以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施例、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。尚、余剰供給受皿(下皿)4には、該下皿4に遊技球が所定球数貯留されたことを検出可能な下皿センサ130も設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
また、打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、後述するスピーカ27から出力される音の音量や、枠LED28から出力される光の光量を調整(変更)するための音量・光量変更ボタン50も設けられている。尚、本実施例における音量・光量変更ボタン50は、正面視で略十字形状に形成されたボタンであり、遊技者は、該音量・光量変更ボタン50の上端部と下端部を操作することによってスピーカ27から出力される音の音量を変更可能であるとともに、該音量・光量変更ボタン50の右端部と左端部を操作することによって枠LED28から出力される光の光量を変更可能となっている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板31(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、本実施例では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。保留表示エリアでは、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する保留表示エリアが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施例では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。本実施例では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施例では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
本実施例においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、本実施例においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板31(遊技制御基板)および演出制御基板80における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、LEDドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、音量・光量調整ボタン50やプッシュボタン120、トリガボタン125の操作検出信号を受信したことに基づいて、スピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変更可能となっている。更に、演出制御用CPU101は、下皿センサ130からの検出信号を受信したことに基づいて、下皿4内に所定数の遊技球が貯留されていることを判定可能となっている。
また、演出制御基板80に搭載されたROM102には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、ROM102には、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、など)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施例では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、本実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
本実施例では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が、変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
本実施例では、入賞時演出処理(図11のS1217,S1228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
本実施例において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
本実施例では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、本実施例では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、本実施例では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
本実施例では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、本実施例では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
次いで、下皿4に遊技球が所定数貯留されていることを検出するための下皿エラー検出処理(S708)、遊技者による音量・光量変更ボタン50やプッシュボタン120、トリガボタン125等の操作を受け付けることでスピーカ27から出力される音の音量や枠LEDから出力される光の光量を変更するための遊技者設定処理(S709)を実行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種LED、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、始動入賞の発生に基づいて入賞音を出力する入賞音出力処理(S498)、保留表示H及びアクティブ表示AHをこれら保留表示H及びアクティブ表示AHの表示位置において回転表示(アニメーション表示)するための保留表示演出処理(S499)、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
入賞音出力処理(S498)は、前述したように始動入賞の発生に基づいて入賞音を出力する処理であり、保留表示演出処理(S499)は、前述したように保留表示H及びアクティブ表示AHをこれら保留表示H及びアクティブ表示AHの表示位置において回転表示(アニメーション表示)するための処理である。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、LED制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図15は、図14に示す演出制御プロセス処理における入賞音出力処理を示すフローチャートである。入賞音出力処理において演出制御用CPU101は、先ず、入賞音の出力中であることを示す入賞音出力中フラグがセットされているか否かを判定する(S1002)。入賞音出力中フラグがセットされている場合(S1002;Y)はS1008に進み、入賞音出力中フラグがセットされていない場合(S1002;N)は、第1始動入賞口指定コマンド受信フラグまたは第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したか否かを判定する(S1003)。第1始動入賞口指定コマンド受信フラグまたは第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S1003;Y)、演出制御用CPU101は、入賞音出力中フラグをセットし(S1004)、入賞音出力用プロセステーブルを選択する(S1005)。そして、選択した入賞音出力用プロセステーブルの入賞音出力用プロセスデータ1における入賞音出力用プロセスタイマをスタートさせる(S1006)。
尚、入賞音出力用プロセステーブルには、スピーカ27から出力する音を制御するための音制御実行データ等が、各入賞音出力用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞音出力用プロセスデータの内容(音制御実行データ1)に従ってスピーカ27から入賞音を出力して入賞音出力処理を終了する(S1007)。例えば、また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。尚、第1始動入賞口指定コマンド受信フラグ及び第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S1003;N)、演出制御用CPU101は、S1004〜S1007を実行せずに入賞音出力処理を終了する。
また、S1008において演出制御用CPU101は、入賞音出力プロセスタイマの値を−1し、該入賞音出力用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1009)。入賞音出力用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S1009;N)は、入賞音出力用プロセスタイマに対応する入賞音出力用プロセスデータの内容に従ってスピーカ27から入賞音を出力して入手音出力処理を終了し(S1010)、入賞音出力用プロセスタイマがタイマアウトしている場合(S1009;Y)は、タイマアウトした入賞音出力用プロセスタイマが最後の入賞音出力用プロセスタイマか否かを判定する(S1011)。
タイマアウトした入賞音出力用プロセスタイマが最後の入賞音出力用プロセスタイマでない場合(S1011;N)は、入賞音出力用プロセスデータの切替を行い(S1012)、次の入賞音出力用プロセスタイマをスタートさせる(S1013)。そして、次の入賞音出力用プロセスタイマに対応する入賞音出力用プロセスデータの内容に従ってスピーカ27から入賞音を出力して入賞音出力処理を終了する(S1013)。尚、タイマアウトした入賞音出力用プロセスタイマが最後の入賞音出力用プロセスタイマである場合(S1011;Y)は、入賞音出力中フラグをクリアして入賞音出力処理を終了する(S1014)。
以上のように入賞音出力処理が実行されることによって、図40(A)〜図40(C)に示すように、本実施例では、変動表示中であるか否か、変動表示中における減速制御の実行中であるか否かにかかわらず、始動入賞が発生したことに基づいて一連の入賞音を期間T6に亘って出力する。つまり、本実施例では、変動表示中に減速制御が実行されているか否かにかかわらず、同じ速度にてスピーカ27から入賞音の出力を実行するようになっている。
図16は、図14に示す演出制御プロセス処理における保留表示演出処理を示すフローチャートである。保留表示演出処理において演出制御用CPU101は、先ず、保留記憶特定情報記憶領域等を参照し、合計保留記憶数を特定する(S1021)。そして、S1021において特定した合計保留記憶数が保留記憶表示部にて現在表示されている保留表示数と一致するか否かを判定する(S1022)。S1021において特定した合計保留記憶数が現在表示されている保留表示数と一致しない場合(S1022;N)は、S1021において特定した合計保留記憶数に応じた保留表示演出用プロセステーブルを選択し(S1023)、選択した保留表示演出用プロセステーブルの保留表示演出用プロセスデータ1における保留表示演出用プロセスタイマをスタートさせる(S1024)。
尚、保留表示演出用プロセステーブルには、演出表示装置9において各保留表示H及びアクティブ表示AHを垂直軸周りに回転表示するための演出表示制御データ等が、各保留表示演出用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示演出用プロセスデータ1(演出表示制御データ1)に従って演出表示装置9における各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示(各保留表示H及びアクティブ表示AHの垂直軸周りの回転表示)を実行して保留表示演出処理を終了する(S1025)。
また、S1021において特定した合計保留記憶数が現在表示されている保留表示数と一致する場合(S1022;Y)は、合計保留記憶数が0であるか否かを判定する(S1026)。合計保留記憶数が0である場合(S1026;Y)は更に変動表示中であるか否かを判定する(S1027)。尚、変動表示中であるか否かは、後述する演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、演出図柄変動停止処理のいずれかに応じた値であるか否かを判定すればよい。合計保留記憶数が0でない場合(S1026;N)や変動表示中である場合(S1027;Y)は、保留表示演出用プロセスタイマの値を−1し(S1028)、該保留表示演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1029)。
保留表示演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S1029;N)は、保留表示演出用プロセスタイマに対応する保留表示演出用プロセスデータの内容に従って演出表示装置9における各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示を実行して保留表示演出処理を終了する(S1030)。また、保留表示演出用プロセスタイマがタイマアウトしている場合(S1029;Y)は、タイマアウトしたのは最後の保留表示演出用プロセスタイマであるか否かを判定する(S1032)。タイマアウトしたのは最後の保留表示演出用プロセスタイマである場合(S1032;Y)、S1024及びS1025の処理を実行することによって各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示を繰り返し実行する。また、タイマアウトしたのは最後の保留表示演出用プロセスタイマでない場合(S1032;N)、演出制御用CPU101は、保留表示演出用プロセスデータの切替を行い(S1033)、次の保留表示演出用プロセスタイマをスタートさせる(S1034)。そして、次の保留表示演出用プロセスタイマに対応する保留表示演出用プロセスデータの内容に従って演出表示装置9における各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示を実行して保留表示演出処理を終了する(S1035)。
以上のように保留表示演出処理が実行されることによって、図17(a)に示すように、本実施例における保留表示H及びアクティブ表示AHは、演出表示装置9に表示されている間は、垂直軸周りに一定の速度(本実施例では速度V1)で回転表示される。
ここで、保留表示Hおよびアクティブ表示AHについて、簡単に説明する。既に説明したとおり、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。演出図柄の変動表示が開始される際に、最も古くから表示されている保留表示H(画面において最も左側に表示されている保留表示)が消去される。また、残りの保留表示Hは、左側に1つずつシフトされる。消去された(移動された、シフトされた)保留表示Hに対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示すアクティブ画像(アクティブ表示AH)を表示するアクティブ表示エリアAHAが画面の左下に表示される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、変動表示の開始に伴い消去された保留表示Hが、たとえば、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留表示Hに対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ表示AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
本実施例で実行される特定演出を説明する。特定演出は、変動表示に対応する所定表示の表示態様を変化させる演出である。変動表示に対応する所定表示とは、たとえば、保留表示Hまたはアクティブ表示AHのことである。したがって、特定演出は、たとえば、保留表示Hまたはアクティブ表示AHの表示態様を変化させる演出である。保留表示Hまたはアクティブ表示AHの表示態様を変化させることによって、その保留表示Hまたはアクティブ表示AHが遊技者によって有利となることを示唆する。遊技者にとって有利とは、たとえば、その保留表示Hまたはアクティブ表示AHに対応する変動表示の結果が大当りになることであり、その他、その保留表示Hまたはアクティブ表示AHの変動表示が大当りの期待の高いリーチとなることである。
なお、特定演出が実行される変動表示では、特定演出が変動表示中に実行される各種の演出と被らないように、特定演出中は変動表示の表示領域を縮小するようにしてもよい。また、画面の表示領域を分割して、変動表示に関する演出が実行される領域と、特定演出が実行される領域との区別が付くようにしてもよい。また、別の画像表示装置を設け、その表示領域において特定演出が実行されるようにしてもよい。また、所定表示にボールや剣あるいは矢などが衝突あるいは刺さる如く、所定表示に作用表示が作用することによって、所定の操作手段の操作を促す操作促進表示を完成するものとしてもよい。
保留表示Hの表示態様を変化させる特定演出の具体例を図17に示す。また、アクティブ表示AHの表示態様を変化させる特定演出の具体例を図24、図41、および図42のそれぞれに示す。はじめに、保留表示Hの表示態様を変化させる特定演出の具体例を説明する。
図17は、保留変化演出を示す図である。保留変化演出は、保留表示Hに関する特定演出の一例である。また、保留変化演出は、ターゲットとなる保留表示H(図17に示す保留表示TH)の態様を変化させることによって、その保留表示に対応する変動表示に関する動作を予告する演出であるから、先読み演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介する保留変化演出は、保留表示Hの1つに向けて投げ放たれたカラーボールが対象の保留表示THにぶつかって割れることで、対象の保留表示THの色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示THにぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。もちろん、投げ放たれたボールが対象の保留表示THにぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。見事にボールが割れて保留表示THの色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずに保留表示THの色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、その保留表示THが大当りである期待度が高い(図19参照)。保留表示THの色が大当り等の期待度の高い色に変化することを“成り上がる”ともいう。
本実施例の保留変化演出は、保留表示Hの1つに向けて投げ放たれたカラーボールの速度が途中で減速する点に1つの特徴がある。特に減速する期間の長さは一様ではなく、少なくとも2種類の中から決定され、その減速期間が長い場合の方が短い場合よりも演出結果が成功となる可能性が高くなる(図20参照)。ただし、いずれの減速期間が選択された場合であっても、ボールが投げ放たれてから減速し始めるタイミングは共通である。
以下、図17に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、各種画像が表示される。下端部には、発生した保留記憶情報を表示する保留表示THまたは保留表示Hが保留記憶情報の数に対応して表示される(以下、保留記憶画像または保留表示と呼ぶ)。これらの保留表示Hは、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶画像が表示されるようにしてもよい。画面の左下には、アクティブ表示エリアAHAが表示されている。アクティブ表示エリアAHAの上にはアクティブ表示AHが表示されている。
図17(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を持ったキャラクタ930が登場する。キャラクタ930の登場タイミングは、様々に設定できる。ただし、キャラクタ930の登場から演出の成功・失敗の結果が出るまでの演出期間の間に保留表示がシフトして、演出が無駄にならないようにする必要がある。このため、変動表示の残り期間が演出期間に比べて十分に長い段階でキャラクタ930を登場させる。
キャラクタ930は、画面に現れている4つの保留表示のうちの左から2つめの保留表示THに向かってカラーボール931を投げる。キャラクタ930がカラーボール931を投げてから、そのカラーボール931が保留表示THにぶつかるまでの時間は所定期間である。その所定期間の長さは演出が成功する場合と失敗する場合とで異なるが、同じにしてもよい。いずれにしても、その所定期間において、カラーボール931の速度が変化する。
カラーボール931は、投球されてから一定期間が経過するまで(所定距離を移動するまで)の間、一定速度で移動するのであるが、一定期間が経過した段階で、その速度が減速する。つまり、減速期間に突入する。その様子を図17(b)に示す。このような減速制御の演出は、たとえば、スローモーション再生の演出である。減速期間は、3秒または5秒である。ただし、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタ930がボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通である。そのようなスローモーション再生による減速期間を経て、再び、カラーボール931の速度が初速に戻り、やがてカラーボール931が対象の保留表示THに衝突する。なお、初速に戻らずに減速したまま演出が終了してもよいし、減速期間終了後の速度が初速や減速期間での速度とは異なる速度となるようにしてもよい。尚、図17に示す保留変化演出において、該保留変化演出としてスピーカ27から出力される音は、減速制御の実行時には、減速制御の非実行時よりもスピーカ27からの出力速度(再生速度)が低下する。つまり、保留変化演出の一部としてスピーカ27から出力される音は、減速制御の実行時と非実行時とで態様が異なっている。
尚、図16及び図17(b)に示すように、減速期間中(減速制御の実行中)における各保留表示H及びアクティブ表示AHは、保留表示演出として垂直軸周りに一定の速度(本実施例では速度V1)で回転表示される。つまり、本実施例における各保留表示H及びアクティブ表示AHは、減速期間中であるか否かにかかわらず保留表示演出として垂直軸回りに回転表示される速度が不変となっているため、保留表示H及びアクティブ表示AHが減速制御中の表示であると遊技者に誤認されてしまうことが防止されている。また、本実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHがアクティブ表示エリアAHAに表示される速度や、始動入賞の発生に基づいて保留表示Hが保留表示エリアに表示(増加表示)される速度も、減速期間中であるか否かにかかわらず不変となっている。
その後、演出のパターンは、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示THを覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示THの色が変化しない失敗パターンとに分かれる。図17(c)は成功パターンを示し、図17(d)は失敗パターンを示す。成功パターンの場合には、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120が振動し、成功パターンを遊技者に予告する(ボタン報知演出)。これにより、遊技者の期待感を向上させることができる。もちろん、プッシュボタン120が振動する場合と振動しない場合とがあるようにしてもよい。なお、このような予告報知は、プッシュボタン120に代えて、あるいは、プッシュボタン120に加えて、音声や画像によって行うものとしてもよい。また、ボタン報知演出を抽選により決定するようにしてもよい。このような場合には、プッシュボタン120が振動する場合の方が、プッシュボタン120が振動しない場合よりも大当り期待度が高くなるようにするのが望ましい。また、プッシュボタン120の振動に強弱を設けてもよい。このような場合には、ボタン報知演出の抽選の際にプッシュボタン120の強弱を含めた抽選をすればよい。そして、プッシュボタン120が強振動する場合の方が、プッシュボタン120が弱振動する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
成功パターンでは、保留表示の色が元の色から複数の色のいずれかに変化する。たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、その保留表示に対応する変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。遊技者は、成功パターンにおいて、いずれの色に変化するかという点に注目できるために、より面白みのある遊技を提供できる。なお、色の変化に対する期待をより一層に高めるために、カラーボール931が保留表示THに衝突した段階、または、衝突する直前の段階で、そのボールの動きを一旦停止させてもよい。
以上、説明した保留変化演出によれば、カラーボール931が放たれてからそれが保留表示THに衝突する前に、カラーボール931の速度が減速する期間が存在するため、その間で、遊技者の期待感を高めることができる。特に、カラーボール931の速度を減速させることなく、そのままの速度で保留表示THに衝突させる演出に比べると、遊技者の期待感は格段に向上する。また、減速期間は複数の中から選択的に設定されるため、遊技者に減速期間に対して注目させつつバラエティに富んだ演出を提供できる。
尚、本実施例における保留変化演出の実行中は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず、保留表示Hやアクティブ表示AHが垂直軸周りに一定の速度(本実施例では速度V1)にて回転表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留変化演出の対象である保留表示THやアクティブ表示AHの回転速度を他の保留表示Hの回転速度と異なるようにし、アクティブ表示AHやいずれの保留表示Hが保留変化演出の対象となっているかを遊技者が容易に認識できるようにしてもよい。
また、本実施例における保留表示Hやアクティブ表示AHは、表示態様にかかわらず垂直軸周りに一定の速度にて回転表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留表示Hやアクティブ表示AHは、表示態様に応じて回転速度や回転方向等の動作態様が異なるようにしてもよい。
本実施例では、減速期間が終了してカラーボール931の速度が初速に戻った後に、該カラーボール931が対象の保留表示THやアクティブ表示AHに衝突することで該対象の保留表示THやアクティブ表示AHの表示態様が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速期間中に、プッシュボタン120の操作を促すボタン操作促進画像を演出表示装置9に表示し、該ボタン操作促進画像の表示中にプッシュボタン120の操作を受け付けることで対象の保留表示THやアクティブ表示AHの表示態様を変化させてもよい。このように減速期間中にボタン操作促進画像を表示する場合は、ボタン操作促進画像として、プッシュボタン120が操作されていない状態を示す画像とプッシュボタン120が操作された状態を示す画像とを繰り返して表示してもよい。また、減速期間中におけるボタン操作促進画像の表示中は、該ボタン操作促進画像とともにプッシュボタン120の操作の残り受付期間を示す残り受付期間メータを表示し、該残り受付期間メータの更新態様によって遊技者がプッシュボタン120の操作の残り受付期間を認識できるようにしてもよい。
また、本実施例では、変動表示中に保留変化演出を実行可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示中は、当該変動表示結果が大当りとなることを示唆する変動中予告演出を実行可能としてもよい。また、このような変動中予告演出としては、遊技者がプッシュボタン120を操作することで演出表示装置9に所定の画像を表示するボタン操作演出を実行可能としてもよい。
更に、変動中予告演出としてボタン操作演出を実行可能とする場合は、前述した保留変化演出のように、演出表示装置9にボタン操作促進画像や残り受付期間メータを表示してもよい。このように、保留変化演出の減速期間中とボタン操作演出の実行中との双方でボタン操作促進画像や残り受付期間メータを表示する場合は、減速期間中のボタン操作促進画像の更新速度(プッシュボタン120が操作されていない状態を示す画像とプッシュボタン120が操作された状態を示す画像の切替速度)や残り受付期間メータの更新速度をボタン操作演出におけるボタン操作促進画像の更新速度や残り受付期間メータの更新速度と同一とする、つまり、ボタン操作促進画像の更新速度や残り受付期間メータの更新速度を、減速制御が実行されているか否かにかかわらず同一速度(更新速度)で実行してもよい。
図18は、保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。特に、図18(A)は、大当り時保留変化演出実行決定テーブルを示し、図18(B)は、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留変化演出を実行するか否かが乱数SR2によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、大当り時保留変化演出実行決定テーブルの方がはずれ時保留変化演出実行決定テーブルよりも「あり」が選択される割合が高くなっており、特には、保留変化演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも大当りとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。図18に示す保留変化演出実行決定テーブルを用いることによって、保留変化演出に対して遊技者に興味を抱かせることができる。
図19は、保留変化態様決定テーブルを示す図である。保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出において保留表示Hの色の変化を決定するために用いられる。特に、図19(A)は、大当り時保留変化態様決定テーブルを示し、図19(B)は、はずれ時保留変化態様決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留表示Hの色の変化が乱数SR3によって振り分けて抽選される。
保留変化演出には、成功パターンと失敗パターンとがある(図17参照)。成功パターンは、カラーボールが割れて保留表示Hの色が変化するパターンであり、その際に保留表示の色は、青、緑、赤のいずれかに変化する。失敗パターンは、カラーボールが割れないパターンであり、そのために、保留表示Hの色は変化しない。変化した保留表示Hの色は、その保留表示Hが大当りに対応することの期待度を示唆しており、たとえば、赤が最も大当り期待度が高く、次が緑、その次が青である。また、色が変化しない場合の大当り期待度は、色が変化するいずれの場合よりも低い。このように、色に応じて大当り期待度を示唆できるようにするため、保留変化態様決定テーブルでは、各色に対応する乱数SR3が図19に示すように割り振られている。なお、色が変化する前の保留表示Hの色は、青、緑、赤以外のいずれでもよく、たとえば、白である。
図19に示す保留変化態様決定テーブルを用いることによって、保留表示Hの色が変化するか否かという点のみならず、変化する色にも遊技者を注目させることできる。
図20は、減速期間決定テーブルを示す図である。減速期間決定テーブルは、保留変化演出においてカラーボールの減速制御を実行するときの減速期間を決定するために用いられる。減速期間とは、キャラクタによって放たれたカラーボールの速度が初速とは異なる速度に減速し始めてから、その減速を終えるまでの期間である。特に、図20(A)は、成功パターン用減速期間決定テーブルを示し、図20(B)は、失敗パターン用減速期間決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。成功パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を成功パターンとするときに用いられるテーブルである。失敗パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を失敗パターンとするときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、減速期間を3秒および5秒のうちのいずれにするかが乱数SR4によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、成功パターン用減速期間決定テーブルの方が失敗パターン用減速期間決定テーブルよりも減速期間5秒が選択される割合が高くなっており、特には、減速期間が長い場合の方が短い場合よりも、その保留変化演出が成功パターンとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。なお、ここでは、複数の減速期間として、3秒と5秒とを例示したが、それ以外の減速期間を採用してもよく、3つ以上の減速期間を採用してもよい。なお、大当りか否かにより減速期間が異なるようにしてもよい。
このように、減速期間の違いによって成功パターンとなる期待度が異なるため、遊技者に対して、減速期間に注目させることができる。特に、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタがボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通としているため、ボールが減速を開始した段階で遊技者に減速期間の長短を悟らせることがなく、遊技者の期待感を維持することができる。
図21は、演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。演出実行タイミング決定テーブルは、複数の保留表示Hが存在する場合に、保留表示Hが何回シフトした段階で保留変化演出を実行するかを決定するために用いられる。複数の保留表示Hが存在する場合には、保留変化演出の対象となる保留表示THは、それらの複数の保留表示Hのうちの最後に消化される保留表示Hとしている。たとえば、保留表示Hが3つであれば、左から3つ目の保留表示THが保留変化演出の対象となり、保留表示Hが8つであれば、左から8つ目の保留表示THが保留変化演出の対象となる。演出実行タイミング決定テーブルを用いて、対象の保留表示THが何回左側シフトした段階(いくつの保留記憶を消化した段階)で、保留変化演出を実行するかが乱数抽選によって決定される。
演出実行タイミング決定テーブルには、第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数別に、保留変化演出の各実行タイミングに対して割り当てられた乱数の割合(パーセント表示)が示されている。たとえば、合算保留記憶数が2の場合には、左から2つ目の保留表示THが保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)に決定される。つまり、2つの保留表示Hのうちの左側の保留表示Hがアクティブ表示AHに変化し、右側の保留表示THが左にシフトした段階で、保留変化演出が開始されることになる。
合算保留記憶数が4の場合には、左から4つ目の保留表示がH保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)、2回シフトが発生したとき(シフト回数=2)、および3回シフトが発生したとき(シフト回数=3)のいずれかに乱数抽選によって決定される。その決定割合は、シフト回数=1が45%、シフト回=2が30%、シフト回数=3が25%である。
演出実行タイミング決定テーブルから理解されるとおり、合算保留記憶数がいずれの場合であっても、シフト回数が少ない段階で保留変化演出が実行される割合の方が、シフト回数が多い段階で保留変化演出が実行される割合よりも高い。これにより、保留変化演出の実行機会を極力多くすることができる。
図22は、先読み予告処理を示すフローチャートである。本フローチャートにより、保留変化演出が実現される。本フローチャートは、図14のS500のサブルーチンである。はじめに、演出制御用CPU101によって既に減速制御の実行中であるか否かが判断される(S501a)。既に減速制御の実行中である場合は先読み予告演出処理を終了し、減速制御の実行中でない場合は、合算保留記憶数指定コマンドおよび変動種別コマンドの受信時であるか否かが判断される(S501b)。それらのコマンドの受信時でなければ処理が終了するが、それらのコマンドの受信時であれば、変化演出制限フラグがすでにセットされているか否かが判断される(S502)。変化演出制限フラグは、保留変化演出の実行有が決定されてからその演出を終えるまでにセット状態が保持されるフラグである。変化演出制限フラグは、保留変化演出を終えていないにも関わらず、新たに保留変化演出の実行が決定されることを防ぐためのフラグである。
したがって、変化演出制限フラグがセットされているときには処理が終了するが、セットされていないときには、保留合計数が2以上か否かが判断される(S503)。保留合計数が2以上でなければ、保留変化演出を行なわないので処理が終了するが、保留合計数が2以上であれば、新たな保留記憶は、リーチの変動パターン種別であるか否かが判断される(S504)。ここで、“新たな保留記憶”とは、複数ある保留記憶(S503)のうちで最新の保留記憶のことであり、換言すると、最も右側に表示されている保留表示Hに対応する保留記憶のことである。既に、図22を用いて説明したとおり、そのような保留記憶が保留変化演出の対象として選定され得る。したがって、S505では、保留変化演出の対象として選定され得る保留記憶が大当りか否かが判断されている。
S505において、新たな保留記憶が大当りであると判断されたときには、大当り時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S506)、S507において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いて大当り時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S508)。保留変化態様は、成功パターンと失敗パターンとに大別される。成功パターンは、保留表示THにぶつかったカラーボールが割れて保留表示の色が変わるパターンであり、失敗パターンは、保留表示THにぶつかったカラーボールが割れずに跳ね返り、その結果、保留表示THの色が変わらないパターンである。成功パターンは、さらに、変化する保留表示THの色が青、緑、赤の3つのパターンに分かれる。S508では、失敗パターンまたは3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S507において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、図18(A)に示したとおりであり、大当り時保留変化態様決定テーブルは、図19(A)に示したとおりである。
S505において、新たな保留記憶がはずれであると判断されたときには、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S515)、S515において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いてはずれ時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S517)。なお、S517では、失敗パターンまたは変化する保留表示THの色が青、緑、赤の3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S516において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、図18(B)に示したとおりであり、はずれ時保留変化態様決定テーブルは、図19(B)に示したとおりである。
S508またはS517の処理において、保留変化態様が成功パターンに決定されたときには(S509でYES)、成功パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S510)。一方、S508またはS517の処理において、保留変化態様が失敗パターンに決定されたときには(S509でNO)、失敗パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S510)。成功パターン用減速期間決定テーブルは、図20(A)に示したとおりであり、失敗パターン用減速期間決定テーブルは、図20(B)に示したとおりである。減速制御される期間(減速期間)は、図20に示すとおり、3秒および5秒のいずれかに決定される。
S510において、成功パターンとするときの減速期間が決定された後、ボタン報知演出を実行することが決定される(S511)。ボタン報知演出は、図17を用いて説明したとおり、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120を振動させることによって、成功パターンを遊技者に予告する演出である。
S511またはS518の後、変化演出制限フラグがセットされる(S512)。次に、演出実行タイミング決定テーブルにより、保留変化演出の実行タイミングが決定される(S513)。演出実行タイミング決定テーブルは、図21に示したとおりである。この処理によって、保留変化演出の対象となる保留表示THがいくつシフトした段階で保留変化演出を実行するかが決定される。次に、本先読み予告処理において決定された内容が記憶領域に保存され(S514)、処理が終了する。
図23は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、図49に示す各種演出の内容の決定等の処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理については、後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種LED、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、LEDドライバ基板35に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図17に示したキャラクタ930は、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するよう、予め定めた複数の速度(たとえば、低速、中速、高速の3種類)のいずれかをマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合、単にランダムにその速度を選択するのではなく、たとえば、選択された速度に応じて、成功パターンになるか失敗パターンになるかの割合が異なるようにしてもよい。
さらに、キャラクタ930が投球する位置を複数設定してもよい。たとえば、対象の保留表示からの距離が遠い遠距離位置と、その距離が当該遠距離位置に比較して近い近距離位置とからマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合には、遠距離位置のときのカラーボール931の初速が早いほど成功パターンになりやすく、近距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いほど成功パターンになりやすくしてもよい。遠距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いと、カラーボール931が対象の保留表示に衝突するまでに長い時間がかかるため、演出が間延びしてしまうが、初速を早くすることで演出が間延びするとことを防止できる。一方、近距離位置のときのカラーボール931の初速が早いと、カラーボール931が短い時間で対象の保留表示THに衝突するため、十分に演出を遊技者が楽しめない可能性があるが、初速を遅くすることで遊技者が十分に演出を楽しむ時間を確保することができる。
キャラクタ930が、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するようにした場合であっても、減速期間に入ったときのその減速時の速度は、いずれも共通とすることが考えられる。減速時の速度を共通化することによって、減速時の速度を複数の中から選択的に設定する場合と比較して減速制御を単純化できる。
保留変化演出において、必ず減速制御を伴うのではなく、減速制御を伴わない場合があるようにしてもよい。この場合、減速制御を伴った方が、それを伴わなかった場合に比較して成功結果が得られる期待度が高くなるように設計すれば、減速制御の実行に対する遊技者の期待感を高めることができる。
カラーボールの減速期間は様々に設定できる。たとえば、保留表示THにカラーボールが衝突する前に元の速度にもどしてもよい。また、成功パターンであっても、プッシュボタン120が振動しない場合があるようにしてもよい。また、失敗パターンであっても、成功パターンのときよりも低い割合であるものの、プッシュボタン120が振動する場合があるようにしてもよい。
演出結果が失敗となるパターンを実行するときには、減速制御が継続している状態でカラーボールが対象の保留表示THに衝突するのではなく、衝突前にカラーボールの速度が元の速度に戻り、保留表示THに衝突して跳ね返った後に落下、あるいは、保留表示THに衝突することなく、通過するようにしてもよい。
所定表示に対して作用表示が作用する例として、ここでは、カラーボールが作用する例を挙げた。しかしながら、このような作用表示に代えて、たとえば、対象の保留表示THの周辺が他の保留表示Hの周辺とは異なる色に変化するようなエフェクトを与えることを以て、作用表示としてもよい。
また、減速制御を行なう際に、減速したタイミングに合わせて、背景画像における変化対象(所定表示としての保留表示やアクティブ表示等)および作用物(作用表示としてのカラーボール)とを含む領域と、それ以外の領域とで画面の明るさを変えるようにしてもよい。具体的には、減速タイミングにおいて変化対象および作用物以外の背景画像を暗くすることで特定演出(保留変化演出や後述するアクティブ保留変化演出)に注目させることができる。逆に、変化対象および作用物を明るくすること、または、変化対象および作用物に所定のエフェクト画像を付加することで強調表示するようにしてもよい。なお、明るさの設定等は、変化対象と作用物とのうちいずれか一方のみにおいて実行されるようにしてもよい。
図17に示した保留変化演出は、保留表示Hの変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出をアクティブ表示の変化に関わるアクティブ保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図17を参照して、キャラクタ930は保留表示Hに向けてボールを投げるのではなく、アクティブ表示AHに向けてボールを投げる演出とする。演出の内容としては、図17を用いて説明したものに準じて、成功パターンと失敗パターンとに変化するものとする。また、その制御も図18〜図20に示した各テーブルを用いて実行するとよい。
保留変化演出やアクティブ保留変化演出以外で減速制御が行なわれるようにしてもよい。たとえば、変動中に画面の中央に所定の画像を表示し、当該所定の画像に作用表示が作用する際に、減速制御を行なうようにしてもよい。所定の画像は、保留表示Hやアクティブ表示AHとは関連のない画像である。そして、所定の画像に作用表示が作用することにより、成功するパターンと、失敗するパターンとを設けてもよい。成功するパターンでは、所定の画像に作用表示が作用することで、プッシュボタン120等の操作手段の操作を促す操作促進表示が完成するようにしてもよい。このような演出は、通常の遊技状態で行なわれてもよいし、高確率中や時短中で行なわれてもよい。より具体的には、高確率中に画面中央に手の画像を表示し、そこにボタンを示す画像が飛んできて、当る手前で減速制御を開始し、手の画像がボタン画像をキャッチすれば、ボタン操作を促す操作促進表示の演出へと発展し、手の画像がボタンの画像をキャッチできなければ、演出が終了するものとしてもよい。そして、操作促進表示の演出の実行中にプッシュボタンを操作することで、大当りとなったことやハズレとなったことを示す画像が表示される演出が実行されるようにすればよい。
保留表示は、画像以外のもので表されるようにしてもよい。たとえば、保留表示Hは、LED等の点灯で示されるようにしてもよい。そして、作用表示としてしめされる画像の減速制御を保留表示THに対応するLEDの手前で行なえばよい。失敗パターンでは、LEDの点灯色は変更せず、成功パターンでは、LEDの点灯色を変更すればよい。
図24は、アクティブ保留変化演出を説明するための図である。アクティブ保留変化演出は、アクティブ表示に関する特定演出の一例である。また、アクティブ保留変化演出は、アクティブ表示の態様を変化させることによって、進行中の変動表示に関する動作を予告する演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介するアクティブ保留変化演出は、アクティブ表示に向けて投げ放たれたカラーボールがそのアクティブ表示にぶつかって割れることで、アクティブ表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。見事にボールが割れてアクティブ表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずにアクティブ表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、進行中の変動表示の結果が大当りとなる期待度が高く、かつ、その期待度は、変化する色によっても異なる(図26参照)。
たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、進行中の変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。対象がアクティブ表示であるという点や減速期間が存在しない点などを除けば、図24に示すアクティブ保留変化演出は、図17を用いて説明した保留変化演出と演出内容が共通している。
特に、図24に示すアクティブ保留変化演出が図17に示す保留変化演出と大きく異なる点は、カラーボール931を投げるキャラクタ930の位置によって、成功パターン(アクティブ表示の色が変わる)となる成功率と、成功パターンのときに最も大当り期待度の段階の高い色(赤)となる率が異なる点である。なお、キャラクタ930の種類は、その位置の違いに関わらず同じである。このように、キャラクタ930が共通であるので、位置を変更したときにキャラクタ930がその場所を移動したように遊技者に感じさせることができる。ただし、位置によって異なるキャラクタを表示するようにしてもよい。
以下、図24に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、アクティブ表示エリアAHA、アクティブ表示AH、および保留表示Hが表示されている。
図24(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を携えたキャラクタ930が位置Aに登場する。キャラクタ930が登場した段階で画面には、プッシュボタンの操作が有効である旨が表示される(図示省略)。このとき、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Aから位置Bに移動し、さらに、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Bから位置Cに移動し、さらにプッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Cから位置Aに移動する。このように、プッシュボタン120の操作に応じて、キャラクタ930の位置がA→B→C→A→B…と繰り返して変化する。したがって、演出の開始位置を変更する面白みを遊技者に提供できる。アクティブ表示AHからは、位置Aが最も近く、位置Cが最も遠い。図24(b)には、キャラクタ930の位置として位置Cが選択されている状態が示されている。なお、操作が有効な期間は予め定めらており、その操作有効期間を画面上でカウントダウンしてもよい。
図24(c)には、アクティブ表示AHに最も近い位置Aからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ表示AHにぶつかる。続いて、図24(d)には、そのカラーボール931が見事に割れてアクティブ表示AHの色が変わった様子が示されている。
一方、図24(e)には、アクティブ表示AHから最も遠い位置Cからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ表示AHにぶつかる。続いて、図24(f)には、そのカラーボール931が割れることなく跳ね返っている様子が示されている。したがって、この時は、アクティブ表示AHの色は変化しない。
このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHに近い程、演出が成功パターンとなる割合が高く、したがって、アクティブ表示AHの色が成り上がる割合も高い。したがって、その観点のみからすると、遊技者としては、プッシュボタン120を操作してキャラクタ930の位置を位置Aに設定することを望むことになる。しかしながら、このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHに近い程、3種類の色のうち、最も大当り期待度の低い赤にしかアクティブ表示AHの色が成り上がらない割合が高くなっている。
つまり、アクティブ表示が大当りであるならば、本来的には成功パターンにおいて最も大当り期待度の高い赤にアクティブ表示AHの色を成り上げるべきなのであるが、そのときのキャラクタ930の位置が位置Aに設定されていると、成功パターンが選択される割合が高いものの、その際の成り上がりの色が、赤ではなく最も期待度の低い青に設定されてしまう訳である。言いかえると、位置Aは、成り上がりの演出を見易いものの、その演出が示す成り上がりの色が、本来の大当り期待度に対応した色に到達せずに、それよりも大当り期待度の観点において段階の低い色に制限されてしまう可能性が高くなるということである。この場合、遊技者は、大当り期待度に応じた本来の成り上がり色は、それよりも段階の高い色であるかもしれないという不安な気持ちを抱かざるを得ない。
一方で、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHから遠い程、演出が成功パターンとなる割合が低いために、成り上がりの演出を見ることのできる機会が減るのであるが、運よく、成功パターンを見ることができたときには、そのときの成り上がりの色は、本来の大当り期待度に対応した色である可能性が高くなるということである。たとえば、大当りが決定されているときにアクティブ表示AHから最も通り位置Cで演出を実行すると、成功パターンは発生し難いものの、もし、成功パターンが発生したときには、その時の色が実際の期待度を示すものとなる。その結果、遊技者は本来の大当り期待度をその成り上がった色から察することができる。
このように、このアクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。このような演出を実現するために、本パチンコ遊技機1においては、成功パターンのときのアクティブ表示AHの成り上がりの色を2段階で決定している。
第1段階として、キャラクタ930の位置を考慮せずに、アクティブ表示が大当りであるか否かの観点から成り上がりの色を決定する。このときに決定した色を“最終色”と称する。最終色は、アクティブ表示が大当りであるか否かの観点から決定された色であるので、その色はアクティブ表示が大当りとなる期待度を忠実に反映している。ただし、決定された“最終色”が実際に演出に用いられるか、あるいは、それよりも大当り期待度の低い色が演出に用いられるかは、次の第2段階での決定によって決まる。
第2段階として、キャラクタの投球位置を考慮して、第1段階で決定した“最終色”を実際に演出に用いるか、あるいは、それに制限をかけることによって、大当り期待度を表す指標が“最終色“以下の色にするかを決定する。たとえば、“最終色”が赤である場合でも、制限をかけた場合には、実際の成り上がり色として採用する色は青とする。これら第1段階、および第2段階の決定の詳細は図26〜図29及び図31の説明によってより明らかとなる。
このアクティブ保留変化演出では、アクティブ表示AHから近い位置の方が成功パターンの期待度が高いため、近い位置の方が変化し易いのではないかという遊技者の想定に合致した演出を提供できる。なお、このアクティブ保留変化演出において、図17を用いて説明した減速制御の演出を加えてもよいし、また、失敗パターンとしては、投げ放たれたボールがアクティブ表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。
図25は、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、アクティブ保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。アクティブ保留変化演出を実行するか否かが乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、演出ありと演出なしとの比率が2:3となるように設定されている。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図26は、アクティブ保留最終色決定テーブルを示す図である。アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出においてアクティブ表示の色を変えるときの色(成り上がりの色)の種類を決定するために用いられる。すでに説明したとおり、実際に演出に用いられる成り上がり色は、ここで決定される“最終色”とは異なる場合がある。特に、図26(A)は、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルを示し、図18(B)は、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ表示が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ表示がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、“最終色”が乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、変化なしについては、はずれのときの方が大当りのときよりも選択率が高く、青、緑、赤については、その順に大当り期待度が高くなるような態様とされている。なお、“最終色”は、投球するキャラクタの位置に関わりなく、アクティブ保留最終色決定テーブルに基づいて選択される、いわば、仮決めされた成り上がり色である。
図27は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、図23のS616にて実行されるサブルーチンである。はじめに、変化演出制限フラグがセットされているか否かが判断される(S901)。変化演出制限フラグがセットされているときには、重複して演出が実行されることのないよう、処理が終了する。一方、変化演出制限フラグがセットされていないときには、今回実行される変動がリーチであるか否かが判断され(S902)、リーチでないときには処理が終了し、リーチのときには、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルにより、アクティブ保留変化演出の実行の有無が決定される(S903)。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、図25に示したとおりである。
S904において、アクティブ保留変化演出の実行有と判断されたときには、今回実行されている変動表示が大当りであるか、すなわち、アクティブ表示が大当りに対応するものであるかが判断される(S905)。大当りである場合には、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定され(S906)、大当りでなくはずれの場合には、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定される(S908)。大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルおよびはずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、図26に示したとおりである。これらの決定処理によって、アクティブ保留変化演出が成功したときの成り上がり色が仮決めされる。
S906またはS908の後、決定された内容が記憶領域に保存され(S907)、処理が終了する。
図28は、演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理は、図14のS802にて実行されるサブルーチンである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトしていない場合(S843;N)は、S849に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと場合(S843;Y)は、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S845)。また、後述する下皿エラーの報知中であることを示す下皿エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する(S846)。
下皿エラー報知フラグがセットされていない場合(S846;N)は、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S847)、下皿エラー報知フラグがセットされている場合(S846;Y)は、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータのうち、表示制御実行データ及び音番号データ等のプロセスデータに基づいて枠LED28を除く演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S848)。
また、S849では、演出制御用CPU101は、下皿エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する。
下皿エラー報知フラグがセットされていない場合(S849;N)は、プロセスタイマに対応する表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御し(S850)、下皿エラー報知フラグがセットされている場合(S849;Y)は、プロセスタイマに対応する表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータのうち、表示制御実行データ及び音番号データ等のプロセスデータに基づいて枠LED28を除く演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S851)。
S847、S848、S850、S851の実行後は、プッシュボタン120の操作に応じて、操作演出処理が行なわれる(S852)。操作演出処理の詳細は図31を用いて後述する。
次に、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S853)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S853でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S855)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S853でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S854)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S854でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S854でY)、S855に移行する。このように、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S853でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図29は、演出の開始位置と成功率および変化割合との関係を示す図である。図示する対応関係のデータは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図24を用いてアクティブ保留変化演出を説明した際に併せて説明したとおり、アクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。図29示す位置A,B,Cは、図24に示した画面の各位置に対応している。
アクティブ表示から最も近い位置Aでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Aでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率、期待度)は100%である。つまり、各位置のうち、最もアクティブ表示に近い位置Aでアクティブ保留変化演出を開始させると、遊技者は、必ず、成功パターンの演出を見ることができる。ただし、そのときに、アクティブ表示の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は20%に過ぎず、80%の割合で大当り期待度の最も低い1段階目の色、すなわち、青に決定されてしまう。
アクティブ表示から最も遠い位置Cでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Cでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率)は20%に過ぎない。つまり、各位置のうち、最もアクティブ表示から遠い位置Cでアクティブ保留変化演出を開始させると、その他の位置で演出を開始させた場合に比較して、遊技者が成功パターンの演出を見ることのできる可能性は低くなる。しかしながら、アクティブ表示の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は100%であり、もし、成功パターンを見ることができた場合には、そのときの成り上がり色が示す大当り期待度に対して遊技者は信頼を抱くことができる。
したがって、遊技者は、極力、成功パターンを見たいのか、あるいは、成功パターンによって示される成り上がりの色の信頼度を高めたいのか、という観点から、アクティブ保留変化演出を開始させる位置を自身の操作で選択できる。このため、演出に遊技者の意思を反映させることができ、より、面白みのある遊技者参加型の演出を提供できる。
なお、図29に示す成功率と色の変化割合とは、上述した効果を発揮し得る範囲において、様々に調整可能である。たとえば、位置Aのとき、最終色まで変化することがなく、1段階目の色にしか変化しないようにしてもよく、また、位置Cのとき、ごくわずかな割合で1段階目の色に変化する場合があるようにしてもよい。また、位置Cで変化した場合には、位置Cでしか見ることのできない特殊な態様(特殊な色)に変化するようにしてもよい。特殊な態様とは、たとえば、大当りに決定されているときにレインボーに変化する色でアクティブ表示を表示するような態様である。
図31は、操作演出処理を示すフローチャートである。操作演出処理は、図28のS846で実行されるサブルーチンである。はじめに、アクティブ保留変化演出を実行するか否かが判断される(S860)。アクティブ保留変化演出を実行しない場合には処理が終了するが、実行する場合には、プッシュボタン120の操作有効期間中であるか否かが判断される(S861)。プッシュボタン120の操作有効期間中でなければ、S865に進む。プッシュボタン120の操作有効期間中であれば、プッシュボタン120の操作が検出されたか否かが判断される(S862)。操作が検出されなければS864に進むが、操作が検出された場合には、そのボタン操作に応じて、アクティブ保留変化演出の開始位置が変更される(S863)。具体的には、操作が検出される毎に、図24に示したキャラクタ930の位置が位置A→B→C→A→B…と変更される。
次に、操作有効期間の終了時であるか否かが判断され(S864)、終了時でなければ一旦処理が終了するが、終了時の場合には、現時点で選択されている演出の開始位置から、図29に示した「演出の開始位置と成功率および変化割合との関係」に従って、アクティブ保留変化演出の内容が決定される(S865)。その結果、このステップでは、演出のパターンをアクティブ表示の色の成り上がりが生じる成功パターンとするか、アクティブ表示の色の成り上がりが生じない失敗パターンとするか、および、成功パターンとするときには、その成り上がり色を先に図27のS906またはS908で仮決めした“最終色”とするか、あるいは1段階の色(赤)とするか、が決定される。次に、決定された内容が記憶領域に保存され(S866)、処理が終了する。
図41は、アクティブ保留変化演出の変形例1を示す図である。既に説明したアクティブ保留変化演出のパターンに対して、以下に説明する変形例1の演出パターンを追加することが考えられる。変形例1は、アクティブ保留変化演出の失敗パターンを経た後に、バトル演出が開始し、そのバトル演出の結果が出る前にボール等の作用演出を伴うことなくアクティブ表示の色がいきなり成り上がる例である。バトル演出は、その勝敗の結果によって今回の変動表示が大当りになるか否かを示す演出である。バトル演出の結果が出る前にアクティブ表示の色が成り上がるため、成り上がった色は、バトル演出の結果を予告するものとなる。
変形例1は、図24に示したアクティブ保留変化演出の失敗パターンと同様に進行する(図41(a)〜図41(c))。特に、図41の例では、アクティブ表示から最も遠い位置Cから演出が開始されている例が示されている。既に説明したとおり、アクティブ表示から最も遠い位置Cから演出が開始された場合には、失敗パターンが選択される割合が高い(図29参照)。このため、位置Cを敢えて演出の開始位置として選択した遊技者は、成功パターンをみることができず、落胆してしまうかもしれない。
しかしながら、変形例1のようなパターンも発生し得るようにすることで、一旦、落胆した遊技者を再び継続する演出の面白さに引込むことができる。すなわち、図41(c)のごとく、失敗パターンが表示された後、画面上でリーチが発生すると(図41(d))、やがて、画面上で敵味方でのバトル演出が開始する。遊技者はその結果を待つ訳であるが、そのバトル演出の途中で、いきなり何の前触れもなく、アクティブ表示の色が成り上がるのである(図41(e))。このときの成り上がりの色は、図26などを用いて説明した“最終色”とすることが望ましい。そうすれば、遊技者は、大当り期待度が反映された本来の成り上がり色を以て、大当りの可能性を推測できるからである。
あるいは、このような変形例1のパターンでは、失敗パターン(図41(c))を経ていることを理由として、遊技者にとっては望ましい“最終色”ではなく、“最終色”よりも大当り期待度の指標が低い色にしか成り上がらないようにしてもよい。
あるいは、このような変形例1のパターンは、表示結果が大当りである場合にのみ、実施するようにしてもよい。その場合、成り上がりの色は、大当りが確定していることを示す特殊な色(たとえば、レインボーカラー)としてもよい。
このような変形例1を加えることによって、演出の幅を広げることができる。特に、失敗パターンとなってしまったときの遊技者の失望感を軽減させることができる。なお、変形例1のパターンは、図29に示す成功率に従い、失敗パターンが選択されたときに、さらに乱数抽選することによって、選択するように制御してもよい。また、ここでは、バトル演出後に何の前触れもなくアクティブ表示の色が成り上がるものとして説明したが、その兆候となる演出を先に加えてもよい。
次に、図42〜図49を用いて、アクティブ保留変化演出の変形例2を説明する。図42は、アクティブ保留変化演出の変形例2を説明するための図である。既に説明したアクティブ保留変化演出のパターンに対して、あるいは、さらに、変形例1を加えたものに対して、以下に説明する変形例2の演出パターンを追加することが考えられる。もちろん、アクティブ保留変化演出としては、変形例2のみを実行するパチンコ遊技機としてもよい。
変形例2は、キャラクタが一定時間(たとえば、10秒)の中でボールを右手と左手とに交互に移し替えることを繰り返している間にボールの色が順次変化していき、一定時間が経過したときに、そのボールをキャラクタがアクティブ表示に向かって投げることで、アクティブ表示の色がボールの色に変化するという演出である。以下、変形例2に関わるアクティブ保留変化演出を“タイマー変化演出”と称する。
図42(a)は、変形例2に関わるタイマー変化演出が実行されるときの演出表示装置9の表示画面を説明するための図である。また、図42(b)〜(f)は、演出表示装置9の表示画面に表示される各種の画像のうち、タイマー変化演出に関する表示画像を拡大して示したものである。図42において、示唆表示910は、キャラクタ画像とボール画像911とからなる。示唆表示910は、アクティブ表示エリアAHAの中のアクティブ表示AHが変化することを示唆する画像である。また、タイマー表示920は、タイマー変化演出の実行時間を示す画像である。タイマー表示920の値が0秒を示す値となるときにキャラクタがボール画像911を投げることでボール画像911がアクティブ表示AHに作用し、アクティブ表示AHの表示態様が変化する演出が実行される。
図42(a)に示すように、変動表示中には、演出表示装置9の右上の表示領域において、タイマー変化演出が実行される。タイマー変化演出中は、キャラクタがお手玉をする示唆表示910と示唆表示910の下部に表示されるタイマー表示920とが演出表示装置9の表示領域に重畳表示される。示唆表示910およびタイマー表示920は、演出表示装置9の右上の表示領域にて重畳表示される画像である。このような画像は、表示に要する領域が大きくなり過ぎないので、変動表示において実行される各種演出を阻害しないようにすることができる。
また、タイマー表示920は、タイマー変化演出の実行期間を示している。具体的には、タイマー表示920は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマー表示の値が0(0秒を示す値)となる。タイマーの表示の値が0となったことに基づいて、所定表示の表示態様が実行されていたタイマー変化演出に関連して変化される。タイマー変化演出は、このようにタイマー表示920の値が0となり、所定表示の表示態様が変化するまでの演出である。このようなタイマー表示920は、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされる。ここで、タイマー表示920は、秒より下の位2桁についても実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
図42(b)に示すように、タイマー変化演出の開始時は、アクティブ表示AHの表示態様が変化することを示唆する示唆表示910として、キャラクタとボール画像911とが表示される。タイマー変化演出の開始時におけるボール画像911の色は、青色である。このような青色は、保留表示エリア18cに示される保留表示Hの色と同じである。保留表示Hは、青色で表示される。また、アクティブ表示AHは、通常青色で表示され、タイマー変化演出により色が変化する場合がある。アクティブ表示AHの色は、青色<黄色<緑色<赤色<虹色の順に大当り期待度が高くなる。キャラクタは、お手玉をするようにボール画像911を上方に投げる。タイマー表示920には、「10:00」と表示され、タイマー変化演出が10秒間実行されることが示される。
図42(b)の状態から3秒経過後、図42(c)のように、タイマー表示920は、タイマー変化演出の残り時間が7秒であることを示す「07:00」で表示される。このとき、ボール画像911の色が青色から緑色(図中の斜線)へと変化する。色が変化することで、大当りの期待度が向上する。その後、タイマー変化演出開始時から9秒経過後、図42(d)に示すように、タイマー表示920は、タイマー変化演出の残り時間が1秒であることを示す「01:00」で表示される。ボール画像911の色は、図42(c)の状態と同じ緑色である。
図42(d)の状態からさらに1秒経過後(タイマー変化演出から10秒経過後)、図42(e)のように、タイマー表示920が「00:00」とタイマー変化演出の残り時間が0秒であることが示される。そして、0秒となったときに、示唆表示として表示されるキャラクタがボール画像911をアクティブ表示エリアAHAに向かって投げる演出が実行される。投げられたボール画像911は、図42(f)に示すように、アクティブ表示AHに命中する。アクティブ表示AHの表示態様は、ボール画像911が命中することで青色からタイマー変化演出の関連した態様の緑色へと変化する。青色から緑色に変化することで、実行されている変動表示の期待度が向上する。
このように、タイマー変化演出の実行中は、タイマー表示920により、タイマー変化演出の実行期間を知らせることができるので、図42(e)、(f)に示すように、アクティブ表示AHの表示態様が変化するタイミングを明確にすることができる。よって、タイマー表示920が0秒となるまでの期間に遊技者にタイマー表示920の表示値に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
また、図42(b)、(c)に示すように、タイマー変化演出実行中に示唆表示910におけるボール画像911の色を変化させることで大当り期待度が向上するので、示唆表示910におけるボール画像911の表示態様に遊技者を注目させることができる。
図43は、タイマー変化演出の実行期間を説明するためのタイミングチャートである。タイミングチャートの横軸は、時間(t)を示し、低レベルは変動停止、高レベルは変動中を示している。本実施例では、図6に示すノーマルリーチとスーパーリーチとの変動パターンのうち、スーパーリーチの変動パターンにおいてタイマー変化演出が実行される。スーパーリーチの変動パターンには、第1〜第4スーパーリーチの変動パターンが設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560からスーパーリーチの変動パターンを指定する変動パターンコマンドが送信されると、演出制御用CPU101は、送信されたコマンドに基づいて指定されたスーパーリーチの演出を実行する。図6の第1〜第4スーパーリーチでは、各変動パターンについて、複数種類のスペシャルリーチ(以下、単にSPリーチとも称する)の中からいずれかのSPリーチが実行される。
図43に示すように、SPリーチでは、変動表示中の演出図柄のうちいずれかの図柄でリーチとなる。その後、リーチ状態となってから所定時間経過後(ノーマルリーチ後やノーマルリーチと異なるリーチ演出後)にSPリーチへと発展する。スーパーリーチにおいて実行されるSPリーチは、SPリーチまで発展せずリーチ後に派手な演出をしないノーマルリーチに比べ、大当り表示結果となる期待度の高いリーチである。SPリーチ中は、たとえば、液晶画面上でバトル演出等の演出が実行される。バトル演出とは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦い、味方のキャラクタが勝利すると大当り表示結果が表示され、味方のキャラクタが敗北するとはずれ表示結果が表示されるような演出である。
タイマー変化演出は、このようなSPリーチが実行されるまでの期間において実行される。このようにすれば、SPリーチ前のタイマー変化演出について遊技者を注目させることができる。また、大当り期待度の高いSPリーチ演出についても、SPリーチによる演出を阻害することなく、遊技者に注目させることができる。
図44は、タイマー変化演出実行決定テーブルを示す図である。タイマー変化演出実行決定テーブルは、タイマー変化演出を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー変化演出実行決定テーブルには、図44(A)の大当り時タイマー変化演出実行決定テーブルと、図44(B)のはずれ時タイマー変化演出実行決定テーブルとが含まれている。これらのタイマー変化演出実行決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図44(A)の大当り時タイマー変化演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、選択割合が「タイマー変化演出を実行する>タイマー変化演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー変化演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図44(B)のはずれ時タイマー変化演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、選択割合が「タイマー変化演出を実行する<タイマー変化演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー変化演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図44(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、タイマー変化演出が実行される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出が実行される場合には、タイマー変化演出が実行されない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図45は、タイマー変化演出実行時間決定テーブルを示す図である。タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、各変動毎にタイマー変化演出の実行される時間(秒数)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー変化演出実行時間決定テーブルには、図45(A)の大当り時タイマー変化演出実行時間決定テーブルと、図45(B)のはずれ時タイマー変化演出実行時間決定テーブルとが含まれている。これらのタイマー変化演出実行時間決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図45(A)の大当り時タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー変化演出実行時間の選択割合が「10秒<15秒<20秒」という大小関係となるように、長いタイマー変化演出実行時間(長い秒数)が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図45(B)のはずれ時タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー変化演出実行時間の選択割合が「10秒>15秒>20秒」という大小関係となるように、短いタイマー変化演出実行時間(短い秒数)が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図45(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、長いタイマー変化演出の実行時間に決定される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出の実行時間が長い場合には、タイマー変化演出の実行時間が短い場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。このようにすれば、遊技者にいずれのタイマー表示920の表示態様が表示されたかに注目させることができる。
また、図45に示すように、タイマー変化演出の実行時間は複数設けられている。よって、タイマー表示920として最初に表示される表示態様が複数あるので、タイマー表示920による演出が多様となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図46は、タイマー変化演出のための変化回数決定テーブルを示す図である。変化回数決定テーブルでは、タイマー変化演出において、ボール画像911の色の変化の回数が決定される。変化回数決定テーブルには、図46(A)の大当り時変化回数決定テーブルと、図46(B)のはずれ時変化回数決定テーブルとが含まれる。これらの変化回数決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。ボール画像911の色の変化回数によって大当りとなる期待度が異なる。
変化回数決定テーブルにおけるタイマー変化演出実行時間(秒)は、タイマー変化演出の実行時間を示している。本実施例では、10秒,15秒,20秒ごとに変化回数が2パターンずつ設定されている。タイマー変化演出の実行時間が10秒の場合には、変化回数として0回または1回のいずれかに決定される。変化回数が0回とは、タイマー変化演出においてボール画像911の色が青色から変化しないことを示している。また、タイマー変化演出の実行時間が15秒の場合には、変化回数として1回または2回のいずれかに決定される。また、タイマー変化演出の実行時間が20秒の場合には、変化回数として2回または3回のいずれかに決定される。
図46(A)の大当り時変化回数決定テーブルは、タイマー変化演出実行時間が10秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「0回<1回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「1回<2回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「2回<3回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
また、図46(B)のはずれ時変化回数決定テーブルは、タイマー変化演出実行時間が10秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「0回>1回」という大小関係となるように、少ない変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「1回>2回」という大小関係となるように、少ない変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、常に2回が決定されるようにデータが設定されている。このように、はずれ時には、変化パターンとしてボール画像911が3回変化する場合がないので、3回変化することで大当りとなることが確定する。
図46(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、どのタイマー変化演出実行時間についても多い方の変化回数に決定される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出においてボール画像911の変化回数が多い場合には、変化回数が少ない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図47は、タイマー変化演出のための変化パターン決定テーブルを示す図である。変化パターン決定テーブルでは、タイマー変化演出におけるボール画像911の色の変化パターンが決定される。変化パターン決定テーブルには、図47(A)の大当り時変化パターン決定テーブルと、図47(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルとが含まれる。これらの変化パターン決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。ここで、図47に示すテーブルでは、色が変化する程大当り期待度が高くなっている。大当り期待度は、青色<黄色<緑色<赤色<虹色の順に高くなる。なお、虹色は、大当りとなる場合にしか決定されない色である。
図47(A)の大当り時変化パターン決定テーブルは、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄の変化パターン』<『青→緑の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に緑色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑の変化パターン』<『青→緑→赤の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に赤色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が3回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑→赤の変化パターン』<『青→緑→赤→虹の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に虹色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図47(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルは、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄の変化パターン』>『青→緑の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に黄色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑の変化パターン』>『青→緑→赤の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に緑色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、はずれの場合には3回変化する変化パターンには設けられていない。
図47(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、最終的に変化するボール画像911の色が大当り期待度の高い色となる割合が高くなる。よって、最終的に変化したボール画像911の色の種類により、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図48は、変化タイミング決定テーブルを示す図である。変化タイミング決定テーブルでは、変化回数に応じたボール画像911の変化タイミングが決定される。図48変化タイミング決定テーブルでは、タイマー変化演出実行時間が10秒でかつ、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、「7:00」と「2:00」とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒でかつ、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、「10:00」と「5:00」とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
また、タイマー変化演出実行時間が15秒でかつ、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「10:00」、2回目が「5:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒でかつ、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「15:00」、2回目が「10:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
また、タイマー変化演出実行時間が20秒でかつ、変化回数が3回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「15:00」、2回目が「10:00」、3回目が「5:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」、3回目が「2:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
図48でのデータの設定により、タイマー変化演出実時間と変化回数とが決定されている場合に、複数の変化タイミングの中からいずれかの変化タイミングに決定することができる。また、このように変化タイミングが複数設けられているので、いずれのタイミングで示唆表示910としてのボール画像911が変化するかについて遊技者に注目させることができる。
図49は、タイマー変化演出のための演出図柄変動開始処理における演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。図49においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の演出の設定に関する処理のうち、タイマー変化演出の設定に関係する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なうことによって、タイマー変化演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンがスーパーリーチを指定する変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S931)。受信した変動パターンコマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域にスーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。スーパーリーチの変動パターンでなければS938の処理へ移行する。スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2の値を抽出し、抽出した乱数値と図44に示すタイマー変化演出実行決定テーブルとを用いて、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、タイマー変化演出の実行の有無を決定する(S932)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
S933においては、S932の決定結果に基づいて、タイマー変化演出が実行ありと決定されたか否かを判定する(S933)。タイマー変化演出を実行する決定がされていなければ、S938の処理へ移行する。タイマー変化演出を実行すると決定されていれば、S934において、SR3の値を抽出し、抽出した乱数値と図45に示すタイマー変化演出実行時間決定テーブルとにより、タイマー変化演出実行時間(タイマー変化演出を実行する秒数)を決定する。次いで、S935において、SR4の値を抽出し、抽出した乱数値と図46に示す変化回数決定テーブルとにより、タイマー変化演出中においてボール画像911の色を変化させる回数(変化回数)を決定する。
次いで、S936の処理へ移行し、SR5を抽出し、抽出した乱数値と図47に示す変化パターン決定テーブルとにより、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、ボール画像911の色の変化パターンを決定する(S936)。次いで、S937においてSR6の値を抽出し、抽出した乱数値と図48に示す変化タイミング決定テーブルとにより、タイマー変化演出においてボール画像911の色が変化するときの変化タイミングを決定する(S937)。ボール画像911の色は、タイマー表示920が特定の表示値となったときに変化するので、変化タイミングは、変化時のタイマー表示値を決定することにもなる。
次いで、S938では、タイマー変化演出以外に今回の変動表示中に実行されるその他の演出を決定し、決定した演出を実行するように設定する。演出設定処理においては、決定した演出を実行するためのデータがRAM103に記憶される。演出設定処理において設定された演出は、演出制御パターンとして選択され、その演出制御パターンに基づいて、S802の演出図柄変動中処理において、演出図柄の変動表示中に実行される。
保留変化演出が実行された保留表示Hに対してタイマー変化演出を実行してもよい。たとえば、保留変化演出において保留表示Hの色を通常態様の青色から黄色に変化させる。そして、変化した保留表示Hがアクティブ表示エリアAHAにアクティブ表示AHとして表示されたときにタイマー変化演出により、アクティブ表示AHの色をさらに変化させるようにしてもよい。
このような場合には、始動入賞が発生した際に大当りか否かにより予め定められた色の最終色を最初に決定しておき、保留変化演出では、保留表示Hの色をその途中まで変化させ、タイマー変化演出では、アクティブ表示AHの色を最終色まで変化するように制御すればよい。また、先読み演出で実行される演出は、タイマー表示920を用いた演出とは全く関連のない演出でもよく、タイマー表示920を用いた演出が実行されることを示唆する演出であってもよい。たとえば、タイマー表示920を用いた演出とは全く関連のない演出としては、所定のキャラクタを登場させ、そのキャラクタが保留変化の実行される保留表示Hを叩くなどの所定の作用を実行することにより、保留表示Hの色が変化するような演出が考えられる。また、タイマー表示920を用いた演出が実行されることを示唆する演出としては、保留表示Hの表示態様を「タイマー準備中」と記載された準備保留に変化させ、変化させた保留に対する変動表示が実行されるときに、タイマー変化演出を実行し、タイマー表示920が表示されるようにしてもよい。このようにすれば、保留表示Hの段階からタイマー変化演出が実行されることに遊技者に注目させることができる。なお、準備保留は、変動開始時に必ず実行されるものではなく、実行されない場合があるようにしてもよい。また、準備保留では、タイマー表示920を表示してもよいし(タイマー表示をするがカウントダウンはしないなど)、表示しないようにしてもよい。
アクティブ表示AHを変化させる演出としてタイマー変化演出とは別のアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。アクティブ変化演出としては、たとえば、キャラクタがアクティブ表示AHに対してビームを発射する作用をする作用演出により、アクティブ表示AHの表示態様(たとえば、色)が変化するようにしてもよい。このようなアクティブ変化演出をSPリーチの前とSPリーチ中とのいずれかのタイミングにおいて実行してもよい。このような場合には、SPリーチ前のアクティブ変化演出とSPリーチ中のアクティブ変化演出とで演出期間が異なるようにしてもよい。たとえば、SPリーチ前はアクティブ変化演出の演出期間が長く、SPリーチ中は、アクティブ変化演出の演出期間が短くなるようにすればよい。このようにすれば、SPリーチ演出中には、アクティブ変化演出が短い時間で実行されるので、SPリーチ演出の実行をアクティブ変化演出により阻害することがない。よって、SPリーチ演出の演出効果を損なうことが防止され、遊技の興趣を向上させることができる。なお、SPリーチ中のアクティブ変化演出は、その変動表示についての最終の当否煽りの演出(たとえば、その後に大当りか否かが分かるリーチ終盤のカットイン演出等)までの時間に実行されることが望ましい。
また、SPリーチ中のアクティブ変化演出については、演出期間を短くするのではなく、アクティブ変化演出の表示を縮小する、SPリーチ前に比べてアクティブ変化演出の演出自体を地味にするようにしてもよい。たとえば、SPリーチ前には、演出表示装置9の画面上で派手な演出を実行したり、役物を動作させたりするが、SPリーチ中は、SPリーチ前よりも簡素な演出を実行すればよい。
また、アクティブ変化演出とタイマー変化演出とを実行可能としてもよい。このような場合には、タイマー変化演出が実行される場合には、アクティブ変化演出の実行を禁止するようにしてもよい。また、逆にアクティブ変化演出が実行される場合には、タイマー変化演出の実行を禁止するようにしてもよい。このようにすれば、演出が煩雑になってしまい、遊技者がいずれの演出に注目すればよいのかが定まらないようになることを防止することができる。なお、アクティブ変化演出とタイマー変化演出とが重複しないタイミングであれば、2つの演出を一の変動表示中に実行してもよい。
SPリーチ演出中にタイマー変化演出を実行してもよい。このような場合には、SPリーチの開始前とSPリーチ中とでタイマー変化演出の実行時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば、SPリーチ中のタイマー変化演出の実行期間がSPリーチ前の実行期間よりも短くなるようにすればよい。このようにすれば、SPリーチ演出中には、タイマー変化演出が短い時間で実行されるので、SPリーチ演出の実行をタイマー変化演出により阻害することがない。よって、SPリーチ演出の演出効果を損なうことが防止され、遊技の興趣を向上させることができる。
リーチとなる前にタイマー変化演出を実行し、リーチ後にはタイマー変化演出を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、リーチ後の演出に遊技者を集中させることができる。
タイマー変化演出が複数回実行されるようにしてもよい。たとえば、1回目のタイマー変化演出の実行時にアクティブ表示AHの色を変化させ、一旦示唆表示910やタイマー表示920を消去してもよい。そして、その後再びタイマー変化演出が実行され、当該タイマー変化演出により、アクティブ表示AHの色が変化するようにしてもよい。
図46に示すように、タイマー変化演出は実行時間が長い程、多い変化回数に決定される割合が高くなっていた。そして、タイマー変化演出の実行時間が短い場合には、変化しない場合(変化回数0回)もあった。しかしながら、タイマー変化演出が実行された場合には必ずアクティブ表示AHが変化するようにしてもよい。また、タイマー変化演出の実行時間として長い時間に決定されていても、変化回数が少ない場合や変化しない場合が設けられていてもよい。
図47に示すように、変化回数が1回の場合には、大当り期待度の高い赤色に変化するパターンが設けられていなかった。しかし、変化回数が少ない場合に大当り期待度の高いパターンを設けてもよい。また図47(B)に示すように、はずれの場合には、3回変化するパターンが設けられていなかったが、表示結果がはずれとなる場合にも3回変化するパターンを設けてもよい。
大当りの場合とはずれの場合とで、図48のような変化タイミング決定テーブルが異なるようにしてもよい。たとえば、変動表示の表示結果が大当り表示結果になる場合とはずれ表示結果になる場合とで、変化タイミングが異なるようにしてもよい。また、大当り表示結果となる場合にしか決定されない変化タイミング(たとえば、残り「7:77」で変化するなど)を設けてもよい。
図6に示す第1〜第4のいずれのスーパーリーチでもタイマー変化演出が実行される場合を示した。しかし、タイマー変化演出は、特定のスーパーリーチのみ実行されるようにしてもよい。たとえば、タイマー変化演出は、大当り期待度の高い第4スーパーリーチのみ実行されるようにしてもよい。
時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマー表示920について説明した。しかし、タイマー表示920は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
タイマー変化演出が実行される場合に、タイマー表示920の開始時の秒数が異なる場合を示した。しかし、タイマー表示920の表示態様が異なることについて、表示される秒数が異なるのではなく、タイマー表示920の大きさが異なること、タイマー表示920の色が異なること、タイマー表示920の形(枠の形など)が異なることのいずれか、または、その組合せであってもよい。
図42(e),(f)に示すように、示唆表示910としてのボール画像911が直接アクティブ表示AHに当たりアクティブ表示AHが変化する場合を示した。しかし、キャラクタから投げられたボール画像911が一旦演出表示装置9の画面上で拡大されて表示された後に、アクティブ表示AHに当たる(作用する)ような演出が実行されてもよい。また、キャラクタから投げられたボール画像911がアクティブ表示AHに当たるときに、さらに、アクティブ表示の表示態様が変化するようにしてもよい。たとえば、黄色のボール画像911がアクティブ表示AHに当たることで、アクティブ表示AHの表示態様が赤色にさらに変化してもよい。
図45に示すようにタイマー変化演出の実行時間が長い程、大当り期待度が高くなるようにデータが設定されていた。しかし、タイマー変化演出の実行期間は、大当り期待度に関わらず一定にしてもよい(たとえば、常に10秒)。このような場合には、大当り期待度に応じてタイマー表示920の枠の色を変化させるなど、数字以外の部分で大当り期待度が異なるようにしてもよい。
図42の示唆表示910として示すキャラクタを複数種類設けてもよい。そして、キャラクタの違いにより、タイマー変化演出によりボール画像の変化する回数、タイマー表示920の秒数が異なるようにしてもよい。
タイマー変化演出中に表示されるタイマー表示920に関して次のような制御を実行してもよい。たとえば、タイマー変化演出の実行中にタイマー表示920のカウントダウンを数秒間停止する演出(以下、フリーズ演出と称する)を実行してもよい。フリーズ演出後は、タイマー表示920が再びカウントダウンするようにすればよい。また、フリーズ演出を経由する場合とフリーズ演出を経由しない場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。
タイマー変化演出中に表示されるタイマー表示920に関して次のような制御を実行してもよい。たとえば、タイマー変化演出で実行されるタイマー表示920が0秒を示す値となったときに、タイマー表示920の値が増加する特別パターンを設けてもよい。また、このような特別パターンは複数回実行されるようにしてもよい。また、特別パターンが実行される毎に、タイマー変化演出により、ボール画像911の色が変化するようにしてもよい。
変動表示中に実行されている他の演出の種類により、タイマー変化演出が実行される位置を変更するようにしてもよい。たとえば、第1の演出が実行されている場合には、演出表示装置9の右上の位置でタイマー変化演出を実行し、第2の演出が実行されている場合には演出表示装置9の左下の位置でタイマー変化演出を実行してもよい。また、演出の種類によりタイマー変化演出が実行される位置を変えるのではなく、タイマー変化演出として表示される示唆表示910の大きさを変えるようにしてもよい。
タイマー変化演出におけるタイマー表示920の表示態様を0秒となるまでに変化させてもよい。たとえば、10秒からカウントダウンが開始され、変化タイミングの7秒でタイマー表示920の数字や枠の色を変化させてもよい。また、このときの色は、ボール画像911の変化の色に対応させてもよい。
図42に示すうようにタイマー変化演出としてキャラクタがお手玉をして1つのボール画像911を変化させる演出を示した。このような、ボール画像911は1つではなく複数個表示されるようにしてもよい。また、複数のボール画像911のうち、少なくとも1個以上のボール画像911がタイマー変化演出の実行中に変化するようにしてもよい。たとえば、ボール画像911を2個用いてキャラクタがお手玉をする場合、タイマー変化演出中に一方のボール画像911を青色から緑色に変化させ、他方のボール画像911は青色から赤色に変化させるようにしてもよい。そして、タイマー表示920が0秒となったときに、キャラクタがこれらのボール画像911のうちのいずれかをアクティブ表示AHに向けて投げるようにしてもよい。このようにすれば、最終的にアクティブ表示AHの表示態様がどのような表示態様になるかが分からないので、遊技者をタイマー変化演出に注目させることができる。また、大当り期待度が高い場合には、タイマー変化演出において表示されるボール画像911の数が多くなるようにしてもよい。また、1個目のボール画像911によりアクティブ表示AHの表示態様が変化した後に、2個目のボール画像911をキャラクタが再度アクティブ表示AHに向けて投げることにより、より期待度の高い表示態様へとアクティブ表示AHが変化するようにしてもよい。
遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本実施例に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、タイマー変化演出が実行されるようにすればよい。スロットマシンでタイマー変化演出を実行する場合には、所定の抽選対象役に当選したときに保留表示を表示すればよい。そして、次のゲームにおいて保留表示をアクティブ表示領域に移動させ、当該ゲームにおいて、遊技者にとって有利となる有利状態(たとえば、遊技者にとって有利な操作手順を報知するAT)に当選したときに、タイマー変化演出を実行すればよい。また、このような場合のタイマー変化演出では、遊技の進行を遅延させる遅延制御とともに実行するようにしてもよい。遅延制御中に所定期間タイマー表示を表示し、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、アクティブ表示の表示態様を変更するようにしてもよい。
以上、変形例2では、アクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化するタイミングをタイマーにて示唆するアクティブ保留変化演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該アクティブ保留変化演出中においても減速制御を実行してもよい。尚、変形例2に示すアクティブ保留変化演出中に減速制御を実行する場合は、タイマーの更新速度を減速制御の実行中と非実行中とで変化させる、つまり、減速制御の実行中のタイマーの更新速度を減速制御の非実行中よりも遅くしてもよい。更に、タイマーの更新速度は、減速制御の実行中と非実行中とで一定とする、つまり、減速制御が実行中であるか否かにかかわらずタイマーを同一速度で更新してもよい。尚、減速制御が実行中であるか否かにかかわらずタイマーを同一速度で更新する場合は、減速期間の長さを考慮してタイマーの初期値を表示し、演出の進行に応じて該タイマーの値を更新していけばよい。
また、変形例2では、アクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化するタイミングをタイマーに表示する残り時間にて示唆する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化するタイミングは、例えば、爆弾の導火線や砂時計における残りの砂の量等、残り時間以外の態様にて示唆してもよい。
図24に示したアクティブ保留変化演出は、演出開始位置を予め定めた位置A〜Cの中から遊技者が選択可能なものとした。しかし、操作手段の操作によって、遊技者が自由にその位置を選択可能な構成としてもよい。
図24に示したアクティブ保留変化演出は、アクティブ表示の変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出を保留表示の変化に関わる保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図24を参照して、キャラクタ930はアクティブ表示AHに向けてボールを投げるのではなく、いずれかの保留表示Hに向けてボールを投げる演出とする。いずれの保留表示Hを対象とし、どのタイミングで演出を開始するかは任意であるが、たとえば、保留変化演出の制御に用いる演出実行タイミング決定テーブル(図21)を用いて、それらを決定してもよい。ただし、保留表示Hの場所に応じて、位置A〜Cとの距離が異なってしまう。いずれの保留表示Hが対象とされた場合であっても保留表示と位置A〜Cとの距離関係を共通にするためには、対象とされた保留表示Hの位置に応じて、位置A〜Cの位置をずらすようにしてもよい。
図24に示したアクティブ保留変化演出は、成功パターンとなったときにはアクティブ表示の色が“最終色”に成り上がるか、若しくは大当り期待度が成り上がりの色の中で最も低い1段階目の色(青)に成り上がるかのいずれかである。しかし、そのような1段階目の色に代えて、2段階目の色(緑)に成り上がるようにしてもよく、1段階目または2段階目のいずれかの色に成り上がるようにしてもよい。ただし、“最終色”が元々、1段階目の色に決定されているときには、2段階目の色に成り上がらないように規制する必要がある。
図42に示したタイマー変化演出は、アクティブ保留変化演出の変形例2である。しかしながら、このような演出を保留表示の変化に関わる保留変化演出に流用してもよい。具体的には、保留表示Hに対して、図42のタイマー表示920を用いたタイマー変化演出が実行されるようにしてもよい。つまり、先読み演出としてタイマー変化演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマー変化演出が実行されるまでに実行される変動表示がタイマー変化演出を実行することのできる変動時間であるか否かを判定し、タイマー変化演出を実行できる変動時間であれば、タイマー変化演出を実行すればよい。そして、タイマー変化演出により、アクティブ表示AHではなく、保留表示Hが変化するようにしてもよい。
本実施例においては、保留表示あるいはアクティブ表示に向かって投げられたボールは、必ず対象の保留表示あるいはアクティブ表示にぶつかる演出とした。しかし、投げ放たれたボールが対象の保留表示あるいはアクティブ表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。たとえば、途中で横風に煽られて、ボールが上手く対象の保留表示あるいはアクティブ表示にあたらずに通過していくような失敗パターンに代えること、あるいは、そのような失敗パターンをさらに追加することが考えられる。
パチンコ遊技機1は、特定演出として、これまでに説明した保留変化演出およびアクティブ保留変化演出のうちの一方のみを採用したものとしてもよいし、双方を採用したものとしてもよい。また、保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。同様に、アクティブ保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。
本実施例では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
本実施例では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびLEDドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(LED、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
本実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やLEDドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とLEDドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/LED基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、LEDドライバ基板35、音/LED基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やLED制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本実施例における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、LEDドライバ基板35または音/LED基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、本実施例で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、LEDドライバ基板35、または、音/LED基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
本実施例では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
本実施例は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。本実施例を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本実施例として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
本実施例では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
本実施例では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
本実施例では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
図32は、演出制御メイン処理における下皿エラー検出処理を示すフローチャートである。下皿エラー検出処理において、演出制御用CPU101は、先ず、下皿エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する(S1041)。下皿エラー報知フラグがセットされていない場合(S1041;N)は、下皿エラーの検出が有るか否か、つまり、下皿センサ130によって下皿4に遊技球が所定球数貯留されたことが検出されたか否かを判定する(S1042)。下皿エラーの検出が有る場合(S1042;Y)は、下皿エラー報知フラグをセットするとともに(S1043)、枠LED28の点灯を開始して下皿エラー検出処理を終了する(S1004)。尚、下皿エラーの検出が無い場合(S1042;N)は、S1043及びS1044の処理を実行せずに下皿エラー検出処理を終了する。
一方、S1041において下皿エラー検出フラグがセットされている場合(S1041;Y)、演出制御用CPU101は、下皿エラーの検出が有るか否かを判定する(S1045)。下皿エラーの検出が無い場合(S1045;N)、つまり、下皿4内から遊技球が取り除かれた場合は、下皿エラー報知フラグをクリアするとともに(S1046)、枠LED28を消灯して下皿エラー検出処理を終了する(S1047)。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、図32に示すように、演出制御用CPU101は下皿エラーを検出可能となっており、該下皿エラーが検出された場合は、枠LED28の点灯により該下皿エラーの発生を報知可能となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU101は、下皿エラー以外のエラーを検出可能となっていてもよい。尚、このように、演出制御用CPU101が下皿エラーを含む複数のエラーを検出可能とする場合は、検出されたエラーに応じて枠LED28の点灯態様を異ならせるようにしてもよいし、パチンコ遊技機1に複数のLEDを設け、検出されたエラーに応じて点灯させるLEDを異ならせるようにしてもよい。更に、演出制御用CPU101は、エラーを検出したことに基づいて、スピーカ27からの音出力や演出表示装置9における画像の表示によってエラーが検出された旨を報知してもよい。
以上のように、本実施例では、CPU56が特別図柄変動中処理(S303)を実行することに応じて、演出制御用CPU101によって演出図柄変動中処理(S802)が実行され、演出表示装置9における画像の表示制御やスピーカ27からの音声制御、枠LED28の発光制御等が実行される。
ここで、図30に示すように、CPU56は、特別図柄変動処理を実行することで、特別図柄の変動表示として、周期T1にて第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの点灯と消灯とを繰り返し実行する。尚、この周期T1での第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの点灯と消灯と繰り返しは、変動パターン毎に設定されている特別図柄の変動時間が経過するまで継続される。
一方で、演出制御用CPU101は、演出図柄変動中処理を実行することで、変動表示中且つ減速制御の非実行中は、周期T1よりも長い周期である周期T2にて枠LED28の点灯と消灯とを繰り返し実行し、変動表示中且つ減速制御の実行中は、周期T2よりも更に長い周期である周期T3にて枠LED28の点灯と消灯とを繰り返し実行する。
つまり、本実施例における第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bは、変動表示中に減速制御が実行されているか否かにかかわらず、変動表示が終了するまで周期T1にて点灯と消灯とを繰り返し実行し、枠LED28は、変動表示中における減速制御の実行中と非実行中とで変化するようになっている。このため、特別図柄の変動表示態様が減速制御の実行期間中に変化し、該減速制御中に特別図柄の変動表示が遊技者に認識されなくなってしまうことを防ぐことができる。
更に、本実施例における枠LED28は、下皿エラーが発生すると、減速制御が実行されているか否かにかかわらず、下皿エラーが検出されなくなるまで継続して点灯される。このため、遊技者は、減速制御が実行されているか否かにかかわらず枠LED28の点灯によって下皿エラーが発生していることを認識することができる。
図33及び図34は、演出制御メイン処理における遊技者設定処理(S709)を示すフローチャートである。遊技者設定処理において演出制御用CPU101は、先ず、後述する音量メータの表示中であるか否かを判定する(S1051)。音量メータの表示中である場合(S1051;Y)はS1085に進み、音量メータの表示中でない場合(S1051;N)は、後述する光量メータの表示中であるか否かを判定する(S1052)。光量メータの表示中である場合(S1052;Y)はS1088に進み、光量メータの表示中でない場合(S1052;N)は、後述するサンプル音の出力中であるか否かを判定する(S1053)。サンプル音の出力中である場合(S1053;Y)はS1065に進み、サンプル音の出力中でない場合(S1053;N)は、後述するサンプル光の出力中であるか否かを判定する(S1054)。サンプル光の出力中である場合(S1054;Y)はS1072に進み、サンプル光の出力中でない場合(S1054;N)は、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値であるか否か、つまり、変動表示が実行されておらず且つ大当り遊技中でもないか否かを判定する(S1055)。
演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値でない場合(S1055;N)はS1081に進み、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値である場合(S1055;Y)は、演出表示装置9において音量・光量調整画面を表示中であるか否かを判定する(S1056)。尚、詳細は後述するが、音量・光量調整画面は、変動表示が実行されておらず且つ大当り遊技中出ない場合に、演出制御用CPU101がトリガボタン125やプッシュボタン120の操作を受け付けたことに基づいて演出表示装置9に表示させることが可能な画面である。
音量・光量調整画面の表示中である場合(S1056;Y)はS1059に進み、音量・光量調整画面の表示中でない場合(S1056;N)は、音量・光量調整画面の呼び出し操作、つまり、トリガボタン125やプッシュボタン120の操作を受け付けたか否かを判定する(S1057)。音量・光量調整画面の呼び出し操作を受け付けた場合(S1057;Y)は、演出表示装置9における音量光量調整画面の表示を開始して遊技者設定処理を終了し(S1058)、音量・光量調整画面の呼び出し操作を受け付けていない場合(S1057;N)は、S1058を実行せずに遊技者設定処理を終了する。
尚、図35に示すように、本実施例における音量・光量調整画面は、スピーカ27から出力される音量を2〜14の設定値の範囲で操作桿によって選択可能なダイアログ5HHと、枠LED28から出力される光量(輝度)を45%、60%、75%、100%から操作桿によって選択可能なダイアログ5HLと、が表示さる。
また、S1059において演出制御用CPU101は、音量・光量調整画面の表示中において操作桿の操作による音量の変更操作を受け付けたか否かを判定する。音量の変更操作を受け付けていない場合(S1059;N)はS1066に進み、音量の変更操作を受け付けた場合(S1059;Y)は、受け付けた音量の変更操作に応じて音量・光量調整画面の表示を更新する(S1060)。また、演出制御用CPU101は、操作桿の操作(傾動操作)により変更先の音量が選択された後にプッシュボタン120の操作が行われたか否かを判定することで、音量の設定操作を受け付ける音量変更操作処理を実行し(S1061)、該音量変更操作処理において決定操作が受け付けられたか否かを判定する(S1062)。
音量変更操作処理において決定操作が受け付けられていない場合(S1062;N)は遊技者設定処理を終了し、音量変更操作処理において決定操作が受け付けられている場合(S1062;Y)は、音量をS1061の処理で設定した選択数値(設定値)に特定し(S1063)、該特定した選択数値(設定値)を音量として更新する(S1064)。そして、スピーカ27からS1064の処理において更新した音量にてサンプル音を出力するためのサンプル音出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する(S1065)。
また、S1066において演出制御用CPU101は、音量・光量調整画面の表示中において操作桿の操作による光量の変更操作を受け付けたか否かを判定する。光量の変更操作を受け付けていない場合(S1066;N)は遊技者設定処理を終了し、光量の変更操作を受け付けた場合(S1066;Y)は、受け付けた光量の変更操作に応じて音量・光量調整画面の表示を更新する(S1067)。また、演出制御用CPU101は、操作桿の操作(傾動操作)により変更先の光量が選択された後にプッシュボタン120の操作が行われたか否かを判定することで、光量の設定操作を受け付ける光量変更操作処理を実行し(S1068)、該光量変更操作処理において決定操作が受け付けられたか否かを判定する(S1069)。
光量変更操作処理において決定操作が受け付けられていない場合(S1069;N)は遊技者設定処理を終了し、光量変更操作処理において決定操作が受け付けられている場合(S1069;Y)は、光量をS1068の処理で設定した選択数値(設定値)に特定し(S1070)、該特定した選択数値(設定値)を光量として更新する(S1071)。そして、枠LED28からS1071の処理において更新した光量にてサンプル光を出力するためのサンプル光出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する(S1072)。
また、S1081において演出制御用CPU101は、変動表示中または大当り遊技中において、音量・光量変更ボタン50の操作を受け付けたか否かを判定する。音量・光量変更ボタンの操作を受け付けていない場合(S1081;N)は遊技者設定処理を終了し、音量・光量変更ボタン50の操作を受け付けた場合(S1081;Y)は、該受け付けた操作が音量の変更操作であるか否か、つまり、音量・光量変更ボタン50の上端部または下端部が操作されたか否かを判定する(S1082)。つまり、本実施例では、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更するために遊技者等が操作する操作手段と、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更するために遊技者等が操作する操作手段とが異なっているため、操作演出の実行期間中等に遊技者が操作桿やプッシュボタン120、トリガボタン125等を操作することにより演出表示装置9に音量・光量調整画面が表示される等の誤った制御が実行されることが防止されている。
受け付けた操作が音量の変更操作である場合(S1082;Y)は、音量を受け付けた音量の変更操作に基づく選択数値(設定値)に特定し(S1083)、該特定した選択数値(設定値)を音量として更新する(S1084)。そして、演出表示装置9における所定位置(例えば、図36(A)に示すように、演出表示装置9における右上部)にS1084の処理において更新した音量に応じた音量メータを表示するための音量メータ表示処理を実行する(S1085)。S1085を実行した後は、サンプル音出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する。
尚、特に図示しないが、演出表示装置9に音量メータが表示されていない状態で音量メータ表示処理を実行する場合(つまり、S1084の次に音量メータ表示処理を実行する場合)は、更新した音量に応じた音量メータの表示を演出表示装置9において開始するとともに、音量メータを演出表示装置9に表示する期間を示す音量メータ表示期間カウンタをセットする。また、S1051の処理の次に音量メータ表示処理を実行する場合、つまり、音量メータの表示中である場合は、該音量メータ表示処理を実行する毎に音量メータ表示期間カウンタの値を減算していき、該音量メータ表示期間カウンタの値が0となったこと(音量メータ表示期間カウンタがタイマアウトしたこと)に基づいて演出表示装置9における音量メータの表示を終了すればよい。
また、特に図示しないが、サンプル音の出力が開始されていない状態でサンプル音出力処理(S1065)を実行する場合は、スピーカ27からサンプル音を出力するための音声制御実行データが各サンプル音出力用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されているサンプル音出力用プロセステーブルを選択するとともに、該選択したサンプル音出力用プロセステーブルのサンプル音出力用プロセスデータ1におけるサンプル音出力用プロセスタイマをスタートさせることでスピーカ27から更新した音量にてサンプル音の出力を開始する。また、サンプル音の出力中にサンプル音出力処理を実行する場合は、サンプル音出力用プロセスタイマの値を減算していき、サンプル音出力用プロセスタイマの値に応じて更新した音量にてスピーカ27からサンプル音の出力を実行すればよい。
S1082において、受け付けた操作が光量の変更操作である場合(S1082;N)は、光量を受け付けた光量の変更操作に基づく選択数値(設定値)に特定し(S1086)、該特定した選択数値(設定値)を光量として更新する(S1087)。そして、演出表示装置9における所定位置(例えば、図36(B)に示すように、演出表示装置9における右上部)にS1087の処理において更新した光量に応じた光量メータを表示するための光量メータ表示処理を実行する(S1088)。S1088を実行した後は、サンプル光出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する。
以上のように、本実施例では、S1064の処理やS1084の処理が実行された時点から、遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作によって変更された音量にてスピーカ27から音が出力され、S1071の処理やS1087の処理が実行された時点から、遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作によって変更された光量にて枠LED28から光が出力される。つまり、減速制御の実行中に音量や光量が変更された場合は、該減速制御が実行されている保留変化演出から、スピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量が変化する。
尚、特に図示しないが、演出表示装置9に光量メータが表示されていない状態で光量メータ表示処理を実行する場合(つまり、S1088の次に光量メータ表示処理を実行する場合)は、更新した光量に応じた光量メータの表示を演出表示装置9において開始するとともに、光量メータを演出表示装置9に表示する期間を示す光量メータ表示期間カウンタをセットする。また、S1052の処理の次に光量メータ表示処理を実行する場合、つまり、光量メータの表示中である場合は、該光量メータ表示処理を実行する毎に光量メータ表示期間カウンタの値を減算していき、該光量メータ表示期間カウンタの値が0となったこと(光量メータ表示期間カウンタがタイマアウトしたこと)に基づいて演出表示装置9における光量メータの表示を終了すればよい。
以上ように、本実施例では変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合と、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合とで演出表示装置9に表示する画像(図35に示す音量・光量調整画面と図36(A)及び図36(B)に示す音量メータ・光量メータ)が異なっている。具体的には、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合は、図35に示すように、演出表示装置9の表示領域の全領域を用いて音量・光量調整画面を表示する一方で、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合は、図36(A)及び図36(B)に示すように、演出表示装置9の右上部の領域のみを用いて音量メータや光量メータを表示する。
このように、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合は、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合よりも演出表示装置9における小さい表示領域において音量メータや光量メータのみを表示することによって、演出表示装置9に表示されている演出図柄や大当り遊技中の演出等の視認性の低下を抑えることができる。更に、変動表示の実行中や大当り遊技中は、演出表示装置9における演出画像の表示やスピーカ27からの音出力、枠LED28の発光等により変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときよりも演出制御用CPU101に高い処理負荷がかかっているため、音量や光量の変更により演出表示装置9に音量メータや光量メータのみを表示することにより、演出制御用CPU101にかかる更なる処理負荷を抑えることができる。
尚、図33及び図34に示すように、枠LED28は演出制御用CPU101によって制御されているため、演出制御用CPU101が遊技者設定処理を実行することによって枠LED28から出力される光の光量を変更可能となっているが、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41等は、CPU56によって制御されているため、演出制御用CPU101が遊技者設定処理を実行したとしても光量の変更は不可能となっている。
以上のように、本実施例における遊技者設定処理においては、減速制御が実行されているか否かにかかわらず、1の態様のみでサンプル音の出力やサンプル光の出力を実行する。更には、減速制御が実行されているか否かにかかわらず、1の態様のみで音量メータや光量メータの表示の更新(音量メータや光量メータの表示開始または表示終了)や、音量・光量調整画面の表示の更新を実行する。
具体的には、図37(A)〜図37(C)に示すように、演出制御用CPU101は、スピーカ27から出力される音の音量が変更されると、変動表示中において減速制御が実行されているか否か、及び変動表示中であるか否かを問わず一連のサンプル音を期間T4に亘って出力する。つまり、本実施例におけるサンプル音は、変動表示や減速制御を実行しているか否かにかかわらず、必ず一定の速度(即ち、一定の再生速度)でスピーカ27から出力されるようになっている。
また、図38(A)〜図38(C)に示すように、演出制御用CPU101は、枠LED28から出力される光の光量が変更されると、変動表示中において減速制御が実行されているか否か、及び変動表示中であるか否かを問わず一連のサンプル光を期間T5に亘って出力する。つまり、本実施例におけるサンプル光は、変動表示や減速制御を実行しているか否かにかかわらず、必ず一定の期間T5にて出力される。
更に、図39(A)〜図39(B)に示すように、演出制御用CPU101は、音量・光量変更ボタン50の操作によって音量や光量が変更されると、変動表示中において減速制御が実行されているか否かを問わず、本実施例における演出制御の起動間隔である2msにて演出表示装置9における音量メータや光量メータの表示の更新(音量メータや光量メータの表示開始または表示終了)を実行する。尚、本実施例では、図39(C)に示すように、演出制御用CPU101は、減速制御が実行されることのない変動表示の非実行時にて操作桿やプッシュボタン120が操作された場合においても、本実施例における演出制御の起動間隔である2msにて音量・光量調整画面の表示の更新(音量・光量調整画面の表示の開始や終了、操作桿の操作に応じたダイアログ5HHやダイアログ5HL内の表示の更新)を実行する。
また、本実施例では、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合は、遊技者等がプッシュボタン120を操作することによって演出表示装置9に音量・光量調整画面を表示させた上で操作桿の操作により音量や光量を変更先の値に選択し、更にプッシュボタン120の操作により音量や光量を変更先の値に更新するようになっているが、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合は、遊技者等が音量・光量変更ボタン50を操作することによって、該音量・光量変更ボタン50の操作に応じて即座に音量や光量が更新されるため、遊技者は、遊技興趣の低下を抑えつつ音量や光量を変更することができる。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、保留変化演出の実行中は、減速制御の実行中と非実行中とで該保留変化演出を異なる速度にて実行可能である一方で、スピーカ27からのサンプル音の出力や枠LEDからのサンプル光の出力、演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の更新は、減速制御の実行中・非実行中を問わず一定の速度で実行するので、減速制御の実行中と非実行中とでスピーカ27からのサンプル音の出力や枠LEDからのサンプル光の出力、演出表示装置9における音量メータや光量メータ及び音量・光量調整画面の更新の速度が変化することにより遊技者の意図しない音量や光量の変更が行われてしまうことを防ぐことができる。
特に、本実施例では、遊技者による操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50等の操作等に応じて、演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の更新が減速制御の実行中・非実行中を問わず一定の速度で実行されるので、音量や光量に対応した適切な音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面を演出表示装置9において表示できる。
尚、本実施例では、遊技者による操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50等の操作に応じて、演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の表示を更新する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者の動作を非接触で検出可能なモーションセンサ等の検出手段を設け、該検出手段での検出結果に基づいて演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の表示を更新してもよい。
また、本実施例では、遊技者等による操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作を受け付けたことに基づいてスピーカ27から出力される音の音量や枠LEDから出力される光の光量を更新した場合、該更新した音量や光量にてサンプル音やサンプル光の出力を実行可能となっており、これらサンプル音やサンプル光は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず共通(同一)の態様にて出力されるようになっているので、減速制御の実行中と非実行中とでこれらサンプル音やサンプル光の態様が異なることで、出力されている音や光がサンプル音やサンプル光ではないと遊技者に誤認されてしまうことを防ぐことができる。
尚、本発明におけるサンプル音の「態様」とは、実行速度(再生速度)や音程、音量が変更されてからサンプル音の出力が開始されるまでの期間、サンプル音の出力期間等が含まれる。また、本発明におけるサンプル光の「態様」とは、実行速度や発光パターン、光量が変更されてからサンプル光の出力が開始されるまでの期間、サンプル光の出力期間等が含まれる。
また、本実施例では、演出制御用CPU101が下皿エラーを検出可能となっており、該下皿エラーの検出中であっても遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量を変更可能となっているので、音量や光量の変更に関する遊技者の利便性が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、減速制御の実行中に遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量が変更された場合、該減速制御を実行している保留変化演出中からスピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変化させることができるので、保留変化演出の興趣を向上できる。
尚、本実施例では、減速制御の実行中に遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量が変更された場合、該減速制御を実行している保留変化演出中からスピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御の実行中に遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量が変更された場合は、減速制御が終了してから、または、減速制御が実行されている保留変化演出の終了後からスピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変化させてもよい。
また、本実施例では、保留変化演出として保留表示THの表示態様を変化させるパターンと、保留表示THの表示態様を変化させないパターンとを実行可能であるとともに、保留表示THの表示態様を変化させるパターンと、保留表示THの表示態様を変化させないパターンとで、共通のタイミングで保留表示THに作用するカラーボール931の演出速度を減速させる減速制御を実行可能となっているので、保留表示THに作用するカラーボール931に変化を与えることによって遊技の興趣を向上できる。
また、図30に示すように、本実施例では、保留表示Hやアクティブ表示AHは、減速制御が実行される保留変化演出とは異なり、減速制御が実行されているか否かにかかわらず表示速度が一定であるため、これら保留表示Hやアクティブ表示AHが保留変化演出に関する表示であると誤認されてしまうことを防ぐことができる。更に、本実施例における保留表示Hやアクティブ表示AHは、減速制御が実行されているか否かにかかわらず一定速度での回転表示であるため、これら保留表示Hやアクティブ表示AHが保留変化演出に関する表示であると誤認されてしまうことを、より一層防ぐことができる。
また、本実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に入賞音を出力可能となっているとともに、該入賞音は、減速制御が実行されているか否かにかかわらず一定の速度(再生速度)にてスピーカ27から出力されるので、遊技者は、入賞音が出力されることによってアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始されたことを適切に認識できる。
尚、本実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に、減速制御が実行されているか否かにかかわらず入賞音を一定の速度(再生速度)にてスピーカ27から出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入賞音は、減速制御が実行されているか否かに応じてスピーカ27から出力される速度(再生速度)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例の枠LED28は、減速制御の実行中と非実行中とで異なる周期、すなわち異なるパターンにて点灯可能となっているので、枠LED28は減速制御中の保留変化演出の速度に対応して点灯し、該保留変化演出の演出効果を高めることができる。
また、本実施例における枠LED28は、減速制御の実行中であるか否かに応じて発光周期、すなわち発光パターンが変化する一方で、特別図柄の変動表示として点灯・消灯を繰り返す第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bは、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず常に一定の周期、すなわち一定の発光パターンにて点灯するので、特別図柄の変動表示が、減速制御の実行中に遊技者から適切に認識されなくなってしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず常に一定の周期で点灯する第1発光手段として第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光手段は、CPU56の制御によって減速制御の実行中であるか否かにかかわらず発光する第1特別図柄保留記憶表示器18aや第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41であってもよい。
尚、本実施例の枠LED28は、減速制御の実行中と非実行中とで異なる周期で点灯とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、枠LED28は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず一定の周期で点灯してもよい。
また、本実施例では遊技者等が操作桿やプッシュボタン120,音量・光量変更ボタン50を操作することによって、枠LED28の光量を遊技者が変更することができる一方で、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの光量を遊技者が変更することは不能となっているので、これら第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの光量が遊技者等によって変更されることにより、特別図柄の変動表示が遊技者に適切に認識されなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例の第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bは、下皿エラーが検出されたときは、該下皿エラーが検出されていないときと同一の周期T1にて点灯する一方で、枠LED28は、下皿エラーが検出されたときは、該下皿エラーが検出されていないときとは異なるパターンにて点灯(下皿エラーが解除されるまで点灯継続)するので、特別図柄の変動中に下皿エラーが発生したときにおいても、遊技者は第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの点灯によって特別図柄が変動表示中であることを把握することができるとともに、枠LED28の点灯によって下皿エラーが発生していることも把握できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、変動表示の実行中に遊技者等によって音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず音量や光量の更新に応じた音量メータや光量メータを演出表示装置9に表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例3として、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、音量や光量の更新を実行する一方で、演出表示装置9においてこれら音量や光量の更新に応じた音量メータや光量メータを表示しないようにしてもよい。このようにすることで、保留変化演出中に減速制御が実行されているにもかかわらず、音量メータや光量メータの更新速度とは異なる速度で保留変化演出が実行されることにより遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、前記実施例では、変動表示の実行中に遊技者等によって音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず該音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて変更された音量や光量にてサンプル音やサンプル光の出力を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例4として、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、該音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて変更された音量や光量でのサンプル音やサンプル光の出力を実行しないようにしてもよい。このようにすることで、減速制御の実行中にサンプル音やサンプル光が出力されることによって遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、本変形例4では、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合におけるサンプル音の出力を制限する例として、サンプル音を出力しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合におけるサンプル音の出力を制限する形態としては、サンプル音を最低音量や音量「0」で出力するもの、サンプル音の出力音量を減速制御中の演出音よりも小さくするものであってもよい。
更に、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、該減速制御中にサンプル音やサンプル光の出力が実行されない一方で、該減速制御中からスピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量が変更されるようにしてもよい。
更に、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、該減速制御中にサンプル音やサンプル光の出力が実行されない一方で、減速制御の終了後からスピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量が変更されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず、アクティブ表示AHや保留表示Hの視認性については特に変化させない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例5として、減速制御の実行中におけるアクティブ表示AHや保留表示Hの視認性を減速制御の非実行中とは異ならせることで、保留変化演出において減速制御の実行中であることを遊技者に対して認識させ易くしてもよい。
尚、本発明における「視認性と異なる」ことには、表示されるアクティブ表示AHや保留表示Hのコントラストや透明度等が異なることによって遊技者による視認のし易さが異なることだけではなく、一方の期間においてアクティブ表示AHや保留表示Hを表示しない態様とすることで、遊技者による視認を困難とすることも含まれる。
また、前記実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に、減速制御が実行されているか否かにかかわらず入賞音を一定の速度(再生速度)にてスピーカ27から出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例6として、減速制御の実行中に始動入賞が発生した場合には、入賞音の出力を制限することによって減速制御中の保留変化演出の演出効果が低下してしまうことを防いでもよい。
また、前記実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に、特別演出として入賞音を出力する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に実行する演出は、入賞音の出力以外の演出(例えば、演出表示装置9に特定の画像を表示させる演出や、枠LED28を発光させる演出等)であってもよい。
また、前記実施例では、保留変化演出中に減速制御を実行して変化対象のアクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御を実行する演出は、演出図柄の変動表示や特定のリーチ演出、大当り遊技中の演出等、保留変化演出以外の演出であってもよい。このように、保留変化演出以外の演出において減速制御を実行する場合は、変形例7として、減速制御の実行中に保留変化対象となっているアクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様の変化を制限することで、遊技者がアクティブ表示AHや保留表示Hに注目してしまうことにより減速制御を実行している演出効果が低下してしまうことを防いでもよい。
また、前記実施例では、変動表示中の演出として保留変化演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示中の演出としては、当該変動表示が大当りとなることを予告する変動中予告演出や、保留記憶内に変動表示結果が大当りとなることを予告する先読み予告演出等、保留変化演出以外の演出を実行してもよい。このように、変動表示中に保留変化演出を含む複数の演出を実行可能とする場合は、変形例8として、いずれの演出の実行中においても第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを一定のパターンにて点灯させる一方で、枠LED28を演出毎の点灯パターンにて点灯させることで、各演出効果を高めてもよい。
また、前記実施例では、減速制御の実行中は枠LED28から光を出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御の実行中において枠LED28から光を出力しない場合を設けてもよい。このように減速制御の実行中において枠LED28から光を出力しない場合を設ける場合は、変形例9として、保留記憶数に応じて減速制御の実行中において枠LED28のから光を出力する割合を異ならせ、遊技興趣を向上させてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU101に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU101に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU101の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りとして、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短い大当りを設け、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、このように突確大当りを設ける場合には、該確変大当りの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、遊技に関する演出(例えば、保留変化演出)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用CPU101が先読み予告処理を実行した後に演出図柄変動中処理を実行する部分)と、遊技者の動作(例えば、操作桿やプッシュボタン120、トリガボタン125、音量・光量変更ボタン50の操作)に基づいて、演出に関する設定を行う設定手段(例えば、演出制御用CPU101が図33に示す遊技者設定処理を実行する部分)と、を備え、前記演出実行手段は、第1期間(例えば、減速制御の非実行時)と該第1期間と異なる第2期間(例えば、減速制御の実行時)とで、異なる進行速度にて演出を実行可能であり(例えば、図17に示すように、減速制御の実行時は減速制御の非実行時よりも遅い速度(スローモーション)にて保留変化演出が実行される部分)、前記設定手段における設定に関する速度は、前記第1期間と前記第2期間とで変わらず(例えば、図37〜図39に示すように、音量が変更された際にスピーカ27から出力される一連のサンプル音や光量が変更された際に枠LED28から出力される一連のサンプル光の出力が一定の期間にて終了する、つまり、一定の速度にて出力される部分)、さらに、遊技者が接触可能な位置(例えば、パチンコ遊技機901の下方位置)に、動作可能に設けられた可動体(例えば、操作レバー9031を有する操作モジュール90M)と、少なくとも前記可動体に関する異常報知を実行可能な異常報知手段(例えば、演出制御用CPU90120が、図66に示すサブ側エラー処理を行う部分)と、を備え、前記可動体が第1状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しておらず、操作可能位置に位置している状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときと、前記可動体が前記第1状態とは異なる第2状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しており、操作可能位置から格納位置に変位中である状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときとで、前記異常報知手段による異常報知の態様が異なる(例えば、図68に示すように、遊技者によるレバー操作が継続していることによる操作レバーエラーのときには、演出表示装置905にエラー表示を表示するがエラー音を出力しない態様にてエラーを報知し、異物が挟まったこと等により操作レバー9031の変位が不能となった過負荷エラーのときには、演出表示装置5にエラー表示を表示するとともにエラー音を出力する態様にてエラーを報知する部分)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、遊技者の意図しない設定が行われてしまうことを防ぐことができる。また、可動体の状況に応じた異常報知を行うことができる。
また、上記遊技機において、異常報知に関する速度(例えば、表示の速度や音の再生速度)も、第1期間と第2期間とで変わらないようにしてもよい。このような構成によれば、好適に異常報知を行うことができる。
さらに、遊技者の意図しない設定が行われてしまうことを防ぐことができ、また、可動体の状況に応じた異常報知を行うことができる遊技機の形態の一例として、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、遊技者が接触可能な位置(例えば、パチンコ遊技機901の下方位置)に、動作可能に設けられた可動体(例えば、操作レバー9031を有する操作モジュール90M)と、少なくとも前記可動体に関する異常報知を実行可能な異常報知手段(例えば、演出制御用CPU90120が、図66に示すサブ側エラー処理を行う部分)と、を備え、前記可動体が第1状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しておらず、操作可能位置に位置している状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときと、前記可動体が前記第1状態とは異なる第2状態(例えば、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しており、操作可能位置から格納位置に変位中である状態)であるときに該可動体の動作が妨げられたときとで、前記異常報知手段による異常報知の態様が異なる(例えば、図68に示すように、遊技者によるレバー操作が継続していることによる操作レバーエラーのときには、演出表示装置905にエラー表示を表示するがエラー音を出力しない態様にてエラーを報知し、異物が挟まったこと等により操作レバー9031の変位が不能となった過負荷エラーのときには、演出表示装置5にエラー表示を表示するとともにエラー音を出力する態様にてエラーを報知する部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図50の手前側をパチンコ遊技機901の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、この実施例でパチンコ遊技機901の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機901を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS901」と記載する箇所を「S901」と略記する場合がある。また、この実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図50は、この実施例のパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機901(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤902(ゲージ盤)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠903(台枠)とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図50に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDで点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器904Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよいし、これら「00」〜「99」を示す各セグメントが、「00」〜「99」を視認不能にランダムに配置された表示器により変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤902の遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器904Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器904Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置905の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器904Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905R、又は、演出図柄表示エリア905L,905C,905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア905Lなど)にて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。
演出表示装置905の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。この実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とする。
尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア905D、第2保留記憶表示エリア905Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図50に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。
演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図51に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態にて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図51に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図51に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方位置には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図51に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図51に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置907の大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置907の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図50に示す例では、遊技領域の下方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器9020の側方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L,908Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、演出用LED909が設けられている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域下方の遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿(図示略)が設けられている。
また、上皿の下方位置には、遊技機の前方に膨出する膨出部9030が形成されており、該膨出部9030の上面には、遊技者が操作可能な操作レバー9031が上方側に突出可能に設けられている。操作レバー9031は、その上端面に、遊技者が押圧操作可能なプッシュボタン9031Aが設けられているとともに、膨出部9030の上面から突出した状態において、プッシュボタン9031Aが設けられている操作レバー9031の上端の略五角形状の把持部を遊技者側に引く傾倒操作が可能とされている。
ここで、図52を用いて、この実施例の操作レバー9031が突出する機構について簡潔に説明する。膨出部9030の内部には、図52に示すように、操作レバー9031を有する操作モジュール90Mが格納されている。尚、膨出部9030の上部には、プッシュボタン9031Aを有する把持部を収納可能な収納凹部9030’が形成されており、該収納凹部9030’に把持部が収納されている状態においては、プッシュボタン9031Aの操作のみが可能とされ、操作レバー9031の傾倒操作は不能とされている。
操作モジュール90Mは、該操作モジュール90Mを固定するための固定ベース部9029と、該固定ベース部9029に対し、その下端部が前後方向に揺動自在に連結された筒状の昇降ユニット9033と、昇降ユニット9033の上端面の中心位置から上方に向けて突出するように設けられ、プッシュボタン9031Aを有する操作レバー9031とから主に構成されている。
尚、操作レバー9031は、昇降ユニット9033内部に挿通された昇降アーム9032を有しており、該昇降アーム9032が昇降ユニット9033によって上昇・下降されることで、収納凹部9030’に把持部が格納された状態と、収納凹部9030’から把持部が突出した状態とに変位可能(出没可能)とされている。
昇降ユニット9033の下端部には、後述する演出制御基板9012に接続されて、該演出制御基板9012によって動作が制御されるレバー用モータ9036が内蔵されており、該レバー用モータ9036によって回転される回転軸9036’が昇降アーム9032の下端から昇降アーム9032の内部に挿通されている。尚、この実施例では、レバー用モータ9036としてステッピングモータが適用されている。
この実施例の回転軸9036’には螺旋状の溝部が形成されているとともに、昇降アーム9032には、該溝部と螺号する溝係合部が形成されており、回転軸9036’を正回転させることで、昇降アーム9032が上昇し、回転軸9036’を逆回転させることで、昇降アーム9032が下降するようになっている。
また、昇降ユニット9033の後方側には、図52に示すように、昇降ユニット9033の側面と膨出部9030の内部側面(背面)との間に略水平状にスプリング9039が架設されており、昇降ユニット9033並びに操作レバー9031が、非操作状態の所定位置(図52(A)に示す位置)に常に位置するように付勢されており、該スプリング9039の付勢に抗して傾倒操作された操作レバー9031の操作が終了された際(遊技者が手を離した場合)には、操作レバー9031がスプリング9039の付勢によって非操作状態の所定位置に戻るようになっている。
尚、収納凹部9030’には、昇降アーム9032が挿通される挿通孔部9034と、該挿通孔部9034を塞ぐように設けられた弾性部材から成るブーツが設けられており、ブーツによって挿通孔部9034が塞がれていることによって、遊技球やゴミ等が膨出部9030の内部に侵入することを防止できるようになっている。
また、昇降ユニット9033内部には、昇降アーム9032が最も下降した位置である原点位置の近傍に、昇降アーム9032が原点位置に位置しているか否かを検出するためのレバー原点検出センサ9038が設けられている。また、固定ベース部9029の内部には、操作レバー9031を前方に傾倒するレバー操作の有無を検出するためのレバー操作検出センサ9035Aが設けられており、操作レバー9031の内部には、プッシュボタン9031Aの操作を検出するためのプッシュセンサ9035Bが設けられており、これらの各センサは、後述する演出制御基板9012に接続されており、該演出制御基板9012に対して検出信号を出力可能とされている。
パチンコ遊技機901には、例えば、図51に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081,9082に伝送するソレノイド回路90111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R及び演出用LED909といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板9012は、演出表示装置905の表示動作や、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mの動作や、スピーカ908L,908Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED909などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。尚、中継基板9015を有しない構成としても良い。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ908L,908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED909などの点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図51に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図53は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図53に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器904Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器904Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/output port)90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板9011では、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR4´の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路90104にてカウントしない乱数値については、CPU90103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図54は、この実施例の変動パターンを示している。この実施例では、図54に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、この実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、この発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図54に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、この実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度(大当り信頼度)が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度(大当り信頼度)が高くなっている。また、この実施例では、大当りとなる場合に、必ずリーチ状態となってスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチのいずれかが実行されるようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、非リーチの変動パターンでも大当りとなる場合があるようにしてもよい。
図51に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図54に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図55は、ROM90101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、この発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
この実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1´と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、この実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(この実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(この実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM90101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3´に基づいて変動パターンを、前述した図54に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図56(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図56(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図56(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。
また、ROM90101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、この実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図51に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板からのバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存され、再度の電源投入にて、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータ等の遊技の進行状態を示すデータを引き継ぐようにすればよい。
このようなRAM90102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1´、乱数値MR2´、乱数値MR3´を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図51に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。
尚、演出制御基板9012の側でも、主基板9011と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mの動作を含む演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作や各可動体(第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M)を動作させるリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
尚、この実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられ、その時点の保留記憶の状況を特定可能な保留記憶バッファを構成するデータが記憶されており、該保留記憶バッファのデータに基づいて、第1保留記憶表示エリア905Dと第2保留記憶表示エリア905Uの保留表示が表示される。
演出制御基板9012には、可動体としての第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mが接続されており、該第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90Mの動作が演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)により制御される。
具体的には、図51に示すように、第1可動役物90300を駆動するための第1可動役物駆動モータ90303、第1可動役物90300が原点位置に位置しているか否かを検出するための第1可動役物原点検出センサ90316(フォトセンサ)、第2可動役物90400を駆動するための第2可動役物駆動モータ90411,90421、第2可動役物90400が原点位置に位置しているか否かを検出するための第2可動役物原点検出センサ90440A,90440B(フォトセンサ)、第3可動役物90500を駆動するための第3可動役物駆動モータ90520、操作モジュール90Mが有する操作レバー9031を動作させるためのレバー用モータ9036、操作レバー9031が原点位置に位置しているか否かを検出するためのレバー原点検出センサ9038(フォトセンサ)が接続されており、第1可動役物駆動モータ90303、第2可動役物駆動モータ90411,90421、第3可動役物駆動モータ90520、レバー用モータ9036の動作を制御することで、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M(操作レバー9031)の動作を、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)が個別に制御することが可能とされているとともに、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作レバー9031が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)が検知できるようになっている。
また、演出制御用CPU90120は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。演出制御用CPU90120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出(リーチ演出やスーパーリーチ演出等を含む)、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。そして演出制御用CPU90120は、これら予告演出を含む各種演出において、各可動体(第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M)を原点位置から演出位置や操作可能位置まで動作させる可動体演出を実行可能としている。
ここで、操作モジュール90M以外の可動体である第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500それぞれの構造について、簡単に説明する。
第1可動役物90300は、遊技盤902と該遊技盤902の背面側に設けられる演出表示装置905との間における演出表示装置905の下方位置に設けられ、所定箇所に固設されたベース部90301と、該ベース部に対し回動可能に設けられた第1可動部90302と、第1可動部90302が横向きに傾倒している第1退避位置(原点位置、初期位置)と、第1退避から離れた位置において第1可動部90302が縦向きに起立している第1演出位置と、の間で往復動作(揺動)させる第1可動役物駆動モータ90303と、を有する。尚、この実施例では、第1可動役物駆動モータ90303としてステッピングモータが適用されている。
ベース部90301には、回動軸90310を挿通可能な軸受孔が貫通して形成されているとともに、該軸受孔の周辺には、軸受孔を中心とする円弧形状をなすガイド溝が形成されている。ベース部90301の背面における軸受孔の右下方位置には第1可動役物駆動モータ90303が背面に固設されており、ベース部90301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤が固着されている。
回転盤の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材が突設されており、該軸部材には、リンク部材の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤の周縁における軸部材の反対側には被検出部が突設されており、該被検出部が回転盤の下方に設けられた第1可動役物原点検出センサ90316により検出されることで、演出制御用CPU90120は第1可動部が傾倒位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。つまり、第1可動役物90300は後述する非検出時動作制御または検出時動作制御の対象となる動作対象可動体とされている。
尚、この実施例では、第1可動部90302は、横向きに傾倒している第1退避位置にあるときには演出表示装置905の表示画面の下方に退避し(図50参照)、起立状態となる第1退避位置から離れた第1演出位置において演出表示装置905の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている。
第1可動部90302は、ベース部90301に対し回動可能に設けられた回動部材90320に設けられ、例えば内蔵された発光体(図示略)により前面部が発光可能とされている。回動部材90320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔に後側から挿入される回動軸90310と、回動軸90310の左側に突設されガイド溝に後側から挿入される第1ガイド軸と、回動軸90310の右上に突設されガイド溝に後側から挿入される第2ガイド軸と、を有する。
ガイド溝を挿通してベース部90301の前面側に突出した第2ガイド軸の先端には、リンク部材の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤と回動部材90320とはリンク部材を介して連結されている。また、回動軸90310の外周には、回動部材90320を第1演出位置側へ向けて常時付勢するコイルバネが設けられている。
このように構成された第1可動役物90300は、原点位置(初期位置)において、第1可動部90302が傾倒位置に位置する。そして、第1可動役物駆動モータ90303により回転盤が正面視時計周りに回動することにより、リンク部材により第2ガイド軸が下方に引かれることで、回動軸90310を中心として正面視時計回りに約90度回転し、第1可動部90302が第1演出位置である起立位置まで回転する。尚、第1退避位置から第1演出位置へ回動する際に、コイルバネの付勢力が作用するため、第1可動役物駆動モータ90303にかかる負荷が軽減される。また、第1可動役物駆動モータ90303を逆駆動させることで、第1演出位置から第1退避位置へ回動する。
また、第1可動役物90300が第1退避位置へ移動したときに第1ガイド軸がガイド溝の一端に当接することにより、第1可動役物90300の正面視反時計回りの回動が規制され、第1可動役物90300が第1演出位置へ移動したときに第2ガイド軸がガイド溝の他端に当接することにより、第1可動役物90300の正面視時計回りの回動が規制されるようになっている。
また、第2可動役物90400は、左右方向に延設され演出表示装置905の左右寸法よりも若干短寸をなす第2可動部90401と、上下方向に延設され演出表示装置905の上下寸法よりもほぼ同寸をなす第2可動部90402と、を有する。第2可動部90401,90402は、遊技盤902と演出表示装置905との間に設けられている。また、第2可動部90402は、第2可動部90401よりも後方の位置に設けられている。尚、第2可動部90401は、後述する第2退避位置にあるときに、例えば、パチンコ遊技機901の機種名などが表示されたパネルであって演出表示装置905の上方位置における第2可動部90401より前方位置に設けられたロゴパネル90450により一部が隠蔽されるようになっている。
第2可動部90401の左端部には、上下方向を向くラックギヤが固定されており、該ラックギヤには、ステッピングモータからなる第2可動役物駆動モータ90411の駆動軸に固着されたピニオンギヤが噛合されている。第2可動役物駆動モータ90411は、演出表示装置905の左側方に設けられる図示しないベース部に固定されている。また、第2可動部90401は、図示しない案内部材により上下方向に移動可能に案内されている。
よって、第2可動部90401は、第2可動役物駆動モータ90411により、演出表示装置905の上方の第2退避位置(原点位置、初期位置、演出表示装置905と重ならない位置)と、演出表示装置905の前方における上下方向の略中央位置に配置され第2退避位置から離れた第2演出位置(演出表示装置905と重なり、第2可動部90401,90402が互いに十文字状となる位置)と、の間で上下方向に往復移動可能とされている。
また、第2可動部90401の右側端部には被検出部が突設されており、該被検出部がベース部側に設けられた第2可動役物原点検出センサ90440Aにより検出されることで、演出制御用CPU90120は第2可動部90401が第2退避位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。
第2可動部90402の上端部には、左右方向を向くラックギヤが固定されており、該ラックギヤには、ステッピングモータからなる第2可動役物駆動モータ90421の駆動軸に固着されたピニオンギヤが噛合されている。第2可動役物駆動モータ90421は、演出表示装置905の上方における左右方向の略中央位置にて図示しないベース部に固定されている。また、第2可動部90402は、図示しない案内部材により上下方向に移動可能に案内されている。
よって、第2可動部90402は、第2可動役物駆動モータ90421により、演出表示装置905の左方の第2退避位置(原点位置、初期位置、演出表示装置905と重ならない位置)と、演出表示装置905の前方における左右方向の略中央位置に配置される第2演出位置(演出表示装置905と重なり、第2可動部90401,90402が互いに十文字状となる位置)と、の間で左右方向に往復移動可能とされている。
また、第2可動部90402の下端部には被検出部が突設されており、該被検出部がベース部側に設けられた第2可動役物原点検出センサ90440Bにより検出されることで、演出制御用CPU90120は第2可動部90402が第2退避位置(原点位置)に位置していることを特定できるようになっている。つまり、第2可動役物90400は後述する非検出時動作制御または検出時動作制御の対象となる動作対象可動体とされている。
このように構成された第2可動役物90400は、第2退避位置(原点位置、初期位置)において、第2可動部90401が演出表示装置905の上方、第2可動部90402が演出表示装置905の左側方に位置する。そして、第2可動部90401,90402は、第2可動役物駆動モータ90411,90421を駆動させることにより、演出表示装置905と重なる第2演出位置まで移動し、第2可動役物駆動モータ90411,90421を逆駆動させることにより第2演出位置から第2退避位置へ移動する。
また、第2可動役物90400は、特に図示しないが、第2退避位置へ移動したときに第2可動部90401,90402の被規制部がベース部側の規制部に当接することで、第2可動役物90400の第2退避位置方向への移動が規制されるようになっている。
また、第3可動役物90500は、遊技盤902と該遊技盤902の背面側に設けられる演出表示装置905との間における演出表示装置905の右側下部位置に一部が演出表示装置905に重畳するように設けられている。第3可動役物90500は、所定箇所に固設された正面視円形をなすベース部と、該ベース部に対し回動可能に設けられた第3可動部と、第3可動部を前後方向を向く回転軸を中心として(回転)させる第3可動役物駆動モータ90520と、を有する。尚、この実施例では、第3可動役物駆動モータ90520としてステッピングモータが適用されている。
ベース部の背面における回転軸の上方位置には第3可動役物駆動モータ90520が設けられ、第3可動役物駆動モータ90520の駆動軸の先端には第1ギヤが固着されている。第1ギヤには第2ギヤが噛合され、第2ギヤには、回転軸の後端に固着された第3ギヤが噛合されており、第3可動役物駆動モータ90520により第1ギヤが回転することで、該第1ギヤの回転力が第2ギヤと第3ギヤとを介して第3可動部に伝達されることで、第3可動部が回転軸を中心として正転または逆転する。
第3可動部は、正面視円形をなし、前面に所定の花模様が施されているとともに、内蔵された図示しない発光体により前面が発光可能に設けられている。このように第3可動部は、正面視円形をなし、また、所定の模様には特に上下がないとともに、回転軸を中心として回転するだけで所定位置から移動することがないので、原点位置を設けていない。よって、原点位置を検出する原点検出センサを有していない動作非対象役物とされている。
次に、この実施例のパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図57のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図57に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S9011)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S9012)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S9013)。
次に、乱数値MR1´〜MR4´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9014)。この後、図58に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S9015)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器9020での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S9016)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S9017)。
図58は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。その後、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9029の処理のいずれかを選択して実行する。
S9021の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1´、MR2´、MR3´を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S9022の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1´を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S9023の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3´を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S9024の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S9025の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S9026の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S9027の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S9028の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S9029の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(この実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、図59に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための第1初期化処理(S9050)と、各可動体(第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M)の原点位置への復帰と動作確認を行うための第2初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU90120は、まず、コマンド解析処理を行う(S9054)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図53参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9055)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行した後(S9056)、図66に示すサブ側エラー処理(S9057)を実行し、その後、S9052に移行する。
図60は、この実施例の第2初期化処理(S9051)を示すフローチャートである。第2初期化処理において演出制御用CPU90120は、先ず、設定データに基づいて最初に動作させる可動体を特定する(S90101)。設定データには、可動体の順序データが含まれており、この実施例では、該順序として第1可動役物90300→第2可動役物90400→操作モジュール90M→第3可動役物90500の順が予め設定されている。よって、最初にS90101が実行されるときには、第1可動役物90300が対象の可動体として特定されることになる。尚、実施例では、遊技者が操作する操作モジュール90Mよりも優先して第1可動役物90300→第2可動役物90400を動作させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技者が操作する操作モジュール90Mを、遊技者が操作しない第1可動役物90300→第2可動役物90400よりも優先して動作させるように設定してもよい。
次いで、S90101で特定した可動体が原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体であるか否かを判定する(S90102)。
この実施例において、これら原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体としては、第1可動役物原点検出センサ90316を有する第1可動役物90300と第2可動役物原点検出センサ90440A,90440Bを有する第2可動役物90400とレバー原点検出センサ9038を有する操作モジュール90Mとが該当し、原点検出センサを有しない第3可動役物90500は該当しない。よって、S90101で特定した可動体が第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作モジュール90Mのいずれかである場合には、該判定において「Y」と判定される一方、S90101で特定した可動体が第3可動役物90500である場合には、「N」と判定されることになる。
S90102において「N」と判定された場合にはS90130に進む。一方、S90102において「Y」と判定された場合には、S90103に進んで、動作対象可動体に対応する原点検出センサの検出状態を特定し(S90103)、原点検出センサが検出状態であるか否か、つまり、対象の可動体が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定する(S90104)。
原点位置(初期位置)に位置していない場合(S90104;N)には、S90105に進んで、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S90105)、動作対象可動体を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図62、図63参照)と同じ動作速度で動作対象可動体を動作させるための最低制御速度を設定し(S90106)、動作対象可動体の駆動モータ、例えば、動作対象可動体が第1可動役物90300であれば、第1可動役物駆動モータ90303を原点位置方向に駆動開始し、例えば、動作対象可動体が操作モジュール90Mであれば、レバー用モータ9036を原点位置方向に駆動開始するとともに(S90107)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S90108)。尚、非検出時動作期間タイマのタイマカウントは、例えば、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S90109、S90110)。
動作対象可動体の駆動装置(例えば、第1可動役物駆動モータ90303等)を原点位置方向に駆動させることで動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置して原点検出センサが検出状態となった場合には、駆動モータの駆動を停止してS90130に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、S90112に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S90112)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S90113)。
S90113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、駆動モータの駆動を停止し、当該動作対象可動体の原点復帰エラーを記憶し(S90114)、S90130に進む。つまり、非検出時動作制御において動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象可動体について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象可動体をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S90130に進む。
尚、この実施例では、S90113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象可動体をデッドエンド状態する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、S90113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、初期化エラー処理を開始し、該初期化エラー処理を実行することにより、第2初期化処理を中断することで、演出制御メイン処理がS9052に進むことなく中断され、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象可動体をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU90120は、可動体を動作させることを示す入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても、当該動作対象可動体を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、駆動モータの駆動を停止してS90106に戻り、再度、S90106〜S90108の処理を行うことにより、動作対象可動体を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置に移動させる動作(非検出時動作制御)を開始して、前述したS90109、S90110の監視状態に移行する。
よって、S90110にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し動作対象可動体を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に動作対象可動体が原点位置(初期位置)にて検出した場合には、S90114に進むことなく、S90130に進むことになる。
一方、上記したS90104において「Y」と判定されてS90120に進んだ場合には、検出時動作回数カウンタに0をセットした後、検出時動作プロセスデータをセットし(S90121a)、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S90121b)。尚、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。また、この実施例の検出時動作プロセスデータには、動作対象可動体を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図62、図63参照)と同じ動作速度で動作対象可動体を動作させるための最低制御速度が記述(設定)されている。
次いで、セットされた検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作対象可動体を動作させるとともに(S90122)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S90123)、プロセスデータが完了していない場合には、S90122に戻り、動作対象可動体を検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作させる。
このように、検出時動作制御においては、検出時動作プロセスデータが完了するまで、検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づく最低速度、つまり、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて、原点位置(初期位置)から一旦離れ、該原点位置(初期位置)から離れた位置から原点位置(初期位置)に戻るという動作を行う(図62参照)。尚、原点位置から離れた位置とは、原点位置の近傍位置、つまり、各原点センサにより各可動体の被検出部を検出できない位置であって各演出位置よりも原点位置に近い所定位置(検出時動作位置)として設定されている。
S90123の判定において、セットされている検出時動作プロセスデータが完了したと判定した場合には、可動役物駆動モータの駆動を停止してS90124に進んで、原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する。
原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置している場合にはS90130に進む。
一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、検出時動作回数カウンタに1を加算して(S90126)、該加算後の検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S90127)。検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S90128に進んで当該動作対象可動体の原点復帰エラーを記憶し(S90128)、S90130に進む。つまり、検出時動作制御において動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象可動体について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象可動体をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S90130に進む。
尚、この実施例では、S90127において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象可動体をデッドエンド状態する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、S90113において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、初期化エラー処理を開始し、該初期化エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS9052に進むことなく中断され、演出制御基板9012は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象可動体をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU90120は、可動体を動作させる入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても当該動作対象可動体を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
S90102で「N]と判定された場合、S90109で「Y」と判定された場合、もしくはS90124で「Y」と判定された場合に実行するS90130においては、可動体のうちで未だ動作対象としていない残りの可動体が存在するか否かを判定し、残りの可動体が存在しない場合(具体的には、動作対象可動体が第3可動役物90500である場合)には、図61に示す実動作確認用動作制御を行う処理に移行する。一方、残りの可動体が存在する場合には、S90131に進んで、次に動作させる可動体を特定した後、S90102に戻って、該特定した動作対象可動体について、S90102以降の上記した処理を同様に実行する。
尚、動作対象可動体が第1可動役物90300である場合にS90131が実行される場合には、設定データに基づいて第2可動役物90400が動作対象可動体として特定され、動作対象可動体が第2可動役物90400である場合にS90131が実行される場合には、設定データに基づいて操作モジュール90M(操作レバー9031)が動作対象可動体として特定され、動作対象可動体が操作モジュール90M(操作レバー9031)である場合にS90131が実行される場合には、設定データに基づいて第3可動役物90500が動作対象可動体として特定される。
次に図61に示す処理について説明すると、図61に示すS90200において演出制御用CPU90120は、先ず、前述のS90101と同様に、設定データに基づいて最初に動作確認する可動体(確認対象可動体)を特定する(S90200)。次いで、当該対象可動体の原点復帰エラーの記憶が有るか否かを判定する(S90201)。
確認対象可動体の原点復帰エラーの記憶が有る場合は、S90202a〜S90213までの処理を実行することなくS90220に進む。このようにすることで、この実施例では、これら非検出時動作制御や検出時動作制御において原点復帰エラーと判定された可動体については実動作確認用動作制御を行わないようになっている。
一方、確認対象可動体の原点復帰エラーの記憶が無い場合は、S90202aに進んで、確認対象可動体に対応する実動作確認用プロセスデータをセットする。つまり、確認対象可動体が第1可動役物90300であれば、第1可動役物90300の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象可動体が第2可動役物90400であれば、第2可動役物90400の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象可動体が操作モジュール90M(操作レバー9031)であれば、操作モジュール90M(操作レバー9031)の実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象可動体が第3可動役物90500であれば、第3可動役物90500の実動作確認用プロセスデータをセットする。尚、これら各実動作確認用プロセスデータには、演出において当該可動体が可動体演出において実際に行う動作と同一の動作を行うように制御速度等が記述(設定)されている。
次いで、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S90202b)。尚、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、セットされた実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象可動体を動作させるとともに(S90203)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S90204)、プロセスデータが完了していない場合には、S90203に戻り、確認対象可動体を、その時点の実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて動作させる。
このように、実動作確認用プロセスデータが完了するまで、実動作確認用プロセスデータに実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象可動体を動作させることにより、確認対象可動体の制御速度を、時系列的に順次変更して、可動体演出において当該可動体を実際に動作させる際に設定する制御速度と同一の加速または減速を行うことができる。
そして、S90204の判定において、セットされている実動作確認用プロセスデータが完了したと判定した場合には、駆動モータの駆動を停止し、当該確認対象可動体は原点検出対象可動体であるか否かを判定する(S90204a)。当該確認対象可動体が原点検出対象可動体でなければ、つまり、第3可動役物90500であればS90220に進む。一方、当該対象役物が原点検出対象可動体であれば、つまり、第1可動役物90300または第2可動役物90400であれば原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する(S90205)。
原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置している場合にはS90220に進む。一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、前述した非検出時動作制御を(図60参照)を行って確認対象可動体を原点位置(初期位置)に位置させるためにS90206〜S90213の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S90206)、制御速度として実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度と同じ動作速度で動作対象可動体を動作させるための最低制御速度を設定し(S90207)、確認対象可動体の駆動装置、例えば、確認対象可動体が第1可動役物90300であれば、第1可動役物駆動モータ90303を原点位置(初期位置)方向に駆動開始するとともに(S90208)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S90209)。
そして、原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S90210、S90211)。
確認対象可動体の駆動装置(例えば、第1可動役物駆動モータ90303)を原点位置(初期位置)方向に駆動させることで確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置して原点検出センサが検出状態となった場合には、S90210にて「Y」と判定されてS90220に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても確認対象可動体が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、S90212に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S90212)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S90213)。
非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S90220に進む。尚、この実施例では、S90213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象可動体をデッドエンド状態する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、S90213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、当該動作対象可動体の原点復帰エラーを記憶し、当該動作対象可動体について以後は実動作を実行しないようにするようにしてもよい。あるいは、初期化エラー処理を開始し、該初期化エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS9052に進むことなく中断され、演出制御基板9012は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象可動体をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU90120は、可動体を動作させる入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても当該動作対象可動体を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S90207に戻り、再度、S90207、S90208、S90209の処理を行うことにより、確認対象可動体を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置(初期位置)に移動させる動作(原点復帰時動作)を開始して、前述したS90210、S90211の監視状態に移行する。
よって、S90211にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し確認対象可動体を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間において、確認対象可動体が原点位置(初期位置)にて検出された場合には、S90220に進むことになる。
S90201で「Y」と判定された場合、S90204aで「N」と判定された場合、S90205で「Y」と判定された場合、もしくはS90210で「Y」と判定された場合に実行するS90220においては、可動体のうちで未だ動作確認の確認対象としていない残りの可動体が存在するか否かを判定し、残りの可動体が存在しない場合(具体的には、動作確認の対象役物が第3可動役物90500である場合)には、S90114やS90128で記憶したエラーの記録をクリア(S90222)して、当該処理を終了する一方、残りの可動体が存在する場合には、S90221に進んで、次に動作確認する可動体を特定した後、S90201に戻って、該特定した対象体について、S90201以降の上記した処理を同様に実行する。
ここで、これら図60、図61に示す第2初期化処理が実行されることによる可動体の動作態様及び制御内容について、図62、図63を用いて説明する。図62は、演出制御用CPU90120が行う非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図63は、(A)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(B)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(C)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。
尚、図62及び図63においては、原点検出対象可動体である第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作モジュール90Mにおける非検出時動作制御(ショート初期化動作制御)、検出時動作制御(ショート初期化動作制御)及び実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)についてのみ説明し、原点検出対象可動体でない第3可動役物90500についての説明は省略することとする。また、第1可動役物90300の第1可動部90302の往復動作距離(回動範囲)と第2可動役物90400の第2可動部90401,90402それぞれの往復動作距離(移動範囲)や操作モジュール90Mの操作レバー9031の往復動作距離(移動範囲)とは同一ではないが、説明の便宜上、同一の概念図を用いて説明することとする。
図62に示すように、第1可動役物90300の第1可動部90302や第2可動役物90400の第2可動部90401,90402や操作モジュール90Mの操作レバー9031は、それぞれ原点位置(退避位置、初期位置)と演出位置(操作可能位置)との間で往復動作可能に設けられており、原点位置から演出位置への往動作や演出位置から原点位置への復動作は、前述した可動体演出等において実際に行う実動作とされている。
演出制御用CPU90120は、第2初期化処理を実行したときに可動体の被検出部が原点検出センサにより検出されない場合、つまり、可動体が何らかの理由(例えば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(例えば、演出の実行時において、モータの脱調、故障、引っ掛かりなどにより可動体の原点復帰が確認できなかったり動作できなくなるといった可動体エラー(動作異常)が発生した場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置(例えば、図62における非検出時動作制御に対応する黒丸で示す位置など、原点位置と演出位置との間の所定位置)にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、可動体は原点位置から離れた位置にあるため、動作としては可動体を原点位置方向に移動させる動作のみとされている。
また、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理を実行したときに第1可動役物90300の第1可動部90302や第2可動役物90400の第2可動部90401,90402や操作モジュール90Mの操作レバー9031の被検出部が原点検出センサにより検出された場合、検出時動作制御を実行する。
例えば、被検出部が原点検出センサにより確実に検出されるように、被検出部が原点検出センサにより検出されたときから可動体の原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(例えば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して原点検出センサにより検出された位置よりもさらに奥側にずれた位置に停止することがある。よって、被検出部が原点検出センサにより検出されていても、可動体をより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行う。
この検出時動作制御は、原点検出センサによる被検出部の検出状態を一旦解除するために可動体を原点位置から離れた位置へ移動させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、演出位置まで移動させる必要はないので、可動体を原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる(図67(a)(b)参照)。
また、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、可動体が各種演出等において実際に行う実動作と同一の動作とされている。
次に、演出制御用CPU90120が非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。尚、図63(A)、図63(B)、図63(C)にて示す速度は、演出制御用CPU90120が各可動体を動作させるために設定する制御速度であって、可動体の実際の動作速度とは異なる。つまり、例えば、所定の可動体を動作させる場合において、原点位置と演出位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合(例えば、バネがある区間とない区間、直線区間と曲線区間)や、同一の移動区間でも上昇する場合と下降する場合においては、可動体を実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、可動体に対し同一の制御速度を設定しても、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各可動体の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。複数の可動体を同一性能のステッピングモータにて動作させる場合において、各可動体に対し同一の制御速度を設定しても、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各可動体の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図63(A)に示すように、演出制御用CPU90120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて確認対象可動体を動作させる。具体的には、原点位置から加速した後に減速して演出位置に停止させるとともに、演出位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行う。すなわち、各可動体が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と演出位置との間において、可動体の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPU90120は、各可動体の可動体演出を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各可動体が動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各可動体が動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、可動体の実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。尚、以下においては、最低制御速度に基づいて可動体を動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度に基づいて可動体を動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、可動体の加速時及び減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、演出位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、演出位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御することで、可動体を確実に減速させてから原点検出センサにより被検出部が検出されるようにしている。
図63(B)に示すように、演出制御用CPU90120は、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から演出位置まで移動させる期間及び演出位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて可動体が動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(この実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動体を動作させる制御を行う。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて可動体の動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から可動体が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動体等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図63(C)に示すように、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と演出位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(この実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動体を動作させる制御を行う。
この場合、可動体は原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、可動体が原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、可動体が原点位置に復帰したときに原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から可動体が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動体等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
このようにこの実施例では、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて常に単一(一定)の動作速度で可動体が動作するように制御を行う。そして、これら最低速度は、各可動体に対応する実動作確認用動作制御における最低速度であり、各可動体に共通する動作速度ではないので、各可動体における最低速度は異なる場合がある。
具体的には、第1可動役物90300の第1可動部90302と第2可動役物90400の第2可動部90401,90402と操作モジュール90Mの操作レバー9031は、図50に示すように、大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動モータを含む駆動機構が各々異なるため、同一の制御速度を設定した場合でも可動体の実際の動作速度は異なる。また、各可動体に対し異なる制御速度を設定した場合においても可動体の実際の動作速度は異なる。このように、最低速度は各可動体に応じて設定された制御速度に基づく動作速度であり、可動体に最適な最低速度にて動作するように制御するため、態様が異なる複数の可動体を原点位置にて確実に検出させることが可能となる。
図64は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S9055)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、演出表示装置905の第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S9072)。
その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9079のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置905において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
尚、演出制御用CPU90120は、演出図柄変動中処理(S9075)、大当り表示処理(S9077)、大当り遊技中処理(S9078)、大当り終了演出処理(S9079)などにおける所定のタイミング(例えば、可動体演出の実行条件が成立したタイミング)で、可動役物を原点位置と演出位置との間で移動させる可動体演出を実行可能としている。
図65は、この実施例の演出図柄変動中処理の一例を示すフロー図である。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S90301,S90302,S90303)。
そして、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S90304)。プロセスタイマがタイマアウトしていない場合には、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S90305)。
一方、プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S90306)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90307)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90308)。
そして、演出制御用CPU90120は、レバー操作エラーフラグまたは過負荷エラーフラグがセットされているか否かを判定する(S90309)。これらのエラーフラグがいずれもセットされていない場合には、操作レバー9031を突出させるレバー突出処理実行タイミングであるか否かを、プロセスデータに基づいて判定する(S90310)。
レバー突出処理実行タイミング、つまり、レバー突出処理を実行する期間である場合には、S90311のレバー突出処理を実行してS90312に進み、レバー突出処理実行タイミングでなければ、S90311のレバー突出処理を実行せずにS90312に進む。よって、演出図柄の変動表示中の予め定められたタイミングとなったときに、レバー突出処理が開始されて、操作レバー9031が傾倒操作不能な格納状態から、傾倒操作可能な突出状態に変位する演出(操作レバー演出)が実行される。
次に、操作レバー9031の操作案内、具体的には、図69(D)に示すように、演出表示装置905に操作レバー9031の画像と「引け」のメッセージとを表示するレバー操作案内演出の実行タイミングであるか否かを判定する(S90312)。レバー操作案内演出の実行タイミングである場合には、S90313の操作案内演出処理を実行してS90314に進み、レバー操作案内演出の実行タイミングではない場合には、S90313の操作案内演出処理を実行せずにS90314に進む。尚、レバー操作案内の表示は、操作案内演出処理において、レバー操作案内演出の実行期間が経過するときに終了される。
S90314では、レバー操作検出センサ9035Aからの検出信号の入力の有無によって、操作レバー9031の傾倒操作があったか否かを判定する。操作レバー9031の傾倒操作があった場合には、更に、操作レバー9031の操作有効期間であるか否かを判定し、操作レバー9031の操作有効期間である場合には、S90316の特別演出処理を実行することで、特別演出、具体的には、バトル演出における勝敗を報知する勝敗報知演出(図69(E)または図69(F)参照)が実行される。尚、操作レバー9031の操作有効期間でない場合には、S90315で「N」と判定されてS320に進む。
一方、操作レバー9031の傾倒操作がない場合には、既に、特別演出を実行した状態(実行中を含む)であるか否かを判定し(S90317)、特別演出を実行した状態でなければ、更に、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングであるか否かを判定する(S90318)。そして、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングである場合には、S90316の特別演出処理を実行することで、操作レバー9031の操作有効期間において、操作レバー9031の傾倒操作がなくても、操作有効期間の終了タイミングにおいて、操作レバー9031の傾倒操作があったものとして特別演出が実行されるようになっている。
特別演出を実行した状態であることによってS90317において「Y」と判定された場合、またはレバー操作有効期間の終了タイミングではないことによってS90318において「N」と判定された場合にはS90320に進む。
尚、図65においては、図示を省略しているが、一旦、S90316の特別演出処理が実行された場合には、該特別演出処理が実行中であることを示す特別演出実行中フラグが、特別演出が終了するまでセットされることにより、特別演出処理は、特別演出が終了するまで、タイマ割り込みが発生する毎に実行されるようになっている。
S90320においては、操作レバー9031を格納するレバー格納処理実行タイミングであるか否かを、プロセスデータに基づいて判定する(S90320)。
レバー格納処理実行タイミング、つまり、レバー格納処理を実行する期間である場合には、更に、レバー操作エラーフラグがセットされているか否かを判定する。レバー操作エラーフラグがセットされている場合には、S90323のレバー格納処理を実行することなくS90330に進む。一方、レバー操作エラーフラグがセットされていない場合には、操作レバー9031の傾倒操作の有無、つまり、操作レバー9031を格納する期間となっても、操作レバー9031の傾倒操作が継続されているか否かを判定する(S90322)。操作レバー9031の傾倒操作が継続されている場合には、操作レバー9031を格納することができないので、S90325に進んで、レバー操作エラーと判定し、レバー操作エラーフラグをセットした後、S90323のレバー格納処理を実行することなくS90330に進む。
一方、操作レバー9031の傾倒操作がないことによりS90322において「N」と判定された場合、つまり、操作レバー9031を格納する期間となる前に、傾倒操作が終了されている場合には、レバー用モータ9036を動作させて、操作レバー9031を操作可能位置(突出位置)から原点位置(格納位置)に変位させて格納するレバー格納処理を実行することにより、操作レバー9031が操作不能な原点位置(格納位置)に変位する演出(操作レバー演出)が実行される(S90323)。
尚、このレバー格納処理が実行される場合には、必ずS90324においてレバー用モータ9036が過負荷となっているか否かが判断(監視)される。つまり、遊技者の手、携帯電話、或いは遊技球等の異物等が挟まっていることによって、操作レバー9031を格納できない状態となっているか否かを判定し、レバー用モータ9036が過負荷となっている場合には、S90326に進んで、レバー用モータ9036による駆動を停止して、レバー用モータ9036の故障や操作レバー9031等が損傷することを防ぐとともに、過負荷エラーと判定し、過負荷エラーフラグをセットする(S90327)。
S90309に戻り、該S90309において「Y」と判定される場合、つまり、レバー操作エラーフラグまたは過負荷エラーフラグのいずれかがセットされている場合には、S90340に進んで、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングであるか否かを判定し、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングでない場合には、S90330に進む一方、操作レバー9031の操作有効期間の終了タイミングである場合には、S90341の特別演出処理を実行してS90330に進む。これにより、上記したS90311のレバー突出処理やS90313の操作案内演出処理やS90323のレバー格納処理は実行されないので、レバー操作エラーフラグまたは過負荷エラーフラグのいずれかがセットされている場合には、操作レバー9031が突出、格納する操作レバー演出や、操作レバー9031の傾倒操作を促す操作促進演出については、いずれも実行されない。このように、レバー操作エラーフラグや過負荷エラーフラグがセットされている場合、つまり、操作レバー9031に異常が発生している状態においては、該操作レバー9031を用いた演出を実行しないことで、不適切な演出が実行されてしまうことを防ぐことができるようになっている。
S90330においては、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S90330)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S90330;Y)、演出制御用CPU90120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S90331)。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部90123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置905に出力する。そのようにして、演出表示装置905において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S90332)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S90330;N)、S90332の実行後、演出制御用CPU90120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S90333)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新する(S90335)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S90334;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に応じた値に更新する(S90335)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S90334の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
次に、演出制御用CPU90120が、メイン処理のS9057において実行するサブ側エラー処理について、図66を用いて簡潔に説明する。
サブ側エラー処理において演出制御用CPU90120は、まず、レバー操作エラーフラグがセットされているか否かを判定する(S90401)。
レバー操作エラーフラグがセットされていない場合にはS90404に進む。一方、レバー操作エラーフラグがセットされている場合には、レバー操作エラー表示、具体的には、図68(a)に示すように、「エラー発生!! 操作レバーから手を離してください。」のメッセージ表示の表示中であるか否かを判定する。
レバー操作エラー表示が表示中である場合には、S90404に進み、レバー操作エラー表示が表示中でない場合には、S90403に進んで、上記した「エラー発生!! 操作レバーから手を離してください。」のメッセージ表示から成るレバー操作エラー表示を演出表示装置5において開始し、S90404に進む。よって、遊技者に対して案内された操作である、操作レバー9031の傾倒操作が継続されていることによってレバー操作エラーフラグがセットされている場合には、演出表示装置905にエラーメッセージが表示されるだけで、エラー音等は出力しないようになっており、案内された操作を実行したにもかかわらず、周囲の遊技者にエラーの発生が認識されてしまう騒がしいエラー報知が実行されて、遊技者に不快感を与えてしまうことを防ぐようになっている。
一方、S90404においては、過負荷エラーフラグがセットされているか否かを判定する。過負荷エラーフラグがセットされていない場合にはS90407に進む。一方、過負荷エラーフラグがセットされている場合には、図68(b)に示すように、過負荷エラー表示とエラー音の出力とを実行中であるか否かを判定する。
過負荷エラー表示とエラー音の出力とを実行中である場合にはS90407に進み、過負荷エラー表示とエラー音の出力とを実行中でない場合には、図68(b)に示すように、「エラー発生!!操作レバーから異物を取り除いてください。」のメッセージ表示から成る過負荷エラー表示を演出表示装置905において開始するともに、スピーカ908L,908Rからのエラー音の出力を開始し、S90407に進む。このように過負荷エラーが発生した状態、つまり、遊技者の手、携帯電話、或いは遊技球等の異物等が挟まっている状態においては、遊技者に対して案内した操作によるエラーではないので、レバー操作エラーの場合に比較して、周囲にいる店員等が容易に認識できる騒がしい(大げさな)エラー報知を実行して、エラーの発生を報知するともに、遊技者が、故意に異物等を挟むことや、格納位置に変位中の操作レバー9031を引く等の悪戯をすることを防止できるようになっている。
つまり、レバー操作エラーの場合のエラー報知の態様は、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が低い態様とし、過負荷エラーの場合のエラー報知の態様は、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が高い態様とすればよいが、この発明はこれに限定されるものではなく、レバー操作エラーの場合と過負荷エラーの場合とを区別できるようにすることのみを目的とする場合には、逆に、レバー操作エラーの場合のエラー報知の態様を、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が高い態様とし、過負荷エラーの場合のエラー報知の態様を、認識のし易さ(認識度合い(レベル))が低い態様としてもよい。
S90407においては、その他のエラーフラグがセットされているか否かを判定する。その他のエラーフラグがセットされていない場合にはS90410に進む。一方、その他のエラーフラグがセットされている場合には、エラーフラグに対応するエラー報知の実行中であるか否かを判定する。
エラーフラグに対応するエラー報知の実行中である場合にはS90410に進み、エラーフラグに対応するエラー報知の実行中でない場合には、エラーフラグに対応するエラー報知を開始する。
また、S90410では、レバー操作エラー表示または過負荷エラー表示を表示中であるか否かを判定する。
レバー操作エラー表示または過負荷エラー表示を表示中ではない場合にはS90413に進み、レバー操作エラー表示または過負荷エラー表示を表示中である場合には、S90411に進んで、レバー原点検出センサ9038がONであるか否か、つまり、操作レバー9031が、エラーの発生後において、遊技場の店員等によって原点位置に戻されたか否かを判定する。
レバー原点検出センサ9038がONではない場合、つまり、操作レバー9031が原点位置に戻されていない場合には、S90413に進む。一方、レバー原点検出センサ9038がONである場合には、S90412に進んで、レバー操作エラーフラグがセットされている場合にはレバー操作エラーフラグをクリアするとともに演出表示装置905におけるレバー操作エラー表示を終了し、過負荷エラーフラグがセットされている場合には過負荷エラーフラグをクリアするとともに演出表示装置905における過負荷エラー表示とエラー音の出力とを終了する。
このように、この実施例では、レバー操作エラー表示や過負荷エラー表示を、操作レバー9031が原点位置に戻されてレバー操作エラーフラグや過負荷エラーフラグがクリアされるまで表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらレバー操作エラー表示や過負荷エラー表示を、一定期間において表示するようにしても良い。この場合、レバー操作エラー表示は所定期間の経過で終了するが、過負荷エラー表示については操作レバー9031が原点位置に戻されるまで継続して表示するようにしても良いし、レバー操作エラー表示の表示期間を過負荷エラー表示期間よりも短くするようにしてもよい。
また、S90413では、その他のエラーの報知中であるか否かを判定し、その他のエラーの報知中でない場合には、当該サブ側エラー処理を終了する。一方、その他のエラーの報知中である場合には、S90414に進んで、報知中のエラーが解消しているか否かを判定し、解消していない場合には、当該サブ側エラー処理を終了する。
報知中のエラーが解消している場合には、S90415に進んで、報知しているエラーのエラーフラグをクリアするともに、該エラー報知を終了した後、当該サブ側エラー処理を終了する。
ここで、これら図66に示すサブ側エラー処理と前述した図65に示す演出図柄変動中処理とが実行されることによるエラー報知と操作レバー9031の状態との関係について、図67、図69を用いて説明する。尚、図67(a)は、レバー操作エラーが発生する場合の状況を示す図であり、図67(b)は、過負荷エラーが発生する場合の状況を示す図である。
この実施例において、操作レバー9031が突出状態とされる操作レバー演出が実行されるのは、図69に示すように、変動パターンとしてスーパーリーチの変動パターンが決定されることで、図69(A)に示すリーチ状態となった後、スーパーリーチ演出、具体的には、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦するバトル演出が実行される(図69(B)、図69(C))。そして、バトル演出が開始された後の所定の時期においてレバー突出処理実行タイミングとなることにより、操作レバー9031が突出(変位)する操作レバー演出が開始され、操作レバー9031が格納位置(原点位置)から操作可能位置(演出位置)に変位する。そして、操作レバー9031が操作可能位置(演出位置)に変位した後に、図69(D)に示すように、操作レバー9031の画像と「引け!」のメッセージが演出表示装置905に表示されるレバー操作案内演出が実行される。
このレバー操作案内演出の案内に応じて、遊技者が操作レバー9031を自分側に引いて傾倒する傾倒操作を行った場合は、該傾倒操作に応じて、バトル演出における勝敗を報知する勝敗報知演出(図69(E)または図69(F)参照)が実行される。具体的には、当該変動表示において大当りの演出図柄が導出表示されて大当り遊技状態に制御される場合には、図69(E)に示すように、味方のキャラクタがバトルに勝利する態様の勝敗報知演出が実行される一方、当該変動表示においてはずれの演出図柄が導出表示されて大当り遊技状態に制御されない場合には、図69(F)に示すように、味方のキャラクタがバトルに敗北する態様の勝敗報知演出が実行される。
これら勝敗報知演出が実行された後の所定の時期に、レバー格納処理実行タイミングとなると、前述したレバー格納処理が実行されて、操作レバー9031が格納位置(原点位置)に変位する操作レバー演出が実行されるはずであるが、レバー格納処理実行タイミングとなっても遊技者が操作レバー9031を引いたままの状態であると、図67(a)に示すように、レバー操作エラーと判定されてレバー操作エラーフラグがセットされることにより、演出表示装置905においてレバー操作エラー表示が表示される。但し、エラー音は出力されない。
一方、レバー格納処理実行タイミングとなったときに、遊技者による操作レバー9031の傾倒操作が行われていない場合には、前述したレバー格納処理が開始されて、操作レバー9031が格納位置(原点位置)に向けて変位する。しかしながら、例えば、図68(b)に示すように、遊技者の携帯電話90P等の異物が、膨出部9030の上面と操作レバー9031との間に挟まってしまってレバー用モータ9036が過負荷状態となってしまった場合には、図67(b)に示すように、過負荷エラーと判定されてレバー用モータ9036の駆動が停止され、過負荷エラーフラグがセットされることにより、演出表示装置905において過負荷エラー表示が表示されるとともにエラー音が出力される。
以上説明したように、この発明の実施例としてのパチンコ遊技機901にあっては、図67に示すように、可動体である操作レバー9031が、レバー用モータ9036によって駆動されていない状態において案内された操作が継続している場合のエラーであるレバー操作エラーの場合には、図68(a)に示すように、エラー音の出力を伴わないエラー表示による異常報知が実行され、操作レバー9031がレバー用モータ9036によって駆動されている状態において案内された操作以外の操作や異物等による場合のエラーである過負荷エラーの場合には、図68(b)に示すように、エラー音の出力を伴うエラー表示による異常報知が実行されるので、可動体である操作レバー9031の状況、具体的には、レバー用モータ9036によって駆動されて変位中であるか否かや、エラーの原因が案内された操作の継続によるものか否かに応じた異常報知を行うことができる。
また、前記実施例によれば、操作レバー9031が、格納位置(原点位置)への変位中に、遊技者が誤って操作をしてレバー用モータ9036が過負荷となっても過負荷エラーと判定されて図68(b)に示すエラー音の出力を伴うエラー表示による異常報知が実行されるので、遊技者による誤った操作等によって可動体である操作レバー9031の動作が妨げられても、操作レバー9031の状況に応じた異常報知を行うことができる。
また、前記実施例によれば、レバー操作エラーの場合の異常報知と、過負荷エラーの場合の異常報知の報知態様として、表示メッセージの態様が違うだけではなく、エラー音の出力の有無が異なるため、異常報知の態様の違いを認識し易くできるので、異常が発生した可動体の状況を容易に把握できる。
また、前記実施例によれば、過負荷エラーが発生した場合には、レバー用モータ9036の動作(駆動)が停止されるので、レバー用モータ9036の故障や操作レバー9031の損傷を防ぐことができる。
また、前記実施例によれば、操作レバーエラーや過負荷エラーが発生して、操作レバーエラーフラグや過負荷エラーフラグがセットされている場合には、操作レバー9031を傾倒操作可能な突出状態に変位させる操作レバー演出が実行されることがないので、異常が発生している状態で操作レバー演出が行われることで、不適切な操作レバー演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
また、前記実施例によれば、第1可動部90302が横向きに傾倒する第1退避位置と、第1退避から離れた位置において第1可動部90302が縦向きに起立する第1演出位置との間で回動可能に設けられた第1可動役物90300や、演出表示装置905の側方に退避する第2退避位置(原点位置、初期位置)と演出表示装置905の前方における上下方向の略中央位置に配置され第2退避位置から離れた第2演出位置との間で往復移動可能に設けられた第2可動役物90400と、格納位置(原点位置)と操作可能位置(演出位置)との間において変位可能に設けられた操作モジュール90M、可動体を動作させるための駆動手段としての第1可動役物駆動モータ90303、第2可動役物駆動モータ90411,90421と、レバー用モータ9036と、第1可動役物駆動モータ90303や第2可動役物駆動モータ90411,90421、レバー用モータ9036による可動体の動作を制御する制御手段としての演出制御用CPU90120と、を備え、演出制御用CPU90120は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御と、可動体が正常に動作可能であることを確認するための第2動作制御としての実動作確認用動作制御と、可動体による可動体演出を行うための第3動作制御と、を実行可能であり、実動作確認用動作制御を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で可動体が動作するように制御し、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動体が動作するように制御する。
このようにすることで、第1動作制御において、可動体はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するため、安全に原点位置に位置させることができる。具体的には、非検出時動作制御や検出時動作制御では、実動作確認用動作制御に比べて可動体を原点位置まで移動させる距離が短い場合があるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における最低速度とすることで、被検出部を検出手段により確実に検出させることができるとともに、可動体を高速で移動させたまま移動規制された衝撃で破損することを回避できる。
尚、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動体が動作するように制御する場合、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に設定する制御速度と、実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度とは同一の制御速度でもよいし異なる制御速度でもよい。
また、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、常に予め設定された単一(一定)の動作速度、つまり、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が動作するように制御する。
このようにすることで、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031を原点位置に位置させる際の速度を一定とすることができ、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031の破損等を防ぐことができる。
また、演出制御用CPU90120は、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が動作するように制御する。
このようにすることで、第1可動役物90300や第2可動役物90400の安全動作を確保しつつ、過度に速度を下げる(例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い速度とするなど)ことなく安全に動作できる最高速度(第1速度)を選択することで、非検出時動作制御や検出時動作制御の期間を短縮することができる。
また、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031が原点位置に位置していることを検出可能な検出手段としての第1可動役物原点検出センサ90316、第2可動役物原点検出センサ90440A,90440B、レバー原点検出センサ9038を備え、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理におけるS90104にて原点検出センサが検出状態ではない場合はS90105〜S90114の非検出時動作制御を実行し、S90104にて原点検出センサが検出状態である場合はS90120〜S90128の検出時動作制御を実行し、非検出時動作制御を実行する場合、検出時動作制御における最低速度で可動体が動作するように制御する。
このようにすることで、非検出時動作制御や検出時動作制御によって、第1可動役物原点検出センサ90316や第2可動役物原点検出センサ90440A,90440Bやレバー原点検出センサ9038の不具合の有無も把握することができる。また、非検出時動作制御を実行する場合は、可動体が原点位置の近くにあるか否かが不明であるのに対し、検出時動作制御を実行する場合は、可動体は原点位置にあることため、検出時動作制御においては、非検出時動作制御よりも速い速度であって、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で動作するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU90120は、特定の異常(例えば、演出の実行時に発生した動作異常など)が発生している場合において、第2初期化処理におけるステップS90109にて原点検出センサが検出状態でない場合、動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が原点位置方向へ向けて移動するように制御する。
このようにすることで、特定の異常(例えば、演出の実行時に発生した動作異常などのエラー)が発生している場合に実行される異常時動作においても、第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031を安全に動作させることができる。具体的には、例えば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、その後に第2初期化処理が行われるときは、可動体は原点位置に復帰していないため、非検出時動作制御が実行されることになる。また、動作異常が発生した場合、第2初期化処理においても可動体は動作しないことが考えられるため、異常時動作として実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400が原点位置方向へ向けて動作するように制御する。
また、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理におけるステップS90201にて当該対象役物の原点復帰エラーの記憶が有る場合、S90220に進んで実動作確認用動作制御を行わない。
このようにすることで、異常によって第1可動役物90300や第2可動役物90400や操作レバー9031が実動作確認用動作制御中に原点位置以外で停止してしまうことを防ぐことができる。具体的には、例えば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、第2初期化処理においても可動体は動作しないことが考えられるため、その場合は実動作確認用動作制御を実行しても駆動手段に負荷がかかるだけで無駄になるため、実動作確認用動作制御は実行しないことが好ましい。
また、第1可動体としての第1可動役物90300、第2可動役物90400及び操作モジュール90M(操作レバー9031)と、第2可動体としての第3可動役物90500とを有し、演出制御用CPU90120は、第2初期化処理におけるステップS90102において、可動体が原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体であると判定した場合、非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行する一方、ステップS90102において可動体が原点検出を行うことが必要な原点検出対象可動体でないと判定した場合、ステップS90130に進み非検出時動作制御と検出時動作制御とを行わない。
このようにすることで、必要な可動体だけ実動作確認用動作制御を行うことができ、実動作確認用動作制御による動作確認時間を短縮することができる。
また、第1可動体としての第1可動役物90300、第2可動役物90400及び操作モジュール90M(操作レバー9031)と、第2可動体としての第3可動役物90500とを有し、演出制御用CPU90120は、第1可動役物90300と第2可動役物90400と操作モジュール90M(操作レバー9031)の各々の第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、各々の実動作確認用動作制御における最低速度にて可動体が動作するように制御し、実動作確認用動作制御の動作速度は、第1可動役物90300と第2可動役物90400と操作モジュール90M(操作レバー9031)とで異なるようにする。
このようにすることで、各々の可動体に応じた動作速度によって各可動体の安全動作を確保しつつ、非検出時動作制御及び検出時動作制御の期間を短縮することができる。例えば、第1可動役物90300と第2可動役物90400と操作モジュール90M(操作レバー9031)とにおいて、実動作確認用動作制御において同一の制御速度を設定しても、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、非検出時動作制御及び検出時動作制御を実行した場合の各可動体の実際の動作速度は異なることになる。
具体的には、非検出時動作制御及び検出時動作制御において、同一の制御速度(実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度)を設定した場合でも、複数の可動体のうち重量が大きい可動体の実際の動作速度は、重量が小さい可動体の実際の動作速度よりも遅くなる。また、可動体を上昇させる場合、下降させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。また、駆動機構として可動部を演出方向に付勢するバネ等が設けられている場合、バネが縮んでいる状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合、バネが伸びている状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。このように、非検出時動作制御及び検出時動作制御において、可動体を実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動体が動作するように制御する場合、各可動体の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等を考慮して、各々の実動作確認用動作制御において個別の最低制御速度を設定することが好ましい。
例えば、第1可動部と第2可動部とが、原点位置に向けて移動する際に遊技者から見たときに第1可動部の手前側に第2可動部が重なるように前後に配置されるものにおいて、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかを実行する際に、第1可動部及び第2可動部双方の動作制御を一緒に行う場合、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、仮に、第1可動部と第2可動部とが何らかの理由でそれぞれ原点位置から離れた位置まで移動した状態で電源がオン状態とされ、S9051の第2初期化処理において第1可動部及び第2可動部双方の非検出時動作制御が一緒に実行される場合において、第1可動部及び第2可動部双方の動作速度(最低速度)が同一になるように制御されると、第2可動部により第1可動部が隠れて原点位置へ移動する状況が見え難くなるが、第1可動部と第2可動部の最低速度が異なるように制御することで、第1可動部と第2可動部とが移動する際にずれていくので、第1可動部及び第2可動部各々の原点復帰動作を確認しやすくなる。
また、第1可動部と、該第1可動部よりも大きい(あるいは長い)第2可動部とを有する場合においても、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、例えば、第2可動部よりも小さい(あるいは短い)ので目立たない第1可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度が、第1可動部よりも大きい(あるいは長い)ので目立つ第2可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度よりも遅くすることで、第1可動部及び第2可動部それぞれの動作を確認しやすくなる。
このように、第1可動部と該第1可動部とは異なる第2可動部とを有する場合において、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御における動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。尚、このように第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御する場合、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度は異なっていてもよいし、同一でもよい。
以上、この発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、操作レバー9031が操作可能位置に変位する操作レバー演出が実行される前に、操作レバー演出が実行されることを示唆する演出等を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図70に示すように、操作レバー演出が実行されることを示唆する演出を実行するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、前述した勝敗報知演出の実行を、操作レバー9031の操作だけではなく、プッシュボタン9031Aの操作によっても実行可能とし、操作レバー9031の操作が案内されて、該操作レバー9031を操作して勝敗報知演出が実行された場合は、プッシュボタン9031Aの操作が案内されて、該プッシュボタン9031Aを操作して勝敗報知演出が実行された場合よりも、味方が勝利する勝敗報知演出が実行されて大当り図柄が導出表示される割合が高くなるように、各演出の実行を決定することで、操作レバー9031の操作を行う方がプッシュボタン9031Aの操作を行う場合よりも、大当りとなり易いことで、操作レバー9031の操作の方が遊技者にとって有利とした場合を例に、図70を用いて説明する。
まず、左右の演出図柄が停止してリーチ状態が発生した後(図70(A))、バトル演出の開始されるときには、例えば、操作に関する画像として、プッシュボタン9031Aの操作を示唆する「プッシュボタン9031A」の画像を演出表示装置905に表示する(図70(B))。
そして、スーパーリーチ演出であるバトル演出の実行中において、「プッシュボタン9031A」に作用する弾丸を発射するキャラクタが登場し、弾丸を発射する演出(作用演出)が実行される。但し、弾丸を発射する演出(作用演出)は、図70(C)に示すように、弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中しない場合もあれば、図70(D)に示すように、弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中する場合もあり、弾丸は、最大2回発射される。尚、図70には例示していないが、最初に発射された弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中する場合もあれば、2発とも「プッシュボタン9031A」の画像に命中しない場合もある。尚、2発とも「プッシュボタン9031A」の画像に命中しない場合には、「プッシュボタン9031A」の表示が継続されることで、勝敗報知演出の実行に際して、プッシュボタン9031Aの操作が案内される。
キャラクタにより発射されたいずれかの弾丸が「プッシュボタン9031A」の画像に命中した場合には、図70(E)に示すように、「プッシュボタン9031A」の画像に代えて、中間画像として「煙幕」の画像が表示された後、図70(F)に示すように、操作レバー9031が突出している状態の画像が表示される。このように勝敗報知演出の実行に際して、操作レバー9031が操作可能位置に突出(変位)する操作レバー演出が実行されることが示唆されことで、大当りとなることへの遊技者の期待感を効果的に高めて、遊技興趣を向上できるようになるとともに、弾丸を発射して命中させる作用演出を実行することで、遊技者にとって有利な操作レバー9031が突出している状態の画像に変化することが解り易くなるので、遊技者の期待感を高めるための操作レバー9031の画像を表示する演出の演出効果を向上できる。
つまり、図70において示す変形例では、遊技者の操作(動作)を検出可能なプッシュボタン9031Aや操作レバー9031に対応した「プッシュボタン9031A」の画像や「操作レバー9031」の画像等の特定表示を演出表示装置905に表示する制御を演出制御用CPU90120が行い、特定表示として、第1特定表示となる「プッシュボタン9031A」の画像と、「プッシュボタン9031A」の画像よりも遊技者にとって有利度が高い第2特定表示となる「操作レバー9031」の画像を表示可能であり、「プッシュボタン9031A」の画像を表示した後、該「プッシュボタン9031A」の画像に作用する作用演出として、発射された弾丸が命中する演出が実行されることにより、第2特定表示となる「操作レバー9031」の画像を表示可能とされている。
尚、図70において示す変形例では、第1特定表示となる「プッシュボタン9031A」の画像が、遊技者にとって有利度が高い第2特定表示となる「操作レバー9031」の画像にのみ変化する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら「プッシュボタン9031A」の画像が「操作レバー9031」の画像に変化する第1変化パターンに加えて、「プッシュボタン9031A」の画像が、「プッシュボタン9031A」の画像と同様の画像であって、色や大きさが異なることで遊技者にとって有利度が「プッシュボタン9031A」の画像よりも高いが「操作レバー9031」の画像よりも低い画像(第3特定表示)に変化する第2変化パターンを有することで、第2特定表示と第3特定表示のいずれに変化するのかに遊技者を注目させることで、遊技興趣を向上できるようにしてもよい。
また、前記実施例では、異常報知を異なる態様にて行う対象を、遊技者が操作可能(接触可能)な操作レバー9031とした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら操作レバー以外の可動体、例えば、通常の格納位置から突出位置に変位する演出ボタンや、パチンコ遊技機901の上方位置や側方位置に、パチンコ遊技機901の前面に遊技者が接触可能または操作可能に設けられた役物(ギミック)等の可動体であってもよく、これら可動体は、1つではなく複数であってもよい。
また、前記実施例では、第1報知態様として演出表示装置905にエラー表示のみを表示する態様とし、第2報知態様として演出表示装置905にエラー表示を行うとともにエラー音を出力する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1報知態様としてはエラー表示を実行せず、第2報知態様ではエラー表示を実行するようにしてもよいし、第1報知態様として、演出表示装置905にエラー表示を行うともに操作レバー9031を振動させてエラー報知を行うとともに、第2報知態様として、演出表示装置905にエラー表示を行うともに操作レバー9031を振動させ、更にエラー音を出力する態様としたり、第2報知態様として、演出表示装置905にエラー表示を行うともに演出用LED909の点灯態様を異常時の点灯態様(例えば、赤の点滅)とし、更にエラー音を出力する態様としてもよく、これら第1報知態様と第2報知態様とは、態様の違いを認識できるものであれば適宜に決定すればよい。つまり、この発明における「異常報知の態様が異なる」ことには、報知を実行しない態様も1態様として含まれる。
また、前記実施例では、可動体演出となる操作レバー演出の実行を制限する手法として、該操作レバー演出に対応する処理であるレバー突出処理等を実行しない形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、異常報知が実行されている場合には、これら操作レバー演出の実行を伴うスーパーリーチの変動パターン自体を決定しないようにすることで制限したり、或いは、異常報知が実行されている場合に操作レバー演出の実行を伴うスーパーリーチの変動パターンが決定された場合には、操作レバー演出の実行を伴うバトル演出とは異なる演出を実行するように、演出を変更することで制限するようにしてもよく、これら制限する手法は、使用するメモリの記憶容量等に応じて適宜に決定すればよい。
また、前記実施例では、操作レバーエラーの場合と過負荷エラーの場合とで同様の制限をする形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作レバーエラーの場合には、操作レバー演出の実行を伴うバトル演出とは異なる演出を実行し、過負荷エラーの場合には演出を実行しないようにする等のように、操作レバーエラーの場合と過負荷エラーの場合とで異なる制限を行うようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技者の動作を検出する検出手段として、プッシュボタン9031Aや操作レバー9031を設けた形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、赤外線センサや画像センサ等を用いて、例えば、手をかざす等の遊技者の動作の有無を検出するようにしてもよい。
また、前記変形例では、異なる操作を、「プッシュボタン9031A」の操作と「操作レバー9031」の操作とした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上記したように、赤外線センサや画像センサ等を用いた場合には、例えば、異なる操作を、「プッシュボタン9031A」の操作と、赤外線センサや画像センサ等を用いた操作(動作)としてもよい。
また、前記実施例では、図69(D)に示すように、操作レバー9031の操作を案内する操作案内演出を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら操作案内演出を実行しないものであってもよい。
また、前記実施例では、エラー報知(異常報知)を、操作レバー9031が原点位置に戻されるまで継続する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、所定時間の経過によってエラー報知(異常報知)を終了したり、或いは、エラー報知(異常報知)後において最初に操作レバー9031を動作させるときに、エラー報知(異常報知)を終了するようにしてもよい
また、前記実施例では、可動体の一例として、原点位置と演出位置との間で回動可能な第1可動役物90300と、原点位置と演出位置との間で直線移動可能な第2可動役物90400と、回転軸を中心として回転可能な第3可動役物90500と、遊技者が操作可能な操作レバー9031を有する操作モジュール90Mを適用した形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら可動役物の動作態様(例えば、移動方向や回動方向)や設置数は上記のものに限らず種々に変更可能である。また、上記以外の動作態様にて動作する可動体を適用してもよい。
また、前記実施例では、原点検出対象可動体として原点位置と演出位置との間で動作可能な第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作レバー9031を有する操作モジュール90Mを適用し、原点非対象役物として第3可動役物90500を適用した形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、原点位置と演出位置との間で動作しない第3可動役物90500のような可動役物においても、第3可動部90502の回転位置に原点位置を設定することにより原点検出対象可動体としてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理において、一の可動役物に対し第1動作制御としての非検出時動作制御または検出時動作制御を実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも非検出時動作制御のみを実行するようにしてもよい。尚、非検出時動作制御のみを実行可能とする場合、第2初期化処理において原点検出センサにより可動役物が検出されている場合は非検出時動作制御を実行しなくてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU90120が、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度で可動役物が動作するように制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御や検出時動作制御において、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動役物が動作するように制御すればよく、例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い動作速度にて可動役物が動作するように制御してもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、常に予め設定された単一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物が動作する、つまり、可動役物が常に一定の速度にて動作するように制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、原点位置に復帰する際に、実動作確認用動作制御における最低速度から漸次減速させて最低速度よりも低い速度にて動作するように制御してもよい。つまり、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、実動作確認用動作制御における最低速度よりも低い速度であれば、所定の移動期間において速度が可変するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、それぞれ同一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動役物の動作を制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御における最高速度が、検出時動作制御における最低速度以下の速度となるように制御するようになっていれば、例えば、非検出時動作制御と検出時動作制御とで異なる動作速度にて可動役物を動作させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、エラーなど特定の異常が発生している場合に可動役物が検出手段にて検出されていないとき、つまり、第2初期化処理におけるステップS90109にて原点検出センサが検出状態でない場合、動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて第1可動役物90300や第2可動役物90400を原点位置方向へ向けて移動させる制御を繰返し行う形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、検出時動作制御における最低速度よりも低い速度、例えば、エラー用に設定され、比較的大きなトルクが得られる低速である特別速度で可動役物が動作するように制御するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理におけるステップS90124にて原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象可動体が原点位置(初期位置)に位置していない場合には、原点検出センサが検出状態になるまで、S90122〜S90127の処理を繰返し行う、つまり、設定されたプロセスデータに基づき、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて可動役物を検出時動作制御させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第2初期化処理におけるステップS90124にて原点検出センサが検出状態になっていない場合には、その時点から可動役物を実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて原点位置方向へ移動させる非検出時動作制御を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、複数の可動体として第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500、操作モジュール90M(操作レバー9031)を備え、第2初期化処理においては、非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とする可動体として、第1可動役物90300、第2可動役物90400、第3可動役物90500及び操作モジュール90M(操作レバー9031)を適用した形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第2初期化処理において非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とする可動役物とは、第1可動役物90300、第2可動役物90400、操作モジュール90M(操作レバー9031)、第3可動役物90500といった一の可動体を実行対象とするものに限らず、例えば、一の可動体が動作可能な複数の可動部を有する(例えば、第2可動役物90400は第2可動部90401と第2可動部90402とを有する)場合、これら各可動部各々を非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御の実行対象とし、各可動部を順次非検出時動作制御、検出時動作制御、実動作確認用動作制御させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU90120は、可動役物を往動作及び復動作それぞれにおいて加速及び減速して、低速→高速→低速→停止となるように制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、可動体演出時の動作制御や実動作確認用動作制御における動作速度は上記した形態に制御するものに限らず、例えば、低速→高速→低速→高速→低速→停止といったように低速と高速とを複数回繰り返すように制御してもよいし、動作速度が低速→中速→高速の順に変化するように制御してもよい。
また、往動作と復動作とで動作速度の変化態様や最低速度が異なるように制御してもよい。尚、往動作と復動作とで最低速度が異なる場合、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における往動作と復動作とのうち速度が低い方の最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU90120は、可動体を加速及び減速して動作速度を変化させる制御を行う形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、単一の動作速度にて可動体が動作するように制御してもよい。このように単一の動作速度にて可動体が動作するように制御する場合、該単一の動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、該最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を、パチンコ遊技機1の起動時である第2初期化処理において実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、起動時以外のタイミング(例えば、役物エラーや他の各種エラーを含むエラー処理の実行後や、図柄の変動開始時や、可動役物演出の実行後など)にて実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2初期化処理における可動役物の順序データとして、第1可動役物90300→第2可動役物90400→操作モジュール90M(操作レバー9031)→第3可動役物90500の順に非検出時動作制御または検出時動作制御や実動作確認用動作制御が実行される形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、順序は任意であり、前述したように、上記以外の順序で各動作を実行するようにしてもよい。また、複数のうち2以上の可動役物についての非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御のうちいずれかを並行して一緒に実行するようにしてもよい。
また、全ての可動体について非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後に実動作確認用動作制御が実行される形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、一の可動体の非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行した後、他の非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、実動作確認用プロセスデータを、実際の演出時の動作と同一の動作内容が記述されたものとした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら実動作確認用動作制御としては、実際の演出における動作速度の各動作を全て含むものであれば、完全に同一の動作でなくともよく、例えば、動作の一部が異なる複数の演出動作がある場合には、異なる複数の演出動作を全て組み込んだ確認専用の動作を記述した実動作確認用プロセスデータとしてもよい。
また、前記実施例では、S90113、S90127、S90213の動作エラー判定回数を「3」とした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら動作エラー判定回数は、「3」以外の回数に適宜に設定してもよく、S90113、S90127、S90213各々の動作エラー判定回数を異なる回数としてもよい。
また、前記実施例では、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を第2初期化処理にて実行する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、非検出時動作制御や検出時動作制御の実行タイミングは任意に設定可能であり、例えば、可動体演出の終了後や、図柄の変動表示が開始されるときや、デモ演出を実行したときなどに実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にもこの発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、可動体である操作レバー9031がいずれも突出している状態であって、レバー用モータ9036が動作しておらず、操作可能位置に位置している状態を第1状態とし、操作レバー9031を変位させるレバー用モータ9036が動作しており、操作可能位置から格納位置に変位中である状態を第2状態とした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、この発明の第1状態および第2状態を、いずれもレバー用モータ9036が動作している状態であって、操作レバー9031が格納位置から操作可能位置に変位中である状態を第1状態とし、操作レバー9031が操作可能位置から格納位置に変位中である状態を第2状態として、これら第1状態と第2状態とで異常報知の報知態様を異ならせる、つまり、遊技者の身体の一部(例えば、指)等が挟まれてしまう可能性のある第2状態の異常報知を、報知が認識される可能性が高い報知態様にて報知するようにしてもよい。尚、可動体の初期位置が、前述した実施例の操作レバー9031のように、格納位置ではない場合、たとえば、突出した突出位置が初期位置であって、格納された(没した)格納位置が動作位置である場合には、初期位置である突出位置から動作位置である格納位置まで変位する状態を第1状態とし、動作位置である格納位置から初期位置である突出位置まで変位する状態を第2状態とし、これら第1状態と第2状態とで異常報知の報知態様を異ならせる、つまり、遊技者の身体の一部(例えば、指)等が挟まれてしまう可能性のある第1状態の異常報知を、報知が認識される可能性が高い報知態様にて報知するようにすればよい。