JP2019115104A - 誘導電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化しつつ冷却性能の低下を抑制できる誘導電動機を提供する。【解決手段】誘導電動機は、固定子と、回転子とを備える。回転子は、回転軸に設けられ、複数の鉄板を積層して構成された鉄心を備える。複数の鉄心押えが、複数の鉄板を、それらの積層方向の両端から押さえる。複数の導体バーは、鉄心に設けられた複数のスロット内に挿入されている。複数の鉄板のそれぞれは、回転軸に固定された支持部を有する。環状のヨーク部は、支持部の周囲に設けられ、複数のスロットを有し複数の導体バーを支持する。複数のスポークは、鉄心の周方向に沿って離間して配置され、支持部とヨーク部との間を接続する。複数のスポーク間にある開口は、積層された複数の鉄板間において鉄心の周方向にずらされている。複数の鉄板の開口のずれ方向は、複数の鉄板の積層方向における鉄心のほぼ中心で切り替わっている。【選択図】図3
Description
本発明による実施形態は、誘導電動機に関する。
誘導電動機として、所謂、かご形誘導電動機が知られている。かご形誘導電動機は、略円筒状の固定子鉄心に固定子コイルを配置した固定子と、固定子の径方向内側に設けられ、固定子に対して回転自在に設けられた回転子と、により構成されている。
回転子は、回転軸と、この回転軸に固定された回転子鉄心を有しており、回転子鉄心には、冷却や軽量化のために肉抜き孔が設けられている場合がある。回転子鉄心に肉抜き孔を設けた場合、ファンやブロワで外部から冷却風を取り込み、肉抜き孔に取り込んだ冷却風の一部を通すことによって、回転子を冷却することができる。しかし、冷却や軽量化のために肉抜き孔を大きくすると、回転子鉄心の肉抜き孔を流れる風量が多くなり、一方、固定子側を流れる風量が低下し、固定子の冷却性能が低下するという問題があった。
軽量化しつつ、冷却性能の低下を抑制することができる誘導電動機を提供することである。
本実施形態による誘導電動機は、磁界を生成する固定子と、該固定子からの磁界によって駆動される回転子とを備える。回転子は、回転軸に設けられ、複数の鉄板を積層して構成された鉄心を備える。複数の鉄心押さえは、複数の鉄板を、それらの積層方向の両端から押さえる。複数の導体バーは、鉄心に設けられた複数のスロット内に挿入されている。複数の鉄板のそれぞれは、回転軸に固定された支持部を有する。複数の鉄板のそれぞれは、支持部の周囲に設けられ、複数のスロットを有し複数の導体バーを支持する環状のヨーク部を有する。複数の鉄板のそれぞれは、鉄心の周方向に沿って離間して配置され、支持部とヨーク部との間を接続する複数のスポークとを有する。複数のスポーク間にある開口は、積層された複数の鉄板間において鉄心の周方向にずらされている。複数の鉄板の開口のずれ方向は、複数の鉄板の積層方向における鉄心のほぼ中心で切り替わっている。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るかご形誘導電動機の構成例を示す断面図である。図1では、かご形誘導電動機1の中心軸Cに沿った片側半分の構成だけ示している。かご形誘導電動機1(以下、単に「電動機1」という。)は、例えば、鉄道車両の台車等に取り付けられて車輪を駆動する電動機である。電動機1は、例えば、3相6極の電動機でよい。
図1は、第1実施形態に係るかご形誘導電動機の構成例を示す断面図である。図1では、かご形誘導電動機1の中心軸Cに沿った片側半分の構成だけ示している。かご形誘導電動機1(以下、単に「電動機1」という。)は、例えば、鉄道車両の台車等に取り付けられて車輪を駆動する電動機である。電動機1は、例えば、3相6極の電動機でよい。
電動機1は、固定子10と、固定子10の中心軸Cと同軸に配置されるとともに、中心軸Cの回りに回転自在に設けられた回転子20と、固定子10および回転子20を支持するケーシング40と、を備えている。固定子10は、ケーシング40に固定されている。回転子20は、中心軸Cを中心に、固定子10に対して回転可能に構成されている。電動機1は、固定子(一次側)10に電流を供給し、固定子10で生成された磁界によって、回転子(二次導体)20に誘導電流が発生する。回転子20は、固定子10からの磁界によって、回転トルクを得て回転駆動される。
なお、以下の説明では、中心軸Cに沿った方向を軸方向または積層方向、中心軸Cの回りに回転する方向を周方向または回転方向、軸方向及び周方向に直交する方向を径方向と称する。
固定子10は、固定子鉄心11と、固定子コイル13と、を備えている。
固定子鉄心11は、環状の磁性鋼板6が軸方向に沿って複数枚積層されることで、軸方向に沿って延びる筒状に構成されている。磁性鋼板6は、例えば、鉄にケイ素を添加することによって製造される薄い鋼板である。固定子鉄心11は、回転子20の外側に配置されている。固定子鉄心11の内周部分には、軸方向に沿って延びる複数の固定子スロット15が周方向に等間隔で配置されている。固定子スロット15内には、上述した固定子コイル13が配置されている。
固定子鉄心11は、環状の磁性鋼板6が軸方向に沿って複数枚積層されることで、軸方向に沿って延びる筒状に構成されている。磁性鋼板6は、例えば、鉄にケイ素を添加することによって製造される薄い鋼板である。固定子鉄心11は、回転子20の外側に配置されている。固定子鉄心11の内周部分には、軸方向に沿って延びる複数の固定子スロット15が周方向に等間隔で配置されている。固定子スロット15内には、上述した固定子コイル13が配置されている。
固定子コイル13は、固定子鉄心11の軸方向両端から軸方向外側に向かってオーバーハングするように設けられている。このような固定子コイル13には、例えば、架線からパンタグラフ(何れも不図示)を介して供給された直流電力が、交流電力に変換されて供給される。
固定子鉄心11の軸方向両端には、それぞれ固定子鉄心押え7が設けられている。固定子鉄心押え7は、固定子鉄心11を構成する積層された複数の磁性鋼板6が分離しないように、複数の磁性鋼板6を軸方向両側から押さえて保持する。固定子鉄心押え7は、鉄等の金属により略円環状に形成され、その外径は、固定子鉄心11の外径よりも大きく設定されている。また、固定子鉄心押え7の内径は、この固定子鉄心押え7と固定子コイル13とが接触しない程度の大きさに設定されている。これら固定子鉄心11と固定子鉄心押え7は、溶接等により一体化されている。
ケーシング40は、固定子10の軸方向両側に配置された筒状の一対の鏡蓋42a、42bと、鏡蓋42a、42bの外周縁に設けられた外フランジ部43a、43bと、鏡蓋42a、42bのそれぞれに一体化された一対のベアリング41a、41bと、により構成されている。外フランジ部43a、43bは、鏡蓋42a、42bの径方向外側に設けられており、ベアリング41a、41bは、鏡蓋42a、42bの径方向内側に設けられている。
外フランジ部43a、43bの一端の径は、固定子鉄心押え7の外径とほぼ同一になるように設定されている。これにより、固定子鉄心押え7と鏡蓋42a、42bの外フランジ部43a、43bとが軸方向で重なり合う。そして、固定子鉄心押え7と外フランジ部43a、43bとが、不図示のボルト等により締結固定される。これにより、鏡蓋42a、42bに固定子10が支持される。
鏡蓋42a、42bの底部には、ベアリング41a、41bが設けられている。ベアリング41a、41bは、それぞれ対応する鏡蓋42a、42bと一体化されている。ケーシング40は、例えば、鉄道車両の床下(何れも不図示)に、固定され、回転軸23は、ベアリング41a、41bに回転自在に支持されている。これにより、回転子20は、固定子10に対して中心軸Cを中心に回転することができる。
ここで、外フランジ部43a、43bには、通気口45、46が設けられている。電動機1は、矢印Aで示すように、通気口45から空気を取り入れて、固定子10および回転子20を通過した空気を通気口46から排気する。これにより、固定子10および回転子20で発生する熱を除去し、電動機1を冷却することができる。
回転子20は、回転子鉄心21と、回転軸23と、を備えている。
回転子20は、中心軸Cを中心に回転可能に支持された回転軸23を有している。回転軸23には、略円柱状の回転子鉄心21が外嵌固定されている。鉄心21の外径は、回転子鉄心21の外周面21aと固定子鉄心11の内周面11aとの間に微小隙間が形成されるように設定される。
回転子鉄心21も複数の磁性鋼板26を軸方向に沿って積層して構成されている。磁性鋼板26は、例えば、約0.3mm〜0.5mmの厚みを有する鉄板である。同一形状を有する磁性鋼板26を数100枚積層することによって、例えば、約200mmの軸方向の幅を有する回転子鉄心21が構成される。回転子鉄心21の径方向中央には、貫通孔が設けられている。回転軸23は、軸方向全体に渡ってこの貫通孔を貫通しており、回転子鉄心21と一体となって中心軸Cを中心に回転する。なお、回転子鉄心21に回転軸23を挿入する場合、圧入や接着剤等で回転子鉄心21と回転軸23とを一体化させる。
回転子鉄心21の軸方向両端には、略円板状の回転子鉄心押え39a、39bが設けられている。回転子鉄心押え39a、39bも鉄等の金属により形成されており、径方向中央に、貫通孔が形成されている。回転軸23は、軸方向全体に渡って貫通孔を貫通しており、回転子鉄心21とともに一体となって中心軸Cを中心に回転する。回転子鉄心押え39a、39bは、回転子鉄心21を構成する積層された磁性鋼板26が分離しないように、且つ、回転軸23に対して軸方向にずれないように、磁性鋼板26を積層方向の両端から押さえている。
図2は、固定子鉄心11および回転子鉄心21の上半分の構成例を示す半断面図である。図2は、中心軸Cに対する垂直方向における固定子鉄心11および回転子鉄心21の断面を示している。
回転子20は、回転子鉄心21と、複数の導体バー35とを備えている。回転子鉄心21は、回転軸23に固定されており、回転軸23とともに回転可能になっている。回転子鉄心21の外縁部には、複数の回転子スロット33が周方向に沿って配置されている。各回転子スロット33は、軸方向(図2の紙面垂直方向)へ延びている。複数の回転子スロット33は、中心軸Cからほぼ等しい距離に設けられ、周方向にほぼ等間隔に配置されている。各回転子スロット33内には、導体バー35が挿入されている。
導体バー35の両端部は、軸方向において、回転子鉄心21の両端から突出しており、図1に示す環状のエンドリング37により一体に接続されている。これにより、複数の導体バー35は、エンドリング37を介して電気的に短絡されている。導体バー35およびエンドリング37には、例えば、アルミニウムや銅等の導電体で且つ非磁性体の材料が用いられる。
複数の磁性鋼板26のそれぞれは、支持部27と、ヨーク25と、スポーク29とを含む。支持部27は、回転軸23の周囲に設けられ、回転軸23に固定された環状部分である。支持部27は、回転軸23と同軸に配置される。ヨーク25は、支持部27の周囲に設けられ、複数の回転子スロット33内に挿入された複数の導体バー35を支持する環状部分である。スポーク29は、支持部27とヨーク25との間を接続し、ヨーク25を支持するとともに、回転子鉄心21の周方向に沿って互いに離間して配置されている。
スポーク29は、軸方向から見て、径方向に一定の幅Wだけ延びているとともに、径方向両端部においてヨーク25の内周面および支持部27の外周面と滑らかに接続している。また、複数のスポーク29は、周方向に沿ってほぼ等間隔で互いに離間して配置されている。周方向に隣接する複数のスポーク29間には、開口31が設けられる。
以下、隣り合うスポーク29の間の開口31について詳述する。
複数の開口31は、それぞれ略同一形状に形成されている。開口31の軸方向から見た断面形状は、弧状部31a,31bと、直状部31c,31dと、隅アール部31e,31e,31f,31fと、により囲まれた形状となっている。弧状部31aは、ヨーク25の内周縁であって、円弧状に形成されている。弧状部31bは、支持部27の外周縁であって、円弧状に形成されている。弧状部31bは、弧状部31aよりも径方向の内側において、周方向における略平行な位置に設けられている。直状部31c,31dは、それぞれ弧状部31a,31bの端部同士を接続するように直線状に延びている。
隅アール部31eは、弧状部31aと直状部31c,31dとが接続される隅部に設けられている。隅アール部31eは、円弧状に成形され、弧状部31aと直状部31c,31dとを滑らかに接続している。
隅アール部31fは、弧状部31bと直状部31c,31dとが接続される隅部に設けられている。隅アール部31fは、円弧状に成形され、弧状部31bと直状部31c,31dとを滑らかに接続している。
回転子鉄心21は、上述のとおり、図1に示す回転子鉄心押え39a、39bにより、軸方向両端部より挟み込まれている。電動機1を冷却するために、外部のブロワなどにより冷却風が電動機内部に送られる。冷却風は、図1の通気口45から進入し、電動機1内部において、固定子10の外側に設けられた外周ダクト17、固定子鉄心11と回転子鉄心21の間の空隙、および、回転子鉄心21内の開口31を通って通気口46から外部に排出される。
ここで、回転子20の冷却や軽量化のために、回転子鉄心21の開口31(即ち、磁性鋼板26の開口31)を大きくすると、開口31を流れる風量が多くなり、一方、固定子10を流れる風量が低下する。この場合、固定子10の冷却性能が低下してしまう。
回転子20に流れる風量を制限するために、冷却風の上流側にある回転子鉄心押え39aの開口の面積を小さくすることが考えられる。しかし、この場合、回転子鉄心押え39aの重量が重くなり、固定子10の軽量化に反してしまう。
そこで、本実施形態によれば、複数の開口31は、積層された複数の磁性鋼板26において回転子鉄心21の周方向にずらされている。例えば、図3は、本実施形態による回転子鉄心21を軸方向(複数の磁性鋼板26の積層方向)から見た図である。図3に示すように、積層されている複数の磁性鋼板26は、回転子鉄心21の周方向D1またはD2にずらされている。例えば、図3の最上段に現れている磁性鋼板を26aとし、磁性鋼板26aの直下にある磁性鋼板を26bとし、さらに、磁性鋼板26bの直下にある磁性鋼板を26cとする。このように、図3の最上段から磁性鋼板26a、26b、26c、26d、26eとすると、複数の磁性鋼板26a、26b、26c、26d、26eは、周方向D1にずらされている。尚、磁性鋼板26の周方向のずらし量(幅)は、周方向に配列する回転子スロット33の配列ピッチPsの正整数倍である。即ち、隣接する回転子スロット33の間隔と1つの回転子スロット33の幅との和(Ps)の整数倍である。これにより、回転子スロット33が軸方向に揃うので、導体バー35を回転子スロット33内に容易に挿入することができる。
このように、複数の磁性鋼板26を周方向にずらすことによって、複数の磁性鋼板26の開口31の面積自体はいずれも小さくしていないものの、軸方向から見たときに見える開口31内の共通の空隙の面積は小さくなっている。従って、本実施形態によれば、回転子鉄心21内を流れる冷却風を制限することができる。冷却風の風量は、複数の磁性鋼板26のずらし量によって調節することができる。
図4は、第1実施形態による回転子鉄心21のずらし量およびずらし方向を示す概念的な斜視図である。回転子鉄心21は、例えば、同一形状を有する磁性鋼板26a〜26hを軸方向に積層して構成されている。マーカMa〜Mhは、磁性鋼板26a〜26hにおける周方向の同一位置を概念的に示している。従って、マーカMa〜Mhが周方向D1またはD2にずれておらず、軸方向に一直線に並んでいる場合、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31が周方向D1またはD2に揃っていることを示す。一方、マーカMa〜Mhが周方向D1またはD2にずれている場合には、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31が周方向D1またはD2にずれていることを示す。
ここで、もし、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31が周方向に一直線に揃っている場合には、回転子鉄心21を軸方向から見たときに、磁性鋼板26a〜26hの開口31は、回転子鉄心21の一端から他端へ全体として突き抜けており、開口31内において冷却風を遮るものはない。この場合、開口31を流れる風量が多くなり、一方、固定子10を流れる風量が低下する。従って、固定子10の冷却性能が低下してしまう。
一方、第1実施形態による回転子鉄心21では、図4に示すように、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31は、周方向D1またはD2にずれている。従って、回転子鉄心21を軸方向から見たときに、図3に示すように、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29が、周方向に次第にずれており、開口31内において冷却風を或る程度遮ることができる。これにより、磁性鋼板26a〜26hの開口31の一部分が、スポーク29によって遮られかつ塞がれる。磁性鋼板26a〜26hの開口31の他の部分は、回転子鉄心21の一端から他端へ突き抜けることになる。このように、開口31内において冷却風を或る程度遮ることによって、回転子20を流れる冷却風の風量が抑制され、固定子10へ流れる冷却風の風量を増大させることができる。磁性鋼板26a〜26hのずらし方およびずらし量によって、回転子20を流れる冷却風の風量と固定子10へ流れる冷却風の風量とのバランスは調整され得る。
図4に示すように、本実施形態では、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31のずれ方向は、磁性鋼板26a〜26hの積層方向(即ち、軸方向)における回転子鉄心21のほぼ中心Midで切り替わっており、略V形状にずらされている。
また、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31のずれは、回転子鉄心21のほぼ中心Midを境としてほぼ対称となっている。即ち、マーカMa〜Mhは、中心軸Cに対して垂直かつ中心Midを通る面を境に面対称となっている。例えば、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21の一端E1から該回転子鉄心21のほぼ中心Midまで回転子鉄心21の周方向のD1方向(第1方向)にずらされている。よって、磁性鋼板26a〜26hのうち磁性鋼板26a〜26dの開口31は、D1方向に次第にずらされて配置されている。一方、回転子鉄心21の開口31は、回転子鉄心21のほぼ中心Midから回転子鉄心21の他端E2までD1とは反対のD2方向(第2方向)にずれされている。よって、磁性鋼板26a〜26hのうち磁性鋼板26e〜26hの開口31は、D2方向に次第にずらされて配置されている。このように、磁性鋼板26a〜26hを周方向にずらすことによって、マーカMaからMhはV形状に見える。即ち、磁性鋼板26a〜26hの開口31のずれは、磁性鋼板26a〜26hの径方向から見たときに、V形状(Vスキュー)となっている。
このように、磁性鋼板26a〜26hの開口31のずれが回転子鉄心21のほぼ中心Midを境として切り替わっていることによって、回転子20を流れる冷却風の風量を調整することができるとともに、回転子20がD1、D2方向のいずれの方向に回転しても、回転子20を流れる冷却風の風量が略等しくなる。その結果、回転子20の回転方向に依らず、固定子10および回転子20の冷却性能を安定させることができる。
磁性鋼板26a〜26hのずらし量は、導体バー35を回転子スロット33内に挿入するために、ピッチPsの整数倍であることが好ましい。これにより、磁性鋼板26a〜26hの回転子スロット33は、軸方向へ略直線状に並ぶ。従って、磁性鋼板26a〜26hを周方向にずらしても、導体バー35の形状あるいは回転子スロット33の形状または位置を変更することなく、導体バー35を回転子スロット33内へ容易に挿入することができる。
本実施形態において、磁性鋼板26a〜26hは、それぞれ1枚の磁性鋼板であってもよい。しかし、磁性鋼板26a〜26hは、それぞれ複数枚の磁性鋼板を積層した積層体であってもよい。即ち、磁性鋼板26は、1枚ごとに周方向にずらしてもよく、複数枚ごとに周方向にずらしてもよい。実際には、磁性鋼板26は、0.3mm〜0.5mmと非常に薄いので、複数枚ずつずらすことが好ましい。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態による回転子鉄心21のずらし量およびずらし方向を示す概念的な斜視図である。回転子鉄心21は、例えば、同一形状を有する磁性鋼板26a〜26iを軸方向に積層して構成されている。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。
図5は、第2実施形態による回転子鉄心21のずらし量およびずらし方向を示す概念的な斜視図である。回転子鉄心21は、例えば、同一形状を有する磁性鋼板26a〜26iを軸方向に積層して構成されている。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。
ここで、第2実施形態の回転子鉄心21は、磁性鋼板26a〜26iのスポーク29および開口31のずれ方向が磁性鋼板26a〜26iの積層方向(即ち、軸方向)における回転子鉄心21のほぼ中心Midで切り替わっている点で、第1実施形態の回転子鉄心21と同様である。しかし、第2実施形態では、磁性鋼板26a〜26iのスポーク29および開口31は、周方向に略W形状にずらされている。
また、磁性鋼板26a〜26iのスポーク29および開口31のずれは、回転子鉄心21のほぼ中心Midを境としてほぼ対称となっている点で、第1実施形態の回転子鉄心21と同様である。即ち、マーカMa〜Miは、中心軸Cに対して垂直かつ中心Midを通る面を境に面対称となっている。
例えば、第2実施形態では、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21の一端E1から回転子鉄心21のほぼ1/4の位置までD1方向にずらされており、回転子鉄心21のほぼ1/4の位置からほぼ中心MidまでD2方向にずれされている。即ち、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21の一端E1から該回転子鉄心21のほぼ中心MidまでにV形状(Vスキュー)を有する。
さらに、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21のほぼ中心Midから回転子鉄心21のほぼ3/4の位置までD1方向にずらされており、回転子鉄心21のほぼ3/4の位置から他端E2までD2方向にずれされている。即ち、回転子鉄心21の開口31は、回転子鉄心21のほぼ中心Midから回転子鉄心21の他端E2までに同様にV形状(Vスキュー)を有する。このように、磁性鋼板26a〜26iを周方向にずらすことによって、マーカMaからMiはW形状に見える。即ち、磁性鋼板26a〜26iの開口31のずれは、磁性鋼板26a〜26iの径方向から見たときに、W形状(Wスキュー)となっている。
このように、磁性鋼板26a〜26iの開口31のずれが、Wスキューであっても、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1実施形態と同様に、磁性鋼板26a〜26iのずらし量は、導体バー35を回転子スロット33内に挿入するために、ピッチPsの整数倍であることが好ましい。さらに、第1実施形態と同様に、磁性鋼板26a〜26iは、それぞれ1枚の磁性鋼板であってもよく、複数枚の磁性鋼板を積層した積層体であってもよい。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態による回転子鉄心21のずらし量およびずらし方向を示す概念的な斜視図である。
図6は、第3実施形態による回転子鉄心21のずらし量およびずらし方向を示す概念的な斜視図である。
第3実施形態の回転子鉄心21は、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31のずれ方向が磁性鋼板26a〜26hの積層方向(即ち、軸方向)における回転子鉄心21のほぼ中心Midで切り替わっている点で、第1実施形態の回転子鉄心21と同様である。しかし、第3実施形態では、磁性鋼板26a〜26hのスポーク29および開口31のずれは、回転子鉄心21のほぼ中心Midを境としてほぼ点対称となっている。例えば、第3実施形態では、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21の一端E1から回転子鉄心21の中心Midまで磁性鋼板ごとにD1、D2方向に交互にずれている。即ち、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21の一端E1から該回転子鉄心21のほぼ中心Midまで周方向にジグザグ状にずらされている。
さらに、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21のほぼ中心Midから回転子鉄心21の他端E2まで磁性鋼板ごとにD1、D2方向に交互にずれている。即ち、回転子鉄心21の開口31は、軸方向における回転子鉄心21のほぼ中心Midから該まで周方向にジグザグ状にずらされている。回転子鉄心21のほぼ中心Midから他端E2まで同様に周方向にジグザグ状にずらされている。
このように、磁性鋼板26a〜26hを周方向にずらすことによって、マーカMaからMhはジグザグ状にずらされているように見える。
このように、磁性鋼板26a〜26hの開口31のずれが、ジグザグ状であっても、第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1実施形態と同様に、磁性鋼板26a〜26hのずらし量は、導体バー35を回転子スロット33内に挿入するために、ピッチPsの整数倍であることが好ましい。さらに、第1実施形態と同様に、磁性鋼板26a〜26hは、それぞれ1枚の磁性鋼板であってもよく、複数枚の磁性鋼板を積層した積層体であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…かご形誘導電動機、10…固定子、11…固定子鉄心、13…固定子コイル、15…固定子スロット、17…外周ダクト、20…回転子、21…回転子鉄心、23…回転軸、25…ヨーク、27…支持部、29…スポーク、31…開口、33…回転子スロット、35…導体バー、37…エンドリング、39a、39b…回転子鉄心押え、40…ケーシング、41…ベアリング、42a、42b…鏡蓋、43a、43b…外フランジ部、C…中心軸
Claims (6)
- 磁界を生成する固定子と、該固定子からの磁界によって駆動される回転子とを備えた誘導電動機であって、
前記回転子は、
回転軸に設けられ、複数の鉄板を積層して構成された鉄心と、
前記複数の鉄板を、それらの積層方向の両端から押さえる複数の鉄心押さえと、
前記鉄心に設けられた複数のスロット内に挿入された複数の導体バーと、を備え、
前記複数の鉄板のそれぞれは、前記回転軸に固定された支持部と、前記支持部の周囲に設けられ、前記複数のスロットを有し前記複数の導体バーを支持する環状のヨーク部と、前記鉄心の周方向に沿って離間して配置され、前記支持部と前記ヨーク部との間を接続する複数のスポークとを有し、
前記複数のスポーク間にある開口は、積層された前記複数の鉄板間において前記鉄心の周方向にずらされており、
前記複数の鉄板の開口のずれ方向は、前記複数の鉄板の積層方向における前記鉄心のほぼ中心で切り替わっている、誘導電動機。 - 前記複数の鉄板の開口のずれは、前記複数の鉄板の積層方向における前記鉄心のほぼ中心を境としてほぼ対称となっている、請求項1に記載の誘導電動機。
- 前記複数の鉄板の開口のずれは、前記複数のスロットの配列ピッチの正整数倍である、請求項1または請求項2に記載の誘導電動機。
- 前記鉄心の開口は、前記積層方向における前記鉄心の一端から該鉄心のほぼ中心まで該鉄心の周方向の第1方向にずらされており、該鉄心のほぼ中心から前記鉄心の他端まで前記第1方向とは反対の第2方向にずれされている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の誘導電動機。
- 前記複数の鉄板の開口は、前記積層方向における前記鉄心の一端から該鉄心のほぼ1/4の位置まで該鉄心の周方向の第1方向にずらされており、該鉄心のほぼ1/4の位置から該鉄心のほぼ中心まで前記第1方向とは反対の第2方向にずれされており、さらに、前記積層方向における前記鉄心のほぼ中心から該鉄心のほぼ3/4の位置まで前記第1方向にずらされており、該鉄心のほぼ3/4の位置から該鉄心の他端まで前記第2方向にずれされている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の誘導電動機。
- 前記複数の鉄板の開口のずれは、前記鉄心の径方向から見たときに、前記積層方向の中心点に対してほぼ点対称となっている、請求項1に記載の誘導電動機。
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JP (1) | JP2019115104A (ja) |
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2017
- 2017-12-21 JP JP2017244992A patent/JP2019115104A/ja active Pending
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