジン2が作動する。
なお、HVモードにおいても、SOCが高くなればエンジン2は停止する。すなわち、HVモードは、エンジン2を常時作動させて走行するHV走行に限定されるものではなく、HVモードにおいても、EV走行とHV走行とが可能である。
HVSモードは、ユーザの要求に従ってSOCを下限SLよりも高い状態に維持するモードである。この例では、時刻t1においてユーザの要求があり、要求が解除される時刻t2までSOCがユーザ要求時の値SC1(SC1>SL)に制御(維持)される。なお、HVSモードへの移行要求及び解除は、たとえば、ユーザが操作可能な図示しない操作部からユーザにより入力される。
HVSモードでは、SOCが値SC1よりも低下するとエンジン2が作動し(HV走行)、SOCが上昇するとエンジン2が停止する(EV走行)。このように、HVSモードでも、SOCを維持するためにエンジン2が作動する。SOCが維持されるHVモード及びHVSモードは、纏めて「CS(Charge Sustain)モード」と称されることもある。
なお、HVSモードにおいても、HVモードと同様に、SOCが高くなればエンジン2は停止する。すなわち、HVSモードも、エンジン2を常時作動させて走行するHV走行に限定されるものではなく、HVSモードにおいても、EV走行とHV走行とが可能である。
なお、EVモードにおけるエンジン始動しきい値は、HVモード及びHVSモードにおけるエンジン始動しきい値よりも大きくするのが好ましい。すなわち、EVモードにおいてハイブリッド車両100がEV走行する領域は、HVモード及びHVSモードにおいてハイブリッド車両100がEV走行する領域よりも大きいのが好ましい。これにより、EVモードにおいては、エンジン2が始動する頻度がさらに抑制され、EV走行の機会をさらに拡大することができる。
なお、SOCが維持されるHVモード及びHVSモードにおいては、電池16のSOCに基づいて電池16の充電要求パワーが算出される。たとえば、図3に示されるように、SOC(算出値)と制御目標SC(HVモードにおいては下限SL、HVSモードにおいては値SC1)との偏差に基づいて、電池16の充放電要求パワーが決定される。そして、車両駆動パワーに充電要求パワーを加えたパワー(車両パワー)を発生するように車両駆動装置22が制御される。これにより、HVモードにおいては、下限SLの近傍にSOCが制御され、HVSモードにおいては、値SC1の近傍にSOCが制御される。
時刻t4において、HVモードが選択されている場合に、ハイレート劣化の評価値(ΣD)によりハイレート劣化が進行しているものと評価されると、ハイレート劣化抑制制御が実行され、SOCの制御目標が下限SLから所定値SC2(SC2>SL)に高められる。なお、一例として、下限SLがSOC20%程度に設定されるのに対し、所定値SC2はSOC50%程度に設定される。
図4は、ハイレート劣化の評価値(ΣD)とSOC目標との関係の一例を示した図である。図4を参照して、評価値(ΣD)が負値として増加し、時刻t11において評価値(ΣD)がしきい値SDth(負値)に達すると、SOCの制御目標(図3の目標SC)が値SC2に高められる。これにより、評価値(ΣD)の増加傾向(負方向への増加)が抑制される。なお、特に図示しないが、評価値(ΣD)の増加(負方向への増加)に応じてSOC目標を段階的に高めてもよい。
再び図2を参照して、ハイレート劣化抑制制御が実行されている最中、時刻t5において外部充電が開始され、SOCが上昇する。そして、時刻t6において外部充電が終了し、この例では、電池16は満充電状態(SOC=MAX)まで充電されている。
その後、時刻t7において、車両が起動されると、ハイレート劣化の評価値(ΣD)とSOCとからEVモードを選択可能か否かが判定される。判定方法については後ほど詳しく説明するが、この例では、SOCが十分に高く(満充電状態)、ハイレート劣化抑制制御を終了してEVモードを選択可能と判定される。これにより、SOCが下限SLに低下するまでEV走行主体で走行することができ、EV走行距離を確保することができるとともにハイレート劣化も回復する。
図5は、図1に示したECU26の機能ブロック図である。図5を参照して、ECU26は、SOC算出部52と、ダメージ量算出部54と、評価値算出部56と、記憶部58と、判定部60と、SOC制御部62と、モード制御部64と、走行制御部66と、外部充電制御部68とを含む。
SOC算出部52は、電流センサ24(図1)及び/又は図示されない電圧センサによって検出される電池16の電流I及び/又は電圧に基づいて、電池16のSOCを算出する。SOCの具体的な算出方法については、電流Iの積算値を用いる手法や、電池16の開回路電圧(OCV(Open Circuit Voltage))とSOCとの関係を示すOCV−SOCカーブを用いる手法等、種々の公知の手法を用いることができる。
ダメージ量算出部54は、電池16に対して入出力される電流Iとその通電時間とに基づいて、電池16内の塩濃度の偏りに起因した電池16のダメージ量Dを算出する。ダメージ量Dは、たとえば、以下の式(1)に基づいて、所定の周期Δtで算出される。
D(N)=D(N−1)−α×Δt×D(N−1)+(β/C)×I×Δt …(1)
ここで、D(N)はダメージ量Dの今回演算値を示し、D(N−1)は、周期Δt前に算出されたダメージ量Dの前回演算値を示す。D(N−1)は、前回演算時に記憶部58に記憶され、今回演算時に記憶部58から読み出される。
式(1)における右辺第2項のα×Δt×D(N−1)は、ダメージ量Dの減少項であり、塩濃度の偏りが緩和するときの成分を示す。αは忘却係数であり、電池16の電解液中におけるイオンの拡散速度に対応する係数である。拡散速度が高いほど、忘却係数αは大きくなる。α×Δtの値は、0から1までの値となるように設定される。このダメージ量Dの減少項は、忘却係数αが大きいほど(すなわちイオンの拡散速度が高いほど)、また、周期Δtが長いほど、大きな値となる。
忘却係数αは、電池16のSOCや温度に依存する。忘却係数αと、電池16のSOC及び温度との対応関係を実験等によって予め求めて記憶部58に記憶しておき、演算時の電池16のSOC及び温度に基づいて忘却係数αが設定される。なお、忘却係数αは、たとえば、電池16の温度が同じであればSOCが高いほど大きい値に設定され、SOCが同じであれば電池16の温度が高いほど大きい値に設定され得る。
式(1)における右辺第3項の(β/C)×I×Δtは、ダメージ量Dの増加項であり、塩濃度の偏りが発生するときの成分を示す。βは電流係数であり、Cは限界しきい値を示す。このダメージ量Dの増加項は、電流Iが大きいほど、また、周期Δtが長いほど、大きな値となる。
電流係数β及び限界しきい値Cは、電池16のSOCや温度に依存する。電流係数β及び限界しきい値Cの各々と、電池16のSOC及び温度との対応関係を実験等によって予め求めて記憶部58に記憶しておき、演算時の電池16のSOC及び温度に基づいて、電流係数β及び限界しきい値Cが設定される。なお、限界しきい値Cは、たとえば、電池16の温度が同じであればSOCが高いほど大きい値に設定され、SOCが同じであれば電池16の温度が高いほど大きい値に設定される。
このように、塩濃度の偏りの発生及び緩和をそれぞれ上記の増加項及び減少項で表して現在のダメージ量Dを算出することにより、ハイレート劣化の要因と考えられる塩濃度の偏りの変化(増減)を適切に把握することができる。
評価値算出部56は、電池16のハイレート劣化の度合いを示す評価値ΣDを算出する。ハイレート劣化の進行状態は、ダメージ量算出部54によって算出されるダメージ量Dの積算値を用いて評価される。評価値ΣDは、たとえば、以下の式(2)に基づいて算出される。
ΣD(N)=γ×ΣD(N−1)+η×D(N) …(2)
ここで、ΣD(N)は評価値の今回演算値を示し、ΣD(N−1)は、周期Δt前に算出された評価値の前回演算値を示す。γは減衰係数であり、ηは補正係数である。ΣD(N−1)は、前回演算時に記憶部58に記憶され、今回演算時に記憶部58から読み出される。γ及びηも、記憶部58に予め記憶され、今回演算時に記憶部58から読み出される。
減衰係数γは、1よりも小さい値に設定される。時間の経過に伴なうイオンの拡散によって塩濃度の偏りが緩和されるので、今回の評価値ΣD(N)を算出するときに、前回の評価値ΣD(N−1)が減少していることを考慮するものである。補正係数ηは、適宜設定される。
このようにして算出される評価値ΣDは、電池16が充電過多の使われ方をすると、充電過多に応じた塩濃度の偏りが増加することにより負方向(負値)に増加する。なお、電池16が放電過多の使われ方をした場合には、評価値ΣDは、放電過多に応じた塩濃度の偏りが増加することにより正方向(正値)に増加する。
判定部60は、評価値算出部56によって算出された評価値ΣDがしきい値SDth(図4)に達しているか否かを判定する。上述のように、ハイレート劣化は、特に、低SOC領域で充電方向の電流が流れると促進される特性を有するところ、具体的には、判定部60は、評価値ΣDが負方向に増加してしきい値SDth(負値)を下回っているか否かを判定する。
モード制御部64は、EVモード、HVモード、及びHVSモードの切替を制御する。具体的には、後述のSOC制御部62において外部充電後にEVモード可能と判定されると、モード制御部64は、EVモードを選択する。EVモードでの走行によりSOCが下限SLまで低下すると、モード制御部64は、EVモードからHVモードに切替える。また、モード制御部64は、ユーザの要求に従ってHVSモードを選択する。EVモード中に上記要求があった場合には、SOCがそのときの値に維持される。HVモード中に上記要求があった場合には、たとえば、下限SLよりも所定量高い値にSOCを維持するようにしてもよいし、HVSモードへの切替を不可としてもよい。
SOC制御部62は、判定部60における判定結果を判定部60から受ける。そして、SOC制御部62は、判定部60において評価値ΣDがしきい値SDthに達していると判定されている場合に、SOCの制御目標を、HVモード時の目標である下限SLから値SC2(SC2>SL)へ高める(ハイレート劣化抑制制御)。
また、SOC制御部62は、後述の外部充電制御部68から外部充電が実行された旨の通知を受ける。そして、SOC制御部62は、車両の起動時に車両起動前の外部充電の実行履歴があり、かつ、ハイレート劣化抑制制御が実行中の場合に、ハイレート劣化の評価値ΣDとSOCとに基づいて、EVモードを選択可能か、それともハイレート劣化抑制制御の実行を継続するかを判定する。
SOC制御部62は、SOCが高い場合は、評価値ΣDの絶対値が大きくてもEVモードを選択可能と判定する。SOCが高い場合は、EVモードでのEV走行に伴なう継続的な放電によりハイレート劣化の回復が期待できるからである。また、SOC制御部62は、評価値ΣDの絶対値が大きい場合は、SOCが高くなければEVモードの選択を不可としてハイレート劣化抑制制御の実行を継続する。SOCが高くない場合は、EVモードが選択されてもEV走行によるハイレート劣化の回復がさほど期待できず、SOCの早期低下により評価値ΣDが増加してしまうからである。
図6は、ハイレート劣化の評価値ΣD及びSOCとEVモード可否との関係の一例を示した図である。図6を参照して、この例では、SOCが高い程、評価値ΣDの絶対値が大きくてもEVモードを選択可能とされる。言い換えると、評価値ΣDの絶対値が大きい程、SOCが高くないとEVモードが選択されない(ハイレート劣化抑制制御を継続)。
ECU26は、図6に示されるような関係を特定したマップ或いは判定式を記憶装置に予め記憶し、評価値算出部56により算出される評価値ΣDと、SOC算出部52により算出されるSOCとに基づいて、EVモードの選択可否を判定することができる。
なお、EVモードの可否判定は、図6に示される関係に限定されるものではなく、たとえば、SOCが所定値よりも高く、かつ、評価値ΣDの絶対値が所定値よりも小さい場合は、EVモードを選択可能とし、その他の場合は、EVモードを選択不可としてもよい。或いは、評価値ΣDの絶対値が所定値よりも大きく、かつ、SOCが所定値よりも低い場合は、EVモードを選択不可とし、その他の場合は、EVモードを選択可能とする等してもよい。
また、現在のSOCからEVモードでEV走行を継続して行なった場合に、ハイレート劣化がどの程度回復するかを評価値ΣDにより予測し、SOCが低下してHVモードに移行したときにハイレート劣化抑制制御が作動しないことが予測される場合には、EVモードを選択可能とするようにしてもよい。
再び図5を参照して、SOC制御部62は、ハイレート劣化の評価値ΣDとSOCとに基づいてEVモードを選択可能と判定すると、ハイレート劣化抑制制御を終了し、EVモードを選択するようにモード制御部64へ指示を出力する。
走行制御部66は、車速とアクセル開度とに基づいて車両駆動パワー(要求値)を算出する。また、走行制御部66は、モード制御部64からモードの選択情報を受け、HVモード又はHVSモードが選択されている場合には、SOCに基づいて電池16の充電要求パワーをさらに算出し(図3)、車両駆動パワーに充電要求パワーを加えた車両パワーを算出する。なお、EVモードが選択されている場合には、走行制御部66は、車両駆動パワーを車両パワーとする。
そして、車両パワーがエンジン始動しきい値よりも小さいときは、走行制御部66は、EV走行を行なうように車両駆動装置22を制御する。一方、車両パワーがエンジン始動しきい値以上であるときは、走行制御部66は、エンジン2を作動させてHV走行を行なうように車両駆動装置22を制御する。このとき、エンジン2の出力が車両パワーよりも大きければ電池16は充電され、車両パワーの方がエンジン出力よりも大きければ電池16は放電する。
外部充電制御部68は、接続部30に外部電源が接続されている場合に、所定の充電実行条件が成立すると、外部充電を実行する。具体的には、外部充電制御部68は、接続部30に電気的に接続される外部電源からの電力を電池16の電圧レベルに変換して電池16へ出力するように充電器28を制御する。
そして、外部充電制御部68は、外部充電が実行されると、実行履歴を記憶装置に記憶するとともに、外部充電が実行された旨の通知をSOC制御部62へ通知する。なお、外部充電の実行履歴は、SOC制御部62によるEVモードの可否判定が行なわれると消去される。
図7は、ECU26により実行されるハイレート劣化抑制制御の処理手順の一例を示したフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、所定の周期Δt毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。
図7を参照して、ECU26は、電池16に入出力される電流Iを電流センサ24によって検出する(ステップS10)。次いで、ECU26は、電池16のSOCを算出する(ステップS20)。なお、SOCの算出には、種々の公知の手法を用い得る。
続いて、ECU26は、ステップS10において検出された電流I、及びステップS20において算出されたSOCに基づいて、上述の式(1)を用いて電池16のダメージ量Dを算出する(ステップS30)。さらに、ECU26は、上述の式(2)を用いて、ステップS30において算出されたダメージ量Dに基づいて、電池16のハイレート劣化の度合いを示す評価値ΣDを算出する(ステップS40)。そして、ECU26は、評価値ΣDがしきい値SDth(負値)を下回っているか否かを判定する(ステップS50)。
評価値ΣDがしきい値を下回っていると判定されると(ステップS50においてYES)、ECU26は、ハイレート劣化抑制制御の実行を示す制御実行フラグをオンにし(ステップS60)、SOCの制御目標を下限SLから値SC2(図2)へ高める(ステップS70)。これにより、SOCが下限SLから上昇し、ハイレート劣化が抑制される。
なお、ステップS50において評価値ΣDがしきい値SDth以上である(しきい値SDthに達していない)と判定された場合は(ステップS50においてNO)、ステップS60,S70の処理は実行されずにリターンへと処理が移行される。
図8は、ハイレート劣化抑制制御の終了判定の一例を示したフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、たとえば車両の起動時(パワースイッチやイグニッションキー等のオン時)に実行される。
図8を参照して、ECU26は、ハイレート劣化抑制制御の実行を示す制御実行フラグがオンされているか否かを判定する(ステップS110)。制御実行フラグが既にオフである場合は(ステップS110においてNO)、ハイレート劣化抑制制御は実行されていないので、リターンへと処理が移行される。
ステップS110において制御実行フラグがオンであると判定されると(ステップS110においてYES)、ECU26は、車両起動前の外部充電の実行履歴が有るか否かを判定する(ステップS120)。
外部充電の実行履歴有と判定されると(ステップS120においてYES)、ECU26は、ハイレート劣化の評価値ΣDとSOCとに基づいて、EVモードの選択可否を判定する(ステップS130)。たとえば、ECU26は、評価値ΣD及びSOCとEVモード可否との関係を特定するマップ等(図6)を用いて、評価値ΣDとSOCとに基づいてEVモードの選択可否を判定する。
そして、EVモードを選択可能と判定されると(ステップS140においてYES)、ECU26は、制御実行フラグをオフにしてハイレート劣化抑制制御を終了し(ステップS150)、EVモードを選択する(ステップS160)。これにより、EVモードがHVモードに切替わる下限SLにSOCが低下するまでEV走行可能となる。
一方、ステップS140においてEVモードを選択不可と判定されると(ステップS140においてNO)、ECU26は、ハイレート劣化抑制制御を継続する(ステップS170)。すなわち、制御実行フラグはオンに維持され、EVモードも選択されない。したがって、この場合は、ハイレート劣化抑制制御中のSOC制御目標である値SC2にSOCが低下するまではEV走行し得るけれども、SOCが値SC2に達した後は、HV走行が適宜行なわれてSOCが値SC2に維持される。
以上のように、この実施の形態においては、車両起動前の外部充電の実行履歴があり、かつ、ハイレート劣化抑制制御が実行中の場合に、ハイレート劣化の評価値ΣDとSOCとに基づいて、EVモードを選択可能か否かが判定される。これにより、評価値ΣDとSOCとに基づいて、EVモードを選択することでハイレート劣化の回復を図るとともにEV走行距離を確保できるか、それともハイレート劣化抑制制御の実行を継続することでハイレート劣化の進行を抑制するかを、適切に判定することができる。
なお、上記の実施の形態では、外部電源から供給される電力を電池16の電圧レベルに変換する充電器28が設けられるものとしたが、そのような充電器28を設けることなく、直流の外部電源によって電池16を直接(電力変換することなく)充電するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 エンジン、4 動力分割装置、6,10 モータジェネレータ、8 伝達ギヤ、12 駆動軸、14 車輪、16 電池、18,20 電力変換器、22 車両駆動装置
24 電流センサ、28 充電器、30 接続部、52 SOC算出部、54 ダメージ量算出部、56 評価値算出部、58 記憶部、60 判定部、62 SOC制御部、64 モード制御部、66 走行制御部、68 外部充電制御部、100 ハイブリッド車両。

Claims (1)

  1. 電力を受けて車両駆動力を発生するとともに発電可能に構成された車両駆動装置と、
    前記車両駆動装置との間で電力をやり取りする二次電池と、
    車両外部の電源により前記二次電池を充電する外部充電を行なうための充電装置と、
    前記二次電池のSOCを消費するEVモードと、前記SOCを所定の目標に制御するモードとを切替えるように構成された制御装置とを備え、
    前記制御装置は、さらに、
    前記二次電池内の塩濃度の偏りに起因した前記二次電池の劣化の度合いを示す評価値を算出し、
    前記評価値により前記二次電池が劣化しているものと評価される場合に、前記SOCの目標を上昇させることによって前記SOCを上昇させる劣化抑制制御を実行し、
    車両起動前の前記外部充電の実行履歴があり、かつ、前記劣化抑制制御が実行中の場合に、前記評価値と前記SOCとから前記EVモードを選択可能か否かを判定し、
    前記EVモードを選択可能と判定された場合には、前記劣化抑制制御を終了して前記EVモードを選択し、
    前記EVモードを選択不可と判定された場合には、前記劣化抑制制御を継続する、電動車両。
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