JP2019120260A - 自動二輪車の変速機 - Google Patents
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Abstract
Description
クラッチ装置と、同クラッチ装置を覆うクラッチカバーと、同クラッチカバーに回動自在に支持されたクラッチレバーとを有する自動二輪車の変速機において、
前記クラッチレバーは、上下方向に配向された回動軸と、同回動軸に基端部が取付けられ先端部が車幅方向外側に伸びるクラッチレバーアームとを備え、同クラッチレバーアームの先端部にはクラッチワイヤが結合され、同クラッチワイヤは、前記クラッチカバーより外側面が車幅方向外側に位置する他のカバー部材に固定されたワイヤステーによって、同他のカバー部材の外側面より車幅方向内側で支持されたことを特徴とする自動二輪車の変速機である。
クラッチレバーアームの先端部が車幅方向内側に伸びる内引きクラッチ装置よりもクラッチレバーを車両中心寄りに配置でき、変速機の車幅方向寸法を抑制でき、外引きクラッチ装置においても、クラッチワイヤを他のカバー部材の外側面より車幅方向内側で支持することによって、クラッチワイヤの位置を機体の外側面より車幅方向内側に寄せることができ、クラッチワイヤを保護するとともに自動二輪車の車幅を抑制することができる。
最も車幅方向外側に回動した前記クラッチレバーアームの前記先端部と前記ワイヤステーのワイヤ把持部は車幅方向で同じ位置に配置されてもよい。
その構成によれば、
クラッチワイヤを車幅方向偏位少なく配索でき、クラッチワイヤの張力が効果的にクラッチレバーアームに作用し、クラッチ操作がより円滑になる。
前記クラッチレバーアームの前記先端部と前記ワイヤステーのワイヤ把持部は車高方向で同じ位置に配置されてもよい。
その構成によれば、
クラッチワイヤを車高方向偏位少なく配索でき、クラッチレバーの上下方向に配向された回動軸の回動が円滑になり、クラッチ操作がより円滑になる。
前記クラッチカバーは外側方に向けた凹部を備え、同凹部に前記クラッチレバーが配設されてもよい。
その構成によれば、
クラッチレバーがクラッチカバーの凹部に取付けられたので、クラッチレバーの回転軸とクラッチレバーアームの基端部が保護される、
前記ワイヤステーは、前記別のカバー部材と同じ締結ボルトで共締めされてもよい。
その構成によれば、
部品点数と組立て工数の低減がなされる。
前記他のカバー部材は、車幅方向に配向されたクランク軸を軸方向外方から覆うクランク軸カバーであってもよい。
その構成によれば、
クランク軸とクラッチ装置が設けられる変速機のメイン軸とは隣接しているので、クランク軸カバーに固定されたワイヤステーは、クラッチカバーに支持されたクラッチレバーに結合されたクラッチワイヤを近い距離で支持でき、クラッチワイヤのクラッチレバーへの接続部の不要な撓みを抑制できる。
クラッチレバーアームの先端部が車幅方向内側に伸びる内引きクラッチ装置よりもクラッチレバーを車両中心寄りに配置でき、変速機の車幅方向寸法を抑制でき、外引きクラッチ装置においても、クラッチワイヤを他のカバー部材の外側面より車幅方向内側で支持することによって、クラッチワイヤの位置を機体の外側面より車幅方向内側に寄せることができ、クラッチワイヤを保護するとともに自動二輪車の車幅を抑制することができる。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る自動二輪車の変速機を備えたパワーユニットを、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は自動二輪車である。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
本実施形態に係る変速機5は、自動二輪車1に搭載されるパワーユニット3において、内燃機関4の後方に内燃機関4と一体に備えられたものである。
メインフレーム21の前部には下方にエンジンハンガー部21aが垂下しており、メインフレーム21の後部は屈曲してピボットフレーム部22(図2、図3参照)が下方に延出している。
ピボットフレーム部22に前端を軸支された図示しないスイングアームが後方に延び、スイングアームの後端に図示しない後輪が軸支されている。
操向ハンドル13の右手側には図示省略した前ブレーキレバーが設けられ、左手側にはクラッチ操作を行うためのクラッチ操作レバー15が設けられている。
パワーユニット3の前半を占める内燃機関4は、クランク軸41(図4参照)を車幅方向に配した直列4気筒の水冷式4ストロークサイクル内燃機関であり、シリンダを適度に前傾した姿勢で車体フレーム2に搭載されている。
内燃機関4のクランク軸41はクランクケース30に軸支され、クランクケース30はクランク軸41の後方に変速機5を一体に備えている。したがって、クランクケース30はパワーユニットケースでもある。
シリンダヘッド43の後側面には、前述のエアクリーナ等の吸気系が接続している。
また、シリンダヘッド43の前側面には、各気筒毎に排気管46が延出し、各排気管46は下方に延びて後方に屈曲してクランクケース30の右側を後方に延び図示しないマフラーに連結されている。
また、図4は、図2中IVa-IVa矢視による断面と、IVb−IVb矢視による断面とを、クランク軸41位置を一致させ、車幅方向(左右方向)配置位置を合わせて、合成して示すパワーユニット3の断面展開図である。
図4に示されるように、クランク軸41はそのジャーナル部41aが、クランクケース30に軸支され、クランクケース30から突出した右軸端部41bは、クランクケース30の右側面に締結された右クランクケースカバー(本発明における「クランク軸カバー」)31で覆われている。
なお、図4において、各軸受51a、52aは右側だけが示され、各軸受51a、52aを支持するクランクケース30の支持壁は図示省略されている。
また、右のメイン軸軸受51aを介してクランクケース30より右に突出したメイン軸51には、多板摩擦クラッチであるクラッチ装置55が同芯に取付けられている。
また、クラッチ装置55の外側を覆うようにクランクケース30の右側面に締結されるクラッチカバー32で、クラッチ装置55は塞がれている。
そして、クラッチ装置55は、運転者10の変速操作に応じて、変速機5のギヤ切換え中にはクランク軸41の回転動力を変速機5のメイン軸51に伝達せず、ギヤ切換えが終了するとともに回転動力をメイン軸51に伝達する。
したがって、クラッチ装置55の軸芯(クラッチ軸芯)は、メイン軸51の軸芯と一致する。
また、クラッチアウタ56の周壁部56aの内周側には、相互回転不能且つクラッチ軸芯方向摺動可能に、複数枚の摩擦ディスク61が支持され、クラッチディスク62とクラッチ軸芯方向に交互に重ねられている。
一方、プレッシャプレート65には、クラッチインナ59の環状平板部59c側に向けて凹む複数個の深穴部66(図4中には1個のみ示される)が設けられ、深穴部66の底部66aには貫通孔66bが設けてある。
プレッシャプレート65の押圧力で、摩擦ディスク61とクラッチディスク62とは互いに摩擦係合し、クラッチアウタ56の回転力がクラッチインナ59に伝達され、クラッチインナ59の回転に応じてメイン軸51が一体回転する。
なお、ベアリング75は、リフタロッド70とプレッシャプレート65との間の軸方向のスラスト荷重も支持するものである。
リフタロッド70は、フランジ部70aから右方に延出し、その先端部70bと段部70cをなして左側に形成される小径のくびれ部70dが、クラッチカバー32の内面に突出形成された円筒部32aの内部に挿入されている。
台部33に内部には、クラッチ装置5の断続を行うためのクラッチレバー8が備えられており、クラッチレバー8の回動軸81が上下方向に配向されてリフタロッド70と直交して回動自在に支持されている。
図4に示されるように、リフタロッド70の段部70cには、クラッチレバー8の回動軸81に形成されたカム部85(図5、図6参照)が係合する。
図5に示されるように、クラッチレバー8は、クラッチカバー32に軸支され上下方向に配向される回動軸81の上端部81aに、回動軸81と直交するクラッチレバーアーム82の基端部82aを嵌着し、下端部81bに、回動軸81をクラッチレバーアーム82非操作時側に戻す戻りばね84(図4参照)の係止部84aが設けられている。
その中間には、直交するリフタロッド70(図4参照)の小径のくびれ部70dを挿通可能な小切欠き部86と、先端部70bを挿通可能な大切欠き部87とが、図5中VI−VI矢視による回動軸81の断面図である図6に示すように、切り欠き深さを同じくして並んで設けられ、小切欠き部86と大切欠き部87との切欠き段差部88の周方向先端が、カム部85を構成する。
図3に示されるように、クラッチレバー8の回動軸81は、クラッチカバー32の台部33において外側に上端部81aを突出しており、この上端部81aに回動軸81と直交するクラッチレバーアーム82の基端部82aが嵌着されている。
クラッチレバーアーム82の揺動する先端部82bにワイヤ留め具83が取付けられ、クラッチワイヤ91の端部が結合される。
クラッチカバー32より外側面が車幅方向外側に位置する「他のカバー部材」は、ACGカバー等であってもよい。
ワイヤチューブ92は、図1に示されるように、車両右側面に沿って配索され、操向ハンドル13の前方を回って、操向ハンドル13の左手側に設けられたクラッチ操作レバー15に接続している。
プレッシャプレート65がクラッチスプリング69の付勢力に抗して軸方向右側に移動することにより、摩擦ディスク61とクラッチディスク62の間の押圧が解除され、両者間に隙間が形成されてクラッチ装置55は離脱状態となる。
また、外引きクラッチ装置においても、クラッチワイヤ91を右クランクケースカバー31の外側面より車幅方向内側でワイヤステー95によって支持することにより、クラッチワイヤ91の位置を自動二輪車1の機体の外側面より車幅方向内側に寄せることができ、クラッチワイヤ91を保護するとともに自動二輪車1の車幅を抑制することができる。
ものとなっている。
また、ワイヤステー95は、右クランクケースカバー31と同じ締結ボルト95bでクランクケース30に対して共締めされたので、部品点数と組立て工数の低減がなされている。
なお、説明の便宜上、図示の実施形態の左右配置のものについて説明したが、左右配置の異なるものであっても、発明の要旨の範囲であれば本発明に含まれる。
Claims (6)
- クラッチ装置(55)と、同クラッチ装置(55)を覆うクラッチカバー(32)と、同クラッチカバー(32)に回動自在に支持されたクラッチレバー(8)とを有する自動二輪車(1)の変速機(5)において、
前記クラッチレバー(8)は、上下方向に配向された回動軸(81)と、同回動軸(81)に基端部(82a)が取付けられ先端部(82b)が車幅方向外側に伸びるクラッチレバーアーム(82)とを備え、
同クラッチレバーアーム(82)の先端部(82b)にはクラッチワイヤ(91)が結合され、
同クラッチワイヤ(91)は、前記クラッチカバー(32)より外側面が車幅方向外側に位置する他のカバー部材に固定されたワイヤステー(95)によって、同他のカバー部材(31)の外側面より車幅方向内側で支持されたことを特徴とする自動二輪車の変速機。 - 最も車幅方向外側に回動した前記クラッチレバーアーム(82)の前記先端部(82b)と前記ワイヤステー(95)のワイヤ把持部(95a)は車幅方向で同じ位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の変速機。
- 前記クラッチレバーアーム(82)の前記先端部(82b)と前記ワイヤステー(95)のワイヤ把持部(95a)は車高方向で同じ位置に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動二輪車の変速機。
- 前記クラッチカバー(32)は外側方に向けた凹部(32b)を備え、同凹部(32b)に前記クラッチレバー(8)が配設されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の自動二輪車の変速機。
- 前記ワイヤステー(95)は、前記別のカバー部材(31)と同じ締結ボルト(95b)で共締めされたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の自動二輪車の変速機。
- 前記他のカバー部材(31)は、車幅方向に配向されたクランク軸(41)を軸方向外方から覆うクランク軸カバー(31)であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の自動二輪車の変速機。
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