JP2019118869A - 油吸着材、油吸着材の製造方法及び油回収方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は下記[1]〜[10]に関する。
[1]ポリオレフィン系樹脂を含有する多孔体を粉砕して得られる油吸着材であって、比表面積が0.500m2/g以上である、油吸着材。
[2]前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニル共重合体から選ばれる1種以上である、上記[1]に記載の油吸着材。
[3]前記多孔体が、前記ポリオレフィン系樹脂を架橋及び発泡させてなる多孔体である、上記[1]又は[2]に記載の油吸着材。
[4]前記多孔体の見掛け密度が、0.02〜0.06g/cm3である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の油吸着材。
[5]大きさが、1〜20mmである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の油吸着材。
[6]嵩密度が、0.002〜0.020g/cm3である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の油吸着材。
[7]前記粉砕を、前記多孔体にせん断力を加えて行う、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の油吸着材。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の油吸着材を用いる油回収方法。
[9]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の油吸着材を製造する方法であって、ポリオレフィン系樹脂を含有する多孔体を粉砕する油吸着材の製造方法。
[10]前記粉砕を、前記多孔体にせん断力を加えて行う、上記[9]に記載の油吸着材の製造方法。
本実施形態の油吸着材は、ポリオレフィン系樹脂を含有する多孔体を粉砕して得られる油吸着材であって、比表面積が0.500m2/g以上のものである。
本実施形態の油吸着材が優れた油吸着性を示す機構は定かではないが、以下のように推察される。本実施形態の油吸着材は、親油性を有するポリオレフィン系樹脂を素材としているため油類との親和性が高く、さらに一定以上の比表面積を有することで油類との接触面積を増加させることができ、優れた油吸着性が得られていると考えられる。
また、本実施形態の油吸着材は、多孔体を粉砕して得られるものであるため、複雑な形状を有している。本実施形態の油吸着材の代表的な形状を図1に示す。図1に示す油吸着材は、ポリエチレン樹脂多孔体を粉砕したものであり、引き千切ったような繊維状の構造と面状の構造とが混在し、これらが完全に融着したり塊になることなく集合体を形成しているため、1つの油吸着材中には多数の空隙が存在している。このような複雑な形状に起因して、吸着した油が油吸着材中に保持され易くなり、油吸着量を高めることができたものと推察される。
本実施形態の油吸着材の比表面積は、油吸着性を高める観点から、0.500m2/g以上であり、0.600m2/g以上が好ましく、0.700m2/g以上がより好ましく、0.800m2/g以上がさらに好ましい。また、油吸着材の比表面積は、製造容易性等の観点からは、2.0m2/g以下であってもよく、1.5m2/g以下であってもよく、1.2m2/g以下であってもよい。
油吸着材の比表面積は、BET法による比表面積であり、具体的には実施例に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態の油吸着材の比表面積は、粉砕前の多孔体の見掛け密度及び発泡倍率、粉砕装置の種類、粉砕条件等によって調整することができる。
本実施形態の油吸着材の大きさは、1〜20mmが好ましく、2〜15mmがより好ましく、3〜10mmがさらに好ましい。
なお、油吸着材の大きさは、油吸着材の投影像においてとりうる最大長さの値と、その最大長さに直交する方向の最大長さ値の平均値を、任意に選択した10個の油吸着材について求め、これを平均した値として求めることができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
油吸着材の嵩密度は、油吸着性を高める観点から、0.002〜0.020g/cm3が好ましく、0.004〜0.012g/cm3がより好ましく、0.006〜0.010g/cm3がさらに好ましい。油吸着材の嵩密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の油吸着材は、多孔体を粉砕して得られる油吸着材である。
多孔体は、ポリオレフィン系樹脂を含有するものである。以下、ポリオレフィン系樹脂の好適な態様について説明する。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体であっても、エチレンとエチレン以外の共重合成分との共重合体であってもよい。ただし、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、及びポリエチレンプロピレン共重合体は、本明細書においてポリエチレン系樹脂とは分類しないものとする。
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体等のエチレン−(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。
ポリエチレン系樹脂が共重合体である場合、共重合体中のエチレン由来の構造単位の含有量は、エチレン由来の構造単位と共重合成分由来の構造単位との合計モル数に対して、通常、50モル%以上であり、求める性能に応じて、例えば、70モル%以上としてもよく、90モル%以上としてもよい。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる1種以上を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」から選ばれる1種以上を意味する。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体であっても、プロピレンとプロピレン以外の共重合体成分との共重合体であってもよい。ただし、ポリエチレンプロピレン共重合体は、本明細書においてポリプロピレン系樹脂とは分類しないものとする。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンのホモポリマー、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと(メタ)アクリル酸アルキルとの共重合体等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂が共重合体である場合、共重合体中のプロピレン由来の構造単位の含有量は、プロピレン由来の構造単位と共重合成分由来の構造単位との合計モル数に対して、通常、50モル%以上であり、求める性能に応じて、例えば、70モル%以上としてもよく、90モル%以上としてもよい。
エチレン酢酸ビニル共重合体は、エチレン及び酢酸ビニルの2成分のみからなる共重合体であってもよく、エチレン及び酢酸ビニル以外の共重合成分との共重合体であってもよい。
エチレン酢酸ビニル共重合体中における酢酸ビニル由来の構造単位の含有量は、エチレン由来の構造単位と酢酸ビニル由来の構造単位との合計モル数に対して、5〜50モル%が好ましく、7〜30モル%がより好ましく、10〜20モル%がさらに好ましい。
また、エチレン酢酸ビニル共重合体が、エチレン及び酢酸ビニル以外の共重合成分との共重合体である場合、エチレン由来の構造単位と酢酸ビニル由来の構造単位との合計モル数は、エチレン由来の構造単位と酢酸ビニル由来の構造単位とエチレン及び酢酸ビニル以外の共重合成分由来の構造単位との合計モル数に対して、通常、50モル%以上であり、求める性能に応じて、例えば、70モル%以上としてもよく、90モル%以上としてもよい。
多孔体は、ポリオレフィン系樹脂以外にも、熱安定剤、紫外線安定剤、顔料、充填材、難燃剤等のその他の添加剤;多孔体を製造する際に任意で添加する発泡剤、有機過酸化物、架橋剤等に由来する成分などを含有していてもよい。これらは、各々について1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多孔体が発泡体である場合、その発泡倍率は、得られる油吸着材の比表面積を所望の範囲に調整し易くする観点及び油吸着性を高める観点から、10〜60倍が好ましく、30〜50倍がより好ましく、35〜45倍がさらに好ましい。
また、発泡時に均一な大きさの空隙を形成し、得られる油吸着材の比表面積を所望の範囲に調整し易くする観点から、発泡体は、ポリオレフィン系樹脂を架橋及び発泡させてなるものであることが好ましい。
多孔体の製造方法としては、例えば、下記(1)〜(6)の方法が挙げられる。
(1)ポリオレフィン系樹脂、発泡剤、架橋剤等を含む樹脂組成物(以下、「架橋発泡組成物」ともいう)を混練し、ペレット、粉末、フィルム、シートその他の成形品とした後、発泡させることにより独立気孔型又は連続気孔型の発泡体を得る方法
(2)ポリオレフィン系樹脂を安定剤等と共に押出機により混練しながら、イソブタン等の発泡剤を押出機の中間部より注入し、押出成形することにより成形時に発泡させ、独立気孔型又は連続気孔型の発泡体を得る方法
(3)上記(1)又は(2)の方法により独立気孔型の発泡体を得てから、これをロール等で加圧し、機械的に破泡を行い連続気孔型とする方法
(4)ポリオレフィン系樹脂に水溶性フィラーを混合し、賦形後に水、温水等に浸漬し、水溶性フィラーを抽出する方法
(5)ポリオレフィン系樹脂パウダーを加熱溶着する焼結法によって製造する方法
(6)紙パウダー、澱粉及びポリオレフィン樹脂を混合したものを主成分とする成形材料を、水蒸気を用いて押出発泡して連続気孔型発泡体を得る方法
以上の多孔体の製造方法の中でも、生産性の観点から、方法(1)が好ましい。
以下、方法(1)の諸条件について詳細に説明する。
架橋発泡組成物中における発泡剤の含有量は、使用する発泡剤の種類に応じて適宜決定すればよいが、例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、10〜25質量部がより好ましい。
架橋発泡組成物中における架橋剤の含有量は、架橋剤の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.3〜10質量部が好ましく、0.5〜3.0質量部がより好ましい。
架橋発泡組成物は混練後、例えばシート状に成形し、加熱することで発泡させることができる。ここでの加熱条件は、ポリオレフィン系樹脂の融点、溶融粘度、発泡剤の分解開始温度、架橋剤の半減期温度等に応じて適宜決定すればよい。
次に、多孔体を粉砕する方法について説明する。
多孔体の粉砕は、得られる油吸着材の比表面積を所望の範囲に調整し易くする観点から、前記多孔体にせん断力を加えて行うことが好ましい。
せん断力を加えて粉砕する粉砕機としては、ハンマミル型粉砕機、カッターミル型粉砕機、インペラーミル型粉砕機等が挙げられる。
カッターミル型粉砕機は、主に回転刃と固定刃との間でせん断力を付与しながら対象物を小片化する粉砕機である。カッターミル型粉砕機の市販品としては、カッターミルVM−22(製品名、株式会社セイシン企業製)等が挙げられる。
ハンマミル型粉砕機は、主に高速回転するハンマによる衝撃力及びせん断力によって対象物を小片化する粉砕機である。ハンマミル型粉砕機の市販品としては、フェザミル(登録商標)FM、ファーマミル(登録商標)FM−P、ハンマミルH、ハンマブレーカHB、マイクロパルベライザ(登録商標)AP、ファインインパクトミルUPZ(以上、製品名、ホソカワミクロン株式会社製)等が挙げられる。
インペラーミル型粉砕機は、主に高速回転するローターと波状ライナーの相互作用によって衝撃力、せん断力、摩砕力によって対象物を小片化する粉砕機である。インペラーミル型粉砕機の市販品としては、インペラーミルIMP−250(製品名、株式会社セイシン企業製)等が挙げられる。
これらの粉砕機は、単独で使用してもよいが、複数の粉砕機を組み合わせてもよい。複数の粉砕機を組み合わせる場合は、第1の粉砕工程と第2の粉砕工程とを実施し、例えば、第1の粉砕工程として、カッターミル型粉砕機による粉砕を行って得られた粉砕物を、第2の粉砕工程として、インペラーミル型粉砕機で粉砕することで、高い比表面積を有する油吸着材が得られる傾向にある。
また、各粉砕機は、1回のみ粉砕を行ってもよく、2回以上粉砕を繰り返してもよい。2回以上粉砕を行う場合、1回目の粉砕条件と、2回目以降の粉砕条件は、同じであっても異なっていてもよい。
粉砕機の回転数としては、500〜9,000rpmが好ましく、500〜8,000rpmがより好ましく、600〜7,000rpmがさらに好ましい。なお、粉砕機の回転数とは、ハンマミル型粉砕機の場合はハンマの回転数、カッターミル型粉砕機の場合はカッターの回転数、インペラーミル型粉砕機の場合はインペラーの回転数を意味する。
粉砕機のスクリーンメッシュ径は、2〜10mmが好ましく、3〜7mmがより好ましく、4〜6mmがさらに好ましい。
多孔体を粉砕機に供給する際には、粉砕機の能力に応じて適度な大きさに切断して供給すると、良好な運転状態を保つことができるため好ましい。切断する大きさは、粉砕機の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、最大長さで10〜2,000mmが好ましく、15〜1,000mmがより好ましく、20〜200mmがさらに好ましい。なお、ここでの最大長さとは、油吸着材の投影像においてとりうる最大長さを、任意に選択した10個の油吸着材について求め、これを平均した値を意味する。切断する形状は特に限定されないが、例えば、略立方体、略直方体、略球状等の形状が挙げられる。
なお、粉砕条件は、予め用いる粉砕機に応じて、粉砕の予備実験を行い、所望の油吸着材が得られるよう運転条件を検討し、定めることが好ましい。
本実施形態の油吸着材の吸着対象である油類は、特に限定されず、鉱物油であっても合成油であってもよい。具体的には、重油、軽油、植物油、エンジンオイル、シリコーンオイル等が挙げられる。また、これらの油類は、油類単独で存在している状態であってもよく、水と混合された混合液の状態であってもよい。本実施形態の油吸着材は、水吸着量を低く抑えることができるため、油類と水と混合された混合液から、油類を選択的に吸着する用途にも好適である。
一方、本実施形態の油吸着材は、単位質量当たりの油吸着量及び単位面積当たりの油吸着量が大きく、特に単位質量当たりの油吸着量が従来の油吸着材よりも大きいため、油濃度が高い対象に対して特に好適である。例えば、吸着対象が水と油の混合液である場合、混合液中の油濃度は、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がよりさらに好ましい。同様の観点から、前記油濃度は実質的に100質量%であってもよい。
本実施形態の油吸着材は、車両、タンカー等の事故で流出した油類の回収;山林、河川等における工事で流出した油類の回収;下水道、浄化槽等における前処理としての油分回収;ホテル、飲食店等の厨房で発生する廃水中の油分回収;ガソリンスタンド等の油水分離処理における油分回収;工場における廃油処理;自動車整備工場における水汚泥処理などに好適である。
本実施形態の油吸着材は、吸油マットの形態としてもよい。
吸油マットは、本実施形態の油吸着材をマット状にしたものであれば特に限定されないが、油分回収の作業性等の観点から、油吸着材と該油吸着材を内包する不織布とを備える吸油マットであることが好ましい。
前記不織布としては、油を吸着した前後の油吸着材を内包することができ、かつ通油性を有するものであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系繊維;ナイロン繊維などから構成される不織布を使用することができる。
本実施形態の油回収方法は、本実施形態の油吸着材を用いる油回収方法である。
本実施形態の油回収方法における油分回収は、回収する油分と、本実施形態の油吸着材とを、接触させて行えばよい。具体的には、油分回収の対象となる液体(以下、「対象液体」ともいう)の表面に本実施形態の油吸着材又は吸油マットを浮かせる方法、対象液体中に本実施形態の油吸着材又は吸油マットを沈める方法、対象液体中で本実施形態の油吸着材又は吸油マットを攪拌する方法、対象液体を本実施形態の油吸着材を充填した層又は吸油マットを通過させる方法等が挙げられる。
実施例によって得られた油吸着材及び比較例として準備した油吸着材は、下記方法によって評価した。
任意に選択した油吸着材について、マイクロスコープを用いて30倍に拡大し、最大長さの値と、その最大長さに直交する方向の最大長さ値を測定し、これらの平均値を算出した。同様の測定を、任意に選択した油吸着材合計10個について行い、その平均値を油吸着材の大きさとした。
以下の方法により嵩密度を測定した。
(1)100mlのビーカに油吸着材を20cmの高さから投入し、100mlの標線まで充填する。
(2)ビーカを4〜5回軽くタッピングする。タッピング後、油吸着材が100ml標線以下になった場合は、(1)と同様の作業を行い、油吸着材を追加充填した。
(3)100mlの標線まで油吸着材が充填されたことを確認し、その質量を測定した。
それぞれについて、各3回測定を行い、その結果を平均し、嵩密度(g/cm3)を算出した。
比表面積は、窒素吸着法によってBET比表面積を測定した。以下に条件を示す。
・測定装置:Quantachrome ASiQwin
・サンプル量:1g
・脱気条件:25℃、6時間
・測定点:Krガス吸着法 六点法
(1)試験サンプルの準備
各例で作製した油吸着材については、2枚の不織布(ユニチカ株式会社製、商品名「エルベス(登録商標)」、サイズ:縦12cm×横12cm)同士の3辺を溶着させた後、開放している1辺から3gの油吸着材を充填し、その後、開放している1辺を溶着させて、油吸着材が不織布に充填されてなる試験サンプルを作製した。なお溶着部分の幅は2cmとして、油吸着材の充填されている領域の大きさが、縦10cm×横10cmとなるように作製した。得られた試験サンプルの外観写真を図2に示す。
比較例2で作製した油吸着材は、縦10cm×横10cm×厚さ5cmにカットしたものを試験サンプルとした。
比較例3〜6で準備した油吸着材は、上記した市販品のものを、そのまま試験サンプルとした。
(2)油吸着倍率の測定
上記で準備した試験サンプルをA重油に5分間浮かべた。その後、回収した油吸着材を網状で5分間静置したものを油吸着後の試験サンプルとして、下記式に基づいて油吸着倍率を計算した。
油吸着倍率(g/g)=(油吸着後の試験サンプル重量(g)−油吸着前の試験サンプル重量(g))/(油吸着前の試験サンプル重量(g))
(3)水吸着倍率の測定
上記(2)において、油を水に変えたこと以外は、上記(2)と同様にして、水吸着倍率を測定した。
実施例1
(油吸着材1の製造)
架橋化発泡ポリエチレンであるハイエチレン EF40(商品名、日立化成株式会社製、密度0.022g/cm3、発泡倍率40倍)を準備し、これを10cm角にカットした後、以下の条件にて、粉砕工程を実施した。
粉砕機:カッターミルVM−22(株式会社セイシン企業製)(表1中、「カッターミル1」と表記する。)
回転数:750rpm
スクリーンメッシュ径(mm):2mm
通過(Pass)回数:1回
以上のようにして粉砕して得られたものを、油吸着材1とした。
(油吸着材2、3、5の製造)
実施例1において、製造条件を表1に記載した通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、油吸着材2、3、5を得た。ただし、実施例2は実施例1とは異なる種類のカッターミル(表1中、「カッターミル2」と表記する。)を使用した。
(油吸着材4の製造)
実施例1において、製造条件を表1に記載した通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、第1の粉砕工程を実施した。
次に、上記粉砕工程で得られた粉砕物を、以下の条件にて、第2の粉砕工程に供したものを油吸着材4とした。
粉砕機:インペラーミルIMP−250(株式会社セイシン企業製)
回転数:6000rpm
スクリーンメッシュ径(mm):4mm
通過(Pass)回数:1回
(油吸着材6の製造)
ポリエチレン樹脂多孔体として、ハイエチレン EF40(商品名、日立化成株式会社製、密度0.022g/cm3)を、縦10cm×横10cm×厚さ5cmにカットしたものを油吸着材6とした。
以下に示す市販の油吸着材を使用した。
油吸着材7:ピグ(登録商標)エコノミー(ニューピグコーポレーション製)
油吸着材8:オイルブロッター(登録商標)(三井化学株式会社製)、ポリプロピレン不織布
油吸着材9: パワフルeco(登録商標)(日本製紙クレシア株式会社製)、ポリエステル不織布
油吸着材10:トドマツくん(登録商標)(株式会社TMC製)、植物由来の繊維状炭化物
Claims (10)
- ポリオレフィン系樹脂を含有する多孔体を粉砕して得られる油吸着材であって、比表面積が0.500m2/g以上である、油吸着材。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニル共重合体から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の油吸着材。
- 前記多孔体が、前記ポリオレフィン系樹脂を架橋及び発泡させてなる多孔体である、請求項1又は2に記載の油吸着材。
- 前記多孔体の見掛け密度が、0.02〜0.06g/cm3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油吸着材。
- 大きさが、1〜20mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の油吸着材。
- 嵩密度が、0.002〜0.020g/cm3である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の油吸着材。
- 前記粉砕を、前記多孔体にせん断力を加えて行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の油吸着材。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の油吸着材を用いる油回収方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の油吸着材を製造する方法であって、ポリオレフィン系樹脂を含有する多孔体を粉砕する油吸着材の製造方法。
- 前記粉砕を、前記多孔体にせん断力を加えて行う、請求項9に記載の油吸着材の製造方法。
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