JP2019126961A - タイヤ用モールド - Google Patents

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耕司 新川
Koji Shinkawa
耕司 新川
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Abstract

【課題】スピューの発生が抑制されたタイヤ用モールドの提供。【解決手段】タイヤ用モールド2は、上型モールド4と下型モールド6とが上下方向に離れる開姿勢と、成型キャビティを形成する閉姿勢と、の間で開閉可能にされている。このモールド2は、上型モールド4及び下型モールド6の少なくとも一方がモールド本体12(34)と、モールド本体12(34)に対して半径方向に摺動する駒モールド14(36)とを備えている。駒モールド14(36)は、半径方向内向きのキャビティ面32(54)を備えている。駒モールド14(36)は、閉姿勢に先立って上型モールド4及び下型モールド6の他方と当接し、駒モールド14(36)が閉姿勢に至るまで上型モールド4及び下型モールド6の他方に当接して半径方向内向きに移動する。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤ用モールドに関する。
特開2010−179636号公報には、多数のセグメントと一対のサイドプレートとを備えるモールドが開示されている。このモールドに、未加硫のローカバーが投入される。このモールドでローカバーが加硫成形される。この加硫成形によって、このローカバーからタイヤが得られる。多数のセグメントは、タイヤのトレッド面を成形する。一対のサイドプレートは、タイヤのサイドウォール外面を成形する。
このモールドでは、ローカバーが投入された後に、多数のセグメントと一対のサイドプレートとが当接させられる。この当接により、ローカバーがセグメントとサイドプレートとの間に噛み込まれることがある。この噛み込みは、セグメントとサイドプレートとの境界に沿って、タイヤにスピューを形成する。このスピューは、トレッド面とサイドウォール外面との境界に沿って形成される。このスピューの形成はタイヤの外観を損なう。
特開2010−179636
タイヤ用モールドの一種として、所謂、ツーピースモールドがある。このツーピースモールドは、上型モールド及び下型モールドからなっている。この上型モールドと下型モールドとが互いに当接してタイヤを成形するキャビティを形成する。この上型モールド及び下型モールドのそれぞれが、トレッド面の約半分と軸方向一方のサイドウォール外面を形成する。このモールドでは、トレッド面とサイドウォール外面との境界に、スピューが生じることがない。
しかしながら、ツーピースモールドにおいても、上型モールドと下型モールドとの間に、ローカバーを噛み込むことがある。この噛み込みは、上型モールドと下型モールドとの境界に沿って、スピューを形成する。このスピューの形成はタイヤの外観を損なう。
本発明の目的は、スピューの発生が抑制されたタイヤ用モールドの提供にある。
本発明に係るタイヤ用モールドは、軸方向を上下方向としたときに上型モールドと下型モールドとが上下方向に離れる開姿勢と、成型キャビティを形成する閉姿勢と、の間で開閉可能なツーピースモールドである。このモールドは、上記上型モールド及び上記下型モールドの少なくとも一方がモールド本体と、上記モールド本体に対して半径方向に摺動する駒モールドとを備えている。
上記駒モールドは、半径方向内向きのキャビティ面を備えている。上記駒モールドは、上記閉姿勢に先立って上記上型モールド及び上記下型モールドの他方と当接し、上記駒モールドが上記閉姿勢に至るまで上記上型モールド及び上記下型モールドの他方に当接して半径方向内向きに移動する機能を備えている。
好ましくは、上記上型モールド及び上記下型モールドのそれぞれは、上記モールド本体と上記駒モールドとを備えている。上記上型モールドの上記駒モールドと上記下型モールドの上記駒モールドとは、上記閉姿勢に先立って当接する。
好ましくは、上記モールド本体は、半径方向内側に向かって軸方向内から外向きに傾斜する本体摺動面を備えている。上記駒モールドは、上記本体摺動面を摺動して半径方向に移動可能にされている。
好ましくは、このモールドは、弾性体を備えている。上記弾性体の付勢力は、上記駒モールドを上記モールド本体に対して半径方向外向きに付勢している。
好ましくは、上記モールド本体の材質と上記駒モールドの材質とは、同じである。
好ましくは、このモールドは、タイヤのトレッド面にサイプを形成するブレードを備えている。上記駒モールドは、上記トレッド面を形成するトレッドキャビティ面を備えている。上記トレッドキャビティ面に上記ブレードが起立している。
好ましくは、タイヤのトレッド半幅に対応するキャビティ半幅W0に対して、駒モールドが成形するキャビティ半幅W1の比が、0.8以上1.2以下である。
本発明に係るタイヤの製造方法は、タイヤの各部を形成するゴム部材が組み合わされてローカバーを形成する予備成形工程と、上記ローカバーをモールドに投入して加硫成形し上記ローカバーからタイヤを得る加硫工程とを備えている。
上記モールドは、上型モールドと下型モールドとが上下方向に離れる開姿勢と、成型キャビティを形成する閉姿勢と、の間で開閉可能なツーピースモールドである。上記上型モールド及び上記下型モールドの少なくとも一方は、モールド本体と、上記モールド本体に対して半径方向に摺動する駒モールドとを備えている。上記駒モールドは、半径方向内向きのキャビティ面を備えている。上記駒モールドは、上記閉姿勢に先立って上記上型モールド及び上記下型モールドの他方と当接し、上記駒モールドが上記閉姿勢に至るまで上記上型モールド及び上記下型モールドの他方に当接して半径方向内向きに移動する機能を備えている。
このモールドでは、駒モールドがモールド本体に対して半径方向に摺動する。上記駒モールドは、モールドの閉姿勢に先立って他方と当接し、駒モールドが上記閉姿勢に至るまで他方に当接して半径方向内向きに移動する。このモールドでは、駒モールドの当接によって、ローカバーが挟み込まれることが抑制されている。このモールドは、スピューの形成を抑制している。このモールドは、タイヤの外観の向上に寄与する。
図1は、本発明の一実施形態に係るモールドが示された平面図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3(a)は図1のモールドの使用状態が示された説明図であり、図3(b)は図1のモールドの他の使用状態が示された説明図であり、図3(c)は図1のモールドの更に他の使用状態が示された説明図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係るモールドの一部が示された説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本発明に係るモールド2の平面図が示されている。図2には、図1の線分II−IIに沿った断面が示されている。図1及び図2に示される様に、このモールド2は、上型モールド4と、下型モールド6と、弾性体としての複数のコイルスプリング8と、複数のブレード10とを備えている。
図1において、紙面に垂直な方向がモールド2の軸方向である。図2において、左右方向がモールド2の半径方向であり、紙面に垂直な方向がモールド2の周方向である。ここでは、説明の便宜上、モールド2の軸方向を上下方向ともいう。このモールド2では、上型モールド4が上方に配置され、下型モールド6が下方に配置されている。図2の一点鎖線CLは、モールド2の赤道面を表している。このモールド2は、赤道面に対して略対称である。
上型モールド4は、モールド本体12及び複数の駒モールド14を備えている。この上型モールド4は、7個の駒モールド14を備えているが、これに限られない。この駒モールド14の数は、例えば3個以上20個以下である。モールド本体12は、リング状の形状を備えている。モールド本体12は、サイドキャビティ面16と、本体摺動面としての摺動面18と、複数の係合溝20とを備えている。
サイドキャビティ面16は、主にタイヤのサイドウォール外面を成形する面である。図示されないが、サイドキャビティ面16には、凹凸が形成されている。このサイドキャビティ面16の形状に倣って、タイヤのサイドウォール外面が形成される。サイドキャビティ面16は、周方向に一周している。
摺動面18は、半径方向においてサイドキャビティ面16の外側に位置している。摺動面18は、サイドキャビティ面16の半径方向外端から、半径方向外向きに延びている。摺動面18は、半径方向内側に向かって軸方向内から外向きに傾斜している。
複数の係合溝20は、モールド本体12の周方向に間隔をあけて形成されている。それぞれの係合溝20は、摺動面18に形成されている。この係合溝20は、摺動面18に沿って、半径方向に延びている。
それぞれの駒モールド14は、駒本体22、突起部24及び係合突起26を備えている。駒本体22は、軸方向外向きの摺動面28と、軸方向内向きの当接面30と、半径方向内向きのキャビティ面32とを備えている。摺動面28は、半径方向内側に向かって軸方向内から外向きに傾斜している。この摺動面28は、モールド本体12の摺動面18に当接して摺動する形状にされている。当接面30は、下型モールド6に当接する面である。この当接面30は、赤道面に平行に延びている。キャビティ面32は、タイヤのトレッド面の接地面を形成する面である。
突起部24は、キャビティ面32から半径方向内向きに突出している。突起部24は、キャビティ面32に沿って周方向に筋状に延びている。この突起部24は、タイヤの周方向に延びる主溝を形成する。図示されないが、このモールド2は、この突起部24と交差して、キャビティ面32に沿って軸方向に筋状に延びる突起部を、更に備えている。この突起部は、タイヤの主溝に交差して延びる横溝を形成する。
係合突起26は、摺動面28から突出している。この係合突起26は、モールド本体12の係合溝20に係合している。この係合突起26と係合溝20との係合によって、駒モールド14は、モールド本体12に対して、半径方向に移動可能に取り付けられている。このモールド本体12の摺動面18に駒モールド14の摺動面28が摺動して、駒モールド14は半径方向に摺動可能にされている。
下型モールド6は、モールド本体34及び複数の駒モールド36を備えている。モールド本体34は、サイドキャビティ面38、摺動面40及び複数の係合溝42を備えている。下型モールド6は、上型モールド4と赤道面に対して対称に形成されている。モールド本体34のサイドキャビティ面38、摺動面40及び係合溝42は、モールド本体12のサイドキャビティ面16、摺動面18及び係合溝20と、赤道面に対して略対称に形成されている。
それぞれの駒モールド36は、駒本体44、突起部46及び係合突起48を備えている。駒本体44は、摺動面50、当接面52及びキャビティ面54を備えている。下型モールド6は、上型モールド4と赤道面に対して対称に形成されている。駒モールド36の駒本体44、突起部46、係合突起48、摺動面50、当接面52及びキャビティ面54は、駒モールド14の駒本体22、突起部24、係合突起26、摺動面28、当接面30及びキャビティ面32と、赤道面に対して略対称に形成されている。
それぞれのコイルスプリング8は、係合溝20又は係合溝42に挿入されている。上型モールド4では、コイルスプリング8は、駒モールド14の係合突起26と係合溝20の半径方向内側の壁面20aとの間に配置されている。コイルスプリング8の付勢力によって、駒モールド14は、モールド本体12に対して、半径方向外向きに付勢されている。このコイルスプリング8は摺動面18に沿って駒モールド14を付勢することで、駒モールド14は半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに付勢されている。
下型モールド6では、コイルスプリング8は、駒モールド36の係合突起48と係合溝42の半径方向内側の壁面42aとの間に配置されている。コイルスプリング8の付勢力によって、駒モールド36は、モールド本体34に対して、半径方向外向きに付勢されている。このコイルスプリング8は摺動面40に沿って駒モールド36を付勢することで、駒モールド36は半径方向内側から外側に向かって軸方向外側から内側向きに付勢されている。
それぞれのブレード10は、駒モールド14のキャビティ面32又は駒モールド36のキャビティ面54から半径方向内向きに突出している。ブレード10は、タイヤのトレッド面にサイプを形成する。このサイプは、主溝や横溝比べて、細かく浅い溝である。このサイプは、路面の水膜をきる効果や、トレッド面を形成するブロックの柔らかさを均一にする効果を発揮しうる。更に、スタットレスタイヤ等の雪上用タイヤでは、このサイプを形成することで、氷雪路での性能向上が図られる。
このモールド2は、開姿勢と閉姿勢とで姿勢変化可能にされている。この開姿勢で、ローカバーがモールド2に投入され、又はタイヤがモールド2から取り出される。閉姿勢において、モールド2は、タイヤを成形する成形キャビティを形成している。本発明では、このタイヤを成形するキャビティを成形キャビティと称する。この閉姿勢で、ローカバーがモールド2内で加硫成形され、ローカバーからタイヤが得られる。
図1には、モールド本体12と、実線及び点線で示される複数の駒モールド14が示されている。この駒モールド14の配置は、モールド2の開姿勢における配置を表している。複数の駒モールド14は、モールド本体12の周方向に、間隔を空けて並べられている。それぞれの駒モールド14は、前述の様に、モールド本体12に半径方向に摺動可能に取り付けられている。
図1には、更に、複数の駒モールド14の配置が二点鎖線でも示されている。この駒モールド14の配置は、モールド2の閉姿勢における配置を表している。複数の駒モールド14は、周方向に当接して並べられている。複数の駒モールド14が周方向に並べられて、リング状にされている。
図3(a)は、モールド2の開姿勢を表している。上型モールド4と下型モールド6とは、間隔Dを空けて上下方向に離れている。実際の間隔Dは、図3(a)で示される間隔Dより広い。この間隔Dは、ローカバーがモールド2に投入され、タイヤがモールド2から取り出されるのに十分な大きさである。上型モールド4では、コイルスプリング8がモールド本体12に対して駒モールド14を付勢している。駒モールド14は、モールド本体12に対して、半径方向外側且つ軸方向内側に位置している。下型モールド6では、コイルスプリング8がモールド本体34に対して駒モールド36を付勢している。駒モールド36は、モールド本体34に対して、半径方向外側且つ軸方向内側に位置している。
図3(b)は、モールド2の開姿勢と閉姿勢との間の中間姿勢を表している。図3(b)では、上型モールド4と下型モールド6とは、軸方向において、開姿勢より接近している。駒モールド14の当接面30と駒モールド36の当接面52とが当接している。コイルスプリング8がモールド本体12に対して駒モールド14を付勢している。駒モールド14とモールド本体12との相対位置は、開姿勢のそれと同様にされている。コイルスプリング8がモールド本体34に対して駒モールド36を付勢している。駒モールド36とモールド本体34との相対位置は、開姿勢のそれと同様にされている。
図3(c)は、モールド2の閉姿勢を表している。図3(c)では、上型モールド4と下型モールド6とは、軸方向において、図3(b)の中間姿勢より接近している。駒モールド14の当接面30と駒モールド36の当接面52とが当接している。コイルスプリング8の付勢力に抗して、駒モールド14は、モールド本体12に対して、開姿勢のそれより半径方向内側に位置している。この駒モールド14は、モールド本体12に対して、開姿勢のそれより軸方向外側に位置している。コイルスプリング8の付勢力に抗して、駒モールド36は、モールド本体34に対して、開姿勢のそれより半径方向内側に位置している。この駒モールド36は、モールド本体34に対して、開姿勢のそれより軸方向外側に位置している。図3(c)では、モールド2は、成形キャビティを形成している。
図3(c)の両矢印W0は、成形されるタイヤのトレッド半幅に対応するキャビティ半幅を表している。このキャビティ半幅W0は、赤道面から軸方向一方のトレッド端に対応する位置までの距離である。両矢印W1は、赤道面から駒モールド14及び駒モールド36が形成するキャビティ面の軸方向一方の端までの幅を表している。このキャビティ半幅W0及びキャビティ半幅W1は、軸方向の直線距離として測定される。
本発明では、タイヤのトレッド端は、タイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤに空気が充填され、正規荷重が負荷された状態で測定される。このタイヤのトレッド面において、平坦な水平路面と設置する領域の軸方向外端がトレッド端とされる。本明細書において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITSAT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITSAT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
このモールド2を用いたタイヤの製造方法が説明される。このタイヤの製造方法は、予備成形工程及び加硫工程を備えている。予備成形工程では、タイヤの各部を形成するゴム部材が組み合わされて、ローカバーが形成される。加硫工程では、このローカバーがモールド2を用いて加硫成形される。加硫工程は、投入工程、モールド閉工程、加圧加熱工程、モールド開工程及び取り出し工程を備えている。
投入工程では、モールド2は開姿勢にされている(図3(a)参照)。このモールド2にローカバーが配置される。
モールド閉工程では、モールド2の上型モールド4と下型モールド6とが軸方向に近づけられる。上型モールド4の駒モールド14と下型モールド6の駒モールド36とが当接する(図3(b)参照)。更に、上型モールド4と下型モールド6とが軸方向に近づけられる。駒モールド14は、モールド本体12の摺動面18を摺動して半径方向内側へ移動する。駒モールド36は、モールド本体34の摺動面40を摺動して半径方向内側へ移動する。駒モールド14及び駒モールド36とは、当接面30と当接面52とを当接させた状態で、半径方向内側へ移動する。この様にして、モールド2は閉姿勢にされる(図3(c)参照)。
加圧加熱工程では、ローカバーが加圧及び加熱される。図示されないが、ローカバーは、膨張したブラダーによって、モールド2のキャビティに押しつけられる。ローカバーから、モールド2のキャビティ面16、32、38及び54に倣った形状のタイヤが得られる。
モールド開工程では、閉姿勢から、上型モールド4と下型モールド6とが軸方向に離される。駒モールド14はコイルスプリング8によって、半径方向外向きに付勢されている。駒モールド14は、モールド本体12の摺動面18を摺動して半径方向外側へ移動する。駒モールド36はコイルスプリング8によって、半径方向外向きに付勢されている。駒モールド36は、モールド本体34の摺動面40を摺動して半径方向外側へ移動する。駒モールド14及び駒モールド36とは、当接面30と当接面52とを当接させた状態で、半径方向外側へ移動する。モールド2は閉姿勢から中間姿勢にされる(図3(b)参照)。更に、上型モールド4と下型モールド6とが軸方向に離される。当接面30と当接面52とが離れて、モールド2は開姿勢にされる(図3(a)参照)。
取り出し工程では、開姿勢のモールド2からタイヤが取り出される。この様にして、このモールド2を用いてタイヤが製造される。
この上型モールド4では、モールド本体12に対して、駒モールド14が半径方向に摺動可能にされている。下型モールド6では、モールド本体34に対して、駒モールド36が半径方向に摺動可能にされている。このモールド2では、閉姿勢に先立って、駒モールド14と駒モールド36とが当接する。駒モールド14と駒モールド36とが当接した状態で、半径方向内向きに移動して、モールド2は閉姿勢にされる。このモールド2は、上型モールド4と下型モールド6との間にローカバーが挟み込まれることが抑制されている。このモールド2は、タイヤの外観の向上に寄与する。
このモールド2では、上型モールド4が駒モールド14を備え、下型モールド6が駒モールド36を備えていたが、いずれか一方であってもよい。例えば、下型モールド6が、モールド本体34と駒モールド36とが一体にされたモールドからなってもよい。この場合にも、駒モールド14は、上型モールド4のモールド本体12と下型モールド6とに摺動して、半径方向に移動しうる。更には、駒モールド14と駒モールド36とが一体にされて、上型モールド4のモールド本体12に摺動可能に取り付けられてもよい。又、駒モールド14と駒モールド36とが一体にされて、下型モールド6のモールド本体34に摺動可能に取り付けられてもよい。
このモールド2では、コイルスプリング8の付勢力が、駒モールド14及び駒モールド36を、半径方向外向きに付勢している。これにより、上型モールド4と下型モールド6とが当接するときに、ローカバーが噛み込まれることが、より確実に抑制されている。
このモールド2では、モールド本体12の材質と駒モールド14の材質とが同じにされている。これにより、モールド本体12と駒モールド14とに、熱膨張率の差による歪みが生じうることが抑制されている。このモールド2は、モールド本体12に対して、駒モールド14がスムーズに摺動しうる。モールド本体34の材質と駒モールド36の材質とは、同様に同じにされている。この材質としては、例えば、スチールやアルミ合金が挙げられる。
このモールド2は、タイヤのトレッド面にサイプを形成するブレード10を備えている。このブレード10の幅は、突起部24や突起部46の幅に比べて小さい。このため、このブレード10は、損傷し易い。このモールド2では、閉姿勢から開姿勢にされるときに、駒モールド14及び駒モールド36は、半径方向外向きに移動する。このモールド2では、ブレード10に軸方向の力が作用することが抑制されている。このモールド2では、閉姿勢から開姿勢にされるときに、タイヤのサイプからブレード10が抜け易い。このモールド2はブレード10の損傷が抑制されている。また、駒モールド14及び駒モールド36が半径方向に離れることで、タイヤが上型モールド4や下型モールド6に付いたまま、モールド2が開かれることが抑制されている。このモールド2は、タイヤの取り出しも容易にされている。
図3(c)に示されたキャビティ半幅W0に対して、駒モールド14及び駒モールド36が形成するキャビティ半幅W1が大きいモールド2は、タイヤの取出しが容易にできる。また、ブレード10の損傷の抑制効果も大きい。これらの観点から、このキャビティ半幅W0に対するキャビティ半幅W1の比(W1/W0)は、好ましくは0.8以上であり、更に好ましくは0.9以上であり、特に好ましくは1.0以上である。一方で、このキャビティ半幅W1が大き過ぎるモールド2では、駒モールド14のキャビティ面32が、モールド本体12のサイドキャビティ面16まで至る。駒モールド36のキャビティ面54が、モールド本体34のサイドキャビティ面38まで至る。このモールド2では、サイドキャビティ面16とキャビティ面32との間に、又はサイドキャビティ面38とキャビティ面54との間に、ローカバーが噛み込まれる可能性が生じる。この観点から、この比(W1/W0)は、好ましくは1.2以下であり、更に好ましくは1.1以下である。
図示されないが、駒モールド14の当接面30と駒モールド36の当接面52とに、係合部が設けられてもよい。例えば、当接面30及び当接面52の一方に凸部が形成されて、他方にこの凸部に係合する凹部が形成される。これにより、半径方向及び周方向において、駒モールド14と駒モールド36と相対位置精度を向上しうる。駒モールド14のキャビティ面32と駒モールド36のキャビティ面54との位置ずれが抑制されうる。
図4には、本発明の他の実施形態に係るモールド56の一部が示されている。ここでは、モールド56について、モールド2と異なる構成が説明される。このモールド56について、モールド2と同様の構成は、その説明が書略される。モールド2と同様の構成は、モールド2と同じ符号が付されて説明がされる。
このモールド56は、下型モールド58を備えている。この下型モールド58は、モールド本体34及び駒モールド60を備えている。この駒モールド60は、キャビティ面54にブレード10が起立していない他は、駒モールド36と同様に構成されている。このキャビティ面54には、主溝を形成する突起部46と、横溝を形成する突起部62が起立している。図示されない上型モールドは、赤道面に対して、下型モールド58と対称にされている。このモールド56でも、ローカバーの噛み込みを抑制しうる。また、モールド56が閉姿勢から開姿勢になるときに、タイヤが上型モールドや下型モールド58に付いたまま、モールド56が開かれることが抑制されている。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−3に示された基本構造を備えるモールドAが用意された。このモールドAは、周方向において駒モールドは7個に分割されている。このモールドAを用いて、タイヤが製造された。
[比較例1]
周方向に分割された多数のセグメントと、一対のサイドプレートを備えるモールドBが準備された。このモールドBでは、複数のセグメントが周方向に並べられてトレッド面を成形する。一対のサイドプレートが、サイドウォール外面を形成する。このモールドBは、所謂、従来の割モールドである。このモールドBを用いて、タイヤが製造された。
[比較例2]
上型モールド及び下型モールドにおいて、モールド本体と駒モールドが一体に形成された他は、実施例1と同様にされたモールドCが準備された。このモールドCは、所謂、従来のツーピースモールドである。このモールドCを用いて、タイヤが製造された。
[評価]
タイヤの外観が観察された。タイヤにOV/SP(オーバスピュー)の発生の有無が評価された。その評価結果が表1に示されている。この評価は、5段階の指数評価であり、5が最も好ましい。タイヤの製造過程において、タイヤの離型性が評価された。具体的には、閉姿勢から開姿勢にされたときに、タイヤがモールドに付いたままになり、タイヤの取り出しに手間が係るか否かが評価された。その評価結果が表1に示されている。この評価は、5段階の指数評価であり、5が最も好ましい。ブレードの損傷が評価された。この評価は、トレッドを形成するキャビティ面に起立するブレードの損傷の有無が評価された。その評価結果が表1に示されている。この評価は、5段階の指数評価であり、5が最も好ましい。更に、それぞれのモールドA、B及びCで、タイヤが生産されて、モールドA、B及びCの耐久性が評価された。その評価結果が表1に示されている。この評価は、比較例1を100とする指数評価であり、数値が大きいほど好ましい。
Figure 2019126961
表1に示されるように、実施例は比較例に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたモールドは、タイヤの加硫に用いられるツーピースモールドに広く適用されうる。
2、56・・・モールド
4・・・上型モールド
6、58・・・下型モールド
8・・・コイルスプリング
10・・・ブレード
12、34・・・モールド本体
14、36、60・・・駒モールド
16、38・・・サイドキャビティ面
18、40・・・摺動面
20、42・・・係合溝
22、44・・・駒本体
24、46、62・・・突起部
26、48・・・係合突起
28、50・・・摺動面
30、52・・・当接面
32、54・・・キャビティ面

Claims (8)

  1. 上型モールドと下型モールドとが上下方向に離れる開姿勢と、成型キャビティを形成する閉姿勢と、の間で開閉可能なツーピースモールドであって、
    上記上型モールド及び上記下型モールドの少なくとも一方がモールド本体と、上記モールド本体に対して半径方向に摺動する駒モールドとを備えており、
    上記駒モールドが半径方向内向きのキャビティ面を備えており、
    上記駒モールドが上記閉姿勢に先立って上記上型モールド及び上記下型モールドの他方と当接し、上記駒モールドが上記閉姿勢に至るまで上記上型モールド及び上記下型モールドの他方に当接して半径方向内向きに移動する機能を備えている、タイヤ用モールド。
  2. 上記上型モールド及び上記下型モールドのそれぞれが上記モールド本体と上記駒モールドとを備えており、
    上記上型モールドの上記駒モールドと上記下型モールドの上記駒モールドとが上記閉姿勢に先立って当接する請求項1に記載のモールド。
  3. 上記モールド本体が半径方向内側に向かって軸方向内から外向きに傾斜する本体摺動面を備えており、
    上記駒モールドが上記本体摺動面を摺動して半径方向に移動可能にされている請求項1又は2に記載のモールド。
  4. 弾性体を備えており、
    上記弾性体の付勢力が上記駒モールドを上記モールド本体に対して半径方向外向きに付勢している請求項1から3のいずれかに記載のモールド。
  5. 上記モールド本体の材質と上記駒モールドの材質とが同じである請求項1から4のいずれかに記載のモールド。
  6. タイヤのトレッド面にサイプを形成するブレードを備えており、
    上記駒モールドが上記トレッド面を形成するトレッドキャビティ面を備えており、
    上記トレッドキャビティ面に上記ブレードが起立している請求項1から5のいずれかに記載のモールド。
  7. タイヤのトレッド半幅に対応するキャビティ半幅W0に対して、駒モールドが成形するキャビティ半幅W1の比が、0.8以上1.2以下である請求項1から6のいずれかに記載のモールド。
  8. タイヤの各部を形成するゴム部材が組み合わされてローカバーを形成する予備成形工程と、
    上記ローカバーをモールドに投入して加硫成形し上記ローカバーからタイヤを得る加硫工程と
    を備えており、
    上記モールドが、
    上型モールドと下型モールドとが上下方向に離れる開姿勢と、成型キャビティを形成する閉姿勢と、の間で開閉可能なツーピースモールドであり、
    上記上型モールド及び上記下型モールドの少なくとも一方がモールド本体と、上記モールド本体に対して半径方向に摺動する駒モールドとを備えており、
    上記駒モールドが半径方向内向きのキャビティ面を備えており、
    上記駒モールドが上記閉姿勢に先立って上記上型モールド及び上記下型モールドの他方と当接し、上記駒モールドが上記閉姿勢に至るまで上記上型モールド及び上記下型モールドの他方に当接して半径方向内向きに移動する機能を備えている、タイヤの製造方法。
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