JP2019124278A - 油圧クラッチの制御システムおよび油圧クラッチの制御方法 - Google Patents

油圧クラッチの制御システムおよび油圧クラッチの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッチ作動油圧が過負荷状態に達した場合であっても、伝達トルクの急激な変動を抑制する事のできる油圧クラッチの制御システムを提供する。【解決手段】油圧クラッチの制御システムであって、クラッチ作動油圧を制御する油圧制御手段と、クラッチ作動油圧を検出する油圧検出手段と、出力軸の回転数を検出する回転検出手段と、指令回転数が与えられ、検出油圧と、検出回転数とが入力され、クラッチ作動油圧の正常負荷域、余裕負荷域、過負荷域が定められ、余裕負荷域までは、検出回転数を主体としたフィードバック制御を行い、過負荷域では、検出油圧を主体としたフィードバック制御を行う油圧制御信号出力する制御手段と、を備え、過負荷域では、検出油圧が、上限値と境界値との間で徐々に変化するように油圧制御信号を出力することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、油圧クラッチの制御に係り、特に、伝達トルクが過負荷状態に至った場合における安全制御に好適な油圧クラッチの制御システムおよび油圧クラッチの制御方法に関する。
油圧クラッチのスリップ制御により、出力制御を行う被動機の一例として、大型船に備えられ、積荷の荷役などに用いられるポンプ(カーゴポンプ)を例に挙げることができる。カーゴポンプは通常、陸側の設備規模に応じてその吐出量を変化させる必要がある。一方で、荷室から積荷(例えば油脂類)を陸側へ圧送するには、吐出量の多寡に関係無く、所定の有効ヘッドが必要となるため、定トルク特性を得られるように構成されている。
なお、運用上、低速域を使用する運転形態は、吸入側の残量が低下したサラエの時であり、通常この負荷は、スリップロス一定制御より低い負荷になる。このため、所定の回転数以下(例えば、最低回転速度を30%とし、50%以下をスリップロス一定制御とした場合の駆動可能トルクは、回転速度が40%の時、定格トルクの83%となり、30%の時には、71%となる)となった場合には、低トルク特性からスリップロス一定制御に切り替えることにより、駆動装置(油圧クラッチ)の大型化を改善している。
しかしながら、被動機は低速域でも定トルク特性の運転ができるため、この領域に於いても定格吐出圧力、つまり定トルク特性で運転することが可能であることから、油圧クラッチ自体の負荷が過負荷に達する虞がある。このような問題は、粘性が大きく異なる圧送物を連続して扱う場合などにも生じ得るため、積荷の多様化に対応するためには、こうした問題を解消しておく必要がある。
船舶において油圧クラッチのスリッピングを利用して出力側の回転数制御を行う点については、例えば特許文献1に開示がある。特許文献1に開示されている油圧クラッチは、エンジンと、被動機としてのプロペラの間に配置され、プロペラに伝達する回転数を油圧クラッチを介して制御するというものである。このような場所に使用される油圧クラッチでは、クラッチ作動油圧を高める事により伝達される回転数を向上させ、クラッチ作動油圧を低下させた場合には、伝達される回転数も低下するという制御が成される。そして、クラッチ作動油圧が所定の範囲を超えた場合には、油圧クラッチを完全に嵌合させて直結状態となるような制御が成される。
特開2009−138809号公報
しかし、特許文献1に開示されている機構では、油圧クラッチのスリップ運転中に加速や旋回、CPPの翼角を立てた場合の他、荒天時等のプロペラ吸収動力が急激に大きくなるような場合に、スリップ運転中の油圧クラッチ自体が過負荷状態となる場合が生じ得る。
このように、被動機側、あるいは原動機側に駆動力を伝達するスリップ運転中の油圧クラッチに過負荷が生じると、これを解消しようとする制御が働き、ハンチング等の断続運転が成され、伝達トルクに急激な変化が生じることとなり、稼働状態に支障を来すおそれがある。
そこで本発明では、スリップ運転中の油圧クラッチにおけるクラッチ作動油圧が過負荷状態に達した場合であっても、伝達トルクの急激な変動を抑制する事のできる油圧クラッチの制御システムおよび油圧クラッチの制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る油圧クラッチの制御システムは、原動機と被動機との間に設けられた油圧クラッチの制御システムであって、前記油圧クラッチの接続状態を変化させるクラッチ作動油の圧力を制御する油圧制御手段と、前記油圧制御手段を介して前記油圧クラッチに供給されるクラッチ作動油の圧力を検出する油圧検出手段と、前記油圧クラッチにおける出力軸の回転数を検出する回転検出手段と、指令値としての前記出力軸の回転数である指令回転数が与えられると共に、前記油圧検出手段による検出油圧と、前記回転検出手段による検出回転数とが入力され、前記出力軸の回転数によって変化するクラッチ作動油圧の正常負荷域と、前記正常負荷域内において予め定められたクラッチ作動油圧の計画値よりも高い負荷域である余裕負荷域、および前記余裕負荷域を超えた過負荷域が定められ、前記余裕負荷域までは、前記検出回転数を主体としたフィードバック制御を行い、前記過負荷域では、前記検出油圧を主体としたフィードバック制御を行う油圧制御信号を出力する制御手段と、を備え、前記過負荷域には、上限値と、前記余裕負荷域の上限との間の境界値が定められ、前記制御手段は、前記検出油圧が前記過負荷域に達した場合、前記余裕負荷域に戻るまで前記検出油圧が、前記上限値と前記境界値との間で徐々に変化させるための油圧制御信号を出力することを特徴とする。
また、上記のような特徴を有する油圧クラッチの制御システムにおいて前記制御手段は、前記検出油圧が前記上限値と前記境界値との間を往復するように前記油圧制御手段に対して油圧制御信号を出力することが望ましい。このような特徴を有する事により、クラッチ作動油圧の変動幅を広く採る事ができ、クラッチ作動油圧の変化を緩やかなものとすることができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る油圧クラッチの制御方法は、原動機と被動機との間に設けられた油圧クラッチの制御方法であって、前記油圧クラッチの接続状態を制御するクラッチ作動油圧の制御域に、上限値と、前記上限値よりも低く、正常負荷域との境となる境界値を定めた過負荷域と、前記正常負荷域内であって、予め定められた前記クラッチ作動油圧の計画値よりも高く、前記境界値までの負荷状態としての余裕負荷域とを定め、前記余裕負荷域までは、出力軸の検出回転数を主体とした前記クラッチ作動油圧のフィードバック制御を行い、前記過負荷域では、検出油圧を主体とした前記クラッチ作動油圧のフィードバック制御を行い、前記クラッチ作動油圧が前記過負荷域に達した場合に、前記上限値と前記境界値との間で、前記クラッチ作動油圧を徐々に変化させることを特徴とする。
また、上記のような特徴を有する油圧クラッチの制御方法では、前記作動油圧が、前記上限値と前記境界値との間を往復するように、前記クラッチ作動油圧の制御を行うようにすることが望ましい。このような特徴を有する事により、クラッチ作動油圧の変動幅を広く採る事ができ、クラッチ作動油圧の変化を緩やかなものとすることができる。
上記のような特徴を有する油圧クラッチの制御システム、および制御方法によれば、油圧クラッチにおけるクラッチ作動油圧が過負荷状態に達した場合であっても、伝達トルクの急激な変動を抑制し、被動機の運転を継続することができる。
実施形態に係る油圧クラッチの制御システムの構成を示すブロック図である。 クラッチ作動油圧と出力軸の回転速度の間における境界値と上限値の関係を示すグラフである。 クラッチ作動油圧が過負荷域に達した際に実施する過負荷制御時のクラッチ作動油圧の変動の様子を示すグラフである。 実施形態に係る油圧クラッチの制御システムによる油圧クラッチの制御方法を説明するためのフロー図である。
以下、本発明の油圧クラッチの制御システムおよび油圧クラッチの制御方法に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す形態は、本発明を実施する上での一形態に過ぎず、同様な機能を果たす他の構成を備えたシステム、およびこれを利用した制御方法についても、本発明に含まれることは言うまでもない。
[油圧クラッチの制御システムの構成]
本実施形態に係る油圧クラッチの制御システム10は、図1に示すように、エンジンなどの原動機30と、ポンプやプロペラなどの駆動機関を含む被動機32との間に設けられた油圧クラッチ12に対する制御システムである。その構成の概略は、次のようなものとすることができる。
まず、油圧クラッチ12の構成は、原動機30側に接続された回転軸である入力軸14と、被動機32側に接続された回転軸である出力軸16を備え、入力軸14と出力軸16との間に、クラッチプレートを備えたクラッチ機構部18を有する。油圧クラッチ12は、クラッチ機構部18に作用するクラッチ作動油の圧力(クラッチ作動油圧)の多寡により、そのスリップ率が変化し、入力軸14と出力軸16との間における伝達トルクおよび/または伝達回転数を変化させることができる。
このような基本構成を有する油圧クラッチ12は、クラッチ機構部18に作用させるクラッチ作動油圧を制御する油圧制御手段としての油圧制御用比例電磁弁20が備えられている。そして、この油圧制御用比例電磁弁20は、統括用のコントローラ(制御手段22)からの油圧制御信号を受けることで、その開度の調整が成されるように構成されている。
なお、本実施形態においては、油圧変換方式として比例電磁弁(油圧制御用比例電磁弁20)を採用しているが、油圧変換方式は多彩であり、これに限定されるものではない。
[制御手段]
制御手段22には、油圧制御用比例電磁弁20の他、油圧検出器24や、回転検出器26、および回転設定器28などが接続されている。油圧検出器24は、クラッチ機構部18に作用しているクラッチ作動油圧を検出するための油圧検出手段である。油圧検出器24により検出したクラッチ作動油圧を制御手段22へフィードバックする事により、油圧制御用比例電磁弁20による油圧制御の状態把握を行う事ができる。このような作用を担う油圧検出器24は、例えば、油圧制御用比例電磁弁20と、クラッチ機構部18との間に設けられる油圧経路に備えられるようにすれば良い。
回転検出器26は、出力軸16の回転数(回転速度)を検出するための回転検出手段である。クラッチ機構部18によるスリップ作用により変化する出力軸16の回転数を制御手段22へフィードバックすることにより、クラッチ機構部18におけるスリップ率の調整を行うことができるようになる。このような作用を担う回転検出器26は、検出対象とする出力軸16の近傍に設けられるようにすれば良い。なお、回転設定器28は、出力軸16の回転数に対する指令値(指令回転数)を出力するための手段である。
[制御方式の切り替え]
本実施形態に係る油圧クラッチの制御システム10では予め、クラッチ作動油圧の変化領域として、正常負荷域と、余裕負荷域、および過負荷域が定められており、制御手段22は、各領域に応じた制御パターンを採るように設定されている。具体的には、正常負荷域や余裕負荷域では、検出回転数を主体とした基本制御を行い、過負荷域では、検出油圧を主体とした過負荷制御を行うというものである。なお、ここでいう余裕負荷域とは、正常負荷域の中での特定領域であり、クラッチ作動油圧の基準(例えば定格値)として予め定められた計画値(正常負荷域内において定められる)から過負荷域との境界値までの余裕代として定めている。
基本制御は、回転設定器28から与えられる回転数である指令回転数と、回転検出器26によって検出された実回転数とを比較し、比較結果に基づいて油圧制御用比例電磁弁20に対する油圧制御信号を出力するというものである。具体的には、検出回転数よりも指令回転数の方が大きい場合(検出回転数<指令回転数)には、油圧制御用比例電磁弁20に対し、クラッチ作動油圧を上昇させる旨の油圧制御信号を出力する。一方、検出回転数よりも指令回転数の方が小さい場合(検出回転数>指令回転数)には、油圧制御用比例電磁弁20に対し、クラッチ作動油圧を下降させる旨の油圧制御信号を出力する。
過負荷制御は、油圧検出器24により検出されたクラッチ作動油圧が過負荷域に達した際の制御である。本実施形態に係る油圧クラッチの制御システム10では、クラッチ作動油圧の過負荷域として、その上限値と、余裕負荷域との境界値との間に、領域バンドが設けられている。なお、上限値や境界値、領域バンドなどの値は、制御手段22に設けられた図示しない記憶部に入力されている。
制御手段22は、クラッチ作動油圧が過負荷域に達した場合、油圧検出器24による検出値(検出油圧)が領域バンド内で徐々に変化するように、油圧制御信号を出力する。具体的には、クラッチ作動油圧が、上限値と境界値との間で緩やかな正弦波(波形はプログラムにより制御可能であり、例えば試作実験機では、図3に示すように、やや上昇が速く、下降が遅い三角波とした)を描く変化をするように、油圧制御信号を出力すれば良い。もちろんクラッチ作動油圧の昇降によって描かれる波形については、図3に例示した三角波のように、正弦波以外、どのような波形となるようにもプログラムが可能であり、その形態(波形)が特定されるものではない。
なお、スリッピングクラッチにおける過負荷とは、クラッチ機構部18の発熱及び摩擦プレートの面圧に依存するものである。このため、過負荷域における上限値や境界値は、図2に示すグラフのように、出力軸16の回転数(スリップ回転速度)により異なり、当該回転数に基づいて導かれるものである。
[効果]
クラッチ作動油圧が過負荷域に達した際に、クラッチ作動油圧の制御値を緩やかに変化させる事で油圧クラッチ12の危険運転を避ける事ができる。また、危険運転を避けるためにクラッチ作動油圧を急激に降下させた場合に生じるハンチングに起因した出力トルクの極端な変動も避けることができる。これにより、原動機30や被動機32に局所的な負荷を生じさせる事を避け、かつ過負荷による油圧クラッチ12の焼損も避けることができる。
[制御方法]
次に、このような構成の油圧クラッチの制御システム10を介した油圧クラッチの制御方法について、図4に示すフロー図を参照して説明する。
本制御は、油圧クラッチ12におけるクラッチ機構部18の嵌脱(嵌=スリップ制御)に基づいて制御の開始と終了が成される。まず、制御手段22では、クラッチ機構部18が嵌状態であるか、脱状態であるかの判定が成される。判定は、油圧検出器24によるクラッチ作動油圧の検出値が所定値以下である場合には、「脱」、所定値以上である場合には「嵌」と判定されるようにすれば良い(ステップ10)。クラッチ機構部18が「嵌」状態にあると判定された場合には、基本制御のスリップ制御が開始される(ステップ20)。一方、ステップ10において、クラッチ機構部18が「脱」状態にあると判定された場合には、油圧クラッチ12が機能していないと判断され、制御が終了される。
油圧クラッチ12のスリップ制御時には制御手段22にて、油圧検出器24により検出されるクラッチ作動油圧が、スリップ回転速度における過負荷域に到達したか否かが判定される(ステップ30)。クラッチ作動油圧が過負荷域に達している場合には、次いでクラッチ機構部18の嵌脱状態の判定が成される(ステップ40)。一方、ステップ30において、クラッチ作動油圧が過負荷域に達していない場合には、ステップ20へと回帰し、基本制御のスリップ制御が続けられる。
ステップ30においてクラッチ作動油圧が過負荷域に達したと判定され、かつステップ40においてクラッチ機構部18が「嵌」状態にあると判定された場合、制御手段22による制御は、過負荷制御に移行する。過負荷制御ではまず、回転設定器28により指令されたスリップ回転速度に基づき、クラッチ作動油圧の上限値が導き出される(ステップ50)。
次に、油圧検出器24により検出されるクラッチ作動油圧が、ステップ50で導き出された上限値に達しているか否かが判定される(ステップ60)。クラッチ作動油圧が上限値に達している場合には、それが瞬時的なものであるか、継続的なものであるかの判定(ディレイ時間の判定)が成される(ステップ70)。ここで、ステップ60において、クラッチ作動油圧が上限値に達していない場合には、ステップ50へ回帰し、現状のスリップ回転速度におけるクラッチ作動油圧の上限値の導きと、比較(ステップ50,60)が繰り返される。また、ステップ70における判定が瞬時的(ディレイ時間が経過していないとの判定)であった場合も同様に、ステップ50に回帰する制御が成される。
ステップ70において、クラッチ作動油圧の上昇が継続的なもの(ディレイ時間が経過したとの判定)であった場合には、伝達トルクの制限制御が開始される(ステップ80)。伝達トルクの制限制御では、ステップ10、ステップ40と同様に、クラッチ機構部18の嵌脱状態の判定が成される(ステップ90)。ステップ90において、クラッチ機構18が「嵌」状態にあると判定された場合には、回転設定器28により指令されたスリップ回転速度に基づき、クラッチ作動油圧の境界値が導きだされる(ステップ100)。
次に、油圧検出器24により検出されるクラッチ作動油圧が、ステップ100で導き出された境界値以下であるか否かが判定される(ステップ110)。クラッチ作動油圧が境界値以下である場合には、それが瞬時的なものであるか、継続的なものであるかの判定(ディレイ時間の判定)が成される(ステップ120)。ここで、ステップ110において、クラッチ作動油圧が境界値よりも高いと判定された場合には、油圧制御用比例電磁弁20に対し、クラッチ作動油圧を徐々に下げる旨の油圧制御信号を出力し、ステップ90へ回帰する(ステップ130)。ステップ120における判定が瞬時的(ディレイ時間が経過していないとの判定)であった場合も同様に、ステップ130を介してステップ90に回帰する制御が成される。
一方、ステップ120において、クラッチ作動油圧が境界値以下になったのが継続的なもの(ディレイ時間が経過したとの判定)が成された場合には、クラッチ作動油圧が過負荷域を脱した(低下した)と認定され、ステップ20へ回帰して、基本のスリップ制御へと移行される。
このような油圧クラッチの制御方法によれば、油圧クラッチ12におけるクラッチ作動油圧が過負荷状態に達した場合であっても、伝達トルクの急激な変動を抑制する事が可能となり、被動機32や原動機30に無用な負荷を生じさせる虞が無くなる。また、伝達トルクの急激な変動の発生により、被動機32の稼働状態に対する不具合の発生も抑制することができる。具体的には、被動機32をポンプとした場合において、伝達トルクの急激な変化による揚程の低下による吐出の停止などである。
上記実施形態に係る油圧クラッチの制御システムによるクラッチ制御は、クラッチ作動油圧が過負荷域に達した場合であっても、被動機32の運転を継続するための油圧クラッチ12に対する保護制御であり、恒常的な運転を行うための制御ではない。
このため、本システムでは、クラッチ作動油圧が過負荷域に達した場合に、光や音などによるアラームを発し、管理者が過負荷状態での運転に気付くようにする制御が成されるようにしても良い。このような制御を行う場合には、制御手段22に、光や音などによるアラームを出力可能な警告手段(不図示)を付帯させるようにすれば良い。
また、過負荷域での運転状態(過負荷制御)が所定時間継続された場合には、クラッチ作動油圧を境界値以下に低下させ、過負荷運転を解除する自動制御が行われるようにしても良い。
10………油圧クラッチの制御システム、12………油圧クラッチ、14………入力軸、16………出力軸、18………クラッチ機構部、20………油圧制御用比例電磁弁、22………制御手段、24………油圧検出器、26………回転検出器、28………回転設定器、30………原動機、32………被動機。

Claims (4)

  1. 原動機と被動機との間に設けられた油圧クラッチの制御システムであって、
    前記油圧クラッチの接続状態を変化させるクラッチ作動油の圧力を制御する油圧制御手段と、
    前記油圧制御手段を介して前記油圧クラッチに供給されるクラッチ作動油の圧力を検出する油圧検出手段と、
    前記油圧クラッチにおける出力軸の回転数を検出する回転検出手段と、
    指令値としての前記出力軸の回転数である指令回転数が与えられると共に、前記油圧検出手段による検出油圧と、前記回転検出手段による検出回転数とが入力され、前記出力軸の回転数によって変化するクラッチ作動油圧の正常負荷域と、前記正常負荷域内において予め定められたクラッチ作動油圧の計画値よりも高い負荷域である余裕負荷域、および前記余裕負荷域を超えた過負荷域が定められ、前記余裕負荷域までは、前記検出回転数を主体としたフィードバック制御を行い、前記過負荷域では、前記検出油圧を主体としたフィードバック制御を行う油圧制御信号を出力する制御手段と、を備え、
    前記過負荷域には、上限値と、前記余裕負荷域の上限との間の境界値が定められ、
    前記制御手段は、前記検出油圧が前記過負荷域に達した場合、前記余裕負荷域に戻るまで前記検出油圧が、前記上限値と前記境界値との間で徐々に変化させるための油圧制御信号を出力することを特徴とする油圧クラッチの制御システム。
  2. 前記制御手段は、前記検出油圧が前記上限値と前記境界値との間を往復するように前記油圧制御手段に対して油圧制御信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の油圧クラッチの制御システム。
  3. 原動機と被動機との間に設けられた油圧クラッチの制御方法であって、
    前記油圧クラッチの接続状態を制御するクラッチ作動油圧の制御域に、上限値と、前記上限値よりも低く、正常負荷域との境となる境界値を定めた過負荷域と、前記正常負荷域内であって、予め定められた前記クラッチ作動油圧の計画値よりも高く、前記境界値までの負荷状態としての余裕負荷域とを定め、
    前記余裕負荷域までは、出力軸の検出回転数を主体とした前記クラッチ作動油圧のフィードバック制御を行い、
    前記過負荷域では、検出油圧を主体とした前記クラッチ作動油圧のフィードバック制御を行い、
    前記クラッチ作動油圧が前記過負荷域に達した場合に、前記上限値と前記境界値との間で、前記クラッチ作動油圧を徐々に変化させることを特徴とする油圧クラッチの制御方法。
  4. 前記作動油圧が、前記上限値と前記境界値との間を往復するように、前記クラッチ作動油圧の制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の油圧クラッチの制御方法。
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