JP2019122008A - 電波伝搬推定装置、電波伝搬推定方法、及び、電波伝搬推定プログラム - Google Patents

電波伝搬推定装置、電波伝搬推定方法、及び、電波伝搬推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電波伝搬特性の推定時間を短縮し、また、電波伝搬特性の推定精度を向上する。【解決手段】電波伝搬推定装置10は、抽出部101と、推定部102と、を備えてよい。抽出部101は、送信点から送信される電波の受信点を含む地図データに、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を適用することによって、前記受信点を含む周辺環境において前記電波の障害となり得る構造を表す第1パラメータを前記地図データから抽出する。推定部102は、抽出部101において抽出された第1パラメータと、前記送信点と前記受信点との間において無線通信を行う無線通信システムの構成を表す第2パラメータと、に、全結合ニューラルネットワーク(FNN)を適用することによって、前記電波の伝搬特性を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電波伝搬推定装置、電波伝搬推定方法、及び、電波伝搬推定プログラムに関する。
移動通信システムのような無線通信システムにおける電波伝搬特性を推定するために、「レイトレーシング」又は「重回帰分析」が用いられることがある。
「レイトレーシング」を用いた電波伝搬推定では、例えば、無線通信システムの地理的及び構造的な環境を再現したシステムモデルにおいて、電波を表すレイを送信点から出射する。送信点から出射されたレイは、システムモデルにおける構造物などによって反射、回折、又は、透過して受信点に到達する。受信点に到達したレイの情報から、システムモデルにおける送信点及び受信点の間の電波伝搬特性が推定される。
例えば、受信点では、レイの受信特性を示す情報、例えば、伝搬損失(又は、受信電力)、遅延プロファイル、到来角度プロファイルなどが得られる。得られた受信特性を示す情報を用いて、受信点に到達したレイの電界強度、伝搬遅延(又は、遅延スプレッド)、及び/又は、到来角度(又は、角度スプレッド)が推定される。
一方、「重回帰分析」を用いた電波伝搬推定では、例えば、走行試験などによって事前に測定した伝搬損失データを用いて、推定式が重回帰分析によって作成される。推定式には、道路幅の広狭、及び、建物の高低といった都市構造に関連する情報(又はパラメータ)が考慮される。作成された推定式を用いて、受信電力等の電波伝搬特性が推定される。
特開2005−72667号公報
坂上修二、久保井潔、「市街地構造を考慮した伝搬損の推定」、信学論(B-II)、vol. J74-B-II、no. 1, pp. 17-25, Jan. 1991 市坪信一、木村正弘、「800MHz帯市街地伝搬損構造のモデル」、信学論(B-II)、vol. J75-B-II、no. 9, pp. 638-646, Sep. 1992 K. Kitao, S. Ichitsubo, "Path loss prediction formula in urban area for the fourth-generation mobile communication systems, " IEICE Trans. Commun., vol. E91-B, no. 6, pp. 1999-2009, June 2008 今井哲朗、「電波伝搬解析のためのレイトレーシング法」、コロナ社、2016
しかしながら、「レイトレーシング」を用いた電波伝搬推定では、計算量が多いために推定結果が得られるまでに時間がかかる傾向にある。また、推定結果に生じ得る誤差を最小化するために、レイトレースの演算式を修正することは容易ではないため、推定結果の誤差を簡単には補正できない。
一方、「重回帰分析」を用いた電波伝搬推定では、推定式に用いる都市構造に関連する情報の特定に、試行錯誤的な多岐にわたる検討を要する。また、推定式を構成する関数形の決定についても多岐にわたる検討を要する。そのため、推定結果が得られるまでに長時間を要する。
本発明の目的の1つは、電波伝搬特性の推定時間を短縮し、また、電波伝搬特性の推定精度を向上することにある。
電波伝搬推定装置の一態様は、送信点から送信される電波の受信点を含む地図データに、畳み込みニューラルネットワークを適用することによって、前記受信点を含む周辺環境において前記電波の障害となり得る構造を表す第1パラメータを前記地図データから抽出する抽出部と、前記抽出部において抽出された前記第1パラメータと、前記送信点と前記受信点との間において無線通信を行う無線通信システムの構成を表す第2パラメータと、に、全結合ニューラルネットワークを適用することによって、前記電波の伝搬特性を推定する推定部と、を備える。
電波伝搬特性の推定時間を短縮し、また、電波伝搬特性の推定精度を向上できる。
一実施形態に係る電波伝搬推定装置の構成例を示す機能ブロック図である。 図1に例示した機能ブロック図を図1よりも抽象化して示す機能ブロック図である。 一実施形態に係る、基地局の位置と移動局の位置とのペアに関して伝搬特性の推定に用いるデータの一例を示す図である。 一実施形態に係る建物マップデータの一例を示す図である。 一実施形態に係る見通しマップデータの一例を示す図である。 図4A及び図4Bに例示した建物マップ及び見通しマップを入力データに用いた場合に得られた電波伝搬推定結果の一例を示す図である。 図1及び図2に例示した都市構造パラメータ抽出部及び伝搬推定部のそれぞれに用いられるニューラルネットワークの構成例を示すブロック図である。 図1、図2及び図5に例示した電波伝搬推定装置の学習段階に着目した動作例を示すフローチャートである。 図6に例示した学習段階が終了した後の、電波伝搬推定装置の推定段階に着目した動作例を示すフローチャートである。 図6に例示した学習段階における重みパラメータの更新回数に対する学習の推移の一例を示す図である。 図7に例示した推定段階において、重みパラメータの更新と共に評価した推定精度の推移の一例を示す図である。 一実施形態に係る電波伝搬推定装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<概要>
近年の人工知能の発展は目覚ましく、現在、多くの応用研究が注目を集めている。その基礎となる技術の1つに、「ディープラーニング」(深層学習)がある。
「ディープラーニング」は、多層ニューラルネットワーク(multilayered neural network)を用いる機械学習(machine learning)の方法論の1つである。例えば、豊富な計算機資源と、インターネット上のビッグデータと、を多層ニューラルネットワークに活用することで、音声認識、画像認識、又は、自然言語処理等の処理性能を向上できる。処理性能を向上できる理由の1つに、ディープラーニングには、入力データから問題解決に使用される特徴量そのものを学習する能力が備わっていることが挙げられる。
移動通信などの無線通信の技術分野では、効率の良いセル設計のために、精度の良い伝搬損失(「パスロス」と称されることもある)の推定式が求められる。推定式を得るためのアプローチとしては、例えば、電磁界理論に基づくアプローチと、測定データ(「実測データ」又は「実測値」と称してもよい)に基づくアプローチと、がある。これらのアプローチのうち、無線通信の技術分野においては、後者のアプローチ、すなわち、測定データに基づくアプローチが多く用いられる。
例えば、無線通信システムにおいて想定される範囲内で、周波数、基地局アンテナ高、送受信間距離、及び/又は、伝搬環境などを変えて伝搬損失を測定し、これらのパラメータと、測定によって得られたデータと、の関係を分析して電波伝搬の推定式を作成する。
パラメータと測定データとの関係の分析に、重回帰分析を用いる場合、推定式を構成する「入力パラメータ」及び「関数形」が決定される。「入力パラメータ」とは、伝搬環境、例えば、市街地であれば、都市構造に関連する情報を意味する。なお、「都市構造に関連する情報」を、便宜的に、「都市構造パラメータ」と称することがある。都市構造関連パラメータの一例としては、建物占有面積率、道路幅、道路角、道路際建物高、平均建物高、及び、基地局近傍建物高などが挙げられる。
ここで、推定式のパラメータ及び関数形の決定には、推定式を作成する者のセンスと、使用したデータと、に依存するところが大きい。また、推定式のパラメータ及び関数形は、例えば、周辺建物高と、基地局及び/又は移動局のアンテナ高と、の関係が異なる毎に決定する必要がある。例えば、マクロセルとスモールセルとの関係のようにセルの展開シナリオ毎に、推定式に用いるパラメータ及び関数形が変わり得る。そのため、統一的な推定式を、上述した何れかのアプローチによって作成することは容易でない。
そこで、本実施形態では、電波伝搬の推定式に用いるパラメータ及び関数形の決定に、ニューラルネットワーク(neural network;NN)の一例であるディープニューラルネットワーク(deep neural network;DNN)を用いることについて検討する。
既述のように、DNNでは、問題解決に求められる特徴量そのものを入力データから学習できるため、例えば、住宅地図等の地図データをDNNの入力データに用いることで、電波伝搬推定に使用する都市構造パラメータそのものをDNNによって学習できる。併せて、推定式を構成する「関数形」の決定にもDNNを用いることで、既存の推定式よりも電波伝搬推定精度の高い推定式が得られる。
DNNの学習には、携帯電話などの個々の移動局(mobile station;MS)から通信ネットワークに送信(又は、報告)されるデータを利用できる。MSから通信ネットワークに報告されるデータの一例としては、MSの受信電力、MSの位置、及び/又は、MSが接続(アクセス)している基地局(base station;BS)などの電波伝搬環境を明示的又は暗示的(あるいは、直接又は間接的)に示す情報が挙げられる。なお、MSは、ユーザ装置(user equipment;UE)の一例である。
移動局から通信ネットワークに報告されるデータは、例えば、通信ネットワークを構成する基地局、及び/又は、基地局の上位局において収集されてよい。データセンタのサーバコンピュータ(「クラウドコンピュータ」と称してもよい)が、上位局に相当してもよい。例えば、データセンタにおいて収集されたデータは、いわゆる「ビッグデータ」としてデータセンタの記憶装置において記憶、管理されてよい。
そのため、「DNNの学習に、MSから報告されるデータを利用する」ことは、「DNNの学習に、電波伝搬環境に関するビッグデータを利用する」こと、と読み替えられてもよい。なお、ネットワークから得られないデータについては、例えば、レイトレーシングによるシミュレーション結果を用いて補完されてよい。
<電波伝搬推定装置の構成例>
図1は、一実施形態に係る電波伝搬推定装置10の構成例を示す機能ブロック図である。「推定装置」は、「シミュレータ」、「モデル」、又は、「ツール」などに読み替えられてもよい。
図1に示すように、電波伝搬推定装置10は、例示的に、都市構造パラメータ抽出部101と、伝搬推定部102と、誤差計算部103と、重み更新部104と、を備えてよい。なお、図1に例示したセンタDB300については、後述する。
都市構造パラメータ抽出部(以下「抽出部」と略称することがある)101は、例えば、住宅地図などの地図データが入力され、地図データから伝搬推定に用いる都市構造パラメータをニューラルネットワーク(NN)によって抽出する。
都市構造パラメータには、非限定的な一例として、既述の建物占有面積率、道路幅、道路角、道路際建物高、平均建物高、及び、基地局近傍建物高の中から選択された1つ以上のパラメータが含まれてよい。
都市構造パラメータは、例えば、基地局及び/又は移動局の位置と、周辺建物の位置と、の関係に応じて異なる値を取り得る。別言すると、都市構造パラメータは、送信点(基地局又は移動局)から送信される電波の受信点(移動局又は基地局)を含む周辺環境において電波の障害となり得る構造を表す第1パラメータの一例である。
NNには、非限定的な一例として、畳み込みNN(Convolutional Neural Network;CNN)が適用されてよい。
CNNは、例えば図5にて後述するように、入力データ(例えば、画像)から局所的に特徴量を抽出する畳み込み層と、局所毎に特徴量をまとめるプーリング層と、を繰り返す構造を有する。プーリング層(又は、サブサンプリング層)は、例えば、畳み込み層からの入力データを処理し易い形式に圧縮(「ダウンサンプリング」と称されることもある)する。
CNNでは、畳み込みフィルタ(以下「フィルタ」と略称することがある)のパラメータは入力画像の全ての場所で共有される。そのため、単純な全結合ニューラルネットワーク(Fully Connected Neural Network;FNN)に比べて、パラメータ数を削減できる。また、プーリング層によって、パラメータ数を更に削減でき、併せて、入力画像の平行移動に対する不変性を段階的に付与できる。
CNNは、入力データが画像データである場合、画像データの解像度を少しずつ落としながら異なるスケールにおいて隣り合う特徴量の共起を計算し、分類又は識別に有効な情報を選択的に次層(上位層)へ伝達してゆくネットワークであると概念的に解釈できる。
伝搬推定部102は、例えば、抽出部101によって抽出された都市構造パラメータと、システムパラメータと、が入力され、両パラメータを用いたNNによって無線通信システムにおける電波伝搬を推定する。なお、システムパラメータは、送信点と受信点との間において無線通信を行う無線通信システムの構成を表す第2パラメータの一例である。電波伝搬の「推定」は、「分析」、「解析」、又は、「シミュレーション」などに読み替えられてもよい。
システムパラメータには、例えば、送信点と受信点との間の距離である送受信間距離、電波伝搬の推定対象とする電波の周波数、基地局のアンテナ高、移動局のアンテナ高、及び、送受信点間の見通し(line of sight)の有無の中から選択された1つ以上を示す情報が含まれてよい。
システムパラメータは、電波伝搬の推定対象とするシステム及び/又はシナリオに応じて決定されてよい。例えば、マクロセル環境を推定対象とする場合、基地局アンテナは、周辺建物よりも高い位置に設置される(つまり、基地局アンテナ高>周辺建物高)と仮定してよい。
また、「周波数」は、例えば、送信点及び受信点のいずれか一方に対応する基地局の配置態様(別言すると、セル設計)に応じて定められるため、送信点と受信点との位置関係に応じて定まるシステムパラメータの一例に含まれると捉えてよい。
伝搬推定部102におけるNNには、例えば、FNNを適用することで、入力パラメータから伝搬損失を推定する関数を表現する。FNNでは、各層のノードが次層のノードの全てと接続される。FNNは、下位層に至るまでに検出された特徴量の組み合わせを、特定の予測結果に分類する識別部の役割を果たす。なお、NNにおいて、各層における「ノード」は、「ニューロン」又は「ユニット」と称されることもある。
誤差計算部103及び重み更新部104は、例えば、CNN及びFNNによって形成されるDNNの重み係数(「重みパラメータ」と称されてもよい)を学習するために用いられる。
CNNにおいて、重みパラメータは、例えば、畳み込み層(C層)において適用される畳み込みフィルタのフィルタ係数に相当すると捉えることができる。FNNにおいては、重みパラメータは、FNNを成す各層間(別言すると、異なる層のノード間)の重み結合に付与された係数に相当すると捉えることができる。重みパラメータの学習には、例示的に、誤差逆伝搬法(back propagation)が適用されてよい。
誤差逆伝搬法は、例えば、各層の重みパラメータの更新量を、上位層側(出力層側)から得た値を利用して計算し、下位層(入力層)方向へ各層の重みパラメータの更新量を決める値を計算しながら伝搬させていく方法である。
例えば、誤差計算部103は、伝搬推定部102によって得られた電波伝搬特性(以下「伝搬特性」と略称することがある)の推定値と、実測値(又は、理論値でもよい)から得られた電波伝搬特性と、の誤差を計算する。計算された誤差が、与えられた収束条件に収束するまで、重み更新部104によってDNNの重みパラメータが繰り返し更新される。
なお、誤差計算部103によって計算される誤差は、例えば、重みパラメータを引数とする誤差関数によって表されてよい。誤差関数は、損失関数、コスト関数、又は、(推定の)目的関数などと称されることもある。
重みパラメータの更新には、例えば、勾配降下法(Gradient Descent Method)が適用されてよい。勾配降下法では、例えば、誤差関数の勾配値をゼロに近づける、別言すると、誤差関数の偏微分値をゼロに近づけることで、DNNの重みパラメータを反復的に更新する。
図2は、図1に例示した機能ブロック図を図1よりも抽象化して示す機能ブロック図である。図2においては、上述した誤差逆伝搬法によってDNNの各層における重みパラメータが上位層から下位層(図2の紙面右から左)に向かって、FNN及びCNNの重みパラメータが、順次、更新される様子を、ハッチングを付した矢印によって表現している。
勾配降下法を用いた重みパラメータの学習には、バッチ学習(batch learning)が適用されてもよいし、ミニバッチ学習(mini-batch learning)が適用されてもよい。ミニバッチ学習は、学習に用いるデータ(「学習データ」、「教師データ」又は「トレーニングデータ」と称されてもよい)を複数に分割した単位で学習を行う。
ミニバッチ学習によれば、バッチ学習に比して、学習時間の短縮、計算機資源の利用効率向上、及び/又は、学習効率の低下抑制などを図ることができる。例えば、既述の電波伝搬環境に関するビッグデータを学習データに用いる場合には、ミニバッチ学習を適用することが有用である。なお、学習データを分割した単位は、「エポック」(epoch)と称されることがある。
<入力データの一例>
次に、本実施形態の電波伝搬推定装置10において用いる入力データの一例について説明する。
図3は、或るBSの位置と、或るMSの位置と、のペアに関して伝搬特性の推定に用いるデータ(例えば、地図データ)の一例を示す図である。図3においては、BSの位置が送信点に対応し、MSの位置が受信点に対応する。
受信点に対応したMSの位置が含まれる特定の領域(例えば、128m×128mの矩形領域)の地図データが、都市構造パラメータ抽出部101に入力される。
なお、MSの位置が含まれる特定の領域は、矩形領域に限られず、円形、及び、楕円形、その他の形状であってもよい。また、MSの位置が含まれる特定の領域のサイズは、例えば、演算に見込まれる負荷などに応じて適宜に調整されてよい。
また、都市構造パラメータ抽出部101に入力される地図データは、図3に示したように、例えば、メッシュ状に分割されてよい。分割の単位である1つのメッシュのサイズは、例えば、2m×2mである。ただし、分割の単位は、2m×2mに限られず、例えば、演算に見込まれる負荷などに応じて適宜に調整されてよい。
また、都市構造パラメータ抽出部101に入力される地図データには、「建物マップデータ」(図4A参照)及び「見通しマップデータ」(図4B参照)が含まれてよい。以下、「建物マップデータ」及び「見通しマップデータ」を、それぞれ、「建物マップ」及び「見通しマップ」と略称することがある。
図4Aに例示した「建物マップ」は、例えば、「各メッシュにおける建物の高さ情報から構成される地図データ」であり、建物の存在しないメッシュは0mと定義される。一方、図4Bに例示した「見通しマップ」は、例えば、「BSに対する各メッシュの見通しの有無の情報から構成される地図データ」である。例示的に、建物が存在せず、かつ、見通しの有るメッシュを「1」と定義し、それ以外のメッシュは「0」と定義する。
なお、図4Cは、図4A及び図4Bに例示した建物マップ及び見通しマップを都市構造パラメータ抽出部101の入力データに用いた場合に、伝搬推定部102によって得られた推定結果(例えば、伝搬損失の地理的な分布)の一例を示す図である。
電波伝搬推定装置10の動作を、学習段階と、学習終了後の推定段階と、に分けて考える場合、学習段階において既述のビッグデータがCNN及びFNNの学習に利用されてよい。なお、「段階」は、「フェーズ」、「ステージ」、「手順」、又は「プロシージャ」といった他の用語に読み替えられてもよい。
また、学習段階及び推定段階において伝搬推定部102に入力するシステムパラメータは、例えば、BSとMSとの間の距離に相当する「送受信間距離D」(メートル)、及び、「見通しの有無」の一方又は双方を示す情報である。
なお、「送受信間距離D(m)」を示す情報には、送受信間距離の対数(logD)が用いられてもよい。また、「見通しの有無」を示す情報には、見通しフラグ(LOS)が用いられてよい。見通しフラグは、見通しの有無をそれぞれ数値(例えば、「1」及び「0」)によって表したパラメータの一例である。
図3を用いて説明した入力データは、MSが受信点に対応する場合の入力データである。BSが受信点に対応する場合についても、受信点であるBSの位置が含まれる特定の領域の地図データを、都市構造パラメータ抽出部101に入力することで、受信点であるBSを含む周辺環境に対する都市構造パラメータを抽出できる。したがって、BSを含む周辺環境の電波伝搬特性を推定できる。
<DNNの構成例>
次に、本実施形態の都市構造パラメータ抽出部101及び伝搬推定部102に適用するDNNの構成例について、図5を参照して説明する。図5に示すように、都市構造パラメータ抽出部101には、例えばCNNが適用され、伝搬推定部102には、例えばFNNが適用される。
(CNNの構成例)
CNNは、例示的に、畳み込み層(C層)と、プーリング層(P層)と、全結合層(F層)と、を有する。
C層は、例えば、入力データに対して、畳み込みフィルタを用いた畳み込み演算を行うことによって、入力データにおける局所的なパターンの特徴量を抽出する。
P層は、入力データにおける小領域(「局所領域」と称されることもある)の値を、1つの値にプーリング(別言すると、集約)する。プーリングにおいて、多少の位置ずれは許容される。
F層は、C層及びP層で得られた特徴量に基づいた分類(又は識別)を行う。
図5において、都市構造パラメータ抽出部101は、非限定的な一例として、4つのC層(C〜C)と、2つのP層(P及びP)と、2つのF層(F及びF)を有する。ただし、C層、P層、及び、F層それぞれの数は、図5に例示した数に限られず、例えば、演算に見込まれる負荷などに応じて、適宜に調整されてよい。
図5に示すように、都市構造パラメータ抽出部101には、例えば、「64×64」のサイズの入力データが入力される。なお、「64×64」は、1マップあたりのサンプル数を表す。また、「64×64」のサイズの入力データに付記した「2」は、マップ数を表している。2つのマップは、例えば図4A及び図4Bに例示した「建物マップ」及び「見通しマップ」に対応すると捉えてよい。
抽出部101は、「64×64」のサイズの入力データに対し、C層において、例えば、フィルタサイズ=「5×5」、及び、フィルタ数=「12」の畳み込み演算を行う。
例えば、抽出部101は、「5×5」の2次元配列(別言すると、「行列」)によって表されるフィルタの要素値と、「64×64」の行列によって表される入力データの要素値(別言すると、サンプル値)と、を要素値毎に乗算し、乗算結果を加算(合計)する。
このような乗算及び加算を、「64×64」の2次元配列全体をカバーする範囲でフィルタをスライドさせながら行うことで、「64×64」の2次元配列に対する畳み込み演算結果が得られる。例えば、この畳み込み演算によって、「60×60」のサイズを有する、フィルタ数=12に等しい数のマップデータが得られる。
なお、入力データに対してスライドされるフィルタは、「スライド窓」、「カーネル」、あるいは、「特徴検出器」(feature detector)などと称されることもある。
次いで、抽出部101は、P層において、C層の出力(すなわち、「60×60」のサイズを有する「12」個のマップデータ)に対し、例えば、局所領域のサイズとして「4×4」のサイズのプーリング演算を行う。
層のプーリング演算によって、「60×60」のサイズが「15×15」のサイズに圧縮された、12個のマップデータが得られる。なお、プーリング演算には、局所領域内の最大値を選択するMaxプーリング、及び、局所領域内の平均値を求めるAverageプーリングのいずれが適用されてもよい。以下では、便宜的に、Averageプーリングが適用される例について説明する。
更に、抽出部101は、C層において、P層の出力(すなわち、「15×15」のサイズを有する12個のマップデータ)に対し、例えば、フィルタサイズ=「4×4」、及び、フィルタ数=「24」の畳み込み演算を行う。C層の畳み込み演算によって、「12×12」のサイズを有する、フィルタ数=24に等しい数のマップデータが得られる。
次いで、抽出部101は、P層において、C層の出力(すなわち、「12×12」のサイズを有する24個のマップデータ)に対し、例えば、局所領域のサイズとして「2×2」のサイズのプーリング演算を行う。P層のプーリング演算によって、「12×12」のサイズが「6×6」のサイズに圧縮された、24個のマップデータが得られる。
更に、抽出部101は、C層において、P層の出力(すなわち、「6×6」のサイズを有する24個のマップデータ)に対し、例えば、フィルタサイズ=「3×3」、及び、フィルタ数=「48」の畳み込み演算を行う。C層の畳み込み演算によって、「4×4」のサイズを有する、フィルタ数=48に等しい数のマップデータが得られる。
次いで、抽出部101は、C層において、C層の出力(すなわち、「4×4」のサイズを有する48個のマップデータ)に対し、例えば、フィルタサイズ=「3×3」、及び、フィルタ数=「48」の畳み込み演算を行う。C層の畳み込み演算によって、「2×2」のサイズを有する、フィルタ数=48に等しい数のマップデータが得られる。
抽出部101は、以上のような畳み込み演算とプーリング演算とを「建物マップ」と「見通しマップ」との2つのマップそれぞれについて繰り返すことで、C層の出力として、サンプル数=192(2×2×48)のデータを得る。
なお、「建物マップ」及び「見通しマップ」の2つのマップに対する畳み込み演算及びプーリング演算は、2つのマップに共通したシリアルな演算によって実行されてもよいし、2つのマップに個別のパラレルな演算によって実行されてもよい。
そして、抽出部101は、192個のサンプルのデータを、10個のF層に全結合されたF層に入力することより、CNNによる最終的な出力として、10個のデータ(別言すると、10種類のデータ)をF層から出力する。
以上のように、都市構造パラメータ抽出部101では、サンプル数=64×64×2=8,132の地図データから、10種類の都市構造パラメータの値を求めることができる。
なお、CNNへの入力データサイズ、並びに、C層(C〜C)、P層(P及びP)、及び、F層(F及びF)のそれぞれに適用するフィルタサイズ及び/又はフィルタ数は、上述した数値に限られない。例えば、演算に見込まれる負荷などに応じて、これらの数値は適宜に調整されてよい。
(FNNの構成例)
一方、伝搬推定部102に適用するFNNは、図5に例示したように、入力層、中間層、及び、出力層の3層によって構成されてよい。
入力層には、都市構造パラメータ抽出部101によって得られた都市構造パラメータと、既述のシステムパラメータ(例えば、送受信間距離:logD、及び、見通し有無:LOS)と、が入力される。したがって、伝搬推定部102を成すFNNへの入力パラメータ数は「12」である。なお、中間層及び出力層のノード数は、それぞれ、「3」及び「1」である。
当該FNN構成では、2つのF層(F及びF)による2回の全結合NNによって、伝搬特性(例えば、伝搬損失)の推定値が得られる。
(活性化関数)
次に、C層及びF層に適用する活性化関数(activation function)f(x)について説明する。なお、「x」は、局所領域のインデクスを表す。C層(C〜C)のそれぞれには、例えば、下記の式(1)によって表されるReLU関数が適用されてよい。なお、「ReLU」は、「Rectified Linear Unit」の略称である。
Figure 2019122008
これに対し、F層(F〜F)のうちF〜F層のそれぞれには、例えば、下記の式(2)によって表されるシグモイド関数が適用されてよい。
Figure 2019122008
層には、例えば、恒等関数:f(x)=xが適用されてよい。
<DNNの学習法>
既述のとおり、重みパラメータの学習には誤差逆伝搬法が適用されてよい。ここで、DNNの規模が大きく、また、学習データ量が多いほど、DNNの学習にかかる時間が長くなる傾向にある。
そこで、ミニバッチ勾配降下法をDNNの学習に適用することで、DNNの学習時間を短縮できる。ミニバッチ勾配降下法とは、サンプル数がN個の学習データに対して、n(<N)個のサンプル(別言すると、ミニバッチ)毎に、重みパラメータを勾配降下法によって更新する方法である。重みパラメータの収束性を高めるために、最適化手法の1つであるAdam(adaptive moment estimation)が併用されてもよい。
<P層のプーリング演算>
P層は、既述のとおり、入力データを扱いやすい形式に変形するために、情報をダウンサンプリングして圧縮する。情報を圧縮することで、微小な位置変化に対するロバスト性の向上、過学習の抑制、及び/又は、演算コストの低減といった効果が期待できる。
MAXプーリングでは、局所領域に対して、最大値を選択する。例えば、DNNにおいて、上位層の(複数の)ノードに接続される下位層の複数のノードのうち、最大値をもつノードの値が上位層のノードの出力値となる。
別言すると、MAXプーリングでは、下位層の複数のノードの特徴量を、その複数のノードの中の「最大値」と扱って、サブサンプリングが行われる。ニューロンプールの観点から捉えると、MAXプーリングは、下位層の複数のニューロンによって構成されるニューロンプールから、「集中的」に、そのプールがもつ最大値を出力する構造であると云え、ニューロンプールの集中性を再現する。
例えば、下位層のノードのもつ値がほとんど「0」であり、一部に限って有効な値をもつような特性のデータセットが対象であれば、MAXプーリングは、averageプーリングに比して、無駄な入力を高効率に分離できる。別言すると、MAXプーリングは、averageプーリングに比して、ノイズフィルタとして高い性能をもつと云える。
一方、averageプーリングでは、下位層の複数のノードから上位層のノードに対して出力する値が最大値ではなく平均値である。ニューロンプールの観点から捉えると、下位層のニューロンの総和に揺らぎが無いか、あるいは、その揺らぎが無視できる程度であれば、ノイズフィルタとして十分に機能する。
averageプーリングでは、MAXプーリングのように最大値よりも小さな値のニューロンの値を無視しないため、MAXプーリングに比して、例えば、局所解問題(local minumum problem)に陥る可能性を低減できる。なお、「局所解問題」とは、例えば、部分的な最適解に系が収束し、真の最適解にたどり着かない現象を意味する。
<動作例>
以下、上述した構成を有する電波伝搬推定装置10の動作例を、学習段階と推定段階とに分けて説明する。
(学習段階)
図6は、電波伝搬推定装置10の学習段階に着目した動作例を示すフローチャートである。
図6に例示するように、電波伝搬推定装置10は、例えば、都市構造パラメータ抽出部101及び伝搬推定部102において用いられる学習データを設定する(S11)。学習データの設定は、例示的に、都市構造パラメータ抽出部101において行われてよい。
別言すると、都市構造パラメータ抽出部101は、学習データを設定する(第1)設定部としての機能を有してよい。第1設定部は、都市構造パラメータ抽出部101とは分離した機能ブロックとして電波伝搬推定装置10内に備えられてもよい。
学習データの設定には、例示的に、データセンタのデータベース(DB)300に記憶された、電波伝搬環境に関するビッグデータが利用されてよい。
例えば、都市構造パラメータ抽出部101は、電波伝搬環境に関するビッグデータに基づいて、MSが接続しているBS(接続BS)の情報、及び、MSの位置情報を学習データに設定してよい。
また、電波伝搬推定装置10は、例えば、地図データのDB400から図5に例示したようにCNNに入力する地図データ(例えば、建物マップ及び見通しマップ)を取得する(S12)。地図データのDB400は、電波伝搬推定装置10内の記憶装置に記憶されていてもよいし、電波伝搬推定装置10の外部(例えば、既述のデータセンタ)に備えられた記憶装置に記憶されていてもよい。
なお、データセンタのDB300及び地図データのDB400を、それぞれ、「センタDB300」及び「地図DB400」と略記することがある。
また、電波伝搬推定装置10は、例えば、DNNを成す各層のそれぞれについて学習の対象とするパラメータ(例えば、重みパラメータ)を設定する(S13)。当該設定は、例示的に、都市構造パラメータ抽出部101において行われてよい。
別言すると、都市構造パラメータ抽出部101は、学習対象のパラメータを設定する(第2)設定部としての機能を有してよい。第2設定部は、既述の第1設定部と同様に、都市構造パラメータ抽出部101とは分離した機能ブロックとして、電波伝搬推定装置10内に備えられてもよい。また、第2設定部は、既述の第1設定部とは別の機能ブロックでもよいし、第1設定部の機能ブロックに統合されてもよい。例えば、1つの設定部が、第1設定部としての機能と、第2設定部としての機能と、を有していてもよい。
なお、S11、S12、及び、S13の各処理は、電波伝搬推定装置10において、互いに順序が入れ替えられてもよいし、並行して実行されてもよい。
次いで、電波伝搬推定装置10は、例えば、都市構造パラメータ抽出部101によって、図5にて説明したとおり、S12において取得した地図データから、都市構造パラメータを計算する(S14)。
都市構造パラメータが計算されると、電波伝搬推定装置10は、例えば、伝搬推定部102によって、図5にて都市構造パラメータとシステムパラメータとを用いて、図5にて説明したとおり、伝搬特性を計算する(S15)。
伝搬特性が計算されると、電波伝搬推定装置10は、例えば、誤差計算部103によって、計算された伝搬特性(例えば、伝搬損失)の推定値と、伝搬特性に関する実測値(又は、理論値でもよい)に基づいて求められた伝搬特性と、の誤差を計算する(S16)。
なお、伝搬特性に関する実測値(又は理論値)は、例えば、既述のセンタDB400に記憶された、BSとMSとの間の電波伝搬環境に関する情報(別言すると、ビッグデータ)に基づいて求められてよい。
そして、誤差計算部103は、計算した誤差が、与えられた収束条件に収束したか否かを判定する(S17)。計算した誤差が、与えられた収束条件に収束していなければ(S17;NO)、例えば、重み更新部104によって、DNNを成すFNN及びCNNの重みパラメータが誤差逆伝搬法によって更新される(S18及びS19)。
重みパラメータの更新後、都市構造パラメータ及び伝搬特性がそれぞれ抽出部101及び伝搬推定部102において再計算(S14及びS15)され、誤差計算部103において、再度、誤差が計算され、収束条件の判定が行われる(S16及びS17)。
以上の処理が、S17において収束条件が満たされた(YES)と判定されるまで繰り返されることによって、DNNを成すFNN及びCNNの重みパラメータが更新されてゆく。S17においてYESと判定された場合、電波伝搬推定装置10は、学習段階の処理を終了してよい。
(推定段階)
図7は、図6にて上述した学習段階が終了した後の、電波伝搬推定装置10の推定段階に着目した動作例を示すフローチャートである。
図7に例示するように、電波伝搬推定装置10は、例えば、電波伝搬の推定条件を設定する(S21)。推定条件の設定は、例示的に、都市構造パラメータ抽出部101において行われてよい。
別言すると、都市構造パラメータ抽出部101は、推定条件を設定する(第3)設定部としての機能を有してよい。第3設定部は、都市構造パラメータ抽出部101とは分離した機能ブロックとして電波伝搬推定装置10内に備えられてもよい。また、第3設定部は、既述の第1及び第2設定部の一方又は双方と統合されてもよい。
推定条件の設定データには、例示的に、MSが接続し得るBSに相当する送信点の情報、及び、MSに相当する受信点の情報が含まれてよい。
また、電波伝搬推定装置10は、例えば、地図データのDB400から図5に例示したようにCNNに入力する地図データ(例えば、建物マップ及び見通しマップ)を取得する(S22)。
また、電波伝搬推定装置10は、例えば、DNNを成す各層のそれぞれについて、電波伝搬推定に用いるパラメータ(例えば、重みパラメータ)を設定する(S23)。当該設定は、例示的に、都市構造パラメータ抽出部101において行われてよい。
別言すると、都市構造パラメータ抽出部101は、電波伝搬推定に用いるパラメータを設定する(第4)設定部としての機能を有してよい。第4設定部は、都市構造パラメータ抽出部101とは分離した機能ブロックとして、電波伝搬推定装置10内に備えられてもよい。また、第4設定部は、既述の第1〜第3設定部とは別の機能ブロックでもよいし、第1〜第3設定部の一部又は全部と統合されてもよい。
なお、S21、S22、及び、S23の各処理は、電波伝搬推定装置10において、互いに順序が入れ替えられてもよいし、並行して実行されてもよい。
次いで、電波伝搬推定装置10は、例えば、学習段階において学習済みの都市構造パラメータ抽出部101によって、図5にて説明したとおり、S22において取得した地図データから、都市構造パラメータを計算する(S24)。
都市構造パラメータが計算されると、電波伝搬推定装置10は、例えば、学習段階において学習済みの伝搬推定部102によって、都市構造パラメータとシステムパラメータとを用いて、図5にて説明したとおり、伝搬特性を計算する(S25)。計算された伝搬特性の一例を示した図が、図4Cに相当する。
なお、図7に例示したフローチャートに従った動作は、図6に例示したフローチャートに従った動作と統合されてもよい。例えば、学習段階及び推定段階のいずれを実行するかを判定する判定処理を電波伝搬推定装置10の動作に追加することで、当該判定処理の結果に応じて実行する動作を図6及び図7のいずれかに切り替えるようにしてもよい。
以上のように、一実施形態に係る電波伝搬推定装置10によれば、CNNを用いた都市構造パラメータ抽出部101によって、例えば住宅地図等の地図データから、電波伝搬推定に寄与する都市構造パラメータを抽出して決定できる。したがって、電波伝搬推定に用いるべき都市構造パラメータの決定を、人為的な作業に依らず、自動化できる。よって、電波伝搬推定にかかる時間を短縮できる。
そして、伝搬推定部102による伝搬特性の推定では、上述のごとく地図データから決定された都市構造パラメータと、システムパラメータ(例えば、送受信間距離D及び見通しフラグLOS)と、を入力とするFNNが用いられる。そのため、人為的に決定した都市構造パラメータを用いる場合に比して、伝搬特性の推定精度を高めることができる。また、送受信間距離Dと見通しフラグLOSとの一方を用いる場合よりも、推定精度を高めることができる。
また、抽出部101及び伝搬推定部102に用いられるDNN(CNN及びFNN)の学習に、例えば、MSからネットワークに報告される、電波伝搬環境に関する情報(例えば、ビッグデータ)を用いることで、DNNの学習精度を高めることができる。DNNの学習精度を高めることができるため、伝搬特性の推定精度も高めることができる。
更に、伝搬推定部102のFNNに、システムパラメータの一例として送受信間距離D及び見通しフラグLOSが入力されるため、送受信点間の距離と見通しの有無とに応じて適切な伝搬特性の推定が可能である。また、例えば、ビッグデータに新たなデータが追加された場合には、それまでの学習によって得られた重み係数を初期条件として、再度、学習段階に移行することが可能である。この場合、学習を最初からやり直す必要がないため、学習段階の高速化に寄与する。
<電波伝搬推定装置の性能評価>
図8は、学習段階において、ミニバッチサイズをn=100に設定してDNNの学習を行った場合の、重みパラメータの更新回数に対する学習の推移の一例を示す図である。図8において、横軸のエポック数「M」は、学習データの全体を何回考慮したか(別言すると、学習データがDNNを通過した回数)を表す指標である。イタレーション回数を「m」で表し、学習データのサンプル数を「N」で表すと、M=m×n/Nとなる。
図8の左側の縦軸は、RMS誤差[dB]を表し、図8の右側の縦軸は、相関係数を表す。なお、「RMS」は、「root mean square」の略記である。図8において、左向きの矢印を付して示したグラフが、エポック数Mに対するRMS誤差の推移を表し、右向きの矢印を付して示したグラフが、エポック数Mに対する相関係数の推移を表す。
図8に例示したように、M=3の辺りから、学習データに対する出力値のRMS誤差が10dB以下となり、相関係数は0.8以上となることが分かる。なお、重みパラメータの更新は、RMS誤差が1dB以下となったエポック数M=156.675において停止されている。
一方、図9は、重みパラメータの更新と共に評価した推定精度(検証データに対する出力値のRMS誤差及び相関係数)の推移の一例を示す図である。図8と同様に、図9において、左側の縦軸は、RMS誤差[dB]を表し、右側の縦軸は、相関係数を表す。
また、図9において、左向きの矢印を付して示したグラフが、エポック数Mに対するRMS誤差の推移を表し、右向きの矢印を付して示したグラフが、エポック数Mに対する相関係数の推移を表す。
図9に例示したように、エポック数M=10までは、DNNの学習が進むにつれて、RMS誤差は減少し、かつ、相関係数は高くなる。
図8及び図9より、一実施形態に係る電波伝搬推定装置10では、学習データを精度良く学習できている。イタレーション(iteration)回数を増やしても推定精度は劣化しないエポック数(例えば、M=12.6)の時のRMS誤差は、約5dBであるため、十分な学習精度が得られている。
<電波伝搬推定装置のハードウェア構成例>
図1及び図2に例示した電波伝搬推定装置10における機能ブロック(構成要素)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現されてよい。また、各機能ブロックの実現手段は特定の手段に限定されない。例えば、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置によって実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した複数の装置を直接、及び/又は、間接的に(例えば、有線及び/又は無線)によって接続することによって実現されてもよい。
図10に、一実施形態に係る電波伝搬推定装置10のハードウェア構成例を示す。電波伝搬推定装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)又はサーバコンピュータといったコンピュータによって構成されてよい。コンピュータは、情報処理装置の一例である。
電波伝搬推定装置10は、1台のコンピュータによって構成されてもよいし、複数台のコンピュータによって構成されてもよい。複数台のコンピュータによって、電波伝搬推定装置10が実行する処理の負荷分散が図られてよい。
図10に示すように、電波伝搬推定装置10は、例示的に、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007を備えてよい。
なお、以下の説明において、「装置」という文言は、回路、デバイス、又は、ユニットなどに読み替えることができる。電波伝搬推定装置10のハードウェア構成は、図10に例示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、図10において、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサが電波伝搬推定装置10に備えられていてもよい。また、電波伝搬推定装置10における処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、複数のプロセッサによって実行されてもよい。1つ又は複数のプロセッサにおいて、複数の処理は同時に、並列に、又は、逐次に実行されてもよいし、その他の手法によって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、シングルコアプロセッサでもよいし、マルチコアプロセッサでもよい。プロセッサ1001は、1つ以上のチップを用いて実装されてよい。
電波伝搬推定装置10が有する1つ又は複数の機能は、例示的に、プロセッサ1001及びメモリ1002などのハードウェアに、所定のソフトウェアを読み込ませることで実現される。なお、「ソフトウェア」は、「プログラム」、「アプリケーション」、又は「ソフトウェアモジュール」と称されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は、メモリ1002及びストレージ1003の一方又は双方に記憶されたデータの読み出し及び書き込みの一方又は双方を制御することで、プログラムを読み込んで実行する。なお、プログラムは、通信装置1004による電気通信回線を介した通信によってネットワークから送信されてもよい。
プログラムは、電波伝搬推定装置10における処理の全部又は一部をコンピュータに実行させるプログラムであってよい。プログラムに含まれるプログラムコードの実行に応じて、電波伝搬推定装置10の1つ以上の機能が実現される。プログラムコードの全部又は一部は、メモリ1002又はストレージ1003に記憶されてもよいし、オペレーティングシステム(OS)の一部として記述されてもよい。
例えば、プログラムは、図1及び図2に例示した機能ブロックを具現するプログラムコードを含んでよく、また、図6及び図7に例示したフローチャートを実行するプログラムコードを含んでもよい。そのようなプログラムコードを含んだプログラムは、「電波伝搬推定プログラム」と称されてもよい。
プロセッサ1001は、処理部の一例であり、例えば、OSを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、例えば、プログラム及びデータの一方又は双方を、ストレージ1003及び通信装置1004の一方又は双方からメモリ1002に読み出し、読み出したプログラム及び/又はデータに従って各種の処理を実行する。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体の一例であり、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、RAM、SSDなどの少なくとも1つを用いて構成されてよい。なお、「ROM」は、「Read Only Memory」の略称であり、「EPROM」は、「Erasable Programmable ROM」の略称である。「EEPROM」は、「Electrically Erasable Programmable ROM」の略称であり、「RAM」は、「Random Access Memory」の略称であり、「SSD」は、「Solid State Drive」の略称である。
メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ、ワークメモリ、主記憶装置などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る電波伝搬推定方法を実施するために実行可能なプログラムを記憶する。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体の一例であり、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フレキシブルディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つを用いて構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の一方又は双方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は双方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(「送受信デバイス」と称してもよい。)の一例である。「通信装置」は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどと称されてもよい。
入力装置1005は、電波伝搬推定装置10の外部からの入力を受け付ける入力デバイスの一例である。例示的に、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサの1つ以上が、入力装置1005に含まれてよい。
出力装置1006は、電波伝搬推定装置10の外部への出力を実施する出力デバイスの一例である。例示的に、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなどの1つ以上が、出力装置1006に含まれてよい。なお、「LED」は、「light emitting diode」の略記である。
なお、入力装置1005及び出力装置1006は、個別の構成でもよいし、例えばタッチパネルのように一体構成であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、バス1007によって通信可能に接続されてよい。装置間は、単一のバス1007で接続されてもよいし、複数のバスを用いて接続されてもよい。
電波伝搬推定装置10は、マイクロプロセッサ、DSP、ASIC、PLD、FPGAなどのハードウェアを含んで構成されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてよい。当該ハードウェアにより、図1及び図2に例示した各機能ブロックの一部又は全てが実現されてよい。
なお、「DSP」は、「Digital Signal Processor」の略称であり、「ASIC」は、「Application Specific Integrated Circuit」の略称である。「PLD」は、「Programmable Logic Device」の略称であり、「FPGA」は、「Field Programmable Gate Array」の略称である。
(適応システム)
本明細書で説明した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
(処理手順等)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置に送信されてもよい。
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈される。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解を助ける用語については、同一の又は類似する意味を有する用語に置き換えられてもよい。
(パラメータ)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。また、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。
(基地局)
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを提供する基地局、及び/又は、基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「BS」、「eNB」、「gNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、gNodeB、アクセスポイント(access point)、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。スモールセルは、マクロセルよりもカバレッジの小さいセルの一例である。スモールセルは、カバレッジエリアに応じて呼称が異なってよい。例えば、スモールセルは、「フェムトセル」、「ピコセル」、「マイクロセル」、「ナノセル」、「メトロセル」、「ホームセル」等と称されてもよい。「セル」または「セクタ」という用語は、基地局が無線サービスを提供する個々の地理的範囲を意味する他、その個々の地理的範囲において端末と通信を行なうために基地局が管理する通信機能の一部をも意味してよい。
(UE)
UEは、当業者によって、ユーザ端末、端末、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、UE、又は、いくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。UEは、その位置が変化しない固定端末であってもよいし、その位置が変化する移動端末であってもよい。非限定的な一例として、UEは、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末等の移動可能な端末であってよい。また、UEは、IoT(Internet of Things)端末であってもよい。IoTによって、様々な「物」に通信機能が搭載され得る。通信機能を搭載した様々な「物」は、インターネットや無線アクセス網等に接続して通信を行なうことができる。例えば、IoT端末には、無線通信機能を具備したセンサデバイスやメータ(測定器)等が含まれてよい。センサデバイスやメータを搭載した監視カメラや火災報知器等の何らかの監視装置が端末に該当してもよい。監視装置等のIoT端末であるUEと基地局との間の無線通信は、MTC(Machine Type Communications)と称されることがある。そのため、IoT端末であるUEは「MTCデバイス」と称されることがある。
(用語の意味、解釈)
「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断」、「決定」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したと扱う事を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(access)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したと扱う事を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したと扱う事を含み得る。つまり、「判断」、「決定」は、何らかの動作を「判断」、「決定」したと扱う事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
「・・・に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「・・・のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「・・・に基づいて」という記載は、「・・・のみに基づいて」と「・・・に少なくとも基づいて」の両方の意味を包含する。
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及び、これらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用される場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。また、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が付加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかに異なる意図が示されていなければ、複数形式を含むものとする。
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的な通知でもよい(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)。
以上、実施の形態について詳細に説明したが、当業者にとって、本発明が実施形態の記載に限定されるものではないことは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本発明の一態様は、例えば、無線通信における電波伝搬特性の推定に有用である。
10 電波伝搬推定装置
101 都市構造パラメータ抽出部
102 伝搬推定部
103 誤差計算部
104 重み更新部
300,400 データベース(DB)
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
,C,C,C 畳み込み層(C層)
,P プーリング層(P層)
,F,F,F 全結合層(F層)

Claims (6)

  1. 送信点から送信される電波の受信点を含む地図データに、畳み込みニューラルネットワークを適用することによって、前記受信点を含む周辺環境において前記電波の障害となり得る構造を表す第1パラメータを前記地図データから抽出する抽出部と、
    前記抽出部において抽出された前記第1パラメータと、前記送信点と前記受信点との間において無線通信を行う無線通信システムの構成を表す第2パラメータと、に、全結合ニューラルネットワークを適用することによって、前記電波の伝搬特性を推定する推定部と、
    を備えた、電波伝搬推定装置。
  2. 前記推定部によって推定された前記伝搬特性と、前記伝搬特性に関する実測値又は理論値と、の誤差を計算する誤差計算部と、
    前記誤差が所定の収束条件を満足するまで、前記畳み込みニューラルネットワーク及び前記全結合ニューラルネットワークの重みパラメータを、誤差逆伝搬法によって更新する更新部と、
    を備えた、請求項1に記載の電波伝搬推定装置。
  3. 前記伝搬特性に関する実測値は、複数の前記受信点のそれぞれに対応する複数のユーザ装置から前記送信点に対応する基地局へ報告され、前記基地局又は前記基地局の上位局において収集された、電波伝搬環境に関する情報に基づいて求められる、
    請求項2に記載の電波伝搬推定装置。
  4. 前記第2パラメータは、前記送信点と前記受信点との間の距離を示す情報、及び/又は、前記送信点と前記受信点との間の見通しの有無を示す情報、を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電波伝搬推定装置。
  5. 送信点から送信される電波の受信点を含む地図データに、畳み込みニューラルネットワークを適用することによって、前記受信点を含む周辺環境において前記電波の障害となり得る構造を表す第1パラメータを前記地図データから抽出し、
    抽出された前記第1パラメータと、前記送信点と前記受信点との間において無線通信を行う無線通信システムの構成を表す第2パラメータと、に、全結合ニューラルネットワークを適用することによって、前記電波の伝搬特性を推定する、
    電波伝搬推定方法。
  6. コンピュータに、
    送信点から送信される電波の受信点を含む地図データに、畳み込みニューラルネットワークを適用することによって、前記受信点を含む周辺環境において前記電波の障害となり得る構造を表す第1パラメータを前記地図データから抽出し、
    抽出された前記第1パラメータと、前記送信点と前記受信点との間において無線通信を行う無線通信システムの構成を表す第2パラメータと、に、全結合ニューラルネットワークを適用することによって、前記電波の伝搬特性を推定する、
    処理を実行させる、
    電波伝搬推定プログラム。
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