JP2019120832A - 光ファイバカッタおよび光ファイバ切断方法 - Google Patents

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貴治 松田
良 小山
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良 小山
深井 千里
Chisato Fukai
千里 深井
高谷 雅昭
Masaaki Takatani
雅昭 高谷
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Abstract

【課題】光ファイバカッタにおいて、刃の配置精度が緩和されても良好な切断性能が得られるようにする。【解決手段】光ファイバカッタ100は、ベース部材10と、光ファイバ1を把持し、ベース部材10に対して光ファイバ1の軸線方向に移動可能に設けられた第1把持部と、ベース部材10に固定され、第1把持部よりも光ファイバ1の基端寄りの位置で光ファイバ1を把持するホルダ60と、第1把持部を軸線方向においてホルダ60から離れる方向に付勢して、光ファイバ1に張力を付与する張力印加バネ21と、光ファイバ1に初期傷を形成する複数の刃が隙間をあけて線状に並んだ刃列を有する刃具42と、刃列が第1把持部とホルダ60との間に張架された光ファイバ1に切り込む経路を移動するように刃具42を保持する傷形成部40と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバカッタおよび光ファイバ切断方法に関する。
光ファイバを切断する場合、刃で裸光ファイバに初期傷を形成させ、この初期傷を成長させて光ファイバを劈開させることによって光ファイバを切断することが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2014−238574号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に記載の発明では、張力が加えられた被覆付き光ファイバを、受け凸部で受けた状態で、刃を押しつけることによって裸光ファイバに達する初期傷を形成する。裸光ファイバに所定の深さの初期傷が形成されると、張力によって初期傷が成長し、裸光ファイバが劈開され、光ファイバが切断される。
しかし、初期傷が浅すぎると劈開が成長しないため、光ファイバが切断されず、初期傷が深すぎると、切断面の平坦性が得られないおそれがある。さらに切断の繰り返しによる刃の摩耗を考慮すると、刃の切り込み量は、余裕を見て、劈開に必要な所定値よりもわずかに大きい所定値に厳密に合わせる必要がある。
このように、特許文献1に記載の技術では、光ファイバカッタの部品精度および組み立て精度を高める必要があるため、光ファイバカッタの製造コストが増大するという問題がある。さらに、刃の摩耗が切断性能に影響しやすいため、頻繁に刃の交換が必要になるという問題もある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、刃の配置精度が緩和されても良好な切断性能が得られる光ファイバカッタおよび光ファイバ切断方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の光ファイバカッタは、ベース部材と、光ファイバの先端側で前記光ファイバを把持し、前記ベース部材に対して前記光ファイバの軸線方向に移動可能に設けられた第1把持部と、前記ベース部材に固定され、前記第1把持部よりも前記光ファイバの基端寄りの位置で前記光ファイバを把持する第2把持部と、前記第1把持部を前記軸線方向において前記第2把持部から離れる方向に付勢して、前記光ファイバに張力を付与する張力付与部と、前記光ファイバに初期傷を形成する複数の刃が隙間をあけて線状に並んだ刃列を有する刃具と、前記刃列が前記軸線方向に直交する平面内で前記第1把持部と前記第2把持部との間に張架された前記光ファイバに切り込む経路を移動するように前記刃具を保持する傷形成部と、を備える。
上記光ファイバカッタでは、前記複数の刃は、それぞれ前記刃具の表面にダイヤモンド砥粒が固着して構成されていてもよい。
上記光ファイバカッタでは、前記刃具は、前記複数の刃の間に、前記光ファイバが進入可能な隙間を有し、前記複数の刃のそれぞれには、切り込みが開始される方の端部には、前記隙間に進入した前記光ファイバを前記複数の刃のそれぞれに向かって案内する斜面が隣接していてもよい。
上記光ファイバカッタでは、前記経路に沿う前記隙間の開口部は、前記光ファイバの外径よりも広くてもよい。
上記光ファイバカッタでは、前記第1把持部と、前記傷形成部と、を保持し、前記ベース部材に対して前記軸線方向に移動可能に設けられ、前記張力付与部によって前記軸線方向において前記第2把持部から離れる方向に付勢されたスライド部材をさらに備え、前記光ファイバが切断されたときに、前記傷形成部が前記スライド部材とともに前記第2把持部から離れる方向に移動してもよい。
本発明の第2の態様の光ファイバ切断方法は、光ファイバを、前記光ファイバの軸線方向に張力を付与するように第1把持位置と第2把持位置とにおいて把持することと、複数の刃が離間して並んだ刃列を、前記軸線方向に直交する平面内で前記第1把持位置と前記第2把持位置との間の前記光ファイバに、前記複数の刃が間をおいて切り込むように移動させることによって、前記光ファイバが劈開可能な初期傷を形成されるまで、前記複数の刃のいずれかが前記光ファイバに切り込む状態と、前記複数の刃から前記光ファイバから離れる状態と、を形成することと、前記初期傷から前記光ファイバの劈開が進むことによって前記光ファイバが切断されるまで、前記張力の付与を続けることと、を含む。
本発明の光ファイバカッタおよび光ファイバ切断方法によれば、刃の配置精度が緩和されても良好な切断性能が得られる。
本発明の実施形態の光ファイバカッタの一例を示す模式的な斜視図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の実施形態の光ファイバカッタにおける傷形成部の一例を示す模式的な斜視図である。 図3におけるB−B断面図である。 本発明の実施形態の光ファイバカッタにおける刃具の一例を示す模式的な正面図、右側面図、および背面図である。 本発明の実施形態の光ファイバカッタの動作説明図である。 本発明の実施形態の光ファイバカッタの動作説明図である。 光ファイバと刃具との接触状態の変化を示す動作説明図である。 本発明の実施形態の第1変形例の光ファイバカッタに用いる刃具の一例を示す模式的な正面図、右側面図、および背面図である。 本発明の実施形態の第2変形例の光ファイバカッタに用いる刃具の一例を示す模式的な正面図である。
図1は、本発明の実施形態の光ファイバカッタの一例を示す模式的な斜視図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、本発明の実施形態の光ファイバカッタにおける傷形成部の一例を示す模式的な斜視図である。図4は、図3におけるB−B断面図である。図5(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の光ファイバカッタにおける刃具の一例を示す模式的な正面図、右側面図、および背面図である。
なお、各図面は模式図のため、寸法や形状は誇張または簡略化されている(以下の図面も同様)。
図1、2に示すように、本実施形態の光ファイバカッタ100は、ベース部材10、ホルダ60(第2把持部)、スライド部材20、回収ケース70、ファイバ端把持部50(第1把持部)、操作部30、および傷形成部40を備えて構成される。
光ファイバカッタ100は、張力が付与された裸光ファイバ1Aに初期傷を形成し、この初期傷を成長させて裸光ファイバ1Aを劈開させることによって光ファイバ1を切断する切断装置である。
図2に示すように、光ファイバ1は、ガラス製の裸光ファイバ1Aの外周面が樹脂製の被覆部1Bで覆われた被覆付き光ファイバである。光ファイバ1は、先端に裸光ファイバ1Aが露出され直線状に延びて光ファイバカッタ100に把持された状態で、裸光ファイバ1Aの部位で切断される。
以下では、光ファイバ1の寸法に関係する装置部分の寸法例を挙げる場合には、一例として、裸光ファイバ1Aの外径が125μm、被覆部1Bの外径が250μmの場合の例で説明する。
図1に示すように、光ファイバカッタ100は、全体として一方向に細長く延びる略直方体状の外形を有する。例えば、光ファイバカッタ100は、載置面上に図示の状態で載置されて用いられる。以下では、載置面の法線に沿う方向から見ることを平面視と称する。
以下では、載置面上の互いに直交する2軸を、X軸、Y軸とし、X軸およびY軸に直交する載置面の法線をZ軸とするXYZ直交座標系を用いて方向を参照する場合がある。
Y軸は、平面視における光ファイバカッタ100の長手方向に延びており、光ファイバカッタ100に把持される光ファイバ1の中心軸線に一致している。X軸は、平面視における光ファイバカッタ100の短手方向に延びている。
Y軸における正方向(Y軸正方向)は、被覆部1Bで覆われた光ファイバ1の基端側のから裸光ファイバ1Aの先端に向かう方向である。Y軸における負方向(Y軸負方向)は、Y軸正方向と反対の方向である。
X軸における正方向(X軸正方向)は、Y軸正方向に向いたときに左から右に向かう方向である。Z軸における正方向(Z軸正方向)は、載置面の下側から上側に向かう方向である。X軸負方向、Z軸負方向は、それぞれX軸正方向、Z軸正方向と反対の方向である。
特に正方向、負方向を区別することなく、X軸、Y軸、Z軸に沿う方向を表す場合には、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向と称する。
ベース部材10は、光ファイバカッタ100の各装置部分を配置する部材であり、Y軸方向に細長く延びる略直方体状の外形を有する。本実施形態のベース部材10は、例えば、熱可塑性樹脂などによる樹脂成形品によって構成されている。
ベース部材10の上面10bにおいてY軸負方向側の端部には、後述するホルダ60を載置する穴部であるホルダ載置部10aが形成されている。
ベース部材10におけるX軸正方向側の側面10cと、X軸負方向側の側面10dとは、それぞれYZ平面に平行な平面である。
側面10c、10dは、ベース部材10の長手方向の略中央部からY軸正方向側の端部までの間では、それぞれ、ベース部材10の底部に立設された側壁部10R、10Lによって形成されている。
側壁部10R、10Lで挟まれる領域には、後述するスライド部材20をY軸方向にスライド可能に収容する凹溝部10hが形成されている。
図2に示すように、ベース部材10の下端部(Z軸負方向側の端部)は、底板11が嵌め込まれている。
ホルダ載置部10aのY軸正方向側の端部には、ZX平面に平行な内壁10eが上面10b(図1参照)から底板11まで延びている。
内壁10eの下端部からは、後述するスライド部材20と係合するための係合部12がY軸正方向に突出している。
図2における実線で描かれた係合部12は、スライド部材20との係合が解除された場合の形状を示す。図2における二点鎖線で描かれた係合部12は、スライド部材20と係合された場合の形状を示す。
係合部12は、X軸方向から見て略L字状に形成された突起部である。具体的には、係合部12は、内壁10eと基端12eで連結された第1板状部12cと、第1板状部12cから直角に折り曲げられた第2板状部12dと、を備える。
第2板状部12dの先端部には、上側に突出する係合爪12aが形成されている。第2板状部12dの長手方向の中間部の上面には、後述する操作部30からの押下力を受ける板状の押下部12bが形成されている。
係合部12は、全体として弾性板バネとして機能する適宜の板厚を有する。本実施形態では、係合部12は、ベース部材10に一体成形されている。
係合部12は、押下部12bからZ軸負方向への外力が作用しない自然状態では、図示二点鎖線で示すように、第2板状部12dおよび押下部12bがXY平面と平行な姿勢をとる。
係合部12は、押下部12bからZ軸負方向への外力が作用する押下状態では、図示実線で示すように、押下部12bに作用する押下力によって、基端12eを中心として図示時計回りに回動する。押下力が解除されると、弾性復元力によって自然状態に復帰する。
ホルダ60は、被覆部1Bに被覆された光ファイバ1を把持する装置部分である。
ホルダ60は、ホルダベース60a、ファイバ載置台60e、ガイド溝60c、60d、および押え部材60bを備えて構成される。
ホルダベース60aは、ベース部材10のホルダ載置部10aと着脱可能に嵌合する板状部材である。ホルダベース60aは、ホルダ載置部10aに装着されると、ホルダ載置部10aに対するX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の位置が固定される。
ファイバ載置台60eは、ホルダベース60aの上面に形成され、光ファイバ1がホルダベース60a上の一定高さに載置されるように、光ファイバ1を下方から支持する。
ガイド溝60c、60dは、ファイバ載置台60e上において光ファイバ1をY軸方向に延ばして載置するために、ファイバ載置台60eのY軸負方向側、Y軸正方向側となるホルダベース60a上に立設されている。図1に示すように、ガイド溝60c、60dは、Y軸方向から見ると、V字状の傾斜面と、傾斜面から下方に延び位置決め溝(図1では不図示)と、を有する略V字状に形成されている。
ガイド溝60c、60dにおける各位置決め溝は、位置決め溝に挿通される光ファイバ1の中心軸線がY軸に一致するように設けられている。
図2に示すように、押え部材60bは、ガイド溝60c、60dの各位置決め溝に挿通された光ファイバ1をファイバ載置台60eとの間に把持することによって、ホルダ60に対する光ファイバ1の位置を固定する。押え部材60bは、ホルダベース60aに対して着脱可能に設けられている。
押え部材60bおよびファイバ載置台60eの材質と、把持状態における押え部材60bからの押圧力とは、把持された光ファイバ1に作用する摩擦力が後述する張力印加バネ21によって光ファイバ1に付与される張力に抗することができるように選ばれている。
図1に示すように、スライド部材20は、略直方体状の外形を有し、凹溝部10hに挿入されている。スライド部材20は、凹溝部1b上で、Y軸方向にスライド可能に挿入されている。
スライド部材20の上面20bのX軸方向における中央部には、回収ケース70を載置する穴部である回収ケース載置部20aが形成されている。
図2に示すように、回収ケース70は、切断された裸光ファイバ1Aである切断片1Cを回収スペース70bに回収する略直方体状の容器である。回収ケース70のY軸負方向側の端部には、切断片1Cを回収スペース70bに送るために、例えば、回収ローラ等の回収機構が必要に応じて設けられている。
スライド部材20において、回収ケース載置部20aよりもY軸負方向側の上面20b上には、裸光ファイバ1Aの先端部を把持するためのファイバ支持台部20c(第1把持部)が設けられている。
ファイバ支持台部20cよりもY軸負方向側となるスライド部材20のY軸負方向の端部においてZX面に平行に延びる壁部には、ガイド溝20kが形成されている。
ガイド溝20kは、ホルダ60から延ばされた光ファイバ1の裸光ファイバ1AのX軸方向の位置を規制し、ファイバ支持台部20cに案内する。本実施形態では、図6に示すように、ガイド溝20kは、V字状の傾斜面20iと、各傾斜面20iの下端部から下方に延びる位置決め溝20jと、を有する略V字状に形成されている。
図2に示すように、ファイバ支持台部20cの裏面側には、ベース部材10における係合部12の係合爪12aと、Y軸方向において係合可能な係合突起20gがZ軸負方向側に突出されている。
二点鎖線で示すように係合突起20gと係合爪12aとは、スライド部材20が実線の位置よりもY軸負方向にスライドされた状態で、互いに係合している。
この係合状態では、係合部12の第2板状部12dがXY平面と平行に延びている。さらに、この係合状態では、スライド部材20のY軸正方向側の側面20f(二点鎖線参照)は、ベース部材10のY軸正方向側の側面10iと面一になっている。
上面20bの下方には、コイルバネからなる張力印加バネ21(張力付与部)が配置されている。本実施形態では、張力印加バネ21は、回収ケース載置部20aを挟んでX軸方向に互いに対向する位置にそれぞれ1つずつ配置されており、図2にはX負方向側の張力印加バネ21が図示されている。
図2では隠れるため図示されていないが、スライド部材20において上面20bの裏側には、各張力印加バネ21のY軸負方向側の端部を係止する係止用突起がZ軸負方向側に延びている。
同様に、ベース部材10の凹溝部10h内のY軸正方向側の端部には、各張力印加バネ21のY軸正方向側の端部を係止する係止用突起がZ軸正方向側に延びている。
このため、各張力印加バネ21は、スライド部材20に設けられた係止用突起とベース部材10に設けられた係止用突起との間に張架され、自然状態よりも延ばされている。これにより、各張力印加バネ21は、スライド部材20をベース部材10に対してY軸正方向に付勢している。
このため、実線で示すように係合突起20gと係合爪12aとの係合が解除された状態(係合解除状態)では、スライド部材20が全体としてY軸正方向に移動し、スライド部材20の側面20fは、ベース部材10の側面10iよりもY軸正方向に飛び出している。
ファイバ支持台部20cの上方には、ファイバ端把持部50が配置されている。
ファイバ端把持部50は、ファイバ支持台部20c上に配置された裸光ファイバ1Aをファイバ支持台部20cとの間に把持することによって、裸光ファイバ1AのY軸方向における位置を固定する。
ファイバ端把持部50は、把持部本体50aおよび押え部材50eを備える。
図1に示すように、ファイバ端把持部50が裸光ファイバ1Aを把持している状態(把持状態)では、把持部本体50aは、X軸方向に延びている。以下、特に断らない限り、この把持状態におけるファイバ端把持部50の配置に基づいてファイバ端把持部50の構成を説明する。
把持部本体50aのX軸方向の長さは、スライド部材20の短手幅(X軸方向幅)よりもわずかに短い。
把持部本体50aのX軸負方向側の端部には、ZX平面内で回動可能に構成されたヒンジ部50bが設けられている。ヒンジ部50bは、スライド部材20の上面20b上のX軸負方向側の端部に立設されたヒンジ部支持板20d、20eに図示略の回転支軸を介して連結されている。図示略の回転支軸は、その中心軸線がY軸に平行な回転軸線Oと同軸になるように延びている。
このため、把持部本体50aは、図示略の回転支軸によって回転軸線Oを中心として回動可能に支持されている。なお、本実施形態では、回転軸線Oは、後述する操作部30および傷形成部40の回転中心軸線にもなっている。
把持部本体50aのX軸正方向側の端部には、把持部本体50aをスライド部材20に係止する係合部50cが設けられている。係合部50cは、スライド部材20の上面20bに開口する係合穴20mと係合可能である。
図1には、係合部50cが係合穴20mに係合している状態が図示されている。
係合部50cおよび係合穴20mの構成は、把持部本体50aをスライド部材20に着脱可能に係合できれば特に限定されない。例えば、図1に示す例では、係合部50cは、図示略の係合突起を有するU字状の弾性部材によって構成されている。係合穴20mは、U字状の弾性部材を閉じた状態で上方から挿入可能な矩形孔からなる。
図2に示すように、把持部本体50aの下面には、押圧バネ50eを介してファイバ把持板50dが設けられている。ファイバ把持板50dは、係合部50cと係合穴20mとが係合した状態で、ファイバ支持台部20cに対向する位置に配置されている。このような係合状態では、押圧バネ50eによって、ファイバ把持板50dがファイバ支持台部20cに付勢される。このため、ファイバ支持台部20c上に裸光ファイバ1Aが載置された状態では、裸光ファイバ1Aは、ファイバ把持板50dとファイバ支持台部20cとの間に把持されて、スライド部材20に対する裸光ファイバ1Aの位置が固定される。
ファイバ把持板50dおよびファイバ支持台部20cの材質と、把持状態における押圧バネ50eの付勢力とは、把持された裸光ファイバ1Aに作用する摩擦力が張力印加バネ21によって裸光ファイバ1Aに付与される張力に抗することができるように選ばれている。
操作部30は、操作者が光ファイバ1の切断の操作を行うための装置部分である。図1に示すように、操作部30は、ファイバ端把持部50とY軸負方向に隣り合うように、ベース部材10の上側に配置されている。
図3に示すように、操作部30は、略矩形板状の操作部本体30aに、ヒンジ部30b、先端把持部30e、押圧突起31、ストッパ33、および係合解除突起32が形成されて構成されている。
図1に示すような光ファイバ1の切断が終了した状態(切断終了状態)では、操作部本体30aは、X軸方向に延びている。以下、特に断らない限り、この切断終了状態における操作部30の配置に基づいて操作部30の構成を説明する。
操作部本体30aのX軸方向における長さは、ベース部材10の短手幅に略等しい。
図3に示すように、操作部本体30aのZ軸負方向側の表面である裏面30fには、Y軸における中心線を境として、Y軸負方向側の半面の範囲から、ヒンジ部30b、押圧突起31、ストッパ33および係合解除突起32が突出されている。このため、裏面30fにおいてY軸正方向側の半面の範囲(平坦領域30gと称する)には、後述する押圧突起31を除いて突起物は形成されていない。
操作部本体30aのX軸負方向側の端部には、ZX平面内で回動可能に構成されたヒンジ部30bが設けられている。
ヒンジ部30bは、操作部本体30aのX軸負方向側の端部において、Y軸方向負方向寄りの部位からZ軸負方向に突出されている。ヒンジ部30bの突出方向における先端部には、Y軸方向に貫通する軸受部30cと、軸受部30cにZ軸負方向側から連通しY軸方向に貫通するガイド溝30dと、が形成されている。
軸受部30cには回転支軸13が挿通されている。回転支軸13は、中心軸線が回転軸線Oと同軸になる姿勢で、ベース部材10のX軸負方向側の上部に立設されたヒンジ部支持板10f、10g(図2参照)に固定されている。このため、操作部本体30aは、回転支軸13により回転軸線Oを中心として回動可能に支持されている。
ガイド溝30dは、後述する回転規制部材14a(図6参照)が挿入された際に、操作部本体30aの回動角度(XY平面に沿う角度を0°とする)が所定の鋭角の範囲に規制される大きさに形成されている。なお、後述する回転規制部材14aがガイド溝30dから退避された際には、操作部30は、0°〜180°の範囲で回動可能である。
図3に示すように、操作部本体30aのX軸正方向側の端部には、操作者が操作部30の回動操作を行う際に、操作部30を把持するための先端把持部30eが突出している。
操作部本体30aの裏面30fにおいて、X軸正方向側の端部におけるY軸負方向側の端部には、Z軸負方向に突出するストッパ33が立設されている。
図1に示すように、ストッパ33は、切断終了状態において、ベース部材10の上面10bのX軸正方向側の端部からZ軸正方向に突出された係止台10jに当接するように設けられている。ストッパ33が係止台10jに当接することによって、操作部30の閉じ方向における回動角度が規制される。本実施形態では、ストッパ33が係止台10jに当接すると、操作部本体30aは回動角が0°になり、XY平面に平行な姿勢をとる。
図3に示すように、押圧突起31は、後述する傷形成部40に押圧力を加えるために、裏面30fからZ軸負方向側に突出されている。押圧突起31は、傷形成部40を押圧する際に、傷形成部40と低摩擦で接触するように形成される。本実施形態では、押圧突起31は、一例として、ヒンジ部30bとストッパ33との間のX方向正方向寄りの位置において、裏面30fをY軸方向に横断する凸条によって構成されている。
このため、本実施形態では、押圧突起31が後述する傷形成部40の上面とY軸に平行な線上にて線接触するため、操作部30による押圧下においても傷形成部40のY軸正方向への移動が容易となる。
係合解除突起32は、操作部30の回動操作によって、ベース部材10の係合部12とスライド部材20の係合突起20gとの係合を解除するために設けられている。
係合解除突起32は、基端部32a、第1屈曲部32b、第2屈曲部32c、および先端押圧部32dを有する屈曲突起である。
基端部32aは、ヒンジ部30bとストッパ33との間の裏面30fにおいて、Y軸方向負方向寄りの位置からZ軸負方向に突出された柱状部である。
第1屈曲部32bは、基端部32aの突出方向の先端部から、Y軸正方向に屈曲し裏面30fと離間した状態で、平坦領域30gと重なる範囲に棒状部である。
第2屈曲部32cは、第1屈曲部32bの延在方向の先端部からZ軸負方向側に延ばされた棒状部である。
先端押圧部32dは、第2屈曲部32cの延在方向の先端部からX軸正方向に屈曲している。先端押圧部32dにおけるZ軸負方向側の側面である押圧面32eは、操作部30を閉じる方向に一定の角度以上回動させることによって、ベース部材10の係合部12における押下部12bと当接可能な位置に形成されている。
このような構成により、第1屈曲部32bと平坦領域30gの裏面30fとの間には、後述する傷形成部40をY軸負方向に挿入可能な隙間が形成されている。係合解除突起32の形状および配置位置は、第1屈曲部32bと裏面30fとの間に後述する傷形成部40が挿入される際、係合解除突起32の各部が傷形成部40と干渉しないようになっている。
傷形成部40は、光ファイバ1の裸光ファイバ1Aに初期傷を形成するための装置部分である。
図3に二点鎖線で示すように、傷形成部40は、操作部30の操作部本体30aの下方に配置されている。傷形成部40は、操作部30とともに、回転軸線Oを中心として回動可能である。ただし、傷形成部40は、スライド部材20によって回動可能に支持されているため、スライド部材20に連動してY軸方向に移動できるようになっている。
傷形成部40は、アーム部40a、ヒンジ部40b、案内爪40d、刃具ホルダ41、および刃具42を備えて構成されている。
以下、特に断らない限り、操作部30の場合と同様、切断終了状態における傷形成部40の配置に基づいて傷形成部40の構成を説明する。
アーム部40a(二点鎖線参照)は、操作部30の平坦領域30gの下方においてX軸方向に延びる略板状の部材である。アーム部40aのX軸方向における長さは、平坦領域30gのX軸方向の長さに略等しい。アーム部40aのY軸方向の幅は、平坦領域30gのY軸方向の幅未満である。
アーム部40aのX軸負方向側の端部には、ZX平面内で回動可能に構成されたヒンジ部40bが設けられている。
ヒンジ部40bは、アーム部40aのX軸負方向側の端部においてZ軸負方向に突出されている。ヒンジ部40bの突出方向における先端部には、Y軸方向に貫通する軸受部40cが形成されている。
軸受部40cには回転支軸22が挿通されている。回転支軸22は、中心軸線が回転軸線Oと同軸になる姿勢で、スライド部材20のX軸負方向側の上部に立設されたヒンジ部支持板20d(図1、2参照)と、ヒンジ部支持板20dとの間にヒンジ部40bを挟むようにスライド部材20のX軸負方向側の上部に立設されたヒンジ部支持板20h(図2の破線参照)に固定されている。このため、アーム部40aは、回転支軸22により回転軸線Oを中心として回動可能に支持されている。
アーム部40aのX軸正方向側の端部には、アーム部40aの回動操作に伴ってベース部材10の内部に挿入される案内爪40dがZ軸負方向側に突出している。
アーム部40aのX軸方向における中央部には、刃具ホルダ41を位置決めして固定する刃具ホルダ取り付け部40eが形成されている。
刃具ホルダ41は、刃具ホルダ取り付け部40eに固定され、刃具42を所定位置に保持する。
図4に示すように、刃具ホルダ41は、刃具ホルダ取り付け部40e(図3参照)に固定されるベース部41aと、刃具42を保持する保持部41bと、を備える。
ベース部41aは、本実施形態では、一例として、図示略の雄ネジによってアーム部40aに固定されている。
保持部41bには、ZX平面に平行な平面である保持面41cと、刃具42の回動方向に沿う位置決めを行う位置決め溝部41dと、刃具42の回動半径を規定する径方向位置決め部41eと、が形成されている。
図5(a)、(b)、(c)に示すように、刃具42は、互いに対向する側面42a、42bを有する刃具本体42Aと、刃具本体42Aの長手方向の端部において側面42aよりも側方(図示上方)に張り出した突出部42Bと、を有する板状部材である。
刃具本体42Aの長手方向(図5(a)の左右方句)において突出部42Bが形成された端部と反対側の端部には、側面42a、42bとの間に刃部43(刃列)が形成されている。
刃具本体42Aにおいて突出部42Bよりも刃部43側では、側面42a、42bが刃具ホルダ41の位置決め溝部41dの内側に嵌合する形状に形成されている。
突出部42Bにおいて側面42aに隣接する側面42cは、刃具ホルダ41の径方向位置決め部41eに当接可能に形成されている。
刃部43は、曲線C(図5(c)参照)に沿って並ぶ、刃43a、43b、43c、43dによって構成される。以下では、簡単のため、刃43a、43b、43c、43dを「刃43a〜43d」と略記する場合がある。同様に、他の「数字+英子文字」からなる符号列において、英子文字がアルファベット順に並んでいる場合には、同様に略記する場合がある。
図5(b)に示すように、刃部43は、刃具本体42Aの板厚方向における第1表面42dと、第1表面42dの裏側の第2表面42eから第1表面42dに向かって傾斜する斜面42fと、によって形成される断面V字状の先細部の先端に形成されている。
各刃43a〜43dの厚さは、200μm以下であることがより好ましい。なお、図5(a)、(b)、(c)は模式図のため、各刃43a〜43dが平滑面状に形成されているように図示されているが、各刃43a〜43dは微細な凹凸面で構成されてもよいし、丸みが付与されて構成されてもよい。
刃43a、43bの間には、上側斜面45aと下側斜面44bとで形成されるV字溝によって、開口部の幅がs1の隙間(以下、隙間s1とも称する)が形成されている。刃43b、43cの間には、上側斜面45bと下側斜面44cとで形成されるV字溝によって、開口部の幅がs2の隙間(以下、隙間s2とも称する)が形成されている。刃43c、43dの間には、上側斜面45cと下側斜面44dとで形成されるV字溝によって、開口部の幅がs3の隙間(以下、隙間s3とも称する)が形成されている。
刃43dの図示上端は側面42aに隣接している。刃43aの図示下端は下側斜面44aに隣接している。下側斜面44aの図示下端は側面42bに隣接している。
各V字溝の開口部の幅s1、s2、s3は、互いに等しくてもよいし、少なくとも1つが異なる大きさを有していてもよい。幅s1、s2、s3は、裸光ファイバ1Aの外径よりも大きな寸法であることがより好ましい。例えば、裸光ファイバ1Aの外径が125μmの場合、幅s1、s2、s3は、125μm以上とされてもよい。
各V字溝の深さは、裸光ファイバ1Aの周方向の少なくとも一部が溝内に入り込むことができれば特に限定されない。ただし、各V字溝の深さは、最深部において裸光ファイバ1Aの外周面全体がV字溝の溝内に入り込むことができることがより好ましい。
刃43a〜43dが整列する曲線Cは、回転軸線Oを中心とする半径rの円弧C’に一致されていてもよい。ここで半径rは、ホルダ60とファイバ端把持部50とによってY軸上に把持された裸光ファイバ1Aの外周面に必要最小限の初期傷を形成するために必要な刃の移動軌跡の半径である。
この場合、刃43a〜43dが円弧C’に沿って図5(c)の矢印方向(図示反時計回り方向)に回転移動すると、各刃43a〜43dによって、裸光ファイバ1Aに対して、一定切り込み量の4回の切り込みが行われる。
ただし、例えば、図5(c)に示すように、曲線Cは、刃43aの中心で円弧C’と交差し、刃43bから刃43dに向かうにつれて、円弧C’から径方向外側に漸次ずれるように変化する曲線でもよい。
この場合、刃43a〜43dが円弧C’に沿って図5(c)の矢印方向に回転移動すると、各刃43a〜43dによって、裸光ファイバ1Aに対する切り込み量が漸次増大する4回の切り込みが行われる。ただし、刃43dの回転半径は、裸光ファイバ1Aの外周面に許容できる最大の初期傷を形成するために必要な刃の移動軌跡の半径以下とされることがより好ましい。
本実施形態では、一例として、曲線Cが円弧C’からずれている場合の例で説明する。
下側斜面44a、44b、44c、44dは、裸光ファイバ1Aに当接しても裸光ファイバ1Aを傷つけることがない程度に平滑に形成されている。
下側斜面44a〜44dは、平面でもよいし、湾曲した斜面でもよい。
下側斜面44a〜44dは、曲線Cに対して、45°以下の傾斜を有することがより好ましい。
下側斜面44a〜44dは、刃43a〜43dのそれぞれにおいて、切り込みが開始される方の端部に隣接して形成され、隙間に進入した裸光ファイバ1Aを刃43a〜43dのそれぞれに向かって案内する斜面を構成している。
上側斜面45a、45b、45cは、裸光ファイバ1Aに当接しても裸光ファイバ1Aを傷つけることがない程度に平滑に形成されている。
上側斜面45a〜45cは、平面でもよいし、湾曲した斜面でもよい。
上側斜面45a〜45cは、曲線Cに対して、45°以上の傾斜を有することがより好ましい。
刃具42の材質は、刃部43において裸光ファイバ1Aの素材であるガラスに初期傷を形成できれば特に限定されない。例えば、刃具42は、超硬合金で構成されてもよい。例えば、刃具42は、刃部43を含む刃具本体42Aの一部のみに超硬合金が用いられた複合材料で構成されてもよい。
このような構成の刃具42は、図4に示すように、刃具本体42Aが位置決め溝部41dに嵌合するとともに、側面42cが径方向位置決め部41eに係止された状態で刃具ホルダ41に固定される。
刃具42が固定された刃具ホルダ41は、刃具ホルダ取り付け部40eにおいて傷形成部40と固定される。このとき、図3に二点鎖線で示すように、アーム部40aは操作部30の裏面30fと第1屈曲部32bとの間に隙間をあけて挿入されている。保持部41bは、X軸方向において係合解除突起32の第2屈曲部32cと対向する位置に配置されている。
このような配置により、操作部30に対する傷形成部40の上側の回動限界は、操作部30の押圧突起31の位置であり、下側の回動限界は、操作部30の第1屈曲部32bの上面の位置になっている。このため、操作部30が回動すると、傷形成部40は、回動方向に応じて押圧突起31または第1屈曲部32bに係止して、操作部30とともに回動する。
以上説明したように、ファイバ端把持部50およびスライド部材20のファイバ支持台部20cは、光ファイバ1の先端側で光ファイバ1の裸光ファイバ1Aを把持し、ベース部材10に対して光ファイバ1の軸線方向(Y軸方向)に移動可能に設けられた第1把持部を構成している。
ホルダ60は、ベース部材10に固定され、第1把持部よりも光ファイバ1の基端寄りの位置で光ファイバ1を把持する第2把持部を構成している。
各張力印加バネ21は、第1把持部を軸線方向において第2把持部から離れる方向に付勢して、光ファイバ1に張力を付与する張力付与部を構成している。
刃部43は、光ファイバ1の裸光ファイバ1Aに初期傷を形成する複数の刃43a〜43dが隙間をあけて線状に並んだ刃列を構成している。ただし、「線状に並んだ」とは、曲線Cのような湾曲線に沿って並ぶ場合を含んでいる。
傷形成部40は、刃列が軸線方向に直交する平面であるZX平面内で第1把持部と第2把持部との間に張架された光ファイバ1の裸光ファイバ1Aに切り込む経路(円弧C’)を移動するように刃具42を保持している。
次に、光ファイバカッタ100の作用について、光ファイバカッタ100を用いて行うことができる本実施形態の光ファイバ切断方法を中心として説明する。
図6、7は、本発明の実施形態の光ファイバカッタの動作説明図である。図8(a)、(b)、(c)、(d)は、光ファイバと刃具との接触状態の変化を示す動作説明図である。
本実施形態の光ファイバ切断方法を行うため、まず、上述した光ファイバカッタ100が準備される。
この後、先端の被覆部1Bが除去されて先端に裸光ファイバ1Aが露出した光ファイバ1が準備され、この光ファイバ1が光ファイバカッタ100に把持される。
光ファイバカッタ100では、光ファイバ1の把持を行うために、ホルダ60の押え部材60bが取り外され、操作部30、傷形成部40、およびファイバ端把持部50の把持部本体50aがそれぞれ回動されて、光ファイバ1の配置領域が開放される。
ここで、押え部材60bの取り外しおよび把持部本体50aの回動の動作については、操作者が自由に行える。ただし、操作部30および傷形成部40については、回動が規制されているため、以下の操作が行われる。
図6に二点鎖線で示すように、ベース部材10の側壁部10Lには、操作部30のヒンジ部30bよりも下側にスライド操作部14が配置されている。スライド操作部14は、側壁部10Lの外側に位置しZ軸方向にスライド移動可能に配置されたスライダ14bと、スライダ14bと連動しガイド溝30dに向かって進退する回転規制部材14aと、を備える。
例えば、図6には、回転規制部材14aの上端部がガイド溝30dに進入した状態が示されている。この場合、操作部30の回転範囲はガイド溝30dと回転規制部材14aとの間の遊びの範囲に制限される。
特に図示しないが、操作者がスライダ14bを下側の位置に移動すると、回転規制部材14aがガイド溝30dの下方に退避する。これにより、操作部30は、回転規制部材14aの規制を受けることなく回動することができる。
例えば、操作者は、スライダ14bを下側に移動することで、操作部30を180°回動した状態にできる。操作部30の下方に配置された傷形成部40も同様である。
このようにして、操作者は、ベース部材10およびスライド部材20における光ファイバ1の配置領域を開放できる。
この後、操作者は、スライド部材20の側面20fをY軸負方向に押し込む。係合解除突起32は操作部30とともにベース部材10の係合部12上から退避している。このため、図2の二点鎖線で示すように、係合部12の係合爪12aと、スライド部材20の係合突起20gとが係合する。ベース部材10およびスライド部材20のY方向の位置が固定される。
操作者は、光ファイバ1をホルダ60のガイド溝60c、60d、スライド部材20のガイド溝20kに上方から挿入し、光ファイバ1のX軸方向における位置決めを行う。さらに、操作者は、光ファイバ1のY軸方向の位置を調整して、裸光ファイバ1Aの先端が回収ケース70の入口に達するように配置する。これにより、裸光ファイバ1Aの先端部はファイバ支持台部20c上に載置される。このとき、ファイバ載置台60e上には、被覆部1Bで被覆された光ファイバ1が載置されている。
操作者は、この状態で、押え部材60bを装着して光ファイバ1がファイバ載置台60e上の第2把持位置に把持されるようにする。さらに操作者は、把持部本体50aを閉じて、裸光ファイバ1Aがファイバ支持台部20c上の第1把持位置に把持されるようにする。この状態では、第1把持位置と第2把持位置との間の光ファイバ1には張力は付与されていない。
この後、操作者は、例えば、先端把持部30eを把持するなどして、回転軸線Oを中心として操作部30を回動させて操作部30を閉じていく。図6には、係合解除突起32の押圧面32eが押下部12bにちょうど当接するまで、操作部30が回動された状態が示されている。傷形成部40は、操作部30の第1屈曲部32bに係止した状態で、操作部30とともに図示時計回りに回動している。刃具42は、位置決め溝20jに挿通された裸光ファイバ1Aよりも上方に位置している。
操作者がさらに操作部30を図示時計回りに回動すると、押圧面32eから押下部12bが押圧力を受けて係合部12と図示略の係合突起20gとの係合が解除される。
この結果、スライド部材20は、張力印加バネ21の付勢力によってY軸正方向に牽引される。このため、第1把持位置と第2把持位置との間の光ファイバ1に張力が付与される。
さらに、張力が付与された裸光ファイバ1Aに刃具42の下端部の下側斜面44aと接触すると、傷形成部40は操作部30の押圧突起31によって下方に押圧されるまでは回動が停止する。
図7には、このようにして、裸光ファイバ1Aに張力が付与され、刃具42の下側斜面44aが裸光ファイバ1Aと当接した状態で、押圧突起31からの押圧が開始される状態が示されている。
以後、操作部30とともに傷形成部40が図示時計回りに回動することによって、刃具42による初期傷の形成工程が開始される。
図8(a)に示すように、裸光ファイバ1Aが下側斜面44aに当接すると矢印A1で示すように、裸光ファイバ1Aが下側斜面44aから力を受ける。しかし、下側斜面44aは平滑な面であり、刃部43よりも広幅であるため、裸光ファイバ1Aには傷つくことはない。矢印Rの方向の回動(以下、単に回動)が進むにつれ裸光ファイバ1Aは、下側斜面44aに沿って図示左側(X軸正方向側)に移動していく。
図8(b)に示すように、さらに回動が進むと、裸光ファイバ1Aは刃43aと接触する。刃43aは、裸光ファイバ1Aを矢印A2方向に押しながら裸光ファイバ1Aの外周面を通過する。これにより、裸光ファイバ1Aの外周面に初期傷が形成される。
一般に、裸光ファイバには張力が付与された状態で裸光ファイバの外周面に初期傷が形成されると、初期傷の深さと張力の大きさに応じて、初期傷から劈開が発生することが期待される。
しかし、本発明者が従来の連続刃を有する刃具で実験したところ、劈開に必要な初期傷が形成されても刃が裸光ファイバに接触している状態では劈開は生じず、刃が裸光ファイバを通過した後に劈開が生じることが分かった。この理由は必ずしも明確ではないが、刃が裸光ファイバと接触している状態では、刃と裸光ファイバとの相互作用によって、初期傷に実効的に作用する張力が理論的な張力よりも著しく緩和されるためではないかと推測される。
このため、図8(b)に示すように、裸光ファイバ1Aが刃43aに当接している状態では、裸光ファイバ1Aに張力が付与され、切断に必要な初期傷が形成されていても、裸光ファイバ1Aは切断されない。
さらに、回動が進むと、図8(c)に示すように、刃43aが裸光ファイバ1Aの下方に抜けて、裸光ファイバ1Aは刃43a、43bに隙間に対向する。裸光ファイバ1Aには刃具42からの押圧力が解除されるため、裸光ファイバ1Aは矢印A3のように隙間の内側に進入する。
このとき、裸光ファイバ1Aが刃部43と非接触状態になることによって、張力印加バネ21の付勢力による所定の張力が初期傷に実効的に作用する。このため、刃43aによって形成された初期傷が劈開に必要な大きさであれば、初期傷から劈開が進んで裸光ファイバ1Aが切断される。
ただし、例えば、裸光ファイバ1Aに対する刃43aの相対的な配置誤差が生じていたり、刃43aが摩耗していたりすることによって、必要な初期傷が形成されないおそれもある。
この場合には、裸光ファイバ1Aは切断されることなく、下側斜面44bに当接する。さらに回動が進むにつれて、裸光ファイバ1Aは下側斜面44bに沿って刃43bに向かって移動する。
図8(d)に示すように、裸光ファイバ1Aが刃43bに接触すると、刃43aで形成された初期傷の大きさが刃43bによって拡張される。
さらに回動が進むと、裸光ファイバ1Aが刃43b、43cとの間の隙間に対向するため、再び所定の張力が初期傷に実効的に作用する。
このように、本実施形態の光ファイバ切断方法では、傷形成部40の回動に伴って刃具42が回動するにつれて、刃部43の刃43a〜43dのいずれかが裸光ファイバ1Aに切り込む状態と、裸光ファイバ1Aが刃43a〜43dから離れる状態とが、裸光ファイバ1Aに劈開可能な初期傷が形成されるまで繰り返される。
ただし、操作者は、裸光ファイバ1Aが刃部43のいずれの刃で切断されるかは考慮することなく、操作部30が回動可能な限度、すなわち、図1に示すように、操作部30のストッパ33が係止台10jに当接するまで、操作部30を回動させる操作を行う。
操作部30の回動動作の間に、刃部43のいずれかの刃で形成された初期傷によって、裸光ファイバ1Aの劈開が生じると、裸光ファイバ1Aの切断が終了する。
裸光ファイバ1Aが切断されると、スライド部材20を牽引する張力印加バネ21の付勢力によって、図2に示すように、スライド部材20がY軸正方向に移動する。
このとき、スライド部材20に設けられたヒンジ部支持板20h、20dによって支持されている傷形成部40は、スライド部材20とともに、Y軸正方向に移動する。ファイバ端把持部50によって保持された切断片1Cも同様である。
さらに傷形成部40に固定されている刃具42もスライド部材20とともにY軸負方向に移動するため、刃具42は、ホルダ60に保持された光ファイバ1の裸光ファイバ1Aにおける切断面からただちに離間する。このため、例えば、刃43aを抜けたときに切断が発生した場合に、さらに回動を続ける刃具42の第1表面42dが上記切断面に接触することがない。このため、上記切断面が刃具42と接触を続けることによって切断面が傷つくことが確実に防止される。
以上に説明したように、本実施形態の光ファイバカッタ100では、複数の刃のいずれかが裸光ファイバ1Aに切り込む状態と、裸光ファイバ1Aが複数の刃から離れる状態とを繰り返すことができる。このため、1つの刃による初期傷が劈開に不充分な大きさであっても、複数の刃による切り込みが繰り返されることで、必要な初期傷が形成される。
例えば、傷形成部40、刃具42の製造誤差、組立誤差などによって、裸光ファイバ1Aに対する刃の配置誤差が生じていたり、複数の刃のいずれかの摩耗が大きくなりすぎたりしても、必要な初期傷が形成できる。
このため、刃具として1枚刃を用いる場合に比べて、光ファイバカッタ100における刃の配置精度を緩和することが可能になる。
特に、図5(c)に示す例のように、刃43a〜43dが円弧C’からずれた曲線C上に配列されることによって、刃43aから刃43dに向かって切り込み量が漸次増大する構成の場合、刃の配置精度をより緩和しやすくなる。すなわち、刃具42の配置誤差によって初期傷の深さに一定のバラツキが生じる場合、複数の刃の切り込み量の相違によって、誤差の影響が異なる。このため、いずれかの刃の切り込み量によって、必要な大きさの初期傷が形成される確率が高くなる。
さらに、本実施形態の光ファイバカッタ100では、いずれかの刃によって劈開に必要な初期傷が形成されたら、刃同士の隙間において裸光ファイバ1Aが刃から離れたときに、劈開が生じるため、裸光ファイバ1Aに切り込まれる刃数を必要最小限に抑えることができる。この結果、切断面の平滑性が向上する。
さらに本実施形態では、切断後に、刃が、スライド部材20とともに裸光ファイバ1Aの延在方向であるY軸正方向に移動する点で、刃と切断面との接触による傷発生をより確実に防止できる。
このように、刃具42では、切断のための回動方向の下流側の刃ほど、裸光ファイバ1Aとの接触機会が低減されるため、刃の摩耗が進行しにくい。このため、刃具42全体としては刃寿命が長くなる。
例えば、本実施形態の刃部43と同じ長さの1枚刃で切断が行われる比較例では、上述したように刃が裸光ファイバ1Aと接触している間は劈開が生じないため、切断を行うごとに刃の全長が裸光ファイバ1Aに接触する。このため、比較例では、刃の摩耗が全体的に進行するため、刃の長さが同じでも、本実施形態に比べると刃寿命が短くなってしまう。
さらに、この比較例の場合、1枚刃が裸光ファイバ1Aから離れるまで劈開が生じないため、刃の配置誤差などによって刃の切り込み量が大きくなりすぎる部位があると、劈開に必要な初期傷よりも大きな初期傷が形成された後に劈開が生じる。このため、切断面不良が発生しやすくなる。
このように、本実施形態の光ファイバカッタおよび光ファイバ切断方法では、刃の配置精度が緩和されても良好な切断性能が得られる。
さらに、本実施形態の光ファイバカッタ100では、裸光ファイバ1Aに張力を付与するため、把持された裸光ファイバ1Aを牽引するスライド部材20が、ベース部材10の側壁部10R、10Lの間の溝内を移動する。
このため、光ファイバカッタ100の側面には、スライド部材20をY軸正方向に動かせるようなスライド部材20の露出部が形成されていない。これにより、裸光ファイバ1Aを保持したスライド部材20が操作者によって動かされてしまうことを防止できる。
スライド部材20が容易に移動できる構成であると、例えば、何らかの不具合によって切断操作を行っても裸光ファイバ1Aが切断されない場合など、操作者がスライド部材20を強制的にY軸正方向に移動して無理に切断を完了させてしまうおそれがある。このような操作では、良好な切断面が形成できないため、切断不良が生じてしまう。しかし、本実施形態の光ファイバカッタ100は、そうした操作を容易には行えない構成になっている。
[第1変形例]
上記実施形態の第1変形例について説明する。
図9(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の第1変形例の光ファイバカッタに用いる刃具の一例を示す模式的な正面図、右側面図、および背面図である。
図1、2に示すように、本変形例の光ファイバカッタ101は、上記実施形態の光ファイバカッタ100の傷形成部40に代えて、傷形成部140を備える。
図3に示すように、傷形成部140は、上記実施形態の傷形成部40の刃具42に代えて、刃具142を備える。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9(a)、(b)、(c)に示すように、刃具142は、上記実施形態の刃具42と同様の外形を有する。ただし、刃具142では、刃43a〜43dを有する刃部43に代えて、刃143a〜143dを有する刃部143(刃列)を備える。
刃部143は、刃具本体42Aにおいて刃部43が形成された端部の表面において、少なくとも刃部43を含み、下側斜面44a〜44dおよび上側斜面45a〜45cを除く表面に、ダイヤモンド砥粒が固着することによってダイヤモンド砥粒層Dが形成されて構成されている。
ダイヤモンド砥粒層Dは、ダイヤモンド砥粒が密集して構成されてもよいし、ダイヤモンド砥粒が互いに離間して層状に分布するように構成されていてもよい。
ダイヤモンド砥粒層Dは、ダイヤモンド砥粒が刃具本体42Aの表面に直に固着してダイヤモンド砥粒の粒径以下の層厚を有する構成でもよいし、ダイヤモンド砥粒が層厚方向に堆積して、ダイヤモンド砥粒の粒径を超える層厚を有する構成でもよい。
図9(a)、(b)、(c)には、一例として、刃部143を挟む第1表面42dの一部および斜面42fの一部にもダイヤモンド砥粒層Dを有する例が示されている。
このような刃具142によれば、少なくとも刃部143の表面にダイヤモンド砥粒層Dが形成されているため、上記実施形態の刃具42と同様に、ガラス製の裸光ファイバ1Aに初期傷を形成できる。
このため、本変形例の光ファイバカッタ101および光ファイバカッタ101を用いた光ファイバ切断方法では、上記実施形態と同様、刃の配置精度が緩和されても良好な切断性能が得られる。
[第2変形例]
上記実施形態の光ファイバ切断方法の第2変形例について説明する。
図10は、本発明の実施形態の第1変形例の光ファイバカッタに用いる刃具の一例を示す模式的な正面図である。
上記実施形態では、刃列を円弧C’に沿って移動させることによって、複数の刃が間をあけて裸光ファイバ1Aに切り込まれて、初期傷が形成される場合の例で説明した。しかし、初期傷を形成するための複数の刃の移動経路は、円弧には限定されない。本変形例では複数の刃が直線に沿って裸光ファイバ1Aに切り込まれる。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10に本変形例に用いることができる刃具242の一例を示す。
刃具242(刃列)は、上記実施形態における刃具42の刃部43に代えて、刃243a、243b、243c、243dを含む刃部243(刃列)を備える。刃具242は、図示略の刃具ホルダによって、Z軸方向に移動可能に支持されている。
上記実施形態の刃43a〜43dが曲線C上に配列されていたのに対して、刃243a〜243dは、直線Lに沿って配列されている。
直線Lは、各刃243a〜243dの切り込み量を一定にするためにZ軸に平行でもよい。ただし、各刃243a〜243dの切り込み量がこの並びの順に大きくなるように、Z軸に対して直線Lが傾斜していてもよい。
刃243a、243b、243c、243dの間には、直線Lに沿って、上記実施形態と同様の隙間s1、s2、s3が形成されている。隙間s1、s2、s3は、上記実施形態と同様、それぞれ、上側斜面45aおよび下側斜面44bと、上側斜面45bおよび下側斜面44cと、上側斜面45cおよび下側斜面44dと、によって構成されている。
刃243aの下側には、上記実施形態と同様の下側斜面44aが形成されていてもよい。ただし、図10に示す例では、下側斜面44aに代えて、Y軸方向から見て、刃243aの下端部に滑らかに接続する弧状に湾曲した湾曲斜面244a(斜面)が形成されている。
本変形例の光ファイバ切断方法は、各刃243a〜243dがZ軸方向に平行移動して初期傷が形成される以外は、上記実施形態と同様である。
このため、本変形例は上記実施形態と同様の作用を備える。
本変形例の光ファイバ切断方法に用いる光ファイバカッタは、光ファイバカッタ100の一部を変形して構成することができる。
例えば、光ファイバ1は、上記実施形態と同様、光ファイバカッタ100のベース部材10、スライド部材20、ホルダ60、およびファイバ端把持部50によってY軸方向に延びて把持されればよい。この場合、裸光ファイバ1Aに張力を付加するには、上記実施形態と同様、張力印加バネ21を用いることができる。
ただし、上記実施形態における操作部30、傷形成部40に関しては、刃具242がZ軸方向に移動することによって、各刃243a〜243dが裸光ファイバ1Aに切り込むような適宜の構成に変形される。
例えば、本変形例の傷形成部に刃具242が固定される構成の場合には、本変形例の操作部はベース部材10において、傷形成部はスライド部材20において、それぞれZ軸方向の平行移動可能に支持される。
例えば、本変形例の傷形成部に刃具242が、リンク、カムなどの回転移動を平行移動に変換する伝動機構を介して連結されてもよい。この場合には、操作部および傷形成部は、上記実施形態と同様にベース部材10およびスライド部材20に回動可能に支持されていればよい。
なお、上記実施形態および各変形例の説明では、複数の刃の間の隙間がV字溝によって構成される場合の例で説明した。しかし複数の刃の間の隙間は、V字溝には限定されない。例えば、複数の刃の間の隙間はU字溝、台形溝などでもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、一例として、刃列における複数の刃の個数が4個の場合の例で説明した。しかし、刃列における複数の刃の個数は、2個以上であればよく、4個には限定されない。
上記実施形態および各変形例の説明では、一例として、複数の刃のすべてが、1つの刃具上に形成される場合の例で説明した。しかし、複数の刃の刃列が形成できれば、各刃は1つの刃具に一体に形成されていなくてもよい。例えば、1以上の刃を有する刃具が、適宜隙間をあけて複数配置されることによって、刃列が形成されていてもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、一例として、傷形成部がスライド部材に支持されている場合の例で説明した。しかし、傷形成部は操作部ともに、ベース部材に支持されていてもよい。この場合、傷形成部は、操作部に対してY軸方向に相対移動しないため、操作部と傷形成部とは、一体化された構成でもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、光ファイバカッタが回収ケース70を有する場合の例で説明した。しかし、光ファイバカッタは、回収ケース70を有しない構成であってもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、第1把持部がスライド部材に固定されている場合の例で説明した。しかし、第1把持部は、ベース部材に対して光ファイバの軸線方向に移動可能であって、張力付与部によって第2把持部から離れる方向に付勢可能であれば、光ファイバカッタは、スライド部材を有さなくてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1…光ファイバ、1A…裸光ファイバ、1B…被覆部、1C…切断片、10…ベース部材、10c,10d…側面、10L,10R…側壁部、12…係合部、20…スライド部材、20c…ファイバ支持台部(第1把持部)、21…張力印加バネ(張力付与部)、30…操作部、31…押圧突起、32…係合解除突起、40,140…傷形成部、42,142,242…刃具、43,143,243…刃部(刃列)、43a,43b,43c,43d,143a,143b,143c,143d,243a,243b,243c,243d…刃、44a,44b,44c,44d…下側斜面(斜面)、50…ファイバ端把持部、60…ホルダ(第2把持部)、100,101…光ファイバカッタ、244a…湾曲斜面(斜面)、C…曲線、C’…円弧、D…ダイヤモンド砥粒層、L…直線、O…回転軸線、s1,s2,s3…隙間

Claims (6)

  1. ベース部材と、
    光ファイバの先端側で前記光ファイバを把持し、前記ベース部材に対して前記光ファイバの軸線方向に移動可能に設けられた第1把持部と、
    前記ベース部材に固定され、前記第1把持部よりも前記光ファイバの基端寄りの位置で前記光ファイバを把持する第2把持部と、
    前記第1把持部を前記軸線方向において前記第2把持部から離れる方向に付勢して、前記光ファイバに張力を付与する張力付与部と、
    前記光ファイバに初期傷を形成する複数の刃が隙間をあけて線状に並んだ刃列を有する刃具と、
    前記刃列が前記軸線方向に直交する平面内で前記第1把持部と前記第2把持部との間に張架された前記光ファイバに切り込む経路を移動するように前記刃具を保持する傷形成部と、
    を備える、
    光ファイバカッタ。
  2. 前記複数の刃は、それぞれ前記刃具の表面にダイヤモンド砥粒が固着して構成されている、
    請求項1に記載の光ファイバカッタ。
  3. 前記刃具は、前記複数の刃の間に、前記光ファイバが進入可能な隙間を有し、
    前記複数の刃のそれぞれには、切り込みが開始される方の端部には、前記隙間に進入した前記光ファイバを前記複数の刃のそれぞれに向かって案内する斜面が隣接している、
    請求項1または2に記載の光ファイバカッタ。
  4. 前記経路に沿う前記隙間の開口部は、前記光ファイバの外径よりも広い、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバカッタ。
  5. 前記第1把持部と、前記傷形成部と、を保持し、前記ベース部材に対して前記軸線方向に移動可能に設けられ、前記張力付与部によって前記軸線方向において前記第2把持部から離れる方向に付勢されたスライド部材をさらに備え、
    前記光ファイバが切断されたときに、前記傷形成部が前記スライド部材とともに前記第2把持部から離れる方向に移動する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバカッタ。
  6. 光ファイバを、前記光ファイバの軸線方向に張力を付与するように第1把持位置と第2把持位置とにおいて把持することと、
    複数の刃が離間して並んだ刃列を、前記軸線方向に直交する平面内で前記第1把持位置と前記第2把持位置との間の前記光ファイバに、前記複数の刃が間をおいて切り込むように移動させることによって、前記光ファイバが劈開可能な初期傷を形成されるまで、前記複数の刃のいずれかが前記光ファイバに切り込む状態と、前記複数の刃から前記光ファイバから離れる状態と、を形成することと、
    前記初期傷から前記光ファイバの劈開が進むことによって前記光ファイバが切断されるまで、前記張力の付与を続けることと、
    を含む、
    光ファイバ切断方法。
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