JP2019115478A - 超音波プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】プローブヘッド内の電子回路等を効果的に冷却する。【解決手段】冷却ジャケット34は、平板状のジャケット本体140を有する。積層体22は振動素子アレイ24及び電子回路26を有する。電子回路26の後面26aに対して、ジャケット本体140の前面(吸熱面)140Fが直接的に接合される。ジャケット本体140の内部を冷媒が流通する。ジャケット本体140の後面には、冷媒入口104、冷媒出口106及びグランド端子108が設けられている。【選択図】図4
Description
本発明は超音波プローブに関し、特に、冷媒循環システムを備えた超音波プローブに関する。
超音波診断装置は、被検者への超音波の送受波により得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する医療装置である。超音波診断装置は、超音波プローブ及びそれが接続される装置本体を有する。典型的には、超音波プローブは、プローブヘッド、プローブケーブル及びプローブコネクタにより構成される。プローブヘッド内には、振動素子アレイを含むアセンブリ(組立体)が設けられる。振動素子アレイは、一次元又は二次元に配列された複数の振動素子からなるものである。
振動素子アレイから引き出された信号線の本数を削減するために、あるいは、その他の理由から、プローブヘッド内に電子回路が設けられる。電子回路は、例えば、1又は複数の集積回路(IC)により構成される。電子回路は熱源であり、そこで生じた熱がプローブヘッドの温度、特に生体に当接される送受波面の温度、を上昇させる。振動素子アレイも熱源であり、それも送受波面の温度を上昇させる。
プローブヘッドを冷却するために冷媒循環システムが提案されている(特許文献1−4を参照)。冷媒循環システムは、プローブヘッド内に設けられた吸熱用の熱交換器、プローブコネクタ内に設けられたポンプ、プローブコネクタ内に設けられた放熱用の熱交換器、及び、2つの熱交換器の間に設けられた2本の配管により構成される。2つの熱交換器の間で冷媒を循環させることによりプローブヘッドが冷却される。
プローブヘッド内には熱源を含む積層体が設けられる。プローブヘッドの温度上昇を抑制するため、特に生体に当接される送受波面の温度上昇を抑制するため、積層体を効果的に冷却することが求められる。
本発明の目的は、超音波プローブにおいて、熱源を含む積層体を効果的に冷却することにある。あるいは、本発明の目的は、積層体中の電子回路及び振動素子アレイを効果的に冷却することにある。
実施形態に係る超音波プローブは、熱源を含む積層体を備えたプローブヘッドと、プローブコネクタと、前記プローブヘッドと前記プローブコネクタとの間に設けられたプローブケーブルと、を含み、前記プローブヘッドから前記プローブコネクタにかけて冷媒循環システムが設けられ、前記冷媒循環システムは、前記プローブヘッドに設けられた吸熱用の熱交換器を含み、前記吸熱用の熱交換器は、前記積層体の後面に対向する面であって前記積層体の後面からの熱を受ける前面としての吸熱面と、冷媒が流れる内部空間と、を有する熱交換器本体と、前記熱交換器本体に設けられ、前記内部空間へ前記冷媒を入れるための冷媒入口と、前記熱交換器本体に設けられ、前記内部空間から前記冷媒を出すための冷媒出口と、を含む。
上記構成によれば、熱交換器の吸熱面が積層体の後面に対向しており、積層体で生じた熱がその後面から吸熱面へ伝わり、更に、その熱が熱交換器内の冷媒へ伝わる。これにより積層体が効果的に冷却される。熱交換器の吸熱面は、積層体の後面に直接的に接合され、あるいは、熱伝導部材を介して間接的に接合される。
実施形態において、前記プローブヘッドは、中心軸としての第1軸、前記第1軸に直交する第2軸、及び、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸を有し、前記吸熱面は前記第2軸の方向及び前記第3軸の方向に広がる面である。すなわち、積層体の後面は平面であり、それに対して、同じく平面である吸熱面が対向することになる。実施形態において、前記熱交換器本体は平板状の形態を有する。この構成によれば、積層体に対して熱交換器を更に積層させることが容易となる。
実施形態において、前記冷媒入口及び前記冷媒出口は前記熱交換器本体の後面に設けられる。この構成によれば、冷媒入口及び冷媒出口に対してそれぞれ配管を接続する作業が容易となる。
実施形態において、前記熱交換器本体は、前記第2軸の方向に並行な長手方向と、前記第3軸の方向と並行な短手方向と、を有し、前記冷媒出口は前記長手方向の一方側に偏倚した位置に設けられ、前記冷媒入口は前記長手方向の他方側に偏倚した位置に設けられる。実施形態において、連続波ドプラモードの実行時に、前記長手方向の一方側に送信開口が形成され且つ前記長手方向の他方側に受信開口が形成される。この構成によれば、温度上昇が生じ易い部分へ、熱交換前のより冷えた冷媒を供給できる。
実施形態において、前記内部空間は、前記冷媒入口の内部流路に連通した第1冷媒室と、前記冷媒出口の内部流路に連通した第2冷媒室と、前記第1冷媒室と前記第2冷媒室との間に設けられた複数の流路からなる流路列と、を含む。この構成によれば、内部空間において冷媒が接触する面積を増大して熱交換効率を高められる。
実施形態において、前記熱交換器は少なくとも絶縁性を有する表層を有する。この構成によれば安全性を高められる。
実施形態において、前記積層体は、複数の振動素子からなり、前記熱源としての振動素子アレイと、1又は複数の半導体集積回路からなり、前記熱源としての電子回路と、を有し、前記積層体の後面は前記電子回路の後面であり、前記電子回路の後面に対して前記吸熱面が接合される。この構成によれば、電子回路で生じた熱がその裏面に接合された吸熱面に直接的に伝わるので、電子回路の温度上昇が抑制される。また、振動素子アレイで生じた熱も吸熱面に伝わり、振動素子アレイの温度上昇も抑制される。これにより、生体に当接される送受波面の温度上昇が効果的に抑制されるので、安全性を高められ、あるいは、熱的理由から超音波パワーを下げなくてもよくなる。
実施形態において、前記熱交換器にはグランド信号線が接続される。実施形態において、前記熱交換器は前記グランド信号線が接続されるグランド端子を有する。この構成によれば、冷媒を除電処理できる。また、電子回路の近傍において吸熱用の熱交換器がノイズ源となってしまうことを防止できる。
実施形態において、前記プローブヘッドはケースを有し、前記ケースは、中間部分と、前記中間部分よりも肥大した先端部分と、を有し、前記先端部分の中に前記積層体と共に前記熱交換器本体が設けられる。この構成によれば、持ち易さを確保しつつ、ケース内に熱交換器を配置できる。
本発明によれば、熱源を含む積層体を効果的に冷却できる。あるいは、本発明によれば、電子回路及び振動素子アレイを効果的に冷却できる。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)超音波診断装置
図1には、実施形態に係る超音波診断装置の構成例が示されている。超音波診断装置は、被検者に対して超音波を送受波し、これにより得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する医療装置である。超音波診断装置は、装置本体10及び超音波プローブ(以下、単に「プローブ」という。)12を有する。装置本体10に対して、プローブ12が着脱可能に接続される。装置本体10に対して、プローブ12を含む複数のプローブが同時に接続されてもよい。装置本体10に対して複数のプローブが同時に接続されている場合、それらの中からユーザー選択された特定のプローブだけが動作する。
図1には、実施形態に係る超音波診断装置の構成例が示されている。超音波診断装置は、被検者に対して超音波を送受波し、これにより得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する医療装置である。超音波診断装置は、装置本体10及び超音波プローブ(以下、単に「プローブ」という。)12を有する。装置本体10に対して、プローブ12が着脱可能に接続される。装置本体10に対して、プローブ12を含む複数のプローブが同時に接続されてもよい。装置本体10に対して複数のプローブが同時に接続されている場合、それらの中からユーザー選択された特定のプローブだけが動作する。
プローブ12は、プローブヘッド(以下、単に「ヘッド」という)14、プローブコネクタ(以下、単に「コネクタ」という。)16、及び、プローブケーブル(以下、単に「ケーブル」という。)18を含む。ヘッド14からコネクタ16にかけて冷却システム66が構築されている。冷却システム66は冷媒循環システムである。これについては後に詳述する。
ヘッド14は、検査者であるユーザーの手によって保持される。ヘッド14における送受波面が生体表面28に当接され、その状態で超音波が送受波される。ヘッド14はハウジングとしてのケース20を有し、その内部にはアセンブリ(組立体)の一種としての積層体22が設けられている。積層体22は、後に詳述するように、非生体側から生体側にかけて積層された複数の層からなる。複数の層には、第1の熱源としての振動素子アレイ(振動層)24と、第2の熱源としての電子回路(IC層)26と、が含まれる。2つの熱源の内で、後者の電子回路26は、その動作に際してかなりの熱を生じさせるものである。そこで、積層体22、特に電子回路26を冷却するために、ケース20内には、吸熱用熱交換器(第1熱交換器)としての冷却ジャケット34が設けられている。冷却ジャケット34は冷却システム66を構成する1つの要素であり、ヒートシンクである。冷却ジャケット34の内部空間を冷媒が流通する。
本実施形態において、振動素子アレイ24は、二次元に配列された数百個あるいは数千個の振動素子からなる。振動素子アレイ24により超音波ビーム30が形成される。超音波ビーム30の二次元走査により、三次元のデータ取り込み領域32が形成される。具体的には、送信時において、送信開口を構成する複数の振動素子に対して複数の送信信号が供給され、これにより送信ビームが形成される。受信時において、生体内からの反射波が受信開口を構成する複数の振動素子により受信され、これにより複数の受信信号が生成される。後述するように、複数の受信信号に基づいてビームデータが生成される。電子走査方式として、電子セクタ走査方式、電子リニア走査方式、等が知られている。二次元配列型の振動素子アレイ24に代えて、一次元配列された複数の振動素子からなる振動素子アレイが設けられてもよい。プローブ12は体表面当接型プローブであるが、他のタイプのプローブに、例えば体腔内挿入型プローブに、冷却システム66を組み込んでもよい。
実施形態においては、積層体22に対して、冷却ジャケット34が更に積層されている。具体的には、積層体22の裏面に冷却ジャケットの前面(吸熱面)が接合されつつ、積層体22に対して冷却ジャケット34が接着固定されている。積層体22及び冷却ジャケット34により拡張積層体が構成されている。拡張積層体は、ヘッド14における先端部分(肥大部分)の中に配置されている。なお、冷却ジャケット34が有するジャケット本体の裏面から突出した幾つかの部分(ポート)については、先端部分の中に配置されてよいし、先端部分に連なる中間部分の中に配置されてもよい。ヘッド14については、後に図2〜図11を用いて、更に詳述する。
コネクタ16は、装置本体10に対して着脱可能に接続される。コネクタ16は、シールドケース及びハウジングとして機能する外ケース36と、シールドケース及び仕切りとして機能する内ケース38と、を有する。外ケース36と内ケース38との間の空間が機械室40であり、内ケース38の内部空間が基板室42である。基板室42の中には基板列44が配置されている。基板列44は複数の電子回路基板からなるものである。複数の電子回路基板には、送受信用又はIC制御用の複数の電子回路基板、ポンプコントロール用の電子回路基板、等が含まれる。基板列44に対して、図示されていない端子群が電気的に接続されている。その端子群は、装置本体10に設けられたレセプタクル47内の端子群に対して電気的に接続される。
機械室40には、ポンプ50、複合部品52等が配置されている。ポンプ50及び複合部品52は、それぞれ、冷却システム66を構成する要素である。ポンプ50は、冷媒循環用の駆動力を発生するものである。実施形態においては、ポンプ50として、多相ダイヤフラムポンプの一種である三相ダイヤフラムポンプが用いられている。後述するように、多相ダイヤフラムポンプによれば、出力側における周期的な圧力変動(脈動)を抑えることができる。そのような脈動は、ヘッド14を保持する手やそれが当接される被検者に対して不快な振動を与え、あるいは、超音波診断に悪影響をもたらすものである。従来、脈動を抑制するために脈動抑制部品(ダンパ等)を付加する必要があったが、多相ダイヤフラムポンプを用いれば、そのような脈動抑制部品の付加が不要となる。もっとも、他の理由から、あるいは、より脈動を抑制するために、ダンパ等を設けてもよい。
複合部品52は、タンク54及びラジエータ56からなる。タンク54とラジエータ56は物理的に一体化されている。これにより部品点数の削減、配管接続箇所(継手)の削減、及び、スペース利用効率向上、が実現されている。タンク54は、冷媒の自然減少に備えて補充用の冷媒を貯留するものである。タンク54は、冷媒中の気泡をトラップする機能も有している。タンク54内に空気層があってもよい。ラジエータ56は、放熱用熱交換器(第2熱交換器)として機能するものである。
タンク54は冷媒入口を有しており、そこに対して戻りチューブ62が接続されている。ラジエータ56とポンプ50はチューブ58を介して接続されている。ポンプ50に対しては送りチューブ60が接続されている。それらのチューブ58,60,62もそれぞれ冷却システム66を構成する要素である。本実施形態では、冷媒送り側つまり正圧側にポンプ50が設けられているが、冷媒受け側つまり負圧側にポンプ50を設けてもよい。ラジエータ56とタンク54の配置の順序を逆にしてもよい。その場合、ラジエータ56に対して戻りチューブ62が接続され、タンク54に対してチューブ58が接続される。
コネクタ16には、吸気部及び排気部が設けられている。吸気部には吸気用のフィルタ63が設けられている。吸気部には空冷用のブロアファン68が設けられている。また、排気部には排気用のフィルタ72が設けられている。コネクタ16内の機械的構成については、後に図12〜図25を用いて、更に詳述する。
ケーブル18は、信号線群46、送りチューブ60及び戻りチューブ62を有する。ケーブル18の長さは例えば1〜2mの範囲内にある。信号線群46は、基板列44と電子回路26とを電気的に接続するものであり、それは、例えば、百数十本の信号線により構成される。送りチューブ60及び戻りチューブ62は、それぞれ媒体輸送用の配管として機能するものであり、それはフレキシブルな素材によって構成されている。それらのチューブとして、高い水蒸気バリア性をもったチューブを用いるのが望ましい。例えば、フッ素系チューブを用いるのが望ましい。その材料としては、例えば、FEP、PFAがあげられる。多層構造をもったチューブを用いるようにしてもよい。チューブ60,62の内径は、例えば、2mm以下である。なお、本願明細書に記載した各数値は、いずれも例示である。
本実施形態においては、冷媒として、取扱いが容易な水系冷媒が用いられている。例えば、精製水に対して不凍液(例えばエチレングリコール)を添加することにより、冷媒が生成される。冷媒の凍結温度は、摂氏―10度以下、望ましくは、摂氏−20度以下である。水系冷媒は、金属腐食作用を有するため、その水系冷媒に対して、金属腐食防止作用を発揮する添加剤が添加される。冷媒として、フッ素系冷媒を使用することも可能である。もっとも、材料選択性、コスト、熱交換性等の面を考慮すると、水系冷媒を用いることが望まれる。
冷却システム66は、上記のように冷媒循環システムであり、それは、冷却ジャケット34、タンク54、ラジエータ56、ポンプ50、チューブ58,60,62等により構成される。ポンプ50の駆動力により、冷却ジャケット34とラジエータ56との間で冷媒が循環する。ラジエータ56の出口から出た、相対的に低い温度を有する冷媒がポンプ50を経由して冷却ジャケット34に送り込まれる。冷却ジャケット34において、電子回路26(及び振動素子アレイ24)からの熱が冷媒に伝わり、冷媒の温度を上昇させる。相対的に高い温度を有する冷媒が、冷却ジャケット34からタンク54を経由してラジエータ56に送り込まれる。ラジエータ56において、冷媒の温度が下げられる。望ましくは、室温まで下げられる。そのためにラジエータ56を冷やす空冷システムが設けられている。空冷システムは、吸気部、通気路及び排気部からなり、それはブロアファン68、後述するダクト部材、等を含む。
基板列44には、ローカルコントローラとして機能する電子回路基板(制御基板)が含まれる。図示の構成例では、制御基板からポンプ50へ駆動信号が供給されている。また、制御基板からブロアファン68へ駆動信号が供給されている。コネクタ16内には、複数の継手(ジョイント)及び吸水部材が設けられているが、それらは図1において図示省略されている。
次に、装置本体10について説明する。装置本体10は、複数のキャスタを有するカート式のメインフレームである。装置本体10が可搬型装置として構成されてもよい。装置本体10には、後述する表示器84及び操作パネル90が接続されている。
図示の構成例において、送信回路74は、送信用メインビームフォーマーであり、ヘッド14内の電子回路26に対して、遅延処理された複数の送信信号を出力する。電子回路26は、チャンネルリダクション機能を有し、具体的には、送信用サブビームフォーマー及び受信用サブビームフォーマーとして機能する。装置本体10内の受信回路76は、受信用メインビームフォーマーとして機能し、すなわち、電子回路26からの複数の受信信号を整相加算(遅延加算)し、これによりビームデータを生成する。受信回路76は、複数のアナログ受信信号を複数のデジタル受信信号に変換する複数のA/D変換器を有する。複数のA/D変換器が電子回路26内に組み込まれてもよい。電子回路26に代えて、又は、それと共に、サブビームフォーミング以外の機能を有する電子回路が設けられてもよい。三次元のエコーデータ取り込み領域32は、複数のビーム走査面に相当する。個々のビーム走査面は、複数のビームデータに相当する。個々のビームデータは、深さ方向に並んだ複数のエコーデータにより構成される。
ビームデータ処理回路78は、検波回路、対数変換回路、相関回路等を有し、入力される個々のビームデータに対して一定の処理を施すものである。処理後の各ビームデータが画像形成回路80へ送られる。画像形成回路80は、座標変換機能、補間処理機能等を有し、入力される複数のビームデータに基づいて、二次元超音波画像又は三次元超音波画像を形成する。二次元超音波画像は、例えば、断層画像であり、三次元超音波画像は、例えば、組織を立体的に表現したボリュームレンダリング画像である。超音波画像として、血流画像、弾性画像、その他の画像が形成されてもよい。超音波画像を表すデータが表示処理回路82を経由して表示器84に送られる。表示器84には超音波画像が表示される。表示器84は、表示手段として機能し、それはLCD、有機EL表示器等により構成される。表示器84の画面内に、冷却システム66の作動状況を表す情報が表示されてもよい。後述するように、冷却システム66において異常が判定された場合、表示器84に冷却システム66(特にポンプ50)のメンテナンスを推奨するメッセージが表示される。
制御部86は、メインコントローラあるいは制御手段として機能する。制御部86は、装置本体10内の各要素(内部要素)を制御し、また、電子回路26、ポンプ50等の要素(外部要素)の動作を制御する。制御部86は、CPU及び動作プログラムにより構成される。制御部86が複数のプロセッサにより構成されてもよい。制御部86は、冷却システムを制御する機能を有し、その機能が図1において冷却制御部88として示されている。制御部86には、操作パネル90が接続されている。操作パネル90は、ユーザーによって操作される入力デバイスであり、トラックボール、スイッチ、キーボード等を有する。複数のプローブが装置本体に接続されている場合、操作パネル90を介して、使用対象プローブが選択される。また、操作パネル90を介して、ユーザーのフリーズ操作やフリーズ解除操作が入力される。
装置本体10及びコネクタ16における電気的構成、並びに、冷却システム66の制御については、後に図26〜図34を用いて詳述する。
図1に示された構成によれば、超音波プローブ12に冷却システム66が組み込まれているので、ヘッド14での温度上昇を十分に抑えることが可能である。条件次第では、電子回路26の温度をほぼ室温に維持することが可能である。これにより、安全性をより一層高められ、また、送受波面の温度上昇に起因する問題(送信パワー制限、送信の強制的停止等)が生じることを効果的に防止できる。
(2)冷却ジャケットを有するプローブヘッド
図2には、ヘッド14が示されている。ヘッド14の中心軸を第1軸と定義した場合、第1軸に直交し且つ互いに直交する第2軸及び第3軸が定義される。図示されたz方向は第1軸に並行な方向であり、x方向は第2軸に並行な方向であり、y方向は第3軸に並行な方向である。図示の構成例において、x方向は長手方向であり、y方向は短手方向である。
図2には、ヘッド14が示されている。ヘッド14の中心軸を第1軸と定義した場合、第1軸に直交し且つ互いに直交する第2軸及び第3軸が定義される。図示されたz方向は第1軸に並行な方向であり、x方向は第2軸に並行な方向であり、y方向は第3軸に並行な方向である。図示の構成例において、x方向は長手方向であり、y方向は短手方向である。
ヘッド14は、z方向に伸長した中空のケース20を有する。ケース20はキャップ100とケース本体102とにより構成される。ヘッド14の先端部の中に積層体が配置されており、積層体の後面(非生体側の面)に対して、冷却ジャケット34の前面(生体側の面、吸熱面)が直接的に接合されている。冷却ジャケット34は、既に説明したように、吸熱用熱交換器である。
冷却ジャケット34の後面には、z方向に突出した冷媒入口(入口ポート)104及び冷媒出口(出口ポート)106が設けられており、更にそれらの間にはグランド端子108が設けられている。冷媒入口104には、送りチューブ60が接続されており、冷媒出口106には、戻りチューブ62が接続されている。各チューブ60,62の接続に際しては、コネクタ、ジョイント等の部品が利用される。
冷却ジャケット34は、図示の例において、銅、アルミニウム等の熱伝導性の良好な金属で構成される。冷却ジャケット34の全体を覆うように、絶縁性をもった表層が形成されている。これにより安全性が高められている。また接着性が高められている。表層を形成するための処理として、めっき処理、アルマイト処理、黒化処理等が挙げられる。黒化処理によれば、絶縁性、接着性を良好にでき、しかも輻射率を高められる。
グランド端子108には、グランド信号線109が接続されている。これにより、冷却ジャケット34がノイズ源となって、電子回路に悪影響が及ぶことが防止されている。また、冷媒に対して除電を行うことが可能である。ヘッド組み立て時において、グランド端子108を位置決め基準として利用してもよい。
電子回路を搭載した中継基板から2つのフレキシブル回路基板が非生体側に引き出されている(図2においては1つのフレキシブル回路基板110だけが二点鎖線で示されている)。具体的には、2つのフレキシブル回路基板は冷却ジャケット34の外側を回り込むようにして非生体側に引き出されている。2つのフレキシブル基板に対して複数の信号線が接続される。その接続に際してはコネクタが利用される。中継基板には、例えば、2つの温度センサが設けられている。後述する温度管理においては、2つの温度センサにより検出された2つの温度又はそれらの平均値が参照される。
図3には、ヘッドのxz断面が示されている。ヘッドは、大別して、先端部分112、中間部分114、及び、後端部分116により構成される。先端部分112は、中間部分114が有するくびれ部よりもx方向及びy方向に肥大している。すなわち、先端部分112は肥大部分である。その内部には、積層体22が配置され、また、冷却ジャケット34の主要部であるジャケット本体が配置されている。
図4には、ヘッドの先端部分が拡大断面図として示されている。積層体22はz方向に積層された複数の層によって構成される。z方向における負方向側が生体側であり、正方向側が非生体側である。積層体22を構成する複数の層には、振動層としての振動素子アレイ24が含まれる。振動素子アレイ24は、x方向及びy方向に配列された多数の振動素子により構成される。個々の振動素子は例えば圧電材料により構成される。振動層がCMUT(Capacitive Micro-machined Ultrasound Transducer)により構成されてもよい。振動素子アレイ24の生体側には第1整合層126及び第2整合層128が設けられている。第1整合層126はx方向及びy方向に整列した複数の整合素子により構成される。第2整合層128もx方向及びy方向に整列した複数の整合素子により構成される。第2整合層128が連続層として構成されてもよい。第2整合層128の生体側には保護層130が設けられている。保護層130は音響レンズであってもよい。保護層130の前面が送受波面である。送受波面が湾曲面であってもよい。
振動素子アレイ24の非生体側には、反射層又は共振層として機能するハードバッキング層120が設けられ、その非生体側には、後方に放射された超音波を減衰させ又は吸収するバッキング層122が設けられている。バッキング層122は、超音波を十分に減衰するためのある程度の厚さを有している。バッキング層122内には、リードアレイが埋設されている。リードアレイは、振動素子配列と同じ配列で並べられた複数のリード(信号線)からなるものである。バッキング層122の非生体側には中継基板124が設けられている。それは多層基板である。リードアレイによって、中継基板124と振動素子アレイ24とが電気的に接続される。中継基板の非生体側、つまり、その後面には電子回路26が設けられている。電子回路26は、例えば、二次元配列された複数のIC(例えば8個のIC)により構成される。個々のICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。中継基板124及びリードアレイにより、電子回路26が振動素子アレイに対して電気的に接続される。個々のICは、複数の送信信号を生成し、また、複数の受信信号を処理するものである。具体的には、個々のICは、送信用及び受信用のサブビームフォーマーとして機能する。電子回路26の実装により、ヘッド内でのチャンネルリダクションが実現されている。実施形態において、個々のICは、パッケージに包まれていない裸の半導体基板である。半導体基板の前面側に微細電子回路が構成されている。
積層体22の後面(非生体側の面)つまり電子回路26の後面26aには、冷却ジャケット34が直接的に接合されている。具体的には、冷却ジャケット34は、平板状のジャケット本体140を有する。電子回路26の後面26aに対して、ジャケット本体140の前面140Fが対向しており、両者が接着されている。その接着に当たっては、良好な熱伝導性を有し、且つ、絶縁性を有する接着剤が利用される。そのような接着剤を利用することにより、電子回路26の後面又はジャケット本体140の前面140Fが完全な平面でない場合でも、界面全体として熱伝導率を良好にできる。前面140Fは吸熱面として機能する。
電子回路26の後面26aとジャケット本体140の前面140Fとの間に、例えば板状の熱伝導部材を介在させてもよい。その場合においても、冷却効率を高めるため及び冷却効率を均一化するため、後面26aに対して前面140Fを対向させるのが望ましい。すなわち、両者の中心を一致させつつ、2つの面を正対させるのが望ましい。
実施形態のように、対向している2つの面(排熱面及び吸熱面)を直接的に接合させれば、拡張積層体のz方向幅を小さくでき、また、発熱量の大きな電子回路を集中的に局所的に冷却することが可能となる。ジャケット本体140の後面140Rには、上記のように、冷媒入口104、冷媒出口106及びグランド端子108が設けられている。冷媒入口104には送りチューブ60が接続されており、冷媒出口106には戻りチューブ62が接続されている。冷媒入口104及び冷媒出口106が後面140R上に設けられているので、ヘッド内の空きスペースを有効利用でき、またチューブ接続時において作業性が良好となる。
後面140Rにおいて、冷媒入口104は、y方向の中央であって、x方向の一方側に偏移した位置に設けられており、冷媒出口106は、y方向の中央であって、x方向の他方側に偏移した位置に設けられている。冷媒入口104及び冷媒出口106は、x方向に離れている。それらが対角方向に並んで配置されてもよい。
ジャケット本体140は、x方向及びy方向において、電子回路26と同じかそれよりも大きなサイズを有している。電子回路26の後面26aの全体を吸熱面で覆えば、電子回路26を全体的に冷却でき、つまり、その一部において高温部分が生じることを防止できる。電子回路26で生じた熱が冷却ジャケットに伝わると、その熱が冷媒の温度を上昇させる。これにより、電子回路26で生じた熱が生体側へ伝わり難くなり、あるいは、伝わらなくなる。振動素子アレイ24で生じた熱も、リードアレイ、中継基板、電子回路等を介して、冷却ジャケット34に伝わる。これにより振動素子アレイ24も冷却される。その冷却効率を高めるために、振動素子アレイ24と冷却ジャケット34とを熱的に繋ぐ部材を設けてもよい。冷却ジャケット34により、電子回路26及び振動素子アレイ24の温度を、室温に近付けることができ、あるいは、室温に維持することができる。
以上のように、x方向及びy方向に広がった平板状の形態を有する電子回路26の全体が、x方向及びy方向に広がった平板状の形態を有するジャケット本体140により覆われており、しかも両者が直接的に接合されているので、電子回路26が優先的に集中的に直接的に冷却される。すなわち、電子回路26から送受波面への熱伝導が効果的に抑制され、その熱伝導をほぼゼロにすることも可能である。ヘッドにおける先端部分にジャケット本体が収容されており、くびれ部を太くする必要はないので、保持性又は操作性が低下することもない。なお、冷媒入口104及び冷媒出口106は、ジャケット本体140の後面104Rにおいて、x方向の両端縁から内側に入った位置に設けられているので、それらの収容のために、くびれ部が太くなることもない。
図5には、ジャケット本体140が示されている。図5においては、ジャケット本体140の後面から突出する冷媒入口、冷媒出口等は図示されていない。ジャケット本体140の内部空間は、第1冷媒室142、第2冷媒室144、及び、それらの間に設けられた微細流路列146により構成される。第1冷媒室142は平板状の空間であり、そこには開口147aを介して冷媒が流入する。第2冷媒室144も平板状の空間であり、そこからは開口147bを介して媒体が流出する。微細流路列146は、y方向に並んだ複数の微細流路からなり、各微細流路はx方向に伸長している。複数の微細流路146aは複数の内部フィンによって画定されている。微細流路列146によれば、媒体が触れる面積を増大でき、熱交換効率を高められる。開口148はグランド端子を取り付けるためのものである。ジャケット本体140は、例えば、x方向に60〜70mmの範囲内の大きさを有し、y方向に25〜35mmの範囲内の大きさを有する。図示されるように、x方向が長手方向であり、y方向が短手方向である。そのサイズ及び形態は、電子回路のサイズ及び形態に応じて定められる。
図6には、ジャケット本体140のxz断面が示されている。ジャケット本体140は、ベース150とカバー151とからなるものである。それらの間の隙間が内部空間を画定する。カバー151には、冷媒入口104、冷媒出口106及びグランド端子108が取り付けられる。既に説明したように、冷却ジャケットは、それ全体として熱伝導性の良好な金属、例えば銅により構成されており、複数の銅部品のロウ付け等によって冷媒ジャケットが製作される。それらの銅部品が接着剤により接着されてもよいが、経年変化、リークレベル、及び、水蒸気透過性の観点からは、ロウ付けを選択するのが望ましい。図6には、1つの微細流路146aが示されている。
図7には、ジャケット本体140のyz断面、特に、微細流路列146のyz断面が示されている。個々の微細流路146aの断面は、z方向に伸びた矩形の形態を有している。その底面153はx方向及びy方向に並行な平面であるが、それが斜面、湾曲面等であってもよい。なお、符号152は、第2冷媒室の底面を示している。例えば、z1は1.5〜2.0mmの範囲内にあり、z1を二分したものがz2及びz3である。z4は例えば2.0〜5.0mmの範囲内にある。ジャケット本体140の厚みをより大きくすることも可能であるが、ヘッドの重量の観点からは、その厚みを10mm以下とするのが望ましい。
冷媒ジャケットの外表面の全体にわたって絶縁性を有する表層が形成されている。これにより安全性を高められる。表層を形成することにより、接着性も良好となる。表層は、めっき処理、アルマイト処理、黒化処理等によって形成される。黒化処理によれば輻射率を高められる。
図8には、連続波ドプラモードでの温度分布が示されている。連続波ドプラモードにおいては、振動素子アレイに対して固定的に送信開口及び受信開口が設定される。実施形態においては、x方向の一方側(図8において右側)に送信開口が設定され、x方向の他方側(図8において左側)に受信開口が設定される。符号132Aは電子回路26において送信開口に相当する部分を示しており、符号134Aは電子回路26において受信開口に相当する部分を示している。図8の上段に示すように、電子回路26において二次元的な温度分布230が生じる。つまり、x方向において発熱に偏りが生じる。例えば、y1の位置では図8の下段に示されている温度分布232が生じる。
中段に示されているように、本実施形態においては、送信開口が形成される側に、熱交換前の冷媒(冷たい冷媒)を入れる開口147aが設けられ、受信開口が形成される側に熱交換後の冷媒(温められた冷媒)を出す開口147bが設けられている。このような設定を行うことにより、温度分布を緩和できる。例えば、図8の下段に示すように、y1の位置において、フラットな温度分布234を生じさせることが可能である。
図9には、先端部分の変形例が示されている。その内部には積層体22Aが配置され、その積層体22Aは、振動素子アレイ24A、バッキング122A、中継基板124A及び電子回路26Aを含む。積層体22Aの後面には、冷却ジャケット34Aの前面が接合されている。積層体22Aの2つの側面を覆うように、一対の熱伝導部材236,238が設けられている。各熱伝導部材236,238は振動素子アレイ24Aの近傍からジャケット本体140Aの後面まで及んでいる。各熱伝導部材236,238は、例えば、ヒートパイプで構成され、あるいは、グラファイトシートで構成される。このような熱伝導部材236,238により、振動素子アレイ24Aで生じた熱を冷却ジャケット34Aへより効率的に導くことが可能となる。すなわち、振動素子アレイ24Aの冷却効率を高められる。1つの熱伝導部材を設けてもよく、3つ以上の熱伝導部材を設けてもよい。
図10には、冷却ジャケットの第1変形例が示されている。第1冷媒室142A及び第2冷媒室144Aは、比較的に狭い範囲に形成されており、それらの間に比較的に広い範囲にわたって微細流路列146Aが形成されている。符号240で示されているように、開口147aから入った冷媒は、その外側にある第1冷媒室142Aに入り、そこから微細流路列146Aを経て第2冷媒室144Aに流れ込んでいる。その後、冷媒は第2冷媒室144Aから開口147bを経て外部に流れ出ている。
図11には、冷却ジャケットの第2変形例が示されている。開口147aから開口147bにかけて折れ曲がった一本の流路242が形成されている。その形態をジグザグ形態としてもよい。熱交換効率を高めるために冷媒に接する面積を増大できるように、またポンプから見て負荷があまり高くならないように、内部空間の形態を定めるのが望ましい。
(3)複合部品を有するプローブコネクタ
図12には、コネクタ16の外観が示されている。コネクタ16は、図12に示された姿勢(第1姿勢)で、装置本体に接続される。図12において、X方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が垂直方向(床面に対して垂直な方向)である。コネクタ16の接続時に、装置本体へアプローチする方向はY方向における負側方向である。
図12には、コネクタ16の外観が示されている。コネクタ16は、図12に示された姿勢(第1姿勢)で、装置本体に接続される。図12において、X方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が垂直方向(床面に対して垂直な方向)である。コネクタ16の接続時に、装置本体へアプローチする方向はY方向における負側方向である。
図12に示された第1姿勢において、コネクタボックス160におけるZ方向に直交する2つの面が上面及び下面を構成し、Y方向に直交する面(コネクタ部162とは反対側の面)が前面を構成し、X方向に直交する2つの面が右側面及び左側面を構成する(図12には右側面が現れている)。
コネクタ16は、コネクタボックス160及びコネクタ部162により構成される。コネクタ部162が装置本体内のレセクタブルに装着される。コネクタ部162の中には端子群が設けられている。
図13には、コネクタ16の下面及び左側面が示されている。下面には吸気部164が設けられている。左側面には排気部166が設けられている。図12及び図13に示した構成によれば、装置本体の右側に診療台(ベッド)が設けられている場合、診療台とは反対側へ排気される。なお、排気部が下側になる姿勢(第2姿勢)で、コネクタ16が装置本体に接続されるようにしてもよい。その他の姿勢が採用されてもよい。
図14〜16を用いて、コネクタボックス内部の構成について説明する。図14において、外ケース36の中には内ケース38が設けられている。それらは例えば金属によって構成される。内ケース38の内部が基板室42である。外ケース36と内ケース38との間の空間が機械室40である。機械室40には、ポンプ50、複合部品52等が配置されている。
実施形態において、ポンプ50として、3相ダイヤフラムポンプが用いられている。3相ダイヤフラムポンプは、120度の角度間隔で設けられてローテーション動作する3つのダイヤフラムを有する。3相ダイヤフラムポンプによれば、ダンパ等を用いることなく、ポンプ出力側において生じる圧力の周期的変動(脈動)を抑えることができる。ポンプ50は、モータ及びエンコーダ(回転検出器)を有する。
複合部品52は、タンク54及びラジエータ56により構成されるものである。タンク54とラジエータ56は物理的に一体化されている。すなわち、タンク54とラジエータ56との間に配管は設けられていない。タンク54には、戻りチューブ170(図1において戻りチューブ62)が接続されている。ラジエータ56とポンプ50の冷媒入口との間には、直列接続された2つのチューブ172,174(図1においてチューブ58)が設けられている。ポンプ50の冷媒出口には、送りチューブ178(図1において送りチューブ60)が接続されている。
例えば、コネクタボックス内に、冷媒の温度を検出する温度センサを設けてもよい。その場合、送り側の冷媒の温度と戻り側の冷媒の温度とが別々にモニタリングされてもよい。更に、環境温度を検出する温度センサを設けてもよい。後述する温度管理において、それらの温度センサにより検出された温度が参照されてもよい。
図15においては、内ケースが取り外された後のコネクタボックス内部が示されている。ポンプ50の裏側にラジエータ56が配置されている。ポンプ50に隣接してそれと干渉しないようにタンク54が配置されている。ポンプ50とラジエータ56との間には液体吸収部材としての吸水パッド180が設けられている。吸水パッド180は、平板状であり、それはスポンジ部材により構成される。万が一、いずれかの継手(チューブ接続箇所)において冷媒が漏れた場合に、その冷媒は吸水パッド180に吸収される。図15に示されているように、複数の継手がコネクタボックス内のX方向における一方側の端部(X方向における負方向側の端部)に集中している。冷媒漏れの可能性がある複数の箇所が密集しているので、仮に、冷媒漏れが生じても、冷媒漏れの範囲が限定される
図16においては、更に、ポンプ及び吸水パッドが取り外された後のコネクタボックス内部が示されている。ラジエータ56は、ラジエータ本体を有し、ラジエータ本体の上面には、空冷構造体としてのフィン列182が形成されている。吸気部164には、ブロアファン68が含まれ、更に、吸気開口部、及び、吸気用フィルタが含まれる。ブロアファン68によって吸気力が生成される。ブロアファン68の一方側開口が吸気開口部に対向しており、ブロアファン68の他方側開口がダクト部材184によって塞がれている。ブロアファン68と吸気開口部との間に吸気用フィルタが設けられている。吸気用フィルタは、目の細かい導電性フィルタにより構成されている。
排気部166には、排気開口部及び排気用フィルタが含まれる。排気用フィルタも導電性部材により構成されている。排気用フィルタは、吸気用フィルタに比べて目の粗いフィルタにより構成されている。各フィルタが導電性部材で構成されているので、電磁シールド性が高められている。吸気用フィルタの目が細かいので、コネクタボックス内への塵等の異物の進入の可能性が低減されている。排気用フィルタの目が粗いので、コネクタボックス内に入り込んだ異物が出やすくなっている。
吸気部164から排気部166にかけてダクト部材184が設けられ、ダクト部材184によって通気路186が画定されている。フィン列182はダクト部材184の内部に設けられている。吸気部164により取り込まれたエアが通気路186を通過し、排気部166から外界へ排出される。その過程において、エアがフィン列182の外表面に接し、その際にフィン列182とエアとの間で熱交換が行われる。これにより、ラジエータ56の内部空間を流通する冷媒から熱が奪われる。なお、ブロアファンの68の厚みは例えば15mm以下である。ブロアファン68に代えて軸流ファンを利用してもよいが、静圧の高いブロアファン68を利用するのが望ましい。コネクタボックス内には、必要に応じて、部品固定部材や熱伝導部材が設けられ、また必要に応じて、風向板が設けられる。
図17には、ダクト部材184が示されている。ダクト部材184はカバー184Aとケース184Bとにより構成される。実施形態において、それらは一体化されており、ダクト部材184は樹脂製の単一部材である。カバー184Aは、ブロアファンのポンプ側開口を塞ぐものである。ポンプの冷却が必要であれば、カバー184Aを取り除けばよい。ケース184Bは、通気路を画定する枠体である。吸気部及び排気部の位置に応じて、使用するファンを選択してもよく、またダクト部材184の形態を変更してもよい。
次に、図18〜図21を用いて、複合部品について詳述する。
図18において、複合部品52は、タンク54とラジエータ56とからなる。タンク54とラジエータ56はロウ付けされており、それらは物理的に一体化されている。それらは、熱伝導性の良好な材料、例えば、銅、アルミニウム等の金属により構成されている。実施形態においては、それらは銅により構成されている。タンク54は、冷媒の自然減少分を補充するために補充用冷媒を貯留するものであり、それはエアトラップ機能を有する。タンク54は、ラジエータ本体57の上面(主面)から起立形成された中空の箱状部材である。それは直方体形状を有する。タンク54においては、X方向が長手方向であり、Y方向が短手方向であり、Z方向が高さ方向である。タンク54に形成された開口192,194は冷媒注入時に使用される。それらは媒体注入後、2つのねじによって封止される。開口190は冷媒入口であり、そこには戻りチューブが接続される。
ラジエータ56は、冷媒を冷却する放熱用の熱交換器であり、それはラジエータ本体57とフィン列182により構成される。それらは物理的に一体化されている。ラジエータ本体57は、X方向及びY方向に広がる平板状の形態を有している。その内部は中空である。ラジエータ本体57の上面には、タンク54と並んで、フィン列182が起立形成されている。その並び方向はY方向である。フィン列182は、Y方向に並んだ複数のフィン(外部フィン)182aにより構成され、個々のフィン182aはX方向に伸長している。符号186は通気路を示している。隣接フィン間の間隔を例えば2mm以下としてもよい。その間隔を1mm以下にしてもよい。
ラジエータ56におけるX方向のサイズ及びそのY方向のサイズは、いずれも、例えば、50〜80mmの範囲内にある。ラジエータ本体のZ方向の厚みは、例えば、20〜50mmの範囲内にある。なお、図19には、ラジエータ本体57に形成された開口196が示されている。その開口は冷媒出口を構成するものである。
図20には、複合部品52のYZ断面が示されている。既に説明したように、複合部品52は、一体化されたタンク54及びラジエータ56で構成されている。タンク54の内部空間とラジエータ56の内部空間は連通しており、それらの間に配管及び継手は設けられていない。ラジエータ56は、上記のように、一体化されたラジエータ本体57及びフィン列182により構成される。
ラジエータ本体57は、平板状のベース250及びそれを覆うカバー252により構成されており、それらはロウ付けにより一体化されている。ベース250とカバー252の間に第1冷媒室258、第2冷媒室260及び微細流路列262が形成されている。符号264はフィン列182のベースを示している。
タンク54の内部空間254からの冷媒が、ラジエータ本体57に形成された開口256を介して、ラジエータ本体57の内部空間へ入り込む。その冷媒は、第1冷媒室258から微細流路列262を通過して第2冷媒室260へ流れ、第2冷媒室260から冷媒出口を介して外部へ流れ出る。微細流路列262は、多数の内部フィンを有し、それらによって複数の微細流路が画定されている。微細流路列262では、冷媒に接触する面積の増大が図られており、これにより熱交換効率が高められている。
図21には、ラジエータのXZ断面が示されている。符号268は、通気路を示している。上記のように、ラジエータ本体57は、ベース250とカバー252とにより構成される。ラジエータ本体57内の微細流路列262は、X方向に並んだ複数の微細流路262aにより構成される。個々の微細流路262aは、矩形の溝又は通路であり、その底面はX方向及びY方向に並行である。但し、その底面が傾斜面、湾曲面等であってもよい。図示されるように、ラジエータ本体57の内部空間は、ジャケット本体の内部空間とほぼ同様の構造を有している。各微細流路266aのサイズは、図7に示した各微細流路のサイズにほぼ等しい。もっとも、冷却ジャケット内の熱交換構造とラジエータ内の熱交換構造とを異ならせてもよい。
複合部品の外表面の全体にわたって絶縁性を有する表層が形成されている。これにより安全性が高められている。表層は、めっき処理、アルマイト処理、黒化処理等によって形成される。黒化処理によれば、輻射率を高められる。また、外部から複合部品が見えるような場合においても、それが目立たなくなる。
上記の複合部品によれば、タンクとラジエータとが一体化されており、それらを配管で接続する必要がないので、部品点数を削減でき、冷媒漏れの可能性を低減でき、及び、コンパクトな配置を実現できる。図16等に示したように、コネクタボックス内の隅にタワー状のタンクが配置されているので、通気路が十分に確保されており、また、コネクタボックスの内部空間の利用効率が高められている。実施形態においては、上流側にタンクが設けられ、下流側にラジエータが設けられていたが、それらの配置を逆にしてもよい。また、実施形態では、複合部品の下流側(冷却ジャケットから見て正圧側)にポンプが設けられていたが、複合部品の上流側(冷却ジャケットから見て負圧側)にポンプを設けてもよい。
図22及び図23を用いてダイヤフラムポンプの特性について説明する。図22及び図23では圧力波形が誇張して模式的に示されている。
図22に示された圧力波形270は、1相ダイヤフラムポンプについての出力側での周期的な圧力変動を示すものである。圧力波形270において、大きな山状の波形部分272が間欠的に周期的に生じている。すなわち、はっきりとした大きな脈動が生じている。そのような脈動がヘッドを保持している検査者、又は、プローブが当接されている被検者へ伝わると、それらの者に不快感を生じさせる。また、ヘッドが振動しながら超音波を送受波することになるので、ノイズが生じ易くなる。そのような問題を防止するため、つまり脈動を軽減するために、ダンパ等の脈動抑制部品を配置することも考えられるが、その分だけ部位品点数が増加してしまう。
そこで、実施形態においては、上記のように、三相ダイヤフラムポンプが用いられている。図23に示された圧力波形274は、三相ダイヤフラムポンプにおける出力側での周期的な圧力変動を示すものである。周期的に生じる波形部分276a、276b、276cの相互の重なり合いにより、圧力波形274がそれ全体としてかなり平坦化されている。すなわち、ポンプ自身の作用によって脈動を抑えることが可能となる。もっとも、より脈動を抑えるために又はその他の目的からダンパ等を設けるようにしてもよい。他の多相ダイヤフラムポンプ、例えば、2相ダイヤフラムポンプや4相ダイヤフラムポンプが用いられてもよい。
図24には、ラジエータ本体の第1変形例が示されている。ラジエータ本体57Aの内部空間の全体にわたって微細流路列280が形成されている。符号282はタンクが設けられる部分を示しており、符号284はフィン列が設けられる部分を示している。
図25にはラジエータ本体の第2変形例が示されている。ラジエータ本体57Bの内部にはジグザグ形態を有する1本の流路が形成されている。符号288はタンクが設けられる部分を示しており、符号290はフィン列が設けられる部分を示している。冷媒との接触面積の増大を図れるように、及び、ポンプの負荷を軽減できるように、ラジエータ本体の内部構造を定めるのが望ましい。
(4)動作(ポンプ制御及び異常判定)
図26には、装置本体10及びコネクタ16が有する電気的構成がブロック図として示されている。その電気的構成の一部分の詳細が図27に示されている。
図26には、装置本体10及びコネクタ16が有する電気的構成がブロック図として示されている。その電気的構成の一部分の詳細が図27に示されている。
図26において、コネクタ16は、基板列44を有する。基板列44には、図示の構成例において、複数の電子回路基板300及び制御基板302が含まれる。複数の電子回路基板300は、超音波の送受波を制御するためのものであり、あるいは、ヘッド内の電子回路を制御するためのものである。制御基板302は、ローカルコントローラとして機能し、ポンプ50及びブロアファン68の動作を制御する。制御基板302からポンプへ駆動信号が供給されており、また、制御基板302からブロアファン68へ駆動信号が供給されている。ポンプ50から制御基板302へ回転数(単位時間当たりの回転数、つまり回転速度)を示す信号が出力されている。制御基板302には、ポンプ50の稼働時間(特に積算可動時間)を管理するためのメモリ304が接続されている。装置本体10側から制御基板302を介してメモリ304にアクセスすることが可能である。
なお、制御基板302とポンプ50との間には、駆動信号線、電源線を含む信号線束306が設けられている。信号線束306はシールド外皮によって覆われている。これにより、ポンプ50で生じた電磁ノイズが信号線束306を経由して基板室内に入り込むことが防止又は軽減されている。制御基板302とブロアファンとの間に設けられた信号線束に対してシールド外皮を設けてもよい。また、他の電磁ノイズ対策を施してもよい。
装置本体10は、制御手段として機能する制御部86を有する。図26には、制御部86が有する複数の機能がブロックで表現されている。制御部86は、送受信制御部308、温度管理部310、冷却制御部88、等を有する。冷却制御部88は、冷却制御手段であり、実施形態において、動作管理手段としての動作管理部314、異常判定手段としての異常判定部316、ログ管理手段としてのログ管理部318、等を有する。
制御部86には、記憶部312及び通信部311が接続されている。記憶部312はメモリ等により構成され、そこにはログ情報が格納される。通信部311は、外部装置(管理センタ)との間で有線通信又は無線通信を行うためのモジュールである。送受信モジュール320は、送信回路74及び受信回路76により構成される。送受信モジュール320は、複数の電子回路基板300を介して、ヘッド内の電子回路に接続される。既に説明したように、制御部86は、CPU及び動作プログラムにより構成される。制御部86が複数のプロセッサにより構成されてもよい。制御部86の一部又は全部が特定用途プロセッサにより構成されてもよい。制御部86と制御基板302は信号線を介して相互に接続される。
図27には、冷却制御に関する構成が更に具体的に示されている。コネクタ16において、制御基板302は、図示の構成例において、回転数演算器322、判定器323、駆動信号生成回路324、及び、稼働時間演算器326を有している。稼働時間演算器326で演算された稼働時間を示すデータがメモリ304上に格納される。稼働時間は、ポンプ50の稼働時間であり、具体的には、所定単位(例えば1回の超音波検査)当たりのポンプの稼働時間及びポンプの積算稼働時間(総稼働時間)である。前者の稼働時間を積算することにより後者の積算稼働時間が演算される。積算稼働時間は、ポンプ50の使用開始後におけるポンプ50の劣化度を示す1つの指標である。プローブ側において積算稼働時間を管理することにより、プローブが複数の装置本体に対して順次接続され、順次使用されても、ポンプ50の劣化度を確実に把握することが可能である。
ポンプ50は、モータ334及びエンコーダ336を有する。モータ334は、3つのダイヤフラムを循環的に駆動する駆動力を生成するものである。エンコーダ336は、モータ334における単位時間当たりの回転数を示すパルス信号を出力する。
回転数演算器322、判定器323及び駆動信号生成回路324は、フィードバック制御手段として機能し、モータ334の回転数(回転速度)が設定値となるようにフィードバック制御を実行するものである。フィードバック制御に際してはパルス幅変調(PWM)方式が採用されている。駆動信号として、3相のパルス信号がモータ334に供給されており、個々のパルス信号におけるパルス幅つまりデューティ(係数)を可変することにより、モータ334に供給される電力が可変され、これにより回転数が制御される。図示の構成例では、エンコーダ336からのパルス信号に基づいて、回転数演算器322が回転数を演算する。判定器323は、演算された回転数と設定値(設定された回転数)との差分を判定する。駆動信号生成回路324は、差分に基づいて、PWM制御を実行する。
実施形態において、ポンプ50の動作の開始及び停止は、冷却制御部88により制御される。すなわち、冷却制御部88により、フィードバック制御手段の動作が制御される。もっとも、プローブ側において(具体的には制御基板302において)、ポンプの動作の開始及び終了を自律的に判断するようにしてもよい。冷却制御部88と制御基板302とが協働してポンプ50のオンオフ制御を行う態様も考えられる。ブロアファンの動作についても同様であり、冷却制御部88がブロアファンの動作の開始及び終了を制御するようにしてもよいし、プローブ側において、その動作の開始及び終了を自律的に制御するようにしてもよい。
環境温度変化、冷媒の経年変化、チューブ形態の変化等の様々な要因により、ポンプ50の負荷が変動するが、上記のフィードバック制御によれば、ポンプ50の負荷が変動しても回転速度を維持でき、つまり冷却能力を維持できる。これにより冷媒循環システムの動作の信頼性を高められる。
PWM制御におけるデューティ(あるいはパルス幅)はポンプ50の負荷の大小を示すものである。負荷が過大となった場合、及び、負荷が過小となった場合のいずれにおいても、デューティが正常範囲を逸脱する。これに基づいて、後述するように、冷却システム(冷媒循環システム)の異常を判定することが可能である。もちろん、他の情報に基づいて、冷却システムの異常を判定してもよい。
装置本体10において、制御部86内の冷却制御部88は、ポンプ50等の動作を制御する機能を有する他、異常判定機能を有している。それが図27において異常判定部316として表現されている。異常判定部316は、ポンプ50の負荷が過大になった場合及び過小になった場合に異常を判定するものであり、それらの機能が図27において過大判定部330及び過小判定部332として示されている。ポンプ等の制御及び異常判定については後に詳しく説明する。
ログ管理部318は、記憶部上にログテーブルを作成するモジュールである。図28に例示されたログテーブル338は、複数のレコード339からなる。レコード339は記録単位をなすものであり、例えば、超音波検査ごとに、プローブ選択ごとに、一定時間ごとに、イベント発生ごとに、レコード339が生成される。個々のレコード339は、日時データ、稼働時間データ、デューティデータ、ポンプ回転数データ、ファン回転数データ、異常コード、送受信条件データ等により構成されるものである。
日時データは、例えば、検査開始日時、検査終了日時を示すものである。それがイベント発生日時を示すものであってもよい。稼働時間データは、それまでの積算稼働時間を示すデータである。検査単位での稼働時間を示すものであってもよい。それらの両方が記録されてもよい。積算稼働時間に基づいてポンプ劣化度を判断できるようにデータが管理される。ポンプ回転数データは、例えば、検査単位でのポンプの回転数の最高値及び最低値を示すものである。その平均値が管理されてもよい。ファン回転数データは、例えば、検査単位でのブロアファンの回転数の最高値及び最低値を示すものである。その平均値が管理されてもよい。温度データは、例えば、ヘッド内に設けられた温度センサ(具体的には中継基板に設けられた温度センサ)で検出された温度を示すデータである。検査単位での最高温度が管理されてもよい。更に最低温度や平均温度が管理されてもよい。異常コードは、異常が判定された場合においてその種別を示すコードである。本実施形態では、制御上の係数としてのデューティが過大になる異常と過小になる異常とが識別されている。異常が判定された場合には、その事実と共に異常種別を記録するために、異常コードが記録されている。異常発生日時、異常継続時間、回復時間を示すデータが記録されてもよい。
送受信条件データは、Bモード等の動作モード(診断モード)、送信パワー、送信繰り返し周期、等の送受信条件を示すデータである。異常コードと共に送受信条件データ等が記録されていれば、異常対処時において、どのような状況下で異常が生じたのかを把握できるので、異常に対処し易くなる。特に、ポンプの劣化又は交換の必要性を判断する上での貴重な材料となる。実施形態においては、装置本体側においてログテーブルが記憶されていたが、プローブ側においてログテーブルが記憶されてもよい。
次に、図29を用いて冷却システム(冷媒循環システム)の動作及び制御について詳述する。同図に示されている横軸は時間軸である。(A)には超音波の送受信動作が示されている。(B)にはブロアファンのオンオフ動作が示されている。(C)にはポンプのオンオフ動作が示されている。図示された制御は、図26に示した冷却制御部の中の動作管理部において実行されるものである。なお、図29には、時間軸上の前後関係を明確に表現するために幾つかの期間が誇張して描かれている。
図29において、S10では、プローブが選択される。例えば、画面上にプローブセレクトウインドウ上において、接続中のプローブを示す複数のアイコンの中から、特定のアイコンを選択することにより、プローブがマニュアルで選択される。ここでは、冷却システムを備えたプローブが選択される。なお、プローブが自動的に選択されてもよい。
S10でのプローブの選択に従って、S11において、動作管理部においてコネクタ内のメモリが参照され、ポンプの積算稼働時間が読み取られる。積算稼働時間に基づいて後に説明する図34で示す動作が実行される。また、S10でのプローブ選択に従って、S12において、ブロアファンへの駆動信号の供給が開始され、その動作が開始される。実施形態においては、ポンプの動作開始前からブロアファンの動作が開始されており、空冷環境が整ってから、冷媒循環が開始されている。S11とS12の順序が逆であってもよく、また、それらが同時であってもよい。いずれにしても、ポンプ始動前において、その寿命がチェックされ、また、空冷環境が構築される。
S14では、送受信を開始させるユーザー操作が行われる。例えば、その操作は、動作モードを選択する操作、フリーズを解除する操作、である。そのような操作により、送受信開始指令信号が生成される。送受信開始指令信号が自動的に生成されてもよい。送受信開始指令信号が生成されると、ディレイデータ等がビームフォーマーに設定され、その他の必要な準備が実行され、S18において超音波の送受信動作が始まる。それに先立って、S16において、ポンプに対して駆動信号が供給され、ポンプ動作が始まる。S16とS18との間には期間400が存在し、つまり期間400だけ、送受信動作の開始よりもポンプ動作の開始が早まるように制御されている。ちなみに、期間400は固定期間又は可変期間である。可変期間である場合、それが最も短くなった場合でも、ポンプ始動が先行するように、ポンプ動作が制御される。このような制御によれば、常に、冷却システムの稼働後において、電子回路での発熱及び振動素子アレイでの発熱が生じることになるので、ヘッド内において想定外の温度上昇が生じてしまう問題を回避できる。
符号402は送受信期間を示しており、符号404はブロアファン稼働期間を示しており、符号406はポンプ稼働期間を示している。期間406は期間402の全部をカバーしており、期間404は期間406の全部をカバーしている。
S20において、送受信動作を停止させるユーザー操作が行われる。例えば、フリーズ操作が行われる。これにより送受信停止指令信号が生成される。送受信停止指令信号が自動的に生成されてもよい。送受信停止指令信号に従って、S22において送受信動作が停止する。その後、遅れ時間412を経過したタイミングで、つまりS24において、ポンプ動作を停止させる制御が実行される。符号408で示すように、送受信停止指令信号の発生を基準時として、S24のタイミングを定めるようにしてもよいし、符号410で示すように、実際の送受信動作停止を示す信号の発生を基準時として、S24のタイミングを定めるようにしてもよい。
図示された遅れ時間412の起算点は、送受信停止指令信号の生成タイミングであるが、上記のように他のタイミングを起算点としてもよい。遅れ時間412を設定しておくことにより、送受信動作が実際に停止した以降におけるポンプ動作の停止タイミングを確実に管理できる。送受信動作の停止後においても、場合によっては、電子回路等の温度が上昇することもある。想定外の温度上昇を回避する上では、送受信動作停止後の一定の期間にわたって冷媒循環を継続する必要があり、実施形態ではそのような制御が実行されている。これにより安全性をより高められる。
遅れ時間412を固定値として定めるようにしてもよい。それを可変値として定めるようにしてもよい。後者の場合、例えば、超音波送受信条件、冷却システムの状況、その他に応じて、遅れ時間を適応的に可変設定してもよい。超音波送受信条件は、例えば、送信パワー、送信繰り返し周期、動作モード等である。冷却システムの状況は、例えば、冷媒温度、回転数、流量等である。更に環境温度等を考慮してもよい。
S24でのポンプ動作の停止後に、S25において、ポンプ稼働時間(未積算稼働時間)がポンプの積算稼働時間に加算され、これにより演算された新たな積算稼働時間がメモリ上に記憶される。その演算はプローブ側で行われているが、その演算が装置本体側で行われてもよい。積算稼働時間を示すデータが装置本体へ自動的に送信されてもよい。新たな積算稼働時間に基づいて後に図34に示す動作が実行されてもよい。
S26においては、プローブ選択状態を解除するユーザー操作が行われる。これに基づいて、S28において、ブロアファンの動作を停止する制御が実行される。ブロアファンの寿命は、一般に、ポンプの寿命よりもかなり長いことから、その動作が不要な期間において動作を停止させる必要性に乏しく、また、装置本体側からの熱の回り込みを考えると、プローブ接続中においてブロアファンの動作を継続させておくことが望まれる。そのような観点から、ブロアファンが継続的に動作するように制御されている。但し、コネクタ取外しの可能性が生じた時点で(つまりプローブ選択が解除された時点で)、ブロアファンの動作を停止する制御が実行される。
上記制御によれば、送受信動作にポンプ動作を連動させることができる。すなわち、冷媒循環が必要な期間においてポンプを動作させ、その必要がない期間においてポンプの動作を停止させることができる。これにより、ポンプの無駄な動作を排除して、ポンプの寿命を長くできる。しかも、送受信動作の開始前から確実に冷媒の循環を開始させることができ、また、送受信動作後に一定時間を経てから冷媒の循環を停止させることができるので、ヘッド内において想定外の温度上昇が生じることを確実に防止できる。
上記実施形態においては、送受信動作にポンプのオンオフ動作を連動させたが、送受信動作にポンプ動作条件を連動させてもよい。例えば、送信パワー、送信繰り返し周期、動作モード等に応じて、ポンプの回転数を制御してもよい。また、環境温度に応じて、ポンプ動作条件を変えるようにしてもよい。
図30には、ローカルコントローラによる制御の変形例が示されている。図示の構成例では、送受信制御部308で生成された送受信制御信号352が、送受信モジュール320及び複数の電子回路基板300を介して、ヘッド内の電子回路へ送られている。送受信制御信号は、例えば、送信同期信号、送受信条件指定信号を含むものである。送受信制御信号の参照により、送受信動作の開始及び停止を事前に特定することができる。また、送受信制御信号又は他の信号の参照により、プローブの選択及び解除を特定することができる。符号352Aで示されるように、送受信制御信号352がローカルコントローラ302Aにおいて参照される。これにより、図29に示した制御がローカルコントローラ302Aにおいて実行される。このようにポンプ動作がプローブ側において自律的に制御されてもよい。すなわち、ローカルコントローラ302Aが動作管理部として機能してもよい。装置本体10の制御部86とローカルコントローラ302Aが連携して動作管理部として機能してもよい。更に、ローカルコントローラ302Aが異常判定部として機能してもよい。なお、図30においては、冷却制御部88が有する遅れ時間設定機能が遅れ時間設定部354として示されている。設定された遅れ時間を示す信号が冷却制御部88からローカルコントローラ302Aへ送られ、その遅れ時間に基づいてローカルコントローラ302Aがポンプ動作の停止を制御してもよい。
次に、図31〜図33に基づいてフィードバック制御及び異常判定について説明する。
図31には、フィードバック制御の具体例がフローチャートとして示されている。そこに示される動作は、図26及び図27に示した制御基板(ローカルコントローラ)において実行されるものである。
図31において、S30では、デューティDの初期値Xが設定される。S32では、ポンプへの駆動信号の供給が開始される。その際においては、初期値Xに従ってパルス幅が定められる。S34においては、ポンプから出力される信号に基づいて、単位時間当たりの回転数nが演算される。S36においては、演算された回転数nと、目標となる回転数Nとが比較される。例えば、n>Nの場合、S38においてデューティDをY(%)減少させる処理が実行される。駆動パルス列がマイナス電位とゼロ電位との間で変化する複数のパルスにより構成される場合、S38ではデューティをY(%)増加させる処理が実行される。すなわち、パルス列の極性に応じて、デューティが増減される。S36でn=Nと判断された場合、S40において現在のデューティDが維持される。
S36においてn<Nと判断された場合、S42においてデューティDをY(%)増加させる処理が実行される。上記のように、駆動パルス列がマイナス電位とゼロ電位の間で変化する複数のパルスにより構成される場合、S38においてデューティをY(%)減少させる処理が実行される。以上のように、ポンプの駆動力を適応的に可変して、その回転数を所定値に維持するフィードバック制御が実行される。
図32には、ポンプ駆動信号としてのパルス列340が例示されている。図示の例において、パルス列340は、複数の正パルス342からなる。デューティDは、一般に、図示されるように、D=B/Aで定義される。
図33には、異常判定方法がフローチャートとして示されている。この異常判定方法は、図26及び図27に示した異常判定部において実行されるものである。
図33において、S50では、ポンプが定格動作中か否かが判定される。例えば、ポンプ始動期やポンプ停止間際を除く通常期間において、S52以降の工程が実行される。S52では、現在のデューティDが参照される。ローカルコントローラから装置本体内の異常判定部へデューティDを示す信号を定期的に送るようにしてもよいし、異常判定部がローカルコントローラ内のデューティDを示す信号を定期的に参照するようにしてもよい。デューティDは、ポンプの負荷を補償するように定められるものであり、ポンプの負荷を指標する係数である。フィードバック制御によると、負荷の大小があっても、一定の流速が維持されるので、流量等に基づく異常判定は困難である。そこで、実施形態では、上記のようにフィードバック制御値を参照している。デューティDに代えて、それに類するパルス幅その他が参照されてもよい。なお、エンコーダの出力又はそれに基づいて演算される回転数を参照することも可能であるが、フィードバック制御の遅れ、目標値からのずれの継続、という事態も想定されるので、上記のように、フィードバック制御値を参照するのが望ましい。
S54では、デューティDが第1閾値Dmaxと比較される。D>Dmaxであれば、異常が判定され、S58に示す処理が実行される。S56では、デューティDが第2閾値Dminと比較される。D<Dminであれば、異常が判定され、S58に示す処理が実行される。S58では、異常に対処するために所定の処理が実行される。所定の処理として、例えば、送受信動作の強制停止、ポンプ動作の強制停止、異常を知らせるメッセージの表示、管理センターへのデータ送信、等があげられる。データ送信に際してはログテーブルの内容を送信してもよい。
上記の複数の処理を段階的に適用してもよい。例えば、異常が判定された時点で、送受信を停止させ、同時にメッセージを表示させてもよい。その後、一定時間の経過後にポンプの動作を停止させてもよい。また、異常の程度に応じて、複数の処理の中から実際に実行する処理が選択されてもよい。
上記の異常判定によれば、負荷が過大となる異常と負荷が過小となる異常の両方を的確に判定することが可能である。例えば、冷媒の劣化によりその粘度が過度に高まった場合や配管に捻れや折れ曲がりが生じた場合に、それらの事態を異常として判定することが可能となる。また、冷媒の漏れが生じた場合にその事態を異常として判定することが可能である。異常が生じた事実はログとして記録されるため、メンテナンス時において、ログを参照することにより、故障診断を行える。また、将来生じる可能性のある故障を事前に予測することも可能である。特に適時のタイミングで劣化ポンプを交換すれば、突然のポンプ故障により、超音波診断を行えなくなる事態を未然に回避できる。
図34には、プローブ選択時において実行される制御がフローチャートとして示されている。この制御は図26に示した動作管理部又は異常判定部において実行されるものである。なお、プローブ選択解除時又は他のタイミングで、図34に示される制御が実行されてもよい。
図34において、S60では、ユーザーによりプローブが選択される。S62では、コネクタ内のメモリから積算稼働時間Tpumpが読み取られる。S64では、積算稼働時間Tpumpが閾値以上であるか否かが判断される。積算稼働時間Tpumpが閾値未満であればS70において送受信動作の開始が許容される。
積算稼働時間Tpumpが閾値以上である場合、S66において、ユーザーに対して、メッセージが表示される。例えば、メンテナンスを促すメッセージが表示される。すなわち、S66では、ユーザーに対してメンテナンス情報が提供される。必要に応じて、管理センターに対して自動的な通報が行われてもよい。S68では、ユーザーによる確認ボタンの操作があったか否かが判断され、その操作があった場合にはS70において送受信動作の開始が許容される。
上記制御によれば、ポンプが劣化した場合、プローブの使用ごとにメンテナンス情報がユーザーに提供されるので、メンテナンスを促すことができる。管理センターへの自動的な通報を行えば、メンテナンスを迅速に行うことが可能となる。
(5)その他の制御
図35には、温度管理の一例が示されている。図示の構成例では、ヘッド14内に電子回路の温度を検出する温度センサ356が設けられている。例えば、複数のICを搭載した中継基板に温度センサ356が設けられる。また、図示の構成例では、コネクタ16内に冷媒の温度を検出する温度センサが設けられている。例えば、タンク内に温度センサを設けてもよいし、ラジエータの出力側に温度センサを設けてもよい。
図35には、温度管理の一例が示されている。図示の構成例では、ヘッド14内に電子回路の温度を検出する温度センサ356が設けられている。例えば、複数のICを搭載した中継基板に温度センサ356が設けられる。また、図示の構成例では、コネクタ16内に冷媒の温度を検出する温度センサが設けられている。例えば、タンク内に温度センサを設けてもよいし、ラジエータの出力側に温度センサを設けてもよい。
装置本体10内の温度管理部310は、温度センサ356,358によって検出された温度に基づいて、温度マネジメントを行う。例えば、温度管理部310において、送受波面温度が推定されてもよい。また、送受波面温度が上限温度に到達した場合に送受信動作を停止させてもよい。更に、冷却システムの異常が判定されてもよい。温度管理部310が環境温度に基づいて温度マネジメントを行うようにしてもよい。
図36には、温度管理部における温度推定処理の一例がフローチャートとして示されている。図示の処理は、送受信開始前において実行されるものであるが、送受信開始後において実行されてもよい。
S80では、送受信条件が定められる。送受信条件には、送受波面の温度に影響を与える送信電圧、送信開口サイズ、送信繰り返し周期、動作モード等が含まれる。S82では、送受信条件に基づいて、電子回路での発熱量Aが演算される。S84では、送受信条件に基づいて、振動素子アレイでの発熱量Bが演算される。S86では、発熱量Aの寄与分(送受波面温度上昇への寄与分)ΔTAが演算される。S88では、発熱量Bの寄与分(送受波面温度上昇への寄与分)ΔTBが演算される。S90及びS92では、冷媒による冷却作用が考慮され、寄与分ΔTA及びΔTBが補正される。その場合、図示の動作例では、冷媒温度に基づいて、寄与分ΔTA及びΔTBが補正される。冷媒温度によらずに、予定される冷却作用から、寄与分ΔTA及びΔTBが補正されてもよい。冷媒循環によりヘッド内の積層体が十分に冷却されている場合、補正後の寄与分ΔTA’及びΔTB’は、ゼロに近付き又はゼロとなる。そうでない場合であっても、冷媒循環により、補正後の寄与分ΔTA’及びΔTB’をかなり小さくすることができる。S94では、送受波面の温度上昇の予測値ΔTestが演算される。例えば、補正後の寄与分ΔTA’及びΔTB’を加算することにより、予測値ΔTestが演算される。S96においては、予測値ΔTestがその上限Tlimt以下であるか否かが判断され、予測値ΔTestが上限Tlimt以下であれば、S98において送受信動作が許容される。予測値ΔTestがその上限Tlimtを超える場合、S80に戻って、送受信条件が変更される。すなわち、発熱がより少ない送受信条件に変更される。例えば、送信電圧が引き下げられる。上記の温度推定に際して、更に、電子回路の温度、環境温度、その他が考慮されてもよい。
上記実施形態においては、水冷ジャケットの本体が平板状を有していたが、その吸熱面側に凹部を構成し、その凹部に積層体の後端部を収容するようにしてもよい。また、吸熱面を円筒面のように湾曲させてもよい。冷媒が正常に循環している状態において、中継基板の温度が想定以上に上昇した場合、電子回路放熱面からの冷却ジャケット吸熱面の剥がれが考えられるので、そのような場合には、送受信を制限するのが望ましい。そのような剥がれが生じないように、2つの部材を締結する部材を設けるようにしてもよい。
上記実施形態において、コネクタ内に配置された部品群の内で1又は複数の部品を装置本体内に設けるようにしてもよい。上記複合部品を構成するに際しては、3つ以上の部品を一体化してもよい。例えば、タンク、ラジエータ及びポンプを一体化することが考えられる。基板室を密閉空間とするようにしてもよい。実施形態においては、多相ダイヤフラムポンプが利用されていたが、脈動を抑制できる他の種類のポンプを利用してもよい。
10 装置本体、12 超音波プローブ、14 プローブヘッド、16 プローブコネクタ、18 プローブケーブル、22 積層体、34 冷却ジャケット、40 機械室、42 基板室、50 ポンプ、52 複合部品、54 タンク、56 ラジエータ、86 制御部、88 冷却制御部、142 第1冷媒室、144 第2冷媒室、146 微細通路列、164 吸気部、166 排気部、182 フィン列、258 第1冷媒室、260 第2冷媒室、262 微細流路列、302 制御基板、314 動作管理部、316 異常判定部、318 ログ管理部。
Claims (12)
- 熱源を含む積層体を備えたプローブヘッドと、
プローブコネクタと、
前記プローブヘッドと前記プローブコネクタとの間に設けられたプローブケーブルと、
を含み、
前記プローブヘッドから前記プローブコネクタにかけて冷媒循環システムが設けられ、
前記冷媒循環システムは、前記プローブヘッドに設けられた吸熱用の熱交換器を含み、
前記吸熱用の熱交換器は、
前記積層体の後面に対向する面であって前記積層体の後面からの熱を受ける前面としての吸熱面と、冷媒が流れる内部空間と、を有する熱交換器本体と、
前記熱交換器本体に設けられ、前記内部空間へ前記冷媒を入れるための冷媒入口と、
前記熱交換器本体に設けられ、前記内部空間から前記冷媒を出すための冷媒出口と、
を含む、ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項1記載の超音波プローブにおいて、
前記プローブヘッドは、中心軸としての第1軸、前記第1軸に直交する第2軸、及び、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸を有し、
前記吸熱面は前記第2軸の方向及び前記第3軸の方向に広がる面である、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項2記載の超音波プローブにおいて、
前記熱交換器本体は平板状の形態を有する、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項3記載の超音波プローブにおいて、
前記冷媒入口及び前記冷媒出口は前記熱交換器本体の後面に設けられた、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項4記載の超音波プローブにおいて、
前記熱交換器本体は、前記第2軸の方向に並行な長手方向と、前記第3軸の方向と並行な短手方向と、を有し、
前記冷媒出口は前記長手方向の一方側に偏倚した位置に設けられ、
前記冷媒入口は前記長手方向の他方側に偏倚した位置に設けられた、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項5記載の超音波プローブにおいて、
連続波ドプラモードの実行時に、前記長手方向の一方側に送信開口が形成され且つ前記長手方向の他方側に受信開口が形成される、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項1記載の超音波プローブにおいて、
前記内部空間は、
前記冷媒入口の内部流路に連通した第1冷媒室と、
前記冷媒出口の内部流路に連通した第2冷媒室と、
前記第1冷媒室と前記第2冷媒室との間に設けられた複数の流路からなる流路列と、
を含むことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項1記載の超音波プローブにおいて、
前記熱交換器は少なくとも絶縁性を有する表層を有する、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項1記載の超音波プローブにおいて、
前記積層体は、
複数の振動素子からなり、前記熱源としての振動素子アレイと、
1又は複数の半導体集積回路からなり、前記熱源としての電子回路と、
を有し、
前記積層体の後面は前記電子回路の後面であり、
前記電子回路の後面に対して前記吸熱面が接合された、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項1記載の超音波プローブにおいて、
前記熱交換器にはグランド信号線が接続される、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項10記載の超音波プローブにおいて、
前記熱交換器は前記グランド信号線が接続されるグランド端子を有する、
ことを特徴とする超音波プローブ。 - 請求項1記載の超音波プローブにおいて、
前記プローブヘッドはケースを有し、
前記ケースは、中間部分と、前記中間部分よりも肥大した先端部分と、を有し、
前記先端部分の中に前記積層体と共に前記熱交換器本体が設けられた、
ことを特徴とする超音波プローブ。
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