JP2019124080A - 地中伝搬信号送受信装置、地中作業用のヘッド部、地中作業機械及び地中作業システム並びに地中作業管理方法 - Google Patents

地中伝搬信号送受信装置、地中作業用のヘッド部、地中作業機械及び地中作業システム並びに地中作業管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】拡大掘削機とされた複数の地中作業機械のヘッド部に送信装置を取り付けて、地中作業機械どうしの区別を行いつつそれぞれのヘッド部の状態の把握が行えるようにする装置を提供する。【解決手段】拡大掘削作業を行う拡大掘削機2に用いる送受信装置4であって、拡大掘削ヘッド30に取り付けられ、拡大掘削ヘッド30が少開状態、中開状態、全開状態になると所定周波数の電波を地中に発信する送信装置6と、その電波を受信し、拡大掘削ヘッド30のそれぞれの状態に対応する出力信号を生成する受信装置8とを備えた送受信装置4において、送信装置6は、この送信装置6が有する固有の識別情報を信号化して電波に載せて発信する構成とされ、受信装置8は、受信した信号から得られた送信装置6の識別情報に基づいて、その識別情報を有する送信装置6を特定し、特定した送信装置6を表す信号とともに出力信号を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、拡底掘削作業などの地中作業の監視に用いるのに適した地中伝搬信号送受信装置、当該地中伝搬信号送受信装置の送信装置が取り付けられた地中作業用のヘッド部、特には拡底掘削用の拡大掘削ヘッド、当該ヘッド部が装着された拡底掘削機などの地中作業機械および複数の拡底掘削機などの複数の地中作業機械の地中作業を一括管理する地中作業システム並びに当該地中作業システムを用いた地中作業管理方法に関する。
建設物の基礎工事として、地盤の支持層に達するまで杭孔を掘削した後、底部を拡大掘削(拡底)し、そこに基礎杭を建て込むとともに底部にコンクリートを打設することで、基礎杭の支持力を高めることが公知である。このような拡底掘削作業においては、杭孔の底部が本当に拡底されたかどうかを確かめることが重要となる。そこで、掘削に用いる拡大掘削ヘッドに取り付けられたシャーピンが拡底掘削作業後に潰れているかどうかで実際に拡底されたかどうかを事後的に確認したり(特許文献1)、油圧で動作する拡大掘削ヘッドであれば、油圧シリンダに供給した油量等から拡底が行われたかどうかを判定したり、或いは、拡大掘削ヘッドの可動部に連結されたロッド棒の機械的な上下運動や、拡大掘削ヘッドの変位が変換された電気信号を介して拡大掘削ヘッドの状態を地上で把握することが従前より行われている。
しかしながら、シャーピンを用いて拡大掘削ヘッドの状態を確認する場合、拡大掘削ヘッドを地中深くから一旦引き上げてからでなければ拡底が行われたかどうか判断できず、しかも、その段階で拡底が行われなかったことが分かったときには、拡大掘削ヘッドを地中に戻して掘削のやり直しを行わなければならないといった問題や、油圧式の拡大掘削ヘッドにおいて油量等に基づいて拡大掘削ヘッドの状態を判断する場合であれば、油圧系統のどこかで漏れがある場合には正確な判断ができないといった問題や、或いは拡大掘削ヘッドの状態を機械的或いは電気的な情報に変換して地上に導く方法では、掘削作業の進展に伴いロッドやケーブルを継ぎ足していかなければならない上、拡大掘削ヘッドを回転・推進させるドライブパイプへのケーブル等の巻き付きに配慮しなければならないという手間の問題が存在する。
そこで、本発明者らは、従前より、地中にある拡大掘削ヘッドが拡大したかどうか、その状態を確かめるために、杭孔に充満した水を介して拡大掘削ヘッドの状態を無線で地上に送信する技術の開発に取り組んできた(特許文献2)。図7は、そのような拡底杭孔を掘削する拡大掘削ヘッドの拡翼ビットの開閉動作を検出する無線式の拡翼ビット開閉検出装置を示す。図7において、拡底掘削機100は、ドライブパイプ170の先端に地中を掘削する拡大掘削ヘッド110を備えている。拡大掘削ヘッド110は、先端側の先端ビット120と、当該先端ビット120の掘削方向後方に延びる拡翼ビット130とを有し、最初に杭孔Aを掘り進めていくときには、拡翼ビット130は、先端ビット120の後ろ側に仕舞われた状態(図7左側(A)参照)とされ、杭孔Aが地盤の支持層に達し次第、拡翼ビット130がピン140周りに回動し、先端ビット120と拡翼ビット130とが協働して杭孔Aよりも拡大した拡底部Dを掘削する(図7右側(B)参照)ように構成されている。拡翼ビット130が回動すると、マグネット150とマグネット式近接スイッチ160とが互いに対向する位置関係となり、不図示の送信装置から電波が杭孔A上方に発信され、この電波を地上側で水を介して受信することにより、拡翼ビット130が拡大したことが地上で把握できるようになっている。
特開2017−61787号公報 実公昭62−7746号公報
しかしながら、実際の掘削作業現場では、上記のように一台の拡底掘削機だけが稼動しているのではなく、広い敷地内に複数台(多いときには数十台)の拡底掘削機が並び、それぞれが掘削作業を並行して行うのが一般的である。これまでの取り組みにより、拡大掘削ヘッドに取り付けられた送信機から発信された電波は、意外にも水中だけでなく、地中を通って遠距離伝搬することが判明した。すると、予想される事態として、一か所の受信装置に複数の拡底掘削機からの電波が入ることになり、拡底掘削機間で区別がつかず、どの拡底掘削機の拡大掘削ヘッドがいかなる状態にあるのか、分からなくなることが考えられる。そこで、複数の拡底掘削機の拡大掘削ヘッドに取り付ける送信装置が発信する電波の周波数をそれぞれ異なるものにすることで、拡底掘削機を周波数ごとに区別することも考えられるが、実際に試してみると、電波が地中を進む間に高調波のノイズが乗り、フィルタを通しても十分に周波数を区別できず、異なる周波数の間で混信が生じて互いの見分けがつかないことが判明した。しかも、拡底掘削機ごとに周波数を変えるには、周波数ごとに送信装置を複数用意しなければならず、送信装置と受信装置との組で用いる場合には、それらの組合せを把握したり、どの送信装置をどの拡底掘削機に割り当てるか等を管理する作業が煩雑になったりするという問題がある。これは、拡底掘削機が数十台にもなる掘削作業現場においては現実的ではない。
また、従来の拡底掘削機は、例えば上記の従来例においてマグネット150とマグネット式近接スイッチ160とが互いに対向したときに電波が発信され続けるのと同様の構成とされており、電力の消耗が著しい。そのため、一作業分の電力を確保するために送信装置が鉛蓄電池を複数搭載していて、それに応じて送信装置の大きさも大型化せざるを得なかった。このような大型の送信装置は、廃土のために泥送りするスクリュー間に配置されれば搬送抵抗となるため、掘削する杭孔の径に比して相対的に送信装置の大きさが小さくなるようにしてその影響を抑える必要があった。その結果、送信装置が取り付け可能な拡底掘削機も、場所打杭に用いられるアースドリル工法やリバース工法といった杭径がφ1200mmとなる大型のものに限られていた。ところが、湾岸地帯の埋め立て地などで今日要求される掘削深度は100mを超える場合もあり、送信電波が届き難く、また杭径の種類も増え、杭径の細いφ500mmのものまで求められている。従来の送信装置は、そういった細径の杭孔用の拡底掘削機には構造的に取り付けることができないという問題があった。
なお、ここまでは主として拡底掘削機の問題について取り上げたが、先に取り上げた問題は、拡底掘削作機に限らず、一般に地中作業を行うヘッド部の状態を把握しなければならない地中作業機械には共通する問題であるといえる。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、複数の地中作業機械のヘッド部、特に拡底掘削機の拡大掘削ヘッドにそれぞれ送信装置を取り付けても、地中作業機械どうしの区別を行いつつそれぞれのヘッド部の状態の把握が行えるようにし、さらには、送信装置が取り付けられるヘッド部の大きさを自由に選べるように、送信装置を小型化することを目的とする。
本発明は、地中作業を行うヘッド部(30)を工作部(22)の先端に有する地中作業機械(2)に用いる地中伝搬信号送受信装置(4)であって、ヘッド部(30)に取り付けられ、ヘッド部(30)が所定の状態になると所定周波数の電波を地中に発信する送信装置(6)と、その電波を受信し、ヘッド部(30)の所定の状態に対応する出力信号を生成する受信装置(8)とを備えた地中伝搬信号送受信装置(4)において、送信装置(6)は、この送信装置(6)が有する固有の識別情報に基づく信号を電波に載せて発信する構成とされ、受信装置(8)は、受信した前記信号から得られた送信装置(6)の識別情報に基づいて、その識別情報を有する送信装置(6)を特定し、特定した送信装置(6)を表す信号とともに出力信号を出力する。
これにより、地中作業を行うヘッド部が、或る所定状態になると、ヘッド部に取り付けられた送信装置から、地中を伝搬する所定周波数(数Hz〜数十kHz)で電波が発信される。この電波を例えば地中に差し込んだアンテナで受信し、上記所定状態に対応する出力信号にして出力すれば、その出力信号から地中作業中のヘッド部が上記所定状態になったことが確かめられる。この出力信号は、人間に知覚可能な音や光といった信号でもよいし、或いはPCその他の電子装置に入力可能な信号でもよい。このとき、例えば地中を伝搬する電波を搬送波として、送信装置固有の識別情報を信号化、特にデジタル信号に符号化した後に変調して搬送波に載せれば、受信した電波を復調して得られた信号、特にデジタル信号(以下、単に「受信した信号」という場合もある。)から復号化して送信装置の識別情報を取り出すことで、その電波を発信した送信装置を特定することができる。そして、特定した送信装置を表す信号を上記出力信号と合わせて出力することで、出力信号を利用する際にその識別信号を送信装置の識別と管理に用いることができる。このように、本発明によれば、送信装置を区別するために電波の周波数を送信装置ごとに変更することなく送信装置を区別することができるため、送信装置が複数ある場合の管理が極めて容易になる。
また、本発明において、送信装置(6)は、ヘッド部(30)が所定の状態になると所定期間だけ電波を発信した後、ヘッド部(30)が引き続きその所定の状態にあるか否かにかかわらず、電波の発信を停止する。
これにより、ヘッド部が所定の状態に留まり続けても送信装置は電波を発信し続けることがなく、所定期間(例えば数秒間)だけ電波を発信したら、その後発信を停止することで電力を無駄に消費しない。これにより、バッテリーが小型化され、送信装置の全体的な大きさが小さくなる。送信装置の大きさが小さくなる分、送信装置が取り付けられる地中作業機械のヘッド部の選択の幅も広がる。また、複数の送信装置を複数の地中作業機械のヘッド部にそれぞれ取り付ける場合、それらが電波を発信し続ける場合と違って、複数の送信装置から電波を同時に受信することが略なくなり、送信装置を正しく区別することができる。
また、本発明は、地中作業機械(2)の工作部の先端に設けられる地中作業を行うヘッド部(30)であって、上記の地中伝搬信号送受信装置(4)の送信装置(6)が取り付けられたヘッド部(30)である。
このようなヘッド部であれば、上述したように、送信装置の識別情報に基づいて、その送信装置が取り付けられたヘッド部を識別し、そのヘッド部の状態をヘッド部別に監視・管理することができる。
また、そのヘッド部(30)は、拡底掘削機(2)としての地中作業機械の工作部の先端に設けられる拡大掘削ヘッド(30)として形成され、ヘッド部(30)の上記所定状態は、拡大掘削ヘッドの拡翼ビットが開いた状態である。
このように、ヘッド部が拡大掘削ヘッドであれば、その拡翼ビットが開いた状態になると、その状態を地上で受信した信号から把握することができ、しかもそのとき、送信装置の識別情報から、送信装置の取り付けられた拡大掘削ヘッドを識別することができ、複数の拡大掘削ヘッドを区別しながら拡大掘削ヘッドの状態を把握し、監視・管理することができる。
本発明は、上記のヘッド部(30)を工作部の先端に有する地中作業機械(2)である。
このような地中作業機械は、地中作業機械に取り付けられるヘッド部と同様の監視・管理を行うことができる。そして、ヘッド部が所定の状態になると所定期間だけ電波を発信した後に電波の発信を停止する送信装置の構成とするときには、送信装置の大きさが小さくなり、この送信装置が取りつけられるヘッド部の選択の幅が広がるのに応じて、地中作業機械の選択の幅も広がり、例えば地中作業機械が拡底掘削機であるときには、杭径の細いφ500mm用のものも使用することができる。
本発明は、このような地中作業機械(2)において、地中作業の進行状況を監視する制御部(24)を有し、この制御部(24)は、上記地中伝搬信号送受信装置(4)の受信装置(8)から送信装置(6)を表す信号とともに出力信号を受け取り、地中作業の進行状況とヘッド部(30)の所定の状態とを対応付けて記録する。
本発明の地中作業機械は、制御部によって地中作業の進行状況が監視され制御されている。制御部は、送信装置を表す信号とともに受信装置から送られてくる出力信号を用いることで、自身の地中作業機械に装着されたヘッド部に関する出力信号を抽出し、地中作業のいかなる進行状況のもとでヘッド部がどのような状態になったのかについて対応付けて記録することができる。
本発明はさらに、上記の地中伝搬信号送受信装置(4)の少なくとも一つの受信装置(8)と、複数台の上記地中作業機械(2)と、管理装置(9)と、を有している地中作業システムである。そして、この管理装置(9)は、複数台の地中作業機械(2)のヘッド部(30)にそれぞれ取り付けられた送信装置(6)を表す信号を受信装置(8)から取得し、その信号に基づいて各地中作業機械(2)を識別し、識別された地中作業機械(2)ごとに当該地中作業機械(2)のヘッド部(30)の所定の状態を監視しかつ/または記録する。
この地中作業システムによれば、電波の周波数を送信装置ごと或いは地中作業機械ごとに変更することなく、送信装置の識別情報により複数の地中作業機械を識別しながら、同時進行する複数の地中作業を管理することができる。すなわち、複数の地中作業機械の各ヘッド部がいかなる状態にあるのかを、そのヘッド部に取り付けられた送信装置の識別情報を用いてヘッド部ごとに監視し、記録することができる。
本発明はさらに、地中作業を行うヘッド部を工作部の先端に有する地中作業機械の前記ヘッド部に送信装置を取り付け、前記ヘッド部が所定の状態になると、当該所定の状態の情報とともに前記送信装置が有する固有の識別情報を前記送信装置から地中に送信し、前記ヘッド部の前記所定の状態の情報および前記送信装置の前記識別情報を受信し、受信した前記送信装置の前記識別情報に基づいて前記送信装置を特定し、特定された前記送信装置が取り付けられた前記ヘッド部および当該ヘッド部を有する前記地中作業機械を識別し、識別された前記ヘッド部または前記地中作業機械ごとに、受信した前記ヘッド部の前記所定の状態を監視、記録または制御の少なくともいずれかを行なうことで前記地中作業を管理するものである。
この地中作業管理方法によれば、送信装置の識別情報により複数の地中作業機械を識別しながら、同時進行する複数の地中作業を管理することができる。すなわち、複数の地中作業機械の各ヘッド部がいかなる状態にあるのかを、そのヘッド部に取り付けられた送信装置の識別情報を用いてヘッド部または地中作業機械ごとに監視、記録または制御の少なくともいずれかを行うことができる。
本発明の拡底掘削機と送受信装置の全体を概略的に示す図である。 本発明の拡底掘削機の拡大掘削ヘッド近傍を示す図である。 本発明の拡底掘削機の拡大掘削ヘッドの拡翼ビットが閉じた状態と拡大した状態をそれぞれ概略的に示す図である。 本発明の拡大掘削ヘッドの部分拡大図であって、拡翼ビットの状態を検知するためのマグネット式近接スイッチの配置と、拡翼ビットに取り付けられたマグネットとの位置関係を示す図である。 本発明の送受信装置のブロック図である。 本発明の拡底掘削システムの概略図である。 従来の拡大掘削ヘッドとそれに取り付けられた送信装置を示す図である。
図1に、拡底掘削機2(地中作業機械)及び送受信装置4(地中伝搬信号送受信装置)の全体を概略的に示す。
拡底掘削機2は、地中深く杭孔Aを掘削作業(地中作業)する拡大掘削ヘッド30(ヘッド部)と、拡大掘削ヘッド30が先端に取り付けられ且つ当該拡大掘削ヘッド30に回転力と推力とを伝達し、掘削深さが深くなるのに応じて杭ジョイント部23を介して随時延設されていくドライブパイプ22(工作部)と、ドライブパイプ22をその駆動部とともに懸垂支持して必要な作業現場まで移動可能な建機車両21と、当該建機車両21に搭載されて、拡底掘削機2による掘削作業の進行状況を監視・記録し、掘削作業の全般を制御する制御部24とを有している。
図2及び3に示されているように、ドライブパイプ22の先端に装着される拡大掘削ヘッド30は、杭孔Aを掘削するための先端ビット33を先端に備えたヘッド本体31と、その中心を挟んでヘッド本体31にそれぞれピン37により支承されて、先端がヘッド本体31側に寄せられた閉状態(図3(A)参照)と、先端が互いに離れる方向に最大限回動した拡大状態(図3(B)参照)との間で回動可能な一対の拡翼ビット34,34とを有している。
そして、図3乃至4に示されているように、拡翼ビット34のピン37を挟んで拡翼ビット34の先端側とは反対方向にアーム35が延在しており、拡翼ビット34の可動範囲を規定するために、拡翼ビット34の閉状態と拡大状態(ヘッド部の所定の状態)(以下、「全開状態」という場合もある。)においてアーム35がそれぞれ当接するストッパ32,32がヘッド本体31の対応する箇所に立設されている。
また、図4から分かるように、アーム35のヘッド本体31側の面にマグネット36が取り付けられている一方、拡翼ビット34が回動するにつれてマグネット36が通過する軌跡に沿って三箇所にそれぞれマグネット式近接スイッチ61,62,63が設けられており、拡翼ビット34が閉状態から拡大し始めると、先ずマグネット36がマグネット式近接スイッチ61の位置まで来て少開状態(ヘッド部の所定の状態)となり、拡翼ビット34がさらに拡大を続けてマグネット36がマグネット式近接スイッチ62の位置まで来て中開状態(ヘッド部の所定の状態)となり、拡翼ビット34がさらに拡大して最大限拡大した全開状態(拡大状態)(ヘッド部の所定の状態)となったとき(図4において二点鎖線でアーム35が示されている。)には、マグネット36がマグネット式近接スイッチ63の位置に達するようになっている。
さらに、図2に示されているように、拡大掘削ヘッド30が装着されるドライブパイプ22内には不図示の開閉部を介してアクセス可能な発信機64が組み込まれている。この発信機64に、マグネット式近接スイッチ61,62,63から出発して保護管を通った後にドライブパイプ内に引き込まれた配線が接続されている。図5にも示される発信機64は、保護用の防水ケーシング内に、リチウムイオンバッテリーを用いた24Vないし好ましくは12Vのバッテリー電源、リレー回路、搬送波発生器、送信装置が有する個別の識別情報等をデジタル信号に符号化する情報信号変換器65、デジタル信号を搬送波に載せるためにデジタル変調を行なう変調器66及び増幅器など、送信装置の識別情報を例えばデジタル信号として電波に載せて発信するのに必要な回路を備えている。ここで、符号化した識別信号を変調して電波に載せる方法は、振幅変調、位相変調、振幅位相変調、QAM変調など、任意のデジタル変調方式を用いることができる。なお、ここでは識別情報をデジタル信号として送信する構成としたが、識別情報を送信できればその態様は問わないことは言うまでもない。さらに、発信機64から引き出された一方の配線が、ドライブパイプ22の拡大掘削ヘッド30寄りの周面位置に固定された送信アンテナ67の導体部に接続されている一方、他方の配線がドライブパイプ22にアースされている。ここで、送信アンテナ67がドライブパイプ22の拡大掘削ヘッド30寄りの周面位置に固定されているのは、中堀工法などの場合に、PC管から拡大掘削ヘッド30がそれほど突出しなくても電波を送信できるようにするためである。
送信アンテナ67は、ドライブパイプ22の周面を一周するように形成されたドーナツ形状を呈し、その内側にはドライブパイプ22に周設されてドライブパイプ22との絶縁を担うMCナイロン製の絶縁シート68が、さらにその外側には厚さ数mmの銅製のベルトが一周巻き付けられるようにして形成された環状ベルト型導体部69が設けられて構成されている。導体部は、矩形として周面の一部に配設することも可能であるが、環状ベルト型とすることで送信アンテナ67から等方に電波が発信され、送信アンテナ67がドライブパイプ22とともに回転しても、固定位置で受信する電波の強度が変動しない。
以上述べてきたように、マグネット式近接スイッチ61,62,63、発信機64及び送信アンテナ67などによって本発明の送信装置6が構成されている。
図1に概略的に示されているように、送信装置6から発信された電波は、地中を介して受信装置8により受信される。受信装置8は、拡底掘削機2を中心とした例えば5〜50mの範囲内の所定の場所において先端が地中に差し込まれた受信アンテナ86と、受信アンテナ86が受信した電波を復調して必要な信号を取り出す受信機81と、取り出された信号を外部に出力するための出力部84とを有している。
図5には、上述の送信装置6と受信装置8とからなる本発明の送受信装置4(地中伝搬信号送受信装置)の構成がブロック図により示されている。
先ず、送受信装置4の送信装置6は、マグネット式近接スイッチ61,62,63に対向する位置にマグネット36が到来すると、発信機64側の不図示のリレーを介してマグネット式近接スイッチ61,62,63にそれぞれ対応する発信回路がオンになり、情報信号変換器65により送信装置6が保有している固有の識別情報をデジタル信号に符号化し、これをデジタル変調するための変調器66に送ることによって、送信アンテナ67から送信装置6の識別情報を載せた電波を数秒間の所定期間、例えば2秒間だけ発信するように構成されている。ここで、マグネット式近接スイッチ61,62,63のスイッチが入ったときに発信される電波はそれぞれ異なる周波数が選択されており、周波数の違いからマグネット式近接スイッチ61,62,63のどのスイッチが入ったのかが判別できるようになっている。本実施例では、マグネット式近接スイッチ61に対して3kHz、マグネット式近接スイッチ62に対して3.2kHz、マグネット式近接スイッチ63に対して3.5kHzが選択されているがこれらの周波数は地中を伝搬可能な数Hz〜数十kHz、好ましくは数kHzの範囲で任意に選択することが可能である。
次に、送受信装置4の受信装置8は、受信アンテナ86と、受信アンテナ86に一方が接続されるとともに地面、建機車両2その他の接地箇所にアースされた受信機81とを備え、送信装置6から発信された電波を受信アンテナ86により受信すると、受信機81内の不図示のフィルタを介してマグネット式近接スイッチ61,62,63に割り当てられた各周波数別に復調器82によりデジタル信号が復調され、情報信号変換器83によりデジタル信号から送信装置6を識別する識別情報が復号される構成とされている。こうして、マグネット式近接スイッチ61,62,63のスイッチ状態に合わせて、送信装置6の識別情報とともに出力信号(少開状態、中開状態、全開状態など拡大掘削ヘッド30の状態を示す信号)が出力部84より出力されるように構成されている。ここで、本実施例では、出力信号は、識別した送信装置6が取り付けられている拡底掘削機2の制御部24および全拡底掘削機の管理を行う後述の管理装置9に宛てて出力部84から無線で送信される構成とされている。また、本実施例では、受信装置8は、作業者が視覚や聴覚を通じて認識できるように、拡大掘削ヘッド30の各状態に対応した情報が表示部85に出力されるようになっている。このとき、表示部85には、作業者に光や音などを通じて情報を伝達するランプやブザー或いは識別された送信装置6の情報(例えば掘削機番号など)を文字・画像により表示するディスプレイその他の表示手段が設けられている。特に、送信装置6は24時間以内に充電すればよい構成とされているが、送信装置6のバッテリーが消耗して電圧が下がって来た場合には、受信装置8側で点滅表示を行わせて充電を促すことができる。
拡底掘削機2の制御部24は、識別情報に基づいて自身の拡大掘削ヘッド30の状態について受信装置8から情報を受け取ると、制御部24によって監視・制御している掘削作業の進行状況(例えば掘削深さ、ヘッドの回転数、トルクなど)と拡大掘削ヘッド30の状態とを組み合わせて記録し、管理する。そして、その情報を後続の作業の制御に利用する。
次に、図6は、複数の拡底掘削機2,2…と、送受信装置4と、管理棟H内に置かれた管理装置9とを有している掘削作業システムS(地中作業システム)を示す。管理装置9は、それぞれの拡底掘削機2の制御部24から送られてくる情報に基づいて、複数の拡底掘削機2,2…の作業の進行状況等を把握し、管理する。そして、必要に応じて各拡底掘削機2,2…に宛てて制御命令を発信する。このとき、管理装置9は、受信装置8から送られてくる識別された送信装置6を表す信号に基づいて、その送信装置6が取り付けられた拡底掘削機2を識別し、識別された拡底掘削機2ごとに、その拡大掘削ヘッド30の状態を拡底掘削機2作業の進行状況とともに監視しながら記録する。そして、その情報を後続の作業の管理と制御に利用する。
次に、図6に示された掘削作業システムS(地中作業システム)を用いた掘削作業管理方法(地中作業管理方法)について図1乃至6を用いて説明する。図6に示されていない掘削作業システムSの細部(例えば拡大掘削ヘッド30の細部など)については、図1乃至5のうち対応する図面に基づいて説明する。
本発明の掘削作業管理方法は、図6に示されているように、予定建築物の拡底杭の基礎工事を行うために、例えば百ないし数百メートル四方の建築現場の敷地内において並行して掘削作業を進める数台ないし数十台の拡底掘削機2,2…の管理を行う方法である(図6には簡略化のために2台の拡底掘削機しか示されていない。)。拡底掘削機2のそれぞれは、図6の他、図1に示されているとおりであり、建機車両21により掘削予定位置まで移動した後、先端に杭径φ500mm用の拡大掘削ヘッド30(ヘッド部)が装着されたドライブパイプ22(工作部)を掘削位置にて懸垂保持し、拡大掘削ヘッド30ごとドライブパイプ22を駆動源にて回転させつつ地中を推進させる。このとき、ドライブパイプ22は、掘削深さに応じて適宜に杭ジョイント部23を介して延設する。
拡大掘削ヘッド30は、図2及び図3に詳細に示されるように、先ず正方向に回転(正転)しながら拡翼ビット34を閉じた状態(例えばφ500mmの杭径の場合、例えば外径φ430mm)にして杭孔Aを掘削する。このとき、拡大掘削ヘッド30を包囲するケーシングパイプPを同時に杭孔に挿入していき、先端ビット33をケーシングパイプPから突出させる一方、拡翼ビット34はケーシングパイプP内に収められるようにして(図3(A)参照。)掘削する。ドライブパイプ22、杭ジョイント部23内には水とエアー用の孔が二つ貫通しており、掘削時には先端ビット33からこれらが噴出されるようになっている。そして、先端ビット33で掘削された土砂は、見易くするために図示されていない廃土用のスクリューによってケーシングパイプPの中を上方に搬送されながら地上に排出される。地盤が固く掘削抵抗の大きい支持層に到達したことが、掘削機の駆動音および振動その他の状況並びに設定深さに近づいていることがモニタに表示されていること等からして分かると、拡翼ビット34が十分にケーシングパイプPから引き出されるまで掘削を進め、次に回転方向を逆転させ、地盤から受ける土圧の抵抗を利用して拡翼ビット34を拡大させる(図3(B)参照。)。そして、拡大掘削ヘッド30は、今度は逆方向に回転(逆転)しながら拡翼ビット34を開いた状態(例えばφ500mmの杭径の場合、例えば外径φ650mm)にして2〜3回上下に往復移動させながら、例えば外径を1.2〜2倍に拡大した拡底部Dを1m程にわたって掘削する。拡底部Dが十分に掘削できたら、回転方向を再び正方向に戻し、拡翼ビット34を閉じた状態にしてケーシングパイプPの中を通して拡大掘削ヘッド30を地中から引き上げる。このとき、水を流した孔にコンクリートミルク(ベントナイト等)を圧送してケーシングパイプP内部を柱状に充填する。このようにして杭打ちが完了する。
拡翼ビット34は、拡大掘削ヘッド30の正転時には、ケーシングパイプの中に収められているとともにアーム35がストッパ32に当接することによって最初は図3(A)に示すように閉状態にあるが、拡翼ビット34がケーシングパイプから十分引き出されてから拡大掘削ヘッド30を逆転させると、拡翼ビット34が逆方向に掘削抵抗を受け、次第に拡大を始める。そして、図3(B)に示すように拡大掘削ヘッド30の拡翼ビット34が少開状態、中開状態、全開状態となるにつれ、少開状態ではアーム35に取り付けられたマグネット36がマグネット式近接スイッチ61に、中開状態ではマグネット式近接スイッチ62に、全開状態ではマグネット式近接スイッチ63に対向する。拡翼ビット34の少開状態、中開状態、全開状態のそれぞれの状態(ヘッド部の所定の状態)において、マグネット式近接スイッチ61,62,63が順にオンの状態となり、上述したように、それぞれの状態において発信機64から送信アンテナ67を介してそれぞれ3kHz、3.2kHz、3.5kHzの異なる周波数の電波が地中に発信される。これらの周波数は、空中では減衰が大きいものの、地中に含まれる水分のおかげで地中を伝搬するのには適した周波数である。もちろん、地中を伝搬すれば特に本実施例の周波数に限定される必要はなく、例えば、数Hz〜数十kHzの超長波領域であれば使用可能である。しかしながら、発信回路の設計上数kHzに選択されることが好ましい。電波は、マグネット36がマグネット式近接スイッチ61,62,63のいずれかの位置にくると最初の所定期間(約2秒間)だけ電波を発信し、その後、マグネット36がマグネット式近接スイッチ61,62,63の位置にあるかどうか(拡大掘削ヘッド30が少開状態、中開状態、全開状態のままであるかどうか)にかかわらず、発信を停止する。これにより、それぞれ異なる作業状態にある複数の拡底掘削機2の拡大掘削ヘッド30に取り付けられた複数の送信装置6から発信される電波は、互いに重なり合うことがほぼない。そして、拡大掘削ヘッド30が少開状態、中開状態、全開状態のいずれか(特に全開状態)に留まり続けたとしても(掘削作業では、支持層の硬さによって、例えば中開状態に長く留まり続けることもあり得る。)、電波が発信され続けることがなく、消費電力を抑えることができる。これにより、バッテリー電源の大きさを小さくでき、発信機64の大きさを抑えることができるようになっている。
送信装置6は、拡大掘削ヘッド30の少開状態、中開状態、全開状態にて電波を発信するとき、自身が保有する固有の識別情報を符号化し、各発信周波数にデジタル変調を加えることで、拡大掘削ヘッド30の各状態における周波数の搬送波に識別情報の信号を載せて発信する。受信装置8は、電波を受信すると、復調したデジタル信号を復号化して送信装置6の識別情報を取り出すとともに、受信した電波の周波数に応じて拡大掘削ヘッド30の状態を判別して、少開状態、中開状態、全開状態に合わせて音と光で作業者に拡大掘削ヘッド30の状態を知らせる(例えば、少開状態では、1秒間隔でブザーがなるとともに青色のランプが点滅し、中開状態では、0.5秒間隔でブザーがなるとともに黄色のランプが点滅し、全開状態では、0.2秒間隔でブザーがなるとともに赤色のランプが点滅する。)。そして、受信装置8は、受信した電波が複数の送信装置6のどれから発信されたものなのかを、取り出した送信装置6の識別情報により特定し、出力対象に合わせて各送信装置6を特定する信号に変換する。この信号に基づいて、例えば受信装置8の表示部85のディスプレイに送信装置6の固有番号を表示したり、或いはその送信装置6が取り付けられている拡底掘削機2の掘削機番号などを表示したり、さらには、その送信装置6が取り付けられている拡底掘削機2の制御部24ないし管理装置9のインターフェースに適した信号を出力する。ここで、受信装置8の出力部84は、本実施例では、拡底掘削機2の制御部24や管理装置9に対して無線で信号を送信するように構成されているが、無論有線でも構わない。このように構成されていることで、送信装置6が複数台存在し、使用する電波の周波数も三つしかないにもかかわらず、各送信装置6、ひいてはそれらの送信装置6が取り付けられている拡大掘削ヘッド30と拡底掘削機2を混同することなく区別することが可能になる。
拡底掘削機2の制御部24は、自身の拡大掘削ヘッド30に取り付けられた送信装置6から送られてきた拡大掘削ヘッド30の開き具合(少開状態、中開状態、全開状態)の情報を他の拡底掘削機の拡大掘削ヘッドの情報と区別して受信装置8から受け取ると、掘削深さ、拡大掘削ヘッドの回転数、回転方向及びトルクといった掘削作業の進行状況と拡大掘削ヘッド30の状態とを対応付けて記録し、後続の掘削作業の制御に反映させる。
それと並行して、管理装置9は、受信装置8の出力信号から拡大掘削ヘッド30の開き具合(少開状態、中開状態、全開状態)の情報を受け取る度に、その情報に付随する送信装置6の識別情報に基づいた各送信装置6を表す信号を利用して、送信装置6ごとに、すなわちその送信装置6が取り付けられている拡底掘削機2ごとに、拡大掘削ヘッド30の開き具合の状態を監視し、各拡底掘削機2が最終的に拡底部Dをきちんと掘削したかどうかを記録していく。また、管理装置9には、それぞれの拡底掘削機2の制御部24からも情報を受け取ることができるようになっており、これにより、掘削作業を行っている全ての拡底掘削機2,2…の状況を識別しながら監視し、管理し、必要に応じて制御することができる。
このように、本発明によれば、複数の拡底掘削機2,2…のそれぞれの拡大掘削ヘッド30が拡大したかどうか、その状態を無線で確かめることができ、しかも、拡大掘削ヘッド30の各状態を送信するための周波数は全ての送信装置6において同じであるにもかかわらず、全ての送信装置6をその識別情報に基づいて、混信により混同することなく識別することができる。そして、拡大掘削ヘッド30が全開状態などの所定の状態に達した時に数秒間といった所定期間だけ電波を発信するようにしたので、複数の送信装置6から発信される電波が重なることなく区別され、しかも消費電力が抑えられてバッテリー電源ならびに発信機64の大きさを小さくすることができる。これにより、送信装置6が邪魔にならないようにして取り付けることのできる拡大掘削ヘッド30の選択の幅も広がり、特に深度の深い掘削に必要な細径用の拡大掘削ヘッド30を用いることができる。そして、本発明により、複数の拡底掘削機2,2…がそれぞれどのような掘削作業の進行状況となっているか、拡大掘削ヘッド30がそれぞれどのような状態になっているかをそれぞれ個別に識別しながら監視し、管理し、必要に応じて制御することができる。
なお、本実施例では、拡大掘削ヘッドの各状態に応じて個別の周波数を当てる構成としたが、拡大掘削ヘッドの状態もデジタル信号に変換して、一つの周波数だけで拡大掘削ヘッド30の状態と識別情報とをデジタル信号にして送信してもよい。
また、本実施例では、拡大掘削ヘッドの状態として少開状態、中開状態、全開状態の三つの状態を検知するようにしたが、基本的には全開状態が分かれば、途中の状態は不明でも構わない。これにより、さらに消費電力を抑えることができる。また、拡大掘削ヘッドを拡底掘削機から取り外して寝かせた状態にしたときに、拡大掘削ヘッドの状態が自然に少開状態、中開状態、全開状態のいずれかになったとしてもスイッチが入らないよう、姿勢制御リレーを内蔵するようにしてもよい。これにより電力の無駄な消費を防ぐことができる。
また、拡翼ビットは一対で設けられているので、マグネット式近接スイッチは一方の拡翼ビットの側に配置すれば十分であるが、両側に同じように配置すればより確実にヘッドの状態を把握できることは言うまでもない。
さらに、本実施例ではマグネット式近接スイッチを用いたが、拡大掘削ヘッドの動きを検知するものであれば、マグネット式近接スイッチである必要はない。
拡大掘削ヘッドには、本実施例のようにヘッドの逆転時に受ける土圧によって拡翼ビットを拡大するものの他、一時的にヘッドを逆転させることで掛止ピンを外して、そのまま正転を続けることでヘッドを拡大させるもの、或いは油圧により拡大するものなど、様々な種類が存在するが、拡大掘削ヘッドが拡大するときの可動部の動きを利用して拡大掘削ヘッドの状態を把握できればよいから、本発明の地中伝搬信号送受信装置は、送信装置が取り付けられる対象の拡大掘削ヘッドの種類を選ばない。
送信装置の発信機は、もちろん拡大掘削ヘッドの内部に組み込むほかに、掘削時に発生する泥を組み上げる不図示のスクリューを避けるようにして拡大掘削ヘッド寄りのドライブパイプの周面に取り付ける構成としてもよい。この場合、ケーシングの形状は、掻き上げられる泥の抵抗を受け難いような丸みを帯びた形状とすることもできる。発信機を外側に取り付ける場合、保守整備(例えばバッテリ交換)などが容易になる点では有利である。
また、受信装置は、1台で複数ないし全ての拡底掘削機からの電波を受信するようにしてもよいし、1台の拡底掘削機に対して1台の受信装置を設けてもよい。各送信装置からの電波がいずれかの受信装置で受信できるようにすれば、受信装置の台数やその受信アンテナの配置は問わない。ただし、空中に強い電波が漏れ出すことの無いように出力を弱めつつ、送信装置と受信装置との間の距離を小さくして、1台の送信装置に対して1台の受信装置が対応するようにすることが有利な場合もある。
また、掘削作業の工法には、PCパイル工法や場所打杭工法など、幾つも存在するが、本発明がいずれかの工法に限定されることがないことは言うまでもない。
さらに、ここでは主に掘削作業について説明したが、先端のヘッド部が地中で作業を行い、そのヘッド部の地中の状態を地上で把握する必要のあるものには、全て本発明が適用可能である。例えば、ヘッド部が受ける圧力状態やヘッド部の温度状態を把握する必要がある場合には、所定の圧力や温度に達した場合にその圧力・温度検知をトリガーにして送信装置から電波を発信させるように構成してもよい。いずれにしても、送信装置が有する固有の識別情報とともにヘッド部の状態の情報を送信し、その情報を地中作業用のヘッド部或いは地中作業機械の識別と管理に利用することができる。
また、上記の実施例では、アナログの正弦波を搬送波としてデジタル変調を加えることで送信装置の識別情報を送信する構成としたが、正と負の矩形波を交互に繰り返すことで擬似的な交流信号(例えば3〜10kHz)を生成し、これを適宜増幅するなどしてアンテナから放射される搬送波に用いてもよい。この場合、送信装置にCPUを搭載させ、CPUに実装されるプログラムを任意に書き換えることでCPUに任意の周波数とパルス幅の矩形波を生成させ、この矩形波をもとに搬送波を生成する。このCPUによる制御を用いることで、搬送波をパルス幅変調的(搬送波を送る部分と送らない部分の時間長や頻度を変更する)に送信したり、上述のようにデジタル変調的に送信したり、あらゆる態様で電波を送信することが可能となる。そして、拡大掘削ヘッドの回転数、掘削速度、馬力、土圧、土の固さといったヘッド部の様々な情報や送信装置内部の温度の情報など、様々な情報を自在にCPUで生成する信号に含ませて送信することができる。他方の受信装置にも同じようにCPUを搭載させ、送信装置から送信されてきた信号を解析することで、情報を取得する。このような回路の長所は、使用電力が少ない点にあり、これによりさらにバッテリーの小型化ないし持続時間の長期化が図られることになる。
また、送信装置および受信装置には、カレンダータイマおよびジャイロセンサを設け、時間と位置の情報を取得可能にするとともに、これらの時間および位置のデータとヘッド部の上記様々な情報とを送信装置および受信装置に搭載されたデータロガーに蓄積し、インターフェースから適宜読み出せるように構成してもよい(記録容量を抑えるために時間と各センサのオン・オフだけ蓄積するのでもよい)。このような構成とすることで、例えば送信装置と受信装置とのデータが一致しなかった場合に、故障原因を究明するのに役立てたりする等、様々な使い方ができる。
2 拡底掘削機(地中作業機械)
4 送受信装置(地中伝搬信号送受信装置)
6 送信装置
8 受信装置
9 管理装置
21 建機車両
22 ドライブパイプ(工作部)
23 杭ジョイント部(工作部)
24 制御部
30 拡大掘削ヘッド(ヘッド部)
31 ヘッド本体
32 ストッパ
33 先端ビット
34 拡翼ビット
35 アーム
36 マグネット
37 ピン
61 マグネット式近接スイッチ(少開状態)
62 マグネット式近接スイッチ(中開状態)
63 マグネット式近接スイッチ(全開状態)
64 発信機
65 情報信号変換器
66 変調器
67 送信アンテナ
68 絶縁シート
69 環状ベルト型導体部
81 受信機
82 復調器
83 情報信号変換器
84 出力部
85 表示部
86 受信アンテナ
100 拡底掘削機
110 拡大掘削ヘッド
120 先端ビット
130 拡翼ビット
140 ピン
150 マグネット
160 マグネット式近接スイッチ
170 ドライブパイプ
A 杭孔
P ケーシングパイプ
D 拡底部
H 管理棟
S 掘削作業システム(地中作業システム)

Claims (8)

  1. 地中作業を行うヘッド部を工作部の先端に有する地中作業機械に用いる地中伝搬信号送受信装置であって、
    前記ヘッド部に取り付けられ、前記ヘッド部が所定の状態になると所定周波数の電波を地中に発信する送信装置と、
    前記電波を受信し、前記ヘッド部の所定の状態に対応する出力信号を生成する受信装置とを備えた地中伝搬信号送受信装置において、
    前記送信装置は、当該送信装置が有する固有の識別情報に基づく信号を前記電波に載せて発信する構成とされ、
    前記受信装置は、受信した前記信号から得られた前記識別情報に基づいて、当該識別情報を有する前記送信装置を特定し、特定した前記送信装置を表す信号とともに前記出力信号を出力することを特徴とする地中伝搬信号送受信装置。
  2. 前記送信装置は、前記ヘッド部が所定の状態になると所定期間だけ電波を発信した後、前記ヘッド部が引き続き当該所定の状態にあるか否かにかかわらず、電波の発信を停止することを特徴とする請求項1に記載の地中伝搬信号送受信装置。
  3. 地中作業機械の工作部の先端に設けられる地中作業を行うヘッド部であって、請求項1または2に記載の地中伝搬信号送受信装置の送信装置が取り付けられたヘッド部。
  4. 請求項3に記載のヘッド部において、拡底掘削機としての地中作業機械の工作部の先端に設けられる拡大掘削ヘッドとして形成され、前記所定の状態は、拡大掘削ヘッドの拡翼ビットが開いた状態であることを特徴とするヘッド部。
  5. 請求項3または4に記載のヘッド部を工作部の先端に有する地中作業機械。
  6. 請求項5に記載の地中作業機械において、地中作業の進行状況を監視する制御部を有し、当該制御部は、請求項1または2に記載の地中伝搬信号送受信装置の受信装置から前記送信装置を表す信号とともに前記出力信号を受け取り、前記地中作業の進行状況と前記ヘッド部の所定の状態とを対応付けて記録することを特徴とする地中作業機械。
  7. 請求項1または2に記載の地中伝搬信号送受信装置の少なくとも一つの受信装置と、
    複数台の請求項5または6に記載の地中作業機械と、
    複数台の前記地中作業機械の前記ヘッド部にそれぞれ取り付けられた前記送信装置を表す信号を前記受信装置(8)から取得し、その信号に基づいて前記地中作業機械を識別し、識別された前記地中作業機械ごとに当該地中作業機械の前記ヘッド部の前記所定の状態を監視しかつ/または記録する管理装置と、
    を有している地中作業システム。
  8. 地中作業を行うヘッド部を工作部の先端に有する地中作業機械の前記ヘッド部に送信装置を取り付け、前記ヘッド部が所定の状態になると、当該所定の状態の情報とともに前記送信装置が有する固有の識別情報を前記送信装置から地中に送信し、
    前記ヘッド部の前記所定の状態の情報および前記送信装置の前記識別情報を受信し、
    受信した前記送信装置の前記識別情報に基づいて前記送信装置を特定し、
    特定された前記送信装置が取り付けられた前記ヘッド部および当該ヘッド部を有する前記地中作業機械を識別し、
    識別された前記ヘッド部または前記地中作業機械ごとに、受信した前記ヘッド部の前記所定の状態を監視、記録または制御の少なくともいずれかを行なうことで前記地中作業を管理する地中作業管理方法。
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