JP2019114919A - 撮像装置、撮像方法、およびプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

撮像装置、撮像方法、およびプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】画質が劣化することなく、かつ短時間で深度合成処理ができる撮像装置、撮像方法、およびプログラムを記録した記録媒体を提供する。【解決手段】焦点位置の異なる複数の画像P1〜P10を合成して合成画像を生成する複数の画像処理回路を有する画像処理部と、複数の画像処理回路に焦点位置の異なる複数の画像P1〜P10を分配する割当てを設定する設定部を有し、この設定部は、焦点位置の異なる複数の画像P1〜P10のうち少なくとも1つの焦点位置の画像P3を複数分配画像とし複数の画像処理回路に分配し、複数分配画像以外の画像(P1〜P2、P4〜P10)は複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当てを設定する。【選択図】 図6

Description

本発明は、フォーカスレンズのフォーカス位置を変更しながら、複数の画像データを取得し、この複数の画像データを合成する撮像装置、撮像方法、およびプログラムを記録した記録媒体に関する。
全ての焦点位置においてピントの合った写真を撮影することは困難である。そこで、撮影によって画像データを取得した後に、焦点位置を移動させて再度撮影を行って画像データを取得し、これを繰り返すことにより、複数の画像データを取得することができる。そして、この複数の画像データを合成することにより、広範囲の被写体距離についてピントの合った画像データを合成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、この合成処理を、深度合成処理と称する。
深度合成処理を行う場合、画像データの数が多くなると、合成処理に時間がかかってしまう。そこで、画像データを分割し、分割した領域ごとに画像処理を並行して行うことにより、処理時間を短縮することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−271240号公報 特開2014−123846号公報
前述したように分割した領域ごとに画像処理を並行して行うことにより、処理時間を短縮することができる。また、複数の画像データを画像群に分割し、画像群ごとに画像処理を並行して行うようにしても、処理時間を短縮することができる。しかし、単純に複数の画像データを画像群に分割するだけでは、各画像群に共通の画像がないことから、位置合わせが不正確であり、そのため最終的に生成される深度合成画像の質が低下してしまう。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、画質が劣化することなく、かつ短時間で深度合成処理ができる撮像装置、撮像方法、およびプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る撮像装置は、焦点位置の異なる複数の画像を取得する撮像部と、上記焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成する複数の画像処理回路を有する画像処理部と、上記複数の画像処理回路に上記焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定する設定部を有し、上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像とし上記複数の画像処理回路に分配し、上記複数分配画像以外の画像は上記複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当てを設定する。
第2の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像の中から合成の基準とする第1の合成基準画像を設定し、上記第1の合成基準画像が分配されていない画像処理回路に分配された上記焦点位置の異なる複数の画像のうち上記第1の合成基準画像に最も近い焦点位置の画像と上記第1の合成基準画像との焦点位置の間隔に応じて、上記複数分配画像を選択する。
第3の発明に係る撮像装置は、上記第2の発明において、上記設定部は、上記焦点位置の間隔が所定の間隔よりも広ければ、上記第1の合成基準画像以外の画像を上記複数分配画像に選択し、一方、上記焦点位置の間隔が所定の間隔よりも狭ければ、上記第1の合成基準画像を上記複数分配画像に選択する。
第4の発明に係る撮像装置は、上記第3の発明において、上記設定部は上記複数分配画像を第2の合成基準画像と設定し、上記画像処理回路各々で上記第1の合成基準画像または上記第2の合成基準画像のいずれを合成基準画像にするかを設定し、上記画像処理回路は、分配された画像のうち上記設定部により設定された上記合成基準画像に焦点位置の近い画像から順に合成する。
第5の発明に係る撮像装置は、上記第3の発明において、上記焦点位置の異なる複数の画像の高周波成分を検出する高周波成分検出部をさらに有し、上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの高周波成分と閾値とを比較した結果に基づいて上記複数分配画像を選択する。
第6の発明に係る撮像装置は、上記第5の発明において、上記閾値は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの高周波成分の平均値に基づく。
第7の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔に応じて上記複数の画像処理回路のいずれかに分配する画像の割当てを変更する。
第8の発明に係る撮像装置は、上記第7の発明において、上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔と所定値を比較して所定値よりも広い場合には至近側と無限側とで分割し、一方、上記間隔が上記所定値よりも狭い場合には、それぞれの焦点位置に応じて順番に分配する。
第9の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記合成画像を記録するための記録媒体と、上記合成画像を表示するための表示部をさらに有し、上記設定部は、上記合成画像を記録媒体に記録する場合に上記複数分配画像を上記複数の画像処理回路に分配し、上記合成画像を上記記録媒体に記録せず上記表示部に表示する場合には上記複数分配画像を上記画像処理回路のいずれかに分配するように割当てを設定する。
第10の発明に係る撮像方法は、焦点位置の異なる複数の画像を取得し、複数の画像処理回路に上記焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定し、上記複数の画像の分配にあたっては、上記焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像とし上記複数の画像処理回路に分配し、上記複数分配画像以外の画像は上記複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当て、上記複数の画像処理回路のそれぞれにおいて、上記焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成する。
第11の発明に係る記録媒体は、撮像装置内のコンピュータに、焦点位置の異なる複数の画像を取得し、複数の画像処理回路に上記焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定し、上記複数の画像の分配にあたっては、上記焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像とし上記複数の画像処理回路に分配し、上記複数分配画像以外の画像は上記複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当て、上記複数の画像処理回路のそれぞれにおいて、割り当てられた上記焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成する、ことを実現させるためのプログラムを記録する。
本発明によれば、画質が劣化することなく、かつ短時間で深度合成処理ができる撮像装置、撮像方法、およびプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るカメラの深度合成処理に係るメインフローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、画像入力と画像の分割の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、分割した画像の合成処理の手順を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、処理時間の比較を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、画像の分割の他の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、画像入力と画像の分割の他の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、画像の分割の更に他の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラの画像分配設定の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態としてデジタルカメラ(以下、「カメラ」と称す)に適用した例について説明する。このカメラは、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
また、深度合成モードが設定されている場合には、異なる焦点位置でそれぞれ画像データを取得し、この複数の画像データを少なくとも2つの画像群に分け、各画像群で深度合成処理を行った後、この深度合成された複数の画像を更に深度合成することにより、最終的な深度合成画像を生成する。本実施形態においては、画像データの画像群への分配にあたっては、1つの基準画像をそれぞれの画像群に含まれるようにする。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、カメラ本体100と、これに脱着できるような交換式レンズ200とから構成される。なお、本実施形態においては、撮影レンズは交換レンズ式としたが、これに限らず、カメラ本体に撮影レンズが固定されるタイプのデジタルカメラであっても勿論かまわない。
交換式レンズ200は、撮影レンズ201、絞り203、ドライバ205、マイクロコンピュータ207を有しており、後述するカメラ本体100との間にインターフェース(以後、I/Fと称す)199を有する。
撮影レンズ201は、被写体像を形成するための複数の光学レンズ(ピント調節用のフォーカスレンズ(合焦用レンズ)を含む)から構成され、単焦点レンズまたはズームレンズである。この撮影レンズ201の光軸の後方には、絞り203が配置されている。この絞り203は開口径が可変であり、撮影レンズ201を通過した被写体光束の光量を制御する。
また、撮影レンズ201はドライバ205によって光軸方向に移動できるようになっている。マイクロコンピュータ207からの制御信号に基づいて、ドライバ205は撮影レンズ201内のフォーカスレンズを移動させることができ、これにより焦点位置(フォーカス位置)を制御し、またズームレンズの場合には、焦点距離も制御される。また、ドライバ205は、絞り203の開口径の制御も行う。ドライバ205は、撮影レンズ201の駆動用回路と、絞り203の駆動用回路を有する。
ドライバ205に接続されたマイクロコンピュータ207は、I/F199に接続されている。マイクロコンピュータ207は、フラッシュメモリに記憶されているプログラムに従って動作し、後述するカメラ本体100内のマイクロコンピュータ131と通信を行い、マイクロコンピュータ131からの制御信号に基づいて交換式レンズ200の制御を行う。深度合成モードが設定されている場合には、マイクロコンピュータ207は、無限遠側の所定焦点位置と、至近側の所定焦点位置の間で、順次焦点位置を移動させる。
マイクロコンピュータ207は、フォーカスレンズのフォーカス位置をフォーカス位置検出部(不図示)から取得し、またズームレンズのズーム位置をズーム位置検出部(不図示)から取得する。この取得したフォーカス位置やズーム位置を、カメラ本体100内のマイクロコンピュータ131に送信する。
カメラ本体100内であって、撮影レンズ201の光軸上には、メカニカルシャッタ101が配置されている。このメカニカルシャッタ101は、被写体光束の通過時間を制御し、例えば、公知のフォーカルプレーンシャッタ等が採用される。このメカニカルシャッタ101の後方であって、撮影レンズ201によって被写体像が形成される位置には、撮像素子103が配置されている。
撮像素子103は、各画素を構成するフォトダイオードが二次元的にマトリックス状に配置されており、各フォトダイオードは受光量に応じた光電変換電流を発生し、この光電変換電流は各フォトダイオードに接続するキャパシタによって電荷蓄積される。各画素の前面には、ベイヤ―配列のRGBフィルタが配置されている。また、撮像素子103は電子シャッタを有している。電子シャッタは、撮像素子103の電荷蓄積から電荷読出までの時間を制御することにより露光時間の制御を行う。なお、撮像素子103はベイヤ配列に限定されず、例えばFoveon(登録商標)のような積層形式でも勿論かまわない。撮像素子103は、被写体を撮像して画像を取得する撮像部として機能する。また、撮像素子103は、深度合成モードが設定されている際には、フォーカスレンズが順次移動し、この移動した焦点位置で撮像を行い、画像信号を出力する。すなわち、撮像素子103は、焦点位置の異なる複数の画像を取得する撮像部として機能する。
撮像素子103はアナログ処理部105に接続されており、このアナログ処理部105は、アナログ処理回路を有し、撮像素子103から読み出した光電変換信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに適切な信号レベルになるようにゲインアップを行う。
アナログ処理部105はA/D変換部107に接続されている。このA/D変換部107は、A/D変換回路を有し、アナログ画像信号をアナログ―デジタル変換し、デジタル画像信号(以後、画像データという)をバス110に出力する。
バス110は、カメラ本体100の内部で読み出され若しくは生成された各種データをカメラ本体100の内部に転送するための転送路である。バス110には、前述のA/D変換部107の他、高周波成分検出部111、画像処理部113、マイクロコンピュータ131、フラッシュメモリ135、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)137、記録媒体139、表示部141が接続されている。
高周波成分検出部111は、高周波成分検出回路を有してもよく、例えば、特開2016−32265号公報に開示のエッジ検出用のフィルタ処理を施すようにしてもよい。高周波成分検出部111は、A/D変換部107から出力された画像データを入力し、画像データ中の高周波成分を検出する(後述する図9のS29参照)。高周波成分の検出は、例えば、画像のエッジ成分を抽出し、エッジ成分の画素値を高周波成分値とすればよい。また、後述するように、基準画像として高周波成分が少ない画像を除く場合には、複数の画像の高周波成分の平均値を算出し、複数分配画像判断用の閾値としてもよい(図9のS27、S29参照)。高周波成分検出部111は、焦点位置の異なる複数の画像の高周波成分を検出する高周波成分検出部として機能する。
画像処理部113は、複数の画像処理回路を有している。図1に示す例では、2つの画像処理回路A113aおよび画像処理回路B113bを有しているが、3つ以上の画像処理回路を有していてもよい。各画像処理回路113a、113bは、一般的なRaw画像をYC画像に変換するための画像変換回路や、複数枚の画像を合成処理(例えば、深度合成処理)するための画像合成回路等を有する。画像処理回路は全く同一のものでも良いし、一部の処理の有無に違いある等の差があっても構わない。また、画像処理部113内で画像処理回路A113a、および画像処理回路B113b間の画像データのやりとりができるようにしてもよい。画像処理部113は、焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成する複数の画像処理回路を有する画像処理部として機能する。
画像処理部113の画像処理回路は、深度合成モードが設定されている場合には、焦点位置の異なる複数の画像を合成することで、通常の単枚画像よりも被写界深度の深い画像を生成することができる。具体的には、画像合処理路は、複数のフォーカス位置で撮影した複数の画像データに対し、位置合わせを行い、画像の先鋭度(コントラスト)の高い領域を抽出し、先鋭度が高い領域を合成することで、単写よりも深い被写界深度の画像データを生成する。
マイクロコンピュータ131は、CPU(Central Processing Unit)、その周辺回路、およびメモリ等を有する。マイクロコンピュータは、このカメラ全体の制御部(コントローラ)としての機能を果たし、フラッシュメモリ135に記憶されているプログラムに従って、カメラの各種シーケンスを総括的に制御する。マイクロコンピュータ131には、前述のI/F199以外にも操作部が接続されている。
また、マイクロコンピュータ131は、設定部133を有し、この設定部133は、本実施形態においては、フラッシュメモリ135に記憶されているプログラムによって実行される。なお、設定部133の機能は、周辺回路によって実現されるようにしてもよい。
設定部133は、撮像素子103から出力された複数枚の画像データを、複数の画像処理回路113a、113bのいずれに分配するかを設定する。この分配は、複数の画像の撮影条件に応じて決定する。画像としては、いずれかの1つの画像処理回路に分配されるものと、複数の画像処理回路に分配されるものがある。例えば、後述する図3においては、基準画像(P5)は、画像処理回路A、Bの両方に分配される(複数の画像処理回路に分配されることから、「複数分配画像」ともいう)が、他の画像P1〜P4、P6〜P10は、画像処理回路A、Bのいずれか一方に分配される。また、深度合成時の基準画像とする画像もここで設定する(例えば、図3の基準画像P5参照)。
設定部133は、複数の画像処理回路に焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定する設定部として機能する。この設定部は、焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像(例えば、図3の画像P5、図6(a)の画像P3)とし複数の画像処理回路(例えば、図4及び図6(a)の画像処理回路A及び画像処理回路B)に分配し、複数分配画像以外の画像(例えば、図3の画像P1〜P4、P6〜P10、図6(a)の画像P1〜P2、P4〜P5、画像P6〜P10)は複数の画像処理回路のいずれか(例えば、画像処理回路Aまたは画像処理回路B)に分配するように割当てを設定する。画像処理回路A、Bには、共通の複数分配画像が配分され、この共通の複数分配画像を基準に合成画像を生成することができる。共通画像を基準に画像合成することから、画質の劣化を防止することができる。
また、上述の設定部は、焦点位置の異なる複数の画像の中から合成の基準とする第1の合成基準画像(例えば、図6(a)の画像P1)を設定し、第1の合成基準画像が分配されていない画像処理回路(例えば、図6(a)の画像処理回路B)に分配された焦点位置の異なる複数の画像のうち第1の合成基準画像に最も近い焦点位置の画像(例えば、図6(a)の画像P6)と第1の合成基準画像との焦点位置の間隔に応じて、複数分配画像を選択する。すなわち、画像合成の際に基準とする複数分配画像は、複数の画像処理回路間での、焦点位置の間隔に応じて決定している。
また、上述の設定部は、焦点位置の間隔が所定の間隔(例えば、図6(a)の所定距離L1)よりも広ければ(例えば、図6(a)参照)、第1の合成基準画像(例えば、図6(a)の画像P1)以外の画像(例えば、図6(a)の画像P3)を複数分配画像に選択し、一方、焦点位置の間隔が所定の間隔よりも狭ければ(例えば、図6(b)参照)、第1の合成基準画像を複数分配画像に選択する。すなわち、画像合成の際に基準とする複数分配画像は、複数の画像処理回路間での、焦点位置の間隔が狭い場合には、第1の合成基準画像を複数分配画像と決定し、一方広い場合には、所定の条件を満たす画像を複数分配画像と決定する。このため、合成画像を生成する際に適切な基準画像を設定することができ、合成画像の画質の劣化を防止することができる。
また、上述の設定部は、第1の合成基準画像(図8の例では画像P6)を設定することに加えて、複数分配画像を第2の合成基準画像(図8の例では画像P8)と設定し、画像処理回路各々で第1の合成基準画像または第2の合成基準画像のいずれを合成基準画像にするかを設定し(図8の例では、画像処理回路Aでは画像P6、画像処理回路Bでは画像P6、画像処理回路Cでは画像P8)、画像処理回路は、分配された画像のうち設定部により設定された合成基準画像に焦点位置の近い画像から順に合成する。第1の合成基準画像に加えて、第2の合成基準画像を設定し、画像処理回路に合成画像の生成の際に基準となる画像を分配するようにしているので、3以上の画像群に分割する場合であっても、適切な基準画像の設定を行うことができる。
上述の設定部は、焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの高周波成分と閾値とを比較した結果に基づいて複数分配画像を選択する(例えば、図9のS29、S27参照)。例えば、複数の画像処理回路に基準画像として出力する画像(複数分配画像)の高周波成分が少ない場合には、その複数分配画像はピンボケ画像である可能性が高く、画像処理の際の基準画像としては相応しくない。そこで、本実施形態においては、高周波成分が閾値以上の画像を複数分配画像となるように選択し直している。
なお、上述の閾値は、焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの高周波成分の平均値に基づくようにしている。焦点位置を順次変えながら、異なる焦点位置でそれぞれ取得した画像データの高周波成分のレベルは、被写体によって異なっている。そのため、閾値を一律に決めることは困難である。そこで、本実施形態においては、閾値を複数の画像のそれぞれの高周波成分の平均値に応じた値としている。
また、上述の設定部は、焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔に応じて複数の画像処理回路のいずれかに分配する画像の割当てを変更する(例えば、図7、図9のS19、S21、S23参照)。予め決められた焦点位置間隔毎に画像合成処理に使用する複数の画像データが取得される。焦点位置間隔が十分離れている場合には、画像の位置合わせが困難になることから、ある程度、焦点位置間隔は近いことが望ましい。一方、各画像合成回路で合成に使用する画像の焦点位置範囲は広い方が、各画像合成回路で合成された画像を用いて、最終画像を生成する場合には精度の高い画像を得ることができる。そこで、本実施形態においては、焦点位置間隔が狭い場合と広い場合で、各画像処理回路で使用する画像の組み合わせが最適となるように変えるようにしている。
また、上述の設定部は、焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔と所定値を比較して所定値よりも広い場合には至近側と無限側とで分割し、一方、間隔が所定値よりも狭い場合には、それぞれの焦点位置に応じて交互に分割する(例えば、図7、図9のS19、S21、S23参照)。前述したように、本実施形態においては、焦点位置間隔が狭い場合と広い場合で、各画像処理回路で使用する画像の組み合わせを変えている。この変更の仕方として、本実施形態においては、焦点位置間隔が狭い場合には、1つの画像処理回路において、なるべく広い焦点位置範囲の画像を処理できるように交互に分割し、一方、焦点位置間隔が広い場合には、画像の位置合わせが容易になるように至近側と無限遠側で、言い換えると、所定の焦点位置(1また2以上)を境にして画像群を分割している。
また、設定部は、合成画像を記録媒体に記録する場合に複数分配画像を複数の画像処理回路に分配し、合成画像を記録媒体に記録せず表示部に表示する場合には複数分配画像を画像処理回路のいずれかに分配するように割当てを設定する(例えば、図9の図13参照)。記録用の合成画像としては各画像処理回路に複数分配画像を分配して精度の高い合成画像を生成することが好ましい。一方、表示用の合成画像は、低精度でも迅速に合成処理が行われることが好ましいので、複数分配画像の分配を行わない。
フラッシュメモリ135は、マイクロコンピュータ131の各種シーケンスを実行するためのプログラムを記憶している。マイクロコンピュータ131はこのプログラムに基づいてカメラ全体の制御を行う。なお、メモリとしては、フラッシュメモリに限らず、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであればよく、また電気的に書き換え不能な不揮発性メモリ(例えば、マスクROM)でもよい。
SDRAM137は、画像データ等の一時記憶用の電気的書き換えできる揮発性メモリである。このSDRAM137は、A/D変換部107から出力された画像データや、画像処理部113等において処理された画像データを一時記憶する。
記録媒体139は、例えば、カメラ本体100に着脱自在なメモリカード等の記録媒体であるが、これに限らず、カメラ本体100に内蔵されたハードディスク等であっても良い。レリーズ釦が全押しされた際に、撮像素子103によって取得された画像データに対して、記録用画像処理が施された画像データを記録する。また、深度合成モードが設定された際に、画像処理部113によって深度合成処理が施された画像データも記録される。記録媒体139は、合成画像を記録するための記録媒体として機能する。
表示部141は、表示パネルを有し、カメラ本体100の背面等に配置され、画像表示を行う。表示パネルとしては、液晶表示パネル(LCD、TFT)、有機EL等、種々の表示パネルを採用できる。また、電子ビューファインダ(EVF)のように、接眼部を通して観察するタイプであってもよい。表示部141には、ライブビュー表示や記録画像の再生表示等が行われる。表示部141は、合成画像を表示するための表示部として機能する。
次に、図2に示すフローチャートを用いて、主に深度合成モードが設定された際のメイン動作を説明する。なお、図2に示すフローチャート(後述する図9に示すフローチャートも同様)は、フラッシュメモリ135に記憶されているプログラムに従ってマイクロコンピュータ131が各部を制御し実行する。このメインフローは、深度合成モードが設定されている場合であって、ライブビュー表示時、またはレリーズ釦が全押しされた際の記録用撮影時に実行される。
図2に示すメインフローがスタートすると、まず、画像取得を行う(S1)。このステップでは、焦点位置の異なる複数枚の画像を撮影し取得する。すなわち、最初の焦点位置において画像データを取得すると、次の焦点位置にフォーカスレンズを移動させ、この焦点位置で、絞り203によって絞り値の制御を行い、またメカシャッタ101または撮像素子103の電子シャッタによって露光時間の制御を行い、撮影を行う。予め決められた焦点位置で撮影し、予め決められた枚数の画像データを取得するまで繰り返す。
複数枚の画像データを取得するための、焦点位置の間隔は、撮影者の設定や、絞り・焦点距離・焦点位置などの撮影条件に応じて変わる。例えば、絞りを絞るほど間隔を広く、焦点距離が短いほど間隔を広く、焦点位置が無限遠に近いほど間隔を広くする。間隔を狭くする条件は、上述の条件と反対の動作をした場合となる。また、撮影者が焦点位置間隔を設定する場合に、レンズ201の許容錯乱円δを基準にして、許容錯乱円δの1倍、3倍、10倍、20倍、望ましくは5倍等、手動で設定するようにしてもよい。
画像を取得すると、次に画像分配設定を行う(S3)。ここでは、設定部133が、ステップS1において取得した複数の画像データを、複数の画像群に分ける。本実施形態においては、複数の画像データを2つの画像群に分け、画像処理回路A113a、画像処理回路B113bのいずれかに分配する。分配にあたっては、例えば、基準画像の画像データは、2つの画像処理回路A、画像処理回路Bの両方に分配し(このときの基準画像は複数分配画像という)、残りの画像は画像処理回路A、Bのいずれか一方に分配する。また、複数の画像データを取得した焦点位置の間隔や高周波成分量に応じて、分配先を変更する。この画像分配の詳細については、図3ないし図9を用いて後述する。
画像分配の設定を行うと、次に画像の分配を行う(S5)。ここでは、各画像処理回路A113a、画像処理回路B113bに、ステップS3において定められた分配先に画像データを分配する。各画像処理回路A、Bのメモリに余裕があれば、画像処理回路に複数の画像データを一度にまとめて送信しても良いし、各画像処理回路で画像を使用するタイミングでSDRAM137に格納されている画像データを送信しても良い。
画像を分配すると、次に画像処理を行う(S7)。ここでは、画像処理部113が、RAW画像をYC画像に変換するための、一般的な画像処理を実施する。例えば、OB減算、ホワイトバランス補正、色変換処理、ガンマ補正、エッジ強調、ノイズリダクションなどを行う。
また、画像処理部113が、複数枚の入力画像データの合成処理も実施する。合成処理として、焦点位置の異なる複数枚の画像から、被写界深度の深い画像を生成する例(深度合成処理)を説明する。被写界深度の深い画像を生成するには、画像間の位置あわせを行い、各画像の高周波成分を抽出して合成すればよい。合成は複数枚の画像うち1枚を合成の基準画像として、基準画像に他の画像を順次合成する。
このように、本実施形態においては、画像合成用に複数の画像データを取得すると(S1参照)、複数の画像処理回路において並行して画像処理を行えるように、複数の画像データを複数の画像群に分け(S3、S5)、各画像処理回路は画像群毎に合成処理を行い、各画像処理回路から出力された画像データを用いて、最終的な合成画像を行うようにしている。このため、1つの画像処理回路で画像処理を行うより、短時間で合成画像を生成することができる。また、画像合成にあたっては、各画像処理回路において、共通の基準画像を用いて合成処理行うため、位置合わせを正確に行うことができ、画質の劣化を防止することができる。
次に、図3を用いて、複数の画像データを2つの画像処理回路A113a、画像処理回路B113bに分配する例について説明する。図3(a)は、フォーカスレンズの焦点位置の異なる複数の画像の一例を示す。図3において、左側が至近、右側を無限遠としている。撮影枚数は10枚で、レリーズ釦の2ndレリーズ時の焦点位置をP5とすると、図3(a)に示す例では、至近側と無限側に均等に焦点位置を変えて、画像を取得している。画像合成する際の基準画像は、例えば、2ndレリーズ時の焦点位置の画像とすればよく、図3に示す例では、画像P5を基準画像とする。
ここで、複数の画像を2つの画像群に分けるとすると、単純に焦点位置の至近側と無限遠側の2つに分ければよく、この場合には、画像P1〜P5と画像P6〜P10の5枚づつに分ければよい。しかし、この分け方で2つに分けた各々で合成処理を進めていくと、それぞれの画像処理回路で生成した2つの合成画像間で位置あわせと抽出する高周波成分の誤差が発生してしまう。結果として、2つ分割して生成した合成画像と、分割せずに順次合成して生成した合成画像とを比べると、分割して生成した合成画像に多重像などの画質劣化が発生する。この多重像は、被写体の輪郭が複数描画されることにより生じる画像である。
この画質劣化は、2つの画像処理回路双方に同一の画像を分配することで、解決できる。この合成用画像が10枚の場合を例とすると、基準画像のP5を2つの画像処理回路双方に分配する複数分配画像とし、画像処理回路Aには、P1〜P5の画像を分配し、画像処理回路BにはP5とP6〜P10の画像を分配する。この場合には、画像処理回路の双方分配する画像の数が均等にならない。図3(b)に示す例では、均等にならない余剰の1枚は無限側に充てている。
なお、図3(b)では、至近側5枚、無限側6枚としているが、至近側を6枚として、画像処理回路Aには、P1〜P6の画像を分配し、画像処理回路BにはP5とP7〜P10の画像を分配してもよい。画像処理回路Aと画像処理回路Bで偏った画像の枚数を分配すると、処理速度改善効果が少なくなるため、同等に近い枚数を分配することが望ましい。
次に、図3(b)に示したように複数の画像を分配した場合の画像合成処理について、図4を用いて説明する。なお、この画像合成処理は、図2のステップS7において実行される。
画像処理回路Aと画像処理回路Bともに、P5を基準画像とし、順次合成を進める。すなわち、画像処理回路Aは、まず基準画像P5と他の画像P4を用いて深度合成処理を行い、次に、深度合成画像P5+P4と画像P3を用いて深度合成処理を行う。以後、順次、画像P2、P1を用いて深度合成処理を行い、合成画像PAを生成する(図5参照)。一方、画像処理回路Bは、まず基準画像P5と他の画像P6を用いて深度合成処理を行い、次に、深度合成画像P5+P6と画像P7を用いて深度合成処理を行う。以後、順次、画像P8、P9、P10を用いて深度合成処理を行い、合成画像PBを生成する(図5参照)。
このように、各々の画像処理回路で生成された合成画像PAとPBを、いずれかの画像処理回路(図4では画像処理回路B)で合成し、最終的な深度合成画像PABを生成する。なお、画像処理回路A、Bにおける深度合成の順番は、上述の通り、基準画像に焦点位置の近い画像から順次合成することが望ましい。
次に、図5を用いて、本実施形態における深度合成のための処理時間について説明する。横軸方向は経過時間を示し、1つの矩形が1回の合成処理時間を表している。また、上段のSは、画像処理回路A(画像処理回路113a)だけで深度合成処理を行う場合を示し、下段のDは画像処理回路A、B(画像処理回路113a、113b)の2つの回路で並列に深度合成処理を行う場合を示している。
上段のSは、10枚の画像を1つの画像処理回路で順次合成する場合を示す。この場合、例えば基準画像と至近側を先に合成し、その後合成画像に順次無限遠側を合成すると、図5に示すように、合成回数は9回である。すなわち、1回目に基準画像P5に対して画像P1を合成し、2回目に合成画像に画像P2を合成し、この後、同様にして順次画像P3〜P4、P6〜P10の画像を合成する。この合成方法によれば、9回分の合成時間となる。
一方、この10枚の画像を2つの画像処理回路(画像処理回路A、画像処理回路B)に分配して合成する場合、それぞれの画像処理回路を並列に動作させて合成処理を進める。この場合には、それぞれの画像処理回路で生成した合成画像と他の画像を画像処理回路で合成し、最終的な合成画像を生成する。
すなわち、図5の下段Dに示す例では、画像処理回路Aと画像処理回路Bに、基準画像P5を共通に配分し、さらに、画像処理回路Aには画像P4〜P1を、また画像処理回路Bには画像P6〜P10を配分する。そして、画像処理回路Aは基準画像P5と画像P4〜P1を用いて深度合成を行い、また画像処理回路Bは基準画像P5と画像P6〜P10を用いて深度合成を行う。
図5に示すように、全ての合成処理が6回分の処理時間で完了している。なお、最後の合成処理を画像処理回路Bで行うようにしていることから、画像処理回路Aで合成された合成画像を画像処理回路Bの回路に転送する時間が必要になるが、ここでは簡単のため省略している。
このように、1つの画像処理回路で合成をするよりも、複数の画像処理回路で合成する方が、並列に合成処理を進められるため、合計の合成時間を短縮できる。また、同一の画像(基準画像P5)を各画像処理回路に分配し、この同一の画像を基準として位置合わせを行って合成処理を行うようにしている。このため、各画像処理回路での基準位置が同一となり、合成画像の品位を落とすこともなく、また並列処理のため合成時間の短縮を実現できる。
図5に示す例では、画像処理回路が2つであるが、3つ以上の画像処理回路を用いても同様に合計の合成時間を短縮できる。特に、深度合成を行うために、取得する画像数(この画像数を総合成画像枚数という)を多くする場合、多くの画像処理回路を用いることで、合成時間の短縮効果を得ることができる。
ここで、図5に示す例のように合成総枚数が偶数毎の場合(画像処理回路Aでは、P1〜P5の合成回数が4回、また画像処理回路BではP5〜P6の合成回数が6回)、ある画像(基準画像P5)を双方の画像処理回路に分配すると、そうしない場合と比較して、全体の合成回数が1回分増える。そのため、画質を優先したい場合、例えば記録画像生成時にこの同一画像分配処理を実施し、一方、処理速度を優先したい場合、例えばライブビュー表示用画像生成時には、この処理をしないというように、処理方法を切り替えても良い(後述する図9のS13参照)。
また、合成する画像が少ない場合(例えば3枚)、2つの画像処理回路で並列処理することによる処理時間の改善効果はないので、処理時間の改善が見込める画像枚数、例えば5枚以上の場合に複数の画像処理回路を利用すればよい(後述する図9のS11参照)。
次に、図6を用いて、複数の画像データを2つの画像処理回路A113a、画像処理回路B113bに分配する他の例について説明する。前述の図3に示した例では、合成の基準とする画像P5が、複数の画像の撮影焦点位置の略真ん中にあった。一般に基準画像はレリーズ釦が全押しされた時(2ndレリーズ時)の焦点位置で撮影された画像である。しかし、実際の撮影では、レリーズ釦が全押しされた時(2ndレリーズ時)には、焦点位置がレンズ駆動可能範囲の至近端や無限遠端近傍に位置する場合もある。
このように、基準画像の焦点位置がレンズ駆動可能範囲の至近端や無限遠端近傍にある場合に、複数の画像データを2つの画像群に分け、それぞれを画像処理回路に分配すると共に、基準画像を両方の画像処理回路に分配し、深度合成画像を生成すると、画質が劣化してしまう。
例えば、図6(a)は、2ndレリーズ時の焦点位置(基準画像の焦点位置)が、合成する画像全体の最至近であり、画像P1とP6を取得した際の焦点位置の間隔が所定間隔L以上離れている場合である。この場合には、画像P1を画像処理回路Aに分配すると共に画像処理回路Bに分配して合成しても、焦点位置が離れているため、適切な合成結果を得ることができない。すなわち、画像P1(基準画像)を取得した焦点位置と、画像P6を取得した焦点位置は、その間隔がLより離れているために、画像処理回路Bにおいて精度よく2つの画像P1、P6の位置合わせ困難である。このため、最終的に生成される深度合成画像の画質が劣化してしまうおそれがある。
そこで、2ndレリーズ時に取得した画像P1(図6(a)の例では、最初、基準画像とした)以外の画像を、複数分配画像に変更し、この変更された複数分配画像を画像処理回路Aと画像処理回路Bの双方に分配する(例えば、後述する図9の25、S27参照)。例えば、画像処理回路Aに分配する画像の中で、画像処理回路Bに分配される画像の中で、画像P1に最も焦点位置が近い画像を選択し(図6(a)の例では画像P6)、そしてこの選択された画像(この例では画像P6)と焦点位置の間隔が所定間隔L以内であり、合成処理を行う際の基準であるP1に近い画像(図6(a)の例では画像P3)を、変更された複数分配画像として画像処理回路Bに分配する。この変更された画像P3は、画像処理回路Aおよび画像処理回路Bの両方に分配されることから、複数分配画像と呼ばれる。
なお、所定間隔Lは、レンズ201の許容錯乱円分の焦点位置間隔を1δとすると、例えば15δとしてもよい。画像P1とP6を取得した焦点位置の差分と、所定間隔Lを比較すればよい。
このように、図6(a)に示す例においては、画像処理回路A、Bに画像P3が分配される。画像処理回路Aにおいて深度合成処理を行う場合には、1回目の合成処理において画像P1と画像P2を位置合わせして深度合成画像を生成し、2回目の合成処理において1回目に生成された深度合成画像とP3を位置合わせし深度合成画像を生成する。以後、同様に画像P4、P5を用いて深度合成画像を生成する。また、画像処理回路Bにおいて深度合成処理を行う場合には、1回目の合成処理において画像P3と画像P6を位置合わせし深度合成画像を生成し、2回目の合成処理において1回目に生成された深度合成画像とP7を位置合わせし深度合成画像を生成する。以後、同様に画像P8〜P10を用いて深度合成画像を生成する。画像処理回路Bにおいて深度合成画像が生成されると、次に、この生成された深度合成画像と、画像処理回路Aにおいて生成された深度合成画像を用いて、最終的な深度合成画像が生成される。この処理手順によれば、それぞれの画像処理回路内において、共通の画像を用いて深度合成処理を行うことから、各回路において生成された深度合成画像を用いて最終的な深度合成処理を行う際の位置合わせの精度がよく、画像の劣化を少なくすることができる。
なお、上述の深度合成の処理手順では、画像処理回路Aと画像処理回路Bにおける基準画像が異なっていたが、両処理回路A、Bにおいて、共通の基準画像(この例では、画像P3)を用いて、深度合成処理を行うようにしてもよい。この場合には、画像処理回路Aでは、1回目の合成処理において画像P3と画像P1を位置合わせし深度合成画像を生成し、2回目の合成処理において1回目に生成された深度合成画像とP2を位置合わせし深度合成画像を生成する。以後、同様に画像P4、P5を用いて深度合成画像を生成する。画像処理回路Bにおける処理と、最終的に深度合成画像を生成する手順については、上述の手順と同じであることから説明を省略する。この処理手順によれば、基準画像が共通しているので、画像処理回路A、Bで生成された深度合成画像の位置合わせを精度よく行うことができ、画像の劣化を少なくすることができる。
画像処理回路Aと画像処理回路Bにおいて深度合成する際の基準画像の選定は、上述したように、両回路において共通させてもよく、また異なる基準画像を選定してもよく、カメラにおいて予めで設計として決めておいてもよい。しかし、撮影条件に応じて、適宜最適な基準画像を自動的に選定するようにしてもよい。例えば、2ndレリーズ時の画像の焦点位置と、所定間隔L等を考慮して自動的に選定するようにしてもよい。
また、一般に2ndレリーズ時にはAF(自動焦点調節)が行われることから、ピントの合った画像、すなわち高周波成分の高い画像を得ることができる。しかし、変更された基準画像の場合には、焦点位置が異なることから、この画像の高周波成分が少なくピンぼけの画像の場合がありうる。このように変更した基準画像が高周波成分を含まない場合は、異なる画像を選択するようにしてもよい。
例えば、撮影画像全体の高周波成分を検出し、その平均値よりも、高周波成分が少ない画像は、複数の画像に分配する画像から除外して選択すればよい(例えば、後述する図9のS29、S27参照)。これにより、画質劣化を抑制して複数の画像処理回路の合成を実施する事ができる。また、基準画像の選択に限らず、深度合成の対象とする画像群から、高周波成分が少ない画像を除外するようにしてもよい。高周波成分の少ない画像は、深度合成処理の際に、採用される先鋭度の高い部分が少なく、これらの画像を除外することにより、処理時間を短縮することができる。
また、基準画像の変更のための判定を簡単にしたければ、例えば、焦点位置が中央の画像(図6(a)に示す例では画像P3)を選択して、画像処理回路Bに分配するようにしてもよい。この場合には、合成の基準画像は、画像処理回路Aでは画像P1、画像処理回路Bでは画像P3とする。つまり、合成の基準画像が画像処理回路で異なる。基準画像の選択が、単に画像群の中で単純に中央にあるということだけなので、選択のための処理時間が短縮することができる。
また、図6(b)の例に示すように、画像P4が合成の基準画像の場合で、画像P4とP6の焦点位置の間隔が所定間隔L以上離れていない場合には、画像P4を画像処理回路Bに分配し、複数の画像処理回路の合成を実施する。この場合には、合成の基準画像は、画像処理回路Aと画像処理回路BともにP4とする。また、例えば、画像P5とP6の焦点位置の間隔が所定間隔L以上離れている場合は、所定間隔L内の中から複数分配画像を選択することができない。位置あわせの精度を向上させるための複数分配画像を選択できないため、例えば、P6に焦点位置が最も近いP5を分配してもよいし、合成処理時間を短縮するために分配画像をなしにしてもよい。
このように、合成の基準とする画像の焦点位置と、各画像処理回路に分配する画像の焦点位置の関係から、合成の基準とする画像を双方の画像処理回路に分配するか(例えば、図6(b)参照)、合成の基準とする画像ではない他の画像を双方の画像処理回路に分配とするか(例えば、図6(a)参照)を設定することができる。後者の他の画像を設定する方法としては、所定間隔Lに基づいて設定する場合と、焦点位置が中央の画像を設定する場合等、適宜、適切な方法を選択すればよい。
したがって、本実施形態においては、焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を選択し(この画像を複数分配画像とも呼ぶ)(図6(a)の例では画像P3、図6(b)の例では画像P4)、この選択された複数分配画像を画像処理回路A、Bに分配し、複数分配画像以外の画像(図6(a)の例では画像P1〜P2、P4〜P5、P6〜P10、図6(b)の例では画像P1〜P3、P5、P6〜P10)は複数の画像処理回路A、Bのいずれかに分配している。このように焦点位置に応じた複数分配画像を選択しているので、位置あわせの精度を確保でき、合成画像の画質劣化を防止することができる。
また、本実施形態においては、基準画像(図6(a)の例では画像P1、図6(b)の例では画像P4)の焦点位置と、隣接する画像群(図6の例では画像処理回路Bに分配される画像群)の中で最も近い焦点位置(図6(a)(b)の例では画像P6)の間隔が所定間隔Lよりも広ければ(図6(a)の例参照)、第1の合成基準画像以外の画像を複数分配画像に選択し(図6(a)の例では画像P3を選択)、一方、焦点位置の間隔が所定の間隔よりも狭ければ(図6(b)参照)、第1の合成基準画像(図6(b)の例では画像P4)を複数分配画像に選択する。このように基準画像の焦点位置と隣接する画像群の中で最も近い焦点位置の間隔に応じて複数分配画像を選択しているので、位置あわせの精度を確保でき、合成画像の画質劣化を防止することができる。
次に、図7を用いて、複数の画像データを2つの画像処理回路A(画像処理回路113a)、画像処理回路B(画像処理回路113b)に分配するさらに他の例について説明する。図3および図6に示した分配の例では、至近側から無限側の焦点位置の略中間位置を境にして、片側を画像処理回路Aに分配し、他の片側を画像処理回路Bに分配していた。この図7に示す例では、各画像の焦点位置の間隔が狭い場合は、合成精度を高めるため、複数の画像処理回路に分配する方法を変えている(例えば、図9のS19、S21、S23参照)。すなわち、図3および図6に示した例では、合成画像の遠近で分割していた。しかし、焦点位置の間隔が、所定間隔L1より狭い場合は遠近交互に分割し、所定間隔L1より広い場合は、遠近で分割、すなわち連続する焦点位置となるように分割している。なお、所定間隔L1は、前述の所定間隔Lとは異なり、例えば3δとすればよい。
図7の上段Tは、フォーカスレンズの焦点位置を変えながら取得した画像を示す。この例では、至近側から無限遠側に向けて、画像P1〜P10が取得されており、画像P5は2ndレリーズ時に取得された画像である。
また、図7の下段Uは、取得した画像の分配先を示す。U1に示す画像P1、P3、P5、P7、P9は、画像処理回路A(画像処理回路113a)に分配され、U2に示す画像P2、P4、P5、P6、P8、P10は、画像処理回路B(画像処理回路113b)に分配される。すなわち、連続して隣接する画像(P1〜P4)と画像(P6〜P10)がそれぞれ別々の画像処理回路に分配され、2ndレリーズ時に取得された画像P5が基準画像として、画像処理回路A、Bの両方に分配される。
このように、図7に示す例では、設定部が、焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔に応じて、複数の画像処理回路のいずれかに分配する画像の割当てを変更している。また、設定部は、焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔と所定値を比較して所定値よりも広い場合には至近側と無限側とで分割し、一方、間隔が所定値よりも狭い場合には、それぞれの焦点位置に応じて交互に分割している(例えば、図9のS19、S21、S23参照)。このため、一定程度の焦点位置の間隔を確保することができ、特に焦点位置の間隔が狭い場合には、各焦点位置が近い画像を用いて合成画像を生成できるので、高画質の深度合成画像を生成することができる。
次に、図8を用いて、画像処理部に3つの画像処理回路A、B、Cを設けている場合について説明する。図8に示す例では、合成用画像として画像P1〜P15を取得し、これらの画像の内、2ndレリーズ時に取得された第1の合成基準画像はP6とする。これらの15枚の画像は、画像処理回路A113aに5枚、画像処理回路B113bに6枚、画像処理回路C113cに6枚と、ほぼ均等に分割している。
ここで、第1の合成基準画像(画像P6)が予め含まれている画像処理回路Bの合成結果を基準として画像処理回路Aと画像処理回路Cの合成結果を合成するため、画像処理回路Bの画像枚数は最大数としておくことが望ましい。また、画像処理回路Aのうち最も画像P6に焦点位置が近い画像P4とP6は所定間隔L内のため、画像処理回路Aにも画像P6を分配する。一方、画像処理回路Cのうち最も画像P6に焦点位置近い画像P11は所定間隔Lの外にあるため、画像処理回路Cには、図6(a)で説明した方法に従って画像P8を分配する。
2つの画像処理回路を使用する場合、複数分配画像(複数の画像処理に分配される画像のこと)は1つであったが、3つの画像処理回路を使用する場合、複数分配画像が2つになることもある。但し、仮に第1の合成基準画像がP8だった場合、画像処理回路Aにも画像処理回路Cにも、画像P8を分配するため、この場合には基準画像として分配する画像は1つになる。画像処理回路1つで15枚の画像を順次合成すると14回分の合成時間がかかるが、本例のように3分割すると7回分の合成時間で合成を完了することができる。
深度合成にあたっては、画像処理回路Aでは第1の基準画像とした画像P6と画像P4を深度合成し、この深度合成画像と画像P3を深度合成し、以後、順次画像P2、P1と深度合成する。また、画像処理回路Bでは第1の基準画像とした画像P6と画像P5を深度合成し、この深度合成画像と画像P7を深度合成し、以後、順次画像P8〜P10と深度合成する。第1の基準画像としたP6と第2の基準画像としたP8を深度合成し、この深度合成画像とP7を深度合成し、以後、P5,P8〜P10と深度合成してもよい。また、画像処理回路Cでは第2の基準画像とした画像P8と画像P11を深度合成し、この深度合成画像と画像P12を深度合成し、以後、順次画像P13〜P15と深度合成する。続いて、画像処理回路Bは、画像処理回路Bで深度合成した画像に、画像処理回路Aで深度合成した画像を用いて深度合成し、さらにこの深度合成した画像と、画像処理回路Cで深度合成した画像を用いて最終的な深度合成画像を生成する。
このように、少なくとも3つの画像処理回路を設け、焦点位置をずらしながら複数の画像を取得し、この取得した複数の画像を3つ以上の画像群に分割した場合に、設定部は、第1の合成基準画像(図8の例では、画像P6)に加えて第2の合成基準画像(図8の例では画像P8)を設定し、各々の画像処理回路で第1の合成基準画像または第2の合成基準画像のいずれを合成基準画像にするかを設定し(図8の例では、画像処理回路Aでは画像P6、画像処理回路Bでは画像P6、画像処理Cでは画像P8)、画像処理回路は、分配された画像のうち設定部により設定された合成基準画像に焦点位置の近い画像から順に合成する。このため、多数の画像を合成処理する場合であっても、3つ以上の画像処理回路で並列処理を行うことができることから処理時間を短縮することができる。また、共通する合成基準を設定して合成処理を行うことから、画像の画質の劣化を防止することができる。
次に、図9に示すフローチャートを用いて、図3ないし図8を用いて説明したステップS3の画像分配設定の動作について説明する。
画像分配設定のフローに入ると、まず、撮影枚数が所定数より多いか否かについて判定する(S11)。前述したように、合成する画像が少ない場合には、複数の画像処理回路で並列処理しても処理時間の改善効果は少ないので、ステップS1において取得した画像の枚数が、処理時間の改善が見込める画像枚数であるか否かを判定する。この判定の結果、撮影枚数が所定数より少ない場合には、取得した画像を分割することなく、このフローを終了し、元のフローに戻る。
一方、ステップS11における判定の結果、撮影枚数が所定数より多い場合には、次に、撮影が画像記録用か、ライブビュー用の何れであるかを判定する(S13)。2ndレリーズ前に行われる画像データの取得はライブビュー用であり、また2ndレリーズ後に行われる画像データの取得は画像記録用である。
ステップS13における判定の結果、ライブビュー用であった場合には、連続的にN群に分割する(S15)。ここでは、合成用の基準画像を設定することなく、ステップS1で取得した画像を、至近側から無限遠側に、画像処理回路の数(N)に応じて、単純にN群に分割する。分割数Nは、撮影者が手動で設定してもよく、画像データを取得する焦点位置の範囲等に基づいて自動的に設定してもよい。画像の分割を行うと、画像分配設定のフローを終了し、元のフローに戻る。ライブビューで深度合成表示を行う場合には、ステップS7において、ここの画像処理回路毎に深度合成処理を行い、最後に個々の深度合成画像を更に深度合成処理を行い、表示部141に表示する。
一方、ステップS13における判定の結果、画像記録用であった場合には、基準画像の設定を行う(S17)。一般的には、2ndレリーズ時に取得した画像を基準画像(第1の合成基準画像)として設定する(例えば、図3、図6、図7、図8参照)。しかし、基準画像としては、これに限らず、複数の画像の中で、至近側から無限遠側の間の焦点位置の中で略真ん中の焦点位置等、適宜、決めるようにしてもよい。
ステップS17において基準画像を設定すると、次に、複数分配画像を設定する(S18)。複数分配画像は、前述したように、複数の画像処理回路113a、113b等に分配される画像である。このステップで基準画像を複数分配画像として設定しても、後述するステップS23、S27において、複数分配画像が変更されることがある。
基準画像の設定を行うと、次に、焦点位置間隔が所定間隔L1よりも広いか否かについて判定する(S19)。深度合成画像の生成のために、複数の焦点位置において画像データを取得するが、複数の焦点位置は、前述したように、ステップ1(図2)において、撮影者による手動設定や、また絞り・焦点距離・焦点位置などの撮影条件に応じて自動設定される。このステップでは、図7を用いて説明したように、複数の焦点位置の間隔と所定間隔L1を比較し、比較結果に基づいて判定する。
ステップS19における判定の結果、焦点位置間隔が所定間隔L1よりも広い場合には、連続的にN群に分割する(S21)。この場合には、図3(b)、図7、図8等に示したように、ステップS1で取得した画像を、至近側から無限遠側に、画像処理回路の数(N)に応じて、単純にN群に分割する。分割数Nは、撮影者が手動で設定してもよく、画像データを取得する焦点位置の範囲等に基づいて自動的に設定してもよい。
一方、ステップS19における判定の結果、焦点位置間隔が所定間隔L1よりも狭い場合には、遠近交互でN群に分割する(S23)。この場合には、図7の下段Uに示したように、焦点位置で交互に画像を分け、一方を画像処理回路A、他方を画像処理回路Bに振り分ける。既に設定されている複数分配画像は画像処理A、B双方に振り分けられる。なお、画像処理回路が3以上の場合にも、同様に、1番目の焦点位置の画像を画像処理回路Aに、2番目の焦点位置の画像を画像処理回路Bに、3番目の焦点位置の画像を画像処理回路Cに、・・・N番目の焦点位置の画像を画像処理回路Nに振り分け、以後、順番に画像を画像処理回路に振り分けていく。画像の分割を行うと、画像分配設定のフローを終了し、元のフローに戻る。
ステップS21において、連続的にN群に分割すると、次に、基準画像の焦点位置から、隣の画像群の中で最も近い焦点位置が所定間隔L以内か否かを判定する(S25)。ここでは、図6を用いて説明したように、基準画像(ステップS17において設定)から、基準画像が含まれる画像群の隣の画像群の中で、最も基準画像に近い画像までの間隔が、所定間隔L以内であるかについて判定する。この判定の結果、基準画像の焦点位置から、隣の画像群の中で最も近い焦点位置が所定間隔L以内である場合には、基準画像を複数分配画像に設定してから、画像分配設定のフローを終了し、元のフローに戻る。
ステップS25における判定の結果、基準画像の焦点位置から、隣の画像群の中で最も近い焦点位置が所定間隔L以内でない場合には、複数分配画像を変更する(S27)。図6(a)を用いて説明したように、最初に設定した基準画像の焦点位置が、隣の画像群の中で最も基準画像に近い画像の焦点位置から離れている場合には、最終的に得られる深度合成画像の画質が劣化することから、異なる焦点位置の画像を複数分配画像に変更する。この複数分配画像の変更は、隣の画像群の中で最も基準画像に近い画像の焦点位置から所定間隔L内の焦点位置にある画像を選択することにより行う。
また、ステップS27において、画像処理回路が3以上、設けている場合には、図8を用いて説明したように、2番目の画像処理回路Bと3番目の画像処理回路Cにおいても共通の画像を基準画像となるように設定する。
基準画像を変更すると、次に、複数分配画像の高周波成分が所定値より小さいか否かについて判定する(S29)。前述したように高周波成分が少ない画像はピンボケの画像であることが多く、深度合成処理を行う際の基準画像としては相応しくない。そこで、このステップでは、変更された複数分配画像の高周波成分が所定値より小さいか否かを判定する。
ステップS29における判定の結果、複数分配画像の高周波成分が所定値より小さい場合には、ステップS27に戻り、複数分配画像を再度変更する。この場合には、前述の条件、すなわち、隣の画像群の中で最も基準画像に近い画像の焦点位置から所定間隔L内にある画像の中から選択する。なお、画像処理回路が3以上、設けられている場合、複数の基準画像のいずれかが高周波成分が少ない場合には、高周波成分の少ない基準画像について再変更を行う。
一方、ステップS29における判定の結果、基準画像の高周波成分が所定値より小さくない場合には、画像分配設定のフローを終了し、元のフローに戻る。
このように、画像分配設定のフローでは、基準画像を設定し(S17参照)、また複数の画像をN群の画像群に分割し、分割された画像群について、基準画像の焦点位置から、隣の画像群内で基準画像に最近接する焦点位置が所定間隔L内でない場合には、複数分配画像を変更している(S25、S27参照)。ここで選択された複数分配画像は、複数の画像処理回路に共通に分配される。複数分配画像が複数の画像処理回路に共通に分配され、合成処理の際に使用されることから、画質の劣化を防止することができる。
なお、画像分配設定のフローにおいて、各処理ステップは、適宜省略してもよく、また必要に応じて、処理ステップを追加してもよい。また、手順は、図9のフローの記載以外にも、適宜変更してもよい。
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、焦点位置の異なる複数の画像を取得し(例えば、図2のS1参照)、複数の画像処理回路に焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定し(例えば、図2のS3、S5参照)、この複数の画像の分配にあたっては、焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像とし複数の画像処理回路に分配し、複数分配画像以外の画像は複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当て(例えば、図3、図6、図7、図8、図9のS25、S27等参照)、複数の画像処理回路のそれぞれにおいて、焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成している(例えば、図2のS7、図4、図5等参照)。共通の複数分配画像が画像処理回路に分配されて、合成処理に使用されることから、画質が劣化することなく、かつ短時間で深度合成処理ができる。
なお、本発明の一実施形態においては、合成処理として、深度合成処理を行う場合について説明したが、合成処理としては、これに限らず、画像の背景部分を検出し、背景に焦点位置が異なる画像を合成する事で、背景のぼけを大きくする効果を得る合成など、焦点位置を異ならせて行う合成処理であれば適用することができる。
また、本発明の一実施形態においては、高周波成分検出部111、画像処理部113等を、マイクロコンピュータ131とは別体の構成としたが、各部の全部または一部をソフトウエアで構成し、マイクロコンピュータ131内のCPUによって実行するようにしても勿論かまわない。また、設定部133等、種々の機能をマイクロコンピュータ131がプログラムによって実現するとして説明したが、ハードウエア回路等によって実現するようにしてもよい。また、設定部133、高周波成分検出部111、画像処理部113等は、ハードウエア回路や部品単体の他、CPUとプログラムによってソフトウエア的に構成してもよく、ヴェリログ(Verilog)によって記述されたプログラム言語に基づいて生成されたゲート回路等のハードウエア構成でもよく、またDSP(Digital Signal Processor)を利用した回路で構成してもよい。これらは適宜組み合わせてもよいことは勿論である。
また、本発明の一実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもミラーレスカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、ゲーム機器等に内蔵されるカメラ、医療用カメラ、自動車搭載用カメラ、監視用カメラ、デジタル顕微鏡等のように対物レンズと被写体の固定されたステージとの距離を調整して合焦位置を調整する構造の科学機器用のカメラでも構わない。いずれにしても、複数の画像を合成処理する撮影のための機器またはソフトウエア等であれば、本発明を適用することができる。
また、本明細書において説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。
また、本発明の一実施形態においては、フローチャートを用いて、本実施形態における動作を説明したが、処理手順は、順番を変えてもよく、また、いずれかのステップを省略してもよく、ステップを追加してもよく、さらに各ステップ内における具体的な処理内容を変更してもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100・・・カメラ本体、101・・・メカニカルシャッタ、103・・・撮像素子、105・・・アナログ処理部、107・・・A/D変換部、110・・・バス、111・・・高周波成分検出部、113・・・画像処理部、113a・・・画像処理回路A、113b・・・画像処理回路B、131・・・マイクロコンピュータ、133・・・設定部、135・・・フラッシュメモリ、137・・・SDRAM、139・・・記録媒体、141・・・表示部、199・・・I/F、200・・・交換式レンズ、201・・・撮影レンズ、203・・・絞り、205・・・ドライバ、207・・・マイクロコンピュータ

Claims (11)

  1. 焦点位置の異なる複数の画像を取得する撮像部と、
    上記焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成する複数の画像処理回路を有する画像処理部と、
    上記複数の画像処理回路に上記焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定する設定部を有し、
    上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像とし上記複数の画像処理回路に分配し、上記複数分配画像以外の画像は上記複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当てを設定することを特徴とする撮像装置。
  2. 上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像の中から合成の基準とする第1の合成基準画像を設定し、上記第1の合成基準画像が分配されていない画像処理回路に分配された上記焦点位置の異なる複数の画像のうち上記第1の合成基準画像に最も近い焦点位置の画像と上記第1の合成基準画像との焦点位置の間隔に応じて、上記複数分配画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記設定部は、上記焦点位置の間隔が所定の間隔よりも広ければ、上記第1の合成基準画像以外の画像を上記複数分配画像に選択し、一方、上記焦点位置の間隔が所定の間隔よりも狭ければ、上記第1の合成基準画像を上記複数分配画像に選択することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 上記設定部は上記複数分配画像を第2の合成基準画像と設定し、上記画像処理回路各々で上記第1の合成基準画像または上記第2の合成基準画像のいずれを合成基準画像にするかを設定し、上記画像処理回路は、分配された画像のうち上記設定部により設定された上記合成基準画像に焦点位置の近い画像から順に合成することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 上記焦点位置の異なる複数の画像の高周波成分を検出する高周波成分検出部をさらに有し、
    上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの高周波成分と閾値とを比較した結果に基づいて上記複数分配画像を選択することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  6. 上記閾値は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの高周波成分の平均値に基づくことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔に応じて上記複数の画像処理回路のいずれかに分配する画像の割当てを変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 上記設定部は、上記焦点位置の異なる複数の画像のそれぞれの隣り合う焦点位置の間隔と所定値を比較して所定値よりも広い場合には至近側と無限側とで分割し、一方、上記間隔が上記所定値よりも狭い場合には、それぞれの焦点位置に応じて順番に分配することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 上記合成画像を記録するための記録媒体と、
    上記合成画像を表示するための表示部をさらに有し、
    上記設定部は、上記合成画像を記録媒体に記録する場合に上記複数分配画像を上記複数の画像処理回路に分配し、上記合成画像を上記記録媒体に記録せず上記表示部に表示する場合には上記複数分配画像を上記画像処理回路のいずれかに分配するように割当てを設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  10. 焦点位置の異なる複数の画像を取得し、
    複数の画像処理回路に上記焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定し、
    上記複数の画像の分配にあたっては、上記焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像とし上記複数の画像処理回路に分配し、上記複数分配画像以外の画像は上記複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当て、
    上記複数の画像処理回路のそれぞれにおいて、上記焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成する、
    ことを特徴とする撮像方法。
  11. 撮像装置内のコンピュータに、
    焦点位置の異なる複数の画像を取得し、
    複数の画像処理回路に上記焦点位置の異なる複数の画像を分配する割当てを設定し、
    上記複数の画像の分配にあたっては、上記焦点位置の異なる複数の画像のうち少なくとも1つの焦点位置の画像を複数分配画像とし上記複数の画像処理回路に分配し、上記複数分配画像以外の画像は上記複数の画像処理回路のいずれかに分配するように割当て、
    上記複数の画像処理回路のそれぞれにおいて、割り当てられた上記焦点位置の異なる複数の画像を合成して合成画像を生成する、
    ことを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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