以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前枠としての前面枠14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠14が開閉可能に取付けられている。前面枠14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、下払出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した操作手段(発射操作手段)としての遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、回動可能に設けられた操作部としての回転操作体18aが設けられるとともに、図示されない位置において、ハンドル18に人手が触れたことを検知可能なタッチ検知手段としてのタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検知するための操作量検知手段としての可変抵抗器が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な停止操作手段としてのストップレバー18bが設けられている。当該ストップレバー18bを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
図2に示すように、下皿15の上方には、上払出口17から払出された遊技球を貯留可能な上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び下払出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19上面には、貸出スイッチ121と、返却スイッチ122と、残高表示部124とが設けられている。遊技ホール等において、パチンコ機10の(左)側方に配置されるCRユニットに対して残高のある遊技カードが投入(挿入)された状態で貸出スイッチ121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却スイッチ122は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。また、残高表示部124では、CRユニットに挿入されているカードの残高がいくらあるのかが表示される。
さらに、上皿19上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123は、上皿19上面から出没可能に構成され、図示しない付勢手段によって常には上皿19上面から突出する側へと付勢されている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19と下皿15との間が開通し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内されるようになっている。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19上面には、演出操作手段としての演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられている。演出ボタン125にはLEDが内蔵されているとともに、演出ボタン125や十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、表示内容が変更されたりする。
また、前面枠14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞装置31、可変入球手段としての第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32b、第1始動入球手段としての第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、及び、第2始動入球手段としての第2始動入賞装置33c、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が配設されている。周知の通り、一般入賞装置31、可変入賞装置32a、32b、始動入賞装置33a、33b、33c等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検知スイッチにより検知され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの入球があった場合には3個、第2始動入賞装置33cへの入球があった場合には1個、一般入賞装置31への入球があった場合には10個、第1可変入賞装置32aへの入球があった場合には10個、第2可変入賞装置32bへの入球があった場合には3個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技領域において遊技球が通過するだけの(遊技盤30の裏面側に排出されることのない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞装置31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(遊技釘)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
尚、詳しくは後述するが、第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、及び、第2始動入賞装置33cには、それぞれ入賞した遊技球を検知する第1始動入球検知手段としての第1通常始動入賞スイッチ224a、第1サポート始動入賞スイッチ224b、及び、第2始動入球検知手段としての第2始動入賞スイッチ224cが設けられている。第1始動入球手段としての第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第1始動入球検知手段としての第1通常始動入賞スイッチ224a、第1サポート始動入賞スイッチ224bにより遊技球が検知された場合には、第1可変入賞装置32aが開放される特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるか否かの第1当否抽選(大当たり抽選)等が行われるとともに、後述する第1特別表示装置43aにて変動表示が行われる構成となっている。そして、第1当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態が付与されることとなる。
また、第2始動入球手段としての第2始動入賞装置33cに遊技球が入球し、第2始動入球検知手段としての第2始動入賞スイッチ224cにより遊技球が検知された場合には、第1当否抽選、及び、第2可変入賞装置32bが開放される小当たり状態を発生させるか否かの第2当否抽選(小当たり抽選)等が行われるとともに、後述する第2特別表示装置43bにて変動表示が行われる構成となっている。そして、第1当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態が付与され、第2当否抽選にて当選した場合には、小当たり状態が付与されることとなる。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の左部には遊技球が入球可能な入球口151が設けられており、該入球口151を介してセンターフレーム47の内部に入球した遊技球は、装飾図柄表示装置42の左側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153の中央部には、前後方向に延び、前方に向けて下方傾斜する案内溝154が設けられ、案内溝154によって案内された遊技球は、案内されない遊技球に比べ、比較的高い確率で、後述する第1通常始動入賞装置33aに入球するようになっている。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1通常始動入賞装置33aが配設されている。第1通常始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出するようにして設けられ、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口(始動入賞口)が開口している。尚、本実施形態の第1通常始動入賞装置33aには、第1通常始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような構成は設けられていない。
第1通常始動入賞装置33aの右方でやや下方位置には、第1可変入賞装置32aが設けられている。第1可変入賞装置32aは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉するシャッタと、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検知するカウントスイッチ223aとを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、第1可変入賞装置32a(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
第1可変入賞装置32aは、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、本実施形態の第1可変入賞装置32aの大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、第1可変入賞装置32aの閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、第1可変入賞装置32aの開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域(右側方領域)には、第1サポート始動入賞装置33bが設けられている。第1サポート始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能に設けられた一対の羽根部材37を備えている。本実施形態では、羽根部材37が上下に延びる閉位置とされている場合には、一対の羽根部材37の先端部と、遊技釘との間に遊技球が通過する余地がなく、第1サポート始動入賞装置33bは、遊技球を入球させることが不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開位置に変化することで、第1サポート始動入賞装置33bは、羽根部材37と遊技釘との間に遊技球が通過する隙間が確保されて遊技球の入球が許容されるとともに、羽根部材37によって第1サポート始動入賞装置33bの側方を移動する遊技球が第1サポート始動入賞装置33bの始動入賞口へと案内される(遊技球が入球し易くなる)開状態となる。
第1サポート始動入賞装置33bの上方には、第2始動入賞装置33cが設けられている。第2始動入賞装置33cは、遊技盤30の前面部から前方へ突出するようにして設けられ、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口(始動入賞口)が開口している。尚、本実施形態の第2始動入賞装置33cには、第1通常始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような構成は設けられていない。
但し、本実施形態では、遊技釘によって、第2始動入賞装置33cの右上方を移動する遊技球が第2始動入賞装置33c側に案内されるように構成されており、第1通常始動入賞装置33aに比べ、遊技球が比較的入球し易く構成されている。尚、第2始動入賞装置33cへの遊技球の入球し易さを高める構成については特に限定されるものではなく、例えば、第2始動入賞装置33cの始動入賞口の開口面積を比較的大きくするように構成してもよい。
第2始動入賞装置33cの上方には、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能なスルーゲート34が設けられている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。尚、本実施形態では、遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域(右側方領域)には、スルーゲート34が設けられていない。
また、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第1サポート始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選(開放抽選)が行われるとともに、後述する普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第1サポート始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
センターフレーム47の右下部、本例では、第1サポート始動入賞装置33bの上方、かつ、第2始動入賞装置33cの下方の位置には、第2可変入賞装置32bが設けられている。本実施形態の第2可変入賞装置32bは、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域141と、特定領域141への入口となる入球開口部142を開閉させる開閉部材143と、開閉部材143を開閉動作させる図示しないソレノイドとを備え、当該ソレノイドを駆動制御し、開閉部材143を開閉させることで、第2可変入賞装置32bを閉状態と開状態とに切替えている。第2可変入賞装置32bは、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、小当たり状態の際に、遊技球が入球可能な開状態とされる。
尚、本実施形態の開閉部材143は、入球開口部142の下部において前後方向に延びる軸部(図示略)を中心として回動可能に軸支されており、第2可変入賞装置32bの閉状態では、開閉部材143が上下に延びて入球開口部142を閉塞する。一方、第2可変入賞装置32bの開状態では、開閉部材143が右方に開き(上面が右方に向けて若干上方傾斜している)、第2可変入賞装置32bの右方に流下してきた遊技球を開閉部材143の裏面(上面)で受けて入球開口部142へと案内するようになっている。
さらに、第2可変入賞装置32bは、特定領域141に入球した全ての遊技球を検知可能な入球カウントスイッチ226と、特定領域141に入球し、入球カウントスイッチ226に検知された遊技球が入球可能な特定入球部145、及び、非特定入球部146と、特定入球部145に入球した遊技球を検知する特定入球検知スイッチ223bと、非特定入球部146に入球した遊技球を検知する非特定入球検知スイッチ223cと、入球カウントスイッチ226に検知された遊技球を特定入球部145又は非特定入球部146のうち一方に案内する振分け装置149とを備えている。
振分け装置149は、特定入球部145への入球を規制する閉位置と、特定入球部145への入球を許容する開位置とに変位するスライドバー149aと、所定間隔毎にスライドバー149aを開位置へと変位させるソレノイド(図示略)とを備えている。特定領域141に入球した遊技球が振分け装置149へ到達した際にスライドバー149aが開位置にあれば、当該遊技球が特定入球部145に入球し、スライドバー149aが閉位置にあれば、当該遊技球が非特定入球部146に入球することとなる。
そして、小当たり状態が発生した際に、第2可変入賞装置32bの特定領域141に入球した遊技球が特定入球部145に入球した場合に、第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態が発生するようになっている。本実施形態では、特定入球部145に入球する遊技球の数は、第2可変入賞装置32bに入球した数の約1/40となるように構成されている。
尚、本実施形態では、第1通常始動入賞スイッチ224a、第1サポート始動入賞スイッチ224bに遊技球が検知されても第2当否抽選は行われないようになっている。また、第2サポート状態以外の遊技状態において、遊技球が第2可変入賞装置32bの特定領域141に入球しても、振分け装置149のスライドバー149aが閉位置にあって、特定入球部145には入球しない(開閉部材143の開放時に入球した遊技球が振分け装置149に到達するタイミングと、スライドバー149aが開位置とされるタイミングとが合わない)ような構成となっている。
また、第1サポート始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第1サポート始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、高入球状態よりも羽根部材37が開放される時間帯が減少する「低入球状態」とがある。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第1サポート始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第1サポート始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第1サポート始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。
さて、本実施形態では、第1特別表示装置43aの変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)、及び、第2特別表示装置43bの変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)のうち、一方の変動表示が行われている状況であっても、他方の変動表示を開始させ、両方の変動表示を並行して実行可能に構成されている。但し、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、一方において大当たりに対応する変動表示が行われている場合には、他方の変動表示を開始させないように構成されている(他方の変動表示を停止表示させることは可能)。さらに、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、一方において大当たり、又は、小当たりを教示する態様で停止表示が行われた場合、他方を「外れ」に対応する態様にて強制的に停止表示させる(強制終了させる)ように構成され、大当たり、又は、小当たりの当たり状態の終了後に、次の(後述する第1特別変動保留エリア、及び、第2特別変動保留エリアの各保留第1エリアに保留記憶されている)第1変動表示、及び、第2変動表示が開始されるように構成されている。つまり、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、一方において大当たり、又は、小当たりを教示する態様で停止表示が行われた場合、他方の変動表示は(内容に関係なく)消去されることとなる。
また、本実施形態では、第1変動表示の変動時間(以下、「第1変動時間」と言う)、及び、第2変動表示の変動時間(以下、「第2変動時間」と言う)の設定に関して、1回分の第2変動時間の長さが、複数回分の第1変動時間の長さの和よりも長く設定される「第1変動状態」と、1回分の第1変動時間の長さが、複数回分の第2変動時間の長さの和よりも長く設定される「第2変動状態」との間を状態変化可能に構成されている。
図47に示すように、第1変動時間の設定に際して参照される第1変動時間決定テーブルには、第1ミドル変動時間決定テーブルと、第1ショート変動時間決定テーブルと、第1ロング変動時間決定テーブルとが設けられている。また、各第1ミドル変動時間決定テーブル、及び、第1ショート変動時間決定テーブルには、「ラッシュ付大当たり用」、「時短付大当たり用」、「前後外れリーチ用」、「前後以外外れリーチ用」、及び、「外れ用」が設けられ、第1ロング変動時間決定テーブルには、「通常用」と、「大当たり用」とが設けられている。
さらに、図48に示すように、第2変動時間の設定に際して参照される第2変動時間決定テーブルには、第2ショート変動時間決定テーブルと、第2ロング変動時間決定テーブルとが設けられている。また、第2ショート変動時間決定テーブルには、「大当たり用」と、「小当たり用」とが設けられ、第2ロング変動時間決定テーブルには、「通常用」と、「大当たり用」とが設けられている。
つまり、第1ミドル変動時間決定テーブルによる変動表示の設定時間が基本的に(後述するプレミアムリーチ用以外には)8秒〜35秒、第1ショート変動時間決定テーブルによる変動表示の設定時間が基本的に4秒〜20秒、第2ショート変動時間決定テーブルによる変動表示の設定時間が4秒〜20秒であるのに対し、第1ロング変動時間決定テーブルによる変動表示の設定時間が120分〜360分、第2ロング変動時間決定テーブルによる変動表示の設定時間が200分〜500分となっている。このため、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、一方において、ロング変動時間決定テーブルを参照して設定された変動表示(以下、「ロング変動表示」とも言う)が1回行われる間に、他方において、ショート変動時間決定テーブルを参照して設定された変動表示(以下、「ショート変動表示」とも言う)や、ミドル変動時間決定テーブルを参照して設定された変動表示(以下、「ミドル変動表示」とも言う)が基本的に何回も行われる、さらに言えば、長い休憩をとることなく遊技を進行させた場合には、他方において大当たりが発生するまで、一方において一度も停止表示されない可能性が高いようになっている。本実施形態では、第1変動時間の設定に際して第1ミドル変動時間決定テーブル、又は、第1ショート変動時間決定テーブルが参照され、かつ、第2変動時間の設定に際して第2ロング変動時間決定テーブルが参照される状態が第1変動状態に相当する。その一方で、第1変動時間の設定に際して第1ロング変動時間決定テーブルが参照され、かつ、第2変動時間の設定に際して第2ショート変動時間決定テーブルが参照される状態が第2変動状態に相当する。
また、本実施形態では、特別図柄表示装置43a、43bの変動表示が行われる通常の遊技状態として、低入球状態、かつ、第1変動状態である通常遊技状態としての「通常モード」と、高入球状態、かつ、第1変動状態である第1サポート遊技状態としての「時短モード」と、高入球状態、かつ、第2変動状態である第2サポート遊技状態としての「ラッシュモード」とが設定されている。
図46(c)に示すように、本実施形態では、入球サポート抽選での当選確率は、通常モード、時短モード、及び、ラッシュモードのうちいずれの遊技モードにおいても同じ(例えば、27/30)となっている。但し、普通図柄表示装置41における変動表示時間(普図変動時間)が、通常モードでは60秒であり、時短モード、及び、ラッシュモードでは0.4秒である。さらに、入球サポート抽選に当選した場合の第1サポート始動入賞装置33bの開放時間(サポート開放時間)が、通常モードでは0.2秒×2回であり、時短モード、及び、ラッシュモードでは1.8秒×2回である。これにより、時短モード、及び、ラッシュモードでは、第1サポート始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
また、図46(a)に示すように、第1当否抽選での当選確率は、通常モード、時短モード、及び、ラッシュモードのうちいずれの遊技モードにおいても同じ(例えば、1/240)となっている。通常モードでは、第1変動表示がミドル変動表示に設定され、かつ、第2変動表示がロング変動表示に設定される。時短モードでは、第1変動表示がショート変動表示に設定され、かつ、第2変動表示がロング変動表示に設定される。ラッシュモードでは、第1変動表示がロング変動表示に設定され、かつ、第2変動表示がショート変動表示に設定される。
さらに、第2当否抽選での当選確率は、通常モード、時短モード、及び、ラッシュモードのうちいずれの遊技モードにおいても同じとなっており、第2変動表示が行われる場合には、ほぼ当選する確率(例えば、239/240;第2始動入賞装置33cへの入球に基づいて行われる第1当否抽選で当選しなかった場合に第2当否抽選で当選する)となっている。但し、上記のように、通常モード、及び、時短モードにおいては、第2変動表示がロング変動表示として設定されていることから、第2当否抽選の結果に基づく小当たり状態がめったに発生しないようになっている。しかも、小当たり状態が発生した場合に、第2可変入賞装置32bが開状態とされる小当たり開放時間についても、ラッシュモードにおいては、1.6秒の開放と、0.1秒の開放とが行われるのに対し、通常モード、及び、時短モードでは、0.1秒の開放が2回行われるだけとなっている。
加えて、本実施形態では、通常モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時短モード、及び、ラッシュモードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43a、43bにおける第1変動表示、及び、第2変動表示が予め設定された規定回数(本例では、時短モード、及び、ラッシュモードのどちらも合計で70回)行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
また、本実施形態の大当たり種別としては、15ラウンドラッシュ付大当たり(以下「15RS」と言う)と、8ラウンドラッシュ付大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド時短付大当たり(以下「8RN」と言う)とがある。第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「15RS」に関しては、それが15回繰り返されてから、「8RS」、「8RN」に関しては、8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。加えて、「15RS」、及び、「8RS」の大当たり状態終了後には、「ラッシュモード」が付与され、「8RN」の大当たり状態終了後には、「時短モード」が付与されるようになっている。
図46(a)に示すように、本実施形態では、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる第1当否抽選にて大当たりに当選した場合には、「8RS」に30%、「8RN」に70%の割合で振り分けられるように構成されている。これに対し、第2始動入賞装置33cへの入球に基づいて行われる第2当否抽選にて大当たりに当選した場合には、「15RS」に30%、「8RS」に35%、「8RN」に35%の割合で振り分けられるように構成されている。つまり、第1当否抽選にて大当たりに当選した場合に比べ、第2当否抽選にて大当たりに当選した場合の方が、ラッシュモードが付与される割合が高く、遊技者にとって有利なようになっている。
また、特定入球部145への入球に基づいて発生する大当たり状態の大当たり種別は、第2当否抽選にて小当たりに当選した際に決定されている。つまり、小当たりに当選した場合には、「15RS」に30%、「8RS」に35%、「8RN」に35%の割合で振り分けられるように構成されている。但し、小当たりに当選した場合の当たり状態における第1ラウンドは、第2可変入賞装置32bが開状態とされ、しかも、開状態とされた第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が特定入球部145に入球することで、第2ラウンド以降の第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態に継続する。このため、特定入球部145に遊技球が入球することなく小当たり状態が終了した場合には、大当たり状態は付与されることはなく、従って、大当たり状態後の遊技モードの変更も行われないようになっている。
尚、本実施形態では、第1通常始動入賞装置33aに対し、遊技領域の左側方領域を移動する遊技球は到達可能だが、右側方領域を移動する遊技球は(ほぼ)到達不可能である。このため、通常モードでは遊技球を左側方領域に打ち出す「左打ち」を行う。一方、右側方領域に配置された第1サポート始動入賞装置33bへの入球が見込める時短モードでは、遊技球を右側方領域に打ち出す「右打ち」を行う。さらに、右側方領域に配置された第2始動入賞装置33cへ遊技球を順次入球させることで、第2変動表示をテンポよく消化させることのできるラッシュモードでは、「右打ち」を行う。加えて、大当たり状態において開状態とされる第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bは、右側方領域の下部に配置されていることから、大当たり状態においても「右打ち」を行うこととなる。
ちなみに、通常モードにおいて「右打ち」しても、第2変動時間が著しく長く、その間は第2変動表示に対応する大当たりや小当たりが発生することがない上、第2始動入賞装置33cに入球し易くなっているとはいっても、「右打ち」した遊技球の全てが入球するわけではなく、賞球も1個である。さらに、第1サポート始動入賞装置33bや、第1通常始動入賞装置33aへの入球も見込めず、従って、第1変動表示も行われない。このため、例えば、通常モードでは、遊技球を左側方領域に打ち出す「左打ち」を想定し、遊技者にその案内も行っているが、通常モードでも「右打ち」し続けることが、遊技を進行する上で有利になってしまうことで、それを行う遊技者と、行わない遊技者との間で不公平が生じてしまうといった事態を回避することができる。
また、略楕円形状の遊技領域の右上部に隣接して、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる普通表示手段としての普通図柄表示装置41と、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第1特別表示手段としての第1特別表示装置43aと、第2始動入賞装置33cへの遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選、及び、第2当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第2特別表示手段としての第2特別表示装置43bとが、パチンコ機10の前方から視認可能に設けられている。
さらに、本実施形態では、第1変動表示の実行中に、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入球があった場合には、当該入球に対応する第1変動表示が保留記憶され、実行中の第1変動表示の停止表示後に、保留記憶されていた第1変動表示が開始されるようになっている。また、第2変動表示の実行中に第2始動入賞装置33cへの遊技球の入球があった場合には、当該入球に対応する第2変動表示が保留記憶され、実行中の第2変動表示の停止表示後に、保留記憶されていた第2変動表示が開始されるようになっている。加えて、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合には、当該通過に対応する変動表示が保留記憶され、実行中の変動表示の停止表示後に、保留記憶されていた変動表示が開始されるようになっている。
また、本実施形態では、普通図柄表示装置41、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bに隣接するようにして、第1変動表示が保留記憶されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)を示す第1保留表示手段としての第1保留表示装置46aと、第2変動表示が保留記憶されていることを示す第2保留表示手段としての第2保留表示装置46bと、普通図柄表示装置41における変動表示が保留記憶されていることを示す普通保留表示装置44とが設けられている。本実施形態では、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44は、後述する主制御手段としての主制御装置261により直接的に表示制御される。
第1特別表示装置43aは、4個のLED(第1特図ランプ)により構成されている。そして、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として、第1特別表示装置43aにて第1特図ランプの切替表示(第1変動表示)が行われる構成となっている。
第2特別表示装置43bは、4個のLED(第2特図ランプ)により構成されている。そして、第2始動入賞装置33cへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43bにて第2特図ランプの切替表示(第2変動表示)が行われる構成となっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて第1変動表示及び第2変動表示が所定時間行われた後、第1当否抽選又は第2当否抽選の結果に基づいて、第1及び第2変動表示が停止されることとなる。つまり、第1及び第2変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合わせ)と、第1又は第2当否抽選の各種結果とが対応付けられており、第1及び第2変動表示が停止したときの点灯態様により、第1又は第2当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、「小当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示されるようになっている。
さらに、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別、すなわち、「15RS」、「8RS」、及び、「8RN」のうちいずれであるかについても教示される。また、各種大当たり種別や、小当たりや、外れであることをそれぞれ教示する第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける停止表示は規定時間維持されるように構成されており、規定時間経過後(変動インターバル後)に次の変動表示を開始可能に構成されている。さらに、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、当該第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。尚、当否抽選の結果を示す点灯態様がそのまま維持される構成としてもよい。
第1保留表示装置46aは、2個のLED(第1保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく第1変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点滅するとともに、右側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点滅する。第1変動表示が複数保留記憶されている場合には、保留記憶された順番で(先に保留されたものから)第1変動表示が順次消化されることとなる。
第2保留表示装置46bは、1個のLED(第2保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第2始動入賞装置33cへの遊技球の入球に基づく第2変動表示は、1回分まで保留記憶可能に構成されている。
尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33b、33cに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。本実施形態では、全ての大当たり状態(本例では、全ての大当たりが8ラウンド以上ある出玉有りの大当たりとなっている)において「右打ち」を行うとともに、右側方領域に設けられた第2始動入賞装置33cには遊技球が比較的入球し易くなるように構成されていることから、基本的に、大当たり状態終了後は、第2変動表示が保留記憶された状態となっている。
普通図柄表示装置41は、2個のLED(普図ランプ)により構成されている。そして、普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば、右側(遊技領域外周側)の普図ランプが点滅表示される(変動表示される)構成となっている。また、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプの組合わせ)と、入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプを両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプのみを点灯させることで「外れ」を示す。
普通保留表示装置44は、2個のLED(普通保留ランプ)により構成されている。本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の普通保留ランプが点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点滅するとともに、右側の普通保留ランプが点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、可変表示装置ユニット35には、液晶表示装置によって構成され、装飾図柄を表示可能な演出表示手段としての装飾図柄表示装置42が設けられている。装飾図柄表示装置42は、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bによる変動表示に合わせた変動対応演出表示としての演出変動表示を行う(装飾図柄を変動表示させる)ように構成されている。さらに、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が所定の有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「15RS」、又は、「8RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「15RS」、「8RS」、及び、「8RN」のいずれかが発生する。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において(背景等が異なる)複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、ラッシュモードに滞在していることが確定する「ラッシュステージ」と、通常モードに滞在していることが確定する「通常ステージ」と、時短モードに滞在していることを示唆する「引き戻しステージ」とがある。つまり、「15RS」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「確変ステージ」に移行する。また、「8RS」に当選した場合であって、装飾図柄表示装置42において、変動表示や、大当たり状態において、「8RS」であることを教示する表示が導出されなかった場合、或いは、「8RN」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「引き戻しステージ」に移行する(ラッシュモードである場合には、途中で確変ステージに変更される場合があってもよい)。引き戻しステージやラッシュステージにおいて特別表示装置43a、43bの変動表示が70回行われた場合には、「通常ステージ」に移行する。
また、本実施形態では、第1変動表示と第2変動表示とが並行して行われる構成であるが、装飾図柄表示装置42では、基本的に、両方に対応する演出変動表示を同時に導出することはなく、一方に対応する演出変動表示を導出するようになっている。
つまり、通常モード、及び、時短モードでは、第2変動時間が極端に長く、遊技者が通常モードで遊技を終了する際にも、第2変動表示が変動中である可能性がある。このため、通常モード、及び、時短モードでは、基本的に、第1変動表示に対応する第1演出変動表示を導出し、第2変動表示に対応する第2演出変動表示は導出しないようになっている。
その一方で、ラッシュモードでは、第1変動時間が極端に長くなることから、基本的に、第1変動表示がラッシュモードにおいて停止表示されることはない。このため、ラッシュモードでは、停止表示されることのない第1変動表示に対応する第1演出変動表示を表示しても、第2演出変動表示が分かり難くなったりするだけであることから、基本的に、第2変動表示に対応する第2演出変動表示を導出し、第1変動表示に対応する第1演出変動表示は導出しないようになっている。
また、本実施形態では、ラッシュモードでは、頻繁に小当たり状態が発生し、第2可変入賞装置32bの特定入球部145へ遊技球を入球させることで大当たり状態の発生を狙うといった遊技性であることから、基本的に、第1当否抽選で大当たりに当選したか否かを示唆する装飾図柄を表示しないようになっている。その代わりに、簡易的な表示で小当たりの当選を教示してもよいし、当該教示はランプの発光態様や音声態様で行い、装飾図柄表示装置42では、第2変動表示の消化に応じて、ラッシュモードの残り回数のカウント表示を更新するのみとしてもよい。加えて、第2変動表示で大当たりに当選した場合には、第2演出変動表示として装飾図柄が表示され、大当たり図柄の組合わせで停止表示されるようになっている。
尚、詳しくは後述するが、装飾図柄表示装置42で導出される第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示の特例として、通常モードや時短モードであっても、大当たりに対応する第2変動表示が行われる場合、第2変動時間の設定に際して大当たり用の第2変動時間決定テーブル(図48(p)参照)が参照され、装飾図柄表示装置42では、第2変動表示に対応する第2演出変動表示が導出されるようになっている。つまり、本実施形態では、第1変動表示及び第2変動表示のうち一方で大当たりが教示される変動表示が行われている場合には、他方において変動表示を新たに開始しない構成となっている。このため、例えば、第2変動表示が大当たりに対応していた場合であって、第2変動表示がロング変動に設定された場合、第2変動表示が停止表示されるまで(大当たり状態が終了するまで)第1変動表示を行うことができず、遊技が滞ってしまう(リセットしなければならない)。従って、通常モードや時短モードであっても、大当たりに対応する第2変動表示が行われる場合、ショート変動表示として設定されるようになっている。但し、通常モードや時短モードにおいて大当たりに対応する第2変動表示が行われることに起因して、装飾図柄表示装置42において特例として行われる第2演出変動表示は、第1演出変動表示と同様の態様をなし、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のどちらなのかの判別がつかないようになっている。
さらに、ラッシュモードであっても、大当たりに対応する第1変動表示が行われる場合、第1変動時間の設定に際して大当たり用の第1変動時間決定テーブル(図47(l)参照)が参照され、ショート変動表示として設定されるようになっている。装飾図柄表示装置42では、第1変動表示に対応する第1演出変動表示が導出されるようになっている。但し、ラッシュモードにおける第1演出変動表示は、第2演出変動表示と同様の態様をなし、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のどちらなのかの判別がつかないようになっている。
また、本実施形態では、通常モード、及び、時短モードにおいては、第1変動表示が保留されていることが、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。例えば、図45に示すように、装飾図柄表示装置42の下部(保留表示エリア462)において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461が表示されるようになっている。これに対し、第2変動表示が保留されていることについては、いずれの遊技モードであっても装飾図柄表示装置42では教示されない上、第1変動表示の保留についても、ラッシュモードにおいては、装飾図柄表示装置42では教示されないように構成されている。
左側方領域の下部には、遊技領域の周縁部に沿って一般入賞装置31が配設されている。一般入賞装置31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の下払出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
さらに、上皿19と、球送り装置63との間を連通させ、上皿19に貯留された遊技球を球送り装置63へと案内する発射球通路74が設けられている。加えて、発射球通路74(上皿19の下流部でも可)には、下皿連通路71と連通する連通孔(図示略)が形成されるとともに、当該連通孔を開閉させる第1シャッタ(図示略)が設けられている。第1シャッタは、図示しない付勢手段によって常には連通孔を閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第1シャッタは、球抜きボタン123と連動し、球抜きボタン123が押圧操作された場合には、連通孔を開口させる開位置へと変位するように構成されている。
また、図2に示すように、下皿15には、下皿15に貯留されている遊技球をパチンコ機10の外部へと排出可能な排出口15aが形成されるとともに、当該排出口15aを開閉させる第2シャッタ15bが設けられている。第2シャッタ15bは、図示しない付勢手段によって常には排出口15aを閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第2シャッタ15bは、球抜きレバー25と連動するように構成されており(例えば、連結、又は、一体形成されており)、球抜きレバー25が(左側へ)押圧操作された場合には、排出口15aを開口させる開位置へと変位するように構成されている。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞装置31、第1可変入賞装置32a、及び、第1通常始動入賞装置33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞装置31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞装置31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32aには、カウントスイッチ223aが設けられ、第2可変入賞装置32bには、入球カウントスイッチ226、特定入球検知スイッチ223b、及び、非特定入球検知スイッチ223cが設けられている。また、第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、及び、第2始動入賞装置33cには、第1通常始動入賞スイッチ224a、第1サポート始動入賞スイッチ224b、及び、第2始動入賞スイッチ224cが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223a、入球カウントスイッチ226、特定入球検知スイッチ223b、非特定入球検知スイッチ223c、及び、スルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1通常始動入賞スイッチ224a、第1サポート始動入賞スイッチ224b、及び、第2始動入賞スイッチ224cは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検知スイッチにて各々検知された検知結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検知された場合を除く)。
この他、図示は省略するが、遊技盤30の裏面には、第1可変入賞装置32aの大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドや、第2始動入賞装置33cの羽根部材37を開閉させるソレノイド等が設けられている。さらに、裏枠セット215には、これらソレノイドやモータと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態に関する情報(大当たり状態の発生、ラッシュモードが付与される大当たり状態の発生、変動開始、当たり状態中等を示す各種情報)を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検知される前面枠14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞装置31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、及び、CRユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。電源・発射制御装置310は、発射制御回路312と、電源回路313とを備え、基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、CRユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源回路313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠14の閉鎖時において検知部が前面枠14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても、電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43a、43b、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223a、特定入球検知スイッチ223b、非特定入球検知スイッチ223c、入球カウントスイッチ226、始動入賞スイッチ224a,224b,224c、スルーゲートスイッチ225等の各種検知スイッチや、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、サブ制御装置262等の各種基板や、保留表示装置46a、46b、普通保留表示装置44等の情報表示装置や、可変入賞装置32a、32bを開閉させるためのソレノイド、第1サポート始動入賞装置33b(羽根部材37)を開閉させるためのモータ等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、環状電飾部102、及び、エラー表示ランプ104等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに当選したことを教示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、電源・発射制御装置310(発射制御回路312)、払出装置358、CRユニット接続基板314等がそれぞれ接続されている。
CRユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(貸出スイッチ121及び返却スイッチ122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるCRユニット(カードリーダーユニット、球貸しユニット)と、払出制御装置311とにそれぞれ電気的に接続されている。そして、遊技者による貸球操作部、又は、CRユニットへの球貸し操作に関する情報がCRユニットに入力され、かつ、CRユニットに挿入されている記録媒体であるカードに遊技価値の残高が記憶されている場合には、カードの残高が減算されるとともに、減算に対応する数の遊技球の払出要求信号が払出制御装置311に出力される。なお、CRユニットの記録媒体は、カードタイプに限定されず、コインタイプやスティックタイプのものであってもよい。
また、払出制御装置311は、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して定期的(例えば、2msec毎)に出力するように構成されている。
電源・発射制御装置310の発射制御回路312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものである。発射制御回路312には、ハンドル18、払出制御装置311、主制御装置261が電気的に接続されている。また、発射制御回路312は、ハンドル18から、ハンドル18(回転操作体18a)の回動操作量(回転角度)を示す可変抵抗器からのダイヤル位置信号と、遊技者がハンドル18をタッチしていることを示すタッチセンサからのタッチ信号と、遊技者がストップレバー18bを操作していないことを示す発射スイッチ信号とを入力可能に構成されている。さらに、発射制御回路312は、払出制御装置311から、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を入力可能に構成されている。
そして、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号が入力されていることを条件に、発射状態信号を主制御装置261に出力し、主制御装置261では、発射状態信号が入力されていることを条件に、発射許可信号、及び、球送り信号を発射制御回路312に出力する。主制御装置261は、発射状態信号が入力されている状態において、0.6秒間隔で、発射許可信号が出力されるようになっている。
また、発射制御回路312は、球送り信号が入力された場合に、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置に送るように構成されている。尚、球送り装置63に設けられ、発射位置に遊技球が存在するか否かを検知可能な準備球検知センサによって発射位置に既に遊技球が存在すると検知される状態においては、球送り装置63を駆動させない(球送り信号を受信しても、遊技球を発射位置に送らない)ようになっている。
さらに、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、(ダイヤル位置信号、)及び、発射許可信号が入力されていることを条件に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させるように構成されている。これにより、発射位置にセットされた遊技球が、発射装置60により、ダイヤル位置信号に基づく強さで打ち出されるようになっている。
また、電源回路313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(VDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、第1サポート始動入賞装置33bを開状態とさせるか否かの入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチパターンの抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶手段としての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを具備する第1特別変動保留エリアと、1つの保留エリア(保留第1エリア)と、1つの実行エリアとを具備する第2特別変動保留エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの保留エリアには、第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの保留エリアには、第2始動入賞装置33cへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1特別表示装置43aにおける第1変動表示を4回まで保留可能とし、第2特別表示装置43bにおける第2変動表示を1回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜695の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり695)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜695)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1通常始動入賞装置33a、第1さ峰と始動入賞装置33b、又は、第2始動入賞装置33cに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、第1当否抽選の当選確率が遊技モードに応じて変化するようなことはなく、大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は1つで、その値は「7」である。このため、ROM502には、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段として、「7」を大当たり値として記憶した当否判定テーブルは1つ設けられている。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される第1種別判定テーブル、及び、第2種別判定テーブルが設けられている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が第1又は第2種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、又は、第2始動入賞装置33cに入賞したタイミングで、第1又は第2種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「外れ(完全外れ)」とを抽選することとしている。本実施形態では、第2始動入賞装置33cへ遊技球が入球した場合に、大当たり又は小当たりのどちらかに当選し、「外れ」にはならないことから、ROM502には、変動選択カウンタC3の値とリーチパターンとの対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが第1変動表示用の1つだけ設けられている。但し、第2始動入賞装置33cに遊技球が入球した場合でも「外れ」になる場合があるように構成し、例えば、第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第1リーチ判定テーブルと、第2始動入賞装置33cへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第2リーチ判定テーブルとを設けることとしてもよい。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、又は、第2始動入賞装置33cに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜255の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり255)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜31の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり31)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。
加えて、特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間と、装飾図柄表示装置42における変動表示の大まかな変動パターン(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチパターン)とが対応付けられており、特別表示装置43a、43bの変動時間が決まれば、装飾図柄表示装置42の変動パターンも決まる(特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間に丁度収まるような装飾図柄表示装置42における変動パターンを選択させる)ようになっている。例えば、変動種別カウンタCS1に基づいて変動時間が決定され、変動種別カウンタCS2によって、特別表示装置43a、43bにおける停止表示態様が決定される(例えば、15RSの大当たりに対応する場合には、15RSの大当たりに対応する停止表示態様のうちいずれかを決定する)ように構成してもよい。尚、変動時間や変動パターンを決定するために使用されるカウンタ等は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。本実施形態では、変動種別カウンタCS1、CS2の値に関しても、遊技球が第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、又は、第2始動入賞装置33cに入賞した(始動入賞した)タイミングで、RAM503の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値が、RAM503の特別変動保留エリアに格納される。
このように、始動入賞のタイミングで、変動種別カウンタCS1の値を取得しておくことで、保留記憶された第1変動表示又は第2変動表示の第1変動時間及び第2変動時間を、変動開始前に把握する(先読みする)ことができ、当該情報を利用して、各種演出等を行うことが可能となる。尚、変動時間を先読みして演出を行うといった構成を必要としない場合には、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得されることとしてもよい。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり29)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。本実施形態では、低入球状態、及び、高入球状態に関係なく、当選となる乱数の値の数は3であり、その範囲は「27〜29」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、低入球状態及び高入球状態のどちらでも入球サポート抽選において参照されるサポート判定テーブルが共通となっている。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、(普通図柄表示装置41を構成する普図ランプが交互に点滅した後)、当選に対応する態様(点灯パターン)で停止表示され、第1サポート始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検知情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検知情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1普通始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、第2始動入賞装置33cへの遊技球の入球(入賞)に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。続くステップS306では、電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して発射許可信号を送信する等の処理を行うための発射許可コマンド設定処理を行う。さらに、ステップS307では、第2可変入賞装置32bの特定領域141に遊技球が残存しているか否かの確認を行う残存球監視処理を行う。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33cへの入賞を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。
また、第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリア、及び、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値を記憶する第1及び第2変動種別乱数記憶エリアが設けられている。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33cに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224cの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「1」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS510に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、第2変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、第2保留ランプが消灯状態であった場合には点灯させるための処理を行う。
ステップS504の後、ステップS505において、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1、CS2の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、変動選択カウンタバッファ、及び、変動種別カウンタバッファに記憶されている各値)を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初の保留エリア(本例では、保留第1エリアの当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア、及び、第1及び第2変動種別乱数記憶エリア)に格納する。ステップS505の後、ステップS506に移行する。
ステップS506では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりや小当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する第2種別判定処理を行う。尚、第2種別判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値(0〜239)が、当否判定テーブルに記憶された値である「7」であるかと一致するか否かを判別する。ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において、特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの大当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動情報は第2変動表示に対応するものであるか否かを判別する。ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、第1変動表示の保留記憶に対応する処理である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において、特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの小当たり予定フラグをオン設定してから、本処理を終了する。
次に、ステップS507の第2種別判定処理について、図15(b)を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値(0〜19)が、「15RS」に対応する値「0〜5」と一致するか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合には、ステップS5302において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合には、ステップS5303において、種別決定カウンタC2の値が、「8RS」に対応する「6〜12」であるか否かを判別する。ステップS5303で肯定判別された場合には、ステップS5304において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5303で否定判別された場合、すなわち、種別決定カウンタC2の値が「13〜19」である場合には、ステップS5305において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの8RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第2可変入賞装置32bの特定入球部145への入球に基づいて発生する大当たり状態の大当たり種別についても、小当たりの当選に伴って行われる当該第2種別判定処理で決定されるように構成されている。また、本実施形態では、第2始動入賞装置33cへ遊技球が入球した場合には、大当たり又は小当たりのどちらかに必ず当選することから、当該第2種別判定処理において、必ず大当たり種別が決定されるようになっている。加えて、第2始動入賞装置33cへ遊技球が入球した場合に外れとなる可能性もある構成を採用する場合には、大当たり予定フラグ、又は、小当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別した後、肯定判別された場合にのみ、第2種別判定処理を行うように構成する。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、第2変動表示の第2変動時間を判定する変動時間判定処理を行う。つまり、ラッシュモードにある場合、図48に示す第2ショート変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動時間を把握する。一方、通常モード、又は、時短モードにある場合、図48に示す第2ロング変動時間決定テーブルの「通常用」を参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動時間を把握する。さらに、把握された変動時間は、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶する(同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消さない)。
尚、本実施形態では、遊技モードの判定に際して参照するモード記憶エリアが設けられている。モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時短モードに対応し、「21」はラッシュモードに対応している。
ステップS508に続くステップS509では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、当否判定処理、種別判定処理、及び、変動時間判定処理の結果を示す変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)や、第1通常始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33cのどちらへの入球を契機とする変動情報であるのかを示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS509の処理の後、又は、ステップS501、或いは、ステップS502で否定判別された場合には、ステップS510において、遊技球が第1通常始動入賞装置33、及び、第1サポート始動入賞装置33bに入賞したか否かを第1通常始動入賞スイッチ224a、及び、第1サポート始動入賞検知スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS511において、第1通常始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS511で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS511で肯定判別された場合には、ステップS512に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS513では、第1変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第1保留ランプを点灯させたまま左側の第1保留ランプを点滅させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS513の後、ステップS514において、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1、CS2の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア、及び、第1及び第2変動種別乱数記憶エリア)に格納する。ステップS514の後、ステップS515に移行する。
ステップS515では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS516では、ステップS515で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。
ここで、ステップS516の第1種別判定処理について、図15(a)を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、大当たり予定フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「8RS」に対応する値「0〜5」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、8RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS516に続くステップS517では、ステップS515で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではない(外れである)と判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。
ここで、ステップS517のリーチ判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、大当たり予定フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5401で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で否定判別された場合、すなわち、外れとなる場合には、ステップS5402において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS517に続くステップS518では、第1変動表示の第1変動時間を判定する変動時間判定処理を行う。つまり、モード記憶エリアに「11」が記憶される通常モードにある場合、図47(a)〜(e)に示す第1ミドル変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1変動時間を把握する。モード記憶エリアに「12」が記憶される時短モードにある場合、図47(f)〜(j)に示す第1ショート変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1変動時間を把握する。モード記憶エリアに「21」が記憶されているラッシュモードにある場合、図47(k)、(l)に示す第1ロング変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1変動時間を把握する。さらに、把握された変動時間は、第1特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶する(同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消さない)。
ステップS518の後、ステップS519において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、先発コマンドには、当否判定処理、種別判定処理、リーチ判定処理、及び、変動時間判定処理の結果を示す変動情報や、第1通常始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33cのどちらへの入球を契機とする変動情報であるのかを示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
尚、本実施形態では、第1通常始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33cに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理等が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリアを設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理等を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS505、ステップS514の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS505、ステップS514の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。さらに、当否乱数カウンタC1の値を抽出し、記憶する機能が情報取得手段を構成する。また、ステップS506、ステップS515(ステップS5101、ステップS5103)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104の処理が結果記憶処理を構成する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図17のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検知情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、普通図柄表示装置41における変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には右側の普通保留ランプを点灯させたまま左側の普通保留ランプを点滅させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS604の後、ステップS605において、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、ステップS306の発射許可コマンド設定処理について、図18を参照して説明する。
先ず、ステップS701では、発射制御回路312から発射状態信号を受信している状態であることを示す発射許可フラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、発射状態信号は、発射制御回路312が、ハンドル18からのタッチ信号、及び、発射スイッチ信号と、払出制御装置311からのCRユニット接続信号とを受信している場合に、発射制御回路312から主制御装置261に送信されるようになっている。
ステップS701で肯定判別された場合には、ステップS702において、発射状態信号を受信しているか否かを判別する。ステップS702で否定判別された場合、ステップS703において、発射許可フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS702で肯定判別された場合には、ステップS704において、遊技球の発射間隔を計るために使用される発射タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS704で否定判別された場合には、ステップS707において、発射タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップS704で肯定判別された場合には、ステップS705において、主制御装置261から、発射制御回路312に対して発射許可信号を送信する。続くステップS706では、発射許可フラグをオフする。ステップS706の後、本処理を終了する。
また、ステップS701で否定判別された場合には、ステップS708において、発射状態信号を受信しているか否かを判別する。ステップS708で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS708で肯定判別された場合には、ステップS709において、発射許可フラグをオン設定する。
続くステップS710では、発射制御回路312に対して球送り信号を送信する。さらに、ステップS711において、発射タイマに対して0.6秒に相当する「300」を設定する。これにより、球送り装置63により遊技球が発射位置に確実にセットされてから、遊技球が発射装置60により打出されるように構成されるとともに、主制御装置261が発射制御回路312から発射状態信号を受信し続けている状態において、主制御装置261から発射許可信号が0.6秒間隔で送信され、0.6秒間隔で遊技球が発射装置60により発射されるようになっている。ステップS711の後、本処理を終了する。
尚、発射制御回路312では、主制御装置261から発射許可信号を受信した場合に、ハンドル18、及び、払出制御装置311から、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号の全てを受信しているか否かを判別し、肯定判別された場合に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を発射させるための発射処理が行われるようになっている。尚、発射制御回路312は、ダイヤル位置信号に基づいて、遊技球の発射強さ(発射速度)に関する発射装置60の調節制御を行う。これにより、遊技球が、調節された強さで発射装置60により打ち出されるようになっている。
また、発射制御回路312は、主制御装置261から球送り信号を受信した場合に、発射レール61のうち発射装置60にて遊技球が発射されることとなる発射位置に遊技球がセットされていることを検知する準備球検知センサを確認し、発射位置に遊技球がセットされていないことが確認された場合には、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置にセットするための球送り処理を行う。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源・発射制御装置310の電源回路313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S211の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS212,ステップS213のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43a、43bや始動入賞装置33a、33b、33c等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、特別表示装置43a、43bにおける変動表示を開始させる場合に、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示等による演出変動表示を開始させるべく、変動パターンコマンドをサブ制御装置262に送信する。変動パターンコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の表示態様(変動時間や演出パターンなど)を決定し、該表示態様を装飾図柄表示装置42において表示するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動パターンを特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動パターンとの関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動パターンについて説明する。「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動表示以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。加えて、「完全外れ」は、いずれのリーチ状態にもならずに、装飾図柄の変動表示が停止表示される変動パターンである。
また、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン、及び、変動時間の情報に基づき、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示の停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に停止表示させる。つまり、ラッシュ付大当たり(「15RS」及び「8RS」)に当選した場合には、1〜9のいずれかのゾロ目からなる装飾図柄の組合わせ(大当たり図柄の組合わせ)で変動表示が停止表示される。時短付大当たり(「8RN」)に当選した場合には、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせ(時短付大当たり図柄の組合わせ)で変動表示が停止表示される。すなわち、ラッシュ付大当たりに当選した場合にのみ、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせ(ラッシュ付大当たり図柄の組合わせ)で変動表示が停止表示され得るようになっている。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。尚、主制御装置261において、大当たり図柄の組合わせ、ラッシュ付大当たり図柄の組合わせ、時短付大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、及び、完全外れ図柄の組合わせのいずれかを指定する図柄コマンドを設定し、変動パターンコマンドとともにサブ制御装置262に出力するような構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では255、31)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第2特別表示制御処理を実行する。この処理では、第2特別表示装置43bに関する制御が行われると共に、大当たり、小当たりの判定や第2特別表示装置43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この第2特別表示制御処理の詳細は後述する。
さらに、ステップS206では、第1特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1特別表示装置43aに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や第1特別表示装置43a及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この第1特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第1、及び、第2可変入賞装置32a、32bに関する制御が行われる。また、当該可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、羽根部材37を具備する第1サポート始動入賞装置33bに関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS210において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS211で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS212、ステップS213)。
つまり、ステップS212では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では695)に達した際0にクリアする。
また、ステップS213では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では255、31)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S210の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS210:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS214以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS214において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS215において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS216において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS217において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS218でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS219でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS210の処理は、ステップS201〜S209で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS212、S213の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS214)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS206の第1特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、第1特別表示装置43aの第1変動表示の後に設定される変動インターバルの残り時間を計測するための第1変動インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS801で否定判別された場合、すなわち、変動インターバルの期間内である場合には、ステップS819において、第1変動インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、変動インターバルを1秒(1000msec)として、第1変動インターバルタイマに「249(ステップS801の前にステップS819が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に第1変動インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS801で肯定判別された場合、すなわち、変動インターバルではない場合には、ステップS802において、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態及び小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。
尚、大当たり状態中には、第1特別表示装置43a、又は、第2特別表示装置43bにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1可変入賞装置32aが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1可変入賞装置32aが開状態とされるラウンド期間と、第1可変入賞装置32aが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
小当たり状態中には、第2可変入賞装置32bが開状態とされるラウンド期間と、第2可変入賞装置32bが閉状態とされるインターバル期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態や小当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。また、小当たり状態においては、第1ラウンドのときに「4」、第1ラウンドの後のインターバル期間のときに「5」、第2ラウンドのときに「6」が記憶されている。すなわち、当該ステップS802では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中や小当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS802で肯定判別された場合には、ステップS803において、大当たりに対応する第2変動表示が行われていることを示す特図2大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS803で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、第2特別表示装置43bにおいて大当たりを教示する第2変動表示が行われている場合には、第1特別表示装置43aにおいて新たに第1変動表示を開始させることができないように構成されている。
一方、ステップS803で否定判別された場合には、ステップS804において、第1特別表示装置43aにて第1変動表示中であることを示す特図1表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中ではなく、さらに第1変動表示中でもない場合には、ステップS805に進み、第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。
当該ステップS805で肯定判別された場合には、ステップS806において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS807では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS807の後、ステップS808において、第1変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第1保留ランプを点滅させたまま右側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させたまま右側の第1保留ランプを消灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップS808の後、ステップS809において第1変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS805で否定判別された場合には、ステップS810において、詳しくは後述する特図2表示中フラグの設定状況をみて、第2特別表示装置43bにて第2変動表示中であるか否かを判別する。
ステップS810で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示中の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS810で否定判別された場合には、ステップS811において、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの両方において、それぞれ変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様(例えば、下列の右から1番目及び2番目の第1特図ランプ、又は、第2特図ランプのみが点灯する態様)を導出するための待機表示設定(サブ制御装置262へ出力する待機表示コマンドの設定等)を行う。つまり、本実施形態の第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bは、変動停止後、その停止態様が変動インターバルの間は(当否抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、変動インターバルが終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるようになっている。ステップS811の後、本処理を終了する。
尚、装飾図柄表示装置42において変動待機状態であることを示す表示態様には、第1待機表示態様と、第2待機表示態様とがあり、待機表示コマンドを受けたサブ制御装置262は、先ず、装飾図柄表示装置42の明るさが保たれたまま、装飾図柄の変動表示の停止表示態様がほぼそのまま維持される第1待機表示態様とするとともに、第1待機表示態様が導出されてからの時間を計測する待機時間計測タイマに対し、所定時間に対応する値(例えば、30秒に対応する値)を設定するように構成してもよい。さらに、待機時間計測タイマの値が所定時間毎に減算されて「0」になった場合に、飾図柄表示装置42の明るさが暗くされ、表示態様も簡略化される(例えば、装飾図柄が表示されない等)第2待機表示態様とされるように構成してもよい。
ここで、ステップS809の第1変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、第1特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する「7」であるか否かを判別する。尚、ステップS901において、第1特別変動保留エリアの実行エリアの大当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、大当たりに対応する第1変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップS901で肯定判別された場合には、ステップS902において、大当たりに対応する第1変動表示が行われていることを示す特図1大当たり確定フラグをオン設定する。続くステップS903では、第1特別変動保留エリアの実行エリアに8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS903で肯定判別された場合には、ステップS904で8RSパターン設定処理を行う。尚、ステップS903等において8RSフラグ等のフラグ情報に基づいて変動パターンを決定するのではなく、再度、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の値に基づいて、対応するテーブルを参照し、変動パターンを決定するように構成してもよい。
パターン設定処理は、特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42において、実行エリアに記憶された変動情報に対応する変動表示を実行させるための処理であり、特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、停止態様、演出パターン等)を決定し、変動パターンコマンドの設定等を行う。
より具体的に、ステップS904では、先ず、モード記憶エリアを確認して遊技モードを把握する。モード記憶エリアにおいて、通常モードに対応する「11」が記憶されている場合には、参照される第1変動時間決定テーブルとして、ラッシュ付大当たり用の第1ミドル変動時間決定テーブル(図47(a)参照)が選択され、時短モードに対応する「12」が記憶されている場合には、ラッシュ付大当たり用の第1ショート変動時間決定テーブル(図47(f)参照)が選択される。
また、モード記憶エリアにおいて、ラッシュモードに対応する「21」が記憶されている場合には、大当たり用の第1ロング変動時間決定テーブル(図47(l)参照)が選択される。つまり、ラッシュモードでは、基本的に、第1変動表示が2時間以上のロング変動表示として設定されるが、特例として、大当たりとなる場合には、第1変動表示が長くとも20秒のショート変動表示(ミドル変動表示でも可)として設定される。
そして、選択された第1変動時間決定テーブルを参照し、第1特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1変動時間を決定する。尚、決定された第1変動時間は、第1特別変動保留エリアの実行エリアに(対応付けて)記憶される。
さらに、第1変動時間と、変動パターンとに基づいて、リーチパターンを決定する。例えば、ラッシュ付大当たり用の第1ミドル変動時間決定テーブルが参照され、第1変動時間が22秒に決定された場合にはノーマルリーチが設定され、30秒、又は、35秒に決定された場合には、スーパーリーチが設定され、40秒に決定された場合には、プレミアムリーチが設定される。
そして、第1変動表示であること、8RSであること、決定されたリーチパターン、及び、変動時間を含む情報を変動パターンコマンドに設定する。さらに、大当たり用の第1ロング変動時間決定テーブルが参照された場合には、ラッシュモードだけど、第1変動時間が短く設定された特殊第1変動表示であることを示す第1強制表示コマンドを設定する。
尚、本実施形態では、主制御装置261側で装飾図柄表示装置42のリーチパターンを決定しているが、主制御装置261の負担軽減を図るべく、主制御装置261ではリーチパターンを決定せず、変動パターンコマンドには、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかの情報と、変動パターンを示す情報(15RS、8RS、8RN、小当たり、前後外れリーチ、前後以外外れリーチ、完全外れのいずれであるかの判別がつく情報)と、変動時間を示す情報が含まれるように構成してもよい。
ステップS904の後、ステップS911において、第1特別表示装置43aにおける第1変動表示中であること示す特図1表示中フラグをオン設定し、ステップS912において、第1変動表示の残り時間を計測する特図1表示タイマに対し、第1変動時間に対応する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS903で否定判別された場合には、ステップS905において、8RNパターン設定処理を行う。例えば、モード記憶エリアにおいて、通常モードに対応する「11」が記憶されている場合には、時短付大当たり用の第1ミドル変動時間決定テーブル(図47(b)参照)が選択され、時短モードに対応する「12」が記憶されている場合には、時短付き大当たり用の第1ショート変動時間決定テーブル(図47(g)参照)が選択され、ラッシュモードに対応する「21」が記憶されている場合には、大当たり用の第1ロング変動時間決定テーブル(図47(l)参照)が選択される。
ステップS905の後、ステップS911において、特図1表示中フラグをオン設定し、ステップS912において、特図1表示タイマに対し第1変動時間に対応する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS901で否定判別された場合には、ステップS906において、第1特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後フラグ(図16のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS906で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS907にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS911、ステップS912を経て、本処理を終了する。尚、前後リーチパターン設定処理では、通常モードの場合には、前後外れリーチ用の第1ミドル変動時間決定テーブル(図47(c)参照)が選択され、時短モードの場合には、前後外れリーチ用の第1ショート変動時間決定テーブル(図47(h)参照)が選択され、ラッシュモードの場合には、通常用の第1ロング変動時間決定テーブル(図47(k)参照)が選択される。
また、ステップS906で否定判別された場合には、ステップS908において、第1特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS908で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS909にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS911、ステップS912を経て、本処理を終了する。尚、前後以外リーチパターン設定処理では、通常モードの場合には、前後以外外れリーチ用の第1ミドル変動時間決定テーブル(図47(d)参照)が選択され、時短モードの場合には、前後以外外れリーチ用の第1ショート変動時間決定テーブル(図47(i)参照)が選択され、ラッシュモードの場合には、通常用の第1ロング変動時間決定テーブル(図47(k)参照)が選択される。
また、ステップS908で否定判別された場合、すなわち、「完全外れ」である場合には、ステップS910にて外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS911、ステップS912を経て、本処理を終了する。尚、外れ変動パターン設定処理では、通常モードの場合には、外れ用の第1ミドル変動時間決定テーブル(図47(e)参照)が選択され、時短モードの場合には、外れ用の第1ショート変動時間決定テーブル(図47(j)参照)が選択され、ラッシュモードの場合には、通常用の第1ロング変動時間決定テーブル(図47(k)参照)が選択される。
尚、本実施形態では、第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33bへの入球に基づいて、大当たりとなるか否かの抽選(第1当否抽選)が行われるものの、小当たりとなるか否かの抽選(第2当否抽選)は行われないようになっている。
図19の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち第1変動表示中である場合には、ステップS812に進み、特図1表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図1表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が6秒(6000msec)の場合には、特図1表示タイマに対して「1500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の特図1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図1表示タイマの値が「0」となった場合にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS818において、第1特別表示装置43aの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1特別表示装置43aに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に第1特別表示装置43aの切替表示(変動表示)が実現される。ステップS818の後、本処理を終了する。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において特図1表示中フラグをオフし、ステップS815において第1特別表示装置43aにて停止表示を行うための特図1停止表示設定を行う。この特図1停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1特別表示装置43aに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、第1特別表示装置43aにおいて、第1変動表示設定処理にて設定された各大当たり種別や外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、ステップS815の後、ステップS816において、サブ制御装置262に対して、装飾図柄表示装置42の停止表示を行わせる特図1停止コマンドの設定を行う。これにより、第1特別表示装置43a及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、特別表示装置43a、43bによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
尚、ラッシュ付大当たりに対応し、プレミアムリーチ以外のリーチ状態を経る変動表示の停止態様は、サブ制御装置262で奇数のゾロ目、及び、偶数のゾロ目のどちらを表示させるかを決定する。そこで、偶数のゾロ目が選択された場合には、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(直後の大当たり状態中において「15RS」に当選したことを教示する)を行うこととしてもよいし、大当たり状態中の教示はないものの、大当たり状態終了後にラッシュステージに移行するように構成してもよいし、大当たりが終了しても、ラッシュモード、及び、時短モードのどちらが付与されたのかが分かり難いように引き戻しステージに移行するように構成してもよい。
続いて、ステップS817において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための特図1判別情報設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップS817の特図1判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。先ず、ステップS1001において、第1特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、特図1大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において特図1大当たり確定フラグをオフし、ステップS1003において大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグ(第1特別変動保留エリアに記憶されていた第1変動表示で大当たりしたことを示す特図1大当たり中フラグ)をオンする。さらに、ステップS1004において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(第1可変入賞装置32aの開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「8」を設定する。
続くステップS1005では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1006では、当たり状態中の制御(第1可変入賞装置32aの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1007では、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、第1可変入賞装置32aへの入球があったか否かをカウントスイッチ223aの検知情報により判別し、第1可変入賞装置32aへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1008では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。
ステップS1008の後、ステップS1009において、特図2表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1009において否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1009において肯定判別された場合には、ステップS1010において、特図2表示中フラグをオフし、ステップS1011において、第2特別表示装置43bの第2変動表示を強制的に「外れ」に対応する態様で停止表示させる(強制終了させる)ための処理を行う。つまり、第1変動表示が大当たりを教示する態様で停止表示された場合には、変動中の第2変動表示を内容に関係なく強制終了させる(消去してしまう)ことにより、大当たり状態終了後に、第2変動表示についても新たな変動表示を開始させるように構成されている。
さらに、サブ制御装置262側にも、第2変動表示を停止表示させることを伝えるべく、ステップS1012において、特図2強制停止コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、通常モードや時短モードでは、装飾図柄表示装置42において、基本的に、第1変動表示に対応する装飾図柄の変動表示(第1演出変動表示)のみが表示されることから、特図2強制停止コマンドの設定を省略することも可能である。
また、ステップS1001で否定判別された場合には、ステップS1013において、 第1変動インターバルタイマに対して変動インターバル(例えば、1秒)に相当する値を設定する。尚、装飾図柄表示装置42では、基本的に、特別表示装置43a、43bの変動表示の停止表示のタイミングで装飾図柄の変動表示が停止表示され、変動インターバルが終わるまで(次回の特別表示装置43a、43bの変動表示が開始されるまで)は、停止表示された装飾図柄が表示され続ける。そして、変動インターバルが終わり、変動表示が保留記憶されている場合には、特別表示装置43a、43bにおける変動表示と、装飾図柄表示装置42における変動表示とが同時に開始される。一方、変動インターバルが終わっても、変動表示が保留記憶されていない場合には、装飾図柄表示装置42における停止図柄がしばらく導出され続け、その後、遊技を待機する表示(デモ画面表示)に切替わる。また、装飾図柄表示装置42の変動表示において装飾図柄が偶数のゾロ目の組合わせで停止表示された場合、変動インターバル期間において、装飾図柄の組合わせが奇数のゾロ目に変換されるかもしれない(導出された場合には必ず変換される構成でも可)といった再抽選演出が行われる場合がある。
ステップS1013の後、ステップS1014において、モード記憶エリアに「12」、又は、「21」が記憶されているか否か、すなわち、時短モード、及び、ラッシュモードのどちらかの遊技モードであるか否かを判別する。ステップS1014で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1014で肯定判別された場合には、ステップS1015において、時短モード、及び、ラッシュモードの継続期間(上限となるまでの残りの変動回数)を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、時短モード、及び、ラッシュモードは、第1変動表示及び第2変動表示が70回行われることを上限としており、また、全ての種別の大当たり状態終了後に、時短モード及びラッシュモードのどちらかが付与されることから、大当たり終了時に、変動回数カウンタに対して「70」が設定されるようになっている。
続くステップS1016では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1016で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1016で肯定判別された場合には、ステップS1017において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、第1特別表示装置43a、及び、第2変動表示43bにおいて、第1変動表示、及び、第2変動表示が合計で70回行われた時点で時短モード、又は、ラッシュモードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1017の後、ステップS1018において、サブ制御装置262に対して通常モードへの移行(高入球モードの終了)を知らせるサポート終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、通常処理(図10参照)の第2特別表示制御処理(ステップS205)について、図22を参照して説明する。尚、本実施形態では、第2特別表示装置43bに関しては、第2変動表示の変動インターバルは設定されないように構成されている。
先ず、ステップS1601では、当たり状況記憶エリアの値が「0」であるか否か、すなわち、大当たり状態及び小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1601で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1601で肯定判別された場合には、ステップS1602において、大当たりに対応する第1変動表示が行われていることを示す特図1大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1602で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、第1特別表示装置43bにおいて大当たりを教示する第1変動表示が行われている場合には、第2特別表示装置43bにおいて新たに第2変動表示を開始させることができないように構成されている。
一方、ステップS1602で否定判別された場合には、ステップS1603において、第2特別表示装置43bにて第2変動表示中であることを示す特図2表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1603で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中ではなく、さらに第2変動表示中でもない場合には、ステップS1604に進み、第2始動入賞装置33cへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが0よりも大きいか否かを判別する。
当該ステップS1604で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1604で肯定判別された場合には、ステップS1605において、第2保留カウンタNbから1を減算する。続くステップS1606では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理では、第2特別変動保留エリアの保留第1エリアに格納されているデータが、実行エリアにシフトされる。
ステップS1606の後、ステップS1607において、第2変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、第2保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップS1607の後、ステップS1608において第2変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップS1608の第2変動表示設定処理の詳細について、図23を参照して説明する。
先ず、ステップS1701では、第2特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する「7」であるか否かを判別する。尚、ステップS1701において、第2特別変動保留エリアの実行エリアの大当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、大当たりに対応する第2変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップS1701で肯定判別された場合には、ステップS1702において、大当たりに対応する第2変動表示が行われていることを示す特図2大当たり確定フラグをオン設定する。続くステップS1703では、第2特別変動保留エリアの実行エリアに15RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1703で肯定判別された場合には、ステップS1704で15RSパターン設定処理を行う。
また、ステップS1703で否定判別された場合には、ステップS1705で、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1705で肯定判別された場合には、ステップS1706において、8RSパターン設定処理を行い、ステップS1705で否定判別された場合には、ステップS1707において、8RNパターン設定処理を行う。
上記の通り、パターン設定処理は、特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42において、実行エリアに記憶された変動情報に対応する変動表示を実行させるための処理であり、特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、停止態様、演出パターン等)を決定し、変動パターンコマンドの設定等を行う。
つまり、ステップS1704、ステップS1706、ステップS1707においては、第2変動時間の設定に際して参照される第2変動時間決定テーブルとして、ラッシュモードの場合には、大当たり用の第2ショート変動時間決定テーブル(図48(m)参照)が選択され、通常モード、及び、時短モードの場合には、特例として、大当たり用の第2ロング変動時間決定テーブル(図48(p)参照)が選択される。
そして、選択された第2変動時間決定テーブルを参照し、第2特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第2変動時間を決定する。尚、決定された第2変動時間は、第2特別変動保留エリアの実行エリアに(対応付けて)記憶される。
そして、第2変動表示であること、変動パターン(15RS、8RS、8RNのいずれであるか)を示す情報、及び、変動時間を含む情報を変動パターンコマンドに設定する。さらに、大当たり用の第2ロング変動時間決定テーブルが参照された場合には、時短モードだけど、第2変動時間が短く設定された特殊第2変動表示であることを示す第2強制表示コマンドを設定する。尚、本実施形態のラッシュモードでは、装飾図柄表示装置42において装飾図柄を表示しない構成となっており、従って、リーチパターンの設定も行わないようになっている。
ステップS1704、ステップS1706、又は、ステップS1707の後、ステップS1710において、第2特別表示装置43bにおける第2変動表示中であること示す特図2表示中フラグをオン設定し、ステップS1711において、第2変動表示の残り時間を計測する特図2表示タイマに対し、第2変動時間に対応する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1701で否定判別された場合には、ステップS1708において、小当たりに対応する第2変動表示が行われていることを示す小当たり確定フラグをオン設定する。続くステップS1709において、小当たりパターン設定処理を行ってから、本処理をする。
小当たりパターン設定処理では、第2変動時間の設定に際して参照される第2変動時間決定テーブルとして、ラッシュモードの場合には、小当たり用の第2ショート変動時間決定テーブル(図48(n)参照)が選択され、通常モード、及び、時間短縮モードの場合には、通常用の第2ロング変動時間決定テーブル(図48(o)参照)が選択される。
そして、選択された第2変動時間決定テーブルを参照し、第2特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第2変動時間を決定する。さらに、第2変動表示であること、変動パターン(小当たりであること)を示す情報、及び、変動時間を含む情報を変動パターンコマンドに設定する。
図22の説明に戻り、ステップS1603で肯定判別された場合、すなわち第2変動表示中である場合には、ステップS1609に進み、特図2表示タイマの減算処理を行う。
続いてステップS1610に進み、上記減算後の特図2表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図2表示タイマの値が「0」となった場合にステップS1610が肯定判別される。
ステップS1610で否定判別された場合には、ステップS1615において、第2特別表示装置43bの切替表示(第2変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第2特別表示装置43bに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第2特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に第2特別表示装置43bの切替表示(変動表示)が実現される。ステップS1615の後、本処理を終了する。
一方、ステップS1610で肯定判別された場合には、ステップS1611において特図2表示中フラグをオフし、ステップS1612において第2特別表示装置43bにて停止表示を行うための特図2停止表示設定を行う。この特図2停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第2特別表示装置43bに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、第2特別表示装置43bにおいて、第2変動表示設定処理にて設定された各大当たり種別、小当たり、外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、ステップS1612の後、ステップS1613において、サブ制御装置262に対して、装飾図柄表示装置42の停止表示を行わせる特図2停止コマンドの設定を行う。これにより、第2特別表示装置43b及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。
続いて、ステップS1614において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための特図2判別情報設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップS1614の特図2判別情報設定処理について、図24を参照して説明する。先ず、ステップS1801において、第2特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1801で肯定判別された場合には、ステップS1802において小当たり確定フラグをオフし、ステップS1803において小当たり状態中であることを示す小当たり中フラグをオンする。さらに、ステップS1804において、小当たり状態中に実行されるラウンドの回数(第2可変入賞装置32bの開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「2」を設定する。
続くステップS1805では、当たり状況記憶エリアに対して小当たり状態の第1ラウンド中であることを示す「4」を設定する。さらに、ステップS1806では、モード記憶エリアに記憶されている値が「21」であるか否かを判別する。ステップS1806で肯定判別された場合、すなわち、ラッシュモードである場合には、ステップS1807において、当たり状態中の制御(可変入賞装置32a、32bの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、1.6秒の開放期間に対応する値「400」を設定する。一方、ステップS1806で否定判別された場合には、ステップS1808において、特別可変タイマに対し、0.1秒の開放時間に対応する値「25」を設定する。
ステップS1807、及び、ステップS1808の後、ステップS1809では、可変入賞装置32a、32bに入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である4個を示す「4」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かをカウントスイッチ223a、223bの検知情報により判別し、可変入賞装置32a、32bへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1810では、第2可変入賞装置32bを開放させるための第2開放処理を行う。さらに、ステップS1811では、変動回数カウンタの値を1減算する。本実施形態では、小当たりに当選しただけでは遊技モードの変更はないことから、小当たりの変動表示が終了した段階でも、ラッシュモード、及び、時短モードの残り回数を1回分減らす処理を行う。尚、当該変動回数カウンタの減算処理は、モード記憶エリアに「12」又は「21」が記憶されている場合にのみ行われるように構成してもよい。
続くステップS1812では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるための小当たり開始コマンドを設定する。当該小当たりコマンドには、小当たりの種別(ラッシュモードにおける小当たりか否か)を示す情報、又は、第1ラウンドの開放時間を示す情報(本例では、小当たりの種別が異なっても第2ラウンドの開放時間は共通)等が含まれ、サブ制御装置262でも小当たり状態の進行状況が把握できるようになっている。
ステップS1812の後、ステップS1813において、特図1表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1813において否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1813において肯定判別された場合には、ステップS1814において、特図1表示中フラグをオフし、ステップS1815において、第1特別表示装置43aの第1変動表示を強制的に「外れ」に対応する態様で停止表示させる(強制終了させる)ための処理を行う。つまり、第2変動表示が大当たりを教示する態様で停止表示された場合には、変動中の第1変動表示を内容に関係なく強制終了させる(消去してしまう)ことにより、大当たり状態終了後に、第1変動表示についても新たな変動表示を開始させるように構成されている。
さらに、サブ制御装置262側にも、第1変動表示を停止表示させることを伝えるべく、ステップS1816において、特図1強制停止コマンドを設定してから、本処理を終了する。
ステップS1801で否定判別された場合には、ステップS1817において、第2特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、特図2大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1817で肯定判別された場合には、ステップS1818において特図2大当たり確定フラグをオフし、ステップS1819において大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグ(第2特別変動保留エリアに記憶されていた第2変動表示で大当たりしたことを示す特図2大当たり中フラグ)をオンする。さらに、ステップS1820において、第2特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、15RSフラグが設定されているか否かを判別する。
ステップS1820で肯定判別された場合には、ステップS1821において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(第1可変入賞装置32aの開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「15」を設定する。一方、ステップS1820で否定判別された場合には、ステップS1822において、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。
ステップS1821、及び、ステップS1822の後、ステップS1823において、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1824では、特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1825では、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して「8」を設定する。
それから、ステップS1826ではオープニングコマンドを設定する。ステップS1826の後、ステップS1813において特図1表示中フラグがオン設定されているか否かを判別し、否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1813で肯定判別された場合には、ステップS1814で特図1表示中フラグをオフし、ステップS1815で第1変動表示を強制的に「外れ」に対応する態様で停止表示させる(強制終了させる)ための処理を行い、ステップS1816で特図1強制停止コマンドを設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1817で否定判別された場合には、ステップS1827において、モード記憶エリアに「12」、又は、「21」が記憶されているか否か、すなわち、時短モード、及び、ラッシュモードのどちらかの遊技モードであるか否かを判別する。ステップS1827で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1827で肯定判別された場合には、ステップS1828において、変動回数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1829では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1829で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1829で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態終了後に、第1変動表示、及び、第2変動表示が合計で70回行われた場合には、ステップS1830において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。当該ステップS1830の後、ステップS1831において、サブ制御装置262に対して通常モードへの移行(高入球モードの終了)を知らせるサポート終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理のステップS514において当否乱数カウンタC1の値を取得して第1特別変動保留エリアに記憶する処理と、第1変動表示設定処理のステップS901において大当たりか否かの判別を行う処理とによって第1当否抽選が構成される。また、始動入賞処理のステップS505において当否乱数カウンタC1の値を取得して第2特別変動保留エリアに記憶する処理と、第2変動表示設定処理のステップS1701において大当たりか否かの判別を行う処理とによって第1当否抽選、及び、第2当否抽選が構成される(本例では、大当たりにならない場合には小当たりになるため、ステップS1701が第1当否抽選、及び、第2当否抽選の両方に相当する)。加えて、ステップS904等の変動パターンを設定する処理によって変動表示設定処理が構成される。
次に、上記ステップS207の第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bを開閉させるための可変入賞装置制御処理について図25のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態、又は、小当たり状態の開始時にあっては、上記第1及び第2判別情報設定処理にて、当たり状況記憶エリアに「1」、又は、「4」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「6」のいずれかが設定されている場合)には、ステップS1202に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。続くステップS1203では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1206では、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。
ステップS1206の後、ステップS1207では、第1可変入賞装置32aを開状態とさせる第1開放処理を行い、ステップS1208では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1209において、当たり状況記憶エリアにおいて「5」が設定されているか否かを判別する。尚、本実施形態では、小当たり状態の第1ラウンドと、第2ラウンドとの間のインターバル期間において当たり状況記憶エリアに「5」が設定されている。
ステップS1209で否定判別された場合には、ステップS1210において、当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1210で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1211において、当たり状況記憶エリアにおいて「6」が設定されているか否かを判別する。本実施形態では、小当たり状態の第2ラウンドにおいて当たり状況記憶エリアに「6」が設定されている。
ステップS1211で否定判別された場合、ステップS1212において、ラウンド数カウンタの値を1減算する。続くステップS1213では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1213で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1214において、当たり状況記憶エリアにおいて「4」が設定されているか否かを判別する。本実施形態では、小当たり状態の第1ラウンドにおいて当たり状況記憶エリアに「4」が設定されている。
ステップS1214で否定判別された場合(当たり状況記憶エリアに「2」が設定されている場合)、ステップS1215に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1216において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
続くステップS1217では、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1218において、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる第1閉鎖処理を行い、ステップS1219において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1214で肯定判別された場合、すなわち、小当たり状態の第1ラウンドが終了した場合には、ステップS1220において、当たり状況記憶エリアに対して「5」を設定する。その後、ステップS1221において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(0.1秒)に対応する値「25」を設定する。
続くステップS1222では、入賞カウンタに対して「4」を設定する。さらに、ステップS1223において、第2可変入賞装置32bを閉状態とさせる第2閉鎖処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1224に移行し、第2可変入賞装置32bの特定領域141に設けられた特定入球部145に遊技球が入球したか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、当該処理では、特定入球部145に入球した遊技球を検知する特定入球検知スイッチ223bによる検知が行われた場合にオン設定される特定入賞フラグがオン設定されているか否かを判別することで、特定入球部145に遊技球が入球したか否かの判別を行っている。
ステップS1224で否定判別された場合、ステップS1225において、第1可変入賞装置32aへの入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1225で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1225で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1211に移行する。これにより、1回のラウンド中に第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bに対して遊技球が上限まで(8個又は4個)入球した場合には、開放期間の上限(30秒、1.6秒、又は、0.1秒)が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1224で肯定判別された場合、すなわち、小当たり状態において、遊技球が特定入球部145に入球することを契機として、大当たり状態が発生するような場合には、ステップS1226において、大当たり状態を発生させる(大当たり状態に継続させる)ための特定入賞処理を行ってから、本処理を終了する。尚、特定入賞処理の詳細については後述する。
また、ステップS1213で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1227に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1227の後、ステップS1228において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。
ステップS1228の後、ステップS1229において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1225で肯定判別された後の流れでステップS1227以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1225で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1229で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1229の後、ステップS1230では、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる第1閉鎖処理を行い、続くステップS1231では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1210で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1232に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図27を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、第1及び第2大当たり中フラグのどちらかがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合には、ステップS1402において、第1特別変動保留エリア、又は、第2特別変動保留エリアのうち対応する方(第1及び第2大当たり中フラグのどちらかがオン設定されているかで把握可能)の実行エリアを参照し、15RSフラグ、及び、8RSフラグのうちどちらかがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1402で肯定判別された場合には、ステップS1403において、モード記憶エリアに対してラッシュモードに対応する値「21」を記憶する。これにより、大当たり状態終了後にラッシュモードが付与されることとなる。続くステップS1404では、サブ制御装置262に対してラッシュモードを開始させること(ラッシュステージへの移行)を伝えるラッシュ開始コマンドを設定する。
一方、ステップS1402で否定判別された場合には、ステップS1405において、モード記憶エリアに対して時短モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時短モードが付与されることとなる。続くステップS1406では、サブ制御装置262に対して時短モードを開始させること(引き戻しステージへの移行)を伝える時短開始コマンドを設定する。
ステップS1404、及び、ステップS1406の後、ステップS1407において、オン設定されている第1大当たり中フラグ又は第2大当たり中フラグをオフする。続くステップS1408では、当たり状況記憶エリアに対して当たり状態以外の状態であることを示す値「0」を設定する。さらに、ステップS1409において、サブ制御装置262に対して大当たり状態が終了することを伝える大当たり終了コマンドを設定する。その後、ステップS1410において、変動回数カウンタに対して、ラッシュモード、及び、時短モードの上限となる変動回数に対応する値「70」を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合、すなわち、小当たり状態であった場合には、ステップS1411において、第2可変入賞装置32bの特定領域141に存在する遊技球の数を計数する入球カウンタを確認し、特定領域141に存在する遊技球が「0」であるか否かを判別する。ステップS1411で肯定判別された場合、ステップS1412において、小当たり中フラグをオフし、ステップS1413において、当たり状況記憶エリアに対して「0」を設定し、ステップS1414において、サブ制御装置262に対して小当たり状態が終了することを伝える小当たり終了コマンドを設定する。
その後、ステップS1415において、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、ラッシュモード、及び、時短モードの期間は、第1及び第2変動表示が合計で70回行われるまで、又は、大当たり状態が発生するまでとなっているため、小当たりに対応する第2変動表示が終了し、小当たりが開始される際に、変動回数カウンタの値が1減算されている(ステップS1811参照)。当該ステップS1415では、ラッシュモード又は時短モードの変動回数の上限に達したか(70回が終了したか)否かの判別を行っている。
ステップS1415で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1415で肯定判別された場合には、ステップS1416において、モード記憶エリアに対して通常モードに対応する値「11」を設定し、ステップS1417においてサポート終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1411で否定判別された場合には、ステップS1418において、第2可変入賞装置32bの特定領域141における遊技球の監視を引き続き行うための残球監視フラグをオン設定してから、本処理を終了する。つまり、特定領域141に遊技球が残存している場合には、小当たり状態(の第2ラウンド)が終了するタイミングとなっても、小当たり状態が終了しないように構成されている。
ここで、タイマ割込み処理(図11参照)の残存球監視処理(ステップS307)について、図28を参照して説明する。先ず、ステップS1301では、第2可変入賞装置32bの特定領域141に遊技球が入球したか否かを、特定領域141の入球開口部142の近傍に設置された入球カウントスイッチ226の検知情報に基づいて判別する。ステップS1301で肯定判別された場合には、ステップS1302において、特定領域141に存在する遊技球を計数する入球カウンタの値を1加算する。続くステップS1303では、残存球監視処理に使用される監視タイマに対し、只今、入球カウントスイッチ226に検知された遊技球が特定領域141から排出されていて当然となるだけの予め定められた時間に対応する値を設定する。本実施形態では、特定領域141に入球した遊技球が特定領域141から排出までに不具合がなければ2秒を超えることがないように構成されており、ステップS1303では、監視タイマに対し、3秒に相当する「750」が設定される。
ステップS1303の後、又は、ステップS1301で否定判別された場合には、ステップS1304において、特定入球部145に遊技球が入球したか否かを、特定入球検知スイッチ223bの検知情報に基づいて判別する。ステップS1304で肯定判別された場合には、ステップS1305において、特定入賞フラグをオン設定する。続くステップS1306では、入球カウンタの値を1減算する。
ステップS1306の後、又は、ステップS1304で否定判別された場合には、ステップS1307において、非特定入球部146に遊技球が入球したか否かを、非特定入球検知スイッチ223cの検知情報に基づいて判別する。ステップS1307で肯定判別された場合には、ステップS1308において、入球カウンタの値を1減算する。
ステップS1308の後、又は、ステップS1307で否定判別された場合には、ステップS1309において、入球カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1309で否定判別された場合には、ステップS1310において、監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1310において否定判別された場合には、ステップS1311において、監視タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップS1310において肯定判別された場合、すなわち、第2可変入賞装置32bの特定領域141から全ての遊技球が排出されている筈のタイミングになっても、未だに遊技球が残存していると判別される場合には、ステップS1312においてエラー処理(例えば、エラー表示ランプ104の点灯、データランプのエラー表示、ホールコンピュータへの通報など)を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS1309で肯定判別された場合には、ステップS1313において、小当たり状態を終了させる際に設定される場合がある残球監視フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS1313で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1313で肯定判別された場合には、ステップS1314において、残球監視フラグをオフする。続くステップS1315では、第1大当たり中フラグ、又は、第2大当たり中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1315で肯定判別された場合、すなわち、小当たり状態において特定入球部145に遊技球が入球して大当たり状態が発生している場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1315で否定判別された場合には、小当たり状態を終了させる処理が未だ行われていないことから、ステップS1316において小当たり中フラグをオフし、ステップS1317において当たり状況記憶エリアに対して「0」を記憶し、ステップS1318において小当たり終了コマンドを設定する。
その後、ステップS1319において、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1319で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1319で肯定判別された場合には、ステップS1320において、モード記憶エリアに対して通常モードに対応する値「11」を設定し、ステップS1321においてサポート終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。
図25の可変入賞装置制御処理の説明に戻り、ステップS1209で肯定判別された場合、すなわち、小当たり状態の第1ラウンド終了後のインターバル期間が終了した場合には、ステップS1233において、当たり状況記憶エリアに対して小当たり状態の第2ラウンドに対応する値「6」を設定し、ステップS1234において、特別可変タイマに対して、0.1秒の第2可変入賞装置32bの開放時間に対応する値「25」を設定する。さらに、ステップS1235において、第2可変入賞装置32bを開状態とさせる第2開放処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、小当たり状態の第2ラウンド(最終ラウンド)が終了した場合には、ステップS1236において、第2可変入賞装置32bを閉状態とさせる第2閉鎖処理を行う。その後、ステップS1232において、終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。
次に、可変入賞装置制御処理(図25)のステップS1224で、特定入球部145への入球があったことを示す特定入賞フラグがオン設定されていると判別された場合に行われる特定入賞処理(ステップS1226)について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS1901では、特定入賞フラグをオフする。続くステップS1902では、大当たり中フラグがオン設定されているか否か(本例では小当たり中に特定入球部145に遊技球が2球続けて入る等した場合に、第2大当たり中フラグがオンされている可能性がある)を判別する。ステップS1902で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1902で否定判別された場合には、ステップS1903において、第2可変入賞装置32bを閉鎖させる第2閉鎖処理を行う。さらに、ステップS1904において、小当たり中フラグをオフし、ステップS1905において大当たり中フラグ(第2大当たり中フラグ)をオンする。つまり、小当たり状態中に特定入球部145に遊技球が入球した場合、直ちに小当たり状態を終了させるとともに、大当たり状態を開始させるようになっている。
その後、ステップS1906において、第2特別変動保留エリアの実行エリアに15RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、大当たり種別は、始動入賞処理において小当たりに当選する判別されて行われた第1種別判定処理で決定されている。ステップS1906で肯定判別された場合、ステップS1907において、ラウンド数カウンタに「14」を設定する。つまり、15RSの大当たり状態が発生するのであるが、小当たり状態が第1ラウンドに相当することから、ここではラウンド数カウンタに対し、残りのラウンド数である「14」が設定される。
一方、ステップS1906で否定判別された場合には、ステップS1908において、ラウンド数カウンタに「7」を設定する。つまり、8RSの大当たり状態が発生するのであるが、小当たり状態が第1ラウンドに相当することから、ここでは、ラウンド数カウンタに対し残りのラウンド数である「7」が設定される。
ステップS1907、及び、ステップS1908の後、ステップS1909において、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1910において、特別可変タイマに対して大当たり状態の発生を教示するためのオープニング期間に相当する「500」を設定する。その後、ステップS1911において、入賞カウンタに「8」を設定し、ステップS1912において、サブ制御装置262に対して、特定入球部145に遊技球が入球したことで大当たり状態が発生することを伝える特定入賞コマンドを設定してから、本処理を終了する。
次に、通常処理(図10)のステップS208の普通表示制御処理について図29を参照して説明する。先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41の変動表示の後に設定されるインターバル(普図インターバル)の残り時間を計測するための普図インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2101で否定判別された場合、すなわち、普図インターバルである場合には、ステップS2116において、普図インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、普図インターバルを1秒(1000msec)として、普図インターバルタイマに「249(ステップS2101の前にステップS2116が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に普図インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間ではない場合には、ステップS2102において、第2始動入賞装置@の開閉制御の最中であることを示すサポート期間中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2102で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2102で否定判別された場合には、ステップS2103において、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2103で否定判別された場合には、ステップS2104に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS2104で否定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。尚、例えば、ステップS2104で否定判別された場合に、普通図柄表示装置41において、変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様を導出するための待機表示設定を行うこととしてもよい。つまり、普通図柄表示装置41は、変動停止後、その停止態様が普図インターバル期間の間は(入球サポート抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、普図インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるように構成してもよい。
一方、ステップS2104で肯定判別された場合には、ステップS2105において、普通保留カウンタNcから1を減算する。続くステップS2106では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2107では、普通図柄表示装置41の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図30を参照して説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS2302で肯定判別された場合、つまり、当たり状態ではない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時短モード又はラッシュモード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「27〜29」であるか否かを判別する。
ステップS2305で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第1サポート始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を60秒にするために「15000」を設定する。さらに、上記ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「27〜29」であるか否かを判別し、否定判別された場合には、そのまま本処理を終了し、肯定判別された場合には、上記ステップS2306において、入球サポートフラグをオン設定した後、本処理を終了する。尚、普通図柄の変動表示時間や、入球サポート抽選での当選確率等については、パチンコ機の機種毎に適宜設定可能であり、例えば、高入球状態時における入球サポート抽選の当選確率を、低入球状態における入球サポート抽選の当選確率よりも高くなるように構成してもよい。
図29の説明に戻り、ステップS2107の後、ステップS2108において、普通図柄表示装置41の変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の普通保留ランプを点滅させたまま右側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させたまま右側の普通保留ランプを消灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップS2108の後、本処理を終了する。
また、ステップS2103で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2109に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2110に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2110で肯定判別された場合には、ステップS2111において普図表示中フラグをオフし、ステップS2112において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。つまり、入球サポート抽選に当選した場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には、普通図柄表示装置41の左右一対の普図ランプの両方を点灯させ、外れである場合には左側の普図ランプのみを点灯させる。
続いてステップS2113に進み、普図判別情報設定処理を行う。ここで、普図判別情報設定処理について、図31を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第1サポート始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第1サポート始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第1サポート始動入賞装置33bの開放時間を1.8秒にするべく「450」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第1サポート始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第1サポート始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第1サポート始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第1サポート始動入賞装置33bの開放時間を0.2秒にするべく「50」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第1サポート始動入賞装置33bを2回開放させるべく「2」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第1サポート始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
図29の説明に戻り、ステップS2113の後、ステップS2114において、普図インターバルタイマに対して普図インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2110で否定判別された場合には、ステップS2115において、普通図柄表示装置41の変動表示(左右一対の普図ランプを交互に点灯させる切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)が実現される。ステップS2115の後、本処理を終了する。
次に、通常処理(図10)のステップS209の始動入賞装置制御処理について図32のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第1サポート始動入賞装置33bの開閉の状態を維持する期間である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合には、ステップS2204において、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2204で肯定判別された場合、すなわち、現在、第1サポート始動入賞装置33bが開状態にあって、閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS2205において、普通可変フラグをオフする。続くステップS2206では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2207では、第1サポート始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209においてサポート期間中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、第1サポート始動入賞装置33bが複数回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「250」)を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、第1サポート始動入賞装置33bが複数回開放される間のインターバル期間(第1サポート始動入賞装置33bは閉状態)にあって、インターバル期間を終了させるタイミングが到来した場合には、ステップS2211で普通可変フラグをオン設定する。さらに、ステップS2212において、モード記憶エリアに「12」又は「21」が記憶されているか否かを判別する。ステップS2212で肯定判別された場合には、ステップS2213において、普通可変タイマに対して1.8秒の開放時間に相当する値「450」を設定する。一方、ステップS2212で否定判別された場合には、ステップS2214において、普通可変タイマに対して0.2秒の開放時間に相当する値「50」を設定する。
ステップS2213、及び、ステップS2214の後、ステップS2215において、第1サポート始動入賞装置33bを開状態とする設定を行う。その後、本処理を終了する。尚、第1サポート始動入賞装置33bが開状態とされている場合に、第1サポート始動入賞装置33bに対して遊技球が規定数(例えば4個)入球した場合には、第1サポート始動入賞装置33bが直ちに閉状態とされるように構成してもよい。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図33を参照して受信割込み処理を説明し、その後図34を参照してメイン処理を説明する。
図33は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。
受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図35に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図34を参照して説明する。図34は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図35のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図36を参照して以下に説明する。
図36は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図33参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図35のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、CRユニット接続基板314から、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を受信しているか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合には、ステップS3203において、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に送信する。
ステップS3203の後、又は、ステップS3202で否定判別された場合には、ステップS3204において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3204で肯定判別されれば、ステップS3205で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3206では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検知信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3207では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3208では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3209で払出個数設定処理を行い、ステップS3210においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3211においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3212では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3213では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図37を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33b、又は、第2始動入賞装置33cのいずれの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりや小当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報、及び、変動時間を示す情報等が含まれる。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の第1特別変動保留エリア、第2特別変動保留エリアと同様に、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備える第1保留情報記憶エリアと、1つの保留エリア(保留第1エリア)と、1つの実行エリアとを備える第2保留情報記憶エリアとを備えている。第1保留情報記憶エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、リーチパターン、及び、変動時間等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報記憶エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1通常始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33cへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
ここで保留情報格納処理について、図40を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、第1変動表示の先発コマンドを受信したか否か(第1変動表示の先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。
ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において、第1保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4103では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチパターン、第1変動時間の情報等を、第1保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4104では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4103にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4104の後、ステップS4105では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。ステップS4105の連続予告抽選処理では、既に連続予告フラグがオン設定された保留エリアが存在するか否かを確認する。そこで連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認されない場合であって、さらに、保留第1エリアにおいて完全外れ(リーチ状態が発生しない外れ)に対応する変動情報のみが記憶されている場合に、連続予告の抽選を行うようになっている。その一方で、連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認された場合には、連続予告の抽選を行わないようになっている。
尚、ステップS4105の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブル(大当たりに対応するものの方が外れに対応するものよりも当選し易い)を参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
ステップS4105の後、ステップS4106では、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461を1つ追加表示するための保留アイコン設定処理を行う。
図45(a)に示すように、装飾図柄表示装置42の下部に設けられた保留表示エリア462には、「浮き輪」を模した保留アイコン461が表示されるようになっている。本実施形態の保留表示エリア462は、保留情報記憶エリアの実行エリアに対応する実行対応エリア462aと、保留情報記憶エリア(第1及び第2保留情報記憶エリア)の保留エリアに対応する保留対応エリア462bとを備えており、最大で5つの保留アイコン461を表示可能となっている。尚、本実施形態では、第2変動表示に対応する保留アイコン461は導出されない構成となっている。
また、保留アイコン461は、対応する変動表示の大当たり期待度を示唆する態様で導出される場合がある。以下、かかる態様の保留アイコン461を「先読み保留アイコン463」とも称する。本実施形態の先読み保留アイコン463は、キャラクタが「浮き輪」を使用している態様で導出される。さらに、先読み保留アイコン463のキャラクタは複数種類用意されており、先読み保留アイコン463のパターンと、大当たり状態発生への当選期待度(大当たり期待度)とが対応付けられている。これにより、先読み保留アイコン463は、その態様によって大当たり期待度に関するランク付けがなされることとなり、先読み保留アイコン463を導出させることによって、大当たり期待度を示唆する(先読み保留予告演出を行う)ように構成されている。
また、先読み保留アイコン463が導出される場合には、当該先読み保留アイコン463に対応する変動表示が消化されるまでの間に、当該先読み保留アイコン463のパターンが変化する(保留変化演出が導出される)場合がある。つまり、ステップS4107の保留アイコン設定処理では、先読み保留アイコン463を導出させるか否かの抽選が行われ、否当選の場合には、保留アイコン461のパターンがデフォルト(浮き輪のみ)のものに決定される。一方、当選の場合には、保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選の場合には、対応する保留エリアの保留変化フラグをオン設定するとともに、先読み保留アイコン463のパターンとして、最終的に表示される可能性のある上限パターンと、上限パターンよりも大当たり期待度の低い(低ランクの)態様であって、最初に表示される仮パターンとを決定する。尚、仮パターンでは、最初はデフォルトの保留アイコン461を表示するにとどめるといった選択肢が存在するように構成してもよい。一方、否当選の場合には、先読み保留アイコン463のパターンとして1つのパターンを決定する。
そして、基本的には、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461のうち一番右側のものの右側に並ばせるようにして、決定されたパターンの保留アイコン461を表示させるといった処理が行われる。また、本実施形態では、ステップS4106において、保留表示エリア462に先読み保留アイコン463が導出される場合に、先読み保留演出中フラグがオン設定されるようになっている。
ステップS4106の後、又は、ステップS4101で否定判別された場合には、ステップS4107において、第2変動表示の先発コマンドを受信したか否か(第2変動表示の先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4107で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4107で肯定判別された場合には、ステップS4108において、第2保留情報記憶エリアに保留記憶されている第2変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチパターン、及び、第2変動時間の情報等を、第2保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。ステップS4109の後、本処理を終了する。
図37の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3913へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図38に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261からラッシュ付大当たりに対応する変動パターンコマンドを受信した場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が変動パターンコマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、変動パターンコマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、時短付大当たりに対応する変動パターンコマンドを受信した場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図39に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(左右の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図37の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図41を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、第1変動表示の変動パターンコマンドを受信したか否か(第1変動表示の変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
続くステップS4203では、第1保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS4203の後、ステップS4204において、連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4204の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチパターンは何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。
ステップS4204の後、ステップS4205において、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461をシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。尚、保留情報記憶エリアの各保留エリア、及び、実行エリアには、保留アイコン461の種別を記憶する保留アイコン記憶エリアが設けられており、当該保留アイコン461に関する情報についても、上記した保留情報記憶エリアのデータシフト処理にてシフトされるようになっている。
当該保留アイコンシフト処理は、かかるデータシフトに応じて保留アイコン461を再描画させるための処理であり、装飾図柄表示装置42では、第1変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、最も左に位置していた保留アイコン461が消去されるとともに、その右側に配置されていた保留アイコン461が一つ左にシフトされる(表示場所が移動する)ようになっている。
尚、本実施形態では、ステップS4205において、保留アイコン461を再描画する処理に先立って、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在する場合には、先読み保留アイコン463の保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選した場合に、先読み保留アイコン463のパターンを高ランクのものに変化させる(但し、上限パターンのランクは越えない)ようになっている。加えて、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在しないと判別される場合には、先読み保留演出中フラグがオフされる。さらに、先読み保留アイコン463のパターンを変化させることで、該先読み保留アイコン463が上限パターンに達した場合には、先読み保留演出中フラグがオフされるとともに、保留変化フラグがオフされるようになっている。
ステップS4205の後、又は、ステップS4201で否定判別された場合には、ステップS4206において、第2変動表示の変動パターンコマンドを受信したか否か(第2変動表示の変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4206で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4206で肯定判別された場合には、ステップS4207において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。続くステップS4208では、第2保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報記憶エリアの保留第1エリアに格納されているデータを実行エリアにシフトさせる。ステップS4208の後、本処理を終了する。
図37の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、装飾図柄の変動表示の表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。また、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに装飾図柄の変動表示(演出変動表示)等が継続される。
また、第1変動表示に対応する演出変動表示を開始させる際には、第1保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグがオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、第1変動表示に対応する演出変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
ここで、ステップS3907の表示設定処理において行われる変動表示設定処理について、図43を参照して説明する。尚、本実施形態の装飾図柄表示装置42における表示態様としては、基本的に、通常モード、及び、時短モードでは、第1変動表示に対応する第1演出変動表示(第1変動対応演出表示)が行われ、ラッシュモードでは、第2変動表示に対応する第2演出変動表示(第2変動対応演出表示)が行われる。
通常モードでは、図45(a)に示すように、停止表示された組合せによって当否抽選の結果等を教示、又は、示唆する装飾図柄の変動表示が行われるようになっている。そして、同じ数字の装飾図柄が有効ライン上に3つ並んで停止表示される(大当たり図柄の組合わせで停止表示される)ことで大当たり状態の発生が教示されるようになっている。さらに、装飾図柄の表示とともに、保留アイコン461が表示されるようになっている。
時短モードは、基本的に、通常モードと同じ態様となり、背景表示のみが異なるようになっている。また、保留アイコン461も表示される。
その一方で、ラッシュモードでは、図45(b)に示すように、装飾図柄は表示されないように構成されている。その代わりに、例えば、キャラクタが海中を進むアニメーションが導出されるとともに、魚群が通り過ぎたり、翻ったりするような表示態様によって「小当たり」を教示し、クジラ等の大きな生物の登場、宝箱の発見等の表示態様によって「大当たり」を教示するようになっている。さらに、ラッシュモードが開始されてからの第1及び第2変動表示の合計回転数が0回転〜40回転の間は背景が明るく設定され、41回転〜70回転の間は背景がやや暗く設定され、70回転目の小当たりで背景が暗くなり、かつ、キャラクタが船の近くに浮かび上がったような表示が導出される。
また、入球カウントスイッチ226の検知に基づいて、大当たりが発生するチャンスを示唆する表示として、魚影を導出したり、登場キャラクタが所定の動作を行ったりするように構成してもよい(当該示唆は、大当たりが発生せず、入球カウンタの値が「0」になれば表示態様が戻る)。さらに、特定入球部145への入球に基づいて大当たり状態(役物大当たり)が発生した場合、装飾図柄表示装置42では、その他の表示に優先して、大当たり状態の発生を教示する表示を行うことが望ましい。
尚、ラッシュモードにおいて、装飾図柄が表示される図柄演出モードと、装飾図柄が表示されないアニメ演出モードとから選べるように構成してもよい。但し、保留アイコン461はどちらの演出モードでも表示されない。また、図柄演出モードとしては、例えば、装飾図柄がチャンス図柄の組合わせ(リーチ状態から有効ライン上にクジラ図柄が停止表示される)で停止表示されると小当たりとなり、装飾図柄がゾロ目の大当たり図柄の組合わせで停止表示されると大当たりとなるように構成することが考えられる。
先ず、ステップS4501では、第2変動表示に対応する第2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する。尚、第1又は第2変動パターンコマンドに含まれる各種変動情報は、対応する保留情報記憶エリアの実行エリアに記憶されるように構成してもよいし、別途の記憶エリアに記憶されるように構成してもよい。さらに、例えば、保留処理(図41参照)において第2変動パターンコマンドを受信したことに対応する処理を行った場合に第2変動受信フラグをオンし、ステップS4501で肯定判別された場合に、第2変動受信フラグがオフされるような構成とし、ステップS4501では、第2変動受信フラグを確認することで、第2変動パターンコマンドを受信したか否かの判別を行うこととしてもよい。
ステップS4501で肯定判別された場合には、ステップS4502において、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別する。
ステップS4502で肯定判別された場合には、すなわち、ラッシュモードである場合には、ステップS4503において、第2変動パターンコマンドに含まれる大当たり及び小当たりのどちらであるかの情報、大当たり種別、及び、第2変動時間等に基づいて、第2演出変動表示のパターンを決定する第2演出変動表示設定処理を行う。ステップS4503の後、後述するステップS4506に移行する。
また、ステップS4502で否定判別された場合、すなわち、通常モード又は時短モードである場合には、ステップS4504において、強制的に第2変動表示に対応する第2演出変動表示を導出させるための第2強制表示コマンドを受信しているか否かを判別する。
ステップS4504で否定判別された場合には、後述するステップS4506に移行する。つまり、通常モード及び時短モードでは、基本的に、第2特別表示装置43bで第2変動表示が開始されようとも、装飾図柄表示装置42において、それに対応する演出表示(第2演出変動表示)は導出されないようになっている。
一方、ステップS4503で肯定判別された場合、すなわち、通常モード又は時短モードではあるが、大当たりに対応する第2変動表示が開始される場合には、ステップS4505において、特例として、第2演出変動表示を、装飾図柄表示装置42において、装飾図柄の変動表示という第1演出変動表示と同様の態様で導出させるための特殊第2演出変動表示設定処理を行う。尚、通常モード及び時短モードにおいて、第2変動表示が行われても、保留アイコン461の態様に変化はないが、特殊第2演出変動表示設定処理が行われる場合にだけ、第2変動表示と並行して行われている第1変動表示に対応する保留アイコン461を、第2変動表示に対応するようにしたり、或いは、第1変動表示が行われていなかった場合に、第2変動表示に対応する保留アイコン461を導出させたりするように構成してもよい。
ステップS4505、又は、ステップS4503の後、或いは、ステップS4501、又は、ステップS4504で否定判別された場合には、ステップS4506において、第1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4506で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4506で肯定判別された場合には、ステップS4507において、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別する。
ステップS4507で否定判別された場合、すなわち、通常モード又は時短モードである場合には、ステップS4508において、第1変動パターンコマンドに含まれる大当たりのどちらであるかの情報、大当たり種別、リーチパターン、及び、第1変動時間等に基づいて、第1演出変動表示のパターンを決定する第1演出変動表示設定処理を行う。ステップS4508の後、本処理を終了する。
また、ステップS4507で肯定判別された場合、すなわち、ラッシュモードである場合には、ステップS4509において、強制的に第1変動表示に対応する第1演出変動表示を導出させるための第1強制表示コマンドを受信しているか否かを判別する。
ステップS4509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、ラッシュモードでは、基本的に、第1特別表示装置43aで第1変動表示が開始されようとも、装飾図柄表示装置42において、それに対応する演出表示(第1演出変動表示)は導出されないようになっている。
一方、ステップS4509で肯定判別された場合、すなわち、ラッシュモードではあるが、大当たりに対応する第1変動表示が開始される場合には、ステップS4510において、特例として、第1演出変動表示を、装飾図柄表示装置42において、第2演出変動表示と同様の態様で導出させるための特殊第1演出変動表示設定処理を行う。ステップS4510の後、本処理を終了する。
尚、特殊第1演出変動表示設定処理や、特殊第2演出変動表示設定処理では、変動回数カウンタの値が「70」であるか否かを判別することで、当該変動表示が大当たり状態終了後の1回転目の変動表示であるか否かを判別する1回転目判別処理と、装飾図柄表示装置42で演出変動表示が行われていない状態であるか否かを判別する演出割込み判別処理とを行い、どちらか一方でも肯定判別された場合には、対応する変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて、演出変動表示のパターンを決定し、両方で否定判別された場合には、既に行われている演出変動表示を、特殊第1演出変動表示設定処理、又は、特殊第2演出変動表示設定処理で設定された演出変動表示に切替える(演出変動表示を繋ぐ)際の演出表示についても設定するように構成する。
次に、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図42を参照して説明する。先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる大当たり種別情報に基づいて、「15RS」であれば「15」を設定し、「8RS」、又は、「8RN」であれば「8」を設定する。
その後、ステップS4703において、オープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。本実施形態では、ラウンド把握カウンタの値が「15」、又は、「8」の場合には8秒間のオープニング演出を行うこととなる。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704において特定入賞コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、すなわち、特定入球部145への入球に基づいて大当たり状態が発生する場合には、ステップS4702において、ラウンド把握カウンタに対し、特定入賞コマンドに含まれる大当たり種別情報に基づいて、「15RS」であれば「14」を設定し、「8RS」、又は、「8RN」であれば「7」を設定する。
その後、ステップS4703において、オープニング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。本実施形態では、ラウンド把握カウンタの値が「14」、又は、「7」の場合には2秒間のオープニング演出を行うこととなる。
また、ステップS4704で否定判別された場合には、ステップS4705において、ラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4705で肯定判別された場合、ステップS4706において、最大で30秒になるラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4705で否定判別された場合、ステップS4707において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4707で肯定判別された場合、ステップS4708でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4709で4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4707で否定判別された場合、ステップS4710においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4710で肯定判別された場合、ステップS4711でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4712で10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4710で否定判別された場合、ステップS4713において大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4713で肯定判別された場合には、ステップS4714において、エンディング表示を直ちに終了させるとともに、変動表示が行われる通常の遊技状態の態様とする大当たり表示終了処理を行う。つまり、本実施形態では、このタイミングで、時短開始コマンド、及び、ラッシュ開始コマンドのどちらかを受信しているので、かかるコマンドに基づいて、時短モード、又は、ラッシュモードに対応する演出ステージを導出する。ステップS4714の後、本処理を終了する。
また、ステップS4713で否定判別された場合には、ステップS4715において、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4715で肯定判別された場合には、ステップS4716において、小当たり状態中の演出表示等を導出するための小当たり演出設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS4715で否定判別された場合には、ステップS4717において、小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4717で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4717で肯定判別された場合には、ステップS4718において、小当たり演出表示を直ちに終了させるとともに、変動表示が行われる通常の遊技状態の態様とする小当たり表示終了処理を行う。ステップS4718の後、本処理を終了する。
図37の説明に戻り、ステップS3908では、装飾図柄表示装置42の変動表示の停止に関する変動停止処理を実行する。ここで、変動停止処理について、図44を参照して説明する。
先ず、ステップS4401では、特図2停止コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4401で肯定判別された場合には、ステップS4402において、第2演出変動表示の導出中であるか否かを判別する。ステップS4402で肯定判別された場合、ステップS4403において、第2演出変動表示を停止表示させる処理を行う。ステップS4403の後、後述するステップS4407に移行する。
一方、ステップS4402で否定判別された場合、すなわち、第2特別表示装置43bの変動表示は行われていたが、装飾図柄表示装置42では、それに対応する第2演出変動表示が行われていなかった場合(第1演出変動表示が行われていた場合)には、後述するステップS4407に移行する。
また、ステップS4401で否定判別された場合には、ステップS4404において、特図1停止コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4404で肯定判別された場合には、ステップS4405において、第1演出変動表示の導出中であるか否かを判別する。ステップS4405で肯定判別された場合には、ステップS4406において、第1演出変動表示を停止させる処理を行う。ステップS4406の後、ステップS4407に移行する。一方、ステップS4405で否定判別された場合、すなわち、第1特別表示装置43aの変動表示は行われていたが、装飾図柄表示装置42では、それに対応する第1演出変動表示が行われていなかった場合(第2変動表示が行われていた場合)には、ステップS4407に移行する。
ステップS4407では、特図2強制停止コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4407で肯定判別された場合、すなわち、第1特別表示装置43aにおいて第1変動表示が大当たり状態を教示する態様で停止表示され、それに伴い、変動表示中であった第2特別表示装置43bの第2変動表示が強制的に停止表示された(強制終了させられた)場合には、ステップS4408において、第2演出変動表示を直ちに終了させる処理を行う。
一方、ステップS4407で否定判別された場合には、ステップS4409において、特図1強制停止コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4409で肯定判別された場合、すなわち、第2特別表示装置43bにて第2変動表示が大当たり又は小当たりに対応する態様にて停止表示され、それに伴い、変動表示中であった第1特別表示装置43aの第1変動表示が強制的に停止表示された(強制終了させられた)場合には、ステップS4410において、第1演出変動表示を直ちに終了させる特図1強制停止処理を行う。
ステップS4408、ステップS4410の後、又は、ステップS4409で否定判別された場合には、ステップS4411において、サポート終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4411で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4411で肯定判別された場合、すなわち、時短モード、及び、ラッシュモードにおいて、第1変動表示及び第2変動表示が合計で70回行われた場合には、ステップS4412において、装飾図柄表示装置42に表示されている演出ステージを、「通常ステージ」に変更させる処理を行う。その後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では第1変動表示に関して小当たり状態に当選することがないことから、ステップS4408の後、本処理を終了させる構成としてもよい。
ここで、遊技の進行に伴う第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、及び、装飾図柄表示装置42における変動表示の流れについて、図49を参照して説明する。
先ず、図49(a)に示すように、通常モードでは、第1変動表示がミドル変動表示として設定され、第2変動表示がロング変動表示(本実施形態では最短でも200分)として設定されることから、実質的に、第1変動表示のみを順次消化させるような遊技となる。当該通常モードでは、装飾図柄表示装置42において、第1変動表示に関連する表示(第1演出変動表示等)が導出され、第2変動表示に関連する表示が導出されない第1表示状態とされる。
また、第1変動表示にて「8RS」の大当たりが教示された場合には、「8RS」の大当たり状態が行われ、大当たり状態終了後に、ラッシュモードに移行する。ラッシュモードでは、第1変動表示がロング変動表示(本実施形態では最短でも120分)として設定され、第2変動表示がショート変動表示として設定されることから、実質的に、第2変動表示のみを順次消化させるような遊技となる。
さらに、本実施形態では、(第2変動表示の保留がない状態において)第2始動入賞装置33cに遊技球が入球した場合に、大当たり及び小当たりのどちらかに必ず当選する構成であり、かつ、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方で、大当たり及び小当たりを教示する停止表示がなされた場合に、他方を強制的に停止表示させるといった構成となっている。このため、ラッシュモードでは、第2変動表示で大当たりが教示されない場合には、当該第2変動表示で小当たりが教示されることとなり、該第2変動表示の終了とともに、第1変動表示が「外れ」に対応する態様で強制的に停止表示(強制終了)され、かつ、小当たり状態が開始される。
小当たり状態終了後は、第1特別変動保留エリア、及び、第2特別変動保留エリアの保留第1エリアに記憶されている変動情報に対応する第1変動表示、及び、第2変動表示が開始されるようになっている。つまり、小当たり状態発生時に強制的に停止表示された第1変動表示は消去されるような格好となる。尚、小当たり状態の発生に基づいて、遊技モードが変更されることはない。但し、小当たりとなった第2変動表示が、ラッシュモードや時短モードの上限である70回転目の変動表示であった場合、小当たり状態後は、通常モードとなり、通常モードに対応する第1変動表示、及び、第2変動表示が行われる。
また、ラッシュモードでは、装飾図柄表示装置において、第2変動表示に関連する表示(第2演出変動表示等)が導出され、第1変動表示に関連する表示が導出されない第2表示状態とされる。
また、例えば、ラッシュモードで発生した小当たり状態において、第2可変入賞装置32bの特定入球部145に遊技球が入球し、「8RN」の大当たり状態が発生した場合、大当たり状態終了後に、時短モードに移行する。図49(b)に示すように、時短モードでは、第1変動表示がショート変動表示として設定され、第2変動表示がロング変動表示として設定されることから、実質的に、第1変動表示のみを順次消化させるような遊技となる。
また、時短モードでは、装飾図柄表示装置において、第1変動表示に関連する表示が導出され、第2変動表示に関連する表示が導出されない第1表示状態とされる。
そして、第1変動表示で大当たり(例えば、「8RS」)の発生が教示された場合には、当該第1変動表示の終了とともに、第2変動表示が「外れ」に対応する態様で強制的に停止表示(強制終了)され、かつ、大当たり状態が開始される。
また、図49(c)に示すように、ラッシュモードにおいて大当たり状態が発生することなく、第2変動表示が上限となる70回行われ、当該第2変動表示に対応する小当たり状態に際しても大当たり状態が発生しなかった場合には、当該小当たり状態の終了後に、通常モードに移行する。小当たり状態終了後は、第1特別変動保留エリア、及び、第2特別変動保留エリアの保留第1エリアに記憶されている変動情報に基づいて、通常モードに対応して変動パターンが設定された第1変動表示、及び、第2変動表示が開始されるようになっている。つまり、第1変動表示がミドル変動表示として設定され、第2変動表示がロング変動表示として設定される。
また、図50(d)に示すように、通常モードにおいて第1通常始動入賞装置33a、又は、第1サポート始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われた当否抽選で「8RS」の大当たりに当選し、当該当否抽選に結果を教示する第1変動表示が行われ、当該第1変動表示が停止表示されて、「8RS」の大当たり状態が発生した場合(第1変動表示で「8RS」の大当たり状態が発生した場合)、大当たり状態の終了後はラッシュモードとなるものの、大当たり状態終了後の1回転目の第2変動表示が小当たりに対応し、1回転目の第1変動表示が大当たりに対応している場合、第1変動表示についてもショート変動表示として設定される(図20の第1変動時表示設定処理のステップS904参照)。
さらに、ラッシュモードでは、基本的に第2表示状態であるが、大当たりとなる第1変動表示を変動表示させる際に、主制御装置261から、第1変動パターンコマンドとともに、第1強制教示コマンドを受信するため、図43の変動表示設定処理のステップS4509で肯定判別され、ステップS4510で、当該大当たりとなる第1変動表示に対応する第1演出変動表示を行うための特殊第1演出変動表示設定処理を行う。但し、当該第1演出変動表示(特殊第1演出変動表示)は、第2変動状態(ラッシュモード)における第2演出変動表示に準拠した態様をなし、例えば、第2演出変動表示で装飾図柄を使用しない場合には、特殊第1演出変動表示についても装飾図柄を使用せずに、第2演出変動表示で大当たりを教示する場合と同様の態様が導出される。
尚、特殊第1演出変動表示は、同時に行われる第2変動表示よりも変動時間が必ず短く(或いは同じに)設定される等して、第2変動表示が行われていない時間が(ほぼ)なくなるように構成してもよい(例えば、必ず15秒に設定される等)。
また、本実施形態では、図10に示すように、第2特別表示制御処理を、第1特別表示制御処理よりも前に行うことから、例えば、大当たり状態終了後の1回転目の第1変動表示と、1回転目の第2変動表示とがともに大当たりに対応している場合に、特図1大当たり確定フラグがオン設定される前に、特図2大当たり確定フラグをオン設定することができ(図23のステップS1702参照)、第2変動表示の方の大当たりを優先させることができる。
加えて、図50(e)に示すように、ラッシュモードが終了し、通常モードが開始される1回転目の第2変動表示が大当たりに対応している場合、第2変動表示についてもショート変動表示として設定される(図23の第2変動時表示設定処理のステップS1706参照)。
さらに、通常モードでは、基本的に第1表示状態であるが、大当たりとなる第2変動表示を変動表示させる際に、主制御装置261から、第2変動パターンコマンドとともに、第2強制教示コマンドを受信するため、図43の変動表示設定処理のステップS4504で肯定判別され、ステップS4505で、当該大当たりとなる第2変動表示に対応する第2演出変動表示を行うための特殊第2演出変動表示設定処理を行う。但し、当該第2演出変動表示(特殊第2演出変動表示)は、第1変動状態(通常モード)における第1演出変動表示に準拠した態様をなし、装飾図柄を使用して、第1演出変動表示で大当たりを教示する場合と同様の態様が導出される。
尚、特殊第2演出変動表示は、同時に行われる第1変動表示よりも変動時間が必ず短く(或いは同じに)設定される等して、第1変動表示が行われていない時間が(ほぼ)なくなるように構成してもよい(例えば、必ず15秒に設定される等)。
また、図示は省略するが、「8RN」の大当たり状態終了後の1回転目の第2変動表示が大当たりであった場合にも、当該第2変動表示がショート変動表示として設定され、特殊第2演出変動表示設定処理が行われるようになっている。
加えて、例えば、通常モード、又は、時短モードにおいて、第2変動表示中であって、かつ、第2特別変動保留エリアの保留第1エリアに対して大当たりとなる第2変動表示(以下、当たりの第2変動表示という)が保留記憶されている場合、当該当たりの第2変動表示は、第1変動表示での当選がなければ、変動中の第2変動表示が200分〜500分後に停止表示された後に、ショート変動として設定される。この場合、当該当たりの第2変動表示が開始される際に、第1変動表示中であり、第1演出変動表示中であることも考えられる。第1演出変動表示の進行状況に応じて、第2演出変動表示へのスムースな移行が難しい場合には、あえて、第2演出変動表示に移行するといった演出(例えば、暗転等してから全回転演出等)を挟むように構成してもよい。
図37の説明に戻り、ステップS3909のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3910の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる演出表示に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3910で行われる。
ステップS3911では、客待ち演出の制御設定等その他の処理を行う。つまり、遊技者が遊技していない状態が規定時間継続した場合に、客寄せモード又は省エネモードに移行する構成であって、装飾図柄表示装置42では、客待ち演出として、装飾図柄が表示されない(代わりに一連の動画が表示される、或いは、静止画が表示される)、画面が暗めになる等するデモ画面表示が導出されるようになっている。尚、ロング変動表示の変動表示中であっても、デモ画面表示が行われ得るように構成されている。
ステップS3912では、上記ステップS3905〜S3912の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3912の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3913に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3914に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3913で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3915において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態では、第1変動表示と、第2変動表示とを並行して行うことのできる構成において、第2変動時間がかなり長い(基本的に第1変動表示だけが行われる)第1変動状態と、第1変動時間がかなり長い(基本的に第2変動表示だけが行われる)第2変動状態とに状態変化可能に構成されている。これにより、例えば、第1始動入球手段に遊技球を入球させて第1変動表示を実行させることを目的とする第1変動状態において、第1変動時間が通常の長さの通常モードと、第1変動時間が短く、第1変動表示を比較的ハイピッチで進行させることのできる時短モードとを設定することができる上、第2始動入球手段に遊技球を入球させて第2変動表示を実行させることを目的とする第2変動状態において、第2変動時間が短く、第2変動表示を比較的ハイピッチで進行させることのできるラッシュモードを設定することが可能となる。従って、第1当否抽選(大当たり抽選)において大当たり状態に当選する確率を変えるという構成を具備せずとも、遊技性が変化する遊技状態(遊技モード)を3つ付与することができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
さらに、時短モード、及び、ラッシュモードにおいて、球減りを抑制することのできる特典(第1サポート始動入賞装置33bの羽根部材37が開放され易い高入球状態)を付与することにより、第1当否抽選にて第1特別遊技状態に当選する確率が常に一定となる構成であっても、時短モード、及び、ラッシュモードは、通常モードに比べ、少なくとも球持ちの良い状態となり、遊技者にとって通常モードよりも有利な遊技状態を2つ設定することができる。従って、大当たり状態の終了後に、ラッシュモードが付与されない場合であっても、通常モードではなく、時短モードが付与されることで、遊技者の落胆が軽減されるとともに、遊技意欲の向上を図ることができる。
しかも、時短モードでは、基本的に第1当否抽選で当選しないと大当たり状態を発生させることができないが、ラッシュモードでは、第1当否抽選で大当たりに当選した場合に加え、第2当否抽選で小当たりに当選し、当該当選に基づいて開放された第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が特定入球部145に入球した場合にも、大当たり状態を発生させることができる。さらに、第1変動表示に関して大当たりに当選する場合よりも、第2変動表示に関して大当たりに当選する方が、ラッシュ付大当たりに振り分けられる割合が高くなっている。このように、時短モードと、ラッシュモードとの間にもしっかりと遊技者にとっての有利さに関する差を設けることができ、遊技性や演出性の向上等を図ることができる。
本実施形態では、遊技球が入球することで第1変動表示が行われる第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bと、遊技球入球することで第2変動表示が行われる第2始動入賞装置33cとが設けられている。
第1サポート始動入賞装置33bは羽根部材37を備え、当該第1サポート始動入賞装置33bへの入球を規制する閉状態と、第1サポート始動入賞装置33bへの入球が容易になる開状態とに状態変化可能に構成されている。
さらに、第1サポート始動入賞装置33bは、遊技領域に右側方領域の下部に設けられ、開状態であれば、右打ちされた遊技球が入球し得るようになっている。
加えて、第2始動入賞装置33cについても右側方領域の上部に設けられている。従って、時短モードで第1サポート始動入賞装置33bへの入球を狙って右打ちされた遊技球が、第2始動入賞装置33cにも入球し得るように構成されているとともに、ラッシュモードで第2始動入賞装置33cへの入球を狙って右打ちされた遊技球が第1サポート始動入賞装置33bにも入球し得るように構成されている。
つまり、本実施形態では、時短モード、及び、ラッシュモードのどちらであっても、第1サポート始動入賞装置33bへ遊技球を入球させ易くすることで、球減りを抑制する構成となっている。このため、例えば、第1サポート始動入賞装置33bだけでなく、第2始動入賞装置33cにも羽根部材を設け、時短モードでは、第1サポート始動入賞装置の高入球状態とし、ラッシュモードでは、第2始動入賞装置33cの高入球状態とするような場合(所謂、「電チュー」が2つになってしまうような構成とする場合)に比べ、制御の簡素化、低コスト化等を図ることができる。
さらに、ラッシュモードにおいて第1サポート始動入賞装置33bに遊技球が入球したり、時短モードにおいて第2始動入賞装置33cに遊技球が入球したりしても、上記のように、ラッシュモードでは第1変動時間が長く、時短モードでは第2変動時間が長く設定されることから、ラッシュモードにおいて第1変動表示がどんどん消化されたり、時短モードにおいて第2変動表示がどんどん消化されたりするといった事態を回避することができる。
加えて、例えば、第1サポート始動入賞装置33bが省略され、第2可変入賞装置32bに開閉部材が設けられる場合には、時短モードにおいて、第1通常始動入賞装置33aに遊技球を入球させつつ、開状態とされた第2始動入賞装置33cに遊技球を入球させることができることから、球減りを抑制しつつ、第1変動表示を行っていくことが可能ではあるが、第1通常始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さが通常モードと変わらない。また、第1サポート始動入賞装置33bを省略するのではなく、開閉部材37を省略するとともに、遊技球が常に入球し易いような構成とする場合、通常モードでも第1サポート始動入賞装置33bを狙う方が有利になるため、第1通常始動入賞装置33aの存在意味がなくなるとともに、通常モードと時短モードとの差があまりなくなってしまう。
この点、開閉部材37を第1サポート始動入賞装置33bに設けることで、時短モード及びラッシュモードでは第1サポート始動入賞装置33bに遊技球が入球し易く、通常モードでは、時短モード及びラッシュモードに比べ第1サポート始動入賞装置33bに遊技球が入球し難いといった構成を付加することができる。従って、時短モードと、通常モードとの差をはっきりとさせることができ、遊技にメリハリを付けることができる。
さらに、第1変動表示を行うための第1始動入球手段として、第1通常始動入賞装置33aと、第1サポート始動入賞装置33bとが設けられていることから、第1始動入球手段を、高入球状態を実現するための第1サポート始動入賞装置33bと、低入球状態において第1当否抽選を実行可能とするための第1通常始動入賞装置33aとに分けて、それぞれを好適な位置に設置することができる。つまり、第1通常始動入賞装置33aに入球し得るように遊技球を打ち出すと、当該遊技球が第2始動入賞装置33cに入球する可能性はないように配置したり、第2始動入賞装置33cに入球し得るように打出された遊技球がより入球し易い位置に第1サポート始動入賞装置33bを配置したりすることができる。従って、各遊技モードにおいて必要・便利な機能をより確実に発揮させることができ、よりスムースな遊技の進行を図ることができる。
加えて、本実施形態の第2始動入賞装置33cは常に遊技球を入球させることができるとともに、第2始動入賞装置33cは第1通常始動入賞装置33aよりも遊技球が入球し易くなるように構成されている。このため、ラッシュモードにおいて第2変動表示をテンポよく進行させることができ、ラッシュモードにおける爽快感等をより確実なものとすることができる。また、第2始動入賞装置33cに関しては、常に遊技球が入球し易い構成としても、時短モードや通常モードでは第2変動時間が長くなることから、時短モードや通常モードで第2変動表示がどんどんと消化されるといった事態を回避することができる。
さらに、第1通常始動入賞装置33aに遊技球を入球させて第1変動表示を実行させていく遊技を行う通常モード(第1変動状態)から、第2始動入賞装置33cに遊技球を入球させて第2変動表示を実行させていく遊技を行うラッシュモード(第2変動状態)へと移行する場合に、第2始動入賞装置33cに羽根部材が設けられるとともに、ラッシュモードでのみ開状態とされる、或いは、通常モードや時短モードでは開状態とされ難いといった構成であると、ラッシュモードの開始時には未だ第2変動表示の保留記憶がされておらず、第1変動表示のみが行われてしまうことが懸念される。つまり、第1変動表示で大当たり状態に当選するよりも、第2変動表示で大当たり状態に当選する方が遊技者にとって有利な場合には、かかる事態の発生に興趣の低下を招くことが懸念される。この点、第2始動入賞装置33cを常時入球可能とし、さらに、大当たり状態を挟んで通常モードからラッシュモードへと移行する構成において、大当たり状態では、第2始動入賞装置33cへの入球が望める領域への遊技球の発射(本例では右打ち)が求められるような構成とすることにより、大当たり状態中に第2変動表示が保留記憶され、ラッシュモードの開始時には、第2変動表示を直に開始させることができる。従って、ラッシュモードが開始されたものの、第1変動表示が行われ、第2変動表示が行われないといった事態を抑制することができ、遊技をスムースに進行させることができる。
尚、本実施形態では、遊技領域のうちセンターフレーム47の右方の領域である右側方領域に第2始動入賞装置33c、スルーゲート34、第1サポート始動入賞装置33b、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bが設けられ、時短モード、ラッシュモード、及び、大当たり状態、及び、小当たり状態においては、「右打ち」をしていれば、遊技をスムースに進行させることができ、通常モードでは、「左打ち」をすることで遊技を進行させることができる。従って、各遊技状態(遊技モード)における遊技球の打ち分け操作や、どの辺りに打ち出せばよいのかの理解を容易なものとすることができる。
また、第1サポート始動入賞装置33bは、右側方領域において、第2始動入賞装置33cよりも下流側に配置されている。この場合、開状態とされた第1サポート始動入賞装置33bによって第2始動入賞装置33cへの入球が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。
また、例えば、第1当否抽選で大当たり状態に当選し、大当たり状態を挟んで通常モードからラッシュモードに移行する場合、大当たり状態後、第2変動表示をメインに順次実行させる必要があるが、通常モードで変動時間が設定された第2変動表示が大当たり状態終了後にも引き継がれる場合であって(大当たり状態の発生で中断され、大当たり状態の終了で再開される場合であって)、通常モードにおいて設定された第2変動時間が未だに長く残存している場合には、ラッシュモードにおいて第2変動表示が長いこと終了せず、遊技が進行しなくなる(場合によっては、ホール関係者によってリセットしてもらう必要が生じてしまう)ことが懸念される。
さらに、ラッシュモードから通常モードに移行する場合にも、ラッシュモードにおいて設定された第1変動時間が通常モードに移行しても引き継がれることで、第1変動表示が長いこと終了せず、遊技が進行しなくなることが懸念される。
この点、本実施形態のように、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方の変動表示において大当たり状態、及び、小当たり状態が発生する旨が教示された場合に、他方の変動表示を、外れを教示する態様で強制的に停止表示(強制終了)させることで、上記のように、通常モード(及び時短モード)と、ラッシュモードとの間の状態移行を跨いで変動時間が引き継がれることで、当該変動表示が終わらず、遊技が滞るといった事態を回避することができる。
また、ラッシュモードにおける第2当否抽選では、毎回、大当たり状態、及び、小当たり状態のどちらかに当選するように構成することで、第1変動表示をほぼ毎回(第1変動表示が大当たりした場合以外)、強制的に終了させ、次の第1変動表示の時間を新たに設定することができる。このため、ラッシュモードでは、第1変動表示の時間をとても長くなるように設定しなくても、(ほぼ)同時に開始される第2変動時間よりも僅かにでも長く設定されていれば、第2変動表示が行われている限り、第1変動表示が通常に(第1変動時間が全うされて)停止表示されることはない。従って、遊技者の意図に反し、ラッシュモードにおいて、第1変動表示が停止表示されてしまうといった事態を確実に回避することができる。
尚、本実施形態では、時短モードやラッシュモードにおいて行われる変動表示の回数に上限が設定されているが、(変動表示の開始時ではなく、)変動表示の停止時に変動回数のカウント(変動回数カウンタ)を更新する処理を行い、かつ、強制的に停止表示される変動表示はカウントの対象とされないように構成されている。つまり、強制的に停止表示される変動表示は、対応する当否抽選の結果に関係なく、外れに対応する態様で停止表示される(当否抽選の結果が反映されない、実質的には消去される)ことから、変動表示のカウントに含められない。これにより、例えば、ラッシュモードにおいて、第1変動表示を、変動表示としてカウントすること(第2変動表示の消化だけでなく、第1変動表示の消化によっても残り回数が消費されてしまうこと)を回避し、より高確率(第1変動表示で大当たりした場合は第1変動表示が行われる)で第2変動表示を上限回数分行うことができる。
また、本実施形態では、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bで大当たり状態が重複して導出されてしまうことを回避するべく、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bのうち一方で大当たり状態の発生が教示される変動表示が行われている場合には、他方では新たに変動表示を開始しないように構成されている。このため、ラッシュモードにおいて、大当たり状態の発生を教示する第1変動表示が開始される場合には、第2変動表示を行うことができなくなる上、当該第1変動表示の第1変動時間がロング変動表示(120分〜360分)として設定される場合には、遊技を進行させることができなくなってしまうことが懸念される。
この点、本実施形態では、ラッシュモードであっても、大当たり状態の発生を教示する第1変動表示が開始される場合には、当該第1変動表示の第1変動時間を長く設定することを回避する(本例では、15秒又は20秒)ことで、当該第1変動表示を比較的早めに終了させて、大当たり状態を発生させることができ、上記不具合を払拭することができる。従って、遊技の進行が妨げられ、興趣の低下を招いたり、不信感を抱かれたりすることを回避するとともに、例えば、エラー解除操作を必要とする場合に遊技ホール関係者の手間が増えてしまうといった事態を回避することができる。
さらには、通常モードや時短モードであっても、大当たり状態の発生を教示する第2変動表示が開始される場合には、当該第2変動表示の第2変動時間を長く設定することを回避する(本例では15秒又は20秒に設定される)ことで、当該第2変動表示を比較的早めに終了させ、大当たり状態を発生させることができる。従って、電源立ち上げ後、最初の第2変動表示が大当たりに対応している場合や、ラッシュモードから通常モードに移行した時の最初の第2変動表示が大当たりに対応している場合や、時短モードが開始される際に最初の第2変動表示が大当たりに対応している場合などにおいて、(2回目の)第1変動表示がいつまでたっても始まらない(放っておくと最速で約3時間後)といった不具合を払拭することができる。従って、遊技の進行が妨げられ、興趣の低下を招いたり、不信感を抱かれたりすることを回避するとともに、例えば、エラー解除操作を必要とする場合に遊技ホール関係者の手間が増えてしまうといった事態を回避することができる。
また、通常モードで遊技を終了する際に、第2変動表示が大当たり状態ではないことが把握できる(遊技ホール関係者に聞けば、大当たりであれば停止表示されている筈であることを教えてくれる)ことから、遊技者が変動表示を残して遊技を終了することへの抵抗感や不快感を軽減し、実質的な損失についても軽減させることができる。
尚、通常モードにおいて第2変動表示が行われ、かつ、第1通常始動入賞装置33aへ入球し得ない位置の遊技球の検知(スルーゲート34や第2始動入賞装置33c等への入球に基づく検知)が行われた場合に、第1通常始動入賞装置33aへの入球を促す(左打ちを促す)案内情報を導出可能に構成されていることとしてもよい。この場合、それ以上、第2始動入賞装置33cに遊技球を入球させても、第2変動表示を消化させることができない状態において、第2始動入賞装置33cを狙って遊技球を発射させるといった無駄な行為を中止させ、遊技者の損失を防止することができる。
加えて、本実施形態では、第2変動表示の保留記憶が最大で1つとなっている。つまり、遊技を終了する場合には、通常モードである場合が多く、また、通常モードにおいて第2変動表示を保留させたとしても、ラッシュモードに移行させない限り、かなり長い時間(最短で3時間)に設定された第2変動時間が終わるまで長いこと待つ必要がある。このため、第2変動表示の保留が残っていても、そのまま第2変動表示の保留を残して遊技を終了することになる。
この点、本実施形態によれば、ラッシュモードの終了で右打ちを止め、直後の通常モードで第2始動入賞装置33cに入球しなければ、通常モードの開始とともに、保留されていた第2変動表示が開始されるとともに、第2変動表示の保留がなくなる。さらに、上記のように、第2変動表示が大当たりに対応していれば、ロング変動表示とはならず、比較的早期に停止表示されることから、大当たりになるような第2変動表示を残して遊技を終了しなければならないといった事態を回避することができる。従って、通常モードにおいて遊技を終了する場合には、実行中の大当たりではない第2変動表示が残されただけの状態とすることができ、遊技を終了する際の遊技者の心象が悪化するといった事態を抑制することができる。さらに、遊技者が遊技を終了した後、別の遊技者が遊技を開始し、比較的早期に通常モードにおいて、大当たり状態が発生した場合には、先に遊技を行っていた遊技者が、それは自分が保留させていた変動表示ではないのかという疑念を抱いたり、トラブルになったりしてしまうといった事態を抑止することができる。
加えて、例えば、通常モードにおいて、第2変動表示の保留記憶を確認して(所謂、先読みして)、大当たり状態に当選している場合には、当該大当たり状態に対応する第2変動表示までの第2変動表示の全ての第2変動時間を比較的短く設定することも考えられるが、この場合、第2変動時間が比較的短く設定されない場合には、保留されている第2変動表示が大当たり状態に対応していないことが確定する。このため、第2変動表示を保留可能な数が多いほど、いざラッシュモード状態となった場合に、先ずは、確実に大当たり状態に当選していない保留されている分の第2変動表示が消化されることとなる。これにより、遊技者が気分を害することも考えられることから、第2変動表示の保留は極力少ない方が望ましい。
また、第1変動表示に関しては、4つ保留記憶させることができることによって、通常モード、及び、時短モードにおける遊技性や演出性を向上させることができる。加えて、第2変動表示に関しても1つではあるが保留を行えるようにすることで、大当たり状態の最中に保留記憶された第2変動表示を当該大当たり状態の直後に導出させる等、ラッシュモードにおいて第2変動表示が行われていない期間を極力少なくすることができるとともに、大当たり状態の直後の第2変動状態において第1変動表示及び第2変動表示が両方とも大当たり状態に対応していた場合に、第2変動表示の方を優先させることも可能となる。
さらに、第2変動表示をロング変動表示とする場合の第2変動時間は1パターンではなく、複数パターン用意されている(200分、240分、360分、380分、及び、500分)。このように、ロングパターンが選択された場合の第2変動表示の長さが複数パターンあることによって、ロングパターンの第2変動表示がいつ終わるのかを把握され難くすることができる。つまり、例えば、ロングパターンの第2変動表示が開始されたとしても、当該第2変動表示が遊技ホールの営業時間内に終わるような場合であって、第2変動表示が行われた場合には、第1特別遊技状態又は第2特別遊技状態のどちらかに必ず発生する構成の場合には、通常モードで第2始動入賞装置33cに遊技球を入球させて第2変動表示を開始させてから、遊技球を発射させることなく待機し、当該ロングパターンの第2変動表示が終わるタイミングに合わせて、第2可変入賞装置32bに遊技球が入球し得るように遊技球を発射させれば、球減りをすることなく、大当たり状態を発生させる機会を効果的に得ることができてしまう。
この点、本実施形態のように、ロングパターンの第2変動表示の第2変動時間が複数パターン存在することにより、上記のように第2可変入賞装置32bの開放に合わせて遊技球を発射させ、効率的に大当たり状態を狙われてしまい、かかる行為を行わない遊技者との差が開いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、通常モードや時短モードでは、小当たりが発生しても第2可変入賞装置32bの開放時間が短く、さらには、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が必ずしも特定入球部145に入球しないように構成されている(入球しないとしても可)ため、上記懸念をさらに抑制することができる。
また、上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において、第1変動表示及び第2変動表示に対応する第1演出変動表示及び第2演出変動表示が導出可能に構成され、第1変動表示及び第2変動表示の両方が行われている場合には、先に停止表示される方の変動表示に対応する演出対応表示が導出されるようになっている。このため、変動表示に対応する演出用の表示である演出変動表示が行われることで、演出性の向上を図ることができる。また、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを直接的に視認したり、装飾図柄表示装置42において、第1変動表示、及び、第2変動表示にそれぞれ対応する演出変動表示を同時に導出したりする場合、表示が乱雑になったり、どちらが先に停止表示されるのかが分からず、上手く盛り上がれなかったりといったことが懸念される。この点、本実施形態では、基本的に、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、先に結果が教示される方の変動表示に対応して演出変動表示が行われることから、装飾図柄表示装置42を視認していれば、第1変動表示、及び、第2変動表示に対応した当否抽選の結果を教示する演出等を確実に堪能することができる。
さらに、時短モードや通常モードで大当たりに対応する第2変動表示が行われる場合には、第2対応変動表示が導出され、ラッシュモードで大当たりに対応する第1変動表示が行われる場合には第1対応変動表示が導出される。このため、装飾図柄表示装置42を視認していれば、遊技の動向を把握できるといった作用効果がより確実に奏される。
加えて、時短モードや通常モードにおいて小当たりの第2変動表示のみが行われている状態であっても、装飾図柄表示装置42では、第2演出変動表示を導出しない上、ラッシュモードにおいて外れの第1変動表示のみが行われている状態であっても、装飾図柄表示装置42では第1演出変動表示を導出しないようになっている。このため、装飾図柄表示装置42においていつまでも終わらない変動表示に対応する演出変動表示が行われていることで、新たに始動入賞装置33a、33b、33cに遊技球を入球させることを控えてしまう、或いは、通常モードにおいて第2演出変動表示が行われ続けることで、離席し難いといった事態を抑止することができる。
上記実施形態では、大当たり終了後の最初の第1変動表示及び第2変動表示がともに大当たりに対応している場合、第2変動表示が行われて第2変動表示に関する大当たり状態が発生するようになっている。このため、有利な大当たり種別(ラッシュ付大当たり)に当選し易い第2変動表示が優先されることとなり、第2変動表示の方が消去されてしまうといった事態を回避することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a;第1変動表示に関する当否抽選)上記実施形態において、第1変動表示に関する当否抽選で小当たりに当選する場合もある(第1通常始動入賞装置33a、及び、第1サポート始動入賞装置33bへの入球に基づいて、第1当否抽選、及び、第2当否抽選が行われる)ように構成してもよい。さらに、第1変動表示に関する当否抽選で小当たりに当選する構成、第1変動表示及び第2変動表示の一方で大当たり及び小当たりが発生した場合に他方の変動表示を強制終了させる構成を利用して、以下に例示するような演出(ラッシュチャンス演出)を行うこととしてもよい。尚、上記実施形態と同様に、第2変動表示の実行中、大当たり状態、及び、小当たり状態において、第2始動入賞スイッチ224cの検知が行われた場合には、当該検知に対応する第2変動表示が1回分を上限として保留記憶されるようになっている。
図51(a)に示すように、通常モードにおいて第1変動表示で小当たりの当選が教示された場合、ロング変動表示である第2変動表示を強制終了させるとともに、小当たり状態を発生させる。但し、当該第1変動表示に対応する小当たり状態は、第2変動表示に対応する小当たり状態に比べ、第2可変入賞装置32bの開放時間が短く、実質的に第2可変入賞装置32bへの入球が見込めない。尚、第1変動表示に対応する小当たり状態に際して第2可変入賞装置32bに遊技球が入球したとしても、特定入球部145に案内される可能性がないように(第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が振分け装置149のスライドバー149aに到達するタイミングと、スライドバー149aが開位置とされるタイミングとが合致しないように)構成してもよい。
第1変動表示に対応する小当たり状態の終了後、第1変動表示及び第2変動表示の設定を行い、第1変動表示及び第2変動表示を開始させることとなるが、本態様例の第1変動表示に対応する小当たり状態は、小当たり状態後、第2変動表示を1回だけ第2変動時間を長くならないように(ロング変動表示とならないように)設定するといったシナリオ付きの小当たり状態となっている。つまり、第1変動表示に対応する小当たり状態後も通常モードではあるが、第2変動時間の設定に際して、第2ショート変動時間決定テーブルが参照される。これにより、通常モードではあるが、第2変動表示を停止表示させて、第2変動表示に対応する小当たり状態を発生させることができ、当該小当たり状態では、十分に第2可変入賞装置32bへの入球が見込めることから、開状態とされた第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させ、特定入球部145への入球を狙うといった遊技を行うことができる。すなわち、第1当否抽選での大当たり確率は1/240であるのに対し、第2可変入賞装置32bへ遊技球を入球させた場合の大当たり確率は1/40である上、大当たり状態が発生した場合に、ラッシュ付大当たりに振り分けられる割合が多いため、遊技者にとって有利な状態(ラッシュチャンス演出)が付与されることになる。
図51(a)はラッシュチャンス演出で失敗になる場合を示しており、シナリオ付き小当たり状態後の第2変動表示に対応した小当たり状態(ラッシュチャンス)において、遊技球を第2可変入賞装置32bの特定入球部145に入球させることができず、小当たり状態終了後に、普通の通常モードにおける処理として、第1変動表示をミドル変動表示として設定し、第2変動表示をロング変動表示(大当たりに対応する場合にはショート変動表示)として設定し、第1変動表示及び第2変動表示を開始させる。
一方、図51(b)はラッシュチャンス演出で成功になる場合を示しており、シナリオ付き小当たり状態後の第2変動表示に対応した小当たり状態(ラッシュチャンス)において、遊技球が特定入球部145に入球すれば、大当たり状態(例えば、「8RS」の大当たり)が発生する。さらに、大当たり種別がラッシュ付大当たりであれば、大当たり状態終了後にラッシュモードが開始される。
また、通常モードでは「左打ち」が行われており、ラッシュチャンス演出では、第2始動入賞装置33c及び第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させるべく「右打ち」を行ってもらう必要があるため、かかる案内を装飾図柄表示装置42等で行うこととする。つまり、図51(a)に示すように、シナリオ付き小当たりを教示する第1変動表示が行われている場合、当該第1変動表示中に、装飾図柄表示装置42において、ラッシュチャンス演出の開始を教示し、右打ちを促す右打ち案内表示を導出する。右打ち案内表示は第1変動表示に対応するシナリオ付き小当たり状態の終了まで(右打ち案内表示に従って右打ちが行われた場合には、通常、シナリオ付き小当たりが終了するまでに第2始動入賞装置33cに遊技球が入球するが、シナリオ小当たりの終了までに入らなかった場合には、第2可変入賞装置32bに遊技球が入球するまで)行われる。
そして、シナリオ付き小当たり状態の終了後、第2始動入賞装置33cへの入球に基づいて、1回転限定でショート変動表示として設定されたラッシュチャンス演出の第2変動表示が開始されると、装飾図柄表示装置42において第2可変入賞装置32bへの遊技球の入球を促す「第2アタッカーを狙え表示」が導出される。「第2アタッカーを狙え表示」は、ラッシュチャンス演出の第2変動表示が小当たりを教示する態様で停止表示されることで発生したラッシュチャンスとしての小当たり状態が終了するまで、或いは、ラッシュチャンスにおいて特定入球部145に遊技球が入球するまで行われる。
ラッシュチャンスとしての小当たり状態において遊技球が特定入球部145に入球せず、当該小当たり状態が終了した場合には、第1変動表示及び第2変動表示を設定して開始させるとともに、装飾図柄表示装置42において、ラッシュチャンスで失敗した旨の残念表示、及び、左打ちに戻してほしい旨の案内表示を行い、所定時間後、残念表示から第1演出変動表示に切替える(左打ちに治っていない場合には、案内表示は残す)。
一方、図51(b)に示すように、ラッシュチャンスとしての小当たり状態において遊技球が特定入球部145に入球した場合、大当たり状態を開始させる(大当たり種別は、第2始動入賞装置33cへの入賞時点で決まっている)とともに、ラッシュチャンスで成功した旨の成功表示を行い、所定時間後、成功表示から大当たり状態中の演出表示(大当たり表示)に切替える。
以上のように、本態様例では、通常モードにおける第1変動表示に関する当否抽選に基づいて小当たり状態となった場合に、当該小当たり状態の後の第2変動表示の第2変動時間を、第1変動状態であるにもかかわらず、特別に短く設定することとしている。つまり、ラッシュモードのように、第2変動時間が短ければ、小当たり状態を発生させて第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させ、特定入球部145への入球に基づく大当たり状態を発生させる機会を得ることができる。従って、通常モードであるにもかかわらず、ラッシュモードのような遊技を行ってもらうといった遊技性を付加することができる。従って、通常モードにおいて遊技にアクセントを付けることができ、演出の多様化、単調感の抑制等を図ることができる。結果として、興趣の向上等を図ることができる。
尚、上記実施形態では、第2変動表示に関する当否抽選で、大当たり及び小当たりのどちらかに必ず当選するように構成されているが、外れる場合もあるように構成してもよい。
(b;特殊状況でのロング変動の回避)上記実施形態では、通常モード(第1変動状態、通常遊技状態)や、時短モード(第1変動状態、第1サポート状態)において、大当たり(第1特別遊技状態)に対応する第2変動表示が開始される場合には、第2変動表示としてロング変動が設定されるのではなく、特殊条件当選用の第2変動時間決定テーブルが参照されて、ショート変動(ミドル変動でも可)が設定されるように構成され、ラッシュモード(第2変動状態、第2サポート状態)において、大当たり(第1特別遊技状態)に対応する第1変動表示が開始される場合には、第1変動表示としてロング変動が設定されるのではなく、特殊条件当選用の第1変動時間決定テーブルが参照されて、ショート変動(ミドル変動でも可)が設定されるように構成されているが、変動表示を強制的に長くならないように設定する制御を行わないように構成してもよい。但し、第1変動表示及び第2変動表示の一方で大当たりに対応する変動表示が行われている場合には、他方の変動表示を行うことを禁止するといった構成を採用する場合には、上記のような制御を行わなければ遊技が滞ってしまう(変動表示がいつまでたっても(上記例では200分以上)終わらない)ことから、上記のような制御を行わない場合、遊技ホール関係者にパチンコ機10のかかる状態をリセットする操作を行ってもらう(例えば、ラム消去スイッチ323を操作してもらう)必要があり、かかる状態にあることを報知する(通常モード及び時短モードで第2変動表示が大当たりとなったことや、ラッシュモードで第1変動表示が大当たりとなったことを検知した場合、或いは、通常モード及び時短モードで第1変動表示が保留があるにもかかわらず開始されないことや、ラッシュモードで第2変動表示が保留があるにもかかわらず開始されないことを検知した場合に、外部端子板240を介してホールコンピュータやデータランプや島設備等の外部機器に対して対応する信号を出力する、パチンコ機10においてエラーを知らせるランプを点灯させる等)構成を具備することが望ましい。この場合、遊技ホール関係者に迅速な対応を取ってもらうことが可能となる。
(c;大当たり変動をロング変動としない構成について)また、上記実施形態において、「通常モードであっても、大当たりに対応する第2変動表示が開始される場合には、第2変動表示としてショート変動が設定される」といった構成を利用して、例えば、通常モードにおいて、第2変動表示が行われていない状況において、装飾図柄表示装置42等にて「右打ち」を指示し(装飾図柄表示装置42において、遊技球を1球だけ第2始動入賞装置33cに入球させる旨を案内する)、第2始動入賞装置33cに遊技球が入球したら「右打ち」を止める(「左打ち」に戻す)案内を行うとともに、第2特別表示装置43bの第2変動表示に対応する例えば装飾図柄を使用しての第2演出変動表示を行い(一時的な第2表示状態とし)、大当たりに当選する場合(ショート変動の場合)には、第2変動表示の停止表示とともに演出変動表示を停止表示させ、大当たり以外の場合(ロング変動の場合)には、第2変動表示が停止表示されないので、第2演出変動表示を適当なところで外れを示す態様で停止表示する(停止表示タイミングは第2変動表示とは一致しないが、通常の装飾図柄の変動表示が行われているようにする)ように構成してもよい。つまり、第2変動表示で大当たりに当選した場合には、ラッシュモードが付与される遊技者にとって有利な大当たり種別が選択され易いことから、「通常モードであっても、大当たりに対応する第2変動表示が開始される場合には、第2変動表示としてショート変動が設定される」構成を知っていて、通常モードで第2変動表示を開始させてみる遊技者と、該構成を知らない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを回避することができる。また、当該構成によって、演出性や遊技性を高めることができる。
尚、大当たり変動であっても、遊技モードに応じて、ロング変動表示として設定されるように構成してもよい。また、通常モードや時短モードにおいて行われている第2変動表示が大当たり状態に対応するものである場合、当該大当たり状態は、第1可変入賞装置32aの総開放時間が比較的短い種別が選択されることとしてもよい。
(d;変動表示の停止・開始に関する構成)
(d−1;変動表示の中断)上記実施形態では、大当たり、又は、小当たりを教示する第2変動表示が停止表示された場合に、第1変動表示が「外れ」に対応する態様で強制的に停止表示(強制終了)され、大当たりを教示する第1変動表示が停止表示された場合に、第2変動表示が「外れ」に対応する態様にて強制的に停止表示(強制終了)されるように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方が大当たりを教示する停止表示を行った場合に他方を強制終了させ、一方が小当たりを教示する停止表示を行った場合に他方を中断させる(当たり状態終了後に再開する)ように構成してもよい。
さらに、例えば、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方が大当たり、又は、小当たりを教示する停止表示を行った場合に他方を中断させる(当たり状態終了後に再開する)ように構成してもよい。
また、中断された他方の変動表示は、当たり状態終了後に最初から実行されることとしてもよい。この場合、変動表示を強制的に停止させる(強制終了させる)のではなく、中断させる(変動表示を消去しない)という方法を採用しつつ、中断された変動表示が中途半端に行われてしまうといった事態を回避することができる。すなわち、中断された変動表示は、当たり状態の終了後、最初からやり直されることとなるため、例えば、中断された変動表示が、当たり状態の終了後、いきなり途中から開始されることで、繋がりが悪くなったり(変動表示の流れが分からなくなったり)、また、例えば、残り1秒等の変動表示が再開されてすぐに変動表示が終了し、何が起きたのかを遊技者が把握できずに混乱したりするといった事態を回避することができる。さらに、第1変動表示及び第2変動表示のうち一方の当たり状態を教示する停止表示に伴って他方の変動表示を強制終了する場合のように、変動表示が消失するといった遊技性に抵抗のある遊技者が嫌悪感や猜疑心を抱いてしまうといった事態を回避することができる。尚、中断された変動表示がある場合には、当たり状態の終了後に、中断された変動表示に対応する特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている変動情報に基づいて変動パターンを再度新たに設定し、実行する、或いは、中断された変動表示の変動パターンを記憶しておき、その記憶情報に基づいて、同じ変動パターンの変動表示を実行するように構成することとしてもよい。
但し、第2変動表示の小当たりで第1変動表示を強制終了させない構成を採用する場合、ラッシュモードの上限に達し、通常モードに移行する場合には、ロング変動を行っている第1変動表示を消去、又は、リセットする必要があるため、中断された変動表示に対応する変動記憶エリアの実行エリアに記憶されている変動情報に基づいて、再度変動パターンが現在の遊技モードに応じて設定され、当該設定された変動パターンにて導出されることが望ましい。この場合、第2変動表示が小当たり状態(第2特別遊技状態)、又は、大当たり状態(第1特別遊技状態)の発生を教示する態様で停止表示された場合には、中断されている第1変動表示の変動パターンが再度設定される上、第2変動表示に関する当否抽選では、小当たり、又は、大当たりのどちらかに必ず当選することから、ラッシュモードから通常モードに移行しても、既に実行されている第1変動表示の第1変動時間(残り時間)が長く、しばらくは終わらない(第1変動時間がとても長いので、遊技ホール関係者によってリセットしてもらうしかない)といった事態を回避することができる。
さらに、例えば、大当たり状態の前の遊技モードと、後の遊技モードとで、変動表示の設定に関する状態が変更された(例えば、参照されるべき変動時間決定テーブルが変更された)場合においても、大当たり状態の前の変動表示の続きを大当たり状態後にそのまま行うことで合致しなくなってしまうといった事態を回避することができる。例えば、大当たり状態の前の状態がラッシュモードであって、大当たり状態後に時短モードが付与される場合、中断された第1変動表示の変動時間を短く再設定しなければ、第1変動時間が長く、エラー状態になってしまうといった事態を回避することができる。
このため、ラッシュモードから通常モード切り替わる際にエラー状態となることを回避することができるとともに、エラー状態を解除するにあたり、遊技者に何らかしらの不利益を発生させる(保留されていた変動表示が消去される等)、遊技ホール関係者の手を煩わせる等といった事態を回避することができる。従って、ラッシュモードに上限を設ける構成としても、ラッシュモードから通常モードに上手く切替えることができ、また、ラッシュモードの設計の自由度を向上させる(例えば、ラッシュモードが終了する前にほぼ大当たり状態(小当たり状態を経由するものを含む)に当選するような仕様とし、遊技モードが変更される場合には、概ね大当たり状態を挟むといった構成としなくても済む)ことができる。
また、上記実施形態では、大当たり終了後の最初の第1変動表示及び第2変動表示がともに大当たりに対応している場合、第2変動表示が行われて第2変動表示に関する大当たり状態が発生するようになっているが、第1変動表示が行われて、第1変動表示に関する大当たり状態が発生するように構成してもよい。
(d−2;変動表示の開始条件の緩和)上記実施形態では、第1変動表示及び第2変動表示のうち一方で大当たりに対応する変動表示が行われている場合、他方で新たに変動表示を開始させることができないように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、大当たり状態の当選、及び、小当たり状態の当選を別々に行う構成とし(大当たり抽選に使用される大当たり当否乱数カウンタ、及び、大当たり当否判定テーブルと、小当たり抽選に使用される小当たり乱数カウンタ、及び、小当たり当否判定テーブルとを用意し、大当たり抽選で当選しなかった場合に小当たりの抽選を行うように構成する)、第1特別表示装置43aにおいて大当たりを教示する第1変動表示が行われている状態において、大当たり抽選が行われた第2変動表示については開始させることができないが、大当たり抽選をせず、小当たり抽選を行った第2変動表示については開始させることができるように構成してもよい。この場合、例えば、ラッシュモードにおいて第1変動時間がそれほど長く設定されない構成として、大当たり教示を行う第1変動表示中に、第2変動表示で小当たりを発生させるとともに、第2可変入賞装置32bの特定入球部145に遊技球を入球させ、大当たり状態を発生させることで、変動表示中の第1変動表示を強制終了させ、第1変動表示での大当たりを回避させるといった遊技性を付加することも可能となる。例えば、ラッシュモードにおいて変動表示中の第1変動表示が時短付き大当たり状態に対応している場合に、当該情報に基づいて、装飾図柄表示装置42において、「緊急事態発生、5分以内(第1変動表示の停止まで)に、第2アタッカーを開き、V入賞させよ」といったミッション表示を行うように構成してもよい。但し、ミッションを行うことで遊技者に不利益が生じないように、第2変動表示に関する大当たりは全てラッシュ付大当たりとしたり、変動表示中の第1変動表示が時短付き大当たりの場合にのみミッションが発生したり、さらに、例えば、変動表示中の第1変動表示がラッシュ付大当たりの場合には、そのことを示唆する表示を行って、遊技球の発射を止めた方が得になることを示唆したりするように構成してもよい。
(e;始動入賞装置)上記実施形態では、羽根部材37のない第1通常始動入賞装置33a(第1通常始動入球手段)と、羽根部材37が設けられた第1サポート始動入賞装置33b(第1サポート始動入球手段)と、羽根部材37のない第2始動入賞装置33cとが設けられているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、第1通常始動入賞装置33aの下方位置に対し、羽根部材37が設けられた第2始動入賞装置33cを設け(第1サポート始動入賞装置33bは省略)、時短モード(第1サポート状態)と、ラッシュモード(第2サポート状態)において、第2始動入賞装置33cが開状態とされ易くする(通常遊技状態では入球不可能)ように構成してもよい。この場合においても、低入球状態、かつ、第1変動状態(第2変動表示がロング変動)である通常モードと、高入球状態(但し、第2始動入賞装置33cに入賞することで球減りを抑制するが、第1通常始動入賞装置33aに入球し易くなるわけではない)、かつ、第1変動状態である時短モードと、高入球状態、かつ、第2変動状態であるラッシュモードとに状態変化可能である。但し、この場合、時短モードのテンポが悪くなる(第1変動時間は短縮されているのに、第1変動表示がなかなか保留されないので、変動表示が行われていない期間が増えてしまう)ので、上記実施形態のように、時短モードのテンポが悪くならないような構成とすることが望ましい。
尚、ラッシュモードでは、小当たりが発生し易く、従って、比較的頻繁に第2可変入賞装置32bに遊技球が入球し、それに対応する賞球が見込めることでもって高入球状態(球持ちのよい状態、或いは、手持ちになる遊技球が増える状態)としてもよい。当該構成を採用する場合、左打ちで入球させることができ、右打ちで入球させることができない又は困難な位置に羽根部材37付きの第1サポート始動入賞装置33bを通常モードでも遊技球が入球可能なように設けることとしてもよい(第1通常始動入賞装置33aは省略)。
尚、「遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入球開口部と、入球開口部に入球した遊技球が入球可能な第1始動入球手段としての第1始動入球口、及び、第2始動入球手段としての第2始動入球口と、第1始動入球口に入球した遊技球を検知する第1始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ、及び、第2始動入球口に入球した遊技球を検知する第2始動入球検知手段としての第2始動入賞スイッチと、入球開口部に入球した遊技球を第1始動入球口、及び、第2始動入球口に交互に案内する振分け装置とを具備する特定始動入賞装置が設けられていること」としてもよい。この場合、第1及び第2変動表示の両方を並行して変動表示させることができ、第1変動表示だけを避けて遊技を行う行為をより確実に防止することができる。尚、入球開口部に対応して開閉部材を設けること(閉状態では入球開口部への入球不可とし、別途、第1通常始動入賞装置33aを設ける)としてもよいし、第1始動入球口、又は、第2始動入球口に対応して、入球開口部を経由せずとも入球可能とするバイパス開口部を設けるとともに、バイパス開口部を開閉する開閉部材を設け、開状態にある開閉部材によって、バイパス通路に遊技球が案内されるように構成(第1通常始動入賞装置33aは不要)してもよい。
上記実施形態において、第1サポート始動入賞装置33bの羽根部材37が開位置とされることで、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球が許容されるだけでなく、第2始動入賞装置33cへ遊技球が入球し易くなるように構成してもよい。例えば、第1サポート始動入賞装置33bと、第2始動入賞装置33cとを左右に配置し、第1サポート始動入賞装置33bの一対の羽根部材37のうち少なくとも第2始動入賞装置33c側のものを、開位置とされた状態において、上面側がへ字状となるように構成し、当該開位置とされた羽根部材37にまで移動した遊技球が羽根部材37の各傾斜面によって、第1サポート始動入賞装置33b、又は、第2始動入賞装置33cに案内されるよう構成してもよい。また、例えば、第1サポート始動入賞装置33bの下方に第2始動入賞装置33cを配置し、第1サポート始動入賞装置33bの羽根部材37が閉位置にある場合には、当該羽根部材37が第1サポート始動入賞装置33bの始動口よりも下方に突出し、当該羽根部材37によって遊技球が第2始動入賞装置33cに至る通路が(若干)阻害され、羽根部材37が開位置とされることでそれが解消されるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、低入球状態よりも高入球状態の場合に第2始動入賞装置33cへ遊技球が入球し易くなる構成とすることができ、低入球状態において第2始動入賞装置33cへ遊技球を入球させ難くすることができる。
上記実施形態では、第2始動入賞装置33cは、当該第2始動入賞装置33cの始動口に向けて遊技球を案内する遊技釘が設けられることにより、第1通常始動入賞装置33aよりも遊技球が入球し易いように構成されているが、例えば、遊技釘によって遊技球を入球させ易くするのではなく、遊技領域に配置されるその他の役物によって遊技球を入球させ易くしてもよいし、第2始動入賞装置33c自身が遊技球を入球させ易くするような構成(始動口が第1通常始動入賞装置33aよりも広い、始動口に隣接して遊技球を始動口側に案内する案内板を設ける等)を具備するように構成してもよい。
尚、上記実施形態では特に言及していないが、通常モードにおいて、第1通常始動入賞装置33aに入球し得ないように遊技球を発射している場合(例えば、右打ちをしていて第2始動入賞スイッチ224cやスルーゲートスイッチ225の検知が行われた場合)には、第1通常始動入賞装置33aに遊技球が入球し得るような遊技球の狙い所を教示する(左打ちの案内をする)とともに、目的地である第1通常始動入賞装置33aについても教示も行うように構成することとしてもよい。また、時短モード、ラッシュモード、大当たり状態、及び、小当たり状態において、第1サポート始動入賞装置33b、第2始動入賞装置33c、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、及び、スルーゲート34に入球し得ないように遊技球を発射している場合(例えば、第1通常始動入賞スイッチ224aの検知が行われた場合)には、右打ちの案内をすることが望ましい。
(f;可変入賞装置)上記実施形態では、第1通常始動入賞装置33aの右下方位置に設けられた第1可変入賞装置32aと、センターフレーム47の右下部に設けられた第2可変入賞装置32bとを備えるよう構成されているが、可変入賞装置の構造、配置、数等は特に限定されるものではなく、パチンコ機10の機種毎に適宜変更可能である。例えば、第2可変入賞装置32bをセンターフレーム47から右方に離間した位置に設けるとともに、遊技盤30を前後方向に貫通する大入賞口と、大入賞口の前方に設けられ、大入賞口の前方にまで移動した遊技球を大入賞口に案内する断面略L字状の受部と、(受部の内部に設けられ、遊技球の特定入球部145側への移動を許容する開位置と、許容しない閉位置とに変位する振分け部材と、)受部の上方に設けられ、遊技領域に対して出没するようにして前後にスライド可能に構成され、大入賞口を開閉させる略板状のシャッタとを備えるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態において、第2可変入賞装置32bの開閉部材143が開位置とされることで、第2可変入賞装置32bへの遊技球の入球が許容されるだけでなく、第2始動入賞装置33cへ遊技球が入球し易くなるように構成してもよい。
(g;保留記憶)上記実施形態では、第1変動表示を4つ保留記憶することができ、第2変動表示を1つ保留記憶することができるように構成されているが、保留記憶可能な変動表示の数については特に限定されるものではなく、例えば、第2変動表示について保留記憶不可能に構成してもよいし、2つ以上保留記憶可能に構成してもよい。但し、上記実施形態のように、通常モードや時短モードにおいて第2変動時間がかなり長く設定される場合、保留記憶されている第2変動表示を残したまま遊技を終了することとなる可能性が高い。このため、第2変動表示を保留可能な数を少なくすることで、遊技終了後も残される第2変動表示を少なくすることができ、遊技者が受けられる筈の権利を享受できないといった気持ちで遊技を終了する、又は、第2変動表示が終わるまで待つといって遊技球を発射することなく居座る、或いは、誰も遊技していないのに大当たり状態が発生する可能性が高くなる等といった事態を抑制することができる。
特に、上記実施形態では、ラッシュモードから通常モードに移行した1回転目の第2変動表示が大当たりに対応していた場合、当該第2変動表示がショート変動表示とされ、対応する大当たり状態を発生させることができる。このため、ラッシュモードが終了した段階で右打ちを行っていなければ、大当たりになるかもしれないといった第2変動表示を残して遊技を終了するといった事態をなくすことができる。尚、通常モードにおいて変動表示している第2変動表示は大当たりに対応してはいないこと(大当たりに対応していれば、比較的早くに停止表示されること)の説明を、内枠12や前面枠14等に記載してもよいし、パチンコ機10のメニュー画面で視認可能に構成してもよい。
また、例えば、上記実施形態のように、第2変動表示が大当たりや小当たりを教示する態様で停止表示された場合に第1変動表示を消去する構成の場合、第1変動表示及び第2変動表示の最大保留数を同じ(或いは、第2変動表示の方を多く)にしておけば、ラッシュモードにおいて第1変動表示及び第2変動表示をそれぞれ最大数まで保留記憶させた状態からハンドル操作せずに放置することで、保留されている第1変動表示及び第2変動表示に大当たりが含まれていなければ、第2変動表示の保留がすべて消化される時点で、第1変動表示の保留も全て消化される。これにより、保留されている第1変動表示を消化することなく、第1変動表示を消去することもできる。
加えて、第1及び第2変動表示を保留記憶不可能に構成することも可能である。但し、変動表示を保留記憶可能に構成することによって、変動表示が行われていない時間帯を短くするとともに、始動入賞装置33a,33b,33cに遊技球は入球したが、対応する第1変動表示中、又は、第2変動表示中であったため、第1変動表示及び第2変動表示の権利を得られなかったといった事態を低減させることができる。尚、第2変動表示が保留記憶されない構成であっても、ラッシュモードでは、第1変動時間がロング変動表示として設定されていることから、第2変動表示が途切れてしまうと、その隙に第1変動表示が行われ、大当たり状態に当選した場合に振り分けられる大当たり種別の振分け割合で不利になるといった事態を抑止することができる。
(h;変動時間)第1変動時間、及び、第2変動時間の設定に関しては、特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。但し、ロング変動表示の終了のタイミングを特定され難くするために、ロング変動表示の変動時間のパターンが複数存在するように構成することが望ましい。
さらに、第1変動表示及び第2変動表示のうち基本的に遊技モードに対応する変動表示しか実行させないというコンセプトの場合、通常モード及び時短モードにおける第2変動時間、及び、ラッシュモードにおける第1変動時間は、極力長い方が望ましく、例えば、普通に遊技を行うことで大当たり状態に当選するまでにかかる平均的な時間よりも長いことが望ましく、遊技ホールの営業時間よりも長い時間(例えば、24時間等)よりも長いことが望ましい。この場合、通常モードや時短モードにおいて第2変動表示を開始させた後、第2停止表示が停止表示されるまで遊技球をほとんど発射させずに待つ等といった遊技が行われてしまうことを回避することができる。さらに、誰も遊技をしていないのに大当たりが発生するといった事態を回避することができる。
尚、ロング変動に設定された変動表示が翌日の遊技ホールの営業に残らないように、パチンコ機10の電源のオフ・オンで、変動時間を計測する表示タイマがリセットされる(残り0になる)ように構成してもよいし、パチンコ機10のラム消去スイッチ323を操作しながらの電源のオフ・オンで、変動表示の保留記憶が消去されたりするように構成してもよい。
尚、上記実施形態では特に言及していないが、通常遊技状態においても、保留記憶されている第1変動表示の数が所定複数以上(例えば、3つ以上又は4つ)である場合に、第1変動時間が短縮されて設定される(第1ショート変動時間決定テーブルが参照される)ように構成してもよい。
また、第1変動表示がロング変動表示として設定され、第2変動表示がミドル変動表示として設定されるとともに、低入球状態とされる特殊通常モードを設けることとしてもよい。さらに、第1変動表示がミドル変動表示又はショート変動表示として設定され、第2変動表示がミドル変動表示又はショート変動表示として設定されるとともに、高入球状態とされる規定回数を上限とする不完全ラッシュモードを設けることとしてもよい。
(i;ラッシュレベルがある態様例)ラッシュモードにおいて、遊技者にとっての有利さが異なる複数のレベル(ラッシュレベル)が設けられるように構成してもよい。以下、態様例について図52、図53を参照して説明する。尚、本態様例では、第1変動表示、及び、第2変動表示の一方において大当たり又は小当たりを教示する態様で停止表示が行われた場合、他方の変動表示を中断させ、大当たり状態又は小当たり状態の終了後に、中断された他方の変動表示を、続きから(残りの変動時間の時点から)再開されるように構成されている。
図52(a)に示すように、本態様例の第1当否抽選における大当たり確率は、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらに関する第1当否抽選であっても1/80である。また、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が特定入球部145に入球する確率は約1/30である。第2当否抽選(本例では、第1当否抽選で外れた場合に行われ、第1当否抽選で使用される当否乱数カウンタや当否判定テーブルとは別に、当否乱数カウンタや当否判定テーブルが設けられている)における小当たり確率は、第1変動表示に関するもので1/240であり、第2変動表示に関するもので1/1である。
また、第1変動表示に関連して大当たりした場合の大当たり種別は、30%で「8RS」となり、30%で4ラウンド時短付き大当たり(以下「4RN」と称する)となる。「4RN」の大当たり状態後に移行する時短モードとしては、変動表示の上限回数が20回のものと、40回のものと、70回のものとで3種類用意されている(図52(c)参照)。
さらに、第2変動表示に関連して大当たりした場合の大当たり種別は、5%で「15RS」となり、65%で「8RS」となり、30%で2ラウンドラッシュ付大当たり(以下、「2RS」と称する)となる。つまり、本実施形態では、第2変動表示に関連して大当たりした場合(第2始動入賞装置33cへの入球に基づく第1当否抽選で大当たりに当選する、又は、小当たり状態時に第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が特定入球部145に入球する場合)には、必ずラッシュ付大当たりとなる。
「2RS」の大当たり状態は、第2可変入賞装置32bが小当たり状態と同じ動作を行う(1.6秒の開放と、0.1秒の開放とが行われる)ことで終了する。これにより、「2RS」及び「小当たり」のどちらに当選したのかの判別がつき難くなっている(第2特別表示装置43bを視認していれば把握可能)。さらに、2RSの大当たり状態と、小当たり状態との装飾図柄表示装置42の態様を同じにするとともに、2RSでは、ラッシュモードのカウント表示のリセットを行わない(パチンコ機10の上方に設置されるデータカウンタにも大当たり信号を出力しない)ことで、ラッシュモードで変動表示が上限にまで達したように見せて、まだ続く(途中で、2RSに当選していた場合)といった演出を行うことができる。
さて、図53(a)に示すように、本態様例では、高状態としてのラッシュモードにおける第1変動時間の設定に際して参照される高状態時第1変動時間決定テーブルとしての第1ラッシュ変動時間決定テーブルには、パターン対応テーブルとして外れ用と、当選(大当たり、小当たり)用とが設けられ、さらに、外れ用には、レベル対応テーブルとして「ミディアムショートテーブル」と、「ミディアムロングテーブル」とが設けられている。
また、図53(b)に示すように、ラッシュモードにおける第2変動時間の設定に際して参照される高状態時第2変動時間決定テーブルとしての第2ラッシュ変動時間決定テーブルには、パターン対応テーブルとして小当たり用と、大当たり用と、ラッシュモードの上限となる最後の第2変動表示の設定を行う際に参照されるサポートラスト用とが設けられ、さらに、小当たり用には、レベル対応テーブルとして「ショートテーブル」と、「ベリーショートテーブル」とが設けられている。
そして、本態様例では、ラッシュモードにおいて第1変動表示及び第2変動表示の設定に際して参照される第1ラッシュ変動時間決定テーブル、及び、第2ラッシュ変動時間決定テーブルの組合わせを変えることで、ラッシュモードに対し、遊技者にとって有利さの異なるラッシュレベルを設定している。本態様例では、ラッシュレベルが4つあり、第1変動時間の設定でミディアムロングテーブルが参照され、第2変動時間の設定でベリーショートテーブルが参照される「ラッシュレベル4」と、第1変動時間の設定でミディアムロングテーブルが参照され、第2変動時間の設定でショートテーブルが参照される「ラッシュレベル3」と、第1変動時間の設定でミディアムショートが参照され、第2変動時間の設定でベリーショートテーブルが参照される「ラッシュレベル2」と、第1変動時間の設定でミディアムショートが参照され、第2変動時間の設定でショートテーブルが参照される「ラッシュレベル1」とが設けられている。
つまり、第2変動表示に関連して大当たりに当選した場合には必ずラッシュ付大当たりとなるが、第1変動表示に関連して大当たりに当選した場合には時短付き大当たりになる可能性がある(高い)ことから、ラッシュモードでは、極力、第2変動表示を実行し、第1変動表示を実行させないことが望ましい。このため、第2変動時間が比較的短く設定され易く、第1変動時間が比較的長く設定され易いラッシュレベル4は遊技者にとって有利であり、第2変動時間が比較的長く設定され易く、第1変動時間が比較的短く設定され易いラッシュレベル1は遊技者にとって不利である。
本態様例では、ラッシュレベルを決定する処理(レベル決定処理)は、例えば、始動入賞処理で対応する乱数値(ラッシュレベル乱数カウンタの値)を取得して、特別変動保留エリアの対応する保留エリアのラッシュ情報記憶エリアに記憶する。当該ラッシュ情報記憶エリアの記憶もシフト処理でその他の変動情報とともに実行エリア側にシフトされる。大当たり状態終了時に、ラッシュモードが付与されると判別され、かつ、大当たり状態前が通常モード又は時短モードであったと判別された場合には、当該大当たり状態に対応した実行エリアのラッシュ情報記憶エリアに記憶されているラッシュレベル乱数カウンタの値に基づいて、対応するテーブル(ラッシュレベル決定テーブル)を参照して、ラッシュレベルを決定し、特別変動保留エリアとは別に設けられたラッシュレベル記憶エリアに記憶する。そして、ラッシュモードの第1及び第2変動表示の変動時間の設定に際し、ラッシュレベル記憶エリアに記憶されたラッシュレベルに対応する第1ラッシュ変動時間決定テーブル、及び、第2ラッシュ変動時間決定テーブルを参照し、変動時間を決定する。また、ラッシュモードでラッシュ付大当たりに当選した場合には、ラッシュレベルの変更はない。つまり、ラッシュレベルは、1度決定されると、大当たり状態や小当たり状態を挟んでも、通常モードに移行するまでは、同じラッシュレベルで維持されるようになっている。
さらに、本態様例では、演出表示手段としての装飾図柄表示装置42において、ラッシュレベルの示唆・教示を行うレベル示唆演出が導出される場合がある。例えば、ラッシュモードの開始時に、ラッシュモードの開始を伝えるタイトル表示を導出するとともに、当該表示に伴って、例えば、タイトル表示の色を変更することによるレベル示唆演出を行うように構成してもよい(演出ボタン125を操作した場合にのみとしてもよい)。また、ラッシュモードの変動表示中に、例えば、ラッシュレベルが3以上であることを示すキャラクタやセリフなどを導出することによるレベル示唆演出を行うように構成してもよい。
また、本態様例では、ラッシュモード及び時短モードにおいて、変動表示の開始時に、残り回数カウント手段としての変動回数カウンタを1減算する処理を行う。これにより、ラッシュモード及び時短モードの最後の変動表示が開始された時点で、変動回数カウンタが「0」になる。つまり、本態様例では、第1変動表示及び第2変動表示の一方で大当たり又は小当たりの教示が行われた場合、他方の変動表示を強制終了させるのではなく、中断させ、大当たり又は小当たり状態終了後に再開させる(消去しない)構成となっている。
このため、例えば、ラッシュモードにおける最後の変動表示として第2変動表示が開始された後、当該第2変動表示が停止表示される前に、第1変動表示が開始される場合に、当該第1変動表示がラッシュモードに対応する第1変動時間に設定されると、ラッシュモードから通常モードに移行した後も、第1変動表示がそのまま行われるため、違和感が生じる(例えば、完全外れの第1変動表示にもかかわらず、当該第1変動表示が40秒近く行われる等)ことが懸念される。この点、変動開始時に変動回数カウンタを減算することで、ラッシュモードの最後の変動表示の後に開始される変動表示は、通常モードに対応した設定を行うことができ、上記違和感の発生等を回避することができる。
さらに、例えば、ラッシュモードの最後から2番目の変動表示が第1変動表示(外れ)であって、当該第1変動表示の開始直後に、ラッシュモードの最後となる第2変動表示(小当たり)が開始された場合、例えば、先の第1変動表示が40秒で、後の第2変動表示が4秒であるとすると、通常モードにおいて、第1変動表示が36秒近く行われることとなり、当該第1変動表示が完全外れの場合、違和感が生じることとなる。
この点、本態様例では、ラッシュモードの最後の第2変動表示に関しては、図53(b)のサポートラスト用の第2ラッシュ変動時間決定テーブルが参照され、第2変動時間が決定されるようになっている。当該サポートラスト用の第2ラッシュ変動時間決定テーブルは、変動時間が比較的長く(本例では、20秒、又は、25秒)設定されるように構成されている。このため、上記のような事態が発生した場合であっても、第1変動表示は最長でも20秒弱であり、上記違和感を抑制することができる。
また、ラッシュモードにおける装飾図柄表示装置42の表示態様としては、例えば、画面の左と右とに、A君と、Bさんとの日常生活が表示され、A君に発生したイベントの結果により第1変動表示の結果が教示され、Bさんに発生したイベントの結果により第2変動表示の結果が教示される。つまり、A君に関する表示は第1変動対応演出表示としての第1演出変動表示であり、Bさんに関する表示は第2変動対応演出表示としての第2演出変動表示である。
さらに、第1変動表示及び第2変動表示の全ての結果が装飾図柄表示装置42において表示されるわけではなく、変動表示の種別によって優先順位が付けられている。本例では、小当たりに対応する変動表示(小当たり変動)は、完全外れ、及び、前後以外外れリーチに対応する変動表示(外れ変動)よりも優先表示され、大当たり、及び、前後外れリーチに対応する変動表示(大当たり変動、前後外れ変動)は、小当たり変動よりも優先表示される。また、同じ種別の変動表示が並行する場合には、先に停止表示される方が優先される。さらに、優先される種別の変動表示であっても、停止表示までの時間が所定時間以下とならなければ、外れ変動と同じ優先順位とされる。
ここで、第1変動表示及び第2変動表示と、装飾図柄表示装置42における表示態様との関係について、図54を参照して説明する。先ず、外れ変動である第1変動表示と、小当たり変動である第2変動表示とが並行して行われている場合、装飾図柄表示装置42では、第2演出変動表示が優先であるが、第2変動表示の停止表示までに4秒以上あるので、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示の共通の表示、すなわち、画面の左にA君が表示され、右にBさんが表示される(t1〜t2;混合演出表示状態)。第2変動表示の残り時間が4秒以下になると、第2演出変動表示としてBさんのイベントが発生し、小当たりとなることが表示される(例えば、仕事を1つ完成させる;t2〜t3;第2演出表示状態)。小当たり当選の表示とともに、第1変動表示が中断され、小当たり状態が開始される。
小当たり状態(t3〜t4)を挟んで、外れ変動である第1変動表示が再開され、小当たり変動である第2変動表示が開始されると、第2演出変動表示が優先であるが、第2変動表示の停止表示までに4秒以上あるので、共通の表示が導出される(t4〜t5;混合演出表示状態)。第2変動表示の残り時間が4秒以下になると、第2演出変動表示が導出されることとなるが、その後、第1変動表示が停止表示されるとともに、大当たり変動である第1変動表示が開始される(t5〜t6;第2演出表示状態)。尚、図54では、第1変動表示の変動インターバルを省略している。
大当たり変動は小当たり変動よりも優先されるが、大当たり変動である第1変動表示が開始された時点では、当該第1変動表示の停止表示までに7秒以上あるため、引き続き、小当たり変動に対応する第2演出変動表示が導出される(t6〜t7;第2演出表示状態)。
その後、小当たり状態を挟み(t7〜t8)、第1変動表示が再開され、第2変動表示が新たに開始された状態では、第1変動表示の停止表示までに7秒以上あり、第2変動表示の停止表示までに4秒以上あることから、共通の表示が導出される(t8〜t9;混合演出表示状態)。
第2変動表示の残り時間が4秒以下になると、第2演出変動表示が導出される(t9〜t10;第2演出表示状態)。さらに、第1変動表示の停止表示までに7秒以下となると、第2演出変動表示に代えて、第1変動表示が導出される(t10〜t11;第1演出表示状態)。
その後、第2変動表示の小当たり状態を挟み、第1変動表示についてもその間中断されることとなるが、装飾図柄表示装置42では、第1演出変動表示をその間も引き続き行うようになっている(t11〜t12;疑似第1演出表示状態)。小当たり状態終了後、第1変動表示が再開され、第2変動表示が開始されても、第1演出変動表示が引き続き導出され、第1変動表示が停止表示されることで、大当たり状態が発生する(t12〜t13;第1演出表示状態)。
尚、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらか一方だけの変動表示が行われている状態では、当該変動中の変動表示に対応する演出変動表示が導出される。
また、ラッシュモードの装飾図柄表示装置42において、Cさんが登場し、さらに、Cさんのイベントが発生する場合があり、当該イベントに成功することで、出玉有りのラッシュ付大当たりが発生する。つまり、Cさんは、第1変動表示及び第2変動表示のどちらかに対応しているのではなく、15ラウンドラッシュ付大当たり、8ラウンドラッシュ付大当たり、又は、外れに対応しており、15ラウンドラッシュ付大当たり、8ラウンドラッシュ付大当たり、又は、外れが発生する際に所定の確率で選択され得るようになっている。
尚、ラッシュモードにおいて、第2演出変動表示から第1演出変動表示に切替わる際に、第2演出変動表示から第1変動表示に切替わるかもしれない(大当たり期待度の高い変動表示が行われるかもしれない)といった混合演出表示状態としての切替え演出が導出され得るように構成してもよい。当該切替え演出が導出された後、第1演出変動表示に切替わってもよいし、第2演出変動表示に戻ってもよいし(フェイク演出)、第1演出変動表示及び第2演出変動表示のどちらかは特定できないが、遊技者にとって有利な変動表示であることを示す演出変動表示(Cさんの表示;混合演出表示状態)に切替わってもよい。
また、ラッシュモードでは、第1変動表示を極力消化させずに、第2変動表示を極力多く消化させることが遊技者にとって有利であることから、本態様例では、第1変動表示が消化される(停止表示される)までの時間を示唆する第1残り時間表示、及び、第2変動表示が停止表示されるまでの時間を示唆する第2残り時間表示が導出される場合があるように構成されている。
例えば、大当たり変動となる第1変動表示が開始された場合、時計が表示されるとともに、イベントの発生時刻が表示され、時間の経過とともに、時計の表示も更新されていくといった第1残り時間表示が導出される場合がある。当該第1残り時間表示が導出される場合には、第2演出変動表示を優先表示している状態でも、第2演出変動表示とともに第1演出変動表示(第1残り時間表示)が表示され、上記時計とともに、A君が、「寝ている」、「起きて支度をしている」、「外出した」等といった具合に、停止表示タイミングが近付いていることに対応する表示が導出される。
Bさんは、A君の予定を把握し、「あと○回はできるかな」等といった具合に、第1変動表示が停止表示される前に、第2変動表示を停止表示させる回数を示唆する第2残り時間表示が導出される場合がある。
また、入球カウントスイッチ226の検知が行われた場合には、装飾図柄表示装置42において、Bさんのイベントが発生し、特定入球部145に入球があった場合には、イベント成功の表示が導出され、非特定入球部146への入球があり、かつ、入球カウンタの値が「0」になった場合に、イベント失敗の表示が導出される。
加えて、本態様例では、第1変動表示が最大で4つ保留記憶可能に構成されるとともに、第2変動表示が最大で4つ保留記憶可能(第1及び第2保留記憶手段としての第1及び第2特別変動保留エリアの保留エリアが4つずつ設けられている)である。さらに、装飾図柄表示装置42においては、第1変動表示の保留を示す第1保留表示としての第1保留アイコンと、第2変動表示の保留を示す第2保留表示としての第2保留アイコンとが表示される。尚、第1及び第2保留アイコンを表示する機能が第1及び第2保留表示手段を構成する。
また、本態様例では、サブ制御装置262が主制御装置261から先発コマンドを受信して保留アイコンを1つ追加する際に、先発コマンドに含まれる当否抽選に関する情報、リーチパターン、変動時間等の変動情報に基づいて、かかる変動情報の内容を示唆する特定態様とされる保留アイコン(先読み保留アイコン)を導出可能に構成されている。
例えば、第1変動表示の第1保留アイコンを表示する第1保留表示エリアのうち、第1保留情報記憶エリアの保留エリアに対応する保留対応エリアの2番目に表示された第1保留アイコンが、大当たり期待度の高いことを示す態様の先読み保留アイコンとして表示されるとする。この場合、当該先読み保留アイコンが消化される(対応する第1変動表示が停止表示される)前に、第2変動表示に関連して大当たりを発生させることを願いながら遊技を行うといった具合に、遊技に緊張感等を付与することができる。尚、本例では、先読み保留アイコンが保留先読み演出に相当する。
以上のように、本態様例では、ラッシュモードにおいてラッシュレベルが設定され、例えば、第1変動表示と、第2変動表示とを変動表示させ続けたと仮定した場合における、所定時間当たりの第1変動表示の回数と、第2変動表示との回数との比率を変化させることができる。つまり、第2変動表示に関連して大当たり状態に当選するとラッシュモードが必ず継続されることから遊技者にとって有利であり、極力、第1変動表示を行わずに(終了させずに)、第2変動表示を行っていくことが望ましいことになる。従って、第1変動時間、及び、第2変動時間の設定に関して、選択される変動時間の長さの振分けが異なる複数のレベル対応テーブル(図53(a)のミディアムショートテーブル及びミディアムロングテーブル、並びに、図53(b)のショートテーブル及びベリーショートテーブル)を設け、ラッシュモードが付与される場合に、ラッシュモードにおいて参照され得る第1変動時間決定テーブル、及び、第2変動時間決定テーブルの組合わせを決定するだけで、一口にラッシュモードとは言っても、遊技者にとっての有利さが異なる複数のレベルのラッシュモードを用意することができる。結果として、制御の複雑化を抑制しつつ、遊技性に深みを与えたり、演出の多様化を図ったりすることができ、単調感の抑制を図るとともに、興趣の向上を図ることができる。さらに、第1変動時間決定テーブル、及び、第2変動時間決定テーブルの両方にそれぞれ複数のレベル対応テーブルが設けられていることから、組合わせパターンが増え、かかる作用効果がより一層奏される。特に、ラッシュモードにおいて、変動表示が行われる回数の上限が設定されている場合には、望ましくない方の変動表示としての第1変動表示で当選しなくても、第1変動表示が行われることで上限に近付いてしまう(第2変動表示を行うことのできる割合が相対的に下がってしまう)ことから、かかる作用効果がより顕著なものとなる。
また、ラッシュモードが付与される場合にレベル決定処理を行い、その後はその決定に従うこととすれば、その後のラッシュモードにおいて、各第1変動表示及び第2変動表示の設定に際し、複数のレベル対応テーブルのうちいずれを参照するのかを抽選等で選択するといった手間を省くことができ、各変動表示の設定に際しての制御の簡素化等を図ることができる。
尚、ラッシュモードにおいて、第2始動入賞装置33cを狙って遊技球を発射させることで、第1サポート始動入賞装置33bにも遊技球が入球し得る構成となっているため、ラッシュモードにおいて、第1変動表示と、第2変動表示とが実行されるピッチの差に応じて、ラッシュモードのレベル分けを行うといった上記の遊技性を確立することができる。
さらに、本態様例では、ラッシュレベルの示唆を行うレベル示唆演出を実行可能に構成されている。このため、ラッシュレベルがどれ程なのかの推測等を楽しむことができる。
また、第1当否抽選、及び、第2当否抽選の結果を、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの変動表示によって確実に教示し、かつ、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの変動表示に対応して装飾図柄表示装置42で行われる第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示を通して、よりドラマチックに伝えることができる。また、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示において、補足説明のような表示等を行うことで、当否抽選の結果がどうで、これからどうなるのか等について、より分かり易くすることができ、遊技をより堪能してもらうことができる。例えば、図54のt9〜t13の間は、第1変動表示及び第2変動表示や小当たり状態が入り乱れて特別表示装置43a、43bを視認していても把握が大変であるが、装飾図柄表示装置42を視認していれば、t10のタイミングで(第2演出変動表示であるBさんの表示から、第1演出変動表示であるA君の表示に切替わり)、第1変動表示で大当たりするかもしれない状況にあることを把握し、(t13までA君が表示され続けるとともに、t13でA君がイベントに成功する表示がなされ、)t13において第1変動表示で大当たりしたことを明確に把握することができる。
加えて、装飾図柄表示装置42では、ラッシュモードにおいて、第1変動時間の残り時間を示唆する第1残り時間表示、及び、第2変動時間の残り時間を示唆する第2残り時間表示を導出可能に構成されている。つまり、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらが先に停止表示されるのか等を残り時間表示によって把握することができる。このため、残り時間表示をみて、第1変動表示及び第2変動表示の時間差による遊技の展開を予想したり、休憩のタイミング図ったりする等、新たな楽しみを見出したり、スケジュール上の利便性の向上を図ったりすることができる。例えば、当否抽選の結果の他に、第2変動表示を第1変動表示よりも先になるべく早く停止表示されて欲しいといった気持ちを持って第1変動表示及び第2変動表示の停止表示のタイミングにより面白味を見出してもらうことができ、演出性や遊技性の向上等を図ることができる。
また、本態様例では、ラッシュモードの残り回数を計数する変動回数カウンタは、変動表示を開始される際に更新されることから、ラッシュモードの上限に対応する変動表示が開始されてから終了するまでの間に、他方の変動表示が開始される場合に、当該他方の変動表示に関して、ラッシュモードが終了した場合の遊技状態に対応した設定を確実に行うことができる。従って、高入球状態が終了しているにもかかわらず、高入球状態に対応した変動時間が設定されていて、不具合や違和感が発生する等といった事態を回避することができる。尚、高入球状態が終了した後の遊技状態に対応する変動表示に対応する前記演出表示は、高入球状態に対応する変動表示に対応する前記演出表示が停止表示された後に導出されることとしてもよい。この場合、高入球状態の上限に対応する変動表示をより確実に堪能してもらうことができる。
また、高入球状態において、第1変動時間が長く、かつ、第2変動時間が短く設定されるように構成されている場合であって、高入球状態の上限に対応する変動表示が第2変動表示であり、当該第2変動表示の直前に第1変動表示が開始された場合、前記上限に対応する第2変動表示が停止表示されて高確率状態が終了しているにもかかわらず、第1変動表示がなかなか終了せず、不具合や違和感が発生することが懸念される。
この点、高確率状態の上限に対応する第2変動時間の設定に際して、それ以前と同じく変動時間が比較的短く設定されることとなるレベル対応テーブルを参照するのではなく、専用のラストテーブルを参照し、第2変動時間を第1変動時間に極力近づけることで、高確率状態の終了後に、既に開始されている第1変動表示の第1変動時間の残り時間が長すぎてしまうといった事態を防止することができる(例えば、低確率状態における第1変動表示の第1変動時間と同じような残り時間となるようにすることが可能)。従って、高入球状態が終了しているにもかかわらず、高入球状態に対応した変動時間が設定されていて、不具合や違和感が発生する等といった事態を回避することができる。
また、本態様例では、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方の変動表示が停止表示された場合に、他方の変動表示が行われている場合であって、一方の変動表示において大当たり状態、及び、小当たり状態が発生する旨が教示された場合には、他方の変動表示が中断され、一方の変動表示において教示された大当たり状態又は小当たり状態の終了後に、中断された他方の変動表示が、中断されたところから再開されるように構成されている。このため、ラッシュモードにおいて、大当たり状態に当選した場合に遊技者にとってより有利な大当たり種別が選択され易い第2変動表示が順次停止表示され、第1変動表示が極力停止表示されないことを所望とし、所定時間あたりの第1変動表示、及び、第2変動表示の行われる回数の比率が結果的に異なっていくラッシュモードのレベルが好ましいものであることを期待するといった遊技性を確立することができる。さらには、単純に、第1変動表示及び第2変動表示が同時にスタートしてどちらが先に停止表示されるかといった遊技性ではなく、第1変動表示が1回行われる間に第2変動表示を何回行えるかの遊技性を付与することができる。
さらに、本態様例では、装飾図柄表示装置42において、第1変動表示の保留記憶があることを示唆する(基本的には、第1保留表示装置46aの第1保留ランプに対応する)第1保留アイコンが導出されるとともに、第2変動表示の保留記憶があることを示唆する(基本的には、第2保留表示装置46bの第2保留ランプに対応する)第2保留アイコンが導出されるようになっている。さらに、第1保留アイコン及び第2保留アイコンとして、第1変動表示及び第2変動表示の内容を示唆する先読み保留アイコンが導出される場合がある。このため、第1残り時間表示、及び、第2残り時間表示の情報と組合わせ、展開を考察する等して楽しむことができる。すなわち、大当たりが教示されそうな第1変動表示が停止表示されるまでに、第2変動表示に関する大当たりを極力多く発生させることが望ましいので、例えば、次回の第1変動表示の停止表示で大当たりが表示される可能性があり、変動中の第1変動表示も残り25秒以上ありそうな第1残り時間表示が導出された上、当該第1変動表示の変動中において、4つ保留されている第2変動表示がすべて終わりそうな第2残り時間表示が導出されたので、当該第1変動表示の停止表示までに、第2変動表示を8回程度は停止表示させられる筈なので1回くらいは大当たりさせたい等といった考察を行うことができる。
尚、本態様例では、第1変動表示及び第2変動表示のうち一方で大当たり状態及び小当たり状態の当選を教示しても、他方の変動表示を中断させるだけで消去したりせずに大当たり状態又は小当たり状態の終了後に再開させる構成なので、第1変動表示及び第2変動表示の内容を示唆する先読み保留アイコンを導出しても(所定のことが必ず起こるといったような教示をしたとしても)、矛盾が生じることを回避することができる。
尚、本態様例でも、上記実施形態と同様に、ラッシュモードにおいて、第2始動入賞装置33cを狙って遊技球を発射させれば、第1サポート始動入賞装置33bにも遊技球が入球し得るように構成されているため、第1変動表示、及び、第2変動表示の両方を実行させることができる。また、ラッシュモードは、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入球し易さを高めることで実現させているため、ラッシュモードにおいて遊技者の意志で第1変動表示を回避させる(第2変動表示だけを実行させる)ことを抑制することができる。さらに、第2始動入賞装置33cは比較的遊技球が入球し易く構成され、ラッシュモードにおいて第2変動表示をテンポよく進行させることができ、ラッシュモードにおける爽快感等をより確実なものとすることができる。また、第2始動入賞装置33cに関しては、常に遊技球が入球し易い構成としても、時短モードや通常モードでは第2変動時間が長くなることから、時短モードや通常モードで第2変動表示がどんどんと消化されるといった事態を回避することができる。
また、ラッシュモードであって、かつ、第1変動表示、及び、第2変動表示が行われている状態において、装飾図柄表示装置42において、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のどちらか一方が導出されているが、当該一方が、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のどちらであるのかの判別がつかないような構成としても、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを視認して、どちらか変動表示が行われていないとすると、前記一方を判別することができる。この点、変動表示を保留記憶させる構成を具備することにより、変動表示が途切れるといった状況を減少させることができる。従って、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示を参照しながら、第1変動表示及び第2変動表示のうちどちらが先に停止表示されるのかに留意するといった遊技性をより確実なものとすることができる。
加えて、ラッシュモードでは、第1変動表示及び第2変動表示の残り時間の表示を行わない、或いは、行わない期間がある(例えば、次回の大当たりまで必ず表示する場合と、時間の大当たりまで全く表示しない場合とがあるように構成してもよいし、各変動表示に際して表示するか否かの抽選に当選した場合に対応する変動表示(当該変動表示だけでもよいし、複数回の変動表示に対してでもよい)において残り表示を行うようにしてもよい)ように構成してもよい。この場合、ラッシュレベルの推測をより楽しむことができる。
(j;ラッシュレベルがある態様例(i)の変形例)
(j−1;装飾図柄表示装置42における表示態様)上記(i)の態様例におけるラッシュモードの装飾図柄表示装置42の表示態様については特に限定されるものではなく、例えば、以下のように構成してもよい。
ラッシュモードの第1変動表示、及び、第2変動表示が行われている状態では、これらの変動表示の結果を教示するための演出変動表示は特に行われない(例えば、主人公が走り続けている)。但し、ラッシュモードの残り回数を示唆・教示する表示は導出される。さらに、小当たり、及び、2RSの大当たりが発生した場合にも、装飾図柄表示装置42では、特に小当たりや大当たりに対応する表示は行われない上、2RSの当選でもラッシュモードの残り回数のリセットは行われない。このため、ラッシュモードがいつまで続くのかが分かり難くなっている。
その一方で、15RS、8RS、4RNの大当たり状態が開始されることで、決着演出が発生する。そして、大当たり状態の第4ラウンドにおいて、決着演出の結果が教示され、4RNの場合には、「負け」となり、大当たり状態後、時短モードに移行する。一方、8RN、15RNの場合には、「勝ち」となり、第5ラウンドに継続するとともに、大当たり状態終了後、ラッシュモードに移行する。
以上のような構成を採用する場合、ラッシュモードにおける装飾図柄表示装置42の表示態様を極力シンプルにすることができ、シンプルな演出が好きな遊技者の要求に応えることができる。
尚、装飾図柄表示装置42の演出表示はあくまでも演出であるため、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示と、第1変動表示、及び、第2変動表示との開始及び終了のタイミングについては、必ずしも同期していなくてもよい。
(j−2;ラッシュレベル決定処理)上記態様例(i)では、始動入賞時に取得されたラッシュレベル乱数カウンタの値に基づいて、大当たり終了時に、ラッシュレベル決定テーブルを参照して、ラッシュレベルを決定するように構成されているが、例えば、始動入賞処理や変動表示設定処理でラッシュ付大当たりに当選したと判別される場合に、当該始動入賞処理や変動表示設定処理においてラッシュレベルを決定・記憶するように構成してもよい。
また、上記態様例(i)では、低状態としての通常モード及び時短モードでラッシュ付大当たりに当選した場合にのみ、ラッシュレベルの設定が行われるように構成されているが、ラッシュレベルは、大当たり状態が発生する度に再設定される(大当たり状態前が通常モード又は時短モードであったと判別されなくてもレベル決定処理が行われる)ように構成してもよい。さらに、毎回ではなく、所定回数ごとに行われるように構成してもよいし、所定の抽選で当選した場合等のランダムに行われるように構成してもよい。この場合、大当たり状態の前後でラッシュレベルが変更される可能性があり、より抑揚のある遊技性とすることができる。
また、例えば、ラッシュレベル1〜4の振分けの割合が異なる複数のラッシュレベル決定テーブル(例えば、ラッシュレベル4及び3が選択され易いラッシュレベル4決定テーブル、ラッシュレベル3及び2が選択され易いラッシュレベル3決定テーブル、ラッシュレベル2及び1が選択され易いラッシュレベル2決定テーブル、及び、ラッシュレベル1が選択され易いラッシュレベル1決定テーブル)を設け、通常モード及び時短モードでラッシュ付大当たりに当選した場合に、通常モードに移行するまでの一連のラッシュモードにおいて、どのラッシュレベル決定テーブルを参照するのかを決定し、ラッシュテーブル記憶エリアに記憶するように構成してもよい。さらに、ラッシュ付大当たりの毎回の大当たり状態終了時に、大当たりとなった変動表示の変動情報が記憶されている実行エリアのラッシュレベル乱数カウンタの値に基づいて、ラッシュテーブル記憶エリアで示されるラッシュレベル決定テーブルを参照して、今回のラッシュモード(通常モードへ移行するか、大当たりするまで)のラッシュレベルを決定し、ラッシュレベル記憶エリアに記憶するように構成してもよい。この場合、大当たり状態の前後でラッシュレベルが変更される可能性があるが、選択されるラッシュレベルの範囲がある程度限定され、一連のラッシュモードの統一感を与えるとともに、より抑揚のある遊技性とすることができる。
尚、ラッシュ付大当たり状態に対応する当否乱数カウンタの値が取得された際、又は、ラッシュ付大当たり状態が発生した際の遊技状態に応じて、ラッシュレベルの振分け(例えば、参照されることとなるラッシュレベル決定テーブルの振分け)が異なるように構成してもよい。例えば、時短モードで当選した場合の方が、通常モードで当選した場合よりも、遊技者にとって有利なラッシュレベルが選択され易いラッシュレベル決定テーブルが選択されるように構成してもよい。
(j−3;残り時間表示)上記態様例(i)における第1残り時間表示、及び、第2残り時間表示の態様や示唆内容としては特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、完全外れの変動表示の残り変動時間は示唆しない構成としたり、完全外れ、前後以外外れ、及び小当たりの変動表示の残り時間は示唆しない構成としたり、第1変動表示は大当たり又は前後外れの場合のみ、第2変動表示は大当たり、小当たり(、さらに、前後外れがある構成では前後外れ)の場合のみ残り時間表示が導出されるように構成してもよい。
さらに、変動表示中の第1変動表示及び第2変動表示に関する第1残り時間表示及び第2残り時間表示を導出するだけではなく、保留されている第1変動表示及び第2変動表示に関する(を含めた)第1残り時間表示及び第2時間表示を行えるように構成してもよい。すなわち、変動表示が保留記憶された際に、主制御装置261からサブ制御装置262に対して、当否抽選に関する当否関連情報(大当たり、小当たり、外れのいずれであるか)、リーチ種別の情報、第1変動表示及び第2変動表示のどちらであるかの情報、変動時間の情報を含む変動情報が先発コマンドとして出力される。先発コマンドに基づいて(先発コマンドに含まれる変動情報を、サブ制御装置262において、主制御装置261の特別変動保留エリアに対応して設けられた変動情報記憶エリアの保留エリアに記憶し、当該保留エリアに記憶された変動情報に基づいて)、サブ制御装置262は、ラッシュモードにおいて、例えば、第1変動表示のうち保留第2エリアに保留記憶されたものが大当たりに対応し、変動中の第1変動時間が残り10秒、保留第1エリアに保留記憶された第1変動表示が30秒、保留第2エリアに記憶された第1変動表示が30秒であるため、第1変動表示で大当たりするかもしれないタイミングまで残り70秒であるといった第1残り時間表示を導出することとしてもよい。
この場合、現在変動表示中の変動表示だけでなく、保留記憶されている変動表示の内容についても示唆を行うことができ、残り時間表示で示唆することのできる内容が増え、演出性の向上等を図ることができる。さらに、保留された変動表示を含む残り時間表示と、保留された変動表示の当否抽選の内容の示唆とを組合わせる等、遊技者が得られる情報が増え、それを基にあれこれ思案して、遊技を堪能することができる。
また、装飾図柄表示装置42におけるメイン画面(画面中央を含む領域)において残り時間表示を行う構成に代えて、又は、加えて、保留アイコンで残り時間表示を行うこととしてもよいし、装飾図柄表示装置42とは別に残り時間表示を行うことのできる表示装置(液晶表示装置、EL表示装置、マトリクス表示装置、セグメント表示装置、(可動針の付いた)メータ表示装置、複数個のランプ、複数色に発光可能なランプ等)を設けることとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42とともにメータ表示装置を設け、ラッシュモードにおいて、メータ表示装置では、大当たり期待度が高いとされる(大当たり又は前後外れに対応する)第1変動表示が保留されてから、第1残り時間表示としてのメータ表示が基準位置から下がり続けて、大当たりとなる第1変動表示が停止表示されることで「0」になる(前後外れの場合は元に戻る)ような表示が行われ、装飾図柄表示装置42では、大当たり期待度が高いとされる第1変動表示の大当たり期待度やメータ表示装置による残り時間表示の信憑性を示唆する表示や、変動中の第1変動表示の第1残り時間表示や、変動中の第2変動表示の第2残り時間表示、或いは、保留された所定の第2変動表示の停止表示までの第2残り時間表示等が行われるように構成してもよい。
このように、残り時間表示を表示可能な演出表示手段を複数設けることで、例えば、残り時間表示を複数の演出表示手段に導出して意味合いの違いなどを明確にしたり、格好良く表示したりすることができるとともに、所定の演出表示手段における残り時間表示が邪魔になった場合に別の演出表示手段に表示する(まとめて表示する)等といったことができる。従って、意匠性の向上、利便性の向上等を図ることができる。また、同じ対象を示す複数の第1残り時間表示を導出して、第1残り時間表示の信頼度を高めたり、異なる対象を示す複数の第1残り時間表示を導出して、より多くの情報を付与したりすることができる。尚、装飾図柄表示装置42と、別の表示手段とにおいて、それぞれ同じ第2変動表示を対象とする第2残り時間表示を行ったり、それぞれが異なる第2変動表示を対象とする第2残り時間表示を行ったりすることができるように構成してもよい。
また、残り時間表示に代えて、又は、加えて、音声による示唆を行うように構成してもよい。つまり、残り時間表示とともに対応する音声を導出する構成の他、例えば、演出ボタン125等を操作した場合に、残り時間を示唆する音声が導出され得るように構成してもよい。
尚、第1残り時間表示及び第2残り時間表示のうち一方又は両方を省略することも可能である。但し、第2変動表示に関連して大当たりした方が第1変動表示に関連して大当たりする場合よりも有利な構成において第1残り時間表示を行うことにより、ラッシュモードにおいてより抑揚のある遊技性を付与することができる。
さらに、例えば、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示において、対応する変動表示の結果が示唆・教示される結果表示演出と、結果表示演出の直前に行われるクライマックス演出とを導出可能に構成され、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のうち一方(大当たり状態に当選した場合に有利となる第2演出変動表示に限定してもよい)においてクライマックス演出が開始された場合には、他方よりも先に結果表示演出が行われるとともに、対応する変動表示が停止表示されることとしてもよい。この場合、クライマックス演出が開始されたならば、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらが先に停止表示されるのかが把握されることから、クライマックス演出に集中して堪能することができる。
(j−4)尚、上記(i)の態様例では、ラッシュモード中の第1変動表示は、ミドル変動となっているが、特に、変動時間については限定されるものではなく、ラッシュレベルをより多段階にするべく、例えば、第1変動表示をショート変動にする場合もある(ラッシュモードでは好ましくない第1変動表示の時短が付与される格好となる)ように構成してもよい。
尚、保留先読み演出は保留アイコン461で行われる構成に限定されず、例えば、複数の演出変動表示にわたって一連の演出(連続予告;発生した場合には、次の変動表示の大当たり期待度が高まる)が行われる演出についても保留先読み演出に含む趣旨である。
(j−5)残り時間の表示は、時間を表示する構成に限定されるものではなく、例えば、保留されている第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のうち停止される順番を示唆したり(明示してもよいし、可能性を示したりしてもよい)、また、単に、変動中の第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のうちどちらが先に停止されるのか(第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示で互いに競争するような演出表示を行う等してもよい)を示唆・教示したりすることとしてもよい。さらに、「まだ停止しない」、「少なくとも・・・までは停止しない」というような示唆・教示を行うこととしてもよい。
(j−6)残り時間の表示は、液晶表示装置等のデジタルな表示手段で行われる構成に限定されるものではなく、可動役物等を利用して残り時間の表示を行うこととしてもよい。さらに、可動役物等に数字を直接記載するような構成に限定されるものではなく、可動役物と、残り時間等とを対応付ける等して遊技者に理解・推測してもらうように構成してもよい。例えば、第1演出変動表示に対応付けて「ウサギ」の可動役物が視認可能範囲に導出され、第2演出変動表示に対応付けて「亀」の可動役物が視認可能範囲に導出されることで、第1演出変動表示が、第2演出変動表示よりも早く終わることの示唆を行ってもよい。また、例えば、保留アイコン461として、第1キャラクタ、第2キャラクタ、第3キャラクタが表示されるとともに、残り時間を示唆する表示を行うために装飾図柄表示装置42とは別に設けられた表示装置(例えば、液晶表示装置)において、第1キャラクタ、第2キャラクタ、第3キャラクタが所定の競技を行って、負けたキャラクタに対応する保留アイコンの変動表示が先に停止表示されていくような演出を行うこととしてもよい。
(j−7)第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示の演出の内容についても特に限定されるものではなく、装飾図柄表示装置42において、第1演出変動表示と、第2演出変動表示とが、並行して表示されるように構成してもよいし、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示のどちらも表示され得る状態(第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43bの両方とも変動表示中)であっても、装飾図柄表示装置42では、どちらか一方に対応する演出変動表示のみが表示される、或いは、そのような場合があるように構成してもよい。また、例えば、遊技者にとって好ましい結果が得られる可能性が比較的高い第2演出変動表示ではなく、第1演出変動表示が停止表示されるか否かといった危機回避演出を行い、ここで成功した場合には第2演出変動表示が表示され、失敗した場合には第1演出変動表示をそのまま停止表示まで行い、第1変動表示がどのような結果なのかを表示するように構成してもよい。ちなみに、残り時間表示により、第1演出変動表示が停止表示されそうではあるが、残り時間表示では、未だ終わるような残り時間ではない表示が行われることで、第1変動表示が停止されることが把握されるという、遊技者に安心感を付与するような演出を行うことができる。
さらに、例えば、第2演出変動表示をその開始時から表示せず、第1演出変動表示の途中で差し替わる格好で、第2演出変動表示を導出させる(特に、大当たり期待度の高い場合に導出され易くすることが望ましい)ように構成してもよい。この場合にも、残り時間表示により、装飾図柄表示装置42では、現状、第1演出変動表示が行われているものの、残り時間表示では、第2演出変動表示の停止表示までの残り時間を表示し、第1演出変動表示の停止までの時間とは思えないような時間が教示されているといった違和感演出を行うことも可能である。
(j−8)加えて、装飾図柄表示装置42において、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示が両方とも表示されるとともに、両演出変動表示が同時に終了する、又は、同時に開始される場合があるように(見せる演出を導出可能に)構成してもよい。例えば、最終的に2つの演出変動表示が組み合わさって(分割画面のまま、或いは、分割画面が合体して1画面となって)、より期待の高まる演出となるように構成してもよい。
例えば、装飾図柄表示装置42において第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示が両方とも表示される状態において、外れに対応する第1演出変動表示が残り30秒の段階で、確変大当たりに対応する20秒の第2演出変動表示が開始される場合に、当該第2演出変動表示の開始に際して当該第2演出変動表示の設定に際し、第1演出変動表示の停止のタイミングを合わせるというパターンが抽選で選択された場合に、第2演出変動表示に関し対応する演出パターンを設定するとともに、第1演出変動表示に関し、残り時間を20秒に合わせるとともに、第1演出変動表示の残り時間が10秒となった段階で、第1演出変動表示の演出を、それまでの流れとは異なる前記第2演出変動表示の演出パターンの設定に際して決定されたパターンに変更する(例えば、演出パターンAの流れから、カットイン演出等を挟んで、演出パターンBに変わる)ような演出を実行可能に構成してもよい。
また、例えば、第1演出変動表示に際し、当該第1演出変動表示の導出期間中に開始され、かつ、終了するとともに、大当たりに対応する第2演出変動表示が導出される場合(かかる判別は、当該大当たりに対応する第2演出変動表示の保留に際して判別して、対応する第1演出変動表示に対応付けて、その旨が分かるようなフラグ等の設定を行うこととしてもよいし、第1演出変動表示の設定に関して、上記判別を行うように構成してもよい)、当該第1演出変動表示の開始を待機させるような演出を行い(該当の第2演出変動表示の開始までの時間をかかる待機演出の時間として設定する)、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示があたかも同時に開始されるような演出表示を行うこととしてもよい。
(k;残り時間表示)上記実施形態において、例えば、装飾図柄表示装置42(演出表示手段)において、第1変動時間の残り時間を示唆する第1残り時間表示、及び、第2変動時間の残り時間を示唆する第2残り時間表示のうち少なくとも一方を導出可能に構成してもよい。この場合、残り時間表示によって、第1変動表示及び第2変動表示が並行して行われるといった遊技性の理解を助ける案内・説明等を行ったり、演出性を高めたりすることができ、残り時間表示をみて、第1変動表示及び第2変動表示の時間差による遊技の展開を予想したり、休憩のタイミング図ったりする等、新たな楽しみを見出したり、スケジュール上の利便性の向上を図ったりすることができる。
例えば、ラッシュモードにおいて、第1変動表示、及び、第2変動表示が行われている状態において、サポートモードにおける第1変動表示は、通常モード、及び、時短モードにおける第1変動表示よりも第1変動時間が長くなっていることを教示する案内表示を導出可能に構成してもよい。
つまり、上記実施形態では、ラッシュモードにおいて第1変動表示が120分以上に設定されることとなるが、ラッシュモードにおいて遊技をしていると、第2変動表示の停止表示とともに、第1変動表示についても停止表示(消去)されることから、第1変動表示が長くなっていることに気付かない遊技者もいることが考えられる。このため、ラッシュモードにおいて第2変動表示を途切れさせたらいけないと躍起になり過ぎて心労してしまうことが懸念される。この点、本態様例のように、ラッシュモードの第1変動時間が長いことを教示し、第2変動表示の開始が遅れても、あまり支障のないことを把握することで、幾分ゆとりを持って遊技を行うことができ、遊技球の発射操作を行う発射操作手段から手を離す余裕が生まれる等、遊技における快適性の向上等を図ることができる。
また、例えば、ラッシュモードにおいて、第1変動表示及び第2変動表示のうち第1変動表示のみが実行されている状態において、実行中の第1変動表示の第1変動時間を教示又は示唆可能な残り時間表示を導出可能に構成してもよい。
つまり、ラッシュモードの第1変動時間が長く設定され、トイレや飲料の購買等の時間が十分にあったとしても、不安で離席できないことが考えられる。この点、本態様例によれば、ラッシュモードの第1変動時間の残り時間を教示又は示唆する残り時間表示が導出可能になっていることから、かかる残り時間表示を確認して、安心して離席することができる。従って利便性の向上等を図ることができる。尚、残り時間表示としては「第1変動表示の停止までに○○分以上あります」等といった具合に、停止タイミングをピンポイントで教示しないこととしてもよい。
さらに、例えば、演出操作手段としての演出ボタン125等の操作に応じて残り時間表示を導出及び消去可能に構成してもよい。この場合、離席する予定がなく遊技を続ける状態において残り時間表示が目障りであると感じる状態の遊技者は残り時間表示を消去することができ、消去したが、再度見たい場合には、再表示させることができる。
加えて、残り時間表示は、演出変動表示の終了までの時間だけでなく、1の演出変動表示における所定の演出パートの終了、又は、開始(1の演出変動表示における所定の教示・示唆までの時間)を表示する(演出変動表示の終了までの残り時間と並行して表示してもよいし、単独で表示してもよい)場合があってもよい。
装飾図柄表示装置42において、残り時間表示に関する演出(例えば、演出ボタン125の操作を伴う演出)として、残り時間を変化させる表示を実行可能に構成してもよい。例えば、複数回の第1変動表示の結果を、一繋がりの第1演出変動表示でまとめて表示するように構成してもよい。すなわち、第1変動表示の停止表示のタイミングで第1演出変動表示が停止表示されなければ、その第1変動表示は外れであるといった対応付けをしてもよい。さらに、例えば、第1演出変動表示や、第2演出変動表示として、適宜、演出を付け足せるような構成としておき、残り時間表示に関する演出で、残り時間を延長させるパターンが選択された場合に、保留されている変動表示にまで、現在行われている第1演出変動表示や第2演出画変動表示を延長させる(繋がって見えるように演出を差替える、作り変える)ように構成してもよい。逆に、例えば、当初は2つの第1変動表示を跨いだ第1演出変動表示を行う予定だったが、残り時間表示に関する演出で、残り時間を短縮させるパタンが選ばれた場合に、各第1変動表示に対応して、第1演出変動表示も終了させていくように(演出変動表示を各変動表示に個別に対応して見えるように演出を差替える、作り変える)構成してもよい。
(l;特別表示装置43a、43bに隣接するサブ表示装置)サブ制御手段としてのサブ制御装置262によって直接的、又は、間接的に制御される第1サブ表示手段としての第1サブ表示装置、及び、第2サブ表示手段としての第2サブ表示装置を設け、第1サブ表示装置は、第1特別表示装置43aに隣接して配置されるとともに、第1特別表示装置43aの第1変動表示を行うための表示部と同様の表示部を備え、第2サブ表示装置は、第2特別表示装置43bに隣接して配置されるとともに、第2特別表示装置43bの第2変動表示を行うための表示部と同様の表示部を備えていることとしてもよい。
つまり、装飾図柄表示装置42でいくら演出を行ったとしても、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの第1変動表示及び第2変動表示を視認すれば、大当たり状態が発生すること(一方が変動表示中で、他方の変動表示の保留があるにもかかわらず、他方が変動表示されていないことで、一方の変動表示で大当たり状態が教示されることが分かってしまう)や、大当たり状態の種別が把握されたり、装飾図柄表示装置42の演出変動表示が第1変動表示及び第2変動表示のうちどちらに対応しているのかを隠しても把握されたりしてしまう。
この点、本態様例によれば、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの確定表示のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、例えば、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技を行おうとする遊技者と、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを把握していない遊技者、或いは、装飾図柄表示装置42等の演出を堪能したいがために第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bをあえて視認しない遊技者等との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差)を極力小さくすることができる。つまり、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bのパターンを把握し、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、装飾図柄表示装置42の演出表示等を存分に堪能してもらうことができる。
また、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの表示態様を分かり難くするために、サブ制御装置262で制御される第1サブ表示装置、及び、第2サブ表示装置によって疑似表示を行うこととしている。従って、例えば、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの表示態様を分かり難くするために、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの表示態様をより複雑なものとする場合に比べ、主制御装置261の制御負担を軽減したり、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの簡素化を図ったりすることができる。
尚、「第1変動表示が行われている場合、第1サブ表示装置において、開始及び終了のタイミングが前記第1変動表示と同期する第1疑似表示が行われ、第2変動表示が行われている場合、第2サブ表示装置において、前記第2変動表示と同期する第2疑似表示が行われること」としてもよい。
また、サブ表示装置を設ける構成に代えて、又は、加えて、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bを変位させる駆動手段を設け、停止表示の際に変位するように構成することで、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの表示態様を瞬時に判断し難くなるように構成してもよい。
(m;小当たり)上記実施形態において、小当たり状態は、第2可変入賞装置32bの特定領域141の遊技球が無くならなければ終了しない構成となっているが、終了するように構成してもよい。第2可変入賞装置32bの振分け装置149等の構成は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設計可能である。例えば、振分け装置として遊技球をスライドバー149aのすぐ上流側で1つ停留させておくことのできる停留手段を設け、所定のタイミングで(所定周期ごとに、或いは、小当たり状態の発生時から所定周期ごとに)停留状態が解除されるように構成したり、遊技球を1つずつ収容可能なポケット部を複数備えるとともに回転し、遊技球が入球したポケット部に応じて案内先が特定入球部145又は非特定入球部146のどちらかに決まるように構成したりしてもよい。
(n;装飾図柄表示装置42の表示)上記実施形態では、第1演出変動表示が導出される第1演出状態においては装飾図柄が変動表示され、第2演出変動表示が導出される第2演出状態においては装飾図柄が表示されず、アニメーションのキャラクタの動作等で当否抽選の結果を教示する構成となっているが、装飾図柄表示装置42における第1演出変動表示や第2演出変動表示の態様については、特にこのような構成に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。
上記実施形態では、第1演出状態における演出変動表示(装飾図柄の変動表示であって、基本的に、第1演出変動表示)は、特別表示装置43a、43bの所定の変動表示の開始とともに開始され、前記所定の変動表示の終了とともに終了するように構成されているが、例えば、前記所定の変動表示の終了の段階では終了せずに、その後の変動インターバルを経由して、その後の所定の変動表示の終了とともに終了するように構成してもよい。つまり、上記実施形態では特に言及していないが、連続予告演出が導出される複数の装飾図柄の変動表示であっても、対応する特別表示装置43a、43bの変動表示が終了する毎に、装飾図柄を停止表示させる構成となっている。これに対し、複数の特別表示装置43a、43bの変動表示に対応する複数の装飾図柄の変動表示にわたって展開される(途中で装飾図柄の停止態様を(上記実施形態のように中央で大きく)表示することなく、かつ、変動インターバル中も展開される)演出を導出可能に構成してもよい。
上記実施形態では、第2表示状態において小当たりに当選した場合に装飾図柄表示装置において魚群が所定の動作を行うように構成されているが、小当たりの当選に対応する表示を行わないように構成してもよい。さらに、第2表示状態の第2演出変動表示においては、小当たり状態中と、第2変動表示の変動表示中との区別がつかないような表示態様となっているが、(小当たり状態の当選を教示する態様に代えて)小当たり状態中であることが把握できるような表示態様を導出してもよい。尚、装飾図柄表示装置42を省略することも可能である。
(o)装飾図柄表示装置42において表示される保留アイコン461の態様や表示位置や保留アイコン461を利用しての演出(変動情報が保留記憶された段階で変動情報の内容を把握し、保留アイコン461の態様で対応する演出(大当たり期待度の示唆等)を行う保留先読み演出)等は機種毎に適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、第2変動表示に対応する保留アイコンが導出されないように構成されているが、導出され得るように構成してもよい。但し、通常モードで遊技を終了する際に、第2変動表示に対応する保留アイコンが表示されていると(第2変動表示が停止表示されるまでには何時間もかかる場合があるので第2変動表示中でも遊技を終了することになる)、第2変動表示を残したまま遊技を終了することへの不快感を増長することが懸念されることから、表示されないようにすることが望ましい。
尚、全ての変動表示に対応する保留アイコンを表示する場合には、さらに、保留アイコンの詳しい情報を表示可能としてもよい。例えば、保留アイコンのいずれかを任意に選択可能に構成し(例えば、対応する保留アイコンを遊技者が触るような動作を行うことで、或いは、装飾図柄表示装置42において変動表示中専用のメニュー画面→保留アイコンの項目を選択し、さらに、装飾図柄表示装置42において表示されるカーソルを対象の保留アイコンに合わせることで)、対応する変動表示の内容(第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらに対応するか、期待度(教示可能な範囲内のみ)等)を表示可能に構成してもよい。
また、上記実施形態において、装飾図柄表示装置42の複数箇所への物体の近接又は当接を検知可能であり、サブ制御装置262の入出力ポート554に接続される近接検知手段(例えば、発光部及び受光部を有する近接検知センサやタッチパネル等)を設けることとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462に表示された保留アイコン461に対し、遊技者が指等を近接させた場合に、かかる指等の検知に基づいて、かかる保留アイコン461の態様が変化したり移動したりする場合があるように構成してもよい。この場合、保留アイコン461への関心を向上させたりすることができる。
(p)上記実施形態では、発射装置60の発射のタイミング(発射の間隔)を主制御装置261が決定しているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、発射制御回路312によって、発射タイミング(発射の間隔)を計るように構成してもよい。この場合、主制御装置261の制御負担の抑制を図ることができる。
(q)上記実施形態において、可変入球手段(可変入賞装置32a、32b)、始動入球手段(始動入賞装置33a、33b、33c)、スルーゲート34等の配置、数についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜配置可能である。加えて、第1サポート始動入賞装置33bは、閉状態でも遊技球が入球可能となるように構成してもよい。但し、上記実施形態では、通常遊技状態において右打ちし続けても、左打ちをする場合に比べて遊技者にとって特にならない(損をする)ような構成とすることが望ましいことから、第1サポート始動入賞装置33bは閉状態時には入球不可能となる構成である方が望ましい。
(r)上記実施形態において、パチンコ機10と、遊技機メーカー等が運営するサーバとの間で、遊技者の所有する通信携帯端末等を介して、データのやりとり(所謂、モバイル連動遊技)を行えるように構成してもよい。さらに、モバイル連動遊技を終了させる場合に、今回の遊技情報を含む2次元コードを装飾図柄表示装置42に表示させ、遊技者がかかる2次元コードを携帯通信端末で読取るとともに、該携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、前記遊技情報がサーバに送信される構成において、パチンコ機10は、特別表示装置43a,43bの変動回数をカウントする変動回数カウンタや、各種大当たり状態の発生回数をカウントする大当たりカウンタ等を備え、モバイル連動遊技の終了に際して装飾図柄表示装置42で表示される2次元コードに、各種前記カウンタの値を示す情報が含まれるように構成されていることとしてもよい。さらには、遊技球の発射総数の情報、導出された演出の種別、及び、その回数、遊技者がボタン演出中に演出ボタン125を操作した回数等についても、該2次元コードに含ませることとしてもよい。この場合、遊技機メーカー側で、遊技状況を把握することができる。
尚、上記カウンタの値は、2次元コード化されることで消去され、それ以外は(電源が落とされたとしても)蓄積される(ラム消去スイッチを操作しながらの電源オンで消去される)こととしてもよい。また、疑似羽根部材431の挙動パターンの傾向について、(モバイル連動遊技を行っている遊技者に関し、)遊技者が数種類のうちから選択することが可能に構成してもよい。
(s)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32a、32bの開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。
また、上記実施形態では、ラッシュモードや時短モードは、第1及び第2変動表示が合計で70回行われることで上限となり、通常モードに移行するように構成されているが、かかる上限回数については特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。
さらに、上記実施形態において、第1当否抽選において第1確率で大当たり状態に当選する低確率状態と、前記第1確率よりも高い第2確率で大当たり状態に当選する高確率状態とを設定することとしてもよい。この場合、例えば、低入球状態、かつ、低確率状態、かつ、第1変動状態の通常モードと、高入球状態、かつ、低確率状態、かつ、第1変動状態の時短モードと、高入球状態、かつ、低確率状態、かつ、第2変動状態のスペシャル時短モードと、高入球状態、かつ、高確率状態、かつ、第2変動状態のラッシュモード(確変モード)と、低入球状態、かつ、高確率状態、かつ、第1変動状態の潜確モードとを設定する等することができ、遊技性や演出性の多様化等を図ることができる。加えて、ラッシュモードの上限を、次回の大当たり状態までとしてもよい。
装飾図柄表示装置42において、大当たり状態終了後に移行する遊技モードについての教示が、遅くとも対応する大当たり状態が終了するまでの間に必ず行われるように構成してもよいし、対応する大当たり状態が終了しても行われない(内部的に確変モードである場合でも、装飾図柄表示装置42では、スペシャル時短モードと同じ演出ステージに移行するように構成してもよい。
また、入球サポート抽選における当選確率や、当選した場合の羽根部材37付きの始動入賞装置(本例では、第1サポート始動入賞装置33b)の開閉パターン等についても、機種毎に適宜設定可能である。さらに、第1サポート始動入賞装置33bへの1回の開放における遊技球の入賞上限を設定してもよいし、設定しなくてもよい。より具体的には、第1サポート始動入賞装置33bへの遊技球の入球が入賞上限となるまでの数をカウントする始動入賞上限カウンタを設け、第1サポート始動入賞装置33bを開放する場合に、始動入賞上限カウンタに対して、入賞上限に対応する値を設定し、第1サポート始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、始動入賞上限カウンタの値を1減算する処理を行い、第1サポート始動入賞装置33bの開状態中において、閉状態とするタイミングが未だ到来していない場合であっても、始動入賞上限カウンタの値が「0」になった場合には、直ちに第1サポート始動入賞装置33bを閉状態とするように構成してもよい。
(t)上記実施形態における演出操作手段としての演出ボタン125は、遊技者が操作可能な部位である操作部が操作位置と、非操作位置との間を変位可能に構成されているだけであるが、例えば、操作部が操作されていない状態において操作部が変位可能に構成されるように構成してもよい。つまり、例えば、演出ボタン125は、操作部と、操作位置に変位した操作部を検知可能な操作検知スイッチ(操作検知手段)と、操作部を非操作位置側に付勢するコイルばね(付勢手段)とを備え、操作されていない状態にある操作部を第1位置に位置させる第1状態と、操作されていない状態にある操作部を前記第1位置よりも当該演出ボタン125が取付けられた被取付部(例えば、上皿19)から大きく突出する第2位置に位置させる第2状態とに切替える切替手段としての切替装置(操作部を第1位置と第2位置とに変位させる駆動手段等)を設けることとしてもよい。この場合、演出を盛り上げ、興趣の向上を図ることができる。
尚、操作演出における演出ボタン125の態様により、大当たり期待度の示唆を実行可能に構成してもよい。例えば、突出長が段階的に、或いは、無段階的に調節可能であり、印象時間表示471に応じて、その突出量が変化するように構成してもよい。加えて、演出ボタン125は、第1位置及び第2位置のどちらにあっても、操作部を操作位置と非操作位置とに変位可能(操作位置に変位した操作部が操作検知スイッチに検知される)に構成されていることとしてもよい。
(u)上記実施形態では、第1通常始動入賞装置33aへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33cへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与され得る大当たり種別の振分け割合が異なるように構成されているが、同一となるように構成してもよい。加えて、上記実施形態では、第1通常始動入賞装置33a、第1サポート始動入賞装置33bへの入球に基づいて付与される遊技球(賞球)の数が、第2始動入賞装置33cへの入球に基づいて付与される遊技球の数よりも多く構成されているが、少なくなるように構成してもよいし、同一となるように構成してもよい。
(v)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS210〜ステップS219で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS209で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(w)上記実施形態では、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理の結果(当否フラグ等の状態)に応じて大当たり状態を発生させるか否かを決定しているが、始動入賞処理に際して判別された大当たりか否かの情報に基づいて、変動パターンコマンドの設定を行うように構成してもよい。また、上記実施形態では、変動パターンコマンドの設定に際し、再度、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、大当たり種別やリーチパターン等を判別するように構成してもよい。
(x)日時を把握可能なリアルタイムクロックを設け、リアルタイムクロックの日時の情報に応じた演出態様を導出可能に構成してもよい。また、時刻や日付によって、選択され易い演出に変化が生じる(選択され易い演出用のテーブルが変わる)ように構成してもよい。
(y)上記実施形態では、1回分の前記第2変動時間の長さが、複数回分の前記第1変動時間の長さの和よりも長く設定される第1変動状態と、1回分の前記第1変動時間の長さが、複数回分の前記第2変動時間の長さの和よりも長く設定される第2変動状態との間を状態変化可能に構成されているが、例えば、通常モードでは、第1ミドル変動時間決定テーブルと、第2ロング変動時間決定テーブルとが参照され(第1変動状態とされ)、時短モードでは、第1ミドル変動時間決定テーブルと、第2ロング変動時間決定テーブルとが参照され(第1変動状態とされ)、ラッシュモードでは、第1ミドル変動時間決定テーブルと、第2ショート変動時間決定テーブルとが参照される(第1変動状態及び第2変動表示のどちらでもなく、第2変動時間が短縮された状態とされる)ように構成してもよい。
尚、第2始動入賞装置33cを常時入球可能とし、さらに、大当たり状態を挟んで通常モードからラッシュモードへと移行する構成において、大当たり状態では、第2始動入賞装置33cへの入球が望める領域への遊技球の発射(本例では右打ち)が求められるような構成とすることにより、大当たり状態中に第2変動表示が保留記憶され、ラッシュモードの開始時には、第2変動表示を直に開始させることができる。従って、ラッシュモードが開始されたものの、第1変動表示が行われ、第2変動表示が行われないといった事態を抑制することができ、遊技をスムースに進行させることができる。
(z)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、特定入球部145のないパチンコ機に適用してもよい。また、例えば、特定入球部145への入球が大当たり状態の発生の契機となるのではなく、ラッシュモード(確変モード)の付与の契機となるように構成してもよい。この場合、第2可変入賞装置32bへの入球が見込める大当たり状態が発生した場合(第2可変入賞装置32bは開放されるが、とても短くて、入球が見込めない大当たり状態を設定したり、第2可変入賞装置32bが開放されない大当たり状態を設定したりすることとしてもよい)にのみラッシュモード(確変モード)が付与されるように構成してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報等参照)。
また、パチンコ機の一種として、遊技球の入球に基づいて第1可変入球手段を開状態とする第1特別遊技状態を発生させるか否かの第1当否抽選が行われる第1始動入球手段と、遊技球の入球に基づいて第2可変入球手段を開状態とする第2特別遊技状態を発生させるか否かの第2当否抽選が行われる第2始動入球手段と、第2始動入球手段に対する遊技球の入球を可能又は容易とする開状態と、不可能又は困難な状態とする閉状態とに変化する開閉部材と、第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能に構成され、遊技球の入球に基づいて第1特別遊技状態が発生する特定入球手段とを備えるもの(所謂、1種2種混合機)が知られている。
当該パチンコ機においては、通常の遊技状態では、第2始動入球手段への入球が見込めないため、第1始動入球手段に遊技球を入球させて第1当否抽選を行い、第1特別遊技状態を狙うといった遊技性となる。また、一般に、かかるパチンコ機においては、開閉部材が開状態とされ易く、第2始動入球手段へ遊技球を入球させ易くなる高入球状態が設定されており、第1特別遊技状態の終了後に高入球状態が付与される場合がある。そして、高入球状態においては、第2始動入球手段に遊技球を入球させて第2当否抽選(第1当否抽選で第1特別遊技状態に当選するよりも高確率で第2特別遊技状態に当選する)を行い、第2特別遊技状態を発生させるとともに、開放された第2可変入球手段を介して特定入球手段に遊技球を入球させ、第1特別遊技状態を狙うといった遊技性となる。
つまり、高入球状態は、通常の遊技状態である低入球状態に比べ、遊技球を第2始動入球手段に入球させ易いことから、遊技球の減り(球減り)を抑制しつつ、効率的に第2当否抽選を行うことができ、結果的に、第1特別遊技状態の発生期待度が大幅に高まる状態となっている。また、第1特別遊技状態の終了後に高入球状態に移行し、さらに、高入球状態において第1特別遊技状態に当選すれば、球減りすることなく第1特別遊技状態を重ねられる。このため、高入球状態は、手持ちとする遊技球を大幅に増やすことのできる状態でもある。
ところで、第1特別遊技状態終了後に、高入球状態を挟むことなく、低入球状態に移行した場合には、当該タイミングで遊技を終了する遊技者が大半を占めることとなる。すなわち、手持ちの遊技球が最も増えたタイミングである上、遊技を継続させる場合には、(手持ちの遊技球の減りが比較的早い)低入球状態から遊技を行わなければならず、遊技者にとっては敷居が高く感じられる。従って、第1特別遊技状態終了後に高入球状態が付与されないというのは、遊技を終了する強い動機付けとなり、遊技者の遊技意欲が抑制されてしまうことが懸念される。例えば、第1特別遊技状態の余韻としてもう少し遊技を楽しみたいところを我慢してしまう、または、別の遊技機に移動してしまう等といったことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技意欲の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.発射装置により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入球手段、及び、第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な第1始動入球検知手段と、
前記第2始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な第2始動入球検知手段と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成された第1可変入球手段、及び、第2可変入球手段と、
前記第1始動入球検知手段による検知が行われた場合に、前記第1可変入球手段を開状態とさせる第1特別遊技状態を発生させるか否かの第1当否抽選を行うとともに、当該第1当否抽選に当選した場合に前記第1特別遊技状態を発生させる第1特別遊技発生手段と、
前記第1特別遊技発生手段が行う前記第1当否抽選の結果を教示する第1特別図柄による第1変動表示が行われる第1特別表示手段と、
前記第2始動入球検知手段による検知が行われた場合に、(前記第1当否抽選、及び、)前記第2可変入球手段を開状態とさせる第2特別遊技状態(小当たり)を発生させるか否かの第2当否抽選を行うとともに、(前記第1当否抽選に当選した場合に前記第1特別遊技状態を発生させ、)前記第2当否抽選に当選した場合に前記第2特別遊技状態を発生させる第2特別遊技発生手段と、
前記第2特別遊技発生手段が行う(前記第1当否抽選及び)前記第2当否抽選の結果を教示する第2特別図柄による第2変動表示が行われる第2特別表示手段と、
前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部に入球した遊技球を検知可能な特定入球検知手段と、
前記特定入球検知手段による検知が行われた場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる役物特別遊技状態発生手段とを備え、
前記第1特別表示手段における前記第1変動表示と、前記第2特別表示手段における前記第2変動表示とを並行して実行可能に構成され、
前記第1変動表示の第1変動時間、及び、前記第2変動表示の第2変動時間の設定に関して、
1回分の前記第2変動時間の長さが、複数回分の前記第1変動時間の長さの和よりも長く設定される第1変動状態と、
1回分の前記第1変動時間の長さが、複数回分の前記第2変動時間の長さの和よりも長く設定される第2変動状態との間を状態変化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、第1変動表示と、第2変動表示とを並行して行うことのできる構成において、第2変動時間がかなり長い(基本的に第1変動表示だけが行われる)第1変動状態と、第1変動時間がかなり長い(基本的に第2変動表示だけが行われる)第2変動状態とに状態変化可能に構成されている。これにより、例えば、第1始動入球手段に遊技球を入球させて第1変動表示を実行させることを目的とする第1変動状態において、第1変動時間が通常の長さの通常遊技状態と、第1変動時間が短く、第1変動表示を比較的ハイピッチで進行させることのできる第1サポート状態とを設定することができる上、第2始動入球手段に遊技球を入球させて第2変動表示を実行させることを目的とする第2変動状態において、第2変動時間が短く、第2変動表示を比較的ハイピッチで進行させることのできる第2サポート状態を設定することが可能となる(第2変動時間が通常の長さの遊技状態も設定可能)。従って、第1当否抽選において第1特別遊技状態に当選する確率を変えるという構成を具備せずとも、遊技性が変化する遊技状態を3つ以上付与することができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
例えば、第1サポート状態、及び、第2サポート状態において、球減りを抑制することのできる特典を付与することにより、第1当否抽選にて第1特別遊技状態に当選する確率が常に一定となる構成であっても、第1サポート状態、及び、第2サポート状態は、通常遊技状態に比べ、少なくとも球持ちの良い状態となり、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な遊技状態を2つ設定することができる。従って、第1特別遊技状態の終了後に、第2サポート状態が付与されない場合であっても、通常遊技状態ではなく、第1サポート状態が付与されることで、遊技者の落胆が軽減されるとともに、遊技意欲の向上を図ることができる。
しかも、第1サポート状態では、基本的に第1当否抽選で当選しないと第1特別遊技状態を発生させることができないが、第2サポート状態では、第1当否抽選で当選した場合に加え、第2当否抽選で当選し、当該当選に基づいて開放された第2可変入球手段に入球した遊技球が特定入球部に入球した場合にも、第1特別遊技状態を発生させることができる。このように、第1サポート状態と、第2サポート状態との間にもしっかりと遊技者にとっての有利さに関する差を設けることができ、遊技性や演出性の向上等を図ることができる。
手段A−2.前記第1始動入球手段、及び、前記第2始動入球手段のうち一方への遊技球の入球させ易さを変化させることで、当該一方へ遊技球を入球させることが可能な低入球状態と、前記低入球状態よりも前記一方へ遊技球を入球させ易い高入球状態とに状態変化可能に構成され、
前記低入球状態、かつ、前記第1変動状態である通常遊技状態と、
前記高入球状態、かつ、前記第1変動状態である第1サポート状態と、
前記高入球状態、かつ、前記第2変動状態である第2サポート状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、通常遊技状態よりも有利な遊技状態を2つ設定するといった上記手段1の作用効果が確実に奏されることとなる。
尚、第1始動入球検知手段の検知に基づく第1当否抽選で第1特別遊技状態に当選した場合には、第2始動入球検知手段の検知に基づく第1抽選で第1特別遊技状態に当選した場合、及び、第2始動入球検知手段の検知に基づく第2当否抽選で第2特別遊技状態に当選し、開状態とされた第2可変入球手段に入球した遊技球が特定入球部に入球することで第1特別遊技状態を発生させる(第1特別遊技状態へと継続させる)権利を得た場合に比べ、第1特別遊技状態の終了後に第2サポート状態が付与されることとなる第1特別遊技状態に振り分けられる確率が低くなっていることとしてもよい。この場合、第1サポート状態と、第2サポート状態との間の有利さに関する差をより明確に付けることができる。
手段A−3.前記第1始動入球手段、及び、前記第2始動入球手段は、前記第1サポート状態、及び、前記第2サポート状態において、前記第1始動入球手段、及び、前記第2始動入球手段のうち他方を狙って発射させた遊技球が前記一方にも入球し得るように配置されていることを特徴とする手段A−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、第1サポート状態、及び、第2サポート状態のどちらであっても、第1始動入球手段、及び、第2始動入球手段のうち一方へ遊技球を入球させ易くすることで、球減りを抑制する構成となっている。このため、第1始動入球手段、及び、第2始動入球手段の両方に関して、高入球状態と、低入球状態とに切替わる構成(所謂、「電チュー」が2つになってしまうような構成)とする場合に比べ、制御の簡素化、低コスト化等を図ることができる。
さらに、第2サポート状態において第1始動入球手段に遊技球が入球したり、第1サポート状態において第2始動入球手段に遊技球が入球したりしても、上記手段A−1に記載されているように、第2サポート状態では第1変動時間が長く、第1サポート状態では第2変動時間が長く設定されることから、第2サポート状態において第1変動表示がどんどん消化されたり、第1サポート状態において第2変動表示がどんどん消化されたりするといった事態を回避することができる。
手段A−4.前記第1始動入球手段は、開位置と閉位置との間を変位可能な開閉部材を備えて、遊技球が入球容易な開状態と、前記開状態よりも遊技球が入球困難な閉状態とに状態変化可能に構成され、
前記第1始動入球手段は、前記高入球状態において、前記低入球状態よりも前記開状態とされ易く構成されるとともに、
前記第1始動入球手段は、前記第2サポート状態において前記第2始動入球手段に入球し得るように発射された遊技球が入球し得るように配置されていることを特徴とする手段A−3に記載の遊技機。
手段A−4によれば、第1始動入球手段への遊技球の入球し易さが変化するようになっている。つまり、例えば、開閉部材が第2始動入球手段に設けられる場合、第1サポート状態において、第1始動入球手段へ遊技球を入球させつつ、開状態とされた第2始動入球手段に遊技球を入球させることができることから、球減りを抑制しつつ、第1変動表示を行っていくことが可能ではあるが、第1始動入球手段への遊技球の入球し易さが通常遊技状態と変わらない。
この点、開閉部材を第1始動入球手段に設けることで、第1サポート状態(及び第2サポート状態)では第1始動入球手段に遊技球が入球し易く、通常遊技状態では、第1サポート状態に比べ、第1始動入球手段に遊技球が入球し難いといった構成を付加することができる。従って、第1サポート状態と、通常遊技状態との差をはっきりとさせることができ、遊技にメリハリを付けることができる。
手段A−5.前記第2始動入球手段は、前記閉状態にある前記第1始動入球手段よりも遊技球が入球し易く構成されていることを特徴とする手段A−4に記載の遊技機。
手段A−5によれば、第2サポート状態において第2変動表示をテンポよく進行させることができ、第2サポート状態における爽快感等をより確実なものとすることができる。また、第2始動入球手段に関しては、常に遊技球が入球し易い構成としても、第1サポート状態や通常遊技状態では第2変動時間が長くなることから、第1サポート状態や通常遊技状態で第2変動表示がどんどんと消化されるといった事態を回避することができる。
さらに、例えば、第1変動表示及び第2変動表示の保留記憶が可能な構成において、第1始動入球手段に遊技球を入球させて第1変動表示を実行させていく遊技を行う第1状態(例えば、第1変動状態)から、第2始動入球手段に遊技球を入球させて第2変動表示を実行させていく遊技を行う第2状態(例えば、第2変動状態)へと移行する場合に、第2始動入球手段が第2状態でのみ開状態とされる、或いは、第1状態では開状態とされ難いといった構成であると、第2状態の開始時には未だ第2変動表示の保留記憶がされておらず、第1変動表示(のみ)が行われてしまうことが懸念される。このため、第1変動表示で特別遊技状態に当選するよりも、第2変動表示で特別遊技状態に当選する方が遊技者にとって有利な場合には、かかる事態の発生に興趣の低下を招くことが懸念される。この点、第2始動入球手段を常時入球可能とし、さらに、特別遊技状態を挟んで第1状態から第2状態へと移行する構成において、特別遊技状態では、第2始動入球手段への入球が望める領域への遊技球の発射が求められるような構成とすることにより、特別遊技状態中に第2変動表示が保留記憶され、第2状態の開始時には、第2変動表示を直に開始させることができる。従って、第2状態が開始されたものの、第1変動表示が行われ、第2変動表示が行われないといった事態を抑制することができ、遊技をスムースに進行させることができる。
手段A−6.前記第1始動入球手段として、
いずれの状態においても遊技球が入球可能な第1通常始動入球手段と、
前記低入球状態においては遊技球が入球不可能、又は、入球困難な閉状態となり、前記高入球状態においては遊技球が入球可能、又は、入球容易な開状態となる第1サポート始動入球手段とを備えていることを特徴とする手段A−4又はA−5に記載の遊技機。
手段A−6によれば、第1始動入球手段を、高入球状態を実現するための第1サポート始動入球手段と、低入球状態において第1当否抽選を実行可能とするための第1通常始動入球手段とに分けて、それぞれを好適な位置に設置することができる。つまり、第1通常始動入球手段に入球し得るように遊技球を打ち出すと、当該遊技球が(いずれの状態においても遊技球が入球可能になっている)第2始動入球手段に入球する可能性はないように配置したり、第2始動入球手段に入球し得るように打出された遊技球がより入球し易い位置に第1サポート始動入球手段を配置したりすることができる。従って、各遊技状態において必要・便利な機能をより確実に発揮させることができ、よりスムースな遊技の進行を図ることができる。
尚、「前記第1サポート始動入球手段は、前記遊技領域において、前記第2始動入球手段よりも下流側に配置されていること」としてもよい。この場合、開状態とされた第1サポート始動入球手段によって第2始動入球手段への入球が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−7.前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示のうち一方の変動表示が停止表示された場合に、他方の変動表示が行われている場合であって、前記一方の変動表示において前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態が発生する旨が教示された場合には、
前記他方の変動表示が外れを教示する態様で強制的に停止表示され、前記一方の変動表示において教示された前記第1特別遊技状態、又は、前記第2特別遊技状態の終了後に、前記強制的に停止表示された他方の変動表示の次の他方の変動表示が行われることを特徴とする手段A−1乃至A−6のいずれかに記載の遊技機。
第1変動表示に関する第1当否抽選で第1特別遊技状態に当選し、第1特別遊技状態を挟んで第1変動状態から第2変動状態に移行する場合、第1特別遊技状態終了後に第2変動表示をメインに順次実行させるようにする必要があるが、第1変動状態で変動時間が設定された第2変動表示が第1特別遊技状態終了後にも引き継がれる場合であって(第1特別遊技状態の発生で中断され、第1特別遊技状態の終了で再開される場合であって)、第1変動状態において設定された第2変動時間が未だに長く残存している場合には、第2変動状態において第2変動表示が長いこと終了せず、遊技が進行しなくなる(場合によっては、ホール関係者によってリセットしてもらう必要が生じてしまう)ことが懸念される。
また、第2変動状態から第1変動状態に移行する場合にも、第2変動状態において設定された第1変動時間が第1変動状態に移行しても引き継がれることで、第1変動表示が長いこと終了せず、遊技が進行しなくなることが懸念される。
この点、本手段A−7のように、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方の変動表示において第1特別遊技状態、及び、第2特別遊技状態が発生する旨が教示された場合に、他方の変動表示を外れを教示する態様で強制的に停止表示(強制終了)させることで、上記のように、第1変動状態と第2変動状態との間の状態移行を跨いで変動時間が引き継がれることで、当該変動表示が終わらず、遊技が滞るといった事態を回避することができる。
また、例えば、第2サポート状態における第2当否抽選では、(ほぼ)毎回、第1特別遊技状態、及び、第2特別遊技状態のどちらかに当選するように構成することで、第1変動表示を(ほぼ)毎回、強制的に終了させ、次の第1変動表示の時間を新たに設定することができる。このため、第2サポート状態では、第1変動表示の時間をとても長くなるように設定しなくても、(ほぼ)同時に開始される第2変動時間よりも僅かにでも長く設定されていれば、第2変動表示が行われている限り、第1変動表示が通常に停止表示されることはない。従って、遊技者の意図に反し、第2サポート状態において、第1変動表示が停止表示されてしまうといった事態を確実に回避することができる。さらには、第1変動表示が保留記憶されるような構成であっても、第2サポート状態において、第1変動表示に関する当否抽選の結果を反映させることなく、第1変動表示の保留を消化(消去)することができる。従って、第2サポート状態において、上記のように第1変動表示の保留を全て消化してしまえば、遊技を中断しても、第2サポート状態において第1変動表示が実行され、第1変動表示に関する当否抽選の結果が反映されるといった事態を回避することができる。従って、第2サポート状態において席を外したいが、第1変動表示が実行されてしまうことを嫌って、席を外し難いといった事態を回避することができ、利便性の向上等を図ることができる。
尚、例えば、第1サポート状態や第2サポート状態において行われる変動表示の回数に上限が設定される場合、(変動表示の開始時ではなく、)変動表示の停止時に変動回数のカウントを更新する処理を行い、かつ、強制的に停止表示される変動表示はカウントの対象とされないように構成されていることとしてもよい。つまり、強制的に停止表示される変動表示は、対応する当否抽選の結果に関係なく、外れに対応する態様で停止表示される(当否抽選の結果が反映されない、実質的には消去される)ことから、変動表示のカウントに含められない。これにより、例えば、第2サポート状態において、第1変動表示を、変動表示としてカウントすること(第2変動表示の消化だけでなく、第1変動表示の消化によっても残り回数が消費されてしまうこと)を回避し、より高確率で第2変動表示だけを上限回数分行うことができる。
手段A−8.前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示のうち一方の変動表示が停止表示された場合に、他方の変動表示が行われている場合であって、前記一方の変動表示において前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態が発生する旨が教示された場合には、
前記他方の変動表示が中断され、前記一方の変動表示において教示された前記第1特別遊技状態、又は、前記第2特別遊技状態の終了後に、前記中断された他方の変動表示が最初から実行されることを特徴とする手段A−1乃至A−6のいずれかに記載の遊技機。
手段A−8によれば、上記手段A−7のように、変動表示を強制的に停止させる(強制終了させる)のではなく、中断させるという方法を採用しつつ、中断された変動表示が中途半端に行われてしまうといった事態を回避することができる。すなわち、中断された変動表示は、特別遊技状態の終了後、最初からやり直されることとなるため、例えば、中断された変動表示が、特別遊技状態の終了後、いきなり途中から開始されることで、繋がりが悪くなったり(変動表示の流れが分からなくなったり)、また、例えば、残り1秒等の変動表示が再開されてすぐに変動表示が終了し、何が起きたのかを遊技者が把握できずに混乱したりするといった事態を回避することができる。
さらに、第1変動表示及び第2変動表示のうち一方の特別遊技状態を教示する停止表示に伴って他方の変動表示を強制終了する場合のように、変動表示が消失するといった遊技性に抵抗のある遊技者が嫌悪感や猜疑心を抱いてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−9.前記第1始動入球検知手段、及び、前記第2始動入球検知手段による検知が行われた場合に、前記第1当否抽選、及び、前記第2当否抽選に関する第1当否関連情報、及び、第2当否関連情報、及び、前記第1変動時間及び第2変動時間を示す情報を含む変動情報を記憶し、当該変動情報に基づいて、前記第1当否抽選、又は、前記第2当否抽選を行うとともに、前記第1変動表示、又は、前記第2変動表示の変動パターンを決定する構成において、
前記第2特別遊技発生手段が行う前記当否抽選では、前記第2特別遊技状態、又は、前記第1特別遊技状態のどちらかに必ず当選し、
前記第2変動状態において前記第2変動表示、及び、前記第1変動表示が規定回数行われることで、前記第2変動状態から前記第1変動状態に移行する構成であって、
前記中断された変動表示は、対応する前記変動情報に基づいて再度変動パターンが設定され、当該設定された変動パターンにて導出されることを特徴とする手段A−8に記載の遊技機。
手段A−9によれば、例えば、第2変動表示が第2特別遊技状態、又は、第1特別遊技状態の発生を教示する態様で停止表示された場合には、中断されている第1変動表示の変動パターンが再度設定される上、第2当否抽選では、第2特別遊技状態、又は、第1特別遊技状態のどちらかに必ず当選することから、第2変動状態から第1変動状態に移行しても、既に実行されている第1変動表示の第1変動時間(残り時間)が長く、しばらくは終わらない(第1変動時間がとても長い場合には、遊技ホール関係者によってリセットしてもらうしかない)といった事態を回避することができる。
このため、第2変動状態から第1変動状態に切り替わる際にエラー状態となることを回避することができるとともに、エラー状態を解除するにあたり、遊技者に何らかしらの不利益を発生させる(保留されていた変動表示が消去される等)、遊技ホール関係者の手を煩わせる等といった事態を回避することができる。従って、第2変動状態に上限を設ける構成としても、第2変動状態から第1変動状態に上手く切替えることができ、また、第2変動状態の設計の自由度を向上させる(例えば、第2変動状態が終了する前にほぼ第1特別遊技状態に当選するような調整とし、第1特別遊技状態を挟んで遊技状態を変更するといった構成としなくても済む)ことができたりする。
さらに、第1特別遊技状態の前の遊技状態と、後の遊技状態とで、変動表示の設定に関する状態が変更された場合に、第1特別遊技状態の前の変動表示の続きを第1特別遊技状態後にそのまま行うことで合致しなくなってしまうといった事態を回避することができる。例えば、第1特別遊技状態の前の状態が第2変動状態であって、第1特別遊技状態の終了後に第1変動状態が付与される場合、中断された第1変動表示の変動時間を短く再設定しなければ、第1変動時間が長く、エラー状態になってしまうといった事態を回避することができる。
尚、特別表示手段における変動パターンは、停止表示の態様以外は、一定の変動パターンが繰り返されるのみであることとしてもよい。この場合、制御の簡素化等を図ることができる。
手段A−10.前記第1変動時間を決定する第1変動時間決定テーブルは、前記第1変動状態において参照される第1ミドル変動時間決定テーブル、及び、第1ショート変動時間決定テーブルと、前記第2変動状態で参照される第1ロング変動時間決定テーブルとを備え、
前記第2変動時間を決定する第2変動時間決定テーブルは、前記第2変動状態で参照される第2ショート変動時間決定テーブルと、前記第1変動状態で参照される第2ロング変動時間決定テーブルとを備え、
前記第2変動状態において、前記第1特別遊技状態の発生を教示する前記第1変動表示が開始される場合、当該第1変動表示の前記第1変動時間は、前記第1ミドル変動時間決定テーブル、又は、前記第1ショート変動時間決定テーブル(、若しくは、専用の前記第1変動時間決定テーブル)が参照されることを特徴とする手段A−1乃至A−9のいずれかに記載の遊技機。
一般に、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段で特別遊技状態が重複して導出されてしまうことを回避するべく、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段のうち一方で特別遊技状態の発生が教示される変動表示が行われている場合には、他方では新たに変動表示を開始しないように構成されている。このため、第2変動状態において、第1特別遊技状態の発生を教示する第1変動表示が開始される場合には、第2変動表示を行うことができなくなる上、当該第1変動表示の第1変動時間が長い場合には、遊技を進行させることができなくなってしまうことが懸念される。
この点、本手段A−10では、第2変動状態であっても、第1特別遊技状態の発生を教示する第1変動表示が開始される場合には、当該第1変動表示の第1変動時間を長く設定することを回避することで、当該第1変動表示を比較的早めに終了させて、第1特別遊技状態を発生させることができ、上記不具合を払拭することができる。従って、遊技の進行が妨げられ、興趣の低下を招いたり、不信感を抱かれたりすることを回避するとともに、例えば、エラー解除操作を必要とする場合に遊技ホール関係者の手間が増えてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−11.前記第1変動時間を決定する第1変動時間決定テーブルは、前記第1変動状態において参照される第1ミドル変動時間決定テーブル、及び、第1ショート変動時間決定テーブルと、前記第2変動状態で参照される第1ロング変動時間決定テーブルとを備え、
前記第2変動時間を決定する第2変動時間決定テーブルは、前記第2変動状態で参照される第2ショート変動時間決定テーブルと、前記第1変動状態で参照される第2ロング変動時間決定テーブルとを備え、
前記第1変動状態において、前記第1特別遊技状態の発生を教示する前記第2変動表示が開始される場合、当該第2変動表示の前記第2変動時間は、前記第2ショート変動時間決定テーブル(、又は、専用の前記第2変動時間決定テーブル)が参照されることを特徴とする手段A−1乃至A−10のいずれかに記載の遊技機。
一般に、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段で特別遊技状態が重複して導出されてしまうことを回避するべく、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段のうち一方で特別遊技状態の発生が教示される変動表示が行われている場合には、他方では新たに変動表示を開始しないように構成されている。このため、第1変動状態において、第1特別遊技状態の当選を教示する第2変動表示が開始される場合には、第1変動表示を行うことができなくなる上、当該第2変動表示の第2変動時間が長い場合にも、遊技を進行させることができなくなってしまうことが懸念される。
この点、本手段A−11では、第1変動状態であっても、第1特別遊技状態の発生を教示する第2変動表示が開始される場合には、当該第2変動表示の第2変動時間を長く設定することを回避することで、当該第2変動表示を比較的早めに終了させ、第1特別遊技状態を発生させることができ、上記不具合を払拭することができる。従って、遊技の進行が妨げられ、興趣の低下を招いたり、不信感を抱かれたりすることを回避するとともに、例えば、エラー解除操作を必要とする場合に遊技ホール関係者の手間が増えてしまうといった事態を回避することができる。
また、通常遊技状態で遊技を終了する際に、第2特別表示手段で行われている変動表示が第1特別遊技状態ではないことが把握できる(遊技ホール関係者に聞けば第1特別遊技状態に当選しているのであれば停止表示されている筈であることを教えてくれる)ことから、遊技者が変動表示を残して遊技を終了することへの抵抗感や不快感を軽減し、実質的な損失についても軽減させることができる。
尚、「前記第1変動状態において前記第2変動表示が行われていない場合に、前記第2始動入球手段への遊技球の入球を案内する案内表示を導出可能に構成されていること」としてもよい。つまり、一般に、第2変動表示に関する当否抽選で第1特別遊技状態に当選した場合には、第1変動表示に関する当否抽選で第1特別遊技状態に当選した場合に比べ、遊技者にとって有利な種別が選択され易く構成されている。このため、例えば、第1変動状態において第2始動入球手段に入球させても、第1特別遊技状態に当選していれば、第2変動表示が比較的早く停止表示されることを知っていて、第2始動入球手段に遊技球を入球させる遊技者(第1変動状態において第2変動表示を開始させてみる)と、知らない遊技者との間で不公平が生じてしまうことが懸念される。この点、案内表示を導出することによって、かかる懸念を払拭することができる。また、当該構成によって、演出性や遊技性を高めることができる。
さらに、「前記第1変動状態において前記第2変動表示が行われ、かつ、前記第1始動入球手段へ入球し得ない位置の遊技球の検知が行われた場合に、前記第1始動入球手段への入球を促す案内情報を導出可能に構成されていること」としてもよい。この場合、それ以上、第2始動入球手段に遊技球を入球させても、第2変動表示が消化されない状態において、第2始動入球手段を狙って遊技球を発射させるといった無駄な行為を中止させ、遊技者の損失を防止することができる。
手段A−12.前記第1変動表示の実行中、前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態において、前記第1始動入球検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記第1変動表示が所定回数分を上限として保留記憶され、
前記第2変動表示の実行中、前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態において、前記第2始動入球検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記第2変動表示は保留記憶されないことを特徴とする手段A−1乃至A−11のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A−7に対応しては、「第2変動表示の実行中、前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態において第2始動入球検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する第2変動表示は保留記憶されない、又は、当該検知に対応する第2変動表示が1回分を上限として保留記憶されること」としてもよい。
遊技を終了する場合には、第1変動状態である場合が多く、また、第1変動状態において第2変動表示を保留させたとしても、第2変動状態に移行させない限り、かなり長い時間に設定された第2変動時間が終わるまで長いこと待つ必要がある。このため、第2変動表示の保留が残っていても、そのまま第2変動表示の保留を残して遊技を終了することになる。
この点、本手段A−12によれば、(第2変動表示が保留記憶されることはなく、)第1変動状態において遊技を終了する場合には、実行中の第2変動表示が残されただけの状態とすることができ、遊技を終了する際の遊技者の心象が悪化するといった事態を抑制することができる。
特に、上記手段A−11の構成を採用する場合には、実行中の第2変動表示が第1特別遊技状態に対応していないことも把握できることから、遊技を終了する際の遊技者の心象が悪化するといった事態をより確実に抑制することができる。さらに、遊技者が遊技を終了した後、別の遊技者が遊技を開始し、第1変動状態において、第1特別遊技状態が発生した場合には、先に遊技を行っていた遊技者が、それは自分が保留させていた変動表示ではないのかという疑念を抱いたり、トラブルになったりしてしまうといった事態を抑止することができる。
加えて、例えば、第1変動状態において、第2変動表示の保留記憶を確認して(所謂、先読みして)、第1特別遊技状態に当選している場合には、当該第1特別遊技状態に対応する第2変動表示までの第2変動表示の全ての第2変動時間を比較的短く設定することも考えられるが、この場合、第2変動時間が比較的短く設定されない場合には、保留されている第2変動表示が第1特別遊技状態に対応していないことが確定する。このため、第2変動表示を保留可能な数が多いほど、いざ第2変動状態となった場合に、先ずは、確実に第1特別遊技状態に当選していない保留されている分の第2変動表示が消化されることとなる。これにより、遊技者が気分を害することも考えられることから、第2変動表示の保留は極力少ない方が望ましい。
また、第1変動表示に関しては、保留記憶させることができることによって、通常遊技状態、及び、第1サポート状態における遊技性や演出性を向上させることができる。
尚、第2変動表示が保留記憶されない構成であっても、第2変動状態では、第1変動時間が長く設定されていることから、第2変動表示が途切れてしまうと、その隙に第1変動表示が行われ、第1特別遊技状態に当選した場合に振り分けられる第1特別遊技状態の種別の振分け割合で不利になるといった事態を抑止する(上記手段A−7の構成を採用する場合、第2変動状態が開始された1回転目で第1変動表示が第1特別遊技状態に当選した場合は除く)ことができる。
加えて、第2変動表示の保留を行えるようにすることで、第1特別遊技状態の最中に保留記憶された第2変動表示を当該第1特別遊技状態の直後に導出させることができる。このため、第2変動状態において第2変動表示が行われていない期間を極力少なくすることができるとともに、第1特別遊技状態の直後の第2変動状態において第1変動表示及び第2変動表示が両方とも第1特別遊技状態に対応していた場合に、第2変動表示の方を優先させることも可能となる。
手段A−13.前記第2変動時間を決定する第2変動時間決定テーブルは、前記第1変動状態において参照される第2ロング変動時間決定テーブルを備え、
前記第2ロング変動時間決定テーブルが参照される場合には、長さの異なる複数の前記第2変動時間の中からいずれかが選択されることを特徴とする手段A−1乃至A−12のいずれかに記載の遊技機。
手段A−13によれば、ロングパターンが選択された場合の第2変動表示の長さが複数パターンあり、ロングパターンの第2変動表示がいつ終わるのかを把握され難くすることができる。つまり、例えば、ロングパターンの第2変動表示が開始されたとしても、当該第2変動表示が遊技ホールの営業時間内に終わるような場合であって、第2変動表示が行われた場合には、第1特別遊技状態又は第2特別遊技状態のどちらかに必ず発生する構成の場合には、第1変動状態で第2始動入球手段に遊技球を入球させて第2変動表示を開始させてから、遊技球を発射させることなく待機し、当該ロングパターンの第2変動表示が終わるタイミングに合わせて、第2可変入球手段に遊技球が入球し得るように遊技球を発射させれば、球減りをすることなく、第1特別遊技状態を発生させる機会を効果的に得ることができてしまう。
この点、本手段のように、ロングパターンの第2変動表示の第2変動時間が複数パターン存在することにより、上記のように第2可変入球手段の開放に合わせて遊技球を発射させ、効率的に第1特別遊技状態を狙われてしまい、かかる行為を行わない遊技者との差が開いてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、第1変動状態では、第2可変入球手段の開放時間を短くしたり、第2可変入球手段に入球した遊技球が必ずしも特定入球部に入球しないように構成したりすることでも、上記懸念を抑制することができる。
手段A−14.前記第1特別表示手段、及び、前記第2特別表示手段の変動表示の開始に伴って(開始とともに)開始され、前記第1特別表示手段、及び、前記第2特別表示手段の変動表示の終了に伴って(終了とともに)終了する演出表示を導出可能な演出表示手段と、
前記第1特別遊技発生手段、及び、前記第2特別遊技発生手段からの情報に基づいて前記演出表示手段の制御を行うサブ制御手段とを備え、
前記演出表示手段では、前記第1特別表示手段の変動表示に対応する第1変動対応演出表示、及び、前記第2特別表示手段の変動表示に対応する第2変動対応演出表示を導出可能に構成されるとともに、前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示のうち、先に停止表示される方の変動表示に対応する前記第1変動対応演出表示、又は、前記第2変動対応演出表示が導出されることを特徴とする手段A−1乃至A−13のいずれかに記載の遊技機。
手段A−14によれば、変動表示に対応する演出用の表示である変動対応演出表示が行われることで、演出性の向上を図ることができる。また、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段を直接的に視認したり、演出表示手段において、第1変動表示、及び、第2変動表示にそれぞれ対応する変動対応演出表示を同時に導出したりする場合、表示が乱雑になったり、どちらが先に停止表示されるのかが分からず、上手く盛り上がれなかったりといったことが懸念される。この点、本手段では、基本的に、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、先に結果が教示される方の変動表示に対応して演出表示が行われることから、演出表示手段を視認していれば、第1変動表示、及び、第2変動表示に対応した当否抽選の結果を教示する演出等を確実に堪能することができる。
尚、手段A−9や手段A−10のように、第1変動状態において第1特別遊技状態の発生を教示する第2変動表示が行われる場合には、演出表示手段において第2変動表示に対応する演出表示が行われ、第2変動状態において第1特別遊技状態の発生を教示する第1変動表示が行われる場合には、演出表示手段において第1変動表示に対応する演出表示が行われることとしてもよい。この場合、演出表示手段を視認していれば、遊技の動向を把握できるといった作用効果がより確実に奏される。
また、第1変動状態において第1特別遊技状態に対応していない第2変動表示が行われたり、第2変動状態において第1特別遊技状態に対応していない第1変動表示が行われたりする場合には、かかる変動表示に対応する演出表示を行わないこととしてもよい。この場合、演出表示手段においてなかなか終わらない変動表示に対応する演出変動表示が行われていることで、新たに始動入球手段に遊技球を入球させることを控えてしまう、或いは、第1変動状態において第2演出変動表示が行われ続けることで、離席し難いといった事態を抑止することができる。
手段A−15.前記第1特別遊技発生手段は、前記第1始動入球検知手段の検知に基づいて、前記第1当否抽選、及び、前記第2当否抽選を行うよう構成され、
前記第2変動表示の実行中、前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態において、前記第2始動入球検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記第2変動表示が所定回数分を上限として保留記憶され、
前記第1変動状態において、前記第1始動入球検知手段の検知に基づいて前記第2当否抽選に当選した場合には、当該第2当否抽選に当選したことを教示する前記第1変動表示の停止表示とともに、前記第2変動表示を、外れを教示する態様で強制的に停止表示させ、かつ、前記第2特別遊技状態の終了後に行われる前記第2変動表示の第2変動時間を、前記第1変動状態で前記第2変動時間を設定する際に参照される第2変動時間決定テーブルよりも前記第2変動時間が短く設定される第2変動時間決定テーブルが参照されるように構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−14のいずれかに記載の遊技機。
手段A−15によれば、第1変動状態における第1変動表示に関する当否抽選に基づいて第2特別遊技状態となった場合に、当該第2特別遊技状態の後の第2変動表示の第2変動時間を、第1変動状態であるにもかかわらず、特別に短く設定することとしている。つまり、第2変動状態のように、第2変動時間が短ければ、第2特別遊技状態を発生させて第2可変入球手段に遊技球を入球させ、特定入球部への入球に基づく第1特別遊技状態を発生させる機会を得ることができる。従って、第1変動状態であるにもかかわらず、第2変動状態のような遊技を行ってもらうといった遊技性を付加することができる。従って、演出の多様化、単調感の抑制等を図ることができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報等参照)。
また、パチンコ機では、始動入球手段への遊技球の入球のし易さを変更したり、特別遊技状態となる確率を変更したり、特別遊技状態のうち遊技者にとってより有利な特別遊技状態が選択される割合を変更したりする等、遊技性の多様化を試みてきたが、いずれもマンネリ化してきており、より多様な遊技性が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技性の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.発射装置により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入球手段、及び、第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な第1始動入球検知手段と、
前記第2始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な第2始動入球検知手段と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成された可変入球手段(第1可変入球手段、及び、第2可変入球手段)と、
前記第1始動入球検知手段による検知が行われた場合に、前記可変入球手段(第1可変入球手段)を開状態とさせる特別遊技状態(第1特別遊技状態)を発生させるか否かの(第1)当否抽選を行うとともに、当該(第1)当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態(第1特別遊技状態)を発生させる第1特別遊技発生手段と、
前記第1特別遊技発生手段が行う前記(第1)当否抽選の結果を教示する第1特別図柄による第1変動表示が行われる第1特別表示手段と、
前記第2始動入球検知手段による検知が行われた場合に、(前記第1当否抽選、及び、)前記可変入球手段(第2可変入球手段)を開状態とさせる特別遊技状態(第2特別遊技状態;所謂、小当たり)を発生させるか否かの(第2)当否抽選を行うとともに、(前記第1当否抽選に当選した場合に前記第1特別遊技状態を発生させ、)当該(第2)当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態(前記第2特別遊技状態)を発生させる第2特別遊技発生手段と、
前記第2特別遊技発生手段が行う前記(第1当否抽選及び前記第2)当否抽選の結果を教示する第2特別図柄による第2変動表示が行われる第2特別表示手段と(、
前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部に入球した遊技球を検知可能な特定入球検知手段と、
前記特定入球検知手段による検知が行われた場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる役物特別遊技状態発生手段と)を備え、
前記第1特別表示手段における前記第1変動表示と、前記第2特別表示手段における前記第2変動表示とを並行して実行可能に構成され、
前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示のうち一方の所定時間あたりの実行回数が少なくなり易い低状態と、前記低状態よりも多くなり易い高状態とに状態変化可能に構成され、
前記第1変動表示の第1変動時間を決定する場合に参照される第1変動時間決定テーブルと、
前記第2変動表示の第2変動時間を決定する場合に参照される第2変動時間決定テーブルとを備え、
前記第1変動時間決定テーブルには、前記低状態にある場合に参照される低状態時第1変動時間決定テーブルと、前記高状態にある場合に参照される高状態時第1変動時間決定テーブルとが設けられ、
前記第2変動時間決定テーブルには、前記低状態にある場合に参照される低状態時第2変動時間決定テーブルと、前記高状態にある場合に参照される高状態時第2変動時間決定テーブルとが設けられ、
前記高状態時第1変動時間決定テーブル、及び、前記高状態時第2変動時間決定テーブルには、それぞれ複数のパターン対応テーブル(当選時用、外れ時用等)が設けられ、前記(第1当否抽選、及び、前記第2)当否抽選の結果に応じて参照される前記パターン対応テーブルが決定されるよう構成され、
前記高状態時第1変動時間決定テーブル、及び、前記高状態時第2変動時間決定テーブルの前記パターン対応テーブルのうち少なくとも1つには、選択される変動時間の長さの振分けが異なる複数のレベル対応テーブルが設けられ、
前記高状態が付与される場合に、前記高状態において、前記レベル対応テーブルのうちいずれを参照して前記第1変動時間、及び、前記第2変動時間を決定するかを決定しておくレベル決定処理が行われるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、高状態において、例えば、第1変動表示と、第2変動表示とを変動表示させ続けたと仮定した場合における、所定時間当たりの第1変動表示の回数と、第2変動表示との回数との比率を変化させることができる。つまり、例えば、第2変動表示において特別遊技状態に当選した方が遊技者にとって有利である構成の場合、極力、第1変動表示を行わずに、第2変動表示を行っていくことが望ましいことになる。従って、第1変動時間、及び、第2変動時間の設定に関して、選択される変動時間の長さの振分けが異なる複数のレベル対応テーブルを設け、高状態の初めに、高状態において参照され得る第1変動時間決定テーブル、及び、第2変動時間決定テーブルの組合わせを決定するだけで、一口に高状態は言っても、遊技者にとっての有利さが異なる複数のレベルの高状態を用意することができる。結果として、制御の複雑化を抑制しつつ、遊技性に深みを与えたり、演出の多様化を図ったりすることができ、単調感の抑制を図るとともに、興趣の向上を図ることができる。特に、高状態において、変動表示が行われる回数の上限が設定されている場合には、望ましくない方の変動表示としての第1変動表示で当選しなくても、第1変動表示が行われることで上限に近付いてしまう(第2変動表示を行うことのできる割合が相対的に下がってしまう)ことから、かかる作用効果がより顕著なものとなる。
また、高状態が付与される際にレベル決定処理を行ってしまえば、その後の高状態において、各第1変動表示及び第2変動表示の設定に際し、複数のレベル対応テーブルのうちいずれを参照するのかを抽選等で選択するといった手間を省くことができ、各変動表示の設定に際しての制御の簡素化等を図ることができる。
尚、「前記高状態において、前記第1始動入球手段、及び、前記第2始動入球手段のうち一方を狙って遊技球を発射させることで、他方にも遊技球が入球し得ること」としてもよい。この場合、高状態において、第1変動表示と、第2変動表示とが実行されるピッチの差に応じて、高状態のレベル分けを行うといった上記の遊技性を確立することができる。
また、レベル決定処理は、前記低状態において当選した前記第1特別遊技状態の終了後に前記高状態が付与される場合にのみ行われる(所定の高状態が付与される際に決められたレベルが、前記所定の高状態が終了する、或いは、前記所定の高状態以外の高状態、又は、低確率状態が付与されるまで、変動時間の決定の際に参照されるテーブルとして反映される、又は、所定の高状態が付与される際に、それ以降に当該所定の高状態が付与される第1特別遊技状態が連続して(それ以外の種別の第1特別遊技状態の発生や、前記所定の高状態以外の遊技状態を挟まずに)発生する場合のレベルまで決定する)こととしてもよいし、前記第1特別遊技状態の終了後に前記高状態が付与される前記第1特別遊技状態に当選した場合に(毎回、又は、所定回数ごと、或いは、所定の抽選で当選した場合等のランダムに)行われることとしてもよい。さらに、後者の構成を採用する場合、高状態が付与される第1特別遊技状態の発生が決定された段階における遊技状態に応じて、レベル決定処理で選択されるレベル対応テーブルの振分けが異なるように構成してもよい。例えば、低状態で当選した場合の方が、高状態で当選した場合よりも、遊技者にとって有利なレベルの高状態が選択され易いように構成してもよいし、高状態において特定の遊技状態を設定し、当該特定の遊技状態において当選した場合に、遊技者にとって有利なレベルの高状態が選択され易いように構成してもよい。
尚、変動表示の所定時間あたりの実行回数が増減する要因としては、変動時間の長短、変動表示の契機となる始動入賞手段への入賞し易さ等が挙げられる。例えば、「低状態」及び「高状態」とあるのに代えて、「前記第1始動入球手段、及び、前記第2始動入球手段のうち一方への遊技球の入球させ易さを変化させることで、当該一方へ遊技球を入球させることが可能な「低入球状態」と、前記低入球状態よりも前記一方へ遊技球を入球させ易い「高入球状態」とに状態変化可能に構成されていること」としてもよい。
手段B−2.前記高状態時第1変動時間決定テーブルの前記パターン対応テーブルのうち少なくとも1つと、前記高状態時第2変動時間決定テーブルの前記パターン対応テーブルのうち少なくとも1つとに関して、複数の前記レベル対応テーブルが設けられ、
前記高状態において、前記第1変動時間の設定に際して参照され得る前記レベル対応テーブルと、前記第2変動時間の設定に際して参照され得る前記レベル対応テーブルとの組合わせを示唆するレベル示唆演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、高状態のレベルがどれ程なのかの推測等を楽しむことができる。
手段B−3.前記第1特別遊技発生手段、及び、前記第2特別遊技発生手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記第1特別表示手段、及び、前記第2特別表示手段の変動表示に関連する演出表示を導出可能な演出表示手段とを備え、
前記演出表示手段において、前記第1変動表示に対応する第1変動対応演出表示と、前記第2変動表示に対応する第2変動対応演出表示とを導出可能に構成されるとともに、
前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示のうち、少なくとも前記特別遊技状態(前記高確率状態と、前記低確率状態との間で状態変化する可能性のある前記第1特別遊技状態)の発生の教示を行う変動表示に対応する前記第1変動対応演出表示、又は、前記第2変動対応演出表示が導出されることを特徴とする手段B−1又はB−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、(第1当否抽選、及び、第2)当否抽選の結果を、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の変動表示によって確実に教示し、かつ、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の変動表示に対応して演出表示手段で行われる第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示を通して、よりドラマチックに伝えることができる。また、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示において、補足説明のような表示等を行うことで、当否抽選の結果がどうで、これからどうなるのか等について、より分かり易くすることができ、遊技をより堪能してもらうことができる。
尚、演出表示手段の演出表示はあくまでも演出であるため、高状態において、演出表示手段の演出表示の表示態様では、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示のどちらなのかが判別できないような構成となっていてもよい。また、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示と、第1変動表示、及び、第2変動表示との開始及び終了のタイミングについては、必ずしも同期していなくてもよい。
また、「前記第1変動対応演出表示、及び、前記第2変動対応演出表示のうち、前記第1変動対応演出表示が導出される第1演出表示状態と、前記第2変動対応演出表示が導出される第2演出表示状態と、前記第1変動対応演出表示、及び、前記第2変動対応演出表示の両方が導出される混合演出表示状態とに状態変化可能に構成されていること」としてもよい。さらに、「前記第1演出表示状態、及び、前記第2演出表示状態のうち一方から他方に状態変化する場合と、当該状態変化のフェイク演出を行う場合とにおいて、前記混合演出状態に移行すること」としてもよい。
手段B−4.前記演出表示手段は、前記演出表示手段において、前記第1変動時間の残り時間を示唆する第1残り時間表示、及び、前記第2変動時間の残り時間を示唆する第2残り時間表示のうち少なくとも一方を導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−3に記載の遊技機。
近年では、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方に関連して当選するよりも、他方に関連して当選する方が有利であるといった構成が一般的になっており、手段B−4によれば、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらが先に停止表示されるのか等を残り時間表示によって把握することができる。このため、当否抽選の結果の他に、前記他方の変動表示の方が先に、なるべく早く停止表示されて欲しいといった気持ちを持って第1変動表示及び第2変動表示の停止表示のタイミングにより面白味を見出してもらうことができ、演出性や遊技性の向上等を図ることができる。
尚、第1残り時間表示、及び、第2残り時間表示では、特別遊技状態の発生を教示する変動表示の残り時間を示唆可能に構成されていることとしてもよい。また、前記第1特別遊技発生手段が行う当否抽選にて前記特別遊技状態に当選した場合よりも、前記第2特別遊技発生手段が行う当否抽選にて前記特別遊技状態に当選した場合の方が、遊技者にとって有利な前記特別遊技状態の種別に振り分けられる可能性が高く設定される構成において、前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示のうち少なくとも前記第1変動表示の残り時間を示唆する残り時間表示を導出可能に構成されていることとしてもよい。さらに、例えば、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示において、対応する変動表示の結果が示唆・教示される結果表示演出と、結果表示演出の直前に行われるクライマックス演出とを導出可能に構成され、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示のうち一方(特別遊技状態に当選した場合に有利となる方に限定してもよい)においてクライマックス演出が開始された場合には、他方よりも先に結果表示演出が行われるとともに、対応する変動表示が停止表示されることとしてもよい。この場合、クライマックス演出が開始されたならば、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらが先に停止表示されるのかが把握されることから、クライマックス演出に集中して堪能することができる。
手段B−5.前記第1特別遊技発生手段、及び、前記第2特別遊技発生手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御される第1サブ表示手段、及び、第2サブ表示手段とを備え、
前記第1サブ表示手段は、前記第1特別表示手段に隣接して配置されるとともに、前記第1特別表示手段の前記第1変動表示を行うための表示部と同様の表示部を備え、
前記第2サブ表示手段は、前記第2特別表示手段に隣接して配置されるとともに、前記第2特別表示手段の前記第2変動表示を行うための表示部と同様の表示部を備えていることを特徴とする手段B−3又はB−4に記載の遊技機。
演出表示手段でいくら演出を行ったとしても、第1変動表示及び第2変動表示を視認すれば、特別遊技状態が発生すること(一方が変動表示中で、他方の変動表示の保留があるにもかかわらず、他方が変動表示されていないことで、一方の変動表示で特別遊技状態が教示されることが分かってしまう)や、特別遊技状態の種別や、演出表示が第1変動表示及び第2変動表示のうちどちらに対応しているのか等のことが把握されてしまう。
この点、手段B−5によれば、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、主表示手段の確定表示のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、例えば、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段を視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技を行おうとする遊技者と、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段を把握していない遊技者、或いは、演出表示手段等の演出を堪能したいがために第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段をあえて視認しない遊技者等との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差)を極力小さくすることができる。つまり、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段を視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段のパターンを把握し、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、演出表示手段の演出表示等を存分に堪能してもらうことができる。
また、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の表示態様を分かり難くするために、サブ制御手段で制御される第1サブ表示手段、及び、第2サブ表示手段によって疑似表示を行うこととしている。従って、例えば、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の表示態様を分かり難くするために、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の表示態様をより複雑なものとする場合に比べ、第1特別遊技発生手段、及び、第2特別遊技発生手段の制御負担を軽減したり、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段の簡素化を図ったりすることができる。
手段B−6.前記高状態において、前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示が行われる回数の上限が設定され、
前記高状態において実行可能な前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示の残り回数をカウントする残り回数カウント手段を備え、
前記高状態において、前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示が開始される際に前記残り回数カウント手段の値が更新されるよう構成され、
前記高状態において、前記第2変動時間は、前記第1変動時間よりも短く設定され、かつ、
前記高状態において(前記第1変動表示、及び、)前記第2変動表示を開始させる際の設定に際し、当該変動表示が前記高状態における上限に対応する変動表示である場合、前記第2変動時間の設定に際して、前記レベル対応テーブルが参照されるよりも、前記高状態における前記第1変動時間に近い時間が設定される専用のラストテーブルが参照されることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、残り回数カウント手段は、変動表示を開始される際に更新されることから、高状態の上限に対応する変動表示が開始されてから終了するまでの間に、他方の変動表示が開始される場合に、当該他方の変動表示に関して、高状態が終了した場合の遊技状態に対応した設定を確実に行うことができる。従って、高状態が終了しているにもかかわらず、高状態に対応した変動時間が設定されていて、不具合や違和感が発生する等といった事態を回避することができる。尚、高状態が終了した後の遊技状態に対応する変動表示に対応する前記演出表示は、高状態に対応する変動表示に対応する前記演出表示が停止表示された後に導出されることとしてもよい。この場合、高状態の上限に対応する変動表示をより確実に堪能してもらうことができる。
また、高状態において、第1変動時間が長く、かつ、第2変動時間が短く設定されるように構成されている場合であって、高状態の上限に対応する変動表示が第2変動表示であり、当該第2変動表示の直前に第1変動表示が開始された場合、前記上限に対応する第2変動表示が停止表示されて高確率状態が終了しているにもかかわらず、第1変動表示がなかなか終了せず、不具合や違和感が発生することが懸念される。
この点、高確率状態の上限に対応する第2変動時間の設定に際して、それ以前と同じく変動時間が比較的短く設定されることとなるレベル対応テーブルを参照するのではなく、専用のラストテーブルを参照し、第2変動時間を第1変動時間に極力近づけることで、高確率状態の終了後に、既に開始されている第1変動表示の第1変動時間の残り時間が長すぎてしまうといった事態を防止することができる(例えば、低確率状態における第1変動表示の第1変動時間と同じような残り時間となるようにすることが可能)。従って、高状態が終了しているにもかかわらず、高状態に対応した変動時間が設定されていて、不具合や違和感が発生する等といった事態を回避することができる。
手段B−7.前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示のうち一方の変動表示が停止表示された場合に、他方の変動表示が行われている場合であって、前記一方の変動表示において前記特別遊技状態(前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態)が発生する旨が教示された場合には、
前記他方の変動表示が中断され、前記一方の変動表示において教示された前記特別遊技状態(前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態)の終了後に、前記中断された他方の変動表示が、中断されたところから再開されることを特徴とする手段B−1乃至B−6のいずれかに記載の遊技機。
手段B−7によれば、高確率状態において、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、特別遊技状態に当選した場合に遊技者にとってより有利な種別の特別遊技状態が付与され易い一方の変動表示が順次停止表示され、他方の変動表示が極力停止表示されないことを所望とし、所定時間あたりの第1変動表示、及び、第2変動表示の行われる回数の比率が結果的に異なっていく高確率状態のレベルが好ましいものであることを期待するといった遊技性を確立することができる。さらには、単純に、第1変動表示及び第2変動表示が同時にスタートしてどちらが先に停止表示されるかといった遊技性ではなく、第1変動表示が1回行われる間に第2変動表示を何回行えるかの遊技性を付与することができる。
手段B−8.前記第1始動入球検知手段、及び、前記第2始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記(第1当否抽選及び前記第2)当否抽選に関する(第1当否関連情報及び第2)当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記(第1当否関連情報、及び、前記第2)当否関連情報を記憶可能な記憶領域を有する保留記憶手段と、
前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記(第1及び第2)当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段を備え、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の(第1当否関連情報及び第2)当否関連情報に対応する前記保留表示の態様が、当該保留表示に対応する前記第1変動表示及び前記第2変動表示の内容を示唆する特定態様とされる保留先読み演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−7に記載の遊技機。
手段B−8によれば、演出性の向上等を図ることができる。例えば、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、特別遊技状態に当選してしまうことが遊技者にとってあまり好ましくない一方の変動表示の保留表示に対して、特別遊技状態に当選している可能性が比較的高いことを示唆する表示がなされた場合に、それよりも前に他方の変動表示で当たって欲しい、或いは、一方の変動表示が停止表示に至る場合には外れて欲しいという思いを強くしつつ、遊技に集中してもらう等といった遊技性を付与することができる。特に、上記手段B−4の構成を併用することで、かかる作用効果がより顕著に奏されることとなる。
尚、上記手段B−7のように、第1変動表示及び第2変動表示のうち一方で特別遊技状態の発生を教示しても、他方の変動表示を中断させるだけで消去したりせずに特別遊技状態の終了後に再開させる構成であれば、手段B−8のように、保留先読み演出を導出しても、矛盾が生じることを回避することができる。
手段B−9.前記特別遊技状態には複数の種別が設けられ、
前記第1特別遊技発生手段が行う前記当否抽選にて前記特別遊技状態に当選した場合よりも、前記第2特別遊技発生手段が行う前記当否抽選にて前記特別遊技状態に当選した場合の方が、遊技者にとって有利な前記特別遊技状態の種別に振り分けられる可能性が高く設定される構成において、
前記第1始動入球手段として、
いずれの状態においても遊技球が入球可能な第1通常始動入球手段と、
前記低状態においては遊技球が入球不可能、又は、入球困難な閉状態となり、前記高状態においては遊技球が入球可能、又は、入球容易な開状態となる第1サポート始動入球手段とを備え、
前記第1サポート始動入球手段は、前記高状態において、前記低状態よりも前記開状態とされ易く構成されるとともに、
前記第2始動入球手段は、前記第1通常始動入球手段、及び、前記閉状態にある前記第1サポート始動入球手段よりも遊技球が入球し易く構成され、
前記高状態において、前記第2始動入球手段に入球し得るように発射された遊技球が、前記第1サポート始動入球手段に入球し得るように構成され、
前記低状態では、1回分の前記第2変動時間の長さが、複数回分の前記第1変動時間の長さの和よりも長く設定されることを特徴とする手段B−1乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、高状態において、第2始動入球手段を狙って遊技球を発射させれば、第1サポート始動入球手段にも遊技球が入球し得るように構成されているため、第1変動表示、及び、第2変動表示の両方を実行させることができる。また、高状態は、第1サポート始動入球手段への遊技球の入球し易さを高めることで実現させている。このため、高状態において遊技者の意志で第1変動表示を回避させる(第2変動表示だけを実行させる)ことを抑制することができる。さらに、第2始動入球手段は比較的遊技球が入球し易く構成され、高状態において第2変動表示をテンポよく進行させることができ、高状態における爽快感等をより確実なものとすることができる。また、第2始動入球手段に関しては、常に遊技球が入球し易い構成としても、低状態では第2変動時間が長くなることから、低状態で第2変動表示がどんどんと消化されるといった事態を回避することができる。
また、高確率状態であって、かつ、第1変動表示、及び、第2変動表示が行われている状態において、演出表示手段において、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示のどちらか一方が導出されているが、当該一方が、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示のどちらであるのかの判別がつかないような構成としても、第1特別表示手段、及び、第2特別表示手段を視認して、どちらか変動表示が行われていないとすると、前記一方を判別することができる。この点、上記手段B−8のように、変動表示を保留記憶させる構成を具備することにより、変動表示が途切れるといった状況を減少させることができる。従って、第1変動対応演出表示、及び、第2変動対応演出表示を参照しながら、第1変動表示及び第2変動表示のうちどちらが先に停止表示されるのかに留意するといった遊技性をより確実なものとすることができる。
尚、「前記第1始動入賞装置、及び、前記第2始動入賞装置は、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入球開口部に入球した遊技球が入球可能に設けられるとともに、前記入球開口部に入球した遊技球を前記第1始動入賞装置、及び、前記第2始動入賞装置に交互に案内する振分け装置が設けられていること」としてもよい。この場合、第1及び第2変動表示の両方を並行して変動表示させることができ、第1変動表示だけを避けて遊技を行う行為をより確実に防止することができる。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報等参照)。
また、パチンコ機では、始動入球手段への遊技球の入球のし易さを変更したり、特別遊技状態となる確率を変更したり、特別遊技状態のうち遊技者にとってより有利な特別遊技状態が選択される割合を変更したりする等、遊技性の多様化を試みてきたが、いずれもマンネリ化してきており、より多様な遊技性が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技性の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.発射装置により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入球手段、及び、第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な第1始動入球検知手段と、
前記第2始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な第2始動入球検知手段と、
遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成された可変入球手段(第1可変入球手段、及び、第2可変入球手段)と、
前記第1始動入球検知手段による検知が行われた場合に、前記可変入球手段(第1可変入球手段)を開状態とさせる特別遊技状態(第1特別遊技状態)を発生させるか否かの(第1)当否抽選を行うとともに、当該(第1)当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態(第1特別遊技状態)を発生させる第1特別遊技発生手段と、
前記第1特別遊技発生手段が行う前記(第1)当否抽選の結果を教示する第1特別図柄による第1変動表示が行われる第1特別表示手段と、
前記第2始動入球検知手段による検知が行われた場合に、(前記第1当否抽選、及び、)前記可変入球手段(第2可変入球手段)を開状態とさせる特別遊技状態(第2特別遊技状態;所謂、小当たり)を発生させるか否かの(第2)当否抽選を行うとともに、当該(第2)当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態(前記第2特別遊技状態)を発生させる第2特別遊技発生手段と、
前記第2特別遊技発生手段が行う前記(第1当否抽選及び前記第2)当否抽選の結果を教示する第2特別図柄による第2変動表示が行われる第2特別表示手段と(、
前記第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部に入球した遊技球を検知可能な特定入球検知手段と、
前記特定入球検知手段による検知が行われた場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる役物特別遊技状態発生手段と)を備え、
前記第1特別表示手段における前記第1変動表示と、前記第2特別表示手段における前記第2変動表示とを並行して実行可能に構成され、
前記第1特別遊技発生手段、及び、前記第2特別遊技発生手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記第1特別表示手段、及び、前記第2特別表示手段の変動表示に関連する演出表示を導出可能な演出表示手段とを備え、
前記サブ制御手段は、前記演出表示手段において、前記第1変動時間の残り時間を示唆する第1残り時間表示、及び、前記第2変動時間の残り時間を示唆する第2残り時間表示のうち少なくとも一方の残り時間表示を導出可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
近年では、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち一方に関連して当選するよりも、他方に関連して当選する方が有利であるといった構成が一般的になっており、手段C−1によれば、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらが先に停止表示されるのか等を残り時間表示によって把握することができる。このため、残り時間表示をみて、第1変動表示及び第2変動表示の時間差による遊技の展開を予想したり、休憩のタイミング図ったりする等、新たな楽しみを見出したり、スケジュール上の利便性の向上を図ったりすることができる。例えば、当否抽選の結果の他に、前記他方の変動表示の方が先に、なるべく早く停止表示されて欲しいといった気持ちを持って第1変動表示及び第2変動表示の停止表示のタイミングにより面白味を見出してもらうことができ、演出性や遊技性の向上等を図ることができる。さらに、残り時間表示によって、第1変動表示及び第2変動表示が並行して行われるといった遊技性の理解を助ける案内・説明等を行うことができる。
手段C−2.前記第2始動入球検知手段の検知に基づいて前記特別遊技状態が発生した場合には、前記第1始動入球検知手段の検知に基づいて前記特別遊技状態が発生した場合よりも、遊技者にとって有利な特典が付与され易い構成において、
前記第1変動表示の第1変動時間、及び、前記第2変動表示の第2変動時間の設定に関して、
1回分の前記第2変動時間の長さが、複数回分の前記第1変動時間の長さの和よりも長く設定される第1変動状態と、
1回分の前記第1変動時間の長さが、複数回分の前記第2変動時間の長さの和よりも長く設定される第2変動状態との間を状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、第1変動表示と、第2変動表示とを並行して行うことのできる構成において、第2変動時間がかなり長い(基本的に第1変動表示だけが行われる)第1変動状態と、第1変動時間がかなり長い(基本的に第2変動表示だけが行われる)第2変動状態とに状態変化可能に構成されている。これにより、例えば、第1始動入球手段に遊技球を入球させて第1変動表示を実行させることを目的とする第1変動状態において、第1変動時間が通常の長さの通常遊技状態と、第1変動時間が短く、第1変動表示を比較的ハイピッチで進行させることのできる第1サポート状態とを設定することができる上、第2始動入球手段に遊技球を入球させて第2変動表示を実行させることを目的とする第2変動状態において、第2変動時間が短く、第2変動表示を比較的ハイピッチで進行させることのできる第2サポート状態を設定することが可能となる(第2変動時間が通常の長さの遊技状態も設定可能)。従って、当否抽選において第1特別遊技状態に当選する確率を変えるという構成を具備せずとも、遊技性が変化する遊技状態を3つ以上付与することができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
例えば、第1サポート状態、及び、第2サポート状態において、球減りを抑制することのできる特典を付与することにより、当否抽選にて第1特別遊技状態に当選する確率が常に一定となる構成であっても、第1サポート状態、及び、第2サポート状態は、通常遊技状態に比べ、少なくとも球持ちの良い状態となり、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な遊技状態を2つ設定することができる。従って、第1特別遊技状態の終了後に、第2サポート状態が付与されない場合であっても、通常遊技状態ではなく、第1サポート状態が付与されることで、遊技者の落胆が軽減されるとともに、遊技意欲の向上を図ることができる。
しかも、第1サポート状態では、基本的に第1当否抽選で当選しないと第1特別遊技状態を発生させることができないが、第2サポート状態では、第1当否抽選で当選した場合に加え、第2当否抽選で当選し、当該当選に基づいて開放された第2可変入球手段に入球した遊技球が特定入球部に入球した場合にも、第1特別遊技状態を発生させることができる。このように、第1サポート状態と、第2サポート状態との間にもしっかりと遊技者にとっての有利さに関する差を設けることができ、遊技性や演出性の向上等を図ることができる。
また、上記のように、第1変動時間及び第2変動時間の組合わせが多様なものとなることから、第1変動時間及び第2変動時間の残り時間を示唆する残り時間表示を行うことにより、より多様な演出を行うことができる。さらに、残り時間表示によって遊技性の理解を助けるといった作用効果がより一層奏される。
手段C−3.前記第2変動状態において、前記第1変動表示、及び、前記第2変動表示が行われている状態において、前記第2変動状態における前記第1変動表示は、前記通常遊技状態、及び、前記第1変動状態における前記第1変動表示よりも前記第1変動時間が長くなっていることを教示する案内表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−2に記載の遊技機。
第2変動状態において遊技をしていると、第2変動表示の停止表示とともに、第1変動表示についても停止表示(中断、又は、消去)されることから、第1変動表示が長くなっていることに気付かない遊技者もいることが考えられる。このため、第2変動状態において第2変動表示を途切れさせたらいけないと躍起になり過ぎて心労してしまうことが懸念される。この点、手段C−3のように、第2変動状態の第1変動時間が長いことを教示し、第2変動表示の開始が遅れても、あまり支障のないことを把握することで、幾分ゆとりを持って遊技を行うことができ、遊技球の発射操作を行う発射操作手段から手を離す余裕が生まれる等、遊技における快適性の向上等を図ることができる。
手段C−4.前記第2変動状態において、前記第1変動表示及び前記第2変動表示のうち前記第1変動表示のみが実行されている状態において、実行中の前記第1変動表示の前記第1変動時間を教示又は示唆可能な残り時間表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−2又はC−3に記載の遊技機。
第2変動状態の第1変動時間が長く設定され、トイレや飲料の購買等の時間が十分にあったとしても、不安で離席できないことが考えられる。この点、手段C−4によれば、第2変動状態の第1変動時間の残り時間を教示又は示唆する残り時間表示が導出可能になっていることから、かかる残り時間表示を確認して、安心して離席することができる。従って利便性の向上等を図ることができる。
手段C−5.遊技者が操作可能な演出操作手段が設けられ、
前記演出操作手段の操作に応じて前記残り時間表示を導出及び消去可能に構成されていることを特徴とする手段C−4に記載の遊技機。
手段C−5によれば、離席する予定がなく遊技を続ける状態において残り時間表示が目障りであると感じる状態の遊技者は残り時間表示を消去することができ、消去したが、再度見たい場合には、再表示させることができる。
手段C−6.前記第1特別遊技発生手段及び前記第2特別遊技発生手段を具備する主制御手段は、
前記第1始動入球検知手段、及び、前記第2始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する第1当否関連情報、及び、第2当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記第1当否関連情報、及び、前記第2当否関連情報を記憶可能な記憶領域を有する保留記憶手段とを備え、
前記主制御手段は、前記情報取得手段により前記第1当否関連情報、又は、前記第2当否関連情報を取得した場合に、前記第1変動時間、又は、前記第2変動時間を決定するとともに、当該第1変動時間及び第2変動時間の情報を含む前記第1当否関連情報、又は、前記第2当否関連情報を前記サブ制御手段に出力するように構成され、
前記サブ制御装置は、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の第1当否関連情報、又は、第2当否関連情報に対応する前記第1変動表示、又は、前記第2変動表示の当否抽選に関する内容を示唆する保留先読み演出、及び、
前記保留記憶手段に記憶されている所定の第1当否関連情報、又は、第2当否関連情報に対応する前記第1変動表示、又は、前記第2変動表示の前記第1変動時間、及び、第2変動時間を加味した前記残り時間表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、現在変動表示中の変動表示だけでなく、保留記憶されている変動表示の内容についても示唆を行うことができ、残り時間表示で示唆することのできる内容が増え、演出性の向上等を図ることができる。さらに、保留された変動表示を含む残り時間表示と、保留された変動表示の当否抽選の内容の示唆とを組合わせる等、遊技者が得られる情報が増え、それを基にあれこれ思案して、遊技を堪能することができる。
手段C−7.複数の前記第1残り時間表示を同時に導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
手段C−7によれば、同じ対象を示す複数の第1残り時間表示を導出して、第1残り時間表示の信頼度を高めたり、異なる対象を示す複数の第1残り時間表示を導出して、より多くの情報を付与したりすることができる。
手段C−8.複数の前記第2残り時間表示を同時に導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−7のいずれかに記載の遊技機。
手段C−8によれば、同じ対象を示す複数の第2残り時間表示を導出して、第2残り時間表示の信頼度を高めたり、異なる対象を示す複数の第2残り時間表示を導出して、より多くの情報を付与したりすることができる。
手段C−9.前記残り時間表示を表示可能な前記演出表示手段が複数設けられていることを特徴とする手段C−1乃至C−8のいずれかに記載の遊技機。
手段C−9によれば、残り時間表示を複数の演出表示手段に導出して意味合いの違いなどを明確にしたり、格好良く表示したりすることができるとともに、所定の演出表示手段における残り時間表示が邪魔になった場合に別の演出表示手段に表示する(まとめて表示する)等といったことができる。従って、意匠性の向上、利便性の向上等を図ることができる。
尚、上記手段A、手段B、手段Cに記載されている各技術事項を適宜組合わせて実施することも可能である。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。