JP2019117816A - シリコンウェーハ製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、研磨されたシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を低減できるシリコンウェーハの製造方法の提供。【解決手段】本開示は、一態様において、下記工程(1)、(2)及び(3)を含む、シリコンウェーハの製造方法に関する。(1)被研磨シリコンウェーハの表面を、研磨液組成物Aを用いて研磨する工程。(2)工程(1)で得られたシリコンウェーハを、アニオン性界面活性剤(成分b1)を含む液体組成物Bに浸漬する工程。(3)工程(2)で得られたシリコンウェーハを、洗浄剤組成物Cを用いて洗浄する工程。ただし、研磨液組成物A及び洗浄剤組成物Cは、成分b1を実質的に含まない。【選択図】なし

Description

本開示は、シリコンウェーハ製造方法に関する。
近年、半導体メモリの高記録容量化に対する要求の高まりから半導体装置のデザインルールは微細化が進んでいる。このため半導体装置の製造過程で行われるフォトリソグラフィーにおいて焦点深度は浅くなり、シリコンウェーハ(ベアウェーハ)の表面欠陥(LPD:Light point defects)や表面粗さ(ヘイズ:Haze)の低減に対する要求はますます厳しくなっている。
シリコンウェーハの品質を向上する目的で、シリコンウェーハの研磨は多段階で行われている。研磨後のシリコンウェーハ表面に研磨くずや砥粒等由来のパーティクルが残留していると、表面欠陥発生の原因となる。通常、研磨後のシリコンウェーハは、ウェーハ表面に残留するパーティクルを除去するため洗浄工程へと運ばれるが、洗浄工程に運ばれるまでの間、水中で保管されている。これは、シリコンウェーハを大気中で保管すると、パーティクルがウェーハ表面に固着してしまい、洗浄工程での除去が難しくなるからである。
研磨後のウェーハ表面に残留するパーティクルを除去する方法としては、例えば、特許文献1には、アニオン性界面活性剤、有機溶剤及びアルカリ成分を含む洗浄剤を用いて洗浄する方法が開示されている。
特許文献2には、Cu濃度が0.01ppb以下の保管用水に研磨後のシリコンウェーハを保管する方法が開示されている。
特許文献3には、鏡面研磨後のリンス処理を経たシリコンウェーハの鏡面を親水化処理する方法が開示されている。
特許文献4には、液温が0〜18℃の保管用水に研磨後のシリコンウェーハを保管する方法が開示されている。
特開2009−206481号公報 特開平11−191543号公報 特開2007−235036号公報 WO2002/075798
近年、ウェーハ表面に残留するパーティクルがより微細化してきており、今まで以上にウェーハ表面に付着しやすいことから、研磨されたウェーハ表面に残留するパーティクルをより効果的に除去し、ウェーハの表面欠陥(LPD)をより低減する方法が求められている。さらに、研磨されたウェーハの表面粗さ(ヘイズ)をより低減することも求められている。
そこで、本開示は、研磨されたシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を低減できるシリコンウェーハの製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、下記工程(1)、(2)及び(3)を含む、シリコンウェーハの製造方法に関する。
(1)被研磨シリコンウェーハの表面を、研磨液組成物Aを用いて研磨する工程。
(2)工程(1)で得られたシリコンウェーハを、アニオン性界面活性剤(成分b1)を含む液体組成物Bに浸漬する工程。
(3)工程(2)で得られたシリコンウェーハを、洗浄剤組成物Cを用いて洗浄する工程。
ただし、研磨液組成物A及び洗浄剤組成物Cは、成分b1を実質的に含まない。
本開示によれば、研磨されたシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を低減できるシリコンウェーハの製造方法を提供できる。
本開示は、研磨後のシリコンウェーハを、アニオン性界面活性剤を含む液体組成物に浸漬することで、研磨されたシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を低減できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、下記工程(1)、(2)及び(3)を含む、シリコンウェーハ製造方法(以下、「本開示の製造方法」ともいう)に関する。
(1)被研磨シリコンウェーハの表面を、研磨液組成物Aを用いて研磨する工程。
(2)工程(1)で得られたシリコンウェーハを、アニオン性界面活性剤(成分b1)を含む液体組成物Bに浸漬する工程。
(3)工程(2)で得られたシリコンウェーハを、洗浄剤組成物Cを用いて洗浄する工程。
ただし、研磨液組成物A及び洗浄剤組成物Cは、成分b1を実質的に含まない。
本開示の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
一般的に、シリコンウェーハの製造において、研磨機と洗浄機は一体型ではないため、研磨機から洗浄機まで搬送する必要がある。
本開示の製造方法では、研磨工程と洗浄工程との間に、研磨されたシリコンウェーハを液体組成物B中に浸漬させる工程を有している。これにより、液体組成物B中のアニオン性界面活性剤(成分b1)の疎水基(アルキル基)がシリコンウェーハ表面に吸着し、ウェーハ表面に付着しているパーティクルが剥がれやすくなると考えられる。さらに、アニオン性界面活性剤(成分b1)のアニオン性基の反発力により、砥粒粒子のウェーハ表面への再付着を抑制できると考えられる。このようにして、表面欠陥(LPD)の原因となるパーティクルがウェーハ表面から除去されると考えられる。
さらに、成分b1が基板表面を保護し、腐食を抑制することにより、研磨されたウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)を低減できると考えられる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
以下、上記工程(1)〜(3)の詳細を説明する。
[工程(1):研磨工程]
本開示の製造方法における工程(1)は、被研磨シリコンウェーハを、研磨液組成物Aを用いて研磨する工程(研磨工程)である。工程(1)は、一又は複数の実施形態において、最終の研磨工程及び/又は仕上げ研磨工程であることが好ましい。
[研磨液組成物A]
工程(1)で使用する研磨液組成物Aは、一又は複数の実施形態において、アニオン性界面活性剤(成分b1)を実質的に含まない研磨液組成物である。ここで、研磨液組成物Aが成分b1を実質的に含まないとは、研磨液組成物A中の成分b1の含有量が0.008質量%未満であること、好ましくは実質的に0質量%であることをいう。研磨液組成物Aとしては、一又は複数の実施形態において、砥粒(以下、「成分a1」ともいう)、成分b1以外の水溶性高分子(以下、「成分a2」ともいう)、及び水系媒体を含有するものが挙げられる。
<砥粒(成分a1)>
本開示の研磨液組成物Aに含まれうる砥粒(成分a1)としては、例えば、シリカ粒子、酸化セリウム(以下、「セリア」ともいう)粒子等が挙げられ、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、シリカ粒子が好ましい。シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、粉砕シリカ、それらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。成分a1は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分a1の使用形態としては、操作性の観点から、スラリー状が好ましい。本開示の研磨液組成物Aに含まれる成分a1がコロイダルシリカである場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属等によるシリコンウェーハの汚染を防止する観点から、コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましい。アルコキシシランの加水分解物から得られるシリカ粒子は、例えば、従来から公知の方法によって作製できる。
成分a1の平均一次粒子径は、研磨速度の確保の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、そして、研磨速度の確保、並びに、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、40nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましい。
特に、成分a1としてコロイダルシリカを用いた場合、成分a1の平均一次粒子径は、研磨速度の確保、並びに、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、40nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましい。さらに同様の観点から、成分a1の平均一次粒子径は、10nm以上40nm以下が好ましく、15nm以上35nm以下がより好ましく、20nm以上30nm以下が更に好ましい。本開示において、成分a1の平均一次粒子径は、窒素吸着(BET)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出できる。
成分a1の平均二次粒子径は、研磨速度の確保、並びに、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、20nm以上250nm以下が好ましい。成分a1がシリカ粒子である場合、成分a1の平均二次粒子径は、20nm以上80nm以下が好ましく、30nm以上75nm以下がより好ましく、40nm以上70nm以下が更に好ましい。成分a1がセリア粒子である場合、成分a1の平均二次粒子径は、10nm以上250nm以下が好ましく、13nm以上200nm以下がより好ましく、15nm以上170nm以下が更に好ましい。本開示において、平均二次粒子径は、動的光散乱(DLS)法によって測定される値であり、例えば、実施例に記載の装置を用いて測定できる。
本開示の研磨液組成物A中の成分a1の含有量は、研磨速度確保の観点から、SiO2換算で、0.04質量%以上が好ましく、0.09質量%以上がより好ましく、0.13質量%以上が更に好ましく、そして、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、0.5質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましい。研磨液組成物A中の成分a1の含有量は、研磨速度確保、並びに表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、SiO2換算で、0.04質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.09質量%以上0.4質量%以下がより好ましく、0.13質量%以上0.3質量%以下が更に好ましい。成分a1が2種以上の砥粒からなる場合、成分a1の含有量はそれらの合計含有量をいう。
<水溶性高分子(成分a2)>
本開示の研磨液組成物Aに含まれうる水溶性高分子(成分a2)は、成分b1以外の水溶性高分子である。本開示において、「水溶性」とは、水(20℃)に対して0.5g/100mL以上の溶解度、好ましくは2g/100mL以上の溶解度を有することをいう。成分a2は、1種単独でも用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分a2としては、例えば、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリビニルリン誘導体、ポリビニルアルキルエーテル誘導体、ポリグリセリン誘導体、エチレンオキシド基を有する水溶性高分子、アミド基を有する水溶性高分子等が例示できる。
成分a2のセルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられる。
成分a2のポリビニルアルコール系重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、アルキレンオキサイド変性PVA、カチオン変性PVA、アニオン変性PVA、アルキル変性PVA、ヒドロキシアルキル変性PVA等が挙げられる。
成分a2のポリビニルリン誘導体としては、例えば、ポリジメチルビニルホスホナート、ポリジエチルビニルホスホナート、ポリジイソプロピルホスホナート、ポリ1−(ジメトキシホスフィニル)−1−メチルエテン、1−(ジメトキシホスフィニル)1−1フェニルエテン、ポリ1−(ジメトキシホスフィニル)−2−フェニルエテン、ポリジメチル−p−ビニルベンジルホスホナート、ポリジメチル−p−ビニルベンジルホスホナート、ポリジイソプロピル−p−ビニルベンジルホスホナート、ポリジフェニルビニルホスホナート、ポリ2−(ジメトキシホスフィニル)−1−オクテン、ポリビニルリン酸等が挙げられる。
成分a2のポリビニルアルキルエーテル誘導体としては、例えば、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル等が挙げられる。
成分a2のポリグリセリン誘導体としては、例えば、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリンアルケニルエーテル、ポリグリセリンフェニルエーテル、ポリグリセリンアルキルフェニルエーテル、ポリグリセリンアルキルエステル、ポリグリセリンアルケニルエステル、ポリグリセリンフェニルエステル、ポリグリセリンアルキルフェニルエステル等が挙げられる。
成分a2のエチレンオキシド基を有する水溶性高分子としては、例えば、モノメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEGMA)の単独重合体、メタクリル酸とPEGMAとの共重合体、プルロニック型高分子(EO・POブロックポリマー)等が挙げられる。
成分a2のアミド基を有する水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミド、ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN−ヒドロキシエチルアクリルアミド(pHEAA)、ポリN−ヒドロキシメチルアクリルアミド、ポリt−ブチルアクリルアミド、ポリn−ブチルアクリルアミポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、ポリアクロイルモルホリン等が挙げられる。
成分a2の重量平均分子量は、研磨速度確保の観点から、0.1万以上が好ましく、1万以上がより好ましく、5万以上が更に好ましく、20万以上が更に好ましく、そして、シリカ粒子の凝集抑制の観点から、150万以下が好ましく、110万以下がより好ましく、90万以下が更に好ましく、30万以下が更に好ましい。成分a2の重量平均分子量は、研磨速度確保及びシリカ粒子の凝集抑制の観点から、0.1万以上150万以下が好ましく、1万以上110万以下がより好ましく、5万以上90万以下が更に好ましく、20万以上30万以下が更に好ましい。が更に好ましい。本開示において重量平均分子量は、液体クロマトグラフィー(株式会社日立製作所製、L−6000型高速液体クロマトグラフィー)を使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって下記条件で測定できる。
本開示の研磨液組成物A中の成分a2の含有量は、研磨速度確保、並びに、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、0.0005質量%以上が好ましく、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下が更により好ましい。同様の観点から、研磨液組成物A中の成分a2の含有量は、0.0005質量%以上1質量%以下が好ましく、0.001質量%以上、0.5質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.1質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上0.05質量%以下が更に好ましい。成分a2が2種以上の水溶性高分子からなる場合、成分a2の含有量はそれらの合計含有量をいう。
<水系媒体>
本開示の研磨液組成物Aに含まれうる水系媒体としては、例えば、イオン交換水や超純水等の水、又は水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。本開示の研磨液組成物A中の水系媒体の含有量は、成分a1、成分a2及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物Aは、本開示の効果が妨げられない範囲で、更に、pH調整剤、塩基性化合物、防腐剤、アルコール類、キレート剤、及び成分b1以外の界面活性剤から選ばれる少なくとも1種のその他の成分が含まれてもよい。前記その他の成分は、本開示の効果を損なわない範囲で、研磨液組成物中に含有されることが好ましく、研磨液組成物A中の前記その他の成分の含有量は、0質量%以上が好ましく、0質量%超がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。同様の観点から、研磨液組成物A中のその他の成分の含有量は、0質量%以上10質量%以下が好ましく、0質量%超10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
pH調整剤としては、例えば、酸性化合物及びアルカリ化合物が挙げられる。酸性化合物としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸;及び、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸;から選ばれる1種以上が挙げられる。アルカリ化合物としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物;及び、アルキルアミン、アルカノールアミン等の有機アルカリ化合物;から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示の研磨液組成物Aは、例えば、成分a1、成分a2及び水系媒体、並びに所望により上述したその他の成分を公知の方法で配合することにより製造できる。本開示において「配合する」とは、成分a1、成分a2、及び水系媒体、並びに必要に応じて上述したその他の成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は特に限定されない。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。本開示において、研磨液組成物Aの製造方法における各成分の配合量は、上述した本開示の研磨液組成物A中の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示において、「研磨液組成物A中の各成分の含有量」は、研磨液組成物Aの使用時、すなわち、研磨液組成物Aの研磨への使用を開始する時点における前記各成分の含有量をいう。
本開示の研磨液組成物Aの25℃におけるpHは、研磨速度確保の観点から、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、12以下が好ましく、11.5以下がより好ましく、11以下が更に好ましい。同様の観点から、研磨液組成物Aの25℃におけるpHは、9以上12以下が好ましく、9.5以上11.5以下がより好ましく、10以上11以下が更に好ましい。pHの調整は、後述するpH調整剤を適宜添加して行うことができる。ここで、25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して1分後の数値とすることができる。
[被研磨シリコンウェーハ]
本開示の研磨液組成物Aの研磨対象である被研磨シリコンウェーハとしては、例えば、単結晶100面シリコンウェーハ、111面シリコンウェーハ、110面シリコンウェーハ等が挙げられる。シリコンウェーハの抵抗率としては、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、好ましくは0.0001Ω・cm以上、より好ましくは0.001Ω・cm以上、更に好ましくは0.01Ω・cm以上、更により好ましくは0.1Ω・cm以上であり、そして、好ましくは100Ω・cm以下、より好ましくは50Ω・cm以下、更に好ましくは20Ω・cm以下である。同様の観点から、シリコンウェーハの抵抗率は、好ましくは0.0001Ω・cm以上100Ω・cm以下、より好ましくは0.001Ω・cm以上100Ω・cm以下、更に好ましくは0.01Ω・cm以上100Ω・cm以下、更に好ましくは0.1Ω・cm以上100Ω・cm以下であり、更に好ましくは0.1Ω・cm以上50Ω・cm以下、更に好ましくは0.1Ω・cm以上20Ω・cm以下である。
工程(1)は、例えば、単結晶シリコンインゴットを薄円板状にスライスすることにより得られた単結晶シリコンウェーハを平面化するラッピング(粗研磨)工程と、ラッピングされた単結晶シリコンウェーハをエッチングした後、単結晶シリコンウェーハ表面を鏡面化する仕上げ研磨工程とを含むことができる。本開示の研磨液組成物Aは、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、仕上げ研磨工程で用いられるとより好ましい。
工程(1)では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨シリコンウェーハを挟み込み、3〜20kPaの研磨圧力で被研磨シリコンウェーハを研磨することができる。
上記研磨圧力とは、研磨時に被研磨シリコンウェーハの被研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。研磨圧力は、研磨速度を向上させ経済的に研磨を行う観点から、3kPa以上が好ましく、4kPa以上がより好ましく、5kPa以上が更に好ましく、5.5kPa以上が更により好ましい。そして、表面品質を向上させ、且つ研磨されたシリコンウェーハにおける残留応力を緩和する観点から、研磨圧力は、20kPa以下が好ましく、18kPa以下がより好ましく、16kPa以下が更に好ましい。同様の観点から、研磨圧力は、3kPa以上20kPa以下が好ましく、4kPa以上18kPa以下がより好ましく、5kPa以上16kPa以下が更に好ましく、5.5kPa以上16kPa以下が更により好ましい。
工程(1)では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨シリコンウェーハを挟み込み、15℃以上40℃以下の研磨液組成物A及び研磨パッド表面温度で被研磨シリコンウェーハを研磨することができる。研磨液組成物Aの温度及び研磨パッド表面温度としては、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、15℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、そして、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく、25℃以下が更に好ましい。同様の観点から、研磨液組成物Aの温度及び研磨パッド表面温度は、15℃以上40℃以下が好ましく、20℃以上30℃以下がより好ましく、20℃以上25℃以下が更に好ましい。
工程(1)は、一又は複数の実施形態において、研磨液組成物Aを用いて研磨されたシリコンウェーハを、成分b1を実質的に含まないリンス剤組成物Dを用いてリンスする工程をさらに含むことができる。ここで、リンス剤組成物Dが成分b1を実質的に含まないとは、リンス剤組成物D中の成分b1の含有量が0.008質量%未満であること、好ましくは実質的に0質量%であることをいう。リンスする方法としては、例えば、研磨されたシリコンウェーハをリンス剤組成物Dとの接触下に、研磨パッド上で押圧しながら回転させる方法が挙げられる。リンス剤組成物Dとしては、一又は複数の実施形態において、成分b1以外の水溶性高分子を含むリンス剤組成物が挙げられる。リンス剤組成物Dに含まれる水溶性高分子としては、例えば、上述した成分a2と同じものを用いることができる。
[工程(2):浸漬工程]
工程(2)は、工程(1)で得られたシリコンウェーハを液体組成物Bに浸漬する工程(浸漬工程)である。工程(2)は、一又は複数の実施形態において、工程(1)で得られたシリコンウェーハを液体組成物Bに浸漬し、工程(3)に運ばれるまで保管する工程であってもよい。
[液体組成物B]
<アニオン性界面活性剤(成分b1)>
工程(2)で使用する液体組成物Bに含まれるアニオン性界面活性剤(成分b1)としては、例えば、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基及びホスホン酸基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアニオン性界面活性剤が挙げられる。表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、成分b1は、下記式(I)で表されるアニオン性界面活性剤が好ましい。成分b1は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
1−(O)m−(EO)n−X-+ (I)
式(I)中、R1は、炭素数10以上20以下の炭化水素基であり、X-は、−SO3 -、−COO-、−CH2COO-、及び−PO3 -から選ばれる少なくとも1種であり、EOは、エチレンオキサイド基を示し、mは0又は1であり、nは、平均付加モル数を示し0以上10以下の数あり、Y+は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも1種である。
式(I)において、R1は、炭素数10以上20以下の炭化水素基を示す。R1の炭素数は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、そして、20以下が好ましく、18以下がより好ましい。同様の観点から、R1の炭化水素基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、好ましくは分岐鎖である。同様の観点から、R1の炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、好ましくは飽和である。
式(I)において、X-は、−SO3 -、−COO-、−CH2COO-、及び−PO3 -から選ばれる少なくとも1種であり、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、−SO3 -が好ましい。
式(I)において、nは0以上10以下の数であり、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、0以上10以下が好ましい、0以上5以下がより好ましく、0以上3以下が更に好ましい。
式(I)において、Y+は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも1種である。アルカリ金属イオンを構成するアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属イオンを構成するアルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
成分b1の具体例としては、例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ミリスチル硫酸アンモニウム、ヘキサデキシル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ヘキサデキシル硫酸ナトリウム、2−ブチル−1−n−オクチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2.5)ラウリル酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
液体組成物B中の成分b1の含有量は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、0.008質量%以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.04質量%以上が更に好ましく、そして、コストや泡立ち観点から、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、液体組成物B中の成分b1の含有量は、0.008質量%以上3質量%以下が好ましく、0.015質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上0.5質量%以下が更に好ましく、0.04質量%以上0.5質量%以下が更に好ましい。成分b1が2種以上のアニオン性界面活性剤からなる場合、成分b1の含有量はそれらの合計含有量をいう。
<水>
液体組成物Bは、媒体として水を含有する。水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。液体組成物B中の水の含有量は、成分b1及び必要に応じて配合される後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
<消泡剤(成分b2)>
液体組成物Bは、消泡剤b2(以下、「成分b2」ともいう)をさらに含むことができる。成分b2としては、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、高級アルコール系消泡剤が挙げられる。成分b2は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。液体組成物B中の成分b2の含有量は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして、消泡剤成分の残留の観点から、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。成分b2が2種以上の消泡剤からなる場合、成分b2の含有量はそれらの合計含有量をいう。
液体組成物Bは、本開示の効果が妨げられない範囲で、成分b1、成分b2及び水以外のその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、pH調整剤、キレート剤が挙げられる。pH調整剤としては、上述した研磨液組成物AのpH調整剤と同じものが挙げられる。
液体組成物Bは、一又は複数の実施形態において、塩基性の窒素含有有機化合物を実質的に含まないものであってもよい。ここで、液体組成物Bが前記窒素含有有機化合物を実質的に含まないとは、液体組成物B中の前記窒素含有有機化合物の含有量が0.01質量%未満であること、好ましくは実質的に0質量%であることをいう。
本開示における液体組成物Bは、成分b1、水、及び、所望により上述した任意成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、液体組成物Bは、少なくとも成分b1及び水を配合してなるものとすることができる。成分b1が複数種類のアニオン性界面活性剤の組合せである場合、成分b1は、複数種類のアニオン性界面活性剤をそれぞれ配合することにより得ることができる。ここで、「配合する」とは、成分b1及び水、並びに必要に応じて上述した任意成分を同時に又は順に混合することを含む。混合する順序は特に限定されない。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。本開示において、液体組成物Bの製造方法における各成分の配合量は、上述した本開示における液体組成物B中の各成分の含有量と同じとすることができる。
液体組成物BのpHは、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、4以上9以下が好ましい。本開示において、液体組成物BのpHは、25℃における値であって、pHメータを用いて測定でき、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本開示において、「液体組成物B中の各成分の含有量」は、液体組成物Bの使用時、すなわち、液体組成物Bをシリコンウェーハの浸漬に使用する時点(浸漬時)における前記各成分の含有量をいう。
液体組成物Bの温度は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、10℃以上が好ましく、13℃以上がより好ましく、15℃以上が更に好ましく、18℃超以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく、25℃以下が更に好ましい。同様の観点から、液体組成物Bの温度は、10℃以上40℃以下が好ましく、13℃以上40℃以下が好ましく、15℃以上40℃以下が更に好ましく、18℃超40℃以下が更に好ましく、18℃超30℃以下が更に好ましく、18℃超25℃以下が更に好ましい。
工程(2)において、工程(1)で得られたシリコンウェーハの液体組成物Bへの浸漬時間は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、1分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上が更に好ましい、そして、同様の観点から、120分以下が好ましく、90分以下がより好ましく、60分以下が更に好ましく、45分以下が更に好ましい。同様の観点から、浸漬時間は、1分以上120分以下が好ましく、5分以上90分以下がより好ましく、10分以上60分以下が更に好ましく、10分以上45分以下が更に好ましい。
工程(2)において、シリコンウェーハの表面の面積(m2)と液体組成物Bの量(L)の比(面積/液体組成物Bの量)は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、0.1以下が好ましく、0.08以下がより好ましく、0.06以下が更に好ましい。同様の観点から、シリコンウェーハの表面の面積(m2)と液体組成物Bの量(L)の比は、0.01以上0.1以下が好ましく、0.02以上0.08以下がより好ましく、0.03以上0.06以下が更に好ましい。
[工程(3):洗浄工程]
工程(3)は、工程(2)で得られたシリコンウェーハを、洗浄剤組成物Cを用いて洗浄する工程(洗浄工程)である。洗浄剤組成物Cは、一又は複数の実施形態において、成分b1を実質的に含まない洗浄剤組成物である。ここで、洗浄剤組成物Cが成分b1を実質的に含まないとは、洗浄剤組成物C中の成分b1の含有量が0.008質量%未満であること、好ましくは実質的に0質量%であることをいう。洗浄剤組成物Cは、一又は複数の実施形態において、洗浄性向上の観点から、有機化合物を実質的に含まないことが好ましい。ここで、洗浄剤組成物Cが有機化合物を実質的に含まないとは、洗浄剤組成物C中の有機化合物の含有量が0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは実質的に0質量%であることをいう。
工程(3)の洗浄は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、無機物洗浄が好ましく、例えば、一般的に用いられているRCA洗浄やSCROD洗浄を用いることができる。
RCA洗浄とは、基本的には、ウェーハ表面に付着したパーティクルの除去に使用されるSC1洗浄、及び、ウェーハ表面に付着した重金属の除去に使用されるSC2洗浄を含み、必要に応じて、ウェーハ表面に付着した有機物の除去に使用されるSPM洗浄、及び、ウェーハ表面の不要な酸化膜の除去に使用されるDHF洗浄を含むものである。SCROD洗浄は、パーティクルの除去や重金属の除去に使用されるものである。RCA洗浄及びSCROD洗浄の洗浄方法としては、例えば、浸漬洗浄法や枚葉洗浄法が挙げられる。
SC1洗浄では、例えば、アンモニアと過酸化水素と水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。SC2洗浄では、例えば、塩酸と過酸化水素水と水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。SPM洗浄では、例えば、硫酸と過酸化水素水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。DHF洗浄では、例えば、フッ酸と水とからなる洗浄剤組成物が用いられる。SCROD洗浄では、オゾン水やフッ酸が用いられる。
上述した洗浄の各洗浄工程の後に、水でリンスし、乾燥する工程が含まれていてもよい。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.液体組成物Bの調製
表1に記載の組成となるよう各成分を表1に示す割合(質量%、有効分)で配合して混合することとにより、実施例1〜14及び比較例1〜9の液体組成物Bを調製した。pHは4以上9以下であった。
表1に示す実施例1〜14及び比較例1〜9の液体組成物Bの調製に用いた各成分には、以下のものを使用した。
<アニオン性界面活性剤(成分b1)>
ラウリル硫酸アンモニウム/ミリスチル硫酸アンモニウム/ヘキサデキシル硫酸アンモニウム(=9/4/2)[花王社製、KP−3100](実施例1、比較例9)
ラウリル硫酸ナトリウム[花王社製、エマール 0]
デシル硫酸ナトリウム[花王社製、エマール 3F]
ミリスチル硫酸ナトリウム[和光純薬社製、硫酸ナトリウムミリスチル]
ヘキサデキシル硫酸ナトリウム[和光純薬社製]
2−ブチル−1−n−オクチル硫酸ナトリウム[合成品]
(2−ブチル−1−n−オクチル硫酸ナトリウムの合成例:2−ブチル−1−n−オクタノール[東京化成工業社製]25gを入れ、0℃に冷却した容器に、クロロスルホン酸[東京化成工業社製]16.5gを30分かけて滴下し、10分攪拌した。続いて水酸化ナトリウム[東京化成工業社製]を用いて作成した50%水溶液をpHが10になるまで攪拌しながら、滴下した。その後、ヘキサン[和光純薬社製]を用いて抽出し、凍結乾燥することで2−ブチル−1−n−オクチル硫酸ナトリウムを32.1g得た。)
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム[花王社製、エマール 270J]
C18IOS[炭素数18の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム、合成品]
(C18IOSの合成例:特開2016−35009号公報の段落[0063]〜[0065]に記載の方法により炭素数18の内部オレフィンスルホン酸ナトリウムを合成した。)
ラウリル酸ナトリウム[東京化成工業社製]
ポリオキシエチレン(4.5)ラウリン酸ナトリウム[花王社製、カオーアキポ RLM−45NV]
ラウリルリン酸ナトリウム[日光ケミカルズ社製、NIKKOL SLP−N]
ポリオキシエチレン(2)ラウリルリン酸ナトリウム[花王社製、エレクトロストリッパーF]
<ノニオン性界面活性剤(非成分b1)>
ポリオキシエチレン(20)アルキル(sec-C12-14)エーテル[日本触媒社製、ソフタノール200]
ポリオキシエチレン(8)オクチルフェニルエーテル[和光純薬社製]
ポリオキシエチレン(6)ポリオキシプロピレン(1.5)ラウリルミリスチルエーテル[花王社製、エマルゲンLS−106]
<カチオン性界面活性剤(非成分b1)>
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド[花王社製、コータミン24P]
<酸>
クエン酸[和光純薬社製]
<水>
超純水
2.各種パラメータの測定方法
[研磨液組成物A及び液体組成物BのpH]
研磨液組成物A及び液体組成物BのpH25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜電波工業社製、「HM−30G」)を用いて測定した値であり、pHメータの電極を研磨液組成物A又は液体組成物Bへ浸漬して1分後の数値である。
[砥粒(シリカ粒子)の平均二次粒子径]
シリカ粒子の平均二次粒子径(nm)は、シリカ粒子の濃度が0.15質量%となるようにイオン交換水で希釈した後、得られた水溶液を、Disposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製、10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス社製)を用いて25℃、積算10回、平衡時間0分の条件で測定した。粒子パラメータとして水の屈折率1.333、吸収係数0を用い、Z平均値を平均二次粒子径とした。
3.評価
下記の評価用基板を用いて、工程(1)、工程(2)及び工程(3)を順に行い、シリコンウェーハ表面の表面欠陥及び表面粗さを評価した。
[工程(1):研磨]
シリカ粒子(コロイダルシリカ、平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径70nm、扶桑化学社製の「PL-3」)、HEC(重量平均分子量25万、ダイセル社製の「SE400」)、アンモニア及び超純水を混合して研磨液組成物Aを調製した。研磨液組成物A中の各成分の含有量は、シリカ粒子が0.3質量%、HECが0.015質量%、アンモニアが0.015質量%であり、その残余が超純水である。研磨液組成物AのpHは、10.7であった。
調製した研磨液組成物A(25℃)を研磨直前にフィルター(コンパクトカートリッジフィルター MCP−LX−C10S アドバンテック株式会社)にてろ過を行い、下記の研磨条件で被研磨シリコンウェーハ(直径200mm、シリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型P、結晶方位100、抵抗率0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満)に対して仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨液組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供したシリコンウェーハの表面粗さ(Haze)は、2.680ppm(DWO)及び6.330ppm(DNN)であった。前記Hazeの測定値は、後述の洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(Haze)の評価と同じ方法によるものである。
<研磨条件>
研磨機:片面8インチ研磨機(岡本工作機械製作所製「SPP600S」)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製、アスカー硬度:64、厚さ:1.37mm、ナップ長:450um、開口径:60um)
シリコンウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:150g/分
研磨液組成物の温度:25℃
キャリア回転速度:62rpm
[工程(2):浸漬]
研磨液組成物Aで研磨されたシリコンウェーハ(表面積0.0314m2)を、調製した各液体組成物B(温度25℃)1Lに1分間浸漬した。
[工程(3):洗浄]
浸漬されたシリコンウェーハに対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。
オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ純水をノズルから流速1L/minで、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。
次に、希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5%のフッ化水素アンモニウム(特級、ナカライテクス社製)を含んだ純水をノズルから流速1L/minで、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって6秒間噴射した。
上記のオゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして合計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1500rpmでシリコンウェーハを回転させた。
なお、比較例9に関しては、上記の「20ppmのオゾンを含んだ純水」および「0.5%のフッ化水素アンモニウム(特級、ナカライテクス社製)を含んだ純水」に替えて、浸漬工程で使用した液体組成物B(表1記載)を用いて洗浄を行った。
[シリコンウェーハの表面粗さ(Haze)及び表面欠陥(LPD)の評価]
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(Haze)の評価には、表面粗さ測定装置「Surfscan SP1−DLS」(KLA Tencor社製)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値を用いた。また、表面欠陥(LPD)は、Haze測定時に同時に測定され、シリコンウェーハ表面上の粒径が45nm以上のパーティクル数を測定することによって評価した。表面欠陥(LPD)の評価結果は、数値が小さいほど表面欠陥が少ないことを示す。また、Haze(DWO)の数値は小さいほど、表面の平滑性が高いことを示す。表面粗さ(Haze)及び表面欠陥(LPD)の測定は、各々2枚のシリコンウェーハに対して行い、各々平均値を表1に示した。
Figure 2019117816
表1に示されるように、所定のアニオン性界面活性剤を含む液体組成物を用いた実施例1〜14では、比較例1〜9に比べて、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)が低減されていた。
本開示によれば、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)が低減されたシリコンウェーハを製造でき、半導体基板の量産において有用である。

Claims (7)

  1. 下記工程(1)、(2)及び(3)を含む、シリコンウェーハの製造方法。
    (1)被研磨シリコンウェーハの表面を、研磨液組成物Aを用いて研磨する工程。
    (2)工程(1)で得られたシリコンウェーハを、アニオン性界面活性剤(成分b1)を含む液体組成物Bに浸漬する工程。
    (3)工程(2)で得られたシリコンウェーハを、洗浄剤組成物Cを用いて洗浄する工程。
    ただし、研磨液組成物A及び洗浄剤組成物Cは、成分b1を実質的に含まない。
  2. 成分b1は、下記式(I)で表されるアニオン性界面活性剤である、請求項1に記載のシリコンウェーハの製造方法。
    1−(O)m−(EO)n−X-+ (I)
    ただし、式(I)中、R1は、炭素数10以上20以下の炭化水素基であり、X-は、−SO3 -、−COO-、−CH2COO-、及び−PO3 -から選ばれる少なくとも1種であり、EOは、エチレンオキサイド基を示し、mは0又は1であり、nは平均付加モル数を示し0以上10以下の数あり、Y+は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びアンモニウムイオンから選ばれる少なくとも1種である。
  3. 工程(2)は、工程(1)で得られたシリコンウェーハを液体組成物B中で保管する工程である、請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  4. 工程(2)において、シリコンウェーハの液体組成物Bへの浸漬時間が、120分以下である、請求項1から3のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法。
  5. 液体組成物B中の成分b1の配合量が、0.008質量%以上である、請求項1から4のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法。
  6. 液体組成物BのpHが、4以上9以下である、請求項1から5のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法。
  7. 研磨液組成物Aが、砥粒、及び、成分b1以外の水溶性高分子を含む、請求項1から6のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造方法。
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