JP2019122271A - 農業用ハウス - Google Patents

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哲雄 関山
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Abstract

【課題】高い日射透過率を確保しながら、高い集熱効率にて天井部の熱を集熱することができる農業用ハウスを提供する。【解決手段】農業用ハウス100は、天井部102に熱交換器32を備える。熱交換器32は、平板状に広がる板部、及び板部から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて千鳥状に配列された複数の突起部を有する、合成樹脂性の中空積層樹脂板と、突起部の頂面側に積層され、板部と対向して平板状に広がる金属板と、を備える。熱交換器32は、流入部から中空部へ熱媒体を流入させ、金属板の熱で熱媒体を加熱し、高温となった熱媒体を流出部から流出させることにより、天井部102の熱を回収することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、農業用ハウスに関する。
従来、農業用ハウスとして特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された農業用ハウスは、天井部にパイプを張り巡らせることで構成された熱交換器を備えている。熱交換器は、貯留部から供給される熱媒体をパイプに流通させることによって天井部付近の熱を回収し、貯留部に戻している。これにより、貯留部に高温となった熱媒体が貯留される。
特開昭53−122549号公報
上述のような農業用ハウスでは、栽培領域での作物の育成を促進するために、日射透過率が重要とされる。すなわち、作物に対する日射透過率を増加させることで、作物の収量を増加させることができる。従って、農業用ハウス内で最も高温となる天井部にて集熱を行う場合は、日射を遮ることを抑制できるようなコンパクトなサイズであり、且つ、集熱効率が高い熱交換器を採用することが求められていた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、高い日射透過率を確保しながら、高い集熱効率にて天井部の熱を集熱することができる農業用ハウスを提供することを目的とする。
本発明に係る農業用ハウスは、栽培領域の上側に天井部を有する農業用ハウスであって、天井部に熱交換器を備え、熱交換器は、平板状に広がる板部、及び板部から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて配列された複数の突起部を有する、合成樹脂性の中空積層樹脂板と、突起部の頂面側に積層され、板部と対向して平板状に広がる金属板と、板部、金属板、及び突起部間の隙間によって形成される中空部へ熱媒体を流入させる流入部と、中空部から流体を流出させる流出部と、を備える。
本発明に係る農業用ハウスは、天井部に熱交換器を備える。熱交換器は、平板状に広がる板部、及び板部から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて配列された複数の突起部を有する、合成樹脂性の中空積層樹脂板と、突起部の頂面側に積層され、板部と対向して平板状に広がる金属板と、を備える。この熱交換器には、板部、金属板、及び突起部間の隙間によって中空部が形成される。従って、熱交換器は、流入部から中空部へ熱媒体を流入させ、金属板の熱で熱媒体を加熱し、高温となった熱媒体を流出部から流出させることにより、天井部の熱を回収することができる。金属板は、熱伝導率の高い金属によって構成され、中空積層樹脂板は、金属板より熱伝導率の低い合成樹脂によって構成される。従って、金属板は、天井部から熱を受熱し易く、且つ、中空部を流れる熱媒体に熱を伝え易い。一方、中空積層樹脂板は、金属板で加熱された熱媒体の熱を板部及び突起部から逃がすことを抑制することができる。従って、熱交換器は、天井部の熱を熱媒体に伝え易く、且つ、加熱された熱媒体の熱を保温することができる。また、中空積層樹脂板は、板部から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて配列された複数の突起部を有する。このような構成によれば、熱媒体は、突起部にて分流し、隣の突起部で分流した流れと合流した状態で、突起部間の隙間を流れ込むことを繰り返す。また、熱媒体は、突起部間の隙間へ流れ込むときは徐々に狭くなる流路を通過し、突起部間の隙間から流れ出るときは徐々に広くなる流路を通過する状態となる。このような、二つの流れの変化の影響を受けることで、中空部内には熱媒体の流れの方向と速度が絶えず変化する乱流が形成される。この結果、中空部内では、金属板付近を流れる一部の熱媒体のみが当該金属板と接触するのではなく、乱流によって中空部内を流れる熱媒体の全体が金属板と接触することができる。このような熱交換器は、サイズをコンパクトにすることで日射を遮ることを抑制しつつも、高い集熱効率で集熱することができる。以上により、高い日射透過率を確保しながら、高い集熱効率にて天井部の熱を集熱することができる。
また、本発明に係る農業用ハウスにおいて、天井部には梁が設けられており、熱交換器は、梁の上側に設けられ、且つ、梁に沿って延びていてよい。熱交換器は、天井部において高温になり易い梁の付近にて熱を回収することができる。また、熱交換器が梁に沿って延びるため、熱交換器によって下方の栽培領域に形成される影は、梁によって形成される既存の影と広い範囲にわたって重なる。従って、熱交換器を設けることによって、栽培領域に梁以外の影が追加され得る場合であっても、当該影の増加量を抑制することができる。
また、本発明に係る農業用ハウスにおいて、天井部には、当該天井部と栽培領域との間を区切る天井カーテンが設けられており、天井カーテンは、開閉可能に梁に設けられていてよい。この場合、昼間の時間帯には、日射を遮らないように天井カーテンを開けておき、夜間の時間帯には、栽培領域の保温性を高めるために天井カーテンを閉めておくことができる。ここで、昼間の時間帯に天井カーテンを開けておくときには、当該天井カーテンを梁の付近で折り畳んでおくことができる。折り畳まれた天井カーテンの影響により、栽培領域に影が形成される。熱交換器は梁の上側に設けられているため、熱交換器によって形成される影を、天井カーテンによって形成される既存の影と重ねることができる。従って、熱交換器を設けることによって、栽培領域に梁及び天井カーテン以外の影が追加され得るが、当該影の増加量を抑制又は無くすことができる。
また、本発明に係る農業用ハウスは、熱交換器の起動を制御する制御部を更に備え、天井部には、当該天井部と栽培領域との間を区切る天井カーテンが設けられており、制御部は、天井カーテンを開くより早いタイミングで熱交換器を起動してよい。農業用ハウスに入り込む日射量が多くなる時間帯においては、日射を遮らないように天井カーテンを開けておき、夜間の時間帯には、栽培領域の保温性を高めるために天井カーテンを閉めておくことができる。ここで、天井カーテンが開かれる時間帯よりも早いタイミングで天井部の温度が栽培領域の温度よりも高くなる場合がある。従って、制御部は、当該天井カーテンを開くより早いタイミングで熱交換器を起動することで、より多くの熱を天井部から回収することができる。
本発明によれば、高い日射透過率を確保しながら、高い集熱効率にて天井部の熱を集熱することができる農業用ハウスを提供する。
本発明の実施形態に係る農業用ハウスの概略構成図である。 図1に示す農業用ハウスの概略側面図である。 図3(a)は熱交換器を上方から見た図であり、図3(b)は熱交換器を短手方向から見た図である。 熱交換器を長手方向から見た図である。 図5(a)は、熱交換器の分解斜視図である。図5(b)は、図5(a)に示す熱交換器の斜視図である。 熱交換器の断面模式図である。 図7(a)は、中空積層樹脂板を上方から見た図であり、図7(b),(c)は、熱媒体の流れを説明するための図である。 放熱器を側方から見た図である。 農業用ハウス内の温度と時刻との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る農業用ハウス100の概略構成図である。図2は、図1に示す農業用ハウス100の概略側面図である。図1及び図2は、農業用ハウスの内部の構造を示している。なお、本明細書においては、説明のためにXY座標系を設定する。X軸方向は、水平方向における一方の方向を示し、Y軸方向は、水平方向におけるX軸方向と直交する方向を示す。また、説明のために、図1における紙面右側をX軸方向における正側とし、紙面裏側をY軸方向における正側とする。
図1に示すように、農業用ハウス100は、一定の断面形状を有してY軸方向に延びる建物である。農業用ハウス100は、透光性ビニルやガラスで囲われた建物である。農業用ハウス100は、複数の柱21、複数の梁22、複数の天井部材23、及び連結部材24,26を備える。柱21、梁22、及び天井部材23は、Y軸方向に一定のピッチで設けられる。柱21は、農業用ハウス100のX軸方向の両側において地面Gから上下方向に延びる部材である。梁22は、柱21の上端側においてX軸方向へ延びる部材である。天井部材23は、柱21の上端側から農業用ハウス100の中央へ向かって斜め上方へ延びる部材である。連結部材24は、農業用ハウス100の頂部にてY軸方向に延びており、天井部材23同士を連結する部材である。連結部材24は、Y軸方向に延びており、柱21、梁22、及び天井部材23を連結する部材である。各部材間には、農業用ハウス100の外壁を構成するシート材が設けられる。シート材は、日光を透過させる透光性の材料(例えばビニルやガラス)によって構成される。
農業用ハウス100は、栽培領域101と、天井部102と、を有する。栽培領域101は、作物を栽培するための領域である。栽培領域101は、地面Gから一定の高さの領域である。天井部102は、栽培領域101の上側の領域である。より詳細には、天井部102は、農業用ハウス100の内部空間のうち、栽培領域101の上側であり、且つ、屋根(天井部材23及び連結部材24と、当該部材間に設けられるシート材によって構成される構造物)の下側に形成される空間である。天井部102には、梁22及び天井部材23が設けられる。天井部102には、当該天井部102と栽培領域101との間を区切る天井カーテン27が設けられている。天井カーテン27は、開閉可能に梁22に設けられている。天井カーテン27は、梁22の下部の支持部28で支持されている。図2(a)に示すように、天井カーテン27は、天井を開放した状態では、折り畳まれた状態で保持される。これにより、Y軸方向に隣り合う梁22と梁22との間の領域は、栽培領域101と天井部102とが上下方向に連通した状態となる。図2(b)に示すように、天井カーテン27は、天井が閉じられた状態では、Y軸方向に延ばされた状態となる。これにより、Y軸方向に隣り合う梁22と梁22との間の領域は、栽培領域101と天井部102とが天井カーテン27によって遮られた状態となる。なお、天井カーテン27は、一つの梁22に対して、Y軸方向の両側に設けられる。従って、一つの梁22から、Y軸方向の両側へ向かって天井カーテン27が延びる構造となっている。ただし、一つの梁22から、Y軸方向の一方のみへ向かって天井カーテン27が延びる構造であってもよい。また、天井カーテン27は、天井部102のY軸方向の正側の端部から負側の端部まで一つの部材として延びていてよく、複数の部材として分割されていてもよい。
天井部102は、昼間などの日照時刻においては栽培領域101よりも高温となる。農業用ハウス100は、天井部102の熱を回収し、当該熱を夜間に栽培領域101を暖めるために利用することができる。農業用ハウス100は、貯留部31、熱交換器32、放熱器33、制御部34と、を備えている。また、農業用ハウス100は、貯留部31から熱交換器32へ熱媒体を供給するラインL1と、熱交換器32から排出された熱媒体を貯留部31へ供給するラインL2と、貯留部31から放熱器33へ熱媒体を供給するラインL3と、放熱器33から排出された熱媒体を貯留部31へ供給するラインL4と、を備える。
なお、本実施形態では、農業用ハウス100は、貯留部31と接続された共通ラインL6と、三方弁36から分岐して熱交換器32へ接続された分岐ラインL7と、三方弁36から分岐して放熱器33へ接続された分岐ラインL8と、を備える。ラインL1は、共通ラインL6と分岐ラインL7との組み合わせによって構成される。ラインL3は、共通ラインL6と分岐ラインL8との組み合わせによって構成される。共通ラインL6には、貯留部31の熱媒体を圧送するポンプ37が設けられている。分岐ラインL7には、熱媒体の流量を調整する流量調整弁38が設けられている。流量調整弁38は、熱交換器32に流入する熱媒体の量を調整することで、流量を規定することができる。ラインL4には、熱媒体の流量を調整する流量調整弁39が設けられている。流量調整弁38は、放熱器33から貯留部31へ戻される熱媒体の流量を調整することで、熱媒体の圧力を保持することができる。
貯留部31は、熱媒体を貯留する槽である。貯留部31は、栽培領域101内に配置されている。貯留部31に貯留された熱媒体は、熱交換器32の熱交換に用いられ、且つ、放熱器33での熱の放出に用いられる。熱媒体として、例えば水、油、一般的な蓄熱材などが用いられてよい。蓄熱材として、特に、融点が30℃前後の蓄熱材がよく、無機塩やノルマルパラフィンなどがよい。貯留部31は、熱交換器32で回収された熱を貯めておくために、保温性の高い槽によって構成されていてよい。貯留部31は、例えば、発泡スチロール製の箱や、発泡スチロールや発泡ポリエチレンなどの容器によって構成されてよい。
熱交換器32は、天井部102に設けられており、天井部102での熱を回収する。熱交換器32は、天井部102の熱を受熱し、分岐ラインL7を介して貯留部31から流入した熱媒体と熱交換する。これにより、熱交換器32は、熱媒体を加熱することによって熱を回収する。熱交換器32は、加熱された熱媒体をラインL2を介して貯留部31へ流出させる。熱交換器32は、X軸方向に沿って、複数(図1では4個)設けられている。また、複数の熱交換器32は、ラインL9によって直列に接続されている。熱交換器32は、梁22の上側に設けられている。従って、複数の熱交換器32は、梁22が延びる方向、すなわちX軸方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。
熱交換器32の列は、Y軸方向に沿って複数設けられている。梁22は、Y軸方向に互いに間隔を空けて設けられているため、熱交換器32の列も、Y軸方向に互いに間隔を空けて設けられている(図2参照)。熱交換器32の列のそれぞれに対して、ラインL1、ラインL2が並列に設けられている。なお、熱交換器32のそれぞれに対してラインL1を分岐させる場合、ポンプ37の出口で分岐させる。このとき、分岐後の熱媒体の流量をQ1、Q2、…Qnとした場合、「Q1〜Qnの合計≦ポンプ吐出量」という関係が成り立つ(ポンプ吐出量は揚程で異なる)。なお、図1には、一列の熱交換器32に対するラインのみが示されている。
次に、図3〜図7を参照して、熱交換器32の詳細な構成について説明する。まず、熱交換器32を外側から見た時の構造について、図3及び図4を参照して説明する。図3(a)は熱交換器32を上方から見た図であり、図3(b)は熱交換器32を短手方向(Y軸方向の正側)から見た図である。図4は、熱交換器32を長手方向(X軸方向の負側)から見た図である。
図3及び図4に示すように、熱交換器32は、長尺な長方形をなすパネル状の部材である。熱交換器32は、上面32aと、下面32bと、長手方向に延びる辺をなす縁部32c,32dと、短手方向に延びる辺をなす縁部32e,32fと、を有する。熱交換器32の上面32aは上方を向くように配置される。熱交換器32の下面32bは下方を向くように配置される。熱交換器32は、梁22の上側に設けられ、且つ、梁22に沿って延びている。梁22はX軸方向に沿って延びているため、熱交換器32は、その長手方向がX軸方向と一致するように配置される。すなわち、熱交換器32の縁部32c,32dがX軸方向に沿って延び、熱交換器32の縁部32e,32fがY軸方向に沿って延びる。なお、縁部32cがY軸方向の負側に配置され、縁部32dがY軸方向の正側に配置されるものとする。縁部32eがX軸方向の負側に配置され、縁部32fがX軸方向の正側に配置されるものとする。
熱交換器32は、流入部46と、流出部47と、を備える。流入部46は、熱交換器32の内部へ熱媒体を流入させるための部分である。流出部47は、熱交換器32の内部から熱媒体を流出させるための部分である。流入部46及び流出部47は、熱交換器32の上面32aに形成された開口部、及び当該開口部に接続された継手によって構成される。流入部46及び流出部47は、それぞれ長手方向における両端部側に形成されている。すなわち、流入部46は、熱交換器32の長手方向における一端側に設けられる。流出部47は、熱交換器32の長手方向における他端側に設けられる。具体的には、流入部46は、フレーム42から露出している上面32aのうち、X軸方向の正側の端部付近、すなわち縁部32f側の端部付近に設けられる。流出部47は、フレーム42から露出している上面32aのうち、X軸方向の負側の端部付近、すなわち縁部32e側の端部付近に設けられる。なお、流入部46及び流出部47の継手は、いずれもX軸方向の負側を向いている。
熱交換器32は、フレーム41及び固定具42A,42Bによって梁22に取り付けられている。フレーム41は、矩形の枠状部材である。フレーム41は、上面32aのうち、縁部32c,32d,32e、32f付近の領域を覆う平板状の辺部41c,41d,41e,41fを有している(図3(a)参照)。すなわち、辺部41c,41d,41e,41fで取り囲まれる部分はX軸方向に沿って延びる長方形状の開口部となっている。当該開口部からは、熱交換器32の上面32aが露出している。これにより、熱交換器32は、上面32aで受熱することができる。辺部41c及び辺部41dは、縁部32c,32dよりも外側の位置に、下方へ向かって屈曲する屈曲部43を有する(図4参照)。すなわち、太陽光を均一に受講するには平坦な平面が必要である。ここで、アルミ板と樹脂を接合した集・放熱板は各々の物質の伸び率が異なるため、貼り合わせ後変形(反る)する。これは,均一受光に有害であるため、熱交換器32においては屈曲部43を設けて板に曲がり難さを与え平坦な構成を確保している。このような平坦な構成により、熱交換器32における局所的なエアー溜まりを防止することもできる。辺部41e,41fは、縁部32e,32fよりも外側へ向かって延びる延長部44(図3(a)参照)を有している。延長部44には、固定具42A,42Bが固定されている。
図3(b)に示すように、固定具42A,42Bは、フレーム41のX軸方向における両端部側に固定される。固定具42Aは、フレーム41の辺部41fの延長部44に固定されている。固定具42Bは、フレーム41の辺部41eの延長部44に固定されている。また、固定具42A,42Bは、フレーム41から下方へ延びて梁22に固定される。なお、固定具42Bは、固定具42Aよりも梁22から高い位置にてフレーム41を支持する。従って、熱交換器32は、縁部32fよりも縁部32eの方が高い位置に配置されるように、傾斜して配置される。ここでは、流出部47が流入部46よりも高い位置に配置されている。これにより、熱交換器32の内部にエアーが溜まることを抑制することができる。例えば、熱交換器32にエアーが存在する場合、熱媒体として水を熱交換器32に流したときに、受熱板の温度を速やかに下げることが阻害される。従って、熱交換器32を傾斜させてエアーを流出部47から抜け易くすることで、熱交換の効率を向上できる。
図4に示すように、固定具42Bは(及び固定具42Aも)、梁22のY軸方向における中央位置と、熱交換器32及びフレーム41のY軸方向における中央位置と、が一致するように熱交換器32を梁22に固定する。熱交換器32のY軸方向の寸法は、梁22のY軸方向の寸法よりも大きい。従って、熱交換器32のY軸方向における両側の縁部32c,32d及びフレーム41の両端部は、梁22のY軸方向における両端部よりも外側まではみ出している。熱交換器32が梁22よりもY軸方向の正側へはみ出す量と、Y軸方向の負側へはみ出す量とは、同じとなる。一方、図2(a)に示すように、熱交換器32のY軸方向の寸法は、折り畳んだ状態の天井カーテン27のY軸方向の両側の先端部27a,27b同士の間の寸法よりも小さい。従って、熱交換器32のY軸方向における両側の縁部32c,32d及びフレーム41の両端部は、天井カーテン27よりもY軸方向における内側に配置される。
図4に示すように、固定具42Bは、金具51A,51Bで梁22を挟み込むことによって構成されている。金具51A,51BはX軸方向から見たときに左右対称な構成を有している。金具51Aは、長尺な板状部材を屈曲することによって構成されている。金具51A,51Bは、挟持部52と、立ち上がり部53と、固定部54と、を備える。なお、固定具42Aは、固定具42Bと同趣旨の構成を有しているため、説明を省略する。なお、金具51A,51Bの固定部54を水平方向に対して傾斜させることで、上面32aを太陽方向(受熱量が最大の方向)に向けてよい。これにより、太陽熱の集熱効果を高めることができる。
挟持部52は、梁22を挟み込む部分である。挟持部52は、梁22の外形に対応する形状を有している。本実施形態では、梁22は、矩形管状の構成を有している。金具51Aの挟持部52は、梁22の上面22a、Y軸方向の正側の側面22c、下面22bと接触するような断面コ字状の形状を有している。金具51Bの挟持部52は、梁22の上面22a、Y軸方向の負側の側面22d、下面22bと接触するような断面コ字状の形状を有している。金具51Aの挟持部52及び金具51Bの挟持部52は、互いに組み合わせられることで、梁22の上面22a、側面22c,22d、下面22bを覆うように、当該梁22に取り付けられる。なお、梁22の断面形状は矩形管状に限定されず、円環状などの他の形状であってもよい。この場合、挟持部52の形状は、梁22の形状に対応した形状となる。
立ち上がり部53は、挟持部52の上端側の端部から上方へ向かって立ち上がる。なお、金具51A及び金具51Bの立ち上がり部53は、梁22の上面22aのY軸方向における中央位置にて、互いに当接した状態で立ち上がる。金具51Aの固定部54は、立ち上がり部53の上側の端部からY軸方向の正側へ向かって広がっている。金具51Bの固定部54は、立ち上がり部53の上側の端部からY軸方向の負側へ向かって広がっている。固定部54は、フレーム41の辺部41eの延長部44の下面に当接触する。当該状態で、延長部44と固定部54とがボルトによって締結されることで、固定部54がフレーム41に固定される。
次に、図5〜図7を参照して、熱交換器32の内部構造について説明する。図5(a)は、熱交換器32の分解斜視図である。図5(b)は、図5(a)に示す熱交換器32の斜視図である。図6は、熱交換器32の断面模式図である。図7(a)は、中空積層樹脂板11を上方から見た図である。図7(b),(c)は、熱媒体の流れを説明するための図である。
図5及び図6に示すように、熱交換器32は、フラットパネル形状を有している。熱交換器32は、中空積層樹脂板11と、バックシート12と、金属板13と、を備える。金属板13、中空積層樹脂板11、及びバックシート12は、上側からこの順序で積層されている。
中空積層樹脂板11は、平板状に広がる板部15、及び板部15から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて千鳥状に配列された複数の突起部11aを有する。突起部11aは、板部15から上方へ向かって突出する。本実施形態では、突起部11aは、中空円柱形状を有している。突起部11aは、板部15から上方へ向かって立ち上がる周面11cと、周面11cの上端にて板部15と平行に広がる頂面11bと、を有する。なお、突起部11aは、中空に形成されているため、板部15には突起部11aに対応する位置に開口11dが形成される。なお、突起部11aの寸法関係などの詳細は、効果と共に後述する。
中空積層樹脂板11の材料として、硬質ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂といった種々の合成樹脂を採用することができる。
ここで、突起部11aが千鳥状に配列された状態について図7(a)を参照して説明する。熱交換器32内の熱媒体は、流入口10aから流出口10bへ向かって流れる。すなわち、熱媒体は、熱交換器32の長手方向(X軸方向)に沿って流れる。ここで、中空積層樹脂板11は、長手方向に沿って、複数列の突起部11aを有する。図7(a)に示す例では、熱交換器32は、長手方向に沿って、基準線SL1を基準として一定のピッチで並ぶ突起部11aの列と、基準線SL2を基準線として一定のピッチで並ぶ突起部11aの列と、を交互に有している。基準線SL1と基準線SL2は、長手方向に当ピッチで設定されている。基準線SL1の列の突起部11aと、基準線SL2の列の突起部11aは、短手方向(Y軸方向)において互いに半ピッチずれた位置に配置されている。なお、長手方向における突起部11aのピッチと、短手方向における突起部11aのピッチとは、同一である。ただし、両方向における突起部11aのピッチは同一でなくともよい。このように、図7(a)に示す突起部11aのパターンは、一列毎に半ピッチずれるようなパターンを有していたが、突起部11aは千鳥状に配置されていれば、どのようなパターンで配列されていてもよい。例えば、突起部11aは、一列毎に3分の1ピッチ、4分の1ピッチ、さらにそれより小さいピッチでずれていてもよい。また、一列毎にずれる量は必ずしも一定でなくともよく、熱交換器32内でランダムにずれていてもよい。
バックシート12は、中空積層樹脂板11の突起部11aの開口11d側に、開口11dを密閉するように積層されている。バックシート12は、中空積層樹脂板11の非突起部である板部15と固着する。これにより、突起部11aの内部Aに空気が密封される。中空積層樹脂板11とバックシート12とは、熱溶着されてもよく、接着剤で接着されてもよい。バックシート12の材料として、中空積層樹脂板11と同様のものが採用されてよい。
金属板13は、中空積層樹脂板11の突起部11aの頂面11b側に積層されている。金属板13は、中空積層樹脂板11の突起部11aの頂面11bに固着されている。なお、中空積層樹脂板11と金属板13とは、熱溶着されてもよく、接着剤で接着されてもよい。
中空積層樹脂板11と金属板13とに挟まれた空間、すなわち、板部15、金属板13、及び突起部11a間の隙間には、中空部Sが形成される。中空部Sは、熱媒体を流すための空間である。
また、図6に示すように、バックシート12の外側には、カバーシート14が設けられている。カバーシート14の縁部と金属板13の縁部とを接着して封止することで、中空部Sが封止される。なお、カバーシート14を設けることに代えて、バックシート12の縁部を金属板13の縁部に密着させて、中空部Sを封止してもよい。
金属板13は、例えば、厚さ0.8〜2.5mmであってよい。また、金属板13の材料は、アルミニウムであってよい。アルミニウムの金属板13の外側の主表面13aには、耐腐食性を高めるために、アルマイト処理が施されてよい。なお、金属板13はアルマイト処理されていなくともよく、この場合、反応物質の含まれていない水、又は温水の使用に対して有効である。金属板13の材料としては、鉄、ステンレス、銅、その他の合金等が採用されてよい。
金属板13には、図6及び図7(a)に示すように、突起部11a間の中空部Sへ熱媒体を流入させる流入部46の流入口10aと、中空部Sから熱媒体を流出させる流出部47の流出口10bと、が形成される。流入口10a及び流出口10bは、突起部11a間にて開口している。なお、流入口10a及び流出口10bは、複数個ずつ設けられてよい。また、流入口10aと流出口10bとは同数であるとよい。
上述のように構成されたフラットパネル型の熱交換器32は、金属板13以外の部分が合成樹脂で形成されているために軽量である。また、金属板13の表面が平面であるため、金属板13の表面を容易に洗浄することができる。なお、金属板13の主表面13aは、上方を向くように配置される。従って、主表面13aは、受熱面として機能する。主表面13aは、図3に示す熱交換器32の上面32aとなる。
次に、突起部11aについてより詳細に説明する。図7(a)に示す突起部11aの頂面11bの直径Aと、突起部11a同士の最短距離Bとは、「A>B」の関係を満たしていてよい。また、後述の中空部Sと突起部11aとの合計容積に対する突起部11aの容積率は、71〜99%であってよい。このような条件とすることで、中空部Sを流れる熱媒体を効果的に乱流とすることができる。これにより、金属板13の主表面の温度分布の一層の均一化を図ることができる。
また、突起部11aの頂面11bの直径Aと、突起部11aの高さ(すなわち、中空部Sの高さ)Hとは、「A>H」の関係を満たしてよい。これにより、突起部11aの傾斜により中空部Sが潰れる可能性を低減することができ、フラットパネルの形態を安定化させることができる。
また、突起部11aの高さは、3mm〜100mmとしてよい。突起部11aの高さHが3mmより低い場合、中空部Sを流れる流体の流動抵抗が大きくなってしまう。一方、突起部11aの高さHが100mmよりも高い場合、中空部Sを流れる熱媒体の流量の増大により、中空積層樹脂板11の突起部11aの頂面11bと金属板13との固着状態を維持するのに必要な要求耐圧が高くなってしまう。突起部11aの高さHを100mm以下とすることで、中空部Sを流れる熱媒体の圧力の増大を抑制し、中空部Sを構成する中空積層樹脂板11と金属板13との剥離を防止できる。
また、本実施形態では、突起部11aが中空円柱形状であったが、中空円錐台形であってもよい。例えば、頂面11b側の直径が開口11d側の直径よりも小さい中空円錐台形状としてよい。この場合、突起部11aの周面11cが、中空円錐台形状の中心軸線(金属板13の主表面13aの法線)に対して、0°〜29°の傾斜角度を有していてよい。当該角度が29°以下であれば、突起部11aの頂面11bに、金属板13との十分な接着面積を確保することができる。その結果、流体の圧力によって金属板13が突起部11aの頂面11bから剥離する可能性を低減できる。なお、突起部11aを中空円錐台形状とした場合も、突起部11aの頂部の直径Aを突起部11aの頂部同士の最短距離Bよりも大きくしてよく、更に、突起部11aの容積率を71%〜99%としてよい。
なお、突起部11aを中空円錐台形状とした場合、突起部11aが傾斜する可能性を低減させることができる。また、突起部11aを中空円錐台形状とすれば、中空部Sを流れる熱媒体と、伝熱部材としての金属板13との接触面積が増加するため、熱交換効率の向上を図ることができる。また、中空部Sを流れる熱媒体とバックシート12との接触面積が減少するため、バックシート12側への熱の移動を低減することができる。
図1及び図2に示すように、放熱器33は、栽培領域101内にて、地面Gに設置されている。放熱器33は、貯留部31内に貯留された熱を利用して、栽培領域101内の空間に放熱する。放熱器33は、熱交換器32によって加熱された熱媒体を貯留部31からラインL3を介して受け取る。放熱器33は、高温の熱媒体を内部で流通させることで、栽培領域101内へ放熱する。放熱器33は、放熱終了後、温度が下がった熱媒体をラインL4を介して貯留部31へ戻す。なお、放熱器33は、栽培領域101内に複数個設けられてよい。この場合、それぞれの放熱器33に対して、ラインL3,L4が並列に設けられる。
放熱器33は、熱交換器32と同趣旨の構成(図5に示すような構成)を有するフラットパネル型の熱交換器によって構成される。すなわち、放熱器33は、流入部に高温の熱媒体を流入させ、流出部から放熱後の低温の熱媒体を流出させる点以外は、熱交換器32と同趣旨の構成を有する。この場合、放熱器33の金属板の主表面33aは、熱交換器32の受熱面である主表面13aに対応する面であり、放熱面として機能する。ただし、放熱器33の構成は特に限定されるものではなく、熱交換器32とは異なる構成を有する熱交換構造を採用してもよい。
図8は、放熱器33を側方から見た図である。図8に示すように、放熱器33は、地面Gから上方へ立ち上がると共に、水平方向における何れかの方向(ここではY軸方向)に延びるように設置される。このような配置により、放熱器33が占有する栽培領域101の面積を低減することができ、且つ、容易に放熱器33を設置できる。なお、複数枚の放熱器33が互いに平行に対向するように並べられた状態で用いられてよい。放熱器33の縁部は、フレーム73で支持される。このとき、フレーム73は、複数枚の放熱器33を支持してよい。放熱器33は、熱媒体を内部へ流入させる流入部71と、放熱後の熱媒体を外部へ流出させる流出部72と、を備える。流入部71及び流出部72は、放熱面である主表面33aに設けられる。
図1に示す制御部34は、熱交換器32及び放熱器33の起動を制御する。制御部34は、予め設定しておいた時刻に、ON/OFFの切替を行うタイムスイッチを備えていてよい。制御部34は、ポンプ37及び三方弁36に電気的に接続されている。制御部34は、ポンプ37を運転させると共に、三方弁36を分岐ラインL7へ切り替えることで、熱交換器32を起動することができる。このとき、放熱器33は停止する。制御部34は、ポンプ37を運転させると共に、三方弁36を分岐ラインL8へ切り替えることで、放熱器33を起動することができる。このとき熱交換器32は停止する。制御部34は、予め設定した時間に三方弁36を切り替えることで、熱交換器32の起動及び放熱器33の停止と、放熱器33の起動及び熱交換器32の停止と、を切り替えてよい。また、熱交換器32は、ポンプ37を停止することで、熱交換器32及び放熱器33の両方を停止してよい。更に、制御部34は、天井カーテン27の開閉を切り替えることができる。なお、制御部34は、温度計や日照計などの検出信号に基づいて、各構成要素のON/OFFを切り替える構成を有していてもよい。
次に、図2及び図9を参照して、制御部34の各構成要素の起動と停止のタイミングについて説明する。図9は、農業用ハウス100内の温度と時刻との関係を示すグラフである。図9のグラフT1は、天井部102の温度を示し、グラフT2は、栽培領域101の温度を示す。また、時刻t3〜t4の間は昼間の時間帯を示しており、時刻t3より前は朝方の時間帯を示しており、t4より後は夕方〜夜の時間帯を示している。なお、図9の温度変化は模式的なものであり、時間帯も季節によって変動がある。
図9に示すように、昼間の時間帯は、日光が天井から差し込むことにより、栽培領域101よりも天井部102の温度が高くなる。従って、制御部34は、昼間の時間帯は、図2(a)に示すように、天井カーテン27を折り畳むことで天井部102を開けた状態とし、熱交換器32を運転させた状態とする。これにより、熱交換器32は、熱を回収してラインL1から供給される冷水を加熱し、ラインL2を介して貯留部31へ戻す。また、天井部102と栽培領域101とが連通しているため、農業用ハウス100内の熱がハウス内で上昇することにより、天井部102の熱交換器32で熱を回収し易くなる。一方、昼間以外の時間帯は、気温が低下し、且つ、日光の入射も無いため、天井部102の温度が低くなる。従って、制御部34は、昼間以外の時間帯は、図2(b)に示すように、天井カーテン27を延ばすことで天井部102を栽培領域101から遮断した状態とし、放熱器33を運転させた状態とする。これにより、放熱器33は、ラインL3を介して貯留部31から供給された温水の熱を放出して、栽培領域101を暖め、冷水をラインL4を介して貯留部31へ戻す。これにより、栽培領域101の温度が所定の温度T3以上に保たれる。また、天井部102が栽培領域101と遮断されているため、栽培領域101内の熱が天井部102に逃げることを防止できる。
制御部34は、時刻t3に天井カーテン27を開き(天井部102を開放)、時刻t4に天井カーテンを閉じてよい(天井部102を遮断)。一方、制御部34は、時刻t3よりも早い時刻である時刻t1に熱交換器32を起動してよい。ただし、天井カーテン27の開閉タイミングや、熱交換器32及び放熱器33の起動タイミングは、特に限定されるものではない。例えば、天井部102の温度が時刻t1よりも立ち上がる時刻t2のタイミングにて、熱交換器32を起動してもよい。
次に、本実施形態に係る農業用ハウス100の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る農業用ハウス100は、天井部102に熱交換器32を備える。熱交換器32は、平板状に広がる板部15、及び板部15から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて千鳥状に配列された複数の突起部11aを有する、合成樹脂性の中空積層樹脂板11と、突起部11aの頂面11b側に積層され、板部15と対向して平板状に広がる金属板13と、を備える。この熱交換器32には、板部15、金属板13、及び突起部11a間の隙間によって中空部Sが形成される。従って、熱交換器32は、流入部46から中空部Sへ熱媒体を流入させ、金属板13の熱で熱媒体を加熱し、高温となった熱媒体を流出部47から流出させることにより、天井部102の熱を回収することができる。金属板13は、熱伝導率の高い金属によって構成され、中空積層樹脂板11は、金属板13より熱伝導率の低い合成樹脂によって構成される。従って、金属板13は、天井部102から熱を受熱し易く、且つ、中空部Sを流れる熱媒体に熱を伝え易い。一方、中空積層樹脂板11は、金属板13で加熱された熱媒体の熱を板部15及び突起部11aから逃がすことを抑制することができる。従って、熱交換器32は、天井部102の熱を熱媒体に伝え易く、且つ、加熱された熱媒体の熱を保温することができる。例えば、アルミニウムの熱伝導率は、約240(W・m−1・K−1)であり,鉄の約80(W・m−1・K−1)に比べて4倍大きい。従って、金属板13の材料としてアルミニウムを採用することで、熱を熱媒体に伝え易くなる。なお、アルミニウム板は熱伝導率が高いと同時に質量も鉄などより小さいため、熱容量が小さく日射の変化への速応性が良い。また、中空積層樹脂板の熱伝導率として約0.2(W・m−1・K−1)とすることができ、熱伝導性を低くして断熱性を高めることができる。
また、中空積層樹脂板11は、板部15から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて千鳥状に配列された複数の突起部11aを有する。このような構成によれば、図7(b)に示すように、熱媒体は、突起部11aにて分流し(「F1」で示す流れ)、隣の突起部11aで分流した流れと合流した状態(「F2」で示す流れ)で、突起部11a間の隙間を流れ込むことを繰り返す。また、図7(c)に示すように、熱媒体は、突起部11a間の隙間へ流れ込むときは徐々に狭くなる流路を通過し(「F3」で示す流れ)、突起部11a間の隙間から流れ出るときは徐々に広くなる流路を通過する状態(「F4」で示す流れ)となる。このような、二つの流れの変化の影響を受けることで、中空部S内には熱媒体の流れの方向と速度が絶えず変化する乱流が形成される。この結果、中空部S内では、金属板13付近を流れる一部の熱媒体のみが当該金属板と接触するのではなく、乱流によって中空部S内を流れる熱媒体の全体が金属板13と接触することができる。
このような熱交換器32は、サイズをコンパクトにすることで日射を遮ることを抑制しつつも、高い集熱効率で集熱することができる。例えば、経験的にトマト等の作物に対する日射透過率が1%増加すると、収量も1%増加することが知られている。このように、農業用ハウス100では、栽培領域101での作物の育成を促進するために、日射透過率が重要とされるが、本実施形態に係る熱交換器32を採用することで、日射透過率を高めることで、作物の栽培を促進できる。更に、熱交換器32を軽量にすることができるので、農業用ハウス100の構造に与える影響を抑制することもできる。以上により、高い日射透過率を確保しながら、高い集熱効率にて天井部102の熱を集熱することができる。
また、農業用ハウス100において、天井部102には梁22が設けられており、熱交換器32は、梁22の上側に設けられ、且つ、梁22に沿って延びていてよい。熱交換器32は、天井部102において高温になり易い梁22の付近にて熱を回収することができる。ここで、栽培領域101にはなるべく日光を入射させて作物の育成を促進することが好ましいため、天井部102の構造物による影をなるべく低減することが求められる。これに対し、熱交換器32が梁22に沿って延びるため、熱交換器32によって下方の栽培領域101に形成される影は、梁22によって形成される既存の影と広い範囲にわたって重なる。従って、熱交換器32を設けることによって、栽培領域101に梁22以外の影が追加され得る場合であっても、当該影の増加量を抑制することができる。
また、農業用ハウス100において、天井部102には、当該天井部102と栽培領域101との間を区切る天井カーテン27が設けられており、天井カーテン27は、開閉可能に梁22に設けられていてよい。この場合、昼間の時間帯には、日射を遮らないように天井カーテン27を開けておき、夜間の時間帯には、栽培領域101の保温性を高めるために天井カーテン27を閉めておくことができる。ここで、昼間の時間帯に天井カーテン27を開けておくときには、当該天井カーテン27を梁22の付近で折り畳んでおくことができる。この場合、折り畳まれた天井カーテン27の影響により、栽培領域101に影が形成される。熱交換器32は梁22の上側に設けられているため、熱交換器32によって形成される影を、天井カーテン27によって形成される既存の影と重ねることができる。従って、熱交換器32を設けることによって、栽培領域101に梁22及び天井カーテン27以外の影が追加され得る場合であっても、当該影の増加量を抑制又は無くすことができる。例えば、熱交換器32の短手方向の寸法が、折り畳まれた天井カーテン27と梁22のY軸方向における寸法より小さい場合(すなわち、図2(a)に示す状態)、熱交換器32の影を完全に天井カーテン27及び梁22の影の範囲に収めることができる。
また、農業用ハウス100は、熱交換器32の起動を制御する制御部34を更に備え、天井部102には、当該天井部102と栽培領域101との間を区切る天井カーテン27が設けられており、制御部34は、天井カーテン27を開くより早いタイミングで熱交換器32を起動してよい。農業用ハウス100に入り込む日射量が多くなる時間帯においては、日射を遮らないように天井カーテン27を開けておき、夜間の時間帯には、栽培領域101の保温性を高めるために天井カーテン27を閉めておくことができる。ここで、天井カーテン27が開かれる時間帯よりも早いタイミングで天井部102の温度が栽培領域101の温度よりも高くなる場合がある。従って、制御部34は、当該天井カーテン27を開くより早いタイミングで熱交換器32を起動することで、より多くの熱を天井部102から回収することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
熱交換器32の形状は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、熱交換器32は、梁22に沿って延びた形状でなくともよく、正方形、円形などのあらゆる形状であってよい。
また、熱交換器32の設置構造も、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、熱交換器32を固定するための金具は、上述の実施形態に限定されるものではなく、梁22に固定できるかぎり、あらゆる構造を採用してよい。また、熱交換器32は、梁22に対して左右対称に設けられなくともよく、いずれかの方向に傾いた状態で取り付けられてよい。また、熱交換器32は梁22に設けられなくともよく、天井から吊材などで吊り下げる構造であってもよい。
また、農業用ハウスは、栽培領域と天井部を有するものであれば、図1及び図2に示すような構成に限定されない。すなわち、農業用ハウスの柱や梁等の骨組み構造は、適宜変更してもよい。また、農業用ハウスの全体形状をY軸方向から見たときに、アーチ状の建屋としてもよい。この場合、アーチ状の建屋の上部が天井部として構成される。
また、中空積層樹脂板の突起部は、厚さ方向から見て円形の形状を有していたが、形状は特に限定されない。例えば、突起部は、厚さ方向からみて、楕円状、長円状、紡錘状などの形状を有していてよく、外周側へ凸となるような曲面を有するような形状であればよい。
また、上述の実施形態では、突起部11aが千鳥状に配列されていたが、突起部11aの配列は特に限定されず、千鳥状の配列となっていなくともよい。すなわち、突起部11aは、互いに隙間を空けるような配列になっていればよい。例えば、千鳥配列に対して直角方向の配置が直線状の配置となることで、千鳥配列と直線配列が組み合わされたような配列となっていてもよい。すなわち、流入口10aから流入した熱媒体は、最初は全周へ放射状に流れるため、流体の運動方向を考慮すると、図7(c)に示すような狭まり流路と広がり流路を通過し、図7(b)に示すような分流と合流をおこない、当該流れを繰り返すような挙動を行う。従って、当該変形例に係る配列であっても、上述の図7(a)のような配列と同様な効果を得ることができる。
11…中空積層樹脂板、11a…突起部、13…金属板、15…板部、22…梁、27…天井カーテン、32…熱交換器、34…制御部、100…農業用ハウス、101…栽培領域、102…天井部。

Claims (4)

  1. 栽培領域の上側に天井部を有する農業用ハウスであって、
    前記天井部に熱交換器を備え、
    前記熱交換器は、
    平板状に広がる板部、及び前記板部から中空状に突出すると共に互いに隙間を空けて配列された複数の突起部を有する、合成樹脂性の中空積層樹脂板と、
    前記突起部の頂面側に積層され、前記板部と対向して平板状に広がる金属板と、
    前記板部、前記金属板、及び前記突起部間の前記隙間によって形成される中空部へ熱媒体を流入させる流入部と、
    前記中空部から前記流体を流出させる流出部と、を備える、農業用ハウス。
  2. 前記天井部には梁が設けられており、
    前記熱交換器は、前記梁の上側に設けられ、且つ、前記梁に沿って延びている、請求項1に記載の農業用ハウス。
  3. 前記天井部には、当該天井部と前記栽培領域との間を区切る天井カーテンが設けられており、
    前記天井カーテンは、開閉可能に前記梁に設けられている、請求項2に記載の農業用ハウス。
  4. 前記熱交換器の起動を制御する制御部を更に備え、
    前記天井部には、当該天井部と前記栽培領域との間を区切る天井カーテンが設けられており、
    前記制御部は、前記天井カーテンを開くより早いタイミングで前記熱交換器を起動する、請求項1〜3の何れか一項に記載の農業用ハウス。
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