JP2019126718A - 内装品係止治具、係止治具を装備した建築物躯体構造、建築物躯体への内装品係止構造 - Google Patents

内装品係止治具、係止治具を装備した建築物躯体構造、建築物躯体への内装品係止構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 建築物躯体内に埋設固定しておくことができ、必要時に建築物躯体からの突出長を調整可能な係止治具と、係止治具を建築物躯体に取り付けておいても不使用時に邪魔にならず、使用時に建築物躯体の表面から室内まで突出させることができる建築物躯体構造と、建築物躯体に確実かつ安定した状態で内装品を係止できる内装品係止構造を提供する。【解決手段】 本発明の内装品係止治具は建築物躯体へ埋設固定される雌部材と、雌部材の挿入孔内に挿入可能な雄部材を備えている。雄部材は突出長を調節可能である。本発明の建築物躯体構造は、係止治具の雌部材が建築物躯体に埋設固定され、その雌部材に雄部材が挿入されているか又は挿入されていないものである。本発明の内装品係止構造は、建築物躯体に埋設固定された雌部材から雄部材が突設され、その突出部に内装品が係止された構造である。【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の柱、壁、床、天井、躯体等(本願において、これらをまとめて「建築物躯体」という。)に、装飾パネル、吊り棚や設置棚等の棚、収納ボックス、家具等(本願において、これらをまとめて「内装品」という。)を取り付けたり、吊り下げたり、係止したりする(本願において、「係止」という。)ことのできる内装品係止治具(本願において、「係止治具」という。)と、係止治具を備えた建築物躯体構造と、当該躯体に装備された係止治具に内装品を係止した建築物躯体への内装品係止構造に関する。
マンション、ビルといった共同住宅、戸建て住宅等(本願において、「建築物」という。)の柱や壁には内装品を取り付けることがある。その場合、通常は、柱や壁に釘、螺子、フック等の治具を取り付け、その治具に内装品を取り付けている。治具の一例として特許文献1がある。
しかし、建築物が賃貸物件の場合は、入居者(賃借人)が建築物躯体に治具を取り付けること(後付けすること)は禁止されている。このため、特許文献1の治具は賃貸物件では使用することができない。後付けが禁止されていない賃貸物件では使用できるが、主として、衣服等の吊り下げに利用するものであって、パネルのように厚さがあり面積の広い内装品や、吊り下げ家具、棚等のような重量物の取り付けには不向きであった。また、常に壁の表面よりも室内に突出しているため、不使用時には邪魔になるといった課題がある。
本件出願人である株式会社ベストは、先に、非特許文献1の治具を開発した。この治具は、壁の施工時に壁に埋め込んでおく筒状の固定部と、その固定部内に出し入れ可能な可動部を備えており、不要時には可動部を固定部内に押し込んでおくことができ、使用時に可動部を回転させると可動部が固定部の外に飛び出して、壁の表面よりも外に突出し、突出した可動部に内装品を取り付け可能とし、不使用時には押し戻し可能としたものである。
特開2011−78464号公報
株式会社ベスト開発の商品カタログ『建築金物総合カタログ』(URL:http://www3.best-x.co.jp/besthp/prod/web_catalog/sougou/index.html)
非特許文献1の治具は後付けする必要がないため、前記後付け禁止の課題は解決できるが、可動部の突出長が一定であり、調節することができないため、突出長が短い場合は係止できる内装品が限られる、突出長が長すぎる場合は邪魔になるという難点がある。
本発明の課題は、建築物躯体内に埋設固定しておくことができ、必要時に建築物躯体からの突出長を調整可能な係止治具と、係止治具を建築物躯体に取り付けておいても不使用時に邪魔にならず、体裁もよく、使用時に建築物躯体の表面から室内まで突出させることができる建築物の躯体構造と、建築物躯体に確実かつ安定した状態で内装品を係止できる内装品係止構造を提供することにある。
[係止治具]
本発明の係止治具は、建築物躯体へ埋設固定可能な雌部材と雄部材を備える。雌部材は内部に挿入孔を備えた筒状であり、挿入孔の軸方向一端に開口部があり、開口部が建築物躯体の表面とほぼ面一となるように建築物躯体に埋設固定可能である。雄部材は雌部材の挿入孔内に挿入可能な軸部と挿入孔の開口部を閉塞可能な大きさの頭部を備えている。雌部材と雄部材には挿入孔からの雄部材の突出長を調整可能な調整機構がある。雄部材はその頭部が挿入孔の開口部とほぼ面一になるまで挿入孔内に挿入することができ、開口部から突出させて内装品を取り付けることができる。
[建築物躯体構造]
本発明の建築物躯体構造は、前記係止治具の雌部材が建築物躯体に埋設固定されたものであり、開口部が建築物躯体の表面とほぼ面一に建築物躯体に埋設固定されたものである。この場合、雌部材の挿入孔には雄部材を挿入しておいても、挿入しておかなくてもよい。挿入しておく場合は、雄部材の頭部を雌部材の開口部とほぼ面一に挿入しておき、使用時に頭部側を挿入孔の開口部から室内側に突出させることができるようにしておく。
[内装品係止構造]
本発明の内装品係止構造は、前記建築物躯体構造における雄部材の頭部側を、雌部材の挿入孔の開口部から室内側に突出させ、その突出部に内装品の係止部又は内装品に取り付けた係止具の係止部を係止したものである。
[係止治具の効果]
本発明の係止治具は、雌部材からの雄部材の突出長を調節できるため、建築物躯体施工時に雌部材を建築物躯体に取り付けておくことにより、パネルのように厚さのあるもの、奥行きや重量のある棚、収納ボックス、家具をはじめ、様々な内装品を建築物躯体に取り付けるのに利用することができる。
[建築物躯体構造の効果]
本発明の建築物躯体構造は次のような効果がある。
(1)建築物躯体施工時に、係止治具の雌部材を建築物躯体に埋設固定しておくことで、治具の後付け作業が不要となる。この場合は賃貸物件の場合は賃借人が気兼ねなく建築物躯体に内装品を取り付けることができる。
(2)雌部材からの雄部材の突出長を調節するだけで雄部材に内装品を確実且つ安定に係止することができる。
(3)不使用時に雄部材を雌部材内に挿入しておくことができるので雄部材が邪魔にならず、建築物躯体に取り付けておいても室内の体裁がよく、雄部材に接触することもないので安全であり、雌部材を建築物躯体から取り外す必要もないため、建築物躯体に取り外し跡が残ることもない。
[内装品係止構造の効果]
本発明の内装品係止構造は、建築物躯体に埋設固定されている係止治具に、内装品の係止部又は内装品に取り付けた係止具を係止してあるため、内装品を確実且つ安定した状態で雄部材に係止可能である。
本発明の係止治具と係止具の一例を示す斜視図。 (a)は本発明の係止治具を備えた壁の一例を示す説明図、(b)は壁に埋設した係止治具にパネルを取り付けた状態の説明図。 (a)は壁に埋設した本発明の係止治具の雌部材に、雄部材を壁面とほぼ面一に挿入した状態の説明図、(b)は雄部材の一部を壁面よりも室内側に突出させた状態の説明図。 (a)〜(f)は本発明の係止治具を壁に取り付ける場合の説明図。 図4(f)の詳細図。 本発明の係止治具の雌部材の意匠図であって、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は平面図、(f)は底面図。 本発明の係止治具の雄部材の意匠図であって、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は平面図、(f)は底面図。 本発明の係止治具の雌部材に雄部材の一部をねじ込んだ状態の意匠図であって、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は平面図、(f)は底面図。 係止具の一例を示す意匠図であって、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は平面図、(f)は底面図。 本発明の係止治具の他例を示すものであって、(a)は雌部材の左側面図、(b)は(a)の縦断面図、(c)は雄部材の左側面図。 係止具の他例を示すものであって、(a)は斜視図、(b)は(a)のX−X断面図。
(係止治具の実施形態)
本発明の係止治具の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。係止治具1は壁、柱等のいずれの建築物躯体にも埋設固定可能であり、パネル、棚、収納ボックス、家具等のいずれの内装品も係止可能であるが、以下の例では、建築物躯体Xが壁の場合であり、内装品Yがパネルの場合について説明する。
係止治具1は図1に示すように雌部材2と、その内部に挿入可能な雄部材3を備えている。雌部材2は図2(a)のように壁Xに埋設しておき、図2(b)のように壁XにパネルYを係止するときに、雄部材3を雌部材2から壁Xの外(室内)まで突出させ、その雄部材3にパネルYを係止可能なものである。
図1に示す雌部材2は挿入孔4を備えた円筒状であり、挿入孔4は軸方向一端に開口部5があり、他端に底板6のある有底孔であり、壁X内に埋設可能な長さである。挿入孔4の内周面軸方向には雌ネジ7がある。雌ネジ7は挿入孔4の開口部5側から底板6の近くまで連続して設けられている。挿入孔4の内周面であって底板6の近くは雌ネジ7のない底板側平滑部8(図3(a)(b))としてある。雌部材2の底板6の中央には止め孔9(図1)がある。止め孔9には止めネジ10(図3(a)(b))を差し込み、その止めネジ10を壁Xにねじ込むことにより雌部材2を壁Xに固定可能である。
雌部材2の外周面にはリング状の突条11が数本形成されている。突条11は開口部5側のものが最も高く、底板6側に向けて次第に低くし、最も底板6寄りの箇所は突条11のない底板側無ネジ部12として、壁Xに開口した下孔Z(図4(a))に底板6側から圧入し易くし、圧入後は抜けにくくなるようにしてある。突条11はリング状ではなく螺旋状であってもよい。
雌部材2はその外周面全体を底板6側から開口部5側に先細りのテーパ面とし、図1の場合と同様に、その内周面に雌ネジ7を、外周面に突条11を設けることもできる。この場合は、開口部側無ネジ部13が開口部5側に向けて先細りのテーパ面となる。
前記雄部材3は雌部材2の挿入孔4内に挿入可能な挿入軸14(図1)と、挿入孔4の開口部5を閉塞可能な大きさの円盤状の頭部15を備えている。挿入軸14は棒材の外周面に雄ネジ16(図1)が切られている。雄ネジ16は雌部材2の挿入孔4の内周面の雌ネジ7と螺合可能なネジであり、時計回転でねじ込まれ、逆回転で戻るネジである。挿入軸14の軸方向であって頭部15寄りの箇所には雄ネジ16のないスペース確保部17(図3(b))があり、それよりも頭部15寄りの箇所は径の細い細径部18(図3(b))としてある。スペース確保部17は図5のように壁Xの表面と係止治具1に係止したパネルYの裏面との間に空間28を確保するためのものである。
頭部15は平板状であり、挿入軸14の先端側に形成されている。頭部15の直径は雌部材2の開口部5の直径よりも大きくしてあり、雄部材3を雌部材2の挿入孔4内の奥まで挿入する(ねじ込む)と、頭部15によって開口部5が閉塞されるようにしてある。頭部15の正面ほぼ中央部には操作部19(図1)がある。図1の操作部19はプラスドライバーで回転操作可能な十字形の凹溝であるが、操作部19はマイナスドライバーで回転操作可能な−形状の凹溝とか、六角レンチで回転操作可能な角形の凹部、その他の任意形状とすることができる。雄部材3は不使用時には図3(a)のように頭部15が雌部材2の開口部5とほぼ面一になるまで挿入することができ、使用時には図3(b)のように開口部5から室内まで突出して、図2(b)及び図5のようにパネルYを係止可能としてある。
頭部15の表面は壁Xの模様、色等の装飾と同一の装飾を施しておくことができる。壁Xの装飾と同一の装飾を施すことで、雄部材3を雌部材2の挿入孔4の奥まで挿入して頭部15の表面を壁Xとほぼ面一にしたときに、壁Xの体裁と一体化して目立たず、壁Xの体裁が損なわれないようにすることができる。頭部15は雌部材2の挿入孔4内に挿入すると、挿入孔4の開口部5を閉塞でき、開口部5から突出させると、パネルYを係止可能であれば他の形状、構造であってもよい。
雌部材2の挿入孔4の雌ネジ7と雄部材3の外周面の雄ネジ16は互いに噛み合って雄部材3の突出長を調整可能な調整機構20を構成する。調整機構20は雌ネジ7と雄ネジ16の螺合以外の構成であってもよい。例えば、雄部材3の挿入軸14を雌部材2の挿入孔4内に出し入れ可能とし、出し入れの途中で段階的に位置決め可能とした構成、その他の構成であってもよい。
図1の雌部材2は意匠的には図6(a)〜(f)のような外観を、雄部材3は意匠的には図7(a)〜(f)のような外観を、雌部材2に雄部材3を螺合した場合の係止治具1は意匠的には図8(a)〜(f)のような外観を夫々呈する。
(係止治具のその他の実施形態)
前記実施形態では、雌部材2の外周の開口部5側の突条11が、開口部5側の端部から離れた位置に設けられているが、開口部5側の突条11は、図10(a)に示すように雌部材2の端部に位置するようにしてもよい。開口部5側の突条11が雌部材2の端部に位置するようにした場合、壁Xに開口した下孔Z(図4(a))とその下孔Zに挿入した雌部材2との隙間が目立ちにくく、体裁が良くなる。
前記実施形態では、雌部材2の底板6の厚さを雌部材2の他の部分(筒状部)の厚さと同程度としてあるが、底板6は、図10(b)のように、雌部材2の他の部分より厚くすることもできる。例えば、雌部材2の他の部分の厚さが2mm程度である場合に、底板6の厚さを10mm以上(例えば13mm以上)などとすることができる。底板6を厚くした場合、止めネジ10を差し込む止め孔9が深くなり、止めネジ10を真っ直ぐに差し込みやすくなる。なお、前記数値は一例であり、雌部材2の厚さはこれ以外であってもよい。
前記実施形態では、雄部材3の頭部15の裏面15aがテーパー状であるが、頭部15の裏面15aは図10(c)のような平坦面とすることもできる。頭部15の裏面15aを平坦面とした場合、テーパー状の場合に比べて係止具21の表面側との接触面積が広くなり、抵抗が大きくなる。このため、地震などによって振動が生じても雄部材3が回転しにくく、雄部材3が雌部材2から不用意に脱落するリスクが低減する。
前記実施形態では、特に触れていないが、雄部材3の挿入軸14の外周や雌部材2の挿入孔7の内面には、緩み止め剤を塗布しておくこともできる。緩み止め剤には、雄部材3が回転しないように雌部材2に完全に固定するタイプのもの(全固定タイプ)と、ドライバーなどで回せば雄部材3を回転させられるタイプのもの(半固定タイプ)とがあるが、本願では後者が適する。緩み止め剤には既存のものを用いることができる。緩み止め剤を塗布することで、地震などによって振動が生じても雄部材3が回転しにくく、雄部材3が雌部材2から不用意に脱落するリスクが低減する。緩み止め剤は、挿入軸14の全体に塗布することもできるが、その先端部など、挿入軸14の一部に塗布することもできる。なお、緩み止め剤は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。
係止治具1は金属製、特に、錆にくいステンレス製が適するが、ステンレス以外の材質、樹脂、その他の材質製とすることができる。
(建築物躯体構造の実施形態1)
本発明の建築物躯体構造の実施形態の一例を、図2〜図4を参照して説明する。図2(a)の建築物躯体構造は、前記係止治具1が壁Xの上下方向に等間隔で複数個設けられたものである。壁Xには係止治具1の雌部材2が埋設固定され、個々の雌部材2に雄部材3が螺合されている。雄部材3はねじ込み回転により図3(a)のように頭部15の表面が壁Xの表面とほぼ面一になる位置までねじ込むことができ、戻し回転により図3(b)のように壁Xの表面よりも室内側に突出させることができる。
図2(a)(b)では係止治具1を壁Xに縦横に規則的に配置した場合を一例としているが、係止治具1の取り付け数、配置はこれ以外であってもよく、係止するパネルYの形状、サイズ、重量等に応じて選定することができる。
係止治具1は次の手順で壁Xに取り付けることにより、係止治具1を備えた建築物躯体構造とすることができる。
(1)壁Xに下孔Zをあけ、その下孔Z(図4(a))に雌部材2を圧入して固定する(図4(b))。下孔Zの開口と雌部材2の圧入は建築物の施工時に行うことも、施工後に行うこともできる。雌部材2の埋設固定は圧入以外の手段で行うこともできる。例えば、下孔Zを雌部材2の外径よりも大きめにしておき、その下孔Z内に雌部材2を差し込んで接着材で固定することもできる。
(2)下孔Zに圧入した雌部材2の底板6の止め孔9に止めネジ10を差し込み、当該止めネジ10を壁Xにねじ込む(図4(c))。
(3)雄部材3(図4(d))の挿入軸14を雌部材2の挿入孔4に所定長ねじ込む(図4(e))。この場合、雄部材3の頭部15で雌部材2の開口部5を閉塞するまでねじ込んで、頭部15の表面を図3(a)のように壁Xの表面とほぼ面一にしておくと、雄部材3が不使用時に邪魔にならない。また、ほぼ面一にした頭部表面に、建築物躯体自体の模様や色(装飾)、或いは壁Xの表面に張ったクロスその他の表面材の装飾と同じ又は同種の装飾を施すことにより、壁Xの体裁(外観)が損なわれない。必要であればこれとは逆に、頭部表面に前記装飾と異なる装飾を施すこともできる。
(建築物躯体構造の実施形態2)
前記実施形態の建築物躯体構造は、壁Xに埋設固定した雌部材2に雄部材3をねじ込んだ場合であるが、本発明の建築物躯体構造は、壁Xに埋設固定した雌部材2に雄部材3をねじ込んでおかなくともよい。この場合は、雌部材2の挿入孔4の開口部5が壁Xの表面に露出するため、開口部5の上に閉塞シート、例えば、クロスを貼って開口部5を隠しておくこともできる。この場合は、閉塞シートに雌部材2の埋設箇所を示す目印を付けておくのが望ましく、雄部材3にパネルYを係止するときに、閉塞シートを開口し、その開口部から雌部材2に雄部材3をねじ込んで、雄部材3を壁Xの表面から室内に突出させ、その突出部にパネルYを係止可能とすることもできる。
前記建築物躯体構造の実施形態1、2のいずれにおいても、壁Xへの雌部材2の固定は圧入以外であっても、例えば、壁Xにあけた下孔Z内に差し込んだ雌部材2を接着剤により固定するとか、他の固定機構で固定することもできる。
(内装品係止構造の実施形態)
本発明の内装品係止構造の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。この内装品係止構造は、壁Xに埋設固定されている係止治具1(図5)の雄部材3を壁Xの表面から室内に突出させ、その突出部にパネルYを係止した例である。この例では、パネルYの裏面に係止具21(図1)の四隅を止め具22(図5)で取り付け、そのパネルYを雄部材3に係止した例である。パネルYのサイズ、形状は任意とすることができる。
図1の係止具21は基材の中央部に大径孔23とそれよりも径の小さな小径孔24が連通する係止孔25を備えたものである。大径孔23は雄部材3の頭部15が通過できる大きさであり、小径孔24は頭部15が通過できない大きさであるが、雄部材3の細径部18(図5)に係止できる内径にしてある。図1の小径孔24の左右両内壁面26は大径孔23側に向けて次第に外広がりとなるテーパ面にして、雄部材3に係止し易くしてあるが、ストレート面であってもよい。係止具21の四隅にはパネルYへの取り付けに用いる止め孔27が開口されている。係止具21は図4(f)のようにパネルYの裏面に釘やネジ等の止め具22によりパネルYの裏面に固定する。
本発明の内装品係止構造は、雌部材2にねじ込まれている雄部材3を雌部材2から突出させ、前記係止具21を固定したパネルYを雄部材3に係止してパネルYを壁Xに取り付けてある。この場合、係止具21の大径孔23(図1)を雄部材3に被せてからパネルYの高さを下げて雄部材3の細径部18に小径孔24(図1)を係止して取り付ける。雄部材3の突出長を調整することにより、雄部材3に肉の厚いパネルYでも薄いパネルYでも取り付けることができる。パネルYを雄部材3の細径部18に係止することにより、壁Xに取り付けるパネルYを位置決めし易くなり、パネルYの係止が確実になり、係止したパネルYが安定する。雄部材3にスペース確保部17(図5)があるためパネルYの裏面と壁Xの表面との間に空間28(図5)が確保される。この空間28の前後幅SはパネルYを手で持って図5のように雄部材3に係止するときに指が入る(指が挟まれない)広さにして、パネルYの裏面と壁Xとの間に指が挟まれにくくなるようにしてある。なお、内装品Yを四点以上で支持する場合には、前記空間28があってもがたつきにくいが、内装品Yを二点以下で支持する場合には、前記空間28によって内装品Yががたつくことがある。この場合には、図11(a)に示すような係止具21を用いることもできる。
図11(a)に示す係止具21は、横長方形状の基材の中央に、横長方形状の横長孔29と円形の小孔30戸が連通する係止孔25を備えている。横長孔29の内径は雄部材3の頭部15が通過できる大きさである。小孔30は頭部15が通過できないが、雄部材3の細径部18(図5)に係止できる大きさである。係止孔25を複数(例えば、四つ)の雄部材3に係止する場合、係止孔25が小さいと位置合わせが難しいが、横長孔29を備えている場合には、位置合わせがしやすくなる。この実施形態の係止具21は樹脂製のものである。樹脂製とすることで、振動が生じても回りにくいようにしてある。
前記係止孔25の内壁面31のうち横長孔29と小孔30のつながり部分には、内向きに突出する係止突起32が設けられ、両係止突起32の間が狭くなっている。このため、両係止突起32の隙間を通過して小孔30に収まった雄部材3は、両係止突起32によって規制され、横長孔29へ抜けにくくなる。これにより、垂直方向の衝撃や振動による内装品Yの落下が防止される。
図11(a)に示す係止具21の表面側の小孔30の上側には、三本のリブ33が間隔をあけて突設されている。図11(b)に示すように、中央のリブ33の表面は上側から下側に向けて傾斜するテーパー面である。他のリブ33も同様のテーパー面である。リブ33は三本より多くても少なくてもよい。このようなリブ33を設けることで、係止具21と雄部材3の頭部15の密着性が高まり、内装品Yのがたつきを抑えることができる。特に、内装品Yの上部二点を支持するような場合、リブ33がない係止具21では、振動によって内装品Yががたつくことがあるが、リブ33を設けることで、当該リブ33の傾斜に雄部材3の頭部15の裏面15aが面接触するため、振動が生じても内装品Yはがたつきにくい。
係止具21の形状、構造は他のものであってもよく、パネル、その他の各種内装品の形状、大きさ、重量等に合わせて、ブロック状、その他の形状、サイズとすることができる。
本発明の係止治具の雌部材、雄部材の構造、形状、寸法等、建築物躯体構造、内装品係止構造は前記実施形態のものに特定されるものではなく、本発明の課題を解決可能な限り他の構造、構成とすることができる。内装品も前記実施形態に例示したものに限らず、棚、靴箱、クローゼット、ユニット式家具、絵画、その他のいずれのものであってもよい。
1 係止治具
2 雌部材
3 雄部材
4 挿入孔
5 (挿入孔の)開口部
6 底板
7 雌ネジ
8 底板側平滑部
9 止め孔
10 止めネジ
11 (雌部材の外周面の)突条
12 底板側無ネジ部
13 開口部側無ネジ部
14 挿入軸
15 (雄部材の)頭部
15a (頭部の)裏面
16 雄ネジ
17 スペース確保部
18 細径部
19 (頭部の)操作部
20 調整機構
21 係止具
22 止め具
23 大径孔
24 小径孔
25 係止孔
26 (小径孔の)内壁面
27 止め孔
28 空間
29 横長孔
30 小孔
31 内壁面
32 係止突起
33 リブ
X 壁(建築物躯体)
Y パネル(内装品)
Z 下孔

Claims (7)

  1. 建築物躯体への内装品の取り付けに用いる係止治具において、
    建築物躯体へ埋設固定される雌部材と、当該雌部材の挿入孔内に挿入可能な雄部材を備え、
    雌部材は挿入孔を備え、挿入孔の軸方向一端に開口部を備えた筒状であり、
    雄部材は前記挿入孔に挿入可能な挿入軸と、その軸方向先端に設けられた頭部を備え、当該頭部は雄部材を雌部材の挿入孔内の奥まで挿入すると挿入孔の前記開口部を覆うことのできる大きさであり、
    前記雌部材と雄部材は、雌部材の挿入孔内に挿入された雄部材の突出長を調節可能な調整機構を備えている、
    ことを特徴とする内装品係止治具。
  2. 請求項1記載の内装品係止治具において、
    雌部材の挿入孔の軸方向であって開口部と反対側に底板を備え、底板に止め孔が開口されている、
    ことを特徴とする内装品係止治具。
  3. 請求項1又は請求項2記載の内装品係止治具において、
    雄部材の頭部表面に、建築物躯体自体の装飾、或いは壁の表面に張った表面材の装飾と同じ又は同種の装飾又はそれら装飾と異なる装飾が施された、
    ことを特徴とする内装品係止治具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内装品係止治具において、
    雄部材の挿入軸であって頭部よりも内側に、建築物躯体と雄部材に係止する内装品との間にスペースを確保可能なスペース確保部を備えた、
    ことを特徴とする内装品係止治具。
  5. 建築物躯体に係止治具を備えた建築物躯体構造において、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内装品係止治具の雌部材が建築物躯体に埋設固定され、
    前記雌部材はその挿入孔の開口部が、躯体表面とほぼ面一に埋設固定された、
    ことを特徴とする建築物躯体構造。
  6. 建築物躯体に係止治具を備えた建築物躯体構造において、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内装品係止治具が建築物躯体に埋設固定され、
    前記雌部材はその挿入孔の開口部が、建築物躯体表面とほぼ面一に埋設固定され、
    前記雄部材は前記雌部材の挿入孔内に挿入されて、挿入孔からの突出長を調節可能である、
    ことを特徴とする建築物躯体構造。
  7. 請求項6記載の建築物躯体構造への内装品係止構造において、
    建築物躯体と、雄部材に係止された内装品との間に、空間が確保されている、
    ことを特徴とする建築物躯体への内装品係止構造。
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