JP2019128830A - 機械学習装置、サーボモータ制御装置、サーボモータ制御システム、及び機械学習方法 - Google Patents

機械学習装置、サーボモータ制御装置、サーボモータ制御システム、及び機械学習方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サーボモータ制御装置の制御部及び補正部のパラメータを補正して、サーボ性能の向上を図る。【解決手段】サーボモータを制御する制御部のパラメータと、位置指令とトルク指令の少なくとも一方の補正値とを変更する変更部を備えるサーボモータ制御装置に対して、機械学習を行う機械学習装置であって、所定のプログラムをサーボモータ制御装置に実行させることにより、位置指令と、位置偏差を含むサーボ状態と、パラメータと補正値の組み合わせと、を含む状態情報を取得する状態情報取得手段と、状態情報に含まれるパラメータと補正値の組み合わせの調整情報を含む行動情報を出力する行動情報出力手段と、状態情報に含まれる前記位置偏差に基づく、強化学習における報酬の値を出力する報酬出力手段と、報酬出力手段により出力される報酬の値と、状態情報と、行動情報とに基づいて行動価値関数を更新する価値関数更新手段と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、制御対象にかかる負荷の変動に対して、サーボモータを制御する制御部のパラメータと、位置指令とトルク指令との少なくとも一方の補正値との変更を行うサーボモータ制御装置に対して、当該パラメータと補正値に関する学習を行う機械学習装置、この機械学習装置を含むサーボモータ制御装置とサーボモータ制御システム、及び機械学習方法に関する。
従来のサーボモータ制御装置は、例えば、特許文献1に記載された数値制御装置、特許文献2に記載された、機械装置の制御装置、特許文献3に記載された、電動機の制御装置、及び特許文献4に記載されたサーボ制御装置が知られている。
特許文献1に記載された、数値制御装置は、工作機械の送り軸の移動範囲を複数の領域に分割し、分割された複数の領域のそれぞれに応じた複数の制御パラメータを予め記憶する。ワーク加工時の送り軸の位置を検出し、記憶した複数の制御パラメータから、検出されたワーク加工時の送り軸の位置が属する分割された領域に対応する制御パラメータを読みだし、読みだされた制御パラメータを用いて送り軸を制御する。また数値制御装置は、トルクフィードフォワード制御部からの出力と速度フィードバック制御部からの出力とを加算し、その加算値を、バンドエリミネーションフィルタを介して送り軸モータ駆動部に供給することで、送り軸モータを駆動する。
特許文献2に記載された、機械装置の制御装置は、機械装置から出力される速度に基づいて機械装置に生ずる摩擦力を推定し、推定された摩擦力に比例ゲインを乗算して摩擦補正値を求め、求めた摩擦補正値を用いてトルク指令を補正する。比例ゲインは機械装置に対する位置指令から位置偏差までの伝達関数のゲイン特性に基づいて決定する。
特許文献3に記載された、電動機の制御装置は、第1電動機の位置偏差が最小となるように位置偏差補正量を計算する第1学習制御器と、第2電動機の位置偏差が最小となるように位置偏差補正量を計算する第2学習制御器とを備え、学習制御の応答性を定めるパラメータを同じにすることで、各電動機の応答性を同等にしている。
特許文献4に記載されたサーボ制御装置は、原動軸を駆動するマスター側駆動源と、従動軸を駆動するスレーブ側駆動源とを同期制御するサーボ制御装置である。そして、このサーボ制御装置は、マスター側駆動源の位置偏差とスレーブ側駆動源の位置偏差との差分である同期誤差を求め、同期誤差を小さくするように、スレーブ側駆動源の対する位置指令値に基づいてスレーブ側駆動源の位置偏差を補正する。学習制御部は同期誤差を受け取り、この同期誤差に基づいて送り側サーボモータの位置偏差を補正する補正データを算出する。
国際公開第2012−057219号 特開2015−156194号公報 特開2009−106034号公報 特開2008−225533号公報
サーボモータ制御装置によって制御される制御対象にかかる負荷は、制御対象の回転軸の角度、又は制御対象の駆動体の位置等により変動する場合がある。この負荷の変動に対して、サーボモータを制御する制御部のパラメータと、位置指令とトルク指令との少なくとも一方の補正値を変更することはサーボ性能向上において重要である。制御対象にかかる負荷の変動に対して制御部のパラメータと補正値を変更させる場合に、制御対象の回転軸の角度、制御対象の駆動体の位置に対応して制御部のパラメータの値と補正値とをどのような値に設定するかが問題となる。
本発明は、制御対象の回転軸の角度、制御対象の駆動体の位置に対して、サーボモータ制御装置の制御部のパラメータの値と、位置指令とトルク指令との少なくとも一方の補正値とを適切な値に設定して、サーボ性能の向上を図ることができる、機械学習装置、サーボモータ制御装置、サーボモータ制御システム、及び機械学習方法を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係る機械学習装置(例えば、後述の機械学習装置300)は、位置指令に基づいてサーボモータ(例えば、後述のサーボモータ101)を制御する制御部(例えば、後述の制御部204)のパラメータと、前記位置指令とトルク指令との少なくとも一方の補正値と、を変更する変更部(例えば、後述の変更部206)を備えるサーボモータ制御装置(例えば、後述のサーボモータ制御装置200)に対して、機械学習を行う機械学習装置であって、
所定のプログラムを前記サーボモータ制御装置に実行させることにより、前記位置指令と、少なくとも位置偏差を含むサーボ状態と、前記制御部のパラメータと前記補正値の組み合わせと、を含む状態情報を、前記サーボモータ制御装置から取得する状態情報取得手段(例えば、後述の状態情報取得部301)と、
前記状態情報に含まれる前記パラメータと前記補正値の組み合わせの調整情報を含む行動情報を前記サーボモータ制御装置に出力する行動情報出力手段(例えば、後述の行動情報出力部303)と、
前記状態情報に含まれる前記位置偏差に基づく、強化学習における報酬の値を出力する報酬出力手段(例えば、後述の報酬出力部3021)と、
前記報酬出力手段により出力される報酬の値と、前記状態情報と、前記行動情報とに基づいて行動価値関数を更新する価値関数更新手段(例えば、後述の価値関数更新部3022)と、
を備える機械学習装置である。
(2) 上記(1)の機械学習装置において、前記報酬出力手段は、前記位置偏差の絶対値に基づいて前記報酬の値を出力してもよい。
(3) 上記(1)又は(2)の機械学習装置において、前記価値関数更新手段により更新された価値関数に基づいて、前記変更部に、前記制御部のパラメータと、前記位置指令と前記トルク指令の少なくとも一方の前記補正値との組み合わせを生成して出力する最適化行動情報出力手段(例えば、後述の最適化行動情報出力部305)をさらに備えてもよい。
(4) 本発明に係るサーボモータ制御システム(例えば、後述のサーボモータ制御システム10)は、上記(1)から(3)のいずれかに記載の機械学習装置(例えば、後述の機械学習装置300)と、位置指令に基づいてサーボモータを制御する制御部(例えば、後述の制御部204)のパラメータと、位置指令とトルク指令の少なくとも一方の補正値とを変更する変更部(例えば、後述の変更部206)を備えるサーボモータ制御装置(例えば、後述のサーボモータ制御装置200)と、該サーボモータ制御装置により制御される制御対象(例えば、後述の制御対象100、110、120)と、を備えたサーボモータ制御システムである。
(5) 上記(4)のサーボモータ制御システムにおいて、前記制御対象(例えば、後述の制御対象100)は、サーボモータと該サーボモータにより回転角度が制御される駆動体(例えば、後述のチルト機構104)とを有し、前記回転角度に依存して前記駆動体の回転軸が受ける負荷が変動してもよい。
(6) 上記(4)のサーボモータ制御システムにおいて、前記制御対象(例えば、後述の制御対象110又は120)は、サーボモータと該サーボモータにより位置が制御される駆動体(例えば、後述の主軸頭113又はナット124)とを有し、前記位置に依存して前記制御対象が受ける負荷が変動してもよい。
(7) 上記(5)又は(6)のサーボモータ制御システムにおいて、前記負荷は時間的に変化してもよい。
(8) 上記(4)から(7)のいずれかのサーボモータ制御システムにおいて、前記サーボモータ制御装置の前記制御部は、前記位置指令に基づいて速度指令を生成する位置制御部(例えば、後述の位置制御部2041)と、該位置制御部から出力される速度指令に基づいて前記トルク指令を生成する速度制御部(例えば、後述の速度制御部2043)と、該速度制御部から出力される前記トルク指令の所定周波数範囲の周波数の信号を減衰させるフィルタ(例えば、後述のフィルタ2044)とを備え、
前記変更部は、前記行動情報に基づいて前記位置制御部と前記速度制御部との少なくとも一方のゲイン、前記フィルタのフィルタ係数、及び前記位置指令又は前記トルク指令に加えるトルクオフセット値と摩擦補正値との少なくとも一方を変更してもよい。
(9) 本発明に係るサーボモータ装置(例えば、後述のサーボモータ制御装置200)は、上記(1)から(3)のいずれかの機械学習装置(例えば、後述の機械学習装置300)と、位置指令に基づいてサーボモータを制御する制御部(例えば、後述の制御部204)のパラメータと、位置指令とトルク指令の少なくとも一方の補正値とを、前記機械学習装置からの行動情報に基づいて、変更する変更部(例えば、後述の変更部206)と、を備えたサーボモータ制御装置である。
(10) 本発明に係る機械学習方法は、位置指令に基づいてサーボモータを制御する制御部(例えば、後述の制御部204)のパラメータと、前記位置指令とトルク指令の少なくとも一方の補正値と、を変更する変更部(例えば、後述の変更部206)を備えるサーボモータ制御装置(例えば、後述のサーボモータ制御装置200)に対して、機械学習を行う機械学習装置(例えば、後述の機械学習装置300)の機械学習方法であって、
所定のプログラムを前記サーボモータ制御装置に実行させることにより、前記位置指令と、少なくとも位置偏差を含むサーボ状態と、前記制御部のパラメータと前記補正値の組み合わせと、を含む状態情報を、前記サーボモータ制御装置から取得し、
前記状態情報に含まれる前記パラメータと前記補正値の組み合わせの調整情報を含む行動情報を前記サーボモータ制御装置に出力し、
前記状態情報に含まれる前記位置偏差に基づく、強化学習における報酬の値と、前記状態情報と、前記行動情報とに基づいて行動価値関数を更新する、機械学習方法である。
本発明によれば、制御対象の負荷が変動する場合に、制御対象の回転軸の角度、制御対象の駆動体の位置に対応して、サーボモータ制御装置の制御部のパラメータの値と、位置指令とトルク指令との少なくとも一方の補正値とを適切な値に設定して、サーボ性能の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態のサーボモータ制御システムを示すブロック図である。 サーボモータ制御装置により駆動される制御対象の一例の構成を示す図である。 ワークが載置されたチルト機構の一例の構成を示す図である。 図3に示すワークが90度回転された場合のチルト機構の一例の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態のサーボモータ制御システムのサーボモータ制御装置と機械学習装置との組、及び制御対象に含まれるサーボモータを示すブロック図である。 図2の制御対象が回転角度によりトルクが変化することを説明する図である。 本発明の第1の実施形態の機械学習装置を示すブロック図である。 機械学習装置の動作を説明するフローチャートである。 図8のフローチャートのステップS15を詳細に示す図である。 第1の実施形態の機械学習装置の最適化行動情報出力部の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態のサーボモータ制御システムの制御対象となる門型機械の構成を示す概略的構成図である。 本発明の第3の実施形態のサーボモータ制御システムの制御対象となる、サーボモータを含む工作機械を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態のサーボモータ制御システムを示すブロック図である。サーボモータ制御システム10は、図1に示すように、n台の制御対象100−1〜100−n、n台のサーボモータ制御装置200−1〜200−n、n台の機械学習装置300−1〜300−n、及びネットワーク400を備えている。なお、nは任意の自然数である。
制御対象100−1〜100−nはそれぞれサーボモータ制御装置200−1〜200−nに接続される。制御対象100−1〜100−nは、例えば、サーボモータを含む、工作機械、ロボット、又は産業機械等である。サーボモータ制御装置200−1〜200−nは工作機械、ロボット、又は産業機械等の一部として設けられてもよい。
サーボモータ制御装置200−1と機械学習装置300−1とは1対1の組とされて、通信可能に接続されている。サーボモータ制御装置200−2〜200−nと機械学習装置300−2〜300−nについてもサーボモータ制御装置200−1と機械学習装置300−1と同様に接続される。図1では、サーボモータ制御装置200−1〜200−nと機械学習装置300−1〜300−nとのn個の組は、ネットワーク400を介して接続されているが、サーボモータ制御装置200−1〜200−nと機械学習装置300−1〜300−nとのn個の組は、それぞれの組のサーボモータ制御装置と機械学習装置とが接続インタフェースを介して直接接続されてもよい。これらサーボモータ制御装置200−1〜200−nと機械学習装置300−1〜300−nとのn個の組は、例えば同じ工場に複数組設置されていてもよく、それぞれ異なる工場に設置されていてもよい。
なお、ネットワーク400は、例えば、工場内に構築されたLAN(Local Area Network)や、インターネット、公衆電話網、接続インタフェースを介しての直接接続、或いは、これらの組み合わせである。ネットワーク400における具体的な通信方式や、有線接続および無線接続のいずれであるか等については、特に限定されない。
まず、本実施形態の制御対象100について説明する。
図2は、サーボモータ制御装置により駆動される制御対象の一例の構成を示す図である。図2に示す制御対象100は、サーボモータ制御装置200から出力される電流によって制御されるサーボモータ101、エンコーダ(位置検出部及び速度検出部となる)102、サーボモータ制御装置200から出力される電流を検出する電流検出部103、及びチルト機構104を備える。
図3はワークが載置されたチルト機構の一例の構成を示す図である。図4は図3に示すワークが90度回転された場合のチルト機構の一例の構成を示す図である。
図3に示すように、チルト機構104は、サーボモータ101によりB軸について回転駆動され、工具により加工されるワーク105を傾斜させる。チルト機構104は、例えば、ワーク105が載置されたテーブル1041と、傾斜軸(回転軸)を有する一対の支持部材1042とから構成される。このように、チルト機構104は、B軸に対して非対称な構成を有する。
ワーク105は、テーブル1041上で他のサーボモータでC軸について回転駆動される。図3はB軸の軸方向とワーク105の長手方向とが平行な状態のチルト機構104を示し、図4は図3に示すワークが90度回転され、B軸の軸方向に対してワーク105の長手方向が直角な状態のチルト機構104を示している。
電流検出部103は、例えばカレントトランスやシャント抵抗器を用いた電流センサである。電流検出部103によって検出された電流は電流フィードバック(電流FB)として利用する。
エンコーダ102は、サーボモータ101に関連付けられて設けられ、サーボモータ101の回転位置を検出する。サーボモータ101の回転位置はチルト機構104の位置に対応するので、エンコーダ102は、チルト機構104の位置(機械座標、換言すれば傾斜角度(回転角度))を検出することとなる。検出された位置は位置フィードバック(位置FB)として利用される。また、エンコーダ102は、サーボモータ101の回転速度を検出する。サーボモータ101の回転速度はチルト機構104の速度に対応するので、エンコーダ102は、チルト機構104の速度を検出することとなる。検出された速度は速度フィードバック(速度FB)として利用される。
次に、サーボモータ制御装置200について説明する。
図5は本発明の第1の実施形態のサーボモータ制御システムのサーボモータ制御装置200と機械学習装置300との組、及び制御対象に含まれるサーボモータを示すブロック図である。図5のサーボモータ制御装置200と、機械学習装置300は例えば、図1に示すサーボモータ制御装置200−1と機械学習装置300−1とに対応している。
図5に示されるように、サーボモータ制御装置200は、位置指令作成部201、加算器202、減算器203、制御部204、補正部205、及び変更部206を備えている。
制御部204は、位置制御部2041、減算器2042、速度制御部2043、フィルタ2044、減算器2045、加算器2046及び電流制御部2047を備えている。制御部204はサーボモータ101の回転を制御する。なお、加算器202、減算器203、補正部205、及び変更部206のうちの一部又は全部は制御部に含まれてもよい。
サーボモータ101の回転速度は、サーボモータ101に関連付けられたエンコーダ102によって検出され、検出された速度検出値は速度フィードバック(速度FB)として減算器2042に入力される。またエンコーダ102によって検出された位置検出値は位置フィードバック(位置FB)として加算器202に入力される。電流検出部103は制御部204からサーボモータ101へ出力される電流を検出し、電流検出値は電流フィードバック(電流FB)として減算器2045に入力される。
位置指令作成部201は、図示しない上位制御装置や外部入力装置等から入力されるプログラムに従って、サーボモータ101を動作させるための位置指令値を作成し、作成した位置指令値を加算器202と機械学習装置300とに出力する。位置指令作成部201は、プログラムにより指定される加工形状となるように、サーボモータ101の速度を変化させるためにパルス周波数を変えて位置指令値を作成する。
加算器202は、位置指令値に補正部205から出力される位置指令補正値を加えて、その加算値を減算器203に出力する。
減算器203は、位置指令補正値で補正された位置指令値と位置フィードバックされた位置検出値との差を求め、その差を位置偏差として、位置制御部2041と機械学習装置300とに出力する。
位置制御部2041は、例えば、減算器203から出力される位置偏差に予め設定されたポジションゲインKpを乗じた値を、速度指令値として減算器2042に出力する。
減算器2042は位置制御部2041の出力と速度フィードバックされた速度検出値との差を求め、その差を速度偏差として速度制御部2043に出力する。
速度制御部2043は、例えば、減算器2042から出力される速度偏差に予め設定された積分ゲインK1vを乗じて積分した値と、減算器2042から出力される速度偏差に予め設定された比例ゲインK2vを乗じた値とを加算して、トルク指令値としてフィルタ2044に出力する。フィルタ2044は例えば振動抑制用のノッチフィルタであり、フィルタ定数に基づいて所定周波数範囲の周波数の信号(トルク指令値)を減衰させて、減算器2045に出力する。
減算器2045は、フィルタ2044から出力されるトルク指令値と電流フィードバックされた電流検出値との差を求め、その差を電流偏差として加算器2046に出力する。加算器2046は減算器2045から出力される電流偏差と補正部205の出力とを加算し、加算により補正された電流偏差を電流制御部2047に出力する。
電流制御部2047は補正された電流偏差に基づいてサーボモータ101を制御する。
補正部205は、トルクオフセット値を加算器2046に出力する。補正部205は、減算器2045から出力される電流偏差にトルクオフセット値を加える代わりに、位置指令作成部201から出力される位置指令値に位置指令補正値を加えてトルクオフセットの代わりとしてもよい。また、補正部205は、減算器2045から出力される電流偏差にトルクオフセット値を加えるとともに、位置指令作成部201から出力される位置指令値に位置指令補正値を加えてもよい。図5では補正部205は加算器202と加算器2046に接続されているが、いずれか一方に接続されてもよい。補正部205がトルクオフセット値のみを加算器2046に出力する場合には、加算器202は設けなくともよく、位置指令補正値のみを加算器202に出力する場合には、加算器2046は設けなくともよい。
変更部206は、機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、位置制御部2041のポジションゲインKp、フィルタ2044のフィルタ係数、及び補正部205から出力するトルクオフセット値又は位置指令補正値を変更する。機械学習装置300の詳細については後述する。
サーボモータ101が、チルト機構104をB軸について回転駆動する場合に、テーブル1041上のワーク105のC軸についての回転位置によって、B軸が受ける負荷イナーシャが変化する。B軸が受ける負荷イナーシャはB軸回りの慣性モーメントに依存するが、テーブル1041と支持部材1042とによるB軸回りの慣性モーメントは図3の状態と図4の状態とで変わらない。しかし、テーブル1041上のワーク105のC軸についての回転位置によって、ワーク105によるB軸回りの慣性モーメントが変わる。図3に示すように、B軸の軸方向とワーク105の長手方向とが平行な状態のときにワーク105のB軸回りの慣性モーメントは最小となる。一方、図4に示すように、B軸の軸方向に対してワーク105の長手方向が直角な状態のときにワーク105のB軸回りの慣性モーメントが最大となる。このため、B軸が受ける負荷イナーシャは、図3の状態のときに最小となり、図4の状態のときに最大となる。
B軸に作用する負荷イナーシャが大きくなると、駆動力が不足してワーク105の位置が目標位置に到達する時間が遅延する。そこで、負荷イナーシャが小さい場合には位置制御部2041のポジションゲインKpは小さく、負荷イナーシャが大きい場合には位置制御部2041のポジションゲインKpは大きくされることが望ましい。例えば、ポジションゲインKpは、固定値をb、補正係数(パラメータ)をc、角度θをC軸の回転角度とすると、Kp=b+c×|sinθ|で表すことができる。ここで、角度θは図3の状態のときに0°、図4の状態のときに90°とする。変更部206は、機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、ポジションゲインKpの補正係数cを変更する。
また、B軸に作用する負荷イナーシャが小さい場合には高周波の機構共振特性を有し、B軸に作用する負荷イナーシャが大きい場合には低周波の機構共振特性を有する。そこで、負荷イナーシャが小さい場合にはフィルタ2044のフィルタ係数を高周波の信号が減衰するようにし、負荷イナーシャが大きい場合にはフィルタ2044のフィルタ係数を低周波の信号が減衰するようにする。例えば、フィルタ係数Fは、固定値をd、補正係数(パラメータ)をe、角度θに依存する関数をf(θ)とすると、F=d+e×f(θ)で表すことができる。関数f(θ)はフィルタ2044の回路構成により適宜決められる関数である。変更部206は、機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、補正係数eを変更する。
図2に示した制御対象100において、B軸の位置に応じて、重力に抗うための定常的なトルクが変化する。例えば、B軸が横向き(水平)の場合、B軸に与える重力の影響は最大となり、B軸が鉛直方向の場合、B軸に与える重力の影響はなくなる。
B軸が横向き(水平)の場合、チルト機構104がB軸について回転駆動すると、ワーク105を載せたテーブル1041及び支持部材1042の位置によって、ワーク105、テーブル1041及び支持部材に作用する重力及び回転の影響でB軸についてのトルクが変化する。B軸についてのトルクは例えば、図6に示すように、ワーク105を載せたテーブル1041がB軸の回りに回転したときに、ワーク105を載せたテーブル1041の回転に対して重心の位置が位置P1から位置P2へ、位置P2から位置P3へと移動したとする。重心の位置P1では、重力方向が回転方向と一致し、位置P2では重力方向は回転方向と90度異なり、位置P3では重力方向は回転方向と反対になる。
そこで、重力の影響が大きくなるときに、トルクオフセットが大きくなるように、重力の影響が小さくなるときに、トルクオフセットが小さくなるように補正部205から出力するトルクオフセット値又は位置指令補正値が変更される。例えば、トルクオフセット値又は位置指令補正値は、固定値をh、補正係数(パラメータ)をgとすると、h+g×sinφで表すことができる。ここで、角度φは図6の位置P1のときに−90°、位置P2のときに0°、位置P3のときに90°とする。なお、位置P1、位置P2及び位置P3はワーク105を載せたテーブル1041の重心の位置の一例であり、特にこの位置に限定されるものではない。変更部206は機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、補正係数gを変更する。なお、B軸が鉛直方向に近くなるに従って重力の影響は小さくなるので、固定値h及び補正係数gの初期値は適宜設定される。
なお、負荷イナーシャが変化する場合に、位置制御部2041のポジションゲインKpを変える代わりに、速度制御部2043の積分ゲインK1vと比例ゲインK2vとの少なくとも一方を変えてもよい。また、位置制御部2041のポジションゲインKpと、速度制御部2043の積分ゲインK1vと比例ゲインK2vとの少なくとも一方とを変えてもよい。この場合、変更部206は、ポジションゲインKpの補正係数cの代わりに又は補正係数cとともに、速度制御部2043の積分ゲインK1vと比例ゲインK2vとの少なくとも一方の補正係数を変える。
制御部204から機械学習装置300へは、位置制御部2041が補正係数c、フィルタ2044がフィルタ係数Fの補正係数eを送信し、補正部205が補正係数gを送信する。
<機械学習装置300>
機械学習装置300は、予め設定された評価用のプログラム(以下、「評価用プログラム」という)を実行することで、サーボモータ制御装置200における制御部204の位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、制御部204のフィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値又は/及び位置指令補正値の補正係数gを学習することができる。機械学習装置300は、ポジションゲインKpの補正係数cの代わりに又は補正係数cとともに、速度制御部2043の積分ゲインK1vと比例ゲインK2vとの少なくとも一方の補正係数を学習してもよい。
また、機械学習装置300は、評価用プログラムに代えて、加工を行う前の準備段階として、実際に用いる加工プログラムを用いて学習することができる。評価用プログラム又は準備段階の実際に用いる加工プログラムは所定のプログラムと呼ぶ。以下、機械学習装置300は所定のプログラムとして評価用プログラムを実行することで学習を行うとして説明する。また、機械学習装置300は補正部205のトルクオフセット値の補正係数gを学習するとして説明する。
まず、機械学習装置300の構成について説明する。
機械学習装置300は、評価用プログラムに基づいてサーボモータ制御装置200が制御対象100を駆動させたときの、位置偏差を低減するための、ポジションゲインKpの補正係数c及びフィルタ係数Fの補正係数e、並びに補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの組み合わせを学習する。評価用プログラムとして、図6に示した回転角度θ及びφの範囲の組み合わせが異なる複数の評価用プログラムを用意して、これらの評価用プログラムを実行させて機械学習装置300が学習を行う。例えば、回転角度θが0°から30°で、回転角度φが−30°から30°の範囲で工作機械を動作させる第1の評価用プログラム、回転角度θが30°から60°で、回転角度φが−30°から30°の範囲で工作機械を動作させる第2の評価用プログラム、回転角度θが60°から90°で、回転角度φが−30°から30°の範囲で工作機械を動作させる第3の評価用プログラムを順次実行させて学習を行うことができる。
機械学習装置300に含まれる各機能ブロックの説明に先立って、まず強化学習の基本的な仕組みについて説明する。エージェント(本実施形態における機械学習装置300に相当)は、環境の状態を観測し、ある行動を選択し、当該行動に基づいて環境が変化する。環境の変化に伴って、何らかの報酬が与えられ、エージェントはより良い行動の選択(意思決定)を学習する。
教師あり学習が、完全な正解を示すのに対して、強化学習における報酬は、環境の一部の変化に基づく断片的な値であることが多い。このため、エージェントは、将来にわたっての報酬の合計を最大にするように行動を選択するように学習する。
このように、強化学習では、行動を学習することにより、環境に行動が与える相互作用を踏まえて適切な行動を学習、すなわち将来的に得られる報酬を最大にするための学習する方法を学ぶ。これは、本実施形態において、例えば、位置偏差を低減するための行動情報を選択するという、未来に影響をおよぼすような行動を獲得できることを表している。
ここで、強化学習としては、任意の学習方法を用いることができるが、以下の説明では、或る環境の状態sの下で、行動aを選択する価値関数Q(s,a)を学習する方法であるQ学習(Q-learning)を用いる場合を例にとって説明をする。
Q学習では、或る状態sのとき、取り得る行動aのなかから、価値関数Q(s,a)の最も高い行動aを最適な行動として選択することを目的とする。
しかしながら、Q学習を最初に開始する時点では、状態sと行動aとの組合せについて、価値関数Q(s,a)の正しい値は全く分かっていない。そこで、エージェントは、或る状態sの下で様々な行動aを選択し、その時の行動aに対して、与えられる報酬に基づいて、より良い行動の選択をすることにより、正しい価値関数Q(s,a)を学習していく。
また、将来にわたって得られる報酬の合計を最大化したいので、最終的にQ(s,a)=E[Σ(γ)r]となるようにすることを目指す。ここでE[]は期待値を表し、tは時刻、γは後述する割引率と呼ばれるパラメータ、rは時刻tにおける報酬、Σは時刻tによる合計である。この式における期待値は、最適な行動に従って状態変化した場合の期待値である。しかしQ学習の過程において最適な行動が何であるのかは不明であるので、様々な行動を行うことにより、探索しながら強化学習をする。このような価値関数Q(s,a)の更新式は、例えば、次の数式1(以下に数1として示す)により表すことができる。
Figure 2019128830
上記の数式1において、sは、時刻tにおける環境の状態を表し、aは、時刻tにおける行動を表す。行動aにより、状態はst+1に変化する。rt+1は、その状態の変化により得られる報酬を表している。また、maxの付いた項は、状態st+1の下で、その時に分かっている最もQ値の高い行動aを選択した場合のQ値にγを乗じたものになる。ここで、γは、0<γ≦1のパラメータで、割引率と呼ばれる。また、αは、学習係数で、0<α≦1の範囲とする。
上述した数式1は、試行aの結果、返ってきた報酬rt+1を元に、状態sにおける行動aの価値関数Q(s,a)を更新する方法を表している。
この更新式は、状態sにおける行動aの価値関数Q(s,a)よりも、行動aによる次の状態st+1における最良の行動の価値max Q(st+1,a)の方が大きければ、Q(s,a)を大きくし、逆に小さければ、Q(s,a)を小さくすることを示している。つまり、或る状態における或る行動の価値を、それによる次の状態における最良の行動の価値に近づける。ただし、その差は、割引率γと報酬rt+1のあり方により変わってくるが、基本的には、ある状態における最良の行動の価値が、それに至る一つ前の状態における行動の価値に伝播していく仕組みになっている。
ここで、Q学習では、すべての状態行動ペア(s,a)についての価値関数Q(s,a)のテーブルを作成して、学習を行う方法がある。しかし、すべての状態行動ペアの価値関数Q(s,a)の値を求めるには状態数が多すぎて、Q学習が収束するのに多くの時間を要してしまう場合がある。
そこで、公知のDQN(Deep Q-Network)と呼ばれる技術を利用するようにしてもよい。具体的には、価値関数Qを適当なニューラルネットワークを用いて構成し、ニューラルネットワークのパラメータを調整することにより、価値関数Qを適当なニューラルネットワークで近似することにより価値関数Q(s,a)の値を算出するようにしてもよい。DQNを利用することにより、Q学習が収束するのに要する時間を短くすることが可能となる。なお、DQNについては、例えば、以下の非特許文献に詳細な記載がある。
<非特許文献>
「Human-level control through deep reinforcement learning」、Volodymyr Mnih1著[online]、[平成29年1月17日検索]、インターネット〈URL:http://files.davidqiu.com/research/nature14236.pdf〉
以上説明をしたQ学習を機械学習装置300が行う。具体的には、機械学習装置300は、サーボモータ制御装置200における、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、補正部205のトルクオフセット値の補正係数g、及び評価用プログラムを実行することで取得されるサーボモータ制御装置200の位置指令と位置偏差情報を含む、指令及びフィードバック等のサーボ状態を状態sとして、当該状態sに係る、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの調整を行動aとして選択する価値関数Qを学習する。
機械学習装置300は、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gに基づいて、評価用プログラムを実行することで得られるサーボモータ制御装置200の位置指令と位置偏差情報を含む、指令及びフィードバック等のサーボ状態を含む状態情報sを観測して、行動aを決定する。機械学習装置300は、行動aをするたびに報酬が返ってくる。機械学習装置300は、例えば、将来にわたっての報酬の合計が最大になるように最適な行動aを試行錯誤的に探索する。そうすることで、機械学習装置300は、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gに基づいて、評価用プログラムを実行することで取得されるサーボモータ制御装置200の位置指令と位置偏差情報を含む指令、フィードバック等のサーボ状態を含む状態sに対して、最適な行動a(すなわち、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの最適な組み合わせ)を選択することが可能となる。
すなわち、機械学習装置300により学習された価値関数Qに基づいて、或る状態sに係る、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gに対して適用される行動aのうち、Qの値が最大となるような行動aを選択することで、評価用プログラムを実行することで取得される位置偏差が最小になるような行動a(すなわち、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの組み合わせ)を選択することが可能となる。
図7は本発明の第1の実施形態の機械学習装置300を示すブロック図である。
上述した強化学習を行うために、図7に示すように、機械学習装置300は、状態情報取得部301、学習部302、行動情報出力部303、価値関数記憶部304、及び最適化行動情報出力部305を備える。学習部302は報酬出力部3021、価値関数更新部3022、及び行動情報生成部3023を備える。
状態情報取得部301は、サーボモータ制御装置200における、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gに基づいて、評価用プログラムを実行することで取得されるサーボモータ制御装置200の位置指令と位置偏差を含む指令、フィードバック等のサーボ状態を含む状態sを、サーボモータ制御装置200から取得する。この状態情報sは、Q学習における、環境状態sに相当する。
状態情報取得部301は、取得した状態情報sを学習部302に対して出力する。
なお、最初にQ学習を開始する時点での、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gは、予めユーザが生成するようにする。本実施形態では、例えばユーザが作成した、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの初期設定値を、強化学習により最適なものに調整する。
学習部302は、或る環境状態sの下で、ある行動aを選択する場合の価値関数Q(s,a)を学習する部分である。具体的には、学習部302は、報酬出力部3021、価値関数更新部3022及び行動情報生成部3023を備える。
報酬出力部3021は、或る状態sの下で、行動aを選択した場合の報酬を算出する部分である。ここで、状態sにおける状態変数である位置偏差の集合(位置偏差集合)をPD(s)、行動情報a(位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの修正)により状態sから変化した状態情報s´に係る状態変数である位置偏差集合をPD(s´)で示す。また、状態sにおける位置偏差の値を、予め設定された評価関数f(PD(s))に基づいて算出される値とする。
評価関数fとしては、例えば、
位置偏差の絶対値の積算値を算出する関数
∫|e|dt
位置偏差の絶対値に時間の重み付けをして積算値を算出する関数
∫t|e|dt
位置偏差の絶対値の2n(nは自然数)乗の積算値を算出する関数、
∫e2ndt(nは自然数)
位置偏差の絶対値の最大値を算出する関数
Max{|e|}
等を適用することができる。なお、評価関数はこれに限定されない。位置偏差集合PD(s)に基づいて、状態sにおける位置偏差値を適切に評価する関数であればよい。
このとき、行動情報aにより修正された状態情報s´に係る修正後の制御部204及び補正部205を用いて動作したサーボモータ制御装置200の位置偏差の値f(PD(s´))が、行動情報aにより修正される前の状態情報sに係る修正前の制御部204及び補正部205を用いて動作したサーボモータ制御装置200の位置偏差の値f(PD(s))よりも大きくなった場合に、報酬出力部3021は、報酬の値を負の値とする。
一方で、行動情報aにより修正された状態情報s´に係る修正後の制御部204及び補正部205を用いて動作したサーボモータ制御装置200の位置偏差の値f(PD(s´))が、行動情報aにより修正される前の状態情報sに係る修正前の制御部204及び補正部205を用いて動作したサーボモータ制御装置200の位置偏差の値f(PD(s))よりも小さくなった場合に、報酬の値を正の値とする。
なお、行動情報aにより修正された状態情報s´に係る修正後の制御部204及び補正部205を用いて動作したサーボモータ制御装置200の位置偏差の値f(PD(s´))が、行動情報aにより修正される前の状態情報sに係る制御部204及び補正部205を用いて動作したサーボモータ制御装置200の位置偏差の値f(PD(s))と等しい場合は、報酬出力部3021は、例えば、報酬の値をゼロとする。
また、行動aを実行後の状態s´の位置偏差の値f(PD(s´))が、前の状態sにおける位置偏差の値f(PD(s))より大きくなった場合の負の値としては、比率に応じて負の値を大きくするようにしてもよい。つまり位置偏差の値が大きくなった度合いに応じて負の値が大きくなるようにするとよい。逆に、行動aを実行後の状態s´の位置偏差の値f(PD(s´))が、前の状態sにおける位置偏差の値f(PD(s))より小さくなった場合の正の値としては、比率に応じて正の値を大きくするようにしてもよい。つまり位置偏差の値が小さくなった度合いに応じて正の値が大きくなるようにするとよい。
価値関数更新部3022は、状態sと、行動aと、行動aを状態sに適用した場合の状態s´と、上記のようにして算出された報酬の値と、に基づいてQ学習を行うことにより、価値関数記憶部304が記憶する価値関数Qを更新する。
価値関数Qの更新は、オンライン学習で行ってもよく、バッチ学習で行ってもよく、ミニバッチ学習で行ってもよい。
オンライン学習とは、或る行動aを現在の状態sに適用することにより、状態sが新たな状態s´に遷移する都度、即座に価値関数Qの更新を行うという学習方法である。また、バッチ学習とは、或る行動aを現在の状態sに適用することにより、状態sが新たな状態s´に遷移することを繰り返すことにより、学習用のデータを収集し、収集した全ての学習用データを用いて、価値関数Qの更新を行うという学習方法である。更に、ミニバッチ学習とは、オンライン学習と、バッチ学習の中間的な、ある程度学習用データが溜まるたびに価値関数Qの更新を行うという学習方法である。
行動情報生成部3023は、現在の状態sに対して、Q学習の過程における行動aを選択する。行動情報生成部3023は、Q学習の過程において、サーボモータ制御装置200の位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gを修正する動作(Q学習における行動aに相当)を行わせるために、行動情報aを生成して、生成した行動情報aを行動情報出力部303に対して出力する。より具体的には、行動情報生成部3023は、例えば、状態sに含まれる、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gに対して、行動aに含まれる、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gをインクレメンタルに加算又は減算させる。この場合、位置制御部2041のポジションゲインKpを小さくする場合にはフィルタ係数は高周波数の信号を減衰させるように補正係数eを調整する。
そして、行動情報生成部3023は、ポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ係数Fの補正係数e、及びトルクオフセット値の補正係数gの増加又は減少を適用して、状態s´に遷移して、プラスの報酬(正の値の報酬)が返った場合、次の行動a´としては、ポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ係数Fの補正係数e、及びトルクオフセット値の補正係数gに対して、前回のアクションと同様にインクレメンタルに加算又は減算させる等、位置偏差の値がより小さくなるような行動a´を選択する方策を取るようにしてもよい。
また、逆に、マイナスの報酬(負の値の報酬)が返った場合、行動情報生成部3023は、次の行動a´としては、例えば、ポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ係数Fの補正係数e、及びトルクオフセット値の補正係数gに対して、前回のアクションとは逆にインクレメンタルに減算又は加算させる等、位置偏差が前回の値よりも小さくなるような行動a´を選択する方策を取るようにしてもよい。
また、行動情報生成部3023は、現在の推定される行動aの価値の中で、最も価値関数Q(s,a)の高い行動a´を選択するグリーディ法や、ある小さな確率εでランダムに行動a´選択し、それ以外では最も価値関数Q(s,a)の高い行動a´を選択するεグリーディ法といった公知の方法により、行動a´を選択する方策を取るようにしてもよい。
行動情報出力部303は、学習部302から出力される行動情報aをサーボモータ制御装置200の変更部206に対して送信する部分である。サーボモータ制御装置200は上述したように、この行動情報に基づいて、現在の状態s、すなわち現在設定されている位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gを微修正することで、次の状態s´(すなわち修正された、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数g)に遷移する。
価値関数記憶部304は、価値関数Qを記憶する記憶装置である。価値関数Qは、例えば状態s、行動a毎にテーブル(以下、行動価値テーブルと呼ぶ)として格納してもよい。価値関数記憶部304に記憶された価値関数Qは、価値関数更新部3022により更新される。また、価値関数記憶部304に記憶された価値関数Qは、他の機械学習装置300との間で共有されるようにしてもよい。価値関数Qを複数の機械学習装置300で共有するようにすれば、各機械学習装置300にて分散して強化学習を行うことが可能となるので、強化学習の効率を向上させることが可能となる。
最適化行動情報出力部305は、価値関数更新部3022がQ学習を行うことにより更新した価値関数Qに基づいて、価値関数Q(s,a)が最大となる動作を制御部204及び補正部205に行わせるための行動情報a(以下、「最適化行動情報」と呼ぶ)を生成する。
より具体的には、最適化行動情報出力部305は、価値関数記憶部304が記憶している価値関数Qを取得する。この価値関数Qは、上述したように価値関数更新部3022がQ学習を行うことにより更新したものである。そして、最適化行動情報出力部305は、価値関数Qに基づいて、行動情報を生成し、生成した行動情報をサーボモータ制御装置200(変更部206)に対して出力する。この最適化行動情報には、行動情報出力部303がQ学習の過程において出力する行動情報と同様に、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gを修正する情報が含まれる。
サーボモータ制御装置200では、この行動情報に基づいて位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gが修正され、位置偏差の値を低減するように動作することができる。
以上のように、本発明に係る機械学習装置300を利用することで、サーボモータ制御装置200の位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの調整を簡易化することができる。
以上、サーボモータ制御装置200、機械学習装置300に含まれる機能ブロックについて説明した。
これらの機能ブロックを実現するために、サーボモータ制御装置200、及び機械学習装置300のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備える。また、サーボモータ制御装置200、及び機械学習装置300のそれぞれは、アプリケーションソフトウェアやOS(Operating System)等の各種の制御用プログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置や、演算処理装置がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)といった主記憶装置も備える。
そして、サーボモータ制御装置200、及び機械学習装置300のそれぞれにおいて、演算処理装置が補助記憶装置からアプリケーションソフトウェアやOSを読み込み、読み込んだアプリケーションソフトウェアやOSを主記憶装置に展開させながら、これらのアプリケーションソフトウェアやOSに基づいた演算処理を行なう。また、この演算結果に基づいて、各装置が備える各種のハードウェアを制御する。これにより、本実施形態の機能ブロックは実現される。つまり、本実施形態は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
機械学習装置300については機械学習に伴う演算量が多いため、例えば、パーソナルコンピュータにGPU(Graphics Processing Units)を搭載し、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)と呼ばれる技術により、GPUを機械学習に伴う演算処理に利用するようにすると高速処理できるようになるのでよい。更には、より高速な処理を行うために、このようなGPUを搭載したコンピュータを複数台用いてコンピュータ・クラスターを構築し、このコンピュータ・クラスターに含まれる複数のコンピュータにて並列処理を行うようにしてもよい。
次に、図8及び図9のフローチャートを参照して本実施形態におけるQ学習時の機械学習装置300の動作について説明をする。図9は図8のフローチャートのステップS15を詳細に示す図である。
ステップS11において、試行回数を1とする。次にステップS12において、状態情報取得部301がサーボモータ制御装置200から状態情報sを取得する。取得した状態情報は、価値関数更新部3022や行動情報生成部3023に対して出力される。上述したように、この状態情報sは、Q学習における状態に相当する情報であり、ステップS12時点での、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gが含まれる。こうして、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gが初期値であるときの、加工形状に対応する位置偏差の集合PD(s)が取得される。
なお、前述したように、初期状態sにおける、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gはユーザにより初期設定される。
最初にQ学習を開始する時点での減算器203から状態sにおける位置偏差の値PD(s)は、評価用プログラムでサーボモータ制御装置200を動作させることで得られる。位置指令作成部201は、評価用プログラムにより指定された加工形状で位置指令を順次出力する。加工形状に対応する位置指令値が位置指令作成部201から出力され、減算器203は位置指令値と位置検出値との差を位置偏差PD(s)として機械学習装置300に出力する。
ステップS13において、行動情報生成部3023は新たな行動情報aを生成し、生成した新たな行動情報aを、行動情報出力部303を介してサーボモータ制御装置200に対して出力する。行動情報生成部3023は前述した方策に基づいて、新たな行動情報aを出力する。なお、行動情報aを受信したサーボモータ制御装置200は、受信した行動情報に基づいて現在の状態sに係る、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gを修正した状態s´により、サーボモータを含む工作機械を駆動させる。上述したように、この行動情報は、Q学習における行動aに相当するものである。
ステップS14において、状態情報取得部301は、減算器203から新たな状態s´における位置偏差PD(s´)、並びに位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gを取得する。こうして、状態情報取得部301は、制御部204及び補正部205から状態s´における補正係数c、e及びgであるときの、加工形状に対応する位置偏差の集合PD(s´)を取得する。取得した状態情報は、報酬出力部3021に対して出力される。
ステップS15のステップS151において、報酬出力部3021は、状態s´における位置偏差の値f(PD(s´))と状態sにおける位置偏差の値f(PD(s))との大小関係を判断し、f(PD(s´))>f(PD(s))の場合には、ステップS152において、報酬を負の値とする。f(PD(s´))<f(PD(s))の場合には、ステップS153において、報酬を正の値とする。f(PD(s´))=f(PD(s))の場合には、ステップS154において、報酬をゼロとする。なお、報酬の負の値、正の値について重みづけを行うようにしてもよい。
ステップS152、ステップS153及びステップS154の何れかが終了すると、ステップS16において、この何れかのステップにて算出された報酬の値に基づいて、価値関数更新部3022が、価値関数記憶部304に記憶している価値関数Qを更新する。そして、ステップS17において試行回数が最大試行回数に到達したかどうかを判断し、最大試行回数に達していない場合には(ステップS17のNo)、ステップS18において試行回数をカウントアップして、再度ステップS13に戻り、上述した処理を繰り返すことにより、価値関数Qは適切な値に収束していく。最大試行回数に達した場合には(ステップS17のYes)、処理を終了する。なお、上述した処理を、所定時間繰り返したことを条件として処理を終了するようにしてもよい。
なお、ステップS16はオンライン更新を例示しているが、オンライン更新に替えてバッチ更新又はミニバッチ更新に置き換えてもよい。
以上、図8及び図9を参照して説明した動作により、本実施形態では、機械学習装置300を利用することで、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの調整のための、適切な価値関数を得ることができ、制御部204のゲインとフィルタ係数及び補正部205のトルクオフセット値の最適化を簡易化することができる、という効果を奏する。
次に、図10のフローチャートを参照して、最適化行動情報出力部305による最適化行動情報の生成時の動作について説明をする。
まず、ステップS21において、最適化行動情報出力部305は、価値関数記憶部304に記憶している価値関数Qを取得する。価値関数Qは、上述したように価値関数更新部3022がQ学習を行うことにより更新したものである。
ステップS22において、最適化行動情報出力部305は、この価値関数Qに基づいて、最適化行動情報を生成し、生成した最適化行動情報をサーボモータ制御装置200の変更部206に対して出力する。そして、変更部206は、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gを最適化する。
また、図10を参照して説明した動作により、本実施形態では、機械学習装置300により学習することにより求められる価値関数Qに基づいて、最適化行動情報を生成し、サーボモータ制御装置200が、この最適化行動情報に基づいて、現在設定されている、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正係数c、フィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数e、及び補正部205のトルクオフセット値の補正係数gの調整を簡易化するとともに、位置偏差の値を低減することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は制御対象が回転角度に依存して負荷が変動する場合のサーボモータ制御システムであったが、本実施形態は制御対象110が門型工作機械であり、位置に依存して負荷が変動する場合のサーボモータ制御システムについて説明する。本実施形態のサーボモータ制御システムは主軸頭を含む門が被加工物に対して相対的にX方向、Y方向及びZ方向に移動するように、サーボモータ制御装置が、X方向に対して2つ、Y方向に対して1つ、Z方向に対して2つ設けられている。制御対象を除く、サーボモータ制御システム、サーボモータ制御装置及び機械学習装置の基本的な構成及び動作は図1〜図10を用いて説明した構成及び動作と同様である。以下の説明では、制御対象及び制御対象に関連するサーボ制御装置についてのみ説明する。
図11は門型機械の構成を示す概略的構成図である。図11に示す門型機械は、鉛直方向に設けられた支柱111−1、111−2と、支柱111−1、111−2間に水平方向に設けられた支柱112と、支柱111−1、111−2が配置された支持台114−1、114−2とで構成される。
主軸頭113はY軸サーボモータにより支柱112に対してY方向に移動する。支柱112の一端(図11中の左端)は、支柱111−1に対して第1のZ軸サーボモータによりZ方向に上下動する。支柱112の他端(図11中の右端)は、支柱111−2に対して第2のZ軸サーボモータによりZ方向に上下動する。第1のZ軸サーボモータと第2のZ軸サーボモータとが連動して、支柱112が上下動する。
また、支柱111−1は支持台114−1に対して第1のX軸サーボモータによりX方向に移動する。支柱111−2は支持台114−2に対して第2のX軸サーボモータによりX方向に移動する。第1のX軸サーボモータと第2のX軸サーボモータとが連動して、支柱111−1、111−2、及び支柱112で構成される門が移動する。
主軸頭113が支柱112に対してY軸方向に移動すると、主軸頭113の位置によって、門の両側にかかる負荷(支柱112の両端に掛かる負荷及び支柱111−1及び111−2にそれぞれ掛かる負荷)が変化する。
よって、主軸頭113が支柱112に対してY軸方向に移動する場合に、第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の制御部及び補正部の補正係数(パラメータ)を機械学習装置が学習し、当該補正係数を調整する。また、第1及び第2のZ軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の制御部及び補正部の補正係数を機械学習装置が学習し、当該補正係数を調整する。
(第1及び第2のZ軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置並びに機械学習装置)
主軸頭113が支柱112に対してY軸方向に移動する場合に、支柱112の両端に掛かる負荷が変化するので、支柱112を門の上下方向に移動する第1及び第2のZ軸サーボモータは負荷の変動に対応してトルクが変化する。よって、第1及び第2のZ軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置はトルクオフセットを変更することが求められる。例えば、図11に示すように、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から他の端部(支柱111−2側)まで主軸頭が距離Wd移動可能で、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から主軸頭113が距離Wd移動するとする。
このとき、支柱112の一端(支柱111−1側)をZ方向に移動させる第1のZ軸サーボモータの負荷は軽くなり、トルクオフセット値は、補正係数(パラメータ)をg2とすると、h2−g2×Wdで表すことができる。ここで、h2はWd=0のときのトルクオフセット値を示す。一方、支柱112の他端(支柱111−2側)をZ方向に移動させる第2のZ軸サーボモータの負荷は重くなり、トルクオフセット値は、h3+g2×Wdで表すことができる。ここで、h3はWd=0のときのトルクオフセット値を示す。変更部206は機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、補正係数g2を変更する。
また、主軸頭113が支柱112に対してY軸方向に移動する場合に、支柱112の両端に掛かる負荷が変化すると、サーボモータの駆動力が変化するため、負荷が軽い場合には位置制御部2041のポジションゲインKpは小さく、負荷が重い場合には位置制御部2041のポジションゲインKpは大きくされることが求められる。
例えば、図11に示すように、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から他の端部(支柱111−2側)まで主軸頭が距離Wd移動可能で、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から主軸頭113が距離Wd移動する。このとき、例えば、支柱112の一端(支柱111−1側)をZ方向に移動させる第1のZ軸サーボモータの制御装置の負荷は軽くなり、位置制御部2041のポジションゲインKpは、補正係数(パラメータ)をc2としたときの、距離Wdの移動によるゲイン変動分をc2×Wdとし、固定値をb2とすると、Kp=b2−c2×Wdで表すことができる。ここで、b2はWd=0のときのポジションゲインを示す。一方、支柱112の他端(支柱111−2側)をZ方向に移動させる第2のZ軸サーボモータの制御装置の負荷は重くなり、位置制御部2041のポジションゲインKpは、補正係数(パラメータ)をc2としたときの、距離Wdの移動によるゲイン変動分をc2×Wdとし、固定値をb3すると、Kp=b3+c2×Wdで表すことができる。ここで、b3はWd=0のときのポジションゲインを示す。変更部206は、機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、ポジションゲインKpの補正係数c2を変更する。
さらに、第1及び第2のZ軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置は、負荷が軽い場合には高周波の機構共振特性を有し、負荷が重い場合には低周波の機構共振特性を有する。そのため、第1及び第2のZ軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置は、負荷が軽い場合にはフィルタ2044のフィルタ係数を高周波の信号が減衰するようにし、負荷が重い場合にはフィルタ2044のフィルタ係数を低周波の信号が減衰するようにすることが求められる。
例えば、図11に示すように、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から他の端部(支柱111−2側)まで主軸頭が距離Wd移動可能で、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から主軸頭113が距離Wd移動するとする。
このとき、支柱112の一端(支柱111−1側)をZ方向に移動させる第1のZ軸サーボモータの負荷は軽くなり、フィルタ係数Fは、固定値をd2、補正係数(パラメータ)をe2、距離Wdに依存する関数をf(Wd)とすると、フィルタ係数FはF=d2+e2×f(Wd)で表すことができる。関数f(Wd)はフィルタ2044の回路構成により適宜決められる関数である。ここで、d2はWd=0のときのフィルタ係数を示す。一方、支柱112の他端(支柱111−2側)をZ方向に移動させる第2のZ軸サーボモータの負荷は重くなり、フィルタ係数Fは、固定値をd3、補正係数(パラメータ)をe2、距離Wdに依存する関数をf(Wd)とすると、距離Wdのときに、フィルタ係数FはF=d3−e2×f(Wd)で表すことができる。ここで、d3はWd=0のときのフィルタ係数を示す。変更部206は機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、補正係数e2を変更する。
第1及び第2のZ軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置に接続される機械学習装置は、Z軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置からの状態情報の他に、Y軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の位置指令を状態情報として受ける。この位置指令は主軸頭113の位置に対応し、機械学習装置は主軸頭113の位置を考慮して、Z軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の制御部204の補正係数c2、補正係数e2及び補正部205の補正係数g2を学習し、制御部204の補正係数c2、補正係数e2及び補正部205の補正係数g2を最適化する。
(第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置並びに機械学習装置)
主軸頭113が支柱112に対してY軸方向に移動する場合に、支柱111−1及び111−2にそれぞれ掛かる負荷が変化するので、支柱111−1及び111−2を支持台114−1、114−2に対してX1方向及びX2方向にそれぞれ移動させるときの摩擦力が変化する。よって、第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置はトルクに対する摩擦補正値を変更することが求められる。
また、第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置は、支柱111−1と支柱111−2に掛かる負荷が変化するとサーボモータの駆動力が変化するため、負荷が軽い場合には位置制御部2041のポジションゲインKpは小さく、負荷が重い場合には位置制御部2041のポジションゲインKpは大きくされることが求められる。
さらに、第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置は、負荷が軽い場合には高周波の機構共振特性を有し、負荷が重い場合には低周波の機構共振特性を有する。そのため、第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置は、負荷が軽い場合にはフィルタ2044のフィルタ係数を高周波の信号が減衰するようにし、負荷が重い場合にはフィルタ2044のフィルタ係数を低周波の信号が減衰するようにすることが求められる。
第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の位置制御部2041のポジションゲインKp及びフィルタ2044のフィルタ係数の変更に関する説明は、上述した第1及び第2のZ軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の位置制御部2041のポジションゲインKp及びフィルタ2044のフィルタ係数の変更に関する説明と同様なので、ここでは説明を省略する。
第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置は、補正部205が摩擦補正値を加算器2046に出力し、摩擦補正値を算出するための後述する補正係数を機械学習装置300に出力する。そして、機械学習装置300は行動情報として摩擦補正値の補正係数の調整値を変更部206に出力する。
例えば、図11に示すように、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から他の端部(支柱111−2側)まで主軸頭が距離Wd移動可能で、支柱112の一方の端部(支柱111−1側)から主軸頭113が距離Wd移動するとする。
このとき、支柱111−1をX方向に移動させる第1のX軸サーボモータの負荷は軽くなり、摩擦補正値は、補正係数(パラメータ)をjとすると、k1−j×Wdで表すことができる。ここで、k1はWd=0のときの摩擦補正値を示す。一方、支柱111−2をX方向に移動させる第2のX軸サーボモータの負荷は重くなり、摩擦補正値は、補正係数(パラメータ)をjとすると、k2+j×Wdで表すことができる。ここで、k2はWd=0のときの摩擦補正値を示す。変更部206は機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、補正係数jを変更する。
第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置に接続される機械学習装置は、X軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置からの状態情報の他に、Y軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の位置指令を状態情報として受ける。この位置指令は主軸頭113の位置に対応し、機械学習装置は主軸頭113の位置を考慮して、X軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置の補正係数c2’、補正係数e’2及び補正部205の補正係数jを学習し、制御部204の補正係数c’2、補正係数e’2及び補正部205の補正係数jを最適化する。補正係数c2’及びe’は第1及び第2のX軸サーボモータを制御するサーボモータ制御装置のポジションゲインKpの補正係数、フィルタ係数Fの補正係数を示す。
(第3の実施形態)
第1の実施形態は制御対象が回転角度に依存して負荷が変動する場合のサーボモータ制御システムであったが、本実施形態は制御対象がボールねじを含む場合のサーボモータ制御システムについて説明する。制御対象を除く、サーボモータ制御システム、サーボモータ制御装置及び機械学習装置の基本的な構成及び動作は図1〜図10を用いて説明した構成及び動作と同様である。以下の説明では、制御対象及び制御対象に関連するサーボ制御装置についてのみ説明する。
図12は制御対象120の一例となる、サーボモータを含む工作機械を示すブロック図である。
制御対象120は、サーボモータ101、サーボモータ101とボールねじ123とを連結するカップリング121、サポートユニット122、ボールねじ123、ボールねじ3033に螺合されたナット124及びサポートユニット126を備えている。
サーボモータ101は、カップリング121、ボールねじ123、及びナット124を介してテーブル125を移動させ、テーブル125の上に搭載された被加工物(ワーク)を加工する。サーボモータ101の回転駆動によって、ボールねじ123に螺着されたナット124がボールねじ123の軸方向に移動する。
制御対象120における摩擦は、カップリング121、サポートユニット122,126、ボールねじ123、ナット124等で生ずるが、サーボモータ101においても摩擦が生ずる。ボールねじは、直線軸の一部の破損、グリス切れ等により、その一部で摩擦が強くなる場合がある。
図12に示すように、ボールねじ123は、直線軸の一部の破損、グリス切れ等により、その一部で摩擦が強くなり、摩擦が強くなる領域でサーボモータ101に負荷がかかる場合がある。摩擦が強くなる領域は、サポートユニット122からの距離をHdとすると、距離Hdが距離Hdから距離Hdまで領域(Hd<Hd<Hd)である。この領域ではサーボモータ101にかかる負荷が変化するので、サーボモータ制御装置はトルクに対する摩擦補正値を変更することが求められる。負荷が変更する領域を含む場合の摩擦補正値f(ω)は、数式2(以下に数2として示す)に示す関係を有する。
摩擦は非線形特性を示し、非線形摩擦と呼ばれる。数式2に示すように、非線形摩擦補正値f(ω)は、例えば、モータ速度ωに比例する摩擦補正値m×ωと、摩擦が強くなる領域の摩擦補正値eとからなる項f(ω)、及び静止時の摩擦補正値f(ω)を含む。
図12に示すように、距離Hdから距離Hdまで領域で摩擦が強くなり、この領域で摩擦補正値e(e>0)が与えられる。
Figure 2019128830
変更部206は機械学習装置300からの行動情報又は最適化行動情報に基づいて、距離Hdが距離Hdから距離Hdまで領域での摩擦補正値eを変更する。
機械学習装置は、摩擦が強くなる領域の範囲(Hd<Hd<Hd)を考慮して、サーボモータ制御装置の制御部204の位置制御部2041のポジションゲインKpの補正値q、制御部204のフィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数s、及び補正部205の摩擦補正値eを学習し、位置制御部2041のポジションゲインKpの補正値q、制御部204のフィルタ2044のフィルタ係数Fの補正係数s、及び補正部205の摩擦補正値eを最適化する。
サーボモータ制御装置は、補正部205が摩擦補正値を加算器2046に出力し、摩擦補正値e(Hd)を機械学習装置300に出力する。そして、機械学習装置300は行動情報として摩擦補正値摩擦補正値e(Hd)の調整値を変更部206に出力する。
補正部205は、摩擦補正値f(ω, Hd)を、トルク補正値として加算器2046に出力する。
以上説明した第1〜第3の実施形態はサーボモータに接続される制御対象の角度又は位置に依存する負荷の変化、すなわち、空間的な負荷の変化に関する例であったが、本発明は時間的な負荷の変化に関しても適用できる。例えば、第1〜第3の実施形態における制御対象は、摩耗及びグリス切れ等によりサーボモータに係る負荷が時間的に変化していく場合がある。
第1〜第3の実施形態では、最大試行回数を決めていたが、最大試行回数を決めずに機械学習を続けてもよい。最大試行回数を決めなければ、時間的な負荷の変化に応じて、サーボモータ制御装置の制御部及び補正部のパラメータが調整されるため、時間的な負荷の変化があっても、その時点での最適なサーボ性能でサーボモータ制御装置を動作させることが可能となる。
また、評価用プログラム又は準備段階の実際に用いる加工プログラムを実行して機械学習装置300で学習を行って、サーボモータ制御装置の制御部及び補正部のパラメータを設定した後に、加工プログラムを用いて制御対象を制御して、機械加工等を繰り返し行い、定期的又は不定期に、評価用プログラム又は準備段階の実際に用いる加工プログラムを実行して機械学習装置300で学習を行って、時間的な負荷の変化に応じて、サーボモータ制御装置の制御部及び補正部のパラメータを調整するようにしてもよい。
上記のサーボモータ制御装置のサーボモータ制御部及び機械学習装置に含まれる各構成部は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のサーボモータ制御装置に含まれる各構成部のそれぞれの協働により行なわれるサーボモータ制御方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
<サーボモータ制御装置が機械学習装置を備える変形例>
上述した実施形態では、機械学習装置300を、サーボモータ制御装置200とは別体の装置により構成したが、機械学習装置300の機能の一部又は全部をサーボモータ制御装置200により実現するようにしてもよい。
<システム構成の自由度>
上述した実施形態では、機械学習装置300とサーボモータ制御装置200とが1対1の組として通信可能に接続されているが、例えば1台の機械学習装置300が複数のサーボモータ制御装置200とネットワーク400を介して通信可能に接続され、各サーボモータ制御装置200の機械学習を実施するようにしてもよい。
その際、機械学習装置300の各機能を、適宜複数のサーバに分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、機械学習装置300の各機能を実現してもよい。
また、複数の同じ型名、同一仕様、又は同一シリーズのサーボモータ制御装置200−1〜100−nとそれぞれ対応する複数の機械学習装置300−1〜300−nがあった場合に、各機械学習装置300−1〜300−nにおける学習結果を共有するように構成するようにしてもよい。そうすることで、より最適なモデルを構築することが可能となる。
10 サーボモータ制御システム
100、100−1〜100−n、110、120 制御対象
101 サーボモータ
200、200−1〜200−n サーボモータ制御装置
201 位置指令作成部
202 加算器
203 減算器
204 制御部
300、300−1〜300−n 機械学習装置
301 状態情報取得部
302 学習部
303 行動情報出力部
304 価値関数記憶部
305 最適化行動情報出力部
400 ネットワーク

Claims (10)

  1. 位置指令に基づいてサーボモータを制御する制御部のパラメータと、前記位置指令とトルク指令との少なくとも一方の補正値と、を変更する変更部を備えるサーボモータ制御装置に対して、機械学習を行う機械学習装置であって、
    所定のプログラムを前記サーボモータ制御装置に実行させることにより、前記位置指令と、少なくとも位置偏差を含むサーボ状態と、前記制御部のパラメータと前記補正値の組み合わせと、を含む状態情報を、前記サーボモータ制御装置から取得する状態情報取得手段と、
    前記状態情報に含まれる前記パラメータと前記補正値の組み合わせの調整情報を含む行動情報を前記サーボモータ制御装置に出力する行動情報出力手段と、
    前記状態情報に含まれる前記位置偏差に基づく、強化学習における報酬の値を出力する報酬出力手段と、
    前記報酬出力手段により出力される報酬の値と、前記状態情報と、前記行動情報とに基づいて行動価値関数を更新する価値関数更新手段と、
    を備える機械学習装置。
  2. 前記報酬出力手段は、前記位置偏差の絶対値に基づいて前記報酬の値を出力する請求項1に記載の機械学習装置。
  3. 前記価値関数更新手段により更新された価値関数に基づいて、前記変更部に、前記制御部のパラメータと、前記位置指令と前記トルク指令の少なくとも一方の前記補正値との組み合わせを生成して出力する最適化行動情報出力手段をさらに備えた請求項1又は2に記載の機械学習装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機械学習装置と、位置指令に基づいてサーボモータを制御する制御部のパラメータと、位置指令とトルク指令の少なくとも一方の補正値とを変更する変更部を備えるサーボモータ制御装置と、該サーボモータ制御装置により制御される制御対象と、を備えたサーボモータ制御システム。
  5. 前記制御対象は、サーボモータと該サーボモータにより回転角度が制御される駆動体とを有し、前記回転角度に依存して前記駆動体の回転軸が受ける負荷が変動する、請求項4に記載のサーボモータ制御システム。
  6. 前記制御対象は、サーボモータと該サーボモータにより位置が制御される駆動体とを有し、前記位置に依存して前記制御対象が受ける負荷が変動する、請求項4に記載のサーボモータ制御システム。
  7. 前記負荷は時間的に変化する請求項5又は請求項6記載のサーボモータ制御システム。
  8. 前記サーボモータ制御装置の前記制御部は、前記位置指令に基づいて速度指令を生成する位置制御部と、該位置制御部から出力される速度指令に基づいて前記トルク指令を生成する速度制御部と、該速度制御部から出力される前記トルク指令の所定周波数範囲の周波数の信号を減衰させるフィルタとを備え、
    前記変更部は、前記行動情報に基づいて前記位置制御部と前記速度制御部との少なくとも一方のゲイン、前記フィルタのフィルタ係数、及び前記位置指令又は前記トルク指令に加えるトルクオフセット値と摩擦補正値との少なくとも一方を変更する、請求項4から7のいずれか1項に記載のサーボモータ制御システム。
  9. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機械学習装置と、位置指令に基づいてサーボモータを制御する制御部のパラメータと、位置指令とトルク指令の少なくとも一方の補正値とを、前記機械学習装置からの行動情報に基づいて、変更する変更部と、を備えたサーボモータ制御装置。
  10. 位置指令に基づいてサーボモータを制御する制御部のパラメータと、前記位置指令とトルク指令の少なくとも一方の補正値と、を変更する変更部を備えるサーボモータ制御装置に対して、機械学習を行う機械学習装置の機械学習方法であって、
    所定のプログラムを前記サーボモータ制御装置に実行させることにより、前記位置指令と、少なくとも位置偏差を含むサーボ状態と、前記制御部のパラメータと前記補正値の組み合わせと、を含む状態情報を、前記サーボモータ制御装置から取得し、
    前記状態情報に含まれる前記パラメータと前記補正値の組み合わせの調整情報を含む行動情報を前記サーボモータ制御装置に出力しと、
    前記状態情報に含まれる前記位置偏差に基づく、強化学習における報酬の値と、前記状態情報と、前記行動情報とに基づいて行動価値関数を更新する、機械学習方法。
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