JP2019127484A - バナジウム錯体及びそれを用いた窒素固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高圧条件や高エネルギーを必要とすることなく、簡便かつ低エネルギーで窒素分子からアンモニアを製造する方法(窒素固定方法)の提供。また、当該アンモニアを製造するために用いられるバナジウム錯体の提供。【解決手段】式(2)で表される化合物、並びに当該化合物を必要に応じ還元条件下で、窒素分子及びプロトン源と反応させてアンモニアを製造する方法。(式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、バナジウム錯体及びそれを用いた窒素固定方法に関する。
人類が生命を維持するために必要な窒素固定によるアンモニア合成は、工業的にはハーバー・ボッシュ法によって行われている。ハーバー・ボッシュ法による窒素固定は高温高圧を必要とするため、低温低圧での実現に向けた触媒の改良が近年活発に行われている。また、常温常圧で窒素固定を達成している窒素固定酵素ニトロゲナーゼの特異な活性中心に注目して、窒素固定を実現しようとする研究も活発に行われている(例えば、非特許文献1、2等)。
その中でも、遷移金属−窒素錯体を利用する方法が数多く報告されている。例えば、非特許文献3には、モリブデン−窒素錯体を触媒に用いて、強い還元剤及び水素源の存在下に窒素を反応させてアンモニアを製造する方法が、特許文献1及び2、非特許文献4等には、PNP型ピンサー配位子を有する窒素架橋二核モリブデン錯体を触媒に用いて、強い還元剤及び水素源の存在下に窒素を反応させてアンモニアを合成する方法等が報告されている。
一般に、電気化学的に窒素分子をアンモニアへ変換するためには、−4Vもの過電圧が必要である。そのため、これまで報告されてきた上記の遷移金属−窒素錯体では、金属ナトリウム、金属カリウム、Na/Hg、KC等の強力な還元剤によって電子を供給し、中心金属を低原子価状態にして窒素分子を活性化する必要があるとされている。そのため、より温和な条件で窒素を固定してアンモニアを得る方法が求められている。
これについては、窒素−金属錯体において窒素の還元電位を可能な限り正にシフトさせることが望まれた。例えば、非特許文献5等には、温和な条件下でトリス(2−アミノエチル)アミン骨格を有する二核バナジウム−窒素錯体を合成し、これに弱い還元剤の存在下又は非存在下に酸を反応させるという、温和な条件でアンモニアを製造できることが記載されている。
特開2010-195703号公報 特開2013-159568号公報
化学 Vol.68 No.6 (2013), 37-42 Bull. Jpn. Soc. Coord. Chem. Vol. 62 (2013), 21-25 Science 2003, 301, 76 Nature Chemistry, 2011, 3, 120 錯体化学会第67回討論会(2017年9月18日)講演番号:3Ab-01
本発明は、ハーバー・ボッシュ法のような高温高圧条件や高エネルギーを必要とすることなく、簡便かつ低エネルギーで窒素分子からアンモニアを製造する方法(窒素固定方法)を提供することを課題とする。具体的には、新規なバナジウム錯体、及びその錯体を用いた窒素固定化方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った。非特許文献3には、モリブデン−窒素錯体が記載され、非特許文献5には、二核バナジウム−窒素錯体が記載されている。これらの錯体はいずれも、トリス(2−アミノエチル)アミン骨格を有する多座配位子と金属とからなる5員環キレート構造を有している。この5員環キレート構造は、錯体の安定化に寄与するため望ましい構造であるとされており、そのため、窒素固定化反応に用いられる金属錯体として、錯体の安定化効果の高い5員環キレート構造を有する錯体が広く用いられている。
しかし、発明者は、上記の経験則に縛られることなく、次の仮説に基づいて、5員環キレート構造を有する錯体を採用せず、6員環キレート構造を有する錯体を敢えて採用することとした。その理由は、6員環キレート構造を有する錯体は、配位子による金属へのキレート効果は5員環キレート構造の錯体と比べて弱まるが、金属−窒素錯体において低原子価金属をより安定化することができ金属−窒素錯体の酸化還元電位をより正側へシフトできると考えたからである。
具体的には、図1に示すように、従来のトリス(2−アミノエチル)アミン骨格を有する多座配位子(以下、「tren」と表記する場合がある)の金属錯体(金属はバナジウム)は5員環キレート構造を有しており、3つのアミド窒素(N)からなる平面に対し、金属(M)は上部に位置している。これに対し、トリス(3−アミノプロピル)アミン骨格を有する多座配位子(以下、「trpn」と表記する場合がある)の金属錯体(金属はバナジウム)は6員環キレート構造を有しており、3つのアミド窒素(N)からなる平面に対し、金属(M)は下部に位置している。これより、6員環による弱い電子供与と金属イオンの周りが嵩高く覆われるため、trpnの金属錯体は、trenの金属錯体に比べて、金属に配位した窒素分子の酸化還元電位を正側にシフトできると考えた。
また、図2に示すように、分子軌道解析を用いた計算からも、trpn金属錯体(6員環キレート構造)のHOMO−LUMOの準位は、tren金属錯体(5員環キレート構造)のHOMO−LUMOの準位よりも正にシフトしているため、trpn金属錯体の方がtren金属錯体より還元されにくく低原子価が安定となり、酸化還元電位が正側にシフトすると考えられた。なお、上記計算は、trpn金属錯体及びtren金属錯体は、ともに窒素分子(N)及び金属(バナジウム)錯体が1:1からなる単核錯体であるとして解析した。
そこで、式(1)で表されるトリス(3−アミノプロピル)アミン骨格を有する多座配位子、及びバナジウム化合物を反応させて、式(2)で表される6員環キレート構造を有するバナジウム錯体を形成した。次いで、当該バナジウム錯体に、弱い還元剤の存在下又は非存在下で、窒素分子及びプロトン源(水、酸等)を反応させることにより、極めて効率的にアンモニアを製造できることを見出した。これは、反応系内で、当該バナジウム錯体が窒素分子と反応して、式(2’)で表されるバナジウム−窒素錯体(中間体)を経由して反応が進行したものと考えられ、当該バナジウム−窒素錯体が6員環キレート構造を有するため、より温和な条件(より小さい過電圧)で錯体に配位した窒素をアンモニアに変換(窒素固定化)できたと考えられる。もちろん、上記の還元剤とともに又は還元剤に代えて、電気化学的手法を用いて還元した場合においても同様の結果が得られる。かかる知見に基づいて、さらに研究を重ねることにより本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のバナジウム錯体、それを用いたアンモニアの製造方法等を提供する。
項1 式(2):
(式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
で表される化合物。
項2 式(2)において、Rが同一又は異なって、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)である、項1に記載の化合物。
項3 式(2)において、Rが同一又は異なって、フェニル基(当該フェニル基は、アルキル基、及び置換基としてアルキル基を有していてもよいフェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有していてもよい)である、項1又は2に記載の化合物。
項4 式(2):
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される化合物の製造方法であって、式(1):
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される化合物、及びバナジウム化合物を反応させる工程を含む、製造方法。
項5 バナジウム化合物が3価のバナジウム化合物である、項4に記載の製造方法。
項6 バナジウム化合物が、式(6):
VX (6)
(式中、Xは同一又は異なってハロゲン原子を示し、Lは配位子を示し、pは0〜3の整数を示し、pが2又は3のとき、Lは同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物である、項4又は5に記載の製造方法。
項7 さらに脱プロトン化剤を反応させる、項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
項8 アンモニアの製造方法であって、式(2):
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される化合物を、必要に応じ還元条件下で、窒素分子及びプロトン源と反応させてアンモニアを製造する工程を含む、製造方法。
項9 反応を還元条件下で行い、当該還元条件下が、還元剤の存在下及び/又は電気化学的に過電圧を印加した条件下である、項8に記載の製造方法。
項10 プロトン源が、水、有機酸及び無機酸からなる群より選択される少なくとも1種である、項8又は9に記載の製造方法。
項11 アンモニアの製造方法であって、
(A)式(1):
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される化合物、及びバナジウム化合物を反応させて、式(2):
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される化合物を製造する工程、並びに
(B)得られた式(2)で表される化合物を、必要に応じ還元条件下で、窒素分子及びプロトン源と反応させてアンモニアを製造する工程を含む、製造方法。
項12 式(1):
(式中、Rは前記に同じ。)
で表される化合物。
項13 式(1A):
(式中、Rは同一又は異なって、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
で表される化合物の製造方法であって、触媒の存在下に、トリス(3−アミノプロピル)アミン、及び式(7):
−Y (7)
(式中、Yは脱離基を示し、Rは前記に同じ。)
で表される化合物をカップリングさせる工程を含む、製造方法。
項14 式(1B):
(式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
で表される化合物の製造方法であって、トリス(3−アミノプロピル)アミン、及び式(8):
B1−CHO (8)
(式中、RB1はRからメチレン基(−CH−)を除いた基を示す。)
で表される化合物を還元的アミノ化反応に付す工程を含む、製造方法。
本発明のアンモニアの製造方法によれば、式(1)で表されるトリス(3−アミノプロピル)アミン化合物、及びバナジウム化合物を反応させて、式(2)で表される化合物を製造し、その後、式(2)で表される化合物に、必要に応じ温和な還元条件下にて、窒素分子(N≡N)及びプロトン源を反応させることによりアンモニアを製造できる。本発明の製造方法において、中間体として、式(2’)で表される化合物(即ち、バナジウム−窒素錯体)が形成されていると考えられる。
従来の金属錯体を用いた窒素固定化の方法では、金属ナトリウム、金属カリウム、Na/Hg、KC等の強い還元剤を用いて中心金属を低原子価状態にした後でないと、窒素と錯体を形成することができないと考えられていた(例えば、非特許文献3、4、特許文献1、2等)。しかし、本発明の方法では、そのような強い還元剤を用いることなく、式(2)で表される化合物に対して、穏和な還元条件下(例えば、カリウムナフタレニド等の穏和な還元剤の存在下、電気化学的に低い酸化還元電位を印加した条件下等)、又は還元条件の不存在下に、窒素分子及びプロトン源を反応させることによって、効率的にアンモニアを製造することができる。つまり、本発明の方法では、反応系内で中間体として6員環キレート構造を有する式(2’)で表される化合物(バナジウム−窒素錯体)を経て反応が進行すると考えられるため、窒素を還元するために必要な過電圧を大幅に低減できていると考えられる。
本発明の製造方法では、従来技術に記載される金属−窒素錯体を単離することなく、比較的安定な式(2)で表される化合物に窒素分子を反応させることによりアンモニアを製造できるため、反応の取り扱いが簡便であるとともに、反応段階も短縮できるため望ましい方法であるといえる。
従来のトリス(2−アミノエチル)アミン骨格を有する多座配位子(tren)の錯体と、トリス(3−アミノプロピル)アミン骨格を有する多座配位子(trpn)の錯体における、3つのアミド窒素(N)からなる平面に対する金属(M)の配置を模式的に示した図である。 分子軌道解析により、trpn金属錯体(6員環キレート構造)のHOMO−LUMOの準位が、tren金属錯体(5員環キレート構造)のHOMO−LUMOの準位よりも正にシフトすることを示す結果である。 実施例1で得られたバナジウム錯体(2a)のX線結晶構造解析結果(ORTEP図)を示す。 実施例1で得られたバナジウム錯体(2a)のATR法によるFT−IR分析結果を示す。 実施例2で得られたバナジウム錯体(2b)のX線結晶構造解析結果(ORTEP図)を示す。 実施例2で得られたバナジウム錯体(2b)のATR法によるFT−IR分析結果を示す。 実施例3で得られたバナジウム錯体(2c)のX線結晶構造解析結果(ORTEP図)を示す。 実施例4のentry 1におけるバナジウム錯体(2a)と窒素分子とからアンモニアへの変換反応及びアンモニアの検出結果を示す。 実施例4で用いた3極式電解セルの模式図を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に包含される方法及び化合物を、下記の反応式1に示す。
(式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
[置換基の定義]
本明細書で用いられる各化合物の置換基の定義を以下に示す。
Rで示される「アルキル基」とは、直鎖又は分岐のアルキル基を意味する。「アルキル基」の炭素原子数は、通常、C1〜C10であり、好ましくはC1〜C8であり、より好ましくはC1〜C6である。具体的な「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
Rで示される「アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)」における「アリール基」とは、単環の芳香族炭化水素又は2以上の環が縮環した芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた1価の基を意味する。「アリール基」の炭素原子数は、通常C6〜C20であり、好ましくはC6〜C10である。具体的な「アリール基」としては、例えば、フェニル基、(1−又は2−)ナフチル基、(1−、2−又は9−)アントラセニル基、(1−、2−、3−又は9−)フェナントリル基等が挙げられる。好ましくはフェニル基である。
当該「アリール基」は置換基(以下、「R」とも表記する。)を有していてもよく、当該置換基(R)としては、例えば、アルキル基、置換基としてアルキル基を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。当該「アリール基」は、これらの置換基(R)からなる群より選ばれる1〜5個(好ましくは、1〜3個)の基を有していてもよい。
Rで示される「アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)」の好ましい態様として、例えば、下記式(3)で表される基を挙げることができる。
(式中、環Aは、単環の又は2以上の環が縮環した芳香環を示し、Rは、アルキル基、又は置換基としてアルキル基を有していてもよいフェニル基を示し、nは0〜5の整数を示す。nが2〜5の場合、Rは同一又は異なっていてもよい。)
nは0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2がより好ましい。
環Aはベンゼン環であることが好ましく、式(3)で表される基のうちより好ましい態様として、下記式(3A)で表される基を挙げることができる。
(式中、R及びnは前記に同じ。)
式(3A)で表される基として、より具体的には、
(式中、Rは前記に同じ。)
が挙げられる。
で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基等の直鎖又は分岐のC1〜C6アルキル基が挙げられる。このうちイソプロピル基が好ましい。
で示される置換基としてアルキル基を有していてもよいフェニル基としては、例えば、置換基として直鎖又は分岐のC1〜C6アルキル基を有していてもよいフェニル基が挙げられる。具体的には、式(4):
(式中、Rは直鎖又は分岐のC1〜C6アルキル基を示し、mは0〜5の整数を示す。mが2〜5の場合、Rは同一又は異なっていてもよい。)
で表される基が挙げられる。
式(4)で表される基として、より具体的には、
(式中、Rは前記に同じ。)
が挙げられる。
で示される直鎖又は分岐のC1〜C6アルキル基としては、直鎖又は分岐のC1〜C4アルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基が挙げられる。このうちイソプロピル基が好ましい。
mは1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
Rで示される「アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)」の特に好ましい具体例として、以下の基が挙げられる。
Rで示される「アラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)」とは、置換基として前記Rで示される「アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)」を有する、前記Rで示される「アルキル基」を意味する。従って、前記のこれら2つの置換基の定義に基づいて、「アラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)」が定義される。
この「アラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)」の好ましい態様として、例えば、下記式(5)で表される基を挙げることができる。
(式中、環A、R、及びnは前記に同じ。)
環Aはベンゼン環であることが好ましく、式(5)で表される基のより好ましい態様として、下記式(5A)で表される基を挙げることができる。
(式中、R及びnは前記に同じ。)
Rで示される「アラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)」の特に好ましい具体例として、以下の基が挙げられる。
[工程A]
工程Aでは、式(1)で表される化合物(配位子)、バナジウム化合物、及び窒素分子を反応させることにより、式(2)で表される化合物(錯体)を製造する。本反応は通常、脱プロトン化剤の存在下、嫌気条件下(酸素と水を含まない条件下)、溶媒中で実施することができる。
溶媒としては、配位能の比較的低い非プロトン性溶媒が好ましく、例えば、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジシクロペンチルエーテル、ジブチルエーテル等)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等)等が挙げられる。溶媒は、1種単独又は2種以上の混合物を用いることができる。好ましくはエーテル系溶媒(特に、ジエチルエーテル)である。
バナジウム化合物としては、3価のバナジウム(V(III))を含む化合物が好ましい。バナジウム化合物として、例えば、一般式(6):
VX (6)
(式中、Xは同一又は異なってハロゲン原子を示し、Lは配位子を示し、pは0〜3の整数を示し、pが2又は3のとき、Lは同一又は異なっていてもよい。)
で表される化合物が挙げられる。
Xで示されるハロゲン原子として、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
Lとしては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物が挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフランである。
pは、1〜3が好ましく、3がより好ましい。
バナジウム化合物として、例えば、VCl(THF)、VCl(THP)、VCl(EtO)等が挙げられる。好ましくは、VCl(THF)である。
バナジウム化合物の使用量は、式(1)で表される化合物(配位子)1モルに対して、通常0.2〜5モルであり、好ましくは0.5〜2モルであり、より好ましくは0.8〜1.2モルである。
脱プロトン化剤を使用する場合、脱プロトン化剤としては、式(1)で表される化合物に含まれる3つの2級アミン(−NH−)から脱プロトン化できる試薬であれば特に限定はない。例えば、アルキルリチウム(メチルリチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等)、アルカリ金属水素化物(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、アルカリ土類水素化物(水素化カルシウム等)、リチウムアミド化合物(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等)等が挙げられる。好ましくは、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等である。
脱プロトン化剤の使用量は、式(1)で表される化合物(配位子)1モルに対して、通常3モル以上であり、好ましくは3〜3.5モルである。
本反応は、例えば、溶媒中、式(1)で表される化合物(配位子)に脱プロトン化剤を反応させた後、これにバナジウム化合物を添加することにより実施することができる。反応後、不溶物をろ去し、ろ液を窒素雰囲気下で静置し結晶化することで、式(2)で表される化合物を得ることができる。或いは反応液をそのまま、次の「工程B」に供することにより、ワンポットで実施することもできる。
ここで、上記一連の反応条件の例として、脱プロトン化反応は、通常−100℃〜30℃程度で、30分〜1時間程度で実施することができ、バナジウム化合物との反応は、通常0℃〜30℃程度で、1〜12時間程度で実施することができる。反応後の処理は、必要に応じ通常の後処理操作を行うことにより、式(2)で表される化合物を取得する。
上記の反応の圧力は特に限定はなく、通常、0.1〜1MPaの範囲であり、特に常圧(0.1MPa程度)であればよい。
本反応で得られる式(2)で表される化合物は、式(1)で表される多座配位子1分子が1つのバナジウムイオンに配位したバナジウム錯体である。これは、例えば、実施例1〜3及び図3〜図6の結果から確認することができる。
[工程B]
工程Bでは、式(2)で表される化合物を、必要に応じ還元条件下で、窒素分子及びプロトン源と反応させて、アンモニアを製造する。本反応は通常、嫌気条件下(酸素と水を含まない条件下)、溶媒中で実施することができる。
溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましく、例えば、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジシクロペンチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)等が挙げられる。溶媒は、1種単独又は2種以上の混合物を用いることができる。好ましくは芳香族炭化水素系溶媒(特に、トルエン)、エーテル系溶媒(特に、テトラヒドロフラン)である。
窒素分子としては特に限定はなく、例えば、高純度の窒素ガスを用いることができる。
プロトン源としては、例えば、水、有機酸又は無機酸が挙げられる。有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2,6−ジメチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機スルホン酸又はその塩が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素等が挙げられる。有機酸及び/又は無機酸は水と混合して水溶液とすることもできる。酸の使用量は、式(1)で表される化合物に対し大過剰であり、式(1)で表される化合物1モルに対し、通常30モル以上、好ましくは40〜80モルである。
本工程は、還元条件下で実施することが好ましい。還元条件下とは、例えば、還元剤の存在下、或いは、電気化学的に電位をかけた条件下等を意味する。
還元剤を用いる場合、還元剤としては、例えば、アルカリ金属ナフタレニド(ナトリウムナフタレニド、カリウムナフタレニド等)、アルカリ金属ベンゾフェノンケチル(ナトリウムベンゾフェノンケチル、カリウムベンソフェノンケチル等)等が挙げられる。還元剤の使用量は、特に限定はなく、例えば、一般式(1)で表される化合物1モルに対し、通常6モル以上であり、好ましくは6〜200モルであり、より好ましくは40〜80モルである。
電気化学的に電位をかけた条件としては、例えば、−1V以下、さらに−1.5V以下、特に−2V以下(vs. Fc/Fc+)の過電圧が挙げられる。溶媒としては反応に影響を与えない溶媒であれば特に限定はなく、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
工程Bの反応温度及び圧力は特に限定はない。反応温度は、例えば、−50〜100℃程度、好ましくは0〜80℃程度であり、反応圧力(特に窒素分子の分圧として)は、例えば、0.1MPa以上、好ましくは0.1〜5MPa程度、より好ましくは0.1〜1MPa程度である。
本反応の一態様としては、例えば、溶媒中、式(2)で表される化合物に、窒素分子及びプロトン源を反応させることにより実施することができる。また、他の態様として、溶媒中、式(2)で表される化合物に還元剤の存在下、窒素分子及びプロトン源を反応させることにより実施することができる。さらに、他の態様として、溶媒中、式(2)で表される化合物に電気化学的な還元条件下(過電圧を印加した条件下)で、窒素分子及びプロトン源を反応させることにより実施することができる。このようにして、反応後の溶液中にアンモニアが生成する。
反応後に酸(特に、無機酸)を加えてアンモニアを固体の塩として取得し、それを用いてアンモニアを定量することができる。アンモニアの定量は、例えば、公知のインドフェノール法及びH−NMRを用いて行うことができる。
本発明の方法では、式(1)で表される化合物(配位子)として、Rがアリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)であるもの、即ち、式(1A)で表される化合物が好ましい。これは、式(2)で表される化合物と窒素分子が反応系内で反応して、一旦中間体として式(2’)で表されるバナジウム−窒素錯体が形成されると考えられ、その場合、式(2)で表される化合物において、Rがアリール基(特に、フェニル基)の場合には、Rがアルキル基又はアラルキル基の場合よりも、窒素分子(N≡N)がバナジウム金属に配位する空間を確保しやすいため、式(2’)で表されるバナジウム−窒素錯体への反応が速やかに進行すると考えられるからである。下記の模式図を参照。
(式中、Rは前記に同じ。)
一般に6員環キレート構造をもつ錯体は、キレート効果が5員環キレート構造のものより低いため、錯体として熱力学的に不安定になるものが多い。しかし、工程Bでは、その予想に反し、式(2)で表される6員環キレート構造をもつ化合物と窒素分子との反応により、効率的にアンモニアを製造できることが分かった。式(2)で表される化合物は、窒素分子と反応して式(2’)で表されるバナジウム−窒素錯体を生成し、この錯体は酸化還元電位が正側にシフトされているため、より温和な還元条件下で窒素分子が還元され、続くプロトン源によるプロトン化反応が速やかに進行するためであると考えられる。
[配位子(1)の合成]
本発明の式(1)で表される化合物(配位子)の製造方法を以下に示す。式(1)で表される化合物は、式(1A)で表される化合物、及び式(1B)で表される化合物を包含する。
式(1A)で表される化合物は、例えば、下記反応式2に従い又は準じて製造することができる。
(式中、Rは同一又は異なって、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)を示し、Yは脱離基を示す。)
で示される「アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)」は、Rで示される「アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)」と同じである。
Yで示される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ハロアルカンスルホネート(例えば、トリフルオロメタンスルホネート)等が挙げられる。
式(1A)で表される化合物は、トリス(3−アミノプロピル)アミン、及び式(7)で表される化合物をカップリングさせることにより製造することができる。本カップリング反応は、通常、溶媒中、触媒の存在下、必要に応じ配位子の存在下に実施することができる。
トリス(3−アミノプロピル)アミンは、市販されているか、或いは、公知の方法に従い又は準じて製造することができる。
溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましく、例えば、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジシクロペンチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)等が挙げられる。溶媒は、1種単独又は2種以上の混合物を用いることができる。好ましくは芳香族炭化水素系溶媒(特に、トルエン)、エーテル系溶媒(特に、テトラヒドロフラン)である。
触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。パラジウム触媒としては、0価又は2価のパラジウム触媒が挙げられ、例えば、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(dba)、Pd[P(t−Bu)、Pd(OAc)等が挙げられる。ニッケル触媒としては、0価又は2価のニッケル触媒が挙げられ、例えば、Ni(OAc)、Ni(acac)等が挙げられる。
配位子としては、ホスフィン配位子が好ましく、例えば、トリフェニルホスフィン(PPh)、トリ(o−トルイル)ホスフィン(P(o−tol))、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル等が挙げられる。
式(7)で表される化合物の使用量は、トリス(3−アミノプロピル)アミン1モルに対し、通常3〜4モルであり、好ましくは3〜3.5モルである。
触媒の使用量は、トリス(3−アミノプロピル)アミン1モルに対し、通常0.5〜15モル%であり、好ましくは1〜10モル%であり、より好ましくは1〜5モル%である。
配位子の使用量は、トリス(3−アミノプロピル)アミン1モルに対し、通常1〜20モル%であり、好ましくは1〜10モル%であり、より好ましくは2〜7モル%である。
反応は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン等)雰囲気下、触媒の存在下、トリス(3−アミノプロピル)アミン1モル及び式(7)で表される化合物を反応させて実施することができる。反応温度は、通常0〜100℃であり、反応時間は1〜20時間程度である。反応後の処理は、通常の後処理操作を行うことにより、式(1A)で表される化合物を取得する。
式(1B)で表される化合物は、例えば、下記反応式3に従い又は準じて製造することができる。
(式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示し、RB1はRからメチレン基(−CH−)を除いた基を示す。)
で示される「アルキル基、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)」は、Rで示される「アルキル基、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)」と同じである。
式(1B)で表される化合物は、トリス(3−アミノプロピル)アミン、及び式(8)で表される化合物を、還元剤の存在下、還元的アミノ化反応に付すことにより製造することができる。本反応は通常、溶媒中で実施することができる。
溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等が挙げられる。溶媒は、1種単独又は2種以上の混合物を用いることができる。好ましくはアルコール系溶媒である。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム等が挙げられる。
式(8)で表される化合物の使用量は、トリス(3−アミノプロピル)アミン1モルに対し、通常3〜4モルであり、好ましくは3〜3.5モルである。
還元剤の使用量は、式(8)で表される化合物1モルに対し、通常3〜6モルであり、好ましくは3〜4モルである。
反応は、例えば、トリス(3−アミノプロピル)アミン及び式(8)で表される化合物を反応させた後、還元剤を反応させることにより実施することができる。反応温度は、通常0〜30℃であり、反応時間は1〜20時間程度である。反応後の処理は、通常の後処理操作を行うことにより、式(1B)で表される化合物を取得する。
式(1)で表される化合物のうち、好ましいものの一例として、式(1A)で表される化合物が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1(配位子iPr 2 PhTrpnの合成)
窒素置換した80 mLシュレンクにrac-BINAP 0.70 g (1.1 mmol)とPd2(dba)3 0.82 g (0.42 mmol)を加えた。そこに脱水トルエン70.0 mLを加え、2時間、激しくかき混ぜた後、嫌気条件下でろ過した。また、これとは別に、バルーンと三方コック付きのジムロートを備えた500 mL反応容器に、トリス(3−アミノプロピル)アミン 5.27 g (28.0 mmol)、3,5−ジイソプロピルブロモベンゼン20.0 g (83.0 mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 9.21 g (96.0 mmol)を加え、脱水トルエン250 mLを用いて溶かし、さらに、あらかじめ準備したパラジウム触媒の溶液をこの反応容器に加え、80℃で一晩加熱還流した。反応混合物を室温に戻し、不溶物をろ過して除いた。エバポレーターを用いて濃縮し、得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ヘキサン/酢酸エチル=3/1)を用いて単離精製した(収率:48 % (9.0 g))。
1H NMR (CDCl3): δ 6.48 (s, 3H, Ph), 6.29 (s, 6H, Ph), 3.17 (t, 6H, CH2NH), 2.78 (sep, 6H, CH3CHCH3), 2.60 (br, 6H, NCHCH2), 1.80 (q, 6H, CH2CH2CH2), 1.21 (d, 36H, CH3CHCH3).
13C NMR (CDCl3): δ 150, 148, 114, 109, 52.7, 42.9, 34.4, 27.0, 24.1.
IR (ATR): ν = 3397, 3296, 3045, 3022, 2954, 2924, 2865, 2819, 2812, 1595, 1456 cm-1.
製造例2(配位子PhTrpnの合成)
PhTrpnの合成は、3,5−ジイソプロピルブロモベンゼンの代わりにブロモベンゼンを用いて、製造例1と同様の方法を用いて行った(収率:50 % (1.1 g))。
1H NMR (CDCl3): δ 7.22 (t, 6H, Ph), 6.70 (t, 3H, Ph), 6.57 (d, 6H, Ph), 3.17 (t, 6H, CH2NH), 2.56 (t, 6H, NCH2CH2), 1.80 (q, 6H, CH2CH2CH2).
13C NMR (CDCl3): δ 148, 129, 117, 113, 52.7, 42.8, 26.9.
IR (ATR): ν = 3401, 3048, 3022, 2954, 2931, 2891, 2868, 2798, 2723, 1600, 1503 cm-1.
製造例3(配位子iPr 2 BnTrpnの合成)
トリス(3-アミノプロピル)アミン 9.4 g (50.0 mmol)をtert-ブチルアルコール 50 mLに溶かし、室温でかき混ぜながら3,5-ジイソプロピル-ベンズアルデヒド 30.5 g (160 mmol)を加えた。そのまま室温で1時間かき混ぜた後、メタノール100 mLを加え、反応容器ごと氷浴に浸し、NaBH4 6.05 g (160 mmol)を1時間以上かけて少量ずつゆっくりと加えた。氷浴を外し、室温まで昇温させた後、一晩室温でかき混ぜた。50%水酸化ナトリウム水溶液50 mLを加えた後、分液ロートに移し、n-ヘキサンで5回抽出した。有機層をとり、有機層を1.0 Mヨウ化ナトリウム水溶液50mLで洗浄した。得られた有機層を炭酸カリウムで脱水し、炭酸カリウムを除いた後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた油状物を減圧留去し、目的物質を得た(収率:86 %)。
IR (ATR): ν = 3272, 3030, 3024, 2929, 2729, 1452, 1451, 1360, 1297, 1200, 1116, 1075, 1026, 905, 816, 728, 695, 596.
1H NMR (CDCl3): δ 6.98 (2, 6H, Ar), 6.95 (2, 3H, Ar), 4.60 (s, 6H, -CH2-Ar), 3.30 (m, 6H, -CH2-NH-), 2.82 (m, 6H, N-CH2-CH2-), 1.63 (q, 6H, -CH2-CH2-CH2-), 1.40 (m. 6H, -CH-), 1.18 (d, 36H, -CH3).
実施例1(錯体V(iPr 2 PhTrpn) (2a)の合成)
以下の操作は全て窒素雰囲気下且つ嫌気条件下で行った。配位子iPr2PhTrpn 1.00 g (1.49 mmol)を脱水ジエチルエーテルに溶かし、-80℃まで冷却した。ここにn-BuLi 1.72 mL (4.48 mmol)をシリンジで加え、ゆっくりと室温まで昇温し、そのまま1時間かき混ぜた。ここに、VCl3(THF)3 560 mg (1.49 mmol)を加え、室温で12時間かき混ぜた。不溶物をろ去し、ろ液を窒素雰囲気下にした後、-30℃で一晩静置すると結晶(錯体(2a))が得られた(収率 32.0 %)。
得られた結晶構造を図3に示す。また、結晶を窒素雰囲気下でATR法によるFT-IR分析した結果を図4に示す。これより、2000cm-1付近にNN伸縮振動が確認されなかったため、この錯体には窒素分子(N2)が配位していないことが確認された。
IR (ATR): ν = 3028, 3024, 2958, 2928, 2867, 2796, 1599, 1526, 1464, 1381, 1361, 1325, 1273, 1227, 1145, 1126, 1078, 1056, 1026, 992, 914, 871, 846, 803, 720, 691.
UV-vis:348 (sh), 405(sh), 590(sh).
実施例2(錯体V(iPr 2 BnTrpn) (2b)の合成)
以下の操作は全て嫌気条件下で行なった。iPr2BnTrpn 1.00 g (1.41 mmol)をジエチルエーテルに溶かし、-80 ℃まで冷却した。ここにn-BuLi (2.6 M n-ヘキサン溶液) 1.64 mL (4.26 mmol)をシリンジで加え、ゆっくりと室温まで昇温し、そのまま1時間かき混ぜた。ここに、VCl3(THF)3 526 mg (1.41 mmol)を加え、室温で12 時間かき混ぜた。不溶物をろ去し、反応溶液を減圧濃縮した後、THF 5 mLを加えた。THF溶液を室温で数日放置すると濃赤褐色の結晶が得られた(収率:42 %)。
得られた結晶構造を図5に示す。また、結晶を窒素雰囲気下でATR法によるFT-IR分析した結果を図6に示す。これより、2000cm-1付近にNN伸縮振動が確認されなかったため、この錯体には窒素分子(N2)が配位していないことが確認された。
IR (ATR): ν = 3028, 3024, 2958, 2928, 2867, 2796, 1599, 1526, 1464, 1381, 1361, 1325, 1273, 1227, 1145, 1126, 1078, 1056, 1026, 992, 914, 871, 846, 803, 720, 691.
UV-vis (in THF / nm (ε/M-1 cm-1)):344 (9100), 415 (850).
実施例3(錯体V(PhTrpn) (2c)の合成)
錯体(2c)は、iPr2BnTrpnの代わりにPhTrpnを用いること以外は、実施例2と同様の方法を用いて合成した。目的錯体は緑色の単結晶として得た(収率:36 %)。得られた結晶構造を図7に示す。
IR (ATR): ν = 3056, 2957, 2920, 2870, 2810, 1585, 1578, 1481, 1457, 1369, 1293, 1246, 1185, 1153, 1114, 1060, 984, 890, 847, 816, 749, 683, 637, 536, 471.
UV-vis (in THF / nm (ε/M-1 cm-1)):299 (12000), 556 (400 sh).
実施例4(アンモニアの製造及びその定量)
(1)還元剤の存在下でのアンモニアの製造
窒素雰囲気下、20 mLシュレンクにバナジウム錯体(2a) 10.0 mg (0.0130mmol)を入れ、脱水THF 5.00 mLに溶かした。この溶液に5.00 mLのTHFに溶かしたナトリウムナフタレニド(Na[C10H8])(1.04 mmol)を室温で加え1時間かき混ぜた。混合液を-80℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸(HOTf) 92.0 μL (1.04 mmol)をゆっくり加え、1時間かき混ぜた。混合液を室温に戻してさらに3時間かき混ぜた後、2 M塩酸 5.00 mLを加え、アンモニアの製造と定量を行った。
1H NMR (DMSO-d6): 7.14 ppm.
混合液を1.00 mL測り取り、蒸留水49.0 mLで希釈して測定試料とした。この測定試料を用いて、既知の方法であるインドフェノール法を用いてアンモニアの定量を行った。結果を図8及び表1(entry 1)に示す。
錯体として錯体(2a)又は錯体(2c)を用い、プロトン源としてトリフルオロメタンスルホン酸(HOTf)又は2,6-ジメチルピリジン トリフルオロメタンスルホン酸塩([LutH]OTf)を用いて、上記entry 1と同様にしてアンモニアの製造と定量を行った。その条件及び結果を表1(entry 2〜4)に示す。
(2)電気化学的還元条件下でのアンモニアの製造
窒素雰囲気下、電解質として0.1mol/l 過塩素酸テトラブチルアンモニウム塩/テトラヒドロフラン溶液に、バナジウム錯体(2c)を2mmol/Lの濃度で溶解させた。プロトン源はバナジウム錯体(2c)に対して、2,6-ジメチルピリジン-トリフルオロメタンスルホン酸([LutH]OTf)80等量を溶解させた。3極式の電解セルを用い(図9を参照)、参照極をAg/Ag+、作用極をグラッシーカーボン、対極を白金線とし、グローブボックス中で所定時間、定電位電解を行った。その条件及び結果を表1(entry 5及び6)に示す。
表1のentry 1では、バナジウム錯体(2a)を、ナトリウムナフタレニド(Na[C10H8])という温和な還元剤の存在下で、窒素分子と反応させることにより、バナジウム1原子当たり60%ものアンモニアが生成することが明らかとなった。従来は、金属錯体を用いて窒素固定するには、金属ナトリウムや金属カリウムなどの強力な還元剤が必要であったが、本反応では、これらの還元剤に比べて電位が1V程度も低い温和な還元剤によって窒素固定できることが分かった。entry 2〜4より、バナジウム錯体やプロトン源を変更しても、同様にアンモニアが生成することが確認された。
表1のentry 5 及び6より、バナジウム錯体(2c)を、過電圧-2.5〜-2Vを印加する条件下で、窒素分子と反応させることにより、アンモニアが生成することが分かった。
また、entry 1〜6において、溶媒、還元剤、印加電圧、プロトン源、反応時間等を種々変更しても、同様にアンモニアが生成する。
これらの結果より、本発明のバナジウム錯体は、配位子とバナジウムによる6員環キレート構造を有しているため、反応中間体であるバナジウム−窒素錯体の酸化還元電位が正側にシフトしていると考えられる。そのため、本発明のバナジウム錯体を用いることにより、穏和な条件下で窒素分子からアンモニアを製造できる。
上記の結果はまた、電気化学的アンモニア発生装置を開発する上で、窒素分子を還元するために必要な過電圧を大幅に下げられることを意味するものであり、電気化学的にエネルギー消費の少ない窒素固定方法として大いに期待できる。
本発明における方法を用いることにより、簡便に窒素分子をアンモニアへ変換する(窒素を固定する)ことができる。

Claims (14)

  1. 式(2):
    (式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
    で表される化合物。
  2. 式(2)において、Rが同一又は異なって、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(2)において、Rが同一又は異なって、フェニル基(当該フェニル基は、アルキル基、及び置換基としてアルキル基を有していてもよいフェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有していてもよい)である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 式(2):
    (式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
    で表される化合物の製造方法であって、式(1):
    (式中、Rは前記に同じ。)
    で表される化合物、及びバナジウム化合物を反応させる工程を含む、製造方法。
  5. バナジウム化合物が3価のバナジウム化合物である、請求項4に記載の製造方法。
  6. バナジウム化合物が、式(6):
    VX (6)
    (式中、Xは同一又は異なってハロゲン原子を示し、Lは配位子を示し、pは0〜3の整数を示し、pが2又は3のとき、Lは同一又は異なっていてもよい。)
    で表される化合物である、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. さらに脱プロトン化剤を反応させる、請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. アンモニアの製造方法であって、式(2):
    (式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
    で表される化合物を、必要に応じ還元条件下で、窒素分子及びプロトン源と反応させてアンモニアを製造する工程を含む、製造方法。
  9. 反応を還元条件下で行い、当該還元条件下が、還元剤の存在下及び/又は電気化学的に過電圧を印加した条件下である、請求項8に記載の製造方法。
  10. プロトン源が、水、有機酸及び無機酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. アンモニアの製造方法であって、
    (A)式(1):
    (式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
    で表される化合物、及びバナジウム化合物を反応させて、式(2):
    (式中、Rは前記に同じ。)
    で表される化合物を製造する工程、並びに
    (B)得られた式(2)で表される化合物を、必要に応じ還元条件下で、窒素分子及びプロトン源と反応させてアンモニアを製造する工程を含む、製造方法。
  12. 式(1):
    (式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
    で表される化合物。
  13. 式(1A):
    (式中、Rは同一又は異なって、アリール基(当該アリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
    で表される化合物の製造方法であって、触媒の存在下に、トリス(3−アミノプロピル)アミン、及び式(7):
    −Y (7)
    (式中、Yは脱離基を示し、Rは前記に同じ。)
    で表される化合物をカップリングさせる工程を含む、製造方法。
  14. 式(1B):
    (式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、又はアラルキル基(当該アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよい)を示す。)
    で表される化合物の製造方法であって、トリス(3−アミノプロピル)アミン、及び式(8):
    B1−CHO (8)
    (式中、RB1はRからメチレン基(−CH−)を除いた基を示す。)
    で表される化合物を還元的アミノ化反応に付す工程を含む、製造方法。
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