JP2019125168A - シミュレーション装置、反射特性の推定方法、及びプログラム - Google Patents

シミュレーション装置、反射特性の推定方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】表面にシボ加工がなされた物体における光の反射特性を容易に取得する。【解決手段】シミュレーション装置10は、シボの形状データを格納したシボ形状データベース101と、二次シボの形状データを格納した二次シボ形状データベース100と、物体の材質に固有の光学特性のデータを格納した材質データベース102と、シボ形状データベース101に格納されている形状データと、二次シボ形状データベース100に格納されている形状データとを合成することにより、シボに二次シボが重畳された形状の形状データを生成する合成形状生成部103と、生成された形状データと、材質データベース102に格納されているデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する反射特性推定部105とを有する。【選択図】図1

Description

本発明はシミュレーション装置、反射特性の推定方法、及びプログラムに関する。
物体における光の反射特性は、商品の外観に影響を及ぼすため、商品開発などにおいて利用される。例えば、特許文献1では、車両の意匠開発に用いられるシミュレーション装置について開示している。このシミュレーション装置は、BRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function:双方向反射率分布関数)を測定するBRDF測定器を備えており、BRDF測定器の測定結果に基づいて、車両の外観をシミュレーションにより再現する。
特開2015−049691号公報
物体における光の反射特性は、物体の材質及び物体の表面形状に依存する。したがって、材質又は表面形状が異なれば、BRDFの測定結果は異なる。このため、物体のBRDFを測定により取得する場合、材質と表面形状の組み合わせ毎に、実物のサンプルが必要となる。また、材質と表面形状の組み合わせ毎に、測定作業が必要となる。
本発明は、上記した事情を背景としてなされたものであり、表面にシボ加工がなされた物体における光の反射特性を容易に取得することができるシミュレーション装置、反射特性の推定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、物体の表面に施される凹凸形状であるシボの形状データを格納したシボ形状記憶部と、前記シボよりも微細な凹凸形状であって、前記シボに重畳される形状である二次シボの形状データを格納した二次シボ形状記憶部と、物体の材質に固有の光学特性のデータを格納した材質記憶部と、前記シボ形状記憶部に格納されている形状データと、前記二次シボ形状記憶部に格納されている形状データとを合成することにより、前記シボに前記二次シボが重畳された形状の形状データを生成する合成形状生成部と、前記合成形状生成部により生成された形状データと、前記材質記憶部に格納されているデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する反射特性推定部とを有するシミュレーション装置である。
このシミュレーション装置では、所望のシボ及び二次シボを備えた形状データが生成される。そして、この形状データを用いて所望の材質の物体の反射特性が推定される。したがって、所望のシボ及び二次シボを備えた所望の材質の物体を測定する必要がない。すなわち、シボ、二次シボ、及び材質についての所望の組み合わせを備えた実物のサンプルの測定を必要としない。つまり、そのような実物のサンプルの用意、及び、測定作業を必要としないため、表面にシボ加工がなされた物体における光の反射特性を容易に取得することができる。
上記の一態様において、前記シボ形状記憶部は、複数種類のシボのそれぞれの形状データを格納してもよい。
このような構成によれば、複数種類のシボのうち任意に選択したシボの形状を有する物体における光の反射特性を容易に取得することができる。つまり、シボの形状を変更した場合の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。
上記の一態様において、前記二次シボ形状記憶部は、複数種類の二次シボのそれぞれの形状データを格納してもよい。
このような構成によれば、複数種類の二次シボのうち任意に選択した二次シボの形状を有する物体における光の反射特性を容易に取得することができる。つまり、二次シボの形状を変更した場合の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。
上記の一態様において、前記材質記憶部は、複数種類の材質のそれぞれの光学特性のデータを格納してもよい。
このような構成によれば、複数種類の材質のうち任意に選択した材質の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。つまり、材質を変更した場合の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。
上記の一態様において、特定の材質の物体における光の反射特性の測定データと、該物体の表面の形状データを用いたシミュレーションにより得られる光の反射特性の推定データとを用いて、前記特定の材質に固有の光学特性を推定する光学特性推定部をさらに有し、前記材質記憶部は、前記光学特性推定部により推定された光学特性のデータを格納してもよい。
このような構成によれば、材質に固有の光学特性が推定される。このため、光の反射特性の推定に必要とされる材質の光学特性が予め不明であっても、光の反射特性の推定が可能である。
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、物体の表面に施される凹凸形状であるシボの形状データと、前記シボよりも微細な凹凸形状であって、前記シボに重畳される形状である二次シボの形状データとを合成することにより、前記シボに前記二次シボが重畳された形状の形状データを生成し、生成された形状データと、物体の材質に固有の光学特性のデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する反射特性の推定方法である。
この推定方法では、所望のシボ及び二次シボを備えた形状データが生成される。そして、この形状データを用いて所望の材質の物体の反射特性が推定される。したがって、所望のシボ及び二次シボを備えた所望の材質の物体を測定する必要がない。すなわち、シボ、二次シボ、及び材質についての所望の組み合わせを備えた実物のサンプルの測定を必要としない。つまり、そのような実物のサンプルの用意、及び、測定作業を必要としないため、表面にシボ加工がなされた物体における光の反射特性を容易に取得することができる。
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、物体の表面に施される凹凸形状であるシボの形状データと、前記シボよりも微細な凹凸形状であって、前記シボに重畳される形状である二次シボの形状データとを合成することにより、前記シボに前記二次シボが重畳された形状の形状データを生成する合成形状生成ステップと、生成された形状データと、物体の材質に固有の光学特性のデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する反射特性推定ステップとをコンピュータに実行させるプログラムである。
このプログラムによる処理では、所望のシボ及び二次シボを備えた形状データが生成される。そして、この形状データを用いて所望の材質の物体の反射特性が推定される。したがって、所望のシボ及び二次シボを備えた所望の材質の物体を測定する必要がない。すなわち、シボ、二次シボ、及び材質についての所望の組み合わせを備えた実物のサンプルの測定を必要としない。つまり、そのような実物のサンプルの用意、及び、測定作業を必要としないため、表面にシボ加工がなされた物体における光の反射特性を容易に取得することができる。
本発明によれば、表面にシボ加工がなされた物体における光の反射特性を容易に取得することができるシミュレーション装置、反射特性の推定方法、及びプログラムを提供することができる。
実施の形態にかかるシミュレーション装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態にかかるシミュレーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態にかかるシミュレーション装置において、物体における光の反射特性を取得するための動作の流れの一例を示すフローチャートである。 合成形状生成部による形状データの合成処理の一例を示すフローチャートである。 反射特性推定部による推定処理の一例を示すフローチャートである。 光線追跡のシミュレーションにおいて算出される各点について示す模式図である。 光学特性推定部による推定処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態にかかるシミュレーション装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図1では、説明のため、シミュレーション装置10の他に、シミュレーション装置10に入力されるデータを生成するための装置(レーザ顕微鏡51、3D測定器52、及びBRDF測定器53)及びサンプル群50が図示されている。
シミュレーション装置10は、物体における光の反射特性を推定により取得する装置である。なお、シミュレーション装置10により反射特性が取得される物体としては、例えば、樹脂製の物体が挙げられるが、これに限らず、シミュレーション装置10は、金属製などの任意の材料により構成された物体を反射特性の取得対象とすることができる。
なお、本実施の形態において、表面にシボ加工がなされている物体を反射特性の取得対象とする。より具体的には、シミュレーション装置10は、次のような表面を有する物体についての反射特性を取得する。すなわち、シミュレーション装置10は、シボ及び二次シボが表面に形成された物体についての反射特性を取得する。ここで、シボは、物体の表面に施される凹凸形状である。言い換えると、シボは、物体の表面に施される凹凸模様である。なお、シボは、一次シボと呼ばれてもよい。二次シボは、シボよりも微細な凹凸形状であって、シボに重畳される形状である。言い換えると、二次シボは、シボよりも微細な凹凸模様であって、シボの上に施される模様である。つまり、二次シボの凹凸パターンは、シボの凹凸パターンよりも細かい。逆に言うと、シボの凹凸パターンは、二次シボの凹凸パターンよりも粗い。このように、シボのパターンと二次シボのパターンとの組み合わせにより、物体の表面に現れる模様、すなわち形状が定まる。
ところで、物体における光の反射特性は、物体の表面の形状のみならず、物体の材質にも依存する。したがって、表面の形状が同じであっても、物体の材質が異なれば、反射特性は異なる。シボの形状、二次シボの形状、及び物体の材質からなる組み合わせの数だけ、反射特性は存在することとなる。本実施の形態では、データベースに予め記憶された、シボの形状データ、二次シボの形状データ、及び材質についてのデータから選択された所望の組み合わせについて、光線追跡のシミュレーションを行うことで、この組み合わせを有する物体の反射特性を取得する。なお、本実施の形態では、反射特性は、具体的にはBRDFであるが、シミュレーション装置10はBRDF以外の他の反射特性を取得してもよい。
図1に示すように、シミュレーション装置10は、二次シボ形状データベース100と、シボ形状データベース101と、材質データベース102と、合成形状生成部103と、光学特性推定部104と、反射特性推定部105とを有する。二次シボ形状データベース100、シボ形状データベース101、及び材質データベース102に格納するデータを生成するために、本実施の形態では、サンプル群50と、レーザ顕微鏡51と、3D測定器52と、BRDF測定器53とが用いられる。
サンプル群50は、少なくとも1つの実物のサンプルを含む。ただし、各データベースにおいて、様々な種類のデータを格納するためには、サンプル群50は様々なサンプルを含む。
本実施の形態では、シボ形状データベース101に複数種類のシボのそれぞれの形状データを格納するために、材質及び二次シボ形状が同一であって、シボ形状が異なる複数の物体のサンプルが、サンプル群50として用意されている。そのようなサンプルは、例えば、模様の種類(例えば、革模様、幾何模様など)が異なるシボのサンプルであってもよいし、シボの凹凸の深さが異なるシボのサンプルであってもよい。
また、本実施の形態では、二次シボ形状データベース100に複数種類の二次シボのそれぞれの形状データを格納するために、材質及びシボ形状が同一であって、二次シボ形状が異なる複数の物体のサンプルが、サンプル群50として用意されている。そのようなサンプルは、例えば、凹凸の細かさの程度が異なる二次シボのサンプルであってもよい。
さらに、本実施の形態では、材質データベース102に複数種類の材質のそれぞれの光学特性のデータを格納するために、シボ形状及び二次シボ形状が同一であって、材質が異なる複数の物体のサンプルが、サンプル群50として用意されている。そのようなサンプルは、例えば、AES樹脂製のサンプル、POM樹脂製のサンプル、PP2樹脂製のサンプル、TPO樹脂製のサンプルなどである。
サンプル群50に含まれる各サンプルは、レーザ顕微鏡51、3D測定器52、及びBRDF測定器53により測定される。レーザ顕微鏡51は、サンプルの表面に存在する二次シボの形状データを取得するための測定装置の一例である。レーザ顕微鏡51により測定された二次シボの形状データは、シミュレーション装置10に入力され、二次シボ形状データベース100に格納される。なお、二次シボ形状データベース100に格納される形状データは、具体的には、例えば、3次元座標データである。このように、二次シボ形状データベース100は、二次シボの形状データを格納したデータベースである。なお、本実施の形態では、二次シボ形状データベース100に格納される形状データは、二次シボの形状のみではなく、シボの形状に起因した凹凸を含んだ形状データであるが、二次シボ形状データベース100には、シボの形状に起因した凹凸を含まない形状データ、すなわち、二次シボの形状のみを特定する形状データが格納されてもよい。二次シボ形状データベース100は、二次シボ形状記憶部と呼ばれてもよい。
3D測定器52(三次元測定器)は、サンプルの表面に存在するシボの形状データを取得するための測定装置の一例である。3D測定器52により測定されたシボの形状データは、シミュレーション装置10に入力され、シボ形状データベース101に格納される。なお、シボ形状データベース101に格納される形状データは、具体的には、例えば、3次元座標データである。このように、シボ形状データベース101は、シボの形状データを格納したデータベースである。シボ形状データベース101は、シボ形状記憶部と呼ばれてもよい。なお、本実施の形態において、3D測定器52の分解能は、二次シボの形状を測定できるほどの分解能はないため、シボ形状データベース101には、二次シボの形状に起因した凹凸を含まない形状データ、すなわち、シボの形状のみを特定する形状データが格納される。
BRDF測定器53は、サンプルにおける光の反射特性を取得するための測定装置の一例である。BRDF測定器53により測定されたBRDFは、シミュレーション装置10に入力され、光学特性推定部104の処理に用いられる。
合成形状生成部103は、シボ形状データベース101に格納されている形状データと、二次シボ形状データベース100に格納されている形状データとを合成することにより、シボに二次シボが重畳された形状の形状データを生成する。すなわち、合成形状生成部103は、物体の表面形状のデータを生成する。なお、合成形状生成部103による具体的な処理については、フローチャートを参照して後述する。
光学特性推定部104は、特定の材質の物体における光の反射特性の測定データと、この物体の表面の形状データを用いたシミュレーションにより得られる光の反射特性の推定データとを用いて、この特定の材質に固有の光学特性を推定する。このため、光学特性推定部104は、サンプル群50に含まれる光学特性の取得対象の材質により構成されたサンプル(サンプルIと呼ぶこととする)に関するBRDF測定器53の測定結果と、サンプルIの表面の形状データとを、当該材質の光学特性の推定に際して必要とする。本実施の形態では、光学特性推定部104は、サンプルIの表面の形状データとして、合成形状生成部103により生成された形状データを用いるが、光学特性推定部104において用いられる形状データは必ずしも合成形状生成部103により生成されたデータでなくてもよい。すなわち、任意の測定器により測定された物体の表面形状のデータが用いられてもよい。
光学特性推定部104は、詳細には、光の反射特性の推定データ、すなわちBRDFの推定データを、次のようにして得る。光学特性推定部104は、特定の材質の光学特性についてのパラメータ値として仮の値を設定し、この値により特定される光学特性と物体の表面の形状データとを用いて、光線追跡のシミュレーションを行うことにより、この物体のBRDFを推定する。
そして、光学特性推定部104は、BRDFの推定結果と、実物のサンプルのBRDFの測定結果とを用いて、当該材質の光学特性についてのパラメータ値を推定する。
なお、光学特性推定部104による処理の詳細については、フローチャートを参照して後述する。光学特性推定部104は、推定した光学特性のデータ、すなわち、推定したパラメータ値を、材質データベース102に格納する。このように、材質データベース102は、物体の材質に固有の光学特性のデータを、材質毎に格納したデータベースである。なお、材質データベース102は、材質記憶部と呼ばれてもよい。
本実施の形態では、光学特性のデータは、複素屈折率の実部であるパラメータNの値と、複素屈折率の虚部であるパラメータKの値と、散乱指向性を示す指標値(より詳細には、Henyey-Greenstein位相関数のパラメータ)であるパラメータGの値と、拡散反射率を示すパラメータDの値により構成されるが、シミュレーション装置10はこれら以外の他の光学特性を利用してもよい。なお、光学特性のデータは、後述する光線追跡のシミュレーションにおいて、光線の挙動を決定するために用いられるデータである。
反射特性推定部105は、合成形状生成部103により生成された形状データと、材質データベース102に格納されている光学特性のデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する。なお、反射特性推定部105が用いる、合成形状生成部103により生成された表面の形状データは、例えば、ユーザにより指定された所望のシボ形状及び二次シボ形状を表す形状データである。また、反射特性推定部105が用いる、材質データベース102に格納されている光学特性のデータは、例えば、ユーザにより指定された所望の材質に対応する光学特性のデータである。したがって、反射特性推定部105は、シボ、二次シボ、及び材質についての所望の組み合わせを有する物体における光の反射特性を推定する。
具体的には、反射特性推定部105は、合成形状生成部103により生成された表面の形状データと、指定された材質の光学特性のデータとを用いて、光線追跡のシミュレーションを行うことにより、所望の物体のBRDFを推定する。なお、反射特性推定部105による処理の詳細については、フローチャートを参照して後述する。
次に、シミュレーション装置10のハードウェア構成の一例について説明する。図2は、実施の形態にかかるシミュレーション装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、シミュレーション装置10は、入出力インタフェース11、メモリ12、及びプロセッサ13を含む。
入出力インタフェース11は、他の装置との間で、有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。例えば、入出力インタフェース11は、レーザ顕微鏡51、3D測定器52、及びBRDF測定器53からのデータを受信するために用いられる。また、例えば、入出力インタフェース11は、キーボードなどの入力装置を介して入力されるユーザからの指示情報を受信するために用いられる。
メモリ12は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの任意の組み合わせによって構成される。メモリ12は、複数のメモリを含んでもよい。メモリ12は、プロセッサ13により実行されるソフトウェア(すなわち、1以上の命令を含むコンピュータプログラム)などを格納するために使用される。
プロセッサ13は、メモリ12からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、合成形状生成部103、光学特性推定部104、及び反射特性推定部105を実現する。このように、シミュレーション装置10は、コンピュータとしての機能を備えている。プロセッサ13は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ13は、複数のプロセッサを含んでもよい。
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
二次シボ形状データベース100、シボ形状データベース101、及び材質データベース102は、例えば、メモリ12などの記憶装置により実現されてもよい。
なお、合成形状生成部103、光学特性推定部104、及び反射特性推定部105は、プログラムによるソフトウェアでの実現に限ることなく、これらがハードウェア回路により実現されてもよいし、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現されてもよい。
次に、シミュレーション装置10における具体的な処理について、フローチャートを参照して説明する。
図3は、シミュレーション装置10において、物体における光の反射特性を取得するための動作の流れの一例を示すフローチャートである。シミュレーション装置10によれば、以下のような反射特性の推定方法が実行される。
図3に示すように、まず、ステップ10(S10)において、合成形状生成部103が、シボの形状データと、二次シボの形状データとを合成することにより、シボに二次シボが重畳された形状の形状データを生成する。なお、合成形状生成部103の具体的な処理の流れについては、図4を参照して後述する。
次に、ステップ20(S20)において、反射特性推定部105が、ステップ10で生成された形状データと、材質データベース102に格納されている物体の材質に固有の光学特性のデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する。なお、反射特性推定部105の具体的な処理の流れについては、図5を参照して後述する。
例えば、材質aの物体の表面に、形状bのシボ及び形状cの二次シボを施した場合の物体の表面のBRDFをユーザが取得したいとする。この場合、ステップ10において、合成形状生成部103は、ユーザにより指定された形状bのシボの形状データをシボ形状データベース101から読み出すとともに、形状cの二次シボの形状データを二次シボ形状データベース100から読み出して、これらを合成する。また、ステップ20において、反射特性推定部105は、ユーザにより指定された材質aに対応する光学特性のデータ(すなわち、上述のパラメータN、K、G、D)を材質データベース102から読み出して、読み出したデータとステップ10で生成されたデータを用いて、反射特性を推定する。
図4は、合成形状生成部103による形状データの合成処理の一例を示すフローチャートである。以下、図4に沿って、合成形状生成部103の処理について説明する。
ステップ100(S100)において、合成形状生成部103は、シボ形状データベース101に格納された形状データと、二次シボ形状データベース100に格納された形状データを読み込む。例えば、合成形状生成部103は、合成対象としてユーザに指定された形状データを読み込む。
次に、ステップ101(S101)において、合成形状生成部103は、二次シボ形状データベース100から読み込んだ形状データについて、二次シボ成分を抽出する。上述の通り、本実施の形態では、二次シボ形状データベース100に格納される形状データは、二次シボの形状のみではなく、シボの形状に起因した凹凸を含んだ形状データである。このため、合成形状生成部103は、二次シボ形状データベース100から得た形状データから、シボの形状に起因した凹凸を含まない形状データを抽出する。合成形状生成部103は、同じ測定範囲の2つの形状データの差を計算することにより、二次シボのみの形状データを算出する。具体的には、合成形状生成部103は、二次シボ形状データベース100から読み込まれた形状データの高さ成分(Z座標の値)から、このデータを得るための測定に用いられたサンプルに施されていた一次シボの形状データの高さ成分(Z座標の値)を差し引くことにより、二次シボのみの形状データを算出する。
次に、ステップ102(S102)において、合成形状生成部103は、ステップ101で抽出した二次シボ成分をタイリングすることにより、二次シボ成分のみの形状データの領域を拡張する。レーザ顕微鏡51により得られる形状データのXY座標の範囲は限られている。したがって、合成形状生成部103は、ステップ101で得られた形状データを複製して平面的に並べることにより、形状データのXY座標における範囲を拡張する。
次に、ステップ103(S103)において、合成形状生成部103は、拡張された二次シボの形状データと、シボ形状データベース101から読み込んだ形状データとを合成する。すなわち、合成形状生成部103は、2つの形状データの高さ成分(Z座標の値)を加算することにより、シボ及び二次シボについての形状を示す形状データを生成する。
そして、ステップ104(S104)において、合成形状生成部103は、生成した形状データを出力する。
図5は、反射特性推定部105による推定処理の一例を示すフローチャートである。また、図6は、光線追跡のシミュレーションにおいて算出される各点について示す模式図である。なお、図6では、合成形状生成部103により生成された形状データにより示される物体の表面形状Sにおける点A、B、C、Xを示している。本実施の形態では、反射特性推定部105は、モンテカルロ光線追跡のシミュレーションを行うことで物体の光の反射特性を取得するが、他の光線追跡手法によるシミュレーションを行うことで物体の光の反射特性が取得されてもよい。以下、図5に沿って、反射特性推定部105の処理について説明する。
ステップ200(S200)において、反射特性推定部105は、合成形状生成部103により生成された形状データと、材質データベース102に格納されている光学特性データとを読み込む。なお、このとき、例えば、反射特性推定部105は、ユーザに指定された材質に対応する光学特性のデータを読み込む。
次に、ステップ201(S201)において、反射特性推定部105は、シミュレーションにおいて発射する光線の入射角を決定する。本実施の形態では、一例として、反射特性推定部105は、0度で光線が入射した場合のBRDF、15度で光線が入射した場合のBRDF、30度で光線が入射した場合のBRDF、45度で光線が入射した場合のBRDF、60度で光線が入射した場合のBRDF、75度で光線が入射した場合のBRDFをそれぞれ取得する。したがって、フローチャートにおいて、処理がステップ201に遷移する度に、反射特性推定部105は、これらの入射角を順に設定する。
次に、ステップ202(S202)において、反射特性推定部105は、シミュレーションにおいて、ステップ201で設定された入射角度の光線を、ステップ200で読み込んだ形状データで表される仮想的な物体に向けて発射する。なお、この仮想的な物体における光線の入射位置は、乱数により決定される。
次に、ステップ203(S203)において、反射特性推定部105は、発射した光線とZmin平面との交点Aを計算する(図6参照)。なお、Zmin平面は、Z座標が形状データの高さ方向の最小値であるXY座標平面である。
次に、ステップ204(S204)において、反射特性推定部105は、発射した光線とZmax平面との交点Bを計算する(図6参照)。なお、Zmax平面は、Z座標が形状データの高さ方向の最大値であるXY座標平面である。
次に、ステップ205(S205)において、反射特性推定部105は、点Bから点Aに至る直線の物体との最初の交点Xを計算する(図6参照)。なお、後述するステップ211からステップ205に処理が遷移した場合には、反射特性推定部105は、点Xから点Cに至る直線の物体との最初の交点を新たな交点Xとして計算する(図6参照)。
ステップ205における算出される交点Xが存在する場合(図5のS206でYes)、処理は、ステップ207移行し、ステップ205における算出される交点Xが存在しない場合(図5のS206でNo)、処理は、ステップ212に移行する。
ステップ207(S207)において、反射特性推定部105は、仮想的な物体と光線との交点である点Xにおいて光線を物体に透過させるか、物体の表面でフレネル反射させるかを決定する。反射特性推定部105は、乱数及び材質データベース102から読み込まれた複素屈折率(パラメータN及びパラメータK)を用いて、光線の進行方向を決定する。
光線を透過させる場合(図5のS207で「透過」)、処理はステップ208へ移行し、光線をフレネル反射させる場合(図5のS207で「フレネル反射」)、処理はステップ209に移行する。
ステップ208(S208)において、反射特性推定部105は、仮想的な物体の内部からの光線の拡散反射を計算する。具体的は、反射特性推定部105は、材質データベース102から読み込まれた拡散反射率(パラメータD)を用いて、拡散反射のシミュレーションを行う。ステップ208の後、処理はステップ210へ移行する。
一方、ステップ209(S209)では、反射特性推定部105は、点Xにおいて光線を散乱させる。反射特性推定部105は、乱数及び材質データベース102から読み込まれた散乱指向性の指標値(パラメータG)を用いて、光線の散乱のシミュレーションを行う。ステップ209の後、処理はステップ210へ移行する。
ステップ210(S210)において、反射特性推定部105は、ステップ208又はステップ209の計算結果に基づいて、点Xから光線を発射する。
次に、ステップ211(S211)において、反射特性推定部105は、ステップ210で発射された光線とZmin平面又はZmax平面との交点である交点Cを計算する(図6参照)。ステップ211の後、処理は、ステップ205に戻り、同様の光線追跡処理が行われる。
ステップ206において交点Xがないと判定された場合、ステップ212(S212)において、光線の観測が行われる。すなわち、反射特性推定部105は、ステップ202からステップ211までの光線追跡のシミュレーションの結果、観測点において観測される光の強度を取得する。つまり、反射特性推定部105は、1回の光線発射のシミュレーションにより推定されたBRDFデータを取得する。
次に、ステップ213(S213)において、反射特性推定部105は、光線の発射回数が規定値以上であるか否かを判定する。発射回数が規定値以上である場合(図5のS213でYes)、処理はステップ214へ移行する。これに対し、発射回数が規定値未満である場合(図5のS213でNo)、処理はステップ202へ戻り、再度、光線が発射される。このように、ステップ212において取得されるデータ数が規定値に到達するよう、光線追跡のシミュレーションが繰り返される。
ステップ214(S214)において、反射特性推定部105は、ステップ212で取得された全方位BRDFの平均を算出し、算出結果をステップ201で決定された入射角に対する全方位BRDFの推定値とする。
次に、ステップ215(S215)において、反射特性推定部105は、現在設定されている入射角が規定値以上であるか否かを判定する。本実施の形態では、反射特性推定部105は、現在設定されている入射角が75度以上であるか否かを判定する。設定されている入射角が規定値以上である場合(図5のS215でYes)は、予定していた全ての入射角について全方位BRDFの推定値が取得されたため、一連の処理を終了する。これに対し、設定されている入射角が規定値未満である場合(図5のS215でNo)は、処理はステップ201に戻る。すなわち、この場合、ステップ201で次の入射角が設定される。例えば、現在設定されていた入射角が0度である場合、ステップ201において、反射特性推定部105は、入射角を15度に更新する。そして、ステップ202以降のシミュレーションが繰り返される。
以上、物体における光の反射特性を取得するためのシミュレーション装置10の動作について説明した。本実施の形態では、図3に示したフローチャートの処理が実行される前に、予め材質データベース102に材質毎の光学特性のデータが格納されている。また、本実施の形態では、上述の通り、光学特性推定部104により推定された光学特性が材質データベース102に格納される。以下、光学特性の推定処理について説明する。
図7は、光学特性推定部104による推定処理の一例を示すフローチャートである。光学特性推定部104は、反射特性推定部105と同様の光線追跡シミュレーションを実行することにより、光学特性のパラメータの値として仮の値が設定された物体の全方位BRDFを推定する。そして、反射特性推定部105は、推定された全方位BRDFと実際の測定により得られた全方位BRDFとの比較結果に基づいて、パラメータの値を更新する。反射特性推定部105は、全方位BRDFの測定結果と推定結果とが近似するような反射特性のパラメータ値が得られると、当該パラメータ値を材質データベース102に格納する。本実施の形態では、反射特性推定部105は、具体的には、遺伝的アルゴリズムを用いて、パラメータ(N、K、G、D)の値を決定するが、測定結果と推定結果とが近似するようなパラメータ(N、K、G、D)の値を探索する他の任意の探索アルゴリズムが用いられてもよい。
図7に示すフローチャートは、図5に示したステップ200がステップ300及び301に置き換わっており、図5に示したステップ215の後の処理としてステップ302、303、及び304が追加されている。以下、図7に示すフローチャートを参照しつつ光学特性推定部104の処理について説明するが、図5に示すフローチャートに示した処理内容と重複するステップについては説明を省略する。また、材質pについての光学特性を推定する場合を例にして説明する。また、材質pのサンプルIにおける表面には形状qが施されているものとする。なお、この形状qは、形状qの一次シボと形状qの二次シボを合成した形状であるとする。
まず、ステップ300(S300)において、光学特性推定部104は、合成形状生成部103により生成された形状データと、BRDF測定器53により測定されたサンプルIのBRDFデータを読み込む。ここで、合成形状生成部103により生成された形状データは、1次シボについての形状qの形状データと二次シボについての形状qの形状データを合成した形状である。なお、ここでは、一例として、光学特性推定部104は、サンプルIの表面の形状データとして、合成形状生成部103により生成された形状データを用いるが、任意の測定器により測定されたサンプルIの表面形状のデータがある場合には、そのデータが用いられてもよい。また、その場合、表面形状は、必ずしもシボ形状データベース101及び二次シボ形状データベース100にデータが記憶された形状でなくてもよい。すなわち、任意の表面形状を有するサンプルIが用いられてもよい。
次に、ステップ301(S301)において、光学特性推定部104は、光学特性のパラメータ(N、K、G、D)の初期値を設定する。すなわち、光学特性推定部104は、乱数を用いて、遺伝的アルゴリズムにおける最初の世代の個体を生成する。
ステップ301の後、処理は、ステップ201へ移行する。したがって、光学特性推定部104は、ステップ201からステップ304までの一連の処理を実行する。ステップ201からステップ215までの処理は、図5に示した処理と同様である。すなわち、光学特性推定部104による推定処理では、ステップ301又は後述するステップ303において設定された仮の値のパラメータ(すなわち、仮の値が設定された光学特性のデータ)を用いて、光線追跡のシミュレーションが行われる。
ステップ215で、現在設定されている入射角が規定値以上であると判定された場合(図7のS215でYesの場合)、処理は、ステップ302へ移行する。
ステップ302(S302)において、光学特性推定部104は、測定されたBRDFデータ(すなわち、ステップ300で読み込まれた全方位BRDFの測定結果)とシミュレーションにより得られたBRDFデータ(すなわち、ステップ201からステップ215の処理により得られた全方位BRDFの推定結果)とを比較する。具体的には、光学特性推定部104は、現在の世代の各個体の適応度を計算する。
次に、ステップ303(S303)において、光学特性推定部104は、ステップ302の比較結果に基づいて、光学特性のパラメータの値を修正する。つまり、光学特性推定部104は、ステップ302で計算された各個体の適応度に基づいて、次の世代の個体を生成する。
次に、ステップ304(S304)において、光学特性推定部104は、実行したループ回数(すなわち、ステップ201からステップ303までの一連の処理の実行回数)が、規定値以上であるか否かを判定する。実行回数が規定値未満である場合、引き続き、新たな世代の個体を用いて、上述の処理が繰り返される。これに対し、実行回数が規定値以上である場合、全方位BRDFの測定結果と推定結果とが近似するような反射特性のパラメータ値が得られたとして、処理を終了する。
以上、実施の形態について説明した。シミュレーション装置10では、シボ形状データベース101に格納されている形状データと、二次シボ形状データベース100に格納されている形状データとを合成することにより、シボに二次シボが重畳された形状の形状データが生成される。そして、この生成された形状データと、材質データベース102に格納されているデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性が推定される。このため、シボ、二次シボ、及び材質についての所望の組み合わせを備えた実物のサンプルの測定を必要としない。このため、表面にシボ加工がなされた物体における光の反射特性を容易に取得することができる。
また、シボ形状データベース101は、複数種類のシボのそれぞれの形状データを格納している。このため、複数種類のシボのうち任意に選択したシボの形状を有する物体における光の反射特性を容易に取得することができる。つまり、シボの形状を変更した場合の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。なお、シボ形状データベース101に格納される形状データの種類は、必ずしも複数種類でなくてもよく、1種類であってもよい。
また、二次シボ形状データベース100は、複数種類の二次シボのそれぞれの形状データを格納している。このため、複数種類の二次シボのうち任意に選択した二次シボの形状を有する物体における光の反射特性を容易に取得することができる。つまり、二次シボの形状を変更した場合の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。なお、二次シボ形状データベース100に格納される形状データの種類は、必ずしも複数種類でなくてもよく、1種類であってもよい。
また、材質データベース102は、複数種類の材質のそれぞれの光学特性のデータを格納している。このため、複数種類の材質のうち任意に選択した材質の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。つまり、材質を変更した場合の物体における光の反射特性を容易に取得することができる。なお、材質データベース102に光学特性が格納される材質の種類は、必ずしも複数種類でなくてもよく、1種類であってもよい。
さらに、シミュレーション装置10は、材質に固有の光学特性を推定する光学特性推定部104を有する。このため、光の反射特性の推定に必要とされる材質の光学特性が予め不明であっても、光の反射特性の推定が可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 シミュレーション装置
11 入出力インタフェース
12 メモリ
13 プロセッサ
50 サンプル群
51 レーザ顕微鏡
52 3D測定器
53 BRDF測定器
100 二次シボ形状データベース
101 シボ形状データベース
102 材質データベース
103 合成形状生成部
104 光学特性推定部
105 反射特性推定部

Claims (7)

  1. 物体の表面に施される凹凸形状であるシボの形状データを格納したシボ形状記憶部と、
    前記シボよりも微細な凹凸形状であって、前記シボに重畳される形状である二次シボの形状データを格納した二次シボ形状記憶部と、
    物体の材質に固有の光学特性のデータを格納した材質記憶部と、
    前記シボ形状記憶部に格納されている形状データと、前記二次シボ形状記憶部に格納されている形状データとを合成することにより、前記シボに前記二次シボが重畳された形状の形状データを生成する合成形状生成部と、
    前記合成形状生成部により生成された形状データと、前記材質記憶部に格納されているデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する反射特性推定部と
    を有するシミュレーション装置。
  2. 前記シボ形状記憶部は、複数種類の前記シボのそれぞれの形状データを格納している
    請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記二次シボ形状記憶部は、複数種類の前記二次シボのそれぞれの形状データを格納している
    請求項1又は2に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記材質記憶部は、複数種類の材質のそれぞれの光学特性のデータを格納している
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
  5. 特定の材質の物体における光の反射特性の測定データと、該物体の表面の形状データを用いたシミュレーションにより得られる光の反射特性の推定データとを用いて、前記特定の材質に固有の光学特性を推定する光学特性推定部をさらに有し、
    前記材質記憶部は、前記光学特性推定部により推定された光学特性のデータを格納する
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
  6. 物体の表面に施される凹凸形状であるシボの形状データと、前記シボよりも微細な凹凸形状であって、前記シボに重畳される形状である二次シボの形状データとを合成することにより、前記シボに前記二次シボが重畳された形状の形状データを生成し、
    生成された形状データと、物体の材質に固有の光学特性のデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する
    反射特性の推定方法。
  7. 物体の表面に施される凹凸形状であるシボの形状データと、前記シボよりも微細な凹凸形状であって、前記シボに重畳される形状である二次シボの形状データとを合成することにより、前記シボに前記二次シボが重畳された形状の形状データを生成する合成形状生成ステップと、
    生成された形状データと、物体の材質に固有の光学特性のデータとを用いたシミュレーションにより、物体における光の反射特性を推定する反射特性推定ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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