JP2019124208A - ファンブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製シースで覆われた前縁の厚みを増すことなく、大きな異物が衝突した場合にも翼部前縁のハブ部に発生する歪を抑制し得る複合材料製ファンブレードを提供する。【解決手段】ファンブレード(20)は、正圧面(21AP)及び負圧面(21AS)を有する翼部(21A)と、翼根部(21R)と、から成る複合材料製の翼本体(21)と、翼部の前縁(LE)の少なくとも一部を覆う金属製のシース(22)と、を備え、シースは、翼部の前縁の前方に配置される基部(22B)と、基部からそれぞれ後方へ突出する正圧面保護壁(22P)及び負圧面保護壁(22S)と、を一体にした構造を有し、翼部の前縁から前方への基部の突出量は、翼部のハブ部(H)からスパン方向の外側へ向かって第1のスパン方向位置(S1)までの範囲においてゼロである。【選択図】図2

Description

本開示は、ターボファンエンジンのファンブレード、特に複合材料製のファンブレードに関する。
ターボファンエンジンは、ファンと、ファンの後方にファンと同軸に配置され、ファンを駆動するためのタービンを備えたコアエンジンとから構成されている。
ファンは、略円筒状のファンケースと、ファンケースの内部において回転するように構成されたファンディスクと、ファンディスクの外周に取り付けられた複数のファンブレードとを備えている。ファンディスクは、シャフトを介して連結された低圧タービンによって回転駆動される。
ターボファンエンジンの運転中、ファンディスクと共にファンブレードが回転することにより、ファンに空気が吸い込まれる。空気の一部はコアエンジンに流入し、低圧タービンを駆動するための高温高圧のガスを発生させ、残部はコアエンジンをバイパスして後方から排出され、推力の大部分の発生に寄与する。
航空機用ターボファンエンジンのファンブレードとしては、従来は主にチタン合金製のものが用いられていた。しかしながら、近年においては、FRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)等の複合材料で製造されたものが用いられることが多い。
複合材料は、チタン合金と比べて比強度(引張強度を密度で除した値)が大きいため、ファンブレードの材料をチタン合金から複合材料に変更することにより、強度を維持したまま軽量化を実現することができる。
その一方で、複合材料は、チタン合金と比べて耐摩耗性及び耐衝撃性において劣っている。ファンに吸い込まれる空気に砂粒、小石等の異物が混入していると、異物はファンブレードの翼部に衝突し、翼部が複合材料により構成されている場合には、損傷(FOD(Foreign Object Damage))を引き起こす可能性がある。
そのため、従来の複合材料製ファンブレードにおいては、異物との衝突の可能性が高い複合材料製の翼本体の前縁を金属製のシースで覆うことにより、損傷の発生を防止している。
また、ファンが、鳥等の大きな異物を吸い込むと、ファンブレードの翼部は、異物との衝突によって大きく変形する。変形は、前縁における曲げ変形として始まり、その後、他の領域へ伝播してゆく。このうち翼部の後縁は、伝播してきた変形により表面に大きな歪が発生しやすい部位であり、翼部が複合材料により構成されている場合には、亀裂や剥離が生じる可能性が高い。
そのため、従来の複合材料製ファンブレードにおいては、複合材料製の翼本体の後縁のうち、異物衝突時の変形により表面に大きな歪が発生すると予測される部位を、金属製のガードで覆って保護している。これにより、翼部の後縁の強度が向上し、亀裂や剥離の発生が回避される。
このように、従来の複合材料製ファンブレードにおいては、耐摩耗性及び耐衝撃性を向上させるために、複合材料製の翼本体の前縁を金属製のシースで覆うと共に、後縁を金属製のガードで覆っていた(特許文献1参照)。
米国特許第7,780,410号明細書
ここで、従来の複合材料製ファンブレードにおける金属製シースの設置態様について、図3を参照して説明する。
なお、本明細書において用いられる用語「径方向」、「周方向」は、それぞれ、ファンブレードが組み込まれるターボファンエンジンの径方向、周方向と一致する方向である。
図3は、従来の複合材料製ファンブレードを示す概略説明図であり、(A)は側面図、(B)は(A)におけるI−I断面図である。
ファンブレード120は、図3(A)に示されるように、複合材料製の翼本体121と、金属製のシース122とから成っている。なお、複合材料製ファンブレードにおいては、上述したように、その後縁を金属製ガードで覆うことが一般的であるが、ここでは簡略化のために図示を省略している。
翼本体121は、ファンブレード120を通過する空気の流路の径方向内側境界を成す流路面HSを基準として、そのスパン方向(高さ方向)Sにおいて外側(図において上側)の翼部121Aと、内側(図において下側)の翼根部121Rとから成っている。
翼部121Aは、翼型の断面を有し、流入する空気を昇圧させるという空力的機能を発揮する部分である。一方、翼根部121Rは、翼部121Aを支持するという構造的機能を有する部分であり、スパン方向Sにおいて外側のシャンク121Sと、内側のダブテール121Dとから成っている。このうちダブテール121Dは、ファンブレード120をファンディスク(図示省略)に取り付けるために、当該ファンディスクの外周に設けられた相補的な断面形状を有する溝に嵌め込まれる部分であり、シャンク121Sは、翼部121Aとダブテール121Dとを連結する機能を有する部分である。
金属製のシース122は、図3(B)に示されるように、翼部121Aの前縁LEの前方に配置される基部122Bと、基部122Bからそれぞれ後方へ突出する正圧面保護壁122P及び負圧面保護壁122Sとを一体にした構造を有している。正圧面保護壁122Pと負圧面保護壁122Sは、凹部122Rを挟んで互いに対向しており、凹部122Rは、翼部121Aの前縁LEを含む前方部分を受容するように構成されている。
このような形状を有するシース122は、翼部121Aのハブ部(流路面HSと交差する根元部)Hからチップ部(先端部)Tまで、スパン方向Sの全域にわたって前縁LEを覆うように翼部121Aに取り付けられている。シース122の翼部121Aへの取り付けは、翼部121Aの前縁LEと凹部122Rの底部、翼部121Aの正圧面121APと正圧面保護壁122P、翼部121Aの負圧面121ASと負圧面保護壁122Sのそれぞれが、エポキシ系接着剤等の接着剤により接合されることにより行われる。
このように構成されたファンブレード120を備えるファンが、鳥等の大きな異物を吸い込むと、ファンブレード120の翼部121Aには、異物との衝突によって大きな曲げ変形が発生する。このとき、翼部121Aの前縁LEのハブ部Hにおいては、金属製のシース122と複合材料製の翼部121Aの剛性差に起因して、大きな歪が発生する。この歪を許容範囲内に収めるためには、翼部121Aの前縁LEを厚くすることにより、翼部121Aとシース122の剛性差を縮小することが有効である(なお、剛性差を縮小するためにシース122を薄くすることは、複合材料製の翼部121Aの耐摩耗性及び耐衝撃性を確保する観点から好ましくない)。しかしながら、翼部121Aの前縁LEの厚みを増すことは、ファンブレード120の重量の増加及び空力性能の悪化の要因となり、好ましくない。
本開示は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであって、金属製のシースで覆われた翼部前縁の厚みを増すことなく、大きな異物が衝突した場合にも翼部前縁のハブ部に発生する歪を抑制し得る複合材料製ファンブレードを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の第1の態様のファンブレードは、正圧面及び負圧面を有する翼部と、翼根部と、から成る複合材料製の翼本体と、前記翼部の前縁の少なくとも一部を覆う金属製のシースと、を備え、前記シースは、前記翼部の前記前縁の前方に配置される基部と、前記基部からそれぞれ後方へ突出する正圧面保護壁及び負圧面保護壁と、を一体にした構造を有し、前記翼部の前記前縁から前方への前記基部の突出量は、前記翼部のハブ部からスパン方向の外側(チップ側)へ向かって第1のスパン方向位置までの範囲においてゼロである。
本開示の第2の態様のファンブレードにおいて、前記基部の前記突出量は、前記第1のスパン方向位置から外側へ向かって第2のスパン方向位置までの範囲において、外側へ向かって漸増している。
本開示の第3の態様のファンブレードにおいて、前記翼部の前記ハブ部からスパン方向の外側へ向かって計った高さを前記翼部の前記ハブ部からチップ部までの高さで除した値をパーセント表示したものを%スパンとするとき、前記第2のスパン方向位置は最大で20%スパンである。
本開示の第4の態様のファンブレードにおいて、前記第1のスパン方向位置から前記第2のスパン方向位置までの範囲における前記基部の前面は、滑らかに湾曲した凹面である。
本開示によれば、金属製のシースで覆われた翼部前縁の厚みを増すことなく、大きな異物が衝突した場合にも翼部前縁のハブ部に発生する歪を抑制し得る複合材料製ファンブレードを提供することができる。したがって、重量の増加や空力性能の低下を伴うことなく、ファンブレードの構造的健全性を確保することができるという優れた効果を得ることができる。
ファンブレードを備えるターボファンエンジンの概略側断面図である。 本開示の複合材料製ファンブレードを示す概略説明図であり、(A)は側面図、(B)は(A)におけるX部の拡大図、(C)は(A)におけるII−II断面図、(D)は(B)におけるIII−III断面図、(E)は(B)におけるY矢視図である。 従来の複合材料製ファンブレードを示す概略説明図であり、(A)は側面図、(B)は(A)におけるI−I断面図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、ファンブレードを備える一般的なターボファンエンジンの概略側断面図である。
ターボファンエンジン1は、推力の大部分を発生させるファン2と、ファン2の後方にファン2と同軸に配置され、ファン2を駆動するためのタービンを備えたコアエンジン3とから構成されている。
コアエンジン3は、上流側から下流側に向かって順に、低圧コンプレッサ31、高圧コンプレッサ32、燃焼器33、高圧タービン34、低圧タービン35が配置されたターボジェットエンジンとして構成されている。高圧タービン34は高圧シャフト37を介して高圧コンプレッサ32に連結され、低圧タービン35は低圧シャフト38を介して低圧コンプレッサ31及びファン2に連結されている。
ファン2は、略円筒状に形成されたファンケース26と、ファンケース26の内部において回転するように構成されたファンディスク25と、ファンディスク25の外周に周方向に間隔を隔てて取り付けられた複数のファンブレード20とを備えている。ファンケース26は、コアエンジン3のケーシング30に、周方向に間隔を隔てて複数配設されたストラット(支柱)4を介して取り付けられている。ファンディスク25は、低圧シャフト38を介して連結された低圧タービン35によって回転駆動される。
図2は、本開示の複合材料製ファンブレード20を示す概略説明図であり(A)は側面図、(B)は(A)におけるX部の拡大図、(C)は(A)におけるII−II断面図、(D)は(B)におけるIII−III断面図、(E)は(B)におけるY矢視図である
本開示のファンブレード20は、図2(A)に示されるように、複合材料製の翼本体21と、金属製のシース22とから成っている。
翼本体21を構成する複合材料としては、熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等)または熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂等)と強化繊維(例えば炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等)とから成るFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)が用いられる。
また、シース22を構成する金属としては、チタン合金等が用いられる。
翼本体21は、ファンブレード20を通過する空気の流路の径方向内側境界を成す流路面HSを基準として、そのスパン方向Sにおいて外側(図において上側)の翼部21Aと、内側(図において下側)の翼根部21Rとから成っている。
翼部21Aは、翼型の断面を有し、流入する空気を昇圧させるという空力的機能を発揮する部分である。一方、翼根部21Rは、翼部21Aを支持するという構造的機能を有する部分であり、スパン方向Sにおいて外側のシャンク21Sと、内側のダブテール21Dとから成っている。このうちダブテール21Dは、ファンブレード20をファンディスク25(図1参照)に取り付けるために、当該ファンディスク25の外周に設けられた相補的な断面形状を有する溝に嵌め込まれる部分であり、シャンク21Sは、翼部21Aとダブテール21Dとを連結する機能を有する部分である。
金属製のシース22は、翼部21Aのハブ部Hの近傍を除くスパン方向Sにおける外側の領域では、図2(C)に示されるように、従来の複合材料製ファンブレード120(図3参照)のシース122と同様に、翼部21Aの前縁LEの前方に配置される基部22Bと、基部22Bからそれぞれ後方へ突出する正圧面保護壁22P及び負圧面保護壁22Sとを一体にした構造を有している。正圧面保護壁22Pと負圧面保護壁22Sは、凹部22Rを挟んで互いに対向しており、凹部22Rは、翼部21Aの前縁LEを含む前方部分を受容するように構成されている。
一方、翼部21Aのハブ部Hの近傍(即ち、スパン方向Sにおける最も内側の領域)では、図2(A)のX部の拡大図である図2(B)に示されるように、金属製のシース22の基部22Bが切り欠かれている。
具体的には、基部22Bは、翼部21Aの0%スパン(ハブ部H)からスパン方向の外側へ向かってα%スパン(第1のスパン方向位置S1)までの範囲においては、完全に切除されており、α%スパンからβ%スパン(第2のスパン方向位置S2)までの範囲においては、その切除量がスパン方向の外側へ向かって漸減している。ここで、「%スパン」は、スパン方向位置を表す指標であって、翼部21Aのハブ部Hから外側へ向かって計った高さを翼部21Aの全高(ハブ部Hからチップ部Tまでの高さ)で除した無次元値をパーセント表示したものである。また、α及びβは、0<α<β≦20の関係を満たす。
即ち、基部22Bは、0%スパンからα%スパンまでの範囲においては完全に切り欠かれており(即ち、欠落しており)、当該範囲の外側に隣接するα%スパンからβ%スパン(最大で20%スパン)までの範囲においては部分的に切り欠かれている。
上述した特徴を、翼部21Aの前縁LEから前方への基部22Bの突出量の観点から捉えると、0%スパンからα%スパンまでの範囲において突出量はゼロ、α%スパンからβ%スパンまでの範囲において突出量はスパン方向の外側へ向かってゼロから漸増している、と表現できる。
上述のように構成されている結果、0%スパンからα%スパンまでの範囲においては、基部22Bが存在しないために翼部21Aの前縁LEが露出しており(図2(D)、並びに、図2(B)におけるY矢視である図2(E)参照)、α%スパンからβ%スパンまでの範囲においては、基部22Bの前面22BSがスパン方向に対して傾斜している。
ここで、0%スパンからα%スパンまでの範囲において露出する翼部21Aの前縁LEと、シース22の正圧面保護壁22P及び負圧面保護壁22Sの前面とは、図2(D)に示されるように、面一となっていることが好ましい。前者が後者より前方へ突出している場合には、ファンブレード20の空力性能を損なう虞があり、また、前者が後者より後方へ陥没している場合には、空気流と共に飛来する異物が凹部となった翼部21Aの前縁LEの周辺に堆積する虞があり、いずれも好ましくないためである。
また、α%スパンからβ%スパンまでの範囲における基部22Bの前面22BSは、単一の平面、または、2以上の平面から成る屈曲面であってもよいが、この場合には平面の端部または屈曲部が角部となり、そこに応力が集中する虞がある。したがって、基部22Bの前面22BSは、滑らかに湾曲した凹面とすることが好ましい。
上述したような形状を有するシース22は、β%スパンから100%スパン(チップ部T)までの範囲においては、基部22Bによって前縁LEの前面が覆われるように、翼部21Aに取り付けられている。シース22の翼部21Aへの取り付けは、翼部21Aの前縁LEと凹部22Rの底部、翼部21Aの正圧面21APと正圧面保護壁22P、翼部21Aの負圧面21ASと負圧面保護壁22Sのそれぞれが、エポキシ系接着剤等の接着剤を用いて接合されることにより行われる。なお、基部22Bが切り欠かれている0%スパンからα%スパンまでの範囲においては、翼部21Aの正圧面21APと正圧面保護壁22P、翼部21Aの負圧面21ASと負圧面保護壁22Sのそれぞれのみが、エポキシ系接着剤等の接着剤を用いて接合されることにより行われる。
以上のように構成された本開示のファンブレード20におけるシース22の作用・効果について、以下で説明する。
図3に示された従来の複合材料製ファンブレード120においては、鳥等の大きな異物が衝突すると、翼部121Aに大きな曲げ変形が発生する。このとき、翼部121Aの前縁LEのハブ部Hにおいては、金属製のシース122と複合材料製の翼部121Aの剛性差に起因して、狭い領域に集中して大きな歪が発生していた。
この大きな歪について、その最大値を許容範囲以下まで小さくすると共に、その発生領域を分散させる(即ち、大きな歪が狭い領域に集中して発生することを回避する)ための方策について検討した結果、発明者は、複合材料製の翼部21Aとの剛性差を緩和すべく、金属製のシース22の剛性を低下させることが有効であるとの着想を得た。本開示のファンブレード20における、シース22の基部22Bの内端部(0〜β%スパン)における切り欠きは、当該着想を具現化したものである。
即ち、本開示のファンブレード20においては、従来の複合材料製ファンブレード120において最大の歪が発生していたハブ部H(0%スパン)を起点として、スパン方向の外側へ向かって第2のスパン方向位置S2(β%スパン)までの範囲において、基部22Bを切り欠くことによってシース22の剛性を低下させている。その際、ハブ部H(0%スパン)から第1のスパン方向位置S1(α%スパン)までの範囲においては、基部22Bを完全に切り欠く(即ち、欠落させる)ことによってシース22の剛性を大幅に低下させる一方、第1のスパン方向位置S1から第2のスパン方向位置S2(β%スパン)までの範囲においては、基部22Bの切除量をスパン方向の外側へ向かって漸減させる(即ち、急変を回避する)ことにより、切り欠きに隣接する部位において応力集中が発生することを回避している。
このように構成されていることにより、本開示のファンブレード20においては、バードストライク(鳥の衝突)を想定した動的挙動解析の結果、翼部21Aの前縁LEのハブ部Hに発生する歪の最大値が、従来の複合材料製ファンブレード120と比較して約15%低下することが確認された。
以上のように、本開示のファンブレードによれば、金属製のシースで覆われた翼部前縁の厚みを増すことなく、大きな異物が衝突した場合にも翼部前縁のハブ部に発生する歪を抑制することができる。したがって、重量の増加や空力性能の低下を伴うことなく、ファンブレードの構造的健全性を確保することができる。
20 ファンブレード
21 翼本体
21A 翼部
21AP 正圧面
21AS 負圧面
21R 翼根部
22 シース
22B 基部
22BS 前面
22P 正圧面保護壁
22S 負圧面保護壁
H ハブ部
LE 前縁
S1 第1のスパン方向位置
S2 第2のスパン方向位置

Claims (4)

  1. 正圧面及び負圧面を有する翼部と、翼根部と、から成る複合材料製の翼本体と、
    前記翼部の前縁の少なくとも一部を覆う金属製のシースと、
    を備え、
    前記シースは、前記翼部の前記前縁の前方に配置される基部と、前記基部からそれぞれ後方へ突出する正圧面保護壁及び負圧面保護壁と、を一体にした構造を有し、
    前記翼部の前記前縁から前方への前記基部の突出量は、前記翼部のハブ部からスパン方向の外側へ向かって第1のスパン方向位置までの範囲においてゼロである、ファンブレード。
  2. 前記基部の前記突出量は、前記第1のスパン方向位置から外側へ向かって第2のスパン方向位置までの範囲において、外側へ向かって漸増している、請求項1に記載のファンブレード。
  3. 前記翼部の前記ハブ部からスパン方向の外側へ向かって計った高さを前記翼部の前記ハブ部からチップ部までの高さで除した値をパーセント表示したものを%スパンとするとき、前記第2のスパン方向位置は最大で20%スパンである、請求項2に記載のファンブレード。
  4. 前記第1のスパン方向位置から前記第2のスパン方向位置までの範囲における前記基部の前面は、滑らかに湾曲した凹面である、請求項2または3に記載のファンブレード。
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